あ…どうやら、ちょっぴり気を失っていたみたいです。
しかし、過酷な現実は容赦無く佐祐理を引き戻し、再び責め苛みます。
「あ、熱…」
おなかの奥の方がすごく熱い、あついです。
眉を顰めると涙があふれて、視界がじわりと滲みます。
体じゅう、何だかびりびりして…もう、何も考える事ができません。
指先が震えて、それでも、途切れそうな意識を必死になって繋ぎとめます。
だめ…集中しなくちゃ…
「佐祐理さん、お願いだよ…口、あけて」
あ…祐一さん。はい、わかっています。
そんなに切なげに訴えかけて来られたら、その気持ちを裏切ることなんて
できるはずがありません。
佐祐理みたいなちょっと頭の悪い子でも、祐一さんが望むなら何だってできます。
…して、みせます。
「…もうやめさせて、祐一。佐祐理には無理」
…舞、そんな不安そうな顔をしないで。佐祐理は、大丈夫だから。
溜まった唾をこくりと嚥下すると、小さな口を精一杯あけて、火照りきったそれを
思いきってほおばります。
苦しいけど、祐一さんの為だから…祐一さん、こっち見てる…。
「ん、んむんっ…は…ぁっ」
おなかが…はっ、は、はああ……
佐祐理のあられもない姿を、こんなに多くの人たちに見られて…
カメラにまでうつされて…
もう、佐祐理はお嫁に行けません。
「……全部飲みこんで、佐祐理さん!」
「っっ!!」
(あ…こんなに…っ)
ゆういちさん、まい…
さゆり、少しはお役に立てたでしょうか…
審判「……OK!炎天下激辛料理早食い対決は相沢チームの勝利だ!」
祐一「やった!これで部屋を借りる資金ができたな!!」
舞「832903」