★エイエソに詠美ちゃんさまはフミューだぞ★

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165旦那さん、名無しです
「ったく…おい詠美、火傷しなかったか?」
 大急ぎでカランを締め、浴室を飛び出てから和樹はそう尋ねました。それ
でも、浴槽で縮こまったままの詠美は涙目で狼狽えるばかりです。
「あ、あんた、見たでしょお!あ、あたしのはだかぁっ…!」
「火傷してねーかって聞いてんだよっ!!」
「ひっ…!し、してない…」
 和樹に厳しい口調でそう聞かれ、詠美はようやく落ち着きを取り戻します。
「…だったらいい。早く暖まってきな。ココア作っとくから。」
「こ、ココアなんて、れでぃの飲むものじゃない…いつも言ってる…」
「ええい、わかったわかった!ホットチョコ…作っとくから。」
「うん…」
 照れ隠しのわがままにも、わざわざ言い直してくれる和樹に詠美は
しおらしく応じます。
 その飲み物は、詠美がここに来るたびに作ってもらえる最高に温かい
飲み物。心の中で『美味しい』を繰り返してきた、詠美の大好物。
…したぼくのくせに…なんでこんなに優しいのようっ…
 たまらない胸のせつなさで、詠美は大きな溜息をひとつ。
 空っぽの浴槽に浸かりながらも、うつむいた詠美の頬はのぼせたように
火照っているのでした。

 妄想過剰ぎみsage