1 :
エスエ・スキー :
引越しによって、SS系スレッド全滅。
ならば新しく立てよう!
投稿だろうが、サイト紹介だろうが、SS論議だろうがなんでもあり!
葉鍵のネタならなんでもOK!
よろずSSスレッドスタート!
ついでに、SS収容所のリンクを付けてくれると使い勝手が良かったのに。
3 :
…名無しさんです。 :2000/10/16(月) 19:52
出来ればSSスレは普通用・鬼畜用・論議用と分けて欲しかったにゃ〜。
4 :
綾香萌え〜 :2000/10/16(月) 19:55
www2u.biglobe.ne.jp/~nbc/nbc2.html
www.rururu.com/moratorian/
どうよ?漏れとしては上がおすすめかな。
5 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/16(月) 20:00
ぐあ。あれが無くなったら板的に大きな損失だな。
マジ全滅?
6 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/16(月) 20:28
>5
あれってSSスレの事?ログ保存してくれてる人が何人もいるから心配しなくても大丈夫だよ。
7 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/16(月) 20:57
記念すべきCheese一番乗りSSは果たして誰だろうか!?
SS系統のがこっちに来たら下がるスレだなゴルァ(゚д゚)
9 :
ほかほか兄さん :2000/10/17(火) 22:37
とりあえず鬼畜SS書き込ませて頂きまーす。
真琴がいなくなって数ヶ月…。
「はあ…はあ…真琴…」
祐一の喘ぎ声が聞こえる。
愛しい人がいないと言う事実は心はもちろんの事、同時に身体の方も蝕んでいた。
いわゆる「溜まる」というヤツである。
そう、祐一は今オナニーの真っ最中だった。
スズメの鳴き声が届き、朝日が部屋の中を陽光で染めるさわやかな朝。
さわやかな一日の始まり。
だが祐一は止める事が出来なかった。
真琴への想い。そして真琴を失った憤りが祐一の右手に更なる動きを要求する。
「ハッ!ハッ!ハッ! 真琴…! 真琴…!」
その光景を物陰で見ている人影があった。
名雪だ。
真琴がいなくなりこれで祐一を一人占めが出来ると思った矢先、
しかしながら、祐一は名雪の事を見ようとはしない。
祐一の心は永遠に囚われの身。
「祐一…私どうしたらいいのか解らないよ…」
名雪も出来る限りの事はした。
わざとバスタオル一枚で廊下をうろついた。
祐一が部屋に居るのを見計らって自室でオナニーに耽った事もある。
しかし、祐一は何も反応しない。
あの女は。あのいきなり転がり込んで来た忌々しい女狐は名雪の一番大事なモノを
奪って、姿を消した。
それが許せない。
それが悔しい。
「……ッ!」
名雪は意を決して祐一の部屋に踊り込んだ。
「ウヲッ!ヲッ!ヲッ!真琴…真琴〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
名雪が部屋に踊り込んだタイミングとほぼ同時に祐一は絶頂に達した。
白濁とした新鮮な精液が布団に、枕に、そして飛び込んで来た名雪にも降り掛かった。
「きゃっ!」
名雪は突然の出来事に小さい叫び声を上げる。
その声に反応して、祐一が名雪の方に首を向ける。
「祐一…」
正常な状況ならば祐一も慌てふためき布団か何かで自分のモノを隠すところだろう。
だが今の祐一は違った。
突然入ってきた名雪をボーと眺めている。
明らかに今までと違う日常。
だが、こんな状況にも関わらず名雪は少なからずホッとした。
まだ私に反応する。
まだ私に関心を持ってる。
「………」
しかしその認識は甘かったとその直後痛感させられる。
どろりとした瞳。
半開きになった口。
そのどれもが「名雪」という一人の人間に向けられたものではなかった。
恐らくこの場に居るのが犬でも猫でも同じ反応を示した事だろう。
「…………ククッ…」
そして視線を戻した後、祐一はまた同じ事を始める。
シュッシュッ… シュッシュッ…
祐一の表情が除々に恍惚としてくる。
「…真琴… …真琴…」
名雪はその光景を見て真琴を心底憎んだ。
が、それと同時に祐一の心をこちらに向けさせる手段がただ一つだけ有る事にも気付く。
それは非常の手段。禁断の領域。
だが祐一の心をこちらに向けさせるのはこれしか方法がなかった。
上手くいくかは解らない、だがやるしかない。
名雪は意を決して一つの言葉をその口から紡ぎ出す。
「…あうー…」
部屋の空気が止まったような気がした。
祐一の手も止まっている。何かを見据えたような瞳。震える身体。
祐一は恐る恐るその声が発せられた方に首を曲げる。
「…祐一。私だよ、私。真琴だよ」
名雪の心に楔が打ち込まれる。一言発する度に切り刻まれる心。
だがやるしかない。
名雪にはこの選択肢しか残されていないのだから。
「真琴…なのか…?」
祐一は瞳をうるませながらこちらに近づいて来る。
一歩…二歩…。
その度に名雪は心の中で祐一に訴える。
(ホントは私なんだよ…、名雪なんだよ…、あなたのいとこの幼馴染なんだよ…
…どうして…どうして気付かないの…?)
しかし祐一自身が名雪に関心を向けているのは確かだ。
例えそれがかりそめの姿だったとしても…。
名雪は「真琴」になるしか他に手はないのだから。
「真琴ーーーーーーーーーーーっ!」
「きゃあ!!」
祐一が名雪の身体に飛び込んでくる。
「真琴〜〜〜〜っ!お前どこに行ってたんだよ〜〜。心配…心配したんだぞぅ!」
祐一がこれ以上ないほどの喜びに打ち震えている。
真琴はこれほどまでに祐一に愛されているのか。
真琴に対する怒りがずんずん込み上げてくる。
だが今の名雪は「真琴」なのだ。
その相反する答えに名雪の心は引き裂かれそうになる。
「ちょっと友達のところに行って来ただけなの。心配かけてゴメンね祐一」
名雪は努めて冷静に「真琴」を演じる。
そして皮肉な事に祐一はその「真琴」を信じきっている。
「ばぁかっ…!お前…俺がどれだけ心配したか…」
そう言いながら祐一は「真琴」の唇を奪う。
「うぅ…!?」
名雪はくぐもった声を発する。
愛しい人のキス。夢にまで見た祐一との初めての口付け。
なのにどうしてこんなに空しいのだろう。
どうしてこんなに悲しいのだろう。
「なあ…真琴…いいだろ…?」
そう言って祐一は名雪の身体をまさぐり始める。
「俺もう…我慢できないんだよ…お前の事をどんだけ想っていたのか…
お前がいないとどれだけ寂しいのか…解った…解ったんだよ…」
名雪の心を切り裂く言葉という名の凶器。
だが祐一は名雪のそんな心に全く気付く事なく上着をずり上げる。
名雪の形の良い胸が露になる。
「…!」
覚悟はしていたがいざこんな状況になると恥ずかしさが顔に出る。
でも名雪は「真琴」なのだ。
真琴ならこんな時どんな反応を示すのだろうか?
どんな言葉を発するのだろうか?
「あう〜… 祐一恥ずかしいよ…」
名雪は精一杯の心で真琴の言葉を紡ぎ出す。
「可愛いぜ…真琴…」
祐一が名雪の乳首に吸いつく。
「あっ…!」
敏感な部分を刺激され名雪の身体がビクッっと跳ね上がる。
(やだ…こんな…状況で感じたりなんかしたら…)
そんな名雪の心など露知らず、祐一はあらゆる手段を用いて名雪の身体を攻める。
胸…、乳首…、そして大事な部分…。
性的に未発達な名雪は祐一の思うがままだった。
(どうして…感じちゃうの…どうして…こんなに祐一は上手いの…?)
その答えは一つだった。
真琴がいたから。
真琴がいたから祐一は女の扱いに長けているんだ。
真琴がいたからこんなにもセックスに慣れているんだ。
そう解った時、名雪の心に巨大な痕がまた一つ刻まれる。
「そろそろ…いいだろ真琴…」
指を名雪のあそこに抽出しながら祐一はそう呟く。
名雪の身体は本人の意志とは無関係にすっかり反応しきっていた。
乳首はビンビンに固くなり、あそこからは恥ずかしい液体がとめどもなく
流れ出ていた。
「はあっ…はあっ… はあっ…はあっ…」
既に今の名雪に真琴を演じる真似は出来そうにもなかった。
ただ祐一の好きなように。
祐一の言葉通りに従うしか術がなかった。
「う…ん…」
そう言って名雪は自らの意志で股間を広げる。
恥ずかしかった。
だがそれ以上に身体が疼いて仕方がない。
祐一が欲しかった、祐一のアレをあそこに入れて欲しかった。
(私は…私は真琴でもいいの…もういいの…祐一が…祐一がそばにいてくれる
だけで私は…)
その魅惑的な格好に祐一の理性が弾け飛ぶ。
「行くぜ…真琴…」
自分のモノを名雪のあそこにあてがい一気に突き入れる。
16は「朝焼けの中で・7」です。
失礼。
「……!!」
処女喪失の瞬間。
それは想像以上に痛みが伴う事だった。
破瓜の血がシーツに舞う。祐一の腕にも血が舞散る。
その瞬間。祐一の瞳が禍禍しいモノに変わる。
名雪に気付かれる事なく。
「祐一…もっと…やさしく…きゃうっ!」
その言葉を無視して祐一はこれまでにない抽出を繰り返す。
奥に、奥に、更に奥に。
「いやっ!はっ!駄目っ!祐一…!」
ペニスが子宮に当たっても気にする事なく祐一の抽出は続く。
まるで何かに取り付かれた様に、まるで名雪を壊すかのように。
さっきまでのやさしさは微塵もなかった。
まるで人が変わったように祐一は腰を動かす。
そして名雪も今初めて気付く。祐一の様子がおかしい事を。
祐一の形相が激しく変わっている事を。
そして呟く。
「どんな気分だ… 『名雪』?」
「祐…いち…?」
「どんな気分かって聞いてるんだよっ!!」
ずんっ!!
「ひぎぃっ!!」
祐一がこれまでにないくらい激しく腰を突き入れる。
「人の心を弄びやがって…許さねえぞ…絶対に許さねえぞ名雪!!」
そう言いつつ正拳で名雪の顔を打ち据える。
「きゃあっ!!」
口の中が切れ、血の味が広がっていく。
「ど…どうし…て?」
名雪には解らなかった。
何故突然気付いたのか?何か間違った事を言っただろうか?
名雪の頭の中で様々な考えが飛び交う。
真琴、私、祐一、セックス、シーツ…
その時口の中の血が何かと結び付く。
血、血、破瓜の血、破瓜、処女…。
そして気付く。
真琴が「処女」でない事に。
真琴ならば、真琴ならば「破瓜の血」など出る訳がない事に。
「あ…ああ…」
「ようやく気付いたようだな…全く人の心に付け入りやがって…このメス豚があっ!」
バキッ!ドカッ!ズガッ!!
「いやッ!やめッ!ぐヒぃッ!!」
「その捻じ曲がった根性を叩き直してやる!!反省しろッ!!」
祐一の鉄拳が名雪の顔に襲い掛かる。
もちろん腰の抽出も忘れない。
名雪は二重の危機にさらされていた。
「や…めて…ゆう・・・い・ち・・」
「とどめだ!」
ベキィ!!
「ぎゃう!」
祐一の力を込めた一撃が名雪の鼻に襲い掛かる。
その端整な顔をズタズタになり見る影もなかった。
「こっちもくらいやがれっ!!」
どぴゅっ!どぴゅっ!どぴゅっ!!
「ああああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜!!」
絶望におののきながら名雪は叫び声をあげる。
「ゆうい…ち… 私は…わたしは…」
「黙れ!このゴミがッ!」
感極まった祐一の蹴りが名雪の鳩尾に入る。
「ぎひィッ!!」
胃液を吐き出しながら名雪はその場に崩れ落ちる。
(祐一…何で…何でこんな事をするの…?私じゃ駄目なの…?私だって初めてだったんだよ…
初めてだったのにこんな…そう…そうだ…みんなあいつが悪いんだ…あいつが祐一の前に現れたのが
いけないんだ…やさしくするんじゃなかった…最初から追い出せば良かった…お母さんがあんな事
いうから…お母さんがかばうから…憎い…お母さんも憎い…真琴はもっと憎い…憎い…憎い…)
グキッ!
その瞬間、名雪の意識がこの世から消える。
祐一の手によって首の角度が180度曲げられていた。
名雪の想いは何処かに届くのだろうか?
もし届いたとしたら、それは真琴の元なのだろうか?
そしてその時二人はどうなるのだろうか?
それは誰にも解らない。誰にも。
「はあ〜〜〜あぁ、手間かけさせやがって」
そして祐一はまた始める。
自慰を。
いや真琴との愛の抱擁を。
その心の中で。その幸せに満ちた世界の中心で。
「はあッ!はあッ!はあッ!真琴!真琴!」
どぴゅッ!どぴゅどぴゅどぴゅッ!
祐一の想いを込めた白濁液が朝日を浴びながら部屋の中を舞う。
名雪の身体に、朝日に照らされた名雪の身体に降り掛かる。
スズメの鳴き声が響き渡り、登校途中の子供達の声が聞こえる。
そんなさわやかな朝焼けの中。
一つの愛が想いを遂げた。 (完)
とりあえずこんな感じです。
長々と失礼しましたー。
では。
24 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/17(火) 22:57
うひょ〜!記念すべき新鯖移転後第一号SSにふさわしい迫力だったです。怖いよ祐一…。
25 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/17(火) 22:59
>>23 よかったです〜♪
名雪激萌え!
ところで、この祐一のモデルは○法使いさん?
26 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/17(火) 23:02
祐一をさぁ、○法使いにすると……(藁
27 :
名無しさんだよもん :2000/10/17(火) 23:24
殺し屋1
明太鯖は過酷な日々を。
そして僕らには軽い葉鍵板を。
下ろした手でムスコを固く握る。
「じゃ、測ろうか」
彼女が定規を持って、待っていた。
「うん」
「この先に待つもの…」
「13cmを目指して」
ただ、一度、僕は測定し呟いた。
その言葉は潮風にさらわれ、消えゆく。
「おのれ、高野山」
29 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/18(水) 01:07
何となくアゲだ。
内容とハンドルのギャップに爆笑だぞ>ほかほか兄さん
これからもがんばってくれ。
>28
激しくワラタ
最高っす。
で、何センチ?
↑これ、本当に本人が書き込んだのかなぁ?
なんか疑わしいけど。
イントロとして、キャラと話の方向性(鬼畜とか)あたりも
書いていただけると、なおありがたいです…お手数かもしれませんが。
・・・。
・・・・・・。
えー、とりあえずですけど自分は本物です(笑)。
名前のところにメアド書いてありますよね?
某掲示板ならそれで信じてもらえると思います(汗)
それにしても・・・(謎)。
それから簡単な紹介しますと・・・。
・・・。
・・・。
上の5作品が某「痕」のSSで、
下の2作品が某「ToHEART」のSSですぅ〜(笑)。
読んでいただければ解ると思いますですぅ〜(オオオ
・・・。
・・・・・・。
こんなところでよろしいのでしょうか・・・ねぇ・・・。
38 :
名無しさん :2000/10/18(水) 19:50
>36
悪い事は言わん、自分が誰か特定できる描き込みはやめとけ
少年漫画版でもこういう風に中々面白いSS描いてくれた人がいたが、書き終わった途端にそいつへの中傷が始まった
ここは何もしてなくてもコテハンってだけで煽られたり騙られたりすんだから
まぁ、HPアドレスまで書き込んだ以上手後れかもしれんが・・・
39 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/18(水) 20:00
>自分なりにかなりオススメです〜
言っちゃなんだがこう言う事自分で言わない方が良いと
思うよ。
ここ2CHなんだから。
なあなあではいかないよ。
40 :
>36 :2000/10/18(水) 20:00
41 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/18(水) 20:05
>36
つーか読もうにもエラーが出て読めねーぞ。
俺だけか?
42 :
名無しさん@やっぱみさき先輩だろ! :2000/10/18(水) 20:17
みんな親切だな
というわけで、↑の書き込みが見えないように流してやろう
> 上の5作品が某「痕」のSSで、
> 下の2作品が某「ToHEART」のSSですぅ〜(笑)。
> 読んでいただければ解ると思いますですぅ〜(オオオ
馬鹿丸出し・・・
44 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/18(水) 21:32
葉鍵住人で馬鹿じゃないやつを見てみたいがな>43
45 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/18(水) 21:41
馬鹿と天才は紙一重って考えていいのか?ゴルァ(゚д゚)
「・・・佐祐理、脇が痛い」
「あばらーっ」
「・・・佐祐理、ハワイ旅行獲得」
「あろはーっ」
「・・・佐祐理、砂漠に行きたい」
「さはらーっ」
「・・・佐祐理、魔法が使える?」
「かばらーっ」
「・・・佐祐理、祐一と私、どっちが好き」
「あなたーっ」
「・・・佐祐理、さよなら」
「さらばーっ」
>>46 これこれ。ここはSSスレであって、ネタスレじゃないぞ。
ネタに自信があるなら新スレ立ててみたら?
ホントに自信があるならだが。
全部入りって言われると、アキバのあの店を思い出してしまう……
>>48 「じゃんがらラーメン」だね
そーいや、新メニューってもう出たん?
(最近は、典座ばかりだ……)
50 :
名無しさん@夢いっぱい。 :2000/10/19(木) 02:04
じゃんがらは麺を堅めで頼むのがおすすめ。
>36
正気?
つーか、これも偽者か。
>45
それはうだるにきてくれってことか?ゴルァ(゚д゚)
52 :
323 :2000/10/19(木) 02:20
つーか、もし本人ならなんでリファー漏れないようにしてんだ?
クッキー消し忘れてるし。鬱だ氏のう…
54 :
46 :2000/10/19(木) 02:31
>47
すみません。ちょっと場を和ませたかったもので。ってそんなたいそうな
もんでも。ないんですが。
次はふつうのSS書きます。
いまさらだけどSEAMAって人過去になんかしたの?知らないんだけど…
前SS板で叩かれてたんで気になった。
56 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/19(木) 03:41
こういうの見ると、ウチのSSHPがばれてないかドキドキするなぁ。
影でメタクソに言われるのはやだなぁ。
59 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/19(木) 07:01
もうSEAMAって完全に消えちゃったのかな。
60 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/19(木) 07:54
きえてないぞ
61 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/19(木) 07:55
予想だと、だけど
62 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/19(木) 07:56
SEAMAか・・・
懐かしい名前が出たもんだ。
64 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/19(木) 12:54
このスレ、全部と書いてるけど、鬼畜SSはやっぱりマズイよね・・・?
65 :
名無しさんだよもん :2000/10/19(木) 13:23
SEAMAには復活して欲しいね。
あの自惚れは見ていて面白い。
あぼーん
test
68 :
名無しさんだよもん :2000/10/19(木) 17:09
俺、オフラインでSEAMAと会ったことを思い出した。
鬱だ詩嚢。
69 :
名無しさんだよもん :2000/10/19(木) 17:12
>>68 どんな人だった?
詳細を教えてください。
70 :
名無しさんだよもん :2000/10/19(木) 17:18
>>69 冗談でもネタでもなく、障害者手帳持ってたぞ。
71 :
名無しさんだよもん :2000/10/19(木) 17:21
漏れも障害者手帳欲しい。
72 :
名無しさんだよもん :2000/10/19(木) 17:22
SEAMAって誰?
73 :
名無しさんだよもん :2000/10/19(木) 17:38
74 :
70 :2000/10/19(木) 17:42
それを持つことが悪いとはいってない。
まぁ、過去にいろいろあったんよ。
知らない人はマジで知らないほうがいいよ。
75 :
73 :2000/10/19(木) 17:45
…いや、どこが悪くて障害者手帳を持ってるのかって聞いたんですけど。
言いたくないならいいです。ありがとう。
76 :
70 :2000/10/19(木) 17:46
よく分からんかった。
さすがにそんなこと本人に聞けないから。
でも、嬉しそうに手帳を見せていたのは事実。
77 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/19(木) 22:41
他人を下に見るのが好きな人間だったのう・・・・
<SEAMA
78 :
>64 :2000/10/20(金) 00:43
>このスレ、全部と書いてるけど、鬼畜SSはやっぱりマズイよね・・・?
マズくないよ。
9からの書き込みを見ろ。
高野山からの呪詛のせいで(w
名雪萌えSS(テーマ:腋毛)なるものを書く羽目になってしまいました。
何にかと至らない点、不愉快な点はあるかと思いますが、
萌えと腋毛の両立というテーマに挑んだものでありますので、
どうかご容赦下さい。多分失敗してますが。
なお、この文章の文責は、全て高野山金剛峰寺に属するものとします(w
「ただいま、だよ〜 」
玄関の方から緊張感のない声が聞こえた。どうやら名雪が帰ってきたらしい。
「う〜 、今日も部活でくたくただよー」
そう言いながらもあまり疲れた様子もなく、自分の部屋に入ろうとする名雪。
俺は廊下に出て、そんな名雪を呼び止めた。
「名雪、ちょっといいか?」
「あれっ、祐一。もう帰ってたんだ。今日は珍しく早いね」
「ああ、ちょっと訳ありでな。それよりちょっと話があるんだが」
「うーん、部活で汗かいちゃったから、先に着替えたいんだけど…」
「まあまあ、すぐ終わるって」
「うん、それならおっけーだよ」
名雪に続いて部屋に入る俺。相変わらず他愛もなく引っかかるのう。
「それで用事って一体何……きゃっ!」
部屋に入るやはいるや否や、名雪に襲い掛かる俺。
ちなみに股間の息子は既に準備完了状態である。
「わっわっわっ、いきなり何するんだよ、祐一!」
いきなりベッドに押し倒されて驚く名雪。恋人同士になったあとでも反応が初々しいねえ。
「ダメだよ祐一…お母さんや真琴が帰ってきたら大変だよ…」
「うむ、それなら大丈夫だ。秋子さんは遅くなるって昨日言ってた。真琴は天野の家にお泊りだ」
「…祐一…計画的犯行だね」
非難を込めたジト目で俺を見る名雪。
いやだなあ、もちろん計画的犯行に決まってるじゃないか。
「しばらく試験やら何やらで可愛がってやれなかったからな。名雪も溜まってるだろ」
「うー…わたしそんなにHな娘じゃない…」
「そんなこというのはこの口かな〜」
強引に名雪の唇をふさぐ。しばらくはじたばたしていたが。やがて体の力が抜け、
とろんとした目になる名雪。うむ。下ごしらえは完成といったところですな。
「それでは…いただきまーす♪」
すぽぽぽぽん!(ルパン式空中脱衣術実行中)
「わっ…いつの間にか服まで脱いでるし…」
改めて名雪の制服を脱がしにかかる俺。
まあ着たままというのもそれはそれで趣があってよいのだが。
「うー…せめてシャワーくらい浴びたいよ…部活で汗かいちゃってるのに…」
「いや、俺的には全然OKだ。むしろこのほうが好もしくすらあるな」
「…祐一…それじゃ変態さんだよ…」
軽口を叩きつつも、手際よく上着を脱がし、スカートも脱がす。
そしてブラウスに手を掛けたところで、何故か急に名雪が暴れだした。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って、祐一!やっぱり今日はダメだよ!」
「今更往生際が悪いぞ、名雪。もうお前も準備OK状態だったろうが」
「うー…そうだけど…とにかく、ダメダメ!今日だけは絶対ダメなんだよっ!」
本気で抵抗する名雪。俺はあまりの激しさに手を止め、まじまじと名雪を見つめた。
「…そこまでイヤがるということは…生理か?でも先週末には終わってるはずだしなあ…」
「わーっ、何でそんなこと知ってるんだよっ、祐一!」
真っ赤になる名雪。隙ありっ♪
「とうっ!」
素早くブラウスを剥ぎ取る俺。ついでにブラまで抜き取ってしまう。
この手際の良さは長年の修練の賜物だな(おい)
「わあっ!」
慌てて両手で胸を隠す名雪。ん…今何か違和感を感じたような…
「名雪、お前何か隠してないか?」
「えっえっえっえっ…祐一ったら、そんなことあるわけないよ〜」
「実は胸をパットで底上げしてたとか」
「…さんざん揉んだことあるくせに…」
「実は母乳が出るとか」
「…わたし時々祐一の思考についていけなくなるよ…」
「ま、とりあえず手どけてみ」
「え〜っ!ダメダメダメ、絶っ対にダメ!!ほら、胸見られるのって恥ずかしいし…」
「今更胸くらいで恥ずかしがるような仲かっつーの。あんなところやあんなところまで見せておいて」
「わ〜っ、祐一のHっ!じゃ、じゃあちょっと待って。やっぱりシャワー浴びてくるから」
あくまでしらばっくれようとする名雪。しかし、俺の好奇心はレッドゾーンに達していた。
「名雪」
「えっ」
「お前やっぱり何か隠してるだろ」
「そ、そんなことないよ〜」
「あっ!秋子さん!!いつの間に帰ってたんですか!?いや、これはその…」
「ええええええええええっ!!」
驚愕のあまり硬直する名雪。ふっ、まだまだ修行が足りんな。
「ごめん、見間違いだわ」
一瞬の隙を逃さず、名雪の両手首を掴み、バンザイの格好になるように両腕をベッドに押し付ける。
そして……俺の目は点になった…
ほっそりとした手首、白く柔らかな二の腕、そして、腋の下にほのかに煙る薄い茂み…
…腋の下にほのかに煙る薄い茂み?
「……」
「……」
思わず名雪と目が合う。一瞬、確かに時間が止まった。
そして時は流れ出す…
「うわああああああん!」
大声で泣き出す名雪。焦る俺。名雪がこんなに泣くのを見るのはいつ以来だっけ…
「すっ、すまんっ!名雪!」
慌てて謝る俺。しかし既に時遅し。
「ひっく…祐一のバカーーっ!!」
必死にフォローの文句を探す俺。
「いや、なんつーかその…そうだ、しっとりサラサラしてて、とっても可愛らしい腋毛だぞ」
うむ。我ながらナイスフォロー。
「ぐすっ…そんなの褒められても嬉しくないよ〜…祐一なんか死んじゃえー!」
まずい。何故か逆効果だったらしい…しかし一体どうすれば…
「…ひっく…祐一、こんなわたし嫌いになっちゃったよね…」
「えっ…」
「…こんなずぼらな女の子、嫌われても仕方ないよね…」
「名雪…」
すすり泣く名雪。
その姿を見ていると、何故かいたたまれないような気分になってくる。
俺は自分の無神経さを呪いながら、名雪を優しく抱きしめた。
「ごめん、名雪。たとえ何があっても、俺はお前の全部が好きだぞ」
「祐一…」
名雪は少し身体を強張らせたが、しばらくすると体重を俺のほうに預けてきた。
そしてゆっくりと時が流れる。
先に口を開いたのは名雪のほうだった。
「ぐすっ…祐一…ごめんね…」
「いや、悪かったのは全面的に俺のほうだ。無神経なことして済まなかったな」
「…祐一…」
「…すまん」
おそるおそる名雪のほうを見る。視線の先には、いつもの名雪の笑顔があった。
「ううん、もう気にしてないよ。最近ご無沙汰だからって、手入れを怠ってたわたしも悪いんだしね」
俺は、その笑顔に心の底から安堵している自分に驚く。名雪…本当にごめんな…
「うむ。女としての恥じらいを忘れてはいかんな。人間油断は禁物だぞ」
「う〜…そんなこと言うなんて、ひどい〜ひどい〜」
俺の照れ隠しにいつも通りの反応を返してくる名雪。二人の間に甘い空気が流れる。
…この雰囲気なら上手くいくかも…
「…ところで名雪」
「なに、祐一?」
「せっかくだから、もう一回見せてもらえないか?」
「えええええええっ!…い、嫌だよ…恥ずかしいよ…」
「そんなことないよ。俺は名雪の全てを知りたいんだ。駄目か?」
とびっきりのシリアス顔で迫る俺。無論、名雪がこの顔に抵抗できないのは承知の上だ(外道)
「…あんまり、見たら嫌だよ…」
両腕を頭の上で組んだ格好で、顔を真っ赤にして訴える名雪。
無論このポーズも俺のリクエストだ。
「……」
「…じっと見られると、恥ずかしいよ…」
まじまじと見つめる俺。
陽光の下にさらされることの少ないその場所はあくまでほの白く、そこに煙るように生えている
柔らかな和毛は、ともすれば産毛と勘違いしかねないほどの控えめな自己主張しかしていない。
しかし、その微妙なコントラストは、俺の視線を捕らえて離すことがなかった。
「…うー、まだ〜?わたし、ものすご〜く恥ずかしいんだよ…」
泣き出しそうな名雪の声に我に帰る俺。
「…名雪…いいぞ…」
「えっ?」
「これは俺的にはありだ。いや、むしろ激燃えと言っても過言ではないな」
「…祐一、その発言は本っ気で変態さんっぽいよ…」
「いや、いつだって俺は本気だ。というわけでもう我慢の限界だ」
そういうと俺は偉そうにふんぞり返った息子を誇示しつつ、じわじわと名雪に迫る。
「えーっと、祐一…じょ、冗談だよね…」
愛想笑いを浮かべながらベッドの上を後ずさる名雪。かまわず追い詰める俺。
「と、いうわけで、名雪…」
「…うー…」
「もう辛抱たまらんのじゃあああああ!!」
同時刻、水瀬家某所にて。
「…これも一つの愛の形かも知れませんね…」
軽い頭痛を感じる秋子さんであった。
おしまい。このSSに関する文句・苦情・呪詛のたぐいは、高野山金剛峰寺に向けてお願いします。
皆さん、あんまり怒らないでね♪
なかなか萌えるぞ。やるな、高野山。
次は是非秋子さんアンダーヘアものでお願いしたい。
事故で入院中に剃られてしまったという設定でな。
書かぬというなら高野山に火を放つぞ(w
89 :
名雪 :2000/10/20(金) 05:20
∧ ∧ ┌─────────
( ´ー`) < 剃ラネーヨ
\ < └───/|────
\.\______//
\ /
∪∪ ̄∪∪
90 :
名無しさんだよもん :2000/10/20(金) 19:30
不覚にも萌えてしまった…
鬱だ、氏のう
>>87 盲腸じゃないんだから剃らないだろう?(w
性行為のひとつとして、剃毛プレイを楽しむ人もいます。
>>92 大変萌えるが普通はそんな事させてもらえない。
「剃毛SS」了承してくれないかなあ、秋子さん。
夏にいったヘルスでなんか薄いなーと思って聞いたら
そういうプレイをやった後だったらしい。
あれは綺麗なものだった。
晩夏の夢…彼女に記憶が移るのは変じゃないのか?ちゃんと説明してくれるかな?
96 :
名梨さんだよもん :2000/10/21(土) 14:46
>>79-86
感動した。
やっぱり剃り残しは恥じないとだめだよね。
それに比べてうちの連れは……鬱ダ氏ノウ
97 :
名無しさんだよもん :2000/10/21(土) 15:32
98 :
名梨さんだよもん :2000/10/21(土) 15:41
いつか居なくなるかもしれないような危惧を抱いていた…最初から。
つまらない喧嘩の後、お前のしょうもない悪戯の後。
一人になると、ふと確かめたくなる。
「お前はちゃんとここに居るのか…?」
ずっとここにいるのか?
最初はただ鬱陶しいと思った。その反面、放って置けなかった。
「…真琴」
俺は存在を確認することが出来なくて、いつもそのままにして日常に戻る。
それでも。それでも危惧は消えることなんてなくて。
ただ、それが現実に起こらないよういつの間にか願っている自分がいる。
気が付くたびに恥ずかしい様な、情けない様な気持ちになる。
だけど、それは本音だから。
ただ悔やむのは、それが本音だって事にあの時まで気づけなかった事。
「真琴…お前は幸せだったか?」
今はもう、泣くのも恥ずかしくはない。
ただ、この悲しみをもっと暖かなものに変えたい。真琴との想い出があんなにも暖かかった様に。
風呂に乱入しようとした俺に怒った真琴。
肉まんが大好きだった真琴。
漫画に読みふけっていた真琴。
馬鹿で可愛らしい悪戯ばかり仕掛けていた真琴。
いきなり街中で俺に攻撃をしてきた真琴。
夕焼けの暖かさを感じた、もう触れることは出来ない、細くふんわりとした髪も。
子供のようなはしゃぎ声で文句を言った事も全部、それは想い出で。
未来にはなり得ない現実に、涙が止まらなくて。
「真琴……幸せか?」
答える者のない夕焼けの空が、あまりに暖かくて、悲しくて嗚咽を繰り返すばかりで。
「強くなりたいよ。お前を悲しい思い出じゃなくて、大切な一部にできるくらい強くなりたい」
それはとても苦しい事だって、実感してる。誰よりも何よりも大切な者を失う痛み。
もっと触れていたかった。抱きしめたかった。ずっとずっと側に居て欲しかった。
「俺は…お前を幸せにしたかった。誰より…誰よりも」
失う前から危惧を抱いていたのに、何もできなかった。何もしなかった。
こんなに押しつぶされそうでも、もう帰ってこない。二度と。帰ってこない。
「真琴…っ」
自分の体をかき抱いても、ここにお前はもう居ない…。
「祐一…」
開け放っていたドアから少し顔を覗かせた名雪が遠慮がちに不安な微笑みを湛えながら近づいて来る。時計に目をやるともう6時を過ぎていた。
「…何だ、もう夕飯の時間か。悪いな、名雪。呼びに来させて」
涙を隠すことはしなかった。悲しいときに泣くことは恥ずかしいことじゃないと、言ってくれたのは名雪だったから。
「ううん…。祐一、大丈夫?私にできることあったらちゃんと言ってね…我慢は体によくないから」
「大丈夫。俺は強くなるって決めたから。ちゃんと自分で自分の気持ちにケリをつけるって決めたから」
「うん」
困ったような、くすぐったいような笑顔で名雪が頷く。
「有り難う、名雪」
感謝している。名雪にも秋子さんにも。
真琴の事を理解してくれて、俺のことを気遣ってくれて本当に有り難いと思う。
「て、照れるよ〜」
少し顔を赤らめた名雪。瞬間、真琴の笑顔と重なって酷くやるせないような気持ちになってまた、涙が溢れた。
「祐一?」
「何でもない。大丈夫だから」
服の袖で涙を拭っても、したたり落ちる雫は止まらないことはわかっていた。
でも、何度も拭う。そうしないと崩れ落ちそうで怖かった。もう二度と立ち直れないような気がした。
悲しい思いに捕らわれてしまうような、そんな気がしたんだ。
「さあ、メシ食おう。今日は何だろうな?」
切なくて、やるせなくて、悲しくても笑うことを忘れたくない。
真琴が俺に微笑んでくれたように。強く、いられるように。
「今日はね、ハンバーグだよ」
寂しそうな名雪の笑顔を昔の笑顔に変えたい。
原因が自分なのが良くわかっているから、余計に。
「よーし、たくさん食うぞー」
空元気を振り回すように、ドアを閉めて下に向かう。
「真琴…俺、頑張るから。お前を忘れないように。なくさないように。ずっと大切にするから」
階段の途中、一度振り向いて優しく紡いだ言葉の後に、小さな鈴の音が聞こえたような気がした。
それが真琴からの返事なのか、外にいる飼い猫の首輪の鈴の音なのかはわからないけど。
俺は、心から微笑む。
ちゃんと、前に進めるように。
お前を愛し続ける事ができるように。
全部書きこんでから上げろ!!!
104 :
七連装ビッグマグナム :2000/10/21(土) 16:40
101>
スマソ。あんまり流儀がわからんかったので、メモ帳で全部書いてから
区切ってアップしたんだが不味かったか?
どーでもいいけどAね<101
変えるの忘れた…。鬱だ…。
>>104 区切ったとしても長文レスが続くとスレの長さが長くなるので
嫌がられる場合があるんだあ。
sageで全部書きこんだ後に少し回してからあげると紳士的だぞ。
あと、著者名を入れたいのなら題名に後づけするか、
最後に後書きとして乗っけても良い。
また、最後に
『カノン真琴SS』:
>>99-100@`
>>102 と言う風に見出しをつけてくれると更にありがたいぞ。
>105
おおお!有り難う!
なるほど、今度からそうします。
勉強になりました。いい人や…。
運が良いと
>>105みたいな親切さんが現れてくれるが……
運が悪いと叩かれまくったりするからね……難しいっす。
108 :
名無しさんだよもん :2000/10/21(土) 21:32
これで、このSS全部入りスレも、
鬼畜
>>9-23
萌え(?)
>>79-85
純愛
>>99-102
と一通り出揃ったわけですな。今後はどうなることやら。
ちなみに、誰も内容についての感想を書いてないけど、
俺は真琴SS結構好きだぞ。次回作も期待してます。
自分で削除依頼出して来い
>109
何で?誤爆か?
自分で削除依頼出して来い
112 :
名無しさんだよもん :2000/10/21(土) 21:48
もしかしたら、長いカキコを回そうとしてくれた親切君かもよ(藁
名雪「祐一っ! そこはだめっ。痛いっ! もっと……ゆっくり……あああっ!」
祐一「寝ぼけて階段落ちただけだろ。薬塗ってるんだから動くな!」
>>114 お前センス0。もうこのスレくんな(ワラ
オレはちょっと笑っちゃった
>>114 俺も結構好きだぞ。
こーゆーのもありでしょ。
118 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/22(日) 01:58
何か約1名、異常に不機嫌なヤツがいるな。
軽やかに一蹴された
>>33か?(藁
めんどくさがりの2ちゃんねらーに感想を求めても無駄だっての。
>>33のリンク先にあった掲示板を見てきたが、
33、36はやっぱり偽者のようだな。
別のスレでURL勝手に載せられたって本人言ってんじゃん。
しかもここの騙りには気付いてなさそうだし。
>>120 確認、報告お疲れさん。
まあ、普通読んで欲しいと思うなら、あんなリンクの貼り方しないだろうしな。
122 :
名無しさんだよもん :2000/10/22(日) 23:32
いっちょあげとくか。
SS書いてくれる人募集中。ジャンル問わず。
>>122 シリアスでもいいのか?
なんかお笑いSS以外はみんな求めてなさそうなんだけど。
お願いします。
>>123 つーかむしろシリアスとか鬼畜こそここに書くべきだろう。
萌えSSはそれぞれのファンスレに書いてもいい訳だし。
ファンスレに鬼畜SSを書き込むのはどうかと思うし。
126 :
名無しさんだよもん :2000/10/22(日) 23:59
討論スレは分けなくていいのかな?
俺としてはここは投稿&感想中心、討論スレ立てて
そこで他のサイトのSS紹介とか討論とか文章の書き方の話、に
なってほしいんだけど。
あんまりあれこれ話してるとせっかくの投稿作品が読みにくくなるし。
127 :
名無しさんだよもん :2000/10/23(月) 00:08
スレ分けると、SSのスレッドで分散されちゃって盛り上がりにくい。
前の板でも、SS系のスレッドのカキコが分散して下がっていたじゃん。
現状が盛り上がってるかどうかは疑問だけど。
でも、このスレに「全部入り」なんてタイトルついてるから、
下手に分散させるとかえって紛らわしくなりそうだね。
このスレ使いきってからどうするか考えた方が賢明じゃないかな。
129 :
名無しさんだよもん :2000/10/23(月) 00:33
mentaiの時の分割方法で良いと思うんだが。
どのスレッドも寂れていた訳ではなかったし。
SS書いてる間は、ごちゃ混ぜにならないほうが読みやすいと
思うから、下がったまま書き上げて分割してアップみたいな
方法をとるためにも、sageて書いていたんじゃないかな。
ここは感想スレッドにして、投稿用のスレッド新設してはどうかな?
投稿スレにリンク貼りつつ感想を書く。
キャラスレにある「突発的萌えSS」へのリンクもここに貼ってもらう
という使い方はどうだろう。
>>129 うーん、ここは投稿SS&それについての感想スレにして、
サイト紹介とかSS論議についてのスレを新設するのが妥当じゃない?
皆、わざわざリンク貼ってまで感想書かないと思うよ。
131 :
名無しさんだよもん :2000/10/23(月) 00:47
不精者が多いからね(笑)<わざわざリンク貼ってまで
ここは投稿用で進んでたからそのまま投稿用が良いと思う。
普通のと鬼畜ものとは移転前は分かれてたけど今回も分けるのかな?
132 :
129です :2000/10/23(月) 00:59
確かに別スレッドのリンクになると面倒ですね。
読み終わってすぐに感想は書くほうが良いんだろうし。
普通と鬼畜は分けておいたほうがいいと思います。
キャラ萌えの人が過剰反応することもあるでしょうから。
133 :
名無しさんだよもん :2000/10/23(月) 01:43
普通と鬼畜を分ける必要はないんじゃない?
現状では、分けるほどのSSの書き込みってないと思うよ。
とりあえず、鬼畜SSについてはファンスレに
書き込まないようにしてもらえばいいんじゃない?
