1 :
名無しさんだよもん:
関連リンク
>>2 001相沢祐一 002藍原瑞穂 003天沢郁未 004天沢未夜子 005天野美汐
006石原麗子 007猪名川由宇 008岩切花枝 009江藤結花 010太田香奈子
011大庭詠美 012緒方英二 013緒方理奈 014折原浩平 015杜若きよみ(黒)
016杜若きよみ(白) 017柏木梓 018柏木楓 019柏木耕一 020柏木千鶴
021柏木初音 022鹿沼葉子 023神尾晴子 024神尾観鈴 025神岸あかり
026河島はるか 027川澄舞 028川名みさき 029北川潤 030砧夕霧
031霧島佳乃 032霧島聖 033国崎往人 034九品仏大志 035倉田佐祐理
036来栖川綾香 037来栖川芹香 038桑嶋高子 039上月澪 040坂神蝉丸
041桜井あさひ 042佐藤雅史 043里村茜 044澤倉美咲 045沢渡真琴
046椎名繭 047篠塚弥生 048少年 049新城沙織 050スフィー
051住井護 052セリオ 053千堂和樹 054高倉みどり 055高瀬瑞希
056立川郁美 057橘敬介 058塚本千紗 059月島拓也 060月島瑠璃子
061月宮あゆ 062遠野美凪 063長岡志保 064長瀬祐介 065長森瑞佳
066名倉由依 067名倉友里 068七瀬彰 069七瀬留美 070芳賀玲子
071長谷部彩 072氷上シュン 073雛山理緒 074姫川琴音 075広瀬真希
076藤井冬弥 077藤田浩之 078保科智子 079牧部なつみ 080牧村南
081松原葵 082マルチ 083三井寺月代 084御影すばる 085美坂香里
086美坂栞 087みちる 088観月マナ 089御堂 090水瀬秋子
091水瀬名雪 092巳間晴香 093巳間良祐 094宮内レミィ 095宮田健太郎
096深山雪見 097森川由綺 098柳川祐也 099柚木詩子 100リアン
基本ルール
・ゲーム管理人は高槻&長瀬一族。
・「雫の電波使い」「痕の鬼」「東鳩の超能力、黒魔術、サテライト」
「誰彼の強化兵」「MOON.の不可視の力」「まじアンの魔法」
「往人の方術」「あゆの奇跡」 「舞の超能力」
以上の能力使いは、その能力を制限されるものとする。
・冒頭のナイフで死ぬキャラは「084御影すばる」とする。書き手さん、よろしくお願いします。
・他作品のキャラとの面識は自由。全て書き手の想像に任せます。
ルールを守ってNGが出ないようにやりましょう。
それでは、ゲームスタートです。
飽き飽き駄スレ
>>2 どうせ面白くないんだから最低限のマナーくらい守れや。
>>2 芸もないくせに妨害して暗い喜びを覚える低脳
まあまあ皆の衆、気を取り直してマターリ行こうよ。
2はヴァカだけどな。
絶海の孤島に建てられた巨大なホール。
ここから、史上最悪のサバイバル・ゲームの幕が今、開かれようとしていた。
「えぇ、これからお前達には、殺し合いをしてもらう」
マシンガンを持った男二人を横に連れ、ゲームの管理人、高槻は言った。
突然発せられたその言葉を殆どの人間が理解できなかった。
ただ一人だけ、瞬時に理解し、叫んだ者がいた。
084番、御影すばる。
「ちょっと、どういうこと!? ころし……」
パンッ!
軽い音が響く。
言葉を続けることなく、すばるはその場に崩れ落ちた。
誰よりも理解が早かった結果、誰よりも早くゲームから脱落した。
「どういうことって、こういうことだよ! わかったかい?」
ホール内を緊張が走り抜けた。
084番 御影すばる 死亡
【残り99人】
「ルールは簡単。ただこの孤島の中で殺し合いをするだけだ。
最後に残った人間だけが、唯一助かることができる。
脱出しようなんて考えないほうがいいぞ?
船は用意されてないから無駄だ。
これから読み上げた順に、鞄を持ってホールを出てもらう。
鞄の中には食料、水、島の地図、それに武器が入ってる。
武器には当たり外れがあるから、使えないのに当たったら運の悪さを恨むんだな。
我々に刃向かったら即刻殺すので、そのつもりで。
戦闘のプロばかりだから、勝とうなんて思わない方がいいぞ。
何か質問は?」
静かに手を上げる者がいた。
090番、水瀬秋子である。
「よろしいですか?」
「なんだい、かわいらしいお嬢さん。いや、奥さんだたか……クックッ……」
「お母さん!」
091番、水瀬名雪が隣で声を上げる。
秋子は「大丈夫」と目で言い、高槻に訊ねた。
「何の為にこんなことをするんでしょう? どうして私達が選ばれたのでしょうか?」
「何の為? 金持ちの道楽さ。深い意味はない。選ばれたのも、コンピューターが勝手にはじき出しただけだ」
「そうですか、ありがとうございます」
まだ緊張した面持ちで、席に座る。
「それじゃあ、ゲームスタートだ。せいぜい楽しませてくれよ!」
11 :
開戦前夜 (1?)@zin:2001/05/17(木) 18:20
ゲーム開始前日の深夜
高槻スタートポイントの藤井冬弥は
だれもいない食堂で物思いに耽っていた。
少し前まで同じ場所にいた人が死んだのだ、
現実を直視して生き残るために、戦うしかないのか・・
由綺や美咲さんにまた逢えるのだろうかと、
そこへ英二さんが入ってきた。
「ん、冬弥くんか 向かい側いいか?」
冬弥は、断る理由も無いので快く頷いた。
「大変な事になりましたね」
「大変も無いだろう、そんな暇があったら現実を直視して
どうするかを考えた方がよっぽど為に成るだろう」
食堂の外から、
「はっはっはっ、この島の露としてあげるわ、温泉パンダ〜」
と威勢のいい声がする、、
・・・何なんですか、あれ?」
という冬弥の問いに、あまり間を置かずに英二は
「向こうは仲の悪い者同士を同じスタート位置に配置しているんだろう。
、理奈、弥生姉さんと由綺ちゃん、冬弥くんの友達も他の四箇所から、
ばらばらにスタートだろうな。」
英二の考えに納得しながら冬弥は
「英二さん、スタートしたら、由綺を探すんですか?」
長い沈黙の後。。
「ん〜まずそうするだろうね、冬弥くんも、そうするつもりだろうが
俺を信用してくれてないなら、一緒に行くつもりはないよ、
でもここを出るまでに声を掛けてくれれば、いつでも一緒に気はあるけど」
「・・・考えさせてください」
冬弥はそう言って食堂を後にした。」
SSを書くのは始めての者ですが
英二の冬弥に対する呼び方が違うのは承知の上です・・。
すばるの殺し方、ナイフじゃないのを考えていたんですが
先に書かれた為、大急ぎで書き直しました。。
後、面識有る者が合流し難いようにスタートを5箇所から
にしたんですが、どうでしょうか
12 :
名無しさんだよもん:2001/05/17(木) 18:22
削除依頼出しておきました
需要のもとにスレが機能してるだろうがヴォケ。
039番、上月澪は森の中を走っていた。
わけがわからなかった。
こんな場所に連れてこられ、殺し合いなんてさせられて。
少し前までは、学校で平凡な日常を過ごしていたのに。
木の根に足をとられ、転ぶ。
だがすぐに起き上がり、走り出す。
誰かに狙われているかもしれないのだ、止まっているわけにはいかなかった。
『こわいの。嫌なの……』
瞳に大粒の涙を浮かべながら。
「澪!」
誰かに呼ばれ、振り返る。
043番、里村茜だった。
『先輩なの!』
知らない人間ばかりのこの場所で、折原浩平と並んで信頼のおける人だった。
一見冷たいように見えて、実は誰よりも心の暖かい少女。
気付いた時には、茜の胸に飛びこんでいた。
「澪……怖かったの?」
うんっ。
首を縦に振る。
「そう。もう大丈夫……」
先輩の声が聞こえる。
よかった、こんなに早く会えてよかった。
信頼できる人に。
その時だった。
首筋に痛みが走る。
全身から力が抜け、地面に倒れた。
何が起きたのかわからない。
だが、最後に見えたのは、血の滴るナイフを持った茜の姿だった。
「もう、何も考えないですむでしょ」
その声が澪の耳に届くことは、なかった。
039番 上月澪 死亡
【残り98人】
なんで深夜なんだよ……(汗)
スタッフロワイアルでもそうだったが、あまり早い段階で時間を特定する描写は避けたほうがいいと思う。
いろんな場所で同時進行で話が進むため、一ケ所で時間を特定してしまうと繋げにくい。
申し訳ないが「深夜」ってのだけ抜きでいいだろうか?
殺した。
可愛い後輩を、いともあっさりと。
不思議と罪悪感は感じなかった。
私は、絶対に帰らないといけないから。
あの空き地で、彼をずっと待ち続けなければいけないから。
私がいなかったら、彼は帰って来ることができなくなるだろうから。
「私も、奪う側に回ってもいいですよね?」
そう呟く。
澪の背負っていた、今や血にまみれている鞄に手をのばした。
武器を探す。だが見つかったのは、多少太い木の棒だけだった。
(外れ……)
はぁ、と溜息をつき木の棒を投げ捨てる。
そして、次の獲物を探しに、走り出した。
自分はこんなに早く走れただろうか。
こんなに体力があるのだろうか。
人間、極限状態まで陥れば、普段は眠っているような力が発揮できるとか。
そんなことはどうでもいい、絶対に、私は生き残る。
澪も殺した、もう迷わない。
ただ……
「私は……詩子まで殺せるの?」
その問いに答える者は、誰もいなかった。
【残り98人】
隣にあるのは、あかいカタマリ。
頭の半分を吹き飛ばされ、きれいだったろう顔が見事に歪んでいる。
見も知らぬ少女。
「――ッ」
吐き気がした。
目をどんなにそらしても、あのうつろな眼だけは私を追いかけてくる。
これは夢じゃない。
これは、ゆめじゃない。
「049番、新城沙織さん」
また、知らない子が教室を出ていく。
扉を開ける間際、その怯えた視線がちらりと少年に向けられるのが見えた。
……知り合い、なんだろうか。
だけど、次に生きて会える保証なんか何処にもない。
この他人ばかりの群の中で、信用なんてできるはずがない。
ぎらついた眼をした年かさの男。涙をこらえていた緑の髪の小柄な少女。
何度もしゃくりあげ、追い立てられるように教室を飛び出した眼鏡の子。
スタート直後、毅然とした眼で教壇の男を睨んで出ていった風変わりなひと。
――誰も彼もが、明日には私を殺すかもしれない。
振り返った先には、母親にしがみついて泣いている名雪の姿があった。
あのことイチゴサンデーを食べることは、もうできないんだろうか。
名雪。名雪は私を、殺すんだろうか。
「お姉ちゃん……」
か細い声にはっとさせられて、私は隣に座っていた栞を見た。
「置いて、いかないで」
押し出すように発された言葉。
「ひとりは、いや…」
今にも泣き出しそうな、頼りない声。
……ああ、そうだ。私は、わたしのできることは。
無言でふるえる栞の手を握りしめ、私はなんとか笑おうとした。
「大丈夫、よ」
姉妹でよかった、ほんとうに。
だって――出発するのは、ほとんど同じ時間だから。
>>11 (゚д゚)ハァ?
ごめん、マジで分からない。出発箇所がバラバラって?
あんまり変則的にすると訳分からないよ。
てか、相談できない状況に追い込むのが教室に集めた理由では?
みんなで組まれれば組まれるほどゲームが進まなくなるから、
そんな状況にはしてくれないと思うんだけど。
あと、出発の順番は守ってな。
初めに出た奴と最後に出た奴は移動範囲が全然違うだろう。
血縁のある奴らはトクだね。出発順序が近いから。
…で、誰からスタートしたんだろ? 1が1番、とは限らないよ。
それと
>>11がつくった設定がいまいち分からないんだけど、できれば教えて。
ちょっと混乱してる。
20 :
封印:2001/05/17(木) 20:25
ゲームがスタートして数時間ほど経った頃、柳川祐也[098番]は森の奥に人影を見た。
(誰だ……)
自らの気配を殺して近づく柳川、向こうはこちらにまだ気づいてはいないようだ。
だが少しずつ近づくにつれ柳川は奇妙な違和感を感じていた。
(気配がしない……?)
対象まで数メートルに近づいたところで柳川はようやくその違和感の正体に気づいた。
その人物の耳についている奇妙な突起。
(メイドロボ――あの形状はHM-13型セリオか、気配がしないわけだ)
(だが、奴はいったい何をしているんだ?)
柳川がそう思うのも当然であった。彼が発見したときから彼女は天を仰いでずっとその場に立っていたのだから。
微動だにしないのはロボットだから当然ともいえた、だが休んでるようにも見えない。
その時不意にセリオの頭が動いた。どうやら活動を再開したらしい。
「やはりサテライトサービスは利用出来ないようですね」
セリオはそんなことをつぶやくと、柳川の方に歩いてくる。
(気づかれた? いや、まさかな)
そう考える。だが柳川はいつ襲い掛かられても良い様に臨戦体制を整える。
セリオは正確にこちらのほうに向かってくる。
彼女の唇が動いた。
「なぜでしょう? なぜサテライトサービスが利用できないのでしょう? 柳川さん」
(何!?)
自分の名前を呼ばれ、柳川は一瞬だけ反応が遅れた。その一瞬でセリオは柳川の目の前まで接近する。
衝撃。
腹部に受けた一撃は彼を吹き飛ばす。立ちあがる柳川の目には殺意が宿っていた。
21 :
封印:2001/05/17(木) 20:25
「……もういい、キサマは死ね」
そうつぶやき、柳川は全身に意識を集中させる。自らの血に、遺伝子に組み込まれた力を開放させようとしている。
だが――
(力が発動しない?)
再び目の前に迫ったセリオから手刀が振り下ろされる。とっさに左手でガードする柳川。
(いや、力が発動しないんじゃない、何かの理由で力が制限されている)
今の自分はせいぜい一般人に毛が生えたレベルだ。そう考えた柳川は空いた右手で腰のナイフを引き抜き、横に凪ぐ。
それをバックジャンプで回避し、セリオは距離をとる。だがそれに合わせて柳川も跳躍していた。
柳川のナイフから次々に繰り出される突き、セリオはその突きの一つ一つを確実にかわしていく。
しかし、柳川の攻撃は止まらない。そしてついに柳川の突きがセリオの眉間を捕らえた。
「!」
眉間まであと数センチのところで柳川のナイフは静止している。彼の手首はセリオの両手がしっかりと固定していた。
(どうやら彼の力より私の力の方が優勢のようです)
そう考えながらセリオは徐々に眉間からナイフを離して行く。
だが次の瞬間、柳川の指が何かのスイッチのようなものに触れた。そして――
「……どうやら鬼の力には何か制限がかけられているようだな」
そう呟きながら柳川はセリオの頭に刺さったナイフの刃を引き抜く。
彼に支給された武器、それは旧ソ連軍の使用していた発射式ナイフ「スペツナズ・ナイフ」だった。
セリオのバッグを拾い、柳川は立ち去る。
そしてそこには機械の塊だけが残された。
052番 セリオ 死亡
【残り97人】
22 :
親子:2001/05/17(木) 20:31
神尾晴子(023)は、急いでいた。
森の中の道なき道を、木の根につまずきながら、葉を顔に受けながら、ただひたすら地図に『W』と示されている場所を目指して。
「頼む、無事に、無事にしててや…」
あの後、参加者達はホールでゲームの説明を受けた後、5つのグループに分けられ、それぞれ移動させられた。そのとき、晴子は自分の娘、神尾観鈴(024)と離ればなれになってしまったのである。
側面に『V』と書かれたトラックに乗せられ、着いた先は小さな小屋だった。壁にも大きく『V』の文字。
彼女らは一度その小屋に移され、順に荷物を渡されて出発させられたのである。
晴子は、出発するなり、手近な物陰に隠れて支給された地図を広げた。円で囲まれた『T』『U』『V』『W』『X』という印が、赤色で目立つように描かれていた。これがそれぞれのスタートポイントなのだろう。『V』の印は、島の南東側にあった。
トラックに乗せられるときに確認した、観鈴の乗せられたトラックの番号。
「『W』…」
晴子は、そこへ向けて一目散に駆けだした。
23 :
親子:2001/05/17(木) 20:31
晴子のグループ『V』には、彼女の家の居候の国崎往人(033)もいたが、それを待つことはしなかった。
番号が近いから、ほぼ同時に出発しているはず。居場所のある程度わかる時期に動かないとわからなくなると考えたからだ。
観鈴は仲間を作ることが出来ない。それが何よりも心配だった。自分が付いていてやらねばならない。
『W』は島の南西側にあり、比較的『V』に近かったが、それでもかなりの距離があるように感じられたのは、島が思いの外大きいのか、それとも焦りのためか。
もうたっぷり10分は走っただろうか。そのとき、
「あっ!」
そのとき、木の陰に見えた人影、それはまさしく彼女の娘、観鈴であった。
大急ぎで駆け寄る。
「よかった…もう会えへんかと思ったわ。一緒に…」
「来ないで!」
「え?」
意外な返事に驚く晴子。
「何言ってるんや。一人より二人の方が絶対安全やし…」
「いや、ダメ、ダメ! お母さんと一緒にいたら、わたし、泣き出しちゃう。目立っちゃうよ! わたしは誰とも一緒にいちゃいけないの。だからダメ!」
「そんな…そんなんうちはかまわへん! せっかく会えたんや! 一緒に行こうや!」
「ダメえっ!」
「うわっ!」
晴子がが足下に投げられたナイフにひるんでいる間に、観鈴は一目散に駆けだし、見えなくなってしまった。
「ちょ、観鈴、観鈴ー!」
>>11を参考に勝手にルールを作っちゃったけど、よかったかな?
本当は番号で決めるつもりだったんですが、整合が取れなくなるので、グループ分けはアトランダムになされたということで。
適宜配分してください。
勝手スマソ
>>17はグループTで、ホールをそのまま使ったということにすればいいんじゃない?
ちょっと状況整理…
沙織、祐介(だよな?)香里、栞、名雪、秋子、
マルチ、瑞穂、御堂?、郁未は1ブロックめか?
(ローマ字は外字なので使用控えた方がいいかもな)
自分にも聞こえないほど小さく呟いてみる。――なんとも不思議な状況だ。
折原浩平(014番)は、頭をぽりぽり掻きながら薄暗い森の中で一人ぽけっとしていた。
配られたデイバックの中身も確かめないまま、自分が置かれた状況に首を傾げるばかり。
溜息を吐いてみたが、果たしてその溜息が時期の割に白いという程度しか判らぬくらい働かぬ頭。
こんなにも動揺したのは、あの時――自分が消えていく事を悟った瞬間の、あれ以来である。
――煙草、あったっけ、と小さく呟いて、持ってきた鞄の中を探ると、
幸運にも数本入っている潰れた煙草箱を見つけた。
早速しゃぶろうと思ったのだが、浩平は少しばかり躊躇した。
――仮に運良く生き残っていったとしたら、まあ、戦いはなかなか終わらんだろう。と思う。
生き残る、という言葉を反芻してみて、少しぞっとした。
そう云う状況に放り込まれたんだなあ、と、暢気に呟いてみた。
「つーか、長森がうるさいしな」
仮にも長森を待ってるわけだから、煙草を吸ってるのはまずいだろ。
浩平は、十年来の友人である友人である長森瑞佳(065番)を待っていた。
出入り口が見渡せ、且つ森の中で陰になっている、割と安全な場所で。
最初集められたホールからだいぶ離れた場所に、自分たち十数人は移された。
中には長森と七瀬の姿もあったので多少なりは安心したが、後は知らぬ人ばかり。
その中で一番最初に名前を呼ばれた「お」の折原浩平は、こうして一人草の上に座っているのである。
ちょうど今、小柄な少女――変な鞄を背負った娘がとことこと駆けていくのが見えた。
確か月宮なんとかという娘の筈だ。
「つ」だから、もうすぐだろう。
七瀬も同じ「な」だから近い。三人で行動をするのがベストだと思う。
里村やみさき先輩、椎名や澪もすごく良い奴だし、信頼できる女の子達だとは思う。
だが、団体で行動した場合、少数で行動した時にはないメリットは確かに多くあるものの、
代わりに仲間割れなどのデメリットが非常に大きい。
自分は皆を信頼しているが、皆が他の女の子を信頼しきれるとは限らない。
こんな状況の中で、彼女たちが発狂し、皆で殺し合いの可能性だって考えられなくはない。
そもそも、彼女たちとどうやって合流するというのだろう、という問題もある。
だから、長森、七瀬と、三人で行動するのが良い。それが一番バランスが良いとも思う。
人数が多すぎると破滅を招くかもしれない、三人くらいなら問題ないだろう。
長森と七瀬はそこそこ仲が良かったから、仲間割れもないだろうとも思う。
何より、七瀬に背中を預けたいのである。
長森や七瀬が足手まといになる可能性は高いが、それを云うなら自分だって似たようなもんである。
運動神経こそ浩平の方が遙かに上だが、長森の方がずっと頭が良いし、七瀬の強い決断力も頼りになる。
一人で行動するよりずっと効率が良いし、最後に抜け出す時に長森や七瀬は必ず力になる。と思う。
――本音は、瑞佳を、七瀬を、二人を護ってやらなければいけないという、
そんな責任感は、確かにあったのかも知れない。
それに、戦闘に関して云えば、武器を持てば皆同じだ――
ふと思いついてデイバックを開けてみた。
男女が同じ条件で殺し合いをするというのは、明らかに力に劣る女子にとって不利である。
オレと長森が格闘してオレが負ける道理はない。だから、武器には差がある。
云っていたじゃないか、あの嫌みったらしい顔をしたおっさんが。
ごそごそと音を立てて取り出したのは。
「――拳銃」
心臓の音が少し高くなる。
アタリ武器と云えるかも知れぬ。
震える手でその黒い物を握った。
「割と軽いんだな」
初めて持った漆黒の鋼は、浩平の手に収まる程度の小さなものだった。
小型拳銃を持って、手のひらの上でくるくると回してみた。
こんな事してる内に引き金が引かれちゃったら、どきゅうううん。
「そんな風に暴発して死んだら面白いかも知れん」
面白くない。
浩平は自覚していなかったのだが、こうやって武器を手に取る事で、何人かの参加者は確実に昂ぶっていた。
拳銃を――アタリの武器を手に取った参加者は、これで生き残れる可能性が増えた、と、少なからず思っていた。
生き残るというのが相手を殺す事なのだと云う事を、明瞭には理解しないまま――。
「しかし、拳銃なんて使えるのかしら」
浩平は銃をベルトに引っかけると、そんな事を呟きながら草の上に寝転がった。
長森はまだだろうか、と暢気に寝転がりながら浩平は独り言を云っていた。
煙草も勿体なくて吸えないから、独り言でもしてる他ないのである。
「拳銃ねえ……使いこなせなければ打楽器にもならん」
打楽器になって何の意味があるというのか。
「いや、というか、オレは人を殺せるのかしら」
結構あっさり殺してしまえそうだが、逆に引き金なんか引ける気がしない。
知り合いならともかく、面識もない奴なら、こんな状況でも殺してしまえそうではあるのだが、
自分は案外臆病である。無理っぽい気がする。
「まあ、出来る限り逃げまどっていく方が安全だろうしなあ」
拳銃対拳銃とか、拳銃対ナイフならともかく、拳銃対マシンガンとかだったら勝てる見込みはない。それに、
「あの七瀬なら、素手でもオレの拳銃に勝つような気がする」
「んなわけあるかっ、どアホッ!」
「うわっ!」
目を瞑って考え事をしていた為、上から声が聞こえた瞬間驚きで心臓が止まりそうになった。
聞いた事のある声で本気で良かった。しかし、その声にはいつもの張りがない。
いつもよりずっと不安そうな、弱そうな――か弱い女の子の顔をした七瀬留美(069番)が。
いつものような黄色の制服を纏いながら、体を震わせていた。
「七瀬か……びっくりさせるな、アホっ」
浩平は身体を起こし、鞄を抱えて立っている七瀬に文句を言うと、
「ご、ごめん」
本当にらしくない表情をする。
いや、七瀬が本当はこういう娘である事くらいは知っているし、
本当はか弱い、ただの女の子であると、判ってはいるのだが、それでも、
「拳で熊だって殺せると思うんだよな、七瀬は」
「そんなわけあるかっ、どアホッ!」
また口に出してしまった。――まったく、口は災いの元である。
――待て。「ながもり」「ななせ」……
「長森は?」
「――あれ? 一緒じゃないの? あたしのすぐ前に出てったはずだけど」
七瀬は怪訝な顔をして、見てなかったの、と呟いた。
浩平は歯軋りしながら頬を歪めた。
……オレはバカか――?
長いなあ……もう少しまとめる力が欲しいものです。
で、忘れてました。折原グループは「II」という事でお願いします。
33 :
シイ原:2001/05/18(金) 00:51
「きゃ〜〜〜!? わわわ! 助けて〜!」
「おとなしくしなさい、このアリ女!」
広瀬真希(075)が、倒れた雛山理緒(073)の上にのしかかる。
「私が死んだら良太が〜! ひよこが〜! お母さんが〜!
お願い、見逃して〜!」
「あきらめなさい。どうせあんたみたいなのじゃ、最後まで生き残れないわ」
真希が、逆手に構えたスタンガンを首筋に当てる。
「やだ〜! えいえい、このっ!」
「ちょ、このっ、暴れないでっ! きゃっ!」
真希が大きくバランスを崩し、横に倒れる。
その隙に理緒が転がり、不器用に立ち上がる。支給品である大口径のマグナムを取り出し、
片手で顔をかばう真希に向ける。
「こ、来ないで! 来なければ殺したりしないから! 来ないで!」
がくがくと膝が震え、腰は完全に引けている。
真希は鋭い目つきで理緒を睨み据え、威圧するように一歩踏み出した。
「撃ってみなさいよ。バッカみたい。あんたみたいのが撃てるわけないじゃん」
「お、お願いだから……!」
理緒が、左手で銃の腰を押さえる。
「いいわよ。こんなとこで死ぬようじゃ、アタシも最後まで生き残れない。
ホラ、撃ちなさいよッ!」
「わ、私、やだっ! イヤだ!」
理緒の目に、涙が浮かんだ。腰が完全に引けきって、逆に姿勢が安定されている。
真希が、さらに一歩踏み出した。スタンガンをこれみよがしに見せつけ、バシッと火花を散らす。
「じゃあくたばるしかないわ。そうやって泣いてなさい」
一歩。
「な、何で……」
一歩。
「こんな事になっちゃったの……」
一歩。
「何で! 何で! 何でぇぇぇ!!」
轟音が、深い大空に鳴り響いた。
後に残ったのは、くずおれて号泣する理緒と、原型を留めないほど顔を吹き飛ばされた真希だった。
075 広瀬真希 死亡
【残り096人】
34 :
シイ原:2001/05/18(金) 00:54
>>33 あー。とりあえずこの二人は4班という事で。
森の中で、観鈴は立ち止まる。
「もう、嫌だよ。
私がいると、おかあさんや往人さんに迷惑かけちゃう。
私なんかといると、死んじゃうよ。
もう……ゴールしてもいいよね」
自分の手元には、投げナイフがあと2つ。
だが観鈴には自ら命を断つという選択は出来なかった。
今まで生きてきた人生の中で、どんなことにも耐えきるという『強さ』がついてしまっていた。
このままどこかに行こう、おかあさんにも、往人さんにも見つからないところへ。
そう思い一歩踏み出す。
「何を思っていたんだい?」
声が響いた。
声の主は、今まさに観鈴が歩こうとしていた方からやってきた。
「誰……ですか?」
「大丈夫、危害を加えるつもりはないよ。もっとも、信用はできないだろうけどね。
で、君は今、何を考えていたんだい。
よければ教えてくれるかな」
喋ってもいい気がした、この少年の雰囲気がそうさせたのだろうか。
「おかあさんが探してるの。
でも、私といたら、私泣いちゃうから。
目立っちゃうから、危ないの。
だから、一緒にはいられないの」
「そう。
だけど君のおかあさんは、それでも君と一緒にいたいんじゃないかな。
こんな中で、全てを受け入れて最後まで、君と一緒にいたいんじゃないかな。
君のことが好きだったら、そうしたいはずだよ」
「私もおかあさん大好き。
だから、一緒にいちゃいけないの……」
泣き出したかった。
本当は一緒にいたかった。
自分の中のどこかが、頑にそれを拒んでいた。
「そう。
でも、人にはそれぞれに幸せがある。
自分の本当の気持ちと、おかあさんの気持ちが一緒なら、それでいいじゃないか」
少年の言葉が心に染みる。
いいのだろうか。本当にいいのだろうか。
「一度眠るといい。目が覚めたらきっと、君にとっていいことが待っている」
どうしてだろう、眠くなってきた。
力を失い倒れかけた観鈴を、彼は支えた。
そのまま木にもたれかけてやる。
そして自分もその横に座り、その人の到着を待っていた。
36 :
名無しさんだよもん:2001/05/18(金) 01:33
「観鈴っ!」
「来たみたいですね。大丈夫、眠っているだけです」
「あんた何者や。観鈴に何かしたんか?
もし何かやってたら、あんたのこと絶対に許さへん!」
言って少年を睨み付ける。
少年は全く動じなかった。
「この子は人との愛情に餓えています。
あなたが優しく包み込んで、声をかけてあげて下さい。
そうすれば、全てがうまくいくはずです」
そう言い、少年は立ち上がり、歩いて行こうとした。
晴子はぽかんとしながらも、訊ねた。
「あんたは誰や。名前ぐらい、教えんかい」
「――氷上シュンといいます。それでは」
それだけを言い、氷上シュン(072)は姿を消した。
目を覚ます、誰かに抱かれていた。
「おかあさん……」
「もう大丈夫や、観鈴。うちはずっと、あんたと一緒や……」
もうなにもかもがいやになっていた。
今日はネームを終わらせようと思って、一生懸命かんがえてたのに。
夏こみの当落発表前に入稿をすませて、したぼくたちをおどろかせてやろうって、
そう思ってたのに。
だけどしたぼくはいない。みんないない。
こんな場所、こんなしんきくさい場所、いたくない。
「詠美っ…止まり!!」
聞き慣れた叫びも、いまはこわいだけだ。
目を合わせたら、おしまいだ。
ぎゅっと目をつぶって、あたしは夜の住宅街を走り抜けた。
絶対に追いつかれないように、せいいっぱい急いで。
あいつは、あたしのことがきらいに決まってるんだから。
いつもわがままいって、困らせてたから。
面倒ばかりかけるおおばかだって思ってるんだ。
だからあたしも、あんたなんて、しんようしない。
すこし悲しくなったけど、それはしかたのないことだった。
と、
風をきるような、音。
「な…っ」
植え込みに突き刺さっていたのはショートボウガンの矢だった。
いきができない。やだ。やだ。やだよ。
目を動かせば、そこには白衣のひと。
眼鏡のおくがつめたくみえた。こっちにくる。
「どうも腕が鈍ってるようね、調子が出ないわ」
きりり、と音がして、もう一度照準が合わされた。
やだ。ちょっと、あたし、なにしてるんだろ。
やだ、ほんと、なんで、はしれないんだろう。
なんで足がこんなに、うごいてくれないのよ。
「ごめんなさい。痛くないようにするから、我慢して」
「うそっ」
そのひとは笑っていた。
きりきりと腕を引く。
「や、」
もういちどで、たぶんあたしは――――
目をつぶったと同時に、ぱぁん、と、何かが弾ける音がした。
「何さらしてんねん、この人殺しがァッ!!!」
温泉――パンダ。
ぱん、ぱん、とまた続けて音がして、植え込みや街灯を割った。
はっと見れば、白衣のおんなの腕と腹が、あかかった。
その手には何も持っていない。なにも……え?
ぱぁん。
もう一度その音を聞くと同時に、あたしは腕をひっつかまれていた。
「早う逃げるで! 同人女は夏こみまでは死ねんのや!」
「え、え、」
いくつも曲がり角をまがって、足がついていくのもやっとだ。
だけど今走らないと、今は、早く、
「ええか、向うの山まで行くで。
うちらの前に出たんはあの女しかおらん、充分まける」
「あ――――」
ろくにしゃべれなかった。
だってこいつは、あたしをきらいなはずで。
『この島の露としてあげるわ、温泉パンダ!』
あたしは。
「行くで、詠美!」
とんでもなく、ばかだった。
「だほーん!!」
爆音が響いた。目覚めた鳥達が行き場を失って乱れ飛んでいる。
「あ、あなたって人は!!!」
怒りに燃えながら俺はヤツに向ってチンポを突き出した。
−−−−−−−−CM−−−−−−−−−
田畑製菓のイカのヤキトリ!!うまいよっ!!
おんべえさんも?アソコで食ってるぅっぅ〜〜〜〜
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
40 :
名無しさんだよもん:2001/05/18(金) 01:44
>>38 こみパやってないから何が何だかわからんが、登場した人間の名前くらいは全部出して欲しい。
41 :
名無しさんだよもん:2001/05/18(金) 01:49
詠美と由宇のかけあい萌え〜。
…ところで、白衣の人って誰?
白衣&メガネ……だれ?誰彼からだとサパーリ解らないんだが
麗子たんね。
「またね、お嬢ちゃんたち」
言い終わるなりちっ、と舌打ちをして、石原麗子は逃げ行く少女たちを見送った。
わざわざ追うことはしない。まだまだ先は長いのだ。体力は温存しなければ。
それにどうも―――力が巧く発現してくれない。
「粋な真似してくれるじゃない」
ひとりごちて、由宇の銃弾が掠めた腕の血をペロリと舐め取る。
おそらく、島全体になんらかの呪術結界式が敷かれている。
そうでなければあの二人とも、あっという間に殺せていたはずだ。
コツをつかめば多少の力の行使は出来るだろうが……直接死に至らしめるのは無理だろう。
勿論それは、自分以外の人間にも適用されるのだが。
ならば、まずするべきことは。
……答えは、あっさりと見つかった。
少女たちの強運を嘲笑って、麗子は詠美たちとは反対方向へと歩き出した。
46 :
41:2001/05/18(金) 01:55
>>42 さんきゅ。しかし、誰彼やってないからどの道わかんないな(笑)。
>>37-38、自分です。ゴメン。
関西弁少女は007猪名川由宇、011大庭詠美視点です。
襲撃者は006石原麗子、誰彼の医者ねーちゃんです。
ブロックは「5」、現在出発してるのはこの3人ということで。
順次だしてってやってください。
>>17は郁未か?晴香かもしんないぞ。
うーん、書き手さんにおまかせかな。
時間の経過につれてどうせ全員外に出てごちゃ混ぜになるんだ。
実はあまり神経質にならんでも大丈夫だと思ったり。
川名みさき(028)は絶望していた。
自分は目が見えない。
ゲームが始まる前から、既に脱落を宣言されているようなものである。
やる気になっている人は必ずいるだろう。
そんな人の前では、自分は無力なのだ。
(もう、いいか……)
幸い、自分の連れてこられたここは学校のようだった。
学校の構造なんてどこも似たようなものである。
最後に風を感じたかった。
武器の支給を辞退し、教室を出る。
壁を伝って、一歩一歩、ゆっくりと歩いた。
階段を見つけた。
一段一段、上がっていく。
そして、ドアがあらわれた。
カチャ……キィ……
鍵はかかっていなかった。
ドアを開け、屋上に出た。
出来ればフェンスの所まで歩きたかったが、そもそもあるかわからない。
そこで、二十歩歩いて止まることにした。
(一歩、二歩、三歩……
……十八、十九……二十歩)
腕を広げ、風を感じる。
思いのほか、暖かかった。
見えない目を閉じた。
こうしているだけで、あの学校の屋上を思い出せる。
屋上ばかりではない。小学校の頃から通っていた校舎まで。
全てが、自分の中にある。
(もう一度、帰りたかったな)
(浩平君に、会いたかったな)
その十分後、風とは違う音が聞こえた。
そして同時に、みさきの意識も、閉じていった。
「一体何をやってたんだろうな」
藤田浩之(077)は、屋上の縁で手を広げる少女を見つけ、支給武器であるオートボウガンの引き金を引いた。
矢は綺麗に少女の胸を貫き、バランスを崩した少女はまっ逆さまに落ちていった。
人を殺した。だが、何の感情も涌きはしない。
それよりも……
「かったりぃ、さっさと終わらせて帰るぜ、俺は」
028 川名みさき 死亡
【残り095人】
51 :
訂正:2001/05/18(金) 03:27
(もう一度、帰りたかったな)
(浩平君に、会いたかったな)
(ゴメンね、雪ちゃん………)
52 :
名無しさんだよもん:2001/05/18(金) 03:33
ONEキャラ激しいな。
先輩と澪と広瀬は既に氏んで、茜は殺人鬼化。
浩平と七瀬は瑞佳とはぐれ、氷上は氷上で意味不明なことを。
セリオの脱落が異常に早くてビビってる。
マジで? 先輩も早いな、無理ないけど。
あ、武器まとめてみた。
理緒=大口径マグナム
観鈴=投げナイフ×2
広瀬=スタンガン
由宇=銃?
浩平=小型?銃
柳川=スペツナズナイフ
茜=ナイフ
澪=木の棒
麗子=ボウガン
浩之=オートボウガン
誰彼キャラが鍵を握ってるんだろうなぁ
忘れ去られて最後まで残るか、雑魚扱いでさくっと殺されるか
……キャラの性格がわからなくって動かしようがなかったりして
今のところ全く出てないまじアンキャラに合掌。
痕、鳩、ONE、Kanon、AIRしかやってない。
これはネタに困りそうだ、自分。
001相沢祐一 002藍原瑞穂 003天沢郁未 004天沢未夜子 005天野美汐
006石原麗子 007猪名川由宇 008岩切花枝 009江藤結花 010太田香奈子
011大庭詠美 012緒方英二 013緒方理奈 014折原浩平 015杜若きよみ(黒)
016杜若きよみ(白) 017柏木梓 018柏木楓 019柏木耕一 020柏木千鶴
021柏木初音 022鹿沼葉子 023神尾晴子 024神尾観鈴 025神岸あかり
026河島はるか 027川澄舞 029北川潤 030砧夕霧 031霧島佳乃
032霧島聖 033国崎往人 034九品仏大志 035倉田佐祐理 036来栖川綾香
037来栖川芹香 038桑嶋高子 040坂神蝉丸 041桜井あさひ 042佐藤雅史
043里村茜 044澤倉美咲 045沢渡真琴 046椎名繭 047篠塚弥生
048少年 049新城沙織 050スフィー 051住井護 053千堂和樹
054高倉みどり 055高瀬瑞希 056立川郁美 057橘敬介 058塚本千紗
059月島拓也 060月島瑠璃子 061月宮あゆ 062遠野美凪 063長岡志保
064長瀬祐介 065長森瑞佳 066名倉由依 067名倉友里 068七瀬彰
069七瀬留美 070芳賀玲子 071長谷部彩 072氷上シュン 073雛山理緒
074姫川琴音 076藤井冬弥 077藤田浩之 078保科智子 079牧部なつみ
080牧村南 081松原葵 082マルチ 083三井寺月代 085美坂香里
086美坂栞 087みちる 088観月マナ 089御堂 090水瀬秋子
091水瀬名雪 092巳間晴香 093巳間良祐 094宮内レミィ 095宮田健太郎
096深山雪見 097森川由綺 098柳川祐也 099柚木詩子 100リアン
【95名】
>>45 006石原麗子 007猪名川由宇 011大庭詠美
>>28-31
014折原浩平 061月宮あゆ 065長森瑞佳 069七瀬留美
>>35-36
023神尾晴子 024神尾観鈴 072氷上シュン
>>16 043里村茜
>>33 073雛山理緒
>>50 077藤田浩之
>>20-21
098柳川祐也
まとめておきました。
>>で辿れる先は最新のものです。
60 :
それぞれのスタート地点:2001/05/18(金) 14:36
はっきりとした所、あるいは推定で
確定
1. 0人
ナシ
2. 7人
014折原浩平 061月宮あゆ 065長森瑞佳 069七瀬留美 028川名みさき
039上月澪 043里村茜
3. 3人
023神尾晴子 073雛山理緒 075広瀬真希
4. 1人
024 神尾観鈴
5. 3人
006石原麗子 007猪名川由宇 011大庭詠美
不明(調整?)9人
049新城沙織 (1?)
098柳川祐也 052セリオ 072氷上シュン
077藤田浩之 (2?)
012緒方英二 076藤井冬弥(詠美たちと同じ位置とするなら5?)
085美坂香里 086美坂栞 (
>>17 何処かはっきりしないが同じ位置から)
誰か解からなかった物は割愛しました。
未登場、名前不明はあと80人います。
>>60 荒らし? めちゃくちゃだぞ。
澪と茜は2ではない(
>>28参照)し、理緒と広瀬は4(
>>33)。
それと
>>17は1(
>>25-26)で決着付いたんじゃない?
それから2〜5は小屋みたいだから、みさき先輩は1の方がいいと思う。
まとめるならもうすこしちゃんと読んでくれ。
1.
049新城沙織 085美坂香里 086美坂栞 090水瀬秋子 091水瀬名雪
2.
014折原浩平 061月宮あゆ 065長森瑞佳 069七瀬留美
3.
023神尾晴子 033国崎往人
4.
024神尾観鈴 073雛山理緒 075広瀬真希
5.
006石原麗子 007猪名川由宇 011大庭詠美
現在の完全確定分。
まあ、
>>49のいうとおりそのうちどうでもよくなることなのであまり神経質にならずどんどん書いてください。
オレモナー
浩之ちゃんは必ずマスィーン桐山化するよな、誰が書いても(w
ああっ、みさき先輩死んじゃった!?
今から書こうと思ってたのに・・・残念
>>64 どんなネタ考えてたん?
もう書けへんならせめてネタだけでも教えてやー
66 :
名無しさんだよもん:2001/05/18(金) 19:02
浩之ちゃんはこのまま桐山化してくんですか…。結構良い奴だと思うんだがなぁ、浩之。
「あー、かったりぃ」なイメージがついてるのはアニメのせい?
too hard(w でもマスィーンだったしなあ、浩之ちゃん。
既製のイメージをワンテンポずらされると面白いんだが。
その点茜は意外でよかったよ。
68 :
血。:2001/05/18(金) 21:37
長森瑞佳(065番)は駆けた。駆けた。駆けた――。
暗い森の中を、建物が見えなくなる位まで走り抜けると、漸く瑞佳は一息吐いて、
柔らかい草の上に座り込んだ。
殺されるのが、あまりに怖かったから。
ずっと遠くまで離れないと、すぐにでも殺されてしまうような気がしたから。
――浩平に逢いたい。浩平。こうへい、こうへいっ……
自分より三十分近く先に出ていってしまった浩平が、まさか自分を待っていてくれるとは思いもしなかった。
ここまで走ってきて、漸く、浩平が待っていたのかも知れないという可能性に気付いたのだ。
もしもそうだとしたら、自分は、浩平と行動できるかも知れない最後の機会を逃した事になるのかも知れないっ……
だが、瑞佳は出来る限り楽観的に考える事にした。もし浩平が待っていてくれたのなら、
わたしが建物から出てきた時に声を掛けてくれた筈だ。
もし掛けられていたなら、瑞佳は絶対にそれを聞き逃さない自信はあった。
そんな事を考えながら、一人瑞佳は待つ事にした。
誰かが通りかかるのを待ち。知り合いが、――浩平が通りかかるのを待ち。それが、一番安全。
受け身過ぎるとは判っているが、それでも怖いから――怖いから。瞼を閉じて、顔を膝に埋めた、
――その刹那。
ぱらぱら……という、軽い音が、すぐ自分の裏で聞こえたような気がした。
びくりとして振り返ると、二人の人間が対峙しているのが。
――正確には対峙してはいない。
一方が銃で襲いかかるのをもう一方が逃げている構図だった。
69 :
血。:2001/05/18(金) 21:38
「やめろっ、何処の誰だか知らないけどっ」
七瀬彰(068番)は、必死で逃げ回りながら、目の前の見知らぬ、眼鏡を掛けた少女を説得しようとしていた。
だが、まるで聞く様子もなくマシンガンの引き金を引く少女。
慣れていないためか狙いはまるでバラバラだが、当たってしまえば自分は間違いなく、死ぬ。
息切れしてきた――、くそっ、もっと運動しておくべきだった。
ミステリーばかり読んでるから体力つかないんだよっ、という冬弥の言葉が思い出される。
「ほんとだよ、冬弥っ」
目の前の少女を止める方法は、取り敢えず今の自分にはない。どう説得しても止むまい。
せめてもう少しでもまともな武器を持っていれば――
右手に握るフォークがきらり。
くぁんッ! という音を立て、弾丸が右足の太股に食い込んだ。
叫び声をあげ、彰は土の上に崩れ落ちた。
歩けない事はないが、動くたび激痛が走る。
「畜生っ」
美咲さんにも逢えないで、こんなところで死ねるかっ!
彰は力を振り絞り、フォークを女の子に向かって投げた。
だが、漫画やミステリーで投げられるダーツのように上手く飛ぶはずもなく、
ただ女の子の胸に柄の部分がころんと当たっただけに過ぎなかった。
駄目だっ、殺されるっ!
――しかし、追撃がない。響くのはカチャン、カチャンという音。
弾丸が切れたっ! しめた、とばかりに彰は足を引きずりながら森の闇に消えた。
予備の弾がある事は充分に考えられるから、早く逃げないと――。
混乱する神経。身体の痛みと相まって、彰の心は恐怖に侵されていく。
痛み。痛み。痛み。血が――血が――、死ぬ、死ぬ――
眩暈を覚えて、彰は再び土に突っ伏し、そのまま意識を失った。
70 :
血。:2001/05/18(金) 21:40
藍原瑞穂(002番)は、試行錯誤しながら、なんとか弾丸を補充した。
生き残るんだ、生き残るんだ――
マシンガンが当たったんだ。香奈子ちゃんと一緒に逃げられるかも知れない。
みんなころして、わたしたちがいきのこるんだいきのこるんだいきのこるんだ。
さっきの男の人は遠くに行ってしまった。
殺し損ねた。だがまあ、しかたない。
香奈子ちゃんは何処だろう。何処に行っちゃったんだろう。
逢いたいよ香奈子ちゃん香奈子ちゃん香奈子ちゃん。
がさりという音。
「誰!」
瑞穂はマシンガンを音が聞こえた方向に向け、弾丸を雨のように降らせる。
「死んだかなあ」
確かめるために茂みに近付く。
「やめてぇ! 近付かないで!」
綺麗な少女。傷一つない綺麗な顔。自分よりずっとずっと綺麗。
ぶるぶると震えている。そんなに怖いの? あはは、そんなに綺麗なのに怖いんだ。
あはははははっはははははっははははは、殺してあげるよ殺してあげる、
香奈子ちゃんと逃げ出すんだからみんなじゃまなのじゃまなのじゃま
その瞬間、走ったのが壮絶な違和感。
背中に走る鋭い痛み。
何度も何度も何度も何度も何度も、痛み。
痛い。
71 :
血。:2001/05/18(金) 21:41
香奈子ちゃん。かなこちゃんいたいかなこちゃんいたいかなこちゃん
痛いよう。
痛いよう。痛いよう――。
そしてマシンガンを取り落とした。
マシンガンがないと、香奈子ちゃんと帰れない。
必死でマシンガンを取ろうとして、地面に突っ伏して、そのまま意識が途切れた。
殺される。わたしは、ここで殺されるんだ。
瑞佳は震えながら、死を覚悟して目を閉じた。
死ぬってどんなに痛いんだろう。どんなに苦しいんだろう。
怖い、怖いよ浩平。浩平、浩平、浩平、浩平。
――だが、何も起きなかった。
女の子の叫び声が何度も聞こえた。
頬に暖かなものがふれた。何だろう。
「長森、さん?」
震える子猫を抱くような優しい、聞き覚えがある声が。
「住井、くん?」
返事をすると、へたり込んだ自分を上から見下ろした住井護(051番)は、
右手に血染めのバタフライナイフを持って、
「危ないところ、だったね」
と、血塗れの顔で、安堵の表情を見せた。いつもみたいに優しい顔。優しい顔なのに。
そして、身体中から血を流して倒れている娘の姿が、見えて。
そして自分の制服に真っ赤な血が付いているのが見えて。
瑞佳は卒倒した。
002 藍原瑞穂 死亡
【残り094人】
72 :
64:2001/05/19(土) 00:19
>>65 誰彼の蝉丸と合流する、というのを考えてました。
「私・・・足手まといにならないのかな?」
「無力な者を守るのが力を持った者の義務だ」
という感じで
73 :
シイ原:2001/05/19(土) 00:21
「おお、まいしすたー瑞希ではないか」
「あ、大志じゃない」
高瀬瑞希(055)は、巨木にもたれかかった九品仏大志(034)に声をかけられ、振り返った。
「全く、冗談じゃないわよ。何か悪い冗談に違いないわ。さっさと和樹をみつけて帰りましょ」
瑞希は、ぶつぶつと洩らしながら辺りを見回した。
「しかし、馬鹿みたいに広いわね。誰か、ここらへんに住んでる人とかいないのかしら」
「さあな」
大志が、ゆったりとした動きで身体を起こす。
「ときにまいしすたー。誰かと会わなかったかね?」
「え? 全然会わなかったわよ?」
「そうか……」
大志が、明後日の方向を眺めながら、ポツリとつぶやいた。
「やれ、先行者」
「え?」
閃光が、瑞希と周囲の下草を灼いた。
「すまんな、まいしすたー。抗議は地獄で聞こう」
わずかに残った燃えカスを睨め下ろしながら、大志はボソリとつぶやいた。
右上腕部に、小さな切り傷がある。肌がそこを中心に、赤黒く染まっていた。
「あの女……岩切といったか。毒を仕込んだ刃とはな……吾輩の命、永くはあるまい」
大志が、うろん気な目つきで空を眺める。
「わが女神……あさひちゃんだけは守らなくてはいかん。そのためには、吾輩が修羅となるしかない……
吾輩に支給された、この先行者……有効活用させてもらおう」
055 高瀬瑞希 死亡
【残り093人】
74 :
65:2001/05/19(土) 00:27
>>72 も、萌えだよー。ああ、本編もこれだけ男前なら(略)。
つうか、違う作品のキャラ同士のコンビやチームも見たいよね。
キャラ同士の面識云々は自由になったわけだし、
同作品の枠にはまらないのもまた面白いと思う。絶対。
蝉丸ってさ…発売前、名前以外は
ちょっとイケてる? って思ってたんだ…
FFにでも出てきそうなルックスだし。
いやあ素晴らしく裏切られたよ!(w
76 :
選択:2001/05/19(土) 00:31
「ふぅ…」
千堂和樹(053)は見つかりにくい場所に着いた安堵感からか溜息をついた。
まさかこんなことに巻き込まれるとは。だがいつまでも悲観してはいられない。
そう考えた彼は自分に出来ることをやろうと考え、まずは支給されたバッグを開いた。
バッグの中から出てきたものはペットボトルに入った水、その辺のコンビニで売ってそうなパン、島の地図、コンパス、そして機関銃だった。
こんなところまで原作と同じ様にしないでもいいだろうに。と和樹は思った。
そして機関銃に備え付けてあった説明書には目を通さずに彼は機関銃のセットアップを始めた。
「まさかバトロワ本を描くときに調べた資料が役に立つとはな、なんつー皮肉だよ」
そうつぶやきながら機関銃のセットアップを完了する。そのころには彼の頭の中にひとつの選択肢が浮かんでいた。
[この殺人ゲームに乗りますか? YES/NO]
(別に俺はどっちだっていいと思っている)
それはあたかもこの殺人ゲームの元ネタである小説の1シーン――原作小説における殺人鬼役の少年がつぶやいた言葉――のように彼の頭の中に現れた。
ほんの少し悩んだ後、和樹はひとつの結論を出した。ポケットの中から10円玉を取り出す。
「表が出たら奴等と戦う、裏が出たらこのゲームに乗る」
和樹は10円玉を天高く放り上げた。
力を加えられた10円玉は次第に勢いを失い、重力にしたがって地面へと落下する。
自分の足元に落ちた10円玉に写っていたのは……建物、すなわち表だった。
「そうか」
和樹はそうつぶやくと足元の10円玉を拾い、歩き始めた。
「まずは仲間を集めるか……瑞希や大志あたりだな」
【残り093人】
>>76を書いたものです
当初の予定だと俺も
>>50のように浩之を桐山にしようとしてたんですけど、
先に書かれたのでもう一人の家庭用主人公(笑)の和樹を書いてみました。
実はこれ、最初は瑞希と合流して七原みたいにしようとしてたんですけど
>>73で瑞希が死んだから急遽路線変更。
で、前から頭の中にあった「原作のif、コインの表が出た桐山」にしてみました。
それにしてもDCこみパ延期か……御影すばるには早期退場してもらって正解でしたね(w
>>73 …先行者とは…やってくれましたね(藁
ところで、中華キャノンと思われてた所は本当は足のエンジンだとか…
いえ、別にいいんですけど(w
>>78 結局先行者の武装って何なんでしょう?(w
80 :
シイ原:2001/05/19(土) 01:07
>>79 中華キャノン、ドリルパンチ、ガトリングガン、中華ファンネル、自爆(w
>>80 あ、あと正規の武装じゃないですが
アシモライフルも(w
目の前の光景。
血のついた制服姿で倒れている瑞佳。
血まみれの姿でナイフを持っている住井。
この状況から、浩平が想像したのは、一つの可能性。
「住井ぃ!」
叫ぶと同時に発砲。
「!?」
当たらなかった。さらに続けて叫ぶ。
「お前! 長森を……っ!」
「お、折原!? 違う、俺じゃないぞ、落ち着け!」
そう言って持っていたナイフを投げ捨てる。
だが、浩平は止まらなかった。
「黙れ! お前……信じてたのに!」
「おい、本当に落ち着け!」
住井の言う事も聞かず、発砲を繰り返す。
そして遂に、銃口が住井を捕らえ……
「やめんか、どアホッ!!」
七瀬のツッコミを食らい、そのまま地面に倒れ、意識を失った。
「悪い、本当に済まない!!」
「まったく……冗談じゃないぞ……」
落ち着きを取り戻し、一部始終を聞いた浩平は素直に謝った。
「ま、あの状況なら、疑われるのも無理はないが……それにしてもいきなりか」
「だから、悪かったって言ってるだろ」
「態度がでかいわっ!」
七瀬からまたもツッコミが入る。
浩平はこれ以上この件について話すのは止め、真剣な声で住井に訊ねた。
ひょっとしたら、こいつも……という恐れを秘めて。
「で、住井。長森が襲われてることを知らなかったんだろ。
お前、このゲームに……」
「違うね。離れた所から見てたが、あの女の子は見境がなくなってた。
無抵抗の女の子が助けを求めてるのに、殺そうとしたんだ。
気がついたら、体が動いてた。
助けの声が長森さんに似てると思ったけど、本当に長森さんだったなんてな。
血まみれの俺を見て、気を失ったんだ……」
浩平の言葉を遮り、言った。
「住井君……」
「そうか……悪かった。
結果的に長森を助けてくれたんだ、ありがとう。
これからどうするんだ? お前」
「そうだなぁ」
少しの間考え、そして言った。
「とりあえず、従兄弟がいたから、そいつと連絡取りたい。
北川潤って言うんだが、俺の従兄弟とは思えないくらい、馬鹿な奴だ」
その北川も同じことを住井に対して思っており、実際は二人とも殆ど同じ性格である。
だからこそ昔から、この二人は仲が良かった。
何かにつけて気が合い、馬鹿な悪さをして、よく怒られていた。
高校になってから会ってなかったが、こんな所で再開するとは。
人生なんててわからないものだ。
「じゃあそろそろ行くよ。
そうだ折原。長森さんと七瀬さんを守ってやれよ。
二度と目を離すんじゃないぞ」
「あぁ……」
「そうよ、あたしは乙女なんだから」
「そういうことだ、じゃあな、三人とも」
住井は立ち上がり、まだ気絶している長森の方にも目を向け、歩き出した。
そしてふと立ち止まり、つぶやく。
「あんなことは言ったが、無意識で人を殺したんだ。
折原、俺、狂ってるのかな?」
浩平には答えられなかった。
自分も勘違いし、逆上し、親友である住井を殺そうとしたのだ。
普段はわからない心の闇が、姿を覗かせているのかもしれない。
そしていずれ、俺も見境なく――
浮かんだ考えを否定し、住井に向かい言った。
「また、生きて会おうな」
「あぁ」
住井は、今度は、走り出した。
85 :
名無しさんだよもん:2001/05/19(土) 01:44
>>82-84
なんか、こいつら良いなぁ。七瀬がブレーキ役になってる辺りが何とも良し。
ていうか、住井と北川って…従兄弟だったんですか(笑)。鍵系はあんまし詳
しくないんで…もしくはオリジナル?
