134 :
名無しさんだよもん:
別のため息。俺のよりかは小さく、短かかった。
隣を見てみる。
そこに同じように立ち尽くすおっさんがいた。
同じ研究員。けど、見慣れない顔だった。
短い髪が、肩のすぐ上で風にそよいでいる。
「この施設は、好きかああああぁぁぁぁぁぁ」
「え…?」
いや、俺に訊いているのではなかった。
「俺はとってもとっても好きだああああぁぁぁぁぁ。
でも、なにもかも…変わらずにはいられないんだああああぁぁぁぁ。
楽しいこととか、うれしいこととか、ぜんぶ。
…ぜんぶ、変わらずにはいられないんだああああぁぁぁ」
たどたどしく、ひとり言を続ける。
「それでも、この場所が好きでいられるかあああああぁぁぁぁぁ」