■■■SS投稿用スレッド Leaf@`key板■■■

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさんSS
同人作家、ソフト制作者、SS作家、オフィシャルBBSからのはぐれ者、
ファン系サイト管理人、葉っ派、鍵っ子、叫ぶ人(ぉ?)などなど
一癖ある個性豊かなメンバーが集まる2ちゃんねるLeaf@`key板。
当然中にはSS(二次創作小説)が好き、書いている、書いてみたい、と
思っている人もいることでしょう。
ちょっとみんなに自分の考えた話を読んでもらいたいな、という時にご利用下さい。

「書いてはみてるんだけど、どこかに投稿するのはなんだか恥ずかしい」という人も
”名無しさん”でなら安心!
即興一発ギャグ的小話からシリアス長編まで投稿をお待ちしております。
2名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/06/29(木) 21:09
「読んでみたいSS」スレッドからネタを借りるのはあり?
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=962188344
「**番のネタ使って書いた」とか「同じ**番のネタだけど俺はこんなふうに書いたぞ」とか
面白そうだけど。つーか、ここでやったらエロ系ばかりになりそうな気が(笑)
3名無しさん:2000/06/29(木) 21:29
>2
い〜んじゃない?
ここで出たネタ堂々と使って表で書くのもなんだし。
結構エロネタ以外の作家もいると見たが…実際どうなんだろ?
俺、SS書いてるけどエロはまったく書けない。
そもそも、この板のスレにはエロ皆無の話題がほとんどだと思うが・・・?
52:2000/06/29(木) 22:07
そういわれてみれば確かにそうだな。<エロ皆無の話題がほとんどだと思うが・・・?
2ちゃんだからエロ系多そー。とか単純に考えてたよ。すまぬ。
反省ついでに俺も何か書いてみるよ。いつ完成するかはわからんけど。
6ゴーストライター御神:2000/06/30(金) 00:20
真琴に起こった『奇跡』を巡って、
祐一と秘密結社が抗争を繰り広げる物語を書いてみたいんだけど、
OKですか?
7名無しさん@無印:2000/06/30(金) 01:13
>>6
秘密結社ってのが引っかかるんですが・・・(^^;
8ゴーストライター御神:2000/06/30(金) 01:26
>>7
Kanonの世界観をベースにしたSSなんて幾らでもありそうなんで、
そういうのも面白いかなと思ったんですが、ダメですか?
9名無しさん@無印:2000/06/30(金) 01:34
>>8
一瞬某青紫さんかと思いました(^^;
まあ、ネタは料理次第ですよねえ。
10名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/06/30(金) 02:18
>>9
>某青紫さんかと思いました(^^;

かなり酷いこといってますね。
11名無しさん@無印:2000/06/30(金) 02:29
すいません。
ちょっとあの「アフターストーリー」には精神的打撃を受けたもので。
と、ここは特別リレーで書くというわけじゃないんですよね。
それなら各自書いた端から書き込んじゃえばいいのでは。
それともリレーやるんですか?
12名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/06/30(金) 02:32
>>11
多分、リレーじゃないでしょうここは。
大体リレーって盛り上がらないんだよね…
13名無しさん@無印:2000/06/30(金) 02:52
>>12
4人位でテンポ良く書ければ面白いと思う。
リレーといえば偽AIRは微妙に続いてるようですね。
読んでみたいSSスレにもう少し面白そうなネタがあれば、
誰かここに書いてくれるかな?
14ゴーストライター御神:2000/06/30(金) 03:18
第一話が出来上がったんですけど、
世界観が滅茶苦茶で、KanonSSとは呼べないものになってしまいました。
それでもアップしてよろしいですか?
15名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/06/30(金) 03:22
>>14
見てみたいです。
16ゴーストライター御神(それではお言葉に甘えて):2000/06/30(金) 03:29
 東京理化学研究所・第二資料室。
 薄暗い明かりのもと、皆川所長は、提出されたばかりのレポートに目を通していた。
『質量保存則の破れ』と題されたレポートは、
 数十ページに渡って難解な数式が並べられている。
 青白い頬と虚ろな瞳、40代後半でありながら白髪が目立つ皆川は、
 同僚だけでなく、学会からも変人と揶揄されている。
 彼は、高い知能と広範な教養を兼ね備え、高校生になる頃には天才と称されていた。
 東京理化学研究所に赴任すると、その才能をいかんなく発揮し、
 コペンハーゲン派の成長株として注目される。
 皆川こそが次世代の物理学を担うと、誰もが信じて疑わなかった。
 しかしやがて、もうひとつの顔が頭をもたげ始める。
 日頃から超常現象に深い関心を持っていた皆川は、
 なんとか合理的な解釈が出来ないかと、
 研究の合間を縫って思考実験にふけるようになったのだ。
 海外から取り寄せた怪しげな文献を見つめながら、うわ言のように何かを呟く様は、
 傍から見れば奇行以外のなにものでもない。
 天才と狂気は紙一重というが、彼はその境界線をまたいでいるようだ。
17ゴーストライター御神:2000/06/30(金) 03:31
>>16 の続き

 常識を逸脱した行動に危惧を抱いた同僚が、
 何度かやめるよう説得したが、皆川は耳を貸さない。
 彼に向けられる眼差しが、敬意から嫌悪のそれに変わるのに、
 さして時間は掛からなかった。
 皆川が視線を落としているレポートは、
 いくつもの方程式が記述されているものの、科学と称せるものではない。
 現代物理学のよってたつ前提が、いくつか無視されているからである。
 内容は、神話や伝説によくみられる、『動物が人間に変化する』という現象を、
 合理的に捉えようというものだ。
 多くの人は、これを未開人の想像の産物だと笑うが、皆川は違う。
 ギルガメッシュ叙事詩や旧約聖書の洪水の一説が、
 史実に基づくものと推測されるように、変化の話もまた、元になる事実があるのではないか。
 笑いたければ笑うがいい。
 いつの時代も、パラダイムシフトは常人の理解を超えているのだ。
 天動説から地動説へ、創造論から進化論へ、
 意識から無意識へ、古典論から相対論、量子論へ・・・。
18ゴーストライター御神:2000/06/30(金) 03:33
>>17 の続き

何本ものしわを刻んだ手でレポートをめくっていくと、
『M町における事例』という項目が目に留まった。
 東北地方の日本海側に位置するM町は、動物にまつわる童話や伝説が数多く残っており、
 今も祖父母から孫へと語り継がれている。
 その中でも特に愛されているのが、狐が人間に姿を変え、心を通わすという逸話だ。
 興味を持った皆川は、彼に共鳴する同士をM町に派遣し、調査を行わせた。
 彼が手にしているレポートは、その同士からあがったものだ。
 ・・・読み進めれるにつれ、皆川は、
 心臓の鼓動が熱く激しくなってゆくのを感じずにはいられなかった。
 M町で、元々は狐だった人間がいることを確認できたというのだから!
 皆川は震えを抑えながら携帯電話を手に取ると、よく知った人物をコールした。
「・・・私だ」
「皆川さんですか、今日はどのようなご用件で」
 電波に乗って届けられたその声は、重く、それでいて深みのあるものだった。
「ある少女を拉致して欲しい・・・報酬は弾む・・・」

19ゴーストライター御神:2000/06/30(金) 03:40
以上が第一話なんですけど、
何も考えずに書いたんで、自分でも整理しきれていません。
鬱です、氏にます。
>>16
鬼畜物かな?
21名無しさん@無印:2000/06/30(金) 07:00
んじゃ自分はごく軽いのを一つ。ありきたりで悪いですけど。
----------------------
それは或る日の水瀬家の夕餉の一齣。

『ごちそうさまでした』
「ごちそうさまー。秋子さんおいしかったよー」
「今日も、だろ?」
「うぐぅ。祐一君のいじわる。だっておいしいんだもん」
「人の善意にすがりすぎだ」
「いいのよ。食事は大勢の方が楽しいもの」
「秋子さん・・・」
「今日の食後のデザートはたいやきよ」
「わーい。たいやきだー」
「うぐぅ。はしゃぎすぎだ」
「あゆちゃん、祐一はほっといて早く食べよ〜」
「冷めないうちにどうぞ。今日のたいやきは特製なのよ」

いつものように穏やかな笑みを浮かべる秋子さん。
その瞬間、俺の名雪の目が合った。そして、無言で頷き合う。

「明日食い逃げしなくても済むように俺の分を分けてやる」
「あゆちゃん、わたしの分もどう?おなか一杯になっちゃって」
「え?本当にボクにくれるの?」
「ああ、だから俺の気が変わらないうちに食え」
「わーい。たいやきが3匹だー」
「良かったわねあゆちゃん」
「さあ、一気にかぶりついてくれ」
「うんっ。(がぷっ)」

ふっ。単純なやつ。名雪は顔を背けていた。

「うっ、うぐっ」
「どうした?おいしすぎて言葉もでないか?」
「うぐぅ・・・」
「どうあゆちゃん?餡子の代わりに手作りのジャムを入れてみたのだけど」
「おいしいよな?もちろん」
「うぐぅ。おいしいです・・・・・・」
「良かったわ。みんな中々ジャムを食べてくれないから工夫してみたのよ。
 あゆちゃんが喜んで食べてくれるならまた作ろうかしら?」
「良かったな、あゆあゆ」
「うぐぅ。あゆあゆじゃない・・・」

・・・そろそろ潮時だな。

「さてと、俺は宿題をしないとな」
「わたしはもう寝るね〜」

俺と名雪は同じタイミングで席を立った。

「さあ、残りも冷めないうちにどうぞ」
「うん・・・・・・」

二階に向かう俺たちの背後から一際高い「うぐぅ」の声が聞こえたのは間もなくだった。
俺と名雪はその場で深々と合掌をしたのであった。
22名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/06/30(金) 20:52
「読んでみたいSS」とうまく連携がとれれば面白そうだな。
文章は苦手だけどネタは出せる人もいるだろうし。
−−−−−−−−−−−−完−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−刊−−−−−−−−−−−−−−−

25>23@`24:2000/06/30(金) 22:30
何がやりたかったんだ?(笑)
26真琴のその後:2000/07/01(土) 14:54
ある雪道を車が走っていた。
ものすごいスピードで。
乗っているのは若い男。

男は人がめったに通らないその道を猛スピードで車を走らせる。
猛スピートで走る車の前になにかが落ちて、いや、倒れている。
男はあわてて避けようとするが、止まることも避けることも出来ず
『それ』をひいてしまう。

ぐちゃっ!!いやな感触がタイヤ越しに伝わる。
男は近くに車を止め、今ひいたモノに近づく。

『なんだ。キツネの死体か』
『こんなとこでくたばってんじゃねぇよ。
おかげでおれの愛車が汚れちまったぜ。』
男はそんなことをつぶやきながらキツネの死体につばを吐く。

男は車に乗り、さっさとその場を離れていった。

車の走り去った後、そこには車にひかれ、内臓をはみ出させた
キツネの死体と流れ出したキツネの血で染まった赤い雪が夕焼け
でさらに赤く染まっていた...。
                         Fin
27名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/01(土) 14:59
>>26
ひえでぇ(笑
28名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/01(土) 14:59
>>26
ひでぇ(笑
29舞シナリオその結末:2000/07/01(土) 15:30
川澄舞は今日も魔物を討つため夜の校舎へやって来た。
『魔物はどこ...』
その時、魔物の気配を感じた!
『逃がさない!』
舞は廊下の曲がりかどに向かっていく魔物を追う!
曲がりかどをまがったところで魔物の動きが止まる!

『もらった!!』
舞はかどをまがりきったところで渾身の力を込めて剣を突く!
ぐさぁ!!

確かな手応えを感じる。『やった?』
だが、舞が刺したのは魔物ではなかった。
「きゃあああっ!佐藤先生!!」
女が悲鳴を上げる。
「ぐふっ、な、何故...?」
刺された男が腹から血を流しながら倒れた。

『そんな...刺される直前に消えた?』
呆然と立ち尽くす舞。

次の日の朝、祐一がいつものように名雪を起こしてから朝食を取って
いる。
なんとなくつけたTVのニュースを食事をしながら見ていると昨日
起きた事件のコーナーに替わった。

「昨晩、市内の高校で3年生の女子生徒が残業で遅くまで学校に
残っていた教師を洋剣で刺殺する事件が発生しました」

『怖いですね』顔色もかえずに秋子さんが言う。
『うわぁ、怖いなぁ...』名雪も事件について感想を言う。

「警察の調べに対し、この女子生徒は『魔物を討つ者だから』
などと意味不明の言動を繰り返しており、近く精神鑑定を...」

『物騒な世の中だな,,,。こんなキチガイを野放しにされちゃ
たまらねぇぜ。すぐにでも少年法を改正するべきだ!』
祐一はそう吐き捨てた......。
3026であり29:2000/07/01(土) 15:48
栞とあゆと名雪の18禁書いてもいい?
承認か了承くれたら書くよ〜。
ただし、全部鬼畜だけど(^^;

栞SS『えあー』*栞の壮絶な最後を描くSS*
あゆSS『罪と罰』*たいやき屋のおやぢに...SS*
名雪SS『脅迫Kanon』*全年齢版名雪EDその後(名雪は処女)*

番外編
秋子さんSS『エイエソ』*秋子さんは永遠に*
香理SS『ジェノサイダー香理』*復讐の刃*
31名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/01(土) 15:50
あまり酷いのはやめてほしいけど・・・
嫌がらせで書いてるんじゃなかったら別にいいですよ。
我慢します。
3226であり29:2000/07/01(土) 16:05
ううん、いやがらせじゃないよ。
ただ単にこんなのくらいしか思い付かないだけ。

ハッピーエンドのSS多いし、たまにはバッドのSSはどうかなと。
ここでのニーズがあれば、だね。書くとしたら。

EVAの影響受けすぎた人間だから(^^;
33「了承」:2000/07/01(土) 17:46
読んでみたいです。
ほのぼの系SSには無い
剥き出しの感情描写や
深い話をきぼーん。
34名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/01(土) 17:51
とりあえず書こうよ。まずはそれから。
35名雪編その1(むかし書いたやつ):2000/07/01(土) 23:11
 高校を卒業した俺と名雪は、地元で社会人として働くようになっていた。
 勤務先が違うからなかなか会えないが、それでも暇を作ってはデートを重ねた。
 忙しいが充実した毎日。

 ある夜、どちらからともなく切り出したプロポーズ。
 秋子さんに二人の気持ちを伝えると、喜んで賛同してくれた。

 高校時代、水瀬家に居候になったのは、2年生の3学期だけだった。
 3年からは、こちらに越して来た両親と過ごした。
 親の干渉がうとましくて、社会人になってからは一人暮らしを始めていた。

 結婚後は、名雪と二人で新居を構えようと考えていた。
 しかし、名雪と秋子さんの勧めもあって、
 わずか3ヶ月ばかり世話になった水瀬家に舞い戻ることになった。

 幸福な毎日だった。
 平凡だからこそ大切な日々。
 失いたくない瞬間。
 きらめく季節。

 俺は、いつまでも、ありふれた幸せに満ちた日々を送れるものだと思っていた。
 そう、この時は……。
36名雪編その2(むかし書いたやつ):2000/07/01(土) 23:12
 始めは順調だった結婚生活も、徐々に陰りが見え始めた。
 社内での地位が高まり、残業が増した俺は、
 夜遅く帰ることが当たり前になった。
 名雪も、後輩の面倒やら雑務で不規則な毎日。
 お互い顔を合わせる時間が減るどころか、
 朝食さえも一緒に採ることはなくなった。
 すれ違う二人。

 秋子さんも気をつかってか、あえてそのことには触れなかったが、
 俺たちの仲を心配しているのは明らかだった。

 なんとか努力はした。
 無理に休みを取って二人の時間を作ろうとしたが、
 深まる溝を埋めることは出来なかった。
 そしていつしか、二人の間には、会話さえなくなっていた……。


 その夜は残業もなく、久しぶりに早く帰宅できた。
 秋子さんが温かいシチューで迎えてくれたが、そこに名雪の姿はなかった。

 夕食を平らげ、寝室のベッドにうつ伏せになる。
 目覚し時計の横に立て掛けられた一枚の写真が、やけに寂しさをかきたてる。
 黒いタキシードに身を包んだ俺と、純白のドレスで着飾った名雪。
 そう、教会で挙げた結婚式の写真だ。
 今では信じられないほど幸福な笑顔。
 あのとき、二人の仲がここまで冷え切ろうとは、誰が想像できたか。

 窓から射し込む月光が、思い出の詰まった部屋を照らす。
 激しい慟哭。
 言いようのない不安。
 名雪を想うたびに、胸が締め付けられる。
 二人で手を取り合って過ごしたあの日々は、もう取り戻せないのだろうか。
 自責の念が俺をさいなむ。
37名雪編その3(むかし書いたやつ):2000/07/01(土) 23:12
 コンコンコン
 電灯も点けない寝室に、ドアのノックが響いた。
「……祐一さん、私です」
 薄いドア越しに聞こえた声は、秋子さんのものだった。
「……お話、いいですか?」


 ドアのそばにあるスイッチを押し、電灯を点けると、秋子さんを部屋に招き入れた。
「どうしたんです? 深刻そうな顔して」
「……名雪のことでお話したくて」
 いつも以上に真剣な表情に、思わず身構える。
 ベッドの縁に腰掛け、秋子さんの話を待つ。
「もう、駄目なんですか?」
 秋子さんは唐突に切り出した。
「なにがです」
 秋子さんの言わんとしてる事は分かっていた。
 しかし、その問いに答えるだけの勇気がなかった。
「名雪とはもう、仲直りできないんですか?」
「仲直りとかそういう次元の問題じゃないんですよ、俺と名雪は。もう無理でしょう」
「だけど、愛し合って結婚したのにこんなことになるなんて、あんまりです」
「男女の仲なんて、所詮はそんなもんでしょ」
「祐一さんは、それで良いんですか?」
 ……良いわけない。
 出来ることなら、名雪の笑顔をもう一度、いや何度でも見たい。
 けれど……。
「終わってるんですよ、俺たちは」
「そんな……」
 自分でも驚くほど、冷たい言葉が堰を切ったように出てくる。
 そうすることで、自分が傷つくことを避けられるからだろう。
38名雪編その4(むかし書いたやつ):2000/07/01(土) 23:13
 自分を偽るたびに、慟哭が激しくなる。
 刻々と脈打つ心臓が熱くなる。
「本当のことを言えば、俺だって、まだ名雪を愛してます。
 抱きしめたい。つまらないことで笑い合いたい。
 だけど、だけど……」
「祐一さん……」
 耐え切れなくなり、今まで溜め込んだ想いを一気に吐き出す。
 次の瞬間、俺は、自分でも信じられない行動に出た。
「きゃああ!」
 秋子の手を取り、白いシーツが敷かれたベッドに押し倒した。
「ど、どうしたんですか? 祐一さん」
 驚きのあまり、ろれつがうまく回らない秋子。
 ただならぬ気配を感じ取ったのか、秋子の顔は、いくらか恐怖で歪んだ。
「秋子さん、俺……」
「や、やめてください……」
 事情を察したのか、押さえつけられた腕を激しくうねらせ、身体を起こそうとする。
 しかし、俺の力に抗するには、あまりにも非力だった。
「い、いや……」
 許しを請う涙混じりの声が、背徳感と官能をくすぐる。
39名雪編その5(むかし書いたやつ):2000/07/01(土) 23:13
 秋子の唇に、俺のそれを重ねる。
「んん……」
 かつて味わっていた名雪の唇ほど柔らかくはないが、俺の興奮を高めるには十分だった。
 嫌がる秋子の顔を押さえつけ、舌を差し込む。
 舌が絡み合うたび、秋子は身体をくねらす。
 唇を離し、息を軽く吸い込むと、秋子の服をまくし上げた。
 白い上品なブラに収められた、張りのある乳房があらわになる。
「ダメ、祐一さん……」
 もはや俺の耳には、秋子の声など届いていなかった。
 ブラを上にずらすと、桜色の乳輪と突起があらわになる。
 乳房を両手でつかみ、丹念に感触を味わう。
 手の平の動きに合わせ、秋子が喘ぐ。
 乳房の頂を口に含み、桜色の乳首をむさぼる。
 舌の先で転がすと、秋子の喘ぎがいっそう激しくなる。
 秋子の乳房に飽きると、スカートと下着を素早く下ろす。
 どうやら、もはや秋子に抵抗する意思は無いようだ。
 両足を広げると、糸を引く、きらめく精液があふれていた。
 舌ですくい上げると、秋子の呼吸が荒くなってゆく。
「祐一さん、来て……」
40名雪編その6(むかし書いたやつ):2000/07/01(土) 23:14
 中腰になってズボンを下ろす。
 そそり立ったペニスの先からは、わずかばかり精子が漏れていた。
 秋子にあてがい、一気に差し込む。
「あああん」
 秋子は背中を反らせ、頬をさらに高揚させる。
 しまりの良さは、秋子の経験の少なさを物語っていた。
 腰の反復運動を始めると、全身を巡る血液がペニスに集まり、さらに膨張させる。
 秋子の官能的な喘ぎと、ペニスを包む感触が、射精感を高める。
 寸前で引き抜き、高揚した秋子の顔に射精した。

 秋子の隣に横たわり、疲れきった身体を休ませる。
 興奮が治まらないのか、秋子は、しばらく呼吸が落ち着かなかった。

 不意に訪れる後悔。
 俺は、とんでもない過ちを犯したんじゃないだろうか。
 名雪の笑顔がちらつく。
 秋子さんはそんな俺を気遣うかのように、俺の顔を覗き込む。
「後悔……してますか?」
「……少しだけ」
 交わりの後に交わした言葉は、それっきり途絶えた。
41名雪編その7(むかし書いたやつ):2000/07/01(土) 23:15
 破局の訪れは、突然だった。
 俺はその夜も、名雪の目を盗んで秋子を抱いていた。
 しかし、運命の悪戯か、居ないはずの名雪が、寝室のドアの前で、呆然と立ち尽くしていた。
 仕事が速く片付いたのだろう。
 裸で抱き合う俺と秋子。
 名雪の瞳から、急速に光が失われてゆく。
 いくら愛情が失せたとはいえ、仮にも夫である男が、自分の母を抱いているのだ。
 誰も、言葉を発することはできなかった……。

 慰謝料は、500万で合意した。
 払えない額じゃない。
 金で償えるとは思っていないが、失われた時は、もう取り戻せないのだ。
 荷物は、引越し先のアパートに送ってある。
 あとは、この水瀬家を去るだけだ。

「祐一さん、お元気で……」
「秋子さんこそ」
 別れの言葉。
 しかしそこに、名雪の姿はなかった。
「さようなら」

 季節は冬。
 玄関のドアを開けると、木枯らしが吹き込む。
 ジャンパーのポケットに手を突っ込み、体温を逃がさないよう身体を丸める。
 視界を、白く冷たい粒が舞う。
 空を見上げれば、雪を降らせる暗い雲。
「そういえば、名雪と再開したのも、こんな天気の日だったな」
 思えば、幼いときも名雪を裏切った。
 名雪の気持ちも考えず、冷たくあたってしまった。
 あのときの秋子さんの事故を乗り越え、俺たちは過去を断ち切った。
 けれど、今度ばかりはそうはいかなかった。
 何がいけなかったのだろう。
 今となっては分からない。

 この街で生まれた名雪との思い出が、脳を駆け巡る。
 楽しい思い出、つらい思い出……。
 そのどれもが、大切な宝物。
 俺と名雪が共有した時間は、間違いなんかじゃなかった。
 そうだと信じたい。

 振り返ると、屋根に雪を積もらせた水瀬家に一礼し、俺は新たな一歩を踏みしめた。

 ――――――――――――完――――――――――――
どこかで読んだことあるな?どこだったかな?
43>42:2000/07/02(日) 03:02
多分ここだ。
(数ヶ月前だけど)
44名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/02(日) 03:16
この後の水瀬家は毎日が通夜みたいだろうな。
こういうダークなSSは面白い。
45名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/02(日) 09:56
こういう展開もあるかもな。秋子さんが裕一に付いていって家を出たりしたら名雪はさらに悲惨。うひぃ。
46ETE:2000/07/02(日) 11:27
…しかし酷い(笑)SSが続いてますね、このスレッド。
今名雪ENDみたら暗い気分になれそう(笑)
47栞ENDその後:2000/07/02(日) 13:28
「だからその子はたったひとつの願い事で、どんな願いでも叶えることができたんです」
「ふーん。面白いおとぎ話だな」
「おとぎ話じゃないですよ、祐一さん…。
 その女の子は、祐一さんもよく知っている人です」
「え…?」
 栞に連れられて病院に行った祐一は、変わり果てた姿で眠り続けるあゆの姿に、
全ての記憶を取り戻した。
「くそっ、結局俺は都合の悪いことは見ないまま、奇跡が起きたと喜んでいたのか…。
俺はっ…!」
「大丈夫ですよ、祐一さん。あゆさんはきっと目覚めます。だって…起きるから、
奇跡って言うんじゃないですか」
 そのときは栞も本気でそう思っていた。
 だからこそ、そんな安請け合いをしたのだ。

 その日から祐一と栞の、あゆを見舞う日々が始まった。
 最初のうちは良かった。祐一にとっては大事な思い出の女の子だし、栞にとって
は命の恩人だ。時間が空くたびに病室へ行くくらい、大した労苦とは感じなかった。
 だが、あゆはなかなか目を覚まさない。
 状況に何の変化もないまま、1ヶ月、2ヶ月…。『もしかしてこのまま目覚めな
いのでは?』。そんな焦燥をうち払うように、二人の見舞いは続いた。
 もちろん栞にだって普段の生活はある。夢にまで見た普通の学園生活。学校にい
る間は良かった。しかし放課後になると、祐一が迎えに来る。
「じゃ、行くか」
「は、はい…」
 部活にも入れず、病院に通うだけ。デートなんてしたことがない。栞が夢見てい
た毎日とは、かなり差が広がっていた。
48栞ENDその後:2000/07/02(日) 13:29
 一度だけ、祐一に尋ねてみたことがある。
「ねえ、祐一さん…。たまには…どこかに遊びに行きませんか?」
 その結果はさんざんなものだった。
「何を言ってるんだ、お前はっ!
 あいつはあんな状態で、動くことすらできないんだぞ! 俺たちのために願い事
を使ったせいで!
 そんなあゆを放っておいて、俺たちだけ楽しもうなんてよく言えるなっ!!」
「ご、ごめんなさいっ…。もう言いません、ごめんなさい…!」
 それからは、黙って見舞いに付き合うしかなかった。
『命の恩人を見捨てる薄情者』
 少しでも不平を言おうものなら、そう怒鳴られるだけだ。栞に選択肢なんて
なかった。
 そして日は巡り、再び冬がやってくる。
 あゆは未だに目覚めない。良くもならず悪くもならず、ただ眠るだけ。
『俺たちの声が足りないのかもしれない』。祐一はそう言って、さらに見舞いの頻
度を増やした。
 この一年、栞には何もなかった。全ての自由時間は取り上げられ、狭い病室で、
眠り続ける女の子に話しかけるだけの日々。
 ものには限度というものがある。いくら命の恩人でも、栞にはそろそろ限界だった。
 そんなとき、栞の部屋のドアが軽くノックされる。
「ねえ、栞」
 廊下には、何かの券を手にした姉が笑顔で立っていた。
「遊園地のチケットが2枚手に入ったのよ。良かったら一緒に行かない?」
「え、でも…」
「あたしも最近受験勉強ばかりだし、気晴らしに付き合ってくれると嬉しいんだけど」
「う…うん…」
 そう、一度だけ…。今回だけだから…。
「うん…いいよ、お姉ちゃん」
「良かった、それじゃ今度の日曜にね」
49栞ENDその後:2000/07/02(日) 13:30
 祐一には体調が悪いと嘘をついた。
 大好きな姉と、遊園地でデート。どうしても気持ちがはしゃいでしまう。
「お姉ちゃん、次はあれ乗ろっ」
「はいはい、相変わらず子供ね」
「うー。そんなこと言うお姉ちゃん、嫌いですー」
 こんな風に楽しい時間を過ごすのは、何日ぶりだろう。
 あゆと祐一には悪いが、このくらい許されていいはずだ…。二人のことは忘れ、
栞は久しぶりに生きている実感を満喫していた。

 しかし、その頃――
「心拍数、低下していきます!」
「く、くそっ! おい、しっかりしろぉっ!」
「相沢君、だったね。残念だが、ここまで生きてきただけでも奇跡なんだよ…」
「そんなの認められるかっ…!
 あゆっ! 本当に行っちまうつもりかっ! 俺たちはずっと待ってるんだぞっ!
 俺も、栞…も…」
 その栞は、今この場にいなかった。
『栞なら、遊園地に遊びに行きましたよ』
 美坂家へ電話したときの、母親のそんな声。裏切った。あいつは自分可愛さに、
あゆを裏切ったんだ――

 その日、月宮あゆは、結局一度も目覚めることなくこの世を去った。
50栞ENDその後:2000/07/02(日) 13:30
「そ…んな…」
 天国から地獄。
 帰ってきたときの栞は、まさにそんな状態だった。
「ま、待ってよ相沢君!」
 香里が妹をかばうように手を広げる。
「あたしが無理矢理誘ったのよ! この子を責めないで、悪いのはあたし…!」
「お前が…あゆを殺したんだ」
 祐一の目に、香里は映っていなかった。
 ただ暗い瞳で、青ざめ震える栞の姿を凝視していた。
「そうだろっ…!
 お前の命を助けなければ、あゆは『願い事』で自分を救えたんだからな!
 あゆは死んだ! お前だけのうのうと生きて、楽しく人生を送っているわけだ!
 お笑い種だな、は!」
「相沢君!」
「くそっ、くそっ…うわああああああああっっ!!」
 訳の分からない叫びを残して、祐一は走り去り…
 栞は死人のような顔で、ただ何も言えず立ち尽くしていた。
「栞、あなたのせいじゃないわ…」
「う……ん……」
51栞ENDその後:2000/07/02(日) 13:31
 その夜、栞は遺体安置所にいた。
「あゆさん…」
 顔にかけられた白い布をめくる。暗い部屋の中では、前みたいに眠っているよう
にも見える。
 だが頬に触れてみると、それは冷たく固い死体だった。
「あゆさん、私、人殺しなんだそうです」
 笑顔を浮かべる栞の目は、すでに光を失っていた。
「勝手ですよね、私…あの時は、確かにあなたに感謝してました。
 でもね、でも――
 今は、あなたのことが憎くて仕方ありません!
 自分を犠牲にしてまで助けてほしいなんて、誰が頼んだんですか!?
 そんなことされて、喜ぶ人がいると思ってたんですか!?
 あなたが憎いです!! あの時、死んでいれば、私は…綺麗な思い出として、
残れたのに…っ」
 あの時。一年前に使ったカッターを、今また手首に当てる。
「みんな…嫌いです」
 今度は失敗しないように、思い切り引いた。

 血の海の中で、事切れた栞が発見されたのはその翌朝だった。
 遺書には一言だけ。
『私の命を、あゆさんにお返しします』
 もちろん栞が死んだからといって、あゆが生き返るわけではない。ただの当てつ
けだった。
52栞ENDその後:2000/07/02(日) 13:31
 美坂栞の葬儀は、身内だけでひっそりと行われた。
 やつれ果てた顔で、祐一が姿を現す。
「香里…」
「…消えなさい」
「‥‥‥」
「消えなさいよ…。二度とあたしの前に現れないで!」
 その言葉に従う他なく、祐一は栞の遺影すら拝めなかった。
「(なんで、こんなことになっちゃったんだろうな…)」

 一年前、皆が栞の死を現実として受け止められたら、こうはならなかったのだ。
 現実が過酷だからといって、安易な『奇跡』などで取り繕おうとしたのがそも
そもの間違い。自然の法則を歪めれば、どこかでしっぺ返しが来るのは当然の摂理
だった。
「(なあ、俺はどうすればよかったんだ…?)」
 それが誰への問いかけなのか、祐一自身にも分からなかった。


------------------------------
『天使のお仕事』をやってて思いつきました。(思いつくなよ)
53名無しさん:2000/07/02(日) 13:40
ダ、ダークだねぇ
54>栞END:2000/07/02(日) 13:48
いや〜ん、暗すぎる。
それに、祐一の性格がおかしいぞ。
55名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/02(日) 14:43
ひょえええええええ。迫力ありすぎっす。
でも裕一だったらあゆのおかげとわかったら
こういう行動に出るかもしれないし、
栞も本当に自殺しちゃうかもなあ・・・。

ちょっと怖いけど俺はこういうの嫌いじゃないよ。
「幸せ」ってのは絶対確実なものじゃなくて
ちょっと歯車が狂えばすぐに悲惨な境遇になってしまう事もある。
そういう壊れやすいものだからこそ大事にしなくちゃいけない、
というのをダーク系SSを読むと感じるから(俺だけかな?)
56名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/02(日) 15:10
あ、やっぱ天使のお仕事ですか。
でも、なんとなく納得いく内容だな。
57名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/02(日) 16:08
なんとなくだけど「久遠の絆 再臨詔」を思い出した。
58あぼーん:あぼーん
あぼーん
59あぼーん:あぼーん
あぼーん
天使のお仕事をやった事あるけど…
あれにバッドエンドがあればこんな形になんでしょう。
痛いけど良かった…
61佐祐理編その1:2000/07/02(日) 18:50

 可愛らしい小物が並べられた部屋で、
 佐祐理は胸に手を当てながら、深く息を吐いた。
 祐一と舞、それに佐祐理の三人で同棲を始め、はや半年。
 祐一と暮らしを共にすることで、
 凍り付いていた舞の心は徐々に解け始め、近頃は笑顔もこぼすようになった。
 和らいでゆく舞の表情は、佐祐理の心を幸福で満たした。
 祐一には感謝の言葉もない。
 ささやかな事で喜び、つまらない事で笑う日々は永遠に続くかと思われた。
 しかし今、佐祐理の中で、
 掴みどころのない何かが、泉のように湧き出していた。
 それを形容する言葉を、佐祐理は知らない。
 いや、口にしたことが無いと言うべきか。
62佐祐理編その2:2000/07/02(日) 18:51

 佐祐理は、壁に掛けられた時計を見上げる。
 午後6時半。
 祐一と舞がデートに出かけてから、まだ30分も経っていない。
 時の流れが、やけに遅く感じられる。
 二人が楽しそうに言葉を交わす姿を想像するたびに、
 胸が締め付けられる。
 形の定まらない感情の塊は、抑えることが出来ないほど肥大化していた。
 佐祐理もそのことを自覚している。
 そして、その想いが誰に向けられ、
 誰を傷つけるものであるかも、おぼろげながら分かり始めていた。
 ただ、今の佐祐理には、それを許容するだけの勇気がない。
 佐祐理は両膝を抱え込むように背を丸めると、
 誰に聞かせるでもなく嗚咽を漏らした。
63佐祐理編その3:2000/07/02(日) 18:52

「ただいま」
 静寂に満たされていた部屋を、祐一の明るい声が塗りつぶした。
「佐祐理さん、お土産買ってきたぜ」
 ドア越しに声をかけるが、返事はない。
「お〜い、佐祐理さん」
「・・・一人にしてくれませんか」
 間をおいて、佐祐理の細々とした声が聴こえた。
 要領を得ない返答に祐一が戸惑っていると、
 ドレスアップした舞が歩み寄ってくる。
「・・・どうした?」
「俺にもよく分からないんだけど、一人にしてくれって・・・」
 祐一と舞は、薄いドアを挟んで佐祐理を問い詰めようとしたが、
 やはり納得のゆく言葉を聞くことは出来なかった。
64佐祐理編その4:2000/07/02(日) 18:52

 佐祐理が部屋に篭ってから3日。
 入浴の為に出て来ることはあっても、二人と言葉を交わすことはなかった。
 食事も取っていない。
 その夜、舞は買い物に出かけていた。
 カーテンの隙間からその姿をうかがっていた佐祐理は、
 祐一が掃除をしているキッチンに姿を現した。
「祐一さん・・・」
「佐祐理さん・・・」
 三日ぶりに聞いた佐祐理の声に、祐一は安堵の表情をあらわにした。
 いろいろと話を聞きたいところだが、
 やつれきった彼女を目の当たりにし、まずは食事を取らせるべきだと考えた。
「何がいい? 舞が買い物に行ってるから、インスタントぐらいしかないけど」
 佐祐理は祐一の問いには答えず、代わりにゆっくりと唇を刻んだ。
「祐一さん、聞いてください・・・」
「どうしたんだい、あらたまっちゃって」
 佐祐理はこぶしを握ると、
『舞、ごめんなさい』
 心の中で呟いた。
 胸を焦がす想いには逆らえない。
 伏せ気味だった視線を水平に戻すと、佐祐理は祐一の瞳を見据えた。
65佐祐理編その5:2000/07/02(日) 18:53

「佐祐理は、祐一さんのことが好きです」
 突然の告白に意図が飲み込めない祐一だが、
 幾度か瞬きする間をおいて、
「俺だって佐祐理さんのことが好きさ」
 いつものボケだろうと軽く流した。
 そんな祐一の表情を強張らせたのは、佐祐理の、暗い炎が揺らめく瞳だった。
「祐一さんを愛してます。誰よりも」
 それは、ありったけの想いを込めた、佐祐理が始めて口にする愛の告白。
「佐祐理さん・・・」
 冗談でないことが分かった祐一だが、
 突然の独白に戸惑い、視線を宙に泳がせる。
「佐祐理じゃダメですか?」
「ダメとかそういうんじゃなくて・・・」
 佐祐理の想いには答えられない。
 それが、祐一が即座に弾き出した答えだった。
 しかし、返すべき言葉が見つからない。
 なんとか搾り出した言葉は、ありふれているが、
 それでいて佐祐理を打ちのめすには十分なものであった。
「ごめん、俺、やっぱり舞のことが好きだから、
 佐祐理さんを受け止めることは出来ない・・・」
66佐祐理編その6:2000/07/02(日) 18:54

 佐祐理の視界が、白く瞬いた。
 全身から力が抜けて、現実感が失われてゆく。
 かき乱された思考と想いが胸を引き裂く。
 キッチンを満たす、悲しみの色に染め上げられた沈黙に耐えかね、
 料理でもしようと佐祐理に背を向けると、祐一の背中から熱い雫が滴った。
 祐一は声もなく倒れ、キッチンには赤い染みが広がってゆく。
 佐祐理は、鮮血に染まったナイフを手に、振るえおののいている。
 返り血を浴びたその顔は、恐怖で歪み、精気が失われている。
 佐祐理は、声無き悲鳴をあげ、夜の街に消えていった・・・。
67佐祐理編その7:2000/07/02(日) 18:54

 声と涙を枯らすことになろうとは、
 買い物袋を手に下げながら帰途を行く舞には想像できたはずがない。
 舞は涙を零しながら泣き叫ぶが、祐一がそのまぶたを開くことはなかった。
 警察は佐祐理の犯行と断定し、
 全国に指名手配するとともに、各地に検問を設け、行方を追っている。
 佐祐理はキッチンを飛び出した後、
 あてもなく歩き、夜が明ける頃には県境を超えていた。
 事件を報じた新聞やニュースを何度か目にしたが、何かを考える余裕などない。
 気がつくと佐祐理は、日本列島を縦断する山脈のふもとに立っていた。
 佐祐理はある決意を胸に秘め、山に脚を踏み入れた。
68佐祐理編その8:2000/07/02(日) 18:55

 聞き込みを続けた結果、
 佐祐理とよく似た女が山に向かったことを掴んだ警察は、
 パトカーを何台か急行させた。
 その内の一台に、舞の姿がある。
 もしもの時、佐祐理を説得したいと、舞自らが申し出たのだ。
 何かの間違いであって欲しいという期待はない。
 ここ数日の佐祐理の様子を考えたうえでのことだ。
69佐祐理編その9:2000/07/02(日) 18:55

 山に入ってから半日ほど経っただろうか。
 日はすでに落ち、周囲を照らす光など一筋も見当たらない。
 入り組むようにそびえる大樹からは、
 動物たちが獲物を狙う目で佐祐理を見つめている。
 ひたすら奥に向かって進むと、急に視界が開けた。
 眼下は、断崖絶壁と呼ぶに相応しい崖で、底には清らかな水が流れている。
 両手を広げ、深く息を吐き、自然のざわめきに耳を澄ますと、
 清流が岩を削る音と動物の鳴き声に混じって、人の声が聞こえてきた。
 振り返ると、円錐状の光が佐祐理を捉えた。
 5人ほどの警官が、ハンドライトを向けているのだ。
「倉田佐祐理だな、殺人の容疑で逮捕する」
 佐祐理は無言のまま、警官の列を左から右へ視線を移す。
 抵抗を警戒してか、何人かが拳銃を構えている。
 佐祐理は、逃亡の意志も抵抗の意思も示さない。
 列の中央に位置する警官が、手錠をかけようと歩み寄る。
 しかし、その歩みを遮ったのは舞の叫びだった。
「待って!」
 遅れてやって来た舞は、激しく息をつきながら、警官と佐祐理の間に入った。
70佐祐理編その10:2000/07/02(日) 18:56
「舞・・・」
 三日間の逃亡生活で疲れきった佐祐理は、虚ろな言葉と瞳を返した。
 言いたい事は沢山ある。
 しかし、二人とも考えがまとまっておらず、なかなか言葉が出ない。
 先に口を開いたのは佐祐理だった。
「ごめんね、舞、こんなことになっちゃって・・・」
 許してと言えるはずはないし、言ったとしても許されるはずがない。
 謝罪の言葉を並べるしかなかった。
 舞はなんと答えたらいいのか分からず、口を閉ざしたままでいる。
 次に言葉を発したのは、やはり佐祐理だった。
「悔しかった・・・祐一さんと仲良くする舞を見るたびに胸が苦しくなって・・・でもどうしよもなくて・・・気がついたら・・・」
 乾いた声が、涙混じりのそれに代わってゆく。
 とめどめもなく溢れる涙が、ハンドライトの光を照り返し、七色の輝きを放っている。
「ごめん、舞・・・」
 それが、佐祐理の発した最後の言葉だった。
 佐祐理は後ずさると、舞が手を伸ばすよりも早く、崖に身を投げ出した。
 幾瞬かの静寂の後、硬いものが潰れる音が、風の乗って崖を這い登って来た。
「佐祐理・・・」
 舞の瞳からこぼれた涙が広げる染みは、佐祐理のそれに重なり、
 二人の思い出を溶かし込んでいった・・・。

 ――――――――完――――――――
71mio_2ch@SS回収屋:2000/07/02(日) 21:04
お知らせでーす。ここのSS(勝手に)回収しました〜。
不都合がある場合はこのスレにそう書いといて下さい。
消しますんで。(完結してないものは未回収です)
偽AIRとかベルセルクのスレのも完結したら回収した方が
いいのでしょうかね?

