>>40 いまさらなネタで恐縮です。
「わたし……」
長い沈黙のあとで、楓ちゃんが話し始めた。
「小さなころから、同じ夢を見ます」
「夢?」
「戦いの夢です。炎が燃えさかっていて……その中に倒れているあのこを
わたしは見下ろしていました」
ふと、ある光景が頭に浮かんだ。
焼け落ちる柱、固い地面、おれを見下ろすひとりの少女。
「それが許されない行為であることは分かっていました。でも我慢できなかった、
死なせたくなかった。だから、わたしは、そのネコを連れて帰りました」
「ネコ?」
「白いネコ」
「あの、ニャーニャー鳴くネコ?」
「喋るネコです」
「あのー、楓ちゃん……」
「耕一さん……そのネコがあなたです」
なんでだ。