あっちのスレで絶賛すると荒れそうなので、こっちで感想を書かせてもらいます。
一応、スレの主旨はずれではないとは思うが、議論の最中に割り込んで誠に申し訳ない。
ほかほか兄さん、あなた最高ですな。たった一行の要望で、
あんな面白い話を仕立てていただけるとは、思いもよりませんでしたよ。
これからも是非頑張ってください。
SS投稿スレをこれにして、新しくSS論議+サイト紹介のスレ立てるのに一票。
現状だと、なんかぐちゃぐちゃして読み難ぅ
第一章 邂逅
…長いトンネルを抜けると、そこはもう雪国だった。
今ひとつ安定性に欠ける列車から身を乗り出すと、あの極寒の八甲田山を思わせる寒風が俺の身を刺激した。
俺はコートの衿を立て、凍えるような大気から体温を守った。
まもなく、列車は冷たいアスファルトのホームへと滑り込み、それはあまり多くない乗客をいっせいに吐き出す。
その中には、俺の姿もある。
駅前の市場を歩く民衆にまぎれながら、俺は、指定された場所へと歩を進めた。
その広場には一つのベンチがあった。
誰でも思い出の一つや二つはありそうな、他のどんなものとも代わり映えのしないありきたりのベンチだ。
だから、俺がこれを見て少々の動揺をしたとしても、別段おかしなことでもないだろう。
爆弾の確認をしてからベンチに座ると、風船を持った少女が俺の元へとやってきた。
すぐに回避できるよう警戒をしたが、別段少女からは火薬の匂いはしない。
どうやら一般人のようだ。俺は張り詰めた緊張感を30%程度にまで下げた。
少女は俺に一枚の紙切れを渡すと、またどこかに走り去っていった。
その紙には「161.72」とある。
俺は右足のポケットから取り出したサングラスをかけ、次いで煙草の箱のカムフラージュにした通信機を手に収めた。
サングラスのフレーム部分についているスイッチを押す。すると、視界の右下に見慣れた画面が表示される。
000.00だった表示を、右から順にまばたきで161.72に変更する。
”周波数確認”
”接続”
表示が変わるのを見届けてから、俺は煙草の箱から一本取り出して、火をつけた。
作戦中に煙草を吸うわけにはいかないので、当然フェイクのものだ。
偽の煙草が紫煙を上げる。俺はそれを左手の人差し指と中指にはさみ、口元に近づけた。
「こちらユーイチ…、大佐、聞こえるか?」
「感…ザ…好だ…、ユー…チ君」
おそらく電磁遮断網による妨害の所為でいまいち精度に問題があるみたいだが、それでもお互いこうやって交信を始めるのはある種のジンクスなのだ。
とはいえこのままでは通信に支障が出るので、あちらから問題を解決してくることだろう。
しばらくの沈黙の後、
「現地の様子はどうだ?」
と、先ほどよりもさらに鮮明に大佐の声がした。
俺は一度煙を吐き出してから、
「平和ですよ…、ただ少し寒すぎるのを除けばね」
と答えた。
「ははは…。とはいってもその国が核を保有する危険な軍事国家であることは君も知っているだろう」
「………」
「信じられないかもしれないが、そこはその国でも最も軍事的に重要な場所だ」
「この町が?」
「ああ。地理的にも極東方面および前線基地に極めて近い場所のはずだ」
「北方領土にも…、な」
「その通りだ。案外、その国に北方領土を返還する動きが全く見られないのも、その所為かも知れん」
「凍らぬ港のある限り…、か」
俺はある有名な歌を脳内リプレイした。
「本題に入ろう。今回の作戦は、その問題にも無関係ではないぞ。結果的にはな」
「………」
俺は煙草にたまった灰を落とした。
「先にこれだけは言って置こう。今回の作戦は、君のシングル・オペレーションではない」
「めずらしいな」
「詳細は電波を使っての交信では伝えることができない。先に現地に到着しているアキコ…ザザ…にレクチャーを受けてくれ」
おそらく称号の入ってたであろう箇所に謎のノイズが走った。
「彼女とコンタクトするには?」
「もう一人、現地にエージェントを派遣してある。彼女に案内してもらうといい」
「彼女…?」
「アキコ…ザッ…の実の娘だ。実力は折り紙つきだ」
「…了解した」
「彼女、ナユキの周波数は150.30だ。それでは、健闘を祈る」
接続が途絶え、サングラスの耳元にあるスピーカーからは雑音が鳴り始めた。
周波数を150.30にあわせる。
”周波数確認”
”接続”
「はい、ミナセです」
「ナユキか?」
「その声はユーイチだね。久しぶり」
「ああ…、地中海以来か?」
「うん。少年兵のときだったから、もう7年は会ってないね」
「少年兵のころか…。お互い、よく生き残れたな」
「お母さんのおかげだよ」
「そうか…」
俺は、あまり昔のことは覚えていない。だから、お母さんのおかげだよ、といわれてもいまいちぴんとこない。
大佐の話によると、かなり高い地位にいる人間らしいが…。
「ところで、できるだけ早くアキコさんに会いたいんだが…」
「急ぐね、ユーイチ」
「俺は寒いのは嫌いなんだ」
恐ろしく辛く厳しかった恐山での修行時代を思い出すからな。
「今現在どこにいるの?」
「駅前の市場の近くにある広場だ」
「なら、1300時にはつくと思うよ」
「わかった」
「それじゃ。交信終わり。暖かいものでも飲んで待っててね」
俺はサングラスをしまい、吸殻をつぶしてから近くの灰皿に捨てた。
そして、左手の掌に貼り付けておいた小型マイクをそっとポケットに忍ばせると、短時間のうちにかなり積もった雪をコートから振り払いながら立ち上がった。
そのまま、暖かいものでも買いに、市場に向かうことにした。
荒ぶる大地の凍える吐息により冷えて上手く動かない体を無理して動かし、支給された懐中時計を見ると、もう既に1500時をこえていた。
既に市場に人影はない。皆暖かい我が家の中で震えているのだろうか。
ナユキはまだ来ない。
多めに買っておいた缶コーヒーは既に空になり、その冷たい外見を晒すのみだ。
当然、コートにも多くの雪が積もっている。
常人だったら、多分死んでるな…、これは。
「ユーイチ?」
ふと、1時の方向から声がかかる。
「…雪、積もってるよ」
ちなみに、積もってるよ、で済ませられるレベルではない。
「…吹雪いてたからな」
「…あれ? いま、何時?」
黙って懐中時計を突き出す。
「わ…、びっくり」
「…ナユキ、お前の部隊では…2時間の遅刻が許されるのか?」
他にもいろいろと言わなければならないことはたくさんあるが、今はこれが精一杯だった。
「ユーイチ、寒いの?」
「ちょうど今、冬の高野山を思い出しているところだ」
「…寒そうだね」
寒いさ。
「これ、あげる」
ナユキは、缶を一つ俺に差し出した。
「遅れたお詫びだよ。それと、再会のお祝い」
そう言ってナユキが強引に握らせたその缶には…、
「ひやしあめ」と書かれてあった。
俺の脳内で再生される走馬灯に、延髄切りのタイミングを必死で覚えた少年時代がくっきりと映し出されていた。
そして、暗転。
(お前は…俺に…、死ねと…いうんだな…)
「連射は邪道だからね」
第二章 仮面の女
「それでナユキ…、アキコさんは?」
「連絡があるまで待機。その間、ユーイチにはこの町を案内することにしたよ」
「それは助かるな」
あれから小一時間がたった。
ナユキの懸命の蘇生処理と初期治療とエンバーミングが効を奏し、俺は特に後遺症もなく回復することができた。
「でもよかったね。無事に作戦に復帰できて」
「ああ…。全く、これを奇跡といわずに何を奇跡というのだろう」
「奇跡?」
そのとき、全く予期しなかった方向から女の声がした。
振り返ると、そこには
マスクをかけた茶髪ソバージュの女がいた。
そのマスク女は明らかにこの場の雰囲気から浮いていた。
無駄に半身をこちらに向けるポージングまで披露している。
まさに知らぬが仏という言葉を体現した出で立ちだ。
「誰だ…?」
俺は当然の疑問を口にする。
「あの…、どなたですか?」
ナユキはおそるおそる質問をする。
「…起こらないから奇跡って言うのよ、青年」
その女は、しかし、こちらの言うことなど完全無視ぶっちぎりでのたまった(効果音つき)。
その背景には真っ赤な薔薇が…、いや、この女は実際に真っ赤な薔薇を極めて大量に背負っている。
(決まったわね。この私の華麗な登場シーンとしてはかなりいい出来栄えだわ…。うっとり)
「ナユキ…、知ってる人か?」
「ううん。知らない人」
「はぺしっ!」
マスク女はなぜか盛大にこけ、寒冷地特有の粉雪がぱあっと舞った。
「うわ…、すっごい雪煙…」
「ああ、目くらましとしてはなかなかの性能だ。女、いいずっこけを持ってるな?」
「誉め言葉とは受け取らないわよ…」
女の立ち直りは早かった。
「さて気を取り直して…。ばさっ(髪をかき上げる音)。ふっ、それでも正体がばれてないなら、このマスク・ド・カオリの変装に不備はないようね」
そして女は高らかにお嬢様笑いを響かせた。
おーっほっほっほってやつである。
(ふふふ…っ、これで先ほどの些細なミスも私の華麗で美しい立ち回りによって中和されて無効化され、さらに私の印象をより優雅で奥ゆかしいものにしたに違いないわ! ああ…、私の才能が怖いわ…っ! うっとり)
「ナユキ…、もう一度聞くが、知ってる人か?」
「もう一度言うけど、全然知らない人」
「のわ…ぷっとぉ!」
その女、マスク・ド・カオリ(以下マリと略す)はまたもやこけそうになったところを根性で踏みとどまった。
「くくっ…、知らないなら教えてあげるわ! えっと、高いとこ高いとこ…。あ、あった♪」
女は手ごろにあった電柱をフリーハンドで登りだした。
そのかさかさと四肢を動かすその動きは台所の黒い奴を思い出させた。
「あれで髪型がソバージュじゃなくて名前がナミなら言う事はないんだが」
「すごいスピードね。私の部隊に欲しいくらい」
「俺はいらないぞ」
そうこうしているうちに、マリは電柱の頂点を極めた。
その姿はさながら名声無きアルピニストのように晴れ晴れとしていた。
「ふふっ…、名声は後からついてくるものよ、青年」
女はびしっと俺を指差していった。
「悪いが、お前の後ろには名声どころかベトコ○一匹すら見当たらないぞ」
「ついでに言うとチョ○兵もヤ○キーもね」
「天知る! 地知る! 人ぞ知る! 悪をたおせと輝き叫ぶ!」
無視スキル&自己陶酔スキルは既にGMの域らしい。
(称号はGMナルシストって所か…)
「一つこの世の人の悪! 二つ不条理な世の憂いを!」
「あ、電話」
ナユキが懐から携帯電話を取り出した。
「三つ見事に打ち倒す! 四つ世のため人のため!」
「珍しいな…、この国ではまだきちんと施設も整備されていないんだろ?」
「うん。だからお母さんが特注して作ってくれたんだよ、これ」
「五ついつでも参上します! 六つ例え無理難題でも!」
「もしもし? あっ、お母さん。うん…、うん…、А地点ね。了解したよ」
「なんだって?」
「A地点、つまりこの場合は私の家に帰還命令がかかったの。ユーイチ、走るよ」
「七つ何でもこなします! 八つ例え病める時も健やかなる時も!」
「この雪道をか? くそ…、無理して寒冷地用特殊装備を辞退するんじゃなかった」
「いまそんなに財政難なの?」
「…まあ、別にそのことは今回の作戦には関係ないからな。じゃ、行くぞナユキ」
「うん。せー、のっ!」
そして俺たちは走り出した。
ほっといたら数え歌が3桁に突入しそうなマリをその場にほっといて。
ちなみに、全然気づいていない。
それから15分ほど市街地の中を駆け抜けて、俺たちはА地点に到着した。
作戦本部が市街地の中にあるのにも驚いたが、それよりもナユキの走るスピードに驚かされた。
端的に言うと、スノーモービル並である。
これが決して寓意ではないことをここに表記しておく。
「ここが私の家。やっと本題に入れるね、ユーイチ」
「それにしても、さすが地元の人間は雪道に慣れたもんだな。俺も訓練が必要だ」
「私のペースにちゃんと合わせていた上に汗一つかいてない人が言う台詞じゃないよ」
そういうナユキも呼吸の乱れ一つすらない。
「まあ、この『かんじき』のおかげだな」
「なに? そのわっかみたいなの」
「修行時代に師匠から譲り受けたものだ」
「へ〜」
「ちなみに水の上だってこれ一つで歩けるぜ」
「すごいね。東洋の神秘を垣間見た気がするよ」
「そのうちいくらでも見せてやるさ」
「…それにしても私にちゃんと付いて来れる人なんて初めてだよ。まだまだ全力じゃなかったけどね」
「へえ…、なら全力の何%だったんだ?」
「5%ほど」
「………」
「私、陸上部の部長さんなんだよ」
「…ナユキ、一つ確認するが、あれが5%だというのなら、もし100%中の100%で走ったとしたら…」
「そんなことしたら周りの人がソニックブームでみんな吹き飛んじゃうよ」
ソニックブーム…、軍人の基本装備なのか?
「いつか見せてもらいたいもんだな…」
「そのときは覚悟してね」
俺は、今始めてナユキの笑顔に戦慄を覚えた。
ま
わ
し
て
か
ら
あ
げ
てみようと思うのです。
Капоп 〜あ・ごーすと・いん・ざ・しぇるたー〜
第一章、第二章
>>136-141
議論切っちゃってごめんなさい。
おいらも投稿をこちらにして、議論は別のスレがいいと思います。
こんばんは。
昨日萌えスレに鬼畜SSを書き込んだ馬鹿野郎です。
他の方の書き込みに従ってこちらにも昨日のヤツを
書き込ませて頂きます。
ちなみに内容の変更はないです。
では。
その日、瑞佳は一人だった。
浩平がこの世界に帰還し、二人はまた付き合い始めていたが
今日はたまたまクラブの都合で一緒に帰れなくなってしまったのだ。
そしてその機会を懸命に伺っていた一つのグループの姿があった。
男達は隙を見計らい瑞佳を連れ去る事に成功、悪夢の陵辱が今まさに
始まった。
「ひっひっひっ!いい乳してんじゃねえか。おい!」
「いやぁ!やめてぇ!」
男は執拗に瑞佳の乳房を揉みしだく。
瑞佳の反応を楽しむように。
瑞佳の心を蝕むように。
右へ左へ…、時には乱暴に時にはやさしく瑞佳の乳房を
玩具のように弄ぶ。
「おいおい、乳首がこんなにおっ立ってきやがったぜ!」
「い…やぁ…」
「全くこの好きモンが…、本当はこうして欲しいんだろ?オラッ!」
ガブッ!
「きゃあっ!」
男の一人が瑞佳の乳首に乱暴に噛み付く。
「へッヘッヘツ…!ママァ〜ン、おっぱい頂戴〜」
「ああ〜っ!やめてぇ!!」
男は瑞佳の嫌がる姿に更なる興奮を覚え、激しく乳首に
吸い付いて来る。
「アっ!駄目ッ!アアンっ!」
「全くこんなに感じやがってこの淫乱が…。オラっ観念しな!」
ギュウウウウ〜〜ッ!
「きゃああああああっ!!」
男が力一杯瑞佳の乳房を握り潰す。その時、信じられない事が起こった。
ピュッ!ピュピューーーーーーーッ!
瑞佳の乳首から何かが飛び出す。
その異常な状況を目の当たりにして当の瑞佳も目を丸くする。
(何故?何故こんなものが出るの?私の身体はどうなってしまったの?)
男達の歓喜をよそに絶望の淵に落ちて行く瑞佳であった。
「おほ〜ッ!マジに出やがったぜ!こいつはいいや!」
男は興奮気味に瑞佳のもう片方の乳房を掴み、力任せに握り潰す。
「きゃあああああっ!やっ!やめて〜っ!」
瑞佳の叫び声を無視して男は更なる力を乳房に加える。
「フンっ!」
「ひィッ!」
ブピュッ!ピュピュピューーーーッ!
圧迫されたチューブから開放されるように乳首の先端から白い液体が飛び出す。
もう瑞佳には何が起こっているのか解らなかった。
ただ、一つだけ解っているのはこの事態をきっかけにして更なる陵辱が加えられる。
それだけであった。
「おいおい、何だコイツ?牝豚だと思ってたら牝牛だったのか?こんなにミルクを
ピュンピュン出しやがって!?」
「全く毎日牛乳ばっか飲んでるからそんな体質になるんだよ!しかしまあさっそくだから
俺達で飲み干してやろうぜ!」
「おーーーしっ!搾乳パーティーの始まりだ!」
「いやぁっ!いやああああああああーーーーーっ!」
その叫び声が合図となって男達は瑞佳の乳房に群がる。
「おらおら!もっとミルク出せよっ!」
左右の乳房を激しく揉まれ、乳首に吸い付かれる。
瑞佳はその激しい責めに失神寸前だった。
だがその状況に気付いた男はすかさず乳房に爪を食い込ませる。
「きゃあっ!痛いっ!痛いーーーーーーっ!」
「失神なんかされたらつまんねぇからなっ!おらおら泣けっ!叫べっ!わめけっ!」
そう罵りつつ、男は乳房をこねくり回し新鮮なミルクを摂取する。
「へーーーっ!?これが母乳か?へへっ!わりかし行けるじゃんか」
「いやっ!あっ!駄目ぇっ!」
意識が朦朧としながらも瑞佳は今行なわれている陵辱に思いを馳せる。
聞こえてくるのは男達の下卑た笑い、罵り、そして暴力。
そして乳房から溢れてくる母乳とそれを嬉々として飲み干す男達の歓喜の叫び。
それらが渾然一体となって瑞佳の人間としての尊厳は激しく失われて行く。
これから何処へ向かい、何処に辿りつくのか?
それは瑞佳には解らない永遠の命題だった。
瑞佳への陵辱は続いていた。
既に母乳は出尽くし乳首も痛々しいほど腫れ上がっていた。
「そろそろミルクも切れてきたようだな。チッ!つまんねえ」
その言葉を聞いて瑞佳の心にわずかな光りが灯る。
(もしかしたら解放されるかも…?)
ギリギリまで追い詰められた少女がそのかすかな希望にすがる。
「へへ…じゃあしょうがねえな…。俺達でミルクを補給してやろうか…」
だが男の一人が放った一言は無残かつ残酷なものだった。
ミルクの補給?それは一体どういう事なのだろうか?
朦朧とした意識の中でその疑問がリフレインされる。
だがそれは考えれば考えるほど危険な答えしか弾き出せなかった。
いっそ狂ってしまえばいいとも思った。
狂ったコンピューターならば違う答えを弾き出してくれるに違いない。
希望へと続く光溢れる道を。その道しるべを。
そう強く瑞佳は思った。
「さ〜て、差込口の具合はどうかな…?」
そう呟きながら男は瑞佳のあそこに遠慮なく人差し指を突き入れる。
「ぐひぃッ!」
その強烈な痛みに瑞佳の意識は現実に引き戻される。
「あっ!?イヤァッ!そこだけは…そこだけは勘弁してぇッ!」
「うるせーんだよっ!」
「ギヒィッ!」
クリトリスを力任せに引っ張り上げられる。
「何だ…?おいおいこいつイヤイヤいいながらもしっかり濡れまくってるじゃねーかっ?」
「ハハ…ホントだ…。全くとんだ淫乱娘だな!」
「母乳吸われて濡れるたぁ…、ただの変態じゃねえな。俺達がたっぷりお仕置きしてやるぜっ!」
男達はそう思い思いに告げた後、己の肉棒をスタンバイさせる。
そのはち切れんばかりの怒張を目の当たりにして瑞佳は失神寸前になる。
(あんなモノが私の中に…。無理だよ…絶対に入らないよ…)
そして瑞佳はガタガタと震え出す。
救いを請う幼児のように。逃げ場を失った小動物のように。
だが男達が救いを差し伸べる事はない。
男達は狩人。そして瑞佳はその狩人に狩られる哀れな獲物だった。
メリッ!メリメリメリッ!ブチィッ!
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
瑞佳が言葉にならない言葉を鳴らす。
巨大な肉棒が身体中を貫き、バラバラにする。
そんな思いを瑞佳に抱かせるほど男の侵入は強引で残酷だった。
破瓜の血が辺り一面に舞散る。
「へへ…初物か…、こいつは具合がいいぜ…。しょっ!」
その掛け声と共に激しい律動が瑞佳の中で始まる。
「…っ!いやっ!はっ!痛いっ!やっ!やめっ!やめてぇっ!」
その暴力的なピストン運動に耐え切れなくなり瑞佳は痛々しい声を漏らす。
だがそれは男達の可虐心に火を灯すだけだった。
「よ〜し、んじゃあ俺はこっちの穴からミルクを補給してやるか」
別の男がそう言って息も絶え絶えの瑞佳の唇に強引にペニスを咥えさせる。
「ふぐ〜〜〜っ!ふぐぐぐっ!」
「ひっひっひっ!何言ってるのか解んねえって!オラッ!」
男の自分勝手な抽出に瑞佳は気を失いそうになる。
159 :
名無しさんだよもん:2000/10/23(月) 18:19
>>151 うーん、なんだか元ネタがよく判らん…
タイトルからすると攻殻機動隊っぽいのだが…
映画板のパロディなのか?
あと、個人的にはあんまり露骨な回しは見苦しいと思うので、
いちいち回すより、15〜20行くらいを目処にして、
こまめに分けて書き込む方が良いと思うよ。
(苦い…苦しい…誰か…誰か助けに来て…こうへい…浩平〜〜!)
そんな瑞佳の思いを消し飛ばすように男達の責めはその勢いを増して行く。
びちびちびちっ!
お尻の方で激しい激痛が起こり、巨大な何かが内部に侵入する。
「〜〜〜〜〜〜っ!!」
もう声も出せない。
ただ目から涙を流し、この果てしない地獄からの解放を必死に願う。
瑞佳にはその行動しか許されていなかった。
果てしない苦難。ゴールのないレース。そして。
「うっ!出るっ!」
その掛け声と共に行なわれる男達の洗礼。
瑞佳はただそこに横たえるだけだった。
男達の、そして瑞佳の大好きなミルクにその身を預けながら。
瑞佳はピクリとも動かなかった。
ただその口、アヌス、そしてヴァギナから溢れ出る精液がその行為の
むごたらしさを演出していた。
男達はみな爽やかに情事の後の一服を楽しんでいる。
「いや〜、最高だったな」
「全くだ、こんな快感を味わったのは久しぶりだぜ」
「瑞佳ちゃ〜ん。生きてますか〜?ひゃっはっはっ!」
薄れ行く意識の中で瑞佳はただ一つの事だけを願う。
この場からの解放を。そして大好きなあの人への再開を。
だがその時。
瑞佳の身体に異変が起きた。
(いや…、な、何?この感触?アア…!胸が…胸が痛い…!)
男達の一人もその変化を見つけ、慌てて駆け寄る。
「おいおい、こいつは…!?」
男も度肝を抜かれていた。胸が、瑞佳の胸が明らかな変調を示していた。
乳首がビンビンに固くなり。乳房がまるで生き物のようにうねりを上げて
動き回っていた。
そして、一瞬の静寂の後。
まるでウェディングケーキの第一刀を皆で見守るように。
ビュッ!
スローモーションの様に白い液体が乳首から吹き上がる。
「…そんな?な・・んで?」
瑞佳の脳裏に漆黒の雲が沸き上がる。
それは崩壊の始まり。希望への船出を打ち崩す白い濁流。
その光景を見た男達はこれ以上ないくらいに大喜びをして
瑞佳の元へ駆け寄る。
「おいおい?見たか今の?母乳だぜ母乳!こいつホントにまた
出しやがった!」
「…こいつはすげえ。マジでスペルマ流し込む度に補給出来るってのか?
しかもこんな大量に…」
「こんな面白いおもちゃはないぜ…。よーしヒマの連中集めてこいつを
徹底的に調教するぞ!」
男達のあざけ笑う声が聞こえる。
(わたし…これからどうなっちゃうの…わたし…わたしは…何でこんな身体に…?
何故…どうして…?浩平が帰って来て…。これから…これからだったのに…わたし…
何か悪い事でもしたのかなぁ…?教えて浩平…教えて神さま…。おし…え・・て…)
瑞佳は天井を見上げる。
見えない神に問う為に。無常な裁きを恨むように。
そして瑞佳は知らない。
空に。誰も知らない世界に一人の少女が住んでいる事を。
その世界は「えいえん」。そして少女はその光景を今も空から眺めている。
口の端を歪めながら。
書き込み終了っス。
では。
ううっ…タイミング悪っ…
せっかくの話の腰を折ってしまい、本当に申し訳ない。>ほかほか兄さん
165 :
名無しさんだよもん:2000/10/23(月) 19:37
166 :
名無しさんだよもん :2000/10/24(火) 05:54
鬼畜歓迎あげ
>159
ご忠告感謝です。以後留意します。
元ネタはMGSのつもりでしたが…、わかりにくかったですかね。
副題はちょろっとそれから拝借しただけで内容には無関係です。たぶん。
とりあえず全部入りでいいんじゃない?
あんまり分散すると寂しいし。
ハーモニーというにはあまりにも雑な、蝉の歌が賑やかなある夏の日。
俺はある一つの決心をしていた。
これまでは、どうしても言い出せなかった事。
だが、今日こそは、今日こそは言わなければならない。
そうしないと、俺は……
「観鈴」
重く閉ざしていた口を、開く。
俺にとって、これは余りに重要な事だ。
慎重に話を進めなければならない。
「なに、往人さん?」
「お前の…」
「の?」
「その……」
体中に得体の知れない圧迫感がかかる。
「その?」
だが、俺は言った。
「にははっ、ってのどうにかならんか?」
そうしないと俺は、鳥肌が立ちっぱなしだ。
「わ、なんで突然そんな事言うかなぁ」
「不愉快なんだ。何故かしらんが鳥肌が立つ」
「が、がお……」
これもNGワードだ。
ぽかっ
容赦無く、観鈴の頭を叩く。
「イタイ……」
「ともかく、今すぐその「にははっ」と「がお」の使用を止めろ」
俺が快適な居候生活を送れるかどうかは、
この一戦の結果次第と言っても過言ではない。
勝たねば……なんとしても勝たねば………!
そう……これは俺にとっての……聖戦なんだっ……!!
「う〜ん、分かった。往人さんがそう言うなら、努力してみる」
……あっさりと勝った。
いささか拍子抜けではあるが、
これで俺の居候生活は当分安泰と言うわけだ。
「……だが、本当にいいのか?」
随分とあっさりとした決断に、つい俺の口から疑問が突いて出た。
「うん。往人さんのお願いだし」
「そうか……」
ちょっと感動を覚えるシーンである。
日本名作100選に選んで欲しいくらいだ。
「観鈴ちんの人助け、にははっ」
「…………」
ぽかっ。
「イタイ……」
甘かった。
これまでずっと使ってきた癖がそう簡単に抜けるわけは無い。
その上相手は観鈴。一筋縄では行きそうに無い。
俺が今すぐ止めろと言っても観鈴の場合止めるまで一年、
……もしくはそれ以上平気で掛かってしまう気がする。
…金を稼いで次の町に行った方が速い。
どうすればいいのか……
…………!
「観鈴、その癖、なんとか他の言葉に置き換えられないか?」
「置き換え?」
「そうだ」
「う〜ん、難しいかもしれないけど、観鈴ちん、がんばる」
そうだ。俺が鳥肌を立てるのは、
あくまで「にははっ」や「がお」と言う言葉自体にある。
ならば、『それ』を他の言葉に置き換えてしまえばどうか?
例えば、「にははっ」の代わりになるもの……
「あははーっ」
「………」
ぽかっ。
「イタイ…往人さんのいう通りやってみたのに…」
「他のを考えろ」
俺がそう言うと、観鈴は腕を組み、うんうんと唸り始めた。
暫く経つと、なにか考えついたらしく、ぱっと観鈴の顔が晴れる。
良かった、これにて一件落着、
これで俺のハッピー居候ライフがスタートだ。
「(笑)」
「…………」
さようなら、神尾家。
神尾家を飛び出した俺は、
ふらふらと当ても無く駅の方向に流れてきた。
居住環境は観鈴の家には遠く及ばないが、
ここなら何とか生活出来そうだと思ったからだ。
「往人さん、何処行くの?」
「…………」
観鈴が付いて来ていた。
「電車はもう通ってないよ」
そんな事は知っている。
「観鈴、俺はもうお前の家に居る気は無い」
「ゴ、ゴルァ(゚д゚)……」
……まさか、これが「がお…」の代わりなのだろうか。
…また叩いてやろうと思ったが、
その言葉の持つ得体の知れない迫力に、
俺はただ押し黙るしかなかった。
ふたりの間に、沈黙が横たわる。
と、そこへ。
「……楽しそうですね」
遠野が現れた。
「この状況をどう見れば楽しそうに見えるのか?」
俺がそう言うと、遠野は俺と観鈴を交互に見た後、
「………修羅場?」
「違う」
遠野のペースに引き込まれると、どっと疲れる。
「…あ、遠野さん、ひさしぶり」
「……はい…」
観鈴と遠野の会話も、何とも気まずい。
その沈黙を破るように、
遠野がポケットをごそごそと漁り始めた。
まさか……
「再会を祝して……お米券、進呈」
「いらんわぁぁぁっ!」
何故か俺が突っ込んだ。
「………そうですか…」
遠野は俯き、悲しげに瞳を伏せた。
「…鬱だ氏のう」
……なんなんだこの町は。
「こらぁっ!国崎往人ーーーーっ!」
突然、耳の近くで大音響が響く。
鼓膜が破れるほどの大声だ。
耳を塞ぎ、辺りを見回すと、
何時の間にか、みちるがいた。
みちるは明らかに怒っている様子で、
物凄い勢いと剣幕で俺に詰め寄る。
「………!…………!」
…だが、さっきの残響音で、ちっとも聞こえない。
まだ耳の奥に大ダメージが残っているのだ。
ただ、何を言っているのかは容易に想像が出来た。
そして、なんとか聴覚を取り戻した時…
「美凪を悲しませる国崎往人、逝ってよし!!」
「…オマエモナー」
……そもそも、逝ってるのはお前だ。
そして、観鈴が言った。
「(藁)」
あぁ、早くこの町を出たい。
もう歩く気力すら殆ど起きない。
肉体的にでなく、精神的に異常に疲れているのを感じる。
良く分からない意地と戦い、俺は商店街まで来た。
「あれぇ〜?国崎くんがよれよれだよぉ」
むぅ、この間の抜けた声は……
「……佳乃か」
だが、俺はもう駄目だ。今にも倒れそうだ。
「テンションをsageずにageるんだよぉ〜」
「……………」
なんかもう、どうでも良くなってきた。
とりあえず、聖だけはまともである事を期待しつつ、
俺は霧島診療所へと入っていった。
「……で?要するに心の病を治して欲しいと?」
と言うか、ただ単に疲れただけという気もするが。
「ふむ…ヒッキーの典型的な症状…と」
「待て」
各地を渡り歩く旅芸人とヒッキー。
正反対だ。
「五月蝿いぞ厨房」
「…………」
メスをちらつかせられては、黙るしかなかった。
と言うか、これ以上ここに居たら、
さらにおかしくなりそうな気がした。
俺は早々に席を立ち、逃げようとする。
「待て厨房」
「誰が厨房だっ!」
メスの荒らし、もとい嵐を受けたが、
何とか逃げ切った。
霧島診療所からも逃げ出した後、
俺は当ても無くさまよい、
そして、海に、来ていた。
沈み行く夕日が、空を、そして海を赤く染めている。
それを見ていると、この疲れでさえどこかに吹き飛んで行く気がした。
「ぴこぴこっ」
ふと目を降ろすと、夕日に照らされた赤い毛玉が俺を見ていた。
「ポテトか……」
今の状況だと、こいつすら心強く感じる。
夕日を見つめる俺と犬(?)。
俺は、ポテトに今日これまでの経緯を話してみる事にした。
そうする事で、なんとなく気が晴れると思ったからだ。
そして、今ならこいつと心を通じ合わせることも……
「……でな…」
「ぴこぴこ」
理解してくれているのかどうかは分からんが、
話を聞いてくれる人(違うが)が居ると言うだけで、俺は嬉しかった。
……?
何時の間にか泣いていた。
今日、話の通じる(気がする)相手に初めてであった事からくる安堵感だろうか。
だが。
「エロゲーするやつ氏ね!キショイ 」
そう、ポテトが言った。
こんなつまらん事で犬の言葉が分かるようになるなんて。
…ああそうさそうさ、どうせ俺なんて……
俺は、夜の内にこの町を出る決心をした。
さっきまで綺麗に見えていた夕日が、とてつもなく憎らしく思えた。
「ヒロインが幼馴染みじゃないのが俺の敗因なのかーっ!」
意味不明な事を言ってみると、何故か心がすっきりした。
−完−
むむぅ…こう言うの(SS)書くの初めてなんで、
慣れてない所もあるとは思いますが……
と言うか後半完全に息ギレしてますね、これ。
179 :
名無しさんだよもん:2000/10/24(火) 23:53
>>178 いや、面白かったよ。個々の会話なんかはすごい面白かった。
敢えて言うなら、全体としていささか散漫としている気はしたけど。
あと、書いたあとは上げていいと思うよ。
>>179 あげる(特に長い)場合はキチンと回せよ、な。
>>179 SSあげの基本と言うか、ここまでやって欲しいってのは
回して、インデックスをつけてそれであげる、だ。
まわしついでに感想。
SSとしてはまだ甘いが、部分部分のショートギャグは
かなりおもしろかった。引き続き頑張ってくれ。
ちなみに「回す」ってのはどういう意味なの?
個人的には、あんまり露骨な回しって好きじゃないな。
>>178 各所にちりばめられたネタは面白かった。これは他の人と同じ。
ただ、話の柱としてのテーマが見えないので、ネタを出したいが為に
ストーリーを繋げていったという印象を受けた。
物語の核があれば、ギャグももっと光っただろうし、何よりSSその物が、
もっと質の高いものになったように思う。次も楽しみにしています。頑張って!
>>183 ageる場合、インデックスのある場所にスレが移動するわけですが、その時に
1の発言と最新の発言10個が表示されます。
その10の発言がSSの性質上長くなりがちで、結果的にインデックスの場所の
リロードを遅くしたりするわけです。
そうなるのを防ぐために、わざと短い発言をいくつか足すことによって
表示される発言の長さを短くする行為が「回し」なわけです。
ちょっと露骨ですが
>>142-150みたいな感じかと。
アドバイスどうもです。
次いつ書く事になるかは分かりませんが、
その時まで(それ以降も)ちゃんと覚えておきます。
新作書いたのでこれからアップします。
今回はちょっと長めです。
(ちなみに鬼畜ではないです)
では。
「あの子…なんのために生まれて来たの?」
「私…これ以上もう耐えられない!」
夢はそこで覚めた。
いや正しくは夢ではない。
今観ていたそれは昨日香里から聞いた真実の言葉。
非常な現実。
栞が…
あの栞があと数週間の命だなんて…
認めたくはない。だがあの香里の姿を見て誰が疑いを
持てるだろうか?
そんな事が出来るのはよっぽどの楽観主義者か馬鹿の
どっちかであろう。
いや、馬鹿だから楽観主義者なのか…。
そんな取りとめのない事を考えていると、隣の部屋から
目覚まし時計の音が唸りを上げて聞こえてくる。
今日も一日が始まる。
絶望へと向かって。
登校中、名雪が心配そうに俺を見上げてくる。
「…どうしたの祐一?」
「何が?」
俺はなるたけ冷静にそう返した。
「何となく元気がないと思って…」
「そんな事はないぞ。今日も当社比50%アップの
元気度だ。余りにも元気すぎて困っているくらいだ」
精一杯の空元気。
心の奥がちりちり痛む。
でもやるしかない。
名雪や秋子さんに心配させるのは更に心苦しいから。
出来るだけ巻き込みたくないから。
「…うん、そうだね。私の気のせいだよね」
その真意を汲み取ってくれたかどうかは解らないが
名雪はそう言ってニッコリ笑ってくれた。
名雪のこういうところは本当に助かる。
同時に凄いとも思える。
そして、学校ではもっと凄い事が俺を待ち構えていた…。
「おはようございますっ!」
意外な声は俺の背後から聞こえてきた。
俺はゆっくり振り返る。
何故こんな場所で聞こえるのか?
何故こんな時間に聞こえるのか?
しかしその場所にそのコは居た。
とびっきりの「笑顔」を携えて。
「栞…お前学校に…」
俺は何とも言えない表情でそう呟く。
しかし栞は俺の表情などお構いなしに笑顔を満面に浮かべてこう答える。
「今日から1週間、この学校で過ごす事にしましたっ!先輩、よろしく
お願いしますっ!」
そう言ってペロッと舌を出す。
俺はつられて笑顔を綻ばせる。
いや、正しくは綻ばせざるおえなかった。
こんな…、「死」が待ち構えているはずのこんな少女にこれほどとびっきりの
「笑顔」をされてどんな表情をすればいいと言うのか?
俺に選択権はなかった。
でもそれが不思議と心地よかった。
たった1週間とはいえ、栞は普通の女の子として過ごせるのだから…。
栞の高校生活は続いていた。
時折り苦しそうな表情を見せるが、俺がその事に気付くと
いつも「笑顔」で返してくれる。
それがたまらなく嬉しく、そして悲しかった。
あの「笑顔」をずっと見ていたい…。
最近の俺はその事ばかりを考えるようになっていた。
そして三日目の休み時間。
俺がいつものようにずっと思索に耽っていると傍らに人の
気配がした。
「相沢君…ちょっといい?」
説明するまでもない。香里だ。
「香里か…」
俺は憮然とした表情でそう返す。
あの真実を告げた日から俺と香里は一度も口を聞いては
いなかった。
理由は怖いから。
香里とこれ以上話していたら栞の事が頭をもたげて
おかしくなってしまいそうだから。
「…ちょっと屋上にいかない?」
抑揚のない声。何の話題かは解っている。
だからこそ行くのが怖い。話をするのが怖い。
「…後にしないか?」
そう答えるのがやっとだった。
だが香里は一歩も引く様子はない。
「…今がいいのよ…。それとも何?そんなに怖いの?あたしの話を聞くのが」
何とも挑発的な発言。俺は思わず香里を睨みつける。
だが香里は眉一つ動かす様子はない。解っているのだ香里は。
俺が今どんな心境なのか。
そしてどんな反応を示すか。手に取るように。
「わかった…行こう」
俺はそう答えるしかなかった。
ただならぬ雰囲気の俺達を見て心配そうな顔をする
名雪が印象的だった。
「栞の事か?」
屋上に着くなり俺はそう言い放つ。
「ええ…」
香里も解っていたのだろう。別段驚く事なくそう返す。
「…あのコが学校に行くって言い出した時はビックリしたわ…
あんな身体なのに…」
「あんな身体」のところが俺のカンに触る。
いけすかないヤツだと素直に思った。
「『夢』だったんだろ?学校へ行くのが?確かに栞は今現在
学校へ行けるような状態じゃないのかも知れない…。かと言って
その『夢』を押し込めたまま病院で静かに暮らすってのはもっと
悲しくないか?人として生きてきたのなら…」
「あんたなんかに何が解るってのよ!!」
突然セキを切ったように香里が咆哮する。
「あんたは家や病院での栞の姿を見た事がないからそんな事が
言えるのよ!帰ってきてからの栞がどんなに辛そうか?どんなに
苦しそうか、あんた知ってる?知らないでしょう?知らないから
そんなのほほんとしていられるのよ!そうよ、あんたが…あんたが
現れなければ栞の寿命ももうちょっと先に延ばせたのに!学校なんかに
行って、容体を悪化させる事もなかったのに!あんたが…あんたが
現れるから…!」
香里はそう言って目に涙を溢れさせる。
「…………」
俺はその光景を見て沈黙せざる負えない。
少なからずショックだった。
心の中では解っていたつもりだったが学校での栞の「笑顔」を信じたいと
いう思いが多少なりともあったのだろう。
目の前が急速に暗くなっていく。
栞が?
栞の容体を悪くさせてるのは俺のせい?
俺は栞と付き合ってはいけなかったのか?
俺はこれからどうしたらいいのか?
出口のない迷路がそこにあった。
「だったら…俺にどうしろっていうんだ、香里?」
俺は憤りをこらえて香里にそう訴える。
「…栞から手を引いて相沢君。あなたでは荷が重過ぎるわ」
「荷が…重過ぎるだと?」
さすがに今の発言には疑念を感じざるおえなかった。
荷が重い?何を言ってるんだこの女は?
栞の事を妹扱いしなかった女が何を言っているんだ?
荷を放り捨てて。他人に、この俺に任せたのは他ならぬ
お前ではないか?
「ふざけるな!」
気付いた時、俺はそう叫んでいた。
「お前にそんな事を言う資格があるってのか?ああ、そうだよ。
解ってるよ。お前は栞の姉だもんな。栞の大好きなお姉さんだもんな。
でもな香里、その妹の純真な思いに対してお前は一体何をした?
確かお前言ったよな。私に妹はいないって。その事を栞に伝えた時の
あいつの表情を、あいつの傷ついた気持ちをお前は知ってるのか?
お前はいいさ。そうやって澄ました面して栞の事を無かった事に
していれば胸が痛まなくてすむんだからな。でもな栞は、その時の
栞の気持ちは何処へ行くんだ?誰が受け止めてやれるんだ?
おこがましいかも知れないが、その時俺がいたから栞はまだこの世に
踏みとどまってるように思う。解ったか?栞はお前より俺の事が好き
なんだよ!あのとびっきりの笑顔は俺がいるからなんだよ!解ってるのか?
解ってるのかよ、香里!!」
思っていた事を全て吐き出した後、静寂が屋上を包み込む。
今、俺と香里は完全に対立していた。
栞を巡って。その最後の生き様を巡って。
あの「笑顔」の行き場所を巡って。
香里は空虚な表情をしていた。
その目は空の何処かを見上げ、その口は空気を振るわせる気配さえ
感じさせなかった。
まるで香里の魂だけが空と一体化し霧散してしまった…。
そんな印象を俺は受けた。
「…相沢君…」
どれだけ時間が経っただろう。
香里がそうぽつんと呟く。
相変わらずその瞳に光りは宿っていなかったが心だけはそこにある。
そんな印象を受けた。
そして香里は先程の言葉を続ける。
「協力して…」
その意外な一言に俺は面食らってしまった。
はたから見たら相当に間抜けな表情をしているだろう。
それだけ香里の今の一言は想像の範疇を超えていた。
「協力って…何のだ?」
俺はせいぜいそう答える事しか出来なかった。
だが香里はそんな事お構いなしに語り出す。
「笑顔を…あの子の笑顔を守りたいの…それには…相沢君の協力が必要なの。
あなたが言った通り…あの子が私に向ける笑顔と相沢君に向ける笑顔って
違うの…。私じゃ…もう駄目なの…。私じゃ…栞は本当の笑顔を見せてくれない。
あなただけなの…相沢君…。あなただけにあの子は本当の笑顔を見せてくれるの…。
だから相沢君…あの子の笑顔を守って。お願い…私からの本当のお願い…」
正直、香里が何を言ってるのか解らなかった。
気が違ったのかとさえ思った。
だが何時の間にかその瞳には強い生気をたくましい意志が見え隠れしていた。
直感的に思った。信じられる。
今の香里の言葉に疑念を差し挟む余地はないと思った。
何故なら今の俺と同じ瞳をしているから…。
だから信じられる。そう思った。
5時間目の古文の時間。
本来なら勉学に勤しまなくてはいけない時間だが、今の俺は
それどころではなかった。
その理由は先程の香里の言葉。
その意外な発言に俺の心を激しく揺さぶられた。
もし成功したら栞の笑顔は守れる。
確かにそう思った。
しかし、本当にそんな事が可能なのだろうか?
