葉鍵聖戦 3rd Period

このエントリーをはてなブックマークに追加
「……お姉ちゃん?」
 知らない場所にわたしは居ました。
「……お姉ちゃん、どこなの?」
 もう一度呼びかける。
 それでも返事がなくてわたしは戸惑いました。
「もしかして……」 
 最悪の展開が脳裏を横切る。
 優しいお姉ちゃん。
 いつでも一緒だったお姉ちゃん。
「お姉ちゃん……」
 鼻の先が震える。今にも『わんわん』泣きたくなってくる。
 悲しい。とても悲しい。
「お姉ちゃん! どこ!? お願いです! もう、もう――独りにしないで下さい!」
 歩く。ただひたすら歩く。お姉ちゃんの姿を追い求めて。
 でも、突き当たった部屋の角で……わたしは見てしまった。
 そこにある、絶望を……。
「お、お姉ちゃん!」
 最初は時間がなかった。でも手で触れて、冷たくて、わたしは理解した。
 ――したくなかった。
 本当は理解なんて出来なかった。
 お姉ちゃんが死んだなんて信じたくなかった。
 だから……。
『永遠はあるよ……』
『ここにあるよ……』
 白いワンピースを着た女の子がわたしの目の前に現れた。
 でも、それはわたしの望んでいた言葉じゃない。
 女の子は、そっと微笑んでこう言った。
『友里、お姉ちゃんと一緒に行こうか?』
「うんっ!」
 それが永遠の始まり……。