「すっかり遅くなっちゃった...」
そう考えながら、佐祐理は帰り道を急ぐ。
「舞、もう眠っちゃってるかな......」
「でもおみやげもあるし...ゆるしてもらえるよね...」
家に着き、ベルを鳴らす。ドアが開かれ、舞と祐一が出迎えてくれる。
「舞、祐一さん、ただいま」
「おかえり、佐祐理さん」
おかえり、と眠そうな顔の舞がいう。
「遅くなってごめんね...」
本当に申し訳なさそうに佐祐理はうつむく。
やがて...思い出したように舞の方を見る。
「舞におみやげだよ」
そう言って、ウサギのぬいぐるみを差し出す。
「ウサギさん...」
舞はそれを満面の笑みで受け取る。
「よかったな、舞」
「うん、佐祐理...ありがとう」