だが今は香里の言葉を信じるしかない。
そんな事をひたすら考えていたらチャイムが鳴った。
人間、物事を集中して考えたらこれほどまでに時が経つのを
早く感じられるのか。
そんな事を改めて思った。
「祐一」
ふと気が付くと名雪が俺の前に立っていた。
「さっき、香里と屋上に行ってたみたいだけど…何話してたの?」
心配げに俺の顔を見つめる。
「いや、別に…」
俺は顔をぷいと向けて名雪の発言を逸らす。
何となくそうしたい気分だった。
「…栞ちゃんの事だね?」
俺はその発言に思わず吹き出しそうになる。
何で名雪が知ってるんだ?俺は何ともいえない表情で名雪の方に向き直す。
「…香里からいろいろ聞いたんだよ。最近の香里見てるのが辛いから…。
何かあったの?って聞いてみたんだよ。そしたら栞ちゃんの話が出て来て…。
最近の祐一も何か妙だったもんね。ああ、そう言う事なんだって思ったよ」
何が「そう言う事なんだって思ったよ」なのかは謎だが、名雪が栞の事を
知っているって事だけは解った。ただ病気の事とかは伝えていないようだが…。
「香里も祐一もずるいよ。私に黙ってるだなんて」
「黙ってるつもりはなかったさ、言う機会がなかっただけだ」
俺は素直な感想を述べた。
実際、そんな事をいちいち報告する義務はない。特に栞に関しては。
「…そうなんだ」
名雪は何となく不満そうだ。
かといって俺がフォローするのもおかしく感じた。
その時、ふとある事を思い出す。
「そういやさ…香里って何のクラブ入ってんだっけ?」
「え?香里のクラブ?化学部だよ。それがどうかしたの?」
「化学部か…なるほど」
俺は香里の発言を思い出し、一人納得する。
「祐一…、何一人で納得してるの?」
そこで名雪が当然の突っ込みを入れる。
普段、ボーっとしてる名雪だがこういう事にはしっかりしている。
俺は慌ててフォローに入る。
「いや、香里って結構知的なイメージあるだろ?それで何となく気になってな」
我ながら見事な返しだと思った。案の定、名雪は笑みを浮かべて。
「そうなんだよ、しかも私と同じで部長さんだしね。成績も学年トップだし。
うらやましい限りだよ」
「学年トップ?」
「ね、うらやましいでしょ?」
「うらやましいっつーか、何というか…」
俺はその言葉を聞いて心底安心した。
香里は本気だ。改めてそう思った。
もしかしたら本当に上手くいくかも知れない。
栞の笑顔を守れるかもしれない。
「祐一…、また一人で納得してる〜」
俺は名雪の言葉を無視して思索に耽る。
成功の鍵は俺が握っているのだ。頑張らなければならない。
そう心に言い聞かせた。
「祐一さんっ!」
放課後。校門で待っていると栞が嬉しそうに駆け寄って来る。
最高の瞬間。最高の笑顔。
この笑顔があれば何もいらない。
素直にそう思えた。
「今日もデートですねっ!」
「…ああ、そうだな」
曖昧に呟く。
「えう〜、祐一さん、何かつまんなさそう…」
無論そんな事はありえない。
ただ、こういう会話が。俺が栞をからかって栞が俺に対して拗ねてみせる。
そして俺がフォローを入れる。そんな会話が楽しいだけだ。
本当に…本当に大事な瞬間。
俺はその感触をぎゅうっと胸の奥にしまい込む。
思い出という宝箱の中に。
「んじゃまあ、商店街でもぶらつくか」
「はいっ!」
そして今日も始まる。
栞という最高のパートナーを連れた宝探しの旅が。
その笑顔と共に。
「えう〜、また駄目でした〜」
栞がまたまたうなだれる。商店街恒例のモグラ叩き。
今日、栞が取った最高得点は4点。
ちなみに昨日は5点。その前は6点。
でもってその前は…。
「…そんな聞こえるような声で解説しないで下さい」
栞が不満げに俺を見上げる。
「すまんすまん。それにしても栞は凄いな。おとついより昨日
昨日より今日と順調い得点を下げていくとは…。そんな特技なかなか
お目にかかれないぞ。伝授して欲しいくらいだ」
「…そんな事言う人嫌いです」
栞がジト目でこちらを見つめる。
いつものやり取り。いつもの仕草。
でも何処か悲しい…。いや、俺がそんな弱音を吐いてどうするんだ?
頑張らなければ。栞の…そして香里のためにも。
「はあ…お姉ちゃんみたいに上手くなれたらいいのに…」
栞がそうボソっと呟く。
「お姉ちゃん…。香里の事か?」
突然出てきた「香里」という言葉に若干動揺しながらも、すかさず俺もそう返す。
「はい。お姉ちゃん、このゲームすっごい得意なんです。確か前やった時は
全部のモグラさんを叩いて商品を貰ってました。お店の人もビックリしてました
けどね。何でも開店して以来初めての快挙だったらしくて…。で、私もお姉ちゃん
みたいになれるかなって思ってたんですけど…。現実は厳しいです…」
「なるほど…」
俺はそれを聞いてそう答えるしか出来なかった。
「モグラ叩きの名人…」
あの香里とは似ても似つかないイメージだが、不思議と納得もいった。
結構腕力もあるって事なのだろうか?
聞けば聞くほど香里というのは不思議な人物だと思った。
「…でなけりゃあんなアイデア浮かばないか…」
そう自分に言い聞かせる。
そしてその日も夕刻を迎え、栞と別れる時間が来る。
約束の日はすぐそこまで迫っていた。
時間は何時の間にか過ぎ去っていく。
ふと時計を見つめた瞬間でさえ既に過ぎ去りし時。
楽しい事も、悲しい時も。
全ては「時」という荒波に押し流されていく。
そして、それは俺と栞の間でも例外ではなかった。
約束の日。
栞と送る学校生活…、その最終日が今、幕を開ける。
登校中、香里と出会う。
細かい打ち合わせは全て済んでいる。
後は俺次第。俺が頑張ればきっと成功する。
俺は景気づけに香里の前でガッツポーズを取る。
いきなり面妖な行動を取る俺に向かって名雪が神妙な面持ちで俺を眺める。
だが香里はそんな俺の仕草を見てニコリと微笑む。
それは同じ目的を持つ同志でしか解り得ない反応。
上手く行く、栞の笑顔は守れる。
俺はそう確信した。
そして放課後。
今日は俺の方から栞の教室へ迎えに行く。
「あ…祐一さんっ!」
俺の顔を見るや否や顔をほころばしながら俺の方に駆け寄ってくる。
だがその時。
「あっ…!」
何もない廊下でいきなりバランスを崩して転んでしまう。
「栞っ!」
俺は周りの目も気にせず、走って栞の元へ向かう。
良く見たら顔色が悪い。
「大丈夫か?」
「あはは、滑って転んじゃうなんて…、間抜けですよね私って…」
そんな事を言うが明らかに具合が悪そうだ。
俺は自分を恥じた。ここのところあの事にばかり夢中になってしまい、
栞の体調を気遣う余裕を失っていた。
後一日…、後一日しかないのに…。
「それで祐一さん。今日は何処へ行きます?」
だが栞はそんな事をおくびに出さずサラッとそう答える。
俺は栞を見つめる。
漆黒の瞳。そしてその瞳の中で輝く一個の宝石を見つける。
それは栞の強さ、どんな苦難も跳ね除ける栞だけが持つ事が
出来る至高のダイヤモンド。
「そうだな…とりあえず学食でも行って話すか」
「はいっ!」
そして俺達は何事もなかったように歩き出す。
一歩一歩を噛み締めるように。
学食ではたくさんの話をした。
香里の事、学校の事、クラスメートの事。
ささいなやり取りが俺達の中で大切な思い出として蓄積されていく。
まるでしんしんと積もる雪のように…。
そして気がつけば時間は既に6時を越えていた。
学食も閉められ、俺達は行き場を失った。
このまま帰るのか?いや冗談じゃない。
俺は栞と一緒に居たかった。
そしてその思いは栞も同じだったろう。
俺達は無意識の内にお互いの手を繋いでいた。
栞の息遣い。栞の心がダイレクトに響いてくる。
「あの…」
俺達は同時にそう掛け合う。
そのタイミングが妙に間抜けでおかしかった。
「…ぷっ!」
そしてどちらともなく笑い出す。
「おかしいです祐一さん」
「ははは。俺もだ」
栞が今日一番のとびっきりの笑顔を見せる。
そうこの笑顔だ。
栞はこの笑顔を見せる時が一番幸せなのだと感じた。
守らなければ、何としても。
結局俺達はぎりぎりまで学校に残る事にした。
それは俺の提案であり、同時に栞の提案でもあった。
俺達二人は手を繋いでいろんな所を見て回った。
中庭、体育館、プール、栞の教室、そして俺の教室…。
栞との楽しい学校生活を反復するように俺達は時間の
許す限り一緒に居る事を望んだ。
楽しかった。
時間が止まればと思った。
だが無情にも時は刻まれていく。
約束の時は刻一刻と近づいて来ていた。
ふとその時、栞の様子がおかしい事に気付く。
「大丈夫か栞?」
「えっ…?はい、祐一さんごめんなさい。少し歩きすぎたみたいで…」
こんな苦しそうな栞を見るのは初めてだった。
俺は血の気が引く思いを覚える。
「すまん…俺が付いていながら…」
「そんな…祐一さんのせいじゃありませんよ。私は今とっても幸せなんですから」
熱っぽい栞を俺はある教室へ連れて行き横にさせる。
窓から照らす月の光りが栞の身体を包んでいた。
その教室は理科室だった。
「…だいぶ良くなりました」
栞が儚げな笑顔をこちらに向ける。
「…そうか、良かった」
俺は心持良くなった栞の顔色を見て、ホッと一安心する。
「…ごめんなさい、祐一さん。迷惑かけちゃって」
栞はそんな事を言ってホントに申し訳なさそうな顔をする。
その表情を見て俺は激しい自己嫌悪に駆られる。
何べん栞に気を遣わせれば気が済むんだ。
俺は己の愚かさを呪った。
「祐一さん、そんな顔しないで下さい…」
「けどな栞…」
「いいんです。私が祐一さんと居たいから、こうなっただけです。祐一さんと一緒に
学食でお喋りして、祐一さんと一緒に校内をうろうろする…。夢だったんです。良く
ドラマとかであるじゃないですか?卒業式の後に恋人同志が思い出を懐かしむために
放課後の校舎をうろうろして…。夢だったんです。そして今日その夢が叶いました。
祐一さん…本当に有難うございます」
「…今日は卒業式じゃないだろ…」
俺は涙をこらえながらそう語りかける。
「そうですよね。あははっ…」
栞はドキッとする笑顔をこちらに向ける。
目と目が合った。
月の光りが指し込む教室で、その神秘的なたたずまいを見せる情景の中で。
俺は栞と口付けを交わす。
栞の唇は温かく柔かだった。
「栞…」
俺はその勢いに任せて栞の柔かな膨らみに手を添える。
「あっ…」
栞が熱い吐息を漏らす。
服の上からだがそれなりに成長している胸の感触を確かめる。
むにむに…むにむに…。
「あっ…!いや…祐一さん…」
「何だ…、胸がないなんて言ってたけど十分有るじゃないか…」
「…そんな事言う人嫌いです…あっ!」
栞が一際大きい声を出す。
どうやら乳首に触れたのが原因のようだ。
「栞…いいだろ…」
「いいも何も…。祐一さんもう始めちゃってます…」
「そういや、そうか…」
そう答えながらゆっくりと栞の服を脱がして行く。
そこで俺はふと気付く。
栞の肌に鳥肌が立っている事を。
思えば季節は極寒の冬、寒く無い訳がない。
いや実際かなり冷え込んで来ている。
男の俺はそこまで関係ないかも知れないが、もろに肌を露出する女の子は
それだけで大変な苦渋を強いる事になる。
特に栞の性格を考えると尚更だ、こんな状況でも「大丈夫です」と笑顔で返してしまう
恐れがある。
それだけは何としても避けねばならない。
俺はそんな悲しい笑顔は見たくないから。
俺にだけはホントの笑顔を見せて欲しいから。
その時、俺は香里に渡されたあの薬の存在を思い出す。
(なるほど…)
さすがは香里だ、こんな状況も予想済みって事か。
そして俺はポケットの中から例の薬を取り出す。
「何ですか…それ?」
栞が薬の入ったビンを見て目をぱちくりさせる。
「栞…寒いだろ?」
俺は栞の目を見ながら真剣に問う。
「…」
栞は一瞬何かを言いかけたが俺の目を見てその言葉を発するのを
やめる。
俺は本音を言って欲しかった。
栞の気遣いは嬉しいが、こんな時くらいは文句を言って欲しかった。
俺に甘えて欲しかった。
それが俺自身のわがままだったとしてもだ。
「…寒い…です」
そしてそうポツリと呟く。
俺はその言葉に対して待ってましたとばかりに説明を始める。
「こんな事もあろうかと思ってな。こんな薬を用意しておいたんだ。
これを飲めば心身ともにポカポカ。寒さともおさらばだ」
俺は身振り手振りを加えてそう語りかける。
効果は絶大、自慢のレクチャーだった。
だが説明し終わった後の俺を待っていたのは、凍てつくブリザードとも言える
場のしらけた空気だった。
栞は明らかに不信そうな目で俺を見つめている。
「最初から…こういう事するつもりだったんですか?」
栞が不満そうな顔で俺に訴えてくる。
「いや…それは…」
それを言われると辛い。確かにそう思われても仕方がない部分はある。
俺は何より栞が好きだし。
好きな人との交わりを求めてしまうのは男として致し方ないとも言えるだろう。
しかもこんな薬まで用意して…。
しかしそれもこれも全て栞の為だと言うのを解って欲しかった。
栞の笑顔を守るためだと。
それだけは偽りのない俺の本心だからだ。
「……………」
俺が返答に困ってあたふたしていると、栞がクスッと笑ってくる。
「いいです…。許してあげます」
一転して天使のような微笑を浮かべる。
「すまん…」
俺はその一言しか言葉が出なかった。
「いいんですよ。祐一さんの目を見てたら考えが変わっちゃいました。それに私は
こんなシチュエーションも嫌いではないです。祐一さんが私の初めての人というのも
夢の一つだったんですから…」
「……………」
俺は何とも気恥ずかしいというか照れながら栞の顔を見つめる。
「それ…飲みます」
「ああ…」
そう言って俺は薬を栞に渡す。
「苦くないですよね?」
「ああ…」
「辛くないですよね?」
「ああ…」
「甘くないですよね?」
「ああ…」
「………………」
「………………」
何故だか急速に場が冷えてきたような気がする。
何が原因なのだろうか?
「…祐一さん…もしかして飲んだ事ないんですか?」
「すまん…ない」
悲しい事だがどうやら原因は俺にあったようだ。
「………………」
栞が飲むかどうか考えあぐんでいる。
とりあえず俺を信じてくれとしか言い様がなかった。
俺と香里の心を。
俺の真剣な眼差しを見てようやく決心がついたようだ。
「…………!」
栞は思い切って一気に全てを飲み干す。
「………ふあ…」
薬が除々に効き始めているようだ。
「どうだ…栞?」
「身体が…ポカポカします…」
効果はテキメンだった。栞は顔を紅潮させ、何とも艶やかな表情をしている。
多少そっち系の薬も混ざってたのかも知れない。
しかしながらそれならそれで栞の初体験もかなりスムーズに行なえるだろう。
それにしても香里の用意周到さには頭が下がる。
俺は周囲を見渡し「あるモノ」を発見すると、栞との情事の続きを始める。
「ゆういちさん…」
「栞…」
上着を脱がした俺は栞の清楚なブラジャーを目の当たりにする。
「綺麗だよ…栞…」
「…ゆういちさん…あふっ!」
俺はブラジャーごしに栞の胸をやさしく揉み始める。
慎ましやかな胸だったが形は最高だった。
本能に任せて揉んでいると除々に乳首が固くなっていく様が見て取れる。
「…はぁっ…」
栞が何とも悩ましげな声を漏らす。
俺は栞のブラジャーを上にずり上げる。
綺麗な胸が外気に触れ、一層美しさを際立たせる。
俺は両方の手を使って、二つの乳首をこねくり回す。
「あっ!いやっ!はあっ!」
栞は俺の指の動きに合わせて激しくもだえる。
「そろそろこっちを…」
そう口に出して俺は栞の下半身に手を伸ばす。
「…!」
それを察知した栞が本能的に俺の手を妨害しようとする。
さすがに多少なりとも恐怖を感じてしまうものなのだろう。
そこで俺は栞に甘い口付けをする。
「……………」
キスによって心身が解放されたのだろう。
栞の手が止まる。
俺はその隙にショーツ越しに栞の大事な所を指で愛無する。
ショーツは既に栞の愛液でしめっていた。
「…あん…あふっ!」
栞の息遣いが除々に荒くなる。
俺は嬉しくなって更に激しく栞のあそこを責め立てる。
ショーツ越しにクリトリスがだんだん固くなっていくのが解る。
俺はその肉芽を指で摘んで見る。
「あはぁっ!」
栞が一際大きな声を漏らす。
「ここ…感じるのか?」
俺は何とも間抜けな質問を栞にぶつける。
「…はい」
しかし栞は大真面目に俺の質問に答えてくれる。
その物言いが何とも可愛くそして愛しかった。
俺は夢中になって栞への愛無を続ける。
ペニスは既にギンギンにいきり立っていた。
頃合を見計らって栞のショーツを脱がす。
俺の愛無のせいだろう、その大事な部分はすっかり濡れぼそり糸まで
引いていた。
俺はそれを見て何ともいえない興奮を覚える。
栞は恥ずかしそうに俯いている。
「栞のここ…綺麗だ…」
「…祐一さん…恥ずかしい…」
「行くよ…」
俺は自分の息子を取り出し栞のあそこにあてがう。
そして、ゆっくりと腰を進めて行く。
「………!」
栞は不安げに俺の方を見つめる。
そんな栞に対して俺は大丈夫だと笑顔で返す。
薬の効果だろうか?栞は痛さよりもむしろ未知の行為に戸惑う思いの方が
強いようだ。
俺はある意味安心して、更に腰を進める。
ぎゅっ…!ぎゅっ…! ぎゅっ…!ぎゅっ…!
「ああ…祐一さん…」
栞が何とも悩ましげな表情を浮かべる。
そしてペニスの先端が何かを突き破る。
「あんっ!」
栞が一際高い声を漏らす。と、同時に栞のあそこから純潔の証が流れ落ちる。
それを見てさすがに俺も不安になる。
「痛くないか…?栞」
「大丈夫です…痛いというか…何か一杯で…これも薬のおかげなんでしょうか…?」
「ああ、きっとな…」
俺は今更ながら香里の感謝する。
あの薬がなかったらこうも上手くはいかなかっただろう。
そして俺は腰の抽出を開始する。
「ああっ!祐一さんっ!祐一さんっ!」
栞が俺の動きに合わせて熱い喘ぎ声を漏らす。
俺はその声を聞いて更なる抽出を開始する。
栞の中は狭くて俺の息子をぎゅうぎゅうに締め付けてくる。
そろそろ限界が近づいていた。
「あっ!あっ!私…!私もう…っ!祐一さんっ!一緒にっ!一緒にっ!」
「栞…!しおり〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
頭の中が真っ白になったその瞬間。
どぴゅっ! どぴゅどぴゅどぴゅっ!
俺は栞の中に大量の精子を注ぎ込む。
最高の快感、最高の瞬間だった。
今までの人生で体験した事がないほどの爽快感を俺は味わっていた。
愛しき人との契り。そして最高の結末。
朦朧とした意識の中で俺は栞の顔を見つめる。
栞はどうだったのだろうか?
満足してくれただろうか?
そう思った瞬間俺は急に弱気になる。
俺は恐る恐る栞に語りかける。
「栞…」
「祐一さん…」
栞は笑っていた。
それは俺が今まで見た事がないくらいのとびっきりの笑顔だった。
「私…幸せです…祐一さんと…一緒に…いけて…。本当に幸せです…」
そう栞は応えてくれた。
それはまさに最高の賛辞だった。俺は栞の笑顔を本当に、心の底から
愛しそうに眺める。
ゆるやかな空気が二人の間を包み込む。
俺は笑顔を浮かべながら未だ横になっている栞の顔をマジマジと見る。
それは天使の微笑み。俺が見たかった笑顔、俺が守りたかった笑顔。
そして…香里との約束の笑顔。
その瞬間、黒い影が教室の中を踊る。
鋭く光るモノを走らせながら。
窓辺から差し込む月光を浴びながら。
素早くその「瞬間」に狙いを定める。
まるで「モグラ」を叩くように。
そして…。
ドカァッ!!
激しい音が鳴り響いた後、静寂が訪れる。
一時の静寂が。
季節は春に向かって進んでいた。
雪解けの街が陽光を浴びて光り輝き、若芽がいきいきと地面から生えて来る。
俺はその光り眩しい街中を一人歩いていた。
だが俺の横にはもう誰もいない。
寒空の中、共に愛を確かめ合った相手はもうこの世にはいない。
だが俺は満足していた。
守れたから。
あの「笑顔」を。あの天使の「微笑み」を守る事が出来たのだから。
そして俺はある家を訪れる。
チャイムを押そうとすると、既に気付いていたのか彼女が玄関から出てくる。
「よっ!香里」
俺は飄々と挨拶を交わす。
「…相変わらずね、相沢君は」
いつもの行動。いつもの会話。
だがそれが俺と香里の関係を良く表していた。
「また、見せてもらいに来たぜ」
「…いいわよ」
そう、頷いて香里は俺を家の中に招き入れる。
「久しぶりだよな」
俺はそう香里に話し掛ける。
「…三日前に見たばっかりじゃない」
「三日も経てば十分に久しぶりさ」
俺は出来るだけ喜びを押さえながらそう返す。
見れるのだ。
いや、正しくは再会すると言った方が適切だ。
「栞」に。
あのとびっきりの「笑顔」に。
「久しぶりだな、栞っ!」
そして俺は再会の挨拶を交わす。
「…それにしても見事なもんだよな」
「そう?」
香里は事もなげに話す。
いや、さすがは化学部部長というべきか、学年トップと言うべきか。
俺は「栞」を見ながらしみじみと話す。
「でもその笑顔を導き出したのは相沢君だわ」
「この笑顔を永遠のモノにしたのはお前の腕だよ」
モグラ叩きのな。
そう言おうとしたが何となく間抜けだったのでやめた。
にしてもあの瞬間を狙い打ちしたのは見事としか言い様がない。
「…警察の方とかは大丈夫なのか?」
「…多分…ね。まあ知ってるとは思うけど血もほとんど出なかったでしょ?あの薬の
効果はなかなかのもんだったわ」
サラっと返される。
用意周到というか何と言うか…、そんな事思いもよらなかったぞ。
まあ、そのおかげでその後の処理も迅速に出来たけど。
他の不用な部分の処理も含めて、香里の計画は完璧だと言っても差し支えなかった。
今の警察では現在の状況など皆目見当もつかないだろう。
全く恐ろしいヤツである。
「…にしてもお前って腕力あるわな、あんな馬鹿でっかいブツで一撃だもんな」
「モグラ叩きで鍛えたからね」
自分で言ってるし…。
俺は悪戯心を出し、香里の二の腕を掴む。
「よーし、それなら俺と力比べで勝負だっ!」
「…もう」
そう言いながらも満更ではないようだ。
「よーい、どんっ!」
俺はその間隙を縫って香里を自分の方に抱き寄せる。
「…きゃっ!」
香里の柔らかい身体が俺の懐に潜り込む。
「…相沢君、卑怯よ」
「これくらいしなければ、香里には勝てないからな」
「…もう」
そう言いながら俺達はキスを交わす。
そしてその光景を「栞」が見ている。
身体のない。
「ホルマリン漬け」と言われるビンに詰められた栞の笑顔が俺達の情事を一部始終注視している。
俺は何となく照れながらも、更なる興奮を覚える。
あの「笑顔」に見守られていたらどんな事だって楽しくなる自信があった。
もし何も知らない人間がこの情景を見たら俺達を「狂人」と罵るのだろうか?
それはそれで構わない。
俺達は守ったのだから。
人間の尊厳を。栞の「笑顔」を。
それだけで十分だった。それだけで。
これで終了です。
ではこれから回します。
回してます。
回してます。
更に回します。
回します。
もういっちょ回します。
回します。
回してます。
回しています。
236 :
ほかほか兄さん:2000/10/25(水) 20:08
これにて全て終了です。
新しいのは
>>190-226です。
ちなみに今回は栞モノです。
(鬼畜ではないですけど)
もしかしたら、それなりに長いかも知れません。
では。
文章がしっかりしているなぁ。上手いわこれ。
>ほかほか兄さん
最後が衝撃的。これは予想できなかった。
自分の体質には合いにくい性格のSSでは有ったけど、最後まで読んでしまった。
どうでも良いけど、「ほかほか兄さん」っていう
ハンドルがミスマッチで何ともかんとも…
239 :
名無しさんだよもん:2000/10/25(水) 20:34
相変わらずお上手ですな。今回は「栞萌え」な鍵っ子にショーゲキを
与えるのがテーマと見ましたが、いかが?
オチを隠すため、話の過程を出来る限り「原作に忠実な3人」として
しつこいくらいの描写をし、最後で一気に豹変させて『キャー』となるわけですな。
たぶん、ここが評価の別れ目でしょうな。香里のどこかエキセントリックな性格は
一貫しているように見えますが、祐一君は…う〜ん、肯定意見の方、あとはよろしくお願いします。
241 :
名無しさんだよもん:2000/10/25(水) 21:28
うまいなー。こういうの書けるようになりたいものだ。
一度読んでから読み返してみると、祐一が普通に話してるようで
裏に恐ろしい狂気を秘めてるように感じた…。
ほかほか兄さん、凄いっす。
なんだこれは?
243 :
>242:2000/10/25(水) 21:40
SSですよ。
244 :
名無しさんだよもん:2000/10/25(水) 21:41
ははははは、わかってるよ。
245 :
>244:2000/10/25(水) 21:42
おめでとうございます。
246 :
名無しさんだよもん:2000/10/25(水) 21:43
ありがとうございます。
247 :
美凪:2000/10/25(水) 21:59
・・・お二人は、仲良し?・・・・ぱちぱちぱち。
248 :
名無しさんだよもん:2000/10/25(水) 22:07
あんたすげーよ!>ほかほか兄さん
222からラストまでが圧巻だなー。いや、いいもの読ませてもらいました。ありがと。
(誤字とか少しあるのが残念だなー。気に障ったらご免、そーゆーのがどうしても
気になっちゃう性分なもんで)
>ほかほか兄さん
いや〜…、強烈な武者震いを感じましたよ。
凄いです。顔に張り付いた背徳の微笑が剥がれないです。
おいらもまたダークなの書いてみようかな。ほとぼりが冷めたら<おい
というわけで、リスペクト上げ。
そういえば、まだスレの中に回収所のアドレスがなかったようなので、一応貼り付けておきます。
members.tripod.co.jp/mio_2ch/
mio_2chさん、回収がんばって。
痕で耕一の母方の親戚が出てくるSSってどこかにない?
きっと耕一の親父のこと恨んでるでしょうね。
ああ、見てみたいっす。
251 :
名無しさんだよもん:2000/10/26(木) 20:28
次にSSスレ立てるときは一番に書いておくと良いだろうね<回収所
いろんなご意見有難う御座います。
今後の参考にさせて頂きます。
特に誤字についてはホント申し訳ないっス。
では〜。
雑踏と騒音の中、俺は目を覚ました。
目覚めたばかりの体は重く、ただひたすらにけだるい。
未だ寝惚けているのか、上手く働かない脳を目覚めさせる為、
頭を2、3度小突くと、俺は漸く自分が何処に居るのかを理解した。
「寒い……」
脳が動き出すと同時に、体に感覚が戻る。
季節の上では今は秋。まだ冬には至らない筈だが、
時折吹く木枯らしや、舞い落ちる木の葉は、確実に冬の訪れが近い事を示している。
ましてや、公園のベンチの上という野晒しの場所で、
毛布もかけずに野宿していたとなれば、風邪を引いていても可笑しくは無かった。
(まぁ、この程度の寒さなら、何度も経験しているからな……)
この程度の寒さなら耐え凌げる。
困るのは本格的に寒くなる、十二月以降だ。
流石に凍死しかねない。そう考えただけでぞっとする。
その為にも、今のうちに金を溜めておかなければならないのだ。
(その為には、野宿も我慢…か)
そこで思考を絶ち、俺は上半身を起こす。
今まで空を見ていた視線が、ビルや人間といった光景に変わる。
空の広さに比べ、地面とはなんと狭いんだろうか。
だが、それは今の俺には一先ず関係の無い事だった。
とりあえず、金なのだ。
迫り来る冬に備え、ひたすら稼がなければならない。
(…アリとキリギリス……)
だが、キリギリスは居なかった。
「…………」
俺は今日何回目か、空を仰ぎ見た。
一寸考えれば、ビジネス街で人形芸を見せたところで、
誰も何の関心も示さないであろう事は至極明瞭だった。
俺はポケットの中を探ってみる。
ジャラジャラと、小銭のぶつかり合う心地よい音が響く。
「……100円が4枚、10円が11枚………」
止めた。
俺は小銭をポケットに戻し、灰色の地面から目を離す。
そして、また空を仰ぎ見た。
秋ならではの鰯雲がゆっくりと流れて行くのが見えた。
……そもそも、この町にどうやって流れて来たのかすら覚えていない。
電車に乗り、バスを乗り継ぎ、
時にはただひたすら歩き、気が付いたらこの町にいた。
考えてみれば、いつもこんな調子だったのかもしれない。
別に、行きたい場所があって観光旅行をしているわけではないのだから。
この町が日本の何処に位置しているのかなんて、別に知りたいと思った事も無い。
今までもそうだった。そしてこれからもそうなのだろう。
旅先で思い出を作りすぎると、どうしてもその場所に愛着が沸いてしまう。
結果、それはその場所から旅立つ妨げになるし、
必要以上の思い入れというのは、旅をして行くうえで邪魔になってゆく。
少なくとも俺は、そう思っていた。
あの町に、辿り着くまでは。
「………」
100円玉が1枚増えた程度では、ポケットにかかる重みなど全く変わり無かった。
結局俺は、重い足取りでいつもの公園に戻り、いつものベンチに腰を下ろす。
「……あー…」
632円。
これが俺の全財産である。
まるで子供の小遣いのようだ。
これでは冬の為に金を溜めるどころじゃない。
その前に飢え死にしかねなかった。
先のことより、今のことだった。
「コンビニで弁当でも買うか……」
全く持って侘しい食生活である。
「どっこらせ」
我ながらオヤジ臭い台詞を吐くもんだ、と思いつつベンチから腰を上げたその時…
ぱちんっ。
「ん?」
頬に何か液体がかかった。
「…………石鹸水……?」
ふと、視線を下に落としてみる。
すると、そこには……
「……みちる…?」
「んに?おじさん、どうしてみちるの名前知ってるの?」
「……せめてお兄さんと呼べ」
その言葉を聞いていたかどうかは定かではないが、
みちるは再びシャボン玉を膨らまし始めた。
それを見ながら、俺は思い出す。
(そうか……美凪の父親はこの町に居るのか…)
そう考えると、俺の移動距離も大した事無いな。
何故だか分からんが、笑いがこみ上げた。
「く、くっくっくっ…」
そんな俺を見て、みちるは何を勘違いしたのか、
「むーっ!みちるがシャボン玉上手くできないからって笑ったなぁ!」
どげしっ!
「ぐおっ」
いい蹴りがみぞおちにヒットした。
初対面の相手でも遠慮が無い。
「いてぇ……」
痛烈な痛みに、俺は悶え苦しむ。
そこに、さっ、と紙コップが差し出された。
「……これを飲めと?」
「んなわけあるかっ」
ばごっ。
「おうっ」
2発目。
「おじさんがみちるを馬鹿にするなら…」
「…ならお前がやってみろ……という事か」
俺はみちるの手から石鹸水の入った紙コップを受け取る。
「……よし、俺の実力に驚愕しろ」
我ながらカッコイイ台詞だ。
ストローを石鹸水につけ、それを優しく吹く。
何と単純で簡単な作業であろうか。
失敗するわけが無い。
ちょんちょん。
ストローを石鹸水に浸す。
そしてそれを吹……
ぱちん。
一瞬薄い膜ができ、そしてその刹那割れた。
要するに、失敗である。
「ぐわあーっ!目に入ったぁー!」
これがまた痛い。
「へへ〜ん、ざま〜みろ」
畜生……
「……」
ぱしっ。
「あ」
自分が成功したわけでもないのに得意げな顔をしているみちるの手から紙コップを奪う。
「何すんだ〜っ!」
「リベンジだ」
絶対、膨らませてやる。
………
燃え尽きた馬鹿がふたり。
その上を、烏がカーカーと鳴きながら飛んでゆく。
秋の日は短い。
早くも町は、夜の色に変わろうとしていた。
「……なあ」
石鹸水で顔面テカテカになった俺が呟く。
「…なによぅ」
石鹸水で顔面テカテカになったみちるが答える。
「お前には何処かで会った気がするんだが」
ある意味、禁句とも言える質問だった。
だけど俺は、どうしてもその質問をしてみたいという衝動に負けた。
「んー……会ってない……と、思う」
みちるは、一言一言、何かを思い出すように言葉を発する。
「でも……おじさん、なんか懐かしい感じがする」
「そう…か」
それだけで、俺にとって充分だった。
「さてと、子供はそろそろ帰れ」
「むっ!そのいい方むかつくっ!」
「ヘイへイ、悪う御座いましたぁ〜」
がすっ。
「がはぁ……」
「ふんだ!言われなくても帰るよーだ!」
そう言うとみちるは、中身の無い紙コップを持ち、立ちあがった。
「…そうだ」
みちるが俺のほうを向く。
「おじさん、名前は?」
「ピエール・ゴルバチョフ4世」
我ながら出鱈目な名前だ。
がきょっ。
「ぬぐぅ…」
「嘘付くなーっ!」
俺は一息つき、こう言う。
「名前は秘密だ。いつかまた出会ったら、その時に、な」
「むぅー……」
みちるは納得のいかなそうな表情だったが、
「ま、いっか」
ぱっ、と表情を変えると、たったっ、と元気良く走り去って行った。
そして、公園の出口でもう一度振りかえり、
「じゃあね〜」
と、手を振りながら言った。
「ああ……じゃあな」
俺は、恐らく俺以外の誰にも聞こえないであろう程小さな声で、そう答えた。
(元気でな…)
そして、そう心の中で呟くと、俺はもう1度空を見上げた。
空は完全に暗くなっていて、そこには星がいくつか見えた。
俺は道を歩いていた。
国道か、それに近い規模の幹線道路だろう。
大型トレーラーが騒音を巻き起こしながら、俺を追いぬいてゆく。
バス停もあるし、もう少し行けば駅もある。
だけど、今日は1日中歩いていたい気分だった。
もうすぐ季節は冬へと変わる。
日を追うごとに、風が冷たくなる。
勿論のこと、金は殆ど無い。
ただ、それでも大丈夫だと言う、良く分からない自信があった。
……何時間歩いただろうか。
俺もさすがにそろそろ休みたい気分になった。
ただ残念な事に、周囲には座るのに適しているものが何も無かった。
仕方が無いので、俺はその場で腰に手を当て、伸びをする。
「くぅ〜っ……疲れた」
背筋を思いっきり伸ばした俺の目に、空が映った。
雲一つ無い青空だ。
(約束……守らなくちゃな)
今の俺には、どうすればそれを叶える事が出来るのか、未だ分からない。
だけど、無限に広がる青空を見ていると、今すぐにでもそこに行けそうな気がした。
どこまでも、どこまでも高みへ。
俺はその場所を目指す。
今、目を閉じたら、そこへ行けるのではないか。
そんな漠然とした予感が、俺を包む。
行けるわけねーだろ。
そんな予感も、俺を包む。
勝手な期待だと分かってはいた。
でも……
俺は目を閉じてみた。
どこまでも続く、無限の高み。
あの空の、遥か向こうを目指して。
AUTUMN
>>253-260
うぅ……今回はシリアス風に挑戦してみましたが、
なんつーか空回りしただけとゆーか……
怖すぎてageることなんてできやしません、ええ、できやしませんとも。
美凪シナリオはAIRで最初にクリアしたから記憶が薄れてるしさ…
なんか変なところ←(それを致命的なミスと言う)
があったなら全部その所為です、(と言い訳してみる)
>>253-260
描写はいいと思うがオチがないのがいかん。
SSの序章だけ読まされた感じだ。
とはいえ、AIRできちんと話の通ったSSを書くのも難しいか・・・
>>262 この話、当初はもうちょっと違ったオチにする予定だったのですが、
なんか書いているうちに変な方向に行ってしまいました。
お陰で立派なヤマなし、オチなし、意味なしのヤオイSSに。
AIRはなんか特別SSにしにくいですね。
なんというかほぼ完全に完結しちゃってる感じですし。
……鬱です。
前スレの『川澄舞はいただきますを二度言わない』はどうなったのかな?
ネタ尽きた? 非常に面白かったので続けてほしいのだが。
今95なんですが、100以下になる前にageて良いっすか?
個人的に一番気に入ったのは
>>190-226です。
前半がちょっと長いように感じたけど。
SSの練習も、やっぱりここでやるのかなー。
一回挑戦してみたいんだけどなー。
討論スレが大人しくなってしまって寂しいです。俺のせいかも(鬱)
269 :
名梨さんだよもん:2000/10/27(金) 17:32
つーわけでageます。迷惑だったらスマソ
七瀬留美の場合
明日の朝七瀬を驚かすために、今日は変わった場所で寝てやろう。
机の下
ベッドの下
>クローゼットの中
…ぐー。
…ばたばた…ばたんっ!
「くおらぁっ、起きんかあああ…あれっ?」(きょろきょろ)
どがっ
「折原ーっ?」
ばきばきぃっ
「どこよーっ!」
ぐしゃっ
「隠れても無駄よっ!」
べりべりべりーっ
「もうっ、知らないからねっ」
ぐわしゃっ
「あ、いたーっ! なんでそんな所で寝てるのよっ!!」
「うーん…おはよう七瀬…うおわっ」
こ、この惨状は…また由起子さんに怒られるじゃないか。
「七瀬、頼むからもう少し部屋を破壊しないように起こしてくれ」
「贅沢言ってんじゃないわよっ!」
ばきぃぃぃっ
オレは生涯通算128回目の骨折に見舞われた。
川名みさきの場合
明日の朝先輩を驚かすために、今日は変わった場所で寝てやろう。
机の下
ベッドの下
>クローゼットの中
…ぐー。
…とんとんとん…かちゃ
「浩平君」
…ぐー。
「浩平君てば」
ぱふぱふっ
「あ、あれ?ベッドには居ないみたいだね…気配はするんだけどな」
ごそごそごそ。
「浩平くーん?」
かちゃ、がらっ、ばたんっ
「うー、遅刻しちゃうよー? 浩平君…」
しーん…
「…浩平ちゃん?」
ばたん!!
「だからそれはやめれ」
上月澪の場合
今日は普通に寝るか…。
ぐー…。
…ぱちっ。
おー、自然に目が覚めたぞ。たまにはこういうこともあるんだな。
澪が枕元でにこにこして立っている。
「おはよう澪」
澪はスケッチブックをこちらに向けていた。
『朝なの』
『起きるの』
……。
嫌な予感がして時計を見る。
「げ、10時過ぎてる…」
「(にこにこ)」
オレは苦笑しつつ澪の頭を撫でる。
「今度からそれで叩いて起こしてくれていいから」
「?」
ぽかっ
「いや、今じゃなくて」
「(にこにこ)」
…ま、いいか。
里村茜の場合
…とんとんとん。かちゃ。
「・・・・・・」
ぐー…。
「・・・・・・・・・」
…ぐ…ぐー…。
「・・・・・・・・・・・・」
……ぐ…。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「…ごめんなさい、起きます」
「…はい」
小ネタなり。
繭だけ思いつきませんでした。誰か書いてちょ。
くぅっ、澪が可愛らしすぎる…
萌え萌え〜
椎名繭の場合。
とんとんとん。
「みゅ〜〜〜♪」
……ぐー。
「みゅ〜〜〜っ♪ あさ〜〜〜♪ みゅ〜〜〜っ♪」
………ぐーーぐーー。
「みゅ〜…」
…………ぐーーー。
「みゅ♪」
ごそごそごそ。
ぽふっ。
・
・
・
「あ〜よく寝た…って、もう昼じゃねーか!! 椎名っ!」
…みゅ〜…く〜…
「起きろっ!!」
…く〜…
「たく、幸せそうな顔しやがって…今日は休むか…」
…みゅ〜…
>>274(mio_2chさま)
いかがでしょうか。稚拙な作品ではありますが。
そういやONESS書いたの、10ヶ月ぶり。
278 :
名無しさんだよもん:2000/10/28(土) 19:57
そろそろあげとくか。
279 :
名無しさんだよもん:2000/10/28(土) 20:16
サゲの多いスレだよな。需要はあるハズなんだが。
まわそう。
まわします。
まわしました。
まわしてみたよ。
>>277 おお、ありがとーございますー。
確かに寝そうだなー>繭
>>264 かかか亀れすー。
>前スレの『川澄舞はいただきますを二度言わない』はどうなったのかな?
