長森瑞佳はどう?

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40来栖川萌え@梓もね
>>32の続き
庭森−30

「夕日が綺麗だね」
「悪いな、結局夕方になっちまって」
「ううん、楽しかったよ。それにちゃんと海まで来れたもん」
「なんとかな」
「ねえ、浜辺まで下りてみない?」
「それなら車を止めてくるよ」
「うん」

さくさく・・
靴を脱いで浜辺を歩く。
時々寄せる波で足が濡れる。
冷たくて気持ちがいい。
長森はふと立ち止まって水平線を眺める。
「空が真っ赤だよ」
「そうだな」
「ほらっ、星も見えてきたよ」
「なあ、長森」
「なに?」
「何か話したい事があるんじゃないのか?」
長森の表情が一瞬曇る。
「言ってみろよ。力になれるかもしれないだろ」
「ありがとね。心配してくれて」
「普段散々世話になってるしな」
長森は、にっこり笑った後にまた黙ってしまった。
俺は長森の唇が動くのを待った。
少しの沈黙がやけに長く感じられる。