倉田佐祐理は我らが女神!

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219お花屋
バキッ
香里は手刀で机をへし折った
「ヒッ、美坂さん」
「ふ〜ん、威張ってる割にたいしたことないのね、ここの生徒会は」
木刀を担いだ北川が現れた
「こんなもんだろう、なあ久瀬サン?違うか?」
「所詮、お坊ちゃんお嬢ちゃんのガッコというわけね」
「美坂さん、誤解しないでくれ。僕は女性には手を上げない主義…ぐふっ」
久瀬は香里に襟首を締め上げられる。
「ごたくはいいわ…強い奴はもういないというわけね?」
「いや…」
「はっきり言いなさいよ。いるの?いないの?」
突き飛ばす
「ごほごほ…いる。それも化け物のような奴らが」
「ほお…教えて貰おうか?久瀬サン?」
「上級生だ、二号生筆頭代行…川澄舞」
「遂に鬼の二号生のお出ましというわけ?(藁」
香里はせせら笑った。
「でも一号生筆頭がこんなハッタリ野郎じゃなあ…知れてるぜ」
「そうね、でも少しは骨があるかも(くるり」
「行くのか?」
久瀬は香里に取りすがった。
「やめてくれ!代行に逆らうなんて恐ろしいことは、どうか…」
バキッ
「さわらないで下さる?」
「おまえら、殺されるぞ!頼むからやめてくれ。死人がでたら…」
「はん、心配しなくても手加減ぐらいしてやるさ。なあ香…いや美坂(汗」
「そうね」
香里は謎めいた微笑を浮かべた。
220お花屋:2001/07/03(火) 01:20
「ここが二号生の…」
「まあ、普通だな…古いが」
がらりっ
「あはははーっ、舞の番ですよー」
やけに明るい笑い声が耳を打つ
教室に居るのは二人の少女だけで、他に誰もいない
「どうやら間違えたようだな」
「そうかしら」
香里たちに気が付いた女の子が笑いかけた
「あはははーっ何の御用ですかー」
「二号生筆頭代行…川澄さんていう方をご存知かしら」
「ふぇー舞はここにいますけど。お友達?」
「…知らない」
がたっ。舞が立ち上がる。
「そう、あなたが代行なの?」
「それなら話が早い。おれ達と勝負してもらおうか」
「…新入生?」
「あははーっ、物騒ですねえ」
「もう久瀬は倒した。次はあんたら二号生だ」
「…命の保障はしないけど」
舞は剣を抜き放った。
「…逃げるか、抵抗するか。選んで」
「ほお?真剣か…」
「久々ね。得物を使うのは」
香里はガチャリと重い金属製のメリケンナックルを嵌めた。
ガチッ
楽しげに拳を打ち合わせる
「長物相手では不利だ。ここはおれにやらせて貰おうか?」
北川は、木刀に見せ掛けた仕込み刀をスラリと抜いた
「ま、いいわ」
香里は肩をすくめる。
「さて」
221お花屋:2001/07/03(火) 01:20
北川は日本刀を、舞の鼻先に突き付ける。
「女がドスなんぞぶら下げやがって、おれにコイツの使い方を教えてほしいのか?」
舞が、すこし不思議そうな顔をして刀を見つめた
「あはははーっ、舞やっちゃてください」
「うるせえ!」北川の怒声が響いた「せっかく美人に生まれたんだ、その顔にキズが付いたら惜しいだろ。嫁の貰い手がなくなるぞ?あん?」
舞はゆっくり刀を払いのける
「舞、手から血が」
「…構わない」
舞が剣を構え直す。
「ふん、竹刀剣術か?どこかで習ったな?」舞はぴくりとした「さしずめ、北辰一刀流の流れか?図星だろう?」
一刀流は江戸時代、全盛を極めている。しかし一刀流百八派は殺人剣で、限られた身内のみで伝えてきた。千葉周作はその一つ浅利流の婿に入り、皆伝を得て北辰一刀流を興し、竹刀剣術の祖となる。
「…だが、竹刀剣術は撃ちが浅い。そうだな?」殺人剣では、腕力による撃剣の速さが全てであり、素質を重視する。「ましてや女だ。男に敵うとでもおもっているのか?」
北川は鼻で笑った。
「…行くぞ」
「キシャッ―――――−−−−!」
バキーン!!
「うああっ!」
北川は尻餅をついた。
手にした日本刀が、見事に曲がっている。
「…弱い」
「あはははーっ、舞の勝ち!」
「…刀は折れない代わり、細くて曲がり易い」
「なるほど、それで剣なのね」
香里がメリケンをガチッと打ち合わせた。
「先輩。一号生美坂香里。いきます…」
「…来い」