↓回収場所
http://mio_2ch.tripod.co.jp/
72名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/02(日) 21:15
あれ?つながりませんよ?
7335〜41&61〜70:2000/07/02(日) 21:29
>71
問題ないですよ。
74>71:2000/07/02(日) 22:25
すげー。見に行ったら「暗黒Kanon」で有名なkagamiさんまで来てるじゃん。
7572:2000/07/02(日) 22:29
え?えー??つながらないんですけど…71
76名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/02(日) 22:40
うう、佐祐理さんが・・・(;_;)
思い詰めちゃう性格なだけにこういう話もありか?
このあと舞はどうなってしまうんだろう・・・。
77ETE:2000/07/02(日) 22:42
「栞のその後」は「奇跡=あゆの呪い」みたいですね。
個人的には、祐一がああいった風に豹変するとは考えにくい気もしますが、
確かにこういう状況では救われた側にも心理的な負担はかなり掛かってきそう…
78ゆず木(かもふらだよもん):2000/07/02(日) 22:45
>>72
あたしもきちんと見ることできたよ。

>>71
mio_2chさん、おつかれさま。
一度にまとめて読めてとても便利。
これからもがんばってね。
79真琴と舞SSを書いた者:2000/07/02(日) 23:07
>71さんへ
自分の書いたクソみたいなSSまで収録して頂けうれしいですぅ!!
今度はエロくて非道くて抜けるの書くつもりなんで見てくださいね!!

話の性質上、全員不幸になるSSですが(^^;

*とりあえず名雪は救済があります*
奇跡は一人にしか与えられない...Kanonはいいですよねぇ。
80栞のその後を書いた奴:2000/07/02(日) 23:54
>>71
問題ないです。

感想くださった皆様ありがとうございまする。
確かに祐一は無理矢理ダークにしすぎたかもー。
まあ、あそこまでいかなくても、あゆが小渕みたいに死んじゃったらあの二人は
破局でしょうね。さすがに他人の死の犠牲の上で幸せにはなれないだろうし。
81SW(75):2000/07/02(日) 23:59
うー、いくらやってもエラー…
NNでもIEでも…
82mio_2ch@SS回収屋:2000/07/03(月) 00:29
>SWさん
うーん、鳥のサーバーはテレホ激重らしいんでそのせいかなあ。
あ、でもテレホ前からか・・・
こちらはどうでしょう?

http://members.tripod.co.jp/mio_2ch/

kagamiさんの件は僕もマジびびりましたです・・・


83ETE:2000/07/03(月) 00:34
>80さん
他人の犠牲の上で結ばれてしまったというしがらみで、何があっても
別れられなくなってしまう、とも考えられるかも…
84SW:2000/07/03(月) 00:42
>mio_2ch@SS回収屋さん
ありがとうございます。やっと見られました。
でもmio_2ch.tripodの方はやっぱりつながりません…
85SW:2000/07/03(月) 02:24
kagamiさんてそんなにすごい人なんですか?
玲奈さんのとこにも来てました…
86 :2000/07/03(月) 11:19
87名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/03(月) 12:38
 ちゃっちゃら〜 ちゃららら〜
レポーター「皆さん、こんにちは、『突撃! あなたのお昼ご飯』、
      今日は○○町の水瀬さん宅にお邪魔しています。こちらがご主人の秋子さんです」
秋子「え、ええと、こんにちは」
名雪「わあ、テレビだよ〜。香里〜、見てる〜?」
祐一「やめろ、恥ずかしい」
レポーター「早速ですが秋子さん、水瀬家には、
      町内で話題沸騰の手作りジャムがあると伺ったのですが」
秋子「はい、これです」
レポーター「では、味見させていただきましょう」
祐一「(毒見だけどな)」
レポーター「ぱくり・・・・・・むうう! これは!?」
アナウンサー「どうかしましたか? コネスケさん」
レポーター「いえ・・・この何とも形容しがたい味は・・・話題になるわけですな・・・」
祐一「(言わんこっちゃない)」
レポーター「試食が済んだところで秋子さん、
      このジャムの作り方を教えていただけますか?」
秋子「本当は秘密なんですけど、今日は特別、皆さんに教えて差し上げます。
   まずは××を△△して・・・」
ここでいったん映像と音声が途切れる。
アナウンサー「ただ今、一部に不適切な表現がありました。お詫び申し上げます(ぺこり)。
   それではもう一度、現場のコネスケさんを呼んでみましょう。コネスケさん」
レポーター「はい、コネスケです。それでは気を取り直して・・・どへっ」
どこからか飛んできたボールがコネスケの頭に当たる。
レポーター「いてて・・・うん? 頭がやけに涼しいぞ・・・ああああ!!」
真琴「わっ、どうしよう・・・」
真琴の投げたボールがコネスケの頭に当たり、カツラがずれ落ちたのだ。
レポーター「うわああああああ!!」
いたたまれなくなったコネスケは、カツラを拾うと脱兎のごとく現場を立ち去った。
アナウンサー「コネスケさん! コネスケさん!」
88真琴ENDその後:2000/07/03(月) 17:45
”真琴が帰ってきた――”
 そう知らせてくれたのは、放送で呼び出された職員室での、秋子さんからの電話だった。
 すぐさま担任に早退する旨伝えると、弾丸のように校舎を飛び出す。帰ってきて
くれた。俺たちの想いが、ものみの丘の狐に通じたのだろうか。
 途中で肉まんを買い込んで、そのまま水瀬家の玄関に駆け込んだ。
「秋子さんっ! 真琴はどこにっ!?」
「あら祐一さん、そんなに慌てなくても真琴は逃げませんよ」
「真琴ーっ! どこかに隠れてるのかーっ!」
「まあ祐一さん、あなたの足下にいるじゃありませんか」
 足下?
 視線を下げる、そこには…
 ――生意気そうな顔の狐が一匹。

「‥‥‥」
 変わり果てた姿に、俺はその場に崩れ落ちるしかなかった。
「そ、そりゃ生きて帰ってきただけでも有り難いとは思うけどさあっ…」
「そうですよ祐一さん。贅沢はいけません」
「だいたいホントに真琴かお前っ! ただの紛れ込んできた狐じゃないのかっ?」
(あうー)
 とは言わなかったがそんな素振りを見せると、前足を上げて俺の頭を叩き始める狐。
「いててて。ち、ちょっと待てっ。ほら、肉まんやるから」
(あう)
 ぴくん、とひげを振るわせ、俺が空中に掲げた肉まんに飛びかかる。
 さっ
 素早くその手を引っ込めると、勢い余った狐はそのまま壁に激突した。
 間違いなく真琴だ…。
(あうーっ! あうーっ!)
 怒って俺の足に噛みつく真琴を眺めながら、思案に暮れる俺。さて、どうやって
人間の姿に戻したものか…。
89真琴ENDその後:2000/07/03(月) 17:46
「ただいまー」
 と、遅れて早退してきた名雪が帰ってくる。
「祐一、美汐ちゃん連れてきたよー」
「お邪魔します…」
「いいところへ来た天野。実はかくかくしかじか」
「相沢さん、それは贅沢というものです」
「ぐっ」
 まあ、天野にしてみればそうも思うだろう。
 この姿だって真琴には変わりはないのだし。
 けど…
「きつねーきつねー!」
(あうー)
「ふわふわのもこもこー!」
 人の苦悩をよそに、真琴を抱きしめてはしゃぐ名雪。
「祐一、真琴は狐のままでいいよっ」
「そうねぇ、食費も浮くし」
「人間になった場合、戸籍等の問題も発生しますしね」
「ちょっちょっとちょっとーっ!」
 なんだか流れが怪しくなってきたが、女性三人を敵に回しては勝ち目がない。
ひとまず場を落ち着けるべく、俺は軽く咳払いする。
「いや、ここは真琴自身の意思を尊重すべきじゃないのか?」
「うん、そうだね」
 真琴を放し、しゃがみこんで尋ねる名雪。
「ねえ真琴。人間として受験や就職に晒されるのと、狐のままで毎日食っちゃ寝
できるのとどっちがいい?」
「どーゆー聞き方だ!」
 真琴は考えるまでもなく、だらりと寝そべって肉まんをかじり始めた。
「いいなぁ…。わたしも狐になりたいよ…」
 名雪、お前って奴ぁ…。
90真琴ENDその後:2000/07/03(月) 17:47
「それでは真琴は狐のままということで、皆さんよろしいですか?」
「いいよ」
「了承」
「ちょっと待てーーっ! 俺はどうなるんだ。だいたい狐の姿じゃ何もできない
じゃないかっ!」

 ‥‥‥‥。
 俺を待っていたのは、三人の冷ややかな視線だった。

「あらあら、一体何をしたいのかしら?」
「祐一、不潔…」
「相沢さん。あなたには失望しました」
「ご、ごご誤解だっ。ほら、なんだ、俺は真琴と一緒に対戦テトリスをやりた
かったんだ」
「今時そんなものやってる人いないよっ」
 くっ、もはやここまで。俺は真琴の首根っこを引っつかむと、一目散に水瀬家を
飛び出した。
「祐一、どこ行くのーっ!?」
「真琴を人間にしたらすぐ戻る!」
91真琴ENDその後:2000/07/03(月) 17:48
「いいかよく聞け真琴。確かに狐は楽かもしれないが、マンガは読めないぞ?」
(あう)
「それどころか一生を名雪のペットとして送ることになるぞ?」
(あうーあうー)
「わかればいいんだ。それじゃ行くとするか…あれ」
 目の前を栞が通りかかる。
「わ。祐一さんですー」
「そうだ栞。狐を人間に変える薬はないか?」
「祐一さん、昼間からラリってるんですか? 冗談は顔だけにしてくださいー」
 ちょっと聞いてみただけじゃないか…。
「狐ってこの子ですか?」
 手を伸ばして、真琴の頭をなでる栞。
「可愛いですー。毛皮が高く売れそうですー」
(あうっ!)
「おい…」
「動物実験にも最適ですー」
「もういい、しゃべるな」
「知らないんですね祐一さん。新薬が開発されるたびに、どれだけの動物が犠牲に
なっているか…」
(あうーっ! あうーっ!)
「なんてこと言う人、嫌いです」
「こっちのセリフだ!!」
 と、こんなことをしていては昼休みが終わってしまう。
 俺は栞に別れを告げ、学校の屋上に続く踊り場へと向かった。
 動物が女の子になるのは魔法少女ものの定番! あの人なら何とかしてくれるに
違いない。
-------------
つづく
92真琴ENDその後:2000/07/03(月) 20:40
 が…
「ごめんなさい。実は佐祐理、オベリスクの召還魔法しか使えないんです」
「なんでよりによってそんなものを…」
 佐祐理さんが杖を振るやいなや、空から巨神兵が現れる。
「これが佐祐理のオベリスクですよー! わははははーー!!」
「ああっ漫画板でしか通用しないネタを」
「ということで、頼むなら舞に頼んでください」
「舞に?」
 じーっと真琴を注視している舞。こいつが?
「実は舞はすごい超能力者で、死んだ母親すら生き返らせるほどなんです」
「そ、そうだったのか。頼むぜ舞!」
「断る」
「‥‥‥‥」
「私 は 狐 の 方 が い い !!」
 いや、そこまで断言しなくても…。
「きつねさん、おいでおいで…」
 人の話を無視して真琴に手を伸ばす舞。バカめ、真琴がそうそう人に懐くはずが
……って弁当見せたとたんに駆け寄りやがった! 所詮は獣かッ!
「あははーっ、可愛いですねーっ」
「祐一…。この子譲って」
「無茶言うなっ!」
 もぐもぐと弁当食ってる真琴を、舞の手から引ったくる。
「ううっ、きつねさん、きつねさん…」(しくしく)
「よくも舞を泣かせましたね。祐一さん…あなたを殺します」
「さよーーならーーー!!」
 脱兎のごとく逃げ出す俺。真琴は…満腹してげっぷしている。なんだか何もかも
馬鹿馬鹿しくなってきた…。
 い、いやここでくじけるな。まだ最後の手段がある!
 俺は真琴を抱えたまま、並木道へと急いだ。
↑省略部には何もないです。スマソ
94名無しさん@(以下略):2000/07/04(火) 08:41
>真琴ENDその後
面白い!続き(最後の手段)が楽しみです。
95あゆSS『罪と罰』:2000/07/04(火) 20:08
なんで、こうなっちゃったんだろ...。
どうして、こんなひどいことされなきゃいけないの...?

「おまえにはまだまだ稼いでもらうぞ」

いやだよ...もういやだ...。
誰か...助けて...ボクを...この地獄から...。
助けて.........。

☆2ちゃんねる愛の劇場 月宮あゆ主演SS『罪と罰』☆

そう...この地獄はあの時から始まったんだ...。
あの時から......。

〜数日前〜
『うぐぅ〜っ!!どいて、どいてぇ〜っ!!』
ボクはいつものお店でたい焼きを買おうとしてたんだ。
でも、店のおじさんにたい焼きを頼んだあとで気づいたんだ。
また、お財布を忘れちゃったことに。

うぐぅ...どうしよう...。
ここはおじさんに謝って帰ろうかな...。
でもおなかすいたよ...。

「へい、たい焼き5つお待ち。450円ね」
うぐぅ......。
ボクは出来たのたい焼きの入った紙袋をおじさんの手から取り上
げて、全力でその場から走り去った!!

『ごめんなさい!!あとで絶対お金持って来ますからっ!』
これがボクの生き地獄のはじまりだなんて思ってなかった...。
そう、この時は.........。
96あゆSS『罪と罰』2:2000/07/04(火) 20:36
ボクは走った。全力で。でも、おじさんはまだ追ってくる。
『うぐぅ!今日はいつもよりしつこいよぅ!!』
と、いっても今日が3回目なんだけどね!(^^;

ボクは走る。全力で。おじさんから逃げる途中で商店街を行き来
する人たちにぶつからないよう大声で叫ぶ。

『うぐぅ〜!!どいて、どいてぇ〜っ!!』
おじさんから逃げようと商店街を走っていると、祐一君の姿を見
つけた。

でも、祐一くんの隣にボクの知らない髪の長い女の子が...。
祐一くんは女の子となにか話してる...あっ一緒に喫茶店に..
.あの人...祐一君の...彼女なのかな...。
走りながら、そんなことを考えていたら...。

つるっ!!
凍った道路で足をすべらせちゃった!!
『あわわわ、はわわわわわわっ!!』
なんとかバランスを...取れずに転んでしまう...。
どてっ!!
『うぐぅ...いたいよ〜』
目の前をお星様が回ってる。
顔から転んだせいかな...。

その時背中から、さっき聞いたばかりの声が...。
「捕まえたぞ!食い逃げ小僧!!」
『うぐぅ!ボク小僧じゃないもん!!』
「どっちだっていい!警察に突き出してやる!!」
97真琴ENDその後:2000/07/04(火) 21:14
 真琴とともに天使の人形を掘り当て、商店街で羽根つきリュックをつかまえた
頃には、既に夕方になっていた。
「え、ボク?」
「真琴シナリオなら最後の願いを使ってないだろう。残しておいても仕方ないぞ。
パーッと使え、パーッと」
「でもそれじゃボク、一生目が覚めないんじゃ…」
「細かいことは気にするな。誰もそんなこと気にしとらん! さあ選べ、お前は
奇跡を起こすのか、奇跡を起こすのか、奇跡を起こすのかぁっ!」
「選択肢がないよっ!!」
 ちっ、かくなる上はやむをえんっ…。
「たい焼き10個」
「50個」
「…お前な…」
「嫌ならいいよ」
「だーっ! わかった50個!」
 想像したあゆの口からよだれが垂れる。
「はっ!(じゅるっ) えーと、他でもない祐一君のため、ボクは喜んで協力するよ!」
「勝手にしてくれ…」
「じゃ、その人形貸して」
 天使の人形を空高く掲げ、厳粛な顔で呪文をとなえるあゆ。

『最後に…』
『たったひとつの願いを叶えて…』
『ボクの、願いは…』

 ボンッ!

 その瞬間、そこにはあの日のままの真琴がいた。
「あうーっ…。祐一ぃ…」
「真琴…」
98真琴ENDその後:2000/07/04(火) 21:15
「服まで一緒に復活することないのに」
「な、なに言ってるのよぅっ! 祐一のヘンタイ! バカバカバカーーッ!!」
「いてててて。冗談、冗談だっ」
 真琴のパンチを受けながら、頭にぽんぽんと手を置く。
「これで…ちゃんと結婚できるな」
「え…」
「約束したろ?」
「祐一…そのために、真琴を人間にしようとしたの…?」
「今度はちゃんと、秋子さんや名雪や天野も招待しような」
「あうぅっ…。ゆういちぃっ…」
 涙ぐむ真琴を抱きしめながら…、俺は取り戻した幸せを感じていた…。
「ケッ、やってらんねー」(ペッ)
「…あゆ…」
「ボ、ボク何も言ってないよっ。それじゃ祐一君、たい焼き代はキャッシュで頼むよ」
「月賦にしろ」
「キャッシュ」
「ぐっ…。真琴、あとでお前の小遣いから半額徴収するぞ…」
「あうーっ、わかったわよぅ…」
「うぐぅ、たいやき〜」
 奇跡を売っ払ったあゆは、羽根をぱたぱたさせながら去っていった。
「いいなあー、真琴もたいやき食べたい」
「秋子さんの料理の方がいいだろ。ほら、帰るぞ」
「う…うんっ!」
99真琴ENDその後:2000/07/04(火) 21:16
 秋子さんは笑顔で了承してくれた。
 天野はとっくに帰っていたが、電話で報告したら祝福してくれた。
 あとは…
 学校サボって寝ていた名雪を、とりあえず叩き起こす。
「ねむいよ〜」
「あうー、名雪ー」
「あ…。真琴、人間の姿になっちゃったんだね…」
「う…うんっ」
「はぁぁぁ〜〜〜〜〜〜ぁ…」
「あうー!」
「冗談だよ」
 屈託のない笑顔で、真琴の頭をなでる名雪。
「おかえり、真琴」
 真琴の顔にも満面の笑み。水瀬家一同が揃って、この家の中では、ずっとずっと
春が続いていくだろう…
「って何だ名雪、そのバケツは」
「え? 水をかぶると狐にならないかと思って」
『それは別のマンガだ!』
 俺と真琴が同時に突っ込んだ。
(おわり)
これが上位にあると結構辛いな(;´Д`)
そだね。長カキコは分割しないで、「省略されました」を使った方が良いかも。
102あゆSS『罪と罰』3:2000/07/04(火) 21:37
『うぐぅ...お金は後から払いますって言ったのに...』
「そんな言い訳が通じるほど世間は甘くねぇんだよ!!」
そう言ってボクをにらむおじさん。
うぅ、こわいよぅ。よく見るとこのおじさんすごくこわい顔して
るよ...。

「おい、親はどこだ。まず親に金を払ってもらう」
『...おかあさんいない...』
そんなこときかないでよ...。
思いだしちゃうよ...あの日のこと...。

「なら保護者でいい」
『えっ?保護者...?』
あれ?そういえばボクに保護者なんていたっけ?
なんかおかしいよ...思い出せない...。

『うぐぅ...』
思わず、そんな言葉が出る。
「親もいない、保護者もいない、か」
そう言ってボクの顔をジロジロと見るおじさん。
「ふむ、まあ悪くはないな...」
ぽつりとつぶやくおじさん。

「もしかして記憶喪失かなにかか?」
記憶喪失?ボクは月宮あゆで17才...たい焼きが好き。
でも、思い出せない事がある...。
大切な何かを探してるんだ。何かは思い出せない...。

『そう...かも』
「そうか...おまえさんの名前は?」
『あゆ...』
103あゆSS『罪と罰』4:2000/07/04(火) 22:05
「あゆ、か。いい名前だ」
『そ、そうかな?』
このおじさん、顔はこわいけどいい人かも。

「こんなとこで話してると風邪を引くからな。よそへ行くぞ。」
『...警察?』
「ちがう。まぁ、食い逃げはゆるしてやる」
『うぐぅ、おじさんありがとう』
「気にするな、俺は記憶喪失の娘をポリに突き出すほど鬼じゃ
ないからな」
うぐぅ、いい人だよ〜。

『ぐうぅぅ』
ボクのおなかが鳴った...。恥ずかしいよ〜。
「プッ!ハハハハハハハハハ」
『うぐぅ...』
「いや、すまんすまん。腹が減ってたのか。まぁ、こうして話し
てるのも何かの縁だ。晩飯くらい食わせてやるよ。
それにもう喰えそうにないしな」
そう言ってボクの胸を見る。
『あぁっ!!たい焼きがぁっ!!』
転んだ時に潰しちゃったんだ...それに冷めてる...。

「さて、行くか。」
『うぐぅ...たい焼きがぁぁ...』
「腹、減ってるんだろう?」
『うん...』
「じゃ、行くぞ」
おじさんはそう言って歩きだす。
...せっかくの人様の好意だもん、受けないと失礼だよね!
ボクはおじさんの後をついて歩いて行く。

...この後どうなるかなんてこの時は考えもしなかった。
104あゆSS『罪と罰』4:2000/07/04(火) 22:06
「あゆ、か。いい名前だ」
『そ、そうかな?』
このおじさん、顔はこわいけどいい人かも。

「こんなとこで話してると風邪を引くからな。よそへ行くぞ。」
『...警察?』
「ちがう。まぁ、食い逃げはゆるしてやる」
『うぐぅ、おじさんありがとう』
「気にするな、俺は記憶喪失の娘をポリに突き出すほど鬼じゃ
ないからな」
うぐぅ、いい人だよ〜。

『ぐうぅぅ』
ボクのおなかが鳴った...。恥ずかしいよ〜。
「プッ!ハハハハハハハハハ」
『うぐぅ...』
「いや、すまんすまん。腹が減ってたのか。まぁ、こうして話し
てるのも何かの縁だ。晩飯くらい食わせてやるよ。
それにもう喰えそうにないしな」
そう言ってボクの胸を見る。
『あぁっ!!たい焼きがぁっ!!』
転んだ時に潰しちゃったんだ...それに冷めてる...。

「さて、行くか。」
『うぐぅ...たい焼きがぁぁ...』
「腹、減ってるんだろう?」
『うん...』
「じゃ、行くぞ」
おじさんはそう言って歩きだす。
...せっかくの人様の好意だもん、受けないと失礼だよね!
ボクはおじさんの後をついて歩いて行く。

...この後どうなるかなんてこの時は考えもしなかった...。
105103は無視して:2000/07/04(火) 22:10
ぐぁ!!エラーがでたのに2度書きされてる!
102の続きは104ですぅ!!
103は無視してください!!
書き終わったら氏にます...。
106あゆSS『罪と罰』5:2000/07/04(火) 22:40
おじさんに連れられて着いた所は2階建てのアパートだった。
2階のはじっこの部屋のドアをおじさんが開けて中に入ってく。
ドアの横にある窓に明かりが付いておじさんが言う。
「もういいぞ。遠慮せずにあがりな」
『おじゃまします...』
ボクはおじさんの家にあがった。

カチャリ。ドアをおじさんが締める。
2LDKの一室に入る。
「ちょっと待ってろよ」
そう言っておじさんはポットのお湯でコーヒーを入れてくれた。
「寒かったろう。とりあえずそれ飲んで温まりな」
『うん、ありがとうおじさん。いただきまーす』
ボクはコーヒーに砂糖をたくさんいれてから飲んだ。

「そんなにいれると糖尿病になるぞ」
『うぐぅ、だってにがいんだもん』

そんなことを話してるうちになんだか体がだるくなってきた。
『あれ?なんか、おかしいよ?』
「どうした?」
『なんか、体がだるいの...』
「あぁ、それはな。薬が効いてきたからさ」
えっ!?薬?なんのこと?

おじさんはにやにや笑いながらボクのほっぺを両手で挟むように
倒れてるボクの顔を持ち上げ、いきなりキスをしてきた!!

『!?ん、ぐう〜っ!!』
嫌だ!やめてよぉ!!ボクは暴れたけど、おじさんは離してくれ
ない。!?おじさんが舌をむりやりボクの口の中に入れてきた!

『ん、ぐぅ〜!!』苦しい!止めて!!
ガブッ!!息がくるしくて、おじさんの舌を噛んでしまった。
「くっ!!」
『ぷはぁっ!!はあ、はあ...』
「このガキがぁぁぁぁっ!!」バキィッ!!
『ぐふっ!!』
ボクはおじさんに思いきりほっぺを殴られた...。
107あゆSS『罪と罰』6:2000/07/04(火) 23:18
『うぐぅ...いたいよ...』
「ガキが、少しばかり優しくしてやればつけあがりやがって!」
『お、おじさん?』
「クックックッ、世の中そんなに甘くねぇんだよ!あゆ!!
おまえはこれから体で食い逃げの代金を支払うんだよ!!」
そう言っておじさんはボクのそばに近づいてくる。

『い、いやだよ...こないで!!』
「騒ぐんじゃねぇ!!殺されてぇのか!!」
そう言ってナイフをちらつかせるおじさん。
こわい、こわいよっ!!
そしてゆっくりボクに近づいてくる。
『ひっ...いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!』

「ククク、これでオマエは逃げられねぇ...」
ボクの服をナイフで切り刻みながらボクに話しかける。
ボクは裸の体を丸めて壁にもたれかかってる...。

服を切り刻み終わり、ボクにこんなことをおじさんが言う。
「おい、あゆ。股を開いて俺によく見せてみろ」
『い、いやだよ!!そんなの!」
ヒュッ!!ドスッ!!
ボクの顔の横でナイフが壁に刺さってる...。
髪の毛が少し切れてはらりと落ちた...。
「次は当てるぞ...早くしろ!!俺は気が短いんだよ!!」

『ひっ...。いやぁ...』
ボクはこわくてこわくておじさんの言うことを聞いた...。
「ククク、それでいいんだよ。無毛か、剃る手間が省けたぜ。
ん、あゆ、おもらしなんて悪い子だ。悪い子はしつけからやり
直さないといけないな...」

そう言っておじさんは座り込んで股を開いてるボクを引っ張り
あげたかと思うとボクの顔をボクが座ってたところに押し付ける。
おしっこのにおいと濡れた感触がする。
これってさっき、ボクが...。

「さあ、このままじゃ下に住んでる人に迷惑がかかるぞ。きれい
にするんだよ、舌と口でな」
『うぅ...いや...』
「早くしろ!!」
ボクは...自分のおしっこをなめはじめた...。
108あゆSS『罪と罰』7:2000/07/05(水) 00:05
しょっぱい...ボクは自分のおしっこをなめさせられていた。
「おらっ!そんなんじゃ、いつまでたっても終わねぇぞ!
口を使って吸い出すんだよ!!」
そういってボクの顔を畳に押し付ける!
『うぐっ、ずうっずぅっ』
畳のゴミごとおしっこを吸い出す。気持ち悪い...。

おしっこをゴミごと吸い出せるだけ吸いだし、飲み込んだボクに
「よく出来たな。ほら、褒美をやろう」
おじさんはそう言ってボクを押し倒し両足を開かせる!
『いやっ!!見ないでぇ!!』
「なに言ってやがる。これからが愉しくなるんだ、よ!!』
べちょり。『ひいっ!!』
ぺろぺろ、ぴちゃぴちゃ、ず〜ず〜っ。
『い、や、そんな、とこ、なめちゃ、いや、だ、よ』
おじさんはボクのあそこを音を立ててなめている...。
き、きもちわるい...よ、変な感、じがする...。
ずにゅ。れろれろ。
『あ、がぁぁ、やめ、てぇ』
舌がおじさんの舌が入ってきた...うぅ、体の中をなめられて
るみたい...。

「ククク、そろそろ、ぶち込んでやるぜ...」
そう言っておじさんはズボンを脱ぐ。
「ククク、今からこのモノで処女を奪ってやるからな...」
おじさんの股間には黒くて大きい、ボクが見た事のないモノが
天に向かって立ち上がっていた。

「今からコレをお前のここにねじ込んでかき回してやるからな」
そう言ってボクのアソコをいじくる。
『そんなの、ムリ、あっ、だ、よ!』
「ククク、知ったことか!!」
そう言ってボクの上に覆いかぶさってきた!
ぴと。ずっ、めりめりめりめり。
『ひぎぃ!!裂けちゃうぅぅ!!やめてぇぇぇ』
ボクはボクの体内に進入しよとしてるモノから逃げようとする。
けど!肩をつかまれて逃げられない!!
『いやいやいや!やめてぇぇ!!』
ズッ!!ずぷぷぷぷぷっ!!ぷち、ん。
『ひ、ぎゃああああああああっ!!!!』
『いたいいたいいたいいたいいたあ〜いっっっ!!裂けちゃうよ
ぉぉぉぉ!!抜いてぇぇぇぇ!!』
うぐぅ、すごくいたいよぅ...助けてぇ...。

「心配するな!すぐにヌイてやるぞ!!お前のマンコでな!!」
ぐちゅぐちゅ。ぐちゃぐちゅうぅ。
ボクのアソコからそんな音がする...。
「おおぅ!!いいぞ!!いい締まりだ、あゆぅっ!!」
『いやいやいやいやぁぁぁっ!!』
「オラっ!!出すぞ!!受け止めろ!!」
ボクの中に入ってるモノがビクビクッと動く...そして一瞬、
大きくふくらんだあと、熱いモノが注ぎ込まれてくる。

『ひっ、いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!』
ボクはそのまま気を失った......。
109あゆSS『罪と罰』:2000/07/05(水) 00:15
つづきは明日じゃなくて今日のPM7:00以降に書きます。
続き楽しみにしてます。
111あゆSS『罪と罰』8:2000/07/05(水) 20:38
じゃらっ...そんな音が聞こえた...。
「おい、起きろ」
『......』
じゃらっ!!
『ぐふっ!!』
『げほ、げほっ...』
急にのどを締め付けられ、ボクはむせた。
『う...ぐ!?』
呼吸を整え、目を開いたボクの目の前に鉄の鎖を持ったおじさん
が裸で立っていた。

「ようやくお目覚めか」
『う...!?』
ボクの首に鎖の付いた首輪がつけられてる!!
『うぐ...』
ボクがそれを外そうとすると勢いよく鎖が引っ張られる!!
『うぐ...苦しい...』
「勝手に外すんじゃねぇ!!」
「お前は今日!これから!この俺様の奴隷なんだよ!!」

奴隷?ボクが?
『そんなのイヤだよ!!』
「逆らうんじゃねぇっ!!」
ドゴッ!!
『ぐふっ!!』
「お前にはもう人権なんかねぇんだよ!!」
ドカッ!ドスッ!
何度も何度もボクのおなかに蹴りを入れてくる!!
すごく痛い...。
『ぐっ...やめてぇ...』
ボクは涙を流しておじさんにお願いする...。

「ハァッ!ハァッ!俺に逆らうからだ!!お前は俺の何だ!!
言ってみろ!!」
『...ボクはおじさんの...うぐっ!?』
おじさんの蹴りがみぞおちに入った...。
「ご主人様に向かっておじさん、だと!!殺されてぇのか!!」
ひぃっ!!こわいよぅ...。
『ご、ごめんなさい!!ボ、ボクはご主人様の奴隷ですっ!!』
112あゆSS『罪と罰』9:2000/07/05(水) 21:06
ボクがそう叫ぶとおじさんがこう言った。
「くくく、なら忠誠の証にこれを綺麗にするんだ」
ボクの目の前に赤黒いおちんちんを差し出してきた。
乾いた血が付いてる。

『は、はい...』
「くくく、おまえの処女膜をぶち抜いたモノだ...心を込めて
綺麗にしろよ...」
この血...ボクの...そういえば、アソコがひりひりして痛
い...まだ、なにか入ってるみたい...。
「早くしろ!!」
『は、はい!』
ボクは近くにあったティッシュを箱から引き抜いて綺麗にふこう
とする...ドゴッ!!...ぐふっ!!

『うぐぅ...なんで...?』
いきなり蹴りをいれられた...。いたいよぅ...。
「馬鹿野郎!!お前のマクを破ったせいで汚れたんだぞ!!
心を込めて口で綺麗にするんだよ!!」
『そ、そんな...』
嫌だよ...そんなの...それにおちんちんなんかなめたら
病気になるかも...。

じゃらっ!!鎖を引っ張られてボクはむせる。
『ゲホッ!ゲホッ!!』
「いいか、もう一度言うぞ。なめて綺麗にしろ!!それとも..
.めちゃくちゃに殴られて裸で凍死させられたいのか!!」
う...ボクは涙を流しながら血の付いたおちんちんに舌を当て
る...。
「そのままくわえて綺麗にするんだ」
ボクは言われたとうりにする...。
血の味がする...少ししょっぱい...。

『!?』
ボクの口の中でおちんちんが大きくなってきた...。
こわい...!
「くくく、いいぞ!歯形なんかつけるんじゃねぇぞ!!
そんなことしたらほかの女たちが嫉妬するからな!!」
そう言って、ボクの喉をおちんちんの先でつつく!
うぐぅっ!!苦しい!!でも頭を抑えつけられて離れられない!

「おらっ!!出すぞ!!飲め!!」
口の中のおちんちんがビクビクッと震え、一瞬大きくなった後、
ボクの口の中に熱い液体が注ぎ込まれてきた...。
113あゆSS『罪と罰』10:2000/07/05(水) 21:41
ビュッビュッ...。ボクの口の中に熱い液体が注ぎ込まれてき
た...。にがいよ...きもちわるい...。
「吐いたら殴るぞ!!」
うっ...ボクは吐き出したいのをこらえて「それ」を飲み込ん
だ...。
「くくく、いい子だ。これでお前はこの遺作様の奴隷だ!!」
遺作...それがこの人の名前...。
いつか、この地獄を忘れられる日が来たとしてもこの名前は忘れ
られそうもない...。

「おぉ!そうだ。すっかり忘れてたぜ!!飯を食うんだった!」
...ごはん?...こんなとこにこなければ...。
「くくく、尻をむけろ!!」
えっ?自分の行動を後悔してるボクにそんなことを言う。
『な、なんで!?』
「うるせぇ!!言うことを聞かないかぁっ!!」
『は、はいっ!!』
ボクは遺作...ご主人様におしりを向ける。ズブッ!!
いきなりおしりの穴になにかが刺さる!
『な、なに!?』
ぶちゅうぅぅぅぅぅぅ...なにかがおなかの中に入ってきた!
『ひぃっ!!やめてぇ!やめてぇ!!』
「もう終わったとこだ!騒ぐな!!」
ぐきゅるるるるるるる。ボクのおなかからそんな音がした。
『うぐうっ!!おなかが...』
「くくく、今、とっておきの下剤をかんちょうしてやったんだよ
!!そら、クソがしたくてしょうがねぇだろう!!』
う、ぐぅ...出そう...もれちゃうぅぅ!!
『お、おトイレに行かせて、くだ、さぃぃ...』

「奴隷に使わせるトイレなどねぇんだよっ!!」
『そ、そんな...』
うぐぅ...もれちゃう!もれちゃうよぅ!!
「そら!この中にするんだ!!」
ボクの目の前に洗面器が投げられてきた。

『こんな...のいや...おトイレに...』
「駄目だ。いいか、その洗面器以外にクソしてみやがれ!!
てめえのクソを口で処理させるからな!!」
うぐ...も、もう駄目だ、よ...。
ボクは洗面器にまたがるとうんちをした...。
ぶりっ!びちゃびちゃびちゃ!!
「ククク、いい眺めだぞ。あゆ!!」
『いやぁ!!見ないでぇ!!!!』
「ククク、見るなというのがムリだぜ!!すげぇ音と匂いだぞ!
あゆ!!それにひり出す勢いもな!!ハハハハハハ!!」
うぅっ...いやぁ...ビ、ビテオにまで録られてる...。
114あゆSS『罪と罰』10:2000/07/05(水) 22:28
『うぅ...ひっく、ひっく...』
うんちを全部出し終わった後、ボクは座り込んで泣いていた...。
ひどいよ...どうして、こんなめにあわないといけないの?
うぅ...もうお嫁に行けない...。

「いつまでも泣いてんじゃねぇっ!!いいか!あゆ!これから
逃げようとしたり逆らったりしたらこのビデオをばらまいてや
るからな!!」
そう言ってボクの背中を小突く!
『うぐっ...!』
ボクはよつんばいの格好になる。

すぶっ...ぶちゅうぅぅぅぅぅ...。
『ひいっ!熱いぃ!!やめてぇっ!!』
「熱湯消毒だ!!がまんしやがれ!!」
お湯をいきなりかんちょうされてボクは泣き叫ぶ!!
『うぐぅっ...もう出ないよぅ...』

かんちょうが終わったあとボクの鎖を引っ張ってご主人様が言っ
た。
「今回だけ特別に便所を使わせてやる!!」
ボクをトイレに連れ込み、鎖を配管に南京錠でくくりつけ出てい
く。
ボクは和式のトイレにまたがっておなかに力を入れる。
お湯がぷしゃあぁぁぁっと音を立てて、おしりの穴から出てくる。
おしりを拭いて便器の水を流すと同時にご主人様が入ってきた。

「さあ、行くぞ」
そう言って鎖のかぎを外し、ボクを部屋に連れていく。
「ククク、最高のご馳走を喰わせてやるからな...」

部屋には家庭用の小型コンロとガスボンベ、なにかの黒い鉄板が
床に用意されていた。
115あゆSS『罪と罰』:2000/07/05(水) 22:33
114<ぐあっ!またやっちゃった...。
114はあゆSS『罪と罰』11ですぅ!!
うぐぅ。長編になりそう...このSSで全員出します!!
全員犯します!!
116あゆSS『罪と罰』11:2000/07/05(水) 23:05
「さあ、あゆ、料理を始めるぞ」
そう言ってコンロにボンベを取り付け火をつけ、鉄板を乗せる。
鉄板が熱くなってから油を塗る。
「あゆ、この鉄板をまたいで立ってろ」
『えっ?』「早くしろ!!」
『は、はい!!』
ボクは鉄板をまたいでそのまま立つ。
熱で股間が熱い。
『!?』
いきなりご主人様がボクのおしりの穴を指で広げる!!
『な、何するの!?』
ボクの問いには答えずにまた、なにかをかんちょうしてきた!!
『ひぃっ!!なんで!?』
「あゆ、そのままひりだせ」
『えっ!?』「早くしろ!!」
パチィン!!おしりを叩かれる。
ボクは『は、はい』と答え、おなかに力をいれる。
ぶりっ、びちゃびちゃびちゃ...ジュウゥゥゥ...。
ボクの出した物が焼けた鉄板の上に落ちて音を立てて焼かれる。
...........。.
「くくく、もう一度だ」
もう一度かんちょうされ、鉄板の上に排拙させられる。
じゅうぅぅぅ。それからしばらくして...。

「くくく、出来たぞ!!さあ、喰え!!」
そう言って無造作に床に置かれたそれはたい焼きだった。
湯気を立ててるそれは、ボクの...。
「お前のケツから出した生地だぞ。遠慮せず喰え!」

とても食べたいとは思わない...。
『...』何度も首を振っていやだと伝える。けど、ご主人様に
むりやりうつぶせに押し倒され、たい焼きに口をつけさせられる。
「おれのたい焼きが喰えねぇってのか!?あぁっ!!」
蛇のような冷たい目でにらまれ、ボクはたい焼きを食べはじめた.
..。
「くくく」笑いながら片手でボクの頭を抑えつけ、空いてる手で
ボクの胸をまさぐる。
「どうだ、うまいか?」『......』
「どうなんだよ!」ボクの乳首をねじりあげる!
『お、おいしい...で、す』
ボクのこの言葉を聞いてハハハハハハと笑いながらボクの胸を
ご主人様は触りつづけている...。
...あんこはいつもの甘いのが入ってたけどこのたい焼きは
とてもしょっぱかった......。
117あゆSS『罪と罰』12:2000/07/06(木) 00:01
あれからどれくらいの時間が立ったのだろう...ボクはふと思う。
あの日からボクはこの部屋で飼われている...。
首に鎖つきの首輪をつけさせられ、着る物も着させてもらえず、
生まれたままの姿で柱に鎖でつながれ部屋のすみでひざを抱えて
座っている...。
あの人をご主人様と呼ぶのにも慣れてしまった。

昼間はご主人様はたい焼きを売りに出かける。
ボクはこの部屋で監視カメラに監視されながら何をするでもなく
ご主人様の帰りを待つ。

窓はカーテンがひかれ、昼間でも部屋は薄暗い。
トイレはそばの柱につながれてるから入れる...。
食事はコンビニ弁当かご主人様の食べ残しを食べてる。
水だけは自由に飲めた。お風呂にも入れさせてもらえる。
でも、いつもご奉仕をさせられるので疲れる。

ご主人様はとても用心深く、包丁やフォークなど凶器になる物は
ボクの手の届かないところにしまわれてる。
もっとも鎖で柱に繋がれてる上、首輪にも鍵がついてるから外す
ことも、包丁とかがあるところへ行くことも出来ない。

夕方になり、ひとりで暗い部屋にいるのはこわい。
ご主人様が帰ってきても犯されるだけなのだけど。
それでも一人で暗いところで震えてるのよりはまし。

あれから、いろんなエッチなことを覚えさせられた。
フェラチオ、オナニー、SM、スカトロ、等々。
あんなに嫌だったHも今では感じるようになってきたせいか以前
ほど苦痛にならなくなってきた。

すごく汚いことをさせられてもあとで清潔にするように言われて
るので歯を磨いて、顔を洗うのは朝の日課。夜は犯された後、お
風呂でご奉仕。あの人もさすがに臭くて汚いボクを犯す気にはな
らないらしい。
そして、お風呂から上がったあと、ご主人様のゆたんぽがわりに
なって寝る...手足を縛られて。

ただ、待ってるだけ、犯されるだけ、寝るだけの毎日。
でもこの日はいつもと違っていた。
ご主人様がお客様を連れてきたんだ。

?「あんたがこの俺を自宅に誘うとは珍しいな」
「くくくっ。昔みたいに俺のオモチャでお前と遊ぼうと思ってな」
?「ふん、よく言うぜ。まぁ、楽しませてくれりゃいいがな」
「ここが俺の家だ。まあ、あがれや臭作...」

この日、ボクにはさらなる地獄が与えられた。
そして、これがボクの罪の始まり。
そう、みんなを巻き込んで...みんな不幸になって...。
この時、ボクはこんなことになるなんて夢にも思ってなかった...。
118あゆSS『罪と罰』予告:2000/07/06(木) 00:11
テレホで重くなったんでつづきはPM7:00以降に書きます!