面白かったよねえ。選択肢、密かに参加してたよ。
回収する時はリンク使って簡易ADVみたくしよー、とか構想練ってたんだけど…
気が向いた時でも再会して欲しいなー。
高野山の呪詛によって書く羽目になてしまったSS第二弾、
「名雪萌えSS(テーマ:尻毛)」、ようやく完成いたしました。
「萌えと尻毛の両立」というテーマは、思いのほか手強かったです。
おかげで長くなってしまいましたが、何とぞご容赦下さい。
一応時系列的には、名雪萌えSS(テーマ:尻毛)
>>79-86の後の話です。
なお、この文章の文責は、全て高野山金剛峰寺に属するものとします(w
相変わらず慌しい水瀬家の朝。
玄関先で靴を履いている名雪に、俺はある賭けを持ち掛けてみた。
「ところで名雪」
「何、祐一?」
「学校までどっちが先に着くか、競争してみないか?」
「そんなの全然勝負にならないよ。わたしが勝つにきまってるよ」
自信満々の名雪。まあ、これでも一応陸上部の部長なんだし、当然といえば当然の反応だろう。
「ほう。それでは負けた方は勝った方の言うことを、何でも聞くっていう条件でどうだ?」
「…イチゴサンデー10個とかでもいいの?」
「もちろんだ。20個でも30個でもいいぞ」
…勝てたら、だけどな。こっそりと心の中で付け足す。
「うんっ、おっけーだよっ。勝負だよっ、祐一!」
「おう、望むところだ」
くっくっくっ…まんまとひっかかったな。相変わらず単純な娘よ…(悪魔的笑い)
「わーい、イチゴサンデー食べ放題だよ〜♪、やったよ〜♪」
既に勝ったつもりになって浮かれる名雪を尻目に、一人ほくそ笑む俺であった。
「…それで、結局名雪が負けたわけね…」
「う〜…」
呆れ顔の香里。名雪は珍しく悔しそうな顔をしている。
「だって、通学路の途中にすっごく可愛い猫さんがいたんだよ〜」
「それでつい構っちゃったわけね…」
「う〜…でもでも、本っ当に可愛かったんだよ〜」
「しかしずいぶん都合よく名雪好みの猫がいたものよねえ…」
ジト目でこちらを睨む香里。ふっ、勝利のためには全ての手段が正当化されるのだよ。
(その頃、水瀬家では…)
「あう〜っ、肉まんがこんなにいっぱい〜♪幸せだよぉ〜」
「でも、ぴろを名雪に会わせるだけで肉まんおごってくれるなんて、案外祐一も気前が良いよね♪」
「とりあえず俺の勝利ってことで文句はないな、名雪」
「う〜…納得いかないよ…」
自分の得意分野で敗れたのがよっぽど悔しいのだろう。名雪はまだ不服そうな顔だ。
「後で、俺の言うことを一つ聞いてもらうぞ。約束だからな」
「…わたしにできることだけだよ…」
しぶしぶ、と言った感じで答える名雪。よし、これで言質は取ったぞ。
「それなら問題ない。のーぷろぶれむだ」
「…何だか嫌な予感がするよ…」
そしてその日の夜。
俺が自分の部屋でくつろいでいると、とんとんとドアがノックされた。
立ち上がってドアを開けると、そこには風呂上りの名雪の姿があった。
「祐一、お風呂空いたよ〜」
「うむ。わざわざご苦労」
「今日は寒いから、ゆっくり入るんだよ〜」
母親のような台詞を残して、立ち去ろうとする名雪。
おっと、今夜はこのまま去らせる訳にはいかないんだった。
「それはそうと名雪、ちょっと話があるんだ」
「うーん…わたしそろそろ寝たいんだけど…」
…つーかまだ10時前だぞ。そんなんで本当にいいのか?
「まあまあ、すぐ終わるって」
「うーん、それならおっけーだよ」
名雪に続いて部屋に入る俺。さりげなく後ろ手で扉に鍵を掛けたりしてみる。
今夜は、秋子さんは自分の部屋で仕事中だし、真琴は今日も天野の家にお泊りだが
(つーか無理矢理行かせた)、まあ一応念のためにね。
「それで話って何?」
のんびりとした口調で問い掛けてくる名雪。
今や恋人同士だというのに、この緊張感の無さは変わらんなあ。そこがまたいいのだが。
…のろけている場合ではないな。とりあえず先制攻撃だ。
「名雪、お前俺のこと好きか?」
「……ええっ!いきなり何言い出すんだよ、祐一〜」
俺の不意打ちの前に、真っ赤になって口篭もる名雪。相変わらず初心だなあ。
「俺はお前が好きだ。名雪もそうだろ?」
「…わ、わたしだって祐一のこと大好きだよ…」
普段は見せない直球攻撃の前に、すっかりメロメロ気味の名雪。あと一押しかな?
「名雪、俺はお前のことが好きだ。だからお前を抱きたい。判るな」
「…わたし、祐一のことが本当に好きだから…」
もはや、好きにして下さい状態の名雪。では、そろそろ頂きますか。
「…その返事は了解とみなしていいんだな?」
「…うん、いいよ…祐一。でも、優しくしてほしいよ…」
優しく名雪を抱き寄せ、その唇を奪う。
しばらくの間、部屋には互いの息遣いだけが響く。
「俺はいつだって優しいだろ」
「…祐一の馬鹿…」
すっかりとろんとした表情になった名雪。実はここからが本題なんだけどね。
というわけで、生まれたままの姿になってベッドの上に恥ずかしげに座る名雪。うむ、実に良い。
俺はこれからの期待に緩む頬を引き締めつつ、厳かに宣言した。
「さて、今日は後背位に再チャレンジだ。というわけで名雪、服を脱いで四つんばいになれ」
「…へっ?」
「後背位だ。いわゆるバックだ。ドッグスタイルともいうな」
「…バック?……えええええっ!イヤだよ、そんなの!」
そうなのだ。何故か名雪は後背位を妙に嫌がって、絶対にやらせてくれないのだ。
「初体験からしてバックからだったのに、今更なにを言う」
「わっ、そんなこと大声で言わないでよ…わたし、恥ずかしいよ…」
耳の先まで真っ赤になる名雪。
うっ…あまりの可愛さに思わず抱きしめたくなるが、ここで情けは禁物。
「あの時の名雪は本当に可愛かったのになあ」
「ほら、あの時はわたしも何が何だかよく判らなかったし…とにかく絶対ダメだよ〜!」
うーむ、やはり抵抗は激しいか。そこで俺は切り札を出すことにする。
「ところで名雪、何でも言うことを聞くっていう約束を覚えてるかな?」
「…ほえっ?」
「お前、確かに『自分にできることなら何でもする』って言ったよなあ」
「…うー…そうだけど、でもっ、でもっ…」
口篭もりながらも必死に逃れようとする名雪。逃がさないけどね。(外道)
「…そこまで嫌がるなら仕方ない。野外公開羞恥調教プレイで我慢するとするか」
「うんっ、ありがとう!祐一♪……えっ?」
「さあ、早く服を脱いでこれを身に着けたまえ。散歩に行くぞ」
そう言うと俺は秘密の引出しから、ネコ耳・首輪・付け尻尾などを取り出し、ベッドの上に広げた。
それを見て完全に硬直していた名雪だが、しばらくしてようやく口を開いた。
「…祐一…なんでこんなもの持ってるの…」
「それはもちろん俺のほとばしる探究心が…ゴホンゴホン。いや、北川からの預かりものだ」
「…なんだかわたし、将来に不安を感じるよ〜」
うっ、話がまずい方向に向かっているような。ここは強行突破の一手だな。
「まあ、そんなことはどうでもいい。早く身に着けろ、名雪。ご近所の皆様が我々を待ってるぞ」
「う〜…」
上目遣いで俺の様子を窺う名雪。
その表情の卑怯なまでの可愛さに、思わず許してやりたくなる…いや、いかん。耐えろ俺。
しばらくの間、二人の間に緊迫した空気が流れる。
「う〜…わかったよ、祐一。四つんばいになれば良いんだよね…」
よし、勝った!俺の心の中で勝利のファンファーレが鳴り響く。
「うむ、それでこそ我がパートナー。共に性の極みを目指そうではないか」
「そんなもの目指したくないよ〜…」
なにやら不服そうな顔の名雪。しかし、向上心のない奴だな。
「…これでいい?……うー、本当に恥ずかしいんだからね…」
しぶしぶとベッドの上で四つん這いになる名雪。うん、絶景かな絶景かな♪
「こうして見ると、名雪のお尻ってなかなか見事だよな。とても82cmしかないとは思えんぞ」
「…だから何でそんなこと知ってるんだよ〜…」
すまん。それは企業秘密だ。
軽口を叩きながら、さりげなく目の前の柔らかなお尻の膨らみに手を掛ける。
うむ、しっとりと手のひらに貼り付いてくるかのような感触が何ともいえないぞ。
「ひゃん!」
急に触られて、驚いた名雪がお尻に力をいれる。
おお、流石は陸上部の部長。
手を触れているだけでも、お尻がきゅっと引き締まったのが感じ取れた。
「うむ。この弾力感がたまらんのう…」
「…祐一、最近、発言がおじさんっぽいって評判だよ…」
名雪のジト目を無視し、俺は再び鑑賞モードに突入した。
完全に無防備な名雪の後ろからの眺めに、改めてまじまじと見入ってしまう俺。
「しかし名雪、何もかも全て丸見えだぞ。相変わらずはしたない奴だな」
「う〜…祐一のせいなのに〜」
半泣き状態の名雪に更に興奮しつつ(鬼畜)、更にじっくりと名雪のあられもない姿を鑑賞し続ける。
と、その視線がある一点で止まった。
「……」
「…どうしたの、祐一?」
「…………」
「ゆ、祐一…急に黙っちゃうなんて、変だよ…あんまりじっと見られると、恥ずかしいよ…」
心細げな名雪の声に、ふと我に返る。
「ああ、すまんすまん。ちょっと見とれていてな」
「…いったい何に見とれてたんだよ〜」
「名雪のお尻の穴」
「あっ、そうなんだ…って、えええええええええっ!!」
…つーか既にこの体勢になってるんだから、今更そこまで驚くことないだろうに…
「…い、嫌だよ…そんなところ見ないで欲しいよ…恥ずかしいよ…」
泣きべそをかきながらも、俺の目からその部分を隠そうとして、必死に身をよじる名雪。
が、俺がしっかりとお尻全体を固定しているために、肝心な部分は無防備に晒されたままだ。
「いや、恥ずかしがることはないぞ。名雪のアナルはとっても可愛らしいぞ。俺が保証する」
「う〜…そんなところ褒められたって、全然うれしくないよ〜」
いや本当なんだって、真面目な話。
可憐って言うか何て言うか、とにかく可愛いのだ。
まあ、一般的にはこんなところに対して、可憐だとか可愛いだとかいう表現は使わんだろうがな。
「いや、本当だって。これならどこに出しても恥ずかしくないぞ」
「わっ、そんなところ誰にも見せるわけないよ〜」
慌てた声を上げる名雪。心配するな、お前の全てを見ていいのは俺だけだ。(大真面目)
「じゃあ、その分俺がじっくりと見てやろう」
「う〜…でも、本っ当に恥ずかしいんだからね…」
名雪の哀訴を聞き流しつつ、改めてしげしげと見つめる。
小気味よく引き締まったお尻の中心に見え隠れする名雪のその部分は、
ほの白いお尻の中心で、俺の視線を避けるかのように密やかに窄まっていた。
そして、恥ずかしげな風情で時折ひくひくと縮こまるその様子は、
ある点を除いては実に申し分のないヴィジュアルであった。
そう、ある点を除いては…
「うーむ…これはなんとも…」
「ねえ、祐一…そんなにじっと見られると恥ずかしいよ…」
名雪が不安げな声を上げる。
「いや、ちょっと気になったことがあってな」
「えっ、なんか変なところでもあるのっ?」
慌てた声を出す名雪。
まあ、自分のアナルなんて見る機会も見せる機会もなかっただろうし、
こんな発言をされた日には、気になって仕方がないところだろうな。
「うーん、これは果たして言った方がいいものやらどうやら…」
「うー…そんなこと言われると余計に気になるよ〜」
ますます不安そうな風情の名雪。
女の子に対して、こーゆーことを指摘するのは、非常にいかんとは思うのだが…
うっ…俺の加虐心が刺激される…
我慢できん。ここは言ってしまうか。すまん名雪。
「名雪…お前、尻毛生えてるぞ」
「…しりげ?…」
きょとんとする名雪。
まあ普通の女の子なら、尻毛っていう単語を使用することはまずないだろうからな。
尻毛って言われても、すぐにピンとこないのはいたしかたあるまい。
「うむ。尻毛とは一般的には、尻の穴に生えている毛のことを言うな。」
「……」
「どうした?」
「………ええええええええっ!そんなのうそ、うそ、うそ、うそ、うそだよ〜」
どうやら、ようやく俺の言っていることを理解できたらしい。
顔を真っ赤にして、ムキになって否定しようとする名雪。
くーっ、そんなに可愛いと……ますますいじめてみたくなるじゃあないか(外道)
「しかし相変わらず名雪ははしたないな。尻毛ボウボウだぞ」
「うー…絶対そんなことないよ〜…祐一のいじわる…」
俺の意地の悪い言葉に、名雪はすっかり泣きべそ状態だ。
まあ実際、尻毛って言っても、産毛と見分けがつかない程度の柔毛がちらほらと
生えている程度なんだけどね。
むしろ眺望に一つの彩りを添えていると言えなくもないな。
……俺の発想って、いつの間にこんなに変態的になったんだ?
まあよい、今は名雪をいじめる方が優先だ(鬼畜)
297 :
名雪萌えSS(テーマ:尻毛)・12:2000/10/30(月) 00:34
「しかし、ウソって言われてもなあ…実際に生えてるんだし」
「だって、だって、そんなはずないよ〜」
懸命に否定しようとする名雪。今や頭がパニック状態のようだ。
そのいじらしさにますます加虐心をそそられた俺は(ド外道)、
そのあるかなきかの柔毛を3、4本摘まむと、何の気なしにそれを引き抜いた。
ぷちぷちっ。
「…………痛ったーいっ!」
名雪が短い悲鳴をあげた。しまった、手が勝手に…
「すまん、名雪。痛かったか?」
「う〜…痛かったよ〜…ひどいよ〜ひどいよ〜」
尻餅をついた格好で、駄々をこねるかのように涙目で非難してくる名雪。
その凶悪なまでの可愛さに、また俺の悪戯心が刺激される。
うっ、理性はこの辺で止めておけと告げているのだが…。駄目だ、やっぱり我慢できん。
「見てみろ。これが証拠だ。まったくこんなもの生やしてるなんて、俺は呆れたぞ」
引き抜いた柔毛を名雪の目の前に突きつける。
「…えっ…」
凍りつく名雪。
そして、見る見るうちにその目に涙が溢れて…
…非常にまずい。このパターンはどっかであったような…
「…うえっ、うわあああ…」
泣き出しかけた名雪。
その瞬間、俺の胸に走る鋭い痛み。そして、何故か募る焦燥感。
「…祐一?…」
気がつくと俺は無意識のうちに、名雪の身体を壊れんばかりに強く抱きしめていた。
そのまま、しばしの時が流れた。
お互いの鼓動と吐息が、間近に感じらる。
そして、こうしていると、いつの間にか得体の知れない焦燥感が消えていくのが分かる。
「…そんなに力を入れられると痛いよ、祐一…」
俺の唐突な行動に驚いたのか、泣くのも忘れて呆然としていた名雪が、消え入りそうな声で呟いた。
「す、すまん。そんなに痛かったか?」
慌てて腕の力を緩める俺。つーか俺、いったい何やってんだ?
名雪が本気で泣き出すって思った瞬間、何故か胸が痛くなって…それでつい…
「…祐一の身体って、温かいね」
俺の胸の中で囁く名雪。
上目遣いに俺を見上げる目には、まだ涙の名残が残っている。
でも、その表情はいつもの名雪の、ふんわりとした穏やかなものに戻っていた。
「…相変わらず、俺って馬鹿だな」
ぽつりと呟く俺。
しかし、名雪に泣かれるのが、俺にとってこんなにも堪えるなんて思ってもみなかった…
散々ふらふらしてきた俺だけど、そろそろ年貢の納め時ってことかな。
「うん、祐一はお馬鹿さんだよ」
「…容赦ないな」
苦笑する俺。構わず淡々と続ける名雪。
「お馬鹿さんだし、その上だらしなくてえっちで浮気性で、どうしようもない変態さんだよ」
「…本当に容赦なしだな…」
「でもね…」
そこまで言って息をつくと、名雪はとびっきりの笑顔で俺に微笑みかけた。
「わたしは、そんな祐一が大好きなんだよ」
「…ああ。俺も名雪が大好きだよ」
「…良かった」
名雪が安堵の表情を見せる。
「…何が良かったんだ?」
「祐一に嫌われちゃってたら、どうしようかと思ったんだよ」
「…馬鹿。俺が名雪のことを嫌いになるわけなんかないだろ…」
「…でも、お尻に毛なんか生やしてる女の子なんて、嫌だよね…」
…そんなことを気にしてたのか。
俺はあまりの名雪のいじらしさに、思わず自責の念に駆られた。
「こないだも言ったろ。俺はなにがあっても名雪が大好きだって」
「…本当?」
すがるような目で俺を見る名雪。
安心しろ。俺にはどうやっても、お前のことを嫌いになんかなれっこないから。
「ああ。たとえもっと凄い毛が生えていようが、そんなことで嫌いになったりはしないぞ」
「う〜、そんなもの生えているわけないよ…」
「いや、わからんぞ。名雪だけにな」
「わっ、そんなこと言うなんて〜、ひどい〜、ひどい〜」
拗ねたような表情を見せる名雪。照れ隠しにそっぽを向く俺。
そして、俺たちは余韻を楽しむかのように、しばらく寄り添ったままで時を過ごした。
肌越しに互いの体温が感じられるのが、妙に心地よかった。
「ところで名雪、さっきのそんなに痛かったか?」
「あれって、本当に痛かったんだよ〜。まだ少しひりひりするよ…」
名雪が口を尖らせて、駄々をこねる。うっ、また罪の意識が…
「…そうか、まだ痛いか…。ちょっと見せてみろ」
「で、でも…やっぱり、恥ずかしいよ…」
やっぱりまだ恥ずかしいらしく、いやいやをする名雪。
…いかん、また俺の病気が…
「駄目だ。もし腫れたりしてたらどうするんだ。見てやるから、早く四つん這いになれ」
「…祐一、また何か変なこと考えてない?」
ぎくっ。いや、半分は本当に心配なんだぞ。
「俺は名雪が心配だから言ってるんだ。俺の責任だからな」
「…うん、わかったよ。祐一のこと、信じてるからね」
意外とあっさりと聞き入れる名雪。この信頼を裏切るわけにはいかん…のだが…
「う〜、やっぱり恥ずかしいよ…。あんまり、見たら嫌だよ…」
再びベッドの上で、四つんばいの姿勢をとる名雪。
「…祐一だから、見せるんだからね…」
その背後に回り、改めてその愛らしい腎部を見直してみる。
確かに、毛を引き抜いた辺りはかすかに赤くなり、ほんの少し腫れているようにも思える。
「…どんな感じになってる、祐一?」
心細げな名雪の声。俺は正直に見たままを答えた。
「うーん、ちょっと腫れてるかな?」
「う〜、やっぱり。みんな、祐一のせいだからね…」
「…ごめんな。きっとこれで痛いのも飛んで行くぞ」
俺は少しでも痛みを和らげようと、その部分を優しく舌で舐めてやった。
ぺろっ。
「ひゃああああん!」
…んっ?この反応は…?
「ゆ、ゆ、祐一、今、何やったの!?」
予想を遥かに上回る反応を見せる名雪。今の甘い声は一体…
「何って…少しでも痛みを和らげてやろうと思って、ちょっと舐めてやっただけだが…」
「わーっ!そんな汚いところ舐めちゃだめだよっ!本当の変態さんになっちゃうよっ!」
「…お前、風呂上りだろ。別に汚くなんかないぞ」
「そんな問題じゃないよ〜」
顔を真っ赤にして非難の声を上げる名雪。しかし、心なしかやや頬が上気しているような…
「名雪」
「…何、祐一?」
「お前、今感じてなかったか?」
「…そ、そんなわけあるはずないよ…だって、お尻だよ…」
懸命に反論する名雪だが、やはり心ここにあらずといった感じは否めないな。
つんつんっ。
指先で名雪のアナル周辺を軽く突っついてみる。
「ひゃうううううん!」
…この反応は、どう考えても感じてるだろ…
「名雪、やっぱり感じてるだろ」
「ち、違うよ〜。ちょっとくすぐったいだけだよ…」
「ほほう」
くにくにくにっ。
そのまま指先で軽く愛撫する。無論、微妙な強弱をつけるのも忘れない。
「はひゃあああん……」
とうとう名雪はお尻を掲げたまま、ぺたっとベットの上に崩れ落ちてしまった。
うむ、やはり間違いない。しかし、まさかこれほどの感度とは…
「やっぱり感じてるじゃないか」
「ぐすん…こんなところで感じちゃうなんて、わたし、変態さんになっちゃったよ…」
すっかりふらふらになりつつも、全身で恥ずかしさを表す名雪。
しかし初めての感覚に戸惑ってるだろうとはいえ、こんなに敏感でいいのか?
「いや、名雪。全く恥ずかしがることなどないぞ。アナルだって立派な性感帯の一つだ」
「う〜、そんなこと言われても、全然納得できないよ…」
不服そうな声を出す名雪。しかし、そんなにふにゃふにゃの姿勢で言っても説得力がないぞ。
「まあ、名雪が新しい感覚に目覚めたのは、実に喜ばしいことだ。これも一つの成長だな」
「…わたし、そんな成長したくなかったよ…」
「まあ、せっかく新感覚に目覚めたんだ。今夜のテーマは決まったな」
「…祐一、目が恐いよ…」
なんとか逃げようとする名雪。しかし、どうやら腰に力が入らないようだ。
ふっふっふっ、これは好都合だな。(反省はどうした?)
「安心しろ、名雪。優しく念入りに開発してやるから」
「そ、それはちょっと、辞退させて欲しいよ…」
愛想笑いを浮かべながらベッドの上を後ずさる名雪。かまわず追い詰める俺。
どうもこの展開には既視感を感じるが、気にしないことにしよう。
「と、いうわけで、名雪…」
「…うー…」
「今夜は朝まで寝かさないぞおおおおおお!!」
同時刻、水瀬家某所にて…
「…あの子達、これで本当に大丈夫なのかしら…」
ますます頭痛を感じる秋子さんであった。
それから数日後。
「相沢君、ちょっといい?」
「なんだ、香里?ひょっとして愛の告白か?」
「…はあ。いいからちょっと来なさい」
香里に引きずられるようにして、中庭に移動する俺たち。
「あのねえ、名雪に変なこと吹き込むの止めてくれない?」
「別に何も吹き込んだ覚えはないぞ」
「…昨日、名雪がうちに泊まりに来たじゃない」
「そういえばそうだったな」
そうだ。昨日は何故か、名雪は香里の家に泊まりに行ってたんだった。
「あの子ね、その…お尻の毛が気になるから、私に見てくれって言うのよ」
「…それはまた…」
名雪…お前って、時々俺の予測を超えた行動に出るな。やはり侮れん。
「それでね、私にそれを剃ってくれって言うのよ。相沢君に嫌われたくないからって」
「…しかし名雪も困った奴だな。親友だからってそんなことできるはずないだろうに…」
「……」
俺の軽口に対し、黙り込む香里。もしや…
「…剃ったのか?…」
「…あの子って相沢君が絡むと、本っ当に頑固なのよね…」
「…すまん」
「…今後、あんまり変なことを教えないでね…」
「それについては、前向きに善処するよう検討しよう」
「…頼むわよ、本当…」
おしまい。このSSに関する罵詈・雑言・呪詛のたぐいは、高野山金剛峰寺に向けてお願いします。
大失敗。回します。
更に回します。
続けて回します。
もいっちょ回します。
まだまだ回します。
重ねて回します。
なおかつ回します。
それでも回します。
とにかく回します。
最後に回します。
314 :
名無しさんだよもん:2000/10/30(月) 00:49
>>285-303
まさか尻毛と萌えを両立することができるとは…。
やっと回し終わった…しかしびっくりした。
つーわけで、高野山の呪詛によって書く羽目になってしまったSS第二弾
「名雪萌えSS(テーマ:尻毛)」
>>285-303です。
長くなってしまいましたが、なんとか萌えていただければ幸いです。
もう一押し欲しかったが、及第点。
良くもまあこんなテーマで萌えSSに仕上げたなあ(感嘆)。
文章力云々ではなく、尻毛と萌えを両立させたというだけでもう凄すぎ。
アンタ、男前やで〜
おのれ、高野山!
>>285-303
俺はへそ曲がりなんであまり皆が誉めまくるのもどうかと思うのだが・・・
やっぱ、いいものはいい!アンタ漢だぜ。
第三章 指令
「じゃ、上がってよ、ユーイチ」
「ああ、お邪魔します」
俺はナユキの家に上がった。
「あ、靴は脱がなくていいんだよ」
「そうだったな…。よっと」
「まだ慣れてないの?」
「随分と違和感があるな、土足で建物に入るってのは」
「ユーイチ、デパートでも同じことしてない?」
「そこまで昔の人間でもねえよ」
「ふふ…、そうだね」
ナユキは柔らかく笑った。
その笑顔に俺は妙なものを感じた。これは…、既視感というものだろうか。
「ユーイチ?」
「おわ…、っと」
「どうしたの? ぼーっとして」
「いや…、なんでもない」
「?」
「ナユキ、ところでアキコさんは…?」
「奥の部屋にいると思うよ。ほら、そっち」
ナユキは廊下の奥のほうを指差した。
「私は自分の部屋でお仕事しなきゃならないから、ユーイチ一人でいってね。じゃあ」
そういうと、ナユキは階段を上がっていった。
「奥の部屋って言ったってな…」
この家は意外と広い。
ナユキの言う「奥の部屋」に該当する場所だけで3箇所はある。
どの部屋を見てもアキコさんらしき人影は見当たらなかった。
「どこにいけばいいものか…ね」
俺はため息をついて壁にもたれかかった。
「おわっ!」
と、刹那、背中に伝わる壁の感触が別のものに変わる。
俺はバランスを崩して後ろに倒れこんだ。
受身を取り損ねたのか、背中が少し痛い。
「痛ッ…。ん…これは?」
立ち上がると、さらに奥に続く通路が見えた。
どうやら先ほどの壁は隠し扉だったらしい。
俺は部屋から漏れる光を頼りに奥へと進んでいった。
通路をしばらく進むうちに、俺の体は妙な感覚に包まれだした。
体が重い。
だるい。
頭痛、吐き気がする。
時間の感覚が少しおかしい。
既にいくつかの曲がり角を越え、頼りだった光ももう届かない。
手探りで奥に進んでいくと、不意に行き止まりに辿り着いた。
よく調べると、どうやらそれはドアらしい。
俺はノブに手をかけた。
「何をなさっているんですか?」
不意に、後方から女性の声が響いた。
その声は優しい声色だったが、その裏に隠されたわずかな脅迫の意思を俺は敏感に感じ取っていた。
女性は俺に手に持ったペンライトの光を当てる。
その所為で、こちらからは逆光になって彼女の顔は見えない。
「いくつか質問に答えて下さい」
「わかりました…」
俺は素直に服従の意を表した。
戦闘になったとき何とか切り抜ける自信はあるが、状況がこちらに完全に不利な以上、下手な動きを見せるわけには行かない。
「名前と、所属、階級を答えてください」
「ユーイチ・アイザワ。……軍特殊工作部隊所属。部隊長」
「あら、それでは貴方が例のユーイチさんですね」
女性は、途端に柔らかな物腰に変わった。あくまで…、雰囲気の上であるが。
「私は今回の作戦の指揮を執っている、アキコ・ミナセです」
彼女…、アキコさんはペンライトを消し、代わりにランタンに火をともした。
ランタンの柔らかい光がアキコさんの顔を照らした。
親子だけあって、その顔はナユキとよく似ていた。
「残念ですがユーイチさん、ここから先は極秘地域につき立ち入りは禁止されています。とりあえず、部屋に戻ることにしましょうか」
「はい…」
指揮官が入れないという以上、今の俺にこの先に進む手段は、用意されていない。
「それでは、そこに掛けて下さい」
戻ってみると、そこは一番最初に見つけた部屋だった。
ったく…、しっかり説明してくれればいいのに…。
「それにしても…」
「どうしたんですか?」
「いえ、作戦本部というから、もうすこし大仰なところを想像していたんですが…」
この部屋は、居間と言っても全く差し支えないほど、生活感に溢れていた。
「防音処理はばっちりですから心配はありませんよ」
「……」
「それに、今回の作戦はあくまで公衆の陰に隠れて行う必要があるんです」
「どうしてですか?」
「なんたって、秘密の作戦ですから」
「はぁ…」
「本題に入りますが、今回の作戦は、この街における秘密組織の壊滅です」
「!」
「現在、この街では秘密裏に市街地を完全軍事基地化し、さらに核を所持することにより、他の核保有国を含む全世界を視野に入れた軍事都市と改造する計画が進められています」
「そんなバカなことが…、冷戦は終わったんだぞ?」
俺はつい口調を荒げた。
「冷戦が終わっただけでデタントが拡張すれば苦労しません」
「…第二のキューバ危機、か」
「問題は当時よりも深刻です」
「どういう…、ことですか?」
「…ユーイチさん、来てもらえますか?」
アキコさんは席を立つと、別の部屋に歩いていった。
俺もその後をついて行く。
その部屋にあるガラス戸の前につくと、アキコさんはカーテンを開いた。
「空を…、見てもらいますか?」
俺は空を見上げた。
今すぐにでも雪の降り出しそうな灰色の空。
「この空は、贋物です」
「!?」
「この町にかかる巨大なシェルター内に作られた、人工の空。人工の風。人工の光。そして…、人工の雪」
「この町が、巨大なシェルター…」
「正体は不明ですが、現時点でこのシェルターを破壊する術は地球上に存在しません。これまでにも何度か組織の方で実験が行われましたが、一部でも破壊に成功したということは、ないようです」
「核や水爆をもってしても?」
「すぐには信じられない話でしょうが…」
つまり、もし核による報復攻撃が行われたとしても、それはこの基地の破壊には至らない…、要するに一方的破壊が行われるわけだ。
「そんなこと…、この国の政府は承諾しているのですか?」
「無論、するわけはありません。…弱みさえ握られていなければ」
「弱み?」
「国家秘密です」
「……」
「戻りましょう」
「…わかりました」
「それで、今回の作戦というのは、その軍事組織の壊滅、また当市街地及び当地に住む一般市民の開放です。お願い出来ますか?」
「ユーイチ・アイザワ、了解しました」
あんな話を聞かされて、引き下がるわけには、いかない。
俺はぎゅっと拳を握り締めた。
「それでは、現時刻をもってユーイチ・アイザワは私の指揮下に加わることとします。以後、指揮官の命令には絶対の服従が義務付けられます。よろしいですね?」
「もう、後戻りする気はありません」
「…ありがとうございます」
アキコさんが見せたその真摯な感謝の意に、俺は決意を新たにするのだった。
「それで、ユーイチさんのこれからの身の振り方なんですけど…」
「はい」
「カムフラージュのため、明日以降ナユキと一緒に学校に通ってもらいます」
「はい?」
俺は目を点にした。
「何か異論でも?」
アキコさんは優しく問い掛けた。
「いえ…、ただ、作戦遂行中に学校に通うとは意外です」
「考えられうる最高の方法です」
「…了解しました」
「それでは、作戦の内容を復唱してください」
「ユーイチ・アイザワ、明日以降、カムフラージュのため学校に通います」
「ナユキと一緒に、ですよ」
「はあ…」
「では、二階に部屋を用意してあるので、夕食までそこで待機していてください。案内します」
「わかりました…」
俺は反射的にそう答えると、階段を上り始めたアキコさんの後についていった。
階段を一歩一歩踏みしめながら、俺は自分の行く末になんとなーく不吉なものを感じ取っていた…。
書き込みが終わったので、回します。
回してます。
まだまだ回します。
まだ半分も回ってません。
…今回、文章の区切り方がちょっと変だったかも。
六回目の回しです。
七回目。
八回目。
九回目。これで回しという行為は終了です。
Капоп 〜あ・ごーすと・いん・ざ・しぇるたー〜
第三章
>>320-331
萌え、か…(遠い目)。
>341
意外と好きかも知れない。でも下げ。
343 :
名無しさんだよもん:2000/11/01(水) 03:22
定期age
つーか誰か感想書いてやれ。
いや、感想書きたい気もするが、現状って状況説明が終ったとこって感じで感想出しづらくないか?
つー事でどうせならもうちっと進展してからな。
このスレ見えないぞ。
ちょい実験。
346 :
名無しさんだよもん:2000/11/03(金) 02:13
見えないので実験あげ。
347 :
名無しさんだよもん:2000/11/03(金) 02:16
上がりもしないし現れもしない…。
しばらく待ってみて、だめだったらまた新スレになっちゃうのか?
348 :
名無しさんだよもん:2000/11/03(金) 02:44
age
もいっちょ
350 :
名無しさんだよもん:2000/11/03(金) 07:29
修理依頼出しといたよ。
慌てて新スレ立てないでね。
351 :
名無しさんだよもん:2000/11/03(金) 08:11
test
352 :
名無しさんだよもん:2000/11/03(金) 08:12
ok
353 :
名無しさんだよもん:2000/11/04(土) 03:15
復活age
いや、SS出来上がってからあげてくれ。
>>351-354
何かあずまんが大王みたいな流れだな。
356 :
名無しさんだよもん:2000/11/04(土) 18:37
もうこのスレッドも治ったのかな?
357 :
名無しさんだよもん:2000/11/04(土) 19:16
>356
治ってるよ。またどんどん投稿して欲しいものだ。
さてわれらが相沢祐一、今宵も今宵とて夜の校舎に赴こうという寸法。
手にはかねて用意の差し入れのかずかず、防寒用具もしっかりそろえ、
準備万端というところ。
「舞の奴、腹減りすぎて倒れたりしてないだろうなあ?」
そんな心配をしてみる祐一ですが、いやいやまさか、とは思いつつも、
脳裏に「とある一件」が思い浮かび、いやな予感が振り払えません。
「あのときは大騒動だったな・・・思い出すのも鬱だ。
おかげで、丸一日メシが喉を通らなかったからな・・・」
相沢祐一をしてかくも凹ませた、川澄舞がらみの事件とは何かと問えば、
1.「リアルくまさん事件」
2.「半径20メートル納豆事件」
3.「カタツムリ倍増事件」
まこぴー惨殺未遂事件
5.「おかあさんと一緒」録画失敗事件
対ヤフオク用にAIR初回版大量に仕入れちゃった事件
ネタ振りたかったんですけど…、すいません、全然浮かびませんでした。
第四章 その名は
俺の朝は早い。
体内時計が0500時を指すと同時に起床する。
樹海での修行時代から続けている日課みたいなものだ。
寝巻きから運動しやすい服装に着替え、日課ついでに早朝トレーニングも行っておくことにした。
階段を下りる途中に足元に渦巻く冷気を感じ、ここが前任地とは全く違う場所であることを再確認した。
居間には既に先客がいた。
「あら? おはようございます、ユーイチさん」
「おなようございます、アキコ…、あれ、えっと…」
そういえば、俺は気軽にアキコさんと呼んではいたが、実際には称号も何も知っていない。
「私のことは、アキコで構いません。私も、貴方のことをユーイチさんと呼ぶように」
「…それは」
作戦の都合上だからですか? と俺の口がつむぐ前に、
「ユーイチさんは家族も同然と思っています。ですから、ユーイチさんは私に対して敬称を使うこともないんですよ」
「…了解し」
「返事は、『はい』です」
「……」
「……」
「…はい。おはようございます、アキコさん」
「おはようございます。ところで、こんな朝早くにどうしたんですか?」
「日課の早朝トレーニングをしようと思いまして」
「そうですか。ご苦労様です。何か必要なものがあったら鉄下駄からアイアンメイデンまで何でも用意しますよ」
「いえ…、鉄下駄もアイアンメイデンもいらないんですが…」
「冗談ですよ」
「はぁ…」
「私は朝ご飯の支度をしておきますから、ユーイチさんは気兼ねなくトレーニングしてきてください」
「わかりました。では、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
軽い50kmほどのランニングから帰ってくると、既にアキコさんの姿はなく、代わりに青い放射状の物質がテーブルに突っ伏していた。
見方によってはナユキに見えないこともない。
声をかけて確認する。
「ナユキ〜起きろ〜」
「……」
ゆさゆさ。
「…くー」
「サンダーボルトが高度3000から仰角72で急降下してきてるぞ〜」
「…奥の倉庫にパトリオットがあるよ〜」
「それは対地だ、バカ。とりあえず起きろ。お前がいないと学校までの道のりもわからないじゃないか」
「ん〜…、わかったよ…」
青い放射状の物質はもぞもぞと蠢きだした。
それが体を起こして、やっとそれがナユキであることが確認された。
「あれ、おかあさんは…」
「アキコさんならもう出かけたみたいだけど」
「え、じゃあ朝ご飯は…」
「もしかして、あれか?」
俺が指差した先に、置いてあるのは二つの缶。
大きく「イチゴ」と書かれた、別段古ぼけてもないレーションらしき缶。
「謎」とだけ書かれている、視力は悪くないのになぜかぼやけて見える缶。
「そうだよ。おかあさんの手作りだから、味は保証するよ」
「なら…、このデジャヴにも似た悪寒はいったいなんなんだ?」
「あ、わ、私はこっちねっ!」
ナユキは先ほどまでFPS10ぐらいの動きだったのが嘘のように速くイチゴの缶を掴んでいた。
「ユーイチは残りの方だよっ」
「ったく…、ここにはもうちっとましな食料はないのか…?」
「配給前だからね」
「まあ…、仕方ないか。いただきます」
余談になるが、その後俺の記憶が一部飛んでいるのはなぜだったのだろう?
「…それではみんなに転校生を紹介しようと思う。ユーイチ・アイザワ君だ」
教師が俺を促す。
「はじめまして…。ユーイチ・アイザワです。今後とも、よろしく…」
まあ、挨拶はこんなもんだろう。
親の役職のせいで部隊換えはよくあることだったが、転校というのは初めての経験だ。
まあ、他の生徒達に嫌われるようなことがなければ、俺はそれでいいのだが。
「ユーイチ君には窓際に席が用意してあるから、それを使ってくれるといい」
「わかりました」
指示されたとおりに窓際に向かう。
そこにいるのは、青い放射状の物質だった。
見方によってはナユキに見えないこともない。
「アイザワ君、そっちよ」
不意に、放射状の物質の後ろから俺を呼ぶ声がした。
確認すると、確かにそこには空席が一つあった。
「ああ、ありがとう。えっと、君は?」
「カオリよ。カオリ・ミマサカ。そこのナユキの友達」
指差した先にあるのは、青い放射状の物質。
「なんだ、これナユキでよかったのか」
「早くナユキのこのスタイルに慣れることね」
「ああ…。で、ミマサカさんはなんで俺のことを?」
「カオリでいいわ。今そこで自己紹介したばっかりじゃない。それに」
カオリはそこで一拍置いた。
「あなたのことはナユキから聞いているわ」
「ナユキから?」
カオリは、俺の怪訝な表情を察知したかのように言った。
「とはいっても、前はどこに住んでいたとか、そんな大まかなことよ」
「そうか…」
俺は一安心した。
まさかナユキから情報が漏れてるんじゃないかと心配したのだ。
まあ、あのアキコさんの娘ならそんなことはないとは思ってたけど。
「ほら、ぼーっと突っ立ってないで座ったら?」
「ん…」
「どう? 初めて座った席の感想は」
「…一つ質問がある」
「なんなりと」
「…なぜ机の上に花瓶が?」
「前の人の」
「ま…」
「あ、もうどけておいていいわよ、それ」
「さいですか…」
不吉だ! 不吉すぎるぞ!
