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その日、長森の両親は法事のために泊りがけで出かけていた。
チャーーーーンス!
いい加減、こ汚いオレの部屋でするのも、飽きてきたところだった。
オレはすかさず長森の家に上がりこんだ。
「なあ、なんでおまえは行かなかったんだ?」
「だって、この子達を置いて行けないよ」
長森は足元にまとわりつく猫のために缶詰を開けながら答える。
時間は昼の12時。オレの腹も空腹を訴え始めていた。
自分達の昼飯より猫の昼飯が先なのは、さすが長森と言えよう。
「長森〜、オレも腹減ったよ〜」
「はいはい、この子達にごはんあげたら、作るからね」
「オレより猫が大事なのか〜」
「え?…えーっと………」
「真剣に悩むなよ…」
オレは諦めてテレビでも見ながら待つことにする。
「お待たせ。はい、浩平の分」
とん、とオレの目の前に皿が置かれる。
「…長森」
「なに?」
「オレは猫じゃない」
皿には猫の缶詰の中身が盛られていた。
「以外と美味しいかもしれないのに…」
長森は残念そうに皿を下げて、猫の前に持って行く。
冗談なのかマジなのか分からないボケをかまさないでくれ。
結局その後、ちゃんと飯は作ってくれた。
いつも思うけど、長森の作る飯はすごく美味い。
(食欲が満たされたあとは性欲だな)
食器を洗う長森を見ながらオレはどんな風にしようかな、と
考えをめぐらす。
長森のしなやかな身体は、何度抱いても飽きることなくオレ
を夢中にさせる。とはいえ、さすがに最近マンネリ気味だ。
オレはいつもと違うシチュエーションを望んでいた。
「長森の部屋でしようか?」
「え?何を?」
食器を洗い終えた長森がタオルで手を拭きながら聞き返す。
「ナニを」
「……!ば、ばかっ!まだ明るいよっ」
「だから、いいんじゃないか」
オレは立ち上がり、長森の背後に回って抱きすくめ、首筋に
キスをする。