オリジナル
87 :
85:2001/05/19(土) 01:51
宮田健太郎(095番)は、走っていた。
スタート地点から、出来るだけ遠く離れるために。
「はぁ…。はぁ…。…ふぅ。とりあえず、これだけ離れておけば大丈夫だろ」
ある程度行ったところで森の中に分け入り身を潜めた。
デイパックを地面に下ろし、一息吐く。
「後ろは、いかにもやる気満々って顔の人だからな。柳川さんだっけ。
とても協力しようなんて言い出せないよ。しかし…」
今、自分の置かれている立場を把握しようと考えを巡らす。
「いつも、こんなのだよなぁ。人の意見聞きもせず勝手に何か決められたりさ。
デスゲームって…。俺一度死んでるのに」
溜め息混じりに、愚痴をこぼした。
「…愚痴を言ってても始まらないか。まず、どうにかみんなと合流しないと…
スフィー達が居れば、随分と生き残れる確率も…」
考えは、そこで中断せざるを得なかった。
丸い物体が放物線を描き、コロコロと自分の方に向かってきたのだ。
「なんだ? …クソッ!」
反射的に、デイパックを持ち上げその場を離れた。そのすぐ後、
ドンッ!
木の根本で炸裂し、木が粉々になって砕け散った。
「んふふー。やったかしら?」
長岡志保(063番)は、手榴弾片手に爆散した木の根本を伺っていた。
「しかし、いきなり1人見つけちゃうなんて調子良いわね。武器も当たりだし。
このまま頑張って、このデスゲームをネタに東○ポに入社してやるんだから!」
ひょんな事から将来設計もバッチリ整った長岡志保。
「もう、誰もわたしを止められないわ! アハハハッ!」
パンパンパンパンッ!
銃声が鳴り響いた。まるでそれは…
「ぐふぉっ!」
鉛弾を大量に食らい、吹き飛ぶ。
「危なかったな…。でも、大声で笑ってくれたお陰で分かりやすかったよ」
「や…、やるわね。わたしに土を付けた男はあなたで二人目よ…」
息も絶え絶え、近づいてきた宮田健太郎に言葉を返す。
「しかし、拳銃とか使うのは初めてなんだけど…」
コルトガバメントを右手に携え、話を続ける。
「使いやすいんだよな。まるで、俺の為にあるような…
撃つ度に気持ち良くなるし…。人を殺したい欲求でもあったのかな…」
「安心して。撃つ度にそう感じるのは、人を殺したい欲求のせいじゃないわ。
それはね、椎は…、うっ! ガクッ…」
元気にペラペラ喋っていた筈なのに、突然事切れる長岡志保。
「死んだか…。まぁ、人が死ぬ時ってこんなものだろうしな。さて、手榴弾貰っていくか。
ん? なんだこりゃ? 『志保ちゃんレーダー』? ああ、これで俺の事を見つけたのか…
これは役に立ちそうだな。他にはと………」
【残り 92人】
>>89 激しくワラタ。
ネタの使い方うまいっす。
深い茂みの中を、かれこれ10分ほど掻き分けながら進んでいた柏木耕一(019番)は、
前方の大きく開けた場所に辿り着くと、殺していた息を慎重に、すべて吐き出した。
そこは一面、湖だった。
「水も比較的、綺麗だな。これなら使えそうだ」
耕一は、辺りに人の気配が無いことをもう一度確認すると、左手に持っていたディパックを足下に降ろし、自分も草むらに腰掛けた。
耕一は当初、当然ながら従姉妹の4姉妹と行動を共にするつもりであった。
――スタート地点がバラバラになるまでは。
耕一は「II」とペイントされたトラックに押し込まれ、他の4姉妹は……わからない。
苗字が同じだから合流も簡単だ、というささやかな希望もあっさりと絶たれたわけだ。
「千鶴さん…、梓…、楓ちゃん…、初音ちゃん…」
みんなは大丈夫だろうか。
ホールに全員が集められていたとき、近くにいた千鶴さんが耕一に囁いた言葉――
「力が…使えません」
現に、耕一も何度か試していたことだった。
もしも力が――鬼の力が封じられていなければ、生理的悪寒しか引き出さない、下卑た笑い声を発する高槻も、周りにいた同じような顔をした連中も、10秒後にはタンパク質の塊になっていただろう。
「きっとみんな、不安で怯えている。俺が…俺が守らなきゃ」
自分を奮い立たせるように、何度も何度も呟く耕一の耳に、ふと、
ぽちゃん、という音が微かだが届いた。
「……?」
音は湖からだ。
顔を上げると、水面がゆらゆらと揺れている。
魚でもいるのか、そう思った耕一は、それが貴重な食料になることに気付いて水辺に歩み寄った。
まず視界に入ったのは、水底を漂う黒い塊。
それが何であるか、を耕一が思考するよりも早く、それは猛然と耕一に襲いかかった。
「っ!?」
声を上げる暇もなく、次の瞬間には耕一は頭から湖に突っ込んでいた。
なんだ……なにが起きた…!?
思っていたよりも深い、湖の底で、耕一は必死に状況を把握しようとしたが、それよりもまず第一に優先すべき事があった。
空気だ。
水泳の選手が入念な心構えの元、湖に飛び込んだなら話は別だが、今はあまりに唐突だった。
耕一は僅かな、本当に僅かばかりの空気を、肺から逃さぬように口と鼻を手で覆った。
上だ。
上に行かなければ、俺は死ぬ。
生き物の本能に突き動かされ、耕一は必死にもう片方の腕と両足を動かした。
しかし、湖面から進入する陽の光を求めるように昇る耕一の眼前に、突如、絶望が立ち塞がった。
黒い塊――違う、それは人だった。
顔面蒼白になって昇ってくる耕一を見下ろす形で、岩切花枝(008番)は腰の短刀をすらりと抜いた。
彼女もまた、封印の力によってその戦闘力は著しく落ちていたが、もともと水中は自分にとって庭のようなものだ。
呼吸というハンデを背負った相手なら、赤子にデコピンするよりも楽に始末できる。
耕一が昇ってくるのを悠然と待ちかまえながら、岩切は射程距離でその短刀を横に払った。
瞬間、耕一は身を捻ったものの、所詮、水の中では大した動きもできなかった。
短刀は耕一の胸を真一文字に切り裂き、続いて両者の間の水が驚くべき速度で赤く変色した。
それでも耕一は、極めて鈍い速度で岩切に手を伸ばしたが――
どすっ、と左手に握られた2本目の短刀に手の甲を貫かれ、耕一は深い湖の底へと再び沈んでいった。
俺……。
自分の身体が湖の底に着いたのを静かに感じ取りながら、耕一は僅かに残った思考を巡らせた。
俺は死ぬんだな……。
耕一はその事実に恐怖したが、それよりももっと強い感情が耕一を支配した。
千鶴さん…、梓…、楓ちゃん…、初音ちゃん…。
自分は彼女たちを守らなくてはならない。
それなのにこの有様は何だ! 不甲斐ない!
柏木耕一っ! お前も男なら、大切な女ぐらい守って見せろ!
どくん…、身体が脈打った。
力だ、力だ、力だ、力だ、力だ、力だ、力だ、力が必要だ。
どくん…、鼓動がリズムを刻み出す。
鬼の血よ、俺はお前が必要だ。
どくん…どくん…、身体の周りの水が、熱で揺らめきだす。
アアアアアアアアアアァァァァァッ!!
1分ほど水底の様子を見ていた岩切は、男が再び昇ってこないのを確認すると、水面へと身を翻した。
あと2メートル、という所で、岩切は突如、自分に向かって凄まじい勢いで突っ込んでくる存在を湖底から感じ、振り向いた。
振り向いたときには、それは目の前にあった。
圧倒的質量で岩切を飲み込むと、そのままの勢いでそれは湖面から飛び出した。
車にはね飛ばされたような衝撃を受けた岩切は、湖近くの巨木に身体を強く打ち付け、停止した。
「う…はっ…」
折れた肋骨が何本か、内臓に達したようだ。
口からは空気と共に、血も吐き出された。
それでも懸命に状況を把握しようと見開いたその目が、さらに大きく開かれる。
それは……人ではなかった。
もちろん、岩切が見たのは柏木耕一、その人であった。
姿形も、普段のそれと変わらない、あえて言うなら全身びしょ濡れで上着が横一文字切り裂かれているぐらいで、あとは只の人間だ。
しかし、それに対峙した岩切には判ってしまった。
それがヒトの皮を被ったバケモノであることを。
「ガあアぁァ゛…」
“それ”が声を発した、ヒトではない声を。
岩切は恐怖した、自分に迫る、絶対的な「死」に。
「くっ、来るなぁぁぁぁっッ!!」
懐に仕舞っておいた支給品のソーコムピストルを素早く抜き出し、相手の眉間にポインティングする。
間髪入れずに引き金を引――
引いたときには、耕一は岩切の頭上に跳んでいた。
岩切の手元から発射された弾丸が、耕一の背後の木に命中するまでの軌跡を視認した後、耕一は岩切がもたれ掛かっている木の側面に“着地”した。
岩切は耕一を完全に見失っている。
その岩切めがけて、耕一は自由落下するよりも速く、木の表面を駆けた。
岩切が上に気付いて頭を上げることは…最後までなかった。
がくん、と岩切が頭を揺らし、そのまま横に倒れた。
首の骨を折られ…即死だった。
耕一はその作業を終えると、しばらく辺りの気配を探り――
そのまま力尽きたように前のめりに倒れ、深い眠りに落ちた。
【残り91人】
ザクッ
背中に何かが刺さった。
足音は聞こえなかった、が、誰かいたのか?
健太郎は考えるより早く振り向き、ガバメントを撃つ。
パンパンパンパンッ!
気持ちいい。痛みが和らいでゆく。
自分はこの音を聞く為に生まれてきたのではないかと、そんなことを思う。
だが、弾丸は襲撃者に当たらなかった。
襲撃者は撃たれるのを見越し、ナイフを刺した後にすぐ場所を移動していた。
そして、背後からもう一刺。
健太郎にとって、それが致命傷となった。
(はは、あっけないもんだったな。
最後にもう一度、あの音が聞きたかった)
パンパンッ!
(そう、パンパ……)
それが最後の思考となった。
「笑い声で場所を特定できたのは、あなただけじゃなかったんですよ」
健太郎の手から奪い取ったガバメントを構え、里村茜は言い捨てた。
ナイフについた血を、鞄の中にあったタオルで拭き取る。
(手榴弾に、この銃、ナイフ……これでかなり有利になった)
二つの死体から武器と水を奪い、茜は早々にその場所を去っていった。
095宮田健太郎 死亡
【残り91人】
96 :
95:2001/05/19(土) 12:16
訂正、残り90人。
だけどさ、能力封印はゲームのルール以前に『書き手』のルールだぞ?
97 :
名無しさんだよもん:2001/05/19(土) 12:20
それとさ、誰彼のことはよくわからないが、
>>73から、岩切の支給品は『毒をしこんだナイフ』じゃないのか?
>>91-94
面白いだけに,残念.
鬼の力使わなくても,書けたんじゃないだろうか.
001相沢祐一 003天沢郁未 004天沢未夜子 005天野美汐 006石原麗子
007猪名川由宇 009江藤結花 010太田香奈子 011大庭詠美 012緒方英二
013緒方理奈 014折原浩平 015杜若きよみ(黒) 016杜若きよみ(白)
017柏木梓 018柏木楓 019柏木耕一 020柏木千鶴 021柏木初音
022鹿沼葉子 023神尾晴子 024神尾観鈴 025神岸あかり 026河島はるか
027川澄舞 029北川潤 030砧夕霧 031霧島佳乃 032霧島聖 033国崎往人
034九品仏大志 035倉田佐祐理 036来栖川綾香 037来栖川芹香 038桑嶋高子
040坂神蝉丸 041桜井あさひ 042佐藤雅史 043里村茜 044澤倉美咲
045沢渡真琴 046椎名繭 047篠塚弥生 048少年 049新城沙織
050スフィー 051住井護 053千堂和樹 054高倉みどり 056立川郁美
057橘敬介 058塚本千紗 059月島拓也 060月島瑠璃子 061月宮あゆ
062遠野美凪 064長瀬祐介 065長森瑞佳 066名倉由依 067名倉友里
068七瀬彰 069七瀬留美 070芳賀玲子 071長谷部彩 072氷上シュン
073雛山理緒 074姫川琴音 076藤井冬弥 077藤田浩之 078保科智子
079牧部なつみ 080牧村南 081松原葵 082マルチ 083三井寺月代
085美坂香里 086美坂栞 087みちる 088観月マナ 089御堂
090水瀬秋子 091水瀬名雪 092巳間晴香 093巳間良祐 094宮内レミィ
096深山雪見 097森川由綺 098柳川祐也 099柚木詩子 100リアン
002藍原瑞穂
>>71で死亡
055高瀬瑞希
>>73で死亡
063長岡志保
>>89で死亡
008岩切花枝
>>94で死亡
095宮田健太郎
>>95で死亡
【残り90人】
能力は、今回だけ特例でオッケーとしましょう。NG出したくないですし。ややこしくなるので。
今後、私を含め書き手の皆様、このようなことがないようにしましょう。
それと、
>>73の描写に矛盾が生じるため、岩切は銃を持っていないということで。
岩切の支給品は『毒ナイフ』でした。
う…スマソ。
鬼の力に関しては、一回こっきりみたいな感じで
「力尽きて」云々の描写で回避できるかな、と思ったんですが…。
ちょっと甘かったですね。次回以降の書き手さん、フォローよろしく。
毒ナイフに関しては完全にミスでした。
自前の短刀に毒が、とかフォローも考えたけど、少し無理か。
シチュ的に、銃の方が格好良かったもんでつい…。
逝ってこよう…。
>>101 今後気をつければいいと思います。
自前ってのは無理がありますね……連れてこられる際に奪われてるでしょうから。
今からこれまでの支給武器の流れをまとめようと思うので、話書くのは少し待っていただけたら嬉しいです。
043里村茜
ナイフ(里村茜)、手榴弾(長岡志保)、コルトガバメント(宮田健太郎)
098柳川祐也
スペツナズ・ナイフ(柳川祐也)、不明(セリオ)
014折原浩平
拳銃(折原浩平)
073雛山理緒
大口径マグナム(雛山理緒)
024神尾観鈴
投げナイフ2本(神尾観鈴)
006石原麗子
ショートボウガン(石原麗子)
補足
>>38の描写より。
落としたようだが、また拾ったと考えるのが自然。
007猪名川由宇
不明だが、銃系統(猪名川由宇)
>>38より
077藤田浩之
オートボウガン(藤田浩之)
068七瀬彰
支給武器のフォークを投げ捨てたため、武器なし。
051住井護
バタフライナイフ(住井護)
034九品仏大志
先行者(九品仏大志)
053千堂和樹
機関銃(千堂和樹)
所持者不明(含む、もう二度と出ないであろうもの)
>>16木の棒(上月澪)
>>33スタンガン(広瀬真希)
>>69フォーク(七瀬彰)
>>71マシンガン(藍原瑞穂)
>>73不明(高瀬瑞希)
>>92-94毒ナイフ(岩切花枝)
武器の隣の()内は、初期所持キャラです。
ここに書かれていない生存キャラは、何か自分の支給品を一つ持っているものと思われます。
何度もチェックしたのでミスはないと思いますが、何かあればよろしくです。
過去の記録
>>58 以降、動きのあったキャラ。
>>68-71
068七瀬彰
>>73 034九品仏大志
>>76 053千堂和樹
>>82-84
014折原浩平 051住井護 065長森瑞佳 069七瀬留美
>>91-94
019柏木耕一
>>95 043里村茜
複数回登場したキャラは、最新の動向のみ記録です。
まだキャラの間引きの段階だよね。
意外なキャラの意外な活躍に期待。
ところでバトロワ恒例(笑)の定時報告はどうします?
やっぱ死亡者は伝えたほうが良いでしょう
>>107 まあ、伝えた方がいいでしょうけど。どうせだから作内に生かして欲しいな。
そんなに頻繁にやるもんでもないので、200レスに1回ぐらいの割合でいいと思われ
まだ時間軸がある程度ごちゃ混ぜだからなぁ……
ここで放送かけちゃうと、ある程度過去の行動が規制されてしまう気がする。
別にいいですけどね、矛盾出なければ(笑)
ここで放送かけると混乱必至だからもう少し待とう。
静かな森を行く影が一つ。
黒を基調とした、どこと無く変な服装の男。
いや……少年といったほうがふさわしいだろう。
(やれやれ……、高槻もつまらないことをしてくれたな)
少年(048)は心の中で一人ごちる。
森を突き抜けて移動している。
足取りはいささかも重くない。
彼の様子は至って平静で、いつもどおりだった。
支給されたものには手をつけず、袋ごと肩に背負っている。
まるで、どこかにピクニックにでも行くかのように……。
がさり。
物音がした。
敵かもしれない。
いや、この状態では味方を探すほうが難しい。
それなのに、少しも警戒しない。
確信でもあるような、余裕で満ちた笑顔。
「僕はまだ死なない」
その言葉に反応したかのごとく、人影が木々の隙間から現れる。
長身に銀髪を備えた男――、
33番、国崎往人。
少年はその男を見据えていた。
往人の表情に変化は無い。
「ほら、死ななかった」
笑顔で言う少年。
既に歩みはとまっており、二人は対峙する格好になっていた。
「どうして、そう思う」
往人は問う。
少年のセリフを裏打ちする、不気味な確信のようなものをいぶかしんで。
「俺がいまから殺そうとするとは思わないのか?」
「思わないね」
「みんなとりあえず生きる目的で殺すんだけどね。
そのうち見失うよ、その目的を」
「……そんな話を」
往人が口を開く。
「そんな話を俺にしてどうなる、殺さなければ殺される。
なら殺すしかないだろう?」
「じゃあ君はなぜ僕を殺さなかったの?」
笑顔でたずねる少年。
「……」
沈黙する往人。
「ほら、そういうものさ」
予想していた通りの反応。
少年は当たり前だと言わんばかりにそう言った。
「君はほかの人とは違う。むしろ僕よりなんじゃないかな?
「意味が……分からないな」
「じゃあ聞き流してもいいよ、でもここで僕と会ったことを
単なる偶然と思ってもらいたくないな。殺しあうために
殺しあうようになったらもう取り返しがつかなくなるよ」
「お前は違うとでも言うのか?」
往人は静かに問い掛ける。
「この狂った環境で、そんな理想を貫けると思っているのか?」
「思ってないよ」
あっさりとした回答。だが不思議と軽薄な印象を受けない。
「殺すことも否定しない、でもそれをやるべき相手は既に決まっているんだ
君もそうだろ?」
「……」
往人は答えない。
変わりに懐から何かを取り出す。
薄く黒光りする、見た目に重量がありそうな物体。
デザート・イーグル。
「目的はある……。そして、それをなすために躊躇するつもりも無い」
スチャッっと音を立てて往人はそれを構える。
目標は――少年に向かってか。
ドギュウゥゥゥン!!
銃声が一発。
そしてそのあとにがさりという物音。
何かが茂みに倒れる。
銃弾を受けたのは……少年ではない。
67番名倉友里だった。
一撃で眉間を貫通されている。即死だ。
「ほら、まだ死なないでしょ」
笑顔、崩すことの無い笑顔で彼は言った。
往人は少年に近づき、そのまま通り過ぎてその後ろの友里の死骸を調べた。
そして、彼女の体につぶされていた何かを取り出す。
それは、安全装置の外されていないピストルだった。
「彼女か、僕を追ってきたのかな」
死人に対する言、死体を目の前にしても彼の口調は変わらない。
拾い上げたピストルを、往人は少年に投げ渡す。
「やるならやれ、大方支給された武器が下らんものだったんだろう」
少年は右手でピストルを受け取る。
「武器を装備している風には見えんからな」
「いいのかい?」
「お前の目的と俺の目的は交差しない。
なら、お前の行動は俺の知るところではない」
「そう。なら遠慮なくもらっておくよ」
少年はピストルを懐にしまう。
「それと人を探しているんだ。もし敵として現れなかったら
伝えて欲しいことがある」
少年は往人に向かっていった。
往人は返事をしない、だが少年はかまわずに言い続ける。
「名前は天沢郁未。僕のことは……黒い変な格好をしたやつとでも
説明してくれればいい。
僕が高槻だけは始末するってさ」
「ゲームの管理人……、それが目的か」
「うん、ちょっと私怨もあってね。君たちにとっても利益になることじゃないかな」
あはは、と少年は無邪気に笑った。
「下らん時間を過ごした、俺はもう行く」
往人は少年に背を向けた。
「悪かったね、引きとめた形になって」
既に歩き出していた往人に言った。
「そうだ、君の名前を教えてくれないかな? せっかくあったことだし」
馴れ合う趣味は無い、往人はそう思っていた。
しかし、なぜだか自分の口は勝手にその名前を発していた。
「国崎、国崎往人だ」
「僕のことは、黒い変な名無しとでも覚えてくれていればいいよ。
じゃあまたどこかで会えるといいね」
往人は後ろを振り返ることをしなかった。
しかしその言葉はしっかりと耳に刻まれていた。
そして少年も、再び自分の進路へと向き直る。
何事も無かったような軽い足取り。
少年が笑顔を崩すことは、とうとう無かった。
116 :
名無しさんだよもん:2001/05/19(土) 14:45
往人って、安全装置の外されて『いない』ピストル持ったキャラをさくっと殺すような人間だっけ?
話自体文句はないけど、安全装置が外されて『いない』、つまり撃てる状態にないキャラを殺したってことでいいのね?>書き手様
ここでは初書きです。
浩之じゃないけどすこし残酷往人です。
一応友里は少年を狙ってて、ほっとけば殺す状況だったわけです。
で、まあたまたまどちらも殺すことができる往人が生かすことにしたのが
少年だったと。
距離は詳しく描写してませんが、
撃つ直前の往人には友里の銃の安全装置を肉眼で確認し難かったわけで
拾った銃は安全装置がかかっていた”だけ”のことです。
つまり、友里は銃を支給されたものの知識が無かったため、
安全装置を外した無かったということです。
「相沢君!」
住宅街の路地裏を走っていた相沢祐一(001)は、聞き覚えのある声に足を止めた。
「香里……栞……」
振り向いた先には美坂香里(085)、美坂栞(086)姉妹が寄り添うように立っていた。
「祐一さん、会いたかったです」
涙声で栞が言う。
「二人とも無事だったみたいだな。よかった……」
祐一は先程既に刃物で刺された死体を見てきたところだった。
ひょっとしたら、自分の知り合いも既に殺されているかもしれない。
そんな気がしていたので、二人の姿を見られたことは喜ばしいことだった。
「相沢君、私達、どうなっちゃうのかしらね」
聞いたことがなかった。
この少女が、こんなに弱々しい声で喋るところなんか。
だが、こんな状況で、裏打ちもなしに元気づけることもまたできなかった。
無力な自分が悔しくて、
「そんなの、わからない……」
それでも、こんなことしか言えなかった。
「そうね。ごめんなさい」
「いや、俺の方こそ、悪い……」
沈黙が支配する。
口を開いたのは栞だった。
「祐一さん、一緒にいてくれますよね?
一人でも味方が多ければ、なんとか逃げ出すことも、出来ますよね?」
栞の頼みに、しかし祐一は、悲痛な顔しか見せなかった。
できるものなら、一緒にいてやりたい。
一緒にいるだけで、二人の気が楽になるなら。
だけど、俺には――
「すまない。それは、出来ない。
探さないといけない人がいるんだ。
探さないといけない人が。
だから、一緒にいられない」
栞は何を言われたのかわからなかった。
きっと「あぁ、俺でよければ」なんて、いつもの調子で言ってくれると思っていた。
隣にいる香里も同じように思っていたのだろう。
明らかに動揺していた。
「そんな……そんなこと言うひと……」
「嫌われてもいい。それでも、一緒に行けない」
「……どうしてですか、誰なんですか、その人って!
あゆさんですか!? 名雪さんですか!? 答えて下さい!!
答えて!!」
「……っ、栞、落ち着きなさい!!」
完全に取り乱していた栞を、なんとかなだめようとする香里。
だが栞は構いもせず、泣きわめくだけだった。
「……昔の知り合いがいたんだ。
もう会うこともないと思ってたのに、こんな所で。
今度こそ最後になるから。言っておきたいことがあるから」
そうだ、その人に会うためなら、例え誰を哀しませても、止まるわけにはいかない。
いとこの少女も。
身元不明で記憶喪失の少女も。
夜の学校で会った不思議な先輩も。
日溜まりの街で会った子供っぽい女の子も。
哀しませることになっても、止まれなかった。
「そんな……嫌、祐一さんっ!
どうして……どうしてっ!!」
「栞っ!」
パンッ!
香里は栞の頬を叩いた。
今までそんなことをしたのは、一度もなかった。
手も、心も、痛かった。
栞はしばし呆然として、
「う………うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
香里の胸に飛びつき、泣きじゃくった。
香里は優しく抱きとめ、そして、まだ突っ立っていた祐一に言った。
「ごめんなさい。辛い思いをさせて……
行っていいよ、もう……」
あの少女に会うためなら、どんなことにも耐える。
決意はあったが、実際は、想像よりも辛かった。
目の前の光景に、心が押しつぶされそうだった。
「……ごめん」
早く離れたかった。
それだけ言い、走る。
栞の泣き声が、いつまでも、耳から離れなかった。
祐一がその少女に出会ったのは、中学校の入学式。
その日は朝から雨が降っていた。
そして、雨の空き地に、少女はいた。
学校で少女が同じクラスであることを知った。
朝の光景も頭にあったので、思わず声をかけていた。
(君、朝、あの空き地で、何をしてたんだ?)
(…………)
(こんな雨の中で、ラジオ体操でもしてたわけじゃないだろ)
(ラジオ体操です)
それが出会いだった。
あゆとの記憶をなくした祐一の、初恋だった。
その後、祐一と少女はある程度は話すようになった。
だが一年後、祐一は親の転勤で遠くへ引っ越すこととなった。
臆病なまま、少女に気持ちを伝えられず。
だから、俺は今走っている。
今度こそ、伝えたいから。
手持ちの武器は、見た目は昔遊んだエアーウォーターガン。
だが中に入っているのは水じゃない、濃硫酸だ。
化学反応を起こさないよう、材質も特殊なものを使用しているらしい。
替えのボトルは大量にある。
どこまでこの武器で乗り切れるかわからないが、とにかく、会わなければいけなかった。
茜……どこにいるんだ。
小説版やドラマCD版の設定なんぞシカト。
ONEそのものには、茜の過去の描写は殆ど無かった……はず。
だから矛盾もない……はず。
何かあったら指摘して下さい。でも、NGにはしないで欲しいかな。
>>117 解説ありがと、よくわかった。
知ってるかもしれませんが小ネタを二つほど
・緒方理奈は西音寺女子学院(綾香やセリオの学校)中退らしい(学年的には綾香の1年下)
・Kanonの名雪の教室CGの背景に七瀬留美らしき人物が……
べつにこのネタを無理して使う必要も無いと思いますが参考までに
>>121 知らなかったらスゴイ偶然。
久弥氏の同人誌で祐一が引っ越す直前に茜と話したってモノがある。
あ、それと書き損じました。
【残り90人】
です。
>>123 悪いが、知ってた。
もっと「茜と祐一は知り合いらしい」ってことだけだったけど、知ってるの。
>>124 違う、あなたので【残り89人】になるはず。
>>125 理由?
意味がわからん。
「もっとも、『茜と祐一は〜』〜知ってるの。」です(汗)
どんな内容なんだか知らんけど、読んでみたいもんだ。
「浩之ちゃん…たすけ…てっ」
少女の悲痛な叫びが森の中に響く
その少女を組み敷いた少年が、何かうわごとのようにしゃべりながら、
少女の体をまさぐっている。
「ひろゆき?ひろゆきならいないよこないよ、ひろゆきは
すごいよねもう人殺ししてたよ無抵抗な女の子を殺してたよぅ」
「いやっ!」
「ぼくみちゃったんだ殺してるのをだからさぼくもすきにやっていいよね」
「…や…いやぁ…」
まさぐる手をはねのけようともがいても、どうしても少女の力ではとめられない。
すでに上着ははだけ、下着に手を掛けられるところだった。
ブチッツ!
「やだっ」
まだ未熟な少女の胸を力まかせにもみしだきながら、さらに少年は言う
「かっこよかったよひろゆき女の子を一発で仕留めて…ねえぼくもああなるのかな
あんなふうに殺されるのかな」
…そんな。ひろゆきちゃんがそんな事をするはず…ない。
「知ってるだろひろゆきってどんなやつなのか。ここっていうときには
他人にできないことでも平気でやれちゃうんだすごいよねやっぱりひろゆきは」
すでに少女には抵抗する体力も尽きかけていた。
半ばなすがままにされながら、思考の闇に落ちていく。
どうしてこんなことになったんだろう。
どうして浩之ちゃんは助けに来てくれないんだろう…
待っていたのに。出発地点から程近いこの森で。
でも、出会ったのは雅史ちゃんだけで、その雅史ちゃんは…
少年は少女の下半身を持ち上げ、自分のモノを彼女にあてがう。
「好きだよあかりちゃんだからいいよねもう準備はいいよね」
ぐっ!
下半身に走る激痛。
「やだぁぁぁぁぁっつ!」
ゆらゆらと、ゆらゆらと少女の体が揺すられる。
よだれを垂らしながら、憑かれたかのように少年は少女を凌辱する。
痛みのために時折意識が飛ぶ。しかしまた痛みのために現実に引き戻される。
…いやだ…いやだよ…誰かたすけて…
おねがいっ…「助けてぇ!」
「そこまでにしなさい!」
そんな声が聞こえた。
次の瞬間
ビシャッツ!
生暖かい液体が少女の体に飛び散る。
微かに開いた瞼の向こう。
その光景が信じられなくて。
「いやぁぁぁぁっつ!」
少女の意識は深い闇の中へと墜ちていった。
片腕を失った少年が「ゆらり」と立ち上がる。
「じゃまをするなよいいところなのに」
…こいつ、狂ってる。
巳間晴香【092】は、彼女の支給武器である日本刀を構えながら、
異様な目をした少年と対峙する。
痛みを感じないの? もしかしたら薬でも使ってるのかもしれない。
となれば、説得は無意味…ね。
構えを解き、薄く目を閉じる。
自分の中に植え付けられたもう一つの存在を呼び覚ます。
ふわり、と彼女の青みがかった長い髪が広がる。
体にみなぎる力。痛みと共に、もう一人の自分が覚醒して…そして…
「っつ!」
激しい痛みが全身を駆け抜け、力の収束が途切れる。
「何…今のは」
「どうしたのさ何をしようっていうのさ邪魔しやがって!」
まるで体術の達人のような素早い動作で少年が飛びかかってくる。
突然の攻撃だが、晴香はそれと同等の動きでそれをかわす。
「この程度の力しか出せないなんて!」
彼女の力、「不可視の力」は、手をかけずとも容易に人を殺せるだけの能力。
だが、いまはその力の数%も出せてはいない。
…まるで、リミッターでも掛かっているみたいだわ。
それでも、鍛え抜かれた者でなければ不可能な動きで、少年のするどい手刀をかわす。
片腕を失っているにも関わらず、躊躇ない攻撃を見せる少年
攻防は、長引くかに思えた。
「神岸さん!どないしたんやっ、しっかりしぃ!」
その声に、少年が先ほどの少女の方に視線を泳がす。
「ぼくのあかりちゃんにさわるなよぉ!」
晴香のとの闘いを放り出し、声のした方へと駆け出す少年。
その先には、先ほどの少女と、それを抱き起こそうとしている眼鏡をかけた少女がいた。
「なんや、佐藤くん、どないしたんやあんたっ!」
怯えた目をした少女。
「あかりちゃんを犯していいのはぼくだけなんださわるなようぅ」
このままじゃ危ない。
再度力を呼び起こし、己の武器を槍のように構える。
強い痛みが走り、力が霧散する
…やっぱり、『力』はほとんど使えないか…
しかし、構わずに振り抜く。
「いけぇぇぇぇっつ!」
放り投げた刀が、真直ぐに彼の体を捕える。
「ぐあっつ!」
正確に少年を捕えるはずのそれはわずかに逸れ、彼の頬を傷つけたに過ぎなかった。
「きさまよくもこんなめにあわせたな!」
武器を手放した晴香に、憤怒の表情で歩み寄る少年。
パパパパパパパン!
「佐藤君!あんた、もうどっかに行きぃや! やないと撃ちぬくでぇ!」
眼鏡の少女が、震えながら銃を構えていた。
>>127 拡大解釈。
読んだことはないけれど、「茜と祐一が知り合いだった」と言うことだけは知っていた。
ってことかな?
ちなみにあれ(Innocent)の中身では、結局祐一は茜の名前知らないんだけどね。
あくまで転校直前に話した名も無きクラスメート。
途中だが、スマソ。
とりあえず雅史の支給武器?は謎のドラッグ各種。という感じで書いてみた。
腕力脚力強化系かつ精神崩壊系ってことで。
コワれた奴は多いほうがいいもんな。
晴香は日本刀、いいんちょは自動小銃で。あかりは不明。
あぁ、このメンツだと貧乳ネタが使えん(藁)
勝手にやっちまったが、特殊能力の制限ってのはこんなので良いのか?
>>132 そう。そういうことです。
まぁ、なんか関係あるってことだけ知ってたからネタにしてみました。
>>133 いきなりHSSに突入ですか。
別にいいけど(w
未だ目を覚まさぬ長森を背負い、浩平は七瀬と共に森の中を歩いていた。
「ここらへんで良いんじゃない?」
七瀬が指さした先には、ちろちろと音を立てて流れる川が見えた。
浩平は頷くと、茂みの裏に長森を寝かせた。そして七瀬と顔を見合わせ小さく息を吐いた。
「まあ、取り敢えず長森が目覚めるまでここで休んでおこう」
長森を捜すため必死で走り回ったわけで、歩いている内にある程度回復はしたが、それでも二人とも疲れている。
まだ戦いは始まったばかりだ。休める時に身体を休めておかなければ生き残れる可能性は少ないだろう。
しかし――どうやって最後まで生き残るというのだろう。
最後の一人まで殺し合わなければならないのだとしたら――自分は、目の前で暢気に休んでいる二人をも――。
いや、何か方法があるはずだ。その為に二人と行動する事に決めたのだから。
オレは、やる気はないんだ。噛みしめるように呟いた。
――先の、住井の言葉。――無意識で人を殺したんだ。
オレは、二人を護るために、人を殺すかも知れない。
決して殺したくなんかない。だが、殺してしまうかも知れない――。
――そして、その時。
一つ、浩平は決心した。
護るために、殺す。
絶対二人を護ってやる。それが浩平の、この戦いに於ける、最初のデタミネーションだった。
「ところでさ、折原」と、七瀬が不安そうな顔で浩平を見つめてきた。
「何だ?」
返事をすると、
「その、腰に挿さってるの、ってさ」と、恐る恐る、浩平の腰の辺りに指を差した。
「ん、ああ、拳銃だがそれがどうしたっ」
と云うと、
「何でそんな物騒なもの持ってるのよっ!」
と、すごい剣幕で七瀬は鋭いツッコミを入れてきた。
「さすがだな、七瀬。やはり本場のツッコミは違うな」
「本場ってなによ、このばかっ」
七瀬は唇を尖らせながら喚いた。
「というか、さっきお前に見せなかったっけ? だからお前オレにツッコンだんじゃないのか?」
「そんな覚えないわよ、ばかっ」
「ほら、お前の拳なら拳銃にだって勝てるって独り言云ってた時だよ」
云うと、七瀬は、あー、あー、と、納得したように手を叩いた。
「あれはそう云う意味だったの!」
「知らずにツッコンだのか、お前は」
さすが本場である。
「で、どうもこれがオレの武器らしい。……まあ、七瀬の天下を獲った拳にはとてもかなわないだろうが」
「んなわけあるか、どアホぉ!」
同じネタに三度も突っ込んでくれた。ボケ甲斐がある漢だ。やべっちよりすごいツッコミかも知れない。
「漢ってなによぉ、ばかっ!」
また口に出してしまった。
「冗談だ。……で、お前の支給品は何なんだ?」
七瀬は慌ててバックを引き寄せると、
「ま、まだ見てないっ」
と、慌ただしくバックを開けた。
「……なんだ、それ」
浩平はそれを見た瞬間、思わず爆笑するところだった。
銀色。金属。やけに重そうな質感。
というか、浩平は爆笑してしまった。
「タライ……?」
七瀬は眉を顰めた。タライ、と、もう一度呟いた。
「わははははははははははははは」
「わ、笑うな折原っ!」
「わははははははははははははは」
「くっ」
「わははははははははははははは」
「や、やめて、折原っ……あたしがみじめになってくるっ」
「わははははははははははははは」
笑い疲れて、七瀬が悔し涙まで見せてから漸く浩平の笑いは止んだ。
「そ、そんなに笑わなくても……」
半泣きで七瀬は呟いた。
「わ、悪かった、悪かったってわはははは」
七瀬は本当に泣き出しそうである。いや、間抜けな支給品である。笑ってもいいじゃないか。
これで銃弾を避けろとでも云うのか?
ふと浩平は思いついて、タライを手に取った。
半泣きの七瀬は、怪訝な顔をして、突然真剣な顔をした浩平の顔を覗き込んだ。
「よくやった、七瀬っ」
「え?」
「ほら、水場が近いだろ」
「ああ! ラッキーじゃんっ」
「オレ、ちょいと水汲んでくるわ」
と、タライを手に浩平は駆けだした。
綺麗な水だった。多分飲めるだろう。身体を拭いたりも出来るだろうし、
消毒したり、洗濯したり、他にも色々用途は考えられる。
支給された水だけで乗り切れるかは判らないから、水場を覚えておけばこれは結構有効だ。
静かな流れの川に足をさらしてみた。気持ちいい冷たさだ。
顔をじゃばじゃばと音を立てて洗って、ごくりと水を飲む。
支給されたものよりずっと冷たく、美味しい水だった。
しばらくこの辺で行動するのも良いかも知れないな。
タライいっぱいに水を入れて、浩平が立ち上がった時。
ガァンッ!
川の真ん中で、水が激しい音を立てて撥ねた。
……誰かが対岸にいるっ!
浩平は腰の銃を手に取ると、弾丸が来た方向に、パァン! と引き金を引いた。
もう一度水が撥ねる音がした。何だ、銃くらい使えるじゃないか。
呼応するように、また何度か水面が撥ねた。
襲撃者の姿は確認できないが、近くにいる事くらい判る。
だが、まだ対岸にいる筈なのだからまだ時間は稼げる。
タライの水をざぶりと投げ捨て、浩平は軽くなったタライを持って二人がいる茂みに戻った。
「どうしたの、折原っ」
「瑞佳はまだ起きないか?」
「う、うん、ど、どしたの?」
「敵が来たんだ。……しゃあねえ」
浩平は眠っている長森に近付くと、起きろっ! と耳元で叫んだ。
だが、いっこうに目覚める気配がない。ならば……
むにゅり。むにゅり。
「うわぁ!」
一瞬で目を覚ました。ううむ、なかなか敏感な乳である。
「な、何おっぱい揉んでるのよ、ばかっ!」という七瀬の怒りの声を聞き、
「おっぱい揉んだの、浩平っ」長森は泣きそうである。
というか、乳揉むだけで目覚めるならもっと早く揉んでおけば良かった。
「今はそれどころじゃないっ! 敵が来た、逃げるぞっ!」
ガァンッ! と、もう一度水が撥ねる音が聞こえた。そして、じゃぶじゃぶという音も。
「来る! 早く、荷物持って、走るぞ!」
……ざぶざぶと川を抜けた長身の美丈夫、月島拓也(059番)は、
「仕留め損なったか」と、右手に構えた巨大拳銃――44マグナムを見ながら、
「まあ、いつでも殺せるだろう」と、薄く笑った。
瑠璃子……るりこるりこるりこ。
るりこ。るりこああ、逢いたい。
お前と一緒に帰るためなら全部こわしてやるこわしてやるこわしてやる。
>>135-138
アンタ、最高(藁)
閂×陣内並みの布陣だな。
長瀬祐介(064)は身を隠すように森の中の茂みに座りこんでいた。
彼は何事か一心に念じている様子だったが、やがて深いため息を吐くと共に
ゆっくりと目を開けた。
「……だめだ。やっぱり出来ない」
彼が持つ、普通の人間とは違う能力。――毒電波を操る能力。
その能力を行使することが、今現在、全く不可能になってしまっている。
「この島、電波を妨害する何かの力が働いてるのかな」
事実、あのホールで説明を受けているときも、高槻とかいう男を『壊して』やろうと
悪意ある電波を送りつづけたのだが、まるで手応えが無かった。
「殺し合い……か」
殺し合いをして、最後に勝ち残った者だけが生きて帰れる。それは、
自分が妄想の世界で生み出した、全てを破戒し尽くす爆弾と酷く似ている気がした。
「つまりは、狂ってるってことなんだろうな……アイツも、昔の僕も」
普通であると思ってた自分の歪んだ一面を思い出して、祐介は苦笑いを浮かべた。
と、ふいに物音がした。
その異常な物音に、祐介は思考を一時中断させて素早く身を伏せる。
とりあえず『こっちへ来るな』と電波を飛ばしてみるがやはり効果は無い。
祐介は諦めて、息を殺してそれが来るのを待った。
「ぴこ♪」
果たして物陰から現れたのは、ぴこぴこと奇妙な物音を立てながら
呑気に移動している白い毛糸玉のような物体だった。
「……な、なんだあれ?」
「ぴこ?」
思わずうめいた祐介に気付いたのか、毛糸玉はこちらを向いたまま
ぴこぴこと尻尾(らしきもの)を振った。どうやら喜んでいるらしい。
「犬……なのかな?」
「ぴこ!」
元気よく、毛糸玉が吠えた。肯定の意味らしい。
そういえば。ホールの中にいた女の子で、この白い毛糸玉を持ってた
娘がいたような気がした。
「ふぅ。……世の中には奇妙な生き物もいるんだなぁ」
とりあえず、危険は無さそうだと判断して祐介は警戒を緩めた。
「飼い主とはぐれたの?」
「ぴこ」
「その娘の匂いを、今辿ってるとか?」
「ぴこ!」
会話が成立してしまうところに若干恐怖を覚えながらも、祐介は毛糸玉との問答を続ける。
「その娘は近くにいるの?」
「……ぴこぴこ〜」
近くにはいない、という意味らしい。……ふと、祐介は思い付く。
犬の鼻は、瑠璃子さんたちを見付けるのに役に立つかもしれない。
飼い主を見つけて、その人と一緒にみんなを探す。うん、悪くない。
祐介はそのアイデアを、毛糸玉に提案する。
「ねぇ。もしよかったら、僕と一緒に行かないかい?」
毛糸玉はしばし沈黙したが、顔を上げると
「ぴこ!」
とつぶらな瞳を潤ませOKしてくれた。その様子に祐介はひるむ。
「よし。じゃあ、早速出発しよう」
「ぴこ」
祐介は立ちあがると支給されたデイバックを背負う。運が良い。
「ところで、名前はなんて言うの?」
「ぴこ」
「ぴこ、か。僕は祐介。宜しくね、ぴこ」
「ぴこ〜」
毛糸玉――ポテトは、違うと首を振ったが、祐介にわかるはずもなかった。
ちょっと言っていいか?
武器が銃系統の連中、多すぎない?
今更だけど、百人って凄いな。知らない名前も多いよ。
まあ、まじアンと誰彼なんだろうけど。
百人いれば、2、30丁の銃が出てきてもなんら不思議じゃないよ。
少なくとも半分は銃火器、ないし飛び道具や爆弾系でしょう。
それはそうだが、このペースで行くと50丁くらいになりそうな気がしてな。
そのうち淘汰が始まるから大丈夫でしょ
銃だけが武器じゃないぞー。
せっかく葉鍵世界が舞台なんだからもっと驚くべきウェポンきぼん。
145=111ね
みんながみんな銃火器を使えるわけでもないし
結局ある一定キャラのところに集まるんだよなぁ
他に良い武器が浮かばなかったから……ごめん。
次こそあっと驚く武器を考えます〜。
大志の先行者は良い、ああいう発想が浮かぶっていうのがすごい。
>>139 ありがとう。でも褒めすぎ(w あの閂×陣内には遠く及びません。
前回(スタッフロワ)のときの武器ってなにがあったっけ?
高橋-日本刀、下川-グレネードランチャー 323-デリンジャー
陣内-目覚まし 閂-ハートチップル 麻枝-等身大スフィーPOP
折戸-防弾チョッキ
俺が覚えてるのこのくらい
ハートチップルはおもしろすぎ。
なんかそーいうのは・・・
あ、どろり濃厚があったかw
どろり濃厚、ゲルルンジュース、謎ジャム、セイカクハンテンダケ…
奇妙な食い物には困らないな(w
「美凪ぃ、国崎往人も、どこにいるんだろ」
ゲーム開始からずっとこの調子である。
彼女には頼れる人間がこの二人しかいないのだ。
そしてその二人は、今、隣にいない。
自分はひとりぼっちだ。
寂しさで心がいっぱいだった。
だから――
「みちるっ!」
往人に声をかけられ、嬉しさのあまりに、
ガスッ!
往人のみぞおちに頭突きをたたきこんでいた。
「―――っ!!」
「にゃはは」
ボコッ!
「ぬにょめりゃ」
「まったくお前は……心配かけやがって」
頭をかきながら言った。
「へへへ。心配してくれたんだ」
「……一応な」
「ん、ありがと」
今度はゆっくりと、往人にしがみつく。
その顔は往人から見えなかったが、小さな肩が震えていた。
何も言わずにその頭を撫でてやる。
次の瞬間――
「……っ!」
しがみついていたみちると共に、その場を飛び退く。
一瞬遅れて二人のいた空間を、包丁を構えた少女が切り裂いていた。
「にょわわっ!」
「みちるっ、目と耳を閉じてろ!絶対に目を開くな!」
「にょえ!?」
「大丈夫だから、早くしろ」
――大丈夫。国崎往人守ってくれる。
みちるは素直に目を閉じ、耳を塞いだ。
往人はそれを確認した後デザートイーグルを取り出し。
人影に向けて発砲した。
それで充分だった。
弾丸は相手のこめかみをうちぬき、少女――砧夕霧(030)は即死した。
030砧夕霧 死亡
【残り 88人】
「もういいぞ」
「うに……」
その場を急いで離れ、みちるはようやく目を開いた。
そして問いかける。
「ねぇ、国崎往人?」
「なんだ」
「その……殺しちゃったの?」
「……俺は、お人好しの兄ちゃんじゃないんだぞ」
「うん、わかってるよ……」
そう言ってやった。
できればこの少女の口からは「死ぬ」「殺す」なんて言葉、聞きたくはなかったのに。
黒い少年の言葉が響く――殺しあうために――
だが、自分は違う。
この小さな少女を守るため、そして、どこにいるかわからない深い母性をたたえた瞳を持つ少女を守るため。
とりあえずはその為に、殺す。
「大丈夫だ。行くぞ、美凪を探しにいかないと」
「うん……」
みちるの顔は、まだ、晴れなかった。
「そういえば、みちる。お前の支給武器って何なんだ?」
「あ、まだ見てない」
「ちょっと見せてみろ」
「うに」
鞄を往人に手渡す。
往人はそれを開け、
「どわっ!!」
思わず鞄を取り落とした。
「……マジか?」
中から、一匹の小さな白い蛇が這い出てきた。
「にょわーっ、蛇だーっ。この程度で驚くなんて、国崎往人もまだまだだねー」
ボコッ!
「にょべりゅ」
「突然でてきたら驚くだろうが!」
「うぅー、やったなー!」
ガスッ!
「ぐわっ」
みちるキックが炸裂する。
うずくまる往人をよそに、みちるは蛇に話し掛けた。
「ねぇねぇ、一緒に行く?
――そう、一緒に来るんだ。
にゃはは、いいよいいよ。みちるの頭の上に乗っていいよ」
しゅるしゅるしゅる。
「にゃははっ!」
「……マジか」
蛇と意思疎通をするみちるを見て、改めて「こいつは一体?」という思いが込み上げる。
でも、まぁ、何にしろ。
(笑ってくれて、よかった)
そんなことを思い、次の瞬間には自分の考えに照れていた。
変な武器をということで、慌てて追加した「白ヘビ」
元ネタはわかる人だけわかれ。
しかし、自分にギャクは書けないな。
他の人に任せよう(涙)
>>157 ワラタ。こんなネタもありか
じゃぁ、さゆりんはドラゴン使いだな(藁)
少年動かしたいところだけど
ナンバリングも少年でカウントしてるっておかしくない?
名前ないし。
どこから出発したかあいまいにしてるけど実際は往人と出会ってるということで
V、W地点のハザマを動いていたと推測。
で、こいつは高槻との因縁もつけたんでちょいと区別にしたいんだけどどうでセう?
>>159 高槻因縁組は、少年と巳間兄妹ってところだな。
郁未もありだが。
漏れも晴香でこの線をやろうと思ってるけど
寄り道すると思うから、辿り着けるかどうか。
ようは早い者勝ちなんだから、
自由にやっていいのでは?
