梓様の御通りであるvol.4、下にぃ〜下にぃ〜

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320おおさか@直球勝負(仮)
報告終わりというのも何なので、書きかけのSSもどきを放置して寝マス。
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 とさりと、雪の落ちる音。
 カーテン越しの優しい光。
 しゅんしゅんと薬缶が湯気を吹く。
 少しつんとする鼻に、何だか借り物の様な体の感覚。
 布団とはもう丸一日のおつきあいだ。
「これがホントの鬼の霍乱ってやつかね」
 ぽそりと呟く梓。その額にひんやりぺったりの感触が
押し当てられる。
「なかなか病人らしいことも言えるようになってきた
じゃねーか」
 からかいつつ、煽っているような声は耕一のものだ。
口調とは裏腹に、タオルを扱う手つきは柔らかい。
「いいじゃんかよぉ……バカ」
 拗ねたように呟く梓。涙腺がわずかに緩むのを感じる。
「はいはい。馬鹿で結構。ったく、病気の時ぐらいしおらし
くしてたっていいのにな」
 応対する耕一も慣れたものである。
「とにかく、今日は一日ゆっくり寝てること! いいな?」
「ふゃい……」
 声音はともかく、今度は素直な返事が出た。
 春がまだ少し先の、そんなある日のことだった。