詠美 「…生意気な女の子は、きらい?」
絹のように滑らかな肌を撫でていると、ふと、詠美が訊ねてきた。
上目遣いで、俺の表情をうかがうような顔つき。
和樹 「…さあ、どうだろうなー」
詠美をいじめたいという感情を抑えきれず、ついつい、そんなことを
言ってしまう。
ふくよかな詠美の胸をもみほぐしながら、そんな彼女を見下ろす。
詠美 「ウソだ。…和樹は、ぜったいあたしのこと、きらいにならないもん」
詠美が、なんだかとても幸せそうな顔をして、そんなことを言った。
詠美 「どんなに生意気なこと言っても、和樹はゆるしてくれるから」
詠美 「こんなあたしを、あんたは見捨てないでゆるしてくれるから」
詠美 「…だから、いろいろ生意気言って甘えちゃうんだよ…」
和樹 「わかってるさ」
俺は、笑顔の詠美の唇に、そっと口づける。
和樹 「詠美が、甘えたがりな可愛い女の子だってこと、知ってるから」
和樹 「…だけど、俺以外のヤツらにも、もうちょっと好かれる努力、しないとな?」
詠美 「いいもん」
詠美 「…あんたが居れば、ほかにはなにもいらない」