■SS投稿スレcheese3

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248名雪の闘病記
【名雪】
風邪をひいたみたい。授業中に背中を悪寒がはしる。熱もあるなきっと・・・。
「おい、名雪。どうした?」
「あ、祐一・・・ちょっと気分がわるくなっちゃって」

「先生」祐一は手を上げ、先生にさされると言った。
「水瀬が具合が悪いそうなので、保健室に連れていっていいですか?」
「だいじょうぶだよ、祐一・・・」と言ったものの、わたしはすごくうれしかった。

「おまえはにぶいから、自分の病気さえもきずかないんだよな。」
「ひどいよー、祐一。でも、祐一が気づいてくれるからいいんだよ」
祐一、わたしのことを心配してくれるんだね・・・。

保健室で、横たわりながらわたしは考えた。「わたしが病気だと、祐一はわたしだけ
を見てくれる・・・。わたしは祐一と同じ家に住んでいて、同じ学校に通っていて、
同じクラスなのに、いつでも他の女の子ばっかり相手にして、わたしと遊んでくれない。」
そうだ、病気になろう。あの病弱な下級生の子のように。

その日は、祐一といっしょに家に帰り、祐一におかゆを食べさせてもらった。
おかゆもおいしかったけど・・・
祐一と2人だけで遊んだ、小学生のころを思い出して、シアワセだった。
249名雪の闘病記:2001/03/19(月) 03:03
【名雪】
翌日。
ウソのように気分爽快。おかあさんの治療は効き過ぎ、今はそれが恨めしい。
でも、「今日は病気。熱はまだあるし、気分も悪い」という作戦をとろう。

祐一が7時ころ部屋に来てくれた。「おはよう、名雪。具合はどうだ?」
「うん、まだ気分が悪いよー。でも学校に行くよ・・・ごほっごほっ」
「いや、お前は休め」
「でも、一人じゃつまんない。祐一も休んでくれる?」
「ばか、できるかってそんなこと。でも早く帰ってきてやるよ」
やった、やったー。作戦成功。
「うん、良い子にしてまってるね」

おかあさんが朝ご飯と体温計をもってきてくれた。
わーい、イチゴジャムとほかほかのパンだー、はぐはぐ・・・。
あ、しまった。食べるのに夢中で体温計に工夫をするのを忘れてた。
急いで布団に体温計をこすりつける。シュッシュッシュッ。目指せ体温38℃。
ガチャッ、急にドアが開く。体温計をとっさに布団の中に隠す。

「名雪。どう、具合は?」
「う、うん。まだ気分が良くないの。熱もあるみたい。」
「体温計をかしてみて(・・・まあ、43℃、ウフフ)。ちょっとおでこを触って
みましょう。・・・そうね、熱もありそう。今日は学校を休むのね、名雪?」
「う、うん。そうするよ、おかあさん(わ、焦った・・・)」