長森瑞佳はどう?

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82来栖川萌え@梓もね
>>41の続き
庭森−32

夜の高速を飛ばす。
お互い無言のまま流れる景色を見つめる。
どんなにつらくても、どんなに悲しくても時間は過ぎていく。
そしていつまでも同じ場所にはいられない。
明日になれば俺は会社に行かなければならないし、長森には学校がある。

例えば医者に残りの寿命を告げられた時、平静を保っていられるだろうか?
きっと駄目だ。
自暴自棄になるのが目に見えている。
だけど長森は、これから何が起こってもいつもと同じように暮らしたいと言った。
俺なんかよりずっと強い娘だと思う。

「着いたぞ。忘れ物するなよ」
「うん、長い時間ご苦労様」
「ぼろい車で疲れたろ」
「帰りは早かったからそれほどでもないよ」
「ほらっ、部屋の鍵。俺の荷物を入れておいてくれ」
「浩平は?」
「車を駐車場に戻してくる」
「それじゃ先に戻ってるね」

「安い駐車場だけど部屋から遠いのが欠点だな」
がちゃ
「ただいま」
「こーへー、おそいぞー」
「ああっ、俺のビール!!」