「まあ、気にするなよ。ここじゃよくあることなんだから」
「ん?」
「こっちだ、こっち。お前の後ろだよ」
「ああ…、誰だ?」
「ジュン・キタガワだ」
「俺はユーイチ・アイザワだ」
「自己紹介はさっきしただろうが」
「名乗られたら名乗り返すのか正しい合戦の仕方だからな」
「おいおい、俺は別に武田騎馬隊を率いてるわけじゃないぞ」
「話せるな、お前」
「そっちこそ。改めてよろしくな、アイザワ」
キタガワは左手を差し出した。
「ああ、こちらこそよろしく」
俺も同じように左手を出した。
「ん? 何してんだお前?」
「というと?」
「その右手」
「え?」
見ると、昔からのくせでついつい右手を懐に入れてしまっていた。
当然、相手からの不意打ちを防ぐためである。
俺は慌てて右手を引っ込めた。
職業軍人の悲しい性のようなものだ。
「いや…、別になんでもない。癖みたいなもんだ」
「…妙な癖だな」
キタガワは、そのことにさしたる疑問も感じていないようだった。
放課後。
チャイムと同時に青い放射状の物質が目覚める。
「結局、一日中(昼食時除く)そのかっこだったな、おい」
「寝るのも仕事のうち…」
「寝ていてもイラン兵は降伏しない」
「…すごいとこいたんだね」
「まあ…、な。ところで、ナユキは放課後はどうするんだ?」
「私は部活があるから」
「部活、ね…」
よく作戦中に部活なんかやってられるなと言おうとして、止めた。
(…当人が楽しんでるから別にいいか)
それに、あの逃げ足があればどんなに危険な状況からでも生還できるだろうし。
「なら、がんばって吹雪荒れ狂う荒野を駆け抜けてくるがいい」
「そんなの朝飯前だよ」
「素で返すなっ!」
「あれ、私何かおかしいこと言ったかな」
「お前がおかしいんじゃなければ、おかしくなってるのは俺のほうだな」
「?」
「いや、もう別にいいんだ。それよりも、時間は大丈夫か?」
「あ…、いけないいけない、遅刻しちゃうよ。それじゃ、またい…また明日っ!」
今、また家で、と言いかけたに違いない。
…で。
これも職業軍人の悲しい性かな。
「まさか、こんなに広いとはな…」
俺は、施設の把握のために歩き回っている間に、完璧な迷子となってしまった。
たいした広さでもないだろうとコンパスもチョークも持たずにはじめたら、この有様だ。
太陽と時計から方角を割り出そうとしても、肝心の太陽が分厚い雲に包まれていてはどうしようもない。
というわけで、当てもなく彷徨い続けているわけなのだが…。
「行けども行けども同じ景色が続く…」
設計者の悪意に似た何かを感じ取らずにはいられない瞬間だった。
おそらく、校内をくまなく探し回れば、白骨化した哀れな新入生の死体でも見つかるに違いない。
「こういうときは、指先を唾でぬらして風の向きから出口を…」
「何してるの?」
「うわっ! …と、なんだ、カオリか」
「なんだ、じゃないでしょ。哀れな白骨死体の一人になりたかったの?」
「それだけは勘弁だ」
「なら、案内ついでに出口までつれてってあげるから、ついて来なさいな」
「へいへい」
「…で、なんでアイザワ君はあんなところ歩いてたの?」
「そっちこそ」
「私は近くに部室があるからよ」
「俺も似たようなもんだ」
「アイザワ君、部活入ってないでしょ」
「そうかもしれないな」
「ふふ…、アイザワ君たら、ナユキから聞いたとおりの人みたいね」
「え?」
「時々意味もなく妙な冗談言ってみたりするところとか、ほとんどそのまんまの人みたい」
「人は見かけに寄らないぞ。善人そうに見える殺人鬼だっているんだから」
「…ま、それはそうと、最初あんなところでアイザワ君を見つけたとき、びっくりしたわよ」v 「どういうことさ?」
「だって、そうじゃない。転校してきたばかりなのにあんな奥まで行ってるなんて、そんな人はよほどの変人か、あるいは…」
カオリはそこで一拍置いた。
「どこかの組織が送り込んできた工作員、とか」
「はは…、そんな訳」
ゾクッ!
刹那、俺の体に心臓を氷の手で直に鷲掴みにされたかのような身震いが走った。
これまでの体験の中でも感じたことのない程の、底の知れない『未知』と『危険』の感触。
知らず、額を脂汗が流れ落ちる。
カオリの方を向くと、その気は、彼女を中心として渦を巻くように漂っていた。
俺の生存本能が危険信号を発しているが、足首から下が床に凍りついたかのように動かない。
まさか、カオリが、組織の…?
俺の視線に気づいたのか、彼女は傍目からはいつもと変わらないような穏やかな微笑を浮かべると、さらに気の量をふやした。
粒子が空気中でぶつかって火花を上げる様が見えるような…、いや、火花は実際に上がっている。
パチ、パチ、パチとスパークする音が次第に増え、大気を埋めてゆく。
(危険、危険、危険だ…ッ!)
だが、逃げようにも指一本動かない。
そして、彼女は間合いを一歩ずつ詰めてくる。その顔に微笑をたたえたまま。
「……喝ッ!!」
気合一拍、師匠にお障ったやり方で金縛りをといた俺は、床を転がるように間合いを離し、懐にあるはずの飛び道具の感触を確かめる。
「探し物はこれかしら? アイザワ君」
彼女がそう告げるのと、俺が護身用のデリンジャーをなくしているのに気づくのは、ほぼ同時だった。
「だめよアイザワ君…、本番だったら、ここでゲームオーバーよ」
彼女はそういうと、銃を床に転がして俺に返した。
気がつくと、例の気は既に雲散霧消し、平和で穏やかな空気に変わっていた。
先ほどの死と隣り合わせだった雰囲気とは比べ様にないほどの…。
「出口…」
「!」
「…そこだから。道は覚えた?」
「ああ…」
「なら、早く出たほうがいいわよ。今日、雪になりそうだから」
「……」
俺は無言で昇降口をくぐる。
カオリの言う通り、猛烈な冷気が頬に当たって痛みすら感じる。
「アイザワ君…」
カオリは不意に耳元に口を近づけると、こう呟いた。
「私は、多分貴方の側の人間よ」
「…まさか、おまえも例のことを…?」
「不意打ちみたいなことをして悪かったわ。でも、これはどうしても必要だったことだから」
「…どういうこと」
「ほら、早くしないと本降りになるわよ。急がないと」
俺は僅かながら雪が降り始めていることに言われてから気がついた。
「それじゃ、また明日ね、アイザワ君」
カオリはそういうと、先ほどよりも女学生らしい笑みを浮かべ、そのまま駆け出していった。
「…カオリ・ミマサカ…」
俺は、まだ少し痺れの残る左手を、確認するように握り締めた。
発言が長いので、きっちり回しておかないと。
回してます。
おろ、多重カキコ…。
なおったなおった。
回転続行。
回します。
くるくる。
いつもと同じくらい回しております。
よし、回し終わり。
>>363-370
Капоп 〜あ・ごーすと・いん・ざ・しぇるたー〜 第四章
ちなみに…、
>>358-361において『川澄舞はいただきますを二度言わない』が再開しております。
7.ヲタラー侵略事件
それはとある昼下がりのこと・・・
「・・・祐一」
今まさに帰ろうと下駄箱に向かっていた俺を、そう呼び止める声。
この学校で俺をこう呼ぶ人間はそうはいない・・・
「すまん名雪っ、俺には大事な使命があるッ・・・だから、だから・・・俺は掃除をサボる!」
「・・・?」
「いや気持ちはわかる・・・だが、俺にはやるべきことがあるのだッ!」
と俺は振り向きもせずズダダと一目散に走り出す。下駄箱で靴を履き替え、そのまま校門まで全力ダッシュ。
「はぁ、はぁ・・・っ、もう、追ってこれまいっ・・・!」
「・・・祐一、遅い」
「におおっ!?」
気がつくと、俺のかたわらにすらりと背の高い、黒髪の女性が立っている。
俺がこうして息を切らしているのに、あちらはまるで呼吸を乱していない。
「・・・名雪、ずいぶん背が伸びたな・・・おまけに髪型まで変わってッ・・・!?」
「・・・?」
「・・・いや。もういい。いいんだ。気にするな。で、何か用か、舞?」
ずいぶん長い前振りだったが、先輩であり昼飯仲間でありこの学校でいとこの名雪以外で唯一俺を「祐一」と呼ぶ少女であるところの、姓は川澄、名は舞に向かってそうたずねる。
「今夜のこと」
「うん・・・? 今夜がどうしたって?」
「・・・夜食、いらないから」
「え・・・?」
俺は思わず彼女の顔を見つめた。
彼女・・・川澄舞は、夜の校舎で「魔物」と戦う、というおよそ非日常的な日々を送る、ちょいと風変わりな課外活動にいそしむ学生であり、俺は夜ごと差し入れをもって、彼女に陣中見舞いと洒落こむのが日課となっている。
こう表現するとずいぶん奇妙な生活だが、それが「日常」となればそう違和感が感じないものである。
それだけに、彼女の突然の申し出に俺は面食らった。
(・・・夜食がいらないってことは、今夜は学校に来ないのか?)
(いや・・・あるいは・・・)
(・・・・・・)
・・・単に、俺が邪魔になっただけなのかもしれない。
たしかに、舞にとって俺の存在は・・・すくなくともあの「夜の校舎」においては、邪魔でさえあれ、けっしてプラスの存在ではないはずだ。
いいかげん、やっかいに感じられるようになったのかも・・・と俺は内心、しょぼくれる。
「・・・私が、もってくるから」
「そうか、お前がな・・・それはいいや・・・うん。・・・って、お前が!?」
舞はこくりとうなずいた。
その夜、俺はうきうきとした足取りで居候先である水瀬家を後にした。
これまで、舞とは昼といわず夜といわず、何度も食事をともにしたが、それが彼女がつくった料理だったためしはない。
彼女の親友である佐祐理さんとは異なり、はっきりいって家事全般ことごとくダメそうな舞が、自分から夜食を用意してきてくれるとはじっさい夢にも思わなかった。
ちょっとくらいマズかろうが、見てくれが悪かろうが、かまわない。
あいつが俺のために(まあ実質自分のためだが・・・)料理を作ってくれる、というだけで、うれしかった。
そのせいで、晩御飯にもあまり手をつけず、秋子さんに気遣わせてしまったのはちょっと申し訳なかったが。
「ちょっと出てきます・・・」
居間でくつろいでいる秋子さんたちにそう告げて、玄関に向かう。
(ん・・・? そういや、真琴がいなかったな)
記憶喪失にして俺を付け狙う謎の身元不明少女、真琴の姿は居間にはなかった。
いくらなんでも、まだ寝るには早い。風呂にでも入ってるのだろうか。
(見つかるとやっかいだから、さっさと出かけるか・・・)
(・・・・・・)
(まさか、俺が出かけるのを見越して、どっかに待ち伏せてるんじゃないだろうな・・・?)
(いや、まさかな・・・)
俺はマフラーを首に巻きつけて、夜の街に繰り出した。
「それにしても舞のやつ、いったい何を作ってくれるんだろうなあ」
自分の吐く白い息に寒さをいっそう感じつつ、想像してみる。
「この時期だから、あったかいものがいいよなあ」
できれば鍋物かなにかであれば言うことはない。
「そうだな・・・おでんとかなら、ばっちりだよなあ・・・」
「・・・・・・!」
「・・・おでん種、見つかってよかった」
「・・・ぁぅ‐!」
「祐一・・・おでんは嫌いじゃない・・・?」
「ぁぅ‐! ぁぅぅぅ‐ッ!!」
・・・その後、学校に到着した俺が、調理室でどんな光景を見ることになったか・・・
もはや思い出したくもない、それは青春のひとコマである。
「おでんを食べると、いつも思い出すんだ・・・真琴のことを」(ホロリ)
「ひとを勝手に思い出に還さないでよぅーっ!」
AIRのネタバレあります。
--------------------------------------------------------------------
往人さんは再び旅立つことになった。
日差しの照りつけるバス停で、わたしひとりで最後のお見送り。
「それじゃあな、観鈴」
「うん…。ちょっと寂しいけどね」
「まあな」
「往人さんなら友達になってくれると思ったのにね。結局期待させるだけさせといて、
タダ飯食って出ていくだけだったねっ。全然気にしてないけどねっ」
「は、はははははー!」
「にははははー」
「あー、えへん。いや、俺はしょせん旅人だからな。友達ならここの人間にしろ」
が、がお…。癇癪のこと知ってて、どうしてそういうこと言うかなぁ…。
「そんな顔をするな。この町にもお前の病気くらい気にしなさそうな奴がいたぞ」
「ええっ!?」
「そいつの名は…」
『遠野美凪』と『霧島佳乃』。
その名前を残して、往人さんはこの町から去っていった。
「うーん…」
どっちも知ってる人だけど…。ちゃんと話したことはないし、いきなり友達になってっ
て言っても迷惑なんじゃないかなぁ。
あ、でもそんな風に考えるから友達ができないのかも。
誰だって最初は面識なんてないんだし、頑張って話しかけてみようかな。うん、観鈴
ちん、ふぁいとっ。
ということで、来た道を歩きながら作戦を練る。
「やっぱり声かけるとしたら遠野さんかな」
一応クラスメートだし。なんか変な人だからちょっと敬遠してたけど、考えてみれば
わたしだって同じだよね。もしかしたら遠野さんも、わたしみたいに寂しい思いをして
るのかもしれない。
『どうせ私を理解してくれる人なんていないんです…』
『そんなことないよっ。今からはわたしが友達、ぶいっ』
『神尾さん…。私、私本当は寂しかったんですぅぅっ!』
か、完璧…。(じ〜ん)
バラ色の未来を見たわたしは足取り軽く駅へとスキップしていった。
数分して汗だくになった頃に、使われなくなった駅が見えてくる。
ベンチには例によってシャボン玉を飛ばす遠野さん。
あ、でもいつもの小さい子がいないや。こう静かだと声かけづらいけど…迷ってても
仕方ない。観鈴ちん、がんばっ。
「こ、こんにちはっ」
思い切って元気に声をかける。
遠野さんは顔を上げ、こちらを穴が空くほど見つめると、うつむき気味にぼそりと言った。
「こにゃにゃちわー」
「‥‥‥」
「…なーんちって」
回れ右して帰ろうとする自分を必死で押さえつけ、精一杯笑顔を作る。
「に、にははっ。と、遠野さんひとり? いつもの女の子は?」
「…みちる…」
「え?」
「みちるーーーっ!」
「はうう!?」
「すみません…。取り乱しました」
「い、いえっ」(どきどき)
あの子引っ越しでもしちゃったのかな? これはチャンス、もとい、やっぱり遠野さん
も寂しいだろうし友達にならないと!
「え、えーっと、あのねっ」
「…?」
小首をかしげる遠野さん。うっ、きっかけとか考えてくればよかった。
「わ…わたしと友達になってくださいっ」
「友達…?」
さらに傾く遠野さんの首。へ、変な子と思われたかなぁ…。
「だ、ダメ…かな?」
「世界に広げよう…友達の輪」
彼女は無表情のまま言うと、両手を上にあげて輪を作った。
‥え?
「‥‥‥」
「え? え?」
わ、笑うとこなのかな?
「‥‥‥」
変なポーズの遠野さんを前にしたまま、場に重苦しい沈黙が流れる。ど、どうしよう、
観鈴ちん大ぴんちっ。
不意に遠野さんは腕をおろすと、ひどく傷ついた視線をわたしに向けた。
「帰ってください…。ギャグセンスのない人と友達にはなれません…」
「にーっはっはっはっ!! おもしろーい! 観鈴ちん大爆笑っっ!!」
「そうでしょう…。えっへん」
得意げに胸を反らす遠野さん。
「そ、それじゃ友達になってくれる?」
「そうですね…。ただし条件があります…」
「じ、条件っ?」
「この私を…、ギャグで笑わせることができたらです!」
「ええーっ!?」
わ、わたしがギャグを? うーんうーん、観鈴ちん困った。
「…やっぱり無理。残念」
「ちちちょっと待ってっ! え、えっと、うんと…。ふ…ふとんがふっとんだ!」
どーーーん!!
効果音とともに、なんだか硬直する遠野さん。
「ふとんが…ふっとんだ…。
ぷくっ…。くくく…」
「あ、笑ったっ。笑ったねっ」
「ぜえぜえ……やりますね神尾さん、さてはプロですね…?」
なんのプロだか…。
「わかりました…。神尾さん、お友達になりましょう」
「え?」
「え、じゃなくて、お友達」
目の前で微笑む彼女の顔が、だんだんと天使に見えた。
や…。
やったーーーっ!
「うううっ、友達いない歴16年…。ようやくわたしも一人じゃなくなったんだ…」
「おめでとうございます、ぱちぱち…」
「えぐえぐ、ありがとう〜」
「それでは友情の証に…進呈」
そう言って彼女は白い封筒を差し出した。
「え、わたしに?」
「はい…神尾さんに」
わーい、やっぱり遠野さん、いい人。なにかな、なにかなっ。(がさがさ)
「…ち、地域振興券…」
「景気の回復しない景気対策に、意味はあるんでしょうか」
とっくに期限切れのこれをどうしろと…。いやいや、そんなこと思っちゃダメ。
「ところで…。友達なのに名字で呼び合うのも他人行儀ですね」
「そ、それだーっ!」
そう、友達といえばあだ名で呼び合う仲。『観鈴ちーん!』『美凪ちーん!』なんて叫
びながら夕暮れの海岸を走り回るのっ。
「あ、あのねっ。わたしのことは観鈴ちんって…」
「『ミス・観鈴』にしましょう」
「…は?」
「韻を踏んで…かっこいいです」(うっとり)
「あ、あの、できれば違うのがいい…」
「…『げろしゃぶ』の方がいいですか?」
「ミス・観鈴でいーですっ!」
「気に入ってもらえました…。ばんざーい」
神様…。わたし何か悪いことしたかなぁ…。
「私のことは遠慮なくナギーとお呼びください。さあ」
「ナ…ナギィ〜〜」
「…グー」
びしりと親指を立てる遠野さ…ナギー。だんだんと方向性が違ってきてるような気が…
いやいや気のせい気のせいっ。
ぶんぶんと頭を振ると、ここぞと懐からトランプを取り出した。
「そ、それじゃ一緒に遊ぼっ。ババ抜きとか、神経衰弱とか」
「…ババ抜き?」
「あ、ご、ごめんねっ。そんなの子供っぽいよねっ。ナギーの好きな遊びでいいよ」
そう、二人で遊べるならなんだって楽しいから。水遊びしたり、花火したり…。
「それでは…シャボン玉デスマッチをしましょう」
「…なにそれ」
「飲まず食わずでどれだけシャボン玉を吹き続けられるかを競う競技です。その起源は
古代エジプトに端を発するといいます」
「なんか目まいがしてきた」
「私たちの友情もここまでですね…。短い付き合いでした」
「わああーー! むちゃくちゃ面白そうだねっ! すっごくやりたいですっ! にははー!」
「分かればいいんですよ…。ポチ」
「‥‥‥」
「…冗談です」
うそだーっ! 目が本気だったーーっ!!
「はい、ミス・観鈴。吹いて吹いて吹きまくるのです」
「が、がお…」
ストローと石鹸水を渡され、ナギーと一緒にひたすらシャボン玉を吹くしかないわたし。
な、なんか想定していた未来と大幅に違う…。
こうして友達というより奴隷の一歩を踏み出しかけたその時っ。
「やあ、美凪君。やはりここか」
「…はい、ここ」
「あ、聖先生。こんにちはっ」
現れたのは霧島診療所の聖先生だった。わたしも癇癪が起きた時とかお世話になってるの。
「こんにちは。観鈴君も一緒とは珍しいな」
「に、にはは…」
一体どうしてこうなったのやら…。いやいや、ようやくできた友達にそんなこと考え
ちゃダメっ。
「ところで美凪君。母上の記憶が戻ったようだぞ」
「え…?」
「君のことを探していたな」
「? ナギーのお母さん、記憶喪失かなにかだったの?」
「はい…。ではミス・観鈴、さようなら」
「はい、さようなら…って、ええー!?」
ま、まだ何もしてないー! 帰っちゃうの!? ひとりはもう嫌だよっ…。
わたしはすがりつくように、ナギーの手にしがみついた。
「ミス・観鈴…」
「ナギー…」
「じゃま」
がーーーん。
石化するわたしに目もくれず、矢のように走り去るナギー。
がっくりとその場に崩れ落ちる。
「そうなんだ…。しょせんKey作品においては友情<<<家族愛なんだ…」
「な、なにかまずいタイミングで来てしまったかな?」
「もういいや、ネットで予告して事件でも起こそう…。どうせ友達いないし…」
「落ち着けーっ! と、友達が欲しいのか。それならうちの妹などはどうだ?」
「え?」
きゅぴーん! と往人さん直伝の目が光る。
「か、佳乃さんとですかっ?」
「ほう、私の妹を知っているのか」
「はいっ、いつも遠くから見てるだけですけど、明るくて友達多くてすごく妬ま…素敵な
人ですねっ」
「はっはっはっ、君は非常に素直な正直者だな。よろしいついてきたまへ」
「はーいっ」
こ、今度こそ普通の友達ができるよね。わたしは最後の望みをかけて、聖先生の後に
ついて診療所へと向かった。
<つづく>
>>383-385
いやー、面白いっす。ぜひ続ききぼーん。
>>383-385
すっげー面白いです。随所にちりばめられたネタのセンスが抜群。
回収所のBBSにファンレターが入ってましたのでお知らせ。
>TKAさん
名前: 名無しさんだよもん 投稿日: 2000/11/08(水) 13:47
Wara読んだ。
ワラタ
続編きぼんぬ(w
ありがとです〜>386、387
--------------------------------------------------------------------------
「そろそろ帰ってくる頃と思うが…」
先生にいれてもらったお茶を飲んで待っていると、程なくして玄関からぱたぱたと音が
する。
「たっだいまだよぉー」
「ああ、お帰り」
現れたのはショートカットの女の子。いかにも気さくそうな屈託のない笑顔。よし、
いける!
「あ、あの、こんにち…」
「聞いて聞いてお姉ちゃん。また誕生会にお呼ばれしちゃったんだぁ」
「そ、そうか」
「こんにちは…」
「これで今月3度目かぁ。プレゼント代が大変だけど、やっぱり大勢でお祝いするのって
楽しいよねぇ」
「あのぅ…」
「でねでね、あたしの誕生日には友達みんなでパーティ開こうって、今から計画進めてる
んだって。楽しみにしててねって言ってくれたんだよぉ。えへへー、嬉しいなぁ」
「‥‥‥」
「ところでお姉ちゃん、その隅っこでいじけてる人だれ?」
「いや、何というか…」
誕生日か…。わたしなんてお母さんにすらプレゼントもらったこともないよ…。ふふ、
ふふふ…。
と、聖先生が助け船を出してくれる。
「あー、その子は私の患者でな。夏休みの宿題が詰まったからと相談に来たのだ」
「うぬぬ。宿題のことなんて忘れてたよぉ」
「どうだ、一緒に勉強でもしてみては?」
がばっ! と跳ね起きる観鈴ちん。
「は、はじめましてっ。神尾観鈴っていいますっ、観鈴ちんって呼んでねっ!」
「霧島佳乃だよぉ。佳乃りんでいいよぉ」
す、素直な子…。何の疑問も持たず幸せに生きてきたであろうその人生が憎たらし…
いい人だねっ。
「な、仲良くしてくれるとうれしいなっ。にははっ」
「もちろんだよぉ。それじゃ、あたしの部屋に行こっかぁ」
「ああ、後で茶でも持っていこう。…今日はアレは出てこないようだな」
「え?」
「いや、何でもない」
「それではでっぱ〜つ!」
先生に見送られ、佳乃りんに続いて廊下を歩く。他の子の部屋なんて初めて。どきどき。
「わ、可愛いお部屋っ」
「えー、恥ずかしいよぉ」
なんていかにも普通の友達っぽい会話に感激しつつ、テーブルを挟んで向かい合って座る。
「ところで観鈴ちんの宿題は?」
「も…持ってきてない」
「は?」
「え、えっと、宿題と称してお喋りとかしたいなーって」
「あはは。あたしもその方がいいよぉ」
そして始まる何気ないお喋り。学校のこととか、家族のこととか…。わたしにはあまり
話すこともなかったけど、佳乃りんはそんなわたしにも楽しそうに色々話してくれた。
今度こそ…今度こそわたしにも友達ができたんだ…。
「それじゃキミをかのりんの友達弟123号に任命するよぉ」
「ひ、ひゃくにじゅうさん…」
「あはは、あたしって誰とでも友達になっちゃうんだぁ」
いちいち自慢してんじゃねえーー!
なんて思ってない、思ってないよっ♪
「はっ! でも友達の友達ならわたしの友達も同然だよね!」
「そ、そうかもしれないねぇ」
「つまり労せずして100人以上の友達を手に入れたことに…。フフフ、こりゃもう人生
勝ったも同然だね」
「観鈴ちん、目が逝ってるよぉ」
「にーーっはっはっはっ」
ああ、友達100人…。なんて甘美な響き。
しかしこう順調だと落とし穴がありそう…って、今まで不幸だったからそんな気がする
だけだよね。
「それじゃ遊ぼっ、トランプしよっ! …佳乃りん?」
トランプを取り出しかけたわたしの手がふと止まる。
急に押し黙り俯いた佳乃りんの顔。その前髪に隠れた向こうから、怪しげなオーラが
漂ってくる。い、いやな予感…。
「うらああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
ガシャーーン!
佳乃りんはいきなり立ち上がると、テーブルを思いっきりひっくり返した。
「うらぁ〜〜〜〜〜! このパツキン〜〜〜っ! どこで髪染めやがった〜〜〜〜っ!」
「か、佳乃りんっ!? あ、あのっ、なっ、なにをっ!」
「ぜって〜おかし〜ぞ、その頭はよぉぉ〜〜〜っ!」
「か、佳乃りんに言われたくない…」
い、一体なにがどうしたのっ? あの素直な佳乃りんがタチの悪いチンピラのように…。
やっぱり、わたしにまともな友達なんてできないんだ…。
ひとりで頑張らなくちゃいけないんだ…。
「うら〜〜〜〜〜っ! いちいちプレイヤーの同情引いてんじゃね〜〜、この偽善者が〜
〜〜〜〜〜〜〜っ!」
「ひ、ひどいよ佳乃りん。わたし、偽善者なんかじゃないもんっ」(がおっ)
「それが偽善チックだってんだよ〜〜〜〜〜〜っ!」
「何事だっ!」
騒ぎを聞きつけ、聖先生が扉を開けて飛び込んでくる。
「せ、先生っ! 佳乃りんがなぜか目も当てられない不良にっ!」
「くっ、まさか出てきてしまうとは…。実は小さい頃に神社にお供えされていたキノコ
リゾットを食って以来、佳乃は時々性格が反転してしまうのだ」
「佳乃シナリオってそんな話だっけ?」
「おら〜〜〜〜〜〜っ! 姉貴〜〜〜〜〜〜っ!」
「な、なんだっ?」
「愛してるぜ、ベイベー」
バチーーン(←ウィンク)
‥‥‥‥。
「はぁ…うっとりくらくら」
「陶酔してる場合ですかっ!」
「はっ! いかんいかん、常日頃冷静な私がつい暴走してしまったようだ」(ふ)
「いえ、先生が暴走してるのはいつもですけど…。って佳乃りんがいなーいっ!」
「しまった、外かっ!」
あわてて二人で外に出ると、すっかりやさぐれた佳乃りんが黒い目で獲物を物色している。
「ふっふっふ」
「ぴ、ぴこー!」
「ふっふっふ」
「ああっ、通りすがりの犬にマジックでヒゲを書いてます!」
「不良だ、佳乃が不良になってしまった!」
普段はそりゃあ性格のいい佳乃りんだから、性格が反転したらどんなに恐ろしいことに
なるか…。ああもうなんでこうなるかなぁ。
「あ、でもわたし解決法知ってる」
「ほう、言ってみたまえ」
「聖先生が佳乃りんに当て身を食らわすの。元ネタはそんなオチでした。ぶいっ」
「このたわけがーーー!」
BAKOOOM!
先生の壮絶アッパーカットに宙を舞うわたし。
「私に佳乃を殴れというのか! ああ恐ろしい、お前は悪魔の化身か!」
「ううう…他人よりも身内を大事にする医者」
「家族愛のためなら大抵のことは許される! この訴えは麻枝シナリオにおいて常に続け
られているのだ」
「そ、そーゆーもんでしたっけ」
でも先生が当てにならないんじゃどうしよう…。観鈴ちん、超ぴんち。
「君は佳乃の友達だろう。何とかしなさい」
「そ、そんなこと言われても〜」
「ここで佳乃を救うことができれば…君はさしずめ佳乃の大親友だな」
大 親 友 !!
「やります! わたしの友情パワーで佳乃りんを元に戻してみせますっっ!」
「(こいつ本当に友達いなかったな…)」
「佳乃りーーーん!!」(ずどどどどどど)
全力疾走したわたしは、100円拾ってポケットに収めている佳乃りんの前に立ちふさ
がった。
「ふっふっふ、どうした観鈴? あたいが恋しくなったのかい?」
こ、こんな友達ヤダ…。
「目を覚まして佳乃りん! ついさっきあなたと永遠の友情を誓った観鈴ちんだよっ!」
「誓ってねーよ」
「ちっ」
どうしたらいいのかな〜。
う〜ん。
う〜ん。
きっと熱い友情があれば。
「佳乃、そろそろ帰らないか?」
「るせぇ〜〜、姉貴面してんじゃねぇ〜〜〜っ」
いきなりビンタするとか?
わ、友情っぽーい。
佳乃りん!(パンッ)
つっ…。痛ぇじゃねえかこの野郎!
それはわたしの心の痛みだよ!
「まあまあ、ここは尊敬する姉のためにひとつ」
「へっ、あたしが知らねぇとでも思ってるのか〜〜」
「な、何がだ?」(ギクリ)
「てめえときたら『お手製佳乃ちゃん人形』を作って毎晩寝る前に頬ずり…」
「えいっ、クロロホルム!」
それでも友達かよ!
友達だからこそ…佳乃りんが悪いことするのを見ていられなかったの…。
観鈴ちん…。
だって…それが本当の友達だと思うから…!
「おーい、観鈴君」
でもって、でもって…。
「もう終わったぞ」
「うん、終わった…って、ええっ?」
我に返ると、聖先生の背中で佳乃りんがぐーすか眠っている。
「い、いつの間に…」
「いや、このクロロホルムでちょちょいと」
「そんなもの持ってるなら、最初からやんなさい!!」
海辺の町にわたしのマジツッコミが響き渡った。
<まだ続く>
>>383-385
>>389-391
爆笑させてもらいました。
仕事中に読むもんじゃありませんね。
モニターは虹色になるわ、
周りからKEYの視線を集めるわで大変でした。
393 :
名無しさんだよもん:2000/11/10(金) 19:50
おおっ、おもしれえ( ̄ー ̄)b
というわけで、ちょいage
394 :
名無しさんだよもん:2000/11/10(金) 20:08
長いんでちょい回しとくにょ
sage入れ忘れた。
もう一度回しsage
396 :
名無しさんだよもん:2000/11/10(金) 23:44
んが…長いぞ逝ってよし!
今日も浩平君と一緒に下校した。
結構遅くまで学校に残っておしゃべりしていたのですっかり遅くなってしまったけれど、
私は幸せだった。
「じゃあな、先輩」
「うん、ばいばいね浩平君」
学校から自宅までは目と鼻の先だ。
浩平君が手を離して、歩き出そうとした瞬間…。
「キキ――!!ドガッ!!」
すぐ近くでとんでもない音がした。
車のブレーキ音?そして何かを撥ねた音?そして…。
「へへ!ちょろいもんだな」
「おー、いたいた。さーてと!」
ドアが開く音がして、聞き慣れない男の人の声がする。
「え?え?」
戸惑う私の手を誰かが強引に掴み上げる。
「へっへっへっ!つっかっまえた〜と!」
「お〜〜!激マブじゃねーか、この娘か?お前の言ってた娘って?」
「そうそう、ところで知ってるか?この娘『盲目』なんだぜ」
「へ〜、そりゃ好都合だな、要は俺達が何したとしても『この娘には犯人が誰なのか
解らない』って事か?」
「そーいう事!」
「え?なに?何なの?」
そう呟いた瞬間、私の身体は見知らぬ手に無理やり引っ張られ何かの中に押し込められた。
「さあ、パーティーの始まりだ!」
男達が狂気乱舞する中、私はただ黙って震える事しか出来なかった…。
その『何か』はどうやら車だったようだ。
エンジンやアイドリングの音が聞こえる。
気が遠くなる様な時間を体験した後、車は停車した。
(どこなのだろうか?)
そうは思ってみても私には『そこ』を自分で確認する事が出来ない。
『盲目』の事は自分ではそれなりに乗り越えたつもりだったがさすがにこういう状況に
立たされると、昔の事が蘇ってくる。
『自殺』を考えた自分を。
「おら!出ろ!!」
「きゃっ!」
今まである程度おとなしかった隣の男がいきなりがなり声を上げて私を蹴っ飛ばした。
私は見知らぬ床に転がされる。
恐怖のあまり身体はガクガク震え、目からは自然に涙がこぼれ出た。
「さ〜て、パーティの下ごしらえだ。おら!立て!」
「いやあ!!」
いきなり男は私の胸を背後から鷲掴みにして、強引に立たせた。
「おお!でっけえパイオツしてんじゃね〜か、こりゃ、いいや!!」
「やめてぇ!いやあ!!」
私は懸命に男の手を振りほどこうとするが、男は面白がってますます胸を揉みしだく。
「おい、縄の用意できたぞ。とりあえずそのアマを吊るしちまおうぜ」
「おおそうだな。女子高生の吊るしか…へへ、そそるぜぇ…」
そんな絶望的な言葉を吐くと、男達は私の手に何か紐の様なものを結び付けた。
そして強引に手を上に引っ張り上げられる。
「きゃあ!」
どうやら私は天井に吊り上げられてしまった様だった。
身体が軋む。手が痛い。
そして、男達の視線が何より痛かった。
「ああっ!だめぇ!やめてぇ!!」
男が私の胸を本格的に揉み始めたようだった。
前後に、左右に、こねる様になでくりまわす。
「ヒッヒッヒッ、いいオッパイしてるじゃねえか、たまんねえな、こりゃ」
「邪魔な布切れも取っちまうか」
「ああ、そうだな」
そう言うと何かが破ける音と共に、とたん胸の辺りが涼しくなる。
どうやら制服を破かれてしまったようだ。
大好きな制服。大好きな学校の生徒の証。
「いや〜、みさきちゃんってほんとにオッパイでっかいね〜。俺達もう
たまらないよ」
そんな台詞を吐き出すと、胸の先端に何かねちゃっとしたものが吸い付いてくる。
「いやっ!」
私は咄嗟に声を出す。
「おらおら!母乳出せよ!母乳!!」
どうやら男の1人が私の乳首に吸い付いているようだ。
私はあまりのおぞましさに声を荒げる。
「やだあ!!やめて!やめてぇ!!」
男達は思い思いに私の胸をいじくりまわす。
揉み、掴み、吸い付き、噛み、つねり、そしてまた揉みしだく。
「へへ!たまんねえな、ギャハハハハ!!」
男達の荒い息が真近に聞こえる、それは人間ではない。
それは動物、盛りのついた雄犬。
私の口に誰かの息が近づき、何かが覆い被さる。
これはキス、そして私のファーストキス。
あの人の為にとっておいた大事な宝物。
でも…、それはあっさりと何かに横取りされた。
「唇が吸い付くようだぜ…やっぱ、犯すなら女子高生に限るな!」
永遠とも思える時間の中、私の顔と胸は唾液でべとべとになった。
こんな、こんな屈辱を受けるくらいなら、死んだ方がマシだ。
私はそう思い、舌を噛み千切ろうとする。
だがそれを見計らったように男の一人がこう叫ぶ。
「おっとみさきちゃんよ、自殺でもするつもりか?ギャハハ、それは
やめといた方がいいんじゃないか?彼氏を殺したくないだろう」
彼氏…?どういう事?彼氏って…まさか?
そう思った矢先、近くで何かが転がる音がする。
「せ…先輩…」
「浩平君!?」
その声は大事な人。私の一番大事な人。
「ごめん…俺が付いていながらこんなこ…ぐあっ!」
その刹那、何かを蹴り転がす音
「浩平君!?やめて!やめてぇ!!」
「ひっひっひ…解ったかいみさきちゃん?今度妙な真似をするとこいつの命は
ねえ…。彼氏の事が大事なら大人しくしるんだな…」
「は…い…」
「へへへ…解ればよろしい」
そう言いながら男は私の胸を揉みしだく。
「ああ…」
全身が火照るように熱い。
見られているの?浩平君に見られているの?
しかし私にはそれを確認する術もないのだ。
そんな自分が悲しく、みじめだった。
「さ〜て、お次は股間をヤっちまうか。股間を」
そう男の1人がいうと、また何かが破れる音がする。
すぅっと、今度は下半身が外気に当てられる、
どうやらスカートを奪われてしまった様だ。
私はあまりのショックに言葉も出ない。
「へへっ、女子高生のパンティは純白かあ。清潔でいいねえ」
男の指が私の大事な所を撫でる。
「いや!」
私は思わず腰を揺する、そういう行為が男達の更なる可虐心を煽る事も
知らずに。
「さ〜て、ここからが本番だ…、容赦はしねえからな…」
ゾッとする様な低い声で男のリーダー格と思える男が呟く。
私はもう涙がボロボロで、何を喋ればいいのか何を考えればいいのか
解らなかった。
「まずはケツのチェックだ!!」
男の1人がパンティをお尻側からずり落とす。
お尻が外気にあてられる、男達の視線と共に。
「おほぅ、いいケツしてんじゃねえか!」
「へへ、まるで餅みてえだ…。ヒヒヒヒ…」
卑猥な言葉を掛けながら、いやらしい手つきで私のお尻をなでさすり、
揉み捲る。
「さーて、『穴』の方はどんなもんかな?」
(『穴』…?)
そう思った瞬間。
ズブゥ!!
お尻に何ともいえない激痛が走った、男が指を肛門の中に突き入れたのだ。
「ギャアァ!!」
私は思わず動物のような叫び声をあげた。
「うらうら、どうだ!?どうだ!?」
「いやあああ!痛い!痛い!やめてえ!!」
男は叫べば叫ぶほど、嬉々として私のお尻をいたぶり続けた
「今度はオマンコだ!!」
「ビリッ」という音と共に股間を覆っていたものがなくなったのを感じる。
今の私は恥ずかしい部分を男達に全てさらけだした状態である事を悟った。
「お〜、綺麗な割れ目だねえ…」
男の指が私のあそこをモミモミと撫で始める。
「いや…やめ…て…」
思わず声が漏れる。
「おい、片足上げさせろ、片足」
「おう、まかせとけ」
そう、言うと私の足はまた何かにくくられて、強制的に上げさせられた。
「お〜、見える見える」
「とりあえず処女かどうか見てやろうぜ」
男達はそう言うとたくさんの指で私のあそこをいじくり始める。
「いやぁ!やめて、やめてぇ!」
私は精一杯に泣き叫ぶ、だが、聞き入れられる事はなかった。
男達が散々私のあそこを弄んだ後。
「う〜ん、なかなか見えねえな」
「まずは邪魔なおケケを取っちまおうか」
私は一瞬意味が解らなかったが、その直後。
「ブチブチブチッ!!」
「きゃああああああああああああ!!!」
股間に激痛が走った、どうやら陰毛を誰かが引き抜いてしまったようだ。
「っはあ!っはあ!っはあ!」
私は脂汗をかきながら、絶望的な嗚咽を洩らす。
その最中、男が私のあそこを思いっきり左右に引っ張った。
股間に鋭い痛みが走る。
「いやぁ!見ないでぇ!見ないでぇ!!」
私は羞恥のあまり、思わず声を荒げる。
「お〜、処女膜だぜ、処女膜」
「なかなか綺麗じゃねえか、オナニーもほとんどした事ないな?」
「とは言え、この綺麗なマンコも今日で見納めだがな」
「違いねーや、ギャハハハハ!」
だが、男達は私の言葉を気に止めず、
気が狂いそうな言葉を次々と浴びせ掛けてくる。
『盲目』という恐怖が今の絶望的な状況に拍車をかける。
男達は再度、私のあそこにいたずらを繰り広げた後、一斉に指を離した。
そして「カチャカチャ」という、何かを外す音が耳に聞こえてきた。
「さ〜て、貫通式といくか!」
男のその言葉は私に致命的なダメージを与えた。
この男達に連れてこられてから、薄々と『そうなる事』は感づいていたが、
いざその時が迫ると私に例え様のない恐怖が押しかかる。
(ごめんね、浩平君…)
そう、心の中で呟く事しか出来なかった。
「俺のはデカいからなあ…、まあ、気絶しねえ様に踏ん張りな…」
男は恐ろしい言葉を投げ掛けて来た後、『何か』をあそこにあてがった、
そして…!
ブチッ!ブチブチブチブチブチィッ!!!
「ぐっ…ぎゃああああああああああああああああああああああ!!!」
巨大な丸太のようなモノが私の身体を刺し貫く。
太い、太すぎる、いくら何でも太すぎる。
「痛っ!いたいいたいいたい!!ぬいてぬいてぬいてぇぇぇぇ!!!」
「何、言ってやがる!まだまだこれからだ!ほらよ!」
グチャ!グチャ!グチャ!グチャ!
「えぐっ!あうっ!ぐほ!ひぐっ!」
私は言葉にならない言葉を鳴らす。
小学生の、まだ目が見える頃にお父さんのを見た事あるけどこんなには
太くなかった。
初体験だから?それとも『おちんちん』というのは興奮したらこんなに
デカくなるの?
もし、そうだとしたらむしょうに悔しい。
この男達を興奮させているのは他ならぬ自分なのだから。
「おらっ!おらっ!おらっ!おらっ!」
「ぐはぁ!ぐはぁ!ぐはぁ!ぐはぁ!」
男の責めは続く。
あそこから何かが垂れているのがわかる。
血の匂い。
自分のあそこがメチャクチャになっているのがわかる。
「〜〜!!〜〜!!〜〜!!〜〜!!」
もう、叫び声さえ発する事が出来ない。
「うひ〜〜!、もう我慢できねえ!」
別の男がそう言うと私の手に巻き付いていたモノを外す。
そして生臭い何かを私の口に無理やり突っ込む。
「おら!舐めろ!しゃぶれ!ちょっとでも噛んだら殺すぞ!」
意識が朦朧とする中、私は男の命令に従わざるおえなかった。
ちゅぱ!ちゅぱ! ちゅぱ!ちゅぱ!
「おお!そこそこ!いいね〜、いいよみさきちゃん!」
誉められても嬉しくも何ともない。
「へ!我慢のきかねえ奴だ」
また、別の男が名乗りをあげる。
「じゃあ、俺はこっちを責めるかな?」
そういった途端。
ぶち!ぶちぶちぶち!!!
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
肛門に信じられない激痛が走る。
しかも、今度は指なんかじゃない、『腕』?
そう、腕のようなモノが私のお腹を破壊する。
「みさきちゃん、カレーライスが好きなんだって?今から材料取り出して
やるから待ってなよ」
グリッ!ブチッ!グリッ!ブチッ!
「〜〜〜〜〜〜!!〜〜!!〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
私は誰にも聞こえない絶叫をあげる。
(助けて…、誰か助けて…!)
しかし、助けなど誰も来ない。
「おらおらおらおらぁ!」
「うら!うらうらうら!!」
「おほ〜〜!匂ってきた匂ってきた」
三人の男の執拗な責めは続く。
「〜〜〜〜〜!!〜〜〜〜〜〜!!」
私は意識を失う、だが責めによる激痛が私を舞い戻らせる。
地獄のような現実に。
「うっ!出る!!」
私の口の中に生臭い液体が飛び込んでくる。
それと同じに。
「お〜〜、出た出た!」
「ひぐぅ!!」
ひときわ高い激痛を伴って、お腹の中に刺さっていたモノが抜かれる。
妙な匂いがする。臭い。…え?
