葉鍵SS鬼畜物投稿専用スレッド

このエントリーをはてなブックマークに追加

麦畑、沈みゆく日で赤く染まる世界。一面に広がる優しい風にさわさわと揺れ舞う実りの海。
穏やかで暖かい…収穫を控えた畑に訪れた夕暮れ時、そこは遠くで鳴り止まぬ街の雑踏すら
入り込めない、不思議な静寂をたたえていた。
秋空に満ちた時がゆったりと静かに流れる中、麦の穂越しに無邪気な笑顔で走り抜ける
幼い女の子と男の子が二人、この神聖な場所を独占する。

女の子は真剣な顔つきで男の子を追いかける。楽しい!沸き上がる躍動感、一人で遊んでいた
時とは比べモノにならない開放感。誰かと一緒に楽しみを共有する興奮に酔いしれる。
満足げに微笑む口元からは笑い声が絶えない。
そら!待て!逃がさないぞ!ザッ!ザッ!背より高い麦穂の海を掻き分け、
女の子は鬼ごっこ兼かくれんぼのような、男の子との「なりきりゴッコ」に夢中だ。

…あれは…そうだ…幼い頃のわたし…

ザン!シュッ!!女の子の手には短い枝切れが握られ、行く手を阻む麦の壁を薙いでいく。
みっともない棒きれだが、ゲームに夢中な彼女にとってそれは勇敢な剣士の持つ
立派なつるぎと同等の価値があった。
女の子の頭にはゆさゆさとウサギの耳飾りが揺れる。男の子のアイデアでコレを着けてる
方が良いモノの役になるのだ。
わるいまものを「とうばつ?」(男の子はそう言った、たぶんやっつけるという意味だろう)
するけんし、それが今の女の子の役割で、逃げる男の子は今は悪モノの魔物を演じている。

男の子は悪モノ役が凄いうまかった。ちょっと目つきが怖いせいもあったが、いつも悪モノ役が
男の子に回ってくるからかもしれなかった。何故なら、女の子がいつも剣士の役をやりたがったのと、
実は男の子があまりうさ耳のカチューシャを着けたがらなかったのが原因だった。
剣士の役は女の子のお気に入りだ。うさぎの耳飾りもお気に入りだ、
男の子がくれたものだったから。

…初めてわたしの友達になってくれた男の子がくれた、大事な大事な宝物だから…

キラキラと麦の穂が夕日に輝き、金色の草原を思わせる畑を、太刀に見立てた棒を振り回し
舞うように体をしならせる少女。長い影を落とし駆ける小さな剣士は幻想的な雰囲気のなか、
男の子を捕まえようと手を伸ばす。すると男の子はくるっと身を翻すと女の子に追い被さる
ように飛びかかった。がおー!!雄叫びもなかなか様になる男の子の不意打ちだ。

男の子の奇襲に女の子はぐらりと体を崩すと、二人してドウと麦を巻き込みその場に倒れる。
やりすぎた!!男の子は咄嗟に体を起こすと、倒れた麦に転んで横たわる女の子の様子を伺う。
「ごめん!大丈夫?! 怪我してない?」
男の子は目をつぶってピクリとも動かない女の子を気遣うと、怪我はしていないか確かめよう
と友達の名前を呼ぶ。もし怪我してたら急いで秋子さんに…
先ほどとはうって変わって真剣な顔つきの男の子は、女の子の名前を呼び続ける。
「舞、大丈夫? どこか痛いのか?!」
「舞! 舞!!」
返事はなく、男の子は蒼くなって自分が今出来ることをしようとする。
大変だ!大人を呼ばなきゃ!
途端、名前を呼ばれつづけた女の子はパチリと目を開くと、木の枝をピシリと男の子の額に当てる。
「…つかまえた!」
一瞬戸惑い、動きの止まる男の子、だが事態を察すると派手に仰け反るとやられたーとばかりに
悲鳴を上げる。腕をばたばた回して断末魔を上げて、ごろごろと服が汚れるのも構わず
地面を転がり演技を続ける。そんな滑稽な男の子を見て、女の子はクスクスと笑みをこぼす。

「うううおお!やられたー。て、おい! 心配させんなよー、こっちも調子に乗ったけど、
そういうの趣味悪いっていうんだぞぉ!!」
男の子はほっと和らいだ顔を見せながらも、ちょっと非難めいた声を上げる。
「…ご、ごめん」
しょぼんと頭を垂れて謝る女の子。しまった!やりすぎた!!彼女も反省の色を見せる。
互いが調子に乗りすぎたことを認め合うとすぐに仲直りする二人。
「じゃ、おあいこだ!!」
「うん、おあいこだね!!」
舌足らずな口調で女の子は、男の子の台詞を真似する。
言葉は少なくともそれで事足りた、なぜなら二人は友達だから。
そして、二人の笑い声が夕闇迫る麦畑一面に満ちていった。
畑を抜け、夜に備えて輝き始める街の灯りを前に道路脇に腰掛ける二人。
いつしか男の子は、女の子の悩みや不安の聞き役になっていた。
お母さんのこと、自分のこと、今まで独りぼっちだったこと、でも今は違うこと
…男の子にぽつぽつと話す少女。そして「ちから」のこと…
日が落ち夜のとばりが降りる時間、二人はいつもこうして話し合あう。
男の子も自分が家庭の事情で、今親戚に預けられていること、両親が不仲
でいずれ「りこん」するらしいこと。自分の「しんけん」を両親が争い、
「べんごし」を互いに雇ったことを話した。
(二人にはよく分からない不可解な現象、名前、大人の世界だったが、
幼い二人はとても怖い感じがした)

男の子と女の子は孤独と不安を埋め合うように、互いの言葉に耳を傾けると
寒くなってきた外気に暖を取ろうと肩を寄せ合う。
「…祐一君と一緒にいればあたし、自分のこと好きになれるかもしれない」
「どうして?」
「だって、友達になってくれた…
 あたしのこと怖がらなかったから…もう独りぼっちじゃないから」
「全然怖くないよ…むしろ格好いい、マジ。それに、舞だって僕を友達にしてくれた、
 同じだろ、ね?」
「…うん…」
「だから、もう寂しいなんていうなよ? 一人で泣いたりするなよ?
 友達がいるんだからさ!」
「…うんっ!!」

