もう今回のリマスターについて書くつもりはなかったが、ある面白い記事を読んだのでもう少し書く。
山下達郎が、今度旧音源をリマスターしたベスト盤を出すのでインタビューに答えているのだけれど、
ここの前半部分を読むと、「リマスターはそもそも何なのか」「リマスターは何を目指すべきか」ということが縷縷述べられている。
http://www.hmv.co.jp/news/article/1208200027/ >僕が10年前にRCA/AIRイヤーズの音源をリマスターした時に、確かHMVのセールスの男の子に
>「山下さんのCDってどうして音が小さいんですか?」っていう質問を受けた事があるのね。
>僕のRCA時代、特に70年代の音楽は“空間構成が生命”なんですよ。そりゃ、どんどん音圧を上げてって、
>後ろの音を前に出すと確かに“音の壁”にはなるんですけど、「RIDE ON TIME」が「RIDE ON TIME」じゃ無くなっちゃう。
>“空間構成”とか“遠くのエコー感”とかそういうものが「RIDE ON TIME」なのであって。それは似て非なるものなんですよね。
>そういうリマスタリングは、たくさんありますよ。プログレとかでもね。ピアノがピアノじゃなくなって、音のポジがなくなるんですよ。
>最初のギターの弾き語りからいきなりガーッと入ってくる。今のバンドものってみんなそうでしょ?
>なぜかと言えば、勝とうとするんですよ、音圧で。
>何に勝とうとしてるのか解らないけど(笑)どんどんエスカレートするんですよね。もっと大きく、もっと大きく。