「ほ〜ら、カレーが出来たよ〜〜」
そう、男が言うとその『カレー』を生臭いモノが残る私の口に無理やり
放り込む。
これは…?この匂いは…?うんち…?うんち!?
「いやああああああああ!!」
私は堪らず自分のうんちを外へ吐き出す。
「こら!せっかく大好物のメニューを持って来たってのにわがまま言うな!」
そう男が言うと、うんちを私の口に詰め手で鼻と口を塞いだ。
「むぐ〜〜〜!むぐぐ〜〜〜!!」
「そんなわがままなお前に更なるお仕置きだ!おい!」
その合図とともに私のあそこに刺さっているモノが更なる抽出を開始する。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
私はうんちどころではなくなり、口に入った液体と共にうんちを飲み込んだ。
「話に聞くと大食漢なんだってねえ…、たくさんあるからどんどん食べなよ」
男は私の口の中にどんどんうんちを放り込んでいった。
「あぎゃ!あぎゃあぎゃあぎゃ!!」
あそこへの責めは続く。
「よ〜し…、こんなところでいいか…、それ!」
びりびりびりぃ!!
「あぎゃあああぁぁぁ!!」
何かを剥がされるような感触と共におちんちんが抜かれる。
何かが滴っている、胸に、顔に、身体中に。
ちょっと舐めてみる、血、血の味。
私の身体をボロボロにした証。
(終わったの…?)
ふと思う。そう思いたい。
「どうだった?貫通式は?なかなか出来ない経験だったろう」
私は答える気力もない、身体ももう動かない。
一瞬の沈黙の後、ぬうっと何かが顔の上に乗って来た。
「きゃあ!」
私はびっくりして声を上げる。
それは手、血まみれの手。
手?
私の中に疑念が渦巻く。
「ほうら、お前の初体験の『相手だ』」
男の一声が私の脳髄に突き刺さる。
「まさか…、まさか…」
「何だお前解らなかったのか!?お前の処女を奪ったのは俺のこの『右腕』だよ!
いくら俺のチンポが大きいからってこんなにあるワケないだろう!ケケッ!盲目って
のは大変だな、ホント」
私は徹底的に打ちのめされた、いくら何でもひどすぎる、
私の初体験、私の処女、浩平君…、浩平君…。
目から自然と涙が溢れ出る。
「ぎゃははは!初体験がフィストファックだなんて前代未聞じゃねーのか!?」
「さーて、ちょっと休憩したし。そろそろ第2ラウンドといくか!」
その言葉に私は愕然とする。
「そんな…、そんな…」
「何、悲しそうな顔してるんだよ!まだお前の子宮に精液注ぎ込んで
ねーだろーが!さあ、『小作りパーティー』の始まりだ!!」
「いやあ!!いやああああ!!」
「うるさい!これでも食ってろ!」
そう言って、口の中にぴらぴらの変なモノを
入れられる。
それは血の匂いがした。
あそこの…、そう大切な私の純潔。
その証が今、私の口の中にあった。
三人の男達は私の穴に次々と肉棒を叩き込んで行った。
「お!?手ぇ突っ込まれた割には結構しまるじゃねえか!」
「おらおら、さっさと舐めろ!!」
「クソがなくなって良い具合になってるぜ、へへへ!」
口々に勝手な事を言い合っている。
三つの肉棒は私の身体をバラバラに打ち砕く様に思い思いの律動を開始する。
「うらぁ!うらぁ!うらぁ!」
パンパンパンパン!
私の意識は私の肉体を離れ、呆然とその拷問が終わる様、必死に願う。
「おらおら!おらおらおらぁ!!」
「くぅ〜〜!散々じらされた甲斐があったぜえ!」
ブシュ!ブシュ!ブシュ!ブシュ!
終わらない拷問、終わらない現実。
そして闇から襲い来る、例え様もない恐怖。
「うお!俺、もう出そうだ!」
「おお!お前もか!?」
「よ〜し、三人で一斉にフィニッシュだ!」
私は呪った、自分の運命を。
『盲目』というハンデが背負わせた、光のない世界そのものを。
「出る!」
三人が一斉にそう言うと私の中に熱いモノが大量に注ぎ込まれる。
ドピュ!ドピュ!ドピュドピュ!!
私は目から涙が零れ落ちる、何も見えない目から涙が零れ落ちる。
今の私の目は涙をこぼす為に存在する。
悲しみと絶望の涙の為。
そう自分で悟りながら、私は意識を失った…。
とりあえず回します。
回します。
回してます。
回しています。
回します。
回してます。
回しています。
回します。
回しています。
423 :
ほかほか兄さん:2000/11/11(土) 11:39
回し終わりました。
新しいのは
>>397-413です。
今回のは半年前に書いたヤツですので、オチも何もありません。
単純なオカズです。
正直発表するかどうか悩んでいたのですが、せっかく書いたのも
何なので一応発表しようかと思います。
ちなみにみさき先輩モノですが鬼畜好き以外の方は『絶対』に
読まない方がいいです。
後、今回のは長いので前半と後半に分けようかと思います。
後半は夜にでも書き込もうかと思います。
では。
う〜ん・・ダークだ。
でも完成度は高いなあ。
ついでに回し。
なんというか「人としてやってはいけないこと」を全部やっている
よなぁ。読んでいて吐き気がした。狙い通りなんだろうけど。
でも上手いと思う。俺には到底書けない。流石に後編は読まないだろうけど。
回しとく。
最初、何も考えずにめし食いながら、拝読させていただいてました。
でも、引きこまれてしまい、読むのを止めることが出来ず、そのまま最後まで逝っちゃいました(笑)
負の部分を増幅させた人間の方ではなく、みさき先輩の視点で書いてらっしゃるのが
いいですね。後半も楽しみにしております。ありがとうございました。
実に良かったです。ただ、スカフェチ属性の私としては、
「カレ−ライス」関係の描写がもっとねちっこいと超燃えでした。
読みましたが良いですね。>427氏と同じく、読むのが止まりませんでした。
私は良い作品を読んでると、自然に次を読みたくなるので人ですから、何度も言いますが
良い作品です。
ほかほか兄さんとkagami氏はお友達ですか?
ども、ありがとうございます〜>
>>392 >>393 それじゃラスト。
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先生に頼まれて佳乃りんを診療所に運び、一休みしていると先生も戻ってくる。
「いやはや、今回も大変だった」
「でもこんな発作があるのに友達が多いなんていいなぁ…。どうやってるんですか?」
「なぁに、発作のたびに私が目撃者の記憶を消して回っているのだ」
「ってその手の注射器は何ーーっ!」
怪しげな薬品が針の先端から流れ出てる…。
「なに、ちょっとここ数日の記憶が吹っ飛ぶだけだ。何の心配もいらん! さあ腕を出し
なさいさあさあ」
「喋りません喋りませんっ。友達の悪い噂なんて絶対喋りませんっ!」
「そうか…。ま、いいだろう」
そう言って注射器を引っ込める聖先生。今度から病気の時は隣町の病院に行こう…。
「だがこうも容易に起きてしまうとは…。同じような発作を持つ君たちは、やはり悪影響
を及ぼし合うのかもしれない」
「え…」
「君には悪いが…。もう佳乃に近づかないでもらえるか」
目の前が真っ暗になった。
…そっか。
わたしのせいかもしれないものね。
迷惑かけちゃ…いけないよね…。
「にははっ、わかりましたっ」
「観鈴君…」
「佳乃りんが起きたら伝えてくださいっ、今日はお話しできて楽しかったって」
「すまない…。妹馬鹿なこの姉を許してくれ」
「い、いいんですっ。それじゃ……さよならっ!」
診療所を飛び出し、涙をこらえて走り出す。
楽しかったな、ちょっとの間だったけど、普通の友達みたいにお話しできて。
ほんとに…ちょっとの間だったけど…。
「往人さん…」
わたし、友達できなかった。
結局ひとりも、友達できなかったよ…。
ふと足を止めると、カラスが道端でこちらを見てる。
「ね、ねえカラスさん。わたしの友達になってくれないかな」
ばささささーー(逃亡)
‥‥‥‥。
「あ、そこのセミさん、わたしと友達にならない? ねえねえアリさん、わたしと友達に
なろうよっ」
「不憫や…。不憫な子やで…」
「わ、お母さんいつからそこにっ!」
振り返るとお母さんがハンカチで目を押さえていた。
「くじけるな観鈴! 根性で強く生きるんやー!」
「ううっ、お母さんにわたしの気持ちなんて…」
「いや、分かる…。うちも観鈴と同じやからな…」
え…? お母さんも…?
「小さい頃からずっとそう。他の人と一緒に酒飲まれへんのや。
うちは一緒に飲みたいのに…
うちの中の、別のうちが暴れてまう。
せやから、みんなうちとは酒飲もうとせえへん。
晴子ちんは、すぐ暴れるからって…」
「それ、ただの酒乱」
「人が慰めてやってんのにいらんツッコミすなっ! このアホちんアホちんっ!」
「ああっごめんなさいごめんなさい! 観鈴はアホちんですっ!」
うううっ、観鈴ちん不幸。結局こうなる運命なのかなぁ。
「ま、世の中一人でも生きていけるもんやで。酒が友達っちゅーんもええやないか」
「い、いやだ〜」
わたしはどろり濃厚ジュースが友達…。鬱だ、氏のう…。
こうして何ひとつ成果のないまま、わたしは足を引きずるようにして家へと帰っていった。
そして翌朝。
日差しが眩しくて、頭からタオルケットをかぶる。起きたくないな…。どうせ友達いな
いし。
「なんや観鈴、夏休みやからってまだ寝とるんかい」
「うん…」
「ええんかな〜、せっかく友達が誘いに来てくれたのに〜」
え…?
パジャマのまま、ベッドの上に身を起こす。空耳? 冗談?
「お、お母さん、今なんて…」
「おっと、もうこんな時間や。ほな仕事に行ってくるさかいな」
お母さんはなんだか嬉しそうな顔で出かけていった。あわてて服を着替え、飛び出す
ように外に出る。そこには…
「昨日は失礼しました…。ぺこり」
「遠野さん…」
もうないと思っていた光景に、そのまま言葉が続かない。
「あ、あの、えっとっ」
「…違います」
「え?」
「遠野さん、じゃないです」
「あ…。う、うんっ、ナギー…!」
「グー」
やっぱりわたし、アホちんだった。
あんな簡単に諦めちゃうなんて。
もう一度、振り絞るように、もう一度手を伸ばす。
「あ、あのねっ…。今日は…二人で遊べるかな…?」
「無理です」
「え?」
「三人だから…」
ナギーの後ろから、ひょこっと顔を出す小さな影。
「おっはよー」
「え? え? 佳乃りん、だって聖先生が…」
「うんっ、なんだかうるさかったけど、しつこいから『お姉ちゃんなんて嫌い』って言っ
てやったら寝込んじゃったよぉ」
か、かわいそ。
「今日はヒマヒマ星人1号だから、いっぱい遊べるよぉ」
「それではシャボン玉を吹きましょう」
「あたしは散歩がいいなぁ。観鈴ちんは?」
「えっ? あ、わ、わたしはトランプ…」
「それじゃ、順番こに全部やろうねぇ」
ほっぺたをつねってみる。夢じゃない。
遊べるの…?
わたしが、友達と…?
「に、にはは…」
「あーっ、観鈴ちん、泣いてるよぉ」
「…感激屋さん」
「に…は…」
え…。
涙がぽろぽろと落ちていく。
わたしの意志とは関係なく。
「観鈴ちん?」
「ミス・観鈴…?」
「は‥‥えぐっ‥‥」
やだっ…!
やっとできた友達なのに!
幸せな時間が、すぐ目の前にあるのに…。
「ああ‥‥っく‥‥うぁぁ‥‥」
それなのに、抗っても無駄だった。
わたしの中の別のわたしは、座り込んで泣き崩れる。
行き着くところはいつもと同じ…。
閉じた暗闇の中で、わたしはそれをただ呆然と感じていた。
…どのくらい時間がたったんだろう。
顔を上げるのが怖かった。
誰もいなくなった道端を見て、結果を思い知るのがどうしようもなく怖かった。
そんな時…
「あ…」
頭に誰かの手が置かれる。
わたしの中で何かが溶けて、反射的に顔を上げる。
優しい表情でわたしを撫でてくれる、長身の女の子。
心配そうにわたしを覗き込む、背の小さな女の子。
「び、びっくりしたよぉ」
「落ち着きましたか…?」
「あ、う、うん…」
そっか…。ナギーは同じクラスだから、わたしの癇癪のこと知ってたんだ。
目の前にはまだ一本の糸が垂れていた。立ち上がって、必死の思いでしがみつく。
「あ、あのねっ…。わたし、ヘンな子だから。
誰かと友達になれそうになると、今みたいに泣き出しちゃうの。
小さい頃から、ずっとそうだった」
「‥‥‥‥」
だから仕方ないって思ってた。ひとりで頑張ればいいんだって。
でも、もうやだ。
友達がほしい。
わたしは、友達がほしい。
「でもね、別に辛いからとか、嫌だから泣いてるわけじゃない。
自分でもどうしてだかわからないけど…
本当は、二人と友達になりたい。
一緒に遊んだり、勉強したり、お話ししたりしたい、だから…」
二人は黙って、わたしの言葉を聞いている。
ごしごしと目を拭いて、せめて笑顔で。
「だからわたしと…友達になってください…っ!」
「もちろんだよぉ」
「もちろんです…」
お日さまみたいに、明るく笑う佳乃りん。
月明かりのように、優しく微笑むナギー。
涙が勝手に溢れてくるけど、今度は癇癪のせいじゃない。
「えぐっ…わたし、ヘンな子だよ…?」
「別に気にしないよぉ」
「気にしません…。変なのはお互い様ですから」
うん…。
往人さんの言うとおりだったね。
こんな簡単なことだった。
ちゃんと正直に、自分の気持ちを伝えればよかったんだね…。
「ありがとう、ありがとう二人ともっ…。
実はわたし8月半ばごろに死んじゃうし、二人も呪いで巻き添え食って死んじゃうけど、
そんなの別に気にしないよね!」
「永遠にさようなら」
「ああっうそうそ! 呪いなんて教会でゴールド払えばすぐ解けるからぁー!」
そして時は流れ…
一年が過ぎ、再びやってきた夏休み。わたしは太陽の下で旅の人に出会った。
「往人さん、久しぶりっ!」
「ああ、久しぶり…つーかお前なんで生きてんだよ?」
「うん、それなんだけどね…」
#############リプレイ開始#############
観鈴「二人とも、短い間だけど楽しかったよ…。く、悔いはない…」
佳乃「そんなっ、前世がどうとかで死んじゃうなんてひどすぎるよぉ!」
美凪「はっ。(ピーン) 一人では容量が大きすぎる翼人の魂も、三人の魂を合わせれば受
け止められるのでは?」
佳乃「そ、そうかっ! さすがナギー、天才だよぉ」
観鈴「で、でも失敗したら二人まで…」
佳乃「友が苦しんでいるのを見過ごすことなどできない! 死ぬときは一緒だ…!」
美凪「フッ、及ばずながらこの私もお手伝いしましょう」
観鈴「か、佳乃りん、ナギー…。お前らって奴は…」
美凪「ならば! われらの魂をひとつにして――」
佳乃「今こそ燃えろ友情の小宇宙よ!」
観鈴「究極まで高まり、果てしなく奇跡を起こせ!」
カッ!(閃光)
#############リプレイ終了#############
「とまあそんな感じで、三人分の魂で翼人の記憶を受け継いだの」
「そりゃあ良うございましたね…」
「うん、持つべきものは友達。ぶいっ」
ちょうど海に遊びに行くところだったので、水着の袋片手に往人さんと並んで歩く。
「ま、幸せそうで何よりだ」
「うんっ…。やっぱりね、友達っていいもんだと思う。
この一年もいろいろあったけど、やっぱりそう思う」
「そうか…」
「一緒にいろんな所へ遊びに行ったり。
お喋りに熱中して、気がついたら夜になってたり。
たまにはケンカすることもあったけど…
次の日になって、『昨日はごめんね』って言えばすぐ仲直りできた」
「‥‥‥」
「たぶんこれからも、一生の宝物になるよ。
同年代の友達って必要だよね。
それがないなんて、すっごく寂しい人生だよね!」
「‥‥‥」
「? 往人さん?」
「ちっくしょぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
‥‥‥‥。
走ってっちゃった…。何かあったのかなぁ? ま、いいや。
「おーい、観鈴ちーん!」
「ミス・観鈴、遅刻…」
「にはは、ごめんごめんーっ!」
二人の声が聞こえ、手を振って走り寄る。その向こうは広がる海。もう何度も行った
けど、一緒ならいつだって楽しい。
「今日も競争するよぉー」
「…はい、今日こそカノピーに勝ってみせます…」
「ううっ、観鈴ちんは今日もビリ」
「あはは、あたしが泳ぎ方教えてあげるよぉ」
「…目指せオリンピック」
「にははっ、そうだねっ」
砂浜に降りて、サンダルを脱ぎ捨て走り出す。ばしゃばしゃと跳ねる水。潮の匂い。
「観鈴ちーん、水着に着替えてからだよぉ」
「…準備運動も」
「にははっ」
振り返ると、呆れ顔の二人。
波の中で笑いながら、わたしは思い切り腕を広げ、夏の空気を吸い込んだ。
====================================================================
その頃人気のない山道では、必死に人形へ話しかける一人の青年の姿があった!
「なあ相棒。俺たちは長いこと苦楽を共にした親友だよな?」
『‥‥‥』
「‥‥‥」
『‥‥‥』
「‥‥‥」
『‥‥‥』
「はっ! べ、別に友達なんて欲しくもなんともないねーー!」
<END>
435 :
回し:2000/11/11(土) 19:21
ここはこの七瀬留美が回すとするか
いや、ここはこの再生みちるが回さねばなるまい!
いやいやこの目の見える川名みさきが回そう!
438 :
回し:2000/11/11(土) 19:23
剣術を知らない川澄舞が回し申す!
それじゃ弱いじゃねえか!
439 :
回し:2000/11/11(土) 19:23
ほほほほ! ここはこの伊藤乃絵美が回させてもらうわよ!
だめだよそんなの!
なんで乃絵美が葉鍵板にいるんだ?
440 :
回し:2000/11/11(土) 19:23
この人喰い沢渡真琴もちょうど腹がへってきた所だ!
441 :
回し:2000/11/11(土) 19:24
この実は仮病だった美坂栞にお任せを
442 :
回し:2000/11/11(土) 19:24
いや、この本当に病気だった美坂栞の方が強いぞ!
443 :
回し:2000/11/11(土) 19:24
あーーっ高槻がいきなりズボンのベルトをーーっ!
444 :
名無しさんだよもん:2000/11/11(土) 19:26
しかし発売が年に1本だとちっとも間が持たねえぜ
>>383-385
>>389-391
>>431-434
友情バンザイ/AIR・観鈴/バレあり
ギャグ書いといて何だけど、元々は観鈴と他の二人の絡みを書きたかったのデス。
(本編はヒロイン同士の交流ってほとんどないし)
けどよくよく考えれば呪いの件があるから、友人関係を書こうと思ったら悲劇にするか、
ギャグにするか、奇跡を起こすか、設定無視するかしかないんだよなー。
まったく難儀な世界設定だぜ。
431の晴子さんにワラタ
>友情バンザイ
いやー、面白かったっす。
しかし最後はきれいに締めましたな。
上手いよ、あんた。
>>435-444
ワラタ。
次回「なぜだ!合体霧島聖釜ゆで」
449 :
名無しさんだよもん:2000/11/11(土) 21:21
なつかしいなぁ…嵐馬破天荒…
次に書き込む人の事を考えたら、このスレはなるたけ下げた方がいいぞ。
私は暗い闇の中にいた。
暗い、暗い闇の底。
光の届かない世界。
それは6年前に訪れた新しい世界。
私の心に『絶望』という言葉を促した暗黒の世界。
でも。
私はその世界にわずかな灯火を残す事が出来た。
私の創り出したかすかな景色、楽しい光景。
そして。
そんな私を支えてくれた雪ちゃんと大切な、心から大切なあの人。
でも。
でも、今の私は…。
バシィ!!
「きゃあ!」
そんなまどろんだ意識を消し飛ばす強烈な痛みが全身を走り抜ける。
今の私を打ちのめす残酷な現実。
目覚める前に存在した景色はあっというまに霧散し、そしてまた暗黒の世界が幕を開ける。
そう。
彼らのパーティーはまだ終わった訳ではなかったのだ…。
「おー、やっとお目覚めかい」
ひゅんひゅんと空気を切るような音と共に男の下卑た笑いがこだまする。
私は身体を動かそうと必死にもがく。
だが、何かに括り付けられ動く事が出来ない。
どうやら、縄のようなモノで身体を固定されている様だった。
足を大きく開脚され、手は後ろに縛り付けられ
胸の上下に縄のようなモノが巻かれているのが解る。
私はとてつもない恐怖に心から震え上がる。
「いい眺めだぜぇ、みさきちゃん」
そう言いながら男は私の右胸を乱暴に愛撫する。
「いや!やっ!アン!」
「お〜、いい声出すじゃねえか。結構好きモンだな、オイ?」
その言葉に私は悔し涙を流す。だが。
「で、ちょいと質問だけどな…、どうだ?お前、この場から逃げたくはないか?」
その後の男の意外な一言に私は一瞬呆然となる。
「何だその顔?NOって意味か?」
私は咄嗟に。
ぶんぶんぶん!
首を上下に思いっきり振る。
「だよなあ。それでだ、1つ俺達と賭けをしてみないか?」
「賭け…?」
精一杯振り絞った声で私は返事する。
「そう、賭けだ。今から俺達がお前を徹底的に愛撫する、その愛撫に負けずに
お前が『イカなかったら』俺達の負け。お前と彼氏を解放してやるって算段だ」
「イクってどういう…?」
正直、私は「イク」という言葉の意味をまだ良く理解していなかった。
女の子友達の話の中に良く言葉として出てくるが私は「オナニー」というのを
殆どした事がない為表層的な意味では理解できるが、実感としてどういう状況を
指すのかイマイチ良く解らなかった。
「解らないってんなら、俺達が今から教えてやるよ!」
「え…?いや!きゃあ!!」
男達が私に襲いかかって来た。
「いや!やめて!ああ…ん」
男達が私の2つの胸を愛撫する。
だがその動きは先程のそれとは全く違った。
いやらしく、そして艶かしく動く2つの手。
その手が動くたびに私の意識はだんだんと不思議な世界に落ちて行く。
「あ…!ああ!ああん!」
胸の先端がむず痒くなり、微妙な変化が起きる。
「おっ!乳首がおったって来たぞ!」
そう男がいうと。
くり!
「アン!」
男の指先が2つの乳首の先端を摘み上げる。
私はその異常な刺激に身体をのけぞらせる。
(なに…?何なのコレ…?)
私は未知の刺激にちょっとした恐怖を感じる。
「お〜、こっちも濡れてきた」
今度は別の指が私のあそこをいじくり始める。
だがそれも先程の手つきとは根本的に違っていた。
「うりゃ!うりゃ!うりゃ!うりゃ!」
じゅぼ!じゅぴ!じゅぼ!じゅぴ!
「ああ!い…や…、あはん!」
その指は私の脳を逐一刺激し、私の意識を薄れさせていく。
何か水のようなモノをこする音が聞こえる。
私の身体に私の知らない変化が起きているのは明白だった。
あそこの中に入っている指が動く度に私の意識は寸断される。
「あん!あふ!ああん!あん!」
私はなりふり構わず叫びつづけた。
「お〜、いい顔になって来たじゃねーか」
「あそこも塗れまくりだな、うりゃ!」
「ああ!」
男の指が私のあそこの奥深くに突っ込まれる。
びりびりとした刺激に私の意識は一瞬真っ白になる。
「ひひっ!こっちの方もおっ立って来た」
「!?」
私は意味が良く解らなかった、女である私に『立つ』部分などないはずなのに…。
しかし、更なる刺激に私のそんな疑問は吹っ飛んだ。
ぐりぃ!
「いひぃぃぃっ!!」
とてつもない衝撃を受けた私は動物の様な絶叫を上げる。
「いい反応だ、やっぱクリトリスは捻り上げるに限るな」
(クリトリス…?)
小学生の保険体育の時間にそんな器官の事を習った気もするが、私は詳しく覚えて
いなかった。
私の身体は私の知らない間にどんな成長を遂げたのだろうか?
そんな疑問が頭をもたげた。
「さーて、そろそろイってみるか?みさきちゃん?」
ウィ−ンという機械の音が私に近づいて来る。
そして。
ブブッ!ブブブブブブッ!
「あひゃぁああああっ!!」
先程の場所に強烈な刺激が加えられる。
頭の中が真っ白になり、闇の奥底から私の脳に新たなる命令が下る。
それは認めたくない。決して屈してはいけない命令。
(気持ちいい…?そんな…?)
私は認めたくなかった。だが男達はそんな私を見透かした様に更なる行為を
推し進める。
「いや!あはあん!や、やめてぇ…あん!!」
私は襲い来る快感と戦いながら必死にそう叫ぶ。
「ヒヒヒ…こんなに濡らしておいて良く言うぜ!」
ジュブウ!!
「ひあ!!」
男が私のあそこの中に指を突き入れる。
「おらおら!どうだ?どうだ!?」
グチュッ!グチュッ!グチュッ!グチュッ!
「あはあああああああん!!」
突き抜けるような快感が私の脳天を鋭く貫く。
こんな…こんな世界があるなんて…。
私は意識が朦朧としながら男達のされるがままだった。
「そんじゃ、フィニッシュと行こうか」
また別の機械の音が私の耳に届き抵抗せねばという意識が一瞬浮かぶが、その意識が
あっという間に押し流される。
『快感』という波に。
今の私は男達の創り出した海に浮かぶクラゲ同然だった。
「超特大だあ…覚悟しな」
その言葉に一瞬ひるんだがそれ以上考える事は出来なかった。
メリッ!メリメリメリ…!ジュポォ!!
「ひっ…!きゃああああああああああああああ!!!」
とてつもなく巨大な機械が私のあそこに挿入される、そして。
カチッ!
グリン!グリン!グリン!グリン!
「ひああああああああああああ!!!」
想像を絶するような巨大な快感が私を包み込む。
私の意識は私の身体を離れ、淫靡な異次元空間に連れ去られたようだった。
「くひ!ひあ!あん!ああん!」
私は機械の動きに併せて卑猥な声を上げる。
「お〜いい顔になってきたじゃねえか!よし俺からもサービスだ!」
そう言うと男は別の機械をクリトリスに強く押し付ける。
ヴヴッ!ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴッ!
「きゃ…きゃああああああああ!!」
別の所から注入される快感が私の意識をバラバラにする。
「へへ!涎なんて垂らしやがって、この盲目ブタが!」
違う男が私の胸と乳首を両手でこねくり回す。
胸、乳首、クリトリス、そして『あそこ』…。
男達の激しい責めによって私の『女性』は限界を迎えつつあった。
お腹の中から何か得体の知れないものがこみ上げてくる。
「ああ!くる!!何かくる!!」
「イけ!いっちまえ!!」
あそこの機械が思いっきり突っ込まれる。
そして…!
「ああ…っ!あははああああああああああああああん!!!」
信じられない快感を伴って、私の意識が真っ白な世界に包まれる。
見た事もない世界、見てはいけなかった世界。
しかし、私は見てしまった。
私の暗闇のプロジェクターに投影される新たな世界を。
踏み込んではいけなかった禁断の領域を。
(…気持ち良かった)
それが全て、それが世界。
その意識が一瞬の理。
認めてはいけない『禁断の果実』
「はあっ!はあっ!はあっ!はあっ!」
私は息も絶え絶えに呆然としている。
何かが引っ掛かっていた。
それに気付いてしまえば全てが崩壊する『何か』。
それが何なのかが思い出せない…。
だが。
男達の陰湿な笑い声がその事実に暗い影を落としていた。
一体何がどうなったのか?
これからどうなってしまうのか?
「みさきちゃん…イっちまったようだねぇ…」
「!?」
その一言で私は完全に我に帰る。
麻痺していた神経が潤いを取り戻し、目の前に開かれた絶望が大きく私の前に
のしかかってくる。
「ぁ…あ…」
「こうなったらもう容赦はいらないよな…いい稼ぎ柱になってもらうぜみさき…」
そう酷く冷静な口調で男は呟く。
稼ぎ柱…?何?私は一体どうなってしまうの?…そうだ浩平君は?
浩平君はどうなってしまうの?私の巻き添えで浩平君にまで何かが
あったら…私は…私は…。
「…あ…の…」
私は勇気を振り絞って男に質問をする。
「ん?」
「あの…私はどうなっても…構いません…けど…浩平君は…浩平君にだけは
ひどい事を…しないで…ください」
「ああ?彼氏か?へっ!そんな状況になっても心配するとは大したタマだな
いいだろう『最後』の対面をさせてやる」
そう言って男は指を鳴らす。
同時に何者かが近づく音。
「せん…ぱい…」
私はその声を聞いて涙を溢れさせる
懐かしい…本当に懐かしい声…懐かしい匂い。
私は心の底から搾り出すようにゆっくり目の前の相手に語りかける。
「こう…へいくん…?」
「ごめんな…みさき先輩…俺…何の役にも立てなかった…ごめん…ごめんな…」
浩平君が涙声でそう答える。
浩平君の気持ち…浩平君のやさしい心が私の心を包み込む。
「私なら大丈夫だよ浩平君…心配かけてごめんね…」
「せんぱい…」
愛しかった。全てが愛しかった。
出来る事なら浩平君と抱き合いたかった。お互いの存在を確かめ合いたかった。
けど…。
今は出来ない。果たして出来る日は来るのだろうか?
いや、来て欲しかった。
「せんぱい…今は助ける事は出来ないけど…きっと…必ず…」
「…うん…待ってるよ…」
そして…それが限界だった。
「オラッ!感動のご対面はもう終わりだよ!」
「ぐあっ!!」
浩平君の悲鳴。そして。
「きゃあっ!」
私は誰かに蹴り転がされる。それと同時に周りに漂うきな臭い匂い。
何かが焼け付く音。臭気。
その全てが私に近づいてくる。一歩、また一歩と。
「さ〜て『人間』としての生活を終えるとするかみさきちゃん」
「!?」
その瞬間。
ジュウウウウウウウウウウウウ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!
「きゃ…っ!きゃあああああああああああああ〜〜!!!」
全身を振るわせる余りにも痛烈な衝撃が私を包み込む。
そしてそのまま。
私の意識が闇に消える。
後悔の念を抱えて。
伝えたかった想いを心に秘めて。
(浩平君…私はね…今まで言えなかったんだけど…浩平君の事が大好きなんだよ…。
ごめんねこんな時に…。私に好きだなんて言われても迷惑なだけだよね…。ごめんね…。
ごめん…)
…ここは一体何処なのか?
私は一体どうしてしまったのか…?
ただ誰かに責められている。
私の苦しむ姿を見て誰かが笑っている。
背中がずきずきする。
痛みが取れない。
背中を触ろうとしても触れない。
何で?どうして?
普通に立つ事も出来ない。
立とうとしても何かが抜けたように地面に崩れ落ちてしまう。
何で?どうして?
結局私の取れるポーズは犬みたいな格好。
小便も大便も足を宙に掲げてやらないといけない。
誰かの声が聞こえる。
私の姿を見て嘲笑する声が聞こえる。
ひどく、そしてとても楽しそうに呟いている。
「しかし盲目の肉奴隷とは…。考えましたな中崎さん…お若いというのに恐ろしい方だ
あなたは…」
「何、友人のアドバイスでしてね。『あいつ』がいたからこの計画は成功したんですよ
恐ろしいののはあいつの方です」
一体何を喋っているのだろうか?
私は密かに耳を澄ませる。
その瞬間。
ズンッ!!
「ぎゃぴィッ!!」
巨大な何かが私の中に強引に入ってくる。
めきめきと音を立てながら私の中を破壊しながら突き進む。
鼻息が荒い。
イヤな匂いがする。
一体これは何なのか?何に私はヤラレテイルノカ?
「ほう…今度は馬ですか?いやはやこれはこれは…あの奴隷はもちますかな?」
「これくらいで壊れてしまっては困りますね。世界中にはアレ以上の責めを行なう
ところはゴマンとあるのですからこれくらい慣れてもらわないと…」
私の意識は何者かの責めによってまた断ち切られようとしていた。
けど…私は諦めない。
浩平君…。
あなたの言葉信じてるよ…。
『せんぱい…今は助ける事は出来ないけど…きっと…必ず…』
その言葉…信じて待ってるよ…
信じて…いいんだよね…信じて…。
とある部屋で『俺』はあいつの帰りを待っている。
この数週間で俺の生活は劇的に変わった。
今なら大抵の欲求は満たす事が出来るだろう。
しかし自分でもこんなに上手くいくとは思わなかった。
あいつからその筋の仕事をしていると聞いて、はや一ヶ月。
確かにあの頃もそれなりに幸せだったのだろうが今の状況には
遠く及ばない。
これも俺に近づいて来た『あいつ』が迂闊だからいけないのだ
俺がいい人なワケないだろうが…。
そんな事を考えていたら正面のドアが開き人影が姿を現わす。
「おい『折原』」
入ってきた人物が俺の『名』を呼ぶ。
「どうしたんだ?怪訝な顔をして?」
「いや、別に…それより先輩の様子はどうだ?」
「先輩ってお前…今更何を言ってんだか…」
そう。
中崎の家が人身売買の仕事をしている事を聞き、この話を持ち出したのは
俺自身だった。
初めは軽い冗談のつもりだったが住井や南が聞きつけ、いざ決行と言う事になった。
先輩とわざと夜遅くまで学校へ残り、人気のない道路で先輩をさらわせたのも
全て俺の差し金。
先輩の自殺を食い止める為にさも捕まっているふりをしたのも俺。
先輩の処女をフィストファックで奪ったのも俺。
先輩の糞を無理やり食わせたのも俺。
先輩を縛り付け鞭で殴り付けたのも俺。
先輩との最後の約束に笑いをこらえながら語ったのも俺。
全ては、全ては甘美な思い出として俺の中に残っている。
「…何、ニヤついてんだお前?」
その言葉で我に帰る。
「いやなに…。で、どうだ先輩の様子は?」
その言葉を聞いて中崎はニヤリと微笑む。
「極上の肉奴隷に仕上がりつつありそうだ。しかも盲目と来てる。こいつは
センセーショナルだぜ折原。世界中から買いが殺到するだろうな」
「意識の方はどうだ?」
俺は続けて聞く。
「そこだよ折原。そこがみさきの凄いところだ。普通ならあそこまでされたら
とっくに発狂しているのが普通なんだが、みさきは狂わない。ことある事にお前の
名前を呼びながら理性を保っている。こいつは凄い事だぜ折原。まさかあそこまで
効果があるとはな。いやはやお前の知恵には頭が回るぜ」
「ふん…」
そう呟きながら俺はある種の寂寥感に囚われる。
先輩の身体。
初めて会った時から抱いた淀んだ欲望。
先輩を汚したい。
先輩を犯したい。
そしてその目的は成就されたはずだ。
でも…何かが足りない。
それは何なのか?
俺は先輩にこれ以上何を求めているのか?
それを知りたくなった。
いや知らねばならない。
「中崎」
俺は咄嗟にそう呟いていた。
その部屋は薄暗かった。
とても人間の住むところではない。そう『人間』の。
そしてそこに人間でなくなった生き物が生息していた。
両手、両足を切り取られ犬の様にしか歩けなくなったメス犬。
元から何も写さなかった瞳は暗く、そして淀んでいた。
背中の部分にマークが付いている、焼き鏝で付けられたその印が既に
先輩が『人間でない事』を如実に物語っていた。
そして俺は先輩の前に立つ。
犬のような姿になったみさき先輩。
屋上で初めて会った時から俺の心はみさき先輩に吸い寄せられていた。
『盲目』というハンデを乗り越え、なおも生き続けようとする先輩の姿に
俺の心は完全に奪われた。
そしてその心は独占欲という言葉となって俺を支配した。
その結果が今、目の前にある。
「これでいい」
俺は一人呟き安心する。
これで先輩は永遠に俺が所有する事が出来る。
先輩の儚さ、先輩の美しさを全て管理出来るのはこの世で俺一人だけなのだ。
これからもその美しさを永遠に保つ為に更なる拷問にかける必要があるだろう。
先輩の儚さを更に引き出さなくてはいけない。
そして、その作業を完璧にやり遂げられるのは俺だけなのだ。
そう俺は一人決意し、口の端を歪める。
その時、誰かの声が聞こえる。
助けを呼ぶ声。
儚い願い。
「…浩平君…信じて…信じていいんだよね…助けてくれるよね…待ってる…私待ってるよ…
浩平君を信じて待ってるよ…」
俺はその言葉を聞いて、有頂天になった。
先輩も望んでいるのだ。
俺に助けられる事を。俺に永遠に所有される事を。
だから叶えてやろうと思う。
先輩の言葉を。その願いを。
だから俺は心の中でこう呟く。
(信じていいぜ、先輩)
そうして俺は薄暗い部屋で先輩と永遠の盟約を結ぶ。
何も写らない瞳に俺の満面の笑みが映し出されていた。
とりあえず回します。
回します。
回してます。
回しています。
回します。
回しています。
回してます。
回します。
回してます。
476 :
ほかほか兄さん:2000/11/11(土) 22:30
これで全て完了です。
後編はこちらへ。
>>451-466
ちなみに前編はこちらです。
>>397-413
物凄い鬼畜系なので嫌いな方は絶対に読まない方がいいと
思います。
(特にみさき先輩好きの方は…)
また、何か思いついたらこちらに書き込もうかと思います。
では。
まさか、このような結末とは思いませんでした。良い作品でした。
478 :
だまーえ派:2000/11/11(土) 23:14
会社から帰宅して、飯食う前に覗いたらアプされてましたので、
食欲を忘れ、嬉々として拝読させていただいてました。
ほかほか兄さん氏は、どう思ってらっしゃるかわかりませんが、
ある意味、方向性の違うキャラ萌え作品だと思いました。
みさき先輩がとても良く書けてるので、ダーク内容の中にも
このキャラに対する愛情のようなモノが、下手なキャラ萌え作品よりも
強く感じましたが…見当違いかな。
ともかく、おもしろかったです。お見事!
あいかわらず上手いですな。
みさき先輩萌え〜…とか思った俺は多分外道。
あわてて感想書いたので、日本人やりなおしの箇所があります。
訂正いたします。
「させていただいてました」→「させていただきました」
「ダーク作品」→「ダークな作品」
スレの無駄使いです。すんません。ごはんたべてきます。
やっぱうまいですねぇ。
でも、最近こういった展開の話が増えてきているような気が…。
人犬とは懐かしい。舌は切らなかったんですね。
だから、誰か葉キャラも書いてやれよ・・・
>482
バイオレンスジャックかい…
…声でばれないのかな?
>485
野暮は言いっこなし。
487 :
名無しさんだよもん:2000/11/12(日) 00:47
河合我聞が週アスでWA買ったことを書いていたが
その後さっぱり音沙汰無いな…
芸能人のWA感想聞きたいぞ
ゴルァ(゚д゚)
スレ違いだ…
スマヌ。
打出汁能…
>>485 声色変えてたって解釈でいいんじゃない?
どうにでもなるよ。
様々なご意見ありがとうございます。
今後の参考にさせて頂きます。
後
>ほかほか兄さんとkagami氏はお友達ですか?
すみません、友達じゃないです。
あんまりSSの事詳しくないもんで…
ごめんなさい。
>このキャラに対する愛情のようなモノが、下手なキャラ萌え作品よりも
>強く感じましたが…見当違いかな。
実はみさき先輩は一番の萌えキャラです。
まあ、禁断の果実って事で…。
>でも、最近こういった展開の話が増えてきているような気が…。
すいません。
どうにもこういうのしか書けなくて。
ギャグ書ける人がうらやましいです。
>…声でばれないのかな?
そういやそうかも知れませんね。
489さんの仰る通り何処かで「声色を変えた」って
言わせてれば良かったんですが…。
そこまで気が回りませんでした。
全員の方にレス出来なくて申し訳ないです。
とにかく皆さん、読んで頂いて本当にありがとうございます。
では。
兄さん最高ッス。しっかりオカズにさせて頂きました。
ところで今日、鯖移転前のSSスレの過去ログ読んでたんですけど、
いやー、レベル高い高い。マジでびびりました。
私、SSスレは新鯖移転後の新参なんで、全然知らなかったっす。
修行の必要性をしみじみと実感した今日この頃でした。
感想下さった方ありがとうございました。
最後の方はああいう観鈴を見たかったのでついつい入れてしまいまひた。
しかし嵐馬ネタ分かる人結構いるんですね…
○AIRのわかりやすいあらすじ
「観鈴!」「お母さん!」
橘敬介が鎖鎌を握った!(わからん)
493 :
名無しさんだよもん:2000/11/14(火) 07:30
「…あんまり、見たら嫌だよ…」
494 :
名無しさんだもんよ:2000/11/14(火) 07:33
20世紀も後わずか
495 :
鬼ちゃんねる@あなどれない。:2000/11/14(火) 07:39
今後一切、あなどれない。
496 :
名無しさんだよもん:2000/11/14(火) 07:41
そんなに酷いんですか…
497 :
名無しさんだよもん:2000/11/14(火) 07:46
キミが元祖か…
498 :
名無しさんだよもん:2000/11/14(火) 07:47
もうすぐテレホも終わるねぇ
499 :
名無しさんだよもん:2000/11/14(火) 07:49
言われてみるとそうだよね
500 :
名無しさんだよもん:2000/11/14(火) 07:50
うわぁぁぁ!そうだった。
501 :
名無しさんだよもん:2000/11/14(火) 07:53
なるほど、そうでしたか…
502 :
名無しさんだよもん:2000/11/14(火) 07:55
「さあ栞、こっちへおいで…」
「いやあッ!祐一さん許して!!」
俺は栞を連れて夜の公園に来ていた。
栞の病気を治す特効薬を与えてやる為だ。
俺の計算が正しければ必ず栞の病気は治るはず。
そしてその後に待っているのは栞との幸せな生活。
俺はその事を考えると居てもたっても居られなくなる。
「栞…大丈夫だ…。俺を信じてくれてさえ居ればお前は絶対に幸せになれる…」
「でも祐一さん…。こんな…こんな格好」
そう。
俺は栞に荒縄を縛り付け、たった一枚のコートだけを着せて、この公園に来ていた。
何と言っても今は冬の真っ最中。
寒くないはずがない。
だが、栞にはこの程度の事、我慢してもらわなくてはいけない。
『良薬、口に苦し』という言葉があるように、栞の難病を治すにはそれなりの苦痛をく
ぐり抜けて貰う必要が有るからだ。
それが栞の為。そして俺達の幸せの為。
「さあ、栞…。まずはこの中へ入るんだ…」
そうして連れて来たのは公園の男子便所。
薄汚いその内部は蝿が飛び交い、ゴキブリが平気で這いずり回っている。
栞はその光景を見て、ガチガチと歯を鳴らしながら震えている。
俺はそんな栞を大便用の一室に無理やり押し込む。
「いやッ!な…何をするの祐一さん…?」
嫌がる栞を押さえつけ、俺は栞が身に付けているコートを無理やりはがす。
「きゃあッ!」
栞が寒さと恥ずかしさの余り、身を縮こませる。
だが俺はすかさず栞の両手を掴み、前もって用意していたロープで栞を大便器の前に
縛り上げる。
「祐一さん…!やめて、やめてぇッ!」
じたばたと暴れるので、ロープが上手く結べない。
仕方がないので俺は荒療治で栞を大人しくさせる事にする。
バシッ!バシバシッ!