女の子はとなりに座る男の子に微笑んで返事をする、
その笑みは特別な人にだけに向けられる女の子の素直な好意の印だ。
やがて二人は満足して会話を終える。
「じゃ、今日の魔物ごっこはお終い。また、あしたここでね!!!」
「また遊ぼうね! あたし待ってる!! 絶対だよ、祐一君!!!」

男の子は女の子と別れの挨拶を交わすと、帰宅の途につく。
一人、女の子は日が暮れた夕闇の中、男の子を見送り手を振り続けると、
家に帰る前にもう一度だけ、二人の大切な場所で男の子との絆をつぶやく。

「…約束…」
…ゆういちくん…ゆういち…祐一、約束、あたし、わたし、私、待ってる……
…ずっと、ずっと待ってる……
すこしずつ過去の想い出は薄れてゆく、暖かい気持ちは急に萎えてゆき、
変わりに冷たいものが染みわたっていく…この感覚は…嫌な、怖い感覚…
外界から無理矢理、夢に浸る意識を覚醒させられる舞。

それは残酷な現実、凌辱の宴の再開だった。

グッ!…ずりゅ!!ブチブチブチブチ!!ずりゅ!!ググッ!!

「…うぅっ!!!!!、んんっ…?!!んぁああっ!?!?!?!!!!!」
体を荒々しく揺さぶる突き上げと躯を貫かれるような痛みに、舞は垂れた頭を上げ意識を戻した。
途端、自分の局部を襲う衝撃と信じられない激痛に、舞は状況をつかめないまま混乱する。
何者かに膝を抱きかかえられ、まるで幼子に排泄を促すよう下脚をM字にし
股を広げられている。両腕は胸の前で交差され、見慣れた紺色の髪留めのリボンできつく結ばれている。
指先は先ほどの悪夢のままの痛々しい姿を晒し、そして…
舞の恥丘の下に隠された秘裂には、おぞましい異物がぴったりと閉ざれた肉襞を無理矢理こじ開け、
胎内に進入していた。

ずるッ!ぐぐぐッズリュ!!!

「ひッ!ぐああッ!!うわぁあッッッッッッッッッ!!!!!!!」

ゆさっ、ゆさっ、

背後で生臭い吐息を吐きかける獣の鼓動が少女の背中越しに覆い被さる。
切り裂くかのように乱暴に突き上げる魔物の陰茎は、舞の幼い秘所を乱暴に押し広げ、
掻き分け、ねじ込まれていく。リズムもなく獣欲の赴くまま出し入れされる剛肉が
恥裂をえぐる度に、舞の汚れを知らなかった証である鮮血と、魔物の白濁色の体液が
混ざり、太股をつたい臀部へと流れ床に染みを広げている。突き上げられる衝撃は
膣内を引き裂き、舞は差し貫かれる痛覚に散りそうな意識を荒々しく覚醒させられてしまう。

「はうッ!!ああっ?!ぁああッッッッ!!!!」

何!?これは一体?!ああ!!!!痛い!!からだになにをっ!!??

曲がりなりにも高校生としてのセックスの意味は知るものの、
自分自身の性欲や体躯の成長に関心が少なく、同年代の女の子達が話題にする性と男性の
会話にもさしたる興味を示さなかった舞が持つ性知識と経験は余りにも幼いものだった。
その上、死闘を繰り広げてきた魔物とは、互いの命を奪い合う関係、討つもの討たれる
ものの間だと舞自身は思ってきた。
だから予想すらしていないこの魔物の行いに「剣士」としての舞の経験は全く役に立たず、
膣内へどす黒く満ちていく暴力に躰と心を踏みにじられた「性」が導き出す絶望に愕然となった。

『!!私、犯されてる!!!』

頭の中に嫌悪と恐怖が爆発すると、火のついたように少女は暴れだし、
弛緩していた四肢を自ら傷つくのも構わず必死で振り回す。

「…嫌だッ!!いやっ、嫌だぁあ!!うあ?!うあああああ!!!!」

舞は局部を貫き進入する熱い異物から逃れようと、足をばたつかせ、下腹部を反らそうと
あがく。手首を拘束された腕を股下に這わせ躰に押し込まれる怒張を引き抜こうと試みるが、
ガッチリと両腿を押さえられ再び剛茎を開かれた躯にぶち込まれ、鮮血を散らす。

「かはッ!!……うううぅ!!……うぅうっっっ!!」

子宮を圧迫し内蔵を突き上げられる苦痛に息が詰まる。胎内で膨張する欲望にぶるぶると
一糸まとわぬ下腹部を痙攣させる。狭い肉壁をみしみしと切り裂きながら陰茎はとうとう
少女の深部へ勢いよく到達する。

舞はがくんと後頭部を仰け反らせ、ほどけた黒髪を振り乱して経験したことのない
痛みと感覚に悲鳴を上げ背を引きつらせる。歯を食いしばり、漏れる嗚咽を押さえようとしても
あまりの衝撃に口は半開きとなり、歪んだ唇からは唾液と弱々しいうめき声が漏れてしまう。
初めての激痛にかつては鋭い眼光で魔物と対してた瞳を涙で淀ませ、強い意志を宿していた
美しい眉を恐怖で歪ませる。
解け乱れた黒髪が汗にまみれ激痛に火照るきめ細かな肌に張り付き、
汚された剣士のなれの果てを凌辱者達に晒す。

あまりにも経験不足な少女の秘部は、押し込まれる暴力に体内の全てを引き裂かれるような
痛みしか舞に与えない。魔物に荒々しく弄ばれる躰は、その身を飛ばされぬよう本人の意思とは
無関係に犯すものの肉棒をがっちりとくわえ込んでしまい、その胎内を引き裂かれる脈動に
舞は宙を仰ぎ泣き叫ぶ。

戦いの傷跡が残る教室、魔物の膝の上で惨痛の悲鳴を紡ぐ少女剣士。
その敗北した剣士を熱く濡れた瞳で眺める幼女。舞の幼少の頃を切り取ったかのような姿で
獣と少女の行為を興味津々といった顔付きで鑑賞する。

