秋子の一日は、机の上のパソコンのスイッチを入れる事で始まる。
細川俊行似の、朗々とした声が聞こえてくる。
「おはようございます。ようこそ、水瀬の実験室へ。
現在、この家の中には、居候が、一人、います。
お嬢さんにちょっかいを出しているようです!
違う女の子に興味が向くように仕向けては、どうでしょうか?」
秋子は頬に手をあてて、少し考え込んだ。
「と、いってもねぇ・・・」
とりあえず掃除をしに玄関に出てみたら、向こうの方からいつぞやの
羽根をはやした珍妙な娘が、ぱたぱたと歩いてくるのが目に入った。
「そうね・・・面倒だからあの子にしときましょう。」
そして秋子は、極めてさりげなくその子に声をかけた。
「朝ご飯、食べていかない?」
「・・・ほえ?」