ちがう
048少年でコンピューターがうち出すわけが無いから
これは便宜的に入れていると推測できる。
とするとそこに高槻其の他の意図が含まれているのは明白で、
その上で少年をどういう位置付けにしようかと提案した。
別に少年が何番かを聞いたんじゃない。
>>162 スマソ。そういうことか。逝ってくる。
だがそういう話は本文中でやって欲しかったと思った
>>159 この企画において、誰がどこから出発したかなんてどうでもいいんだよ。
矛盾さえ出なければ。
それに、少年は『少年』という記号でゲームに登録されている。
区別の意味がわからない。
七瀬彰(068番)は、暗闇の中で目を覚ました。同時に太股に走る感覚。
「痛ぅ……」
良かった、死んでなかった。そうさ、足撃たれたくらいで死ぬもんじゃない。
弾丸自体がそれほど大きくなく、当たった弾の数もそう多くなかったから、
ただ痛い、というだけで済んだのかも知れない。
しかし、未だに流れ続けている血を止めなくば、失血死の恐れはある。
「っていうか……武器がないじゃないか」
どうせ僕の武器はフォークだけど……と、哀しそうに呟いて、彰はなんとか立ち上がった。
さっき女の子が襲いかかってきた場所から、そう遠くには離れていないはずだ。
――あった、フォークだ! 彰は喜んでそのフォークを拾った。
こんなものを、戦闘に使う目的で捜しに来たのなら彰は相当馬鹿である。
「弾丸、抜いとかないとな」
その為にである。
三つ又の先を突き刺すのは無謀なので、柄の部分で摘出する事にする。
――九発。身体にめり込んだ小さな弾丸をすべて抜き終えて、彰は息を吐いた。
服の裾を破り、血が流れている場所をきつく結んだ。途端に白い生地は赤く染まっていく。
消毒もしなくちゃいけないな、薬も欲しいな。
――そんな事を考えている内に、恐怖が襲いかかってきた。
それは、誰かが襲いかかってくる恐怖だとか、そういうのではなくて――。
「僕、死ぬんだろうな」
こんなフォークで、どうやって生き残れっていうんだ。
死ぬんだ。……怖い、怖い、怖い。
がさり。
「だ……誰だっ」
慌ててフォークを構えると、彰は茂みの中に震えた声を投げた。
知り合いだろうか、それとも……
「あ、あのっ」
現れたのは。小柄な、小学生くらいかと思われる可愛らしい少女。
「ご、ごめんなさいごめんなさい、殺さないでくださいっ!」
ハリセンを持ったまま腰を抜かしている。顔を伏せ、何も見ない、何も聞かない、とばかりに耳を塞いでいる。
怯えるその姿を見て、思わず彰は微笑んだ。
先程までの自分も、この小学生と似たような感じだったのだろうか。
「だ、大丈夫、僕だってやる気はないから」
「え?」
少女は、震えたまま、怯えた表情を消さぬまま、こちらをちらりと見た。
「え、あの」
「ほら、僕だってこんな武器だから」
フォークを見せると、少女は、明らかに安堵の表情を見せた。フォークだもんな。
「へえ、初音ちゃんはお姉さん達を捜しているんだ」
「うん」
少女――柏木初音(021番)は、先程とはうってかわって明るい表情になって、元気に頷いた。
茂みの裏で、二人は並んで座り、彰が初音の話を聞く形になっている。
「お姉ちゃんが3人いて、あと、耕一お兄ちゃんっていう人を捜してるの」
――まったく、なんでこんな幼い小学生までが殺し合いをしなければならないのか。
「でも、みんなばらばらになっちゃったから……」
声聞いた時は、もう、駄目かとも思ったんだよ。初音は、そう云って微笑んだ。
「よし、決めたっ」
彰は出来るだけ大きな声で、そう云った。
「え?」
「君の捜している人を、一緒に捜してあげるよ」
彰は、少しだけ勇気を持った。――それは、彰が持つ一番の武器だったのかも知れない。
フォークよりはよっぽど強い。ハリセンよりも。
失礼しました。
ちょと私も兼ね合いがうまくつかめなくて・・・
ちなみに区別はミスタイプ。本当は特別とうちたかった。
>>168 あぁ、なんとなくわかった。
ナンバリングされてはいるが、別に方通りに動かさなきゃいけないわけでもないし。
基本ルール(書き手のな)さえ守ってれば。
ぞんぶんにやっちゃってくれ。
>>167 ハリセンは俺も考えてたが、誰に持たせるか悩んでた。
初音@ハリセン萌え、ありがとう(w
003天沢郁未 004天沢未夜子 005天野美汐 009江藤結花 010太田香奈子
013緒方理奈 015杜若きよみ(黒) 016杜若きよみ(白) 017柏木梓
018柏木楓 020柏木千鶴 022鹿沼葉子 026河島はるか 027川澄舞
029北川潤 031霧島佳乃 032霧島聖 035倉田佐祐理 036来栖川綾香
037来栖川芹香 038桑嶋高子 041桜井あさひ 044澤倉美咲 045沢渡真琴
046椎名繭 047篠塚弥生 050スフィー 054高倉みどり 056立川郁美
057橘敬介 058塚本千紗 059月島拓也 060月島瑠璃子 062遠野美凪
066名倉由依 070芳賀玲子 071長谷部彩 074姫川琴音 079牧部なつみ
080牧村南 081松原葵 082マルチ 083三井寺月代 088観月マナ 089御堂
093巳間良祐 094宮内レミィ 096深山雪見 097森川由綺 099柚木詩子
100リアン
まだこれだけのキャラ(51人)が未登場。
出番なき者に愛の手を。
月島兄は出てた。
残るは50人に訂正。
柏木梓(017)は頭を抱えていた。
いきなり島に連れてこられ、耕一やほかの3姉妹とは別のトラックに乗せられ、そうこうしているうちに自分の出発順になり、バッグを渡されて出発した。
おまけに姉の言うことにゃ鬼の力は使えないらしい。
もうこの時点で梓の頭は混乱状態だった。だがさらにそれに追い討ちをかけたのはバッグの中から出てきた支給品。
メイド服
しかも3着
メイド服にはそれぞれ「メイドタイプ」「アイドルタイプ」「スクールタイプ」と書かれた札がついていた。もう訳がわからない。
ほかに何か入ってないかとバッグの中を調べると1枚の紙が出てきた。
それに書かれていたのは
『防弾チョッキ(メイド服タイプ)』
頭が痛かった。
そんな混乱状態の中、気づいたらなぜかメイド服を着ていた。
【メイド服 残り 2着】
「……」
「……」
運命の悪戯――
そんな言葉で片づけてもいいかもしれない。
河島はるか(026)。
遠野美凪(062)。
「……こんにちは」
「……どうも」
お互いに、何気ない挨拶を交わす。
「えと……殺し合いしなきゃダメかな」
「それは残念です……」
「じゃ、やめよっか」
「それがいいと思います」
あっさり合意し、二人はまた沈黙した。
「……」
「……」
「……あの、一緒に行く人、いる?」
「……いえ……残念ながら……」
「じゃ、行こっか」
「そうしましょう」
「良かったね」
「ぱちぱちぱち……」
並んで歩くはるか、美凪それぞれのデイパックからは、明らかに業物と見て取れるうり二つの刀が、
その豪奢な柄頭を覗かせていた。
「巳間晴香。晴香でいいわ。」
「私は保科智子。智子でええよ。そしてこの子は…」
そう言って、彼女は膝の上にのせた少女の頭をなでながらつぶやく。「神岸…あかり。」
私たちはあの後、森の中で見つけた洞窟に避難した。
あの少年は、すぐに姿を消した。深手のはずだが、また再び私達を襲う可能性もある。
なによりも意識を失ったままの少女…あかりを放ってはおけない。
智子と二人で肩を抱え、ここまで運んできた。
「かわいそうになぁ…神岸さん。こんな目に遭おて。」
「……」
私達がどんなに哀れんでみても、それは同情でしかない。自らの過去を振り返りながら
思う。辛かったあの日々を。そして、その思い出を汚す根源たる、忌むべき名を。
「高槻…」
「え、なんて。」
「このゲームの管理者。そして、私の目的…あいつを殺すことが。」
そう、あいつだ。あいつさえいなければ、あかりもこんな目に…
私も、あんな目には遭わなかっただろうに。
「怖いことを考えるんやね。」
「殺さなければ、生き残れないわ。違う?」
「…じゃあ、私達も殺すん?」
「いや…私が殺したいのは高槻だけ。他に殺したくはないわ。
それじゃあ、あいつの手の上で踊っているようなものだから。」
「どちらにしろ物騒やね。でも、それだけでいいん?」
何が…智子の質問がわからなかった。
「私達、このゲームの参加者の中には、来須川財閥の令嬢達もおるんよ。
つまり、それと同等もしくはそれ以上の組織が裏で動いとる。人一人殺せば済むもん
と違うし、第一、その高槻言うんかて相当な人数に守られとるんとちがうん?」
「……」
郁未がいれば、心強いのだけど。出発地点には、彼女はいなかった。
それと良祐。でも高槻を追っていれば、いつかは出会えるだろう。そんな気がする。
「わたしには別に目的はない。ただみんなで生きて帰りたいだけや。せやから、いいよ」
智子が私を見つめる。眼鏡の向こうにある、意志を持った目で。
「仲間がいるやろ。あいつら倒すんには。うちはアンタについて行く。
そしてもっと仲間を増やそ。大勢おれば、あいつらに立ち向かえるかもしれん。」
…正直、ありがたかった。孤独な戦いを強いられることを覚悟していたから。
「ありがとう。」素直に、言うことができた。
「ただ…」そう言って、あかりを見つめる智子。
「この子には、会わせてやりたい奴がおるんよ。そいつにこの子を預けんと、安心できへん」
「その人は、信用できるの?」
「私の知ってる中では、一番信用できるし、頼りになる奴や。お調子者やけどな。
私達にも協力してくれると思う。…なにより、この子にはあいつが必要やから。」
「そう…その人の名前は」
「藤田浩之。この子の幼馴染や。」
……浩之ちゃん。どうして。
闇の中から、銃を握った浩之が近づいてくる。皮肉そうな笑みを浮かべながら。
銃口は、確実にあかりの身体を狙っている。
やだ、いやだよ。なんで。どうして。
カチリ、と撃鉄に指をかける。
「じゃぁな、あかり。」
パン!
音と共に、意識がはじけ飛ぶ
「いやぁぁぁぁぁっ!」
双眸に光があふれる。そして、熱い、涙。
頭が真っ白になる。そして、今見た光景は意識から消えていく。
かわりに、自分の身に起きたこと…思い出したくない、イヤなことが意識に流れ込んできた。
もう、声も出なかった。ただ、涙があふれた。止まらなかった。
「神岸さん……」
聞き覚えのある声が、側から聞こえた。そして、別のほうから差し出された腕に、
私は頭を抱きかかえられた。
暖かかった。誰だかわからないその人は、なぜだか、私の悲しみをわかってくれているように感じた。
「辛くても、全てを受け止めなさい。そして自分で整理して、心の奥にしまってしまうの」
「わたしも、そうだったから」
そんな声が、心の中で響いた。
>>174 ほんとに見やすいですよ〜。
だいぶ相関が分かって書きやすくなりました。
感謝感謝です。
「さて、これからどうしたものかしら。」
出発して海岸を歩いていた来栖川綾香(036)はつぶやいた。
「姉さん、魔法が使えないって言ってたから私が守らなくちゃ。」
綾香は事前に姉と海岸で落ち合う事にしていた。
魔法の使えない芹香は赤子同然である。芹香を守れるのは綾香だけだった。
「それにしても、妙に重いわね・・・私のバッグ。」
綾香はまだ開けていなかったバッグの中身を確認した。
「何これ・・・ミサイルかしら?」
『小型爆導索』と書かれた兵器が綾香のバッグに入っていた。
グループ行動をしている相手なら一網打尽に出来る強力な兵器である。
しかし兵器に関する知識など知らない綾香にとってそれは自滅しかねない武器でしかなかった。
しかも、説明書らしきものは何処にも見当たらない。
「まいったわね、使い方もわからないのに、邪魔になるだけだわ。」
綾香は武器を置いて行く事に決めた。格闘技者らしい選択である。
ミサイルの他には水と食料、そして照準用レーザーポインタだった。
「これは何かの役にたつかもしれないわね。持っていきましょう。」
荷物整理が終わった所で姉、芹香(037)がやってきた。
「来たわね、姉さん。」
「・・・・・(魔法が使えないから、足手まといになっちゃうけど・・・)」
「なーに言ってるのよ。全然そんな事無いわ。それより姉さん、バッグはもう見た?」
「・・・・・(ふるふる。)」
二人で、芹香のバッグの中身を調べた。
「どれどれ・・・消毒液に包帯、虫除けスプレー、ジッポ、・・・何?この箱。」
開けてみると、注射器と粉入った小袋が入っていた。
「これは不用意に使わないほうがいいわね。」
綾香は箱を閉めるとバッグの底に詰めた。
「さあ、行きましょ。姉さん。」
「・・・・・(こくり。)」
二人は海岸線を歩み始めた・・・
【小型爆導索・海岸に放置】
>>165 七瀬彰、麻酔なしで、しかもフォークで弾丸9発摘出って・・・。
一流の軍人でも気絶するな。
設定的には貫通弾の方が、リアリティあると思われ。
能力の使用は一切合切禁止なのかな?
数分の一の威力でも、使えると使えないとじゃ大違いなんだけど。
うーん。
「なんだか面倒なことになってきやがったぜ……」
藪の暗がりの中で気だるそうに御堂(089)が呟く。
本来強化兵である御堂にとって、こんな企画は問題ではなかった。
その気になれば、あの場にいる全員を相手にしても負けない自信もあった。
(といっても、蝉丸ら他の強化兵もいたので一筋縄ではいかなそうだが)
だが、ここに来てから何故か強化兵としての超感覚が上手く働かない。
そう、あの最初の犠牲者――御影すばるとかいう女――が殺されるずっと前から。
恐らくは他の強化兵にもそれは及んでいるのだろう。
(正義感の強い蝉丸あたりがあの場を黙って見過ごすはずがないからな……)
「正義感……反吐が出る言葉だぜ。」
御堂は自分に支給されたバックを忌々しそうに眺めた。
本来、人間であった頃から銃の名手として名を馳せた御堂、
いや、銃だけでない。当時(推定約50年前)に考えられたであろう武器のすべてに精通し
使いこなしてきたといっても過言ではない。
支給された武器が銃に越したことはない。しかし、たとえ鉛筆が武器であったとしても
常人には負ける気はしなかった。
そう、強化兵としての力が使えなくてもだ。
御堂に支給された武器…いや、武器であろう物体は人懐っこそうにこちらを窺っては
大きなあくびを繰り返していた。
「な〜ご〜」
猫の声。御堂は再び舌を鳴らした。
口のまわりや耳などは茶毛ではあるが、白い猫。
「俺ぁ黒い猫が好きなんだよ…」
おまけに支給されていた水や簡易食も既に食い散らかされていた。
「武器にもなりゃしねぇ…どこぞでは既にドンパチやらかしてるってのによ…
情けねぇにもほどがあるぜ……」
割と近くない位置で銃声が響いたのはまだ少し前のこと。
少なくとも重火器を手にした参加者がいるということだ。
「にゃあ」
「にゃあじゃねぇよ…殺すぞこのくそ猫。」
御堂はこれからのことを考えていた。
武器がなくとも白兵戦なら身一つでできる。
倒した奴から武器を奪い取って戦う……
これが御堂のシナリオだった。
「このクソ猫はどうするか……」
いつの間にかそのクソ猫は御堂の頭の上へと移動していた。
猫を連れては隠密行動もできない。百害あって一利無しだ。
「殺すか…」
御堂の目が殺気を放つ。
普通、動物は相手の気に敏感なものだが、この猫は少したりとも動揺しなかった。
それどころか頭の上で丸くなってうにゃぁとか鳴いてる始末だ。
「お前飼い猫か?そんなことじゃどの道長生きはできねぇなぁ。
……いや、お前にも使い道はあるか。」
「それこそ囮や偵察(偵察は無理だろ……)に活躍してもらうとするか。武器にされるぐらいだ。
それなりの訓練はされてんだろ?」
脅すような御堂の口調にも猫は間の抜けた声をあげるだけだった。
「ちっ、もう行動するぞ。……自分の足で歩けよな。」
「なぁ〜ご」
「……けっ好きにしやがれ!コキ使ってやるからな……聞いてんのかおいっ…!!」
一人と一匹は緑の生い茂る林道の奥へと消えた。
殺戮という名のゲームへと参加するために……
ピロが仲間に加わった!!
すまん、
×ピロ
○ぴろ
でよろしく。
真琴と同時行動じゃなかったのか(笑)<ぴろ
>>183 戦闘の際に大きい影響が出なければいいと思うけど……
でも使わない方が無難だと思う。
189 :
天沢郁未包囲網:2001/05/20(日) 00:27
島の空に高槻の顔が映し出された。
「この時間までの死者を発表するぞ。
002藍原瑞穂 008岩切花枝 028川名みさき 030砧夕霧 039上月澪
052セリオ 055高瀬瑞希 063長岡志保 067名倉友里 075広瀬真希
095宮田健太郎
以上11人だ。
多分能力者の諸君は、気づいているだろうが、この島には能力者の能力を弱める結界を
張らせてもらっている。
付け加えだが、俺を殺せば全て終わると思う奴ら、殺したいやつは何時でも殺せばいいぜ。
ただし、俺を殺せば、この島の遥か沖からここヘミサイルが発射されて島ごと木っ端微塵だがな、能力を制限している結界装置を壊しても同様だ、そうなって死にたくなければまずこの5人を殺すことだな ハッハッハ。
高らかな笑い声の後、5人の名前と写真がモニターに映し出された。
003天沢郁未 022鹿沼葉子 092巳間晴香 093巳間良祐 066名倉由依
ごめんなさい、付け加えのネタがやりたくて発表を少し早めにしちゃいました。
086美坂栞が066名倉由依に間違われるというのは無論OKです。
>>183 とりあえず、人間技じゃないのは却下だろう。
でも、結構戦闘が有利になるくらいの力は、あったほうがいいと思う。
そうでないと、枷があまりにも大きすぎる。
どちらにしろ戦闘よりも頭脳戦で切り抜けるような展開のほうが
面白いとは思うが。
芹香先輩には、相性占いぐらいの力は使えるようにしてやってれ(藁)
>>189 この放送を聞いた浩平達の反応に期待(W
>>189 そういう展開を待っていた。
面白くなりそう。
>>183 ヤラレタ!萌える展開だ。
早速晴香ルート書き直しだな。
放送が切れ、周囲に静けさが戻る。
その内容は、浩平、瑞佳、七瀬の三人に大きな衝撃を与えていた。
「……うそだろ、おい」
死んだ人間の中には、自分の知り合いが既に3人も入っている。
ゲーム開始から、多分まだ、そんなに時間はたっていない。
それなのに、3人。
誰だかわからぬ殺人者に強い怒りが沸き上がる。
先輩は目が見えないんだぞ? なんで殺されなきゃいけないんだ。
澪だってあんな性格の女の子だ。他人に危害を加えたりするはずないじゃないか。
それなのに……それなのに……っ
だが次に広瀬のことを思う。
あいつはあの性格だ、多分誰かとやりあったんだろう。
仕方ないかもしれない。
そして、誤解から住井をも殺そうとした、自分。
そうだ、これはデス・ゲームだ。
殺人者のやっていることは、ゲーム内では「正しい」。
結構じゃないか……だったら俺も……やってやる。
先輩や澪を殺した奴をぶっ殺し、障害になる奴全員、ぶっ殺してやる!
強く握った拳からは、爪が肌に食い込み、血が流れていた。
強くかんだ唇からも、歯が食い込んで、血が流れた。
黒い思いに取付かれた浩平を、
「ダメだよ、浩平……」
瑞佳は後ろから、優しく抱き締めた。
>>183 たしかに・・・キャラごとの個性として、ある程度は残したほうがいいんじゃないかな
「長森――」
「ダメだよ。
確かに、誰かを――殺さないと」
自分の口から出た「殺す」という言葉の大きさに、瑞佳は一瞬言葉を切らした。
気持ちをおちつかせ、続ける。
「殺さないといけないかもしれないけど。
それでも、怒りにまかせてそんなことしちゃ、だめだよ。
浩平には、そんな風になって欲しくないよ。
そんな浩平、嫌だよ……」
殺されたくなかった。
それ以上に、殺したくなかった。
どうして簡単に人を殺せるんだろう。
わたしを助けてくれた住井は、人を殺したのに、笑っていた。
怖かった。
どうして、あんな風に笑えるのだろう。
それがわからなかった。
綺麗事だとわかっていても、人間らしくありたかった。
そんな浩平でいてほしかった。
冷たい空気の中で、浩平は瑞佳の暖かさを背中に感じていた。
瑞佳の思いが伝わってくる。黒い思いが、消え去っていく。
(そうだ。俺がそんなことでどうする。
俺は、『守るため』殺すんだ。
どうしても殺さざる得ない時だけ、その時だけ、どこまでも冷徹になればいい。
そうだ。笑って人を殺すような奴に、なっちゃいけない)
「悪い、ごめんな、長森?」
腕をほどき、振り向く。
「うんっ」
瑞佳は、泣いていた。
200 :
名無しさんだよもん:2001/05/20(日) 01:11
>>200 かなりわかりやすくて自分的にはオッケーです
ども、ありがとうございました
そして今後ともよろしく
202 :
名無しさんだよもん:2001/05/20(日) 01:18
(ちがう、放送は嘘を言っている。)
リアンは放送を聞いてから考え込んでいた、
制限はされているけど簡単な魔法なら使えると知った後まず彼女は結界の基盤を探した、
魔力の乱れを感知して彼女が知った事は
・結界はある社に施されているという事
・何か邪悪で大きな力によって結界に傷がついたこと
・結界は複数の能力を封じているという事
・ミサイルのような機械的な設備によって結界を保護するようなものはないという事
だった。
しかし彼女が知り得たのはそこまでだった、突然大きな意識の塊が彼女を襲ったのだ
無防備な状態で精神に直接打撃を与えられた彼女はしばらくは動けないだろう。
(なんだろう、大きいけどとても悲しい力。これが防御装置なの?)
(…翼のある女の子、…神……奈?)
結界を壊せば元通りに力が使えるようになるが今しばらくは動けそうにない、
大好きな姉さんと協力して脱出するために今は少し眠ろう。
起きたらまずは結界に行ってみよう。
濁り行く意識の中でリアンは小さな声で姉の名を呼んだ。
203 :
202:2001/05/20(日) 01:20
>>91-94 の話をタブーにならないようにしてみました。
結界が壊されればみんな力が戻るけど守護者は強力なのでほぼ不可能。
もしかしたら壊れる?と言う事でどうでしょうか。
204 :
決別:2001/05/20(日) 01:21
「…月澪 052セリオ 055高瀬瑞希 063長岡志保 067名倉…」
その放送を聞いたとき、千堂和樹(053)は目の前が真っ暗になるのを感じた。
(瑞希が……死んだ……)
一瞬にして全身の力が抜ける、自らの体重を支えきれなくなった足は折れ、地面に膝をつく。
(嘘だ……嘘だ……)
うわごとのように繰り返す。
「嘘だ……嘘だ……嘘だ……」
次第に声は大きくなる、
「嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だァァァァッ!」
絶叫がこだまする。
「どうしてだよ……なんでだよ……」
いつも一緒にいた存在、助けようと思ってた仲間、かけがえのない人、世界で一番好きだった人、自分の半身。
「みんな……みんなそろって助かろうと……誰一人欠けることなくまたあのこみパに戻ろうって……そう思ってたのに」
「どうしてお前が逝っちまうんだよ! 瑞希ぃッ!」
最初に掲げたみんなで助かろうという決意、もうかなわない願い。
いなくなってはじめてわかる。
最初に無くしたものは、一番大切なもの。
一歩も前に進むことが出来ない。
もうどうでもよくなった。
すべてを投げ出したくなった。
すでに肉体は自らを支えることを放棄し、地面に突っ伏していた。
「みんながいても……瑞希がいないんじゃぁな……」
そうつぶやき、和樹は意識を闇に閉ざした。
が、その闇から開放されたのはすぐだった。
「こんなところでなにをしておる、まいぶらざー」
聞き覚えのある声、その声の方向に身を起こす。
そこにいたのは九品仏大志(034)だった。
「大志か…」
力の無い声で返事をする和樹。
「どうしたのだMy同士、なにがあった」
「瑞希が……瑞希が……」
そう応えるのが精一杯だった、そこから先は言えなかった、涙をこらえるので精一杯だったから。
だか大志はいともあっさりと返す。
「ああ、知っている。我輩がやったのだから」
和樹の時が止まった。
205 :
決別:2001/05/20(日) 01:21
大志の言葉はやけにあっさりとしたものだった。それが当然だといわんばかりに。
「おい、大志……いまなんつった」
「我輩が殺したのだ、まいしすたー瑞希を」
その言葉が終わる前に、身体が動いていた。全力で大志を殴りつける。
「大志…てめェ…なぜ殺した!」
「邪魔だったからな」
「貴様ぁッ!」
もう一発、和樹は大志の顔面を殴りつけた。
「仕方あるまい、ここはそういう世界だ。殺らなければこちらが殺られる。我輩は死ぬわけにはいかんのだ!」
和樹は腹部に鈍い衝撃を受け、崩れ落ちる。
「和樹よ、一時期とは言え貴様と我輩は同じ目的のために戦った同士だ。よって今回は命は助けてやろう」
「ぐっ…待ちやが…れ…」
「もう二度と我輩の前に姿をあらわすな。我輩は貴様を殺したくはないのでな」
先ほどとは違った感覚で意識が闇に包まれていく。
「……すまない、あさひちゃんの為、我輩は修羅に落ちるしかないのだ」
薄れゆく意識の中、そんな言葉が聞こえた気がした。
先程の放送の内容はさして驚くほどのことでもなかった。
高槻だから。その一言で説明がつく。
天沢郁未(003)は慎重に辺りを探りながら歩く。
割と開けた場所。そこは湖のほとり。
そこで人が二人、倒れている。
既に戦闘は終わっている。だが、血の匂いだけが数刻前までの凄惨な光景を物語っていた。
「一人は…絶命してるわね。」
首の骨が折れては即死だろう。わずかに目を閉じて心で弔う。
そしてもう一人の男。息はあるようだ。
この男がやったのかもしれない。だが、常人にあんな骨の折り方ができるだろうか。
どちらにしても先程の放送が事実ならば先ず自分の命が危ない。
自分を殺せば生きて帰れる可能性が増えるのだから。
もちろん高槻がそんなことするはずがないのは百も承知だ。
高槻のことだ。これも余興のひとつとしか考えてないのだろう。
少なくとも私や晴香は生きて帰すつもりはないだろうから。
先程の放送を聞いた人と行動するのは危ないだろう。いつ殺されるか分かったものじゃない。
もしかしたらその中に高槻の刺客がまぎれてるかもしれないのだから。
だが、この男は気絶していた。放送を聞いていない。
今は少しでも多く仲間が欲しい。郁未はこの男を助ける決心を固めた。
裏切られてもリスクが少ないように、男の武器の入っているであろうデイバックは一時奪っておく。
(もちろんボディチェックも含めてだ)
助かるために他人を利用しようとしている、そんな自分が昔から嫌いだった。
「やだな……お母さん、私イヤな女になっちゃったよ…」
私は少し、泣いた。
「私をのけものにして、いちゃいちゃしないでくれる?」
冷めた七瀬の声が聞こえ、浩平と瑞佳は我に帰り、間を開けた。
「わぁっ! なんてこと言うんだよっ!」
「そ、そうだぞ。仲間に入りたかったらお前も抱きついてこれば……」
「んなことするかいっ! どアホっ!」
ゴインッ!
タライを使ったツッコミが炸裂する。
「ぐあっ……痛いじゃないか!」
「『浩平が』『お前が』悪いっ!」
二人そろってさらにツッコミが入る。
「で、バカはこのくらいにして。
これからどうするの?」
それでもタライを持ったまま、七瀬が言った。
「そうだな。気になるのは、さっきの放送の五人だ」
「あぁ、まずはこの五人を……ってやつね。
それがどうかしたの?」
「わからないか? だから七瀬なんだ」
真顔で言う浩平に無言でタライを構える。
「わぁ、ダメだよっ! 浩平も変なこと言わないの。
で、どうして気になるの?」
「つまりだ――
高槻とかいう野郎がわざわざあんな放送で皆を煽ってあの五人を殺すように仕向けただろ。
高槻を殺したらこの島にミサイルがっていうのは、実はあまり重要じゃない。嘘かもしれない。
あの五人があいつの思惑通りに死んだら、次は自分の命が危ういんだ。
それでも皆を煽った。これには何かあると思う。
彼等は高槻にとって、絶対な脅威であるはずなんだ」
「へぇ……」
「折原、あんた凄いのね……」
感心する二人。
「わからない。そこまで特別扱いされるということは、逆に彼等がそう簡単に殺されることはないはずだ。
返り打ちを狙って一気にゲームの参加者を減らそうとしているのかもしれない。
ただの連中の遊びかもしれない。
何にせよ、彼等が話せる立場の人間だったら会ってみたいが」
そこまで言ったときだった。
「私に何か御用ですか?」
浩平の背後から声が聞こえた。
驚き、銃をとるのも忘れ、振り返る。
そこには今まさに話題になっていた人物、鹿沼葉子(022)が立っていた。
>>165-167
これからの展開が楽しみ。
彰のミステリ小説が好きって設定を活かした頭能戦が見たいな。
銃撃ちまくりの肉弾戦ばっかじゃ面白くないし。
少年は、往人と分かれたあともなお森を闊歩していた。
先ほど流れた放送は、何名かの死を告げていた。
郁未はまだ生き残っているようだ。
それだけを確認して、少年は前に進んだ。
右肩にずっしりとした重み。
まだ一回も開いていないこの鞄だったが、
これをあけずにすむならどんなにいいか、
そんなことをつい考えてしまった。
北上しているつもりだったが、
磁石があるわけでもないので確証はもてない。
しかし、”スタート地点”の位置を考えれば、
おそらくこの方向であっているはずだった。
あたりは静かだった。
静かだが、確実な歩み。
そう思うと、この狂った環境でも不思議とやる気が沸いてくるものだ。
そんなことを考えつつ、十分ほどの時が過ぎる。
先ほどから視界に入るものといえば、
鬱蒼と生い茂る木々だけであった。
耳に入るものと言えば、
微風にざわめく葉の摩擦音だけのものであった。
だが明らかにその均衡を破る不和が分かった。
荒い吐息だった。
誰かが近くにいるようだ。
これはどうすべきかな……、
少年は少し迷った。
手負いの人間が相手になるのは避けたかった。
特に、一般人であればあるほど錯乱しやすいものだ。
そしてそれ以前に、無駄な戦闘は極力避けたかった。
歩みを止めてはいなかったので、
とうぜんその声の主へとどんどん接近していた。
当然呼吸音もより精密に聞こえてくる。
……おや?
どうも違う。
錯乱状態や極度の緊張から来るものかと思ったが、
それにしては呼吸が激しすぎる。
あからさまに痛みと苦しみを訴えている。
そしてそれに混じったかすかな音声……。
女の子だ。
少年は特に気づいた様子も見せず、自然体で進んでいく。
するとちょうど見えてくるその呼吸の主。
脇の方でうずくまっている女の子の姿。
056番立川郁美だった。
その様子を一目見て、少年は彼女が心臓を患っているのが分かった。
「……これはほっとけないね」
郁美に接近する少年。
だがよほど苦しいのか、彼女はそれに反応できない。
「大丈夫……じゃないね、とりあえずここにいてもしょうがない。
移動させてもらうよ」
そういうと彼は鞄を肩に引っ掛けたまま、器用に郁美の事を抱き上げた。
「ちょっと揺れるかもしれないけど我慢してね、
といってもそんなこと考えている余裕無いか……」
見た目に似合わない腕力だった。
郁美の鞄ごと抱き上げているというのに、
少年はまったく重たそうなそぶりを見せなかった。
そしてそれまで向かっていた方向ではなく、横道にそれて歩き出した。
ざっざっざっざっ……。
それまで聞こえなかった彼の足音が、
今は水を打ったような静けさの森の中に響いていた。
郁美の荒すぎた呼吸も、その様子を少しずつ穏やかにしていった。
「少しは収まってきたか……、発作だったのかな」
「……ハイ」
か細い声で、郁美は彼の独り言に返事をした。
「……大丈夫なのかい?」
「いつもの……ことですから」
儚げな微笑を浮かべる郁美。
少年はいつもの通りの笑顔で返した。
「薬はあるかな? 調合しようかとも思ったけど発作なんでしょ?
だったら常備薬みたいなのがあるよね」
「ハイ……、たしか、私の鞄の中に……」
言いかけて郁美ははっとしたような表情をした。
「私、鞄を忘れてきたかもしれません……」
「それならここさ」
少年は腕下に下がる鞄を示して見せた。
「よかった……」
郁美は安堵した表情になった。
「こっちの方に、たしか学校があったはずなんだ」
「そうなんですか?」
「うん。そこに行けば保健室が使えるし、水道も確保できる。
ガスが生きていればお湯も沸かせるかもしれない。
少なくとも、森の中よりはいいかと思ってね」
まあうろ覚えなんだけどね、と少年は屈託なく笑った。
「ふふっ」
郁美もつられて笑ってしまった。
この島にきて、はじめて安心感を感じられる瞬間だった。
「外傷が無かったのは幸いだったけど、
何でそんなに走ったんだい?」
少年が問う。
郁美は、分かりますか?と少し不思議な顔をした。
「心臓を病んでる人がそんなに無理しちゃいけないな。
それとも、誰かに追われていたのかな?」
郁美は横に首を振った。
「鞄を渡されて……、それで放り出されて……、気付いたら一人だったんです。
そう思ったら、なんだか怖くなっちゃって。
がむしゃらに走り出しちゃったんです。
おかしいですよね?
こんな体じゃあそんなに遠くまで行けるわけ無いのに……」
幼い様相に似つかわしくない、
ひどく自虐的な笑みだと少年は思った。
「そんなことは無いさ」
えっ、
と驚いた表情で郁美は少年を見た。
「誰にだってできないことはある。
確かに傷つけば、前へ進むことが怖くなる。
でも、傷ついた翼だって、傷がいえればまた飛べる。
今できないからといって投げ出すものじゃない。
それは君が一生付き合っていくものなんだから」
終始一貫した笑顔を少年は保ち続ける。
だがその言葉の重みは、
郁美にとって彼の表情など忘れさせてしまうほどのものだった。
「そう……ですよね。ダメですよね、そんなこと言ってちゃ」
郁美は吹っ切ったような表情で彼に言った。
少年はいつもの笑顔でそれに答えた。
だが、そんな一瞬の感傷で癒されるような傷でもなければ、
気持ちだけで治るほど郁美の病が軽くないことも
少年には分かっていた。
……、
…………、
……………………。
無言の時間が続く。
だがそれにも終わりが来る。
「……見えてきたよ」
「……わぁ」
森の終わりは海岸線へと続いていた。
今二人の前には、穏やかに波打つ海が広がっている。
「あるね、学校」
気のせいか、彼の口調はいかにもほっとしたような感じだった。
彼は海岸からややずれた方向に目を向けていた。
そちらの方角には森が広がっておらず、
整備された道と学校が隣接しているのが見て取れた。
「あ、私もう大丈夫です。ここからなら歩けると思います」
郁美はそう主張した。しかし、
「無理はすること無いよ。それにせっかく自分の足で歩かずにすむんだ。
楽はできるときにしておいたほうがいい」
結局少年は、その申し出を却下した。
「特別サービスさ」
そんなことを言って、彼はなんとその状態から走り出した。
森の出口から学校の入り口まで、あっという間だった。
郁美は、風を切る気持ちよさを久しぶりに感じた。
「
「大体保健室なんていうのは、一階ににあると相場が決まっているものだよ」
「そうなんでしょうか……」
どんな根拠で少年がそんなことを断言しているのか、郁美にはよく分からなかった。
校舎の中に入って、とりあえず少年はそこらをうろうろし始める。
「お、あった」
幾分もしないうちにそれは見つかった。
視線の先には、保健室とかかれた表札がある。
「じゃあここで待っているといい。僕は電気系統とかをちょっと見てくるよ」
部屋の中に入って荷物を置き、
郁美をベッドに座らせた少年はそういって立ち上がった。
「あと薬は飲んでおくんだ。多分ここの水道は生きて……、ほらほら」
部屋の中にあった流しを見つけた少年は、きゅっと蛇口をひねって見せた。
さーーーーっ。
水道は無事通っていた。
「それから食料も確保しないといけないからね。
この鞄の中身だけではちょっと不安だから」
少年は鞄を肩に背負いなおした。
「じゃあいってくるよ」
彼はそう言って保健室を後にしようとした。
「あっ、あの……!?」
郁美は彼に声をかけた。
幾ばくか、切羽詰まったような感じで。
「……なんだい?」
「えっと、その……、ほ、本当にありがとうございました!」
座りながら郁美はぺこりと頭を下げる。
「いいんだよ、困ったときはお互い様って言うじゃないか」
そういって、少年は出て行こうとする。
「そ、それと……」
郁美はまだ追いすがった。
「えっと、し、死なないで下さい!」
「…………」
さすがの少年も、ちょっと目を丸くした。
「大丈夫、まだ僕は死なないよ」
諭すように、やさしい口調で彼は言った。
「じゃあ、行くよ。
大丈夫、すぐ戻ってくるからそんなに心配しなくていいよ」
三度、少年は部屋を出ようとする。
「あ、あの!」
「…………なんだい」
笑顔で振り返る。
なんとなくもう一回ぐらい呼ばれるような気がしないでもなかったのだ。
「そ、そのっ、あのっ」
しどろもどろになりながら、それでも何かを郁美は言おうとしていた。
「えと、えと、……なまえ!? そう名前を教えてください!!」
少年は意表を疲れたような、そんな感じの笑みを浮かべた。
「わ、私は立川郁美って言いますっ」
郁美ちゃんか。
そうつぶやいたあと、少年は嘆息していった。
「……変な格好をした黒尽くめのお人良し。そう、覚えてくれればいいよ」」
少年は部屋を出た。
とりあえず屋上から調べてみよう。
電気系統なら、屋上に中枢がある可能性が高い。
少年はそういう思惑で屋上に向かった。
ここは四階建ての校舎だったので、屋上には四階から上がることになる。
少年は一目散に四階を目指す。
しかし、三階に入ったところで立ち止まった。
意味不明の不和感、とでも言えばいいのだろうか?
だが少年は確実にそのようなものを感じていた。
言葉に表しにくいが、それでも端的に表現するなら……、
ここに人がいたのではないか?
無人のはずの校舎に人がいたかも知れない事実、
意味不明の不和感、
それらは少年にほんの少し危険を感じさせるのに十分足りるものだった。
少年は急いで屋上を目指した。
階段を一気に駆け上る。
そして屋上と中を隔てるドアの前に立つ。
鍵は……掛かっていない。
ぎぃぃぃぃぃぃぃぃ……。
屋上には誰もいなかった。
配電室を調べようと、少年は歩みを進めた。
配電室は鍵が掛かっており、簡単には開けられそうに無かった。
「仕方ないな……」
懐から拳銃を取り出す。
往人から渡された、ベレッタ92Fを。
安全装置をはずして、鍵を銃で破壊しようとしたその時、
視線の先に何か引っかかるものがあった。
屋上の淵、なのだがそこだけ何かがこすれたような後が見えた気がしたのだ。
不審に思い、鍵を破壊するのをおいておいて底へ接近してみる。
するとそこにあったのは何かのあとなどという生温いものではなかった。
血。
血がこすれついた跡だった。
少年はその下を確かめようとする。しかし、
ドクン!!
直感とでも言えるその鼓動は、彼の命を助けた。
彼は一気に体勢を崩して転がった。
そしてその一瞬後、
ひゅっっ!
ボーガンの矢が彼の体の上を通り過ぎていった。
「チッッ!」
舌打ちが聞こえる。撃ったのは……、
77番、藤田浩之!
「くっ!」
少年はそのまま反対方向へと転がった。
安全装置を外していた幸運に感謝しつつ、
激鉄を起こしトリガーに指をかける。
ダンンッッッッ!
一発だけ発砲する。
しかしそれは浩之にはあたらない。
装填の多いボーガンでは、拳銃に対抗できない。
浩之も、そして少年もその事実に気付いていた。
「ちきしょう!」
捨てゼリフを残し逃げる浩之。
少年はそれを見て、一瞬気を吐く。
だが次の瞬間、
「まずいっ!」
下には何も知らない郁美が待っているのだ!
もしあいつと鉢合わせにでもなったら……、
少年は駆けた。疾く早く駆けた。
保健室まで全力で駆けた。
そしてそこに辿り着く。
「郁美ちゃんっっ!?」
沈黙。
郁美はベッドに横たわっていた。
腹部から大量に出血し、
白いシーツを赤く染めて。
「い、郁美ちゃん……」
呼びかけると、かすかな反応があった。
「あ……、黒い……お兄さん」
「あ……ああ、そうだよ。黒い兄さんだよ」
218 :
シイ原:2001/05/20(日) 02:09
「ひぃ〜〜〜……千紗、死にたくないです。お父さんとお母さんが悲しむです。
神様、どうか千紗をお助け下さいです。お兄さんも助けてあげて欲しいです。
大庭さんも、猪名川さんも、長谷部さんも、みんなみんな助けてあげて欲しいです。
誰かが痛い思いをするのは嫌です。嫌です。間違ってるです……」
「あの……もしかして千紗ちゃん?」
「にゃ!?」
理緒に声をかけられ、茂みの奥で震えていた塚本千紗(058)が、びくっと身体を硬直させた。
「待って下さいです! 千紗は何もしないです! 殺し合いなんて絶対絶対ダメですぅ!」
「落ち着いて、千紗ちゃん――」
「にゃあ、身体を差し上げて許してもらえるならそうしますです。お金も、うちはとっても貧乏ですけど
頑張って払いますです。だから、だから……」
「聞いてッ! 千紗ちゃん!」
理緒が、珍しく凛とした声で怒鳴った。
「は、はいですぅ……」
千紗は怯えるよりもその大声に驚いたらしく、目を丸くして縮こまった。
「……ごめんな……さい、わたしっ……やっぱり、どじです……ね」
「そんなことないっ、……そんなこと絶対に無いよ!」
「私っ、わた……し」
「もうしゃべらなくていい! いいんだ……」
「気持ちよかったです……よ。あなたに抱っこして……もらって
風を……感じられて……」
「何度でも抱っこしてあげるよ! だから……だから……」
ぎりっ。
奥歯を強くかみ締める。
けして泣き出さないように。
けして叫ばないように。
「ごめんなさい……もう……むり……みたい……」
少年は郁美の手を握り締めた。
郁美も、ほんのわずかな力でその手を握り返した。
「和樹さんの新刊……、読みたかったな……」
郁美はてへっと、笑うそぶりを見せた。
とても小さい、とても小さいものではあったが……。
「ありがとう……。わたし、最後に……あなたみたいな人に――」
どさっ。
かろうじてこちらに傾いていた首が、反対へ倒れた。
手を握るわずかな力も消えていた。
あれ? 理緒ちゃんじゃないですか」
「やっと気づいてくれた……」
理緒は、小さく嘆息した。そして、表情を引き締め、
「千紗ちゃん、こんな所に隠れててもきっと見つかっちゃうよ。私も頼りないと思うけど、
一緒に、助けてくれそうな人をさがそ?」
「は、はいです。千紗、とっても不安でしたよ。理緒ちゃんが来てくれて、とっても嬉しいです」
まるでもう助かったかのように表情を明るくし、千紗がごそごそと茂みから這い出た。
「千紗ちゃん、何か武器持ってる?」
「いいえです。そのかわり、変なCDをもらいましたです」
そう言って、デイバックから簡素なつくりのケースを取り出す。
「こんなの、何の役にも立ちませんです。きっと、千紗は意地悪されたですね」
「ちょっと、見ていいかな?」
理緒はCDケースのフタを開け、真っ白なレーベルのCDをしげしげと眺めた。
よく見るとレーベルの一角に『1/4』と書いてある。
「……わけわかんないね」
「ですです。捨てるのはもったいないから持ってましたけど、理緒ちゃんが欲しいならあげますです」
「じゃ、持っておくね。そのかわり……」
理緒は、ポケットからスタンガンを取り出した。
「これ。千紗ちゃん、もしも何か危ない目に遭った時は、これで身を守って」
「にゃあ〜、ちょっと怖いですけど頂きますです」
理緒は、内心複雑な心境だった。
正当防衛と言えるのかも知れないが、結果的に他人を殺して奪ったようなものだ。
それで身を守れというのは、何だかすごく汚れた行為のような気がした。
(私、人を殺しちゃったんだもんね……だから、何かあったら汚れるのは私でいい。
何でもいい。償いたいよ……)
「理緒ちゃん? 大丈夫ですか?」
「あ、うん、ごめんね。じゃ、行こう」
「はいですぅ」
理緒と千紗は、島の道ぞいに歩き出した。
少年は、郁美の手――もう握り返してくることの無い――を両手で握り、
ほんの少しの時間、震えていた。高槻の他に、もうひとり殺さなければならない奴が出来てしまったな。
彼は思った。少年は押入れから布団を引っ張り出してきた。
そしてそれを郁美を覆うようにかけた。
「……これで、もう寒くない」
置き去りになった郁美の荷物を彼は手にした。
「郁美ちゃん、君の代わりに持っていくよ」
少年は彼女にそう言った。彼は学校を後にした。
浩之はどこへ行ったのだろうか。どこまででも追う、既にその覚悟はできていた。郁美が残した鞄を持って、
再び、少年は歩き出した。
――最後に、あなたみたいな人に会えて、良かった。
転機4補足
ボーガンが装填が多い→遅いのあやまりです。
申し訳ないm(_)m
056立川郁美 死亡
【残り 87人】
だね
うわ、混ざってる。
少年パート書いた人。
凄くよいっす。
話自体はありがちなネタだと思いますが、私の好みとマッチしてるので、非常にツボ入りました。
つーか7の改行ミスりまくりー鬱だー。
「晴香、今の」
「ええ。」
高槻の放送。確かに、私の名を告げていた。
「智子。あなたはどうするの」
…ただし、俺を殺せば、…
「なに言うてんの。水臭い。私はあんたに命を預けるって言うたんよ。
いまさら、はいサイナラ、って言うわけないやろ」
「…あんた、馬鹿でしょ。馬鹿じゃないと、そんな考え方なんてできないもの。」
あの放送で、明らかに晴香の立場は危うくなった。
仲間を集める…智子の言っていたそれは、もしかするともう絶望的なのかもしれない。
「もう、辛気臭い顔せんの。高槻って奴があんたの言う通りの奴やったら、
今のんが本当のこと言うとるとは思えへんし、それにアンタの名前を出したゆうことは
そんだけアンタを怖がってるってことやろ。何とかなる。きっとなる。なぁ、神岸さん。」
「…うん。」
「それに、藤田君がおる。あいつなら、きっと仲間になってくれる!」
「……」
その名に、なぜか俯くあかり。
「…んー、大丈夫や神岸さん、あいつなら無事やて、さっきの放送でも名前呼ばれんかったやろ。」
「…そう、だね。」
「せや、それに他にも晴香の仲間はおる。さっき呼ばれてた4人。そうやろ。」
…そう。由依、郁未、そして良祐。みんな、生きている。
由依…あいつは多分大丈夫、貧乳だから。
郁未…そう、彼女も高槻を狙っているのかもしれない。もうさっさと行動して、
もしかしたらもう高槻に近づいているのかも。
そして、良祐…
「行こう。」
そう、行こう。無意味なゲームを終わらせるため。
全てに決着をつけるために。
227 :
休息:2001/05/20(日) 02:21
湖から一望できる木陰まで男を運ぶと、郁未は一息つく。
高槻…
郁未が知る限りでは最もゲスな人間。
そんな人間がFARGOには大勢いるのかと思うと反吐が出そうだった。
あくまで推測でしかないが、不可視の力を持った人間を消すのも一つの目的なのかもしれない。
殺人ゲームが余興で、むしろそれが本当の目的…?
考えられることはいくつかあった。
「でも、由依は…普通の女の子なのよ…!?」
――郁未さん…!!
――わわっ、酷いですよ郁未さん〜!!
無邪気な笑顔が郁未の頭をよぎる。
「助けなきゃ。由依を、晴香を…みんなを。」
そしてお母さんを。
高槻の意図がどうであれ、郁未にできること、そしてしたいことはそれしかない。
みんなと合流する。
その後は……その時考える……!!
残酷かもしれないが、横で寝ている男を起こすことにした。
時間は
あまり、ない。
「起きて…ねぇ。」
怪我人にあまり乱暴にするのはためらわれたので、軽くゆさゆさと腕を揺する。
「う〜ん、むにゃむにゃ…由美子さ〜ん、そんなとこだめだって……デレッ」
「……」
「俺には既に激ラブな従姉妹の彼女がっ…てああ、そんな積極的に……ニヤソ」
「……」
パーーン!!!!
湖に肌を鳴らす音が景気良く響いた。
>>223 すまぬ〜
また書くの忘れてしまった〜
ありがとう。
由依って不可視の力使えないの?
月やってねえんでちょっとよく分からない…
耕一が従姉妹とデキてると言ってますが、
所詮は彼の夢なんで、彼の脳内麻薬にしてもいいし
誰かとくっついた設定にしてもいいし、
その辺はその後の書き手の人にまかせます。
個人的には楓ちゃん……って、ダメじゃん(;´Д‘)
>>229 使えない……筈(汗
しばらくやってないから言われると自信無いや。
もし由依が力使えてたら大顰蹙?
>>229、
>>231 由依は「不可視の力」は持っていません。
使えるのは、天沢母娘、晴香、それに葉子さんだけです。
あと不完全ですが名倉友里(由依の姉)も一部使えます
さっきトゥルーエンドやり直したから確か(藁)
おまけでは使えてたっけ? こっちも自信ない。
しかし、未夜子さんが生きてるのがまず絶対的におかしいのね。
彼女が死んで初めて、郁未はFARGOに行くわけだから。
このへんの矛盾点誰か巧い具合に利用してくりゃれよ〜。
>>233 スマソ、RPGのほうはあまりやってない。
みきぽんまでは会ったが(藁)
お母さんは確かに使い道があると思う。
郁未ルートの人、がんばってくれ。
こっちは晴香でがんばるから。
由依は不可視の力が使えない代わりに飼い犬の霊を呼び出せます<おまけRPG参照
が、たいてい使えません。
っていうか「主用途:晴香の盾」です。
>>232 そっか、良かった(フウ
>>233 まあ、アナザーワールドだから多少の違いはいいと思う。(葉鍵ロワの初期設定)
細かく言っちゃえば、祐介が電波使える(作中ではつかえないけど)時点で
瑠璃子、月島兄ィがデフォのまま存在してるのもヘンだし。(ホントに細かいな)
舞はこのゲームが始まった時にこう言った。
「私は絶対佐祐理を守るから」
と。ここで私を守るということ。
それは、舞が人を殺す、ということになるかもしれない。
私は舞に人を殺しては欲しくなかった。
人を殺すことによって、舞が昔の舞に戻ってしまうような気がしてならなかった。
それに、舞には人を殺すというコトをどうしてもやってほしくなかったから。
ここに来てからの舞は、ここに来る以前の舞とは豹変していた。
私と2人で、学校の昼食を食べていたときのような、そんな時の穏やかな舞とは全然違っていた。
表情もキリっとして、硬いまま。
それになにか体中から殺気が感じられた。
私はこんな舞があまり好きではなかった。
だから私は、
「ねぇ舞、私を守ってくれるのはうれしい。だけど、誰も殺さないで欲しい」
そう舞に懇願した。舞はきょとんとしたけど、すぐに、
「わかった、佐祐理がそう言うなら私は殺さない……」
そういってくれた。私は素直に嬉しかった。
自然と涙が零れてきた瞳を右手で私は拭って、
「ありがと、舞」
と私は言った。
無口コンビに楓ちゃん合流きぼーん
私の武器は、デザートイーグル。
もしもの時は、これで舞を守れる。私はそう思った。
もう人を殺しているから。
1人殺したということは2人殺しても同じだから。
だから、舞が危なくなったら、私が、やる。私はそう心に決めていた。
舞は、森の中にあった小さな空き地で竹やりを振り回していた。
「これなら、なんとか使える」
舞はそういって、地面に座り込んでいる私のところに来て、となりに座った。
「ねぇ、舞? 防空頭巾はどうしたの?」
私は舞に聞いた。
「ポケットにはいってる……」
舞はポケットから防空頭巾を取り出し、私に見せた。
「ほら、舞。せっかくもらったんだからつけてみようよ」
私は、舞の手から防空頭巾を取って、舞の後ろに回りこみ舞の頭に防空頭巾をつけ始めた。
「はい、できた」
私は舞の前に回りこんで、舞をみた。
「あははははは〜。舞、かわいい〜〜〜」
ずっと硬い表情をしていた舞が顔を少し崩し、ポケットに手を突っ込んだ。
そして、防空頭巾をもう1枚ポケットから取り出し、
「2枚あった。佐祐理にもつける」
舞は立ち上がり私の頭に防空頭巾をつけた。
「あはははー戦時中みたいですねー」
「ある意味そうかもしれない……」
舞はそういったけど、少しクスリ、と笑ったような気がした。
私は舞の表情が少し柔らかくなったのが嬉しくて仕方がなかった。
わりとあっさり同作品カップル出会えるのね。
もっと苦労しようよ(鬼)
「落ち付いた?」
ぐすぐすと泣き続けていた栞が収まるのを待って、香里はハンカチを差し出す。
「うん。ごめんね、お姉ちゃん」
「取り敢えず、この場を離れましょう。安全な場所に身を隠さないと」
栞に優しく話しかけながら、香里はふと視線を祐一の去った方向へ向ける。
『それにしても、相沢君の協力を仰げないのは痛かったわね……』
こちらは女性二人。しかも、内一人は病み上がりの身体なのだ。もし今襲われたら、
恐らく二人とも助からないだろう。
「お姉ちゃん」
「あ、何? 栞」
そんな香里の心中を察したのか、栞が不安げな顔で尋ねる。
「祐一さん、一緒に来てくれませんでしたね」
「そうね。相沢君にも都合があるんでしょ」
努めて冷静に返答する。栞はふぅ、と息をついて力無く笑う。
「困りました。ちょっと疲れてたんで、祐一さんにおんぶしてもらおうと思ってたのに」
「栞……あなた……」
「やっぱり、楽をしようと思うとバチが当たるみたいです」
そう言って、ぺたんと地面に座りこむ栞。駆け寄る香里の手を、ぎゅっ、と栞は握る。
そして香里の顔を見上げると、ふ、と笑みを浮かべて言った。
「お姉ちゃん。お願いがあります」
043里村茜
ナイフ(里村茜)、手榴弾(長岡志保)、コルトガバメント(宮田健太郎)
098柳川祐也
スペツナズ・ナイフ(柳川祐也)、不明(セリオ)
014折原浩平
拳銃(折原浩平)
073雛山理緒
大口径マグナム(雛山理緒)、1/4と書かれたCD(塚本千紗)
024神尾観鈴
投げナイフ2本(神尾観鈴)
006石原麗子
ショートボウガン(石原麗子)
補足
>>38の描写より。
落としたようだが、また拾ったと考えるのが自然。
007猪名川由宇
不明だが、銃系統(猪名川由宇)
>>38より
077藤田浩之
オートボウガン(藤田浩之)
068七瀬彰
フォーク(七瀬彰)
051住井護
バタフライナイフ(住井護)
034九品仏大志
先行者(九品仏大志)
053千堂和樹
機関銃(千堂和樹)
033国崎往人
デザートイーグル(国崎往人)
048少年
不明(少年)、ベレッタ92F(名倉友里)、不明(立川郁美)
『このままでは、ちょっと動くのがつらいんで、私、ここで休んでます。お姉ちゃんは、助けを呼んで来てくれませんか?』
栞のお願い。それは、香里には賛同しかねるものだった。言いかえれば足手まといの自分を置いていけ、と言ってるのだから。
「嫌よ。さ、少し休みましょう。しばらくすれば歩けるようになるわね?」
そんなこと、出来るわけがない。香里は栞の言葉には耳を貸さないことに決めた。
引きずってでも連れていく。そう決意すると、栞の横に腰を下ろす。
「わ。ひどいです。一生のお願いだから、お姉ちゃん、聞いてよー」
「……自己犠牲なんて、流行らないわよ」
「私は足手まといだから、お姉ちゃんだけでも逃がそうと思ってるとでも?」
「違うの?」
「違うよ。私、そんな良い子じゃないです。やっぱり、頼りになる男の人がいないと、
これから先、大変だから助けを呼んで来て、って言ってるの」
「そうかしら?」
「わ。疑い深い人、嫌いですー」
そこまで言われて、香里は考える。生き残るための最善の方法を。
そして、長い沈黙。しばらく考えた後、香里は決意して口を開いた。
「30分。……いや、20分待ってて。助けを連れて必ず戻って来るから」
栞が足手まといになるのを恐れて、自分だけ逃そうとしているのなら、自分はそれを利用してやろう。
それが、香里の出した結論だった。
栞の身に危険が及ぶ前に、協力者を見つけて帰ってくれば良い。そうすれば全てが上手くいく。
香里は疾走する。協力者を求めて。取り敢えずは、祐一の消えた方向へ向かっていた。
「相沢君にも、事情があるかもしれないけど」
香里は走る。出来るだけ早く。栞の元に帰るために。
「こっちにも事情があるんだから、無理にでも来てもらうから」
しばらく走り続けた後、息を整えるために立ち止まる。ふいに、考えまいとした思考が形になる。
『もし、帰ってきたとき、栞がいなかったら?』
『もし、帰ってきたとき、栞が物言わぬ躯になっていたら?』
『もし』……。
「……そんなの。今は考える必要が無いわ」
香里は制服のポケットに忍ばせておいた、支給武器のメリケンサックをきつく握る。
その時、島の空には高槻の顔が映し出されたが、香里の目にはそれは映らなかった。
001相沢祐一
カスタムエアーウォーターガンwith濃硫酸(相沢祐一)
042佐藤雅史
薬物(佐藤雅史)
092巳間晴香
日本刀(巳間晴香)
078保科智子
銃(保科智子)
069七瀬留美
タライ(七瀬留美)
059月島拓也
44マグナム(月島拓也)
087みちる
白ヘビ(みちる)
021柏木初音
ハリセン(柏木初音)
017柏木梓
防弾チョッキ(メイド服タイプ)3着(柏木梓)
026河島はるか
刀(河島はるか)
062遠野美凪
刀(遠野美凪)
036来栖川綾香
現在武器なし
037来栖川芹香
注射器と粉袋(来栖川芹香)
089御堂
ぴろ(御堂)
003天沢郁未
不明(天沢郁未)、不明(柏木耕一)
019柏木耕一
現在武器なし
058塚本千紗
スタンガン(広瀬真希)
035倉田佐祐理
デザートイーグル(倉田佐祐理)、防空頭巾1(川澄舞)
027川澄舞
防空頭巾2(川澄舞)
085美坂香里
メリケンサック(美坂香里)
所持者不明(含む、もう二度と出ないであろうもの)
>>16木の棒(上月澪)
>>71マシンガン(藍原瑞穂)
>>73不明(高瀬瑞希)
>>92-94毒ナイフ(岩切花枝)
>>154包丁(砧夕霧)
>>180小型爆導索(来栖川綾香)
武器の隣の()内は、初期所持キャラです。
ここに書かれていない生存キャラは、何か自分の支給品を一つ持っているものと思われます。
何度もチェックしたのでミスはないと思いますが、何かあればよろしくです。
割り込んでスマソ。
データ編集者さんや書き手さんの助けになれば幸いです。
247 :
名無しさんだよもん:2001/05/20(日) 03:13
http://hakagi.net/up/hakarowa.htm こまめに更新しとかないと更新する気が失せてしまうので(展開が早い為)更新しました。
んで、質問なんですが。
>111さん
郁美を殺したのは浩之、という解釈でいいのでしょうか?