「罰して欲しかったんでしょ?躰に罪の傷をつけて欲しかった?なんて無力で情けない私。
 ふーん。で、どう?その身を裁かれる気分は?これが望んだ結果…?」

佐祐理を守れなかったあの時の、自分の心を再現するように淡々と言葉を紡ぐもう一人のまい。
嘲りと嘲笑の籠もった口調でつぶやく白い少女。汚される舞を見るその目は何故か憐憫にも似
た光を漂わせる、が一瞬でその暖かな雰囲気は消し飛び、荒々しい憎悪が火となり灯る。
舞は魔物の正体たる少女の寂しげな一瞥に答えることなく激痛に悶え続けるだけだった。
舞のふとももをガッチリと支え持つ魔物の手が、彼女を高々と持ち上げた。
じゅるんっ!!ぶっ!!びっちゃっ!!
舞の陰部がガッチリとくわえ込んでいた魔物の怒張が勢いよく引き抜かれる。
内蔵と大事な秘部を丸ごと引きずり出されるような錯覚と激しい痛みに、
舞は弱々しく鼻を鳴らし喘ぎ声を漏らす。引き抜いた獣根が隆々としなると、
辺り一面には引き抜いた勢いで白い膿汁が飛び散った。

「ひんッ!!…ふはッ!!…はぁあ、あ…あ…ああ…」

獣の凶器が引き抜かれた舞の幼い秘裂は、充血し爛れた肉襞が外側にめくれ上がり痛々しい姿を晒す。
栓を失った秘壺からは、獣の先走った精液と少女の破瓜の血が混ざった凌辱の証が、
朱色の濁流となってどろどろと流れ落ちた。

「…うううっ、はぁはぁあ…あうぅ」
ぼと!ぼたっ!ぼとっ、ぼたたっ!!
赤と白の混じり合った泡だった粘液が滴る度に、淫猥な床を打つ響きが部屋に響く。
…終わった…?
恐ろしい行為が中断したことに、舞は荒々しく呼吸を繰り返しながらも心の中で安堵する。
自分の秘部がどんな酷いことをされたのか、恐怖で真っ白に飛んでしまった少女の意識では
正確に把握するためにはたっぷりと時間と静寂が必要だった。
しかし、朧気ながらも自分が、躯だけじゃなく内から己を支えていた自尊心や
疑うことを知らない真っ直ぐな気持ちをすべて引き裂かれ汚されてしまったことを、
頬を流れ落ちる冷たい涙で分かった。

吐く息も荒く嗚咽を噛みしめる舞。局部の激痛に冷たい脂汗を流しつつも、
忌まわしい魔物の腰の上で未だ両足を広げられ恥辱な姿を晒されていながらも、最期の気力で
邪悪な幼女に視線を這わす。しかし当の魔物の片割れたる幼女は先ほど伺わせた奇妙な姿が
まるで嘘だったかのように邪悪な好奇心でキラキラと瞳を輝かせ、
少女の広げられた股の奥で凌辱にまみれた秘所をまざまざと覗き込む。
「うわぁ…大人の舞のここって、こうなってるんだぁ?」

どことなく頬を染めながらもう一人のまいは、被虐の剣士の痴態を嬉々と観察する。
その余りにも露骨で嫌らしい視線に、舞は汚された肉体をこれ以上さらし者にされまいと
弱々しく身をよじる。自分の肉体に興味が薄い少女でも、他人に凌辱された躰を見せ物
にされるのはたまらなく悲しかった。

「どう?舞。いやらしい魔物さんにズンズンパンパンしてもらって?気持ちよかった?
 こういうことしてもらうと気持ちよくなるんだよね?…あれ、違ったかな?
 …もちろん、違うよね…泣いちゃってるもんね舞…ククッ…、
 そうそう叱って欲しかったんだよね。気持ちよくなっちゃったらお仕置きの意味ないよ、
 自分を傷つけて欲しかったんだよね、…だからね」

ぞっとする笑みを浮かべ醒めた視線を舞の局部に投げかける幼女。その余りにも邪悪な姿に、
魔物に押さえ込まれた少女は引きつった悲鳴を漏らす。これ以上何を…
舞は底知れない狂気に曝され心を萎えさせる。

「…だからね、もっといっぱい叱ってあげたら、舞はどうなるのかなぁ?見てみたいな!わたし!」
芝居がかった台詞を怯える年上の少女に投げかける征服者。腕をぐるんと振り回し、まるで
ステージに立つ司会者のように見栄を切ると、教壇に立つまいは獲物を抱える獣に親指を突き立てる。
「選択肢はっ?」

「やっちゃう!
 やっちゃう!!
 やっちゃう!!!」
主人の命をうけ、魔物はおもちゃを自分の隆々とそそり立つ肉錐に乱暴に振り下ろす。
舞は貫かれた衝撃で目を見開き涙を散らし、あうあうと開かれた口からはかすれた悲鳴が洩れる。
再び肉の責め苦に繋がれた少女は、その局部から鮮血を迸らせ痛みに四肢を激しく震わせた。
少女の背に襲いかかる巨大な黒い影。その下で怯えてなき震える下半身を晒した白い生贄。
舞は獣と繋がったまま床にうつ伏せにされる。両腕を手首で縛られている為、折り曲げた肘では
自分と上からのしかかる魔物の重さを支えられず肩をつけて身悶える。激しく下半身を責め立てる
勢いで頬をワックスのかかった教室の床に擦り付けながら、舞は押し潰されそうな躯を必死で首で
支える。背中越しに発せられる発情した獣の呻き声、首筋にはきかけられる生臭い息と滴る唾液で、
少女の上半身はぶるぶると恐怖でおののく。

魔物はさらに腰の動きを乱暴にする、その勢いは激しく荒々しく舞の細い躯を蹂躙する。
ぬじゅッ!!じゅぶッ!!ずぶっ!!
獣の肉竿が少女の胎内に突き刺さり、引き抜かれる度、肉と肉とが擦れる音と粘液が空気と混ざる
吃音が結合部から漏れ渡る。はだけた胸元から白い乳房が重みでこぼれ落ち、躯が突き押される
度に形の良い乳房がゆさゆさと激しく揺れる。

