葉鍵SS鬼畜物投稿専用スレッド

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358闇のメロディー@
どこか遠くで奏でられる闇の旋律。
耳を澄ますとそのメロディーはより鮮明に、そしてより美しく聞こえてくる。
こんな感覚は初めてだった。
本来あるべき姿に回帰するような感覚。
全ての感情、感覚が制御しきれない
心の奥底に普段抑えている黒き衝動が抑えられない。
どうすればいいんだ…俺は?
「あなたの思うままに行動なさい、祐一さん」
俺の前にスッと現れた女性、水瀬秋子はその顔に
絶えぬ微笑をたたえ、そう言った。
俺の…したいこと?
……女…これしかないな。
その言葉を受け入れると俺の体は元に戻っていた。

俺は聞こえてくる旋律に誘われるように街を歩いた。
すると見知った顔が正面から走ってくる。
「うぐぅ〜、祐一君どいてよぉ〜」
走ってくる少女は月宮あゆ、俺に惚れているらしい…
丁度いい時に会ったな、これもあのメロディーの導きか。
「分かった、俺が受けとめてやる、来いっ」
「うぐぅ〜、何考えてるんだよっ、祐一君っ」
「そうか?…面白いと思ったんだが…」
「いいから、逃げないと捕まっちゃうよ」
そう言うや否やあゆは俺の手を引き走り始めた。
…まあいい、ここでは人通りが多すぎるしな。