勿論、これ以降の書き手の解釈に任せる、という手もありますので回答を強制はしませんが。
>237-239を書いた方。
佐祐理が「殺した」と言うのは、一弥の件でいいのでしょうか?
なんか最近Kanonやってないから忘れてしまって……
>武器リストを書いてくれた方
ありがとうございます。祐一の武器が抜けていたのを発見できました(笑
ぐあ、回答出てますね…やっぱ弟で良かったんですか。
じゃあ、申し訳ないですがふたつ目の質問は撤回で。
鬱蒼と茂る森の中で、北川潤(男子・029番)は独り、己の幸運を噛みしめていた。彼に支給されたデイバックは他の人間のそれに比べると遙かに巨大で重いものであった。この殺戮ゲームに乗った(自発的であってもそうでなくても)瞬間から、得物は豊富であるにこしたことはない。当然の事ながら最後まで生き残る事を希望している北川にとって、これが幸運でなくてなんであろうか。
手榴弾? 地雷? それとも無数の弾薬とサブマシンガン? 中にぎっしりと詰め込まれた何かに、あれこれと想像を張り巡らしていると、この狂気のゲームに参加して、自分がわずかながらでも興奮しているのがわかる。安全な場所を求め、背中に巨大なバッグを担いで森を駆け抜けている彼の様は、端からは重度の躁病になった富山の薬売りにしか見えなかった。
「まずは護を探すこと。これが先決だな。後はアイツに任せて動いていりゃいいさ」
周りに誰もいないことを確認し、腰を落ち着けると北川はひとりごちた。
住井護。頼もしい従兄弟。いつもシニカルな笑みを浮かべて世渡りしてるあいつ。あいつに任せておけば、どういう状況になっても生き残れる確信はあったし、また北川自身も住井の足を引っ張ることなくサポートしてやれる自負もあった。
それに何よりも、アイツと一緒に何かやらかす事が北川にとっては楽しくて楽しくてしょうがなかった。中学二年の時、家庭の事情で彼が北国に転校するまで、タッグを組んでいた当時の二人の呼吸には到底余人のおよぶところではなかったし、住井と北川も十分それはわかっていた。先の高槻からの死亡報告が流れたときにも、もちろん住井の名は入っていなかった。当然だ、あいつが誰ぞに殺されるようなタマなものか。
「護に会うまで、俺だってヘマできんからねー」
キツキツになったジッパーを、壊さないように慎重に開ける。ぎしっ、ぎしっと少しずつ軋ませながら少しずつバックは開きはじめた。
「そら、ご開帳だ」
ある程度ジッパーが緩んだのを見て、北川はニヤっと微笑んで一気にバッグを開いた。しかし、中からどさどさどさっと地面に落ちてきた物が何であるか理解したとき、彼の微笑みはそのまま瞬時に凍り付いた。
もずく。
もずく。もずく。もずく。もずくもずくもずくもずくもずくもずく。小さなチューブに詰められた黒いもずくパックの山。彼のバッグの中に納められていた物は素晴らしい武器の山ではなく、彼の命を守る防具でもなく、ただ、スーパーで投げ売りにされている一パック58円のもずくでしかなかった。
ディバック一杯に入ってる水雲チューブが地面にこぼれおちる様を見て、北川は未来のルーレットの先は貧乏農場行きでしかないのだという事を薄ぼんやりと予感した。
「は、はは、ははは………」
そういや俺って人生ゲームやると、いつも農場行きだったっけか───。
(まず、あの五人。
あんな放送がかけられるということは、全員手強そうです)
住宅街に入った茜は、そこで放送を聞いた。
その五人を殺せば、高槻を殺すチャンスがうまれるらしい。
実のところ、茜にとってはどうでもよかった。
死人は少ないに越したことはない、が、別に全員殺して助かってもいい。
帰れれば、あの空き地に戻れれば、それでいいのだ。
異様なほど静かな住宅街を注意深く歩く。
そして、ある路地裏で、
「見つけた……」
五人の中の一人だ。
名前は忘れた、どうでもいい。顔さえ覚えていれば。
だが様子がおかしかった。
虚ろな表情でずっと空中を眺めていた。
(隙だらけ……どうしてこんな人が放送で?)
まぁ考えても仕方がない。
とりあえず、殺そう。
懐から銃を出し、発砲。
それだけでよかった。
動かないのを確認して、そっと近付く。
遠目にはわからなかったが、少女にはかすかに息があった。
そして、気付く。別人だったということに。
「ごめんなさい。別人だったみたいです」
声をかける。
「……勘違いで殺されるなんて……浮かばれませんよ……
そ、そんなこと、言う人、嫌いです……」
栞は笑顔だった
涙を流して、笑っていた。
「どうして笑っているんですか?」
「……私がいなくなれば、お姉ちゃんの足手纏いにならなくて、すみます」
悲しい笑顔。ある種の強さを身に付けてしまった者の、そんな笑顔だった。
「……置いていかれる人の気持ち、考えたことがありますか?」
この子を撃った自分が何を言ってるのだろう。
だが今も続いている過去の苦い記憶から、どうしても言わずにはいられなかった。
「わかって、ます……私も、ゆういちさんに、おいていか、れた……ばかり。
ふぅ……さいご、に、あ、あいたかった……ゆういちさん……」
目を閉じ、もう喋らなかった。
(ゆういち……祐一?)
栞が口にした人名が、茜の心を揺さぶった。
中学一年生のころ親しくしていた友達だ。
どことなく浩平に似ている気がする。
一年間だけ過ごし、そして転校してしまったが。
(まさか。「ゆういち」なんて名前の人、いくらでもいます)
思い直し、栞の鞄を手にとる。
中には目覚まし時計が入っていた。
「?」
針を合わせてみる。
『朝〜、朝だよ〜』
「……なんですか、これは?」
多少引きながら、説明書を見る。
『目覚ましの針を6時にセットし作動させると大爆発! 油断大敵だネ!』
「……不用意に触るものじゃないですね」
スイッチを切って、鞄に入れる。
「使わせてもらいます」
物言わぬ栞に向かい声をかけ、何事もなかったように歩き出す。
静寂に包まれた住宅大には、安らかな笑顔を浮かべた栞だけが残された。
笑顔の向こう側に何があったのか、それは誰にもわからなかった。
086美坂栞 死亡
【残り86人】
ひとつ、肩を叩かれた。
「……諦めたらそこでゲームオーバーだぞ、青年」
不敵に口の端をつり上げて、いつものように彼は言う。
唯一違うのは、彼がレミントンM31RS――ショットガンだ――を脇に抱えていることか。
「……はい。英二さんも……気をつけて」
返した言葉は、震えていなかっただろうか。
去りゆく後ろ姿を見送って、藤井冬弥(076番)は緒方英二(012番)とは
反対方向のブロックへと駆けだした。
忘れない。森川由綺(097番)が乗せられたトラックの番号は、間違いなく3だった。
――――要するに、二人は探す人間の分担を決めることにしたのだ。
英二は理奈と、弥生。冬弥は由綺。
出来るならば、はるかや美咲、マナ、彰も助けたかった。
離れて行動するリスクは高いが、バラバラに彷徨っている彼女たちの
生存確率を上げるためにはその方が有効だ、と話し合って判断した。
『12時間後、B棟3階3号室で落ち合おう』
5番ブロックスタート地点近くの住宅街。
展望台や灯台、山頂ほどには目立たない、5階立てのマンション群。
ある意味盲点とも言えるそこが、彼らの前線基地となる。
何時間走ったか、冬弥は覚えていない。
道中放送が入ったけれど、そんなことは関係なかった。
妙な力なんて持ち合わせちゃいないし、自分が見も知らない女の子を殺せるはずがない。
大切なのは、まだ自分の友人たちは生きていると言うことだ。
……鬱蒼とした茂みを抜けると、一気に視界が開けた。
大きなキャンプ場だ。少し離れたところにはテニスコートもみえる。
その緑に、一瞬はるかを思い出した。
だが、それが命取りだったのかも知れない。
「ぁ、はは、あはは、あはははははははは!!!!!!!!!!」
瞳にうつったのは、およそ信じがたい光景。
だってそうだろ、まさか血塗れで笑う少年が、自分に向かって飛びかかってくるなんて――――
がつっ、と、鈍い音が響いた。
苦悶の呻きを短くあげ、バランスを崩した佐藤雅史(042番)は地面へと這いつくばる。
冬弥の支給武器、伸縮式特殊警棒が、間一髪で雅史の顎を捕らえていた。
(なんだ、なんなんだよ、こいつ―――!)
「あはは、いたいな、もう、しょうがないなあひろゆきは、あははは」
「だ、誰だよひろゆきって……!」
後ずさる。
「ひろゆきは、ひろ、ゆきじゃ、ないか……はは、あは」
常軌を逸した目の色に、不可解な言動、千切れた腕。明らかな異常。
逃げなければ。でなければ――殺される。
身を翻し、冬弥は元来た山岳の方向へと走った。
無我夢中で、振り切ることだけを考えて、ひたすらにジグザグに曲がる。
ひとつ、もうひとつ、またひとつ。
足が自分のものじゃあないみたいだ。だけど動かなければ。動かさなければ。
「遅いよ、ひろゆきぃ」
ぞっとする声と共に、ごきり、と。
関節が外れたようないやな音が耳に届くと同時に、冬弥は大木に叩きつけられた。
いや、違う。むしろ――蹴り飛ばされた。
(嘘だろ、こんなに簡単に吹っ飛ぶ、わけ……)
「やだなひろゆきあかりちゃんをさがしてたの?
でもだめだよあかりちゃんはぼくのものになったんだきもちよかったよ
いっぱいないてたからきつかったよすごくかわいかったすごくすごく」
……わからない。何のことなのか、意味がわからない。
がっ、がっ、と、続けざまに容赦のない蹴りが浴びせられる。
例えるなら鉄球で全身を殴られているような。
まるでボールを足で弄ぶような、だけどそんなものとは比にならないこの痛み。
「かなしかったんだよ、ひろゆきはなんでもぼくのものをとるんだ、
わかる?おぼえてる?あかりちゃんもしほもみんなみんなみんなひろゆきが」
ばきっ。ばきっ。
胃液が零れて、上着を汚す。視界はとうにあやふやだ。
草むらがざわめく音だけが鮮明にきこえる。
土と血の匂いだけがたしかなものになる。
(あぁもぅ、なに、やってんだ、おれ……)
苦しい。くるしい。
「――や、――………!」
何も見えない。ユキ。ゆき。由綺。
いやだよ。こわい。怖いよ由綺。俺まだ死にたくなんか――――
とかかかかかか。
――――その軽い音と共に、衝撃は途切れた。
はぁ、はぁ、と。
乱れた呼吸を整える。
震える手を下ろす。
できるだけ静かに、ゆっくり、足を前に動かして、歩く。
そして。
「冬弥君…だい、じょうぶ…?」
声を。
「ぁ…ゆ、」
最後まで言えずにげほげほ、と咳き込むその姿を見て、
私は横たわる死体にもかまわず駆け寄った。
「大丈夫、息できる…?」
「なん、とか」
苦しそうだった。背中をさすって、手を貸して立ち上がるのを手伝う。
……目を見開いたまま息絶えた男の子と目があったのは、忘れようと思った。
042佐藤雅史 死亡【残り86人】
「ごめん…ひどいもの、見せた」
「ううん、冬弥君のせいじゃないよ」
撃ったのは、私だから。
手の中のニードルガン。
高速で針を撃ち出すそれで、私は自分の意志で人を死なせたから。
「本当、ごめん」
何度も何度も、冬弥君は謝る。
そんな彼を見て、優しい人だと今さらながらに思う。
私たちは道を戻り、キャンプ場の外れにあったログハウスで
おぼつかないながらも何とか冬弥君の応急処置をした。
幸い、骨までは折れていなかった……はずだ。
「私もね…ずっと冬弥君のこと、探してた。
美咲さんは私より前に出ちゃったから追いつけなくて、
マナちゃんは、出口で待っててくれたんだけど……」
思い出すのもつらかった。
3ブロック出発地点の建物の周りを囲む、広い林の中で。
男の人が女の子を撃ち殺す現場を。
そしてその男の人が、別の三つ編みの女の子に殺されるところを。
二人ともが目の当たりにしてしまったのだ。
「見つからなかっただけ、よかったと思う。
だけどマナちゃんは怯え切っちゃって、もう誰ともいたくないのって、
私を突き飛ばして一人で」
「……いいよ、言わなくて」
ああ、こんな時も、彼の声は魔法みたいに。
「マナちゃんもはるかも彰も美咲さんも、見つける。
必ず英二さんが理奈ちゃんと弥生さんも連れてきてくれるから」
みんな一緒に生きて帰れるなんて、そんな気休めでもいい。
柔らかすぎる嘘でもいい。
「大丈夫、だから」
ぎゅっと慰めるように抱き寄せられて、涙が出そうになった。
だけど泣かない。
前と同じに弱いままじゃ、冬弥君の足手まといになる。
護られるだけの彼女になんか、なりたくない。
「でも、冬弥君が死ななくて、本当に良かった」
あと少し遅ければ。この腕の温かさも、感じることが出来なかったなんて。
その恐怖に比べたらずっとましだ。
……こらえるように、目を閉じた。
降ってきたのは、彼のキスだった。
WAスレで呼び方確認してきちったよ。
ずいぶん長いことやってないのでミスあったらゴメソ。
>>220 千紗と理緒は勤労少女同士やね。
バイト先で知り合った、とか脳内で考えてみたんですが
そこんとこどうですか作者さーん
雅史で残り85人だね。
264 :
涙1:2001/05/20(日) 04:15
「うわー、なんで俺裸なんだっ……!!」
耕一は自分の姿を見て赤面する。
「さあ、それは私に言われても、あ、私じゃないわよ?」
郁未が早口で言いきる。
耕一がある衝撃で目を覚ましてから約5分。
本当はすぐにでも行動に移したかった郁未だが、状況整理のためにも
お互いのことを確認しておく必要があった。
自己紹介を済ませ、敵意がないことを伝え、
それぞれの経緯を…というところで、耕一はようやく自分の置かれている
立場に気がついた……体の。
微量とはいえ、鬼の力を解放したのだ。
「ううっ、見たな、俺の赤裸々な部分をっ……」
「見てない、見てないよ、うん。」
その前にそれを隠してくれ、という言葉を郁未はなんとか飲みこんだ。
「うう、せめて下着くらいは残ってくれよ…俺の服。」
漫画やアニメじゃないんだから仕方ないけどさ…。
お互い背中越しに会話を進める。
「そういえば、支給された武器ってなんだろう…?確認してねえや。」
「見てないの?はい、これ。」
すでに気を許してる(というか、許してしまった)郁未はデイバックを背中越しに
耕一に放る。
「……オイ」
「どったの?」
その反応に思わず覗きこむ。
「い、いや、これは…」
慌ててそれを遠ざけるがもう遅い。
「ぷっ……あははっ!!」
「バ、バカッ、違うぞ。俺はだな…」
何も違わない。
銃声が聞こえた。
まさか――
栞と別れたのは、今さっきだ。
人の気配なんてなかったはずなのに。
まさか――
まさか……
まさかっ……!?
世界が色を失った。
最愛の妹が、笑顔で横たわっていた。
「うそ……でしょ……
ねぇ、しおりぃ、うそだよね?
ねぇ? ねぇってば? どうしてへんじをしてくれないの?
ねぇ、しおりぃ……」
栞の死体に向かって叫ぶ。
反応はない。当然だ、死んでいるのだから。
理解はしていた、こんなことは無駄だと。
だけど、感情の一番奥で、その事実を認めることができなかった。
「大声出すと、近所迷惑ですよ?」
「――っ!?」
目の前に三つ編みの女の子が立っていた。
その女の子は血のついた制服を着て、右手には銃を持っていて。
「あなたなの? 栞を殺したの……」
「はい」
「……あなたが……あなたがぁっ!!」
ばっと立ち上がり、メリケンサックをはめた右手で殴り掛かる。
茜はその動きを読み、無理のない最低限の動きでかわしてみせた。
すれ違いざまに足をかける。
「!?」
そしてそのまま、バランスを崩して地面に倒れ伏した香里に、ナイフを突き刺した。
>>265の続き
香里は全身の力を失い、立ち上がることさえできなかった。
立って、栞の仇を……
この女を、殺してやりたいのに。
痛みと悔しさに、涙がこぼれた。
「……どうして……どうして栞が……」
「あなたの妹さんですか。あなたが側にいてやれば、こんなことにはならなかったと思います。
どちらにしろ、私が殺したと思いますけど」
そうだ、自分はやはり離れるべきではなかったのに。
ずっとずっと、側についていなければならなかったのに。
(私が栞を殺したも同然だわ……栞……)
絶望に沈む香里に追い討ちをかける言葉。
「妹さんの伝言です。私が死ねば、お姉ちゃんの足手纏いにならなくてすむと。
妹さんの思い、無駄になりましたね」
香里に同情するつもりはさらさらなかった。
わずかな時間とはいえ、大切な人の側から離れたのだ。
(自業自得……)
本当に大切なら、何があっても一緒にいるべきだ。
それは自分に対する戒めでもあった。
幼馴染みを、この世界につなぎ止められなかった、自分への。
香里の心は、最後に別の方向へ向いた。
「……相沢君、恨むわよ……」
(相沢……ゆういち。
相沢祐一……まさか、本当に?)
香里の死体からメリケンサックを抜き取りながら――格闘はあまり得意ではないだろうが、何か役に立つかもしれない――茜は思った。
このゲームで、絶対に私には殺せないだろう人がいる。
それは当然、柚木詩子。
もし本当に、相沢祐一がここにいるのなら。
(――殺せる? 私は……)
085美坂香里 死亡
【残り84人】
267 :
涙2:2001/05/20(日) 04:17
今日2度目の涙。
それは、そこだけありふれた日常として切り取ったように滑稽で。
「ふふ、よかったじゃない。下着が見つかって……プッ」
「わ!!…………笑うなよ……」
耕一は膝小僧を抱えこむ。その姿はひどく小さく見えた。……別のイミで。
「これは……さすがに……武器か?オイ。」
黒い三角形。ブルマともよぶ。
割と高性能のようで、局部には鉄板が内側から貼りつけられている。
確かにこれを装備することで急所は守られそうだ。
「しかも男用……ププ」
「いや、上半身裸で、下は……コレか…?イヤすぎ。」
郁未はすでに腹部に相当のダメージを負っていた。幸い外傷はない。
「も、もうダメかも……」
「それよりお前はどうなんだよ!」
郁未の体が固まる。
「え…?私は別にいいよ……」
「いや、ダメだ。見る。」
「ちょっ……待っ……!」
「……」
「……」
「……コレは?」
「……ノコ……」
「……えっ?」
「キノコよっ!悪かったわね!きっと毒入りかなんかだと…思う…かな?」
その声はだんだんとしおれていく。
「そっか…キノコか…」
耕一は遠い目をして空を見上げた。
「ど、どうしたの……?」
「使いようによってはさ…武器になるんだぜ、きっと……(経験者はカタル)」
「……??」
268 :
涙3:2001/05/20(日) 04:19
「夢を見てたんだ……」
「えっ?」
「湖のほとりで…初めて人を殺した。」
震える両手を呆然と眺める。
「……」
「何も聞かないんだな。」
「…そうね。」
「……」
「……」
静寂が二人を包む。
「俺……うなされてたか?」
「ううん…むしろ……いや、なんでもない。忘れて。」
「…そうか。」
本当の寝言は違ったけど、この場を茶化すことなんて出来ない。
雰囲気がそう言っていた。
「そろそろ行きましょう。みんなを助けに。」
「ああ……」
男を信用し、先程の放送の件をありのままに郁未は伝えた。
耕一は護りたい人がいると言った。
それだけで充分だったから。
出来る限りの人を救って、そして高槻をギャフンと言わせる。
綺麗事かもしれないけど。
「でも、ホントにこの格好でいくのか…」
黒い三角形。
「安心して、もう少しマシな方法があるから。」
歩きながら呟く。
「……あのー、下がスースーするんすけど。」
「私だって恥ずかしいんだから勘弁して。」
郁未は従来の制服を上だけ着ていた。
下には黒い下着…もとい、貞操帯。
「せめてパンツだけでも…」
「さすがにイヤ…スカートだけで我慢してよね!」
「うう、間違ってもハイキックなんてできやしないぞ。」
精神的にもダメージを与えられるかもしれないが。
本当はもう一つ選択肢があった。だが、それは二人には考え付いても口には出せなかった。
死者への冒涜、こんなときでもそれだけはしたくなかった。
そう思った瞬間、耕一は自分の汚した手の重さを感じ、心で泣いた。
未だ効果不明のキノコ【残り 5個】
269 :
名無しさんだよもん:2001/05/20(日) 04:42
001相沢祐一 003天沢郁未 004天沢未夜子 005天野美汐 006石原麗子
007猪名川由宇 009江藤結花 010太田香奈子 011大庭詠美 012緒方英二
013緒方理奈 014折原浩平 015杜若きよみ(黒) 016杜若きよみ(白)
017柏木梓 018柏木楓 019柏木耕一 020柏木千鶴 021柏木初音
022鹿沼葉子 023神尾晴子 024神尾観鈴 025神岸あかり 026河島はるか
027川澄舞 029北川潤 031霧島佳乃 032霧島聖 033国崎往人
034九品仏大志 035倉田佐祐理 036来栖川綾香 037来栖川芹香 038桑嶋高子
040坂神蝉丸 041桜井あさひ 043里村茜 044澤倉美咲
045沢渡真琴 046椎名繭 047篠塚弥生 048少年 049新城沙織
050スフィー 051住井護 053千堂和樹 054高倉みどり
057橘敬介 058塚本千紗 059月島拓也 060月島瑠璃子 061月宮あゆ
062遠野美凪 064長瀬祐介 065長森瑞佳 066名倉由依
068七瀬彰 069七瀬留美 070芳賀玲子 071長谷部彩 072氷上シュン
073雛山理緒 074姫川琴音 076藤井冬弥 077藤田浩之 078保科智子
079牧部なつみ 080牧村南 081松原葵 082マルチ 083三井寺月代
087みちる 088観月マナ 089御堂
090水瀬秋子 091水瀬名雪 092巳間晴香 093巳間良祐 094宮内レミィ
096深山雪見 097森川由綺 098柳川祐也 099柚木詩子 100リアン
【残り84人】
未登場キャラ(w
004天沢未夜子 005天野美汐 009江藤結花 010太田香奈子 013緒方理奈
015杜若きよみ(黒) 016杜若きよみ(白) 018柏木楓 020柏木千鶴
031霧島佳乃 032霧島聖 038桑嶋高子 040坂神蝉丸 041桜井あさひ
044澤倉美咲 045沢渡真琴 046椎名繭 047篠塚弥生 050スフィー
054高倉みどり 057橘敬介 060月島瑠璃子 066名倉由依 070芳賀玲子
071長谷部彩 074姫川琴音 079牧部なつみ 080牧村南 081松原葵
082マルチ 083三井寺月代 088観月マナ 093巳間良祐 094宮内レミィ
096深山雪見 099柚木詩子 100リアン
こんなところでしょうか。訂正あったらお願いします。
状況まとめはやめにします。量多すぎだし。
屋根に大きく「4」の数字の描かれた建物が、目の前にある。
「○○○公民館」
出発地点の一つだ。
「かなり歩いたけど、ここまで誰にもあわんかったなぁ。ま、しゃあない」
…気楽な物言いね。
初めて出会った時は、震えながら銃を構えていたくせに…
「さ、行こか。」
いつのまにか、私よりも先を歩いている。
…いい仲間ができたものだわ。
そして、もう一人に視線を合わせる。
「あかり。」
「…はい。」
両肩に手をのせて、言い聞かせる
「あなたはここに残って。いい、動いちゃだめ。」
「だけど…」
「晴香の言うとおりや。後詰も立派な仕事。神岸さんが後ろについてるから、
私らも安心して動けるんよ。」
そう、彼女の武器は強力だ。私や、智子のものよりも。
小型特殊爆弾…クマ型の。
説明書によれば、目の前の建物くらい簡単に吹き飛ばせる。いや、それ以上の威力の。
だけど、本当はそんな物を期待してなんかいない。智子も同じだろう。
…中に入れば、この手を血で汚すことになる。
別にそんなことはどうでもいい。ただ、そんな姿をあかりには見せたくない。
まだ、彼女の心は不安定なんだから。これ以上の負担は、かけたくない。
安心させるため、出来るだけの笑顔を向ける。
「じゃあ、行って来る。」
「…二手に分かれた方がええなぁ。」
「私はいいけど、智子、危険じゃない?」
「大丈夫。十分練習はした。うまく使えると思うし、弾もぎょうさんある。」
私達は建物の裏に回りこんだ。裏には入り口が一つあったが、
そこは使わず、窓から侵入することにした。
目的は…高槻の居場所を探ること。
たぶんここに高槻はいない。こんな建物でなく、奴ならもっと安全な所にいるだろう。
ただ、手がかりはあるはずだ。それを見つけるため、あえて危険を冒すことにした。
「先、行くな。」
窓に、智子が手をかける。幸い、カギはかかっていない。
するり、と中に忍び込む。…意外と、身軽なのね。
別の窓に駆け寄り、窓を開ける。
…ここもカギがかかっていない。
鞘から刀を抜き、注意しながら中に飛び込んだ。
「なんや…これは。」
智子が見たのは、真っ赤に染まったカーペット。
その中に、野戦服の男が一人、倒れていた。
「晴香やない…なぁ」
そのはずはない。自分の方が先に、中に入ったのだから。
「誰が、こんなん」
注意を払いながら、廊下へと出る。
…ここにも。
やはり、そこにあるのは死体。
周囲に、人気はなかった。
脇の階段を上る。踊り場にも死体が。
「いったい…何人死んでるんや。」
「8人だよ、委員長」
聞きなれた声。聞きたかった声。振り向く。
…そこには、気だるそうに銃を構えた、藤田浩之がいた。
うわ、一気に減った…
いいんだけどね、あのね、貼られた伏線回収とか…
ある程度気を遣ってくれると嬉しい…かな…
死んだのは、ゲーム管理側の人達でしょ?
>その中に、野戦服の男が一人、倒れていた。
参加者は減ってないと。
>>271 茜と浩之で殺人競争してるみたいだな…。
で、死んだ8人は誰?
>>273 なーる。確かにそれはそれで新機軸。
ありがと、納得できたよ。
「久しぶりだな。」
構えを崩さず、声をかけてくる。
「藤田君、無事やったんやね。」
「ああ。おかげさまで」
そう言いながら、カチリ、と親指を引く。
「でも、もうお別れだ」
「な、なに言うてんの。冗談はやめとき!」
「冗談なんかじゃないさ。…生き残るのは、この俺だけでいい。」
…うそや、うそや、そんなん。
一番信頼していた。会えさえすれば、きっと全てうまくいく。そう思てたのに。
こんなん、こんなん嫌や…
「智子おっ!」
銃を構えた男が、階段の上にいる智子を狙っていた。
晴香は、わずかながらの力を開放しながら、薙ぐようにして男に切りつける。
キン!
男は、いつのまにかもう一方の手にナイフを持ち、彼女の一撃をかわした。
速い。
「ちっ!」
そう舌打ちすると、男は奥の部屋へと姿を消した。
「智子、大丈夫?」
「…あ、うん」
おぼつかない足どりで、階段を下りる。
「奥の部屋へ入ったわ。さあ、早く」
…行きたくない。現実を直視できない。
晴香に手を引かれるようにして、部屋の前へ来る。
「行くわよ」
ドアを開ける。その部屋の中は…
燃えさかる炎につつまれて…
「委員長!」
炎の向こう、多分、窓の外からだろう。声が聞こえる。
「次に会うときには、この決着をつけようぜ」
そういい残して。あのひとは
私達のもとから姿を消した。
書きながら、眠くなってきたせいで、ヘタレた。
>>273 そう。そのつもりで書いてた。状況説明不十分でスマソ。
一応状況は、
前の戦いで自分の武器では不利だと思った浩之が、守備の薄めな
所を襲撃して、武器を奪っていった、ということで。
よ、親父……あの世でも元気にやってるか…
俺は元気…と言いたいところだけど、あまり元気じゃない。
初めて人をこの手にかけた。
これも正当防衛っていうのかな?
でも、そんな考えは偽善でしかないよな。
今ここでは理不尽な殺戮ゲームが行われてる。
そう、本当に理不尽さ。
護りたい大切な人達がいる。
そして心の底からみんな助かればいいって思ってる。それは本当だ。
だけど、俺の罪も含めて何人もの犠牲者がでてしまっている。
俺は大切な人のため、今走ってる。
俺は、俺であるためにこの先また他人に手をかけてしまうかもしれない。
そして、いつか俺が俺で無くなってしまうことが恐いんだ。
なあ、こんな俺にも笑いかけてくれるかい?親父……
今、一人の女の子と一緒に行動してる。
今日、こんなところで初めて会った女性(ひと)だけど、信頼できる子だ。
今回の件では、いろいろワケ有りらしいんだけど。
俺は、人を見る目はあると思うんだ。
その子は自分を犠牲にしてまで俺を救ってくれた。
衣服がなかった俺に、服を貸してくれたんだ。
おかげで彼女は萌え……いや、痛々しい格好で歩いてる。
まあ、俺はもっと痛々しいかもしれないけどな。
裸に短めのスカート一枚…はは、参るぜ。
梓に笑われちまうぜ…次から変態確定だな。
初音ちゃんなんか『お兄ちゃんのH〜』とかいいながら手で顔を押さえて逃げちゃいそうだし。
当然顔は真っ赤だ。
楓ちゃんもきっと…いや、あの娘はあの娘で意外性に富んでるから
手で顔を覆い隠しながらも、微妙にその指が開いて…ゲフンゲフン
千鶴さんなんかは…
『耕一さん…あなたを…殺します!』
……………………………………………………………………………………。
まあ、千鶴さんにはきっとシャレですむよ、うん、ははは…
スカートが風にまくれる事で、こんなにドキドキしたの何年振りだろう…
なあ、こんな俺にも笑いかけてくれるかい?親父……
279 :
荒門:2001/05/20(日) 06:37
薄暗い森の中。
040番、坂神蝉丸はそこにいた。
坂神蝉丸は考えていた。
自分がどうするべきかを。
その軍人としての冷静さで。
―考える、きよみの事を。
―考える、月代の事を。
―考える、夕霧の事を。
―考える、高子の事を。
そしてあの診療所の医師、石原麗子や他の強化兵のことを。
……考えに対する答え。
きよみ…何とかして生きて帰したい。
彼女を想う祐二や、命を捨ててまできよみを託した光岡にかけて。
それにできれば、複製身のきよみも。
月代…守らねばならない。
もう二度と月代の悲しむ顔など見たくは、ない。
夕霧…心の優しい娘。
だが先程の放送が確かなら、夕霧はもういない。
俺は夕霧を殺した奴を許しはしない。
高子…聡明で賢い女。
彼女を夕霧の二の舞にすることはできない。
石原麗子…いまいちよくわからない。
保護したいとは思うが、何か信用できない部分がある。
岩切や御堂…遭遇すればまずこの島の誰よりも強敵になるだろう。
仙命樹が働かないとはいえ、戦場に誰よりも慣れているのだ。
しかしその岩切は何者かの手によって殺された。
水戰試眺体として水辺、水中において敵のいない岩切だ。
生き残るために、ほぼ確実に川や浜辺に潜んでいたと考えられる。
そして能力が発揮されないとはいえ、地形的に慣れており、激しい訓練も乗り越えた。
かつ場数も踏んだ岩切が一般人に殺された。
もしかして油断したのだろうか?
奴の性格から考えて、おおよそ思いつかないわけではないが、この状況では考えづらい。
ならば一体どういうことか。
いくらか前、この殺し合いの管理者の高槻とかいう奴が言っていた台詞。
『多分能力者の諸君は、気づいてるだろうが――』
……他にも、いる。
一体どのような力を持つ者がいるかはわからないが、
……いるのだ。
俺達強化兵のような、あるいはそれをも上回る力を持った者が。
加えてこれも高槻が言っていたが、能力者の能力は弱められているらしい。
それなのにほぼ同条件で岩切を殺せる者がいる。
とにかくわかった事は、脅威は残る強化兵の御堂だけではないということだ。
ならばなおさら、きよみ達を早く探さねばならなかった。
280 :
荒門:2001/05/20(日) 06:38
改めて出発するときに手渡された布袋の中身を見る。
水や食料、島の地図等に混じって入っているのは、何か四角い物。
衝撃吸収の布の中に入れられていたのは薄っぺらい箱のようなものだった。
「…確か……『ぱそこん』とかいったか。 情報処理が可能な電子計算機らしいが。
しかしなにか説明書のようなものでもあればいいが……どうやらそういうものは無いようだな」
蝉丸は少しパソコンをいじってみて、電源らしきものは発見したのだが、迂闊に操作して
故障させるといけないのでとりあえず衝撃吸収布の中に戻した。
それから蝉丸は辺りを見回し、太い木の枝を折ると、枝をざっと払って構えた。
「今の俺は仙命樹の無い普通の兵士を同じだ。 強化兵としての戦い方はできないだろう。
頼りになるのは剣と勘だけだ。 不用意な戦いは避け、且つもしもの時は容赦しない。
……待っていろ、きよみ、月代、高子…俺が守ってやる!!」
蝉丸はまるで自分に言い聞かせるかのように低く、静かに、だが力強くそう呟くと、
陰形を保ちつつ走り始めた。
>>248 いくみん、ねー。
まあその方が自然です。
そのようによろしく。
柳川祐也(098)は海岸にいた。
海沿いに歩いて島を詳しく知る為である。
左回りに島の北から、南へ6時間ほど歩いてきた。
「南北は8.5kmといった所か。東西は・・・14km。」
柳川は歩行してきた道のりを綿密に計算して大きさを計った。
計算しながら海岸を歩いていると、明らかに流れ着いた物とは違う物を発見した。
綾香が放置した小型爆導索である。
「どこかの馬鹿が忘れて置いていったのか?まあいい、貰っておくか。」
柳川は小型爆導索を自分のバッグに詰めた。
力が制御されているとはいえ、柳川にとってはたいして苦にならない重量だった。
「あのロボットから奪ったリモコン爆弾といい、本当にツイている。」
セリオのバッグの中身はリモコン式C4プラスチック爆弾(1ダース)であった。
「後は潜伏拠点が必要だな。集落でも探すか。」
柳川は再び海岸を歩き出した。
周りの空がが明るくなり始めていた。
【小型爆導索・柳川の手により回収】
【残り 84人】
うわ。
浩平は目の前の、恐ろしく綺麗な少女を前に、あんぐりと口を開けたまま、
「私が、鹿沼葉子です」という、落ち着いた声を聞くに至った。
はぁ、と、溜息とも返事ともつかぬ声を出すと、その少女は、ええ、と返事を返した。
――無言である。長森も七瀬も、口をあんぐりである。
少女は仮面のような表情を崩さぬまま、そこに突っ立っているばかり。
いや、というか、何を話せば良いんでしょうか、神様?
無口少女が苦手なわけではないが――というか、この少女の雰囲気は何処か里村に通じるものがある。
「……私を殺せば、取り敢えずミサイルで吹き飛ぶと云う事は無いですよ」
少女が出し抜けに云った。
浩平はびくり、と身体を震わせた。
――なんて、冷たい瞳。
「アホかっ」
思わず浩平は叫んでいた。
「アホ――ですか」
「アホだっ。何であんたを殺さなくちゃいかんのだっ」
「私は、高槻を殺しにいきます。――そうしたら、あなた達は吹き飛ぶんですよ」
「……そんな事が嘘だという位オレにだって判るよ」
鹿沼葉子は、目を丸くして浩平の顔を覗いた。
「高槻とか云う変態ヅラが、殺されたくないから云った嘘に決まってる。
あんな変態ヅラが死んだくらいで、このゲームを終わらせるのだとしたら、
こんなゲームやる意味がない。多分、あの変態ヅラは重要な人間じゃない。
もっと大きな意図が、裏で介入している、筈だ」
それが何かは判らないが。
「――思ったより、ずっと賢い人のようですね」
そうです、多分、あれは嘘です。葉子は――柔らかく微笑んで、そう云った。
変態ヅラとは上手く云いましたね――葉子はくすくすと笑った。
「このゲームが企画された意図は知りませんが――郁未さんや私が巻き込まれている事を考えると、
FARGOがこのデスゲームの企画者だとは考えにくいです」
「あのっ、ふぁーごって」
長森が訊ねると、やはり葉子はにこりと微笑って、宗教団体です、と答えた。
「大体、本当にミサイルが撃ち込まれたとしてもさほど問題ではない。
私や郁未さんの力が解放されれば、そんなもの大した驚異でもないから」
マジか。浩平は呟いてみた。
「マジです」
葉子はVサインをした。なかなかノリのいい人である。
「だから、高槻は私達が怖い。私達が武器を持って攻めてくるのが恐ろしい」
――だから、私はあいつを殺しにいくんです。
七瀬と長森が殆ど同時に唾を飲み込む音が聞こえた。
「ち、力……出てないんですよね、今は。力ってよく判らないんですけど」
長森は、恐る恐るそう訊ねた。
「その通り。あなたも賢い人です。何やら力を抑制する結界が働いているんです」
葉子は小さく溜息を吐いたが、
「しかし、これで充分です」と、バッグの中に入っていた――
「槍?」
七瀬が呟くと、折り畳み式の槍を展開しながら、そうです、と笑った。
「そ、そんな槍一本で、重火器に立ち向かうんですかっ」
「――ええ。力が解放されていない、と云っても」
云うと、葉子は跳ねた。驚き、目を丸くする七瀬の、その身長くらいまで飛んだ。
「このくらいの運動神経は、残っていますから」
くるくると前方宙返りをしながら、たん、と着地すると、葉子はまた笑った。
浩平はその運動神経にも驚いたが、それより先に――
「白か」と、頭を掻きながら呟くと、
「浩平のアホっ!」
「折原のアホっ!」
という、なんとも息のあったツッコミを受ける事になった。
「ぽっ」
と、葉子は恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「――次の放送が流れたら、私は高槻を殺しにいきます。それまでに、天沢郁未さんという方を見かけたら、
鹿沼葉子が、高槻を殺しにいきます――と云っていたと、そう告げてください」
立ち去ろうとして、葉子はもう一度振り返った。
「あなた達のように、希望を持っていてくれる人が居てくれて良かった。
――高槻を殺す甲斐があるってものです。おかげで私もだいぶ救われました」
そう微笑った。そして、槍を片手に森の陰に消えていった。
「不思議な人だったね――あんな綺麗な人、初めて見た」
長森はそう呟いた。浩平は頷いて、
「すごくスタイルのいい美人だった……」
「アホっ!」
すると、案の定七瀬のツッコミを再び受けた。
「そういえばっ!」
長森が顔を赤くして声を上げた。
「浩平、さっきわたしのおっぱい揉んだでしょっ」
「ば、ばかっ、ああしなけりゃお前も俺たちも危なかったんだよっ」
「他に手はなかったのっ? ……もう、顔から火が出るほど恥ずかしいよおっ」
「オレだってお前の貧乳なんか揉んだって何にも嬉しくないんだよっ」
「貧乳は関係ないでしょっ」
「大体お前の貧乳なんか小さい頃から何度も揉んできてるわこのばかっ」
「うう……最悪だよ、浩平っ」
「お前の駄乳なんか揉んだオレの気持ちにもなれっ! さっきの葉子さんの乳だったらともかく」
「浩平のばかっ! ばかばか星人っ!」
「お前の方がばかじゃないか! 駄乳〜、駄乳星人っ〜!」
……言い過ぎである。いや、駄乳どころか、実際長森のものは素晴らしかったんだが、今更後には退けんっ。
「何だよ、浩平なんて嫌いだよっ」
「おー、嫌え嫌え、長森の駄乳なんて揉まされたオレの手が可哀想だ〜ああ可哀想なオレの手」
「ばかぁっ」
……どうやら怒らせてしまった。というか、少し泣いている。
「最低ね、折原。乳揉んでおきながら」
「ご、ごめん、長森」
「ふんっ、どうせわたしは駄乳だもんっ」
「い、いや、冗談だっ、お前の乳は町内一、いや日本一、いや世界一だっ」
「そんな事云われても全然全然嬉しくないよっ」
「じゃ、じゃあ長森の乳は宇宙一だっ」
「そう云う問題じゃないよっ!」
……まったく暢気な状況である、と、七瀬は一人思った。
287 :
約束:2001/05/20(日) 11:43
スタート地点からどれだけ歩いたのだろうか。およそ5、6時間は経っているはずだ。
海が近いのだろう。潮風が吹きぬける廃工場――というにはあまりにも寂れた――へとたどり着く。
「ここで休憩しよっか。
でも…困ったものねぇ、…ねぇ、これからどうする?」
不安げに芳賀玲子(070)が柏木楓(018)を見やる。
特に面識があったわけでもない。ただスタート直後からなんとなく…一緒に行動していた。
見も知らぬ他人だけど、一人でいるよりはずっとマシに思える。
先の放送…死亡者の名前に知り合いの名前があった。
動揺、混乱……だが、それ以上に非現実的な今の状況をリアルと感じられない。
「これから…ですか。…生き残ります。」
淡々と楓が呟く。
「うーん、それはそうなんだけどね。」
玲子は支給された武器…釘バット(特注)で地面をこする。
確かに見てくれはよくないが、結構殺傷力がありそうだ。
木製なんだろうが、見た目よりずっと軽い。
銃には劣る…かもしれないが、自分に銃が操れるとは思えないし、
自分の身を護るのには割と…いや、かなり適していた。
「一つ聞いていいですか?」
「…うん?」
「玲子さんは、私が恐くないんですか?」
「へっ?」
「なんでもありません…。」
「……」
「……」
「ねぇ、私達、もう友達だよね?」
「え、は、はい。」
「だったら、一緒にココを出ようね。約束だよ☆」
「…は、はい。」
玲子さんは、ずっと、強い人だ。
私の不安や疑念をすっと消してくれる。
(この人でよかった。)
本当にそう思う。
「でも、足手まといじゃないですか?私、コレだから。」
楓は、自らのウエポンである一冊の本を差し出す。それは広辞苑やコミケカタログのように厚い。
『民明書房』(角が結構イタイ)
「なんかその釘バットより重いんですけど。」
「んー…あっ、それがあればいい解説者にはなれそうかもっ…!」
「額に大往生なんて嫌です。」
はい長瀬さん。
えぇ、こっちは順調ですよ。
スタート地点「4」の管理連中が皆殺しにされたみたいですけどね。
どうせちっぽけな命でしょ、はっはっは。
結託して刃向かわれると面倒なんで、あの五人ははめときましたよ。
ゲームに乗った連中に殺されるのもすぐでしょう。えぇ。
『黒い悪魔』は除外してありますよ。
「殺させるわけにはいかない」でしょう? え? はっはっ、わかりますよ。
「あれ」の調子ですか? 快調ですが。
「あれ」は解放したくないでしょう?
捕まえるのに金かかってるんだしねぇ。
FARGOも大きな犠牲を払ってるんですから、はい。
奴の動向? それもばっちりですよ。
――水瀬秋子――前々回のゲームの生存者ね。
そんなに危険な奴には見えませんけど、まぁ気をつけるに越したことはないですか?
えぇ、じゃぁ、そういうことで。
大丈夫ですって、最後の一人まで、ゲームを続行させてやりますよ。
――俺を誰だと思ってるんですか、くっくっ。
「ねぇ、国崎往人?」
「……なんだ」
「うに、つまんないね」
「あぁ」
往人とみちるは商店街を歩いていた。
商店街とは言っても、あの田舎町とはわけが違う。
孤島の割に大きくて、状況が状況じゃなければ、沢山の人で賑わっているだろう。
そんなところを、たった二人で歩いている。
むなしさも感じるというものだ。
「ねぇ、国崎往人?」
「……なんだ」
「うに、つまんないね」
ボカッ!
「にょめりゅ」
「同じことを繰り返すな」
「うぅー」
こんなやりとりも、あの町で、美凪とみちると三人で過ごした日々なら。
こんなにつまらないものではなかったのに。
ずっと、変わらないまま、どこまでも暖かく過ごしていたかったのに。
自分の使命も忘れて、三人でいたかったのに。
「みちるチョーップ」
物思いにふけっていた隙をねらい、みちるが攻撃をしかけてきた。
「待て」
普段なら食らってやったところだが、今回は顔を押さえ付けて防ぐ。
「うにゃ、なにすんだー」
「……人がいる。一人じゃない、複数だ」
「え?」
気配がした。
あの曲り角にある家の中からだ。
いや、家じゃない、喫茶店?
「様子を見てくる、ここに隠れてろ」
「……うん。国崎往人?」
「……なんだ」
「気をつけてね」
「……あぁ」
みちるの声に後押しされ、店の前へと移動した。
デザート・イーグルを構える。
曇りガラスになっていて、中は見えない。
誰がいるのか。話がわかる奴か、そうでない奴か。
前者の可能性もありうる。
外からいきなり銃撃するのも気がひけた。
(正面から、あくまで、慎重に)
入口に立つ。
そして、思いっきりドアを蹴り開け、その場に伏せて銃を構える。
「あら、いらっしゃい」
なんとも緊張感のない声が聞こえ、往人は唖然とした。
「はッ……はッ……はぁッ……!」
観月マナ(088)は森の中を一人、ひた走っていた。
『あの光景』を見た瞬間、マナの中で機能していた理性の箍は外れてしまった。
代わりに湧き上がってきたのは恐怖。どうしようもない恐怖だった。
気がついた時には、せっかく出会えた従姉を突き飛ばし、どこともわからない場所を全力で駆けていた。
(なんで……なんで人殺してるのよ! バカじゃないの……!?)
足がズキズキと痛む。が、彼女の意思で歩を止めることはできなかった。
周囲は薄暗く、道も悪い。鋭く硬い下草や枯れ枝が、マナの腕や足を傷つけていた。
「キャッ!」
落ち葉に隠れるように張っていた太い根につまづき、マナは派手に転倒した。
「痛……いたい……よぉ……」
緊張の糸が切れてしまったのだろうか。涙が後から後から溢れてきた。
擦り傷や切り傷で身体中が痛かったし、何より精神的なショックが大きすぎた。
(あの女の人……なんだって人なんか殺せるのよ……他の人もみんなそうなの?
わかんない……私も人を殺すの? 殺せるの……? お姉ちゃん……藤井さん)
パキッと、どこかで枝を踏む音がした。
胎児のような姿勢で、木にもたれかかって座り込んでいたマナははっと顔を上げる。
「誰!? 誰かいるの!?」
その言葉に答えるものはいなかった。
どころか、サクサクと足音は徐々に近づいてくる。
「き……来たら」
一瞬言葉に詰まったが、すぐに続ける。
「来たら殺すわよ! わ、私のレーザーで焼き殺してやるんだから……!」
「そうか。……よっと」
邪魔な枝を手で払いながら、足音の主が姿を現した。
暗い森の中では場違いに感じられる、白。それは白衣に身を包んだ長髪の女――霧島聖(032)だった。
「来ないで! 殺すって言ったでしょ!?」
「ありもしない武器でそう簡単に人は殺せない」
「え……」
ジャカッ!
聖が大きく腕を振ると、握り締めた指の間に一本ずつ、計四本のメスが現れた。
「ひっ!」
「私は医者だ。しかも腕のいい医者だ。患者の嘘くらい見抜けないようではな」
聖は目を細めて笑うと、マナの方に一歩踏み出した。
「こ、来ない――」
ガカカカッ!
