来栖川綾香さまにめろめろ Part2

このエントリーをはてなブックマークに追加
712つづき
被せられた手はなおも綾香から離れることはなく、じっとりと冷たい感覚を伝えていた。
(・・・ ・・・ ・・・)
そのくせ引きはがそうと手をやってもそこには何も無いのだった。
ただ、手の感覚だけがぺったりとまとわりついている。
「もぅ、、、」
ふう、とため息をつき、一旦この不愉快なとりもちを忘れることにした。

とくん。。。とくん。。。
手足の感覚だけが頼りの、それさえも時折希薄になってしまう闇の中で
自身の心臓の音だけがやけに大きく響く。
(姉さん・・・)
綾香は、ふとぼんやりとした姉の顔を思い出していた。
眠れない夜、芹香の胸に耳をこうしてあてるとやはり心臓の音がした。
暖かな、哀しみも痛みも包み込んでくれる柔らかなリズムの中で
刻まれる闇の中、何時しか綾香は安らかな眠りにつくのだ。
記憶の中の姉は少し困ったような照れたような顔で綾香のほうを見ている。
(今頃心配してくれてるかしら)
今頃といってもどれだけ時間が流れているかは知りようも無かった。
何の手がかりも、一筋の光も無い深い闇。
その闇の中へとゆっくり、ゆっくり体を沈ませていった。
.
.
.
---
>695
もっとテンポよくした方がよいでしょうか?
>696
自分のへぼSSを蹴散らすようなSSを烈しく期待