長森瑞佳との同棲生活・妄想編「徹夜」
深夜。外は雨の降る中、課題に取り組む浩平。
「んあー…猛烈にねむぃ…瞼が閉店5分後のスーパーシャッターのようだ…」
「あんまり無理しないほうがいいよ。体に毒なんだから」
机に向かっている浩平の後ろで、ベッドに座りひざ掛けをかけた状態で
編み物をしていた瑞佳が、そんな浩平に声をかける。
「ああ…。でも、これが終わらないということは、俺の人生が終わるということだ。
すまないが、コーヒーを頼む」
「あ、うん」
ひざ掛けと編み物道具を脇に置き、瑞佳はすっと立ち上がると台所へ向かった。
カタカタという音からして、どうやらインスタントではなく、ちゃんとサイフォンで
準備をしているらしい。
「…はい、コーヒーだよ」
10分後、出来立てのコーヒーはその心地よい香りとともに浩平の机の上に
差し出された。しかしそれに返事はなく、机に突っ伏した浩平は力尽きてすでに
熟睡してしまっている。
「…もう」
言葉とは裏腹にちょっと微笑んだ顔で呟いた瑞佳は、自分のかけていたひざ掛けを
そっと浩平の背中にかけた。すると浩平がわずかに動き、そして薄く目を見開く。
「瑞佳…眠気覚ましに、なにかやってくれ…」
「あ、でも寝たほうがいいよ。徹夜は体によくないもん」
「…たのむ」
浩平が力の限りを振り絞って目を覚まそうとしている様子を見て、
瑞佳はいろいろと考えた様子だったが、これといって何も思いつかないらしい。
わたわたと慌てる瑞佳を見て、浩平が呟く。
「せっかくだから、そのコーヒーを飲ませてくれ…」
「あ、うん。それなら簡単だよ」
と、瑞佳は浩平の体を片手で支え起こすと、もう片方の手でコーヒーカップを
持ち、そっと浩平の唇に近づけた。
「はい…」
唇に寄せたカップを、そっと傾ける。ずずっとすするようにコーヒーを飲む浩平も、
だかその唇の端からは零れたコーヒーが細い糸となって顎のほうに流れた。
「あっ…」
片手で浩平を支え、片手でカップを持つことで両手のふさがっていた瑞佳は、
反射的にそのコーヒーの流れる場所に舌を寄せて舐めていた。
ちょっと驚かせよう、そうすれば起きるかもしれない。
そんな気持ちが、瑞佳の中で働いたせいもあった。しかし、予想に反して浩平は、
そんな瑞佳の行動を受けても、いまだ眠そうに瞼と戦っている様子である。
「…。…もう」
少し拗ねたように声を零した瑞佳は、持っていたカップのコーヒーを自分の口に
含んだ。カップを机の上に置き、そして両手で浩平の体を抱き起こす。
キャスターのついた椅子が瑞佳のほうへ向き直ると、そこに苦いキスがあった。
おひさしゅうございます。@だよでございます。
現在会社です。現在勤めている会社が今月末で閉鎖することになりました。ゲームの
業界もなかなかに不況でございます。私はフリー(プー)のシナリオ書きになって
しまいました。働き口を探すため、今度はエロゲー業界にでも逝ってみるつもりです。
会社で後処理をしているとき、眠くなったときにふと考えてしまった妄想を、
書き込んでみたりしました。先輩でなく瑞佳なのは、そんなせいもあるのでしょう。
ONEvsKANONは、萌えシチュではないものの、たいへん楽しく読んでいます。
こういったものが受け止められているのなら、と思い、また少し書いてみることに
しました。堅苦しいことはないほうが、私は書き込み易く、嬉しい次第です。
履歴書と一緒に送る「オリジナルエロシナリオ」を書かなくてはなりませんので、
やはりあまりこれないとは思いますが、先輩に限らずONEキャラ、またネタがあれば
KANONあたりもやれたらいいな、と思っております。以上、私事でございました。