次回予告
『ついにその姿をあらわした臭作!変態兄弟に犯されるあゆ!!
おやぢの毒牙があゆをこわす!!
次回もこの2ちゃんねるでファOナルフューOョン了承!』

これが勝利?の鍵だ!!*倉田佐祐理*

あははー。なに書いてんだろ、俺...鬱だ、氏のう...。
119あゆSS『罪と罰』:2000/07/06(木) 00:17
嗚呼、また番号まちがえてる...。
氏にます...。
120あゆSS『罪と罰』14:2000/07/06(木) 20:08
がちゃり...玄関のドアが開く音がした。
ボクは暗闇の中で閉じていた目を開くとご主人様が部屋にいつの
まにか明かりをつけて目の前に立っていた。
『おかえりなさいませ。ご主人様』
ボクは帰ってきたご主人様に正座に座り直し床に手を置いてあい
さつをする。

「このガキが兄貴の奴隷か?くくく、テメェの主人の顔も見分け
られないとはな...」
えっ?どういうこと?
「おいっ!!あゆ!!」
目の前に立っているご主人様の後ろにもうひとり...えっ!?
ご主人様が二人いる?どういうこと?

「この俺様に恥をかかせやがって!!」
あとから部屋に入ってきたご主人様がボクに怒鳴る。
ボクの前まで荒い足音を立てながら近づいてきて、いきなりボク
を殴った!!
『うぐぅっ!!』
ボクはおもいきりほっぺを拳で殴られて床を勢いよく転がる。
『ひぃっ!!い、いたいよぅ...グスッ...』
「テメェはこの俺様を見間違えるのかっ!!あぁっ!!」
そう叫んでボクの髪をつかんで、ボクの顔を引き寄せ自分の顔の
間近でにらむ。
『だっ、だって...』どうして、ご主人様が二人いるの?
そう言おうとしたらいきなりおなかを蹴られた!!
「口答えすんじゃねぇっ!!」ドスッ!!ドスッ!!
うぐっ...何度も何度も蹴られ悲鳴も出せないほど苦しい。

「おいおい、そのくらいにしておけよ、兄貴」
先に部屋に入ってきたご主人様?がボクを蹴り続けるご主人様に
言う。
『う...ぐ...い、いたい、よぅ...』
ボクはおなかを手で抑えながら涙目で二人を見る。
「...ケッ!ずいぶん甘ちゃんになったな!テメェも!!」
「勘違いすんな...俺を楽しませてくれるんだろ?
そいつを殺したいならあとにしてくれよ...ククク...』
冷たい声で言い放ち、蛇のような目でボクを見る。
こ、こわい...この人...。
ボクはぶるぶる震えながら、二人を見る。

「くくくっ、まあ見間違えてもしょうがねぇさ。
俺たちゃ兄弟なんだからよ...」
『きょう...だい?』
「そうだ...お前のご主人様の弟の臭作様だ...」
『臭...作?』
「ガキがぁっ!!臭作様と呼べ!!」
『ご、ごめんなさいっ!!臭作様っ!!』
こ、こわい...!!
121あゆSS『罪と罰』15:2000/07/06(木) 20:36
「くくく、まあいい...兄貴。さっそく楽しもうぜ...」
「ふん、おい!あゆ!!いつも俺にやるようにこいつに奉仕しろ
!!」
『は、はい...』
ボクの鎖を柱からご主人様が外す。

ボクは鎖が外れた音を聞いて、臭作様に近づきズボンを脱がせる。
パンツをおろすと黒いおちんちんが出てくる。
ご主人様と同じくらいのサイズのおちんちんにキスをして、丁寧
に舌を這わせる。
「おぉ!いいぞ!!」『ん、は、ぁ...』
ボクは丁寧に棒の部分をなめ、先っぽもなめる。
なめながら指で袋のほうをやさしくマッサージする。
中の物がふにょふにょと動く。
『ん、ぐ...ぅ...は...む...ん...んっ』
ボクは口でおちんちんをくわえながら舌を激しく動かす。
舌を動かしながら顔を動かしておちんちんを浅く、深く、くわえ
ながらご奉仕を続ける。
もちろんマッサージも忘れない。

「おぉっ!!いいぞ!!そらっ出すぞ!!」
口の中のおちんちんがびくびくっと震え、一瞬大きくなってボク
の口の中に精液を放出した...。
「はぁはぁ...ふぅ......ん?」
ボクは射精したおちんちんをくわえたまま離さず、そのまま吸う。
「おぉ、尿道の中に残ったザーメンまで吸いだしてんのか...
まったく、いやらしい娘だ」
ボクはそんな事を言われても吸い続ける。
「くくく、俺様の精液はマイルドでうまいだろう...」
『はい...とてもおいしい...です...』
精液を飲み干し、おちんちんから口を離すとボクはそう答えた。
122あゆSS『罪と罰』15:2000/07/06(木) 21:05
「どうだ、こいつの舌技は?」
ご主人様が臭作様に話しかける。
「おぅ、さすが兄貴が仕込んだだけのことはあるな」
「くくく、オマンコのほうも試してみろよ...」
「ああ、そうさせてもらうぜ。おい、あゆとかいったな。
ケツをこっちに向けてよつんばいになれや」
『はい...』
ボクはおとなしく言うことを聞く。
くちゅっ、ず、ぷぷぷ...いきなり指がアソコに進入してきた。

『ん、あぁっ!』
「おいおい、もう蜜を垂らしてんじゃねぇか」
くちゅくちゅ...指がボクのアソコの中をうねりながら動き
回る...。
『あ、うぅぅ...』声が出ちゃうぅ...。
「くくく、そら!入れてやるぞ!!」
指が引き抜かれ、熱くて硬いモノがボクのアソコに入ってくる!
『うぁぁっ、熱いぃぃ、あんっ、あぁっ、奥に、奥に当たるぅ!』
激しくアソコをおちんちんで貫かれかき回される!!
熱いぃっ!!こ、声が、でちゃうぅ!!

突き上げられるたびに体か熱く火照ってくる。
おっぱいを揉まれながら激しく何度も何度も突き上げられる!!
押し寄せる快感でなにも...かんがえ...られ、な、い...。
『ダメぇっ!!ボク、ボク、もう、イッちゃうぅぅぅ!!』
ボクは恥ずかしい言葉を叫んでそのままイッてしまう...。
「っ...くぅっ!」
失神したボクの胎内で熱いモノが弾け、熱い精液が注ぎ込まれた
...。
123名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/06(木) 21:29
さすがに、あゆが哀れになってきた…
124牧原則之:2000/07/06(木) 21:35
マジでやめてくれよ
本当に可哀想だから!
あゆFANじゃなくても
読んで辛くなった
125名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/06(木) 21:45
読んでて爽快だった…(苦藁
126名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/06(木) 21:52
遺作がたいやき屋さんとは・・
127名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/06(木) 21:54
あゆでたい焼きの生地を作るあたりは面白かったよ(笑)
いーじゃん、こういうオフィシャルじゃ出来ない
ハチャメチャな事がやれるのも2ちゃんの良い所ってもんよ。

この調子でがんがん進んで下さい!(笑)>作者さん

128名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/06(木) 21:55
さすがにキツくて途中で読むの断念した…
129あゆSS『罪と罰』16:2000/07/06(木) 22:04
「くくく、まだまだお楽しみはこれからだぞ!」
ちゅるん、とボクのアソコからおちんちんが引き抜かれる。
ボクは荒い息を倒れたまま整えてると、ごろんと仰向けに足で転
がされる。
そして、まだ意識がはっきりしないボクの両足が開かれ、熱いモ
ノがアソコに進入してくる!!
ずぷ、ぷぷぷぷ、ぷちゅぅぅぅ...。
さっき注ぎ込まれた精液が音を立ててアソコに進入してきたおち
んちんによって洩れ出す...。
『うぐぅ...ん、あぁぁ...』
ボクの背中に手がまわされ、ボクの体は起こされた。
アソコにおちんちんをくわえ込んだまま、起こされたボクはふら
りと目の前のご主人様にもたれかかる。

「あゆ、俺の肩につかまれ」
『は、い...』
まだ、ぼんやりしたままのボクは返事をしたあと、ご主人様の肩
に手をまわすとご主人様はボクのおしりをつかんで立ち上がった。
ボクはあそこにおちんちんを入れられたまま、ご主人様にしがみ
ついてる。
「くくく、いまから最高の快楽を与えてやるぜぇ!」
臭作様の声が聞こえ、ボクはおしりの穴に妙な感覚を覚える。
ズ、ズブブ、メリメリメリメリッ...!
『ひぎぃ!や、やめてぇ!!』
ボクのおしりにおちんちんが進入してきた!
『いたい!いたい!やめてぇ!!』
激痛がボクの意識をはっきりさせる!
ボクは泣き叫ぶ!!でも無視されおしりの穴をおちんちんでかき
まわされる!!
『ひぃっ!!いたい、いたいよぅ!!』

ご主人様にも前に一度同じことをされたけどやっぱり痛い!!
ご主人様もおしりと同じようにボクのアソコをおちんちんでかき
まわす!!
『ひぐっ!ふあぁっ!!』
何度も何度もふたつの穴を突き上げられかきまわされる!
あうぅぅ...いやなの...に、なん、だか、ヘン...。
『うぅ、ん、あぁ、ぅ...いや、ぁぁぁっ!!』
ボク、感じて...るの?いや、なのに!こんな、の!
どうして、声が...出ちゃ、うの...?
ビクッ!!ビクッ!!ボクの胎内と直腸に熱いモノが注ぎこまれ
た...。
ボクはそのまま、失神してしまう...。

「くくく、なかなか楽しかったぜ。今度は俺の奴隷を楽しませて
やるからな、兄貴」
「そいつは楽しみだぜ。お前たしか今、あの議員の家で...」

...どうして、こんなめにあうの?
だれか...助けて...。
ボクは心の中でつぶやく...そして、ボクの意識はそのまま..
...........。
...........................。
130名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/06(木) 22:06
おりゃ大爆笑だたよ。久々にワラたね。
暗いなぁ。全体的にどれも暗いなぁ。(苦笑)
ここまで来るともうKanonって感じがしないです。
僕内部では既に別作品。
どんどんやっちゃって♪(ぉぃ
132あゆSS『罪と罰』:2000/07/07(金) 00:12
すみません。ここで一度このSS続投についての多数決を取りたいと思います。
あゆをいじめるな!もうやめろ!と思う方は『不許可』を。
つづきが見たい!と思う方は『了承』を。
どちらかでこのスレッドに書き込みして下さいませ。
了承が土曜のAM3:00までに10人くらい取れたら、別のスレッド立ててでも続きを書きます!

*(了承とれたら)次回予告*
臭作の奴隷と化した佐祐理!佐祐理とあゆのレズ合戦!
佐祐理を助けに来た舞を遺作と臭作の命令で犯すあゆ&佐祐理!
『佐祐理は...こうなることを望んでたんですよ...あゆちゃん...わたしは...ひどい女です...親友を...』

遺作の命令で名雪をだまし、奴隷化への手伝いをさせられるあゆ!
あゆと遺作に犯され精神が壊れてしまう名雪!
『ボクって...最低だ...自分の見替わりに...名雪さんを...』
精神が壊れた名雪と共に美坂姉妹を罠にかけるあゆ!
『わたし、ちんちん大好き!!香理は好き?今から、いいことしたげるねっ』
『名雪、正気に戻って...』
『いや、いやあ!お姉ちゃん、助けてぇぇぇ!!』

ついに遺作と臭作が手を結び水瀬家に乗り込む!実の娘に犯され、遺作たちにまで犯される秋子!
『やめなさい!名雪!そんなとこなめないで!!』
『おかあさんもあわてることあるんだね。大丈夫だよ、やさしくしたげるからっ』
「ククク、ガキばかり抱いてるとたまにはお前のような大人の女を抱きたくなるんだよ!!」
「子供の名前でも考えておくんだな!!射精(だす)ぞ!秋子ォ!!」
『いやあぁぁぁぁっ!!』
そして、栞の死...。
「こいつはもうただの肉の塊だ!そこらに落ちてる車にひかれた犬と同じなんだよ!!あゆ!!』

ついに死を決意するあゆ。しかし...。
『なんで死ねないの?こんなに痛いのにっ!!...なんで...キズがふさがるの?』
『あゆ、お前はもう死んでるんだよ。あの時から...』
『ククク、あゆ、俺のこと好きなんだろ?どうせ死なないんだからさ、ダルマにさせてくれよ。くっつけりゃ再生できんだしな』『ひぃっ!!いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい!!祐一君...やめてよぉぉ...』

...欲しい物は死...。望む物は自分自身の消滅...。
...いつの日か...死という奇跡が起きるまで...。
ボクは...罰を...受け続ける......。
133牧原則之:2000/07/07(金) 00:23
『不許可』
134あゆSS『罪と罰』:2000/07/07(金) 00:27
とりあえず、129で第一部完です。
あゆファンの方、読んでて気分の悪くなった方、ごめんなさい。

暗黒KANONの影響をもろにうけてます。
今はこういうひどいのしか思い付きません。
でも、暗黒KANON大好きです。
あれを読んで自分の中の世界が広がりました。
(もちろん、Kanonも大好きです)

このSSを少しでもおもしろいと思ってくれた方たちへ、そして
つまらない真琴と舞のSSをHPに載せてくださったmio_2chさんへ、
暗黒KANONで心の世界を広げてくださったkagamiさんへ、
このあゆSSを捧げます!

そして気分を悪くされた方たちに心からお詫びします。m(_ _)m
続きを書くことがあれば『KanonSS鬼畜編』というスレッド
を立ててそちらに書き込みます。
それでは、今日はこれで失礼致します。
135名無しさん:2000/07/07(金) 00:29
ちょいと暗すぎる…最後に救いがあるなら良いけど
無条件に上がってくる掲示板だからねぇ

ダークはダークで読みがいがあれば面白いけど、ただの陵辱小説だから
俺的にはあんまり面白くないし。
ど〜せなら螺旋回廊なみに被害者の心理書き込んでみ。
あそこまでやれたら誉めて使わす。
今のままじゃ暗黒Kanonだのと一緒。ただのキャラすり替え形ダーク小説。
そのキャラを使ってやる意味をもう少し求めてくれ。
136名無しさん@そうだ鬼畜になろう:2000/07/07(金) 00:35
『了承』
137名無しさん@そうだ鬼畜になろう:2000/07/07(金) 00:38
つうか終ってるのかよ…鬱だ。
そんなに注文つけるなら135書いてくれよ。
螺旋回廊級の奴を
138名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/07(金) 00:47
『了承』
新スレ立てるのもよし、sageで続けれるのもよし。
見たくない人は読まずに飛ばせば?
139名無しさん:2000/07/07(金) 00:50
>牧原さん
暗黒KANONでネタにされてるタイプの鍵っ子だね(笑)
俺はダーク小説でいいから続きが読みたかったな。
140名無しさん@135:2000/07/07(金) 00:51
>そんなに注文つけるなら135書いてくれよ。
一番痛い突っ込みだなぁ(苦笑)
ごめん、俺には書けん。もともとそんなに好きな方じゃないし。
悪夢なんてやっててゲームディスクマジで割った。
ダーク系で唯一面白いと思えたのが、螺旋回廊だっただけ。

あくまで一つの意見ととって欲しいんだけど…だめ?
(批判すると「それなら自分で作れ」って言われるのは辛いよ)
141名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/07(金) 00:53
>>137
同感。
つーわけで『了承』
142139:2000/07/07(金) 00:54
俺も『了承』な。
上がってくると問題なのかも知れないから一応下げてるよ。
143名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/07(金) 00:59
私も『了承』。
そもそも、ここは本人が書きたいSSを公表するスレだから周りの意見を気にすること無いんじゃない?
144123:2000/07/07(金) 01:01
「あゆが哀れ」とは書いたが、
「つまらない」とか「不愉快」になったわけではないですよ。
新作がんばってくださいね。
『了承』
ただしsageながら暗黒SSスレ立てて書いてほしい。
一番上にこのスレあると、なんだかやりきれない気分になるのよ…。
読む気力のあるときだけ読まさせてくれ。
あと、暗黒Kanonとかぶってる部分は取ったほうがいいと思うよ。
146名無しさん@(以下略):2000/07/07(金) 06:14
『どちらでもいい』

これくらいの内容なら最後まで読みま〜す。

ただ「暗黒KANON」の話題が出たのでちとひいてしまった。
軟弱モノとそしられるかもしれんが、アレを見たときは
生まれて初めて「表現の自由」を否定したくなったので・・・
147あゆSS『罪と罰』について:2000/07/07(金) 07:38
皆様にいろんな意見をいただき大変、参考になりました。
実は、このSSはハッピーエンドで終わるんですよ。
今のところ、とんでもないことになってますが...。
ただ、エロ描写がキツすぎるせいでひかれた方も出てきたんだと
思います。

このお話のストーリーとして、あゆの視点で描いたほうが、ラス
トシーンの救いの場面やエピローグ等が活かされると思ったので...。
ただのバッドエンド物なら、このあとに売春させられるあゆを描
いて終わりに出来ます。
ハッピーエンドにする場合、最低でも名雪、秋子、祐一編を描か
ないと...。
ラストが描けませんので...。

今作が初めての長編ですので甘い描写やキツすぎる所等がありま
すが、暖かい目で見ていただけると幸いです。

もともと鬼畜系のふりをしたハッピーエンドSS、それを目指し
て書いております。
バッドで終わらせたら、暗黒KANONのパクリですし...。
この後もラストに至るまで、酷い描写が続きますが...。

引き続き、ご意見等お待ちしております。

135さんへ
螺旋回廊は知らないのですが書く時、心理描写のほうも善処して
みます。

                     作者 OVA
あ、あれでハッピーエンドで終わるんですか?夢オチやあゆや舞の奇跡オチ
じゃないですよね?それならがんばって読んでみます。
149名無しさん:2000/07/07(金) 07:58
EDで売春ではなくだるま〜にされるあゆきぼーん
あゆの心が変って地獄でもハッピーっていうのはどうですか?
150名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/07(金) 10:47
とりあえず了承!
もっと過激にやっちゃって下さい。
151狐の恩返し:2000/07/07(金) 14:59
昔々 あるところに おじいさんとおばあさんが住んでいました
おじいさんは山へ芝刈りに おばあさんは川へ洗濯に行きました
おじいさんが芝刈りから帰ってくると 猟師が仕掛けた罠にはまって動けない狐を見つけました
哀れに思ったおじいさんは 狐を助けてあげました

ある日 それはそれは美しい 一人の娘が おじいさんとおばあさんの家を訪ねてきました
名を持たないというその娘は おじいさんに『真琴』と名づけられ 一緒に暮らすようになりました
子宝に恵まれなかった二人は 真琴を実の娘のようにかわいがりました

翌年 おじいさんたちが住んでいる村に 雪がたくさん降りました
それはたくさんたくさん降ったので みんな寒さに震えています
真琴は 『絶対に覗かないで下さい』と言い 部屋に篭りました
次の日も そのまた次の日も 真琴は部屋から出てきません
心配になったおじいさんとおばあさんは 真琴の言いつけを忘れ こっそりと部屋を覗きました
するとそこには 自分の毛をむしり 毛皮を作る狐が居るではありませんか!
なんと 真琴は おじいさんが助けた狐だったのです
姿を見られてしまった真琴は 造りたての毛皮を二人に差し出すと
弱々しい足取りで家を立ち去りました
それから 真琴の姿を見たものはありません
おじいさんとおばあさんは毛皮で寒さをしのぎ 無事に厳しい冬を越しましたとさ
めでたし めでたし
152あゆSSについて2:2000/07/07(金) 19:29
148さんへ
夢オチではありません。舞やあゆの奇跡オチでもありません。
この陵辱地獄は実際にあゆの身にふりかかった生き地獄です。
舞は壊れます。壊れた舞に奇跡は起こせません...。
あゆの精神状態もラストに近づくにつれおかしくなっていきます。
これ以上は言えません。

読んでいただいた皆様へ
*あゆSS『罪と罰』の楽しみ方*
今後の佐祐理&舞編、名雪&秋子編、祐一編をそれぞれ区切りの
いいところで読むのをやめればバッドエンドSSになります。

*お詫びです*
当初の予定にあった美坂姉妹編、真琴&天野編はカットすること
にしました。
あゆに絡めるのは難しいのとむやみに長いSSになるので...。

*お願い*
オチの予想レスは勘弁してください...。
続きを書けなくなるかもしれませんので...。

                      OVAより
ちょっと遅くなりましたが「了承」です。

理由・読みたい人が読めばいい。読みたくないなら読むな。以上。
154mio_2ch@SS回収屋:2000/07/07(金) 22:00
>OVAさん
力作、回収しました(予告編ちょっといじりましたが)。第二部も頑張って下さい。

>151さん
回収すべきかかなり悩んだのですが、あまりにも元ネタそのまんまなので
これをSSと言うべきかどうか判断不能の為とりあえず見送ります。
どうしても回収を希望されるという場合は、その旨このスレに書き込んで下さい。

それから、SS回収サイトのSSはどうやら自動的に「かのんSS−Links」
に登録されていっているようです。仕事が早いです。 感謝。
155OVA:2000/07/08(土) 00:27
mio_2ch@SS回収屋さんへ
SSを回収していただきありがとうございます。
実はお願いがあるのですが、129で第一部完と134で書きま
したが、一話の冒頭に「お前にはまだまだ稼いでもらうぞ」という
遺作のセリフがありますよね。

あのセリフを「ククク、あゆ、ケツの穴にも注ぎ込んでやるからな!」
に差し替えていただけませんでしょうか?
(誤字脱字の修正も出来ればお願いしたいのですが...。)

最初の構想では129のあと、あゆが10人くらいの男たち相手に
売春させられ、犯されているあゆに遺作が「お前にはまだまだ稼いでもらうぞ」
とあゆに言い放ち、犯されているあゆの心情を描いて第一部完にする
予定でした。
129を書き終えたあと、ひどすぎるという意見を頂いたため、この
エピソードを書かず、終了させたため話のまとまりがおかしいんです。

この欠番にした部分を加えて頂けるのならこの部分のみここに書きます。
最初のセリフを差し替えて頂くだけでも結構ですし...。
出来ればどう修正するかをmio_2ch@SS回収屋さんに
選んで頂きたいのですが...。
勝手なお願いですがよろしくお願いします。

それとSSに関してはまだまだ初心者ですのでおかしいところ等
の修正やアレンジは大歓迎です。

現在そちらのHPに入れなかったため、確認してませんが後から
おじゃまします。
156148=某スレの7:2000/07/08(土) 01:48
まさかレスもらえるとは思いませんでした。どんなオチなのか期待しています。
157mio_2ch@SS回収屋:2000/07/08(土) 17:23
>OVAさん
本来の形に戻して頂くのが一番いいのではないかと思います。
129(または該当する個所)の修正分、と言う形で続きを書きこまれては
いかがでしょうか。冒頭の差し替えだけなら確かに楽ですが、それは
OVAさんの本意ではないでしょうし、ここの読者も納得しないでしょう。
>それとSSに関してはまだまだ初心者ですのでおかしいところ等
>の修正やアレンジは大歓迎です。
僕の方こそ超初心者ですよ・・・(^^;
基本的に、発表されたものの内容自体には勝手に手を加えない方針です。
もし誤字脱字その他の修正のご希望がありましたら、お手数ですが僕のサイトの
BBSか、メールでお願いします。(他の作者の方も)
http://mio_2ch.tripod.co.jp/
158OVA:2000/07/08(土) 18:16
mio_2chさんへ
あとから残りの部分をここに書きますのでよろしくお願いします。
第2章から、新規スレッドに書き込みますので。
あれから数日後、ボクがいつものように部屋の隅で膝を抱えて座
っていると玄関のドアの開く音がした。
今日はやけにご主人様の帰りが早い...ボクは正座に座り直し
ご主人様が部屋に入ってくるのを待つ。
でも、部屋に入ってきたのはボクの知らない男の人達だった。
太った人、痩せてる人、ヒゲを生やしてる人などが10人いる。

『だ、だれ...?』
ボクは自分の裸をあわてて隠し、男の人達に問いかける。
「ククク、客だ。お前のな...」
ボクの前に立つ男達の横をすり抜けご主人様がそう言いながらボ
クの前に歩いてきた。
『ボクの...お客様...ですか?』
「そうだ。今からお前にはこの連中の相手をするんだよ...」
ご主人様はそう答え、となりの部屋に座り込む。

「くっくっくっ...こんな幼い娘を抱けるとは...」
「ケケケ、高い金を払った甲斐があるぜ...」
「はぁ、はぁ、かわいい娘だ...犯し甲斐があるぜ...」
「へへへへ...かわいい胸だ...」
「お、おれもう我慢できねぇ...!」

血走った目をした男達がボクに近づいてきた...。
ボクの体に男達の手が伸びてくる!!
『いやあぁぁぁぁぁぁっ!!やめてぇぇぇぇぇぇぇっ!!』

「おぉぅ!やわらけぇ〜!!」
「かわいいマンコしてんじゃんか!!」
「おらおらっ!!オレのチンポをなめるんだ!!」
「はあ、はあ、もう乳首が立ってるぞ!!」
「ケツの穴もかわいがってやるからな!!」

男達のうちひとりはボクの胸を乱暴に揉みながら乳首を吸う。
もうひとりはボクのアソコを指でいじくりまわす!
おしりの穴をなめてくる人もいる!
ボクの腕を掴んでむりやりおちんちんをさわらせる人やボクの口
におちんちんを突っ込んでくる人もいる!
こ、こんな...い、いやだ!!き、気持ち悪い!!
隣の部屋でご主人様はにやにや笑いながらボクを見ている...。
『ん、ぐぅ...んんん...』
ボクは口の中におちんちんをねじ込まれ体を複数の男達に弄ばれ
てる...。
ずっ...ぷぷぷぷ...おちんちんをあそこに挿入された...。

「うっ!!」ドクッドクッ...ボクの口に精液が流しこまれ、
おちんちんが引き抜かれる。
『げほっ、げほっ!』喉の奥に注ぎ込まれむせる。
『ん...あ...』ボクは男の一人にあそこを刺し貫かれたま
ま体を起こされる。
そして、ボクのおしりの穴にもおちんちんが進入してくる!!
『ひぎぃっ!!裂けちゃうぅぅっ!!』
悲鳴を上げるボクの口にまたおちんちんをくわえさせてきた!
『!?んぐぅ〜!!』
『んぐっ、うくっ、うぐぅ〜っ!!』
あそことおしりを貫かれ、口も塞がれボクは犯される。
『ん、ぐ...うぅ...』
男達に責められ気が遠くなりそうな快感がボクを襲う!
も、もうだめぇっ!!イッちゃうよぉっ!!
『ん!んぐぅぅぅっ!!』
ボクは体を痙攣させながらイッてしまう...。

ボクがイクのと同時に口にあそこにおしりに熱い液体が注ぎ込ま
れ、おちんちんが引き抜かれる...。
『ん、はぁっはぁっ...』
ボクの口もとから精液がよだれのように垂れる...。

くちゅ、ず、ぷぷぷっ...!ぱん!ぱん!
また、あそこにおちんちんが挿入され、あそこをかき回される!
『ん、あぁぁ...』
ドビュッ!!ドビュッ!!またあそこに精液を放出されるとまた
ちがうおちんちんを挿れられる!
も、もうやめて...。
『も、もうやめ...ひっ!!』
また精液を注ぎ込まれた...おちんちんがあそこから引き抜か
れるとすぐに他のおちんちんが挿入される!!
『も、もうやめ...んぐぅっ!』
またおちんちんをくわえさせられる。ボクの胎内に射精されるた
びに熱い精液が溜まっていく。苦しいよ...!
射精が終わるとまた違うおちんちんが挿入される。
ボクの意識はどんどん遠くなる...。
あっ...おしりにも...また挿れられてる...。

ボクの胃も胎内も直腸も、精液を注ぎ込まれ続けてる...。
ぎゅるるるるるる...。おなかが苦しいよ...。
もう中に出さないで......。
『うぅ...やめてぇ...』
ボクのあそこからおちんちんが引き抜かれる...。
お、おわったの...?
そう思ったその時、突然、下腹部を思いきり踏み潰される!
『うぐっ!!』
ボクのあそことおしりから精液がぶびゅっと音を立てながら絞り
出されるように吹き出す!
『う、ぐ...いた、いぃぃ...』
くちゅ、ずぷぷぷぷぷぷぷ....っ。ま、また、挿れられてき
た...っ!!
『んあぁっ、いやあ...もう...限界...許して...』
ボクの懇願は無視され再び犯されていく...。

「ククク、あゆ。お前にはまだまだ稼いでもらうぞ」

ボクは犯されながら虚ろな目でその声の主を見る...。
隣の部屋にはいつのまにか部屋に入ってきた男達がいる。
に、人数が...ふ、増えてる...。
ま、まさか、こ、この全員に...ボク...。
男達は血走った目で荒い息をしながらボクを見ている...。
い、いやあぁ...。
ど、どうして、こんなめに......。
だ、だれか...助けて...この地獄から...。
                        第一部 完
159
誤「今からお前にはこの連中の相手をするんだよ...」
正「今からお前はこの連中の相手をするんだよ......」
160
誤 悲鳴を上げるボクの口にまたおちんちんをくわえさせてきた!
正 悲鳴を上げるボクの口に別の男がおちんちんをくわえさせてきた!
163mio_2ch@SS回収屋:2000/07/09(日) 11:46
>OVAさま
追加・修正、完了しました〜♪
ちょっと回してから上げましょう
まわし
まわし
mawashi
まわし
あ、そーれ
よいしょ
もいっちょ
172mio_2ch@SS回収屋:2000/07/09(日) 13:54
日曜の昼下がりにこんにちは。回収屋にして新米SS書きです。
予定していたクソ暗いSSは8割がた出来てるんですが、どうもラストがこう気持ちよく
決まらないので、しばらく封印して熟成させることにしました…。ち、力不足…(T_T)
んで気分転換に軽いエロエロ系を書いてますです。単純にエロなだけという…。
しかも長くなりそうですが(まだ終わりまで書いてない)今日の夕方くらいに
最初の方アップしてイイすか?
それとも、エロも下げた方がいいのかな。
173名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/09(日) 14:18
普通のエロは別にいいんじゃない?
テレホ時間だけ下げてれば。
174名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/09(日) 14:31
>mio_2ch@SS回収屋
アプ待ってます・・・
175名無しさん:2000/07/09(日) 15:18
罪と罰であゆをズタズタにして、腹を掻っ捌き目玉に突っ込むとか見たいっす…
達磨ネタ期待しています…楽しみだ〜
176罪と罰(偽物):2000/07/09(日) 15:43
包丁を握り締めた遺作が笑う。
「ひっやめて・うぐぅぉ〜」
あゆの腹を引き裂かれた。
「うぐふぁあ・・・ボクのおなかの中から・・・血血とピンクのものがでてる」
あゆは極度の苦痛により、意識が麻痺し、包丁に
引き裂かれた腹の中から、血が溢れ、腸が覗いているのを見ながら
呆けた声をあげた。
「ちっめんどくせい」
遺作は包丁を乱暴に腹に突き立て捻りまわしながら、突きまくった。
「うぐふっ・・・おなかがあ、ボクのおなかから腸が、一杯切れて、溢れるよお」
精神が限界に達したあゆは常軌を逸した苦痛による脳内快楽物質の大量分与により、
ラリッた目で自分の腸物を見ながら蕩けた声を出した。
「とりゃっ!」
遺作は包丁を最後とばかり深く突き上げ、そのまま下に引き裂いた。
「あぎゃひゃあああああああ、うううう!うぐぅ!!」
あゆが一声上げる。掻っ捌かれたあゆの腹から細切れにされた
子宮、卵巣、膀胱が吹き出し、ズタズタの動脈から溢れる血が噴水の様に
それらを一面に撒き散らす。
「クックック、さすが不死の化け物だけあってまだ死なないぜ」
遺作は笑いながら、あゆの血や膀胱筋などがこびりついた包丁を一口舐めた。

作者様、勝手に書いちゃってすまないです。
あまりにそそられるシナリオまわしだったので。
本編でもぜひ式貴士や友成純一ばりの超残酷描写をしてくださることを
一読者として期待します。
177名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/09(日) 15:48
su@`susamajiinagorula[゚д゚]
178名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/09(日) 15:55
あいかわらず強烈なのが多いな(笑)
この雰囲気の中、あえて萌え萌えで甘甘なラブコメを
書く勇者は登場しないのだろうか?(笑)
179Summer Tour(仮題) #1:2000/07/09(日) 16:48

1.浩平と七瀬

初夏の街が夕暮れから夜に移行する時刻。
オレは駅前の待ち合わせ場所に立っていた。
息を切らせて七瀬が駆けてくるのが見える。
…30分の遅刻だ。
オレは腕を組んで目を閉じる。
「はあっ、はあっ、ごめん、折原っ!はあっ、かなり、はあっ、待った?」
「………」
「ぜえ、ぜえ…ひょっとして、はあっ…すっごく、怒ってる?」
「…ぐー」
「…寝とるんかいっ!!」
すかさず脳天にチョップが入りそうになるのを、笑いながらかわす。
相変わらずのオレ達だった。

高校を卒業後もオレ達の付き合いは順調に続いていた。
オレは何とか大学にもぐりこみ、七瀬は旅行代理店に就職した。
新米添乗員として、あちこち飛び回って忙しそうだ。
だらけた大学生活を送っているオレには、一足先に大人の世界に足を踏み入れ、
どんどん奇麗になっていく七瀬がやけにまぶしかった。

「仕事で遅くなるのはしょうがないから、許してやるよ」
「…ごめんね。もうすぐ初めてのボーナスだから、おわびに何かごちそうするね」
「そうか。じゃあ、前菜に回ってない寿司食って、メインに高級フランス料理食って
デザートに焼肉食って、ホテルのバーで軽く飲んで、そのままスィートにチェックインだ」
「…折原。1年目の新入社員のボーナスが幾らだと思ってるの」
「…じゃあ、寿司は回ってる寿司でいい」
「あのね…」
七瀬のこめかみがピクピクしている。
「冗談に決まってるだろ。ごちそうは七瀬の活造りだけで充分だ」
「もうっ、ばかっ!」
顔を真っ赤にして、ぽこん、とハンドバッグでなぐる。
オレ達はお互いに少し照れながら、手をつないで、初夏の夕闇の街へと歩き出す。

平均的なオレ達のデートは、だいたいこんな感じだ。
平日には仕事帰りの七瀬と待ち合わせて、飯を食って、ちょっと呑んで、ご休憩して、
家まで送って行く。
休日には出掛けることもあるけど、大抵は朝から七瀬がオレの家にやってきて、
一日中べったり一緒にいることが多い。下手すると、ずっとベッドの中だ。
…七瀬は一緒に出掛けたがるけど。
いくら七瀬が働いていてオレが学生だからと言っても、そうそういつもごちそうして
もらったり、割り勘ばっかりじゃ、気が引けてしまうからな…。

「んじゃ、とりあえず乾杯」
「いっただっきまーす」
ごくごくごくごく。…ぷはーっ。
「くーっ、やっぱり労働の後のビールはこたえられないわっ!」
「よし、どんどん呑め、七瀬。後のことは任せろ」
「何よ、後のことって…」
「そりゃあ、まあ、いろいろと…」
すぱんっ、と頭をはたかれる。
「そうだ、聞いてよ、折原!昨日添乗したバスツアーでさあっ、ハゲたオヤジに
お尻さわられちゃったよおっ!」
どんどん、と悔しそうにテーブルを叩きながら訴える。
「なにいっ!オレの七瀬のお尻をさわっただとおっ!まさかおまえ、そのまま
泣き寝入りなんかしなかっただろうなっ!」
「あたりまえよっ!すぐ『なにすんじゃ〜!このハゲぇっ!』って平手打ちよっ!」
目に浮かぶようだ…。
「…後で、ものすごく怒られたけどね」
しゅんとする七瀬。オレはよしよし、と頭を撫でてやる。
「元気出せ、七瀬。しかし七瀬に手を出すなんて、怖いもの知らずのオヤジだな」
「フォローになってないわっ!」
オレ達は今日も、そんな風に楽しい時(?)を過ごしたのだった。

店を出て、オレはこれからどうするかな、と少し考える。
と、七瀬がオレの腕にしがみついてきた。
「うー、ちょっと飲みすぎたかも」
「気持ち悪いか?」
「ううん、そんなでもないけど、ちょっとふらふらするの」
「…ちょっと休んでいくか」
「…うん」
オレ達はそのあたりにあったラブホテルに入った。
180SummerTour#1:2000/07/09(日) 16:50

部屋に入るとすぐ、七瀬がオレに抱きつき、唇を重ねてくる。
なんだ、欲情してたのか…七瀬も。
お互いに服を脱がせながら、唇を貪り、舌を絡めあう。
ベッドに行く手間さえも惜しんで、ドアに七瀬の身体を押しつけて片足を持ち上げると、
愛液が太腿までを濡らしていた。
「いやらしいな、七瀬は。キスだけでもう、びちょびちょじゃないか」
「あっ、ああん…じらさないで、早く…」
「そんなに欲しかったのか?」
「はあぁっ…欲しいの、早く、中に…」
七瀬が言い終わる前に、一気に突き入れる。
「あああっ!あ、はああっ!」
熱くて、ぬるぬるで、どろどろの七瀬の中がオレのペニスををきゅうっと締め付けてくる。
その心地よさにオレは何も考えられずに、ひたすら激しく七瀬の中にペニスを突き立てる。
ぐちゃっ、ぐちゃっ、という激しい音とともに愛液が飛び散り、床に小さな水溜りを作っていく。
「あんっ!ああっ!いいっ、いいのっ!気持ちいいのっ!はあんっ!」
オレにしがみつきながら、自分から激しく腰を振る七瀬。
デートの度に身体を重ねているうちに、ついに七瀬が挿入によって「イク」ことを覚えたのは
最近のことだ。まさに今オレ達は「やりまくり期の真っ只中」といった感じだった。
「あっ、いいっ、奥が…ああっ!そんなに突いちゃ…はああっ!」
抱え上げた足のつま先が、痙攣するようにびくっ、と震える。
オレは腰をグラインドさせ、浅く、深くと緩急をつけて突き上げながら、恥骨を七瀬の一番
敏感な突起にこすりつける。
「ああっ…!や、そこぉ…はあんっ!」
尻の肉をそっと掴んで柔らかく揉みこみながら、腰を強く押しつけ、最奥を突き上げると、
七瀬は叫びながら、あっさりと絶頂に達する。
「んはあっ!!イクっ、イッちゃうっ、イッちゃうのぉっ、ああああっ!!い、イクぅぅぅっ!!」
激しく収縮し、最後の一滴まで精を搾り取ろうとするような貪欲な七瀬の膣の動きに、危うく
中に出してしまいそうになるのをぐっと堪える。
「くっ…!」
オレは心地よい締め付けからペニスを抜き出し、七瀬の腹の上に白い精を放った。

