庭から長森が出てきます!!助けてください!!!

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502来栖川萌え@梓もね
>>490の続き
庭森−19

仕事が終わって駅の改札を出ると雨だった。
梅雨に入っていたがあまりにも綺麗な青空に騙されて傘を持たなかったのが敗因だ。
「いつも折り畳み傘を持っていればこんな事にならないんだよ」
長森ならきっとそう言うだろうな。
でも傘を買うのもばからしいから電話して呼び出してしまえ。
「もしもし、折原ですけど瑞佳いますか?」
(まだ帰ってないよ。部活が忙しいと言ってたけど・・・)
「そうですか。わかりました、すみません」
ちっ、肝心な時にいない奴め。
なんのために大枚はたいておまえを買ったと思っているんだ。
「長森の馬鹿・・」
「こらっ、浩平!!」
「うわっ、びっくりした」
「独り言でわたしの悪口言わないでよ」
「おまえ驚かせるなよ」
「驚かせていないよ。浩平がうろうろしていたから声をかけただけだもん」
「うろうろとは失礼な。せめて途方に暮れているとでも言ってくれ」
「傘を忘れたんでしょう。だからいつも言ってるのに」
「繰り返し言われると忘れる体質なんだ」
「そんな体質聞いたことないよ」
「そうだろう、世界に俺一人だけの奇病だからな」
「治るといいね、それじゃわたし帰るから」
「まて、傘を置いて行け」
「嫌だよ、これ1本しかないもん」
「相合い傘ならどうだ?」
「・・・・・・」
長森は少し赤くなって考えている。