「ひッあッ…うわああッ!!はくッぅううッ!!!」
下腹を射抜かれるような圧迫に苦痛と涙を散らす舞。もはや細い首だけでは、
躯を支えることが出来ず胸元を床に押し付け、腰を反らされ陰部をなぶられる。
魔物自身ももはや己の獣欲を制御できず、突き壊さん勢いで陰根を突き刺す。
勢いですり抜けそうな少女の細い胴を鷲掴みにし、その長い爪をやわらかな腹部に食い込ませる。
鋭利な爪は逃げだそうとする欲望の対象者を切り裂きながらガッチリと押さえつける。
腹部にざっくりと切り傷が走り、鮮血が舞の白い肌を伝っていく。
新たな痛みで狂ったように暴れる少女を逃がさんと背中越しに握りつぶす魔物。
舞のむき出しの柔らかな乳房も無惨に切り裂かれ、上着を血で真っ赤に染めていく。

「いぐあッ!!つッはああああッッ!!!」

頭の片隅に僅かに残った意識が悲鳴を上げる。しかし舞の躰は心とは裏腹に器官を守ろうと
恥蜜を滴らせ、魔物の淫猥な動きに合わせて腰を動かす。少女の意識は激痛と恐怖で満ちて
いるにも関わらず、肉体は一方的な性交によりこじ開けられるように反応を示してしまう。
それは決して快楽ではなかった。舞の心はいくら嫌悪しても、暴行に晒された少女の躯は
無理矢理に性欲を引きずり出されてて悶え続ける。心と体がバラバラになってしまう感覚に
舞は混乱し、荒い悲鳴混じりの吐息を漏らし始めてしまう。

「ふあああッああッ!!うぐッ!!もうッい、あああああッ!!!」

欲望の絶頂を目指して早くなる魔物の激しい鼓動が躯ごしに伝わってくる。躯の中で熱く
さらに膨張する怒剛のものを直に感じ取り、沸き上がる恐怖に目を見開いて怯える少女。
何をされるか、自分の躯に何を残そうとしているのか性に疎い舞にもはっきりと理解できた。
!!ッそれだけは…それだけはイヤだッ!!

「やめッ嫌だッ!!ううあッ!!…ひあッ!!はぅうッ!!!」

最期の理性の一片が絶叫するが、暴虐に耐えかねた舞の肉体も魔物に併せるかのように
上り詰めてゆく。全身に高まる絶頂感は、性の快楽に乏しい少女の肉体と意識では
把握することが出来ない。ただ激痛で抜け落ちてしまったような恥部から沸き上がる違和感に、
自身の肉体への未知の恐怖が募っていくだけだ。性の淫臭を漂わせ重なり合う一人と一体は、
絶望と快楽をそれぞれ懐いて、迫りつつある終末に肉体を高めてゆく。そして…

被虐者の背中越しに魔物が吠える。瞬間、少女の膣内に埋没していた肉茎が一段と膨らみ爆ぜた。
煮えたぎる白濁が無垢の胎内を焼き尽くす。膣に満ちて犯される恐怖に、舞は割れんばかりの悲鳴
をあげる。

「わああああああああああああああああああッッッ!!!!」

みっちりと秘肉を圧迫する怒張は萎えることを知らず、びるびると獣欲の塊を吐き出し続ける。
激しく放出される粘液は子宮にはち切れんばかりに留まり、舞の下腹部は歪に膨らむ。
ごぷんっ!動きの止まない挿入に合わせ胎内に溜まった液体の音が響く中、魔物を追うように
少女の躰が限界を迎える。ガクンと力が抜けた途端、肉体が暴発したかのように跳ね上がる。
達してしまった躰のうねりは舞の精神を白く焼き尽くし短い嬌声となり教室に響く。

「っんああっ!!!!!」

萎えてさらに刺激に敏感になった肉襞を、そぎ落とすように抜かれる魔物の陰茎。
躰から異物を抜かれると、膣内に溜まった粘液が勢いよく飛沫を上げて吹き出した。
…うう、いや、だ…、どうして躰が、躰がもう…
少女の秘部を蹂躙された喪失感で曇る意識を閉ざそうと、
汚された舞はただ呆然と虚空に視線を這わすだけしか出来なかった。
萎えた下半身を晒したまま、虚脱した四肢を投げ出して荒い息をつく。
グッタリとうつ伏せに体を横たえた舞は、引きつるような嗚咽を漏らし続ける。
少女の果蜜と魔物の獣脂が混ざり合った白く泡だった体液が広げられた両足の付け根から
垂れ落ち、白い太股を伝って黒いニーソックスに染みを残していた。
躰を襲った言いしれぬ絶頂感は波のようにうねり続け、未だ成熟途中の肉体を弄ぶ。
その度に、少女の躰はビクンッとあの上り詰める感覚を思い出すように爆ぜる。

「はあッ…はあッ…!!ッあっ!!くうぅ!!」

躰が痙攣する度、蹂躙され痛々しく花開いた少女の秘裂は外気に震える肉襞を開かせ、
蜜壷に溜まった魔物の残滓をどろどろと吐き出す。
一体自分の躰に何が起きたのかを舞が把握する暇を与えず、魔物は舞の拘束された腕を
掴むと力の失せた躰を無理矢理立たせようとする。頭上に腕を掲げられて足を地につけるが
萎えたそれでは自重を支えきれない。
ぺたりとお尻をついて仰向けとなって、白い腹部を好奇の眼差しを向ける幼女にさらす。

「うわぁ…今の、イッちゃうっていうやつ?気持ちよかった?躰にこんなことされて、
 気持ちいいんだ…舞すごいねえ、お仕置きされて感じちゃうんだ…」
興味津々といった表情を浮かべた白いまいは、床にだらしなく足を投げ出している少女の
開いた股の付け根にそっと指を這わす。未だ弄ばれた脈動を押さえきれない秘部は、拙い
指使いにも敏感に反応し恥唇をあっさりと開く。好奇心で踊る幼女の指先は、
捲れて腫れ上がる肉襞を撫で回し、充血しぷっくりと頭を擡げる肉芽を啄む。

