「んー……もう四時かー」
柏木家。
グータラ学生の俺は、日がな一日留守番。
つまりヒマを持て余してる、ってことだが、そろそろヒマともさらば。
なんといっても、初音ちゃんが帰ってくるからな。
今日は、千鶴さんは仕事で夜が遅く、梓は合宿。楓ちゃんも夕飯までには帰れない、とか。
そう。そうなれば、健康な男と女がすることは決まってるじゃないか!
早く帰ってこないかなー、初音ちゃん。
がらがらがら
「ただいまー」
お、やっと帰ってきた。
俺は玄関まで急ぐ。
「お帰り、初音ちゃん」
「ただいまー、お兄ちゃん」
初音ちゃんは靴を脱ぎ、玄関を上がってくる。
「ね、初音ちゃん」
「なに、お兄ちゃん……ん、んむっ…」
不意打ちの、キス。初音ちゃんの目がとろんとしてくるまで、唇を奪う。
「……ぷはっ」
「ね……今日は千鶴さんも梓も楓ちゃんも遅くなるってさ……」
言葉の意味を解して、真っ赤になる初音ちゃん。やっぱりかわいいよなあ。
「……お兄ちゃん…でも、ダメ…」
だが、俺の予想に反して、帰ってきたのは拒絶の言葉。
「え? ダメなの?」
「あのね……今日は…アレの日なの…」
アレ……ああ。見た目が小学生みたいだから、つい忘れてたけど…月に一度はあるんだよなあ。
「そっか……じゃあ、我慢するよ……」
強がっては見たものの、言葉の端に無念さが浮かび上がってしまう。
「あ、でも、」
初音ちゃんが言葉を継ぐ。
「何、初音ちゃん? 無理はしなくていいよ」
初音ちゃんはふるふると頭を振る。
「ううん…あの…代わりに、別のことしてあげようかな、って……」
「別のこと……そうだね、じゃあ」
「うん……じゃ、わたしの部屋に来て」
初音ちゃんの、部屋。ベッドに腰掛ける。
初音ちゃんが、服を一枚、一枚脱いでいく。さすがに今日はパンツは脱がないけれど。
「お兄ちゃんも……」
促されるままに、俺は衣服を脱ぎ捨てる。
「じゃ、ベッドに寝て…」
全裸で、初音ちゃんのベッドに倒れこむ。初音ちゃんのにおい。
「んしょ…」
初音ちゃんは俺に馬乗りになると、俺の乳首に口をつける。
「う、ひゃっ」
慣れない快感に、つい声をあげる俺。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫……気持ち良くって驚いただけ。でも、どこでこんなテク……」
「あのね…千鶴お姉ちゃんのお部屋で…いけないってわかってるけど、本見つけて…そこに書いてたの」
……どういう本読んでるんだろう。
「こうすれば男の人は気持ち良くなる、って……」
「あ、んあっ」
初音ちゃんは、さらに俺の乳首に口付け、舌を這わせる。もどかしい、快感。
やがて、初音ちゃんは乳首から唇を離す。さすがに、これだけでは俺の下半身はおさまりそうもない。
初音ちゃんは、ちゅぷ、ちゅぷと自分の指を舐めはじめる。なんだかエロティックな、風景。
「えと…初めてだから痛いかもしれないけど……」
「え?」
俺は、予想外の言葉に、一瞬気を緩ませる。
「えいっ!」
その瞬間感じる、異物の侵入感。
「ひゃ、んあぁぁっ」
それは、初音ちゃんが、俺のアナルに指を突っ込んだ、感触。
「男の人も、お尻が感じるんだって……」
初音ちゃんは、つぷ、つぷと俺のアナルに指をうずめながら、言う。
「感じる?」
答えるまでもなく、俺のペニスは天井を向いて勃起しきっている。何となく、情けない。
「えーと…こうしたらどうかな?」
ぐりゅ、ぐりゅと、初音ちゃんはその細い指で俺の腸内をかき回す。
「ひゃあっ…うわ…こんな…気持ちイイっ…あ…」
初めての異物感と快感。たまらず声をあげる。
「お兄ちゃん…もうこんなにして……」
「ひゃあっ」
初音ちゃんの開いている手が、ペニスに触れる。それだけで、感じる。
「ほら……もっと気持ち良くなって」
初音ちゃんの小さな手、俺のペニスは握られる。そのまま上下に、手でしごかれる。
柔らかい初音ちゃんの手のひらの感触が、俺のペニスを刺激する。
アナルと、ペニスと。
ペニスを小さな手で弄ぶのを見ると、アナルを白魚のような指が犯しているのを想像すると、俺の興奮は一層激しくなる。
くりゅ、くりゅ
しゅっ、しゅっ
両方の手に攻め立てられ、俺の中で何かが高まってくる。
「あっ…ひゃあっ…あっ…あっ…初音ちゃん、イイっ…」
高まりに耐え切れず、まるで女の子のように喘ぎ声を漏らしてしまう。
やがて、腹の底から込み上げる射精感が、一気に爆ぜる。
「あ…やっ…イク…出る…出る…出るううぅぅっっ!!」
尿道を突き抜ける感触。
びゅくっ、びゅくっ、びゅくっ、びゅっ
「うあっ…あっ…」
「きゃっ、お兄ちゃんっ」
ペニスの先から噴き出した精液が、初音ちゃんの顔を、白く汚す。
「気持ち…よかった?」
事が終わり、初音ちゃんはおずおずと聞いてくる。……白いモノを拭い去らないままに。
その表情がまたソソる……
「良かったよ。すっごく……でも」
「でも……?」
そう、アレだけして、そんな表情をされて、俺は、俺はぁっ!
「ここまででおしまいなんて無理だっ! 初音ちゃん、俺はやっぱり最後までっ!!」
「きゃ、だ、ダメだってお兄ちゃんーっ!」