お互いを貪るような行為の後、一息ついてオレ達は見詰め合った。
「…やだ…シャワーも浴びてなかったね。あたし、汗くさくなかった?」
「いや、どっちかというと、むしろ汗くさいのはオレの方だろう」
「あたしは、好きだよ…折原の汗の匂い…」
自分で言っておきながら、真っ赤になって照れる七瀬。
オレもなんだか照れくさくて目をそらしてしまう。
…七瀬ときたら、いつもこんな風に突然『乙女』になるのだ。
ついさっきまで獣のように交わってたのはどこのどいつだ、とは思うものの、オレは七瀬の
そういう部分が好きだった。

「えっと…折原、シャワー浴びる?」
「うーん…今更って気もするけど」
「だって、これ…洗わないと」
そういって七瀬はお腹の上にこびりついたオレの精液を指差す。
幸い(?)入ってから15分で1ラウンド終了してしまったので、時間はまだたっぷりあった。
お風呂でするのもいいかもな…などと不埒なことを考えながら同意する。
と、七瀬が床を見て慌てる。
「あ、いけない、忘れてた!洋服、しわになっちゃう…」
そう言うと、脱ぎ捨てられた服を、拾ってハンガーに掛けていく。
多分、無意識なんだろうけど、オレに背を向けて洋服を拾う七瀬は、腰を落とさずに
上半身だけを折り曲げている。
七瀬の愛液で濡れたその部分がオレの目の前で露になる。
その光景は強烈にオレの下半身を刺激した。
誘ってるとしか思えない…。
そう思った瞬間、オレは七瀬の腰を掴んで引き寄せ、後ろから一気に挿入していた。
181SummerTour#1:2000/07/09(日) 16:51

「ああっ!?お、折原っ!」
七瀬はよろけて、壁に手をつく。
オレは無言でお尻を突き出した格好の七瀬の中を激しく突く。
「ま、待ってっ、まだ、洋服が…あっ、はあっ!」
先刻までの行為の名残で七瀬の膣は充分濡れていて、抽送はスムーズだった。
「ああん、やだあっ…お風呂、入るんじゃ、なかった、のぉっ!?」
「そうだったな…」
オレは一旦ペニスを抜く。
ほっとしたような表情の七瀬をこちらに向かせ、片足を持ち上げてもう一度繋がる。
「ひんっ!そうじゃなくて…!」
泣きそうな七瀬の手をオレの首に回させ、抱え上げた。いわゆる駅弁の形だ。
「あああっ!そんなぁ…深く…入りすぎ…はあっ!」
不安定な態勢に、七瀬はオレの腰に足を巻きつける。
オレは七瀬のお尻を支えた手と、膣に楔のように打ち込まれているペニスとで態勢を保っていた。
「よし、じゃあ風呂に行こうな」
そう言って風呂場へと歩き出す。歩く振動で密着した下半身と、合わせた胸の間で固く
尖った乳首が擦られて、七瀬は身体をくねらせる。
「はあんっ…これ、すごく、いやらしいよぉ…んんっ…」
「いやらしいのは七瀬だろ…オレの太腿まで濡れてるぞ」
七瀬の愛液がペニスを伝って、滴り落ちてきていた。
「いやぁ…言わないでぇ…」
泣きそうな声で訴えると、オレの首にしがみついてくる。
「はあっ…あん…あ…ああっ…あ、はああっ…やだっ、イクぅ!」
風呂場にたどり着く前に軽い絶頂に達してしまう。
「なんだよ、まだこの部屋に入って30分も経ってないのに、もう2回もイッちゃったのか」
「だって、だって、…あっ、はああん…いい…」
快楽の余韻を味わうように腰をくねらせる七瀬を抱えたまま、オレは風呂場のドアを開けた。
182SummerTour#1:2000/07/09(日) 16:52

繋がったままで七瀬の身体を床に横たえる。
「はあっ…!タイルが冷たい…」
「今、暖かくしてやるよ…」
正常位で膣を突きながら、オレはシャワーを手に取る。
温度を調節し、強めにお湯を出して七瀬の身体に浴びせかける。
「んんっ…あ、あん…あったかい…」
まず、下腹部にこびりついて乾燥しかけていた精液を洗い流す。
さらに勢いを強くして、つんと尖って色を濃くしたピンクの乳首を嬲るようにシャワーを当てる。
「はうっ!ああっ、すごい…っ、あんっ、気持ちいいよぉ…」
身悶えする様子を見ながら、今度は二人が繋がっている部分の少し上…七瀬の一番敏感
な突起に水流を当てる。
「ひっ…!ひああああぁっ!!」
びくん、びくん、と腰が跳ね上がり、膣がオレのペニスを激しく締め付ける。
「だ、だめえっ!それ、だめぇ…っ!あああ…っ」
オレは構わずシャワーを近づけ、さらに勢いよくその部分に当たるようにする。
「んくっ、んああっ…!あうっ!ま、またイっちゃう…もう、イっちゃうぅ…あはあぁぁっ!!」
膣だけでなく全身を痙攣したようにびくっ、びくっと蠢かせて七瀬が3回目の絶頂を迎える。
オレは一瞬動きを止め、七瀬の膣の蠕動に耐える。さっき1回出しといて良かった…。
「はああっ…」
七瀬が涙を浮かべながら大きく息をついた瞬間、オレはオレ自身の2度目のフィニッシュへ
向けて、再度大きく腰を動かし始める。
「ひっ…やっ、まだ、早い…あっ、あくうっ…くうううぅっ!」
達したばかりで過敏になっている膣をすぐに突き上げられ、七瀬が狂ったように四肢を
ばたつかせながら喘ぐ。
不規則に締め付けてくる七瀬の膣を味わうように、速い動きで小刻みに奥を突きつづける。
「はんっ!はああぁっ!ああっ!んはあっ!」
絶頂のすぐ後で責められて、最初は苦しそうだった七瀬の声は、すでに更なる快楽に
染められていた。
「あああっ!こんなの、こんなのっ…やあぁっ!」
「…いやか?七瀬」
オレは動きを止めて聞く。
「あ、やだっ、やめないでっ、やめちゃ、いやあ…」
差し迫った七瀬の様子に苦笑しながら再び動き始める。
「はああっ!こんなの、はじめてっ…!気持ち、良すぎて、おかしく、なっちゃうぅ!」
オレにしがみつきながら自分から激しく腰をぶつけ、より深いところへとペニスを咥えこむ。
「ううっ…七瀬、もう、だめだ…出すぞ」
もう限界だった。
「ああっ、あたしも、もう、だめええっ!あはぁっ!死んじゃうっ…!んはああぁぁぁぁ…っ!!」
オレは限界まで七瀬の膣の動きを味わってからペニスを抜き、白いタイルの上に大量の
精液を吐き出した。

「ふうっ…」
快感の余韻を反芻しながら七瀬に目をやる。
七瀬はぴくりとも動かない。
「七瀬?おい?」
ぴたぴたと頬を叩く。が、死んだようにぐったりと動かない。
「冗談だろ…」
思わず呼吸しているかどうかを確かめる。
すー、すー…
大丈夫そうだ。疲れて眠ってしまったのだろうか…。
とりあえず、ぐったりした身体を抱き起こし、もう一度シャワーで汗と体液を流し、
タオルで拭いてやってから、ベッドへと運ぶ。時計を見るとまだ1時間しか経っていなかった。
「ひょっとして…失神…てやつか?」
失神するほど感じさせることができたんだろうか?
だとしたら、ちょっと、嬉しいかな…自尊心がくすぐられるというか。
オレはいっそう七瀬のことが愛しくなり、閉じられたまぶたにそっと唇をつけた。
183SummerTour#2:2000/07/09(日) 18:48

2.留美と瑞佳

「はあっ…」
あたしはコーヒーカップを見つめながら、気がつくとまた昨日の夜のことを反芻していた。
快感のあまり気を失うなんて…
話には聞いたことがあるけど、まさか自分がそんなことになるなんて考えたこともなかった。
…恥ずかしい。いやらしいやつだって、折原に嫌われてないかな…。
そんな風に心配しながらも、またあたしは昨日の激しすぎた快楽を反芻して、下着を濡ら
してしまう…。
今日は一日仕事が手につかなくて、上の空で上司に何度も注意されてしまった。
「瑞佳、遅いな…」
あたしは無理矢理、意識を他のことに向けようとする。
と。瑞佳がドアを開けてこの喫茶店に入ってくるのが見えた。

「瑞佳、こっち」
きょろきょろしている瑞佳を手を上げて呼ぶ。
「ごめんごめん、ちょっと遅れちゃった」
「珍しいよね、瑞佳が遅刻するなんて」
「んー。ちょっとね…あはは」
笑って誤魔化された。
…男かな。
なんとなく、そう思った。

瑞佳は折原のことが好きだったんじゃないかな…と思っていたあたしは、折原とつきあい
始めた頃、瑞佳と話すのが後ろめたかった事もあった。
聞いてもどうせ瑞佳は頭から否定するに決まってる。そういう子なんだ。
だから、瑞佳が誰かとつきあい始めたのなら、それはあたしにとっても嬉しいことだ。

「で、話ってなに?瑞佳」
「うん…留美って旅行会社に勤めてるんだよね?」
「そうよ…それが?」
「ツアーとか、安くなるかなあ?」
「うーん…まだ新米だからそんなに権限ないけど…学校のサークルの旅行とかなの?」
「え?えっと、ううん、二人だよ…」
赤くなる瑞佳…間違いなく、男だわ、これは。
思わずあたしは意地悪く追及する。
「えーっ、誰よ誰よぉ、あたしの知らない人?」
「…ううん…住井くん、なんだけど…」
「えええええぇーーーーっ!!!」
驚愕のあまり立ち上がってしまい、店中の注目を浴びてしまう。
こ、こほんっ。
咳ばらいを一つして、座りなおすと瑞佳の顔を見つめる。
「…マジなの?」
「…そうだよ」
「…瑞佳って…悪趣味だったのねえ」
「留美だって人のこと言えないよ…」
それは悪趣味だって認めてる発言だな…可哀想な住井。

「彼氏と旅行かあ…いいな、瑞佳」
溜息混じりについ言ってしまう。
「留美だって、浩平と旅行することあるでしょ?」
「ううん…だって折原は学生だし…あたしは働いてるからあんまり休みないし」
「お盆休みは?」
「稼ぎ時だもん…交代で出勤するはずなの」
「別に海外行こうって言うんじゃないんだよ。1泊2日くらいなら休み取れるんじゃない?」
「まあ、それくらいならね…でも折原あんまり出掛けたがらないし」
「一緒に行こうよ」
「…えっ?」
「留美と浩平と、住井くんとわたし。4人でどっか行こうよ」
「…4人で?」
「うん。久しぶりに高校の時みたいに、みんなで遊ぼうよ」
折原と旅行…ロマンティックな想像にあたしの胸は高鳴る。
…まあ大体において、あたしのロマンティックな想像というのはハズされるもんなんだけど。

1泊くらいなら、下手にツアーを探すより、宿と足だけ確保する方が自由度が高い。
宿はあたしが押さえれば、多少なりとも安くなるはず。
「瑞佳はどこか行きたいところ、あるの?」
「うーん、最初は沖縄とか思ってたんだけど、1泊2日で4人となるとまた話が変わるよね」
「沖縄、いいけどなあ…」
「せっかく夏なんだから、やっぱり海か山だよね」
「お盆休みの頃の海って、クラゲいなかったっけ」
「あー。そうかも。じゃあ、山かな」
「…瑞佳、まさか本格的な登山とか、考えてないでしょうね」
「…だめ?」
「わざわざ彼氏と体育会の合宿みたいな旅行なんかしたくないわよぉ!」
結局あたしがパンフレットなんかを集めて、4人で相談して決めよう、ということで話は
落ち着いた。休みが取れるかも確認しなきゃならないし。
「うふふ、楽しみだね、留美」
「うん、すっごく楽しみ〜。えへへ」
あたしたちはニコニコしながら家路についた。
(今日はここまで・WGP始まるからね♪)
184あぼーん:あぼーん
あぼーん
185あぼーん:あぼーん
あぼーん
186あぼーん:あぼーん
あぼーん
187あぼーん:あぼーん
あぼーん
188あぼーん:あぼーん
あぼーん
189あぼーん:あぼーん
あぼーん
190あぼーん:あぼーん
あぼーん
191あぼーん:あぼーん
あぼーん
192あぼーん:あぼーん
あぼーん
193名無しさん:2000/07/09(日) 19:17
あらあら、コピペ荒らしさんですか。
お暇ですねぇ。
194あぼーん:あぼーん
あぼーん
195名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/09(日) 19:27
本物の鍵っ子がキレたのか? 鍵っ子騙り野郎か?
どちらにしてもおこちゃまですね。
放置プレーしたれ
197名無しさん:2000/07/09(日) 19:43
真性は普通自分から「鍵っ子」とは名乗らないだろ。
と言うわけで鍵っ子の名を借りたあらーしくんだお。
…頭悪そうな書き込み方だなぁ。
198あぼーん:あぼーん
あぼーん
199あぼーん:あぼーん
あぼーん
200名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/09(日) 19:52

     __ n
  o/  \ ヽ  / ̄ ̄ ̄
  .(__丿    | < ん〜〜
   ⊆_    ヽ_ \___
        ̄ ̄
201名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/09(日) 19:59
コピペ荒らしかよ。
盗作板から流れてきたか(藁
でも明日にはぜんぶあぼーんだからご苦労さん。
202名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/09(日) 20:01
板専任の削除人がいるってすごく心強いね。
盗作板なんてあるのか?
わりい盗作スレだった。
ようやく静かになってきたようだから。
でも聖戦士が他へ流れるとうざいな。
205あぼーん:あぼーん
あぼーん
206あぼーん:あぼーん
あぼーん
207名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/09(日) 20:27
よせよせ
203=204
アンチの自作自演とか言われるのがオチだぞ。
208203:2000/07/09(日) 20:29
204は別人だぞ
目を凝らすと何かのHシーンに見えなくも非ず…
>208
もちろんネタだが聖戦士には
自分の意見に反対する人間をひとくくりにして
アンチにまとめる習性があるからだ。
211mio_2ch@新米SS屋:2000/07/09(日) 20:59
あーう、コピペあらし呼んじゃったよー
長いとやっぱsageたほうがいいみたいっすね…(;;)
そろそろSSに戻らない?
213:2000/07/09(日) 21:05
>mio_2chさん
コピペ荒らしの削除依頼、受理されましたよ。
めげずにいい作品作ってくださいね。
214あぼーん:あぼーん
あぼーん
215鬼の力vs不可視の力 第一話:2000/07/09(日) 21:30
「本当に来るの、郁未さん」
 緊張で強張る私の顔を覗き込むように、葉子は疑念の視線をよこした。
 無理もない。
 言い出した私でさえ、今回の件は半信半疑なのだから。
 時刻は午後9時。
 吹き抜ける冷たい風が、二人の髪の毛を揺らす。
 私の考えが正しければ、『奴』は姿を現す。
 ・・・初夏を迎えたこの街を震え上がらせる怪事件、
 その始まりは5日前にさかのぼる。
 夜遅く、人気の無い道を歩いていた男が、何者かによって殺害された。
 それだけなら、新聞の片隅にさえ載らない、ありふれた事件かもしれない。
 大衆の目を引き付け、恐怖におののかせたのは、
 想像するだけで吐き気をもよおす、現場の惨状だった。
 男は腹を引き裂かれ、腸を何メートルにも渡って引きずり出されたうえ、
 眼球をえぐりとられていた。
 周囲には鮮血混じりの肉片がぶちまけられ、
 ご馳走にありつくカラスの群れに覆われていたという。
「本当にそんないかれた奴がいたとして、私達の力でどうにかできるものなのかしら」
 沈黙を破るように、葉子は再び疑問を口にした。
「それは分からないわ。だけど、私達がやらなければいけないの」
 胸をむかつかせる異様な感覚は、事件以来、日を追うごとに増している。
 殺戮と破壊の炎に身を焦がした『奴』の思念が、
 私の身体に流れ込んできているようだ。
『奴』は、私達を求めている。
 熱い血潮で喉の渇きを潤し、獲物の肉によだれを垂らす。
 狩人としての本能が、『強い者』を求めてやまない。
 林立する廃墟を縫うように吹き付けていた冷たい風が、生温いそよ風に代わった。
 空気は張り詰め、全身を微弱な電流が駆け巡る。
「郁未さん・・・」
 葉子も異常を感じ取ったのか、わずかながら表情を不安と恐怖に歪めた。
 かつてないほどの胸のむかつき。
「来たわ・・・」
 辺りに気を払いつつ、葉子の注意を喚起した。
 心臓の脈動が、激しく深く、そして熱くなってゆく。
 本能が警告信号を打ち鳴らし、全身が活性化されてゆく。
 背面を衝かれないよう、葉子と背中を合わせ、臨戦態勢をとる。
 葉子の震えが、肩と背中を通じて伝わってくる。
 二人が同時に息を吐いたその瞬間、
「葉子さん!」
 廃墟の影から、人間とは形容しがたいものが踊り出た。
『それ』は、闇に怪しい眼光を輝かせ、
 人の太股ほどあろうかという腕を振り上げると、私達に向かって鋭い爪を振り下ろした。
 二人は『それ』の進行方向と直角に飛ぶと、獲物を捕らえ損ね、鈍く唸る怪物を視線を移した。
「ようやく現れたわね、待ちわびたわ」
 その姿は、おとぎ話の中でだけ存在することを許された鬼そのものだった。
 彼の名は柏木耕一。
 人でありながら、鬼の血を受け継ぐ者。
 彼は人として歩むことを許されず、『血』の命ずるままに殺戮と破壊を欲している。
「ぐるるるる・・・」
 満たされない衝動を抑えながら、鬼は、二匹の獲物を交互に見やっている。
 彼の悲劇を断ち切る手段はただひとつ。
 迷いは無い。
「いくわよ、葉子さん!」
「はい!」
 二人は、狂気の炎を揺らめかせる鬼の瞳を見据え、不可視の力を解放した。

 続く
216名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/09(日) 22:27
おおかっちょいいっすね。
続ききたいしてます。
少しまわしておくよ・・・
218OVA:2000/07/09(日) 22:50
mio_2chさんへ
あゆSS『罪と罰』ですけど続きは分家スレッドに行きました。
ONESSこれからじっくり読ませていただきます。
219mio_2ch@SS回収屋:2000/07/09(日) 23:52
>OVAさま
はい〜回収済ですよ〜。サイトに乗せるのは明日以降になりますが〜。
それにしても書くの早いですね。無理なさらないよう。

>215
うんうん、かっちょいいねっ>216…早く回収してえ(←病気)
2207#1:2000/07/10(月) 23:20
舞と佐祐理さんは卒業後、同じ大学に通うので同居生活を始めた。俺も一緒に暮らしたかった
のだが両親の許可が出ず(秋子さんは1秒で了承したが)断腸の思いで諦めた。
大学に入学したら同居を認めるという両親の言葉に、俺はどうせなら二人と一緒の大学に行こうと
決心した。だが、はっきり言って二人の通う大学は俺の学力ではかなりきつかった。
しかし、名雪や香里そしてなにより佐祐理さんによる特訓のおかげで俺は二人と同じ大学に入ることが
(補欠合格だが)出来た。そして俺達三人の共同生活は始まった。
三人での共同生活は多少の問題もあったが(舞がいきなり泣き出したとき慰めたり、佐祐理さんが家事を
全てやってしまおうとするので慌てて家事分担を決めたり、そして何より舞とのHを何時するかに悩んだ。)
そんな悩みは些細な事と思えるくらい楽しかった。
しかし二人が先に大学を卒業して舞が介護施設で、佐祐理さんが父親の元で秘書見習として働き始め
俺も就職活動に追われるようになった時、今の生活が何時までも続くものではないと思い知らされた。
そして就職が決まり、いよいよ卒業が現実のものになろうとした時俺は一つの決心をした。
ある佐祐理さんがいない夜、(普段はこんな夜することは決まっていたが)俺は舞をリビングに呼び出した。
「舞、お前に大切な話がある。」
「祐一…一体何?」
「俺ももう卒業だ。そうなったら今のような生活はもう出来ないと思う。」
「祐一…そんな事言わないで…ぐすっ、ぐすっ。」
舞が泣き始めたので俺は慌てて続けた。
「それでだ、舞…俺はお前を両親に正式に紹介しようと思う。」
「祐一…それって…。」
「そうだ…舞…俺と結婚して欲しい。」
俺がそう言うと舞は目に一杯涙をためてうなずいた。
「祐一…嬉しい・・でも、でも、佐祐理は?」
「勿論話したさ。喜んで祝福してくれたよ。」
「うん…祐一…わかった。」
嘘だった。佐祐理さんにはそんな事言ってなかった。勿論、佐祐理さんが祝福してくれるであろう事は
疑ってなかったが、佐祐理さんを置いて二人だけで幸せになろうとする事への後ろめたさが俺に
佐祐理さんがいないときにプロポーズをさせ、さらにあんな嘘までつかせたのだった。
2217#2:2000/07/11(火) 02:16
佐祐理さんに俺達のことを言おうとする舞を寝かせ(この為に佐祐理さんが深夜まで帰ってこない日を選んだ)
翌朝、舞が起きてくる前に俺は佐祐理さんの部屋に行き昨夜のことを話した。
「祐一さん…やっと決心してくださったんですね。おめでとうございます。舞と幸せになってくださいね。」
「佐祐理さん…ゴメン…俺は自分達だけ幸せになろうと…。」
「あはは―っ、佐祐理のことはいいんですよ。気にしないで下さい。」
「そんな事言っても…佐祐理さん…。」
俺が続きを言おうとする前に佐祐理さんは後ろを向いて強い口調で続けた。
「本当に…佐祐理のことは気にしないで下さい…それにこれ以上やさしい言葉をかけられたら…
佐祐理…二人のこと…笑って祝福できなくなります…。」
「佐祐理さん…本当に済まない。」
「祐一さん…謝らないで下さい。ごめんなさい…ちょっと一人にしてください。」
俺はこれで良かったんだと自分に言い聞かせ佐祐理さんの部屋を出た。
俺は佐祐理さんが朝食に出てきたときどんな言葉をかけようかと悩んだ。しかし、佐祐理さんがいつもの
ように現れ、そして舞に祝福の言葉を言うのを見て、佐祐理さんのことはこれで終わったんだと思ってしまった。
でも、その時の俺は佐祐理さんの気持ちを全く理解してなかったのを後で思い知らされたのだった。
その夜、いわゆる草木も眠る丑三つ時、俺はドアをノックする音で目が覚めた。
寝ぼけ眼でドアを開けるとそこには佐祐理さんがネグリジェ姿で立っていた。
「祐一さん…こんな時間にすみません。ちょっとお話があります。」
「佐祐理さん…一体何?こんな時間に。」
「祐一さん…佐祐理を抱いてください…。」
「…!佐祐理さん、一体何を言ってるのかわかっているのか?」
「勿論です、祐一さん。佐祐理は冗談でこんなことを言うような娘ではないつもりです。」
部屋に入ってきたときの佐祐理さんの様子から、こんなことになるかもしれないと思ってはいたが
いざ実際に起こるとその衝撃は予想以上だった。
2227#3:2000/07/11(火) 02:45
「でも、佐祐理さん、俺には舞が…」
「それ以上言わないで下さい!わかっています、祐一さんが好きなのは舞ということは。でも、
佐祐理も祐一さんのことが好きなんです。愛しています。この気持ちは舞にも負けていないと
思っています。でも、同じくらい舞のことも好きなんです。だから佐祐理は…。」
そこまで言うと佐祐理さんはいったん言葉を切り、俺の言葉を待たずにさらに告白を続けた。
「だから佐祐理は祐一さんと舞のことを祝福してあげたいんです。でもこのままじゃ…ダメなんです。
だから、だから、佐祐理に一夜の思い出を下さい…。それで、佐祐理は祐一さんと舞のことを
心から祝福することが出来るんです…。」
そこまで言うと感極まったのか泣き出してしまった佐祐理さんを抱きしめずにいられるほど
俺は人間が出来ていなかった。俺に抱きしめられると佐祐理さんは一瞬身体をこわばらせたが、
すぐに体の力を抜き俺に身体をあずけてきた。
「佐祐理は、佐祐理は、酷い女です。親友の恋人をこんな方法で…こう言えば、優しい祐一さんは
佐祐理を拒絶しないだろうって計算して…祐一さんの優しさにつけ込むようなまねを…。」
俺はこれ以上佐祐理さんの悲壮な告白を聞きたくなかったので、佐祐理さんの唇を俺の
唇でふさいだ。最初はびっくりして目を見開いた佐祐理さんもすぐに目を閉じ、俺のキスを受け入れた。
しばらくして、俺が舌で佐祐理さんの唇をこじ開けると佐祐理さんも舌を絡めてきたので俺達は
しばらくの間我を忘れて互いの唇をむさぼりあった。やがて長いディープキスが終わると佐祐理さんは
「今夜だけは佐祐理と呼び捨てで呼んでください…。」
と言うとネグリジェを脱ぎ捨て俺に抱き着いてきた。佐祐理の身体は舞ほどグラマーではなかったが、
それでも俺の理性を木っ端微塵に打ち砕くぐらい官能的だった。俺は佐祐理の目を見て
うなずくと佐祐理を俺のベッドに両手で抱きかかえ運んだ。
2230VA:2000/07/11(火) 05:38
176さんへ
『了承』なにが了承なのかと聞かれても困るけど(^^;
とにかく了承。
返事なんて書こうか1日考えちゃいました...。
パロディSS書いてもらえて幸せでした。
ラストまでがんばって書くので暖かく見守ってやって下さい。
2240VA:2000/07/11(火) 06:05
罪と罰への意見や感想を書いてくださった方々へ
すべて目を通して参考にさせていただいております。
ラストまでがんばって書きますので今後もよろしくお願いします。
225OVA:2000/07/11(火) 07:01
あう〜、眠かったせいで223と224を0VAなんて書いてる
...。
氏にます...。
226名無しさん@そうだ感想を書こう:2000/07/11(火) 21:36
>>88
から始まる「真琴ENDその後」を今日読みました。
面白かった〜。
各キャラのセリフが特徴が出ていたし、
会話のテンポや文章の流れが良くて
読みやすかったです。
かなり文章を書き慣れている感じですが、
ひょっとしたら普段からSS作家さんなんですか?

特に>>90
>「ちょっと待てーーっ! 俺はどうなるんだ。
>だいたい狐の姿じゃ何もできないじゃないかっ!」
からのギャグがツボにはまって笑えました(笑)
2277#4:2000/07/11(火) 23:53
俺は佐祐理をベッドのふちに座らせると再びキスをした。今度のキスもお互いの舌を絡め合う
ディープキスだった。俺は佐祐理と激しく舌を絡めあいながら佐祐理の胸に手を伸ばした。
俺の手が胸に触れると佐祐理は身体を硬くして俺から離れるような動きをしたが、俺はかまわず
佐祐理を逃げられないようにして佐祐理の柔らかい大きな胸を揉み始めた。
しばらく揉んだ後で既に硬くしこっていた乳首を人差し指と親指の間で押しつぶすような動きを加えると、
佐祐理の唇からは甘い吐息がもれた。ややあって唇を離すと俺と佐祐理の間に二人の唾液が混ざった
糸を引いた。俺は涙と唾液でくしゃくしゃになった佐祐理の顔を見つめると佐祐理をベッドに押し倒した。
もう一度軽くキスをすると俺は舌を首筋から胸へと這わせていった。
「ああっ…祐一さん…くぅっ。」
俺の舌がさっきの愛撫でいっそう硬さを増した乳首に触れ、唇で優しく挟んでからゆっくりと舌で乳首を
転がすと佐祐理は切なそうにあえいだ。そして俺がもう一方の乳首を左手の人差し指の腹で転がしながら
右手を佐祐理の下半身に伸ばすとそこはもうすっかり濡れ細っていた。
「佐祐理、感じているんだね?」
俺がこんなときに舞にかける言葉を佐祐理にかけると佐祐理も舞と同じように真っ赤になってしまった。
「祐一さん…意地悪な事言わないで下さい…。」
「じゃあ、代わりに意地悪なことをさせてもらおう。」
俺が佐祐理の腰を浮かせ、脚を広げて股間に顔を入れようとするとさすがに佐祐理は抵抗したが、
佐祐理の絹のようなはだ触りの太腿を両手で優しくなぜると佐祐理の抵抗は次第に無くなっていった。
22888:2000/07/11(火) 23:58
感想ありがとです〜。書いてよかったのう。(しみじみ
Kanonは口調が個性的なので書きやすいですね。
一応普段もSS書きやってますが、鍵系はあまり無いです。
22988:2000/07/12(水) 00:04
228>>226ね。(分かるって)
2307#5:2000/07/12(水) 03:47
「いやっ、祐一さん、見ないで下さい…。」
俺が太腿の間に顔を埋め、佐祐理のすっかり濡れたアソコを見つめると佐祐理はさらに顔を
赤くした。俺はかまわず佐祐理のアソコに口をつけるとアヌスのほうまで濡らしている愛液をすすった。
「ううっ…祐一さん…恥ずかしいです…。」
「恥ずかしがらなくてもいいんだよ、佐祐理。」
俺はしばらく割れ目の中を舌で舐めていると、クリトリスも立っているのに気がついた。
「いやっ、痛いです、祐一さん!」
俺がクリトリスの包皮をむくと佐祐理は痛がったが、包皮をむかれて外気にさらされている
クリトリスを優しく舌で舐め上げると佐祐理は喘ぎ声を上げて腰を震わせた。
俺はすっかり濡れている佐祐理の膣に人差し指と中指をさしこんでみた。すると2本の指はあっさり
根元まで埋まった。埋まった2本の指をゆっくり往復させると佐祐理はかわいい喘ぎ声を上げ、
膣は俺の指を締めつけた。痛くないように優しく指を往復させながらすっかり充血しているクリトリスを
舌で舐めあげると、
「ああっ、祐一さん、ううっ、はあぁぁっ!」
佐祐理がひときわ大きく喘ぐと、アソコからは愛液が断続的に吹き出した。
「佐祐理…イっちゃったんだね…。」
「ううっ、恥ずかしいです…。」
「そんな事は無い。とても可愛かった。」
さすがにもうこれ以上我慢できそうになかったので、俺は手早く全裸になるとこれ以上無いほど
硬くなっているペニスに手を添えるとさっきの絶頂の余韻かまだヒクヒクしている膣口にあてた。
「いくよ…佐祐理。」
「あっ、ハイ…祐一さん…。」
俺はもう我慢出来そうに無かったので勢い良く一気に挿入した。
2317#6:2000/07/12(水) 03:59
「!!…ううっ、くうううっ!」
俺は途中で何かを突き破るような感覚を覚え、佐祐理を見るとシーツをぎゅっと握り締め、
涙を浮かべて痛みに耐えていた。
「佐祐理さん…まさか初めてだったのか?」
「いいんです…佐祐理は…祐一さんでよかったんですから…それより…今は
呼び捨てのはずですよ?」
そう言うと佐祐理は無理に笑ってみせた。
「佐祐理…そんな口が利けるなら大丈夫だな。」
「はい…祐一さん…佐祐理のことは気にしないで続けてください…。」
勿論、平気なはずは無かったがそこまで言う佐祐理を見て俺は行為を続けることにした。
俺はなるべく佐祐理が辛くないようにクリトリスを優しく愛撫した。そうすると多少は緊張が解けたのか
前後運動がスムーズに出来るようになってきた。
「ふうっ、くうぅ、ゆ、祐一さん、さ、佐祐理何か…。」
「ああ、佐祐理、きつくて熱くてとても気持ちいいよ…。」
「ほ、本当ですか…祐一さん…?」
俺はうなずいて佐祐理を抱いたまま身体を起こすと、キスをしながら乳房を激しく揉んだ。
佐祐理の痛みもだいぶ薄れたのかだんだん佐祐理の腰の動きも激しくなってきたので
俺も少し動きを激しくすることにした。
232名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/12(水) 05:44
ステキあげ
その夜、あたしは折原に電話した。
「もしもし、折原?」
「おう、七瀬どうした」
「うん、今度の休みの日なんだけど」
「ああ。うち来るんだろ?」
「うん。行くけど、あのね…」
まてよ。きっと折原も瑞佳と住井くんがつきあってるなんて、知らないだろうな。
…おどろかせてやろうっと。
「何かあるのか?七瀬」
「ううんっ、行ったときに話すわ」
そう言って電話を切る。
あたしは続けて瑞佳に電話をかけた。

休みの日。
きっと折原はまだ寝てるだろうな、と思いながら、まず瑞佳の家の呼び鈴を押す。
「あ、七瀬さん。早かったね。多分浩平はまだ寝てるよ」
「うん、驚かせようと思って」
「おっす、久しぶり、七瀬さん」
瑞佳の後ろからぴょこっと住井くんが顔を出す。
「うん、久しぶり。二人がつきあってるなんて、ビックリしたわよ」
「へへへ。俺がむりやり口説き落としたんだけどな」
「そのこと、折原はまだ知らないのよね?」
二人が口をそろえて答える。
「俺は言ってない」
「わたしも言ってないよ」
よしよし。折原にも驚いてもらうわよ〜。
「生活が違うと、近所でもなかなか顔合わさないんだよ…」
ちょっとさびしそうに瑞佳が言う。…まだ未練はあるのかもしれない。
気を取り直して、あたしは二人に高らかに宣言した。
「それじゃ、これから折原の部屋に襲撃よっ!」

勝手知ったる折原の家。
あたしたちは、リビングにいた由起子さんに挨拶をして、2階の折原の部屋に上がる。
そおっとドアを開ける。やっぱり。まだ寝ている。
あたしは人差し指を口に立てて、瑞佳と住井くんに静かに入ってもらう。
ぱふっ。布団の上から抱きつく。
「おーりーはーらっ!朝だよーっ!」
むにゃむにゃ…と寝ぼけたような折原が、あたしの腕をつかんで、布団の中に引きずり込もうとする。
「わっ…ま、待ってっ…」
「んー、ななせぇ…ちゅっ」
折原の唇があたしの唇を塞ぎ、手がスカートの中に進入してきた。
「んむっ…ぷはっ、だ、だめなんだってば、あんっ、むぐっ…」
あたしのいつにない必死な抵抗ぶりに、折原が怪訝そうに顔を上げる。
そこにはニヤニヤした住井くんと顔を赤くした瑞佳が立っていた。
「よう、折原。朝っぱらから見事な獣ぶりだなあ」
「げ…。す、住井っ!長森までっ…!」
あたしは折原がひるんだ隙に、腕から逃れて瑞佳の隣に立つ。
「もうっ。ちゃんと言おうとしたのに…」
「さ、最初に言えっ、ばかっ」

折原は一気に目がさめたようで、住井くんと瑞佳をまじまじと見比べている。
「まさかとは思うが、おまえら…?」
住井くんが得意げに鼻の穴を膨らませて言う。
「そのまさかだ!俺の彼女、長森瑞佳を紹介するぜ」
折原は住井くんを無視して、瑞佳の肩に手を置いて重々しく言う。
「…長森。悪いことは言わん。もう一度じっくりと考え直せ」
「えっ…。うーん、浩平がそう言うなら考え直そうかな?」
「えーーーっ!み、瑞佳っ…!」
「冗談だよ、住井くん」
「…長森、性格変わったな、おまえ」
なんだか、高校時代が戻ってきたようだった。

そして、そのまま一気に旅行の話が盛り上がった。
結局、バンガローのあるキャンプ場でキャンプをしようということに決定した。
車は免許取り立てで運転したくてたまらないらしい住井くんが出してくれる。
瑞佳がキャンプ場の予約をとって、こまごまとした準備もしてくれることになった。
星空の下、折原と二人で(厳密にはあと二人いるけど)過ごすことを考えて
あたしの胸はすごくときめいていた。
どうか、神様。素敵な夏の思い出がつくれますように。
234Summer Tour続き:2000/07/12(水) 23:23
3.浩平と住井

「おはよう、折原っ!絶好のキャンプ日和よっ!」
異常にはりきった七瀬にたたき起こされ、朝早くオレたちは出発した。
住井の4WDは傷だらけで、元気な女の子たちを尻目に、オレはなんだか不安になった。
いざ車が走り出すと、オレの不安はますます大きくなった。
「す、す、住井っ、おまえ本当に免許持ってるんだろうなあっ!」
「運転中の俺に話しかけるなっ!怪我するぜっ!」
冗談じゃなさそうなので、シートベルトをしっかりと締め直し、黙る。
こんな状態なのに、七瀬と長森は後ろの席でおやつを食べたりして嬉しそうにはしゃいでいる。
七瀬のことだ。きっと『乙女』らしい想像に胸を膨らませているのだろう。

キャンプ場に着いたのは昼過ぎだった。
家族連れなどで結構にぎわっている。オレたちのバンガローは一番端の、静かな所にあった。
「わぁっ、ログハウスだぁ!」
嬉しそうに七瀬が駆け出す。
「こらっ、自分の荷物くらい自分で運べよっ!」
「お昼ご飯はあたしたちが作るから、そのかわり荷物は運んでおいてねっ!」
そう言って、とっととバンガローの中に入ってしまう。
「しょうがないなあ…」
オレは自分の荷物と七瀬の荷物を抱えて行く。
長森と住井がくすくす笑いながら、後からついて来る。

「けっこう広くて涼しいし、快適ね」
人に荷物を運ばせておいて、こいつは椅子に座ってくつろいでやがる…。
「おまえ、後で覚えてろよ」
小声で付け足す。
「腰が立たなくなるくらい、してやるからな」
かあっと七瀬の顔が赤くなる。
「ばかっ…あ、瑞佳っ。お昼ご飯、作っちゃおうよ」
「うん。これでいいよね」
長森が缶詰のカレーを取り出す。
「缶詰かよ…」
オレと住井が同時に気の抜けたような声で抗議する。
「だって、もうお昼すぎてるんだもん。早くできたほうがいいでしょ?」
「そうそう、夜は本格的に作るから期待しててねっ!」
そう言うと、二人で外の炊事場に米や缶詰を持って出ていってしまう。
235Summer Tour続き:2000/07/12(水) 23:25

「さてと、じゃあ俺たちは荷物を部屋に入れるか」
「そうだな」
七瀬が言うように確かになかなか広くて快適だった。
リビングのような部屋にテーブルと椅子。洗面所とトイレとシャワー。
寝室はリビングを挟んで二部屋。隣り合ってるよりは、物音が聞こえにくいだろう。
とはいえ、多分夜は静かだろうから、お互いの部屋の物音が聞こえないとは限らないな…。
あまり大きな音や声はだせないぞ。
「…折原。当然とは思うが、する、よな」
「…当然だ。と思ってたんだけど、これは結構筒抜けのような気もする」
「大丈夫だ。こんなこともあろうかと思って、ラジカセを持ってきた。
これで音楽をかけておけば、多少の音は気にならないはずだ」
なんて用意のいい奴なんだ。

「ところで折原。男同士、少し腹を割った話をしようじゃないか」
「なんだ、あらたまって」
「折原って、昔は瑞佳のこと好きだっただろ?」
「…あいつは、オレにとって家族みたいなもんなんだよ」
「女としては、これっぽっちも興味ないのか?」
オレは長森の姿を心の中で思い浮かべる。
あいつ、結構胸大きいんだよな。ちょっと牛乳臭いのは難だが。
「…全くないわけじゃないけどなあ」
「そうか。実は俺も、七瀬さんもちょっと好きだった」
住井が悪魔の声でささやく。
「今夜、ちょっとだけ、相手を交換してみないか?」
「…なにぃっ!?」
「電気消して待っててもらって、闇にまぎれてこっそりと入れ替わるんだ」
「だめだ、絶対ばれるって」
「大丈夫だって。俺たちの背格好はかなり似てるし、非日常のシチュエーションが多少の
違和感は帳消しにしてくれるだろう。ただし、絶対に声を出すなよ。終わったら外で
落ち合って、その後元通りの部屋に帰ればいい」
「おまえ、無茶苦茶なこと考えるなあ」
「途中でヤバイと思ったら、素直に逃げろよ。物音がしたら俺も逃げる」
「なんで実行すること前提に話してるんだよ…」
「嫌か?こんなチャンスそうそうないぜ?」
…オレは悪魔の声に抗えなかった。

「ごはん、できたよーっ!」
外から七瀬の呼ぶ声が聞こえ、オレたちは飛び上がりそうになった。
住井のとんでもない思いつきのせいで、オレは自分が食ってるものが美味いか不味いかさえ、
よくは分からない状態だった。…まあ、缶詰のカレーなんだけど。

(今日はここまで。なんかすげー長くなりそうだなあ)
スワップ!最高!
♪ヘイヘイ おおきに 毎度あり〜♪
237名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/13(木) 04:35
つづききぼん
238名無しさん@1周年:2000/07/13(木) 04:49
いつのまにか七瀬のSSが
長森の相手が住井つーのがなかなか不愉快で良いな、ヲイ(笑
240名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/13(木) 20:19
実は瑞佳と七瀬も入れ替わりをたくらんでいて結局同じ相手だった、というオチに5000ガバス(笑)
241名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/13(木) 22:37
続き期待上げ
242mio_2ch@新米SS屋:2000/07/13(木) 23:01
>240
ハズレなんだな。
食後、オレたちは川で釣りの真似事をしたり、水遊びしたりして過ごした。
七瀬はすごく楽しそうで、オレは何度も「やっぱりやめよう」と住井に言いたくなった。
が、それと同時に、長森がどんな風に男に抱かれるのか知りたいという欲求と、それを
知っている住井に対する嫉妬のようなものを感じずにはいられなかった。

「そろそろ晩ごはんのしたく、しようよ」
長森が七瀬に話しかけている。
「お。やっとまともなものが食えるのか」
「メニューはなんだ?」
オレと住井は勢い込んで聞く。
この魂の問いかけに、長森はしれっと信じられないような答えを返した。
「カレーだよ」
オレたちは力なくその場に倒れ込んだ。
「…でも、今度はちゃんと一から作るんだよ…」
小声で付け足す。…そういう問題なのか?