聖の放ったメスはマナの頭を紙一重で外し、正確に頭部を固定する形で後ろの木に刺さった。
「……ッ!」
「診察中は黙って医者の言う通りにするものだ。動くと可愛い顔に傷がつくぞ」
「え……」
問い掛けるようなマナの視線には応えず、聖は目の前で膝をついた。
「おーおー、随分と傷を作ったじゃないか。染みるぞ、これは」
抵抗できないマナから靴と靴下を脱がせ、白衣のポケットから消毒液を取り出すと、その中身を豪快に腕や足の患部に注ぐ。
「〜〜〜〜!」
「おお、耐えるか。見かけによらず気丈だな、君は」
「あ、当たり前でしょっ……! 動いたらメスで切れちゃうじゃない……!」
「おっと、すっかり忘れていた。それは気の毒なことを」
聖は悪びれずに言うと、刺さったメスを引っこ抜いた。
それをポケットに突っ込むと、出した手には今度は救急バンドの箱が握られていた。
(あのポケット、一体どれだけものが入ってるのよ……)
激痛に耐えながら、マナはずっとそれが気になっていた。
>>289の続き
「一休みしていきませんか?」
今だ伏せている往人に向けて、カウンターの奥から声がかかる。
「わ、またお客さんだよー」
「そうみたいですね」
「……」
とりあえず危害を与えるつもりはないらしい。
ゆっくり立ち上がって、訊ねた。
「あんたら、こんな所で何やってるんだ?」
「コーヒー飲んでるんだよ」
「飲んでるんです」
沈黙。
「……マジか?」
「マジです」
カウンターの奥の女性が答える。
「あなたも飲んでいきますか?」
「……毒を盛る可能性だってあるだろ」
のほほんとした空気に包まれながらも、とりあえずそう口に出す。
すぐに非難の声があがった。
「わ。この人酷いこと言ってるよ〜。お母さんのいれたコーヒー美味しいのに〜」
お母さん? テーブルに腰掛けてるこの女の子の母親が、カウンターの女性か。
そういえば、よく似ている。
「本当にそう思いますか?」
「いや……」
思わずそう答えていた。とても、そんなことをするように思えなかった。
雰囲気だけで判断するのは危険だが、もっと深いところで無条件に信用していた。
「おいしいご飯も作れますけど」
きゅぴーん。
「マジか」
「はい」
実はさっきから腹が減っていた。
鞄の中の食料でも腹は膨れないこともないが、まずいのだ。
「じゃあ、遠慮なく御馳走になるぞ」
「偉そうだよ〜」
また非難の声が上がる。
カウンターの女性は「了承」と笑うだけだった。
そして店内に足を踏み入れ。
「みちるを無視するなー!」
背後からみちるキックを食らい、その場にうずくまった。
で、ちゃっかり藍原瑞穂のマシンガンを拾っていたのは、
「夏と云えば海、海と云えば住井護っ」
である。別に今は夏ではないが、住井はなんとなくそんな独り言を云った。
バッグの中にマシンガンを放り込み、取り敢えずバタフライナイフを片手に、住井は森の中を散策していた。
従兄弟である北川潤と逢うためである。
放送で、聞いた事のある名前が呼ばれた。広瀬真希――クラスのスケバンである。
スケバンとは古い言い方だなあ、と思いながらも――
「始まっちゃってるんだよ、な」
呼ばれた名前の中に、自分が殺した少女の名前もあった筈で。
名前も知らないのに、オレは殺してしまったんだ――。住井は、少しだけ、哀しくなった。
住井は次の瞬間、歩みを止めた。がさり、という、やけに不用心な音が聞こえたからだ。
前方に気配を感じて、住井はナイフを強く握った。
誰だっ……潤に都合良く逢えるはずもないから、多分――
住井は覚悟を決めて、マシンガンを取り出した。殺されてたまるか、という意志。
だが――
「ひぃっ!」
声の主を見て、思わず住井は感嘆の溜息を吐いた。
土の上に腰を抜かし、割り箸を片手に震える女性だった。
自分よりいくらか年上の人のようだが、幼さの残る顔だ。
ショートカットの髪、細い身体、そのおっとりした目元、全部が――。
なんて綺麗な人だろう。というか、すげえ好みだ。
住井護は、その瞬間、この女性に恋をした。
「やめてっ、殺さないで、殺さないでっ」
涙を浮かべ、嘆願する女性。
「――バカな。僕はあなたを護るために生まれてきたんです」
住井は親指をぐっ! と立てて云った。
「僕が、この住井護が、必ずあなたを護ります」
女性――澤倉美咲(044番)は、唖然とした顔で、マシンガンを持った住井の笑顔を見つめていた。
>>292の続き
自己紹介が始まった。
カウンターに立っている女性が、水瀬秋子。
テーブルについている娘の名は水瀬名雪。
もう一人髪の長い女の子は、姫川琴音といった。
「国崎往人だ」
「みちるはみちるだよっ」
これ以上ないくらい簡潔だった。
秋子に食事を作ってもらい、食べる。
「うまい……」
「ありがとうございます」
他人の手料理を食べることなど稀にしかなかったが、今まで食べたどの食事よりも美味しかった。
みちるは向こうのテーブルで、名雪と琴音と一緒に遊んでいる。
「蛇さんだよー」「そうですね」「にゃははは、ぽちって言うのだ」
最近の女の子は、蛇くらいじゃ驚かないらしい。
頭を抱えながら秋子と話す。
「あんた達はこれからどうするんだ。ずっとここにいるわけじゃないだろ。
やる気になった連中がここを見つけたら……」
「大丈夫です」
何が大丈夫なのかわからなかった。
「大丈夫って。俺が急に態度を変えて、銃を向けるかもしれないんだぞ」
「そんなことはしないでしょう?」
笑って言う。
「そうかな。俺はこれでも、二人殺してるんだ」
すると秋子は少し真面目な顔になり、
「でも、無闇矢鱈に殺すことはしないでしょう」
と言う。
「どうかな……」
そう言うのが精一杯だった。
「私は、ここで静かに過ごすつもりです。
最後には、あの子だけには助かって欲しい」
言って、名雪の方に目を向ける。
連られて往人も目を向けた。
こんな状況なのに、笑いあっている女の子達。
心の奥には恐怖もあるのだろうが、それでも笑っていた。
笑顔は良いものだと思う。出来る事なら、このゲームに巻き込まれてなお笑顔を失わない人達を助けたかった。
以前の自分は、こんなことを思っただろうか。
それもこれも、あの町で過ごした影響だと、心底思う。
「俺は探してる人がいるからな。少したったら失礼するよ」
「そうですか、お気をつけて……」
そこで声を切り、一転真剣な表情になる。
その理由は往人にもわかった。
「戦闘か?」
「そうですね」
「様子を見てくる。みちるを頼む」
小声で告げる。
「わかりました。私が絶対に守ります」
それだけ聞き、店の出入口へと足を向ける。
「あれ、国崎往人、どこ行くの?」
近くで起きている戦闘に気付いていないみちるが言った。
「散歩だ」
言って、往人は店を出た。
296 :
荒門:2001/05/20(日) 13:43
「…はっ!…ふっ!…」
しゅっしゅっと風を切るワンツー。
素人には出来ない身のこなし。
「…はぁ…でりゃあっっ!!」
そして必殺の回し蹴りを放つ。
技のキレは落ちていない。
いや、むしろこの島の状況が脳をより集中状態にしていた。
081番、松原葵は住宅街の少しはずれ、小高い丘の神社にいた。
「…っふぅ、少し、休もうかな」
そういってつくため息は、決して特訓からくるものではなかった。
『殺し合い』
その事実はあまりにも葵にとって重すぎた。
ヒトが実際に殺し合う、非日常的空間。
あきらかに、おかしい。
だからこそ葵は逃げる事も戦う事も考えずに、自分のいた日常。
つまり浩之との放課後の特訓を思い出して、似たような神社に行ってシャドーをしていた。
「お水、飲も」
バッグからペットボトルを取り出して、喉を鳴らす。
冷たくはなかったものの、ほどよく汗をかいた葵にはそれでもまぁ、満足のいくものだった。
ペットボトルを戻そうとバッグの口を開けたとき、意識的に見ないようにしていた、
黒い鉄の塊が視界に入った。
…じわ…
にわかに手に汗がにじむ。
葵は良く考えてから、それを取り出してみることにした。
ずしり、と重たい感触。
やはり見るのをやめようとも思ったが、とりあえず見てみることにした。
自分の厭な考えが的中しないように願いながら。
297 :
荒門:2001/05/20(日) 13:44
意を決して塊を取り上げた葵は奇妙な感覚にとらわれていた。
砂漠の鷲の名を持つ大口径銃。
ぽっかりと空いた銃口は自分の理性が吸い込まれてしまうかのようだった。
葵は、自分の事はそれなりによくわかっている。
試合では相手を倒すことが出来るが、きっと戦いでは相手を殺せないだろうという事を。
それが当たり前。
それが日常。
でも、今ここに非現実への扉を開く鍵がある。
葵が一番恐れた事。
自分が生き残るために相手を殺めてしまうかもしれないという可能性。
だから武器が使い物にならないものだったらどんなに良いかと思っていた。
しかし現実には、葵ほどの力があって、撃ち方さえ誤らなければ、人に命中しなくても、
十分脅威となるモノが自分の手にあった。
いっそ、気狂いにでもなってしまったほうがどんなに楽だったろうか。
あたまをくるわせて、ただひたすらにあいてをころすけものになれたら―
そこまで考えて葵はぶるんぶるんと頭を振ると、手の中の銃を地面に叩きつけた。
「…はっ…はあっ…そんなの……そんなの良いわけないですっ」
肩で息をし、奇妙な感覚にとらわれていた脳を正気に戻す。
自分の見知った人たちが、自分とほぼ同年代の人たちが、傷つけ、殺しあう。
明らかな歪み。
どう考えても、良い筈が無い。
そう、良い筈が無いんだ。
自分は気狂いになれないんだから、正気な行動をするだけだ。
先輩や綾香さんなら、きっと力になってくれる。
みんなで、帰るんだ。
「…みんなで、帰るんだ」
そして葵はデザートイーグルを神社の軒下に捨て、丘を降りはじめた。
非日常から偽りの日常へ逃げた少女は、彼女のほんとうの日常を取り戻すため、動き出す。
298 :
荒門:2001/05/20(日) 13:49
なんか自分動き出す動機ばっかりだな。
ゲイがねぇ。
でもキャラ絡ませて書くなんてむりっぽいし。
皆3頑張って書いてくだせぇ。
あ、ちなみに気狂いと既知街はかけてあります。
いちおう、念のため。
だから住人と武器かぶっちゃったけど使いました。
まぁでも捨てさせたし、勘弁してください。
>>291より
数分後。
「さて、以上をもって治療は完了だ。何か言うことは?」
「……ありがとう」
治療といっても消毒して絆創膏を貼っただけだったが、マナは素直に礼を言った。
「うむ。ところで君、まだ名前を聞いていなかったな。名前は?」
「観月よ。観月マナ」
普段だったら「人に名前を尋ねる時はまず自分から名乗るのが普通じゃない?」くらいのことは言うのだが、
なぜだかこの女性に対してはそういう口をきく気になれなかった。
「観月くんか。私は霧島聖、医者だ。『霧島センセイ』と呼んでくれて構わないぞ」
見た目よりもテンションの高い人だ、とマナは思った。
「さて観月くん、君はどうしてこの島までやって来たんだ?」
「好きで来たわけじゃないわよ。学校の帰りに妙な男の人に話し掛けられて、急に眠くなって……
気がついたらこの島だったわ。何が目的か知らないけど、誘拐の手口としちゃ月並みね」
「ふむ、似たようなものか……それで、これからどうするつもりかな」
「……『ゲーム』に乗って、もう殺してる人を見たわ……私が言えたことじゃないけど、迂闊に動くのはもう危険ね。
とは言え、死んでも人殺しになんかなれないし……まずはお姉ちゃんや藤井さんに合流して、それから考えるわ」
「探すべき人がいる、というわけか。武器は何を貰った?」
「これよ」
マナは服の胸ポケットから小さなキーホルダーを取り出すと、チャラチャラと揺らした。
一回百円のガシャポンに入っていそうな、いかにも安っぽいレーザーポインターだ。
「なるほど、それでレーザーか」
「バカみたい。こんなんじゃ身を守るのもできないじゃない」
マナは自嘲気味に呟いた。
風が吹いて、森の木々がザワザワと揺れた。
ややあって、聖が口を開いた。
「わかった。なら私の助手になるといい」
「……どういうこと?」
「さっき、君は『死んでも人殺しにはなれない』と言ったろう。私もそうだ。
私は医者だ。先ほどの観月くんのように怪我をして、あるいは戦闘で傷ついた人間を見つけたら治療する義務がある。
誰かが私に襲い掛かってきたとしたら、殴り倒してでも説得する。例え、その行動が命取りになっても、だ」
聖は一旦言葉を切って、
「この島で動くにあたって、同行する人間の数は多いに越したことはない。
が、人殺しが医者の看板を上げるわけにはいかない。連れにも人を殺してもらうことはできない。
だから、君のようなタイプの人間が一緒に来てくれると非常に助かるわけだよ」
「……私に何かメリットは?」
「ここで私と別れて、一人で行動するよりは多分死ににくくなるんじゃないかな。
私は意外と強いぞ。その上、怪我をしても即治療可だ。超お得だと言っても過言ではあるまい」
「わかったわよ……」
マナはスカートについた土をパンパンと払って立ち上がった。
確かにそうだ。自分には人は殺せないし、襲ってくる人間に対抗する手段もない。
信頼できる誰かに出会う前に、殺されてしまう可能性は十分にある。
正解の選択肢は全くわからない。ならば、霧島聖という女性に賭けてみてもいい。
そう思わせる何かが、彼女にはあった。
「モタモタしている時間はない。行くぞ」
「はいはい」
マナは、薄闇の中に浮かび上がる白衣の背中を小走りで追いかけて行った。
301 :
名剣らっちー:2001/05/20(日) 14:25
>>301 森〜転機は合わせて一つなんで、
森の方も投稿者を111にしてくれると分かりやすいです。
>>301 細かい話だがロワイアルの綴りは「ROYALE」ですの☆
いつの間にか300超えてる。
それでも、まだ出て来ていないキャラが結構いる。
306 :
名無しさんだよもん:2001/05/20(日) 17:03
夕霧の殺意の動機が不充分なのはどういう理由なんですか?
004天沢未夜子 005天野美汐 009江藤結花 010太田香奈子 013緒方理奈
015杜若きよみ(黒) 016杜若きよみ(白) 020柏木千鶴 031霧島佳乃
038桑嶋高子 041桜井あさひ 045沢渡真琴 046椎名繭 050スフィー
054高倉みどり 057橘敬介 060月島瑠璃子 061月宮あゆ 066名倉由依
071長谷部彩 079牧部なつみ 080牧村南 082マルチ 083三井寺月代
093巳間良祐 094宮内レミィ 096深山雪見 099柚木詩子
【未登場 残り28名(w】
>>306 やはり、発狂…したのでは?<夕霧
それからの防衛でしょう
あゆはいたな……
残り27名だ。
>>302 了解です。修正しときましたー。
>>303 ぎゃーす! は、恥ずかしい…Σ( ̄□ ̄;;
同じく修正しときましたです…
>>306 誰だそれって思って調べたら、殺したの私だった。
あれは、その後の往人とみちるを書く為に捨て石になってもらいました。
誰彼キャラやまじアンキャラはきっと誰も書かずに残ると思ったから、一人くらいこんな扱いでもいいだろ、と、書き手の勝手な都合。
理由をつけるなら、やっぱり怖かったんでしょう。
んで、発狂。
返り打ち、と。
七瀬彰は、柏木初音と共に森を抜けた。穏やかな風が吹き付けてくる。
ううん、と伸びをして、初音は微笑みを漏らした。
「ありがとう、七瀬のお兄ちゃん」
愛らしい笑みを見せて微笑む姿に、多少なりどきりとしたが、いやいや、自分には美咲先輩が。
それ以前に十は年下と思われる少女だろ、相手は。ロリコンかいっ、と一人ツッコミを入れた。
「まださ。お姉さんかお兄さんを見つけなくちゃいけないんだろ?」
「あ、あのね、七瀬のお兄ちゃん。これ以上迷惑掛けられないから、わたし」
「バカだなあ、君がそんな事を気に病む必要はないんだよ。どうせ僕も人を捜してるわけだし」
「七瀬のお兄ちゃんも? 恋人さんを? お兄ちゃんすっごくかっこいいもん」
天使のような微笑みを見せて、初音は云った。――それに即答できない自分が情けない。
「いや、別にね? 恋人って云うか、うん、まあ、似たようなものかな」
……小学生の前で見栄張らんでも。
「へえ……綺麗な人なんだろうなあ。どんな人なの?」
「うん、僕には本当に勿体ないくらい綺麗な人でさ、頭も良いし、優しいし、演劇脚本の才能もあってさ」
……うう、云っててなんかみじめになってきた。
「でも、お兄ちゃんもすごく優しくてかっこいいよ! 羨ましいなあ、その人」
少し顔を赤くして、聞き心地の良い優しい声で云った。本当に、天使のよう。
やばい。本気で可愛い。待て、待て七瀬彰。いくら美咲さんが振り向いてくれないからって……。
「そ、そういえばさ、初音ちゃんはボーイフレンドとかいないの?」
途端に顔を真っ赤にする。
「い、い、いないよ、別にっ」
いるようである。少し落胆した自分に愕然とした。マジか。
「そっか……。そう云えばさ、お姉さんってどんな人なんだっけ?」
外見的な要素を聞いてもいなかった。話題を変える意味でそう訊ねると、
「うんとね、千鶴お姉ちゃんはすごく優しくて」
「いや、そうじゃなくて外見。捜すのに、さ」
「あ、うん。千鶴お姉ちゃんは黒い長髪のすごく綺麗な人で、
梓お姉ちゃんはショートカットの、すごくスタイルの人で、
楓お姉ちゃんは、セーラー服を着た、おかっぱのすごく可愛い人なの。
で、耕一お兄ちゃんが、髪が短くて、すごく逞しい身体の、優しい人」
と、嬉しそうに語った。その様子を見て、本当に、逢わせてやらなくちゃ、と彰は心底思った。
耕一、という男の名前を出した時、不自然なほど明るい声になった。
多分、初音ちゃんが好きなのはその耕一という男なのだろう。
どうでもいいが、……こんな可愛い小学生に手ぇ出したら殺すからな。耕一。
――そこで、本気で殺意を覚えている自分に愕然とした。……本気かよ。
海が見えてきた。未だに薄暗いままだが、――遠くに、光が見えて、彰は唇を噛んだ。
だが、それを臆面にも出さず、
「海だね」
と、出来る限り明るい声を出した。
「うん、――すごく気持ちいい風」
初音は風を全身で受けながら、明るい声で云った。
「薄暗いけど、本当に綺麗な海。泳ぎたいなあ」
笑みを漏らしながら――。
「こういう状況じゃなければ良かったのに――」
――直後、本当に哀しそうな声で。
「どうして殺し合わなくちゃ行けないんだろう。どうして」
そこに座り込み、初音は、声をあげて、泣いた。
そうだ。元々、こんな少女がこんな状況に耐えられるはずがない。
一応もう大人である彰自身だって絶望しかかっていたのだ。
たとえ誰かに出会い、束の間の喜びを得たとして。
余程の事がない限り、――皆死ぬのだ。
「嫌だよ。助けてよ。何でわたし達が、こんなっ……」
声にならない叫び。
本当だな……どうしてこんな事になったんだろうな。
彰も、そこに座り、泣き出せたら良かった。
だが。
「大丈夫」
「七瀬の、お兄ちゃん」
彰は、背後からその細い肩を抱きしめた。
震えていて、けれど、どうしようもなく暖かな身体を。
「僕が護るよ。初音ちゃんは僕が護る」
勇気を出せ、七瀬彰。こんな娘一人守れないで、美咲さんが守れるはずもない。
柔らかな身体。甘い、良い匂いがした。震えがだんだん治まっていくのが判った。
「そろそろ行こう。君のお兄ちゃんを捜さないと」
「――うん」
顔を赤らめて、初音は立ち上がった。
彰の意志が生まれた。本当の意味での勇気。
そして、背後で初音が云う、
「ありがとう」
という声を聞いて、彰は確かに、強くなった気がした。
315 :
修羅:2001/05/20(日) 17:55
一人の足音と、それに僅かに遅れて機械の駆動音。
先を行く人物の足取りはおぼつかない。
眼差しは既に虚ろ、顔面は蒼白だ。
恐らく、この男の命、そう長くはないだろう。
だが、それでも…九品仏大志は歩みを止めない。
「吾輩の命は…あさひちゃんの物……あさひちゃんを狙う輩は……我輩が……排除する…」
すでに意識も朦朧としているのだろう、大志は先ほどからこの言葉をうわ言の様にぶつぶつと呟くだけだ。
その心に残るのは、あさひへの愛と、それを狙う輩への殺意のみ。
修羅が、歩く。獲物を求めて。
そして、修羅は、修羅を呼んだ。
「…………」
気がつくと、目の前に一人の影。
暗がりの中で、それがにやりと口の端を吊り上げたのを見えた。
大志は本能で察知した。
奴は危険な存在だ、と。
「ゆけッ!先行者」
今の状態での精一杯の声を絞り出し、大志が攻撃を指示する。
しかし、聞こえたのは中華キャノンの発射音では無く、爆発音だった。
「なッ……!」
大志は驚愕の表情で先行者だったものを見る。
その機体からは火の手が上がり、ばらばらと部品が溶け、崩れ落ちて行く。
316 :
修羅:2001/05/20(日) 17:55
相手の男−柳川裕也は余裕の表情を浮かべ、得意げに語り始めた。
「気付かなかったのか?俺がこれを仕掛けていた事に」
と、掌にプラスチック爆弾をぽん、ぽんと跳ねさせている。
「……くッ」
大志は歯軋りした。
柳川は続ける。
「そのロボットには大層な武器がついていたようだが、そうなってはただの鉄屑だな。
これで貴様の勝てる見込みは、万に一つも無くなったと言う事だ…ククク」
それを聞き、大志の表情が緩む。
「フン、覚悟を決めたか?」
柳川が一歩一歩歩み寄ってくる。
大志はきっ、と柳川を睨み付け、笑みさえ浮かべ言い放った。
「…ならば、それを覆して見せれば、良いのだろう?」
その刹那、大志は跳んだ。
満身創痍のこの体のどこにそんな力が残っていたのか、本人にも分からなかったが、大志は絶叫する。
「あさひちゃんに牙を向ける不届き者は、吾輩が全員始末してみせぇぇぇぇるッ!!」
しかし。
柳川の読みは、残酷なまでに大志の行動を予測しきっていた。
柳川の袖元から覗くスペツナズ・ナイフの存在に大志が気付いたときには、もう遅かった。
317 :
修羅:2001/05/20(日) 17:55
「ぐ…………ッ」
密着した状態となった二人。
大志の胸には、ナイフが突き刺さっている。
冷徹な笑みを浮かべる柳川。
「誰を守るのかは知らんが、相手が悪かった様だな……」
柳川の高笑いを聞きながら、闇に落ちて行く大志の意識。
(死ぬのか…吾輩は……愛する者に牙を剥く者一人始末できず…)
腕に力が入らない。足ががくがくと震える。
目が霞む。意識が切れそうになる。
だが………。
(…………いや!)
「吾輩はッ!まだ死ぬわけには……いかんッ!!」
正真正銘、最後の力を両腕にこめる。胸の出血が一層激しくなる。
柳川が一瞬怯む。その一瞬の隙に、大志はプラスチック爆弾のリモコンを柳川から奪い取る。
「グッ……しまった!!」
柳川の表情から余裕が消え、見る間に焦りと怯えに変わって行く。
「フッ、プラスチック爆弾をわざわざ見せびらかす為に一個持っていたのが命取りになった様だな」
大志は血を吐き出して、真っ赤になった唇をニヤリ、と吊り上げた。
「……くッ、良いザマだな。何十人も居るであろうあさひとやらに牙を向ける者の一人でしかない俺と心中とはな」
精一杯の去勢を張って、柳川もまた笑う。が、怯えの色は隠しきれなかった。
大志は顔を上げ、柳川を睨み付ける。
「…違うな、あさひちゃんに牙を向ける内の一人であるお前だからこそ、吾輩の死にも意味がある!」
「ひ……ッ!」
柳川は慌ててプラスチック爆弾を投げ捨てようとするが、もう遅い。
カチリ、と渇いた音が響き、そして辺り一帯が閃光に包まれた。
(勝手な頼みかもしれんが……あさひちゃんの事は頼んだぞ、同志和樹よ……)
自分の肉の焦げる匂いを感じつつ、大志は思ったが、それもすぐに出来なくなった。
後に残ったのは二つの消し炭のみだった。
表情など確認出来ようもないが、それでも片方…九品仏大志だったものの顔は笑っている様に見えた。
034 九品仏大志
098 柳川裕也 死亡
【残り82人】
>>315-317
元ネタありありです。誰か分かる人がいるだろうか。
いや、どうしてもこれの大志のイメージが彼と被ってね(ワラ
319 :
名無しさんだよもん:2001/05/20(日) 18:12
>>311 どうでもいいキャラでも死ぬときくらい華を持たせてやりましょう。
やべえ……大志かっこいいよ……
こみパやった事ないけどやってみようかしら。
先行者が吹き飛んでしまったのは残念だが(w
>>318 わかりません。教えて。
大志最強!!それでこそマニア王!
歩道を行く影が一つ、
氷上シュンである。
彼は観鈴を晴子に預けたあと、
ただあても無く歩いていた。
それでも、意味も無く殺し合いに参加することだけはしない、
そう、心に誓っていた。
むしろこの状況に順応できず、
愚かにもゲームのってしまった人間に
わけもわからないうちに殺されていく人間も多いのではないか。
そう思った。
恐い。
確かに恐い。
でもそれ以上に痛い。
心が痛い。
それはつい昨日まで笑いあっていたような友達が
次の瞬間どこにもいなくなってしまう恐怖。
そして、
そのような友達と呼べる人間が、
殺す側に回ってしまうという恐怖。
違う。
絶対にそんなことは間違っている。
シュンは思った。
みんなで生き残る方法がどこかにあるはずなんだ。
そのためには、みんなで協力しなくてはならない。
殺しあうなんていけない。
本当の敵は、このゲームを仕組んだ連中なのだから。
既に幾人もの命が奪われている。
本来なら一刻の猶予もならない。
しかしシュンには策が無かった。
一人で首謀者のところに乗り込んでいっても、
あっさり殺されるだけだろう。
死にたくない。
いや、もともと余命幾ばくも無かったこの体だ。
もうそれはいい。
せめて、無駄死にはしたくない。
おそらく僕はここで死ぬだろう。
誰かに殺されるかもしれない、
その前に体が限界に来るかもしれない。
だけど、僕がそうなっても
まだたくさんの人間が”ここ”に残される。
彼らに何か残しておきたい。
特にも、浩平君には。
考える。
何度も頭を悩ませる。
しかし総じてそれは、
何もできないという結論に落ち着いてしまう。
せむかたもなく、シュンは歩いていた。
「永遠の世界ですら、ここよりは近い場所だったと思うよ」
シュンは一人ごちた。
肩にずっしり重い荷物。
中身を見ても、シュンには良く分からなかった。
「貧乏くじだったのかな」
苦笑する。
でも逆に拳銃とか、刃物でなくて良かったとも思う。
そんなものを扱いたくはないし、
扱えるとも思わなかったから。
整備された歩道を歩く。
森の中や、島の中心近く……いわゆる山を行くより、
よほど楽に行ける。
だがそれに反して足取りはひどく重い。
気持ちというのはこういうところに現れるものなんだな。
シュンは改めて理解した。
百人という人数――もうその数ではなくなったが――がいたというのに、
なかなかほかの人間のと会わないものだ、と思う。
「……いや、殺しあうくらいなら顔をあわせないほうがいいか」
彼は立ち止まった。
視界に商店街が入ったからだ。
「これは……静かだな」
本来ならもっと活気があってしかるべき場所だった。
それだけに、シュンの目にはそこがさびしく映る。
入るべきか?
そうしないべきか?
シュンは迷う。
誰かいるのかもしれないが、
それが悪意ない人間だとは限らない。
そのとき、
キ―――――――ン。
辺りに巨大な爆音が響く。
その影響で、耳の機能が一時的に麻痺した。
「何だ……、一体?」
……近い。
シュンはその音の残滓を便りに、
爆発の中心へと向かった。
「これは――」
そこはひどいことになっていた。
整備されていたはずの道が粉々に飛び散り、
まるで原型の分からないことになっている。
その規模、半径8,9メートルといったところか。
中心には黒い消し炭のようなものが残っていた。
……そして、それがかつて人であったものだということに気付くまで、
少しの時間を要した。
「こんな……、馬鹿な」
絶句するシュン。
こんな、こんなことって無い。
人間の尊厳を完全に無視している……。
この人たちにとって、死すらも満足に与えられなかったようなものだ。
だって……、
この人たちは、人間らしい死ではなく
単なるものとしての最後を迎えらされてしまったのだから。
同じ死、だけど……こんなにひどい死もない。
「あなたたちは馬鹿だよ……」
「馬鹿はあなたです」
「!?」
ダァン!
一発、響く銃声。
「が……」
銃弾を受け、倒れるシュン。
爆発地をまたいでちょうどシュンの反対側から
発砲したものが姿を現した。
――里村茜。
茜は倒れたシュンに近づいて言った。
「しょせん、死んでしまえばただの肉塊に過ぎません」
「ふふ……、君か……。まさか君にやられるとはなぁ……」
倒れたままで、彼は小さくつぶやいた。
幸運にも銃弾はシュンの急所を外れていたのだ。
「まだ、息があったんですね。でもここまでです。
一人で永遠へ行ってください」
「……永遠は、死が、その入り口足り得るばかりでは……無いよ」
「…………」
顔をしかめる茜。
そして彼女は再び、コルト・ガバメントをシュンに向ける。
「そこまでだ」
「!?」
驚愕の表情をあらわにする茜。
そのセリフはシュンが言ったものではなかった。
商店街のほうから現れた三人目――。
国崎往人は、静かにデザート・イーグルを構えていた。
うぐぅ。
シュンと大志の絡みを書いていたよ。
先に出されちった〜残念。
橘敬介(057)は観鈴を探し彷徨っていた。
実の娘が殺戮ゲームに参加して生き残れるはずがない。
(観鈴……お前だけは…助けてやるからな。)
そう考えながら歩き続けていた。
…その時だった。
「!………何の臭いだ?」
敬介は異臭を感じた。と、同時に腹の中から胃液がこみ上げてきた。
(ウゥ……、ウェェ………)
口を押さえながら臭いのする方向に歩いてゆくと、そこには何者かが争った痕があった。「死体の焼けた臭いか………」
敬介は誰かもわからない2人の死体を見つめていた。
体がほとんど原型をとどめていない死体、敬介はこれが現実だと改めて実感した。
「こんな場所には用はないな………」
敬介がその場を立ち去ろうとした瞬間、すぐ近くでで女の悲鳴が聞こえた。
「キャァァァァァァァ!!!!」
敬介が振り返ると、そこには恐怖で顔をこわばらせた桜井あさひ(041)がいた。
「あ…ああ…ああぁ………」
「大丈夫かキミ、しっかりしろ。」
「イヤァ!来ないで人殺し!!」
あさひは敬介を人殺しと勘違いしていた。
「違う、私じゃない。」
「お願い!!殺さないで!!」
あさひは無惨な現場を目にして混乱していた。
「落ち着くんだ!!」
敬介は大声で叫んだ。その声にあさひは我に返った。
「大丈夫だ、何もしない。キミは何の心配もしなくていい。」
「………ごめんなさい。」
「別に謝らなくてもいいよ。こんな状況じゃ仕方がないさ。」
「…殺し合って、死んじゃったんですか。あの人達…」
あさひは誰だかわからない2人の焼死体の方を見ながらそう言った。
「そうらしい。ああいう風にはなりたくないな。」
「なんで、こんなことしなきゃいけないんでしょうか…」
「誰もこんなことはしたくないさ。でも、今は…」
敬介は口を濁した。それ以上は口で言いたくはなかった。
(殺らなければ殺られるんだ。)
敬介は辺りを見回した。何か使える物はないか…
現場から少し離れた所に2つのバッグが落ちていた。
一つは小型爆導索。
もう一つはC4プラスチック爆弾が10個。しかしリモコンはない。
「接近戦向きじゃないが、何かの役に立つだろう。」
敬介はそれらを自分とあさひのバッグに詰め替えた。
彼らはハズレのバッグを引いていたのである。
「さあ、行こう。誰かがここにやってくるかもしれない。」
「あ、はい…」
敬介達はその場を離れた。
あさひは大志の死を知らずに………
【C4 小型爆導索・敬介の手により回収】
【残り 82人】
これ見るまで茜萌えだったのに・・、完全に萎えた。
往人、いいから殺れ。
まさかこんなに早くあの2人が死んでしまうとは。(焦
という訳でこんな話になりました。
時間的に
>>322の直前、という事でお願いします。
既に誰もいない、住宅街の中の一つの民家……
そのある一室で深山雪見は塞ぎこんでいた。
「みさき……澪ちゃん……」
その声に二人、笑いかけてくれることはもう2度とない。……嘘よ……悪い冗談でしょ!?
みさき……澪ちゃん……!
雪見はその放送を聞いたとき、狂いそうに取り乱しながら、あてもなく駆け出していた。
そのとき、すでに狂気にとり憑かれた人間に会わなかったのは幸い。
…もしかしたらそれは不幸だったのかもしれない。
(みさきなら…きっとここにいる!!)
そんなとき見つけたひとつの学校。
母校と比べてもそれほど造りの違いない場所。
いい風が吹いていた。みさきの好きそうな風。
「みさ……き……」
そこで目にしたもの、それは……
それからどうなったかは覚えてない。
誰かを殺した…もしかしたらもう私は殺されたのかもしれない。
そんな混濁した精神状態のまま手に握られたものを見る。
コルトマシンガン。
予備のマガジンは5つあった。
(私は多分ここで死ぬんだろう。)
色を失った瞳でその銃をみやる。
(だけど、みさき、あなたの敵だけは……絶対許さない……!!)
絶望の中で唯一雪見が出せた結論はそれだけだった。
もうすぐまたみさきに会える。
だけど、やらなきゃならないことがあるから。
ほんとは回想シーンあたり練って書きたかったけど、
ヘタレなんでやめとく。
収拾つかなくて長くなりそうだし。
「あうーっ! 御腹すいたーっ!」
声をあげながら歩いていたのは沢渡真琴だった。
なんで私はいつもこう1人なんだろう。
そう思いながら食事を探して歩いていた。
支給品の袋に入っていた食料は全部なくなっていた。
これは全部自分のせいだったのだが。
私はスタート直後から、ずっと1人だった。
なにもわからないまま歩いていると、池のほとりについた。ちょっとそこで休憩しよう。そう思って近くにあった切り株に腰をかけ、支給品として渡されていた袋を開いた。
そこに入っていたものは、パチンコと、鉛玉がたくさんはいった箱、それに食料と水だった。
私はそのなかから、パンを手にとって口にした。
あまり、おいしくなかったけど、少しは御腹の足しにはなった。
立ちあがってふと、池を眺めた。
そこには数匹の、青く光った魚がいた。
きれい、と私は心の底から思った。
そして私は、もう一度支給品の袋を開け、パン手にとった。
それを小さく千切って、池に投げる。
すると魚たちがたくさんそこに集まってきた。
うれしくなって私はもう一度、パンを千切って投げた。
すると魚はもっとたくさん集まってきた。
そんなことを繰り返していると、パンはいつの間にかになくなっていた。
そして、私は食料を探すことを目的として、森を歩いていた。
何故か動物を取るのは躊躇われたので、食べられそうなきのこや、木の実を探してはバッグにつめていった。
木の実をとるのにはパチンコが役に立った。
ちょっと高いところにあった木の実もパチンコでパン、と枝をきれば落ちてきた。それをキャッチする。それを繰り返してる途中だった。
私がおいしそうな赤い木の実を見つけた。
そこにめがけて、わたしは、パチンコを打った。
「はわわわわわわわわわわわわわわっ!」
そこから落ちてきたのは金色の髪をした女だった。
宮内レミィである。
未登場キャラの中には
名倉由依、巳間良祐、天沢未夜子なんかの
高槻因縁キャラとか
柏木千鶴、月島瑠璃子、スフィーなんかの
今後、ハカロワの中心人物になりかねんような強力なのが
まだゴロゴロしてるな。
ネタ師さんたち、がんばってくれ。
スフィーはレベル決まってないし、先に出した人勝ちだね
大ミスだ・・・。
「はわわわわわわっ」のままUPしてしまいました。
始めは誰にしようかと思ってたのかバレバレですね
下から3行目、「oh!? What's?」あたりにかえといてください申し訳ないですが、お願い致します。<ログまとめておられる方
>>333氏
むしろ始めに使った人物でやるのもおもしろそうだぞ?
どっちにしても期待。
書き手さんの中に、該当ゲーム全てやった人はいるのか?
漏れはタソガレ狩ってないし、五月雨は積みゲーなんだが。
おかげでその辺には手がつけられん。
健太郎が死んだというのに、ほとんどノーリアクションの
まじアン陣営が気になる。
「そんなに殺すのが好きか?」
往人は静かに問う。
「お前、血のにおいが強いな。何人殺してきたんだ?」
本当に匂いがかげるわけが無い、
往人は彼女の物腰からそれを判断した。
茜は答えない。
「見境無く殺してきたようだな、やはりいると思ったさ。
お前のようにこのゲームにのった殺人者が」
「それは、あなたも同じでしょう」
自嘲だろうか……、軽い笑みを浮かべて茜は言った。
「……そうだな、だから俺にはためらい無くお前が撃てる」
チャキッ、と音が立つ。
往人がデザート・イーグルを構えなおした音だ。
彼の言葉どおり、既に撃鉄は起こされている。
そして茜もそれに気が付いていた。
この男は本当に言葉どおりに私を撃つだろう、と。
膠着状態が出来上がっていた。
茜は撃てない。
撃った瞬間に自分も撃たれるのは必至だったから。
往人は撃たない。
一発で即死させることができれば問題は無い。
しかしこの中途半端な距離でそれをやるのは、
やや成しがたく思えた。
失敗すれば、死ぬのは自分ではなく。
そこに傷ついて倒れている少年なのだ。
だがこの状況はけして往人に有利なものであるばかりとは
限らなかった。
膠着が続けば、その間少年はどんどん弱っていく。
そうすればいずれにしろ彼に訪れるのは死しかない。
彼を見殺しにして茜を殺す。
それはとても魅力的な選択に思えた。
だが……。
『でも、無闇矢鱈に殺すことはしないでしょう』
『その……殺しちゃったの?』
『じゃあ君はなぜ僕を殺さなかったの?』
頭によぎる言葉……。
それが俺を呵責する。
何で警告した?
気付かれる前に撃てばよかったのに。
ひと時の感傷が、俺を甘くさせたというのか……。
いや違う、あの距離では一撃で当てられない。
あの女の発砲を止めるために、
あえて姿を現したんだ。
往人はあえてそう思い込むことにした。
「お前、今は見逃してやる。殺されたくなかったらさっさと消えろ」
往人は言った。
「……いいんですか、私を生かしておいて」
「お前を殺すより、そっちの奴を助けるほうが大事だ」
往人はチャキッと銃を鳴らす。
「……別にいいんだぜ、お前を殺しても」
ほんの少し、声のトーンが下がる。
往人の瞳が、わずかに曇る。
「…………くっ」
茜は少年に向けた銃を返し、往人を牽制しながら後退する。
「私を生かしておいたことを、後で後悔しても知りませんよ……」
「知るかそんなこと」
往人はそれを見てシュンのそばに近寄った。
「!」
その瞬間を狙って、茜は往人を撃ち殺そうと拳銃を構える。
だが、
ギャインッ!
往人は自分の腕ごしに発砲した。
……茜の左肩へと。
「アグッ!?」
肩を劈く痛みに、茜はうめいた。
「警告はしたはずだ……、俺がその気にならない内にさっさと消えろ!」
何事も無かったようにシュンを起こす往人。
だが、その姿勢はいつでも発砲できるものとなっている。
「……あなたは必ず殺します、この私が」
右手で肩を抑えた状態で、茜はそうつぶやいた。
「そのときは、多分お前が死ぬときになるな」
彼女のつぶやきに、往人はそう応えた。
少し息が荒い少年を抱え上げ、大丈夫かとたずねてみる。
「……なんとか、まだ生きていられるみたいです」
「それなら大丈夫だ、町に着けば少しはまともな処置が受けられる。
少し、我慢しろ」
シュンはうなずいた。
彼に肩を貸して歩き出す往人。
そしてその頃には、既に茜の姿は見えなくなっていた。
>>338 私についてはとりあえず全部やってます。
まあ、だから少年を動かしてたりするんですがw
往人カコイイ。
この前ドキュソスレが立ってたとは思えない(w
>>338 やってもいないキャラを書きました(伏せるが)
板読んでるとなんとなくつかめてくるんだよなぁ
スマソ
「お姉ちゃん。どこぉ?」
霧島佳乃(031)は、閑静な住宅街を駆けながら叫ぶ。姉の霧島聖(032)を探しているのだ。
「おかしいなぁ。さっき、白衣を着た人がこっちに走って行くのが見えたのに」
先程、この住宅街で銃声が聞こえた。恐怖よりも好奇心が勝った佳乃は現場へ赴き、
そして白衣の女性が遠くへ去るのを見付けたのだ。
『きっとお姉ちゃんは誰かに追われてるんだ。助けてあげないと』
佳乃には、姉を助ける手段があった。右手の、バンダナ。……これを外せば、魔法が使える。
大人になるまで外してはいけない約束だが、緊急事態だ。きっと大丈夫だろう。
佳乃は一人頷くと、走るスピードを上げる。
――純粋な彼女の想いは、他人が見たら、馬鹿げた御伽噺だと笑うだろうか?
その時、視界の端にちらりと白い服が映る。
「あ、お姉ちゃん?」
ひゅん。
「!?」
右腕を何かがかすめた。驚いて見やると、黄色いバンダナを突き刺し、ぶらぶらと揺れている――矢。
「な、何?」
「やはり、腕が鈍ってるようね。頭よりもその黄色いバンダナの方に狙いが行ってしまったわ」
冷たい声がした。佳乃が振り向くと、そこには白衣を着た女性がショートボウガンを構えて立っていた。
「……お姉ちゃんじゃ、無い」
「そうね。人違いでごめんなさい」
「そ、そういう危険なものを人に向けて撃っちゃダメなんだよ」
「そうなの?」
白衣の女性、石原麗子(06)は佳乃に狙いをつけたまま淡々と語る。
「私も、無駄に狩りをするつもりは無かったの。でも、あなたが馬鹿みたいに、
『お姉ちゃん、お姉ちゃん』とうるさいから。黙ってもらうことにしたの。――それじゃあね」
ひっ、と佳乃は息を呑んで身をすくめる。それを見た麗子は、満足げに笑みを浮かべた。
その時。――宙をメイド服が舞った。
「でええええいっ!!」
メイド服の少女――柏木梓(017)は、麗子に向かって跳びかかる。狩りを現場を見つけて、なりふり構わずの突進だった。
だが、麗子は慌てるでなく、すっと梓の方にボウガンを構えなおすと笑う。
「まるで猪ね。空中の標的は狙い易いのよ。……じゃあね、猪さん」
ひゅん、と風を切る音がして、矢が梓の左胸に突き刺さった。苦痛に顔を歪めながら、
梓は、麗子との距離をわずかに開けた所にもんどりうって倒れる。
「楽に死ねるように心臓を狙ってあげたわ。……さて、ごめんなさいね。待った?」
麗子は佳乃の方に向き直ると、再度ボウガンを構える。佳乃はその場にへたり込んで動けない。
逃げようとするが、手はいたずらに地面を掻くだけだった。その様子に麗子は笑う。
と、その表情が凍り付いた。そのまま、ぐらりとバランスを崩す。
「え?」
そのまま視線を落とすと、ニヤリ、と笑みを浮かべている梓と目が合う。梓の足払いが、麗子のバランスを崩したのだ。
麗子は察した。こいつ、防弾チョッキを身につけている!
「く……このおっ!」
「遅いっ!」
梓を殴りつけようと麗子は拳を振り下ろすが、梓はそれを軽々と右手で弾くと、
左の拳を麗子のボディーに沈める。
「……!!」
かは、と麗子が前のめりになったところに、梓は右の拳を躊躇せず麗子の顔面へと放つ。
鈍い音がして、吹っ飛ぶ麗子。それを見送りながら梓はふん、と鼻をならす。
「猪とはなんだ。猪とは」
麗子は地面に倒れたまま、動き出す気配がない。
制限されてはいるが鬼の全力攻撃を食らったのだ。しばらくは気絶しているだろう。
ぽんぽんとメイド服の土埃を払うと、梓は佳乃の方へ向き直り聞いた。
「ふぅ。……えっと、アンタ、大丈夫?」
「……ゆ」
「ゆ?」
「ゆー、うぃん」
「……ありがと」
「なるほど。お姉ちゃんを探してたのか。アタシも、『お姉ちゃん〜』って声が聞こえたから、初音――あ、妹ね。
妹が探してるんじゃないか、って思って。そしたら、アンタたちを見つけたわけ」
「なるほどー」
あんまりわかってない様子で、佳乃は頷いた。
一人は危険だから、と一緒に行くことを提案したところ、佳乃はあっさりと承諾した。その際、
『よし、君はボディーガードメイド1号さんだよぉ』
と、不名誉な愛称をつけられたが、とりあえず無視しておいた。
「ところで……」
「何?」
ぴく、と梓の眉が跳ね上がる。佳乃は口に手を当てて、ぼそりと呟く。
「メイド服にネコミミなんて、狙ってるとしか思えないよぉ」
「アンタがくれたんでしょうがっ!」
佳乃の支給武器、それはネコミミヘアバンドだった。
助けてくれたお礼に、と差し出す佳乃も佳乃だが、つける梓も梓である。
『うう……こんな格好、耕一や千鶴姉には見せられないよ……』
はぁ、とため息を吐いて、梓は空を見上げた。
そして。そんな騒ぎの中で、麗子の姿が忽然と消えていたことに
佳乃は勿論、梓も気付かなかった。
お手伝いさん(・∀・)カコイイ!
殺人ランキング見た。
やっぱ男の方が攻撃衝動強いってホントなんだな。
理緒と由綺のスコアは半ば正当防衛だし。
まあ、茜はおいとくとしてな(笑
351 :
名無しさんだよもん:2001/05/20(日) 20:35
個人的にはMoon.のおまけRPGのノリで晴香と由依の漫才がみてみたいが、
今の展開だとちょっと無理かな・・・
「ちっ……」
御堂は思ったよりもイラついていた。
「勘がにぶったのかもしれねぇな。」
戦場でのそれは、死を意味する。
強化兵としてのそれに頼りすぎていたのかもしれない。
御堂は神社へと足を運んでいた。
もちろん気配は殺してだ。
並の人間には御堂の姿は恐らく見つけられないだろう。
「にゃ〜ご」
いや、見つけるのはたやすい。
「騒ぐなクソ猫。」
「ゴロゴロゴロ」
「ちっ!!」
御堂のイラつき。それは道具の調達がままならないことにあった。
誰との遭遇もない。…いくらかの死体は目撃したが、すでに持ち去られた後なのだろう、何もない。
手元に残る道具は、「げるるん」という名のジュースのみ。
「喉が潤わねぇぞゴルァ(゚д゚)」
というか、この液体…いや、物体は喉を通らない。
「てめぇ、こんなモノだけ器用に残しやがってっ………!!」
「にゃー」
「ツイてるぜぇ……」
御堂がこの島にきて、一番の微笑。
「にゃっ!?」
ぴろが猫なりに顔をひきつらせる。――可愛くない――
「みろよ相棒、俺の得意武器だぜぇ…!」
軒下に一丁の拳銃。
「デザートイーグルだな。口径は50、へぇ、結構でけぇじゃねぇか。」
上機嫌でベルトにそれを忍ばせる。
「よぉ、相棒、今から行動を開始するぜぇ。」
「にゃあ。」
岩切が殺られた。それは当然御堂の耳にも入っていた。相手は蝉丸か、それとも……
「まあ、行動しようぜ、慎重によ…ククク。」
そして御堂の気配は山中へと消えていく。ただ猫の気配だけがあたりに漂っていた。
御堂→【デザートイーグル回収】
ここに来て膠着状態だな。やる気になった奴はたいがい返り討ちになってる。
案外みんな理性強いのな。行動がかしこい。……キャラも原作読んでるからか?(w
>>351 展開次第では…
そんなときは君が書くのだ!(w
金色の髪をした女は動かなかった。
私は、その場からとりあえず立ち去ろうと思った。
生きていても、生きていなくても、この場にいるのはどっちにしろ危険だと思ったからだ。
逃げようとした瞬間、その金髪の髪をした女はこっちを向いて、
「ハンターチャーンスッ!」
と叫んだ。
私は、その声を聞いた瞬間逃げ出していた。
殺される。そんな気がした。だから全力で走って逃げた。
どれくらい走っただろう。もう、大丈夫?
そう思って後ろを振り返った。
そこに、彼女はいた。
手には、銃を持っているようだった。
「Hey You! 覚悟するネーッ!」
彼女は私に向かって引き金を、引いた。
ぴゅー。
勢いよく、水が飛び出て、私の体にかかった。
「あうーっ! 水嫌いー!」
「なんで、ハンティングできないノ? なんで?」
レミィは、崖から落ちたせいもあって、錯乱していた。
発射される水、水、水。
逃げまわる真琴。
森の中で、そんな子供の遊びのような、ほほえましい光景が繰り返されてたいた。 しかし、どっちも真剣だった。
それの終焉の時、それは唐突にやってきた。
脚をすべらせたレミィが、崖から転落したのだった。
「な、キャアアアアアアアアアッ!」
私、沢渡真琴はなんとか助かったみたいだ。
しかし、いままで溜めた食料は逃げていた途中で半分以上落してしまった。又、集めなおそう。そう思って私はまた、森の中、食料を求めて探し回ることにした。
レミィっていっつもこんな役だな…(ホロリ)
あのさ。
デザートイーグルって腕なんかに当たったら腕ちぎれ飛ばないか?
そーだよなー。
キャラで一番銃使えるのってレミィだよなぁ。
扱うだけならMOONの大人系とかありそうだけど。
あとは前回生き残りの秋子さんか。
誰彼の連中には旧式の銃を持たせよう(藁)
>>338 一応、全部やってますが、中にはコンプしてないソフトもあります。
誰彼はやってたんですが、コンプしていないために麗子のキャラがイマイチ掴めてません。
もし、違ってるようだったらホントスマソ。
闘うメイドの姿と、梓のカッコイイところを書きたかったんで書いてみました(藁。
>>357 掠ったことにしよう(汗
貫通したとは描写してないし。
ところで銃のこと全然わからないので、
簡単な特徴と威力の解説きぼん。
元ネタ読むときもそれがわからず苦労した記憶が。
レミィは、崖から落ちたせいもあって、錯乱していた。
崖→木
あぁ、ミス多すぎ、ちゃんと推敲しよう、俺。
今組んでるコンビ(20:50判明分)
抜けあったら教えてちょ。
003 天沢郁未 019 柏木耕一
007 猪名川由宇 011 大庭詠美
014 折原浩平 065 長森瑞佳 069七瀬留美
017 柏木梓 031 霧島佳乃
018 柏木楓 070 芳賀玲子
021 柏木初音 068 七瀬彰
023 神尾晴子 024 神尾観鈴
025 神岸あかり 078 保科智子 092 巳間晴香
026 河島はるか 062 遠野美凪
027 川澄舞 035 倉田佐祐理
032 霧島聖 088 観月マナ
033 国崎往人 072 氷上シュン
036 来栖川綾香 037 来栖川芹香
041 桜井あさひ 057 橘敬介
044 澤倉美咲 051 住井護
058 塚本千紗 073 雛山理緒
064 長瀬祐介 &ポテト
074 姫川琴音 087 みちる 090 水瀬秋子 091 水瀬名雪
076 藤井冬弥 097 森川由綺
あとは単独行動か行動不明。
>>359 麗子は強いです。多分誰彼の中で一番…
あれだけあっさりとやられることはないと思われ
あと、個人的に御堂+ぴろコンビ続行きぼーん
なんかみんなわりとあっさり合流&他人を信用してるのね。
まあ、100人も居れば出会いやすいだろうけど。
葉鍵キャラはやっぱどっかのほほんとしてるな。
しかしいつ誰が切れるか楽しみにしているオレは悪趣味です。
>>364 よりによって桐山の行動をパクるあたりがワラタ
ところで今和樹ってどうしてるんだろう。倒れっぱなし?
>>365 由宇にも撃たれてたしなー。まあ半分ぐらい演技なんだろ。
早く本気を出して欲しいモノです。
>>354 おまけRPGで使った2人のコンビ技は見てみたいなあ。
由依カタパルト弾とか(w
でも276さんが晴香と委員長を組ませているので今後に期待します。
「何………爆発?」
遠くの方で爆発音がしたのを牧村南(080)は聞いていた。
「物騒ね、離れましょう。」
そう言うと南は爆発音とは反対方向に歩き出した。
(なるべく戦闘は避けたい、不用意に人との接触するのは避けるべきね。)
彼女は平和主義者だった。
「でも、いざとなったら私はこれを使えるのでしょうか。」
そう言って彼女がバッグから取り出した物は十字手裏剣だった。
しかも、理論上銃弾をもはじく超硬鋼鉄で作られた手裏剣だ。
「…ちょっと練習してみようかしら。」
南は一本の杉の木の前に立った。そして木の幹目掛けて手裏剣を投げた。
カッ、カッ!
二枚投げて二枚ヒットした。
「あら、以外と簡単ね。」
カッ、カッ、カッ!
三枚連続ヒット。
カッ、カッ、カッ、カッ、カッ!
五枚連続ヒット。
「使えるわ、これ。よおし、今度は。」
カッ、カッ、カッ、カッ、カッ、カッ、カッ、カッ、カッ、カッ!
十枚連続ヒット。
「これでいざという時も安心ね。」
そう言うと、幹から手裏剣を引き抜き始めた。
「!」
……南は手に軽い痛みを感じた。
「少し刺さっちゃったわ、気を付けないと………」
………しかし、既に手遅れだった。
南は突然意識が遠くなり、そしてそのまま目覚める事はなかった。
忍者の暗殺具である手裏剣には毒が塗ってある。
そして南の十字手裏剣も例外ではなかった。
支給された20枚すべてに青酸カリが塗ってあった。
【牧村南(080) 死亡】
【十字手裏剣 放置】
【残り 81人】
顔見知り同士が簡単に合流できてるみたいだが
駄目じゃん主催者…
「へえ、美咲さんって云うんだ。すごく素敵な名前だなあ」
「あ、あの」
「もう、ほら、そんな顔しない! 僕があなたのナイトになるっていったでしょ」
「あ、あの」
「僕は見かけよりずっと頼りになる男です! だからそんな不安そうな顔をしないで」
……そうじゃなくて。
澤倉美咲は、自分の手を強引に引いて森の中を突き進む高校生に逆らえぬまま、溜息を吐いた。
――藤井くんか七瀬くん、由綺ちゃん、はるかちゃん。そのうちの誰かと行動できたら。
その誰とも違うグループ。
同じグループに由綺ちゃんのマネージャーの篠塚弥生さん(047番)はいたが、
流石に殆ど話した事もない人と行動できる自信は、美咲にはなかった。
支給品は割り箸とまな板。――割り箸。豆でもつまめというの?