「つッ!!!」
凌辱で敏感になった秘所は初めて感じる感覚を貪るように味わおうとするが、舞の未発達の
性感はそれを異常な痛覚としてしか伝えない。上半身を無理に捻り、弄ぼうとする凌辱者から
逃れようとするが、途端にリボンで結ばれた手首を目元に晒され、脅しの一言を浴びる。
「今度邪魔したら、またこの指に酷いことしちゃうよ…舞いいの?」
「っ!!うくっ…」

あの惨劇と激痛を思い出し舞は喉を引きつらせてかぶりを振る。真っ黒に染まった指に
またあの暴行が加えられると思うと、居ても立ってもいられず屈服の悲鳴が漏れてしまう。
幼女の要求を受け入れると、おずおすと恥ずかしげに足を開き恥部の探求を許す。
自分の知らない感情が肉体に潜んでいた事実に怯えながら、屈辱の時間をずっと耐えようと
唇を噛みしめる舞、だが…際限なく局部に伝う指先の感覚に少女の躰は予想外の反応を示していく。

「…ねぇ、舞の腰…動いてない?これって…すごいねぇ、わぁ…」
「!?えぅう、あッ!!」

痛みと屈辱から身を引くように脳は指示を下すが、跳ねるように舞の腰は少女の指の動きに反応していく。
憎らしい魔物に自分の大切な部分をなぶられながらも体が示す変調に、少女は肉体に裏切られた
絶望を味わう。躰が示すあまりにも屈辱的な反応に舞は半狂乱になって頭を振り乱す。
主の気持ちとは裏腹に肉体は少女の指を求めて細かに震え貪る。
…あああっ…止まらないッ…どうして!?嫌だ…こんなの嫌…
 …ああっ!!」

局部から全身に広がる波に捉えようのない恐怖で思考が真っ白になっていく。
意識ではそれを嫌悪と恐怖としか捉えていないのに、少女の躰は残酷にも押されたスイッチに
ただ反応するように結果を導き出してしまう。頭の中が瞬く光で一杯になっていく。
溜まった官能が舞の必死の抵抗を消し去るように押し流す。

「うわあっッ!!!!」

情けない嬌声を上げ、再び意識を飛ばす舞。がっくりと項垂れると激しくなる胸の鼓動に耐えきれず、
あつい吐息をこぼしてしまう。
絶頂を極めた恥丘は発した汗と愛液で濡れ簿そり、キラキラと月明かりを受け輝いていた。

舞の痴態に満足したのか、まいは白く泡立つ粘液をねっとりと指に絡め、
キラキラと光を反射する糸引くさまを、自分がしてしまった行為に呆然とする舞に見せつける。
恥辱で赤らむ顔をにやにやと覗き込む魔物の少女の顔から上気した喜びが醒めるように失せると、
何故かもう一人のまいは悲しげな言葉を洩らす。

「舞が悪いから…わたしを…捨てようとするから…」

「…え?…」

躰に刻まれる被虐の爪痕。自分の意志とは無関係に肉の喜びを知ってしまった我が身。
この戦いに決着をつけるべく強い覚悟で夜の校舎に臨んだ結果に舞は言葉を失う。
そして、魔物の主たる少女との遭遇。しかし、自分の拠り所だった決意を破壊した少女の
その寂しげな一言は、萎えた舞の心を何故か強く揺さぶった。

「虐めてゴメンね、舞。でも…舞が悪いんだよ…舞がルールを無視してあんなやつを
 二人だけの遊びに招き入れるから。わたしはちゃんと舞の願いを叶えたのに…
 そんな酷いことしなかったら、わたしだってあんな魔物、招いたりしなかったのに…」

ルール?私が破った?何を…あんなやつ?…二人だけの…私の願い!?
私は一体何を拠り所にしてきたのだろう?少女が滔々と語る言葉の意味に困惑し、何とか
記憶の糸をたぐり寄せる舞。過去に私が何を望んだのか?頑なに閉ざしてきた記憶の戸を
触ろうとする行為は、何故か少女を酷く怯えさせ思考の海に波紋を立てる。

…私はあの麦畑で待っていた…それだけ…それ以外に何をしたのか…

「でも『じごうじとく』ってやつだよね。先にルールを破ったのは舞なんだモンね!
 わたしは先に舞がずるっこしたから、仕方なくちょっとルールを曲げただけだからね?
 って、これは『日の射す所に身を置くわたし』は知らなくても良かったことだったけ?」

 でも、舞には責任をとって少しだけ願いを思い出してもらうから…」
クスクスと口元を押さえて笑う少女。もはやあの寂しげな表情は消え去り、邪悪な笑みで
口元を醜く歪ませる。魔物の長はクルリと体を一転させると、何処から取り出したのか
特徴ある髪飾りで頭を飾っていた。

「ねぇ、舞。これ憶えてる?ね!似合うかな、どうかなぁ?」

楽しげに笑うまいの頭の上には、白いウサギの耳飾りが可愛らしい姿を見せていた。
想い出の奥底に仕舞われた数少ない幸せという名の記憶、舞はかつての幸福の絶頂にいた
自分の姿を目の前に絶句する。

どうして…どうしてあの時のわたしが見えるの…
今の余りにも惨めで恥辱にまみれ朽ちようとする己と対比するように、魔物の幼女は
純真なかたちとなってそこに存在していた。
わたしへの贈り物。大切な宝物、そのウサギの耳飾りを被る少女に、引き寄せられるように
舞は問いかける。

「…それ…あの時の、私の髪飾り…どう、して…?」
渇いたのどを酷使して舞は声を振り絞る、恐ろしい少女を前にしても尋ねずにはいられなかった。
閉ざされいた記憶が堰を切ったように体中にあふれ出す。

「どうして?どうして無くした髪飾りを持ってるか?それとも魔物のあたしが持ってるか?
 憶えてない?憶えてないよね!だってそういうルールだったもんね。でももう分かるよね?
 思い出せるよね。そうこれは誰のかな?
 私の大切な宝物…友達の贈り物…いや違うよ、お前のじゃない。嘘だ!!私の大事なもの…
ふーん?違うね!!嫌だ!思い出したくない…どうして私の宝物じゃダメなの…
いや、お前の宝物じゃない!なぜなら、あの日。冷たい雨の降るあの日。一人で待ち続けた麦畑で。
私はそれを捨てたじゃないか!!悲しみと絶望で覆われた空の下、何もかも失ったあの日。
笑顔とウサギの耳飾りと信じる心を、すべてすべて、あの約束の場所に捨ててきたじゃないか!!

