【Long Good-bye】浅川マキ【DARKNESS】

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207伝説の名無しさん
 寺本さんとは、浅川の最初に所属した原盤制作レコード会社の社長だった。あんた、顔がもっと
良ければねえ、と言われたり、他の歌手に比べ、お荷物になってることに気付く浅川を何度となく
励ましてくれた。その原盤制作歌手が解散して、次の事務所でも寺本さんとは一緒だった。
 千歳の自衛隊にいくキャンペーンとはこの時代のこと。事務所の方針ーレコードを売るために
はどんな合わないと思う取材もキャンペーンもやるべきーという方針、私の歌を本当に聴きたい
人が買うのでなければ意味がない、という浅川との間で軋轢があった。自衛隊員は給料が出る
日によくレコードを買ってくれる。だから自衛隊キャンペーンは欠かせない。浅川が我が儘言う
のは許さない。そういう立場。この時寺本さんは浅川に、君の好きにすればいい、但し、行かなけれ
ば今、君の周りにある事務所、レコード会社との関係は全て終わりになる。それを踏まえ決めれば
いい、と言った。結局、浅川はどっち付かずの気持ちのまま、事務所の人間と、
千歳へ向かう。着いた夜、宿舎で事務所の人間が、明日はどうするの?と聞いた。や
っぱり行かない、と浅川は言う。