「きゃあッ!」
俺の平手打ちによって栞が涙をポロポロ零しながら大人しくなる。
その目は俺に対する明らかな恐怖がありありと写っていた。
確かに今は理解されないかも知れない。
だが、今にきっと解る。
栞が俺に感謝する日が必ずやって来る。
そう確信した俺は栞の両足をM字開脚にさせ、更に縄で目一杯結びつける。
「ああ…」
栞が恥ずかしさの余り、顔をうなだれながらそう呟く。
荒縄からはみ出した幼くも綺麗な胸。
開脚させた事によって露になった秘部。
全てを曝け出した栞は俺が想像した以上に淫靡で美しかった。
後は仕上げだ。
そう思った俺は鞄の中からマジックを取り出す。
薬を注入する場所を明確に書き込んでおかないと、間違った場所に注射される恐れがある。
それだけは避けなくてはいけない。
俺は真剣な顔つきで栞の身体にマジックで書き込む。
「祐一さん…こんな…。助けて…勘弁して…」
栞の訴えを退け、俺は書き込みを終了させる。
口の近くの頬には『小便』、秘部近辺の太腿には『スペルマ』。
しかも矢印入りで記入しておく。
これだけしっかり指示しておけばそうそう間違える事はないだろう。
俺の計算が正しければこの配合で栞の病気は相当改善に向かうはずである。
「…うッ…うッ…」
嗚咽を漏らす栞を無視して、俺は軽い足取りでその場を立ち去る。
この公園はただでさえ『薬』の所有者が多く住んでいる。
あんな姿を見て、提供しない男がいるとは思えない。
明日が楽しみだ。
翌日。
俺は急いで栞を放置していた公園に急いでいた。
何故か?
俺がとんでもない間違いを犯してしまっていた事に気付いたからだ。
今の俺は洗脳の解けた狂信者。
そう、昨日の俺はおかしくなっていた。それは認めざるおえない。
そしてその事を懺悔する為にも俺は急いで栞を連れ込んだトイレに駆け込む。
そこには栞が。
浮浪者に散々嬲られた栞の姿があった。
全身にスペルマが塗りたくられ、小便、大便…、ありとあらゆる汚物が栞の身体に
注がれていた。
栞の瞳はもう何も写さない。
その光景が昨日の凄惨さを際立たせていた。
俺は急いで栞の頬を叩く。
俺は何て事をしてしまったのだろうか。
一生悔やんでも悔やみ切れない。
(神様お願いだ、もう一度チャンスを、栞を救うチャンスを俺に…!)
俺はそう天に向けて祈る。
「…う…うう…」
そして祈りは通じた。
栞がうっすらと目を開け、こちらを見ている。
「…ゆういち…さん?」
俺は歓喜の表情を浮かべて栞に抱きつく。
「ごめん…、ごめんな栞…、俺が…俺が間違っていた。こんなやり方で病気が直るなん
て…、狂っていた…狂っていたんだな、俺は…。ごめん…ごめんよ…」
俺は全身全霊を持って栞に許しを請う。
信じてもらえないかもしれない。
許してもらえないかも知れない。
だが俺にはこの方法しか残されていない。
俺は汚臭漂う栞を抱き寄せながら、涙ながらに謝る。
その光景を見た栞はその凍てついた心を除々に氷解させ、俺に純真な瞳を向けてくれる。
「…いいん…ですよ…ゆういちさん…。解ってくれただけで…嬉しいです…」
そうして栞は天使の微笑みを浮かべながら、俺の罪を許してくれる。
救われた。
許してくれた。
俺は神に向かってこの奇跡に感謝する。
いや、神の遣わした使者こそがこの栞なのかもしれない。
そして俺は懐から例の道具を取り出し、新たな決意を誓う。
もう『間違い』はしない…と。
「いやあ!やめて下さい、祐一さんッ!」
俺は今度こそ間違えないようにマジックで昨日の書き込んだ場所や注射の指示を冷静
に訂正する。
昨日は口内に『小便』、膣に『スペルマ』と書き込んでしまったが、これがそもそもの
間違い。
正しくは口内に『大便』、膣に『スペルマ』で、昨日使っていない肛門に『小便』だった
のだ。
これは俺も迂闊だった。
間違って栞の病気を悪化させてしまう危険性があった事を考えると冷や汗が流れる。
薬の使用療法のミスが世間を大きく騒がしているのを他人事のように見ていたが、全く
人の事は言えない。
俺はその事を考えると苦笑してしまう。
「よーし、出来たぞ栞」
そして書き込みは終了する。
完璧だ。
この通りに注射をしてくれれば、栞の症状はあっという間に快方へ向かっていくだろう。
栞も喜びの余り、顔を俯かせて嬉し涙を流している。
「全く、栞は照れ屋だなあ」
俺はさわやかにそう返す。
そして俺は踵を返し公園を後にする。
これで栞の病気は間違い無く快方へ向かうだろう。
明日が楽しみだ。
翌日
俺は急いで栞を放置していた公園に急いでいた。(以下略)
回します。
回してます。
回しています。
回します。
回しています。
回してます。
回しています。
回してます。
回します。
518 :
ほかほか兄さん:2000/11/14(火) 14:19
回し終了です。
えーと唐突に思いついたので書いちゃいました。
また栞モノです。
しかもまたまた鬼畜ですので、その手のが嫌いな方は
読まない方がいいかも知れません。
新しいのは
>>503-508です。
では。
>>503-508
ワラタ。って、それでいいのか自分。
前回の「笑顔」につづいて今回も意外な結末…、ナイスだ!
でも意外性だけで引っ張っているような気もしないでもなくて。
もうちょい練れたかも。
お茶と煎餅で一息ついているときに何気にアクセスすると、お誘いの書きこみが…
最初、構えて読んでいただけに、このオチにはやられました。
栞ちんが、「とりぷるぴんち」で救われるのか、
無間地獄に囚われ続けているのかは、解釈の分かれるところですね(笑)
おそらくは、氏もSSというよりはネタに近い物として書かれたのだろうと
思いますが、その中にも、さりげなくAIRとの関連づけをパロディのエッセンスに
加えた(んですよね?違うかな)あたりがなかなか洒落てるなぁと思いました。
今回も楽しませていただきました。
今回は完全にギャグだったけど、それはそれとして、いいかげん鬼畜SS専用スレ立てたら?
やっぱ嫌がる人もいるだろうし、その辺を承知の上で書いてるんだろうし。
今のままじゃ嫌がらせ目的と思われてもしょうがないよ?
各種SSごった煮じゃあ、進行も早すぎると思うし。
1の煽り文
>葉鍵のネタならなんでもOK!
>よろずSSスレッドスタート!
>やっぱ嫌がる人もいるだろうし、その辺を承知の上で書いてるんだろうし。
>今のままじゃ嫌がらせ目的と思われてもしょうがないよ?
嫌な人が読まないような配慮がされていない場合ならともかく、
ルールに沿った提供がされている以上、この意見はただのわがまま。
ここはガキのくるところじゃないよ。
トップ20ならまだしも、20より下になると問答無用で目に入るんだもんよ。
ま、考えてみれば俺は1じゃないもんな。外野が勝手なこと言って悪かったね。
葉OHP掲示板のしゅたいなぁのSS読んでるかーい?
>ほかほか兄さん殿
毎度、面白い作品を有り難うございます。
今回もオチが結構楽しめました。助けるかと思いきや、実は書き間違いの訂正。
次回作にも期待しておりますのでお願いします。
そういえば、この作品は「萌えシチュ」スレにあった「栞ちんぴんち」を踏ま
えたものなのでしょうか…?
失礼なことを聞くようで申し訳ありません。
皆さん、様々なご意見ありがとうございます。
今後の参考にさせて頂きます。
後、質問の方のお答えですが。
「萌えシチュ」スレにあった「栞ちん、ぴんち」というのは
当初、栞スレに書き込んであった「桃」というSSを他の方がタイトルを変え
コピペしたものです。
で、そのタイトルを私が気にいってしまい、別のシチュエーションで
書いたのがこの「栞ちん、だぶるぴんち」なんです。
当初はただのネタ用だったんですが書き進める内にあのオチを思いついて
しまい、有る意味鬼畜なのかギャグなのか良く解らないモノになってしまい
ました。
また他の方が仰る通りもっと練って長編にしても良かったんですが元がモトなので
書いてる最中には気がつきませんでした。
とりあえず書いた経緯としてはそんな感じです。
後、別の方が仰る通り、鬼畜ネタが続いているので今後は若干
押さえ気味にしようかと思います。
まあ、力が及ぶかどうか解りませんが…。
また何か思いついたら書き込もうかと思います。
では。
529 :
名無しさんエクストラ:2000/11/15(水) 23:45
圏外は忍びないage
530 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2000/11/17(金) 14:45
さすがに下がりすぎ。
フォロー上げ。
こっそりリクエスト。
>高野山の呪いだよもん 様
「名雪萌えSS(テーマ:屁)」とゆうのは如何でしょうか。…だめ?
憂さだ氏のう
>531
こっそり了承。その挑戦受けさせて頂こう。
私的に「屁」は美しくないので、「放屁」に変えさせて頂く。御了承あれ。
しかし、なゆきすとの皆様には、重ね重ね申し訳ない。
まあ、これも高野山の呪いの仕業ということでひとつ。
しかし屁はともかく(笑)、名雪ってのがキツい。既に二本も書いちゃったし。
できれば気長に待って下さい。なお、萌えネタを思いつかなかった場合は、
「名雪フェチSS(テーマ:放屁)」をお送りする予定です(w
>>533 そのネタで舞がいいです。
名雪は堪能させていただいのでおなかいっぱいです。
夜の学校で静かに響く屁の音が…
舞に変更していいですか?(w
536 :
名無しさんだよもん:2000/11/19(日) 01:33
沈み過ぎなのでage
つーか、いいのか?
了承(1分)
538 :
名無しさんだよもん:2000/11/19(日) 17:03
「・・・くさくさスカンクさん」(YESの意)
第五話 レジェンド
ミナセ家の作戦本部件居間にて。
「…何か変わったことはありませんでしたか?」
アキコさんが問う。
「はい…、いくつか…」
「教えていただけますね」
「俺のほうにもいくつか聞きたいことがあるので、順を追って説明します」
「わかりました」
一つ目は学校でのカオリのこと…、そしてもうひとつ。
マコトと名乗る戦士との遭遇戦。
そのコンタクトは、俺にとってあまりにエニグマ(謎)なのだ…。
それは今日の学校からの帰り道に起こった。
先刻のカオリとの一件の後、俺はまたもや地理を把握しておこうと駅前に広がる市場に足を向けていた。
前の反省もあり、最低限のマッピング道具は用意してある。だが、それを必要とすることは結局一度もなかった。
ところどころ細い裏道のようなものはあったが、様々な人間や店舗が並ぶ市場の概要を把握するのには、学校ほどの苦労はなかったからだ。
露天で購入したピロシキを齧りながら、当てもなく歩きつづける。
この目に映るのは、満ち足りた平和と、その平和を疑うことなく謳歌する生き生きとした市民の姿。
この耳に入るのは、生気に満ちた店主のがなり声、そして無邪気な子供達の笑い声。
この穏やかな雰囲気は、アキコさんの言ったことがまるで嘘のように感じさせる。
ふと、思い出して空を見上げてみる。
低い雲の垂れこめた空は、しかし、言われた者にしかわからない不吉な違和感に包まれていた。
それは確かに、この空が造られたものであることを示している。
だが、それを知る一部の人間以外は、この空こそが自然の空だと思っていることだろう。
造られた空の下で、それとは気づかないまま、あまりに不安定な生活を繰り広げる人間達。
そう思うと、なんだか妙な感慨が訪れた。
(不安定って意味では、俺も同じかもしれないな…)
そして、市場の山よりの地域に入ったとき、それは既に始まっていた。
まず変化は空気に起こった。
穏やかだった雰囲気が、何の前触れも無く殺伐としたものに変わったのだ。
最初はこちら側に近づくにつれて人が少なくなってきたからと考えたが、山に近づくにつれより激しく神経を刺激するようになってくるのを感じ、考えを改めた。
誰かが俺を見ている。
好意やそういったものとは明らかに違う感情を持って。
気づかれないように辺りを見回すが、それらしき人影はない。
いざと言うときのため、得物の確認をする。
今度は奪われないように。
しだいに気配は路地裏のある一点に集中し始める。
どうやら、俺を誘っているらしかった。
警戒しつつ、その路地裏に踏み込む。
そこに、小柄な人影が一つ。
「やっと…、見つけた」
その人影は、被っていたマントを払い除けると、にわかには信じられないスピードで接近してきた。
手には何も持っていない。どうやら肉弾戦を挑んでくるようだ。
それは、軽く跳ねると、その勢いを殺すことなく飛び蹴りを仕掛けてきた。
俺はそれを難なくかわす。
すれ違うときに確認した顔と、先ほどの声質から、どうやら同年代の女の子らしい事はわかったが…、いまいち解せない。
(なぜ俺を狙うんだ?)
そんなことを考えてはいるが、体が勝手に反応している。
振り向きざまに、腰から抜いた三本のクナイを着地点に向け投げつける。
クナイよりも一瞬速く着地した相手は、反動を利用してまるでばねのように跳び上がった。
「そっちか!」
空中で無防備となった相手に向けて、本命のクナイをもう二本投げつける。
どれも相手の急所をはずすように狙ってはあるが、戦闘能力を奪うには十分に力を持っているはずだ。
だが、それが着弾するその瞬間、相手の姿が掻き消えた。
「!」
壁を足場として空中で方向転換をしたらしい。
俺は慌てて相手の姿を確認しようと辺りを見回した。
しかし、そのときの俺に見つかったわけはない。
相手はすでに俺の死角、背後の上空にいたのだから。
そして、その冷静な目は俺の無防備な頚椎を狙う…。
バキィッ!
鈍い音が響いた。
だがしかし、それは俺の頚椎が折れた音ではない。
「…変わり身?」
少女は呟いた。
「なかなか、やるわね…」
彼女が蹴り砕いたのは、変わり身の木偶人形だったのだ。
「こっちだって、正体不明の女の子に頚椎砕かれるほど、やわでもないんでな」
「!」
「おっと、動かないほうがいい。ドカンといきたくなければ、な」
「! ブービートラップ?」
「その通り」
俺は脱出する寸前に、木偶人形の周りに特殊なワイヤーとC4(殺傷力は極力抑えてあるが)でトラップを仕掛けておいたのだ。
「さて、少し質問をしたいのだが…」
だが、彼女はこちらの言うことなど聞かないかのように、右手を高く掲げた。
そして、ひとつ瞬きをしたら状況は一変していた。
「…今度は、避けないのね」
「殺気がなかったからな」
もしあったとしても、これを避けきれた自信はない。
知らず、背中に冷や汗が落ちる。
彼女は右手を振り下ろすという行為のみで緊張したワイヤーを断ち斬ると、実際に目にとまらない速さで後ろに回りこんでいたのだ。
「まったく、こいつといい、カオリといい、何で今日は敵でもない人間に襲われなきゃいけないんだ」
俺は、ゆっくり振り向きながらそう言った。
振り返るともうそこに姿はなかった。
「…なら、せめて名前だけでも教えてくれないか?」
虚空に問う。
(マコト…)
(マコト・サワタリ…)
(私の名は…マコト…)
「…ということです」
「カオリ…、マコト…、どちらも聞いたことのない名前ね」
アキコさんは紅茶の入ったカップに口をつけた。
「それでも、貴方ほどの人が敵だと感じ取ってないのなら、実際にそうなのでしょう」
「だといいのですが…」
敵でないとすれば味方という単純な方程式は成り立たない。
相手が自ら味方だと宣言していても、だ。
味方はどこまで行っても味方のことであり、敵ではない人間を指す言葉ではない。
二人とも実力は確かなものであるが作戦の遂行に役に立つかどうかは定かではない、ということだ。
「話を聞いた限りですと、まだ続けているようですね」
「何を…ですか?」
「不殺(ころさず)の信念」
「それは…、単にそうする必要がないだけです」
俺はそう答えた。
「ユーイチさん、優しいのは大変結構なことですが、その優しさは時に命取りだということを忘れないでくださいね」
「…忘れたことはありません。今の今まで、続けることができたんですから」
「それでも、命の危険の前では引き金を引くことにためらってはいけません」
「…俺は」
「悲しいけど、これは戦争なんです」
俺の言葉は遮られてしまった。
「悲しいまでに単純な、滅ぶが生き残るかという二者択一なんです」
「…了解、しました」
彼女の言葉には重過ぎる実感が込められているように感じた。
「それでユーイチさん、これからの活動ですが」
「…潜入活動及び内部撹乱(かくらん)なら大の得意です」
「いえ、そうではなくて…、確かに潜入ではあるんですが」
「はい…」
俺は固唾を飲んでアキコさんの言葉に耳を傾けた。
「今夜」
「今夜…」
「学校に行ってナユキのノートを取ってきてもらえませんか?」
初めて味わうミナセ家のテーブルは、堅かった。
「ナユキは現在調達作業に多忙でして、どうしても、というのですから…、あら、たんこぶ」
「調達作業って…、おつかいですよね? それなら、別に帰りでもいいのでは…」
「どうしても、だそうですよ。一応、上官の命令にもなっちゃうんですが」
「ぐ…、りょうかい、しました…」
今日ほど上官命令に逆らえないようになっているこの体を恨めしく思ったこともそうそうない。
ナユキめ、明日吊るしてやる。
「…いま、妙なこと考えませんでした?」
「(ぎく)アキコさん、それは幻聴です」
「ふふ…、それでは、よろしくお願いしますね、ユーイチさん」
「わかりました。しばらく部屋で休憩してきます」
晩御飯の後でも構いませんからね、という声を背中に聞きながら、俺は二階の部屋に向かうのだった。
そいでは回します。
回してる間も
何かネタでも書いて
皆様を楽しませることができれば
いいのですが、
いかんせん僕は
自称キャラ萌えから一番離れた
SS書きですので…。
変な回し方…。
Капоп 〜あ・ごーすと・いん・ざ・しぇるたー〜
第六話
>>539-546
「章」から「話」に変わりました。
…なあ、これ、面白いのか?>539-546
どうもキャラが違うような気がするんだが…(特に秋子さん)
何かのネタがあるのかもしれんけど、よくワカランので余計につまらん。
こんなのはテメエのサイトか、どこぞに投稿(寄稿)でもやってくれ。
ネタは甲殻機動隊?
たしか英語名がゴーストインザシェルだったような記憶が。
こ〜ゆ〜パロ系も俺は好きなんだが。
がんばってくださいな > 作者さん
今日は浩平君とデート。
お母さんの手を借りて、目一杯おしゃれをする。
「…どう?似合ってるかなあ、お母さん」
「ええ可愛いわよ、みさき」
私は盲目だから今自分がどんな格好をしているのか良く解らない。
けど、お母さん、お父さんや雪ちゃん、そして浩平君に導かれて
何とか普通の生活を送れている。
今のこの格好だってお母さんが『大丈夫』だと言ってくれているから、
きっと大丈夫。
何故か?
それは『お母さん』だからだ。
ピンポーン
ふとそんな事を考えていたら、呼び鈴が鳴る。
私は期待半分、緊張半分で知り尽くした家の玄関先に向かう。
そしていつもの口調でこう答える。
「はーい、開いてますよー」
その声を合図に玄関が開き、いつもの馴染みある気配が玄関の中を覆い尽くす。
「おーい、先輩。迎えに来たよ」
大好きな声。
この世で一番大切な人の声。
「うん、待ってたよ。浩平君」
そして私は満面の微笑みを称えてそう返す。
「お?先輩、今日はいつもと違うな」
その瞬間、どきりとする一言。
(いつもと違う、いつもと違う…)
私は浩平君の言葉を頭の中で何度もリフレインする。
もしかしてヘンなのだろうか?
でもでもお母さんは『大丈夫』だって…。
でもお母さんと浩平君とじゃ私に対する見方が違うかも…。
そんな疑問を一人で投げかける中、浩平君の声がぽそりと聞こえる。
「うん、すっげー似合ってる。可愛いぜ先輩」
意外な一言。
嬉しすぎる発言。
その浩平君の一言を聞いて、私の頭に桜吹雪が舞い落ちる。
(可愛い…かわいい…可愛い…かわいい…)
だが、困った事に今度は別の言葉に私の脳は支配される。
悲しいくらい頬を赤くして、俯いてしまっているのが解る。
「…おーい、先輩?」
その私の姿を見て、戸惑ったような浩平君の言葉。
私も何かを答えなきゃと思い、必死に返す言葉を探す。
だが、パニック状態で適切な言葉が出て来ない。
「えーと…えと、えとね、浩平君…」
私が必死になって言葉を捜している最中。
ポン。
私の肩に誰かの手が載せられる。
これは触り慣れた手。
お母さんの手。
「折原君、それじゃあ娘の事をお願いしますね」
「あ、はい。任せて下さい」
そんな会話を聞いていたら先程の動悸が面白いくらい綺麗に消えて行った。
お母さんにはかなわない。
心の底からそう思う。
「ほい、それじゃ先輩行こうか?」
「うんっ!」
そして浩平君の手を取る。
優しい心が全身を通って伝わってくる。
「娘の食事代は後で払いますので、思いきり楽しんできて下さいね」
そんな私をずっこけさせる、お母さんの発言。
「もう〜、私そんな大食いじゃないよ〜」
「ハハ…」
そんな私の言葉を聞いて苦笑する浩平君。
そう、全ては始まるのだ。
この時、この瞬間から。
思い出作りという冒険の旅が。
「じゃあ、先輩。今日は何処に行きたい?」
「うーんとね…、それじゃあ…」
と答えながらも、正直な話、私は何処でも良かった。
どんな時、どんな場所でも浩平君と一緒なら、いつまでも楽しくいれる。
何処までも楽しくやれる。
「そんじゃあ…、海でも行こうか?」
「うん、それでいいよ」
「オッケーッ!じゃあ、出発だ!」
そう言って、浩平君の乗ってきた車が激しいエンジン音を響かせながら、走り出す感触を
得る。
(海か…)
私は思いを馳せる。
遠い昔、私がまだ小学生だった頃に家族に連れられて行った記憶を手繰り寄せる。
眩しい太陽。
焼けるように熱い砂。
そして紺碧に染まった美しい海面。
私はその中を縦横無尽に走り抜け、まだ見ぬ未来に向かって瞳を輝かせていた。
全ては懐かしくも美しい思い出。
だがその時、私は肝心な事に気付く。
(『アレ』がない。『アレ』が無ければ、海に行っても存分に楽しめないんじゃ…?)
私はそう結論を弾き出し浩平君に語りかける。が。
キキーッ!ゴンッ!
「うわッと、危ねえなあ今の車…、危うくぶつかるところだった…って!先輩、大丈
夫か!?」
顔が痛い。
特におでこの辺りがじんじんする。
思わず涙目になる。
「…ふえっ」
「先輩、すまんッ!シートベルト付けさせるのをすっかり忘れてた!今のは俺の一生の不
覚だ!この通りだ、謝る!」
浩平君の謝る声が聞こえてくる。
私の一番大事な人の声が。
その何とも誠実さを織り交ぜたユーモラスな謝罪の言葉を聞いていると、私の痛みも除々
に和らいでくる。
人間って不思議だ。
「大丈夫。大丈夫だよ浩平君。いきなりだったからビックリしただけだよ。それよりも
ね浩平君、私重大なミスに今気付いたんだよ」
そして私は先程出した結論を浩平君に語る。
「え?何だ、ミスって?」
浩平君も神妙な言葉遣いで私の言葉を待つ。
「水着だよ、水着。海といったら水着だよ。私今日は水着を持って来てないよ。どうしよう、浩平君?今から家に取りに戻る?」
そう喋った後、不思議な沈黙が車内を包む。
あれ?
私、変な事言ったかな?
そう心の中で呟いたのと同時に浩平君が一言、言葉を漏らす。
「…先輩、こんな季節に海水浴する気か?」
「…………」
私は浩平君のその返事を聞いて、急速にここ最近の日常を思い出す。
そう言えばまだ桜の香りが風に乗って運ばれて来ていたような…。
しかも今着ているこの服はごわごわしている。
と、言う事は今の季節って確かまだ春。
「…あ」
と言う呟きを漏らしながら、我ながら物凄く間抜けな発言をしてしまった事に今、
気付く。
そして嫌な考えが頭の中を支配する。
『盲目』でなければ。
目が見えていればこんな失言をしないで済んだのだろうか?
そう思うと何となく鬱な気分になってしまう。
私は車のアイドリングの音にじっくり聞き耳を立てながら、次の言葉を探す。
だが困った事に、気の利いた言葉がちっとも出て来ない。
(えと、えと…)
これでは今朝の玄関先での失態をまた演じてしまう事になる。
私は夢中になって頭を捻る。その時。
「…でも、先輩のビキニ姿なら是非見て見たかったかもな」
「…え?」
私の虚を見事に突く思いも寄らない発言。
脳内が活性化され、動悸が激しくなり、頬が燃えるように熱くなるのが解る。
「そそそんなッ!私の水着姿なんてそんな良いもんじゃないよぉ!最近体重増えたってお
母さん言ってたし、スリーサイズだって…!」
そう自分でも解るくらいあたふた答えていると。
ゴンッ!
また何かにぶつかる。
痛い。物凄く痛い。
「…今のは…俺が悪くはないと思う」
どうやら車内の何かにまた頭をぶつけてしまったようだ。
「う〜…」
「いや、『う〜…』と言われても…」
そう答えながらも、浩平君の手が優しく私のおでこを撫でてくれる。
「あ…」
浩平君の慈しむ心が私の中に響き渡る。
それは美しいハーモニーとなって先程の鬱な気分いつのまにか隅の方に追いやってしまう。
「…ありがとう浩平君」
そして、そう答えた後。
「プッ!」
どちらともなく笑い声が響く。
お互いの心が通じ合っているのが解る。
心の灯火が花火のように美しく瞬いているのが解る。
私はすっかり平静を取り戻した。
「…それで先輩、体重とスリーサイズが何だって?」
「もう、浩平君ったら…。知らない!」
こうやって、交わす会話こそが日常に埋まっている大切な宝石。
私達は手と手を取り合って、その宝石を見つけ出す事が出来る。
私と浩平君が紡ぎ出すかけがえのない宝石を。
波の音が聞こえる。
潮の香りを感じる。
「よーし、先輩。着いたぞ」
そして浩平君の声が聞こえる。
風に乗ってやって来る、さざなみの調べが心地いい。
到着したのだ。
七年ぶりの海へ。
車はそのまま進み、程よく止まる。
ガチャッ!という音と共に扉の開く音が聞こえ、浩平君の手が私の身体を誘導する。
「はい。立てるか先輩?」
「うん、大丈夫だよ」
私は浩平君に引っ張り上げられるまま、その場に降り立つ。
「…ところで、ここは何海岸って言うの?」
浩平君と手を繋ぎ、砂浜を散歩しながら私は浩平君にそう尋ねる。
「ここ?う〜ん、確か『錦ノ浜海岸』って言う所だと思うけど」
「錦ノ浜?」
私は驚きながらそう返す。
錦ノ浜海岸と言えば私が七年前に連れて行ってもらった所と同じ所だった。
季節の違いが有るとは言え、私はあの時の私と同じ場所に立っているのだ。
そう思うと何とも感慨深かった。
「おっ!」
そう一人で考えていたら、浩平君が何事か叫ぶ。
「どうしたの浩平君?」
「いや、こんな季節だってのにあそこでアイス売ってるんだ。どう?先輩食べないか?」
「うん、食べる」
私は即答する。
アイスクリームは私の大好物の一つだ。
「おーし、買ってくるか。先輩は何がいい?」
「私は普通のバニラでいいよ」
「おっけー、そいじゃちょっとひとっ走り行って来るな。そこを動かないでくれよ、
先輩」
「うん」
そして浩平君の気配が私の周囲から消える。
私は一人、潮の香りや波の音を聞きながら、海岸の雰囲気に浸る。
春らしい暖かさを感じさせる風と、足元から感じられる砂の感触が心地いい。
(私…、海に来てるんだね…)
そう、感じずにはいられなかった。
その時、私にフィードバックするあの時の記憶。
あの夏、この海岸を走り抜けた思い出が今度は私の中を走り抜ける。
大きな瞳をキラキラさせながら、目一杯、夏という季節を楽しむあの時の自分。
そして、私はふとした好奇心に駆られる。
今でも走れるだろうか?
光りを失った今の私でもこの海岸を思う存分走る事が出来るだろうか?
昔の私になれるだろうか?
そう思い立った私は二歩、三歩、砂を踏みしめながらゆるやかに歩き出す。
吹き付く風が気持ち良い。
私はその快感を楽しむ為に除々に除々に速度を速めて行く。
「えっほ、えっほ」
調子づいた私は遂に学校に通っていた時と同じ速度で海岸を走り抜ける。
ひどく懐かしい感触が私を支配する。
季節の違いが有るとはいえ、今私はあの時と同じ様にこの砂浜を走り抜けている。
その不思議な感覚に私は酔いしれる。
私は調子に乗って、更に速度を早める。
だが、それが命取りだった。
ガッ!
「あ…!?」
そう思った瞬間、私の身体が宙に投げ出される。
足元に転がっていた『何か』に蹴躓いてしまったようだ。
頭の中に描いていた映像が突如フラッシュバックし、漆黒の闇に塗り替わる。
そして宙に舞っている間、私はある事を考える。
(目が見えないんだもん…。蹴躓くのは当たり前だよね…)
それは過去の自分への決裂。
悲しいが認めざる負えない永遠の別離。
「先輩ッ!」
向こうから浩平君の声が聞こえる。
背中が痛い。
頭がガンガンする。
どうやら全身をしこたま打ってしまったようだ。
そんな私を優しく抱き起こしてくれるあの人の手。
私を慈しんでくれる一番大事な人の手。
「…ったく、心配したぜ先輩。ちょっと目を離した隙に居なくなってるんだもんな…。
一体何があったんだ?」
そうやって私の今回の件の理由を聞いてくる。
だが、私はそれに対して何も言えなかった。
ただ口を閉ざし、足元を見つめるだけだった。
「…先輩」
そんな私を見て心から心配してくれる浩平君。
解っている。
浩平君は何にも悪くない。
ただ私が馬鹿すぎただけ。
そして馬鹿すぎる理由故に口を開けないのだ。
一体、何と答えればいいのか?
何と答えれば浩平君は納得してくれるのか?
今の私には全く解らなかった。
ただ、目から涙が零れ落ちるのが解る。
何かとてつもなく悲しい出来事が私を襲った事だけは解る。
「せんぱい…。先輩!?」
どうしてこんなに悲しいの?
ちょっとした事。
ちょっとした事のはずなのに…。
そしてその涙をどんどん激しさを増し、遂には号泣と言うレベルにまで達する。
「うっ…、うう…、うわああああああああああん!浩平く〜〜〜〜ん!」
私は恥ずかしさを忘れて浩平君に抱きつく。
浩平君はそんな私の心境を察してくれたのか、力一杯私を抱き寄せてくれる。
私は赤ちゃんのように飽きるまでその場で泣き尽くした。
「…落ち着いたか、先輩」
「…うん」
どれだけ時間が経ったのか解らない。
ただ、ようやっと私は普通に話せる状態に戻っていた。
何がここまで私を悲しませてしまったんだろうか?
ただ走って…、ただ転んだだけの私がどうしてここまでショックを受けなくてはならな
いんだろう?
正直、こんな事は初めてだった。
「…悪かったな」
ポソッと浩平君が呟く。
「え?」
「…海に来るべきじゃなかったな。別の場所だったら…、こんなに先輩を悲しませる事も
なかったのに…」
心底申し訳ない言い方で浩平君が私に詫びる。
私はその言葉を聞いて、慌てて否定する。
「そんな…!浩平君は悪くないよ…。駄目なのは私。何時までも過去を引きずってる私…」
そう、自分で言って初めて気付く。
何故こんなに悲しかったのか?
何故ここまで激しく急き立てられてしまったのか?
その原因が全て目の前にあった。
「…私ね」
そして淡々と先程の心境を浩平君に語る。
この場所が昔遊びに来た海岸だった事。
昔と同じように走れるかどうか試して見た事。
そして、その行為が見事に失敗に終わった事。
私は淡々と浩平君に語る。
浩平君はただ息を潜めて私の話を聞いている。
そのさりげない優しさが私にはたまらなく嬉しかった。
「駄目だよね、私」
そして私はこの一連の出来事の核心に触れる。
「『盲目』の事…。自分で振り切れたつもりだったのに、全然振り切れてなかった。
結局気にしてた。うっかり季節を勘違いした時だって…。私気にしてないつもりなのに
しっかり気にしてた…。嘘吐きだよね私…。こんなの『些細』な事、『些細』な事のはず
なのに…」
「…先輩」
浩平君が優しく私に語り掛けて来る。その瞬間。
ピタッ!
私の頬に冷たいものが差し出される。
「…キャッ!?」
「…とりあえずアイスでも食べて元気出そうぜ。はい先輩のバニラ」
と、言って私に差し出してくる。
「…あ、ありがと浩平君」
そうは言ったものの、今の私にアイスを舐める元気はなかった。
だがせっかく浩平君がくれたものを無下に断る事なんて出来ない。
「…いただきます」
そう、呟きながら冷やっこいバニラアイスにパクリと噛み付く。
甘さが口の中に広がり、火照った身体と荒んだ心を癒してくれる。
「…おいしい」
私は思わずそんな言葉を呟く。
波の打つ音が全身を包み、潮の香りが駆け抜けて行く。
私と浩平君は海を眺めながら無心にアイスクリームを舐める。
そんな不思議な静寂に包まれていると自然と荒れた心が落ち着いて行くのが解る。
春の穏やかな日差しが私達を優しく包み込んでいるのが解る。
「あ、先輩ほっぺたにアイスが付いてるぜ。俺が取ってやるよ」
浩平君が私にそう言ってくれるので、私も思わず。
「うん、お願いするよ」
と、返す。その瞬間。
私の唇に暖かいものが被さるのが解る。
(…………!?)
意表を突かれた私だったが、除々にその優しい心に身体がほぐされて行くのが解る。
身も心も。浩平君の柔らかい唇に溶かされて行くのが解る。
どれだけ時が経っただろうか。
ス…と浩平君の唇が離れ、不思議な沈黙が私達の周りを包む。
私は未だに心が宙に浮いたようになっていて、まともに話せない。
その時、声が聞こえる。
浩平君の暖かい声が私に聞こえてくる。
だから私も頑張って、浩平君との会話に全力を傾ける。
「驚いた…先輩?」
「…うん」
「ごめんな…。突然こんな事しちゃって…。ただ俺は先輩に元気になって欲しくて…」
「そんな…、私嬉しかったよ。本当に嬉しかったよ」
そう、俯きながら答える。
「…………」
そして指をそっと自分の唇に添える。
浩平君の残してくれた温かみがまだ残っているのが解る。
でも、それがとても嬉しくて…。
浩平君の優しさがたまらなく魅力的で…。
キス一つでこんなに気分が好転する自分が何とも恥ずかしくて…。
そして私は浩平君に話しかける。
今の気持ちを。私の正直な思いを。
「私…『盲目』でいいのかなあ…」
そう言った瞬間、浩平君が私をグッと抱き寄せる。
「当たり前だろ…。だからこそ俺は先輩が好きなんだぜ。だから先輩もきつい事や
苦しい事があったら何でも言ってきてくれ。俺が何でも解決してやるよ。どんな事が
あっても俺が先輩を守ってやるよ。な、だから先輩ももっともっと俺に何でも打ち明けて
くれよ。な?」
そう言って私を包み込んでくれる。
最高の安らぎ。最高の言葉。
私は神様に感謝する。
この人との出会いをもたらしてくれた偶然に感謝する。
そして私達は手を取り合ってその場を離れる。
あの時の少女はもういない。
でも今の私には浩平君がいる。
それだけでいい。それだけで十分。
波間の音が優しく響き、優しい日差しが延々と私達を包み込んでいた。
回します。
回してます。
回しています。
回します。
回してます。
回しています。
回します。
回してます。
回しています。
589 :
ほかほか兄さん:2000/11/22(水) 14:51
回し終了です。
えーと、新しいのを発表します。
良かったら見てやって下さい。
新作は
>>561-579です。
今回は萌えシチュのようなSSです。
鬼畜もHも全然ありません。
ちなみにキャラはみさき先輩です。
では。
相変わらず、何を書かせても上手いねえ…。
凄いよ兄さん。
しかし、いつ鬼畜になるのかとワクワクしてしまった私は、
すっかり兄さんに毒されてますな(w
読ませてもらいました。一つだけ引っかかったのが「しこたま」。
この言葉だけが何故か浮いて見えてしまいました。
>>561-579
母親込みで鬼畜を仕掛けるのかと思ったら、そうじゃなかったのね。
ちょいと期待はずれ。こんな普通なの、書いちゃ駄目。
この展開で鬼畜に入ったらさすがに引くよ。
今回のはこれが理想の完成形だと思う。
これからも期待してます>兄さん
流石に伏線らしい部分は無かったから無いだろうと思いつつびくびくしながら読んだよ。
良い感じでした。
595 :
名無しさんだよもん:2000/11/23(木) 09:23
良かったのでage
やっぱ兄さんはイカスね。
>>561-579
「しこたま」に同感。表現が堅い気がします。
でも、良かったっす。がんばってください。
597 :
名無しのごんべ:2000/11/23(木) 21:22
に、兄さん・・・ アンタ、多重人格か・・・?
あんな鬼畜を書いたと思えば、こんな萌えるモンを・・・
チクショウ! 素晴らしいじゃねえか!
様々なご意見ありがとうございます。
今後の参考にさせて頂きます。
「しこたま」に関しては仰せの通りですね。
あのパートは勢いに任せて書いちゃったもので
全く気付きませんでした。
今後はもうちょっと細やかな描写を心掛けようかと
思います。
後、鬼畜を期待していた方には申し訳なかったです。
最近、酷いのが続きすぎたので、たまには平和なヤツが
書きたくなりまして…。
とりあえず今後ともよろしくお願いします。
では。
頑張ってください。
舞はまだかな…。
「祐一」
その日の舞は、ちょっとだけいつもと違った。
いつもなら、大学から帰ってきてすぐ、リビングで受験勉強をする俺のところに来るのに。
今日に限って、自分の部屋に一度ひきこもってから、リビングに出てきたのだ。
けれど、ちょうど数学の難問に取り組んでいた俺は、深く考えていなかった。
センターまであと三ヶ月――国公立は5教科なのがツライ。けれど、舞と佐祐理さんと、三人で大学生活を送るという夢は、俺ひとりだけのものじゃない。
俺の座っているソファーの向かい側に立つ。
その態度がいつもと違うので、ふと問題集から目を上げ、舞と視線を合わせた。
「3Pって好きか」
俺はそのまま崩れ落ちる。
「な、な、は……?」
「嫌い、か?」
「いや、好き、とか嫌い、とかいう問題ではなく」
「3Pは男のロマンなのか」
こいつの場合、冗談と本気の区別がつかない。
――まて。考えろ、考えるんだ、祐一。
まずは、真意を聞き出すことが肝要だ。こいつの行動はいつも突飛だが、考えなしってわけじゃない。
何か、理由があるはずだ。たとえそれがどれだけロクでもない理由だとしても。
「――誰がいったんだ、そんなこと」
「違うのか?」
「俺からそれを聞いて、どうするつもりだよ」
舞が僅かに視線を逸らした。
この……わかりやすい性格が舞の好きなところだ。
「佐祐理さん、か」
舞は、うなづいた。
俺はソファーに座りなおして、心を落ち着ける。
まだ今一つ事態を把握できない。できる限り、今のうちに情報を聞き出そう。
「どうして、そういう話になったんだ?」
そういって、舞にも座るように促す。舞は、ちょっと困ったような顔をして、でも何もいわずに俺の向かいのソファーに腰を下ろした。
佐祐理さんは、今朝。今日はゼミが遅くなるといっていた。
だいたい、普段は二人一緒に帰ってくるのだ。学科こそ違えど、カリキュラムを調整して、わざわざ同じ時間まで残るようにしているのだから。
この二人の、互いに対する依存度は昔から変わっていない。それこそ、俺なんかが入りこめないほど深いのだろう。
それはとても羨ましいことだったけれど、俺は時間をかけて、少しでも深く入りこんでいきたかった。
焦る必要は感じなかったし、かといって二人が俺を拒絶することは決してなかった。
だから、俺は……舞と同じくらい――。
「佐祐理が、いった。私と祐一の二人じゃないといけない関係もあるって」
「そりゃ……そうだろ」
「―――」
舞は、ふてくされたように横を向く。頬を膨らませたこいつも、可愛い。
全てにおいてストレートなのが、舞のいいところだ。
「祐一にとって、私と佐祐理は特別なのか」
「――そりゃ、そうだ。舞は、俺にとって特別なひとだ。でも佐祐理さんも…舞に負けないくらい、特別なひとだ」
だから、俺はストレートに返す。こいつ相手に変化球を投げても無駄だと知っているから。
けれど、今日の舞はそれ以上に直球勝負だった。
「私と佐祐理、どちらかひとりを選べるのか?」
俺は返す言葉に詰まった。
「私は……そんなの、嫌だ」
「――舞」
だいたい、判った。けれど、こいつに友情と愛情と肉体関係のモラルを説明できるのだろうか、俺が。
佐祐理さんは……確かに大切なひとだ。けれど、舞も佐祐理さんも、っていえるのは、友情までだろう。
俺の中の常識が、そう答える。けれど、舞にそんなことをいっても聞き入れてもられるとは、到底思えない。
舞には、いい意味で常識がない。それは、間違いなくこいつの長所だ。
もちろん社会的には大きな欠陥だけれど、俺と佐祐理さんは約束したんだ。そんな舞を、フォローするって。
一生かけても、フォローするって。
けれど、これは……いや、むしろ、今までこいつがこんなこと言い出さなかったのがむしろ、不思議なのかもしれない。
――何で、いまごろ?