夜がやってくる。
オレは昼食のとき以上に味なんか分からなくなっていたような気がする。
それ以前に、地に足がついていないような変な感覚が身体と頭を支配していた。
目は無意識に長森の胸や腰を追ってしまいそうになる。
「折原?なんか今日ぼんやりしてない?疲れた?」
「…そうかもしれない」
やばいな。七瀬の目が見られない。こんなんじゃ気づかれちまう。
ひょっとしたら、オレは七瀬が気づいて止めてくれることを望んでいるのだろうか。
「あのさ、折原…ちょっとだけでいいから、散歩に行かない?」
少し赤くなって俯いて、七瀬が小声で誘ってくる。
ああ、今こいつは『乙女』モードなんだな。
オレは後ろめたい気持ちから、ついOKして、七瀬と一緒に外に出る。
出て行こうとするオレに、住井が目配せを送ってくる。
…分かってる。上手くやるよ。

「わあ…すごい星」
空を見上げて、七瀬がつぶやく。
オレもつられて空を見上げる。手を伸ばせば届きそうな、満天の星。
ずっと見上げていると、自分がどこに立っているのか分からなくなりそうだ。
七瀬がオレの肩に頭を預けてくる。
オレも無言で七瀬の肩を抱く。
オレたちはしばらく黙ったまま、空を見上げていた。
「七瀬」
「ん?」
「…愛してる」
免罪符にもならない言葉を口に出してみる。
「…あたしも、愛してる」
目を閉じた七瀬の唇に、オレはそっと自分の唇を重ねた。

「…オレはもう少し散歩してくるから、シャワー浴びて、電気消して、布団の中で
待っててくれ」
やっとの思いでそう言って、七瀬を先に帰す。
七瀬が部屋に入ったのと入れ替わりに、住井が外に出てくる。
「気は変わってないだろうな」
「…変わりそうだ」
「瑞佳はもうシャワーを浴びて、部屋で待ってる」
「…そうか」
「言っとくけど、瑞佳は多分おまえが思ってるよりスケベだぞ」
「…そうなのか」
「ああ、意外にもかなり積極的だ。そのことに関しては」
「七瀬は…『乙女』だから」
「は?」
「健気なんだ、あいつは」
「そうか」
心底ワクワクした顔でうなずく。…こいつの能天気さが少しうらやましい。
「ま、ここまできた以上、悩むな、折原」
ぽんと背中を叩かれる。
244Summer Tour続き:2000/07/13(木) 23:35

オレたちはしばらく何を話すでもなく時間をつぶした。
「そろそろ、行くか」
住井が腰を上げる。オレも一緒にバンガローへと帰る。
リビングに置かれたラジカセからはすでに音楽が流れている。
…今ならまだ、やめられる。
心のどこかでそう思いながら、それでもオレは長森の待つ部屋の扉に手をかけてしまっていた。
心臓が口から飛び出しそうだ。
扉を開けるのに躊躇して振り返ると、住井が七瀬のいる部屋へ入って行くのが見えた。
…もう引き返せない。オレは覚悟して扉を開けた。

「…遅いよ、住井くん」
小声で長森が言う。
わずかに入るはずの月明かりさえカーテンにさえぎられ、かなり暗い。
まだ暗闇に目が慣れないオレは用心深く布団の位置を確認する。
ばさっ。
掛け布団がはねのけられた。
「…来て」
長森はすでに何も身につけていないようだった。闇に浮かび上がるような長森の白い身体。
しどけなく開かれた脚が、淫らにオレを誘っている。
オレはごくっ、と生唾を飲みながら、長森の脚の間に身体を入れる。
滑らかな太腿を撫でると、「んっ…」と低い声で喘ぐ。
オレはそのまま手を上へすべらせ、想像どおりの豊かで柔らかい胸を揉む。
「はあんっ…」
オレの手の中で長森の乳首が固く尖っていくのが分かった。
乳首をつまんで捏ねるようにと刺激すると、長森の腰がゆらぐ。
「あはぁ…っ…気持ちいいよ…」
長森は誘うように大きく足を広げる。
その中心に手をやると、すでにそこは洪水のように濡れていた。
「ああっ…!」
オレは焦らすように周囲を指で辿ったあと、いきなり指を入れる。
ぐちゃっ。
「はああっ…!」
背中を弓なりに仰け反らると、オレの手首をつかんで、自分から腰を振りだす。
ぐちゅっ、じゅぷっ、じゅぷっ。
「ああっ、いいよっ…んんっ…はああああっ!」
長森の手に力が入り、足をぴん、と伸ばすと、オレの指を締め付けながらイってしまう。
「ん…はあっ…」
きゅっと太腿でオレの手を挟み込み、快感の余韻を楽しむように小さく腰を回す。
オレは頭がクラクラしてきた。それが罪悪感から来るものなのか、初めて長森が見せる
強烈な痴態に異様に興奮していたせいなのか、自分でも分からないまま、痛いほどに
屹立したペニスを今イったばかりの長森のあそこに擦りつける。
「あんっ…今日は大丈夫だから…中で出してもいいよ…」
オレはほんの少し力を入れて腰を前に進める。
くちゅっ、と音がして、頭の部分が呑みこまれる。
「んはあっ…!」
暖かく締め付けてくる長森の感触に、オレは完全に頭に血がのぼってしまい、そのまま
奥まで一気に入れようとしたその時。
「……住井…くん?…」
ほんの小さな声だったけど、確かに長森がそうつぶやいた。
さあっと背中を冷たいものが走って、オレは思わず動きを止めてしまった。
そして。

「きゃあああああああぁぁっ!!!」
闇を裂くような七瀬の悲鳴が響き渡った。
オレは驚いて跳ね起きる。その拍子に、一瞬だけ繋がった部分が、外れる。
「な、なに?七瀬さん?」
長森も上半身を起こしかける。
どたどたどたどたっ。ガラッ!
引き戸が勢いよく開けられ、電気が点けられる。
急に明るくなったので一瞬何も見えなかったオレの目が最初にとらえたのは、
顔色をなくして戸に手をかけたまま立ち尽くす七瀬の姿だった。
245Summer Tour続き:2000/07/13(木) 23:36

あまりにも突然の事態に、オレはしばらく馬鹿みたいに呆然としていた。
全裸の長森に覆い被さりかけた、中途半端な姿勢のままで。
しかも、あそこを勃起させたままで。
この場合、挿入状態でなかったのは、不幸中の幸いなのか。
「こ、浩平っ!?」
オレを住井だと思いこんでいただろう長森も驚いた声を出す。
はだけたパジャマ姿の七瀬は、無言でオレと長森を何度も見比べた後…
「…うっ………うわああぁぁぁん!!」
大声で泣きながら、走って出て行ってしまう。
「ま、待てっ!違うんだ、七瀬っ!」
何が違うんだか分からないが、とにかくオレはそう言って追いかけようとした。
「…何が違うの」
怒気を含んだ長森の声に突っ込まれる。
おそるおそる振り向くと、長森の身体から青白い炎が立ち上っている…気がした。
「と、とにかく。オレは七瀬を追いかけるから…」
言いかけた瞬間。
ずごっ!
「〜〜〜〜〜っ!!!」
長森が剥き出しのオレの急所を容赦なく蹴り上げ、シーツを体に巻きつけただけの格好で七瀬を追いかけて出て行った。
「七瀬さ〜んっ!こんな夜中に外に出ちゃ危ないよぉ〜っ!」
だんだんと遠ざかる長森の声と足音を聞きながら、オレはしばらく悶絶していた。
その時は知らなかったが、同じ頃、隣の部屋では、やはり七瀬に急所蹴りをくらった住井が悶絶していたらしい。
…オレ達ときたら、なんて馬鹿なんだろうな。

(きょうはここまで)
246mio_2ch@新米SS屋:2000/07/13(木) 23:44
最後の分、改行入れ忘れた…
ちなみにまだまだ終われそうにないです…あうー。
(でも前回と同じく、最後はすでに書き終えてるんだな)
247mio_2ch@新米SS屋:2000/07/13(木) 23:48
>7さん(ってこの「7」はタイトルでしょうか)
ちょっと一休み中かな?回収できる日を待ってます。お互いがんばりまそー。
2487#7:2000/07/14(金) 01:45
「あっ、あっ、はあ、はあ、も、もうだめです…。」
俺は激しく腰を動かしながら頭のどこかで舞と初めてした時もこんな感じだったな。とぼんやり考えていた。
勿論その時は初めての時とは違って、多少はどうすればいいのかもわかっていたつもりだったが、
それをまさか佐祐理で試すとはこれっぽちも思っていなかった。
その後の俺は舞への後ろめたさの為か、もう何も考えられなくなりひたすら腰を前後させた。
「も、もうだめだ。佐祐理、いくぞっ!」
そしてもう耐えられなくなり佐祐理からペニスを抜こうとすると、佐祐理は全身で俺の身体に
しがみついてきた。
「あっ、くっ、い、いいんです、祐一さん。き、気にしないで佐祐理の中で…」
その言葉を聞いた途端、俺は佐祐理の中に射精してしまっていた。
「本当に中に出して良かったのか?もし…」
終わった後俺はティッシュで後始末をしながら佐祐理に尋ねた。
「心配ありません。大丈夫なはずです。」
「でも…」
「それ以上何も言わないで下さい。………もう休みましょう。」
「そうだな…。明日は早く起きなきゃダメだしな。」
「はいっ。ちゃんと佐祐理が起こしますから安心してくださいね。」
そして俺が目を閉じると強烈な眠気が襲い、意識は薄れていった。眠りに落ちる寸前
俺は佐祐理が何か呟いたのを聞いたが、何を言ったのかはもうわからなかった。
2497#8:2000/07/14(金) 01:52
7がPNです。タイトルはまだ考えてないんです。
「…さん、祐一さん、起きてください…。」
俺は佐祐理の声で目覚めた。
「……ああ、佐祐理。おはよう。」
「…もう、前のように呼んで下さい。佐祐理の勝手なお願いですけど…。」
「…ああ、わかったよ、佐祐理さん。」
俺は「今夜は」もう終わったんだと思い、佐祐理さんの頼みを素直に受け入れた。
「それじゃあ、佐祐理はシャワーを浴びて自分の部屋に戻ります。」
そう言って佐祐理さんが部屋から出ていこうとした時、俺は思わず声をかけていた。
「佐祐理さん、本当にそれでいいのか?今までの関係に戻れるのか?」
「…これでいいんです。それに…元に戻れるかはわかりませんけど…舞のためにも…。」
「……。」
「祐一さん、舞と幸せになってください…。」
「…ああ。」
そういうと佐祐理さんは部屋から出ていった。俺は昨夜の後始末をすると
ベッドに倒れこんだ。そして舞や佐祐理さんの事を考えてるうちに再び眠りに落ちていった。
コンコン。
「祐一、朝。早く起きて。」
舞の声で俺は再び目覚めた。俺はどんな顔をして舞に会えばいいのかと悩んだが、
ここでそんな事を考えても無意味な事に気付きドアを開けた。
「…舞、おはよう。」
「祐一、おはよう。朝ご飯も出来てる。」
「ああ、シャワーを浴びてから食べる事にするよ。」
俺はいつものように答え(本当に出来ていたかはわからなかったが)、浴室に向かった。
「おはよう、佐祐理さん。」
「あははーっ、おはようございます、祐一さん。」
シャワーを終え、リビングに行くと佐祐理さんはもういつもの席についていた。
「それじゃ、舞、祐一さん、朝ご飯にしましょう―っ。」
それは以前と全く変わらない朝だった。
俺はその時、舞が俺と佐祐理の関係に気付く事への不安も、俺達3人が以前の関係に
戻れるのかという悩みも、もう考えないことにしようと決めてしまっていた。

わ、いいスレ見つけた。
これで、当分おかずに困らなくてすみそうだ(藁
2517資産@ヘイポーSS書き:2000/07/14(金) 05:38
えぇと初めてSSなるものを書いてみたので
載せてみます。
タイトルは「怪談(名雪編)」です。
エロでないうえにヘタレですが。
252怪談(名雪編)1:2000/07/14(金) 05:58
人には忘れてはいけない想いと忘れたい過去がある


「俺は牛丼っと。北川は?」
「う〜ん、俺も牛丼で。」
「わたしはBセット。」
食堂でのいつものやりとりである。ところがその日はここからがいつもとは
恐ろしいほど異なっていた。
「名雪は?」
「う〜〜〜・・・わ、わたしは・・」
名雪の体が震えている。そういえば顔もこわばっているようだ。
「わ、わたしもBセット!!」
    し〜〜〜〜ん
4人の間で一瞬時間(とき)がとまった。
そして、
「ええええええええええええ!!!!!」
食堂じゅうに俺の絶叫が響き渡る。
「・・・名雪が昼食にイチゴムースを食べないなんて・・・
さてはお前偽者だな!!」
名雪のほっぺたをひっぱってみる。
「いたいよ〜〜祐一〜〜」
ん・・この弾力・・本物くさいが・・
「だまされちゃだめよ!相沢君!そいつは甲賀の隠密にちがいないわ!!」
香里までがそんなことを言う。
「なるほど、水瀬さんはケムマ○で相沢はハッ○リ君と言うわけか・・・」
さすが北川。実にナイスな例えだ。

253panda3:2000/07/14(金) 06:21
「もう反応なし? また水でもかけるか」

そう言って便器の方に向かう少年を別の少年がとめ

「水よりもっといいモンがあるぜ」

と自分のものを瑞佳へとむけた

「なるほどな」

アナルに入れている少年以外の3人は次々と瑞佳の周りに集まっていく
少年達は瑞佳にまだ表情が戻っていないのを確認して一斉に小便を浴びせ始めた

「駄目、やめてっ! やめてぇぇぇえええっ!!」

生臭く、そして上気した身体で、なお暖かく感じる液体……それが小便だと気づき声を振り絞るようにして悲鳴を上げてしまう

「そうやって反応してくれればもう大丈夫だよ、長森さん」

そう言いつつ瑞佳の頭に残った小便をかける

「おお、急に締まりが良くなったぞ」

「もっとくれくれって言ってんじゃねぇの?」

「なら俺ももう1回ヤるとするか」

モップを乱暴に引き抜くとまた欲望の塊を突き刺す
瑞佳のついさっきまで異性を知らなかった其処は、真っ赤に張れあがり白濁とした体液がとめどもなく流れ出ていた

「んじゃ俺は咥えてもらいますかねっと」

瑞佳の髪を乱暴に引っ張り上げ無理やり己のものを咥えさせる

「もうどうするか言わなくてもいいよな?」

瑞佳には……さっきのように乱暴に頭を動かされては息が出来ないので……ただ機械的に頭を動かすほかなかった

「そろそろ飽きてこないか?」

横で休憩してたと思われていた少年はトイレの入り口で何かを手に持ってそう言った

「今度はなんだ?」

「これだよ」

そう言って少年が持ち出したのは直径5cmはあろうかと言う注射器……ではなかった

「お前変体入ってんじゃねぇの?」

「こうやって姦してるんだからお前らも同罪だ」

http://mentai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=961703134

こっちからの続きで申し訳無いんだよもん

254怪談(名雪編)2:2000/07/14(金) 06:23
「う〜〜。ひどいよみんな〜。わたしは本物だよ。」
「ふふん、あくまでもしらを切りとうすつもりだな。ならば、本物と言う証拠を
みせてもらおう。本物ならば秋子さんの謎ジャムを食べられるはずだ!!」
「偽者でいいよ。」
即答。
「どうやら本物のようね。」
俺と香里はその答えの速さに確信した。
唯一北川だけが不思議そうな顔をしていたが、こいつには今度水瀬家でパーティー
でもするときに身をもって知ってもらおう。
「さて、本物の名雪とわかったところで・・
どうして今日はAセット、もといイチゴムースを頼まないんだ?」
「それは・・・」
俺たちは三人とも名雪の話に集中した。
「昨日の夕方・・」
ふんふん。
「祐一といっしょに帰っているときに・・・」
ほうほう。確かにいっしょに帰ったな。
「ネコさんをみつけたんだよ。」
あ〜いたいた。
「さわろうとしたら祐一に止められて・・」
止めた止めた。
「でもすごくさわりたかったから祐一にさわらせてって頼んだら・・」
そうそう。名雪の奴必死に頼んできたな。
それから俺どうしたんだっけ?
「そしたら祐一が『よし、ならば1週間イチゴ類を口にしなかったら
ネコでも犬でも好きなだけさわらせてやろう』って・・・」
ああ、言った言った・・・ってええっ!!
「なんだ相沢君が原因じゃない。」
そういえば名雪の奴今朝イチゴジャムじゃなかったな・・
>>253
お〜鬼畜だ〜(笑
っと、長文の書き込みなので下げ書きでお願いしますね。
256名無しさん:2000/07/14(金) 06:32
素晴らしい
257怪談(名雪編)3:2000/07/14(金) 06:48
な、なんか俺が悪人みたくなってきたぞ。
「いや・・・実はあれは・・そ、そのネコが言ったんだ。」
なんじゃそら。我ながら寒い言い訳である。
「ええっ。そうだったの?」
だまされる奴もいるが。
「そんなわけないでしょう。名雪、あなた相沢君に
おちょくられてるのよ。」
「そうだ、相沢。お前は鬼だ、悪魔だ、鬼畜だ。」
なぜそこまで言われなければならんのだ・・・
俺はだんだん意地になっていった。
「いや、俺は本気だぜ。もし名雪がほんとに1週間イチゴを
食べなかったら、ペットショップにいるネコというネコを全部
買ってきてやろう。」
「ほんと!!」
「ああ、ほんとだ。武士に二言はない。」
「ふ〜ん、おもしろそうね。名雪がんばりなさいよ。」
「うんっ。ふぁいとっだよ。」
名雪は自分に気合を入れていた。
まぁ、気合じゃあ名雪のイチゴ好きは克服できまいて。
くっくっくっく・・
「相沢。それじゃお前武士じゃなくて悪代官だぞ。」
「・・・ナレーションにつっこむな。北川。」

つづく
258panda3:2000/07/14(金) 06:50
>255さん

すまないんだよもん
次からは気をつけるんだよもん
2597資産ヘイポーSS書き:2000/07/14(金) 06:52
とりあえず載せてみましたが
ごらんのとうりヘタレです。
よって不評ならとっとと立ち去ります。
260名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/14(金) 07:21
どんどん書いてー
2617:2000/07/14(金) 07:22
>>259 僕みたいなヘタレでも書いてるのだから気にしないで下さい。続き希望。
262名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/14(金) 07:57
期待してますよ。
263panda3:2000/07/14(金) 07:58
「それはともかくとして何ぶちこむ気だ?」
「長森さんの大好きなものだよ」
そう言って少年が出したものはいつ買ったのかもうぬるくなってしまっている牛乳だった
「ぶちこむんだから早く終われよ」
「も、もう……ちょちょっとだけまって」
少年が瑞佳の身体を貪り終えるのを待つ間に機材に牛乳を注入する
なれてないのかその手つきはおぼつかないが何とか全てを入れ終える
「お、お、おおう!」
醜い叫び声を上げながらたまらずに放出する
それを確認した後牛乳をたっぷりと入れた浣腸機を持った少年が瑞佳へと近づいていった
「今度はもっと良いものをあげるからね」

(……まただ、これで何度目だろう……もう汚れちゃった……次は何?
縛るの? 変なおもちゃ? それとも蝋燭でも持ってくるのかな……?)

しかしそれは瑞佳の理解からはまったく解らないものだった
それが瑞佳のアナルに注ぎ込まれる
「っ!?」
「動いたらまた血が出るから動かないようにね」
手は止めずにそう瑞佳に告げる
(なにこれ……お腹の中が変だよ…)
「ぁあ……痛い、痛いよぉぉおお!! ああ、いやっ、駄目、見ないで……見ないでぇぇぇえええ!!」
「見て欲しくなかったら我慢すれば良いんだよ」


全然進んで無くて申し訳無いんだよもん

264panda3:2000/07/14(金) 08:00
……いまいちだよもん
265名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/14(金) 08:02
かなりイイですよ。
266名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/14(金) 12:43
もっとお願いします
267繭の乙女日記:2000/07/14(金) 13:01
○月×日
 ななせのおねえちゃんが”おとめ”になりたいらしい。
 いつもおせわになってるので、きょうりょくしようとおもう。みゅー。

「え、ほ、本気?」
「うんっ」
「ふ、ふーん、結構可愛いとこあるじゃない」
 おねえちゃんはうれしそう。繭もうれしい。みゅー♪
「…ってあんた、乙女が何だか知ってるんでしょうね」
「コシヒカリ」
「そりゃお米じゃぁぁぁっっ!!」
 かるいジョークだもぅん…。
「みゅー、せんせいをつれてきた」
「ち、ちょっと繭。わたしなんて無理だよ〜」
 みずかおねえちゃん。すくなくともななせおねえちゃんよりはおとめだとおもう。
「いらんお世話じゃっ! …ま、まあ確かにあたしも瑞佳は女の子らしいと思って
たけどね」
「そ、そんな〜」(てれてれ)
「ということで乙女の秘訣を教えなさい! さあ!」
「え、えっと、そうだね。とりあえず彼氏に騙されて他の男に襲われて、ついでに
笑って許したりするといいと思うよ」
「さよなら。あたしに乙女は無理だったわ」
「早っ」
 うくー、こんじょうなし…。
「常人にできるかぁぁっ! ボケぇっ!!」
「わたしが常人じゃないみたいな言い方だよ…」
「そう聞こえなかったとしたら、あたしの言い方が悪かったのね!」(銀英伝風)
「…七瀬さんのお弁当に雪印の牛乳入れてやるもん」
 みずかおねえちゃんは、ふきつなことばをのこしてさっていった。うくー。
「はぁぅっ…。やっぱこのゲームにまともな奴なんていないんだぁっ…」
「おまえもなー」
「…繭、何か言った?」
「みゅ?」
「‥‥‥」
 とりあえず、つぎのせんせいをつれてくる。
「みゅ〜」
「…こんにちは」
「里村さん…。確かにあなたも常々乙女っぽいとは思ってたわ」
「…光栄です。ところで女の子といえば甘い物ですね」
「なんかいきなりオチが見えたわね…」
 どん
 あかねさんは『さんようどう』とかかれたはこをつくえにおいた。
「この劇甘ワッフルこそ乙女の証。ワッフル食べざる者乙女にあらず、いわば乙女
とは大部分がワッフルで構成されているようなものです」
 すざざざざざざ
「…何で逃げるんですか?」
「そ、それ、前に折原が死ぬほど甘いって言ってたわよっ!」
「それは悪質なデマです。甘すぎるとか言う奴は全員アンチ。氏ね」
「ひ〜〜〜」
 ななせおねえちゃんがおびえているので、繭がたべてみる。みゅー。
 もぐもぐ。
「うぐっ…うわぁぁぁーーーん!!」
「分かりやすい反応ね…」
「泣くほどおいしいのでしょう」
「うぐぅっ…あますぎっ…!」
「…七瀬さんのお弁当にサッカリン入れてあげます」
 あかねさんはそういいのこしてさっていった。
 ななせおねえちゃんのおべんとうは、すごいことになりそうだ。
「ちょっとーっ! なんであたしなのよーっ!」
「みゅー、繭のおひるはハンバーガー」
「ぐっ…。
 はぁっ…もういいわ、繭。今までありがと…」
「うくー…」
 ぜんぜんやくにたたなかった。かなしい。
「うくー…うぐっ…ひっく…」
「だーーっ! 泣くなっ、わかったわかった。で、続きは?」
「みゅーっ♪」
「え、外?」
268繭の乙女日記:2000/07/14(金) 13:04
 ななせおねえちゃんのてをひいて、ろうかをあるきまわった。
「ったく、しょうがないわねっ…」
「みゅ、あのひとおとめっぽい」
「え、どこどこ?」
 くろいかみの3ねんせい。みためはおじょうさまみたい。
 あとをつける。みゅー。
「おなかすいたよ〜」
「(なんであたしこんなことしてんだろ…)」
「あっ」
 ごっつーーん!
「いてててて」
 ろうかのまがりかどで、だれかとぶつかっていた。
 みゅ、こーへいおにいちゃんだった。
「う〜、いたいよ〜。浩平君ひどいよ〜」
「悪い悪い。まあいつものことだ、気にするな」
「いつかお返しするよ〜」
 なみだめで、おでこをおさえている。
 かわいい。みゅー。
『ぐあっ』とかいってじめんにはいつくばるひととはおおちがい。
「ほっとけっ! …ま、まあ確かに、同じぶつかるでもああいう反応の方が可愛い
かもね」
「うんっ」
 ということで、さくせんをかいしした。
「♪」
「ん、なんだ椎名」
「みゅーっ!」
「っておい、なぜ背中を押す!」
 おもいっきりろうかをはしる。まがりかどでとびだすおねえちゃん。
「きゃあっ!」
 ごっつーーん!
 おでこをおさえて、めをうるうるさせるおねえちゃん。
「いったぁ〜い。ひどいよ折原〜」

 ‥‥‥‥‥。

「ぞわっ」
「‥‥‥‥。何が『ぞわっ』じゃぁぁぁっ!!」
「他にどう反応しろというんだ」
「うん、とうぜんのりあくしょん」
「繭ーーーッ!!」
 はっ、ついくちがすべったもぅん…。
「もういいっ! どうせあたしに乙女なんか似合わないわよっ!」(ダッ)
「みゅー!」
「結局オレは何だったんだ?」
 はしっていくおねえちゃんを、ひっしでおいかける。
「ついてこないでよっ! あんたになんて…」
「みゅー!」
「って、ぎゃーー!」
「あきらめちゃいけないんだもぅん…」
「わかった、わかったから髪引っ張るなーーっ!」
269繭の乙女日記:2000/07/14(金) 13:05
 どんがらがっしゃーーん!
 きゅうにきこえたすごいおと。
 かおをあげると、そっちはたいいくかんだ。
「な、何だろ。行ってみましょ」
「うんっ」
「そういえば今日って演劇部の公演があったのよね…」
 たいいくかんうらにいってみると、きれいなおんなのひとがたおれていた。
『ぶ、部長さんがたいへんなの〜!』
「だ、大丈夫よ上月さん。ちょっとひねっただけ…つっ!」
『その足じゃ無理なの! 安静にしてるの!』
「くっ、だ、だってあと10分で開幕なのよ!?」
『…澪が喋れたら代わりに出られたのに…くやしいの』
「上月さん…自分のことをそんな風に言うもんじゃないわ」
 なんだかしりあすなてんかい。でもちゃんす。
 くいくい
「ん、何よ繭」
「みゅー」
「あ、あたしに代わりに出ろって? 嫌よっ、どうせカバの役とかいう展開に決まって
るわっ!」
「…うー」
「うっ…。そ、そうね。困っている人を見過ごせないか…。わしゃあ乙女じゃけんの!」
 いみもなくはかたべんになったおねえちゃんは、おんなのひとにこえをかけた。
「あの、あたしでよければ手伝いましょうか?」
「本当!? 助かるわ! それじゃこの衣装に着替えて。劇の名は『大正探偵』よ」
「またマイナーなネタを…」
『台詞はスケッチブックで教えるの』
「がんばるんだもぅん」
 きゃくせきからおうえんする。みゅー。
 まくがあいて、きものすがたのおねえちゃんがでてきた。がんばれ。
 ぶたいうらから、リボンのこがせりふをみせる。
『暫くの間、河豚を食べてないわね』
「しばらくのあいだ、…ふぐをたべてないわね」
『一寸待って、巻繊汁を飲んで吃逆が止まらないのよ』
「い、いっすん…え?」
『魚籠の虹鱒の背鰭には、湯湯婆の様な大蒜があるわ』
「読めるかーーー!!」
『読むの』
 ななせおねえちゃんだいぴんち。うくー…どうしよう。
 そんなとき、てんごくからみゅーのこえがきこえた。
『繭、きみの力を信じるんだ!』
 みゅー…
 うんっ…がんばるもぅん!
「とびいり!」
「こ、こらっ! 勝手に舞台に…」
「そういえば最近、長森さんの行動に不条理な点を感じるわ。自分の席が廊下側に
も関わらず、いやに窓側の列をうろつくことが多いの。参考になったかしら?」
「繭っ!?」(ガビーン)
「そうね。やれるだけのことはやってあげる。でも、ひとつだけ忠告。この件には
深入りしないことね」
「大事件だぁ!」
「す、すごいわ椎名さん。女優の鑑だわ!」
『十年に一度の演技の天才なの』
「結局声優ネタかいっ…」
 じょうないわれんばかりのだいかっさい。
 いろんなひとにありがとう。そしてさようなら。みゅー。
「あたしはどうなるんじゃいっ!」


「てりやきと…てりやきと…てりやき」
 ほうかごに、ハンバーガーやさんにやってきた。
 どかっとこしをおろすおねえちゃん。
「はぁっ…。今日は疲れたあっ…」
「…みゅー」
「あ、じ、冗談よ。まあ楽しかったわよ」
「みゅー♪」
「…ったくもう、しょうがないわねっ」
 おっきなハンバーガー。わらってたべるおねえちゃん。繭もたべる。
 おいしい。みゅー。
「繭、それおいしそうね。一口よこしなさいよ」
「みゅーっ」
「あ、このーっ!」
 いっしょにたべるハンバーガー。むかしとおなじ。
 すごくおいしいから、やっぱりおねえちゃんはおとめだとおもった。まる。
270名無しさん@無印:2000/07/14(金) 16:27
おー時代はやっぱ乙女だー。いいぞ〜。
271mio_2ch@SS回収屋:2000/07/14(金) 21:37
わーい、回収するものがいっぱいある〜♪
盛り上がってきたね、SSスレッド。回収のし甲斐があるです。
それにしても「乙女日記」面白すぎ。
272鬼の力vs不可視の力 第二話 :2000/07/14(金) 23:12
>>215 の続き

 空から見下ろすならば、三人が立つのは正三角形の各頂点、
 各辺の長さは10mといったところだろう。
 葉子に視線で合図を送ると、同時に思念の波を放った。
 二本の光の槍が闇を貫き、濃縮されたエネルギーが鬼に襲い掛かる。
 白い光が瞬き、爆音が轟く。
 一秒にも満たないうちに色を取り戻した視界には、
 爆風に舞い上げられた土ぼこりが踊っている。
 手応えはあった。
 しかし、微粒子の分厚いカーテンの奥から現れたのは、
 二本の脚で悠然と大地に立つ鬼の姿だった。
「効いてない!?」
 叫ぶが早いか、鬼はえぐるように大地を蹴り、こちらに向かって跳躍した。
 鋭く伸びた爪は月明かりを照り返し、光の粒子をまとっている。
 肉弾戦ではとうてい敵わない。
 葉子の反対側に飛ぶと、鋭利な爪が私の残像を切り裂いた。
 思念の波が鬼を左右から挟み込むが、彼の膝を折るには至らない。
 しかしそれでも、エネルギーの洪水を何度も浴び、平気でいられるはずがなかった。
 鬼は苦しそうに唸っている。
 態勢を整える暇を与えまいと、息もつかず第二波を放った。
 しかし鬼は飛び上がってこれをかわすと、
真円を描く月を背に、葉子に向かって急降下してゆく。
 返り血が、鬼の顔を赤く染め上げた。
 幾人もの生き血を染み込ませた爪が、葉子の肩をえぐり取ったのだ。
 葉子は悲痛な叫びを上げながら、方膝を大地についた。
 爪の先から滴る鮮血を舐め取ると、
 狩人は、目の前でうずくまる獲物の首を掴んで持ち上げた。
 葉子は気道を締め上げられ、大地に着かない両足を震わしている。
 瞳に宿っていた精気は失われ、皮膚の組織が青白く変色してゆく。
 狩人は、あえて一撃で止めを刺すことはしない。
 獲物をいたぶり、恐怖に歪む表情を、許しを請う瞳の色を楽しむ。
 狩りの快感が恍惚の極みに達したとき、皮膚を剥ぎ、血をすすり、肉を貪る。
 命の灯火を吹き消す喜びを、すぐに手放したりはしないのだ。

273鬼の力vs不可視の力 第三話:2000/07/14(金) 23:14
>>272 の続き

「葉子さん!」
 体力の温存など考えてはいられない。
 指先に思念を集中させると、白く輝く球体が熱を帯びながら膨張してゆく。
 エネルギーを波としてではなく、一点に集中させ、壊滅的なダメージを与える思念弾。
 たとえ鬼であろうと、一撃必殺は免れない。
 思念波に比べ、放つまでに幾らかの時間を要するうえ、体力の消耗が激しい。
 一度の戦闘で一発が限度といったところか。
 重い後遺症が残ることもあるため、できれば使いたくなかったが、葉子を確実に助けるためだ。
 次の瞬間、獣の咆哮が空気の分子を揺るがした。
 世界は脱色され、高濃度のエネルギーが鬼を包み込んだ。
 エネルギーは鬼の生体組織を切り刻み、焼き尽くした。
 葉子の身体が大地に叩きつけられると同時に、
 鬼は、糸の切れたマリオネットのように前のめりに倒れこんだ。
「葉子さん!」
 大地に伏せる鬼を横目に、葉子のもとに駆けつける。
「平気よ、これくらい。なんともないわ」
 仲間に心配をかけまいと嘘をつく葉子ではない。
 そう言うのなら、本当に大丈夫なのだろう。
「それよりも郁未さん」
 呼吸を整えると、葉子は申し訳なさそうに私の瞳を見つめた。
「私を助けるために・・・ごめんなさい」
 何に対する謝罪であるかは、考えるまでもない。
 思念弾を放った私の身体を気にかけているのだ。
 後遺症が出るか否か、出るとしたらいつなのか、私自身にさえ分からない。
 けれどそれは、葉子が負い目を感じることではない。
「さあ、帰りましょう」
 できるだけ明るい声で、大地に尻を着いたままの葉子に手を差し伸べる。
 私の気遣いを感じ取ったのか、葉子も表情を和らげ、手を取った。
 しかし、葉子の表情が再び恐怖に歪むのは、立ち上がってすぐのことだった。
「い、郁未さん・・・」
 葉子が指差す先に視線を移す。
 二人とも、息を呑まずにはいられなかった。
 思念弾の直撃を食らい、魂までも焼き尽くされたはずの鬼が、
 鈍い眼光をたたえながら、ゆっくりと立ち上がったのだ。
 私は思念弾で力を使い切ったうえ、葉子も満身創痍。
 ・・・勝てない。
 葉子の脳裏にも、同じ言葉がよぎったはずだ。

 続く
274Summer Tour続き:2000/07/14(金) 23:27
(ちょっと新展開。なんでもアリアリ。でも先は長くて終わりが見えない…)

4.長森と七瀬

「はあっ、はあっ、ま、待ってよ〜、七瀬さ〜ん…」
泣きながら部屋を飛び出した七瀬さんを追いかけていたら、川のところまで来てしまった。
七瀬さんは川岸で立ち止まり、座り込む。
「はあっ…な、七瀬さん、相変わらず、足が速いねっ…」
やっと追いついたわたしは、息を切らせながら、なんとも間抜けな声を掛けてしまう。
「ひっく…うっ…うっ…折原、なんで、こんなこと…」
わたしは慰める言葉も思い浮かばないまま、泣きつづける七瀬さんの隣に座る。
「ひっく…み、瑞佳はっ…ショックじゃ…ないの?…」
「…ショック過ぎて、なんだか分からなくなってるんだよ…」
…ちょっとだけ、嘘だった。
多分わたしは、相手が浩平だと分かっても、続けることを望んだと思うから。

春ごろのわたしは、我ながら滅茶苦茶だったと思う。
浩平と七瀬さんがつきあっているのを知った時、わたしは笑って祝福した。
朝、起こしに行く役目がなくなった時も、肩の荷が下りた、と思おうとした。
そうして、わたしの日常からどんどん浩平の影が薄くなっていった時、改めて気づかされた。
わたしは…どうしようもなく浩平が好きだったんだ、って。
春になり、学校も違うわたしと浩平が顔を合わすことは、ほとんどなくなった。
でも、わたしは知っていた。休みのたびに七瀬さんが浩平の部屋に来ることを。
別れ際に玄関の前で名残惜しそうに、長い口付けをかわすことを。
それを自分の部屋の窓から唇を噛んで見ていたわたしは、自分の中に沸き上がる「嫉妬」としか
呼びようのない感情を持て余していた。
…だから、ちょっとグレてみることにしたのだ。

わたしは新しい学校で、新しい友達と、積極的に遊びまくった。
合コンという合コンに出席し、他校の軽そうな男の子が一杯いるサークルにも入った。
その甲斐あって、処女喪失までは、あっという間だった。なんだ、こんな簡単なことだったんだ…
半ばヤケで初体験を済ませたわたしは、その瞬間から何かが切れたように男の子たちとやりまくった。
その頃にはもうわたしの身体は、一日だって刹那的な快楽を求めずにはいられなかった。
出会ってから1時間で身体を重ねることなんか、ざらだった。
わたしを喜んで抱きたがる、軽くて、無責任で、スケベで、バカな男たち。
そんな男たちと寝て自分を傷つけることで、わたしは何かに復讐しているような気になっていた。

そんなある日、いつものように良く知りもしない男とさんざんやりまくり、ふらふらになってホテルから
出てきたところを、偶然出くわしてしまったのだ。…住井くんと。
わたしは朦朧とした頭で、真っ赤になって口をぱくぱくさせている彼に、露骨ないやらしい誘いをかけた。
そんな事が習慣のようになってしまっていた。次の瞬間…
すぱぁんっ!!
わたしは思いきり頬をぶたれていた。
ぶたれて痛かったのはわたしなのに、ぼろぼろと泣いていたのは、なぜか住井くんの方だった。
そのあとはもう滅茶苦茶。
わたしと一緒だった男が、住井くんに殴りかかる。住井くんは泣きながら応戦する。
気がつくと、わたしはそこらにあったゴミ箱で男の頭を殴りつけ、住井くんの手をとって
走り出していた。
わたしは…住井くんの手はとても暖かい、と思った。
275Summer Tour続き:2000/07/14(金) 23:29

どこをどう走ったのか、辿りついたのは小さな公園だった。
走って荒くなった息を整えながら、わたしたちはいろんなことを話した。
住井くんは言った。
俺は長森さんの気持ちは知ってるから、と。
だけど、自棄なんか起こさないでくれ、と。
わたしはまだ浩平を好きだと言うことを認めるしかなかった。
情けないな、自分が。そう思うと自然と涙が溢れてきた。
住井くんは、そんなわたしを黙って抱きしめてくれた。
ただ、抱きしめるだけ。キスすらしようとしなかった。
わたしはなんだか安心して、住井くんに身体を預ける。
男の子に抱きしめられるのって、暖かくて、包み込まれるみたいで、気持ちいいものなんだな…。
…わたしは今まで何人もの男に抱かれていながら、そんなことすら、気づかずにいたんだ。

住井くんとつきあうのは、いろんな面で楽だった。彼は全てを知っていたから。
わたしの浩平への想いも。わたしが本当はすごくいやらしい女だということも。
住井くんに抱かれながら浩平の名前を呼んでしまうわたしを、彼は一度も怒らなかった。
自分のずるさを知りながら、わたしは住井くんの身体と心とを利用していた。
だから…今度のことは彼なりのささやかな逆襲なのかもしれない…。

気がつくと、七瀬さんは泣きつかれたのか自分の身体を抱きしめるようにして、
ぼんやりと川面を見つめていた。
「…だいじょうぶ、七瀬さん?」
「…うん。少し落ち着いた」
川から吹いてくる風は、夏だというのに冷たい。わたしは身震いをして七瀬さんの様子をうかがう。
「男の子は、あんなこと、平気なのかな」
「…わからないよ、わたしには」
「あたし…百歩…ううん、一万歩ぐらい譲れば、折原が瑞佳としたがるのは、まだ分かる気も
するの…。でも…あたしが他の男に抱かれることも、全然平気なのかな…」
七瀬さんは、そう言ってまた涙ぐむ。
「え…結局、七瀬さんは、住井くんと、その…最後まで…?」
「し、してないわよっ!だって、すぐ気付くでしょ、普通」
…そうか、気付くのか、普通は。わたしは自分の住井くんへの関心のなさを改めて反省してしまった。

「…っくしゅんっ!」
「わ、七瀬さん、大丈夫?ここ寒いから、部屋に帰ろう?」
「いやよっ!少なくとも今は折原の顔なんかみたくもないわっ!」
「うん、わたしが七瀬さんの部屋に行くよ。浩平は追い出すから。それならいいでしょ?」
「…そうね。このままじゃ、風邪ひいちゃいそうだもんね…」
わたしは涙を拭きながら立ちあがった七瀬さんの肩を抱くようにして、部屋へと戻った。
276Summer Tour続き:2000/07/14(金) 23:30