ひとり、収穫を終え丸裸になった麦畑にぽつんと佇む少女。
空は秋の終わりを告げる冷たい雨を降らせる。
待っていた、ずっと待ち続けていた。
疑う気持ちなど少女には微塵もなかった、何故なら「約束」だったから、「友達」だったから。
雨でぐっしょりと服を濡らし、日が落ち夜が満ちるまで凍えた体を留まらせる。
青白い月の光が雨雲の隙間から差し込む深夜になっても待ち人は現れなかった。
いや、すでに友達が現れなくなって一ヶ月が過ぎていた。
約束の時間、約束の場所、私との約束…何かの間違いだ、明日になれば…小さな期待を懐いて、
繰り返し待ち続ける…認めたくなかっただけだ。信じたくなかっただけだった。
だけど、でももう…頬を伝う熱い悲しみ。悔しさで滲む視界。限界だった、もう自分を偽れない…

約束は、守られなかった……

歯を食いしばりぎゅっと目をつぶる。沸き上がる感情を抑えきれない。
憎しみ、怒り、そして圧倒的な悲しみ…震える腕が伸び、頭上に舞う耳飾りを握りしめる。
荒々しくはぎ取ると、それを力一杯地面に叩きつける。
泥水を吸って変色していく耳飾りを少女は踏みにじろうと足を上げる。
だが、振り下ろすことが出来ず、のろのろと身を引くと舞はしくしくと泣き出した。
自分を見捨てた男の子を恨む気持ちは流れ落ちる涙と共に沈んでいくが、
代わりに頭を擡げてくるのはいつもの自答自問、力を、己を責める嫌いな自分だ。

みんな、みんな、あたしから逃げていく…また独りぼっち、この「ちから」のせい?
やっぱりあたしがわるいの?だれかおしえて…どうしたらいいの…どうしたら!!!
どうしたら!!!!!!!!!!!!

答えのない問いかけを叫び続ける少女の心。
だが、少女が嫌悪する「力」は主の願いを確かに叶えたのだ。
舞の捧げた供物を贄に、永遠に続く檻を生み出す。
この約束の場所を守る剣士と対なる魔物を…
そして、「嘘」という名の半身を…

私は願った、魔物の存在を!!そして、そして…ずっと信じてきたのだ…

 ね?どう?思い出した?この耳飾りはもうわたしのものなんだよ。でも、
 …帰して上げる。ほら…ね」

もう一人の自分がウサギの耳飾りを頭に着ける。蹂躙された舞の冷え切った胸になにか
懐かしく暖かい感情が広がるが、自分を覆う魔物の影に途端に安堵の思いは凍り付く。
頭上で揺れる記憶の入り口は、この狂気の宴の前に無防備にさらされてしまった。
汚された剣士の乱れた髪の上にふわふわと揺れる白いウサギの耳は、
少女の中から引きずり出された最期の価値あるものに他ならない。
無力と化した自分にこの大切な想いを守る術は、無い。

「かわいいね。うん、やっぱり今の舞にもお似合いだね。
 じゃあ、魔物さんにお仕置きしてもらおうね。
 ぜんぶ、ぜんぶ、傷つけてあげるね…舞。二度とわたしから逃げ出さないように…」

心の中の幼い自分がびくんと震える。舞の意識に埋もれていた楽しかった記憶が色鮮やかに蘇る。
それを踏みにじられる悲壮感に、舞は身も心も子供に戻ってしまったかのようにしゃくり上げ、
首を嫌々と振り乱す。その度にゆさゆさと悲しげにウサギの耳が揺れ舞った。

「…嫌だ…嫌だっ、ううぅ、お願い、…それだけは…」

嗚咽を漏らし、必死に許しを請う舞。子供の頃の大切な思い出。男の子がくれた幸せのかたち。
それすら汚らしい欲望によって汚されてしまう。自分の躯を蹂躙した凌辱に晒されしまう。
だが魔物は己の股間で怒張する肉茎を乱暴にしごき続ける。
獣欲に捕らわれた魔物は、絶頂を迎えつつある凶器を舞の顔面目掛けて荒々しく弄ぶ。
魔物の醜い逸物がしごかれる度、びゅるんと白く泡立つ汁が飛び散り、ツンと鼻を突く異臭が
立ちのぼる。そのおぞましい暴力の象徴に、怯えた瞳を反らすことが出来ない舞。

その怯える少女の頭を握り潰すかのように魔物は掴むと、哀れな玩具の口を欲望ではち切れそうな
逸物へと引き寄せる。少女は呻き声を上げて近づく醜悪な性器の進入を拒もうと息の呑んで顔を
そらすが、首を引きちぎるように正面を向かされ思わず悲鳴を上げ、その防備を解いてしまう。
きつく結んだ唇を物ともせず歯をこじ開け突っ込まれる熱い塊は、舞の口を汚濁と臭気で一杯にする。
舞は喉元を潰される感覚に息を詰まらせ、頭を反らそうと無我夢中で足掻く。

「むぐっうごっ!!んぐッ、むぐうッ!!!」

獣の両手は舞の頭を恐ろしく乱暴に前後に揺さぶると、
己の肉茎を性器と化した生贄の口内で満足させようとする。
逃げ場を失った舌が嫌でも肉棒に絡みついてしまい、苦い味覚が口いっぱいに広がる。
顎が外れそうな圧迫感と口の粘膜をそぎ落とされる痛み、永遠に続くかに思える凌辱の中、
やがて来るであろう恐るべき結末を、少女の光を失った心は頑なに否定し続ける。
これはうそだ…きっとゆめ…ゆめをみている…だけ…