三人で共同生活を始めて、もう半年以上が経つ。今ごろになって持ち出す話ではない。
むしろ、共同生活を始める前か、もっと初期の頃に言い出してもおかしくない、こいつなら。
そう、こいつが――。
「その話したの、俺が最初か?」
舞は、首を振った。
そうか。――そうだろうな。舞は、最初に佐祐理さんに話したんだ。それも、ずいぶん前に。
「で、佐祐理さんには、何ていわれたんだ?」
「佐祐理は……」
口篭もる。とても、珍しいことだ。こいつがはっきりものをいわないなんてこと、年に何回あるだろうか。
「佐祐理は、『そんなこといって、佐祐理と祐一さんを困らせないで』って、笑った」
ああ、困るさ。そりゃあもうお困りさ。
そして、佐祐理さんは、舞が俺にそんなことをいわないよう、口止めした。
そういうことか。そういうことなんだな。
俺は、頭を抱えたかった。
全部、三人で話し合おうと決めた。けれど、現実問題として、互いに気を使っていえないことだってある。
特に性の問題は、なまじ道徳とかモラルの問題が比重として大きいだけに、厄介だ。
いや……普通なら、最初から最後まで見ぬ振りをする、気にもしない問題だろう。
相手が舞でなければ。
――もっとも、相手が舞だからこそ、俺も佐祐理さんも、親元を離れてこのマンションにいるわけなんだけれど。
舞にこれ以上話をさせるべきか、させないべきか。
佐祐理さんが帰ってくる前に、この話はなかったことにしよう、というべきか。
じっと、舞が見つめる。
このまっすぐな視線に俺は弱かった。たぶん、佐祐理さんより、ずっと。
だから、いってしまった。
「舞は、俺が佐祐理さんを抱いて、何も思わないのか?」
と。
「それは嫌だ」といって欲しかった。そうすれば、俺のモラルは保たれる。俺も佐祐理さんも、世間の目を気にせず、生きていける保証ができるから。
舞がそう願うなら、俺と佐祐理さんが一線を越えてしまう可能性は絶対にないのだから。
何故なら、俺にとっても佐祐理さんにとっても、一番特別なのは舞なのだから。
「思う」
舞は、即答した。
「嬉しい」
俺は、絶望してテーブルに突っ伏した。
その衝撃で、問題集がパタンと閉じた。
けれど、もうその日、受験勉強に向かう気力はなくなっていた。
(続く……? いや、続かないかも)
あははー、まわしますー
あははー、くるくるー
あははー、くるくるくるー
あははー、くるくるくるくるー
あははー、まわるまわるー
くるくるくるー
くる
あははー
あははー、これで終わりー
613 :
佐祐理萌え:2000/11/26(日) 17:19
>>602、
>>603 タイトル未定。
衝動的に書きました。SS初心者です。
つまんなかったらいってください。次はがんばります。
面白かったっす。いかんせん冒頭すぎの感はありますが。
次回はエロエロでよろしく。
佐祐理萌えはどうやって落ちを付けるかによって評価が大きく別れると思うのでがんばってください。
でもおもしろかったです。
続ききぼーん。
いいよ、なかなかいい。
なまじ真摯に取り組んでるだけに続きってのはシンドイかもだけど、頑張ってみてください。
エロエロを望む声は多いだろうし、もちろん嫌いじゃないけど、それに縛られる必要はないと思う。
617 :
佐祐理萌え(3):2000/11/27(月) 17:20
とにかく重要なことは、今日のことを佐祐理さんに感づかれないことだ。
夕食の仕度をしながら、何とか頭を働かせる。
夕食、とはいっても、俺に難しいものが作れるわけじゃない。今日はご飯と味噌汁、あとは焼き魚。
隣で、舞が大根をおろしている。単純作業に黙々と打ち込んでいる。
この家の夕食、その実に8割が佐祐理さんの手によるものだ。今日は、たまたま彼女の帰宅が遅くなるから、俺が作っているけれど。
――いや、最初は、食事も含めて、家事を完全に分担する、という話だった。俺と舞は、そう主張した。
けれど、佐祐理さんと俺たちの家事全般に関する能力を考えるに、それは無理なことだった。
いや、俺たちが水準以上に低いのではない――はずだ。佐祐理さんが、上手すぎるのだ。
特に料理が。
一ヶ月とたたず、俺たちは台所を佐祐理さんに明け渡した。
「うまいものが食べたい」というただそれだけのこと。佐祐理さんがいなければ、俺も舞も、毎日外食で済ませるような気がする。
「ただいまー。あははー、いい匂いですねー」
彼女が帰って来た。お帰り、といって、味噌汁の火を止める。
「ちょうど魚、焼きあがるところ。舞、大根は」
「できた」
「じゃ、着替えて来ますね。遅かったら、先食べててください」
「う、うん」
暖房、効きすぎだろうか。外から帰って来たばかりの佐祐理さんが、髪をかき上げる。
―――。
――しまった、彼女のうなじに見とれてしまった。
慌てて目を逸らすと、舞と視線が合った。
「―――」
「ど、どうした、舞」
「祐一、顔、赤い」
「そんなこと、ないぞ」
天火から魚を取り出して、皿に移す。
「ほら、持っていけよ」
舞は、こくん、とうなずいて皿を手に取る。次いで、また俺の目を見た。
「――祐一」
「なんだよ」
「お魚さん、おいしそう」
「おいしいって」
からかっているのか? ――いや、舞はそんなまわりくどいこと、しない。しないはずだ。しないと……思う。
けれど――まずいな。昼間の出来事のせいで、無理に意識してしまっている。
彼女には、隠せただろうか。舞なんかより、ずっとずっと鋭いから――でも、今のは大丈夫だった、と思う。
「どっちにせよ、まずいなぁ」
ため息をついた。
618 :
佐祐理萌え(4):2000/11/27(月) 17:22
「絶対に、感づかれている」
食後、俺は確信した。
いや、佐祐理さんが帰って来たときだけなら、まだよかった。
食事中、彼女を正視できなかったり、それで視線を下に逸らしたら、そこに胸があったり……
佐祐理さんが箸を置いて台所に何か取りに行く度に、彼女のお尻に目が行ったり。
――舞より佐祐理さんの方が、肉付きいいよなぁ……。
いや、そんなことを考えれば考えるほど、泥沼なんだって。
考えるな、目の前の食事に集中しろ。
慌てて、魚を口の中に入れる。
「うぐ」
骨が喉に詰まった。お茶、お茶。
「あ、お茶、はい」
慌てて佐祐理さんが差し出した湯のみを受け取り、飲み干す。
ふ〜、死ぬかと思った。
「ありがとう、佐祐理さん」
「あははーっ、お役に立ててよかったですー」
ってこれ、佐祐理さんの湯のみじゃないか。
しかも、半分くらい中身の減った。
――いや、間接キスなんて、気にしないだろ普通。
駄目だ、俺、頭悪い。――今まで、こんなにうぶだっただろうか。
いや、昨日までは、こんなことなかったんだ。全部、舞が悪い。あいつが余計なこというから、必要以上に『女』として彼女を意識してしまっている。
けれど――その変化に彼女が気づかないとは、とても思えなかった。
実際のところ、レスポンスは早かった。
「今日の祐一さん、変ですよー」
リビングでテレビを見ている俺に彼女が声をかけてくる。
振り向くと、先に風呂で汗を流した佐祐理さんが、パジャマの上にジャンパー一枚という軽装で立っていた。
髪を乾かしている途中で、こっちに来たらしい。シャンプーの匂いが鼻をくすぐる。
舞は、佐祐理さんと入れ違いに風呂に入ったところだった。わざわざ舞がいなくなるのを待って、話かけてきたわけだ。
――どこまで、気づかれてるかな……。
かといって、上手く言い逃れをする口実を思いつきもしない。
「佐祐理に話せないこと、あるんですか」
そういって、不満そうな顔を近づけてくる。俺、その分だけのけぞる。
「ふえ〜、佐祐理、祐一さんに避けられてます」
――いや、避けられるならそうしたいような。どうしても、視線が佐祐理さんの胸に行く。
舞より大きい。着やせするんだ。
風呂から出たばかりだから、パジャマから露出している部分がほんのり赤い。その先にある隆起を妄想してしまいたい衝動を、かろうじて堪えた。
――危ない、何とか理性が欲望に勝ったぞ。舞の思い通りになってたまるか。
「――やっぱり、舞ですねー」
げ。
「俺……何ていった?」
「『理性が欲望に勝ったぞ。舞の思い通りになってたまるか』」
一番聞かれたくない本音をいってしまった……
ソファーに倒れこむ。もう駄目だ、佐祐理さんと視線を合わせられない。
「ふえ〜」
そんな風に俺を見ないでくれ、佐祐理さん。そう、俺はチキン野郎だ。佐祐理さんを汚れた目で視姦する変態だ。
「あははーっ。佐祐理、祐一さんに魅力的な女の子として見らるの、嫌いじゃないですよー」
やばい、またやってしまった。
「祐一さんだって、男の子ですもん。でも、それで祐一さんが困るなら……」
「いや、困るっていうか……嬉しいけど」
「あははーっ」
顔を上げると、佐祐理さんはまだ、じっと俺の顔を眺めていた。
一瞬で、顔に血が昇る。
「真っ赤、ですねー」
「いや、冷静にいわれると、もっと恥ずかしいんだけど」
「舞、何ていったんですか?」
ううう、やっぱり本題に戻るんだ。
「―――」
「ふえ〜。佐祐理、やっぱり仲間外れですね……」
哀しそうに視線を外す佐祐理さん。俺と舞は、この顔に絶対に勝てない。
「そんなんじゃ、ないんだ」
「じゃあ、佐祐理にも教えてください」
――どうやら、進退極まったようだ。
腹をくくった。ええい、もう知ったことか。全部ぶちまけて、後は野となれ山となれ、だ。
もし、それで――それでどうにかなってしまうようなら、俺たちは所詮、そこまでたってこと。こうなったら、黙っている方が悪い結果を招くに違いないし――。
嘘をついたところで、佐祐理さん相手に突き通せる自信は皆無だったから。
洗いざらいしゃべった。夕方の、舞とのことを、全部。
佐祐理さんは、黙って聞いていた。いつものあの、微笑みを絶やさずに。
619 :
佐祐理萌え(5):2000/11/27(月) 17:24
「教えてくれて、佐祐理、嬉しいです」
「うん……ごめん。問題が問題だけに、切り出しにくかった」
「祐一さん、それで佐祐理のこと、変に意識しちゃったんですね」
いや、そう片付けられるのも哀しいんだけど……
「ふえ、哀しいんですか?」
「げ、また」
「祐一さんは、どう思ってるんですか?」
そういって、佐祐理さんは俺の横に座った。
濡れた髪の毛が、俺の頬にかかる。ちょっとくすぐったい。けれど、払いのける気はしなかった。
テレビのバラエティ番組が、クライマックスを迎えようとしていた。けれど、そんな音はもう、耳に入らなかった。
「どう、って?」
「その……佐祐理の、こと」
ゆっくりと、彼女の顔に視線を向ける。
頬を染めて、恥ずかしそうに俯いた佐祐理さんが、ちらっ、と横目でこちらを向く。
俺は、そのまま押し倒したい、という衝動をすんでのところで堪える。
「そ、その……やっぱり、まずいだろ、そういうこと」
やばい、しどろもどろになっている。落ち着け、落ち着いてしゃべるんだ、祐一。
最悪の結果になったとしても、言うべきことだけはしっかり言え。そうしないと――そうしないと、後悔するから。
「法律とか、モラルとか。俺は、舞を受け入れているわけで、佐祐理さんはとても魅力的だけど、でも……」
「でも?」
「――でも……」
ああ、俺、何をいいたいんだろうか。何をいっているんだろう。何をしたいんだろう。駄目だ、頭が上手く働かない。
自分がこれほど馬鹿だと思ったことは、未だかつてなかった。
と。
「あははー」
佐祐理さん、急に笑い出す。――って、それはないよ。
驚いて、佐祐理さんから離れる。けれど、彼女はその分だけ、にじり寄ってきた。
鼻がくっつくくらい近くまで顔を近づけて、視線を合わせる。
互いの息が顔にかかる。
俺の呼吸は、乱れているんだろうか。だって、佐祐理さんがいつも風呂上りにつけている香水の僅かに甘い匂いが、たまらなく刺激的だから。
「いいですか、祐一さん。今、私たちは、たった三人なんですよ」
ひとこと、ひとこと。佐祐理さんは、噛んで含めるかのように区切って、いった。
「法律とか、モラルとか、そういうこというのは、やめてください。舞と、佐祐理と、祐一さんだけの世界の話をしましょうよ」
――三人だけの、世界。
「この家の外には、誰もいないんです。この家の外には、何もない。この家の中の法律は、私たちが造り上げたものだけ……そうでしょう、祐一さん」
「う、うん」
「もし、それが外の世界で不都合が生じるなら……その時は、その時に考えましょう」
620 :
佐祐理萌え(6):2000/11/27(月) 17:25
「―――」
でも……でも、じゃあ。
「じゃあ、佐祐理さんは?」
ほとんどソファーにあお向けに寝そべるかたちの俺。その上から覆い被さるような形になっている佐祐理さん。
彼女の身体の熱が、伝わってくる。
「佐祐理さんは、俺のこと――」
そう、ひとつだけ、気になることがあったんだ。
昔、俺と舞が互いを呼び捨てにしているのに、舞と佐祐理さんが互いを呼び捨てにしているのに。
俺と佐祐理さんだけは、互いを『さん付け』で呼び合っている、ってことについて話し合ったとき。
俺は、聞かされてしまった。佐祐理さんの暗い部分を。彼女が俺を拒絶する厚い壁の正体を。
「あのとき、俺は、いちど佐祐理さんに拒絶されているから」
彼女の瞳が曇る。たぶん、俺はいってはいけないことをいっている。
絶対に触れて欲しくない部分を無理矢理、引きずり出して、彼女の前で晒しているんだ。
それは……それは、判っていたけれど。最初から判っていたけれど、辛いことだった。
「だから、俺、佐祐理さんの気持ちを聞いてからでないと、何もできないよ」
「―――」
「佐祐理さん。俺のこと、『祐一』って呼んでくれる?」
「―――っ」
俺の顔に雫が落ちた。
佐祐理さんの目からこぼれた涙が、俺の頬を濡らしていた。
佐祐理さんは、唇を噛んで、目をいっぱいに見開いて、顔を真っ赤にして――でも、けっして俺から視線を外さずにいた。
俺は――俺は、彼女を苦しめている。
いや、そんなこと、最初から判っていた。こう言えば彼女を苦しめることになるって、最初から判っていた。
けれど、今の俺たちは家族だったから――。
あの時は、友達だった。他人だった。
けれど、今の俺たちは家族だったから――。
だから、俺は彼女に――。
「あははーっ。佐祐理、悔しい……です」
「佐祐理さん――」
「祐一さんのこと、呼び捨てにしたいのに……したくて、しょうがないのに……」
―――。
「呼び捨てにしたくてしょうがないのに――胸が、痛いんです。とても――辛くて、言葉が出ないんです」
佐祐理さんは、ソファーの向かい側に倒れこんで、大きく息をついた。
上気して、涙にまみれた顔。蛍光灯の光を正面から覗きこんだ佐祐理さんは、僅かに目を細めた。
621 :
佐祐理萌え(7):2000/11/27(月) 17:25
「ごめんなさい。佐祐理のせいで、顔、汚れちゃいましたね」
「気にしてないよ。舞の次、風呂入るし」
俺は、顔についた佐祐理さんの涙の雫をぬぐって、身体を起こす。
「佐祐理、お馬鹿さんだから。――お馬鹿さんだから……ちょっとだけ、時間、下さい」
「――わかった」
「今すぐは、無理だけど。でも、絶対に――私、祐一さんのこと、呼び捨てできるよう、努力しますから」
「うん」
「――ちょっとだけ、待ってくださいね。佐祐理、普通よりちょっと頭の悪い女の子だから。ちょっとだけ、時間を」
「佐祐理さんは、ただ優しいだけだろ」
「――そんなんじゃ、ないですよー」
そういって、彼女は微笑んだ。
「佐祐理は、ただ、ちょっと――」
「けど、俺。そんな佐祐理さんが、好きだから」
「―――」
「舞に負けないくらい、好きだから。だから、佐祐理さんのこと、待ってるから」
「あははーっ」
佐祐理さんは、勢いよく身を起こす。顔が、涙でぐしょぐしょだった。
「本当いうと、佐祐理さんには、もっと寄りかかって欲しいんだ」
「ふえ……」
「俺や舞に、もっと寄りかかって欲しいんだ。佐祐理さん、掃除でも料理でも、何でもできて、完璧だから」
「そんなこと、ないですよー」
「けれど、俺たち、家族だと思っているから」
「―――」
「互いに相手の肩を借りて、生きていっていいと、思うから。だから、佐祐理さん」
「うん――わかりました、祐一さん」
「急に、ってのは無理だろうけれど。少しづつ、少しづつでいいから」
少しづつでいいから、お互いの肩を支えにして。
そうして三人で生きていければ、きっといつか――。
「祐一」
「あ、舞」
「風呂」
「あ、ああ」
立ちあがる。風呂から出たばかりの舞が、不審そうに俺と佐祐理を見比べていた。
「祐一……」
「―――?」
ぽか。頭を叩かれる。
「佐祐理を、泣かした」
「いや、そうじゃなくて……」
「佐祐理を、いじめるな」
「舞、違う、誤解だ」
「あははーっ」
「佐祐理さん、笑ってないでフォローしてよ」
「祐一……いいわけは、男らしくない」
「人の話を聞けってば」
だいたい、こうなったのも誰のせいだよ。
とはいえ、口ではともかく、腕力で勝てる相手ではない。
「舞。お前、俺のことが信じられないのか」
「佐祐理を泣かすな」
駄目だ。こいつ、佐祐理さんのこととなると人が変わりやがる。
「舞、舞。佐祐理は大丈夫だよ。祐一さんは、悪くないから」
「―――」
俺を睨んだまま、動かない舞。こいつ、まだ疑ってやがる。
やれやれ。だいたいこいつにしてからが、よっぽど、俺より佐祐理さんの方に依存しているんだから。
「だけど、今に見てろ」
「―――?」
「舞と佐祐理さんが羨ましい、ってことだよ」
「―――」
駄目だ、わかっちゃいねぇ。
「――3Pしたいのか?」
「違うわっ」
「あははーっ」
今は駄目でも、いつか、きっと。
俺は、笑っている佐祐理さんと、不思議そうに突っ立っている舞を見比べた。
いつか、きっと、この二人の間に割って入ってみせるから。
少しづつ、少しづつ、本当の家族になっていければ、それでいいから。
今は、焦らないでいこう。誰も急ぐことは望んでいないし、時間だけはたっぷりあるんだから。
そう遠くない未来――。
本当に心の繋がった、三人を夢見て。
本当の家族を、夢見て。
「きゃっ」
俺は、舞と佐祐理さんを、両手に抱きしめた。
まわしー
はぅー、ageてたー
はぅー、ageてましたー
もいっちょ
くるくるー
ぐるぐるー
もういっちょ
そーれっ
くるっ
ごめんなさい、ちっともエロくないです。
エロになりませんでした。なってもきっと、書けないと思う。
>>617〜
>>621 タイトルは……『佐祐理萌え』かな?(^^;)
正面から萌えきろうとしたら、こうなっちゃった、という。
――次は、もうちょと色気出せたらなぁ。
632 :
名無しさんだよもん:2000/11/27(月) 18:11
>631
続けて書いてあるなら、リンクはこの方がべんりですぅ
>>617-621
633 :
佐祐理萌え:2000/11/27(月) 21:44
634 :
名無しさんだよもん:2000/11/27(月) 22:07
うお、良いっすよ〜。こういう寸止めの描写の方がエロエロなのより
想像力を刺激されて良い感じ(笑)
舞と佐祐理さんの口調にも違和感が無いし、
祐一の内心の描写も本編の雰囲気が出てるなあ。
服や料理などの細かい部分の描写をしっかりしてくれてるので
その場の情景が想像できました。涙を流すシーンのさゆりん萌え!
635 :
名無しさんだよもん:2000/11/27(月) 22:12
俺的にはちょっとだけ舞の口調に違和感あったかな…
「〜のか?」っていう所とか。
でもお話自体はとても良かったですーっ。
佐祐理萌えさん、これからもがんばってくださいねーっ。
636 :
名無しさんだよもん:2000/11/27(月) 22:23
とてもいいと思いました。エロエロじゃないのもいいと思います。
話がいいと思います。私も。
次も頑張ってくださいね。佐祐理萌えさん。
第六話 束縛
早めの晩餐をすませ、俺はナユキのノートをとりに学校に向かうことにした。
「…では、いって来ます、アキコさん」
「今晩は寒くなりそうですから、暖かくしてでかけてくださいね」
「そうします」
「あ、それと、彼女によろしくね」
「彼女? 誰ですか?」
「行けばわかりますよ」
「警備員か…、誰かですか?」
「…そうかもしれませんね。では、いってらっしゃい」
「行ってきます」
俺はマフラーをかけ、ロビーに置いてあったトレンチコートを羽織り、手袋をはめると、ミナセ家の玄関から凍える夜の底に踏み出した。
凍った粉雪を踏みしめると、ザクッと小気味よい音が響く。
アキコさんの言う通り、まさに吐き出す息から凍て付いてしまいそうなほどの寒さが身にしみた。
手袋の上からかじかんだ手に息をかける。
でも、それだけでは息の温もりは寒さに負け、届くことはなかった。
俺は寒風に震えながら特に雲も月もない漆黒の空を見上げた。
これで、もしこの空が本物なら、きっと澄み切った光の星が満天に広がっていることだろう。
偽物の星が輝きを放っていた。
ほどなく、校門前に到着する。
鍵か何かがあるかと思ったが、そういった類のものは何もなかった。
「…まったく、無用心だなここは…」
俺はそう呟いて、ただ閉じただけの校門を飛び越えた。
…もっとも、この学校のここまで無防備さの理由は、後日知ることになるのだが。
昇降口から教室までは、特に警備の人間にも会うことなく行くことができた。
誰もいない教室のドアを開く。
昼のうちはほとんど聞こえない足音を聞きながら、ナユキの机に向かう。
「ナユキのノートは…これか」
ノートは、特に探さなくても見つけることができた。
表紙には大きな字で「極秘資料 部外者は見ちゃだめ!」と書いてあった。
…でかでかと極秘と書き出されているそれは、最早秘密でもなんでもなかった。
「隠し事苦手そうなタイプだからな…、あいつは」
自称極秘資料を鞄にしまうと、早く帰ろうと思いすぐに教室を後にした。
キイイイィィィィンン…。
廊下に出て最初に耳にした音は、微かな金属音だった。
咄嗟に周囲の気配を感じ取る。
「俺としたことが…、少し油断したかな…」
確かに、迂闊だった。
俺を襲うなら、彼女にとって屋内ほど都合のいい場所はないからだ。
昼のマコト・サワタリが味方とはわかっていない以上、また彼女が俺の前に現れないとする理由はどこにもない。
前回とは違い、ここは回りの一般人の目もなく、また足をとるような雪もない。
昼間の状況であれだけのスピードが出せるのなら、固い床の上では一体どこまで出るのか。
とにかく、これ以上の油断はしないことだ。
俺は背中を壁に預けると、感覚を完全解放して、次の襲来に身構えた。
キンッ!
先刻とは反対側、階下の方向からさらにはっきりと金属音が響いた。
音をじっくり吟味してみると、ひとつ、重大なことが判明した。
「この音は…、長い刃物か何か、例えば西洋の両刃の剣の音だ…」
俺は昼間の戦闘を思い出した。
たしか、マコトは徒手空拳で俺に向かってきたはずだ。
だからこその、あの驚異的なスピード。
非常用の飛び道具を除き、彼女に速度という大きなアドバンテージがある限り、大仰な武器で武装する必要は、どこにもないはずだ。
「ならば…、別人…?」
俺は真偽を確かめるため、音のあった方向に駆け出した。
俺はそこで生涯忘れ得ないであろう光景を目撃することになる。
彼女は剣を持っていた。
その剣を虚空に突き出したままじっと動かない…、いや、動けないでいる。
表情はこちらから窺い知ることはできないが、頬に滴る脂汗が見えた。
腰まである長い髪が荒い呼吸の度ごとに上下に揺れる。
口元から漏れる白い吐息は、放たれる途中で不自然に曲がり、あらぬ方向へ霧散していく。
まるでそこに見えない何かが在るかのように。
その様はあまりに夢想的で、俺は巨匠の絵画を前にしたような恍惚感と戦慄に震えた。
だが、その停滞を破ったのは、他ならぬ彼女。
剣をさらに深く刺しこむと、裂帛の気合とともに、力任せに振り上げた。
耳障りな金属音が木霊のように残る。
そして音の余韻に浸る俺に彼女はこう言った。
「…危ない」
彼女はその言葉すら理解不能状態の俺のほうに向き、新たな殺気を八極に吹き上げる。
相手を打ち据え、倒すためだけに存在する、本物の殺気。
それに当てられた者は、毒蛇に睨まれた哀れな蛙と化す。
だが、俺に怯えも感じる暇すらも与えず、彼女は踏み込んだ。
ギンッ!
俺は鋼鉄が鋼鉄を切り裂く悲鳴を、耳のすぐ横に聞いた。
「!」
その一撃は、確かにそこにあった何かを抉り、吹き飛ばしていた。
踏み込んだときになびいたのか、彼女の髪が俺の顔にかかっていた。
「…逃がした」
彼女はゆっくりと剣と体を引き、俺の横を過ぎてそこにあった何かを追いかけようとした。
「…待てよ」
俺は喉の奥から声を絞り出した。
「逃がしたって…、何を」
「魔物」
「ま……」
「…私は」
彼女は振り返って告げた。
「魔物を狩るものだから」
そう言うと、彼女は校舎のさらなる闇に向けて歩き出した。
。
今でも不思議なのだが、このときの俺にこのまま帰るという選択肢は存在していなかった。
彼女の正体を見極めなければいけないという職務上の義務感と、単なる好奇心から、俺は彼女を追いかけることにした。
足音を辿ると、すぐに彼女は見つかった。
彼女は俺に一瞥をくれると、何もなかったかのようにもとの姿勢―――戦闘態勢に戻った。
「……」
「おい」
「……」
「魔物ってのは、いったい…」
「…来る」
風音が止んだ。
そして、無音。
「囲まれた」
「…その、魔物にか?」
彼女は無言で俺に背中を預けた。
「聴くの…、奴等の気配を、殺気を」
「……」
「貴方ならできると思うから」
彼女がそう言った次の瞬間、魔物の気配が俺にも分かる形で、出現した。
いや、前からあったものが知覚できるようになった…、単にそれだけのことだ。
「そういえば、お互い名前も聞いてなかったな」
「マイ・カワスミ」
「ユーイチ・アイザワだ。マイって呼んでいいか?」
「なら、合図したら出て。ユーイチ」
「わかった。マイ」
「…貴方は、引きつけておくだけでいいから」
「状況にもよるが」
辺りを冷たい風が吹き抜ける。
「…アキコさんが言っていた彼女のことって、マイのことなのかな」
「アキコさん?」
「知っているのか? マイ」
「なら、たぶん私のこと」
「…なるほどね」
風が止んだ。
「…今よ」
俺たちは同時に踏み出した。
握り締めたクナイを、そいつの弱点と思われる位置…、首筋に向けて斬りつける。
そう、俺の勘が正しければこいつは…。
(機械化兵、いや、完全機械兵…ッ!)
前に部隊にいたときに、偶然ステルス・スーツの話を耳にしたことがある。
特殊な光学的処理により、背後の風景を前面に映し出すスーツ。
話によると、それの実用化は目前だったが一つ問題点があったという。
常人が身に付けるには余りに重たすぎるのだ。
俺のような一部の特化訓練を受けた人間ならともかく、基地でちんたら通常の訓練をつけている人間では話にならないのだ。
ガキッ!
振りぬかれた俺のクナイは、敵の神経系とも言える電気回路を切断し、盛大に短絡の火花を上げた。
このクナイは電導率の非常に低い素材を使用しているので、感電の可能性は低い。
(やはりな…、鉄屑にお粗末なAIを乗っけただけの、ただの戦闘人形か…)
前述の問題点を解決するために、二つの方法があったという。
一つは、それをつける兵士自体を改造すること。
だが、生体の一部を機械に替える、もしくは強化するというのは現時点では不可能に近い。Aという器官の性能を上げたがゆえに、今度はBという器官を改造しなければならなくなる、ということがままあるからだ。そして、結局のところ全体を改造せざるを得なくなる。
人間の体はじつにバランスよく作られていて、まだ科学はその神の手を越えることはできていない。
また、改造手術には予想以上の費用がかかるうえに、全部を改造することになるなら最初からロボットを作ってしまえばいいではないか、ということで、改造強化案は却下された。
そしてもう一つの案。それをつけるモノを作ってしまうということ。人間大のロボット兵器に実用化のめどがついてから現われた案だ。
テクノロジーの裏には常に戦争の暗い影が付いて回る。一般ではまだ二足歩行が可能なレベルにしか達していないが、戦時用としては既に存在する国もある。
それに、ステルス・スーツを着せる、あるいは組み込むことによってこのような完全機械兵が完成したと思われる。
ステルス・スーツには昼間使用すると輪郭がぼやけて見えてしまうという欠点があったが、今のように夜間にのみ使用するのなら、局地戦用として十分なポテンシャルを発揮する。
「だが、相手が悪かったな!」
デリンジャーを抜いて、そこにいるはずの機械人形に向ける。
僅かな風の流れの歪みと、機械とはいえ結局完全に隠すことはできない殺気を頼りに、奴の位置、姿勢を感じ取る。
そして、それが見えた瞬間、俺が放った銃弾は奴の膝を打ち抜いていた。
どんなに堅い金属だろうと、正確に頂点を打ち抜けばチタンの銃弾でも破壊することは可能である。現に、あまり比較にはならないがスナイパーライフルでダイヤモンドを打ち砕いた例があるそうだ。
バランスを失い、倒れこむそれの頚椎にとどめの一撃を叩き込む。
それは完全に機能を停止し、動力を失った機関は活動を止めた。次第に、ステルスが解ける。
冷たい鉄の骸がそこにはあった。
「予想通り、か。ところで、あっちの方は…」
背後で空気を切る音がした。
「わっ!」
間一髪で横に跳んだ俺がいたところには、刃のようなものでできた傷がついていた。
床に裂け目をつけたその刃が、またも俺を狙って振り下ろされる。
「危ねぇっ!」
片膝をついた格好のまま咄嗟にクナイでその刃を受ける。
「ち…」
力比べなら負けない自信はあるが、いかんせん姿勢が悪い。
容赦なく力が加えられ、俺は次第に押されていく。
既に、刃は目の前五センチの所にあった。
「ここは一つ…、柔よく剛を制すっと!」
刃を受けていたクナイを傾け、それにそって体を反らした。
相手の容赦なさが仇をなして、機械人形はバランスを崩した。
「おらっ!」
不完全なバランサーがたたらを踏んだところに足払いをくらわせる。
だが、相手もその事態は計算のうちだったのか、勢いよく前転をして距離を離した。
本来なら、ここで飛び道具でとどめをさせればいいのだが、生憎さっきのでデリンジャーは弾切れだ。
「これで…、振り出しに戻ったかな…」
「いや」
横から女の手が俺を遮った。
「マイ…」
「よく引きつけてくれた。後は、私が」
マイはぎゅっと力を溜め込むと、一気呵成に踏み込んだ。
…迅い。
踏み込みのスピードだけなら、あのマコトに勝るとも劣らない。
「はあああぁぁぁぁっ!」
流れるような一連の動作の終着点として袈裟懸けに振り下ろされた剣は、孤を描いて機械兵の胴体を切断していた。
孤は一つにとどまらず、ほぼ同時にいくつも現われては、夜の闇に消えていった。
「孤月・忽(こつ)…」
ワンテンポ遅れて、鉄屑が瓦解する。
まさに、神速。
月明かりに照らされるマイのシルエットは、古代の戦神を思い浮かばせるほど優雅で、凄烈だった。
回します。
がんばれ、佐祐理萌えさん。
くるくる。
くるくるくる。
くるくるくるくる。
ぐるぐるぐるぐる。
ぐるぐるぐるぐるぐる。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐる。
「うぐぅ、まわしすぎぃ…」
>>637-647
Капоп 〜あ・ごーすと・いん・ざ・しぇるたー〜 第六話
過去ログもあわせてご覧下さい。
「うぐぅ、さわりすぎぃ…」
…と考えたくなるのは男の性でしょうか?
おお、続き書きましたか。
(今朝は随分エラソウな口調でしたねー>俺)
期待どおりの出来でした。
目をそらさないまま涙を流した佐祐理さん萌え。
宇宙暦46XXX.X 艦長私的記録
どうも副長のサトウ中佐がカウンセラーのヒメカワといい仲になっているらしい。
ちょっとムカツク。
チャキキッ
「フジタからサトウへ。至急艦長室へ」
『はい艦長、ただいま参ります』
ピリリーロッ
「入れ」
「お呼びでしょうか」
「ああ、破損したワープコアの修復状況はどうなってる?」
「エルクゥにやられた部分は応急処置がほぼ完了してますが、本格的な修復には
基地に寄港する必要があります」
「そうか。今回の任務が終わったらファーサイド基地かDS9に寄ろう。地球ほどでは
ないが設備はある。ところでマサシ」
「なんだいヒロユキ?」
プライベートな時間はマサシ・ヒロユキで呼び合うことにしている。親友だからな。
「コトネちゃんといい感じなんだって?」
「そうでもないよ。コトネちゃんは僕のこと野生的だって言うけど、それって小動物みたい
ってことだよね?」
良くわからないが、とりあえず大した進展はないらしい。よしよし。
「そうか。退出していいぞ」
「失礼します」
ウゥーウッ、ウゥーウッ……
そのとき突然警報が鳴り出した。戦闘配置だ。俺は艦長室からブリッジに走った。
プシーッ
「状況は?」
「ウォーバードが1機、遮蔽を解除して前方に展開しています。射程圏内です」
士官見習いのマツバラが答えた。
「ウォーバードから通信が入っています」
「チャンネルオープン」
「………………」
「え?フジタさんは私というものがありながらドクターカミギシにちょっかい出してる?
誤解だよ先輩!」
そのときドクターカミギシがスポーツバッグを持ってターボリフトを上がってきた。
「ヒロユキちゃ〜ん、お弁当作ってきたよ」
なんてタイミングだ。狙ってないか?
「いや、これは違うんだ。な、わかるだろ……?」
「………………」
「え?言い訳は聞きたくありません?いやほら、言い訳とかじゃなくて……」
「後方にもう1機ウォーバードが出現。通信チャンネルに割り込んできます」
心なしかマツバラの言葉も冷たい。
「ヒロユキ、姉さんを泣かせるとどういうことになるかわかってるでしょうね……」
「さらに右手に1機出現」
「お嬢様を泣かすとは不届き千万!このナガセが成敗してくれようぞ!」
「3機一斉に武器システムを起動」
「回避コースを取れ」
この状況で戦いたくはない。俺は逃げることにした。が、直後振動が艦を襲った。
「被害状況」
「シールド70%。機関部にダメージ」
保安部長のホシナはマツバラに輪をかけて刺のある声だった。
「フェーザー発射」
「前方ウォーバードに命中、シールドを削っただけのようです」
こうなったら腹をくくるしかないか。
「光子魚雷装填……発射」
「ライバルは少ないほうがいいネ。Shot! Shot!」
砲術士官ミヤウチは既に目がイってる。ウォーバードをウォーターバードと
勘違いしてくれてるならまだいいが、どうも本気でクルスガワを消そうとしている
らしい。後が怖い。
そのときまた激しい振動がおこった。バックアップ電源に切り替わる。
「前方のウォーバードから通信が入りました」
「………………」
「え?今回はこのくらいにしておきます。次はないですよ?……スイマセン先輩」
「ウォーバード、3機ともワープ8で離脱しました」
「非常警報解除。被害は?」
「通常エンジン、ワープエンジンともに損傷。航行不能です。シールド破損。
フェーザーバンク、魚雷発射口ともに破損」
疲れた……。しかしまだ休むわけにはいかない。ブリッジの冷え切った
雰囲気をなんとかしなければ。
「あー、そのー、なんだ……」
そのときアンドロイドのマルチが決定的な一言を発した。
「ヒロユキさん、わたしは何があってもヒロユキさんの味方です」
ブリッジは完全に凍りついた。
ワープ1
ワープ2
ワープ3
ワープ4
ワープ5
ワープ6
ワープ7
ワープ8
ワープ8.4……
俺的にはなかなかよかったぞ〜。
だが葉鍵板の連中はスタトレ知らんかもな。
もし批判食っても気にするな。
>>673 そだね。俺は知らんからスルーしたけど。
スタトレ系は虫食い状態に見てるから、それなりにワラえた
考えるにこのハ−レムブリッジ、ウォーバードが来なくても自然崩壊しないか(w
続編きぼ−ん
商店街のほどちかく、通りのはずれの一軒家、その門にかかった看板には、
『よろず治療いたしマス 川澄診療センター』とありまして、何やらいかがわしげな
趣きをかもし出しているわけでございます。
戸をくぐって中を覗いてみますれば、妙齢の女性がひとり本を広げ、読書になどいそしんでいようかという。
「・・・にはにはにはにはとりさん」
これな白衣姿の麗人こそ、この川澄診療センターの所長であるところの川澄舞その人であり、湯飲み片手に絵本なんぞ開いているという寸法なわけでして。
近所のお子様からは「ミマミマドクターK」のニックネームで親しまれている、ちょいと風変わりなお嬢さんではございます。
「ようっ舞、遊びに来たぞっ。相変わらずヒマそうだなー」
などと軽口叩いてやって参りましたのは、川澄舞の知己であるところの相沢祐一。
「・・・お昼休みだから」
「もう2時回ってるぞ・・・」
「・・・シーズンオフだから」
「医者にオンもオフもあるかっ」
「祐一は細かい・・・」
「そういう問題かねえ・・・」
相沢祐一、勝手に持ってきた湯飲みにこれまた勝手に茶をそそぎ、お相伴にあずかりつつ、
「そりゃいいけどな・・・ほんとに、こう客が来ないんじゃ、潰れちまうんじゃねーの?」
「・・・・・・」(ギラーンッ)
「って、真っ昼間から剣を抜くなっ!」
「・・・ほんの冗談」(トスッ)
「・・・つうかさ、ここって正規の診療所とかじゃないから、国の補助もないんだろ? 客が来なけりゃ、死活問題だろうが・・・」
「・・・・・・」
川澄舞はもっぱらハンドヒーリング専門でありまして、当然免許のたぐいなどまるで持っておりません。
(といっても、こいつに客寄せの妙案なんかあるはずもないからな〜・・・何か考えないといけないか・・・)
「・・・わかった」
「へ?」
と言うなり、川澄舞、おもむろに席を立ちますと、身支度を整えはじめます。
「どうしたんだよ? いきなり・・・」
「お客が来ないのなら・・・こちらから、行く」
「へえっ・・・?」
相沢祐一、あっけに取られはしましたが、ぞんがい悪くはないかもしれぬ、と思いなおします。
(このままじゃ閉塞するばかりだからな・・・外に討って出るのもいいだろう)
「舞らしくもない、ナイスな思いつきだな。拾い食いでもしたのか?」
「・・・・・・」(ギランギランギラーンッ)
「って、剣を4本も同時に抜くなッ・・・!!」
かくてミマミマドクターKこと川澄舞は、相沢祐一をお供に従え、棲み慣れたねぐらを離れ、外の世界へ旅立ったのではございます。
その道行きはいかなるものと相なりますか、それはまたの機会にて。
スタトレあんまり知らんけど面白かったよ。
切り捨てたネタってのも見てみたい。
そろそろ新スレ移行の時期ですかな?
わーい川澄舞だ。
AIRが入ってるような気もするけどやはり川澄はよい。
続きあるのかな。
>>673@`
>>675@`
>>678 ありがとうございます。それでは続編のシナリオまとめます。
こんどはスタートレック知らなくても面白いものにできたらと
思っています。
誰か新スレを立てて頂けないでしょうか。私は串制限で立てられないのよ。
SSスレは文字数が多いから、早めに立てる必要があるのです。
立ててくれる人は、1に過去スレと保管庫のURLを貼るのを忘れないでね。
何で新スレ立ってるのかと思ったらそういう訳だったのか…。
納得。
684 :
:2000/12/15(金) 16:08
685 :
:2000/12/27(水) 20:05
でろん
べろん