「七瀬さん、身体冷えてるからシャワー浴びておいでよ。その間にわたしが荷物を移動しておくよ」
「うん…でも、瑞佳、だいじょうぶ?」
「うん、平気だよ」
にっこり笑って七瀬さんを送り出す。さてと。
ガラッ!
勢いよく、元わたしと住井くんに割り当てられていた部屋の戸を開ける。
そこにいた浩平と住井くんが、二人そろってビクッとしてこちらを見る。
「………」
わたしは無言でわたしの荷物をまとめる。
「み、瑞佳…」
何か言いかける住井くんを無視して、わたしは浩平の荷物を乱暴にまとめて浩平に向かって
放り投げ、扉を閉める。
ふう。これでよし、と。
シャワーの水音が聞こえる。わたしも少し寒いから一緒に入っちゃおうかな…。

ガチャ。
「きゃ…!…なんだ瑞佳かあ、びっくりしたぁ」
「うん、わたしも寒いから一緒に入ろうと思って」
「あは、いいよ。女の子同士だもん」
わたしは狭いシャワールームにすべりこむ。
「わ。瑞佳ってそんな胸大きかったっけ?」
「卒業してから大きくなったんだよ」
「うわー。Eカップくらいあるんじゃない?」
「実はFなんだよ…でもブラ買う時、探すの大変なんだよぉ」
「そうでしょうねえ…ちょっと触ってみていい?」
「いいよ〜」
ぱふぱふっと七瀬さんの手がわたしの胸に触れる。
「わ〜ふかふかっ。気持ちいい〜」
モミモミされる…やだ、変な気持ちになっちゃうよ…。

「な、七瀬さんっ、もうそのへんで勘弁してくれないかな…」
「あれ…瑞佳ったら、乳首立ってる…」
そう言うと七瀬さんがわたしの乳首をつん、と指ではじく。背中を電気が走りぬけた。
「あ、はあうっ!」
「すごい…感じやすいのね、瑞佳」
「あーん、いじわるっ!」
そういえば、さっきは中途半端なところで中断したんだっけ…。
一旦は消えかけた情欲の火が、七瀬さんの行為によって再び燃えそうになり、わたしは慌てた。
でも…
「………」
黙ってわたしの胸を見つめている七瀬さんの目の奥にも、わたしと同じものがあるのを見てしまった…。
277Summer Tour続き:2000/07/14(金) 23:31

「あああっ、はあっ、瑞佳っ…」
「ああん!すごいよ…感じる…っ」
わたしたちは湯気が立ちこめる狭いシャワー室で、お互いの胸を擦り合わせていた。
やわらかい胸と乳首が触れ合う快感は男の子とのセックスでは得られない不思議な感覚だった。
「あ、はああっ…!やだっ…胸だけで、イっちゃいそう…っ」
「イって、瑞佳。瑞佳のイク時の顔、じっくり観察しててあげる」
そう言うと七瀬さんがわたしの股間に指を這わせ、敏感な肉の芽を摘む。
「ひあああっ!そんなっ…はああっ、だめっ、もう…あはあぁっ!イクうぅぅぅっ!」
腰が勝手にびくん、びくん、と動いて、わたしのあそこから大量の蜜が吹き出し、七瀬さんの手を濡らす。
「わあ…すごい、潮吹きっていうやつね…初めて見たわ」
七瀬さんがわたしの蜜で濡れた指を、わたしの唇に当てる。
わたしはぼおっとした頭で反射的にその指を口に含んで、吸ったり舐めたりしてしまう。
「可愛いわ…瑞佳。いつもそうやって住井くんのモノをしゃぶっているのね」
「ん、んふ…んちゅっ…くちゅっ…ちゅばっ…んんっ…」
七瀬さんは夢中になってむしゃぶりついているわたしの口から、指を抜いてしまう。
「あっ…ああん…」
「うふっ…そんなに残念そうな顔しないで…本当にしゃぶるのが好きなのね、瑞佳。でも今度はこの指で
瑞佳のここを悦ばせてあげるわ…」
くちゅっ。わたしの膣口に七瀬さんの指が当てられる。
わたしの腰はこれからされることへの期待でぶるっ、と震えた。

狭いシャワー室では寝転ぶだけのスペースすらない。
わたしを立たせたまま七瀬さんは足元に跪き、わたしの片足を肩の上に担ぎ上げる。
「ああっ…いやっ…」
いやらしく濡れて開いたそこが隠し様もなく七瀬さんの目の前にさらされる。
「ピクピクして、どんどん濡れてくるわ…見られて感じてるのね。いやらしい瑞佳…」
七瀬さんの息がかかる…それが刺激になってさらに蜜が溢れ出してしまう…
「ゆ、許して…もう…早く…入れて…」
「自分からおねだりするなんて…ほんとにいやらしいのね」
そう言いながら、七瀬さんはゆっくりとわたしの中に指を沈めてきた…
「はあっ…ああ、いい…っ!」
わたしは無意識に腰を振ってしまう。ぐちゃっ、ぐちゃっと濡れた音が立つ。
「指2本じゃ何の抵抗もないわね…もう1本入れるわよ…」
「うはぁっ…!」
「うーん…まだ余裕があるわね…もう1本行こうかな」
「やっ…そんな…っ!無理…んんんっ!!」
「大丈夫そうよ…さすがにキツいけど…痛い?瑞佳」
「はあ…っ、いた、くは…ない…けど…」
「じゃあ、動かすわよ…」
ぐちゅっ、ぐちゃっ、じゅぷっ…
「ああああっ、くはあぁっ!」
く、苦しい…あそこが一杯に広がってる…でも…
「ううっ…いいっ…気持ちいいよっ…ああん…はあ…」
いつのまにかわたしは七瀬さんの4本の指を、悦んで受け入れていた…。

(きょうはここまで〜。レズしーんはまだまだ続く…かな)
278名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/14(金) 23:41
新展開あげ。
「乙女日記」よかったっす。
「Summer Tour」まじでいいっす・・・
ごっつあんです。
2817:2000/07/14(金) 23:57
これで折原と住井も始めちゃったりしたら面白いんだけど。(無茶言うな)
>281
それは見たくないよ・・・
SS感想
すげぇ、ここ、レベル高いよマジで。
2847#9:2000/07/15(土) 03:39
そして俺は大学を卒業し、舞とともにこの街を離れる事になった。
名雪や秋子さんとも別れを済ませ、ついにこの街を離れる日がやってきた。
「佐祐理さん…お別れだね。」
佐祐理さんはこの街に残って父親の秘書を続ける事になっていた。
「はい…祐一さんも舞もお元気で。」
「佐祐理…私は…私は佐祐理と別れるのは嫌だ…。」
「ダメです…舞…佐祐理は祐一さんと…舞を裏切るような事を…。」
「!、佐祐理さん…。」
「そんな事…知っていた…いくら私でも…祐一と佐祐理を見れば…わかる。」
「「!!」」
俺はその時舞にばれてないなどと思っていたと自分の浅はかさを呪っていた。
「でも…佐祐理だから…私は佐祐理のことがすごく嫌いじゃないから…。それに…
佐祐理も祐一の事を必要としていたのはわかっていたから…。だから、だから、
これからも3人で暮らしたい…。」
「舞…。」
「あははーっ、ダメですよ、舞。いくら佐祐理でも新婚さんの家にお邪魔することは出来ません。
それに祐一さんは舞を選んだんです。佐祐理は…大丈夫ですから…祐一さん、舞とお幸せに。
それじゃ舞、祐一さん、身体にだけは気をつけて。さようなら。」
そう言うと佐祐理さんは俺達に背を向け歩き出した。
2857#10:2000/07/15(土) 03:46
「待って!佐祐理。まだ話は…」
その時俺は思わず舞の肩をつかんで言ってしまった。
「やめろ…舞。佐祐理さんの気持ちもわかってやれ。」
「そんな…祐一、佐祐理をこのまま…」
「いや、多分…これでいいんだと思う。それに…いつまでも3人では暮らせないだろう?」
「祐一…ぐすっ、ぐすっ。うわああああん。」
舞は泣き出してしまったが、もう佐祐理さんを止めようとは言い出さなかった。
それから1年後俺と舞は結婚した。式に出席した佐祐理さんは俺達をこの上ないくらい祝福してくれた。
その後しばらくして俺達に佐祐理さんから結婚式の招待状が来た。佐祐理さんの結婚相手は
父親の後継者と噂される秘書の一人だった。彼は婿養子となって倉田家を継ぐのだ。
俺は舞と二人で佐祐理さんの結婚式に出席した。佐祐理さんの結婚相手はいかにも頭の切れそうな
人当たりの良い青年だった。そして式の最中、俺は佐祐理さんの笑顔があの屋上への踊り場で
俺にお弁当をすすめてくれた時と同じ事に気がついた。佐祐理さんはまだ過去を振り切れては
いなかったのだ。その笑顔を見て俺はもし、あの時佐祐理さんを止めていたら…などと考えてしまっていた。
しかし、すぐにやめる事にした。所詮、俺には舞と佐祐理さんの二人を幸せにする事なんて出来ない。
それに俺は舞を選んだのだから。俺はさっきの考えを頭の中から追い払い、言った。
「佐祐理さん、結婚おめでとう。」
俺達のエピローグとプロローグ =END=
286怪談(名雪編)4:2000/07/15(土) 04:03
(>257の続き)「ただいま・・・」
「おかえりなさい、名雪。今日は遅かったのね。」
たしかに、名雪が部活から帰ってきたのはいつもより1時間も遅かった。
俺と真琴も玄関まで出て行く。
「よ、名雪。あんまり遅いんで真琴がお前の分のからあげ食べようとしてたぞ。」
「なによぅ、祐一から食べちゃおうって言ってきたんじゃないの。それにわたしは
食べてないけど祐一はほんとに食べちゃったくせに。」
「心配するな。あれは名雪のじゃなくてお前のヤツだ。」
「え、うそっ!!」
真琴があわてて台所に戻っていく。ちなみに俺のからあげは隠してきたので
仕返しされる恐れはない。
「祐一さん。」
ふいに秋子さんが俺の名前を呼んだ。
しまった。秋子さんの前でつまみぐいの話はまずかったか。
「名雪の様子がおかしいんですけど・・学校でなにかあったんですか。」
「すいません、あんまりおいしそうだったんで・・ってええっ?」
どうやら違ったらしい。
「名雪の様子がおかしいのはいつものことだと・・」
そう言って俺は名雪をよく見る。
・・・確かに変だ。
287ヘイポー:2000/07/15(土) 04:08
286の作者です

(誤)(>257の続き)「ただいま・・・」
(正)(>257の続き)
  
   「ただいま・・・」


288ヘイポー:2000/07/15(土) 04:38
ぐぁ書き込む前に全部消えちゃった・・
鬱だもう寝よう・・
289panda3:2000/07/15(土) 07:43
読みたい人がいるのかどうかは解らないけど、今日はお休みなんだよもん
290名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/15(土) 07:46
時間があったらまたお願いしますぅ〜
皆さんまじで凄いですな〜
漏れも書いてみようかな・・・
292リングにうぐぅ:2000/07/15(土) 08:33
(パロディです)

<栞シナリオ>

栞 「も…もしこの世に神というものが本当にいるのなら一度だけ…
   たった一度だけでいい 私のこれからのなん十年の人生をひきかえにしても…
   デートよたった一度だけ!」
名雪「び…病気のはずの体で真冬にデートに出かけるとは…」
香里「し…栞にとってそれだけのことがどんなにつらかったことか…」
祐一「栞、おめえってやつは…これからの一生をその思い出のためにそそいじまったってのかい…」

 美坂栞 昭和58年2月1日生まれ 身長157cm フィニッシュブロー「そんなこと言う人、嫌いです」
 平成11年 噴水のある公園において……

 さらば栞…
 アイスよ眠れ…!!

<名雪シナリオ>

秋子「フッ、確かに名雪のシナリオは盛り上がりがない…
   しかし今こそ山場を迎える… 私が事故ることによってね!」
祐一「な…なにぃこれはーー!」
『ジェット・アクシデント!!』
秋子「さようなら…みんな… あ…あとはたのん…だぞ…」
祐一「あ…秋子さん…」
名雪「お母さん…?」

 水瀬秋子 昭和??年9月23日生まれ 身長165cm フィニッシュブロー了承
 平成11年 集中治療室において……

 さらば謎ジャム…
 水瀬秋子よ……!!

<真琴シナリオ>

真琴「み…みんなわすれないでくれ。Kanonの中にひとりだけ
   いつもやかましい、頭の弱い女がいたことを」
天野「や…やめろーーッ!」
真琴「ま…真琴が死んだらな…。ものみの丘に埋めてくれ…。
   春にゃ菜の花 秋にゃ野菊が咲いて…。き…きれいだぜ…フッ…」
祐一「ま…」
天野「真琴…?」

 沢渡真琴 昭和??年1月6日生まれ 身長159cm フィニッシュブロー肉まん
 平成11年 ものみの丘において……

 さらば真琴…
 キツネ・チャンピオン…!!

<舞シナリオ>

あゆ「待て、舞さん。ここはボクが…」
舞 「おめえはなんだ? Kanonのメインヒロインじゃねえのか。
   だったら他のシナリオを最後まで見届ける義務があるはずだぜ」
まい「フッ。ならば望み通り、舞にも死んでもらうとしよう!」
 バキッ ガスッ ドカッ!
佐祐理「あ、ああ… 舞が手も足も出ないなんて…」
舞 「ぐっ… 魔物の実力は私より数倍上だ…!」
まい「今ごろ気づいてももうおそい! 死ね、舞ーーッ!」
舞 「あ…あわてるんじゃねえどサンピン。
   この剣が敵を斬るだけのものだと思うか」
まい「な、なにぃ… す、するとまさか…」
舞 「私が魔物を討つ者だという証を今こそ見せてやる。そ…そうよ…
   この舞には最後の手段が残っているのよ!」
祐一「ま…舞ーーッ!」
『ギャラクティカ・ハラキリ!!』
舞 「フッ…この世では好きだなんて言葉は言えそうにねえな…。
   悪いけどあの世でいつか会ったときにするぜ…。
   あばよ……祐一………」

 川澄舞 昭和56年1月29日生まれ 身長167cm フィニッシュブローはちみつくまさん
 平成11年 夜の学校において……

 さらば舞…
 ぽんぽこ・たぬきさん…!!
293リングにうぐぅ:2000/07/15(土) 08:33
<あゆシナリオ>

祐一「これで4つのシナリオをクリア…
   し…しかし本当にこれでいいのか。あまりにも犠牲が大きすぎる。
   あゆ、お前だけでも無事でいるべきじゃないのか」
あゆ「ざ…残念だがボクひとりが無傷でEDを迎えるなんてできないんだ。
   今までヒロインのひとりひとりが、命をかけて感動を勝ち取ってきたのだからな!」
祐一「い…今はじめてわかったぞ。彼女らは命を投げ出しているんじゃない。
   命そのものをプレイヤーにぶつけてきているのだ!
   お…お前たち5人こそ鍵っ子が探し求めていた黄金のヒロインだったのだ…」
あゆ「あ…ありがとう。でもどうやらあと1つの願いが最後のようだよ…
   たとえ死んでもくいはない! 今こそ燃えろ天使の人形よ!!」
観客『で…出たァーー!!』
『ブーメラン・ミラクル!!』

あゆ「栞ちゃん… 秋子さん… 真琴ちゃん… 舞さん…
   や…やったよボク。奇跡を起こしたよ…
   で…でもちょっとつかれたよ… 少しばかり休ませてもらうよ。
   す…少しだけだ… いいだろう…ねえ……」

 月宮あゆ 昭和57年1月7日生まれ 身長154cm フィニッシュブロー食い逃げ
 平成11年 切り株において……

名雪「祐一、あゆちゃんは… あゆちゃんはどこ…?」
祐一「な… 名雪…?」

 さらば…
 黄金のKanonヒロイン…!!

 長い間応援ありがとう
 黄金のKanonヒロイン、ここに全滅達成!!
294panda3:2000/07/15(土) 09:30
好奇心がそうさせるのか、少年はあくまでも冷徹だった。
「我慢しとけば気持ち良くなるって」
瑞佳の性器でピストン運動を繰り返している少年が無責任に告げる。
初めての浣腸。そこにピストン運動が加わっては我慢できる人間などいないであろう。
「ああ、いや……も、もう、駄目、駄目ぇ、駄目ぇぇ、駄目ぇぇぇえええ!!」

びちゃびちゃびちゃっ!

1回で出すにはいささか多い便を、牛乳と共にまるで噴水を逆さにしたように放出した。
「長森さんって便秘気味だったんだ。それなら俺に感謝してくれないとね」
浣腸機をタイルに置いた少年が、けらけらと楽しそうに笑う。
もう瑞佳には何も考えることは出来なかった。

何故こう言う事になったのかと言う事……この少年達の事……そして浩平の事。

「中途半端だったからもう1回だな」
と咥えさせるも、瑞佳はただ機械的に反応するだけだ。
「あ〜ん? やる気あんのか? 頭動かすだけじゃなくて舐めたりしろよ、タコ!」
そんな瑞佳には気づかず、少年達はひたすら瑞佳を陵辱していく。
「ん…………はぁはぁ……ん、ん、んふぅ……」
この数時間で意識に刷り込まれたのか、無意識のうちに少年を快感に上り詰めさせる。
「っと…そろそろだな、全部飲めよ」

……こく……こく

最初の頃よりはかなり薄くなった精液を飲み下す。
瑞佳にはその味すらわからない。いや、もう飲むこと自体無意識なのかもしれない……
「………こっちも我慢してたけど………もう駄目だ」
瑞佳の中に、またもや精液が注ぎこまれる。
しかし瑞佳は無反応、仮に意識が無かったとしてももう少し反応を見せただろう。
「あーあ、長森さんもついに壊れちゃったね」
少しだけ残念そうに言うが目は笑っていた。
「で、でも俺もう1回」
「もちろん俺だってヤらせてもらうぞ」
「俺はちょっと思いついたことがあるから」
「こいつの意識が無くても身体があるから何とかなるだろ」
口々に勝手なことを言い放ち、3人がまた瑞佳を弄ぶ。
残った少年は親に買ってもらった携帯でメールを送る。

『長森さんを犯したい人。好きな機材と10@`000\を持って、東館2Fの男子トイレに今すぐ集合。口外禁止。』

5時間後

さすがに校舎内ではまずいので、約20人の少年達は公園の公衆便所へと移動し、少年達は瑞佳に青いながらも陵辱の限りを尽くした。
ここにはもう瑞佳とその瑞佳をだしにした少年の二人しか残っていない。
「これじゃ家に返せないな」
ショーツとブラジャーは、誰かが持っていったのか校舎から移動する時にはすでに無くなっていた。
服はボロボロな挙句、蝋や糞尿、あるいは少年達と瑞佳の体液で身体中から異臭が漂っている。
尻は真っ赤に張れあがり、アナルと秘所の血は固まっているが精液がとめどもなく流れている。
目は白目を剥き、顔は涙と鼻水、そして精液で見るも無残なことになっていた。
「長森さん、これからもよろしく。それと風邪をひかないようにね」
そう言ってその少年も立ち去っていった

翌日……ワイドショーで少女の凍死死体が発見されたと言う話が小さく報じられた……


一応完結したので載せとくんだよもん
実はこの前の文もかなり手直ししたんだよもん
だから全部読みたい人がいるならどこかにまとめて載せるかアプるんだよもん
295panda3:2000/07/15(土) 09:37
ことごとく矛盾点があるんだよもん……
296名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/15(土) 10:25
えろえろですー
297み山:2000/07/15(土) 11:13
繭の乙女日記、面白かったですー。
298mio_2ch@SS回収屋:2000/07/15(土) 11:48
>294
775にあげてもらいたいんだよもん
↓ここだよもん
ftp://n775:[email protected]/

そっちの方を回収するんだよもん
299名無しさん:2000/07/15(土) 12:03
panda3さん、フィストファックを頼むんだよもん
フィストファックですか・・・
>>273 の続き

 蛇に睨まれた蛙とは、このことを言うのだろう。
 力を使い果たした私達は、獲物を射抜く狩人の視線にすくみあがり、
 指一本動かすことが出来ないでいる。
 鬼は交互に私達を見やると、何かをひらめいたのか、
 いやらしく歪んだ口元からよだれを垂らした。
 緩慢な足取りでこちらに歩み寄ると、
 鬼は腕を振り上げ、私の顔を拳で殴りつけた。
「郁未さん!」
 視界は一転した。
 幾億という星が、色鮮やかに瞬いている。
 直後、背中が大地に激しく叩きつけられた。
 痛覚神経が破壊されてしまったのか、不思議と頬に痛みはない。
 立ち上がろうと、脊髄を通して全身の筋肉に信号を送るが、反応はない。
 夜空に向いていた視線を水平に戻し、鬼と葉子の姿を捉える。
 目算だが、5mは吹き飛ばされたのではないか。
 鬼は私を見つめると、不敵な笑みを浮かべる。
 それは、獲物の血肉を求める狩人のものとは、微かに違っている。
 直立した姿勢で固まったままの葉子に視線を戻すと、
 鬼は首を掴み、大地に押さえ込んだ。
 鮮血で染め上げられた爪で葉子の衣服を切り裂くと、
 随所に曲線を描く白い裸体に唾液を垂らした。
>>301 の続き

「ああああ・・・」
 葉子が喘ぐ。
 鬼の角張った手の平が、葉子の乳房を揉みしだいたのだ。
 歪んだ口元をさらに歪めた鬼は、
 母乳を搾り取るかのように、乳房を包む掌にさらに力を込めた。
「はあああ・・・ああん・・・」
 葉子は声を押し殺そうと、砂利の混じった土に爪を立てる。
 無意味なことではあるが、それは、女としての自尊心を守るための抵抗とも言える。
 月明かりに照らされ、闇夜に白く浮かび上がっていた葉子の裸体は、
 次第に赤味を増してゆく。
 息遣いも荒くなっている。
 乳房に飽きたのか、鬼は、掌を下半身に滑らせると、両足を大きく開かせた。
 恥部を見られた恥じらいから、葉子は頬を上気させている。
「ああああん・・・」
 爪の先で割れ目をなぞられた葉子は、敏感に反応した。
 背を反らせ、身体を左右に打つも、鬼の恥辱は止まらない。
 自分の一挙手一投足に反応する葉子の姿が、鬼の悦をより深いものにする。
 鬼は、爪の先から滴る糸を引く液体を舐め取るたびに、瞳をどす黒く輝かせた。
「あ、いや・・・」
 葉子がか細い悲鳴をあげたのは、自分の膣にあてがわれた陰茎を認めた時だ。
 全身をうねらせて抗するも、挿入を阻むには至らない。
 葉子の膣を、鬼の肉棒が埋めてゆく。
 陰茎を包む肉の感触が、鬼を恍惚の極みへと導く。
 腰を前後に反復させるたびに葉子は喘ぎ、
 精液とペニスの擦り合う音がいやらしく漏れる。
 葉子の瞳に浮かんだ涙はプリズムとなり、月明かりを七色に輝かせている。
 頬を伝ってこぼれ落ちた涙の粒は、
 大地に染み込み、小さな円を描き出してゆく。
 絶頂に達した鬼は、腰の反復運動を止めると、
 再び乳房に手をかけ、余韻を味わい始めた。
>>302 の続き

 ようやく引き抜かれた陰茎には、粘性のある液体がまとわりついている。
 葉子は体を横にし、荒れた息遣いを整えている。
 恥辱にまみれた獲物の姿を、狩人は満足そうに見下ろしている。
 鬼は、肩で息をすることをやめると、
 そそり立った陰茎を隠すことなくこちらに歩み寄る。
 私の頭を持ち上げると、精液に濡れた肉棒を口内に突っ込んで来た。
 熱を帯びたペニスが、唇と舌を暖めてゆく。
 後頭部を両手で抑えたまま、鬼は腰の反復運動を再開した。
 陰茎の先端が喉を突くたびに吐き気を催す。
 脳に十分な血液を送るには、
 鼻から流れ込む空気だけでは不十分で、今にも意識が遠のきそうだ。
 舌を濡らす精液の味が、微妙に変わった。
 鬼の肉棒から精子が漏れ始めたのだ。
 白濁の欲望を、鬼は、何の躊躇もなく私の中に吐き出すのだろう。
 苦味が、口内いっぱいに広がる。
 射精したのだ。
 味蕾を刺激する苦味に耐えかね、吐き出そうとするが、鬼はそれを許さない。
 飲み込んでしまった。
 熱い欲望の塊が食道を下ってゆく。
 羞恥心と悔しさから涙が零れそうになったが、なんとか抑えた。
 それが、今の私に出来る唯一の抵抗だからだ。
 満足した鬼は陰茎を引き抜くと、私を大地に突き放した。
 次に鬼が取るべき行動は、容易に想像できる。
 狩人としての本能を満たすため、私たちの血肉を貪るのだ。
>>303 の続き

 ・・・こんなところでやられてしまうの?
 絶望と恐怖が頭を冒し、言いようのない焦燥感が胸を切り刻む。
 意識を照らしていた光が、闇に塗りつぶされた。
 五感が、私と現実を結ぶ感覚が、徐々に失われてゆく。
 死を覚悟した瞬間、ある想いが、強烈なイメージを伴って湧き上がった。
 今は亡き母と過ごした思い出の日々。
 過ちを笑顔で許し、慰めてくれた母。
 時に厳しく、時には優しく私を包んでくれた。
 私は誓った。
 母の分まで精一杯生きると。
 一条の光が闇のカーテンを突き破り、意識に射し込んだ。
 ・・・私はまだ戦える。
 傷ついた身体にムチを打つように、
 悲鳴をあげる筋肉と関節を力の限り動かし、立ち上がった。
 鬼が、憎悪と怒りをはらんだ視線をこちらに向けている。
 仕留めたはずの獲物が、希望をたたえた炎を瞳に揺らめかせ、
 最後の抵抗を試みようとしているのだから!
「いくわよ!」
 鬼が跳躍するよりも早く、思念の波を打ち込んだ。
 体力を削ぐことは出来ないが、距離を取るのに十分な破壊力は保っている。
 巻き上がる砂煙に視界を失った鬼に背を向けると、
 地上十五階はあろうかという廃墟に向かって走り出した。
 正攻法では勝ち目などない。
 これに賭けるしかない。
>>304 の続き

 闇夜に目を凝らし、屋上へ至る階段を見つけると、有無を言わず駆け上がった。
 地上に視線を落とすと、視界を取り戻した鬼が、私の姿を求め辺りを見回している。
 気付かれるのは、できるだけ遅いほうがいい。
 階段を半分ほど登ったところで、ついに鬼は私の姿を視界に収めた。
 怒り猛った鬼は、廃墟に向かって猛然と駆け出す。
 激しい地鳴りが鼓膜を打つ。
 鬼は両足を屈伸させると、全身のばねを活かし、地上から二階まで飛び跳ねた。
 続いて二階から三階へ。
 二人が屋上に辿り着いたのは、ほぼ同時と言っていいだろう。
 鬼は錆びれたフェンスを、私は老朽化した階段を背に立っている。
 風に流れる雲が満月を隠した瞬間、それを合図に二人は動き出した。
 幾らか学習したのか、狩人は獲物に向かって直進することをやめ、
 フェンス沿いを反時計回りに走って来た。
 迎え撃つ私も反時計回りに走り出した。
 鬼が床を蹴るたび、風雨による浸食が進んだタイルが鈍い音と共に砕け散る。
 二人の動きの軌跡は、
 さながら自分の尻尾に食いつこうとする蛇のように見えることだろう。
 戦闘開始から5分ほど経っても、戦局は全く変わっていない。
 接近した鬼を思念波で押し戻し、距離を取る。
 この繰り返しだ。
 思念波を放つのにも限度がある。
 いつまでも鬼の攻勢に耐えられるわけではない。
 もっともこれは、私が描く結末への伏線に過ぎない。
>>305 の続き

 こう着状態に苛立っているのか、鬼の動きが煩雑になり始めた。
 直線的な突進が目立つ。
 鬼の爪が頬をかすめ、血飛沫が左眼に入った。
 視野が狭くなったうえ、距離感がうまく掴めない。
 血糊のこびり付いた爪が、皮膚と肉をえぐりとる。
 思念波を胸部にぶち込むも、威力が落ちているのか、鬼の猛進を阻むには至らない。
 鬼は、こう着していた時のうさを晴らすかのように、見境なく爪を振るい始めた。
 わずかに残っていた悟性など、怒りと苛立ちによって吹き飛ばされたようだ。
 弱みを見せれば、何の疑問も抱くことなく襲い掛かってくるだろう。
 今がチャンスだ。
 ありったけの力を込めた思念波を放つと、フェンスを背に距離を取った。
 両肩を落とし、激しく息をつくと、膝を曲げ、フェンスにもたれる。
 胸に手を当て、虚ろな視線を宙に泳がせる。
 鬼の目には、私が戦意を失ったように映ったことだろう。
 絶好の機会とばかりに、鬼は床を蹴り、隙だらけの姿で襲い掛かってきた。
 天に向かって突き上げた爪を、傷ついた獲物に向かって振り下ろす。
 狩人は勝利を確信した。
 しかし、鬼の爪が引き裂いたのは私の残像だった。
 勢い余った鬼はフェンスを突き破り、重力加速度によって落下する。
 大地に叩きつけられた鬼を襲ったのは、
 地上十五階分の位置エネルギーに相当する運動エネルギーだった。
 破られたフェンスから地上を見下ろす。
 いくら鬼といえど、この高さからの落下には耐えられない。
 関節は稼動しないはずの方向に曲がり、大地は濁った血を吸い上げている。
 人でありながら、その手を人の血に染めた男。
 鬼の血に一人で悩み、苦しみ、その果てに全てを失った男。
 彼の苦悩を想い、胸に刻むことは、はなむけにさえならないかもしれない。
 けれど、私は言いたい。
 あなたは少なくとも、最後の瞬間だけは孤独ではなかった、と。

 終わり

307OVA:2000/07/15(土) 23:34
mio_2chさんへ
『罪と罰』が秋子編まで終わりましたんで回収のほうよろしくお願いします。
お手数ですが第一部を第1章に代えて頂けませんか?
宜しくお願いします。
308名無しさん:2000/07/16(日) 03:24
panda3さんのSSなんだけど、これ夜の校舎で瑞佳が浩平の手により
他人に犯されそうになるイベントと絡めてほしいんだよもん。
注文しちゃってごめんだよもん。
309怪談(名雪編)5@268の続き:2000/07/16(日) 03:35

玄関の天井を見上げてぼ〜っとしている。
名雪はいつもぼ〜っとしているのだがこれは一味違うようだ。
まず、目が死んだ魚の目をしている。
「イチゴ・・・ネコさん・・・イチゴ・・・」
なにかうわごとも言い始めた。
こ、怖い・・
この名雪をビデオにとって北川に送ってやれば次の日ダビングしてきて必死に
誰かに見せようとするだろう。
「おいこら、起きろ!貞子!」
「貞子?」
「まちがいました。おい名雪、こっちの世界にかえってこいって。」
「うにゅ。」
「うにゅ、じゃなくって。」
普段ならかわいい「うにゅ」もこの状態では気持ち悪い。
「おーきーろー!!」
俺は名雪の体をゆすってみる。
「うー地震だおー。」
か、かわいくない・・・
このお約束の台詞が似合わない名雪なんて佐々木のいない横浜みたいなもんだ!!
(バースのいない阪神でも可)
「起きてくれぇ〜」
「うーん・・」
しばらく体をゆすっているとやっと名雪の目に生気が戻ってくる。
「・・あれ?ここ玄関・・」
「おう、お前の家だ。」
「・・イチゴは?」
名雪はしばらく不思議そうに周りをきょろきょろ見回してから言った。
「は?イチゴ?」
「さっき玄関のドア開けたら一面イチゴだらけだったんだよ〜」
いやな玄関だな。
「よっぽどお腹すいてたのね。今晩のデザートはイチゴにしようかしら。」
「うんっわたしいっぱい食べ・・」
「おっ、食べるのか?名雪?」
俺に言われて名雪ははっとした顔をした。
「・・ない。わたし食べないよおかあさん。」
「あらそう?せっかくすごくおいしいのが手に入ったのに・・」
「うー・・」
名雪は半泣きになっている。
そんな名雪の様子に首をかしげながら秋子さんは台所に帰っていった。
「ほう、よく耐えたな。」
「ネコさん抱くためなら、こ、これくらい平気だもん。」
名雪は半泣きのまま強がりを言う。
この様子なら1週間どころか二日ともたないな。

回してから上げた方が良かったんじゃ・・・

その日の夕食もなにごともなく終わり、(秋子さんは
よだれをたらしながらイチゴをがまんする名雪を不思議がっていたが)
だらだらとテレビをみてから俺はベットに入った。

そして・・

俺がうとうとしているといつもどうりのイベントが始まった。
ギ・ギ・ギ・ギ・ギ
「くすくす・・」
真琴だ。
芸のないやつめ・・・
正直、真琴のワンパターンな攻撃にはうんざりしていた。
一度うけたからといって同じネタを何度も続けるとは
芸人失格である。
よって、今回は完全に無視することにした。
いわゆる「ボケ殺し」というやつである。
やがて・・
   べちょっ
なにかが顔にかかる。
「あははは・・」
真琴は去っていった。
・・なんだこれ?
いままでの経験上食べ物であることは間違いない。
俺は顔をぬぐいそれを口に入れてみる。
・・甘い。
かつ微妙にすっぱいこの味は・・
俺は体をおこし電灯をつける。
これは・・
「イチゴジャムだお〜」
ふいに近くで名雪の声がした。
声のした方を向くと確かにドアのそばに名雪が立っている。
これが夜這いに来てくれたのならどれだけうれしいことか・・
が、しかし名雪は着ているものはパジャマだが、
右手にはナイフ。
左手にはフォーク。
そしてその目は貞子。
俺は一瞬にして危険を感知した。
「ていっ!!」
手についていたジャムを名雪めがけて投げつける。
  べちゃっ
ジャムはうまい具合に名雪のほほにヒットした。
「イチゴ〜」
名雪はそのジャムを手にとって舐めだす。
「おいしい〜」
俺は舐めるのに夢中になっている名雪の横をすばやくぬけると
自分の部屋を脱出した。
階段を駆け降り台所にむかう。
名雪は極度のイチゴ不足から乱心したのだ。
(といってもまだ1日足らずだが)
ならば、名雪が満足いくまでイチゴを食べさせてやるしかない。
冷蔵庫の前に急ぐとその扉を開く。

がんばってくださいヽ(´ー`)ノ
ところが・・
「ないっ!?」
イチゴジャムの瓶がないのだ。
違う棚も探してみるがイチゴの瓶はない。
「あっ!!」
俺は自分の犯した致命的なミスに気づいた。
イチゴジャムは真琴がいたずらに使った→そして真琴はそのまま眠った
→イチゴの瓶は真琴の部屋
台所に来てはいけなかったのだ!!
俺はすぐさま真琴の部屋に行くため廊下に出ようとした。
しかし・・
ギッ・・ギッ・・ギッ・・
暗闇の先、階段の方からゆっくりと降りてくる足音が聞こえてくる。
「ひとつ積んではジャムのため〜ふたつ積んではネコのため〜」
恐山のイタコかい・・
もはや逃げ場はないようだ。
どっどどどどうする!?
このままでは名雪に食われてしまう。
別の意味では大歓迎だが。
ってそんな余裕はないんだって!
俺は夕食のデザートのイチゴを残しておかなかったことを
激しく後悔した。
こんなことなら名雪の前でみせびらかして20個も食べたあげく
『甘いものは嫌いなんだよな〜』とか言わなきゃよかった・・
ギッ・・ギッ・・
そんな事を考えている間にもどんどん足音は近づいてくる。
俺は恐怖のあまり自然と台所の隅へ隅へとあとずさっていった。
ついに背中が流しにぶつかる。
・・ん?・・流し?
振り向くとそこには水道の蛇口が。
顔を洗おう!!
なんで気づかなかったんだ俺!!
俺はあわてて蛇口に手を伸ばす。
その時、
  ガシッ
横から別の手が出てきて俺の腕をつかんだ。
俺には横を向かなくてもそれが誰の手かよく分かっていた。
「わたしのイチゴだおー」
「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


次の日の朝、俺は秋子さんに台所の隅で体育座りをして
ふるえているのを発見された。
あのあと俺の身になにが起こったか俺自身もおぼえていない。
いやむしろ記憶から無理やり消したのだろう。

人には忘れてはいけない想いと忘れたい過去がある。
この話は間違いなく後者だろう。

終わり

314ヘイポー:2000/07/16(日) 04:51
やっと終わった・・
後半はかなりはしょったなぁ
こんなヘタレなSSにつきあってくれた方に感謝。

315panda3:2000/07/16(日) 05:50
>299さん
 そういう手もあったんだよもん
 参考にさせてもらうんだよもん

>308さん
 それも考えたんだよもん
 だけど即興だったからやめたんだよもん

>mio_2chさん
 これは別のところで公開予定なんだよもん
 だけど著作権は放棄してるから好きにして欲しいんだよもん
316名無しさん:2000/07/16(日) 05:59
panda3さんの新作に期待age
317名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/16(日) 20:18
「繭の乙女日記」最高!ひさびさにゲラゲラ笑ってしまったよ。
劇のセリフの漢字、マジで読めませんでした(笑)
318名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/16(日) 21:24
応援してます
あれ?鬼畜SSスレッドがねぇぞ?
なんでだ?
あっ
あった。
321茜の呪い 1:2000/07/17(月) 00:38

 眩しい陽射しがさんさんと降り注ぐ昼休み。
 校庭の芝生で、里村茜は、誰とも肩を並べることなく、
 早起きして作った特製の弁当を口に運んでいた。
 校舎の隙間を縫うように吹き抜ける穏やかな風と、
 色鮮やかな小鳥たちの語らいの中でとる昼食が、茜は何よりも好きなのだ。
「待てよ、折原」
「やなこった。悔しかったら追いついてみな」
 小鳥のさえずりを破るように茜の鼓膜を打ったのは、
 彼女のクラスメイトである折原と住井の甲高い声である。
 住井のやきそばパンを、折原が横取りしたようだ。
 言うまでもなく、二人とも高校生である。
 肩越しに住井を見ながら走る折原。
 そんな彼の視界に、前方の茜など映るはずもない。
「きゃあ」
 案の定である。
 すれ違いざま、折原の脚が茜の背中と接触した。
「わりい、里村」
 折原は、芝生にぶちまけられた弁当に気づくことなく、住井と共に校庭の隅へと消えていった。
 砂まみれの弁当を呆然と見つめる茜。
「許さない・・・」
322茜の呪い 2:2000/07/17(月) 00:39

 太陽が西の地平線に沈んでから、3時間は経っただろうか。
 その部屋はカーテンを閉めきり、灯りといえるものは、
 弱々しく揺らめく一本のロウソクしか見当たらない。
 いたる所に、中世の魔女を連想させる奇怪な道具が並べられている。
「・・・エロイムエッサイム」
 黒装束を身にまとった少女が、呪文とおぼしき言葉をつぐんだ。
 瞳には、狂気を彩る暗い炎が灯っている。
「モナー様、モナー様、お越し下さい。我が怨敵・折原浩平を呪いたまえ」
 少女は続ける。
「ギコ様、ギコ様、お越し下さい。我が怨敵・折原浩平を呪いたまえ」
 少女の名は里村茜。
 復讐の業火に身を焦がし、その魂を悪魔に捧げようとしている。
「血の十字架をもってこれを盟約となし・・・」
323茜の呪い 3:2000/07/17(月) 00:40

 翌朝。
 浩平宅。
 いつものように、浩平の幼なじみでクラスメイトの長森瑞佳が、
 彼を起こそうと階段を駆け上がる。
「ほら〜、起きなさいよ〜。遅刻しちゃうでしょ」
 浩平の眠る部屋のドアを開けると、ベッドに歩み寄り、布団をはぎ取った。
「逝ってよし!」
 開口一番、浩平は不可解な言葉を発した。
「え?」
 突然のことに、目をしばたかせる瑞佳。
「ほら、ふざけてないで学校行くよ」
 一瞬だけ戸惑った瑞佳だが、浩平得意の悪ふざけだと思い、着替えをせかした。
「(゚Д゚)ハァ?」
「浩平、いい加減にしないと・・・」
 堪忍袋の尾が切れかかった瑞佳の言葉を遮ったのは、
 今までに見たことのない、浩平の遠くを見つめる表情だった。
「どうかしたの、浩平?」
「厨房氏ね!」
「わわわわわ、浩平がドキュンになっちゃったよ〜」
「んなわけねえだろ!」
「どうしよう〜、誰かに煽られたの?」
「オマエモナー」
 ・・・翌日、浩平は厨房隔離施設に強制収容されましたとさ。
324名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/17(月) 01:10
またお願いしますね。
325名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/17(月) 11:33
お願いします。
326名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/17(月) 16:40
いろいろと期待あげ
327香里の部活#1@7:2000/07/18(火) 02:06
「祐一、放課後だよ。」
ある日の放課後、名雪がいつものようにやって来た。
「名雪、その説明口調どうにかならないのか?」
「祐一、わかり易くて良いと思うよ。それより、当分部活がお休みだから
これからどこかに行こうよ〜。…せっかくだから百花屋がいいと思うよ。」
「名雪…お前、それしかないのか?」
「祐一〜行こうよ〜。きっとイチゴもわたしを待ってるよ〜。」
「…あなた達、いい加減にしなさい。」
「香里…ちょうどいいところに来た。名雪に言ってやってくれ。」
「香里、祐一に言ってやってよ。それに香里も百花屋に行きたいよね。」
「ハイハイ、堂々巡りはそれくらいにして…ねぇ、あたしの部活を見学してみない?
きっと面白いと思うわよ。」
「へぇ、香里って部活に入ってたのか。知らなかったぜ。」
「香里が誘うなんて珍しいね。一体どうしたの?」
「ちょっとした心境の変化よ。それよりどうするの?」
「名雪と百花屋に行くよりは面白そうだな。俺は行くぜ。」
「わっ、祐一、酷い事言ってるよ。でも、わたしも興味あるな。」
「…二人とも来るのね。それじゃ、あたしについてきてね。」
香里に連れられて祐一と名雪はある部室の前までやってきました。
「ここよ。」
328ヘイポー:2000/07/18(火) 03:21
おお、7さんの新作だ。おもしろそう。
329名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/18(火) 19:47
sorosoro
agetokou
330名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/18(火) 20:43
実は香里はオカルト研究部、に300リラ(笑)
331葵バッドその後:2000/07/19(水) 00:15

 ふっ…。
 思わずこぼれる笑みを噛み殺しながら、葵の教室へと出向く私。
「さあ葵! 行くわよ空手部へ!」
「はい…」
「大丈夫、空手部はいい奴ばかりよ。3年がいないから私が主将だし、何の心配も
ないわ」
「はい…好恵さん」
 1ヶ月とはいえ、思えば回り道をしたものだ。
 当然空手を続けると思っていた葵が、エクストリームとかいう毛唐の格闘技には
まったと判明したのが4月の初め。全ては綾香のアホが葵に悪影響を与えていた。
 しかし先月末の試合。「負けたら空手部に入部」という条件の葵をこてんぱんに
叩きのめし、ついに目を覚まさせることに成功した。やはり日本人なら空手という
ものよ。
 葵を引き連れ、体育館脇の格闘場の鍵を開ける。
「はい、これがあなたの空手着。そこが更衣室ね」
 部の決まりなどを説明している間に部員たちも集まってきて、私は全員を整列さ
せ、葵を紹介した。
「ま、松原葵です! よろしくお願いしますっ!」
「葵は経験者だから、すぐ稽古に入ってもらうわ」
「よろしく、松原さん」
「すごく強いんだって? 主将がいつも言ってたわよ」
「そ、そんなっ。私なんて全然大したことないです」
 同じ道を志す仲間たち。練習が始まり、格闘場に響くかけ声。
(これで良かったのよ…)
 誰もいない神社で一人で練習するより、この方が葵のためにもいいに決まってる。
 そうでなくても葵は寂しがり屋なのだから…
 そうに決まっているのだ。

 しかし、なかなかすぐに昔の通りとはいかなかった。
 技に前ほどの切れがない。気迫も落ちている。
 …格闘技の掛け持ちなんてするからだ。
「どうしたの葵! 脇が甘いわよ!」
「は、はいっ!」
「何をしているの! 気合いが足りないわ気合いが!」
「す、すみません!」
 ぽかんと口を開ける他の部員。そのうち一人が、私の近くに寄って耳打ちする。
「ち、ちょっと好恵。松原さんに厳しすぎるんじゃない?」
「厳しくなくては強くはなれないわ」
「つったって、1年生にしては十分強いじゃない…」
「葵の実力はあんなものじゃない!」
 つい声も荒くなってしまう。早くあの頃に戻さなくては…

 一週間経っても、葵の調子はなかなか上がらなかった。
「つ、次、お願いします!」
「…もういいわ。そんな気の抜けた突きなど、受ける気もしないわね!」
「す…すみません…」
(あなた、本当は空手やりたくないからって手を抜いてるんじゃないでしょうね)
 そんな言葉が口から出かけて、あわてて頭を振る。葵に限ってそんなことはない。
 中学の頃。学校に空手部はなく、私と綾香の通っていた道場にあの子は入門して
きた。それは真面目で、一生懸命で、格闘技が大好きで…
『き、今日から入門しました、松原葵です! よろしくお願いします!』
『綾香さんも好恵さんもすごく強いんですね! 私もいつかそんな風になりたい
です!』
 背中越しに今の葵を見る。肩で息をする小さな体。
 気づいていたけど、気づかない振りをしていた。
 葵がこの部に来てから…一度も笑顔を見せていないことに。
332葵バッドその後:2000/07/19(水) 00:16
「今日の稽古はここまで!」
「お疲れさまでしたぁっ!」
 へとへとになった部員たちが帰り、制服に着替えた私は、最後に見回りをしてか
ら戸締まりする。
 外はもう薄暗い。明日は何か変わるだろうか…
 バシッ、バシッ…
(?)
 格闘場の裏から音がする。
 泥棒だったら袋叩きにしてやろうと、足音を忍ばせて裏に回る。
 外の街灯が照らす光で、その顔がはっきりと見えた。
「はぁっ…、はぁっ!」
 葵がいた。
 樹にくくりつけたミットを、一心不乱に蹴っていた。
 もちろん空手の蹴りだ。私が無理矢理やらせている、空手の。
 バシッ、バシッ…
 自分を痛めつけるように、追いつめるように、葵はミットを蹴り続ける。
 その顔に、私は呆然と立ちつくしていた。
(何でよ…)
(何でそんな、辛そうな顔をしてるのよ…!)
(あなただって空手は好きだったはずよ! いつも楽しそうに組み手をしていた
はずよ!)
(何が間違ってるっていうのよっ…!)

