錆びついた〜の中に出てくる「出会えた奇跡」にしても、「星の巡り合わせ」にしても、実に都合の良い表現だと思うんだ。
だって、そう言っていれば浮気や不倫、果ては一夜限りの関係まで、全部正当化できてしまうわけだから。たとえ何十人、何百人と付き合って遊んでいるような人間でも、その言葉を使えば正当化できてしまうことになる。
この人がどういうつもりで言っていたのかは知らないが、そういうことを全部正当化できてしまうような話を、「一途な愛がちゃんと受け入れてもらえる世界にいたい」と思っている人間がするはずないんだよね。
ちなみに、一途な愛こそ美化したものだと言う人がいるかもしれないけど、それは大きな間違い。何故なら、一人の相手を愛し続けることは、複数の相手と恋愛を繰り返すことより、よっぽど難しいことだから。
だからこそ、時代に媚びることなく若いうちから堂々と一途な愛の話をしていたこの人の言葉には価値があったし、その姿勢も最大限に評価していたのだが。
それが何の意味もなかったということが分かったら、そりゃ興醒めもしますよ、まだ子供なのだから。