【Long Good-bye】浅川マキ【DARKNESS】
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伝説の名無しさん:
東京の事務所社長と浅川の電話。社長は怒っている。寺本氏は、
君が行くことになったから、と俺に言った。安心してたのにどういうことだ!と言う。浅川はこの
時に、寺本さんが、私に、自衛隊に行きなさい、と言いたがっていたことがはっきりする。結局、
代わりの歌手がヘリで送られてきて、浅川は地元の放送局プロデューサーが医者の診断書を用意
してくれて、自衛隊に同行はするが急病を理由に唄わなかった。しかし不審な感じが残る。バー
でお酌をしてまでレコードを買ってもらっても本当に売れたことにはならない、そう言ってくれ
たのは寺本さんではないか。その寺本さんが、どうして私に、自衛隊の給料日に自衛隊に行けと言
うのか。浅川は不審になる。東京に戻り、しばらくして浅川の所に寺本さんから電話がくる。僕も
会社を辞めるよ。君と同じに。と言う。来てほしいと言われて行った場所で寺本さんはしこたま
酔っていた。契約書を出して、1年だけさ、必ず僕が自由にする、それは保証する、と言った。そう
いう話ですね。その最後に、あなたは酔わずには来れなかった、とある。自分の主義と会社の軋轢。
間にいる人間。その人間は歌手の拘りは分かっていてでも歌手がこの世界で生きていけなくなる
のは止めたい。どこかあと、浅川にとって、寺本さんというプロデューサーはプロデューサーと
同時に「男」なのね。浅川は「女」でね。だから仕事仲間と同時にどこかで「男と女」だっていう。実際
に付き合うかは別にね。相手の荒れる様や微妙な感情に敏感で、それが『幻の男たち』の特徴だと
思う。