 その時…

「あなた、葵がああなることが望みだったの?」
 暗がりの中から、鋭い目の人影が姿を現す。
 綾香――!
「いつからそこに…!」
「しっ」
 口の前に人差し指を立て、声を潜める綾香。
「葵に気づかれるから…場所を変えましょ」


 すっかり暗くなった中庭で、私は綾香と対峙していた。
 むろん友好的な雰囲気など欠片もない。
「勝負に負けたからって、無理矢理入れられた部活なんてねえ」
「し、勝負は勝負よっ!」
 いつもいつも人の神経を逆なでするこの女に、私も負けじと大声を上げる。
「葵も納得済みだった! 負けてからごちゃごちゃ言うのはお門違いもはなはだ
しいわよ!」
「…そうね。だから葵は何も言わない。
 けど私は部外者だから、言いたいように言わせてもらうわ」
 氷点下の怒り。こんな綾香も初めて見た。

「あなた、本当に葵がああなることが望みだったの!?
 私たちの知ってる葵は、格闘技が大好きで、いつも楽しそうだった!
 今の葵は何!? 他人にやらされる格闘技に何の意味があるのよ!?
 あんたにだって分かってるはずでしょ!!」

 相手にしなければいい。勝負は勝負、こいつが何を言おうが、私が認めない限り
葵は空手部から抜けられない。
 相手にしなければ…。
「か…関係ない」
 なのに私は、自分を正当化するようにそう言った。
「格闘技に楽しいかどうかなんて関係ない! 自分との戦いでしょう! 辛くて
結構、それが武道よ!」
「あっそ…。なら好恵、あなたは一生私には勝てないわね」
「なっ…!」
 軽蔑したような口調に、後ろめたさが怒りに変わる。
 そもそもこいつが全ての元凶なのだ。
 こいつさえ空手を捨てなければ、私たちはずっと、同じ道を…
「構えろ、裏切り者!」
 空手の型を取って、気合いを叩きつける。
「裏切り者…ね」
「そうよ! 空手とエクストリームのどちらが上かなんてもうどうでもいい。ただ
お前は空手を裏切った、それだけよ!」
「…否定はしないわ」
 綾香も両拳を顔の前に構える。もはや問答無用。少しの間静寂が続き…
 月明かりが差すと同時に、私は気合いとともに拳を繰り出す。
 中学の頃と…
 毎日のように綾香につっかかっていった、あの頃と同じように。

『ふふっ、好恵もまだまだね〜』
『くっ…次こそは必ず勝つ!』
『す、すごいですお二人とも!』

 そうだ、私はあの時間が『楽しかった』んだ…
333葵バッドその後:2000/07/19(水) 00:17
 衝撃とともに、私は地面に叩きつけられていた。
 背中を強烈に打ちつけ、止まる呼吸。
 ぴくりとも動けず、無様に敗れ去った私の前に、長い黒髪が垂れる。
「あなたの言い分もわかるわよ。
 でもね、私も葵も、本当に自分が打ち込めるものを見つけられた。
 それが空手じゃなかったのはお互い残念だったけど…
 だからって、自分の気持ちに嘘をつく気はないわ」
 その顔がふっと視界から消え…
「さよなら」
 足音だけが遠ざかり、あとには満天に広がる星空が残った。


 過ぎ去った時間を戻せるわけがなかった。
 時計の針を無理矢理逆にしても、人の心まで戻せるわけがなかった。

 綾香と葵が別の情熱を見つけたとき、それは終わっていた。
 道場での楽しかった時間は、もう、終わったんだ…


 夜のとばりの下で、仰向けになった私の目から、一滴だけ涙が落ちる。
 それが私の決別。
 制服の袖で目をこすると…私はゆっくりと立ち上がった。


            *   *   *


 あれから一週間。
 また綾香が様子を見にやってきた。
「次、お願いします!」
「ま、松原さん、ちょっとタンマ…」
「あ、そ、そうですね。それじゃ私、少し走ってきます!」
 校庭に飛び出していく葵を呆気にとられて見送りながら、物陰から出てくる綾香。
「ど、どーしちゃったの? 葵ったら」
「さあね」
「なによ、教えなさいよケチ〜」
「ふん…」


            *   *   *


 あの夜、痛む背中を引きずりながら、葵が校門から出てくるのを待った。
「あ、好恵さん…」
「…随分頑張ってたみたいね」
「い、いえ…。最近気合いが足りませんから…」
「‥‥‥」
 そのまま無言で、校門を出て夜の道路を歩く。
 分かれ道まで来たとき、私は葵に向き直った。
「エクストリームに戻りたいの?」
「…わ、私にそんなこと言う資格はありません」
 苦しそうな姿。
「約束は、約束ですから…」
「そう、負けは負けよ。それは曲げられない。
 変な同情なんて、かえってあなたに失礼よね」
「…はい」
「ならば葵!」
 声を張り上げ、私は立てた親指を、自分自身に突きつける。

「この私を倒してみなさい!
 何度でも勝負してやるわ。私に勝てない限り、あなたは空手部員のままよ!
 好きな道を行きたいなら、私を打ち倒してから行きなさい!」

 驚きと、思考。葵の悪い癖が出て、その視線が逸れる。
「で、でも、私なんかが好恵さんに…」
「諦めるの?」
「あ…」
「諦めるというの!? どうなの、答えなさい葵ッ!!」
 その瞬間、葵の目に光が戻った。
 昔のままの、闘志に満ちた目。ただ前だけを見つめる目。
「諦めませんっ!」
 夜空に響きわたる声。
「私はエクストリームが好きです!
 戦う機会をくださるのでしたら、石にかじりついてでも勝ってみせます!
 たとえ好恵さん、相手があなただとしても!!」

 思わず笑みがこぼれた。
 私が笑ったのも、久しぶりだった。
 くるりと葵に背を向け、そのまま歩き出す。
「好きなときにかかってきなさい。こっちも遠慮はしないわ」
「は…はいっ! 好恵さん…ありがとうございますっ!」
 背後で一礼する気配がした。
334葵バッドその後:2000/07/19(水) 00:18
            *   *   *


「ふーん、なるほどねぇ」
「べ、別に簡単に負けてやるつもりはないわよ。
 葵が己の道を行くというなら、せいぜい壁になって立ちふさがってやるわ」
「はいはい」
「ふん…」
 あれから毎日のように、葵は私に挑んでくる。
 あの子はどんどん強くなる。私に匹敵するほどに。
 もちろん私も努力している。そう簡単に負けはしない。
 それでも葵が私を倒す日が来たら、その時は…
「あっ。綾香さん、いらしてたんですね!」
 息を切らせて舞い戻ってきた葵が、元気に駆け寄ってくる。
「はろ〜」
「ちょうどよかったです! 好恵さん、組み手をお願いします!」
「いいの? 綾香が見てるからって、先月の勝負みたいにならなきゃいいけどね」
「あ、あの時はちょっと緊張しちゃって…。でも大丈夫です、今日は少しだけ勝て
そうな気がするんです!」
「あ〜ら、好恵もピンチじゃない?」
「ふっ、面白いわ」
 他の部員もなんだなんだとギャラリーに回り、その中ですっくと立つ葵。
 私もそこへ行こうとして、その前に声をかける。
「綾香」
「うん?」
「私たちは、道を違えたけれど…
 それでも、個人的にでいいから、時々戦ってくれると嬉しいわ」
 そういって足早に去ろうとする私を、引き止める綾香の腕。
「んふふ〜」
「な、何よっ」
「最初からそう言えばよかったのよ〜」
「ふ…ふんっ!」
 強引にそれを払って、葵の前へ。互いに一礼し、皆が見守る中…
「いきます、好恵さん!」
「手加減しないわよ、葵!」

 友が自らを賭けられるものを見つけたのなら、それは喜ばしいことに違いない。
 そして、私は空手で頑張ろう。
 いつか時が経っても、私は空手を選んで良かったと
 胸を張ってそう言えるように!


<END>

--------------------
葉っぱがほとんど無いので書いてみました。(なぜに坂下)
健全SSでスマンヌ。
--------------------
繭の乙女日記に感想くださった方、ありがとうございます。
ちなみに漢字は一寸(ちょっと)、巻繊汁(けんちんじる)、吃逆(しゃっくり)、魚籠(びく)、
虹鱒(にじます)、背鰭(せびれ)、湯湯婆(ゆたんぽ)、大蒜(にんにく)、と読みます。
(「難読漢字」で検索して、適当に拾ってきただけ(^^;)
335香里の部活#2:2000/07/19(水) 01:57
「え、MMR?」
そこの部室の看板には「MMR部室」と書いてあった。
「祐一…MMRって何?」
「名雪…そんな事も知らないのか?しかし、連載が終わってどこに行ったのかと思っていたら…
こんなところに…なわけねぇだろ!」
「名雪、相沢君、早く入ってきなさいよ。」
「祐一〜、はやく入ろうよ〜。」
「…まあ、とりあえず入ってみるか。」」
「あ、名雪さん、祐一さん、こんにちは。」
部室の中には栞がいて何か投書らしきものを見ていた。
「…おい、香里。どこがMMRなんだ。誇大広告でJAROに電話するぞ。」
「あら、MMRはMisaka Mystery Researchの頭文字よ。相沢君が勝手に勘違いしたんでしょ。」
「…でもなあ、仮にもクラブに自分の名前をつけるなよ。香里が卒業したらどうするつもりだ。」
「次の年は栞がやるから大丈夫よ。」
「えっ、お姉ちゃんそんな話聞いていません…。」
「栞はちょっと黙っててね。それに名前のどちらかがマ行で始まればいいんだから。
それならそんなに厳しい条件じゃないでしょ。」
「わっ、さすが香里だよ。そこまで考えているなら大丈夫だね。」
「そういう問題ではないと思うのだが…。」
「ねぇ香里、このクラブどんな活動してるの?」
「名雪、話はまだ…」
「…この街では不思議な事が起こる。いいことも、悪い事も。それだけなら、どこの街にも
あることかもしれない。しかし、この街ではあまりにも多くの事件が起こる。まるで、何かに
導かれているように…。」
「おい、香里ちょっとは人の話を…」
「それならば、あたし達がその何かをつきとめてやろう。それは辛い日々になるだろう。
そしてあたし達にはつき止められないかもしれない。しかし、あたし達の志を継ぐものが
何時かきっと…この大いなる目的の為設立された団体。それがMMRよ!」
336名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/19(水) 13:33
age
5.瑞佳と七瀬(2)

「すごいわ…瑞佳のここって、キツイのにどんどん広がる…柔軟性があるのね」
七瀬さんが感心したようにつぶやきながら、指を激しく出し入れする。
「あふ…っ、ひあ…く…んっ…」
わたしは感じれば感じるほど、奥まで届かない指をもどかしく思いはじめていた。
ああ…奥を掻き回して欲しいよ…
その思いが、わたしのあそこを限界まで七瀬さんの手に押し付けさせる。
「そう、奥に欲しいのね、瑞佳…」
「は、あう…」
「…うん、多分、大丈夫そう…」
そういうと七瀬さんが指を抜いてしまう。
「ああっ、いやああっ…抜かないでっ…」
と、固いものがあそこに押しつけられる…えっ?
めりっ。
「あ、あああああ!い、痛いっ…!」
「力抜いて、瑞佳」
「あああ…はう…」
ごりっ、という感触とともに、なにか大きくて固いものがわたしのあそこに侵入しようとしていた。
「うーっ…ひろがっちゃうよお…」
「んっ。ほら、入った。出血もなさそうよ」
見ると…
「えええっ!?そ、そんなあっ!」
七瀬さんの手首から先がわたしの中に入っていた。

「あたしの手、小さい方だから大丈夫よ」
「ひんっ、大丈夫じゃないよおっ!」
ああん、すっごく広げられてる感じ…苦しいよ。
「でも、ほら。自分から呑みこんでいくみたいに動いてる」
「あああん!あ、やあっ…奥に…くるう…!」
わたしの膣を押し広げながら、七瀬さんの腕がわたしの中に入ってくる…
「ほら、腕の半分まで入っちゃった。大丈夫?痛い?」
痛みよりも、何だか怖くて、わたしは涙ぐんでしまう。
そんなわたしの様子を見て、七瀬さんはわたしのクリトリスを舌で愛撫し始めた。
「あくぅ…っ!」
ぎゅうっと膣が締まる。七瀬さんの腕の形を仔細に感じられるほどに。
なんだか、はちきれそう…あそこがすごくいっぱいで、頭がぼおっとしてくる。
「わあ…すごく締め付けられてるわ。それに、こんなに濡れて…。感じてるの?」
七瀬さんがそう言いながら、そっと腕を抜き始める。
「ひ…っ!や…!あはああっ!!」
内臓が引きずり出されるような衝撃に、わたしはたまらず大声をあげてしまう。
拳の部分が時々中で引っかかる度に、ものすごい快感が押し寄せる。
「感じてるのね。まだキツイから、ゆっくりしてあげるからね」
七瀬さんは舌でクリトリスを舐め上げながら、少しずつ腕を抜いていく。
わたしの身体が震えているのは、怖いからなのか、快感のせいなのか、自分でももう分からない。
入り口の所で拳が止まる。そして、またゆっくりと押しこまれてくる。
「うはああああっ!…ふ、ううぅっ…」
指や拳の骨の固くてゴツゴツした部分が、わたしの中を押し広げながら奥へ入ってくる。
「うん、随分なじんできた感じ。もう痛くないよね?」
「うん…でも…なんだかまだ怖いよ…」
「大丈夫よ。ここは、こんなに濡れて、感じてるって言ってる」
そう言って七瀬さんはさっきより少し早く抜き差しをし始めた。
じゅぷっ、じゅぷっ、じゅぷっ。大きな水音が立つ。
「う…んんっ!はあっ…うはあっ…!」
どうしよう…わたし、すごく感じちゃってる。
こんなに大きいくて固いものを、よろこんで受け入れてる…。
338Summer Tour続き:2000/07/19(水) 21:57

「あああっ…!はんっ…ああんっ、あんっ、あんっ、あああ…っ!」
わたしの声が快感一色に染まったのを聞いて、七瀬さんは一層早く、激しく、腕を動かす。
「やあっ…奥にきちゃうぅ…あっ、や…ひんっ…い、やっ…はああっ…」
奥まで押し広げられる感覚に眩暈がするほど感じてしまいながら、わたしの目は
自分の股間の信じられないほどいやらしい光景に釘づけになる。
七瀬さんの腕が、わたしの繁みの向こうで、愛液まみれになりながら激しく上下に動く。
それを見ながら、わたしはどんどん昇りつめていく…。
「瑞佳…腰が動いてるわよ」
「いやっ…言わないで…言ったらやだよ…」
涙声でつぶやきながらも、腰の動きは止まらない。だって、だって…すごく気持ちいいんだもん…。
そして、ひときわ強く、ぐんっ、と一番奥に七瀬さんの拳を感じた瞬間。
「うああああっ!はあああああぁぁぁ…っ!!」
わたしは叫び声を上げながら、大きな波に呑まれていった…。

「はあっ、はあっ、はあっ…」
肩で息をしていると、ずるり、と七瀬さんの腕がわたしの膣から抜かれる。
「…なんか、すごいこと、しちゃった…」
七瀬さんがわたしの愛液でぬらぬらと光っている自分の腕を見ながら呆然としたようにつぶやく。
「ううっ、ひどいよ、七瀬さん…」
「ごめんね…でも、すっごく感じてたね、瑞佳」
「うーっ…恥ずかしいよ…」
「なんか男の子の気持ちが少し分かった気がするわ…感じてくれるの、嬉しかったもの」
「わたしは…やっぱり恥ずかしかったよ…」
ちゅっ。
七瀬さんの唇が、わたしのに重なる。わたしは反射的に舌を差し入れながら、彼女の身体を
抱きしめて、お尻のほうからあそこに手を伸ばす。
「ひゃあっ!だ、だめっ…!」
そこは、すごく濡れていた。そりゃそうだよね…。
わたしは自分だけ満足していたことが、急に恥ずかしくなって、思わず中に指を沈めて行く。
「あっ、あっ…ねえ、今は…あんっ…これ以上ここにいたら、貧血になっちゃう…から…」
言われた途端、くらあ…と立ちくらみのような感覚がわたしを襲う。
「ほ、ほんとだ…」
「ね。だから、部屋に戻って…あの…」
「うん。今度はわたしが七瀬さんをイかせてあげるよ」
わたしたちは急いで身体を洗うと、裸の身体にバスタオルだけを巻きつけ、部屋へ駆けこんだ。
339Summer Tour続き:2000/07/20(木) 00:23

蛍光灯が白い光を放つ部屋の中で、わたしたちはバスタオルを取り去り、重なるように布団へと
倒れこむ。わたしが上になり、七瀬さんにキスをしながら、上半身を起こしてじっくりと彼女の
身体を観察する。
「み、瑞佳っ…あの…電気、消さない?」
「だめ。消さない」
よく考えたら、こんなに間近で同年代の女の子の裸を見るのって、初めてだ。
せっかくの機会だから、明るいところでよく観察したい。
すらりとしたスレンダーな手足。くっきりと弧を描くウェストのライン。
大きくもなく、小さくもない形のいい乳房の上には、つんと尖ったさくらんぼのような乳首。
その乳首を口に含んで、甘く噛んだり、舌で転がしたりすると、七瀬さんはせつなそうな吐息を
もらして腰をもぞもぞと動かす。
わたしは自分の膝で七瀬さんの閉じられた脚をこじ開け、彼女の膝の後ろを掴んで、膝を胸に
押しつける。あそこが天井を向いて、濡れているのもはっきりと見える。
「あ、やだっ…やめて、瑞佳!丸見えになっちゃうっ!」
「だって、よく見たいんだもん。お尻の穴まで丸見えだよ」
「やだあああっ!!」
よほど恥ずかしいのか、脚をじたばたと動かして暴れる。
「うーっ、ずるいよ、七瀬さん。わたしのはさっきじっくり見たくせに…」
「あーん!お尻の穴までは見てなかったわよおっ!」
…なんて会話をしてるんだろう、わたしたちって。
「もう…あんまり暴れるんなら、縛っちゃうから」
「え…えええええっ!?」
あ、我ながらいい考えかも。
「そうだよ。縛っちゃおうっと」
「ちょ、ちょっと瑞佳っ…」
わたしはごそごそとバッグからフェイスタオルを取り出す。
「ほ、本気っ?」
「だいじょうぶ、タオルだから痛くないよ」
「でもっ…わあっ!」
わたしは七瀬さんの両手を掴むと、バンザイのような格好で頭の上に挙げさせておいて
両手首をタオルで縛る。
「うふふ、七瀬さん、抵抗しないの?」
「ば、ばかっ…」
わたしも七瀬さんも、なんだか今日は少し変になっていた。
《縛る》という思いつきに、ふたりとも異様に興奮していた。
「ねえ、七瀬さん。ついでだから、目隠しなんかもしちゃおっか」
「はあっ…もう、なんでもしてよ…」
あきらめた…というより、呆れてるのかな。七瀬さんは溜息まじりに答える。
わたしはもう一枚タオルを出して、それで目隠しをする。

「うふふ。じゃあ、可愛がってあげるね」
さっきのように、脚を持ち上げて、七瀬さんのあそこがよく見えるようにする。
あれ?なんか、さっきより濡れてるような気がする。
「ねえ、縛られて、感じてるのかな。すっごく濡れてるよ」
わたしはそう言いながら、どんどん蜜を溢れさせている穴の中に指を入れる。
「んんっ…!はあ…っ」
目隠しされて見えていないことが安心させるのか、七瀬さんの脚を大きく広げても
もう恥ずかしがっていないようだ。その部分を指で開いて、観察する。
「へえ…こんななんだね」
自分のだってこんな風に見たことはないから、すごく不思議。
なんだかグロテスクな色と形だなあと思いながら、わたしはさっき七瀬さんがやったように、
1本ずつ指を増やしていくことにした。
まず2本。楽に入った。
「ん…あんっ…」
3本。…ちょっとキツイ感じ。
しばらく出し入れして、膣が馴染むのを待つ。
「あくっ…や…はあっ…ああんっ!」
七瀬さんが腰を動かし始めた。大丈夫そう。
わたしは指を4本重ねるようにして、ゆっくりと入れはじめる。
「うっ…!い、痛い痛い痛い痛い〜〜〜っ!!」
あ、あれ?
「み、瑞佳っ、ほんとに痛いよぉっ!お、お願いだから抜いてぇっ!」
七瀬さんは脚をじたばたと動かす。どうやら本気で痛がってるらしい。
「うーん…これじゃ腕は入らないねえ…」
「は、入るわけないよおっ!!」
「むー」
なによう。わたしが、ガバガバな女みたいじゃない。

(今日はここまで。なんか趣旨が変わってきてるような…
最終的にはいっぱい修正してしまいそうな気がするぞー)
340香里の部活#3:2000/07/20(木) 07:59
「…で、MMRの設立の経緯はともかく普段はどんな活動をしてるんだ?」
「部室の前にあるポストにこの生徒の皆からもたらされる貴重な報告を分析し、
場合によってはあたし達自らが調査に赴くのよ。」
「香里…かっこいいよ。」
「それじゃ、ジュブナイル小説によくある探偵クラブじゃないのか?」
「最初はしょうがないわ。でも、そのうち一大組織になる予定よ。そして計画の第1歩として
名雪と祐一君を我がMMRに迎えたのよ。」
「ということは、部員って香里と栞の二人だけなのか?」
「そうなんですよ、祐一さん。一人じゃお姉ちゃんの人使いの荒さには耐えられそうに
なかったので、私うれしいです。」
「…あ、俺、急用を思い出した。悪いけど帰らせてもらうぜ。」
「わ、わたしも部活があるんで失礼するよ。」
「二人とも待ちなさい。この部屋に入った以上ただでは返さないわ。祐一君、この前、
宿題うつさせて上げたの誰だったかしら?あの時確かうつさせてくれるのなら何でも
言うこと聞くって言ったはずよ。確かその前にも…名雪も当分陸上部はお休みのはずよ。
部員は全員あたしが陸上部のスポーツドリンクに混ぜておいた例のじゃむでせいで当分運動なんか
出来ないはずよ。名雪は耐性がちょっとはあるから平気なはずだけど。」
「香里…酷いよ…。」
「くっ、この卑怯者…。」
「卑怯者…誉め言葉と受け取っておくわね。」
「それじゃあ、祐一さんと名雪さん、この投書を見てください。」
341セールスマンマルチ:2000/07/20(木) 15:10
 テストが終わって数日後、長瀬主任がわたしに質問してきました。
「どうだったいマルチ、学校では」
「はいっ。パシリに使われたり、校門で挨拶しても無視されたりしてたですー。えへへ」
「はあぁ…」
 ため息をついた主任さんは、某ドラマCD『Piece of Heart』を取り出します。
「感情豊かなマルチがクラスメートに冷遇され、感情に乏しいセリオがクラスメートから
卒業証書をもらい『仰げば尊し』まで歌ってもらえたのは、一体どういうわけなんだろう」
「黒田洋介ってまともに東鳩プレイしてないんじゃないですか?」
「‥‥‥‥」
「はわわー! 冗談ですー、リヴァイアスの最終回がクソだったことなんて全然気にして
ないですー!」
「…とにかくだねぇ」
 ごほんと咳払いする主任さん。
「一般生徒にあまり受けが良くなかったし、HMX−12は心を外して廉価版になんて話
も社内で出てるんだよ。このままでは…」
「わ、わたしの妹たちは発売されないんですかっ?」
「売れそうにないものは売ってはもらえなくてねぇ。そこでだマルチ。君、もう一度学校
に行って契約を取ってきなさい」
「へ?」
「売れることさえ証明されれば上を説得できる」
 皆さんの財布の中身を思い出して、わたしはぶんぶんと頭を振ります。
「む、無理ですよぅ。高校生にメイドロボなんて買えるわけないじゃないですかぁ」
「別に買うのはいつでもいい。将来的に出せば売れるという、保証がほしいんだよ。そう
だな…10人もいれば発売にこぎつけられるだろう。それじゃよろしく頼むよ」
「は、はぁ…」
 うーん、大変なことになりました。そうだ、寺女で受けが良かったセリオさんに相談し
てみましょう。今は綾香さんの家にいるはずです。
「もしもし、セリオさんですかー? 実はかくかくしかじかですー」
『――そうですね。無表情の中でたまに見える感情の揺れが、私の人気の要因と分析され
ます』
「は、はぁー。それでわたしはどうすればー」
『セリオー。そろそろ学校行くわよー』
『――了解しました綾香様。マルチさん、まあせいぜい頑張ってください』(フッ)
 プツン。
 ‥‥‥‥。
「主任さぁぁぁん!」
「なんだいマルチ」
「セリオさんが『フッ』とか言って小馬鹿にしたように笑いましたぁぁぁ!」
「何を言ってるんだい、セリオがそんなことするわけないだろう。それよりそろそろ準備
しなさい」
 あうう。あんのクソロボ、猫かぶって寺女生徒の歓心をゲットしたんですねー!?
 しかしわたしの方がお姉さんです! セリオさんには負けませんー!
「それじゃ行ってきます、主任さんっ!」
「張り切ってるねぇ」

 と、意気込んで学校まで来たのですが…
「おはようございまーす」
「おはようございまーす」
 ううっ、今日も皆さん見向きもしないで通り過ぎます…。
 浩之さん以外の皆さんは、どうしてこんなに冷たいんでしょう。
 やはり買い物を頼まれてお釣りをなくしたり、宿題を頼まれて答えを全部間違ったり、
PCの操作を頼まれてうっかり全HDを消去したのがまずかったんでしょうか…。
 いや、過去のことは忘れましょう! わたしは前向きなやつですー!
「おはようございまーす」
「おはようございます、マルチさん」
 ああっ、初めて返事が返ってきました。松原葵さんです。
 この人なら買ってくれるかもしれません。しょせんわたしの色違いキャラです。
「葵さん、メイドロボ購入の予定はないですか?」
「あ、私必要ないです。自分のことは自分でできますから」
 そんなあっさり…。
「やはりロボットなんかに頼ったら人間ダメになりますよね! じゃ、私トレーニングに
行ってきます」
「目からビーム!!」
「ぎゃぁぁぁ!!」
 ふぅ、資本主義の敵を一人退治したですー。人間が楽をしようとしてこそ技術は発展す
るですー。
 やはり浩之さんでないと駄目そうですね。探しましょう、浩之さ〜ん!
342セールスマンマルチ:2000/07/20(木) 15:11
「なんだそんなことか。もちろん、大学入ったらバイトして買ってやるぜ」
 浩之さんはサワヤカにそう言ってくれました。
「うううっ、ありがとうございます〜。そう言ってくれるのは浩之さんだけです〜」
「泣くなって、大袈裟なヤツだな」(なでなで)
「あっ…」
 頭をなでられて、目がとろ〜んとしてきた時でした。
「ちょーっと待ったぁ!」
 対抗するように、志保さんが割り込みます。
「もちろんこのあたしもいずれは買うわよ」
「ほ、ほんとですかっ!?」
「最先端のメイドロボは、この志保ちゃんにこそふさわしいのよ〜」
「新発売の物には何でも手を出して失敗するタイプだな、オメーは」
「なによ、ムッカつくわねぇ」
 一気に2人ゲットですー。ここはもう一押しです。
「あのぅ、あかりさんはいかがですか?」
「え? うーん、メイドロボがいるとお嫁さんの仕事全部取られちゃいそうだね」
「はうう…」
「あ、で、でもマルチちゃんならいいよ。一緒にいると楽しそうだもん」
 ううっ、皆さんいい方ばかりです。わたしは感激のあまり、目と鼻からきれいな水を流
しました。
「でもさ、マルチちゃん」
 しかし雅史さんが冷静にツッコミます。
「君の値段って外車と同じくらいするんだよね?」
「はいっ! 勉強して100万円台には押さえてみせます!」
 しーーん
「すまんマルチ、少し考えさせてくれ」
「浩之さんっ!?」(ガーン)
「たかが楽しい生活にその額はちょっとね…」
「100万あれば半年は遊んで暮らせるわよ…」
「ま、待ってくださいー! 月賦でいいです! 粗品もつけますからぁ! あああ〜」
 去っていく3人の背中を見送りながら、わたしはがっくりとその場に崩れ落ちました。
「まぁ、AIBOも100万だったら誰も買わなかったろうしね…」
「ううぅ、そりゃ愛玩品としては高いかもしれませんが、癒し効果で人生明るくなるなら
安いもんじゃないですかぁ」
「なら不幸背負ってる人の方がいいんじゃない? 琴音ちゃんとか」
「雅史さん、笑顔で酷いこと言ってます」
「なんだいポンコツ? 僕のせっかくの情報を無にする気かい?」
「すすすすびばせぇん! それじゃそうしてみますぅ!」
 逃げるように1年生の廊下へと行くわたし。きょろきょろと周囲を探します。あ、いま
した。
「待ってください〜! 不幸背負ってる琴音さーん!」
「(キッ!)」
 パリーーン!!
 はわわわわわわわ。
 粉々になったガラスの向こうから、目をらんらんと光らせた琴音さんがゆっくりと近づ
いてきました。
「そんなに滅殺がお望みですか、マルチちゃん…?」
「ととととんでもありませぇぇぇん! わ、わたし、琴音さんの人生を明るくしようと
思って…」
「え…?」
 よっぽど人生に疲れてるのか、あっさり引っかかる琴音さんです。
「わたし、琴音さんのお役に立ちたいです。琴音さんの喜ぶ顔が見たいんですっ」
「ほ、本当ですか? 他の人みたいに、私の陰口言ったりしませんか…?」
「は、はいっ! 根暗とか計算高いとかカニバサミ女とかは口が裂けても言いませんー!」
「‥‥‥」
 グギゴギガギ
 変な音がしたかと思うと、わたしの視界が変わっていました。
「ああっ! なぜか首が180度回転してますぅー!
 琴音さん! 直してから行ってください、琴音さーーん!!」
343セールスマンマルチ:2000/07/20(木) 15:13
 首は通りすがりの委員長さんが直してくれましたが、セールスの方はなかなかうまく進
みません。
「お願いします、買ってくださいぃ」
「間に合うとるよ」
「洗剤つけますからぁ」
「しつこいやっちゃなっ! いい加減にせんとケリ入れるでっ!」
「はうう」
 やっぱりわたしってダメロボットですね…。セリオさんの足下にも及びません…。
「ぐすっ…ひっく…」
 階段の隅で一人で泣いていると、不意に頭に手が置かれました。
「あ…」
(なでなで)
 顔を上げると、黒マントに黒帽子をかぶった女の人が。
「せ、芹香さん…」
(こくこく)
「うわ〜〜ん、芹香さぁぁぁんっ!」
 緊張の糸が切れたように、芹香さんの胸で泣きじゃくるわたし。何も言わず頭をなでて
くれる芹香さんに、わたしは事情を話します。
「やっぱり世の中は不景気なんですねぇ…。え? 100万円なら今月の小遣いで買える?」
(こくこく)
「さ、さすがは芹香さんですぅ! それじゃこの契約書にサインを…」
(ふるふる)
「え? 身内特権で横流ししてもらうからいい? それじゃうちの儲けになりませぇぇぇん!」
「‥‥‥」
「は? 身内が作ったものに定価を払うバカがどこにいる? はぁ、正論ですねぇ…。…あうう」
「‥‥‥」
 さすがに哀れになったのか、芹香さんはひとつ助言を与えてくれました。
「相手の危機感を煽るといい? 私もそうやって壺を売りつけました? 誰に売ったのか
聞くのが怖いですが、わかりました、そうしてみますー」
 さっそく廊下に飛び出して、大声で叫びます。
「みなさん、来栖川は大企業ですー! わたしが売れずに倒産したら雇用不安が起きますー!」
「なんだなんだ」
「そうなると税金を投入して救済ですー! それを防ぐためにも、ぜひわたしをお買いあげ…」
「ふざけるなこの野郎!」
「国民の敵!」
「ああっ逆効果ですー!」
 すっかり顧客の信用を失ったわたしは、石を投げられながらほうほうの体で校舎の外へ
逃げ出しました。
 あうう、もうダメです…。契約数ゼロ。わたしの未来は絶たれました…。
 世をはかなんで天を仰ぐわたし。そこへとつぜん、明るい声がかかりました。
「ヘイ、マルーチ! そんな顔してたら売れるものも売れないヨ!」
「あ、レミィさん…」
「OK、何も言わないで。ワタシの家も金持ちネ。買ってあげマース!」
「えええっ!?」
 勝手に転がり込んできた幸運に、思わず耳センサーを疑ってしまいます。
「い、いいんですかレミィさん? だ、だって100万…」
「Don't Worry! たぶんマルチが発売される頃には、うちのマギーも買い換え時になっ
てるノ。どうせ買うならマルチが一番だものネ」
「あ、あ、ありがとうございますぅぅぅっ! レミィさんは神様ですぅぅぅっ!」
「気にしないネ! ワタシも動くターゲットができて嬉しいデース!」

 ‥‥‥‥。

「アメリカンジョーク!」(HAHAHAHAHA)
「冗談に聞こえませぇぇぇん!!」
「嫌なら別にいいヨ」
「あああああっ」
 売れずにスクラップか、売れてハンティングの的かの二者択一ですかーっ!?
 しかし背に腹はかえられません。私は契約書を取り出すと、レミィさんの名前を書いて
もらいました。
「それじゃ発売を楽しみにしてマース! Bye-Bye!」
「あ、ありがとうございました〜…」
 はうう、ごめんなさいわたしの妹たち。といっても発売されるかも怪しいですけど…。
「…なんかもう、どーでもよくなりましたぁ…」
 気が抜けてふらふらと帰ろうとするわたし。が、
 ドン
 いきなり走ってきた人にぶつかってしまいます。
344セールスマンマルチ:2000/07/20(木) 15:14
「あううっ」
「ご、ごめんなさ〜いっ、私ったらそそっかしくて…。あっ、マルチちゃんだぁ」
「り、理緒さんっ」
 どうせ買えないだろうと思って、今日一日視界から外していた理緒さんです。
「あの、ダメ元で言ってみますけど、実はこれこれこういう事情でしてー」
「ひゃくまんえん? 何それ、おいしい?」
 わかってました。わかってましたぁー!
「よくわかんないけど、マルチちゃんも大変なんだね」
「はうう、優しいお言葉ありがとうございます…。けどもうダメみたいです…」
「…ねえ、マルチちゃん。うちにおいでよ!」
「え?」
 きょとんとするわたしの手を、理緒さんがしっかと握りました。
「そんな研究所になんて帰る必要ないよ! 2人でバイトすれば、何とか暮らしていけ
るよ。ね?」
「理緒さん…」
 そうですね。妹たちも作られそうにない今、研究所に戻る意味なんてないのかもしれ
ません。
 でも…
 わたしはそっと、理緒さんの手を外しました。
「ごめんなさい…。お気持ちは本当に嬉しかったです」
「マ、マルチちゃんはそれでいいの? 辛くないの?」
「わたし、ロボットですから」
 せいいっぱい、わたしは笑顔を作ります。
「ロボットだから、平気です。ロボットには人権がありませんから。
 進路も自由もなくて、あるのは商品価値だけなんです」
「それってむちゃくちゃ救いがないね…」
「はっきり言わないでくださいよぅ…」
 再び落ち込むわたしに、必死でフォローを入れる理緒さん。
「ま、まあまあ。頑張ればきっといいことがあるよ! 私が言っても説得力ないけど」
「全然ないですね」
「‥‥‥」
「はわわ! 冗談です、理緒さんの言うとおりです!」
 そうですね、ダメロボットでも、せめて笑顔は忘れないようにしないと…。
「ありがとうございました、理緒さん」
「うん、マルチちゃんも元気でね」
 理緒さんと学校に別れを告げ、わたしは胸を張って歩き出しました。

 そして来栖川エレクトロニクスの研究所では…
「やあ、お帰りマルチ。その顔だとうまくいったようだね」
「はいっ! 1人だけ契約を取ってきました。あとの9人はまけてください」
「まかるかーー!!」
 こうして心を持ったロボットの発売はお蔵入りとなりました。えぐえぐ。
 HMX−12は感情を外した廉価版の販売となり、わたしはデータだけ保存して倉庫
行き…ですかねぇ。
「いや、実はすでに相当の予算をつぎこんでいてね。そこで少しでも開発費を回収する
ために…」
「ために?」
「君はヤフオクに出されることになった」
「救いがありませぇぇぇぇん!!」
「なにしろ世界に1体だからね。うまく釣り上げれば数千万は行くと思うよ。それじゃ
よろしく頼むよ」
「に…人間なんて……」
 こうしてすっかり人間不信になったわたしは、研究所の奥で恨めしげにオークションの
推移を見守っているのでした。
 い、いつかみんな呪ってやるですー。はうう…。


 その頃、自室でヤフーを見ていた綾香は…
「ったく、研究所の連中も何考えてんだか…。ん、なにセリオ? 落札してほしいの?」
「――はい。綾香様さえご迷惑でなければ」
「あんたの頼みなら迷惑のわけないわよ。セバスー! 銀行呼んでー!」
「(これで私に頭が上がりませんね、マルチさん)」(フッ)
345名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/21(金) 08:30
止まっちゃったね・・・
続きキボーン
mio_2chさんの文章に本当に惚れました。
応援させてください。
mio_2chさんのSSはキャラクターの特徴を良くつかんでいて、
すっごくうまいと思います。
Summer Tourの続き期待してます。
347名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/21(金) 21:08
おいおい、L&K板のSS作家達ってレベル高すぎねえか?
歴戦の強者が過去の栄光を捨てて「名無しさん」の名の下に投稿しているのか?