「っうぶっ!!」
じゅぶんッ!!勢い余って口から抜けた唾液にまみれた淫茎が汚すべき対象を定め仰け反る。

グッオオオォヲヲヲヲヲオヲッッッッッッッ!!!!!!!
どぶっ!ぶばぁッ!!びるびるびるッ!!!
獣の咆吼と共に鬼頭冠が膨張し、白濁の熱い粘液を大量に舞にぶちまける。
浴びせられる精液の勢いで顔を仰け反らせ、喉からは嫌悪感が短い悲鳴となって漏れる。
びちゃびちゃと激しい淫靡な音を立て、白い粘液が少女の顔から首筋へ、はだけた胸元から
こぼれた乳房を伝い腹部へと濁流となって、ねっとりと濃い糸を引いて流れ落ちた。
舞は熱い毒飛沫をその全身に浴びた衝撃で、放心しかけていた意識を残酷な現実へと引き戻される。
怯えで見開いた瞳は輝きを失い、だらしなく開いた口からは壊された心の残骸が堰を切って溢れ出た。

「…うくッ、あぁあーーーーーー!!」

声にならない叫びを上げる舞。黄ばんだ粘液が激しくかぶる顔から飛び散り、それでも落ちない
汚濁が恥辱で染まった少女の頬をもったりと伝い落ちる。乱れた黒髪にべったりと跡を残して
垂れ落ちる腐臭を放つ残滓。どろどろに顔を精液まみれにした舞はしゃくり上げながら、
薄汚い肉欲の標的にされた頭上の髪飾りに意識を伸ばす。

「駄目…駄目…ううっだっめっ…うううっ」

ピンと元気に跳ねていたウサギの耳は、どろりとしたたり落ちる粘液の重さで無惨にも折れ曲がり、
舞の額にべっとりと張り付いていた。悲しみの嗚咽を漏らしながら、舞は指が折れ曲がり
束縛された腕で必死で汚い粘液を耳飾りから取り除こうとする。
傷つき激しい痛みを訴える醜く歪んだ指を酷使し、想い出を犯した精液を拭い続ける。
だが、かつては舞の頭上でふわふわと揺れ動いていた可愛らしいうさ耳には酷たらしく
獣の暴力の後がこびり付き、大切な宝物の面影もなく惨めな姿を晒す。
舞の健気な努力も虚しく、ウサギの耳飾りは二度と頭上で元気に揺れ動くことはなかった。

頭上の宝物を懐こうと手を差し伸べるものの、折れた指先ではどうすることもできない。
その心傷極まる舞の横に佇むもう一人の舞。体中からつんと生臭い臭いを立ちのぼらせる
長身の姿。制服の上着は胸元はだらしなくはだけ、ケープの飾りはずり落ち肩口を晒す。
もうじき大人の域に達しようとする少女の無惨な醜態とは対照的に、隣りに無邪気にタップを
踏む幼顔の少女は、汚れを知らない無垢な笑みを浮かべて軽やかに舞う。

「うわー、汚い耳飾り!!どう?気に入った?ほんと舞にはお似合いだよね!!
 ほら、うさうさだね!!うさうさ〜♪」

まいは白濁滴る耳飾りを嘲るように摘み持ち上げると、舞の頭の上で乱暴に振り回した。
そして一転して凶暴に舞の顎をつかまえるとうなだれた顔を上げさせ、その怯えた目を
ギラギラとした敵意で射抜く。

「勝手に終わらせようとしても無駄ってこと、分かった?理解できた?
 なにもかも失っちゃたもんね?でも、ホントは始めから何もなかったんだから、
 そう悲しまなくて、いいんだよ。あはは!!」

体も心も汚された少女は惨憺の涙を流し続ける。全部失った、剣士としての決意も大切な
思い出も…狂気に蹂躙された舞の瞳は、生気が失せ虚ろに闇を見続ける。その闇の先にあるのは、
「嘘」という名の檻に捕らわれた孤独な自分の姿だ。ずっと偽りの約束事に頑なに固執しつづけた
余りにも惨めな存在。それが川澄舞、それが私…佐祐理や祐一と肩を並べて歩く資格すらない…
嘘でまみれた空虚な自分…

 …もうどうしていいのかわからない…

墜ちるに任せ深く心を閉ざそうとする舞、その虚空を彷徨っていた視界に穏やかな笑みをたたえる
幼い頃の舞のすがたが映る。もう一人の舞、嘘という名の力が具現化した少女は、汚され墜ちた
半身にそっと身を寄せると耳元で優しく囁く。

「これからもわたしがずうっと一緒だから、ね。舞? ずっと約束の場所で遊んであげるから…」

舞は噛み合わない歯をカタカタと鳴らし、引きつった笑顔を浮かべてこくりこくりと頷く。
何も変わらない、今まで通りだ、何も…かも。
嘘と一緒に生きてきたのだから。嘘だけが私の拠り所…「自分」からは逃げられない…
そう悟った途端、舞の顔は絶望と孤独感に染まる。佐祐理、祐一、楽しい昼食、
登下校のたわいのない会話に心和ませた日々、みんな幻だ。
約束は叶わない…いや、約束に「力」などないことを知っていたはずなのに、
何を期待していたのだろう?「嘘」こそ真実だ…「わたし」だったのだ。

「あはは…はは…ははははははは…あああああああああああああああああああああああああ」

乾いた笑い声は止まらない。そして、全てを裂くような少女の絶叫が深夜の校舎に響きわたる。
魔物との戦いは終わった。後には荒らされた教室に一人、汚された想い出を頭上に飾る
壊れた舞が残されただけだった。
深夜の病院、ひっそりと静まり返った病棟を一人の少女が杖をつきながら歩き回る。
佐祐理は一命を取り留め、意識と体の自由をなんとか取り戻した日以来、
深夜になると病室を抜け出してこっそりとリハビリ紛いの徘徊を行っていた。
夜の校舎に舞を尋ねて訪れたあの日、佐祐理は「なにか」によって腹部を
切り裂かれ重傷を負ってこの病院に担ぎ込まれた。