黒いまな板。これも支給品? 林檎のマークが描かれている、なかなかお洒落なまな板だ。
まあ、銃が当たったとして、引き金を引ける自信はなかったから、何であれそうは変わらないだろう。
――つまり、自分はこの島で殺されるのだという、そういう事なのだ。
色々やりたい事があった。たくさん、したい事があった。
「なのに」
なんで、こんな戦いに巻き込まれてしまったのだろう。
死にたくない。けれど、殺せない、殺したくない。
だから、美咲は――皆が殺し合って、最後まで誰にも見つからぬまま、生き残れたら、と思った。
そう思って森の中で踞っている時に、今自分の手を引く少年――住井護に見つかったのである。
殺されると思った。終わりなのだと思った。自分の考えは甘かったのだ。
最後まで見つからないでいられる筈がなかった。
藤井くんに逢えないまま――ここで、終わりなのだと。
それが、これである。
住井護は振り向いて、またぐっ! と親指を立てた。
不思議な少年だった。
結局美咲は観念して、この少年に付いていくことにした。
手に持つマシンガンも怖かったし、一人でいることも怖かったから。
それに、知り合いに会えるかどうかも判らなかったから――。
浩之の狂戦士化は個人的に悲しいぞなもし…
願わくば、彼に改心して欲しい…
「あの、……住井くん?」
「護でいいよっ、美咲さんっ」
なんて明るい笑顔。若いっていうのは素晴らしいね。
――小母さんみたいだ、と美咲は苦笑する。
「……うん、じゃあ護くん。君は何処へ向かってるの? 誰か捜してるの?」
「ああ、僕の従兄弟の北川って奴を捜してるんだよ」
三人、あるいはあいつも誰か連れてるかも知れないことも考えるとそれに加えて何人か、かな。
住井はそう云った。
「後は――ちょいと作戦を考えて、なんとかするんだ。今はまだ見当も付かないけど、なんとかなる気はする」
そう云ってから、大丈夫、そんな不安そうな顔をしないで、と、そう云った。
自分よりもずっと若い子が、こんな強い行動力を持っている。
それに比べて、自分は高校生の力にも逆らえず、ついて回るばかり。
情けなくなる。
「そう云えば、美咲さんの支給品って、その割り箸だけなん?」
ふと住井が美咲に尋ねてきた。
「あ、うん。割り箸と、まな板」
「何それ。訳わからんね」
住井は苦笑しながら、まあ、一応見せて、と手を出してきた。
ごそごそとバッグから取り出して、その黒いまな板を渡した。
「……これ、まな板、か?」
住井は怪訝な顔をした。――それは、先程までおちゃらけた顔ではない。
ぱかり、とまな板が二つに割れた。
「美咲さん、これ、まな板じゃない」
まな板の中から、ボタン、液晶の画面。
「え?」
「こ、これ――ノートパソコンだ」
「――え?」
「――上手くすれば、もしかしたらっ」
住井は心底嬉しそうな顔をした。
「早く、潤を捜そう! 上手くすれば脱出できるかも知れないっ!」
み、南さんあっけなさ過ぎ
どーでもいいが葉キャラ無駄に死にすぎ。
特に
>>370。
いくらなんでもそりゃないよ。
序盤で鍵キャラもさくさく死んでるし、今のところ割合的にはどうなんでしょ。。
データ集計係さんいませんかー?(ぉ
>>377 じゃあ訂正。超硬鋼鉄製手裏剣20枚所持(もちろん青酸あり)
の状態で行動という事で。
(このペースだと終盤に死体の山だな。)
個人的で誠に申し訳ございませんが、
『人の死』をそんなにさらりと書かれるのはどうかと思いますが…
>>376-377
まぁまぁ。シリアス一辺倒じゃなくて、ギャグも入れるのもいいんじゃないか?
少なくとも、俺は藁タんだけど……。
実際、南さんならやりそうなネタだし。俺はどっちかってえと、殺人マシンと化している茜がなぁ……。
違う作品同士のコンビが割と面白い。
特にWA、彰&初音、マナ&聖、護&美咲、はるか&美凪、どれも面白そう。
ファンとしては嬉しい。
そういえば誰も自殺してないね。
>>381 動機付けがいまいちだからねぇ
ただ狂っただけとか浩之みたいな態度なら解るんだけど
>>379 さんくす。ところで、青酸って傷口から入って死ぬの?
自分が毒って死ぬっていう展開はもうカンベソしてくれ。萎えるから(w
原作でも光の戦士プリーシアとかいたしな。
まあ、確かにせめてひとり一回は葛藤や見せ場が欲しいかも……。
後半にドカドカ死なれるのもなんだし。
>>381 茜問題は同意。
しかし、ギャグで死ぬというノリはいただけない。人として。
>>379 人に言われたからってさくっと変えるのは問題だよ…。
字の間違いとか、どうしてもおかしい矛盾ならまだしも。
安易に書いた文章を否定すると訳わかんなくなるよ、
ちなみに
>>370は”………しかし、既に手遅れだった。 ”から
消去ってこと?
>>371 きっと主催者は,第一段の包囲網の次に,第2段の何かを用意しているとか.
と,書き手さんに期待(藁
>370
天然ボケの南さんならこういう死に方もアリだろうけど…。
もちっと、その辺の描写が出来なかったもんか。
自殺だけじゃなく、誰もネコかぶらないのが不思議。
茜とか、ざくざく殺すだけじゃちょっとなぁ。
合流できるのはいいけど、もっと孤独感とかあると思うんだよ。
あっさり他人を信用しすぎだ、みんな。
葉鍵キャラはピュアだから仕方ないのかも知れないけど、ちょい気になる。
>>388 抗議が殺到する展開は取り消してもいいと思われ
折角高槻がターゲットを指定してるんだから
それを狙いに行くグループも欲しいかも。
>>385 一応、濃厚液は皮膚からでもシアン中毒(呼吸困難)
を引き起こす…らしい。でもこんなすぐに効きはしないと思う。
書いておきながら茜には同意w
最初のほうでやけにあっさりと殺しだしてたからなぁ・・・。
私を含めて書き手の皆さん、
茜の行動に動機付けしませう。
>>392 それじゃあどっちにしろ青酸ネタは却下だったな。
どういう毒が効くんだい?
>>388 向かってくる相手を仕方なく殺していくキャラにするか。
それともギャグにするか。
どちらにしようか考えてた。で、あれになったと。
不評が出たなら仕方ありません。
今後ギャグは一切禁止ですね。
以下は
>>370の修正です。「!」からの。
「!?」
南は鼻に感じる香ばしい臭いに気がついた。
「あら、アーモンドの香り………気を付けないと」
南は悟った、手裏剣に青酸カリが塗られている事を。
慎重に20枚を引き抜き終わると。再び人気のない方向に歩きだした。
【残り 82人】
400 :
名無しさんだよもん:2001/05/20(日) 21:36
うう、辛いですね……書いていたのに先越されると。
わかってはいますが……。
拝啓おふくろ様…その後お変わりはありませんか。潤です。
唐突に殺戮ゲームに参加する事になった僕ですが、与えられた袋を開けてびっくり玉手箱と申しましょうか、武器だと思った支給品がもずくパックというあたり、己の悲運を嘆く毎日であります。
護との合流も果たせず、また知人達の安否も杳としてしれない事に、僕自身も苛立ちを覚えるばかりでありますが、他にやることもないので、独り森の中、もずくでピラミッドを造っていたわけであります。
ところが。
突然空からどさりと女の子が振ってきたのであります。一瞬天使か、と見間違えるほどの綺麗な人でありましたが、よくよく見れば外国産のヤンキーでありました。さすがに天使は腫らしきった乳をセーラー服に包むことはありますまい。そう、僕の目の前にいるのは日がな一日スペアリブを貪り、ドクターペッパーを浴びるように飲み干す事に生き甲斐を感じているというあのヤンキーでありました。崖から足を踏み外したのか、ヤンキーは躯をしたたかに打って気絶しておりましたが、一応確かめてみると特に骨を折ったような形跡も見られませんでした。おそらくは木の枝に引っかかりながら落ちたことと、下が草地ということが幸いしたのかもしれません。
そうこうしている内に、ヤンキーは軽くうめき声を上げ、目を覚ましました。僕は早速この目覚ましヤンキーに、一体どうしたのか、なにが君に起こったのであるか、と尋ねたところ、ヤンキーは突然くわっと眦を開いて僕の肩をつかんだかと思うと、わっしわっしと僕を揺さぶりながら訳の分からぬ事をわめき散らしてくるのでありました。
「おでん種おでん種おでん種がいたのヨでもねハンターできなかったの信じられルおでん種シューティングしてワタシが美味しく召し上がろうとおもったのにできなかったノせっかくぶっ殺してぶっ殺して殺し抜いてあげようと思ったのニなんでなんでなのぷちぷち抵抗できないおでん種ぶっ殺したかったのニワタシのガンでガンで黒光りなんかしちゃったりなんかしちゃってるガンでよすぎて死なせてたぼれってあげようとしたノニあまりのすごさに死んじゃうんだからガンはでもユタを馬鹿にしたらやっぱりぶっ殺すノなにげにぶっ殺すノ動く的ネ動く的じゃないとやる気起きないし射殺るって言うか射殺いいよネ素敵よネでねやっぱりもずくもサイコーネ!ソースうどんもいいケドもずく酢にはかなわないネああんワタシは生きてるヒモ無しバンジー」
と、この様にまるで要領をえない回答が返って来るだけで、ただただ面食らうばかりであります。
いったいこの国の官憲はなにやってんでしょうか。
こうしてヤンキーは今、僕の隣でもずくをもりもり食らっているわけなのですが、おふくろ様はお加減如何でありましょうか? おふくろさま、どうかどうか風邪などひかぬようご自愛下さいませ。
潤はまだまだ死ぬつもりはありませぬ。
自分が死ねば永遠の世界から幼なじみが帰って来れなくなるからでは?
もう動機付けはそれで充分のような気がするんだが。
まあ澪やみさきはハンデの分使い手あったキャラだからもったいなくもあるが。
>>399 トリカブト…か。
効果(?)が出るのに時間がかかりそうだ(w
毒は容器みたいな物に入っている方が合理的だと思うが…
もうなんでもいいよ。
「毒」でいいじゃん。
北川パート書いてる人って陣内&閂コンビ書いてた方ですかね?
…ファンだ。
相変わらず(・∀・)イイ!
新たなコンビがまた誕生した…
>>403 その動機はOKだとは思うんだけど、必要無い人物まで殺すのがなぁ、と。
例えば、栞はあの5人のうちの一人と間違えてしまった、というのは頷けるけど
香里まで殺すことなかったんじゃないかなぁ、と。
5人だけを狙う、ってのならありかなぁ、とか思ってたんで。
まぁ、本音は、栞の死に激昂して、犯人と、姉妹を見捨てた祐一を探すため
狂気じみる香里が書きたかっただけなんだが(藁。
>>398 ギャグはいいでしょ。みんな書いてるし。
ただ意味無く人が死ぬのはなんか違うなーってだけで。
スレの回転が激しすぎて怖い。
昨日の夜なんて感想レスほとんどなしで延々小説続いてたからびびった。
読み応えはあるんだが。
「ひぃぃっ!殺さないで!!」
恐らくはこのゲームを企てたほうの人間だろう。何故こんなところにいるのかは分からない。
進行状況の諜報、あるいは何かのイレギュラー。
考えられることはいくつかあった。だが、それは今の彼女には関係ない。
どの道下っ端なのだろう。
アホ面かまして歩いてた所を背後から忍び寄り、押さえつける。
そして男の腰から、備え付けられたサバイバルナイフを一気に引き抜き、首筋に当てがう。
男はどうしようもないほど取り乱していた。無理もない。
いきなり背後からナイフをつきつけられては為す術もない。
「答えなさい……参加者に、川名みさき、上月澪の2名がいたはずよ……
殺したのは誰!?」
「しししし、し、知らないっ!ほ、本当だ!ボクは下っ端だからその辺のことは知らないんだ。
た、頼む、命だけはっ!」
「そう……」
男を押さえつける腕が若干緩む。男は少し身体を弛緩させた。
「でもね、あなたたちはっ……!!」
プシッ!!!
一閃、ナイフを横に凪ぐ。
「がっ!!」
男はヒューヒューという音を立てながら力無く崩れ落ちる。
「なんでみさきなの……なんで澪ちゃんなの…!?」
かすれた声でそれだけをやっと言い放つ。
(あの娘達は、たとえハンデを背負っていても、誰よりも光ってた。
精一杯今を生きてたのにっ!)
ナイフから血を拭い、男の羽織っていた防弾チョッキを剥ぎ取る。
探知レーダーがないかと期待もしたが、そこまでは持たされてはいないようだ。
あったのは先のナイフと防弾チョッキ、そしてライフルだけであった。
ライフルの弾を肩からタスキのように下げると、丸腰の物言わぬ男を一瞥した。
「悪く思わないでね。」
>>405 あいまいな設定は青紫のはじまりです(w
序盤で同作品のキャラ同士を組ませすぎたね。
〜〜
>>412より
もう後戻りはできない。
無論無差別殺人などする気はなかった。
それではみさきを殺った犯人と一緒になってしまう。
それが彼女に残された最後の理性。
ターゲットは3種類。
この狂ったゲームを企てた連中。
みさき、澪ちゃんの敵。
そして、それを邪魔する…
そう、このゲームに乗った奴らだ。
もう私もこのゲームに乗ってしまったのかもしれない。
…それでもかまわない、親友の、そして可愛い後輩の敵を討つことが今の私のすべてだから。
出発点を分けた効果が全くなかった。
鬱だ。
由宇&詠美は番号近かったけどな。
また出ないかな。萌えだったんで。
405がHNにもハイってシマタ。
スマソ
>>416 俺も鬱だ。同作品チームで面白い奴らもいるんだが。浩平とか。
まあ、柏木四姉妹がバラバラなあたりまだマシか…
>>417 激しく同意。
願わくば彼女達には残って欲しい。
>>414 確かにそれぞれの世界のストーリーが延々と展開されて終わりがこなさそうな可能性が。
って一方で彰&初音、マナ&聖、護&美咲、はるか&美凪、北川&レミィって組み合わせもできてきたしな。
俺は期待してるよ。
>>421 WAキャラ、さりげにいいとこ持ってってるよな。嬉しい。
>>416 まあまあ(^^;
ところでそろそろ浩平チーム動かないかな?
書き手さんキボン。
>>417 何を言っている!!
御堂&ぴろがイチバン萌えるんだyooooooooooooooooo!!!!!
御堂はムツゴロウさん化してぴろをかばって死ぬべきだ!!
これは全銀河の願いどぅああああああああああアッ!!!!
北川&レミイが笑えそう。
>>424 いろいろ言いたいことはあるが確かにムツゴロウ御堂は(・∀・)イイ!
すっかり忘れられてるような気がするけど祐介&ポテトって言うのもいるよな
智子と晴香のコンビがわりと好き。
あかりはどうなるんだろな。
あと、耕一と郁未も笑える。
浩之はあかりの説得で正気に戻って欲しいな…
少年の怨みを買ってるからどうなるか分からんが…
個人的に頑張って欲しいのは理緒と千紗。
重い話にもギャグにもできそうだ。
>>403 つーかね、茜ヴァカだよ…5人を狙って栞を間違えたのはありだと思うけど。
相手を殺すってことは目撃される可能性も大きくなって危険も増えるわけ。
いくら武装しててもひとりで戦うんじゃあっちゅーまに死ぬよ。
現に往人にやられかかってるし、由綺とマナには健太郎殺害現場見られてる。
もっと頭使わないとダメだと思う。茜好きなだけにプチ鬱。
あんな状況で冷静に動ける方が怖いと思うけど、皆人間なんだし。
「咄嗟の一言というのは極めて大事だ。特にこういう状況ではそれが生死を左右し兼ねない」
マナと並んで歩きながら、聖は上機嫌で喋っていた。
「先ほど観月くんが飛ばしたハッタリ、あれはいけない。
実際に人を殺せるような規模のレーザー砲となると、とても人ひとりで持ち運べるようなサイズじゃないからな。
ハッタリが嘘だとバレてしまうと、相手に無駄な精神的余裕を与えてしまうぞ」
「べーっ、だ。どうせ私は嘘つくのがヘタですよー。
……じゃ、あの時はどういうこと言えばよかったのよ」
「そうだなぁ……」
唇を尖らせるマナに、聖はしばし考え込むようにして、
「まぁ、なんにせよ無駄だろうな。多分、何を言われようと私は同じことをしただろうから」
「……何よそれ」
マナはだらしなく両手を首の後ろで組んだ。
(逃げてきちゃったけど、今、お姉ちゃんどこでどうしてるんだろう……
藤井さんにはもう会えたのかな、それとも……ううん、まだ生きてる、きっと生きてるよね、お姉ちゃん)
フッと小さく息をつくと、隣を歩く聖に声をかける。
「ねぇ、霧島さん」
「『霧島先生』」
「……霧島センセー」
マナはジト目でひと睨みして、続けた。
「霧島センセーは誰か探してる人、いないの?」
「妹が、いる」
即答だった。
>>429 ありがと。そう言ってくれると意欲が沸く。
まあ、漏れ的にはシリアスにし過ぎたと反省してるんだが。
>>351 >>354 >>369 いや、漏れも由依と絡ませたいんだが。
なにより同作品キャラ混ぜすぎるのが…と思って。
でも最大の障害は月オマケRPGがムズすぎること。
ヒサーヤしか倒せん(藁)
さおりんとるりるり、香奈子ちゃんの動向は気になる。
月島兄貴は壊れたし、祐介もまだあんま出てないし。
聖の表情が、少しだけ硬いものに変わる。
「あの子――佳乃を死なせるわけにはいかない。佳乃は私が必ず守る。
そのためにも、一刻も早く見つけなければならない」
聖は様々な感情の入り混じった、複雑な笑みを浮かべた。
「私も医者でなかったら、『この中の誰かが佳乃を殺すかもしれない』とか思って、出会った人間を片っ端から殺していたんだろうな。
例えそのことで後で佳乃が泣いたとしても、だ。
やれやれ……職業意識というのは厄介で、なんとも有り難いものだな」
どこか遠くの方を見つめながら悟ったように言う聖の横顔を、マナはびっくりしたように見上げた。
「……霧島さんは」
「うん?」
マナの声に潜む真剣な響きに、今度は呼び名を訂正することもしなかった。
「仮に……もしも、そのせいでその、妹さんが、死――」
「さて、雑談タイムは一時休憩としようか」
聖はいきなりマナの後頭部に手をかけると、グイッと前に押し倒した。
「ちょっ! ちょっと、何す……!」
ビィーーーン!
つい今までマナの頭があった空間を貫き、ボウガンの矢が側の木に突き刺さった。
「えっ……!? まさか」
「診療時間みたいだな。……出て来てもいいぞ」
「チッ……当たっとけよ、めんどくせー」
オートボウガンを片手に、頭をかきながら現れたのは藤田浩之(077)だった。
>>430 柳川&大志が逝ったから、浩之はあの調子で続けて欲しい
やる気になった人って少ないし。
マナー萌え!(・∀・)イイ! 霧島姉さん(・∀・)イイ!
>>439 浩之は(・∀・)イイ!奴なんです。
漏れ的にあの浩之はやめて欲しい。
せめてあかりの前では…
みんな良いヤツじゃ話すすまないでしょーが
一致団結して高槻を倒しました。
めでたしめでたし。
なんて話が見たいのか?
>>441 まだ浩之とあかりは一度も出会ってないからね。
今、ニアミス中みたいだけど。
でも難しいところだね。
人が死んで行かないと話が進まないから、
殺る気になったキャラは貴重だから。
初代ハカロワ(キャラロワ)は気楽でよかったな。
まじアンメンバー集めたい。
スフィー・なつみ・結花・みどりで。魔法でサーチしたとかでいいし。
で、灯台組のごとく撃ち合い(最低)
…スマソ、小説書けないんだ。
マターリ好きな人はそういう風に展開していけばいいし、
クレイジー好きな人も自分の好きなように動かしていけばいいんじゃない?
誰でも参加できるのがこういうスレッドのいいところなんだから。
ていうか、「護るためなら殺す」キャラばっかりでなあ。
茜や浩之がいいとは言わないが、もっとドロドロしてもいいはず。
心清すぎ。
うーん、初代やスタッフロワとは勝手が違うな…。
葉鍵キャラは基本的にみんないい奴ばっかりだからね。
何か強制力がないと難しいかも。
ガダルカナル(爆発首輪)はありなの?
>>442 基本的にみんないい奴だから…
全員いきなり殺戮モードは無理かと思われ。
しかも100人いるし。
あとは流れ次第やね。
>>442 そうです。そんな話が見たいのです。
それがだめなら、せめて悪い奴の葉キャラと鍵キャラの比率を均一にしてくれ。
>>346 の梓はかなり燃えた、対決はやっぱり良いね、震える
キャラ間の心情やギャグも良いけど
葉鍵ロワイアルなんだから一番の華は戦闘シーンでしょ。
基本的に悪人がいないのがねぇ
性格設定がマターリしすぎ。
桐山や光子みたいなのがいないと、
ロワイヤルになんないだろ。
暫定で
桐山=浩之 光子=茜 川田=秋子
みたいだが。
気にいらなければ、自分で他のキャラを
光子に仕立て上げたら?
>>447 スタッフロワは32人。今回は100人。
人数は単純に三倍以上に増えたわけだけど、俺はもっともっと途方もなく感じてるよ…。
というか全く先がよめん。
良い意味でも悪い意味でも「熱血体育教師」みたいなバッサリとストーリー撫できってる人もおらんしね。
これから先が楽しみっちゃー楽しみなんだが。
そうだよ、誰も首輪のこと書いてないよ。
ミサイルや結界云々が規制力&脅しになってるんかな?
>>442 やはり頑張って殺る側の人間が必要なのかな…。
多少性格変わってでも。未登場で、今のところそうなっても
おかしくないのは、香奈子、きよみ(黒)とかか? …あと
月島(兄)のこれからもちょっと期待。…うーん、難しい。
首輪ありなの……?
したら序盤から一気に、別のストーリー展開になったと思うが。
>>445 これをみると改めていろいろな比率が偏って見えるのは漏れだけ?(w
今さら設定追加したら青紫のごとく破綻すると思われ
「最初に一つ聞かせてもらおうか。この場を平和的に解決する気はあるのかな?」
浩之はその問いかけには答えず、黙ってボウガンに次弾を装填している。
「面倒な相手だな……あれはもう何人か殺してると見た」
「ど、どうするのよ!?」
「倒すしかないだろう、死にたくなかったら」
「さ、さっきと言ってること違うじゃない!」
「殺すとは言っていない。抵抗できない程度にして後で手当てしておけばよかろう」
「そういう問題じゃ――」
最後まで言わせず、聖は素早く足払いをかけてマナを倒し、自分も地に伏せた。
ヒュン! ヒュン!
続けざまに矢が頭の上を掠めていく。
(間違いない……あの人、私たちを殺す気だ……)
落ち葉や枯草の濃密な匂いに包まれながら、奇妙に静かな実感が頭の中を通り抜けて行った。
が、次の瞬間には聖の見た目よりはるかに力強い腕によって引き起こされていた。
「観月くん、ボケッとしていると死ぬので注意したまえ」
「そ、そんなこと言ったって……」
「いいか、よく聞け」
聖の瞳がスッと細くなった。
「今からどこでもいい、あの男と反対の方向に三十秒間全力で走るんだ。
三十秒走ったら、振り返って来た方向に向かって三十秒間走れ。行け!」
「え、ちょっと、どういう……」
「いいから走れ!」
凄まじい剣幕に押され、ついでに聖の手に背中を押され、マナは浩之に背を向けて走り出した。
「し、死なないでよね!」
「努力しよう」
マナからは見えなかったが、また聖もマナの方は見ていなかったが、聖はヒラヒラと手を振って応えた。
手を下ろした時、既に聖の手には数本のメスが輝いていた。
そして、改めて浩之と正面から睨み合う。ボウガンの照準が、聖にピタリと合わせられていた。
「あんた、医者か? にしちゃ、医者っぽくないな」
「かく言うお主は高校生かな? それにしては高校生らしくない」
二人は同時に口の端を歪め、笑った。
浩之が、トリガーを引いた。
とりあえず一人一回は見せ場や葛藤が欲しいところ
生き返れないわけだから余計にね
>>445 うざくないです。
すごく助かってます。
そういえば時間で禁止エリアができるのはどうなってるんだろ?
首輪爆弾とかの拘束が無いから
「皆集まればなんとかなるさ」的な考えが浸透してると思う
それと運営側に力が無い、下っ端とはいえ深雪にあっさり始末されるようだとね…
あれだけ女が居たら、2〜3人捕まって陵辱なんて展開も有りそうだし。
>>461 とはいえ、黒いみしおたんとか黒い繭って想像つかないんだけど
あかり凌辱されてルーネ
いろんな意味で彼女の行動は気になるーヨ
見も知らぬ他人だからな
バトロワと言うよりクリムゾンの迷宮(貴志祐介だっけ?<こいつ鍵っ子だよそういや)だな。
いい意味でも悪い意味でも相手を信用しすぎる、葉鍵キャラは。
>>455 確かに人数が多すぎる。
書いてる者としてはドンドン死んで行って欲しいけど、
自分では書きずらい。
なにより殺すための理由が掘り下げられんので、
へたに殺してしまえない。
首輪みたいな強制力はあったほうがよかったなあ。
だれか、高槻の放送とか利用して、斬新な強制力を
用意してくれると助かるんだが。
自分にはできそうにないので。
首輪がなかったのは序盤の最大ミスかと思われ
×404
○464
>>463 同意。
夕霧の死は見せ場も葛藤も無く、
単なるきっかけを作って逝きました。
あれはマジ萎えましたね。
あ〜、そだ首輪内から日付的な拘束もないじゃん。
>>473 これから改善されるといいよな…個人的に雅史ももう少し頑張って欲しかった、イカレとして。
由綺が予想以上に男前でびびったが。すぐ死ぬと思ってたから。
>>465 陵辱か…。
そういや、仙命樹の催淫効果ってなくなってるんだろうか?
実は薄いけど効果が…とか(w
まあ、書き手叩きは控えよう。
意見は良いけど暴言ダメ。
わがままですいませんが頑張ってください>書いてる人
>>445 深山雪見は
>>412で、管理者側から中型アサルトライフル(設定は適当…)も奪ってるので、
できたら付け足しておいて下さい。
479 :
名無しさんだよもん:2001/05/20(日) 22:41
>>467 ああ、プレッシャー(藁)
みんな、これは元々エロゲーネタなんだから、
もっとエチシーン書こうよ。
このままじゃ漏れだけが浮いてて恥ずかしい。
鍵キャラほとんどいい奴ですか…
ヤレヤレ
茜の行動が問題になってますね(それだけじゃないが)
美坂姉妹を殺るとこまで、茜がメインで出る話書いたのは全部自分です。
誰かも言ってたかもしれませんが、100人もキャラクタいるんで、5人くらいはさくさく人殺すキャラいないと話にならないと思いました。
で、誰かそういうキャラ作ろうかと思いキャラ一覧眺めていたら、茜の冷たい姿が思い浮かんだって感じです。
殺人鬼となった理由は、何がなんでも雨の空き地に帰らなければいけなかったから。それで充分だと思いました。
澪を殺して、その時点から心の抑制が外れ、あっちの道に。
ただ、彼女は無闇矢鱈に人殺すキャラじゃない「予定」でした。
だから氷上を撃ったシーンは嫌いなんですが、自分一人で書いてるわけじゃないから仕方ありませんね。
これらのことを作品中で表現できなかったせいで反感を買ったのは、全部私の責任です、すみませんでした。
このキャラ最後にはいろいろ考えてました、その為に祐一も動かしました。
許して下さるなら、今後も書き続けようかと思います。
>>470 確かに…でも強制的に人を殺さなければドカンだと、
殺伐過ぎて面白くないしね…。
それこそ葉鍵キャラでやる意味無いし。
今の展開は少々のんびりすぎだけど、俺としてはこれはこれでおもろいかと。
言っておきますが御堂は陵辱キャラにしてはいけませんよ?
書き易くってもダメ。
だって彼にはぴろをかばって死ぬという設定があるのですから(w
>>483 頑張ってください。文句言うだけですいません。反省。
>>483 許す。
そうしないと話が進まないしな。
>>485 下手な事は書かない方が良いと思うのだが…
>>483 是非書いて下さい。
欲を言えば、そのへんの心情を本文で書けばなおグッド。
「ハハハハハ、諸君、元気にやっているかな。
この時間までの死者を発表するぞ。
034九品仏大志 042佐藤雅史 056立川郁美 085美坂香里
086美坂栞 098柳川祐也
以上6人だ。
最近あんまり死んでないようだから、ここで一つ面白い話をしてやろう。
君たちが眠っている間に、胃の中に爆弾を仕込ませてもらった。カプセル型の小型の奴だがね。
そしてそれは遠隔操作で自由に爆発できるようになっている。
要するに俺を殺そうとすれば、その瞬間ドカンってわけさ。ハハハハハ。
それからな、あんまり人が死なないようなら、つまらないからお前ら全員消させてもらう。
そうだな…6時間。6時間の間、一人も死ななかったら、そこでゲームオーバー。全員死ね。
もたもたしてる暇があったら、その辺の奴をぶっ殺して時間を稼いだ方がいいぞ。俺様からのささやかな忠告だ。
あ、吐き出そうなんて考えるなよ。吐いたらその瞬間即ドカンだ。吐き気には注意することだな。ハハハハハ。
じゃあな。せいぜい楽しませてくれよ」
深山雪見、もし自分で書くならイカれさせる、
別キャラ加えて、血の匂いのするドラマにする…と二通り考えたんだけど…
う〜ん、迷う。とりあえず他参加キャラ(アンド書き手さんの)動向待ち。
えー、皆やってるか?
放送入れる予定はなかったんだがなぁ。
なんだぁ、この記録は、まだ80人も残ってるじゃないか。
これじゃあ面白くないよなぁ、企画側にも都合があって、いつまでもゲーム続けさせるわけにはいかないんだよなぁ。
そこでだ。
今から36時間以内に、生存者が25人以下になってないと、ゲームは終了だ。決定した。
あぁ、といっても、助かるわけじゃないぞ?
核ミサイルがこの島に飛んで来るんだ、面白いだろう?
嘘じゃないぞ。こっちには巨大な権力と財閥がついているんだ、可能なんだよ。
それじゃ、せいぜい頑張ってくれ。はっはっはっは……
ブツッ
>>485 そゆの書けば書くほど書き手さんが「裏をかこう」って思うんじゃ?
だからオレ、あんまり○○萌えとか書かないようにしてる…
感想は伝えたいがひいきキャラがゴミクズのように死ぬのはやだ。
ネタ被ったシカトしてくれ!
放送がかぶってます先生。
先に書かれた方を使いますか?
どしますか?
490と492組み合わせたらいいじゃん。
>>483 これからも頑張ってくれ。
漏れ的には茜の光子化はよかったと思ってる。
意外性があってよかったし、
淡々と語る口調はこういうのに合ってる気がする。
まあ漏れもキリング(陵辱)マスィーンとして
雅史を用意したんだが。
書いてる方としてはゲームに乗ってる奴がいないと困るんだよ。
>>497 時間経過は(36時間後って奴な)正確に計れないからつらいと思う。
カプセルのが書き手としてはラクです、スマソ。
>>493 まあ、書き手さん全員が「裏をかこう」と思っているわけではないです、
もしかすると「要望に答えるか」って考える粋な書き手さんもいるかもしれないし別にいいのでは?
現に、殺しキャラも少ないようですし、展開を面白くする要素としてそういうのも必要かと…
英二&冬弥の待ち合わせ云々もアレだな、
時間経過がいい加減だからちょっと放置されるとすぐ無駄な設定になるぞ。
時間の兼ね合いは慎重に行こう。
やる気になった奴がバンバン返り討ちになってるからな。
雅史やなんかの他には志保とか健太郎とか柳川とか大志、あとセリオもか。
セリオは…ゲームを動かすため非常電源で再起動させられるとかはダメか?
映画の川田や桐山みたいな感じで。
うわ、ネタの大部分先に書かれた。
あと死者は030 砧夕霧 080牧村南を入れて8人です。
>>383 美坂ネタ振ったのは私なんですが、栞は茜、もしくは大志が襲うと思ってたんでこれはこれでOKかと。
考えてなかった、栞の見間違え、祐一との絡ませ方は良しと思う。
ただ、こっちが考えてた香里キリングマスィーン化が果たせなくて残念(藁。
それと、
>>452 燃えてくれてありがとう。てなわけで、またネタ思い付いたら書きこみます。
南さん死んでないらしい。
クレームつけすぎは今後注意して欲しい。
次の定時放送が6時間後みたいな感じか?
>>483 うぃっしゅ。
茜について私の補足。
彼女とシュンには永遠という共通点があります。
それでちょと強引だけど茜はシュンに自分に似た部分を察したわけです。
というか二人は面識ありありです(w僕設定で
で、シュンに死について語らせたわけですが、その様子を見た茜には
それが偽善的に見えました。
おそらくこれでの茜は南本意でしょうから、
死を神聖視するシュンがを南のことをふまえて考えたとき
じゃあ無かったことにされた人間はどうなるの?
みたいな怒りがあったことにします(汗
とはいっても話中で書いてないんで誰かかいて〜
ってところですが(汗
(そういう話を以前聞いてたってことで)
発言の冷酷さは、それがそのまま茜のすべてを現してるわけじゃないっす。
つまり殺そうとしてっていうより我慢できなくて
引き金を引いたってところですかね。
なぜか急所もはずれてますし。
…ちょっとこじつけけがましいなぁ。
スマソ。何かの参考にしてください。
茜以外で乗った奴いないなー、鍵キャラ。
香里はそのへんで使えそうだっただけに惜しい。しょうがないけど。
あと、放送って何時間ごと?決めない方がいいのかな。
>>506 まあ今後カプセルもあるしまだ違う方向に転ぶだろう。
>>505 ナニヲエラソーニ、シキッテンジャネエヨ(ワラ
>>506 漏れ、鍵の悪役って高野山しか思いつかんのだが。
ウツダ
とりあえず書き手さんファイト。
>>510 深山センパイもその役を…
けど、彼女は「ゲームの主催者」「みさき、澪を殺した者」「邪魔をする者」
に限定されてるから厳しいかも
茜のキャラを再構築してみたいと思います、自分でどこまでできるかわかりませんが。
それと、時間をそろそろ夜に移行したいと思うのですが、よろしいでしょうか?
鍵でマッスイーンに出来そうなのは心当たりがあるが、
終盤でないと機能しなさそうだし。
漏れが考え付くくらいだから、
書き手さんたちの構想の中には
あるのかもしれんが。
>>515 どうぞご自由に
殺しキャラ不足なのでその辺よろしくお願いしますね〜
「ぐぁっ……!」
聖の回避動作は紙一重で間に合わず、放たれた矢は聖の左腕を貫通した。
続けて飛んでくる矢は地面を転がって避ける。聖は回転の勢いを殺さず立ち上がった。
「つ……意外と速いものだな、ボウガンの矢というものは」
「つーか、ボウガン避けてんじゃねーよ」
矢の補充をしようとした浩之だったが、その瞬間、聖が浩之に向かって行った。
「なに……!?」
初めに持っていたメスは矢を避ける時に落としたのか既に消えていたが、
聖が走りつつ右腕を振ると、その手にはまたメスが一本、光っているのだった。
「なんなんだこの女……ドクタージャッカルかよっ!」
今から装填して撃ち出す時間はない。
そう判断した浩之はオートボウガンを投げ出し、腰に提げていた大ぶりのナイフ――先ほど公民館の職員から奪ったもの――を抜いた。
「はっ!」
聖がメスを横に振るった。
が、身体を動かすまでもなく、その刃は浩之に触れることはなかった。完全に腰が引けていた。
(なんだよ、この女――ビビってんのか?)
浩之はナイフを握り締めた。そう、所詮相手は女で、しかも手負いだ。
(さっさと殺して、戻ってきたチビも殺したら他の奴探さないとな……)
ナイフを逆手に持ち替え、斬りかかる。聖は慌てて身を捻ってかわすが、その動きについ今までのキレはない。
「ケガ、痛ぇんだろ。おとなしくしてろよ」
再びナイフを振るう。正面からの突きに聖が思わずのけぞると、バランスを崩して尻餅をついてしまった。
浩之が一歩ずつ近づいていく。聖は必死で後ずさるが、すぐに後ろの木にぶつかってしまった。
「じゃ……死ねよ」
高々と振りかぶった手の先で、ナイフが光る。
>>490を書いてからすぐにさらにきつい強制力を思いついたんだけど、
今書くのはちょっと時期尚早っぽいので保留します。
もうちょっと進んで、3回目の定時放送あたりで言わせたいと思ってるので。
あと
>>492かぶってスマソ
と、その時、聖が不意に口を開いた。
「お主、知っているか?」
「ああ? 命乞いなら聞かねーぜ」
「気づいていないのか? お前がそこに立つように仕向けたのを」
「何を――」
ドドドドドドドッ!
言いかけた浩之に、銀色の光が降り注いだ。
メス。
「赤い雨(ブラッディ・レイン)」
「て、テメェ……医者のクセして……マンガなんか読んでんじゃねー……」
「佳乃が昔貸してくれたのでな。一度やってみたかったのだよ」
「ゆ…ユメは見れたかよ……」
全身を降って来たメスに貫かれた浩之は、ゴブッと盛大に吐血し、倒れた。
聖は大きく溜め息をついて、血の流れている自らの左腕を押さえた。
「ケガの度合いから言って、先にこの男の治療をするのが妥当なんだろうな……つくづく医者の鑑だな、私は」
背中の方で、小さな足音が聞こえた。マナが戻ってきたようだ。
「さっそく手伝ってもらうことにするか……手先は器用な方なのかな」
聖は白衣のポケットに手を突っ込んだ。
あ〜、キリングマシーンがまた一体壊れたし。
今後の現場復帰きぼーん
うわあ割り込んじゃった。ごめんよ
>>518-520
「私、これからどうすれば…」
鬱蒼と茂る森の中、周囲よりもひときわ幹の太い木の根元で、長谷部彩(071)は一人
うずくまっていた。彼女の手には、鞄の中に入っていた武器、Gペンが握られていた。
(このGペンは普通の物と違いエッジがナイフのように鋭く研がれているのだが、この
時点では気づいていない)
もう何時間こうしているのだろう。早く動かないと誰かに見つかってしまう…
そう思い、そろりと立ち上がろうとしたとき、遠くから銃声が響いた。
「きゃっ…」
その場にへたり込んでしまう。
「早く動かなくちゃ…」
震える足を勇気づけて、ようやく立ち上がったその時、木の陰から何かの気配がした。
「きゃっ!」
咄嗟に、手にしたGペンを振りかざす。
ダークに逝きたい人と葉鍵らしくマターリ逝きたい人が居る以上
完全に折り合うのは無理だろ。
個人的には平和主義者なのでキリング機械は減らしていく方向で。
キルが足りないと思った方が随時補充していって下さい(笑
>>515 …茜再構築
がんばってくれ。
…夜に移行
そうしよう。
実は晴香パート、先に進めすぎていて
続きが書けないんで(藁)
他の話とペースをあわせないとマズイだろうし。
それと、やっぱ陵辱シナリオきぼーん。
じゃないと漏れが恥ずかしいんだよゴルァ
「あ、あの…」
「あ、気にしないで。あなたを見てると、何でだか知らないけど放っとけなくって」
「あ…」
彩は、崩れ落ちるようにその場にしゃがみ込みながら、すすり泣いていた。
「ありがとうございます…、ありが…、ひっく…」
「も、もう、何泣いてるのよ。気にしない気にしない」
「あ…、はい」
「ねえ、名前何ていうの? あ、私は江藤結花(009)」
「長谷部…彩です…」
「そう。じゃあ、彩ちゃん、でいいかな? 良かったら一緒に行動しない?」
「あ…、はい」
「うん、それじゃあ行きましょ!」
「あ…、待ってください。私のペンが…」
彩はおもむろに、地面をまさぐりだす。
「もう、そんなのどうでもいいじゃない」
「いえ…、私の大切なペンですから…」
先ほどの位置から2@`3mほど離れた位置に、ペンは転がっていた。
そのペンを拾い上げて、
「ごめんなさい…」
「うん、行こう!」
二人はゆっくりと歩き出した。
とりあえず、まだ出てきていないキャラ2人で書いてみた次第。
結花のキャラってこんな感じでいいのか?(うろ覚え)
ちなみに、書き出した(実)時間が22時頃なので、490の放送前の出来事になります。
今日はもう書かないので、あとはお任せします。(^^;
(明日夜までに動きがなければ、また書く鴨)
ちょっと確認。
聖のメスは自前ですか?
自前武器が有るか無いかでかなり違うんですが。(舞の剣とか)
スタッフロワではしぇんむーのトカレフとかあったんですが…。
聖のメスは体内の鉄分を凝固させて作っているのです
よって舞ならば異空間から剣を呼び出せるでしょう、きっと
どうしようか、、490さんがペースアップ策取り下げちゃったけど
今まで書いてた放送ネタ、あげてよいものでしょうか??
とはいっても 命令のきつさはあまり、変わったもんでも無いですが。
533 :
名無しさんだよもん:2001/05/20(日) 23:24
夜…蝉丸有利。
昼…御堂有利。
ヤヴァイ!俺の御堂様が死んでしまう!?
>>532 ペースアップ第二弾を取りやめただけで胃の小型爆弾は有効でしょ?
時間経過が早すぎるとわけわかめだよ。
キャラが多い分行動の描写がおっつかなくなるし…
どうしたらいいかな。
キャラの数減らせばオッケー
>>531 では、聖=メタリカということでファイナルアンサー?(w
個人的に両方派〜。
百人いれば、キレる奴だってけっこう出るだろ〜。
むしろそれ系キャラおとなしすぎ。
一般人が殺しに入る前にまず行くだろ強化兵w
>>532 うんそうだけど、、まだ参加者に言った事になってないからね。
>>536 そうそうあっさり殺しても顰蹙買うだろ。
いかにも「適当に減らしました」ってのもどうかと思う。
爆弾で土地一帯が吹き飛ばされたので20人無条件で死にました、とかは
マジで勘弁して欲しいのよ。一生懸命書くのがアホみたいで。
>>531 なんか昔、ボツ設定で『舞は自分の胸から剣を取り出している』というのを
聞いたことがあるんですが・・・ホントでしょうか?
序盤の勢いのあるうちにがんがん殺していかないとあとがつらくなると思うよ。
スタッフの時より人数多いし、スレ自体が寂れてくる可能性がある。
>>538 強化兵ばっかりに汚れ役押しつけんのやめて
>>540 同意
やっぱ「適当に死んだ」じゃドラマにならんわけだ。
スタッフ編があんなに萌えだったのは、やっぱ死にざまが
かっこ良かったんだろうし。
で結果的に多くの死にざまを見取ってきただーまえが
最高の萌えキャラになったわけだからな。
>>543 同意(泣 誰彼は不憫だ。
蝉丸や月代、高子はせめてこっちでくらいはまともな役にしてあげてくれ。
青紫に駄作にされ、キャラロワではただの雑魚なんて哀れすぎ。
100人も居るんだし、皆が皆ドラマチックに死んでいくのもちょっとどうかと思う
そんな意味も含めて、370みたいな展開は面白いと思ったんだけど。
とりあえず、小型爆弾の効果のほどがまだわからないので、
もうちょっと展開を待ってみたい
聖の所持品について補足。
ポケットの薬品などは高槻側のチェックを免れたものですが、メスは取られました。
が、霧島先生はポケットの中のみならず体内にも多くのメスを埋め込んでいますので、
現在使用しているものはそれです。ちなみにチタン合金製なので電磁石攻撃は効きません。
あと、浩之は生きてますので続ける方がいたら好きに書いて下さい。
説得するなり拷問するなりリョジョークするなり。聖×浩之ハァハァ(´Д`;)
ゆうべは小説一辺倒で感想ゼロ。
今夜は話し合い一辺倒で作品が少数傾向。
バランス悪いなー(苦笑)
思い入れがあるキャラ達を「簡単に殺すな」とか言う意見は非常によくわかるのだが
あんまり酷いと、スタッフ戦記の時の323ちゃんさまみたいなのが何人も出てくるぞ。
>>543 別に押し付けてないョ〜
でもらしいことやったのが岩切だけだし……。
御堂はほのぼのだしねぇ。
あ。光岡いない……。
「うっ……あっ……」
新城沙織(049)が、肩口を押さえながら呻く。
「る、瑠璃子ちゃん……どうしてっ……一緒に生き延びようってっ……」
くすくす笑う少女、月島瑠璃子(060)。
「私はね、ジョーカーなんだよ」
そう言いながら、肩口に刺しこんだハサミをぐりぐりかき回す。
「いぎぃ!」
「沙織ちゃんみたいに、すぐ他人と仲良くなろうとする人がいるからね。
監視者が必要でしょ。それが、私なの」
瑠璃子が、勢いよくハサミを引き抜く。沙織は肩を押さえながら転がり、悶えた。
「ううっ……そんなのないよ……そんなのぉ……」
「そうそう。このハサミはね、毒が塗ってあるんだよ。遅効性のやつだから、すぐには死なないけどね。
あと30分くらいかなぁ。でも、死にたくないよね。大丈夫だよ。
誰か一人殺してくれば、お薬をあげる。ちゃんと殺した証拠として、その人の持ってた武器を持ってくるんだよ」
「そ、そんなの無理……」
沙織が、すがるように呻く。
「ナメた事言ってちゃダメだよ」
瑠璃子が、そっと沙織の肩を足で地面に押しつけ、傷口に体重をかける。
「いぎああああああ! やめて! やめてぇ!」
「じゃあ、やってくれる!」
「やります! なんでもやるからぁ! やめてよぉ!」
瑠璃子はにこりと笑い、足をどけた。沙織の頭の側にハサミを落とし、告げる。
「沙織ちゃんの支給品、白いCDだよね。いい機会だから教えてあげるけど、
これは同じものを4枚集めて初めて意味があるんだって。ミサイルを止める事ができるそうだよ。
これは秘密なんだけど、どうせ沙織ちゃんはもう生き延びれないから意味ないよね。
じゃ、いってらっしゃい」
「ひく、ひっく……は、はい、いってきます……」
沙織は泣きながらハサミを握り、力無い足取りで歩き出した。
「どうせ、あの毒は一度侵されたら助からないんだけどね。私は中和してあげるだけ。
でも仕方ないよね。ゲームなんだから」
そう一人ごちて、瑠璃子はくすくす笑った。
>ゆうべは小説一辺倒で感想ゼロ。
>今夜は話し合い一辺倒で作品が少数傾向。
土日なんてこんなもんでしょう(w
>>551 今回は生き返り無しだからマシだろう。
あゆの奇跡とかを制限してるわけだし。
逆に、殺したくなくてみすみす逃がすケースが多すぎることで進行がたるいんだと思う。
>>545 これまでの流れを見る限りでは、蝉丸は結構良い役貰ってると思う
実現はしなかったけど、72みたいな考えの作者さんも居るし
つーか個人的には72の蝉丸が見たかった。
シイ原、鬼。萌え。
>>545 同意さんくす。
誰彼キャラだからって汚れ役にしたり、安易に殺さないでください。
せめて葉鍵板では、いい役をやらせてあげてください。お願いします、マジで。
>>550 頼む。そういうとこは勘弁してくれ。
書き手としては、読み手の要望も聞いておきたい。
SSが週末に大量発生するのはしかたないから
(週末しかゆっくり書く時間ないしな)
それ以外のときに要望を聞いておきたいっつうのもがあるんだ。
560 :
覚悟:2001/05/20(日) 23:41
闇。
深い闇。
高く高く聳え立った木々は空を覆い隠し、
今が昼間なのかどうかもわからない。
とにかく、ここは暗い。
―――まるで、この島に連れて来られた人達の心のよう・・・・・・
足を止め、天野美汐(005)は想い耽る。
なんで、こんな事になってしまったのか。
自分はこれから、どうすればいいのか。
そんな呟きも闇に吸い込まれ、答えが戻ってくることは無かった。
美汐は歩きつづける事にした。
足を止めたら、後ろから襲われそうで。
怖い。
怖い怖い怖い怖い。
だから、止まらなかった。止まれなかった。
「真琴・・・相沢さん・・・・・・」
口を突いて出るのは、懐かしい人達の名前。
だけど、その名を口にしたのは間違いだったかもしれない。
涙が溢れ出て、止まらない。
視界がぼやける。
いけない、こんな時に誰か現れたら・・・・・・
袖口で目を擦る。
それでも、涙は止まらない。
遂に美汐は、力無く地面にへたり込んでしまった。
561 :
覚悟:2001/05/20(日) 23:41
恐怖。
孤独。
それから逃げるためなら・・・・・・
(死んだって・・・・・・いいのかも)
目を閉じる。
物音。
(これで・・・楽になれる)
安堵。
「・・・・・・ぴこ?」
(・・・・・・?)
だが、聞こえてきたのは変な声。
薄く、目を開ける。
白い・・・毛玉のような犬?が、美汐を見上げていた。
「・・・どうしたの?何処から来たの?」
笑みを浮かべ、美汐は優しく語り掛ける。
「ぴこぴこ☆」
如何な美汐と言えども、分かるわけも無かった。
美汐はこの妙な犬の頭を撫でる。
犬は気持ちよさそうに、目を細めた。
しかし、そこで美汐の思考は中断される。
物音。
今度は大きい・・・恐らくは、人。
「・・・お逃げ」
美汐は犬から手を放し、逃がそうとする。
死ぬのは自分だけで、十分。
何も、何の罪も無いこの犬を巻き込むわけにはいかない。
「・・・ぴこ?」
だが、犬はその場を動こうとしない。
「・・・お逃げったら」
必死で逃がそうとする美汐だったが、犬は一向に動こうとしない。
そうこうしているうちに、茂みの奥から一人の人物が姿を現した。
「…どうしたんですか?」
優しい笑みを称えたその少年は、長瀬祐介(064)だった。
562 :
覚悟:2001/05/20(日) 23:41
聞けば、何でもこの犬(ぴこ、と名づけたらしい)は飼い主と逸れたらしく、
犬は飼い主を探すため、そして長瀬さんは知り合いを探すためにこの犬の鼻を利用しているつもり・・・らしい。
「それで、天野さんも知り合いを探している、と」
「・・・はい」
それを聞き、祐介は笑顔で言った。
「それなら、僕たちと一緒に行こう。一人より二人、二人より三人の方が安全な筈だ」
三人?と美汐が聞くと、祐介はぴこを指差した。どうやら数に入っているらしい。
「・・・・・・でも」
美汐が重く口を開く。
「ん?」
「貴方も・・・・・・殺すんでしょう?」
美汐のその質問に、祐介の動きが止まる。
暫く思案するが、やがて語り出した。
「・・・そうだね。僕はそんなにお人好しじゃない。生きる為には、殺さなきゃならない。
だから僕は、殺さなきゃいけないと思ったときには迷わず、殺すよ。苦しませずに」
淡々と、途切れ途切れながらも祐介は語る。
「それに・・・殺しつづけていけば、奴らに眼をつけてもらえば、もしかしたら叔父さんに会えるかもしれない。
・・・どうやら、このゲームには、僕の叔父さん達が絡んでるみたいなんだ。
叔父さん達に会えれば、もしかしたら説得出来るかもしれない。
もし出来なくても、叔父さん達に近づけるなら、それは絶好のチャンスになる。
・・・殺さなければ、この島じゃ道は開けない。・・・だから僕は、殺すよ。」
美汐は、祐介の覚悟に返す言葉を持たなかった。
どう答えれば良いのかも分からなかった。なので、
「・・・なら、どうしてわたしを殺さないのですか?」
こんな言葉ぐらいしか、出てこなかった。
563 :
覚悟:2001/05/20(日) 23:41
祐介はう〜ん、と困った様に頭をぼりぼりと掻いて答える。
「・・・そう、だね。君が・・・僕の知っている女の子にちょっとだけ似ていたから・・・かな?
無口で、ちょっと不思議な雰囲気で・・・・・・」
そこまで言って、祐介は顔を真っ赤に染める。
「・・・ふふっ」
思わず、美汐の口からも笑いがこぼれる。
それは、この島に来てから、初めての笑み。
「・・・あ〜、笑わないでよ、恥ずかしいな」
そっぽを向いて祐介が言った。
「好きなんですね、その人のこと」
「・・・・・・」
残念だが、祐介にはそれを否定できなかった。
「・・・分かりました。なら、わたしも覚悟を・・・決めることにします」
そう言うと美汐は、バッグの中の配給品をごそごそと漁る。
中から出てきたのは、デリンジャー。
「長瀬さん、貴方に協力させてもらいます」
祐介は真剣な目で美汐を見つめる。
「・・・辛いよ?・・・いいのかい?」
美汐もまた、祐介を見つめ、言った。
「殺せば・・・道が開けるのでしょう?なら、手を汚すのは私達だけでいいでしょう」
決意の篭ったその眼差しに、祐介もそれを了解するしかなかった。
「・・・それじゃ行こうか」
よっ、と祐介がその場を立つ。
ぴこがその後に続く。
一呼吸置いて、
「・・・はい」
美汐も続いた。
(真琴や相沢さんが助かるのなら・・・私が汚れ役になっても・・・構わない)
強い決意を込め、美汐は一歩を踏み出した。
>>557 萌えるな(w
や、でも巧いなーとは思う。頑張って。
>>553 「やってくれる!」は、「やってくれる?」のタイプミスです。
瑠璃子さんがエクスクラーメーションマーク使っちゃいけねえ。
>>553 シイ原、うまいなぁ。この展開。
個人的には、瑠璃子さんのセリフに感情がありすぎるのが難だが、
こういったアイデアは浮かばないもんな。
自らは手を汚さない悪役キャラか。いいなーこれ。
「嘘…だろ?」
祐一は、呆然と、つぶやく。
香里と栞が…死んだ。死ん…だ!?
せめて、もうしばらく一緒にいてやるべきだっかのか。
自分が居れば助けることができたかもしれないのに。…俺は…。
どれらいぼぅっとしていたのか。
突然、赤い光が目を焼いた。
夕日だ。だいぶ傾いてきている。もうすぐ夜になってしまうだろう。
赤い雲。赤い空。流れる夕焼け。
今の祐一にとってそれは、このゲームの象徴のように写った。
――あの時、白い雪を染めた鮮血よりも、禍々しい。
「…え?」
何だ、今のは?
思い出そうとするが、うまく思いだせない。だが、とても…
哀しいことだったような気がする。もう、二度と味わいたくないような…。
そうだ、自失している時間はない。
あゆ。名雪。真琴。美汐。舞。佐祐理。――茜。
もう誰も死なせるわけにはいかない。
どこだ? どこにいる? 焦りが心を支配していた。
エアーウォーターガンを構えなおし、祐一は目的地もわからないまま走り出した。
今見たら、文の一部が飛んでました(泣)。
つきましては、524と528の間に下の文章を挟んで下さい。
----------
カチン!
彼女の唯一の武器は、呆気なく弾き飛ばされた。
「ごめんなさい…、ごめんなさい…」
かすれるような声で彩がつぶやく。
「ごめんなさい…、ごめんなさい………」
森の中を、一瞬静寂が支配する。
彩が伏せていた顔を起こすと、そこには出刃包丁を持った少女が立ちはだかっていた。
----------
ところで現在は夜?
