葉鍵板でエロゲーつくらない?

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465名無しさんだよもん
オープニング案2:主人公はキャリア数年の現役ヒッキ−という設定で

懐かしい響き。

「もしかして、○○君…?」

ほんの気まぐれ、連日の熱帯夜にたまにはPCを休ませてやろうと、久々に外に出た俺にかけられた、どこか怯えたような、そしてなにか安心させる声。

「………?」

反応が遅れたのは他でもない。呼ばれた名前が自分のものであるということを忘れていたからだ。
「名無し」として過ごす数年の生活は、俺を本当の「名無し」に変えつつあったようだ。

「………」

ふと見ると、俺に声をかけてきた少女が不安げに俺を見つめている。
それで、俺はまだ返事をしていないことに気付いた。

「焼肉定食?」

ふと口をついた言葉は、おおよそその場に似つかわしくないものだった。
会話ボケといっても、これは逝きすぎだ。
しかし、少女の反応は、俺の予想を超えるものだった。

「○○君、私のこと覚えててくれたんだぁ…」

そんな、些細なことで涙ぐむほど喜ぶ少女。それで、思い出した。
昔、俺の背後をちょろちょろと付いて来てた女の子のことを。
そして、俺は、本当にわずかな間だけだが、昔の俺に戻ることが出来た。


「それじゃ…」

「おう、気をつけて帰れよ」

それから、二言三言たわいのない言葉を交わし、俺達はそれぞれの帰途についた。
彼女は日常の世界へ。俺は閉ざされた自分だけの空間に。
もうお互い会うこともないだろう。

彼女のあの言葉がなければ。
俺を自分で作り上げた牢獄から解放したあの言葉がなければ。

「でも、ちょっと嬉しかった…○○君、全然変わってないんだもん」