得体の知れない「なにか」が親友の舞が直面する大きな問題であることは薄々気づいてはいた。
しかし、親友を気遣いつつも何もできないまま、見守ることしかできなかった自分と、
舞と祐一さんが心配と身を案じて全てをうち明けてくれなかったことに、
佐祐理の胸は無力感と寂しさでずきりと痛んだ。二人の優しさに嫉妬に似た思いを抱いてしまう。
あの夜、一人舞の元を訪れたのも自分なりに親友の支えになってやりたいと願う佐祐理の
気持ちだった。でも…その想いにけして負の感情は無かったと言い切れるだろうか?
自問する佐祐理は、落ち込むよりも行動で償おうと決めたのだった。

腹部の傷跡は治療が済んだ後も生々しく残った。からだに醜い痕が付いたことを悲しむ感情に、
佐祐理は自分もやっぱり女の子なんだなぁと改めて思ったが、
それを舞や祐一さんの前では決して、微塵も気取られたくなかった。
二人に自分のことで引け目を感じさせたくはなかった。舞の背負う何かに対し
自分が無力であることは分かっている故、なおさら佐祐理のことで
親友の顔が悲しみと自虐で曇る様に我慢ならなかった。

「う…く…ふえぇ…まだすこし痛いですね…」

傷口がまだ完治していない為、動く度にジクジクと痛みが広がっていくが佐祐理は
構わず歩き続ける。痛みで歪んだ笑顔は見せたくない、早く元気な姿を二人に見せたい、
無理をしてでも早く退院して舞や祐一さんに会いたかった。佐祐理は笑うことしか出来ないから、
それなら笑顔で二人を支えたい…佐祐理は心の底から笑いたかった。以来、本当の笑みを
見せられなくなった過去に決別すべく佐祐理は決心したのだった。
三人の約束のために、微笑んでいよう、と。

非常灯がぼんやりと廊下を照らす中、佐祐理は一息いれようと壁に背を預けて体を休める。
痛みを堪えながら窓ガラスに映る街の灯りの向こうに思いを馳せる。静かな夜、舞や祐一さんが
この時間にどうしてるだろう?寝てるかなぁ?お風呂かな?テレビの深夜番組を見てるのかも?
お夜食を作ってたりして。それとも、それとも学校…?

たどり着いた思考を遮るように、廊下の先が急に騒がしくなり病棟を包んでいた静寂が破られる。
この先は急患を搬入する常時待機の病棟だ。患者を受け入れる準備で廊下は緊張が満ちていく。
喧騒にも似た雰囲気を前に佐祐理は、自分もこうしてここにやって来たのだと思うと胸が痛んだ。

しかし…
その胸の痛みは胸騒ぎとなり、静まるどころか否応にも増してゆき、
廊下に佇む白衣の少女を困惑させる。
嫌な予感、予兆、沸き上がる不安、佐祐理は胸の鼓動が早くなっていくのを感じる。
引き寄せられるように、少女は少しづつ歩みを早める。
いつの間にか杖をかなぐり捨て壁を伝いながら、佐祐理は蛍光灯の白い光に身を投げ出す。


つめたい人工灯に照らされる救急医療スタッフの人達。看護婦が病院の先生に状況を説明する
通路の片隅で、息を荒らした佐祐理は一人場違いな白衣で立ちすくんだ。
なぜなら、急患を乗せた搬送ストレッチャーに付き添う男性がよく知る人物だったからだ。
「祐一さん…!?祐一さん!!!」
男の子はこの寒い季節に外套を脱ぎ、血にまみれた薄手の上着姿で運ばれる搬送器に心配げに
寄り添っている。間違いない、祐一さんだ。
佐祐理の声に気付いた祐一は、涙と後悔の念で歪んだ顔を上げ叫んだ。
「佐祐理さん?! 来ちゃ駄目だ! 来るんじゃないッ!!!」
悲痛な制止を振り切り佐祐理は救急スタッフに囲まれたストレッチャーによろよろと近づく。
…嘘ですよね…そんなの…祐一さん…
搬入器に倒れかかるように体を折る佐祐理を、祐一が抱きかかえるように支える。佐祐理に見せまい
と体を盾にしようとする少年、だが少女は肩越しに押し寄せる不安を的中させてしまう。

運ばれているのは長い黒髪の少女。看護婦が応急処置を施そうとする少女の腕は痛々しい姿を
見せる。かけられた保温シートから覗くどす黒く変色した肌は、止まらない出血の後が生々しく
跡を残す。親友の顔には生気がなく、虚ろな瞳には理性の光が消え失せていた。
「舞ッ!!!舞ッ!!!!」

返事のない親友の名を叫び続ける佐祐理の前で、少女を乗せたストレッチャーは
集中治療室に運び込まれる。扉が閉じ非常灯に火が入ると、
白い光に満ちた廊下に取り残される少年と少女。不安を掻き立てる静寂が二人を包み込む。

もはや笑うことなど出来なかった。得体の知れない「なにか」が全てを飲み込んでいく、
その恐怖と舞を襲った惨劇を前に、佐祐理は自分の決意が揺らいでゆくの感じる。
目をそらし何も言わない少年、彼の服に黒い染みとなって広がる血の錆びた香りが、
少女の深層にたゆとう黒い過去の記憶を呼び覚まさせる。
沸き上がる自虐の念に肩を振るわせ、愛らしい唇を蒼くなるまで噛みしめる。
膝が力を失い立っていられない、耐えかねた少女は少年の元へ体を投げかける。

「ううっ…どうして、どうしてっ…祐一さん、舞は、ううっ」

佐祐理は血で汚れるのもかまわず祐一の胸元に、その身を力無く預けると嗚咽を上げる。
少年は何も言わずただ肩を振るわせ、行き所のない怒りを拳に込めグッと握りしめることしか
出来ない。
決して見せたくないと思ったはずの涙を堪えきれず、とうとう佐祐理は静かに泣き始めた。

穏やかな日常を破壊し始めた確かな足音に怯え悲しむ佐祐理と祐一。
闇のとばりは全てを包み込んでゆき、無力な三人を混沌と崩壊の淀みへと誘う。
舞、佐祐理、祐一に訪れた夜は、まだ明ける気配すら見せない。

夜はまだ終わらない…

墜ちた剣士「陵辱うさうさ編」
      −完−