570 :
名無しさんだよもん:2001/05/20(日) 23:52
あう、
× だっかのか
○ だったのか
です。ちょっと焦ってしまいました。初めてなもんで…。
夜が近いということなので、その前にこんな描写を入れてみました。
>>560-563
そうか、MOON.組だけじゃないんだよな。組織側の関係者は。
…つまり、彰にも、大舞台で男になれるチャンスがあるわけだ。
書き手さん、ガンバレー
よるー、よるだよー
武器を抱えて殺しあいに行くよー
油断した。こんなところで撃たれるとは。
幸い、肩の傷はそれほど致命傷にはなっていないようだった。
口ではあんなことを言いつつ、あの男の人は、自分が甘いということに気付いていないようだった。
氷上を助けたいなら、何も言わず私を撃てばよかったのに。
(少し、疲れました)
水を取り出そうと、鞄の中を探る。
――ナイフ……
最初に人を殺したときを思い出す。
上月、澪。
言葉が喋れないハンデを負いつつも、無邪気な笑顔を絶やさなかった。
こんなに冷たい自分にとって、本当に愛すべき後輩だった。
「澪……」
自分を見つけて、あの子は安心していた。
私に泣きついてきた。
だからこそ、私は――殺した。
生き残るには二つの方法があると思った。
言うまでもなく、参加者の皆殺し。
そしてもう一つ、主催者の裏をかく、脱出。
どう考えても、皆殺しのほうが現実的だ。
仲間を集めて、共通の敵を倒す?
綺麗事だ、裏切られたらどうする?
敵を追い詰めて、ヤケになって何らかの手段で私達を皆殺しにするかも。
いや、その手段を敵は持っていたのだ、さっきの放送で。
絶対に生きて帰る。その為には、確実性の高い方を、選ぶ。
皆殺し――こんな言葉が自分の人生に深くかかわるなんて、思いもしなかった。
あそこで澪を殺さなかったら、その後誰も、私は殺せなかっただろう。
だから、選んだ。
たとえそれが、『人間』として最低な行動であってもだ。
「涙もない……我ながら大したものです」
自分の中の譲れないもののために、人を捨てる。
いいことじゃないか?
氷上の言葉を思い出す。
あなた達は馬鹿だ……馬鹿だって?
誰かはわからないが、彼等は彼等で最後まで懸命に生きたはずだ。
彼はそれがわからなかったのか。
気がついたら撃っていた。
自分の行動が全否定されているようで。
あの人のことを諦めず、雨が降るたびに空き地へ足を向ける。
形は違えど、自分の思いに懸命だという点では同じだ。
その――あの人への思いを否定されたようで。
名前も覚えていない姉妹を思い出す。
姉の為に、自らの死も厭わなかった妹。
本当に姉の為になっているのか。
それは誰にもわからないけど、あの子の中では確かだった。
それはそれでいいと思う。
残された者はつらいけど。
あの子もまた、自分の想いに精一杯だった。
姉。
向かってきたから、刺した。
どうして妹が死ななければいけないのか? と言っていた気がする。
それを言い出したら、人間皆、どうして死ななければいけない?
それにあの人は、自業自得だったと思う。
危険を承知で離れ、その結果が出てしまった。
殺したのは私でも、選んだのは自分だ。
それをわかっていなかったような態度が、嫌いだった。
でも、今にして思う。
(手、繋がせてあげればよかった……)
それは感傷だ。
そんなことはわかっている。
自分の想いに忠実に生きている人がいる。
それがもし自分の道と衝突したら、全力で排除しなければいけない。
私を撃った男は、だからこそ私を撃てると言った。
同じだ、だからこそ、私も戦う。
譲れない、絶対に。
あの人のことを想いながら過ごす、終わりのない日々に帰るために。
ずっとずっと、あの人を待つ為に。
詩子……。
こんな私を見たら、絶対悲しむ。
だから、詩子にだけは会いたくない。
詩子に会ったら、私はどうすればいいのかわからない。
それに――
「祐一……」
彼に会ったら、私はどうすればいいんだろう。
詩子と祐一と私で過ごした一年間。
それは、詩子とあの人とで過ごした時間に似ていた。
祐一が転校しなかったら、私は――
浮かんだ考えを否定する。
「……矛盾だらけですね、私」
頬のあたりに、何か走った。
「……涙?」
そして茜は、あの人を失っていらい始めて。
声を上げて、泣いた。
「とにかく……私は生き残ります。
絶対に、あの雨の空き地へ」
空を見上げる。
自分と同じ名前の色を持つ空に、そう誓った。
風が吹いてきた。
風は、風の向かう場所へ。
私は、私の向かう場所へ。
美凪の前を歩いていたはるかが、唐突に足を止めた。
「遠野さん、そっちの刀、貸してくれる?」
「……はい、どうぞ」
ずしりと重い刀を受け取り、さらに自分の刀をもう一方の手で構える。
「よっと」
刀を振り、鞘を適当に落とす。
「……どうしたのですか? 一体」
「ん。何か、良くない事が起きる気がするの」
そう言って、前方の闇を不透明な瞳で見据える。
「遠野さん、退がってた方がいいかも」
「……はい。お気をつけて」
「ん」
少し目を細めて笑い、はるかは向き直った。
果たして、確かに危険はやってきた。
自分の中の茜イメージ、こんな感じで。
後半の独白を、澪殺した段階で書いておけばよかったですね。
反省。
>>575-577
見事に茜が確立しましたねぇ。
お見事です。
582 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 00:11
葉鍵ロワ夜…
休眠するか、行動するか…はたまた眠らずに警戒しているか…
なんか、展開が楽しみ。
>>575-577
いいねえ。
あのままバーサクに走らなくてヨカタヨ
文中に変換ミスが……鬱。
何度かチェックしたのに、何故気付かなかったんだろ。
鍵キャラは初期でどばーっと出ちゃったから、
壊れキャラへ180度方向転換させるのがむつかしいんだろうなと思う。
知らない作品使えないから、まじアンや誰彼が未登場なんだろな。
「人だ……」
沙織は、ハサミを強く握りしめながら呻いた。
「殺さなきゃ死ぬ……殺さなきゃ死ぬ……」
何度も自分に言い聞かせる。人を殺す恐怖よりも、自分が死ぬかもしれない恐怖の方が勝っていた。
暗くて良く見えないが、相手は何か剣のような武器を二本持っているようだ。だが、もう他の人間を捜す時間は無い。
躊躇は死に繋がる。沙織は、一気に走り込んだ。
「やあああああっ!」
刀を構えた相手に、一気にハサミを突き出す。
「うわわ」
相手は、緊張感の無い声をあげながら、刀の根本でそれを弾いた。
一呼吸後に迫ってきた刀を何とかかわしながら、何とか体勢を整える。
「行くよ」
やる気のない声と共に、白刃が閃く。沙織は持ち前の運動神経でそれをかわしながら、
身体を思い切り低くして水面蹴りを放った。
「あっ!」
初めて相手が大声を出した。転ばす事は出来なかったが、確かに大きく体勢が崩れた。
「死んで! お願い!」
目をつむりながら、沙織はハサミを相手に突き刺した。
「うっ」
くぐもった悲鳴。しかし同時に、自分の肩にも灼けるような痛みを感じた。
「……つっ!」
相手が手放した刀が、自分の肩にぶつかったらしい。深くは無いが、鋭利な痛みだった。
沙織は素早く刀を奪い、飛び退いた。相手が倒れた事を確認し、反転した。
「やった、これで助かる……」
暗い喜びを感じながら、沙織は言葉とは逆に泣いていた。
人を、殺した。自分が、助かる。
涙の理由は、考えるまでも無かった。
どうせなら、時間を決めてその時までに出てないキャラは自動処刑、ってのは?
浩之の怪我が気になる・・・
浩之の場合は変にいい奴になられたら萎えだな・・・
復活きぼん。
「指すま、3」
「指すま、2、あ、抜けっ!」
「指すま、1、ああ、もう、あげてよ折原」
「うるさい、指すま、0! よし、オレも抜け〜! 七瀬見張りな」
「……くそう」
まったく、本気で暢気だなあと思いながら、七瀬は見張りに立つことになった。
指すまなんかで見張り決めていいものか? というツッコミをいれたくなったが、
「七瀬は漢らしい奴だと思っていたのに」と、折原に落胆されるのが非常に腹立たしかった。
「って、あたしは乙女よ! 漢なんて比喩はあまりに似合わないわ!」
――いけない。横で眠っている二人が目を覚ましてしまうかもしれない。
こんな真夜中だ。折原はともかく、瑞佳は体力を使い果たしているはずだ。
あたし? あたしは無敵よ、徹夜なんて屁でもないわ。なめないでよ、あたし七瀬よ?
誰に云ってるんだろう。七瀬は哀しくなった。
一応、と云う事で、七瀬は銃を持たされていた。思ったより重い。
引き金を引けば、ぱんって音が鳴るのかしら。映画みたいに。
大好きなハード・ボイルド・アクション、見たいなあ……
……って、あたしは乙女よ! ローマの休日で感動してもレイモンド・チャンドラーの小説で感動しちゃ……
いや、大好きよ、大好きなんだけど、フィリップ・マーロウ。
読みたいなあ、長いお別れ。もう一回でも……。
……また独り言である。一人で過ごす夜とは果てしなく長い。
――もし、この果てしなく暗い銃口を、この馬鹿面して眠ってる二人に向けたら――
ふとそんな事を考えて、七瀬はぞっとした。
けれど、――いつかは、この二人も殺さなければならないのかも知れない。
今は一緒に行動しているけど、いつかは。
くすり、と七瀬は笑った。
殺せるわけがないわ。こいつらみたいな良い奴ら殺したら、寝覚めが悪いもの。
――つーか、普通は一人が寝て二人で見張りするものじゃない? と七瀬が不満げに呟くと、
「そりゃあそうさ。いくら七瀬が漢でも、一人で見張りはさせられない」
と、浩平は片目を開けて笑った。
「お、起きてたのっ?」
七瀬が焦って云うと、浩平は笑いながら、
「当たり前だろ、なめないでよ、あたし折原よ?」
などと抜かしやがった。
――聞いてやがったのか、このアホっ。
「まあいいか……折原、お話しよっ」
「……おぅ」
――こうして、夜は淡々と過ぎていった。
591 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 00:26
>>401-402
うわーい! 閂陣内ペアの人が来ましたよっ!
楽しみにしてます、頑張ってくださいっ!
……たくさん書いたけど、あんまり死なないな、オレのパート(w
藍原さんだけ……? うわあ。
593 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 00:28
>>589-590
(・∀・)イイ!
現実的でなおかつほのぼのしてて!
594 :
ビバ!眼鏡っ子(1/2):2001/05/21(月) 00:30
気がつくとリアンは堅い木の床の上に寝かせられていた
どうやらどこか民家の納屋の中らしい、自分の下にはビニールシートが引かれていた。
「ここは?」
「あら、気がついたんですね。」
リアンが声のするほうに振り向くとそこにいたのは眼鏡をかけた女性だった、
女性はこんな状況にふさわしくないのほほんとした感じで納屋の中を物色していた。
ほんわかしているがどこか芯の強そうな顔、その顔にちょっとずれた眼鏡が似合っている。
「路地裏なんかで寝ていては風邪を引きますよ」
「運んでくださったんですか、ありがとうございます。」
そうだ、自分は結界の防御装置にやられて動けなくなっていたのだ、
放送を聞いていたはずだが内容も所々しか思い出せない。
「よっぽど眠かったんですか?そういえば私もこの前…」
「あの、よっぽどねむかったとしても路地裏で寝る人はいませんよ(汗)」
595 :
202ビバ!眼鏡っ子(2/2):2001/05/21(月) 00:30
二人は互いに自己紹介をした、こののんきな女性の名前は牧村南といった、
自分は結界を壊すために社へ行かなければならないという事を告げると彼女は協力すると
言ってくれた、それはありがたかったのだが協力する理由を聞いたときに
「眼鏡っ子に悪い人はいません」といわれたときにはちょっと目眩がした。
彼女が自分を助けてくれた理由も自分が眼鏡をかけていたから?
リアンはその事についてあまり深く考えない事にした。
「リアンちゃん、協力しましょう、握手。」
「あ、はい、こちらこそよろしくお願いします、あれ?この傷は?」
南の手のひらには一本の切傷があった
「これはですね、さっき武器の練習をしていたときに自分でやっちゃったんです
ちょっとしびれましたが今は大丈夫ですよ」
と、彼女は自分の武器だと言う手裏剣とビンに入った液体を見せてくれた。
「!!これって!」
ビンの中身は猛毒だった、手裏剣に塗ってあるものと同じで血液から全身に回るタイプのものだ
痺れるなんていうものじゃない、少量が体内に入っただけで即死もありえるほどの強力なものなのに
「牧村さん、本当に大丈夫なんですか?」
「南でいいですよ。私は昔から結構体は丈夫でしたから。」
「ええっと…これは本当に強力な毒なんですよ。」
「さあ、そういうことはよくわからないですから。」
「…(汗)」
わからないというだけでどうこうできるものじゃないと言いかけたがやめた、多分無駄だろう
とにかく協力者が出来たのは心強かった、なにせ自分の武器は
「リアンちゃんの支給品も面白いわね。これなんか限定非売品のレアカードなのよ。」
武器ではなかった、支給されたのは
桜井あさひトレーディングカード(全108種、バインダー付き)だったのだから。
第一回目の定時放送を聞いた後、太田香奈子(010)は幽鬼のごとく彷徨していた。
枝葉で切ったのか顔や手足に無数の擦過傷が出来ていたが、香奈子は何の痛みも感じていなかった。
ただ、からっぽだった。
瑞穂が死んだ。あんなおとなしい子が。
誰に殺されたかも分からない。
誰を恨めばいいのか分からない。
こんなくだらないゲームの主催を憎もうにも、自分は何にも出来やしない女子高生だ。
月島さんに会えることも……もう、期待していない。
あの人はきっと妹の瑠璃子さんだけを護ろうとすると思う。
だから太田香奈子は、邪魔だ。
「もう…終わりにしちゃおっかな…」
無力感に全身を支配されながら、香奈子は独り呟く。
支給された道具は赤旗だった。馬鹿馬鹿しい冗談。
銃や毒が当たればすぐにでもゲームを降りられたのに。
こんなものじゃ瑞穂のところへ逝くことも出来ない。
かと言って、殺してもらいに突っ込んでいくほど狂えもしない。
皆が皆銃やナイフを巧く使えるもんか。都合良く急所に当たるはずがない。
つまりは苦痛が長引くと言うことだ。
首を吊ろうが舌を噛もうが枝で胸を突こうが、上手くできる自信はない。
そんなのはごめんだった。
だって…紙で指を切っただけで、あんなにも痛い。
死にたいのに、死ねない。
どうしようもない矛盾を抱えたまま、香奈子は海の方へ歩いていった。
崖から飛び降りれば、死ねるかも知れないから。
ひとりで行動するキャラが居てもいいかなあ、と。
香奈子ちゃんごめん。
美凪が物陰から出てきた時、すでにはるかは胸を押さえて倒れていた。
「河島さん……」
「失敗、しちゃったみたい」
溢れ出す血を手ですくいながら、はるかがにっこり笑った。
「運動神経、自信あったんだけどな」
口の端から零れる血を舌で舐めながら、言う。
「すみません、河島さん……私は、自分だけ……」
「気にすることないよ」
はるかは、温度を失い始めた手で美凪の手をとった。
「私はもうダメみたいだけど、頑張ってね」
「何か……何か、できる事は無いんでしょうか」
「ん」
はるかが、自分の胸元をはだけた。
「傷口、けっこう痛いんだ。舐めてくれたら、痛くなくなるかも」
瞳が、だんだんと透明な黒へと変わっていく。
美凪は、無言で頷いて、はるかの胸元に舌をつけた。そっと、なぜるように舐める。
「ん」
はるかが、静かに目を閉じた。その表情は、眠る赤子のように穏やかだった。
「……痛くなくなってきたよ」
美凪の手を握っていたはるかの手が、力無くほどけ、地に落ちる。
「河島、さん?」
美凪は、そっと手を握り直しながら声をかけた。
だが、その穏やかな寝顔が崩れる事は、もう、無かった。
(026) 河島はるか 死亡
残り 81人
599 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 00:41
>>595 あのー、結局のところ南さんは大丈夫なんでしょうか?
>>490より
2回目の放送が終わって少しの頃
島の沖700メートル付近、潜水艦「ELPOD」の司令室に高槻はいた。
乗っている人間は高槻一人のみ、操舵する乗員にはHM―13が配備されている。
今の所は結束している奴らが多いようだがまあいい、
あの爆弾でいつでも殺すことは出来るからな、とはいっても
いきなり自分に向かってきて爆殺したのでは芸が無い。
確かにあの島に俺はいる、もっとも俺自身のクローンが5人だがな
ミサイルは俺自身の心停止か脳死もしくは
この艦の沈没とともに発射される手筈になってる。
一部の奴らは、最初の放送をハッタリと思っているようだから
そいつらがクローンの所に来た時には、俺が言ったことを嘘だったことに
してやるか。
そして、それが伝聞した後、一網打尽だ。
まあ、さっきの放送を機に殺しあってくれれば何も苦労はしないがな。。
と呟く間に潜水艦は、再び海底へと潜行していった
その頃、海岸線を歩いていた来栖川姉妹(036、037)は
くいっ
「なに、姉さん?」
「…(沖合いに、何かいる)…」
「はあっ、なにも見えないわよ、イルカでも泳いでいたんじゃないの?
もたもたしていないで行きましょう」
既に放送ネタがダブった中、また放送を入れるのはなんなので
放送の部分を削り、
>>490に続くように書き直してみました。
なお、長瀬達は高槻クローンの存在を知らず、高槻本人と接している
ものと見ています。
602 :
荒門:2001/05/21(月) 00:42
079番、牧部なつみは途方に暮れていた。
一回目の放送で告げられた事実。
「……店長さん…」
そう、宮田健太郎は死んだ。
このとてつもなく不条理な島で。
もう五月雨堂に、あの笑顔が戻る事は無い。
いっしょに浜辺で語らう事も無い。
思い出になったことをまた現実の今として感じることはもう、できない。
これで、二度目。
居場所が無くなったのは。
なんで?
わからない。
こんなのはわからない。
いつもみたいに学校帰りに商店街に立ち寄って、おしゃべりする。
五月雨堂に行くと元気が出て。
それはきっとマナだけじゃなくて店長さんのおかげ。
――――それも、もう、終わった。
603 :
荒門:2001/05/21(月) 00:43
「……絶対に…許さない…」
あの高槻っていう厭な感じの人を。
あの人がいなければ、少なくとも魔法が使えるのなら。
私はきっと死んだっていいから店長さんを生き返らせてた。
でも、そんな高等な魔法、今はつかえない。
それに、店長さんを殺した、私の居場所を奪った人も。
他の人も、ぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶ…
もう、こんな世界、いたってしょうがない。
場所が無いのに、暮らせるわけが無い。
だったら、いなくなろう。
ここから。
だけどすぐにはいなくならない。
みんな、殺してから。
スフィー達はどうしよう。
殺したくはないけど、よく考えられない。
殺したくはないけど、それ以上に殺したい。
本当、よく考えられない。
よく考えられなくて、よくわからないけど、ひとつだけ、わかること。
「…私の居場所を…店長さんを奪った人たちを……私は絶対に許さない…!」
604 :
荒門:2001/05/21(月) 00:44
そしてなつみは今まで一度もあけていなかったバッグをあける。
その中にあったどうやら武器らしいもの。
普通の者ならば、どっちかというと『はずれ』の部類に入るそれは、
ひどく錆び付き、まるで使い物にならなそうな、全長30cmほどの短刀だった。
それを見てなつみは、きゅうっと唇の端を吊り上げる。
「もし使い方のわからないモノだったりしたらどうしよう、とか思ってたけど。」
なつみは健太郎の過ごした日々の、何気ない言葉を思い出す。
「古い物には『魔』が宿る…」
事実、相当量の魔力がなつみに宿っていくのが、なつみ自身よくわかっていた。
これなら、あのときの夢とまではいかなくても、それの簡易版。
ある程度の自分の支配空間を作れる。
罠を。
罠を張るんだ。
ただひたすらに耐えて獲物が引っかかるのを。
魔力が尽きるまで。
生命が尽きるまで。
「私のココロ…一人でも多く、店長さんを殺した人を殺そうね。 ココロも…協力してくれるよね」
>>601 あー、ごめん。はるか死んでなくて(沙織、確認してないと思った)
るりるりサドっぷり全開話ー、とか書いてた。
葉っぱばっか壊れるな。鍵っ子ばっか。
608 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 00:48
また葉キャラー
汚れ役はみんな葉キャラー
鬱だー
氏のうー
609 :
荒門:2001/05/21(月) 00:49
リーフキャラではとても好きななつみちゃんを殺る気にさせました。
でも書いてて気になったけど、まじ☆アン知らないとわからない
部分がちらほら。
取りあえず『マナ』っていうのはドクター霧島といる脛蹴り娘では
なく、用はMPす。
あと『ココロ』のほうは、なつみの魔力が暴走した結果の、
もうひとつのなつみの人格みたいなもんです。
以上、ちょっとした補足。
金色の髪をした女と判れた後、私は木の実をとってそれをたらふく食べた。そして、その後少し眠った。
起きると、辺りはもう暗くなっていた。
夜はできるだけ動かないほうがいい。
そう思った。
だけど、何故か私は歩かずにいられなくなってきた。
私はすっと立ち上がり、暗闇の中を歩き出す。
一歩、一歩、歩くごとに、心臓がドクン、ドクンと高鳴った。
近づいてる――。
何に近づいているかは判らない、だけど、何故かそう思えた。
どんどん近くなっていってる――。
ドクン、と大きく心臓が又、高鳴る。
ドクン、ドクン、ドクン。
帰ろう、そう思ったけど、何故か体がいうことをきかなくなっていた。
また一歩、また一歩と脚は前に踏み出す。
――帰りたい。
その気持ちとは裏腹に、私の足はまた一歩、と前に進んだ。
目に映ったのは、相澤祐一の姿。
ドクン――。
心臓が大きく高鳴った。
その瞬間、ぐらり、と世界が揺れたような気がした。
意識が遠のいていく。
気が付いた時、私は祐一に向かってパチンコを発射していたあとだった。
葉っ派にとっては胃に穴があきそうな展開にもうウンザリ状態らしいです。
後半は鍵キャラだけ助かって「良かったねー」で終了という陳腐なオチもありえますよ(ワラ
鍵キャラは白痴ばかりだから、どう壊せばいいものかわからん。
まともなキャラは大抵死ぬか壊れてるかだし。
1.葉キャラばっかり壊れてる→萎え
2.葉キャラ壊れる=鍵キャラ皆殺し
鍵キャラでもトリガーが引かれれば壊せるキャラ結構いるんだけどね
とりあえず葉っぱのキリングマッシーンの方々がんばって殺してください
>>611 鍵っ子書き手の一人だけどな……
そんなことには絶対にさせないよ。
葉キャラの壊れっぷりがかっこいいと思う今この時。
ていうか葉キャラのが絶対数が多いんだよな。作品数で。
葉ってスタッフにしろ、キャラにしろ、壊れゆくな。
崩壊がよく似合う。
619 :
595:2001/05/21(月) 00:55
>>599 個人的には南さんの過去の話を絡めて(自己設定を作って)
結界に近づきそうな人間を抹殺する主催者側の人間にしようと思ってたけど
(だから毒物の耐性があるのも手裏剣がうまいのも組織の特訓の成果)
ちょっと考えてます、たんなるギャグ担当おおぼけお姉さんも捨て難いし。
とりあえず南さんは大丈夫です。
葉キャラは
壊される、
殺される、
ムダ死にするわでもうタイヘン!書き手の愛がこもってますな(藁
葉好きの皆さん、ご愁傷様。
葉:鍵=61:39
必然的に葉のほうが壊れキャラ増えると思う。
でもね。
壊れキャラでも、救いの道はあるんだよ。
それは書き手次第。
鍵びいきが激しいのは同意。
結局スタッフロワもおいしいとこかっさらってったのは麻枝だし。
信者uzeeeeeeeeeee!!!!!!!!!(w
鍵の主要キャラまだまだ残ってるんだから信者うぜぇって言うなら自分で動かしていきなよ。
>>622 個人的には下川が好きだった。
関係ないのでやめ。
葉キャラの方が恵まれてない?
出番も見せ場も多いのはこっちだろー。
夜の帳が落ちる頃。
月宮あゆ(061)は、草むらの中で震えていた。
「うぐぅ…暗いよう怖いよう…」
暗いところが何より苦手なあゆにとって、この緊迫した状況の中、屋外で夜を過ごさなければならないこと、それ自体が拷問そのものだった。
「ううっ…うぐっ…」
彼女に出来るのは、こうして夜が明けるのをただじっと待つこと、それだけだった。
こんなときに、
「にゃ〜」
「うぐぅぅっ!!?」
突然、目の前から猫の顔が現れたのだからたまらない。
あゆはその場で腰を抜かしてへたり込んでしまった。
「うぐっ…うぐあぅぅあぐあぐあうああぐぅぁあぁぁあ…」
「おい、どうしたんだよ…まったくよ…って」
急に駆けだしたぴろを追ってきた御堂の目に飛び込んできたのは、顔は涙と鼻水にまみれ、うぐぅうぐぅと訳の分からない声をあげ続ける少女の姿だった。
「あぐうあぁ…たすたすたすけたすけたすけうぐあぐうあうあぅ…」
完全に怯えきっている。
殺すのは簡単だったが、いくら御堂でもここまで無抵抗に怯えきった子供をあっさりと殺すのはためらわれた。
「ったく…ちょっと落ち着けよ」
>>626 何を言っているんだ君は。
出番も見せ場も多い?そうだね、その通りだね。死ぬけどな!!!!
見せ場?夕霧の見せ場はあったのかな?ねえ?あったのか?!!!
逝けよテメー
「怖がりにもほどがねえか、お前」
「うぐぅ…だってだって暗かったし怖かったしびっくりしたんだもん…」
「はぁ…じゃあ俺は行くぞ。じゃあな」
御堂が立ち去ろうとしたとき、服の裾が引っ張られた。
「何だ、まだなにか用か?」
あゆはぶるぶると首を振る。
「…離せ」
ぶるぶる。
「離せっての」
ぶるぶるぶる。
困った。こんなガキを連れていったら、間違いなく足手まといになるが、離してくれそうにない。
無理矢理引き剥がしても、この調子だと強引に後を付けてきそうだ。
「…いい。好きにしろ」
そういって、御堂(とぴろ)は歩き出した。あゆは御堂の背中にピッタリ付いてくる。
「はぁ…強化兵がガキのおもりかよ。情けなさすぎるぜ…」
>>627 いや、助かるよ。ありがとう。
このスレ回転速いから、把握するの大変なんで。
ネタ考えてる間にどんどんキャラが動いてるもんな。
もう、何度か構想の切り替えを迫られたよ(藁)
御堂萌え。
いや、マジで。
御堂イイ(w
やる気になろうにもなれない御堂萌え。(ワラ
元ネタ(ゲーム)じゃ完全な悪役だったのに・・・
何が彼をこう変えたのだろうか(藁
御堂萌えなのは言うまでも無いが、あゆの狼狽ぶりにワラタ
「うぐっ…うぐあぅぅあぐあぐあうああぐぅぁあぁぁあ…」だもんな、ツボに入った。
夕霧スキー、気持ちは分かるがうざい。
出番無くて速攻死んで鬱なのは他キャラファンも一緒だよ。瑞希とか志保とかな。
不人気キャラは殺されやすいと実感したよ。
だけど何でもいいから難癖つけたいですってのがありありな態度は見苦しいと思う。
>>629 君も落ち着けい。
絶対数が多いぶん、葉の方が死に方や行動のレパートリーが多くなるのはしゃあないだろ。
夕霧は確かに哀れだが、ああいう不条理な死や呆気ない死もアリなんじゃなかろーか。
煽りじゃない事をそっと祈りつつ、マジレスだ。
640 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 01:09
ピッコロさん御堂萌え。
オレも御堂萌え(w
642 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 01:09
御堂…あゆを犯さないの?犯せないの?(w
御堂大人気!
>>643 一応不可視の力使いだったのにな……
しかし過ぎたことを叩いても「じゃあ復活ね!」とも出来まいし
今後に期待しようや
誰彼知らないけど御堂に惚れたさ。
故人は悔やんでも戻ってきません。
これから逝く人のことを考えましょう。
648 :
629:2001/05/21(月) 01:14
>>639 スマソ、少し熱くなりすぎた…
だが、いかなるキャラであろうとあれほど悲惨な扱いを受けるのはどうかと思う…
>>637さん、あんたのイチオシキャラがああいう扱い受けたらどうです?嫌でしょう?
今後こういう事が無い事を願います。
信者こわい
ま! 人生の終わりってのはたいてーの場合あっけない幕切れよのォー
さよならの一言もなく死んでいくのが普通なんだろうねー
ヒヒ・・・悟ったよーなことをゆーよーだがよォ〜〜〜〜
2度目の放送。
それの真偽はどうであれ、一人と一匹は動じなかった。
「関係ねぇよ……目標に出会いさえすればいつだって仕留められるしよ。」
仕損じたとき=自らの死を意味する。
「ニャウ」
「当たり前だこの野郎、この御堂様が三下相手にくたばるはずはねぇだろ?」
まるで独り言のように呟くと、御堂は眼前に広がる大河を眺めていた。
「……」
川幅約10メートル、川の流れは結構速い。御堂にとってはマリアナ海溝のように深い溝。
「俺ぁ河が苦手なんだよ(;´Д‘)」
(たとえ水風船に入れられた水が顔にひっかかっただけでもひるんじまうこの俺だ。
渡ったら死ぬかもしれねぇな。)
途方に暮れて約一分。
「お前、泳げるか?」
「にゃあ。」
「よし、お前が俺の船になるんだ!」
「にょっ!!!」
ばしゃっ!
「さて、出発だ(´ー`)気張って泳がんと殺すぞ。せっかく生かしてきたんだからな。
このぐらいは俺様の役に立てよ。」
ぴろを水に浸して、その上にドカリと座りこむ。
「にゃぁぁぁーーーっ!!にゃごぼぼぼぼぼ……」
御堂は気がつかなかった。この猫に御堂の体重を支えるだけの筋力が備わっていないことに。
「ば、ばか、沈むげげっ、俺がこんなところでゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボ……」
「ゴボゴボ(にゃあ)」
怖いよねー
あれだね、SSの中で自分の好きなキャラが不遇な扱い受けてると作者脅すタイプだね
って言うかそのままか(ワラ
おまえの行動の方がよっぽど鍵っ子じゃん
>>629 お前さぁ、それが嫌だったら自分で見せ場なり何なり書けば良かったんだよ。
ここはそれが出来るんだからさぁ。俺だって志保萌えだがもう割りきったし。
「あら?」
高倉みどり(054)が河口の淵で見つけたのは、御堂と、その上に覆い被さるように倒れている
一匹の猫だった。
「た、大変!!」
生来、お嬢様として育ってきたみどりにとっては、今の孤島で行われている殺戮ゲームが
未だ夢物語であるようにしか思えていなかった。
幸い、目の前で凄惨な光景が繰り広げられたことは、まだ、ない。
そのせいか、みどりは明らかに場の緊張感を欠いていた。
「うん……ぁあ…」
御堂が目覚めたのはそれからまもなくのこと。
「あ、気がつかれましたか?」
みどりはそう言って、微笑みかける。
「なんだてめぇはぁっ!!」
御堂はすかさず距離をとると、腰にある銃の有りかを確かめる。
濡れている。恐らく使用したとしても不発、あるいは暴発は間違い無いだろう。
(ちっ!)
どの道しばらくは使えまい。
慎重に間合いを計りつつ、御堂が口を開く。
「誰だ、てめぇ。」
聞かずとも分かること。
「えーと、このイベントの参加者の方ですか?
私もなんです。私、高倉みどりと言います。」
あなたは?と聞き返される。
「…御堂…」
相手は目標の的か……銃が使えないことを心底悔やんだ。
「御堂さん…ですか。」
>>651 かぶってまーす
先に書かれた方が取られるので残念ながら没です
夜が空を覆う。
木々にさえぎられて月も見えないところ。
一人ぽつんとたたずむ影。
柏木千鶴(020)は悩んでいた。
いやな男……、それがもっともふさわしい呼称だったあの男。
確か、高槻と言った。
高槻が持ちかけてきた提案は、私を揺らがせるのに十分な内容だった。
「こちら側に回って、平和ボケしている連中を一緒に殺しませんか?」
誰がそんなことを!
もちろん私はそんなことはできない、そう言った。
だが、高槻の話には続きがあった。
あの男の態度は、口調こそ慇懃だったが、
あからさまな私たちに対する卑下が伺って取れた。
「鬼の血というやつですねぇ〜。ええ、調べさせてもらいましたよ。
ニンゲンの命を欲し、それを達成するための力を備えている。
狩猟者でしたっけ? いやー、非常にぴったりだ〜。
そんなのが動いてると思うとぞくぞくしますよ。
それでですねぇ〜、やっていただけるんでしたら、せめてあなたの縁者の
方々だけでも命を救って差し上げましょう」
助かる……。
なんという魅力的な取引だろう。
しかしそのために私は……。
「あ、そうそう。勘違いしてもらっちゃ困るんですがねぇ。
別にあなたの鬼の力事態に期待してるんじゃないですよぉ?
むしろその性質のほうですねぇ私が期待してるのは。
……なぜって?
あなたたちの力は島の中では制限されるんですよ。
武器を持った人間を相手にしたら十分脅威でしょう。
でもそういう役の人間がいないとゲームが盛り上がりませんからねぇ、
われわれのささやかな演出ですよ」
私が……手を汚せばいいの?
「まあ、ありていに言えばそういうことです。
姉妹思いのあなたのことです、
まさか断るなんてありませんよねぇ?」
にたっと笑う高槻。
この男……本当の下衆ね……。
これが同人誌とかだったら作者宅に剃刃でもおくりつけるんだろうなぁ。
みどりは御堂の無事にほっとしたのか、
これまでの経緯を小さなリアクションつきで説明してきた。
(ちっ!)
忌々しげにだが、それでも耳を傾ける。
情報は大事だからだ。もちろんその間も、女の些細な動向や、あたりの気配の探りも忘れない。
御堂にとって有用な情報はたった2つ。まあ、自分なりに解釈しての話だが。
1つは、このゲームに乗り気な人間がまだ少ないこと。
これは、スムーズに事を運ぶにはやりやすい。
即座に仕留めれば反抗=リスクも少なくて済む。
2つ目は、この女の持つ武器がちゃんとした武器だということだ。
アイスピック。
殺傷力は少ないが、きちんと人体の急所に打ち込めば確実に仕留められる上級者向けの武器だ。
スパナ。一応調整ネジ付。
……まあ、無いよりはマシだろう。御堂のそれから、超人的な速度で殴れば
致命傷だって期待できる。
「なあ、ねぇちゃんよ……何故仕留めなかったんだ、俺を。」
気付かれないように相手のバックからアイスピックを奪い取る。
相手のスキをついてスる芸当は御堂の十八番だ。それは強化兵として動けなくとも
いささかも変わらない。
……もう、この女は用済みだ。
だが、どうしてもそれだけが気になった。
御堂にとって戦場で気を失うことは死を意味する。
先程がまさにそうだ。
発見されたのが蝉丸や岩切であれば、間違い無く消されたであろう。
だがこの女は……
「え?だって倒れてる人を助けるのは、人として当然でしょう?」
「戦場ではな、弱い奴から死ぬんだよ。
そして、死ぬような奴が弱いんだよ……」
御堂が声を絞り出す。なんなんだ、こいつは。
戦場で人を助けるだと!?
「そんなことないです。それに、死だとかそういうことは軽々しく口に出すものじゃない。
私はそう思います。」
凛とした表情でみどりが言いきる。その表情に迷いはない。
「けっ、お前、真っ先に死ぬぜ…」
背中のアイスピックがキラリと光る。
御堂幼女集めて保父さん化
「もちろんあなただけじゃないですよぉ?
百人もいるんですからねぇ、それなりの人数をそろえさせてもらっています」
そんなこと……そうハイハイと返事できるわけ無いじゃない……。
「おや、思ったより博愛主義者だ。
自分の家族より見ず知らずの人間の命のほうが大事だと?」
…………。
「まあいいでしょう。あなたが殺さなくても状況は自然に”死”を
求めることになるでしょう。まあ結末は一緒になりそうですねぇ。
ああ、もちろん途中で気が変わってやる気になったというなら
大歓迎ですよ?
きっと派手に殺してくれるでしょうからねぇ。
もちろん、それでもご家族の命は保障しますよ。
でもまあ、あんまり決断が遅いと誰か亡くなっているかも知れませんがねぇ。
はっはっはっはっ……」
…………。
最低の男だった。
でもあいつは切れる男なのかもしれない。
同じ鬼の血を引く姉妹の中で、
”私にだけ”声をかけたのだから。
あの男の嗅覚だろうか。
たぶん高槻は分かっていて私に話を持ちかけた。
……私が、躊躇無く人を殺せることに。
あまり思いたくは無いが、まさかえこひいきでもされているのだろうか?
皮肉にも私に支給された武器は私が最も馴染むもの。
何かの金属でできた”爪”だった。
まだ、妹たちや耕一さんの死は放送されていない。
だが柳川は死んだ。
もっとも戦闘にに長けていたはずのあの男でさえ死んだ。
死は、皆に平等にやってくる。
いまなら……、今ならまだ間に合うかもしれない。
今からでも、始めれば……。
ザワザワザワザワザワ……。
急に風が吹いた。
枝がしなり葉がさざめく。
千鶴の意識は一瞬飛んでいた。
「――――え?」
動揺したような声。
それは決して千鶴の放ったものでは無い。
戻った意識、そしてその視界の真ん中に、さっきまでいなかったはずの女性、
高倉みどり(54)が立っていた。
千鶴は黙って彼女を見つめた。
大方、わき道からはみだしてきたんだろう。
そんなに距離が開いていない。
「え、えーとこんばんわ?」
同じ年くらいの女性だと思って安心したのか、彼女は挨拶をしてきた。
千鶴は応えない。
ただまっすぐみどりを見るだけ。
笑うわけでもなく、怒るわけでもなく。
「あのー……」
千鶴が返事をしないことに少しみどりは戸惑っていた。
ほんの刹那の沈黙。そして、
「……こんばんわ」
それを聞いてみどりはほんの少し安堵した。
この人は人殺しじゃない、とでも思ったのか。
そして千鶴はゆっくりと表情を笑顔に変えた。
瞳がかすみ、口元が乾いた、やや危うげな笑みに。
「えっ?」
気付く間もなかった。
その瞬間、一気にみどりに走りよった千鶴は、両手に装備した爪で
彼女を十文字に引き裂いていた。
「そん……な」
みどりは懇願するようにつぶやいた。
そしてまもなくその命は尽きた。
高槻が鬼畜なら……、私も鬼畜ね。
木々の狭間からこぼれる月明かりが、千鶴の両手に装着された爪を照らす。
白銀に光る爪の上で、滴る血は鮮やかな紅に映えていた。
「そんなことないです。そんな悲しいこと、言わないで下さい。」
みどりが顔を伏せる。
「私には、今ここで何が行われているのか分かりませんけど、行くんですね。」
「ああ。」
お前を殺してな…
その言葉を御堂は飲みほす。
「お気をつけて……」
少し寂しそうにみどりが笑う。
「いや、まだやり残したことがあるんだ…」
御堂がみどりを一瞥する。
「あの……何か?」
「お前は弱い奴から死ぬんだって俺が言ったとき、否定したよな…」
「はい…」
神妙な面持ちで御堂の次の言葉を待つ。
「証明してみてくれよ……なぁっ!!」
「え?」
みどりにはなにが起きたのか理解できなかった。
首筋に生える太い針。御堂が刺したアイスピックだった。
「……ふんっ!」
御堂が一瞬の溜めのあと、それを一気に引き抜く。
赤い水滴が舞った。
そして、噴水のように後から後から流れ出る血。
「…(どう……して……)…」
みどりの言葉はもう口から出ることはなかった。
(お父様……健太郎さ……ん)
スローモーションのようにみどりが地面に倒れる。
そして、数刻と経たないうちにそこが血溜まりへと変わっていく。
「ふんっ!!」
そして、御堂がすぐそばの藪の中に向かってアイスピックを投げつけた!
「げはっ!!」
そこから出てきたのは黒ずくめの男。額に深々とアイスピックが刺さっている。
――即死だった。
「主催者連中はこうやって参加者の死亡確認をとってるわけかぃ?
伝えとけ。俺様の後をつけるならもっと戦闘に長けた奴をつけたほうがいいぞってな。
まあ、そのナリじゃむりか……」
男の額からアイスピックを引き抜く。
そして、血溜まりの中に沈むみどりをもう一度見やる。
「これで分かったろ?弱ぇ奴から死ぬんだよ……」
「にゃあ……」
今までどこにいたのか、ぴろが御堂にすり寄ってくる。
「今までどこにいやがった……」
ぴろの足には包帯が巻かれていた。
おそらくは水没騒ぎで怪我をしたぴろを、みどりが手当てしたのだろう。
「けっ!」
御堂はアイスピックで乱暴にそばの花をむしり取ると、
血溜まりに向かって投げつけた。
「弱い奴ぁ死ぬんだよ…。」
苦虫を噛み潰したような表情でその場をあとにする二人と一匹。
あとには血溜まりのなかで花が寂しそうに浮かんでいるだけだった。
054 高倉みどり 死亡
【残り080人】
きゃーかぶりまくり、どうしますよ?
2つの話…完全にキャラかぶってますが…。
>>655さんの言う通り、
>>651はボツなんですかねぇ?
出てくるなり2人に殺されるなんてみどりさん可哀相だね。
…申し訳ない
また葉っぱのキャラを壊して無駄にひとり殺してしまった。
名倉(姉)無駄死にさせたのも私だし…。
もし、気分が悪くなった人いたら本当にごめん。
そのときはカキコを少し自粛さえてもらいます。
う〜ん、どちらも面白いから勿体無い。
>>664の「二人と一匹」ってのは、
あゆも同行してるって事ですか?
651は、あゆと出会う前の話とするならなんとかなるけど、
そうすると111さんのが…
せっかく書いてくれたのに申し訳ないとしかいいようがないが、
>>651はボツにせざるを得ないと思われ。
>>670 いえ、多分御堂含めて2人じゃないですか?
矛盾してるなぁ…話的には好きなんだけども。
651没の方が上手くストーリーが進行するよ
力作だけに惜しいが
ロワスレなんだから無駄に死ぬのもありと思う(ヴォソ
じゃあ……悪いけど、没に>赤い花
文章をサイトに保存してる人いたよね。
アナザーストーリー扱いで保存しておいてくれますか。
本編終わったら、アナザーやりたいし、どうせ。
679 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 01:28
>>676 そだね。
あゆがいるから殺しはマズイと思われ。
殺し抜いたのきぼーん
>>676 リレー小説だし、こういうことも仕方ないのかもね…
気を落とさずに頑張ってくれ。面白かったので、次に期待したい。
>>678 了解、とりあえずは保存しときます…。
短時間でレス進みすぎだ…少し読み手に回ろう。
651はみどりが氏ぬ前ってことにすれば?
>>682 書き手さんもボツ了解してくれたし、混乱するから止めとこう。
685 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 01:31
う〜ん…
>>651は欲しいな…
だけど、殺人はあゆ同行なので不可(何故だ?
どうですか?
>>685 くどいっ、男は引き際が肝心だぞ
例え女でもここはひいておけ
とりあえず、赤い花は95bという扱いで保存しときました。
>>678さん
というか、激しく見づらくなってきたなぁ…また今度整理します。
001相沢祐一 003天沢郁未 004天沢未夜子 005天野美汐 006石原麗子
007猪名川由宇 009江藤結花 010太田香奈子 011大庭詠美 012緒方英二
013緒方理奈 014折原浩平 015杜若きよみ(黒) 016杜若きよみ(白)
017柏木梓 018柏木楓 019柏木耕一 020柏木千鶴 021柏木初音
022鹿沼葉子 023神尾晴子 024神尾観鈴 025神岸あかり 027川澄舞
029北川潤 031霧島佳乃 032霧島聖 033国崎往人 035倉田佐祐理
036来栖川綾香 037来栖川芹香 038桑嶋高子 040坂神蝉丸 041桜井あさひ
043里村茜 044澤倉美咲 045沢渡真琴 046椎名繭 047篠塚弥生
048少年 049新城沙織 050スフィー 051住井護 053千堂和樹 057橘敬介
058塚本千紗 059月島拓也 060月島瑠璃子 061月宮あゆ 062遠野美凪
064長瀬祐介 065長森瑞佳 066名倉由依 068七瀬彰 069七瀬留美
070芳賀玲子 071長谷部彩 072氷上シュン 073雛山理緒 074姫川琴音
076藤井冬弥 077藤田浩之 078保科智子 079牧部なつみ 080牧村南
081松原葵 082マルチ 083三井寺月代087みちる 088観月マナ 089御堂
090水瀬秋子 091水瀬名雪 092巳間晴香 093巳間良祐 094宮内レミィ
096深山雪見 097森川由綺 099柚木詩子 100リアン
【残り80人】
ようやく4/5ですよ。
689 :
685:2001/05/21(月) 01:36
>>686 スモークディスチャージャー!
分かったYo!
それにしても…いいなぁ
>>651…はふぅ〜
ここらでキレキャラの殺戮ですっきりしたい。
正直ダレ気味…
いや、面白いけど。
せめて終盤までに20人くらいには減らしたいもんだね。
キャラをどんどん殺せるのは最初のうちなんだし。
ここまで進んでまだ死人20人しか出てなかったのか…ちょっと驚き。
――夜。手頃な民家の窓ガラスを割って中へ侵入した柏木梓(018)は、がたがたという物音で目を覚ました。
寝ぼけながらも辺りを見まわすと、隣で見張りをしているはずの霧島佳乃(031) が見当たらない。
「トイレでも行ってるのかな? ……ったく。順番で見張りやろうって言ったのに」
無断拝借している毛布をかぶりなおしながら、そんなことを考える。
がたん。ぎぃ……。
「え?」
がば、と起きあがる。……今の音、玄関のドアを開けた音ではないか?
「あの子、何を考えてるんだか……。夜は危ないから、ここに身を隠そうと言ったのに」
眠気を追い払い、梓は立ちあがる。急いで玄関に向かうと、果たしてドアは開いていた。
「……」
どうしようか、と梓はしばし考える。自分で出ていったんだ。追いかける義理もない。無いのだが。
「……ああ、もうっ。あの我侭娘は!」
梓はメイド服のスカートをひらひらさせながら夜の住宅街を駆けだす。
危険な目に遭いそうな人を放ってはおけない。柏木梓は、そういう女だった。
佳乃は、すぐに見つかった。街灯がさすだけの暗い道を、とぼとぼとどこかへ向かっているようだった。
「佳乃っ」
梓は叫ぶ。その声はひんやりとした夜気に吸い込まれていった。その声に反応してか、佳乃は立ち止まる。
「……」
「佳乃っ」
もう一度、梓は叫ぶと、佳乃の元へ駆け寄る。佳乃は何を見据えるでもない、虚ろな瞳を梓に向けた。
「……」
「全く。こんな勝手なことして。さ、戻るよ。ここで別れたいって言うなら、一言断ってからにしな」
梓が佳乃の腕を掴んだ瞬間。佳乃の唇が動いた。
「ならばいっそ、わたくしの手で……」
「え?」
みんな悩みながら殺してるね…
>>赤い花の人
うわー僕のとかぶっちゃったかー、
ごめん気をつけるべきだった。
今気付いたんだけど。。。
アナザーのほうにも期待します。
完結までに3スレ以上使いそう…
佳乃の両腕が持ちあがり、その指が梓の首に廻される。
「ちょ……あぐっ!?」
指に力がこめられた。その瞬間、梓の首筋を灼けるようなが激痛が襲った。
「……」
首の皮膚が熱い。まるで熱した鉄棒を押し当てられているようだった。
梓は振りほどこうともがくが、その細い腕をどうしても振りほどけない。
「く。この……おっ!」
苦し紛れに膝蹴りを放つ。が、びくともしない。呼吸が出来ない、意識が遠くなる。
「……く」
きぃん。
ふいに、手に込められた力が抜けた。梓は渾身の力でその腕を振り払うと、
その場に崩れ落ち、貪欲に空気を吸いこむ。
「げほっ、げほっ……。はあっ……はぁっ……は……」
呼吸を整えながら、梓は殺気を帯びた目を佳乃に向ける。
と、そこにはある方向をぼんやりと見つめている佳乃があった。
梓も釣られて視線の先を追う。そこには、小高い丘が見えた。
そして。すっ、と音も無く佳乃はまた動き出す。その小高い丘を目指して。
「ちょ……ちょっと! う、げほっ」
呼びとめようとして、梓が咳き込む。首筋を触ってみると、ひりひりと痛む。
その隙に、佳乃の姿は見えなくなった。
梓はその場に座りこむ。そして、再認識する。これは『殺し合い』なのだ。
「……相手の正体を知りもしないで、ホイホイ招き入れたアタシが馬鹿だってことか」
勿論、佳乃にも何か理由があってあのようなことをしたのかも知れない。
だが、実際襲われた身にしてみれば、そうとは完全に信じれなくなってしまう。
「はは……はははは」
梓はおかしくなって、笑った。そうだ、これは殺し合いなんだ。相手を信用すれば――
裏をかかれて殺される。
「……こんなものぉっ!」
梓は頭につけていたネコミミを地面に叩きつけようとして……できなかった。
佳乃の贈り物。それを壊したら、自分はもう誰も信じれなくなりそうで。
「……疲れた。寝よ。後の事は起きてから考える」
梓は少し泣くと、力無く民家へと戻っていった。
茜に代表されるキレキャラ使ってさくっと殺したいけどね。
キレキャラのキレ具合を出すには、殺される側があっさり殺されるのが一番いいんだけど。
それやると不満大爆発くるんで、微妙。
いや↑は俺哲学だけどさ(w
ある程度書き手の意志の疎通が必要なのかなぁ。
書くもの書くものかぶるとさすがに鬱だし……。
人数が多いのも困りものだな、
偶然にかぶることがなぜか多くなるw
>>699 これから人数減ると特にね。
もう、誰が死んでも文句言わないでおこうよ。
荒れるし、書き手さんが殺し躊躇してる様な気がする。
水を打ったように静かになりました。
『誰が死んでも文句言わないでおこうよ』は、果たして守れるのか?
あ、言っておくけど俺は多分守れないと思う(w
今だから言うけど、茜やひろゆきに文句言ってた奴は正直引いた。
そう言やひろゆき=桐山って結構あってると思うんだけどな。
なんか文句が多かったな。
>>699 人数的にもまだ序章ちょいすぎぐらいなんだよね…
このペースだと終盤残り2、3人になったとき、どれだけのかぶりがでて、
どれだけのアナザーが生み出されるのだろう(W
殺し合いゲームなんだからね、どんな形であれ茜が活躍してくれたら
俺は嬉しいよ。
>>703 見解の違いはあると思うけど、それも途中で突っ込まれてたよね。
扱い云々で猛抗議する奴らはそれこそ「鍵っ子」だって。
>>702 他の人に殺されるのが嫌なら、自分で参加してキャラ活躍させてみたら?
そのキャラクターを殺すのが惜しまれるような文章書けばいい。
スタッフロワの時の陣内・閂は、それで生き残ったようなもんだろ。
それができないなら諦めてくれ。
ビュッっと音がしたと思えば、右肩を何かが霞めた。
「な、なんだっ!?」
「祐一っ、覚悟っ!」
目の前にいたのは沢渡真琴だった。
「な、真琴っ!?」
真琴に出会えた。それは正直いって嬉しかった。
だけど――こんな状況になるなんて思ってもみなかった。
「なぁ、真琴。冗談だろ?」
真琴は有無を言わず、玉をパチンコにセットして、また、撃った。
ヒュンと、玉は相沢祐一の顔の横を霞めた。
くっ。っと相沢祐一は唇をかみ締めこうおもった。
誰も殺させないと思ってた。みんなを守ろうと思ってた。しかし俺が狙われるとは……。しくじった。予想外の展開だ。
「真琴、落ち着け、とりあえず落ち着くんだ!」
「うるさい、祐一っ!」
真琴は話を聞く気などない。しかし、真琴をとめないとどうしようもない。俺が死ぬだけだ。
だけど、俺はここで死ぬわけにはいかない。――茜に逢うまではっ。
しかし、真琴を撃つ訳には……。
真琴はまた、パチンコに玉をセットした。
「祐一っ! かくごーーーっ!」
「やめなさいっ、真琴っ!」
大きな声が辺り一面に響いた。
その声は天野美汐の声だった。
709 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 02:10
>>703 浩之はいい奴なんです。
だから抗議、非難が殺到したのです。
スタッフロワはキャラ情報がいまいちなかった分
書き手がオリジナルで書けてよかったのか…
そういえば、御堂は何もしなくても人を殺せる奴だったから、
逆に殺し以外のアクセントつけてみよーと、ぴろを付けてみたんだよなぁ…
今はとてもおいしいキャラになってしまいました(W
>>711 確かに。(ワラ
今回の閂&陣内はこいつかも。
北川&住井も捨てがたいが。
>>711 多分、ぴろがいなければ今頃御堂は
殺しキャラ→殉職
ってな展開になってましたね。
御堂…ぴろに命を救われた男(w
>>713 >北川&住井
彼らには密かな期待を寄せてます
>>709 まぁまぁ、こうなった以上はしょうがないでしょ。これはこれでいいんじゃないですか?
