「はあー…」
「溜息なんてついて何か悩みでもあるんですか?」
「実は佐祐理に弟が出来たんです」
「それはおめでたいですね。でも随分歳が離れていませんか?」
「6つ離れています」
「6つ? 養子をとったとか?」
「いえ、お父様が妾に産ませた子供です」
「はあ・・・」
「この間、妾の方が亡くなって子供はうちで引き取る事になったんです」
「それで弟がなついてくれないとか?」
「とてもなついています。お姉ちゃん、大好きと言ってくれます」
「性格に問題があるとか?」
「とんでもない、本当にいい子なんですよ。まるで天使のようです」
「それなら頭が悪いとか外見に問題があるとか?」
「頭は学年で1番だし、すっごくかわいいんです」
「それなら佐祐理さんは、なんで悩んでいるんですか」
「一弥の事もあったので今度は好きなようにかわいがろうと思ったんです」
「ああ、前に話してくれましたね」
「そして思った通りにかわいがりました。食事も一緒、お風呂も一緒、寝るのも一緒です」
「おいおい」
「本当にかわいくて、かわいくて、かわいくて・・・」
「かわいくて?」
「好きになってしまいました」
「えぇ!!」
「弟なのに大好きになってしまったんです。あの子の事を考えるだけで胸が熱くなるんです」
「・・・弟を好きになるなんて佐祐理、変」
「やっぱり舞もそう思う? ああ、神様。佐祐理はいけない娘です」
「重度のブラコンだな。合掌」
「蜂蜜熊酸」
「神様、禁断の愛に踏み込む佐祐理をお許しください」