「いつだってだーまえのことが心配だよ」麻枝スレ#3

ＫＥＹスタッフインタビュー

（略）
プロデューサーの麻枝氏は急な出張でお会いすることができなかった。
（略）

――　まずは今回の移植についてお願いします。
涼元　最初はみんな乗り気じゃなかったんですよ。
樋上　そうそう。特に麻枝君なんか猛反対だったよね。「ＡＩＲは１８歳以上
　　　　を対象にして書いたんだ！」って。
折戸　けど、最終的にＰＣ版ではやり残したこともあるからやろうってことに
　　　　なったんだよな。
樋上　移植が決定すると麻枝君凄かったよね。「新しいＡＩＲをつくる」って、
　　　　無茶苦茶やる気出してさー。
涼元　「シナリオ書き直しだー！」って叫んでましたね。ですから今回は移植
　　　　というより再構成という感じです。
――　ＤＣ版、全年齢版はＰＣ版と全くの別物ということですか？
涼元　そうですね。ＰＣ版と共通してるのはシナリオでいうと『空の少女』と
　　　　いうキーワードぐらいかな。
折戸　時間的な都合もあって音楽はほとんど手を入れられなかったけど、ＯＰ
　　　　テーマはシナリオのイメージに合うように新しく作り直した。
樋上　私も立ち絵は無理だったけど、イベントＣＧは全部描き直したよ。

――　移植作業で大変だったことは何ですか？
折戸　大変だったこと……そういえば食事関係が大変だったかな。
涼元　コンビニ弁当も最初のうちは良かったけど、最後の方はもう見るのも嫌
　　　って感じになりましたね。
樋上　私なんか魚肉ソーセージばっか食べてたよ。
折戸　かといって、外食するにしても近所の食堂にはトムヤムクンしかおいて
　　　ないんだよなあ。
――　すごい食生活ですね。
涼元　そのせいって訳ではないでしょうけど、ゲームでの食事シーンは力入っ
　　　てますよね。音とか絵とか。
樋上　みんな食べたい物のＣＧを描いてたんだよね、茄子味噌炒めとか、モツ
　　　煮込みとか。そんなに描いても全部は使えないのにね。
折戸　Ｎａ−Ｇａなんか鮒寿司ばっかり１０枚ほど描いてたぞ（笑）。音に関
　　　していえば臨場感を出すために専門店の厨房に機材持ち込んで録音した
　　　よ。水で機材が壊れたりとかハプニングだらけだったけど、その甲斐あ
　　　ってなかなかの仕上がりだと思う。
涼元　凄いとは思ってたけど、あれって実際の音使ってたんですか。

――　それぞれ好きなキャラは誰ですか？
樋上　私は所納三。ほんのチョイ役なんでけど、クールで好きだなあ。
涼元　手前味噌ですいませんが、僕は神奈が類型的なヒロインにならなかった
　　　　のを自分でも評価してます。語尾に変な言葉をくっつけてキャラの書き
　　　　分けでござい、ってゲームが多すぎですからね。
折戸　やっぱり、晴子かなあ。久川さんの熱演が光ってるし。「そのもずくは
　　　　ウチのや！」ってセリフでメーター振り切れてたよ（笑）。
樋上　久川さん凄いよね。「騙されたらアカン！　パンダってホンマは怖い顔
　　　　しとんねんで！！」はイメージ通りで笑っちゃった。
涼元　そういえば、麻枝さん久川さんの演技にあわせて後半のシナリオ書き直
　　　　してましたよ。
――　好きなキャラ以外に印象に残ったキャラとかいます？
樋上　さいかはかわいそうなキャラだったな。なんか、つらい目に遭って
　　　　ばっかりで……。けど最後は幸せになったんだよね？
涼元　最後はプレーヤーの想像に委ねようってことなので、人によって解釈の
　　　　分かれる所ですね。
樋上　私はあれで幸せになれたかなって思うんだけど、よーく考えると流れか
　　　　らしてそう甘くない気はするし……どうすればいいのよ（笑）！！
折戸　その辺の感情への訴えかけというのか揺さぶりみたいなものは、とても
　　　　よかったよ。
涼元　ありきたりなストーリーにはしたくなかったし、ただ無難にストーリー
　　　　を説明するだけも嫌だったので、言葉の使い方には徹底的にこだわりま
　　　　したからね。
樋上　麻枝君とやりあってるの何度も見たよ。二人とも真剣な顔で激高してる
　　　　んだけど、話してる内容が「あそこは”すてぽちょ〜ん”でいくべきで
　　　　す！」「いや、絶対”ぽっぴょろぺ〜”！！」だった（笑）。

――　では、最後に読者に一言お願いします。
涼元　窃盗の時効は何年だろう……そんなことを考えながらプレイしてみてく
　　　　ださい。
樋上　クライマックスにはハンカチ三枚ご用意を。
折戸　パンダはマジで怖いです。注意してください。
――　本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。