納得いかないなら、アナザーに期待するとか。
かくいう自分も浩之ファン。
>>712 そんなら全員殺人鬼にできるよ。
多重人格だから…で(藁
「もうすぐだ。もうすぐ信頼できる人のいるところにつく」
背中にシュンを背負い走りながら、往人は言った。
「すいません……もう、もたないようです……」
「おい、何を言って」
「僕は……心臓の病気で入院中だったんですよ……
もう限界みたいだ……自分んことは、よく、わかります」
「なんだと……」
その内容は、往人の足を止まらせるのに充分だった。
「じゃあ連中は、入院中のお前まで……」
「病院を変わると言われて、車に乗せられ……気付いたら」
「……くそっ」
始めて、強い怒りを感じた。
今までは、あの呑気な田舎町の人間と一緒に帰れたらいい。
そう思っていた。
だが……
「このままじゃ、寝覚めが悪い」
「……戦うんですか?」
「……」
「そうですか……
僕を撃ったあの女の子、里村茜と言います。
彼女を、できれば、助けて欲しい」
思ってもいない申し出だった。
「彼女は、誰よりも深い思いに縛られている。
だから、彼女には殺すしかないんです。
彼女を……」
「……考えておこう……」
嘘だ。許すつもりは、毛頭ない。
強い目的があって動いているのは誰も同じだ。
その目的が衝突し、殺しあうことになるなら、躊躇はしない。
だが、とりあえずこの少年の前では、こう答えておいた。
「……ありがとう、嘘でも嬉しい……
僕は、氷上シュンと言います。名前、教えてくれますか?」
「国崎往人」
「……ありがとう……いい名前です」
「礼を言ってばかりだな?」
「はは、そうですね……」
それきり、喋らなくなる。
少し遅れて、背中越しの彼の鼓動が、停止した。
072氷上シュン 死亡
【残り79人】
美汐って、誰かと行動してなかったっけ?
序盤で関係あるキャラ同士絡ませるのはどうかと思うが、今さらか。
原作完全無視の殺人キャラでも、出番が多いから優遇されてると思う
してるね。<美汐
そろそろレスも1つ尽きてしまうし絡ましていかなきゃ進まないとも思うしなぁ。微妙だ。
あや、シュン君死んじゃッたか〜。
急所は外れてたのに彼も不憫だ。
南無。
個人的には舞さゆコンビがあさーり合流したのが予想外
続きが楽しみ。
>>719 祐介&ポテトだっけ?
浩之の場合はアニメ版のけだるげな所から連想されたんだろ?
だったら問題ないじゃん。
文句があるなら他に納得させられるものを書いてからいえ。
726 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 02:26
理緒&千紗は今どうしているのか?
誰か書いて…
>文句があるなら他に納得させられるものを書いてからいえ
何だこれ?(ワラ
「佳い夜だ」
北川潤(男子029番)は森の中の一本の木に体を預けてじっと空の月を眺めていた。今夜は満月であり、月明かりはこんもりと茂る森の中にもわけへだてなく差し込んでくる。冴え冴えとした月光を浴びながら、北川は久々に野外で過ごす夜の雰囲気と気分に浸っていた。
「こんな夜はやっぱり熱燗だな。ホッケの干物なんかいいなぁ。アレできゅ〜っと」
「ジュン。ほら、モズクだヨ」
北川の傍らに座っていた宮内レミィ(女子094番)が彼にもずくのチューブを差し出した。
「ああ、そうだった。魚もいいけど鳥も悪くないよな」
彼女も初めて出会ったときの錯乱状態はすっかり影を潜め、今では普通のレミィに戻っている。
「おいしいヨ〜、サンバイズがよくきいてますヨ〜」
「こう、鳥皮を串に刺して炙ったヤツに塩をふったら」
「早く食べないとワタシが全部たべちゃうヨォ」
「軽く最後に七味唐辛子をまぶして…」
「なくなっちゃうよォ〜、いいんデスカ〜?」
「かぁ〜、たまらんねぇ!」
「ジュン!」
さすがに腹に据えかねたらしく、レミィが語気を強めて北川ににじり寄った。
「”腹が減っては戦はできぬ”っていうでショ? なんでもいいからお腹に入れておかなきゃだめだヨ」
「はいはいはいはい」
レミィの言うことはいちいちもっともな事だったが、ぞるぞるともずくを啜る彼女を見てるだけで己の食欲がどんどん減退していくのも確かなことだった。
729 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 02:28
坂下で少し書こうと思ったけどエントリーされてないんだね。
今の今になって気付いたよ(汗
「うむ」
それにしても、本当によく食う。
「うむ」
美少女ともずく。もずくを食う美少女。もずくで飢えを満たす婦女子。もずくに生きるホルスタイン。女子高生 in もずく。もずくとヤンキーの大冒険。もずくレヴォリューション。
「ふむ」
北川は独りうんうんと何度も頷いた。『世界で一番もずくを美味そうに食べるちょっと小粋なアメリカ人』としてスリランカあたりで売り出せるのではないだろうか。
「もずくとヤンキーでウッハウハ…」
ウッハウハ、悪くない。
「ジュン、どうしたの?」
じっと考え込んだまま固まってる北川をみかねたのか、レミィがぐいっと、心配そうに彼の顔をのぞき込んだ。
「いや、なんでもない。なんでもないもずく」
再び北川はうんうんとうなづく。
「モズク? モズクがどーかしたんですカ? ねぇ、ジュン。モズクがどーしたノ? モズク食べたくなったの? 教えて欲しいデス」
「あ、いや、うん、なんでもないんだって。何でもないから。まぁ、なんだ、もずくはいいんだ、もずくは」
あわてた北川はしどろもどろになって取り繕う。本当は「あ、君明日からもずくとスリランカ行き」と言ってもよかったが、妙齢の女性にいきなりもずくを織り交えたフランクな会話を吹きかける事ができるほど北川は無神経でもなかった。
と、不謹慎な事を考えながらもレミィの天真爛漫さに触れるにつけ、北川の心に落ち着きや安らぎにも似たものが舞い戻ってくるのも確かだった。
そろそろ原作コンビの片割れ殺すのも一興かと。
ただ、この殺しの場に置いて「やれんのか」と問われたとき、真顔で「やれますよ」と答えられる覚悟も欲しかった。ここはキャンプ場ではない。殺戮の場、殺しや騙し合いが認められたキリングフィールドであった。はっきり言って殺さなければ自分が死ぬ。死なない為には、殺す。
彼は自分の背中を押してくれる何かを求めていた。ありていに言えば、それは自分の心もだませる殺人許可証。例えば目の前を駆け抜ける兎がいれば、ためらいもなく引き裂ける獣の爪と心とかが。
「寝るか」
そういってごろっと横になった。土や砂が体にまとわりついたが彼は気にしなかった。ただ今は少しだけでいいから眠りたい、考えることは彼にとって非常に疲れることなのだ。
特にこういう事は。
「ウン、いいヨ。ジュンが寝てるときはワタシが見張りしてるネ!」
──グッナイ。微笑みながらレミィが言う。
ゆっくりと沈みゆく微睡みの中で、北川はレミィに薄ぼんやりとマリアの姿を見た気がした。
クロマティ?
「…人が近づいてきます」
姫川琴音(074番)は、そう皆に告げた。
「国崎往人、道間違えずにちゃんと帰って来れたんだね」
みちる(087番)は、のん気にそう返す。
「分かるのね」
水瀬秋子(090番)が尋ねる
「はい…。力が弱まってるので正確には分かりませんが…。国崎さんでない事は確かです」
「やはりこのゲームじゃ…、静かに過ごす事なんて出来ないのかしら…」
水瀬秋子は、椅子から立ち上がり机の上に置いておいた支給武器。。。木の棒を手に取った。
「あなた達は、カウンターの後ろに隠れていなさい。絶対に出て来ちゃ駄目よ」
「でも…、お母さん…」
水瀬名雪(091番)は不安そうに声をかける。
「安心して。あなた達は大丈夫。そして、私もこんな所で……」
ドンッ!
低い火薬の爆発音が、辺り一帯に響き渡ると同時に曇りガラスが粉々に砕け散った。
「キャーーー!!」
悲鳴が響き渡る。
(かなり大口径の銃ね…)
すっかり見通しの良くなった窓枠から冷静に外を伺う。
そこには、1人の男。
「瑠璃子は此処には居ない…。此処に居るのは、瑠璃子と一緒に帰ることを邪魔するヤツら…
邪魔はさせない。瑠璃子と一緒に帰るんだ。邪魔するヤツは皆殺す皆殺すミナコロスゥゥゥ!」
疾走。
(速い。この付近で戦えばあの子達も巻き込む事になる…)
窓から飛び出し、月島拓也(059番)を喫茶店から引き離しにかかる。
「貴様か。貴様が邪魔をするのか。生かしておけない。邪魔をするなぁ!」
(よし。…国崎さん。帰ってきたらあの子達をよろしくね)
735 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 02:34
クロマティ北川萌え。
「秋子。悪いが、みちるを頼む……」
やりたかったのに(w
秋子さんこんなとこであっさりと(まだ死んでねぇって)…。
川田君的ポジションに居るならもう少し粘って欲しいなぁ…と思ってみる。
川田なら桐山とバトルキボン
第三者の手で背後から銃撃されて月島(兄)があっさり殺されそうな気がする。
>>738 俺も思った、でも月島兄も人数減らしてくれそうな役柄だから
二人の決着は第3者の介入で先延ばしにして欲しい。
少年は二人分の荷物を背負って歩いていた。
一つは自分の。
一つはもういない人の。
まだ開始からそんなに大した時間も経っていないが、
なんだかどっと疲れた気がする。
「苦労性なのかな……」
自分に向けられた軽口に、少し疲れたような笑顔。
見るものが見れば、
それが何を示しているか分かったのかもしれない。
森を通るのは避けていた。
折角海岸まで出たのに、わざわざまた森に入る気がしなかった。
それにもう夜だというのに、見通しの悪い森の中を歩いて
誰かに狙撃されるというのはごめんだった。
死ねない、死ぬわけには行かない。
予感のような”死なない”ということではなく
意志をもった、生きようとする思い。
たった一瞬だった出会いが、
ずいぶんと自分を変えたものだった。
海面を撫でるように吹く風は、
なぜだかやさしく自分を包んでいてくれるような気がした。
「……ふぅ」
少し疲れたかな?
少年は座って休むことにした。
思えば、日中は歩き通しだったから。
ここは……どの辺かな。
学校を海岸線に沿って北上していったんだから、
スタート地点2の辺りかな……。
ふぅ……。
やっと一息ついたって感じだ。
こんなに疲れていたのかな、僕は。
星が天井で瞬いているのが見えた。
こんな状況だっていうのに、
あせることなく、輝きを保っている。
…………なんだろう……、
少し……眠い……や…………。
記憶、
少年の記憶。
そこには二人の人間がいる。
一人は無論少年。
そしてもう一人は……、
「確かに”これ”を使えば、ほとんどの銃火器を無効化することができる。
歩兵を主軸にした高槻の布陣なら、
単体でも突き崩せないことは無いかもしれない。
だが……」
白衣を着た男――巳間良祐――は苦虫をつぶすような口調で言った。
「お前も入れられてしまっているだろう?
端から僕たちに選択肢は無いのさ」
少年はあっさりと言った。
もちろんいつもどおりに笑って。
「爆薬系……、手榴弾から単純な炸薬、それからバズーカなどの
ボムを発射する物についてはまずい。
それ以外なら……たとえレーザーが来ても”大丈夫”だ」
良祐は”それ”を軽く撫でながら言った。
「逆にいえばそれらがアウトだ。
爆風を根こそぎシャットアウトできるほどの”面積”は
確保できない」
「十分強力さ。それにそういうときのために、お前のそれがあるんだろう?」
少年はくいっと首で示した。
良祐の持っている”鍵”であった。
「……これは最後の手段だ。
これを使えば、たくさんの人間が死ぬ。
もしかしたら俺も、……君も」
残り人数の兼ね合いから、キリングキャラが少ない気がするので、兄貴死ぬのもどうか。
だからと言って、秋子さん死ぬのもどうか。
次が楽しみ。
どんな結果でも後続の書き手が頑張るので、なんでもやっちゃて欲しい。
よどみない話し方の割に緊張した面持ち。
いや、もしかしたらその声はわずかに震えていたのかもしれない。
「そのくらいの前提で無いと逆に困るよ。
いかさまをするのに躊躇してどうなる?
絶対勝てる賭けで大きく張らないでいつ張るのさ。
どうせ張るなら大きな罠を、ね」
少年は軽くウィンクした。
だが、良祐の顔は晴れない。
「そんな顔するなよ?
もしかしたら、死人を最小限に抑えることができるかもしれない。
それは、必ずしも僕たちの目的ではないけれど、
そうできたらいいだろう?」
少年は良祐を促す。
「……ああ、そうだな」
憂いばかりだった良祐の表情に、ほんの少し笑いが浮かんだ。
少年も、それに合わせたかのように、また改めて微笑んだ
少し埃にまみれた、小さな沢山の部屋の、その一室での出来事。
「……ん」
目が覚める。
少しだけ眠ったようだ。
まだ辺りは暗い……。
目をそっとこする。
夢を見ていた。
僕と、そして巳間良祐の。
あいつもおそらく動いていることだろう。
僕と同じ、唯一つの目的のために。
さて行こう。
こうしてる間にも、また一人と人が死んでいるのかもしれないのだから。
悪者登場(葉)→ピンチのキャラ(鍵)→ヒーロー登場(鍵)→悪者死亡(葉)
葉が死のうが鍵が死のうが面白けりゃ(・∀・)イイ!
目覚めは最悪だった。
非常灯の明かりだけを頼りに雪見はあたりの様子を探る。
あまり寝つけなかった。
多分床についてから2時間と経ってはいないんだろう。
誰もいないデパートの3F、玩具売り場。
喜ばせる主もなく動きつづける兵隊の玩具が実に滑稽だ。
誰もいない建物。なのに出入り自由なこの状況は連中が作り出したものだろうか。
「何から何まで用意周到ね……。」
ここの地下1Fから盗った食料品を口に含む。
そして、一気にミネラルウォーターで流し込んだ。
味なんてしなかった。どんなことをしても辿り着きたい。
そんな憎悪は、目が覚めても薄れはしない。
「まだ時間は有る……」
正確な時間はわからないが、なんとなくそう思う。
(ちなみに、デパートの時計はすべて破壊し尽くされている。)
雪見は新たな道具を手にとった。使えそうなものを自分でかき集めたのだ。
100円ライター 自分で作成したジッポオイル入り水風船(3個…が限界だった)ドラゴン30連(花火)
いずれもココで手に入れたもの。
武器として使えそうなものはほとんど撤去されていて、およそ直接的な武器になりそうなものは
ほとんど置かれてはいなかった。
「絶対に死なないわ。すべてを終えるまで。」
悪魔達には死を。
それを邪魔するものはすべて排除する。
のそりと影が動き出した。
復讐という名の殺戮ゲームへ。
>>746 うーん。葉しかキリングマシーンがいない、って意見が多いんで
とりあえず、鍵側のキリングマシーンとして、佳乃を豹変させたんですけどねぇ。
夜の間、もしくは我に返るまで限定ですけど……。
どうなるかは、他の人におまかせします。
つか、御堂萌えだ(藁。
書きながら、
どうか、最後には幸せな記憶を…
って思っちゃいました。
なんとなく。
鍵にも茜がいるじゃない。
殺す側殺される側参加者のみでカウントすると、現在トップじゃないか?
雪見もキリング化してくれそうだし。
舞&佐百合も、どっちか死んだらキリングに変わりそう。
748って誰?
雪見。
よく見よう。
>>749 キリングじゃなくても『正当防衛』『大切な人の死』
でも充分削れるのでは?
>>752 >雪見は新たな道具を手にとった。使えそうなものを自分でかき集めたのだ。
>>708から
美汐の声が聞こえたような気がして、真琴は我に返った。
ふと前を見ると、祐一が走って行く後姿が見えた。
私は一体―――
私が―――祐一をー――
オレ様にも呆然としている様が伝わってくる。
見ていられなくなって声をかけてやった。
「おしかったな」
驚いて上を見上げる真琴。
だがそこには木々の間から見える星空しかなかった。
「誰よっ」
威勢よく声をあげ辺りを見まわすが、それらしき人影はない。
もう一度、目を凝らしてよく観察する。
(なんだ…? 祐一とかいう奴なら、もうどっか消えちまったぞ?)
「何を探しているんだ?」
オレ様は真琴の顔を覗きこんだ。
その瞬間、真琴の目の前に赤に白のギザギザが生えたものが広がった。
…
「……あぅ〜」
食われる…。真琴の本能的にそう反応したのだろうか、恐怖のあまり気が遠くなる。
(情けない奴だな。まぁ、森で一人で寝こけているような奴だからな…
と言っても、今回の宿主はコイツに決めたんだ。今更後悔しても遅いか。)
(ちっ、しょうがねぇ。オレ様が協力してやるんだ。感謝しろよ)
ちょっと力を入れると、真琴の体は不自然なくらい背筋を伸ばして起きあがった。
(さて、と。とりあえずは…)
オレ様は真琴の記憶を探る。そのなかにどす黒い一片の欠片を見つけた。
(ナユキ、か… とりあえずターゲットは決定だな
このジョニー様の手にかかれば、サイコなんて楽勝だ)
真琴は頭から真っ赤な花を生やしてナユキの元へ向かった。
>>752 一応深山雪見(ONE)
やっぱ、一回はフルネーム入れたほうがいい?(特にサブキャラ)
今後の為にも意見希望。
すまん逝ってくる。
760 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 03:02
スレの消費が早いなー。
二日で700強か。
文章の密度も高いし、編集してる人は大変だな。
まだ第一夜目なのにw
誰だジョニーって。
とりあえずあまりにアレなのはある程度放置な。
ちゃんさま信者の狂乱ふたたびはゴメンだ。
>>708の人、スマソ。みっしーは幻聴ということで…(汗
ジョニーに操られていれば、人も殺せるかな…と。
オレ⇔オレ様 どっちかわからないですが・・
って
>>756さぁ。
真琴じゃないジャンそれ。
”そ”のキャラ持ってくるなよ〜
葉鍵ですらないョ?
つかさ、能力は制限されてるんじゃ…
Kanosoネタかぁ
同人まで含めるとさすがに幅が広すぎるような……
まののもかるものネタとかやるぞゴルァ
かのそネタだったんだが… スマソ。
ロッテの黒木?
荒らしじゃなかったのか。
いずれにしろ却下だろ……
カノソネタかぁ…。そこまで手ぇ延ばすと流石に話おかしくならない?
>>756には悪いけど、ボツという事でファイナルアンサー?
収拾がつかなくなると思うので同人ネタは禁止にしないか?>ALL
(畜生まだ死ねねえ、俺はまだ殺したりねえんだ)
浩之が目を覚ましたときにはもう辺りはすっかり暗くなっていた。
「気がついたようだな、結構危なかったんだぞ」
浩之は全身傷だらけであったがその全てに治療が施されていた。
「一つ聞きたい、あんた何で俺を助けた?」
「私は医者だ。人は殺したくないのだよ。たとえこんな状況でもな、
だが私も死にたくは無いのでね、武器は全部とりあげさせてもらった」
見るとボウガンもナイフも浩之の手の届かないところに置いてあった。
「そういえばもう一人いたはずだが姿がみえないな」
「ああ、観月君なら水を汲みに行ってる、すぐに戻ってくるさ」
それを聞いた浩之は突然土下座した。
「こんな異常な状況とはいえ問答無用で殺そうとした俺を
助けてくれるなんてあんたなんて善人なんだ、俺が悪かった
許してくれ!」
そう言って何度も何度も頭を下げる。冷静にみれば台詞も行動も
やけに大仰で芝居がかっていたのだが聖は気がつかなかった。
「おい止せ、傷口がまた開くぞ、それに私とて医者でなければ
君を助けなかったぞ」
「いややっぱりあんたいい人間だ、お礼に楽に死なせてやるぜ!」
「なにを……」
浩之は言い終わるや否や体を起こし、土下座したとき手に握りこんだ
砂混じりの小石を聖の顔面めがけて投げつける。聖が怯んだ隙に置いて
あったナイフに手を伸ばす。ナイフをつかむと体を伸び上がらせその反動を使って
ナイフを持った腕をふるい、聖の喉を真横から一文字に切り裂いた。傷口がわずかの
間、白く鮮やかに見える。続いてそこから血が迸ってくる。
聖は出血を止めようと本能的に両手で傷口を押さえる。
「佳乃、お姉ちゃんまでいなくなってごめ……」
聖はそこで意識を失い、口からも血を吐きながら崩れ落ちていった。
kanosoで適用できるとなると既知街・魔物ハンター舞で収拾がつかなくなると思われ
同人ソフトはわかんない、って人もいるんじゃないか?
どうか?
軽いネタとか程度で使うのはいいけど、既にそれ「キャラ」じゃん。
そういうのは却下だと思われ。
同人とか持ち出されてもわからん。困る。
頼むからやめてくれ。
そこに浩之にいままで忘れていた痛みが戻ってくる。
「くっ……!!」
「今の体調じゃ二人はやれなかったな。俺は運がいいぜ」
「そうそうあんた妹がいるんだってな、寂しくないよう
すぐそっちに送るぜ。じゃあな、名前もしらない女医さんよ」
そう言い捨て浩之は歩き出す、次なる獲物を求めて。
その時突然浩之の心に声が聞こえた。
(浩之ちゃん、どうしてそんなことするの?あの優しかった
浩之ちゃん、どこにいっちゃったの?)
その声は浩之がこの世で一番見知っているが見知らぬ少女の姿をしていた。
(うるせえ、どうしておまえが俺の心にいるんだ、さっさと出ていけ
出ていかないと殺すぞ!だいたいおまえは誰だ?)
(本当にわたしまでいなくなっていいの?浩之ちゃん)
いいに決まってる。そのはずだ。しかし何故かその言葉が言えなかった。
浩之は体ではなく心が何故か痛かった。しかしどうして痛むのかもう
解らなかった。
781 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 03:08
>>777 賛成。同人ネタは勘弁して欲しい。
なによりその文にツッコミがはいったとき「これは*****のネタだよ。しらんのか」とかいう返しが入って荒れそう。
浩之カコイイ
783 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 03:08
さようなら、ねえさん
何か途端に荒れはじめてない…?
聖あっけなさすぎ…。
785 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 03:11
主要っぽいキャラが減っていくごとにサブ(的)キャラの活躍に期待してしまうよ。
まさに、スタッフロワがそうだったしな。
ってわけで聖さん、安らかに…。
くっ。
>>784 あっけないとは思うが……そればっかり言ってても話進まんからな……
オイオイ聖が死んだぞ?
マナ狂戦士化か?
>>784 荒れ始めてる。
ナイフは手の届かない場所に云々ってあるのにおかしい。
これも鍵っ子氏ねとかいって処理されるんだろうか…
みつみを思い出したよ。
789 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 03:14
さて、今回活躍しそうなサブキャラはだれなんやろね。
まぁ、漏れたちが何言っても
「文句があるんならテメェで書けよ!」
とか言われてオシマイなんだろうなぁ…
メス大量投下されて動けるんだ…………
一人一人殺すより、一気に2.3人死んだほうがバトロワっぽい
しかし、ココに来て初めて浩之の葛藤がありました。
嬉しいです。
矛盾だらけなのがたまらん。
まあ、そこの所は職人サン(藁
に任せましょうや
キャラ殺す時はあれだけ注意しろって話出たのに……
うーん、ていうかマナとかと対峙したときに、
「患者の嘘が見抜けない云々」言ってる奴が、あんな見え透いた芝居に騙されるってのが何とも納得できないんだけど…。
こんな俺だけど葉っ派です。
>>792 これはバトロワではありません、葉鍵ロワです。
>>776 うーん、死に際はこんなものなのかなぁ>聖
読み応えがあっさりしすぎかも。
もうすこし描写しても良かったんじゃないかな?
浩之ちゃんはバイオレンス一色かな、
葛藤してる辺りどっちにも転がりそうでいんだけど。
ごめんね〜未熟な書き手の意見で。
>>775 同意。同人は葉鍵じゃないと思うな厳密には。
同人にありそうなネタを使うのと、
それに固有な何かを使うのじゃぜんぜん違う。
スタッフロワはマシだったよ。
いくらなんでも哀れだ聖先生。
人数少ないってのもあったけどな。<スタッフロワ
もはや不幸な事故として処理する…しかないのかなぁ。
自分達が『こういう』立場になって初めて気付く無理な設定…
書き直しきぼーん
聖が死ぬものと前提して、そのシーン書き直してみる……
>>708の少しから
―――月影。
みあげるとそこに、しろいかげのひかり。
面影。
「瑠璃子さん…」
僕の思いは、その一言で、宙に浮かんで、消えた。
「それが…、探している人の名前ですか?」
隣で天野さんが訊ねる。
「はい」
僕は短く答えた。
彼女もそれっきり、何も言わない。
…ぼくも、だれかをころすことになるのだろうか。
そう仮定してみて、僕の思考は停止寸前になった。
さっきは、天野さんにああは答えたが、まだ、心の整理はつかない。
つい、ほんのつい昔までの僕なら、他の選択肢さえ思いつかなかっただろう。
(でも、今の僕の望みは、瑠璃子さんに会うだけで、ただそれだけで)
それだけで、いい。
「手段と目的は」
唐突に天野さんが語りだす。
「…必ずしも、いつもうまい具合に折り合いがつくとは限りません」
「……」
「でも…」
ここで、僕は初めて、天野さんの顔を間近に見ることになった。
少し瑠璃子さんに似た、面影。
「私は信じています。貴方なら、きっと目的を優先してくれるでしょうことを」
一生懸命書いてた人は報われないね。
この調子だとやる気無くして即さびれそう。
>>805 うん、マジで頼む。あれじゃ納得できんす。
「少し、疲れました」
そう言うと、彼女はその華奢な頭を、そっと僕の肩に寄せた。
「わ…」
あまりそういうことに慣れていない僕は、少しうろたえてしまう。
「すこし、お喋りがすぎたんでしょうか」
彼女は、ノドの奥でくくっと笑った。
「ちょっと…あの、天野さん」
「なんでしょう?」
僕に体を預けた姿勢のまま、天野さんは顔だけをこちらに向ける。
「こ…この状況で、寝ちゃうのは、ちょっと都合が悪いと思うんだけど…」
「どうしてですか?」
「僕だってほら…見ず知らずの他人な訳だし」
「大丈夫ですよ」
彼女は眼を閉じた。
「今私たちがいる木の洞というものは、あまり人目につかない場所なんですよ」
「いや、そうじゃなくて…」
「それに、昔、隠れんぼした時、あのこがここに隠れると、私はいつもあのこを探し出せないでいたものです」
「――そういう話じゃなくて、その、僕に裏切られるとか、そういうことは考えないの?」
「考えません」
彼女はきっぱりと答えた。
「そんなこと、別に根拠も何もないよ」
「根拠なら…少しは、あるんです」
彼女の声が少しずつ小さくなっていく。
聞いている僕のほうも眠くなっていくような、そんな声だ。
「…あのこの面影が、少しだけ、あなたの中に見えるんです」
「あの子って、もしかして天野さんが探している人のこと?」
「いえ…、その子とはまた別の子です。また会いたいとは、ずっと前から思ってましたけど」
「では、私は少し仮眠をとります。どこかで、ツインテールの騒がしい女の子が暴れていましたら、起こしてくださいね」
今度は本当に、天野さんは眠ったようだ。
穏やかで規則正しい寝息が、洞の中に響き渡る。
僕は、その寝顔を見て、半ば安心したような心持ちになった。
そして、ふと、何を思ったか、僕はずっと開けていなかったナップザックを開いた。
中のものを乱暴に取り出す。
黒い皮製の手袋と、ピアノ線。
(これで、縊り殺せってことか)
その際、掌が傷つかないようにとの配慮から、手袋があるらしい。
(まったく、これほど不要な思いやりなんて、ないよ)
手袋をつける。
レザーの擦れるぎりぎりと言う音が、そこから奏でられるだろうピアノ線の悲鳴を連想させる。
ピアノ線を手にとる。
そして、
伸ばしたピアノ線を、
また丸めて、取り出しやすいように、胸ポケットにしまった。
残りが大量にいるってことでこのままスルー希望
当方一応鍵っ子。
スタッフロワでも後半から死に対するストップやクレームが飛び交ってきたけど、今回のキャラロワは初っぱなからクレームの嵐だね。
無事終わるのか? 大丈夫か?
チョット前に『書き直しを要求するのはやめろ』みたいな事言ってた人がいたけど、
こりゃもうどうしようもないね。
葉っ派だけど、あっけなさすぎかなーと…
>>797の指摘通り、あんなに騙されやすいとは思えないぞ。
とりあえず浩之使って殺しておけばいい、みたいな風潮にならないことを願う。
もうなってる気もするが。
矛盾解決のために書き直すのか、それともスルーするのかは、
職人さん達に任せたいっすね。
書き直しでも通しでも黙って行動に移してくれるのが嬉しい。
夕霧は?(w
>>816 ああ…嫌いなキャラに浩之使って消去って手段か。
初代葉鍵ロワのあの強烈な流れ希望。
なんとなく殺される弥生さんとか。
>>820 それ面白い。いいね。
ただクレーマーを納得させるのはきびしいぞぉ…。
>>816 同意、かな。
あまり行き過ぎてもらっても困るなあ、とか思ったり。
浩之に武器を大量に持たせておきながら、
こんなこと言うのもなんだけど。
ま、とりあえず、浩之生かしておいて欲しいな。
当然これは単なるお願いなんで、無視されてもかまわんが。
じゃ、晴香編のつづき。途中まで上げておく。
「高槻殿。」
「なんだ?」
報告に来た兵士に背を向けたまま。不遜な言葉使いで答える高槻。
「…じつは、部隊の一部が我々の指示を離れて、一部の参加者に対して
攻撃を行っていると言う情報が入りまして…申し訳ありません。」
「こまるんだよなぁ、勝手なことをされちゃあ」
チャリ…
振り向きざま、兵士に対して何の躊躇もなく銃を向ける。
「た、高槻どのっ。」
「で、誰を攻撃しているんだ。返答によっては、このまま引き金を引くが?」
うすい笑みをたたえながら、回答をせまる。
「はい、あ、あの。保科智子、巳間晴香の二名です。」
「そうか。」
うれしそうな表情をうかべ、銃をおろす。
…そうか、おもしろい。さあ、どうする巳間の妹。
この難関をくぐりぬけて、俺の元まで辿り着くことができるのかな。
「クッ、クックックッ…」
笑いを押し殺しながら、彼の脳裏に浮かんでいたのは。
かつて自らが貫いた、晴香の瑞々しい裸体だった。
>>820 あれを今ここでやっちゃあかんでしょう。
それこそ一気に士気落ちてさびれるよ。
熱心な浩之信者がいらっしゃいます。
「どないなっとんねんー」
隣の木の陰に身を隠した智子が、その手にした「S&W M586」の引き金を引く。
…私達は公民館が炎に包まれる中、出来る限りの手がかりを探した。
だけど見つかったのは、残されていたいくつかの武器だけ。
その中から私と智子、そしてあかりの為に3つの銃を持ち出したのだけど。
燃え落ちる建物を後にしようとしたその時、ジープに乗った4人の兵士がやって来たのだ。
「わたしたちが放火魔だとでも思っているんでしょ。」
「ベレッタ92F」に装弾しながら返事を返す。
私達を見るなり、彼らは発砲してきた。体勢を立て直す間もないまま、西側の林に逃げ込んだ。
本当は、さっきの出来事について智子に問い直したかった。
あの少年は何者なのか、と。
だが、そんな暇さえありはしなかったし、それよりも心配なことがあるのだ。
…あかりを置いてきてしまった。
彼女がいるのはここより北側の林の中だ。敵に見つかることはないと思うけど、
彼女には有効な武器がない。あんな爆弾じゃあ、至近距離の敵は倒せない。
不安がるあかりの顔が脳裏に浮かんだ。無性に切なくなった。
そんなことを考えている間でも、戦闘は続いているのだ…
「ちぃっ!あーもう面倒や!」
そう言うと智子は、自動小銃(64式)に持ち替え、木の陰から踊り出た。
「みぃんな、いてまえ!」
タタタタタタタタタン!
射撃時の反動に負けないように両足を広げ、脇を締め、両手で持ちながら
ジープの陰に隠れた兵士たちを撃つ。
…かっこいいじゃない。
負けられないわね、これじゃあ。
わたしは意を決して、自分の持つ「力」を発動させながら、
もはや使い慣れた日本刀を手に、敵の中に斬り込んでいった…
てか、別々のスタート地点のキャラの振り分けは?
(今更でスマソが気になったもんで)
>>734の続き
「…ここまで来れば、大丈夫でしょう」
水瀬秋子(090番)は、走るのを止め月島拓也(059番)の方に振り返る。
「出来れば、戦わずに事を済ましたいんだけど…そうはいかないようね」
「そんな木の棒でどうするつもりなんですか? もう、先は見えてます…
大人しく殺された方が苦しまずに逝けますよ」
「…それはどうかしら。いくら素晴らしい銃を使おうと、当たらなければ意味は無いんですよ。
「この私がこの距離で外すとでも言いたいのか? 残念だがその望みは捨てた方が良い」
眉間に正確に狙いを定め、そう尋ねる拓也。
「あっ、そういえば…。さっきから瑠璃子ちゃんって言ってましたっけ?」
「…お前が瑠璃子の名を呼ぶな」
「綺麗な少女だったわね…」
「! 何処にいるのか知っているのか!?」
「ええ…。綺麗な少女だったわ…。最後まで」
「…なっ、なんだと…?」
「今頃、お空の上であなたを待ってるんじゃない? ふふ…」
自分の好きな綾香や佐祐理は早めに仲間と組ませて延命。
その後は放置して、さらに延命。
やりますな。
人を減らさなきゃいけないのは分かるが適当にやらないでねってことで。
「きっ…、きっ…、きさ…ま。貴様ああぁぁァァァァッッッ!」
その言葉を引き金に、銃弾も発射された。
だが、怒りによる痙攣のせいで狙いは逸れ、銃弾は明後日の方向に突き刺さった。
「ガアァアァァァ!!」
2発目を撃ち込もうと、狙いを定め直す拓也。
だが、既にその場所に秋子は居ない。
「…ハァァッ!」
ドスッ。
44マグナムは、只の鉄屑となり果て地面に落ちた。
秋子の持つ、つい先程まで木の棒だった筈のそれは鈍く銀色に光を放っていた。
「アアアアァァァ!」
グリップと引き金のみが残るマグナムの引き金を、ひたすら引き続ける。
「もう…。終わりましたよ」
だが、止まらない。何が起こったのか気付いていないのかもしれなかった。
「………」
無言で、仕込み杖の刃を納める。
そして、懐から大きなビンに入った謎の液体を取り出した。
何処にそんなものを隠し持っていたかは秘密だ。
「今は、ゆっくりと眠りなさい。大丈夫。あなたの大切な人はまだ生きている筈だから…」
そう語りかけると謎の液体を取り出し、拓也の口の中に思いっ切り詰め込んだ。
………
バタッ!
「さて、と。早く帰らないと。あの子達が心配してるかもしれないし…」
-----
いまいちだったかなぁ…
どうもサッパリ(w
>>825 別に(・∀・)イイ!じゃん!(ばい御堂信者)
>>832 良いんじゃないですか、謎ジャム(笑)。
謎ジャムか。
たのむ。
オイムなら他所でやってくれ(藁)
そろそろ新スレの準備を始めなきゃいけないのか。早いな。
みんな、ここに集中しすぎ(w
ほんっとにネタ無いんだな、この板…
>>832 萎える。
なんでマグナムが負けるわけ?
なんで謎じゃむなわけ?
おもんねぇ。結局殺したくないんでしょ?
>>830 その手を使えば、みずきちを無駄死にさせられずに済んだなぁ。
あーあ。メインヒロインが何であんな犬死にするかなぁ。
まぁ、いいか。
そもそも秋子さんの戦闘能力が高いってのは
公式設定なのか?
殺したら殺したで文句出る。
生かしたら生かしたで文句でる。
どないすりゃえーんや……マジで。
845 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 03:43
なるほど、「文句があるならテメェで書きな!」は
自分の萌えキャラ愛護してぬくぬくしてる温床だったというわけだな。
>>844 書かなきゃいいじゃん。書くヤツは文句言われても黙って書いてるんだし。
>>841 ゴメソ。
その通り殺したくなかった。
やっぱ、見てるに限るねぇ。
>>844 納得のいく散り様、納得のいく生き様…
これであれば大本命のキャラが死んでしまっても文句は言いません。
>>843 秋子さん=郁未成長後という説が一部で広まってるせいと思われ。
月やってないんで詳しくないんだが。
そうだ!
スフィーやりアンと合流してれば健太郎は早死にせずに済んだんだ。
漏れの健太郎たんを返せ!!
>>847 触らぬ神にタタリ無し、だな。
で、どうする?
撤去するんか?
>>851 撤去する必要まではないんでないかなぁ?
>>843 秋子さんは前々回の優勝者という設定が書かれてたぞ?
年齢を考慮してだとおもうが。
優勝したからにはそれなりの能力はあるんだろう。
そして、原作での有無を言わせぬ雰囲気は、それに関する
逆説的裏付けにもなろう。
>文句でねー方法
後はスタッフロワとか仮想戦記とかで名の通った書き手が書くとかだな。
なんだかんだ言ってネームバリューに弱いからな、漏れタチ。
855 :
謎1:2001/05/21(月) 03:51
街道(といってしまうのもはばかられる粗末な道)から山へと入ったところにある洞穴。
そこで休息をとる二人がいた。
柏木耕一(019)と天沢郁未(003)である。
未だ耕一はまるで変態みたい(というか変態)な格好ですごしている。
対する郁未は未だ下半身を露出させたままのえちぃ格好だ。
「寄り添いあって眠る姿は、まったく知らない人がみたら
二人は仲のいい恋人(しかも進んでる)に見えなくもない。」
ボカッ!!
「誤解されるような解説をしないで。」
「あ、わりぃ、つい声に出てたか。」
(声に出さなきゃいいってもんでもないでしょ……)
耕一は郁未の姿を確認する。
「少しは寝てろよ…俺が周囲は気を配ってるからさ。」
「私は眠くないのよ…あなたこそ寝たら?」
嘘だった。思っていた以上に精神的な衰弱が激しい。
そんな郁未を見かねて耕一が休もうと無理やり言い出したのだ。
「俺はさ、ほら、戦闘のあとしばらく寝てたから…」
あれは気絶だ。
「……あなたは不安じゃないの?
こうしてる間にもみんなが…大切な人の命が危険にさらされてるかもしれないのよっ……!!」
「……」
郁未は声を潜めながらも、叫ぶ。
「俺はさ…」
一瞬の静寂。それはすごく長く感じられた。耕一が先にそれを破る。
「確かに心配だ…今すぐにでも行動したいという思いももちろんある。」
「だったらっ……!」
「だけど、俺が…俺達が死んだら残されたみんなはなんて思う?」
「えっ……?」
>>852 そんじゃあこのまま
月島兄謎ぢゃむで卒倒、秋子さんチームぬくぬく…
なんてドキュソな展開で物語り進めるのか?
やだ。
857 :
謎2:2001/05/21(月) 03:52
「きっとすごく悲しむと思うんだ。俺や、従姉妹のみんながそうだった。」
親父が死んだあの事件、今も忘れられない。耕一も、千鶴達も。
「だから…休むときは休む!万全な体勢で望まないとな!」
「……」
(お母さん…)
お母さんの、晴香達みんなの悲しむ顔…見たくない。
「確かにそうね…」
「みんなも、俺達も笑って帰ろうぜ。だからいまは休め……」
「うん…ありがと…」
郁未は少し安心した顔を見せ、そのまま意識は闇へと進んでいった。
(だけど……どう行動するべきなんだろう)
移動中、郁未が言った言葉……
「高槻…あいつはバカで高慢ちきだし、髪の毛だってハートチップルよりくさいけど、
決して無能じゃない……そんなやつがなにも企んでないと思う?」
最悪の場合、私達の手の届かないところに黒幕が存在してるかもしれない……
「真の……黒幕ね……」
誰にでもなく、耕一の声が洞穴に通った。
エロゲーを作ろうスレで、マルチシナリオのロワイアルゲー作ってもらえ
あんなに荒れたスタッフロワがまともに見えるってどうよ…
むしろこれが普通で、スタッフロワがものすごくおとなしかった、と考えてみる。
千鶴さん呼び捨てっスかー?
マジ頼みますわー
そろそろ落ちるけど、なんか明日になったら荒れてそうでヤだな…そうならない事を祈る。
>>861 いや、一応耕一視点の描写じゃないんだ。
分かりにくくてスマソ。
昼組泣くな
ちょっと、風速弱まったかな。
まあ、みんな落ち着こうや。
ここ見てるのの大半って、やっぱハカロワ好きだったんだろ。
なら、スタッフ編がああなってしまったことを踏まえた上で、
このスレが廃れていってしまわないようにやっていこうや。
書き手のほうも、こういう機会って早々ないんだからさ、
生きてるキャラも、死んでくキャラも、
大事に書いていってほしい。
ま、でもここは2chだしな…うーん。
スタッフ編は序盤も良かったが中盤から尻上がりに良くなったと思う。
某アナザーは不覚にも涙が。
こっちもマターリ頑張ろう。
俺、スタッフ編読んでねーし
書いてるの同じ人?
うんにゃ。俺はここだけ。
文体見ればわかってもらえると思うけど、
スタッフ編や仮想戦記にゃ書いてないよ。
ちなみにここまで晴香パート書いてんだけどさ。
よくよく考えてみるとスタッフ編と人の死ぬスピードは大差ないんだよな。
ただこっちのほうが登場人物がべらぼうに多いだけで。
へたに展開早めるより、ゆっくりでもキャラクターを立たせて欲しい。
麻枝の長いアナザー書いてた人と、茜のパートほぼ全部(確か、シュンと往人と対峙したシーンを除いた全部かな)は同じ人らしい。
それと、ギャグ担当でもスタッフロワの人が何人か書いてるもよう。
他にもいるんじゃない?
閂×陣内パートの達人も
光臨していると思われ。
少し高めの声で呼びかける。
しかし聖からの返事は無い。
「……? どうしたのかな」
マナは満タンになった水袋を手に、辺りを探してみた。
そして、幾分もしないうちにその光景にであった。
「!? き、霧島さんっ!?」
喉から血を流し、地面に赤い血だまりを作って聖は倒れていた。
「霧島さんっ、霧島さん!?」
急いで駆け寄り、聖の上体を抱え起こした。
「大丈夫ですか、しっかりしてください! 霧島さん!?」
するとうっすらと聖が目をあけた。
……霧島先生だと、いってあろうに。
「こんなに血を流して……。止血、止血しなくちゃ!」
「が……ヴぉあ……」
私はもうだめだ……、そう聖は言おうとした。
だが、切り裂かれた喉からは、ごぼごぼと空気が抜ける音しかしなかった。
「あ……、だめよおとなしくして! 血が……、血がとまらなくなっちゃうっ」
マナは既に涙で顔中をぬらしていた。本人はそれに気付いていなかったが。
……君は、あいつにやられなくて良かった。
「どうしよう……、止まらないよぉ……」
「ごぼっ、……ごぷっ……」
何かを訴えようとする聖、だがそれも言葉にはならなかった。
「のどが……、のどが……」
マナにはもう、できることが無かった。
聖は、血にまみれた手でマナの手を取った。
その動作はひどくたどたどしくて……。
875 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 04:26
>>828 >>832 共に書き直しを要求する。
理由
・秋子さんの強さの確証がない
・マグナムを持った拓也が何故負ける?
・いくらなんでも謎ジャムを口に入れるっていう展開は…
「霧島……さん」
マナは聖と目があった。その瞳は妙にやさしく感じた。
「いや……、いやだよ。折角会えたのに、こんなお別れなんて……・
そんなの……そんなのやだよぉーーー!」
目を閉じ、ゆっくり横に聖は首を横に振った。
……ありがとう。
せめて、この喉が正常なら、お礼が言えたんだがな。
この子にまで悲しい思いをさせてしまった。
体の傷を癒しても、心に傷をつけてどうするのだ私は。
人を傷つけてまで医者を貫くなんてのは、儚い理想だったのか?
……どうやら、またも私は甘かったようだ。
だが、少なくとも一人は救えたな……。
最後の自嘲……。だけどそれは聖らしい、自信にあふれた表情だった。
……もう一度、佳乃の姿を見たかったものだが。
『お姉ちゃん!』
死に際の自分には、少しまぶしすぎる佳乃の笑顔がよぎった。
どさっ。
マナの手を取っていた聖の手がおちた。
「霧島……さん」
マナの腕の中で、聖は目を閉じて眠っていた。
二度と目覚めることの無い、永遠の眠りに。
不評だった聖の最後を少し演出。
もう何人死んだかワカンナ〜イ。
完全にスタッフ編のノリで行きたいってーのなら、
漏れは退散してもかまわんよ。
読んでるだけでも十分たのしめるんだからさ。
「くっ……!」
「気付いたようだな、少年」
痛みによって目が覚めた。
目の前には先程の医者。もう一人の少女はいない。
続いて自分の体を見る。
「これは……あんたがやったのか?」
「怪我人を手当てするのは医者の務めだ。どんな者でもな」
「頭悪いんじゃねぇのか? 俺がもう一度あんたらを襲ったらどうする?」
「ぬかりはない。君の武器はマナ君が捨てに行っている」
「……」
「どうだ?」
「……ちっ」
言い捨て、目を逸らした。
「君は何故人を殺す?」
「決まってるじゃねーか、生きて帰りたいからだよ」
めんどくさそうに答える。
「後に楽できるんなら、苦労はとっととやっておくもんだぜ。
めんどくせーけどな」
「そうか。ならばこのまま野放しにしておくわけにはいかないな」
聖はそう言って、またどこからかメスを取り出した。
「殺すのか?」
「馬鹿を言うな。医者が人を殺しちゃいかん。
このメスにはちょっとした薬が塗ってある。
速効性だから、すぐ眠くなるはずだ。
マナ君が戻ってきたら、眠ってもらう。
そうした後に、そこらの木にくくりつけさせてもらうよ。
その間に、トンズラだ」
その言葉に浩之は苦笑した。
「おいおい、結局は見殺しじゃねぇか。
だったらとっとと殺せよ、めんどくせぇ」
「私は医者だ。人は殺せない。
しかし出来ることにも限りがあるのでな。
君が改心するつもりがないなら……仕方がない。
精神科は私の範疇ではないのでな」
その声には、今までのような張りはなかった。
見殺しという事実に苦悩しているのだろう。
「けっ……かったりぃこと言ってやがる」
「性分だ。仕方あるまい」
もう浩之は喋らなかった。
この医者が自分を殺すつもりがないのはわかった。
ならば後は待てばいい。罠にかかる瞬間を。
これは賭けでもあるが、実際のところ負けてもよかった。
――かったるいから――
「何か隠しているな?」
「さぁな?」
「患者の嘘を見抜くのは得意だ、何を隠している」
メスを持ち浩之に責めよる。
次の瞬間。
「きゃぁぁっ!」
森に、マナの悲鳴がこだました。
>>877 おつかれさま。
これで鍵っ子も少しは落ちつくでしょう。
・いくらなんでも謎ジャムを口に入れるっていう展開は…
これだけでも十分では?
最後の数行で萎えた…
スマソ。
>>874冒頭に以下を追加。
浩之が逃走したのとすれ違いにマナは帰ってきた。
「霧島さ〜ん、水汲んできたよ」
「マナ君!?」
その一瞬だけ、注意が逸れる。
「だから甘いんだよ!」
隙を狙い、浩之は声のした方へ駆け出した。
「くっ、しまった!」
急いで後を追う。
だが夜の森の中だ、走り辛いことこの上ない。
運動神経のよい浩之に、差は離されていくばかりだ。
(あの少年……何故あんなに早く走れる?
迂闊だった……マナ君が戻ってくるまで眠らせておくべきだった!)
自分の迂闊さを呪うも、既に遅かった。
破れかぶれでメスを投げるも、ことごとく当たらない。
(腕も鈍ったものだ……くそっ)
「霧島先生!」
辿り着いた先に見た光景は、倒れているマナに向かい、ナイフを突き付けている浩之の姿だった。
マナの足には矢が数本刺さっている。早く手当てしないと、傷口が化膿して大変なことになるのは明白だった。
「わかってるよな、動くなよ。
動いたら、即、こいつを殺す。」
「先生……」
マナは怯える視線を送るだけだ。
『助けて!』と、自分の身だけを考える発言はできなかった。
『私のことは構わないで!』と、自分の命を投げ出すこともできなかった。
ただ怯え、震えるだけ。
「陳腐な脅し文句だな……何をした、少年?」
その声は震えている。
「教える必要もないが、いいか。
ちょっとした罠だよ。糸を張っておき、引っ掛かったら矢が発射される。
これを4つだけ森に仕掛けておいた。
運がよかったよ、用心するに越したことはない。で――」
落ちていた銃に手を延ばす。
「まだどっかに捨てられてなかったみたいだ。
こいつも、運がよかったよ」
銃を構え、聖に向ける。
「……私の命はやる。だが、マナ君は見逃せ」
「先生――」
「あんたの言葉も陳腐だよ。じゃあな――」
ってあら。
>>879 書き直したのね。
まあ、それでいいならいいけど。
じゃあ私のはなかったことにw
>>878 別に消える必要ないって。
でも俺も今回からの参加だから説得力無いけど。
見てるだけでも楽しい〜は同意。
そう言ったときだった。
「このっ」
マナが浩之の腕に噛み付いた。
「っ!?」
怯え切ったマナに、こんなことをする度胸はないと踏んでいたが、どうやらこちらも甘かったみたいだ。
「マナ君、逃げろっ」
言いながら、浩之が隙を見せた瞬間、聖はメスを持って間をつめる。
が、遅かった。
ダンッ、ダンッ!
二発。聖の体に叩き込む。
崩れ落ちる聖の体。
次にマナへと銃を向け。
足に痛みが走る。
――しくじった、さっきのメスだ――
「……速効性は伊達じゃない……」
聖の声が遠くに聞こえる。
その時にはもう、浩之の意識は闇に落ちるところだった。
「先生! 先生!」
「……ははっ、油断したよ……」
聖に駆け寄るマナ。聖の体は既に、冷たくなりつつあった。
「私が……私が……」
「気に、するな……生きていてくれれば、それでいい。
そんなことより、早く逃げろ。私は、もう、ダメだから」
「そんなっ!」
「私は医者だぞ? 医者の言うことは聞け……」
「先生……」
マナの目には涙が浮かんでいる。
「いいから早く……その足じゃ満足に動けないだろうが、私にはもう、治療できない。
こいつが目覚ます前に早く……」
「どうして! 殺せばいいじゃないですか!!」
マナの声が響く。
「……私は医者なんだ。君も医者の助手だ……。
やはり甘いな、私は……」
「……せんせぇ……」
「早く……行くんだ……
元気でな……」
僅かの沈黙の後、涙を拭い、言う。
「はい、先生。ありがとうございます……
さよなら……」
静かだ……。
もう、死ぬな……。
佳乃……。
すまないな、こんなお姉ちゃんで……。
032霧島聖 死亡
【残り78人】
先にあがってしまったらしいが、私のは聖vs浩之再戦から書き直したもの。
ちょっと遅れたなぁ……
ていうか、これから書くからって言ったのに、まぁいいけどさ(w
みんな初対面で仲良くやりすぎ…
書き手があまり出しゃばりすぎるのも萎えるノデ。
>>890 ・書き手のマナー
・読み手のマナー
妥当だと思うよ、その線で。
なんかシナリオ書きなおしで、訳判らなくなってきたな。
>>888でファイナルアンサー。
で、誰か書くという人がいたら、名乗り出て欲しい。
被ると悪いんで。
聖の話はどうする?
問題のやつに後付けしたルートか、浩之の目覚めから書き直したルートか。
マナと浩之の状態が双方で違うので、どっちか決めたほうがいいと思う。
放置しておいて続きは書き手の自由という手もあるが。
>>894 要望あったからわざわざ書き直ししてもらったのに、そういう書き手を萎えさせること言うなよ。
>>895 新スレまで新たなストーリーは控えたほうがいいかもね。
俺も少し混乱してるし。
ていうか、もう新スレたてるよ?
一晩明けて覗いてみたが、どこで問題が起きたの?
902 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 12:38
叩くしか脳のない奴が叩いて、
叩かれたくない書き手がヘコヘコして、
書き手をかばいたがる第三者がしゃしゃり出たの。
901だが、なるほど。 そんなやつらは無視して書き手は粛々と書いていったら?
つーかたかがパロディスレにムキになってる奴はどうかと思うぞ…
マターリいこうや、マターリ( ´∀`)
905 :
名無しさんだよもん:2001/05/21(月) 19:58
>>904 向こうは、怖いくらいマジなんですけど。
登場人物100人の殺し合いなんて本物の小説家でもかなり難しいぞ。
ここまで続いてること自体すごいと思うぞ。 因縁つける奴は面白く
なかったらここ見なければいい。 それだけでしょ。
(・∀・) ゴメンナサイ ゼンブ ボクノ ジサクジエンデシタ
秋子さんチームぬくぬく状態は吐き気がするな。
あの喫茶店に爆弾投げ込んで全員ぶっ殺したくなってきた。
一気にキャラ減らせるしな。
問答無用でNG食らっちゃうよ。でも喝を与える意味では良いかもね。
>>911 一定時間同じ位置にとどまってる奴は死亡、とか付け加えてくれば?
>>912 このままマターリっぱなしならやっちゃってOKじゃない?
他のチームに比べて人気なさそうだし。
とりあえず重要そうな秋子さんだけ残して全員ドカン。とか。
>>914 いくつかネタはあるんで無理やりドカンはやめて。
(使えるかどうかわかんないけど。全然タイミング合わないし)
>>911 マシンガンか何かもった奴乱入させて
秋子さんに重傷負わせて動けなくして、
店に火でもつけて他の連中をバラバラに分断してやればいい。
誰も死ななきゃNGは出せん。
物騒な話をしてるなぁ(w
生き残る為に動かないってのも一つの手段なんだから、OKじゃないか?
つーか面白くて筋が通っていれば、隠れて動かないのでも、皆殺しでも
どっちでもいいや。
筋ならもう通ってない(w
>>915 秋子さんパートの続き読んだけどなにあのオナニー文章。
どんどんオリ設定追加してってハカロワ自体がつまらなくなる。
もういいよ、あいつら全員ダイナマイトで爆殺キボーン。