倉田佐祐理は我らが女神!

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165vsみしお その2
「いたたたた」
「佐祐理、大丈夫」
 そう言って雪の上にへたり込むわたしに手を貸してくれる。
「う、うん。ありがとう、舞」
「佐祐理」
「なっ、なーに、舞?」
「委員のお仕事はもういいの?」
「あ、そ、それがね、すぐ終わっちゃったんだー」
「…そう」
「だ、だから急いで舞を追いかけてきたんだよーっ」
「……佐祐理」
「はっ、はいっ」
「それで、電柱にぶつかったの……」
「あ、あははーっ。慌てすぎて滑っちゃったんだーっ」
「気をつけないと」
「う、うん。ごめんね」

 どうやら盗み聞きしていてことは、ばれていないらしい。
 しかし、落ち着く暇も無くあの女の子の視線を感じ、そちらに目をやる。
 表情ひとつ変えずに、わたしと舞を見ている。
 見つめ合っていてもしょうがないので、一呼吸おいて話しかける。

「はじめまして。わたし、3年の倉田佐祐理といいます。あなたは1年生ですよねー?」
「はい、天野美汐といいます」
「天野さんですかー。あ、ところでまいとはどういったお知り合いなんですかー?」
「まい?」
「はぇ?この子のことですよーっ」
「お名前、まだ伺ってませんでしたので」
「あははーっ、そうだったんですかー。
 この子は川澄舞といって、わたしは彼女の友達なんですー」
「はい」
「それで天野さんは舞とはー……」
「今、あったばかりです」