いや、こんなに面白いSS久しぶりだし次の掲載・新連載が待ち遠しいぞ。
マイペースで、頑張って!!
age
超同意です。客観的に見て文章のレベルが高いです。
これだけでもここに来る甲斐があるですよ。漏れも書こうかな〜
349名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/21(金) 21:25
是非書きなさい。
SS書くようになるきっかけって、他の人に触発させられて「俺も書いてみたい」ってのは多いんですかね?
俺も触発されて、以前「折原君に聞け!」スレッドでダラダラ書いてた、こみパの連載質問を
ここでSS化して書いてみようかな、何て考えてます。
つっても、自分でも流れ忘れてるんですよね。確認しなきゃ。
351名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/21(金) 22:46
「セールスマンマルチ」おもろい♪
ギャグのテンポがいいなー。
特に琴音編が最高だ。か、カニバサミ女か・・・(笑)

352名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/21(金) 22:52
mio_2chさんもこれだけ盛況だと回収が大変でしょうね〜。
回収してくれると読みやすいので頑張ってください。
書いている人達もサイトに収録されると嬉しいでしょうし。

353名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/21(金) 23:25
一気に読めた。ふぇぇぇ、おもしれェェェ。
「Summer Tour」はどこまで凄いことになるか見ものだな。
「セールスマンマルチ」もギャグテンポお見事。
ここのところ低調だったToHeartのネタを使ってくれたことが、
俺的に非常に嬉しかった(黒田はトライガンだけ書いてりゃ良し!!)。
両方ともゲームのキャラを崩さず、うまいことまとめてるよ。
いいもの見せて貰ったぜフッAge
354mio_2ch@SS回収屋:2000/07/22(土) 00:18
げふー。酔っ払ってます。今日は書けませんです・・・
応援・感想ありがとうございまふー。がんばりまふ。まふ。

正直、盛況なのは嬉しいでふ。みんな面白いし。回収にはやや時間がかかるかも
しれませんがちゃんと回収しますので、温かい目で見守ってやってください。
(かのん、おね関係はそれぞれのSS−Linksに自動的に登録される特典つき)
あ、もし回収し忘れとかあったら教えてください(他力本願)

SS書くきっかけって、自分はここの旧楓スレと栞スレ読んだことっすよ。
それまでSSってものの存在すら知らなかったほどの素人っす・・・わははは。
>SS書くきっかけって、自分はここの旧楓スレと栞スレ読んだことっすよ。
GUY吉さんや、早朝妄想さんのあのSSもショーゲキテキだったなあ・・。
356OVA:2000/07/22(土) 00:44
自分の書いたSSを収録してもらえるのは嬉しいですよ。
自分でHP立ちあげたりするほどの知識も時間もないし(^^;
mio_2chさんに感謝ですぅ!!
回収してもらえるかな〜って思って書いたのが『罪と罰』なんで。
mio_2chさんがSS回収を始めなければアレは書きません
でした。
ちにみに最初は名無しさんのハンドルで真琴の死体が挽かれるS
Sと舞が教師を刺殺してパクられるのがOVAの書いた初期Ka
nonSSです。
本気で書いたのはあゆSSだけなんですけどね(^^;
新作のためになにかネタが欲しい...。
357香里の部活#4:2000/07/22(土) 08:03
「ちょっと待て俺はまだ…」
「祐一、もう諦めようよ。」
「それが賢明ね。これは我がMMRに寄せられた投書のうちで特に興味深いものよ。それじゃ読むわね。」
『あははーっ、匿名で失礼します―っ。実はs祐理の親友の川澄舞がどうやら深夜の学校で
何かしているらしいのですーっ。今まではs祐理の父の力で色々な問題もごまかしてきましたが
そろそろ限界です―っ。親友が退学になるのは嫌なので何とかしてください―っ』
「……これは…。」
「倉田先輩だよね…。」
「…何でこんな所に相談するのだろう。あの人の考えている事は解からないぜ。」
「きっと当てにはしてないけど、一応…ということなんだろうね。」
「私もそう思うんですけど、お姉ちゃんはすっかりその気に…」
「栞…何言ってるの?この件を解決すれば、我がMMRも箔がつくというものよ。
それに…彼女はMMRの後ろ盾としては最適だわ。じゃあ、3人とも今夜8時校門に集合よ。」
「もう何を言っても無駄なんだろうな…。」
「よくわかってるじゃない。じゃあ、今夜忘れないでね。もし来なかったら…。」
「祐一さんも、名雪さんも私を見捨てたりしませんよね?」
「栞ちゃん…わたし頑張るよ。」
「それじゃこれで解散。また今夜ね。」
358Summer Tour続き:2000/07/22(土) 14:27

「七瀬さんはわたしの締まりが悪いっていうんだね?」
「ち、ちが…そういうことじゃなくて…」
「そんなひどいこという七瀬さんにはこうしてやるもん」
つぷ。
「ぎゃ・・・!」
「ほらほら、お尻の穴に指がはいっちゃったよ〜」
「いやああっ!そんなとこ…はあっ!痛いようっ…」
わたしはお尻の穴に入れた人差し指を、中でぐにぐにと動かす。
「うああっ!やだあっ!やめてえっ!」
「あれ?変だよ〜、どんどん濡れてくるよ〜。なんでかな?」
言いながらわたしは親指を膣に沈める。
「ひい…っ!だ、だめえっ…あ、あああっ!いやあ…」
「はい、指と指が中でこんにちわ〜」
膣と腸の間の壁を指で挟みこんで、ぐりぐり刺激すると七瀬さんの腰がびくん、と跳ねる。
「やあああっ!あああ…い、や…はあぁん…」
二つの穴を同時に指で責めながら、わたしは完全に包皮が剥けて真っ赤にぷくんと
膨らんだクリトリスを唇でついばむ。
「きゃんっ!?ひゃ…ああ…っ!!や…そこっ…だめ…あ、くぅ…」
目隠しのせいで次にされることが予想できないからか、反応が大きくて面白い。
どんどん七瀬さんの息が荒くなり、腰が動き出す。感じてるみたい。
…そういえば、七瀬さんのここって、いつもは浩平の…が……だよね…。
突然そんなことに思い至って、わたしの心臓の鼓動が早くなる。
これって、間接キス…なのかな。
頭がクラクラして、わたしは自分が何をしているのか分からなくなってくる。
わたしは七瀬さんのその部分に舌を這わせながら、かつてそこにあったはずの浩平の
唇や舌やペニスにそうしているようで、自分が浩平になって七瀬さんを抱いているよう
でもある、奇妙な興奮を感じていた。
自分でもよく分からない混乱した感覚のまま、わたしは七瀬さんの膣と腸がひくひくと
蠢くのを指で感じながら、さらにクリトリスを舐めあげる。
「んん…あ、はあんっ…や…いいの…そこ、いい…はあ、もっと…」
いっそう早くなった呼吸と、きつくなった締め付けから、絶頂まであと少しと判断したわたしは
クリトリスを唇に含むと思いきり吸う。
ちゅうううううっ。
「はあああああっ!いやあっ…イクっ、イっちゃうっ…あはあぁんっ!」
七瀬さんの全身が激しく痙攣し、強く締め付ける膣からは大量の愛液がとろりと流れ出した。
359Summer Tour続き:2000/07/22(土) 14:28

「はあっ、はあっ、はあっ…」
わたしは荒い息をしている七瀬さんの目隠しをそっと取り去る。
目尻に涙がにじんでいる。…可愛い。
思わずそこにキスをしながら涙を吸ってあげると、七瀬さんがわたしに抱きついてくる。
まるで、溺れそうになって無我夢中で何かにすがりつくように、わたしを求めてくる
七瀬さんを、わたしは心から愛しいと思いはじめていた。
わたしは彼女の手かせを一旦解いて、上半身を起こして座らせる。
従順な目でわたしを見つめる七瀬さんの唇にキスをして舌を絡めながら、彼女の手を
今度は背中の方に回して、またタオルでそっと縛る。
「一緒に、もっと気持ちよくなろうね、七瀬さん」
わたしは向かい合わせに脚を開いて座った形で、脚を交差させてあそこを密着させる。
「あは…あっ…」
くちゃっ…粘膜同士が湿った音を立てて張りつく。
七瀬さんのくびれた腰をきつく抱いて、胸とあそこを強く押しつけあって、小刻みに動かす。
固く尖って敏感になった乳首や愛液でもどかしくすべるクリトリスを、お互いに擦りあうと
眩暈がするほど気持ちいい。
「ああっ、ああん、ああん、あー…」
くちゃっ、くちゃ…ぐちゃっ…
粘膜の擦れあう音だけが聞こえる中、七瀬さんは唇からよだれを垂れ流しながら、
朦朧とした様子で腰を動かし、喘ぎ続ける。

…その時にはもう、わたしはその視線に気付いていた。
だけど、見られていることはわたしを更に倒錯した悦楽へと導いて行くだけだった。
わたしは七瀬さんを犯しながら、七瀬さんの中にある浩平の残滓に胸を焦がし、
視姦されていることを自覚しつつ、ひたすら快感を貪り続けていた。
360Summer Tour続き:2000/07/22(土) 14:29

6.住井と瑞佳

目の前のわずか1cmほどの隙間から見えるのは、信じられないほど扇情的な光景。
瑞佳はすでに俺が覗いていることを知っているようだ。
俺にその行為がよく見えるように、わざわざ途中で身体の位置を変えて抱き合っている。
瑞佳の愉楽に染まった目が、まるでもっと見て欲しいとでも言うようにこちらを見つめる
と、心臓がしめつけられるようにドキドキする。

さっき瑞佳に、拒絶するように扉を閉められた後、俺と折原は言葉もなく座り込んだまま
動けなかった。でも俺は、七瀬さんはともかく、瑞佳は本気で怒ったりはしていないと
確信していた。
どれくらい時間がたったのだろう。ラジカセの音楽は、いつのまにか止んでいた。
不意に俺達の耳に、甘い喘ぎ声や短い叫びが届いた。
(まったく、しょうがないな、瑞佳は…)
俺は心の中で苦笑する。基本的に瑞佳にとっては、折原以外の相手は誰でも同じこと
なんだろう。それが男だろうが、女だろうが。
俺はそっと部屋の扉を開けて、外に出る。折原が小声で制する。
「おい、なにする気だ」
「決まってるだろ。こんないいもの覗かずにいられるか」
「やめろって、見つかったら最悪だろ」
「それはお互いさまじゃないか?この場合」
彼氏と旅行に来ていながら女同士でスルっていうのも大概ムチャだ。
俺はそっと向こうの部屋に近づく。
気付かれる心配もないんじゃないかと思うほど、行為に没頭しているような激しい
喘ぎがもれるその部屋の扉を、それでも細心の注意を払ってほんの少し開ける。
電気はつけたままだ。これなら気付かれにくいだろう。俺は目の前で繰り広げられる
女の子同士による激しい行為に目を奪われていった…。

扉の隙間越しに、瑞佳と見詰め合いながら、俺はどうしようもなく感情が昂ぶって
くるのを抑えられずに、ジッパーを下して痛いほど勃起した自分のモノを出す。
「!?」
折原が俺のシャツを引っ張る。止めさせたいんだろう。
俺は構わず、荒くなる呼吸を最低限に抑えるよう注意しながら、ゆっくりと手で
擦り始める。思わず閉じてしまった目を再び開けると、欲情に濡れた瑞佳の目が
俺を見つめているのに気付く。
(…変態かな、俺達)
(…そうだね)
目でそんな会話をしながら、こんな離れた場所で、一緒に昇りつめていく。
別にいいよ、変態で。俺は、瑞佳と一緒にイきたいと願いながら、激しく揺れる
女の子達の胸や腰を眺め、可愛い喘ぎ声の二重唱を聞きつつ、手の動きを
早める。
「あああっ、イっちゃうっ!イっちゃう!イクうぅぅぅぅっ!!」
「はあんっ、わたしもっ…もう…あ、イク…っ!」
その声を聞きながら、俺も扉に向かって白濁した精を撒き散らした。

急に静けさが訪れた。虫の鳴き声がどこからか聞こえてくる。
瑞佳と七瀬は布団に倒れこむようにして、そのまま眠ってしまったようだ。
「…はあっ」
俺が一物を掴んだまましばらく放心していると、呆れた顔の折原がティッシュを
投げて寄越す。俺はそれで扉についた精液と自分のモノを拭く。
部屋に戻って、憮然とした顔の折原に言う。
「バカだなー、なんで見なかった?凄かったぜ」
「…オレには信じられねえよ。お前も、長森も、…七瀬も」
「はあ、そうですか…」
…まったく折原って奴は、自分が幸せだからって、鈍感な奴だよ。
361Summer Tour続き:2000/07/22(土) 17:47

「折原も早く寝ないと、明日つらいぜ」
出すものも出してすっきりした俺は、明日の運転もあるので、拗ねている折原を
放っておいてさっさと寝てしまう。

目覚めたのはまだ早朝だった。
見ると、折原も部屋の隅で座り込んだまま眠っているようだ。
起こさないようにそっと部屋を抜け出す。
昨日の夜あんなに淫靡な時間を過ごしたというのに、朝の風景は呆れるほど
さわやかだった。澄んだ空気、鳥のさえずり、明るい日差し。
俺は顔を洗うと、特に用事はないけど外に出てみる。
ぶらぶらと散歩していると、まだ6時前だというのにすでに活動を始めている
人たちを沢山見かけた。
「…吐き気がするほど健康的だぜ」
後ろでくすっと笑い声がして、振り向くと瑞佳が立っていた。

「凄い形容詞だね、それ」
「ああ…俺達にこれほどふさわしくない場所もそうないよな」
瑞佳が隣に並んで俺の手を握る。
「昨日のあれ…やっぱり、ひどかったと思うよ」
「でも瑞佳は本当は怒ってないだろ?」
「わたしはいいけど、七瀬さんが可哀想だよ…」
「…瑞佳はいいのか…」
「いいって言うか…だって、住井くん、わたしのこと怒ってるんでしょ?
だから、こんな事したんでしょ?」
俺は心底驚いて否定する。
「俺がなんで瑞佳のこと怒るんだよ」
「わたしがいつまでも浩平のことあきらめられないから…」
「それは違う」
「え?」
「俺は、瑞佳が幸せなら、それでいいんだ」
「…よくわからないよ」
「だから、瑞佳も1回くらい折原としたいかなー、と思ったんだよな。
まあ、俺が七瀬さんにも興味があったのも、ちょっと本当だけど」
「まさか、わたしのためなの?」
「いや、俺のためだよ。俺が、そうしたかったんだ」
自分で言って、照れてしまって俺は目をそらす。
瑞佳の手が、俺の顔をはさみこんで、自分の方を向かせる。
「…ばか、なんだから」
「うん。ばかだな。それに変態だし…」
言いかけた俺の口を瑞佳の唇が塞ぐ。
瑞佳の舌が口の中に入ってきて、俺の舌に絡みつく。
俺は幸福感でクラクラしながら、瑞佳を抱きしめる。
唇を離して瑞佳が言う。
「わたし、住井くんのことも好きだよ。多分、住井くんが思ってる以上に」
「…うん。ありがとう」

俺は、何がどうでも瑞佳を嫌いになんか、なれない。
たとえ瑞佳がどんなやつでも、憎んだりできないんだ。
むしろ俺が憎いのは、折原の方だ。
七瀬さんに夢中で、自分の幸せを周りに撒き散らして、瑞佳のせつない気持ちに
気付こうともしない。もちろん、俺の気持ちにだって。
そんな利己的な幸福は…壊れてしまえばいい。
幸せなんて、脆いものだと、そろそろ気付かせるべきなんだ。
362Summer Tour続き:2000/07/22(土) 17:48
7.浩平

オレ達は、特にやることもなく、気まずい状態のまま早々に帰る事にした。
帰りの車の中は、ほとんど拷問だった。
誰一人として話すことも、目を合わせることもない重苦しい空気の中で、
数時間を過ごさざるを得なかった。
街について、車を降りたときには、心の底からほっとしてしまった。

あの晩のオレ達の行為については、言い訳のしようもない。
魔が差したというには、あまりにもオレは確信的だったはずだ。
だからといって、オレが七瀬を愛していることに変わりはない。
今それを言っても七瀬が納得してくれるとは思えないが。
…少し時間が必要だ。
オレはしばらく七瀬から距離をおこうと思った。

− − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − −

…気がつくと、ぼくは空に浮かんで夕暮れの街を見ていた。
背中に悪寒が走った。
背後から、懐かしくて恐ろしい声が響く。
『言ったはずだよ。この世界は決して終わることがないって』
…でも、ぼくはもうこの世界とは決別したはずなんだ。
なのに、どうして…?

− − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − −

オレは汗だくになって目を覚ました。ショックで叫びだしそうだった。
布団をかぶっていても、身体の震えを止めることができなかった。
大丈夫…これは夢だ。単なる悪い夢に過ぎない。
オレは、確かに帰ってきたんだ。愛する七瀬がいる、この世界に。

− − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − −

空に浮かぶ白い雲。
気がつけば、それを見下ろす場所にぼくはいる。
『まだわからないんだね』
…なにが?
『大切な人との絆を自分から引きちぎったくせに』
それで、ぼくはまたこの世界に戻ってしまうというのか?
おかしいじゃないか。
ぼくは、確かに、自分の中にあった壁を乗り越えて、
自分の意志で、この世界と決別したはずだ。
『自分の意志だけでそうなったと思っているの?…おめでたいね』
突然、足元が崩れ落ちる。そして一切の光が消える。
真っ暗。真っ暗だ…。

− − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − −

オレは、ゆっくりと目を開ける。
自分の掌を顔の前に持ってきて、開いたり閉じたりしてみる。
まだ、大丈夫だ。オレは存在している。…今は。

…そう、多分、あれは夢などではないのだ。

オレは布団から起き上がる力さえなく、震えていた。
363Summer Tour続き:2000/07/22(土) 17:50
8.七瀬

あの旅行から帰ってきて以来、あたしは異常なほど仕事熱心になった。
だって、余計なことを何も考えたくなんかなかったから。
仕事が終わると、すぐ瑞佳に電話をして、二人で住井くんのアパートに向かう。
住井くんは浪人中で、勉強という名目で部屋を借りていて、現在一人暮らしだった。
あたしと瑞佳は、その住井くんの部屋を毎日のように借りては、愛欲に耽った。
瑞佳はあたしを受け入れてくれた。あたしも、相手が女の子だからか、不思議と罪悪感は全くなかった。
…でも本当は、単に感覚が麻痺していただけかもしれない。
とにかく、あたしは何かを考える時間を、自分に与えたくはなかったんだ。

最初の頃、あたしと瑞佳が愛し合っている間、住井くんは外に出て行った。
それが最近では部屋にいて、あたしたちの行為をじっと見ていることが多くなった。
あたしは初めは見られながらすることに戸惑っていたけど、すぐに慣れた。
部屋に入るとすぐに瑞佳があたしの服を脱がせながら、唇を合わせ、舌を絡めてくる。
「くふっ…ふあ…」
あたしも舌を瑞佳の口の中に深くさし入れながら、瑞佳の服を脱がせる。
住井くんは今日も黙ってあたしたちが全裸で抱き合うのを見ている。
「今日はね…新しい道具を用意してきたんだよ」
そういって瑞佳がかばんの中から取り出したのは、二本を繋げたような形のバイブと手錠だった。
「これは片方ずつお互いに入れて使うんだよ…これで二人一緒に楽しめるからね」
そういってバイブをいやらしい舌づかいで舐めまわす瑞佳。
それを見ているだけで、あたしの下半身は熱を帯びて蜜を滴らせはじめる。
瑞佳があたしの手首を頭の上に挙げさせて、ベッドのパイプを通して手錠をかける。
あたしは、もう、逃げられない…。このまま瑞佳がいなくなっても、自力で家に帰ることすらできない…。
その事実は、すでに、あたしの膣からより多くの蜜をあふれさせる為の材料にすぎなくなっている。
まだ何もされていないのに、シーツに染みが出来るほど濡らしているあたしを見て、瑞佳が微笑む。
「もう欲しくてたまらないみたいだね。すぐに入れてあげるからね」
瑞佳はあたしの足を大きく広げさせ、充分唾液がついたバイブをあたしの膣口にあてがう。
くちゃ…ずぷぷぷっ…
「ふぁ…っ!あぁ…いいっ…」
「すごく気持ち良さそうな顔だね、留美…可愛い…」
そう言うと、あたしの中に入ったバイブを出し入れし始める。
「あ、ひゃあっ…は…あああん!」
ぐちゃっ、ぐちゃっ、ぐちゃっ。
「ほら、留美。留美のエッチなあそこにバイブが出たり入ったりするのを、住井くんがじっと見てるよ」
「あああっ…いやあぁ…」
ぐちゅっ、じゅぷっ、じゅぷっ…
恥ずかしい…恥ずかしいのに、どうしてこんなに感じちゃうんだろう。
確かめるように薄目をあけて住井くんの顔を盗み見る。
本当に住井くんはベッドの端からあたしのあそこをじっと見つめている。
「あんっ…ああっ!はああっ!」
そんなはずないのに、彼の視線が突き刺さるような熱さで感じられて、恥ずかしさがあたしを更に
高みへと上らせて行く。
突然、瑞佳がバイブのスイッチを入れた。バイブが膣の中でうねるように動く。
「ひゃうっ!?…は、ああああぁぁっ!!」
あたしは思わず大きく腰を振りながら、身体を弓なりにのけぞらせてイってしまった。
364Summer Tour続き:2000/07/22(土) 20:20

ぶぅぅぅぅぅぅん…
それでもまだ低く唸りをあげるバイブは動きを止めない。
「はあああっ!だめぇっ…止めてぇ…!し、死んじゃうよぉっ!」
あたしの身体のあちこちが勝手に痙攣してビクビクと跳ねている。
息が上手くできない…ほんとに死んじゃいそう…でも。
瑞佳があたしの足を持ち上げ、自分の足と交差させながらバイブのあいている方を自分の中に
沈めていく。あたしの中に入っている側が、押されるようにしてあたしの深いところまで届く。
「ふああぁぁぁ…っ!!」
奥をえぐるようなバイブの動きに気が狂いそうになりながら、あたしはより大きな波が近づいて
くるのをうっすらと感じる。
気持ちいいのと怖いのがごちゃ混ぜになったような混乱した感覚の中で、あたしの腰は勝手に
動いて、さらに大きな絶頂へとあたしを導いていく。
「はあんっ…留美、留美、気持ちいい?」
あたしの腰の動きに合わせて瑞佳も腰を振っている。
ふたりのあそこは粘液の糸を引きながら、くっついたり、離れたりを繰り返す。
「あああっ、留美っ、奥まで届いてるよっ!すごい…はああっ!ふあ…っ」
あたしはもう瑞佳の声に答える余裕もなく、よだれを垂れ流しながら腰を振りつづける。
ぴと。
急に濡れた暖かいものが、あたしのクリトリスにはりついた。
「はああうっ!!」
いつのまにか住井くんが、二人の結合部に舌を這わせている。
あたしの膣はその衝撃で強く締まって、バイブの振動を深く感じてしまう。
「あっ、だ、だめっ…!もう、もうっ…」
あたしは住井くんの髪を掴んで、彼の顔をあそこに押し付けるようにしながら
一度目より更に大きな絶頂の波に呑まれていく…。

一瞬、頭が真っ白になって、自分がどこで何をしているのか分からなくなった。
気がついた時は、あたしは住井君の上で彼のモノを締め付けながら腰を振っていた。
あたしの向かいには住井君の顔の上に跨った瑞佳がいて、喘ぎながらあたしの腰や胸を
愛撫していた。瑞佳のあそこに住井君の舌が出たり入ったりしているのが見える。
頭がクラクラする。もう何も考えられない。ただ、快楽だけがあった。
瑞佳の唇があたしの唇に重なる。あたしは瑞佳を抱きしめ、お互いの乳首を擦りつけ
あいながら、もう何度目なのかわからない快感の渦に身を任せる。

いつものように、行為が終わると疲れた身体を引き摺るようにして、あたしは家へ帰る。
お母さんには仕事が忙しくて、なんて言い訳しながら、自分のベッドに倒れこみ、
ひたすら泥のように眠る。朝が来ると、また重い身体を引き摺って、出勤する。
会社が終わると、瑞佳に電話をして…。もうどれくらい同じことを繰り返しているのか
自分でも分からない。夕方の刹那の快楽だけが、今のあたしにとっての現実だった。

…疲れた。なんで、こんなこと、してたんだっけ。
あたしは何かを忘れたかったんだ。でも。

考えるだけの気力も、もうなかった。
あたしは、すでに何を忘れたかったのかさえ、忘れてしまっているような気がする…。

(はあ、大分話が進みました。このまま順調に行けば明日で終わらせられるかな)
365名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/22(土) 20:43
消えそうなのであげ
mio_2chさん応援中
長い、氏ね
長いらしいので回すぞゴルァ(゚д゚)
煤i ̄□ ̄; ハッ! 長すぎたのか…
もう少しまわすぜ!ъ( ゚ー^)
  ∧ ∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  (@`゚∀゚)< SS書き連中がんばれよ〜
 @_)  \________
mawashi
guruguru
mawashi owari(@_@)mega mawaru
 締め切られたカーテンの隙間から漏れる月明かりが、祐一を照らしていた。
 天井に取り付けられた蛍光灯は、今はその役目を果たしていない。
「祐一さん、起きて」
 何者かが、静かに寝息をたてる祐一の意識を呼び起こそうと、彼の身体を揺する。
「ううん・・・」
 鈍いあくびが、祐一の目覚めを周囲に知らせた。
「ようやくお目覚めね」
 秋子は、我が子を見守る母の面持ちで、祐一の眠けまなこを見つめた。
「秋子さん・・・?」
 祐一の視界に、秋子の笑顔が浮かび上がる。
「どうしたんです――」
 言いかけて、祐一は異変に気付いた。
 違和感から、宙に向けていた視線を自分の身体に落とすと、小さな悲鳴をあげた。
 彼は、一糸まとわぬ姿でベッドに背中を預けていた。
 慌てて起き上がろうとするが、手首に食い込む痛みが、祐一をベッドに押し戻す。
 彼の両手は、荒縄でベッドの脚に縛り付けられていたのだ。
 理解を超えた自分の有り様に、祐一は声を出すことが出来ないでいる。
「あ、秋子さん、これはどういう・・・」
 懸命に言葉を搾り出すも、あとが続かない。
 秋子は、要領をえない祐一の問いには答えず、ただ笑顔をたたえている。
 秋子の奥に人気を感じた祐一が目を凝らすと、彼女の娘らしき少女の姿があった。
「名雪?」
 祐一の認識が正しいことを示すように、名雪と呼ばれた少女は視線を伏せた。
「―――!」
 声なき叫びを発したのは、やはり祐一であった。
 恥ずかしそうに頬を赤らめる名雪。
 シルク製のブラジャーとパンティ、彼女の肌を覆うのはそれだけであった。
 随所に曲線を描く、しなやかな裸体が、月明かりに照らされて白く浮かび上がっている。
 祐一が視線の焦点を秋子に合わせると、彼女も娘と同じ姿をしていた。
「さあ、始めましょう」

 秋子は、祐一の両足をまたぐように両膝をベッドにつき、腰を落とす。
「秋子さん、何を・・・」
 黒い茂みからそそり立つ陰茎を、秋子は口の両端を吊り上げながら見つめた。
 秋子は、陰茎の付け根からぶら下がる袋に右手を伸ばすと、
 巧みな指使いで刺激を加え始めた。
「―――うっ」
 押し寄せる快楽の波に、祐一は弓なりに背をそらした。
「秋子さん、やめて下さい・・・」
 喘ぎを噛み殺しながら嘆願するが、秋子は、妖美な指の動きを止めようとはしない。
 緩やかな波と激しい波が交互に繰り返され、祐一の意識を恍惚の極みへと導く。
 下腹部に集まった血液が陰茎に流れ込むと、膨張し、硬度を増してゆく。
「名雪もやってごらんなさい」
 背後で息を呑んで見つめていた名雪に、秋子が視線を移した。
「うん・・・」
 名雪は秋子と入れ替わると、すくい上げるように袋を撫でた。
「くっ、名雪・・・」
「祐一、気持ちいい?」
 慣れていないのか、秋子と違い、指使いがたどたどしい。
 それでも、祐一の喘ぎが途絶えることはない。
 息遣いは荒く、陰茎の先端からは、ねっとりとした液体が顔をのぞかせ始めている。
「そればっかりじゃ、祐一さんも飽きちゃうわね」
 秋子は名雪の手をとると、充満した血液ではちきれそうな陰茎を掴ませた。
「祐一の、熱い・・・」
「ほら、こうやって」
 秋子の指示に合わせ、名雪の手首が上下の往復運動を始めた。
 掌と陰茎の摩擦が、祐一の射精感を高めてゆく。
「あら、もうこんなに・・・」
 陰茎を伝う、精液の細い線を認めた秋子は、悪戯な笑みを浮かべる。
 秋子は名雪と入れ替わると、下腹部に頭を垂れた。

「いい、名雪。お母さんのをよく見ておくのよ」
 暖かく湿り気を帯びた秋子の舌が、陰茎を滴る精液を舐めとった。
「ううっ・・・ああ・・・」
 陰茎を這う舌の感触に、祐一はだらしなく喘いだ。
 秋子の舌は、さらに陰茎の側部へと伸びる。
 乾いた皮が唾液に濡れ、それを覆うように白濁の液体が滴る。
 秋子が頭を動かすたびに、上品なブラに収められた豊かな乳房が、波打つように揺れる。
 快楽にむしばまれた祐一の息遣いは、獣を思わせるほどに深く太い。
「うふふふ、もう少しね」
 ゆっくりと舌を引き、ブラをまくし上げた秋子は、
 身体をくの字に折り、たわわに実った乳房の谷間に陰茎を挟み込んだ。
 柔らかく、弾力に富む感触が、左右から祐一の陰茎を包み込む。
「ああ・・・くっ・・・」
 秋子の上半身が規則的に上下し、射精を待ちきれない精子が乳房にこぼれ落ちる。
 左右から押し寄せる快楽の波に、祐一は頬を上気させ、夢心地の視線は宙を泳いでいる。
「そろそろね」
 秋子は、乳房に添えていた手を離すと、空いた右手で陰茎を掴み、口に含んだ。
「うう・・・あああ・・・」
 熱を帯びた柔らかな舌が、射精寸前の陰茎に絡みつき、縦横無尽に滑る。
 唇の隙間から漏れる卑猥な音が、快楽の園に響き渡る。
 祐一は射精した。
 のけぞり、陰茎は脈打つごとに白濁の欲望を吐き出す。
 熱い塊が秋子の喉を打つ。
 秋子は、陰茎を包む掌を激しく上下に反復させ、残された精子を搾り出した。
 祐一の苦味を丹念に味わい、満足すると、ゆっくりと食道に流し込んだ。
 艶やかな唇からは、飲み干せなかった精子が糸を引いて垂れている。
 祐一は脱力し、虚ろな瞳で天井の一点を見つめていた。
 これでようやく解放される。
 少なくとも、祐一はそう考えた。
 しかし、秋子の口からつぐまれた言葉は、祐一を再び快楽の海へと誘うものだった。
「次は名雪の番よ。ちゃんと祐一さんを気持ちよくしてあげるのよ」

 名雪は恐る恐る、祐一の精子と母の唾液にまみれた陰茎に手を伸ばした。
「名雪、やめてくれ・・・」
「大丈夫・・・」
 あえてそうしたのか、名雪の返答は要領を得ていない。
 精子を吐き出したばかりの陰茎に、血液が逆流した。
 名雪が、しおれつつあった陰茎をくわえたのだ。
「ぐっ・・・」
 味わいたくないのか、名雪は舌を引っ込め、唇だけを滑らす。
 それでも、薄い皮に覆われた性感帯を刺激するには十分だった。
 喪失したはずの射精感が、再び頭をもたげてきた。
「ダメよ、名雪。ちゃんと舌も使わなきゃ」
 口元の動きからそれを察したのか、秋子はささやくように言った。
「っつ!」
 次の瞬間、祐一は痛みからのけぞった。
 舌を出した名雪が、陰茎に歯を立ててしまったのだ。
 名雪は慌てて舌を引っ込めるが、秋子は優しく諭した。
「丁寧にゆっくりと・・・そう、アイスクリームを舐めるみたいに・・・」
 秋子の助言が功を奏したのか、
 つたなかった陰茎を這う舌の動きが、徐々に滑らかになってゆく。
「はあ、はあ・・・」
 同時に、祐一の喘ぎも荒くなる。
 初めてにしては上出来と、娘の舌技に満足した秋子は、祐一に向き直った。

「さてと、祐一さん」
 秋子は怪しく瞳を輝かせ、床に手を伸ばす。
 床から引き上げられた円柱状の容器には、月明かりを照り返す液体が詰められている。
「うふふふ、これ、なんだか分かります? ローションですよ」
 秋子はふたを開けると、
 粘性に富む半透明の液体を祐一の胸に垂らし、手の平で薄く伸ばした。
 身体をくの字に折ると、秋子は豊かな乳房を祐一の胸板に乗せた。
「はああ・・・」
 秋子の腰の動きに合わせ、乳房がローションの上を滑る。
 乳首が秋子の乳房と触れ合うたびに、祐一は高く唸った。
「これはどうかしら」
 腰の動きを止めると、秋子は、自分の乳首を祐一のそれにあてがう。
「ああ・・・はああ・・・」
「ああん・・・」
 喘いだのは祐一だけではない。
 秋子も突起の先端を刺激され、軽く背をそらした。
 乳首が押し当てられるたびに、二人は頬を上気させ、喘ぐ。
 祐一に、第二の射精が訪れようとしている。
 秋子が乳房をあてがう間も、名雪は祐一の陰茎に舌を這わせていた。
 上下の性感帯を同時に刺激される祐一に、もはや抵抗の意志はない。
 息苦しくなった名雪がくわえていた陰茎を放したその瞬間、精子が吐き出された。
「きゃっ・・・」
 名雪の顔は、白濁の液体にまみれた。
 形容しがたい異臭に鼻腔をつかれ、名雪の表情は苦悶に歪む。
「あらあら」
 弾力に富む乳房を祐一の胸板に乗せたまま、秋子は肩越しに娘を見やった。
 秋子は身体を起こすと、今にも泣き出しそうな名雪に寄り添う。
 名雪の頬に手を添えた秋子は、子の傷口を舐める親猫のように、したたる精子を舐めとった。
「名雪もすぐに慣れるわよ」
 そう言って、名雪に軽く口付けた。

 秋子は振り返り、呼吸を整える祐一に視線を移す。
「それにしても祐一さん、すごいですね。
 二回目なのにあんなに出るなんて。やっぱり若いからかしら」
 秋子は一呼吸おき、続ける。
「これなら、三回目も大丈夫ね」
 ・・・祐一は、イエスともノーとも言わなかった。
 もはや、それだけの気力を失っていたし、答えたところで聞き入れられるはずがない。
「名雪、よく見ておくのよ」
 祐一の下腹部をまたぐように、秋子は馬乗りの姿勢になった。
 股下の陰茎に右手を伸ばすと、腰を低くし、膣にあてがう。
 膝の力を抜くと、重力に任せてゆっくりと腰を沈める。
「あああああん!」
 祐一の陰茎が、秋子の膣を埋めてゆく。
「くうう・・・」
 犯される側の祐一も、陰茎を包む肉の感触に、第三の射精を予感した。
 腰を沈めきった秋子は前かがみになり、祐一の腹に両手を乗せる。
 秋子は深く息を吐き、激しく腰を振り始めた。
「あああん!」
 陰茎と膣の摩擦が、オス・メス双方の本能を満たす快楽の波を呼び起こす。
 腰の反復運動に合わせ、秋子の乳房が上下に激しく揺れ、突起の軌跡は桜色の楕円を描く。
「はあはあ・・・祐一さん・・・」
 うわ言のように喘ぐ秋子。

 理性と悟性を捨て去り、快楽の大海に溺れるその様は、さながら獣の交尾を思わせる。
 性器の結合部から、粘性に富む液体をすくい上げるような卑猥な音が漏れ始めた。
 持ち上げた腰が重力に引かれ、陰茎の根に達するたびに、惜しげもなく精液が溢れる。
 陰茎と膣に挟まれた精液は潤滑油の役目を果たし、反復運動を加速する。
 しかしそれでも、秋子ひとりの力では限度があった。
「はあはあ・・・祐一さん・・・お願い・・・」
 秋子は、見下ろす瞳で嘆願する。
 弾けかかっていた祐一の意識が引き裂かれた。
 祐一は、秋子を乗せた腰を激しく突き上げた。
「ああああん!」
 激しく鋭い性器の摩擦が、秋子の瞳に恍惚の輝きを宿らせた。
 端正な乳房は、付け根が引きちぎれんばかりに揺れる。
 やがて乳房はしなり、ムチ打つような音を立てる。
 オスは野太く、メスはオスの欲情を駆り立てるように喘ぐ。
 性器から漏れる卑猥な音、乳房のしなり、獣の喘ぎが、
 悦楽の園に不協和音を奏でていた。
 秋子の声が枯れ始めると同時に膣が収縮し、祐一の射精を促す。
「あああああん!!」
 腰の反復運動が最高潮に達した。
 秋子が果てると同時に、祐一も射精した。
 膣に包まれた陰茎の脈動は激しく、これまでになく熱い精子を吐き出す。
 挿入された性器をそのままに、秋子は祐一の胸に頭を預けた。

 秋子は呼吸を整えると、残された力を搾り出し、性器の結合を解いた。
 ベッドに横たわり、快楽の波が去るのを待つ。
 火照った身体が冷めた秋子は、視線の高さを同じくする祐一を見やった。
「すごいんですね、祐一さん」
 しかし、祐一の耳にその声は届かない。
 今、祐一の思考回路を満たしているのは、
 今度こそ解放されるであろうという期待だった。
 そんな祐一を気に留めることもなく、
 秋子は、二人の性行為を見ていたであろう名雪に視線を移した。
 軽く頬をほころばせると、立ち上がり、名雪の側に歩み寄る。
「うふふふ」
 秋子は、不敵な笑みに戸惑う名雪の背後に回ると、
 太ももに手をかけ、腰を持ち上げた。
「祐一さん、名雪を大人の女にしてあげて」
 その一言に、二人は目を丸くした。
「お、お母さん・・・」
 秋子は、名雪の膣に陰茎をあてがった。
「あああああん!」
 破瓜を示す鮮血が膣から漏れ、名雪の表情は苦悶に歪んでいる。
 ・・・祐一の夜は終わらない。

 〜 FIN 〜
新作下げまわし。
新作下げまわし。
新作下げまわし。
新作下げまわし。
新作下げまわし。
新作下げまわし。
新作下げまわし。
390#5:2000/07/23(日) 03:23
その日の夜、祐一と名雪は学校に向かった。夜更かしの為、名雪はあの後帰ってすぐ寝た。
「なあ、名雪。やっぱりやめとかないか?」
「ダメだよ、祐一。栞ちゃんを見捨てられないよ。」
「でもなあ、名雪達が居たんじゃ舞シナリオに入れないしなぁ…。」
「祐一、何を言ってるのかよくわからないよ。」
そうこう言ってるうちに祐一達は校門までやってきていた。もしかしたら…という
祐一の期待に反して香里と栞もちゃんと来ていた。
「相沢君、名雪、ちゃんと来たわね。」
「祐一さん…私嬉しいです。」
「くうー。」
「名雪、起きろっ!これからが本番なんだ。そんなんじゃ再び水瀬家の門をくぐれないぞ。」
「相沢君、よくわかってるじゃない。そうよ。これからあたし達は平和な日常を離れいつ
命を失うかもしれない非日常の世界に赴くのよ。みんなあたしに命を預けてちょうだい。」
「お姉ちゃん、私、命を粗末にしたくありません。」
「うむ、俺も同感だ。」
「わたしも香里に命を預けるのは遠慮したいよ〜。」
「みんなお約束がわかってないわね。こんな時は『おう、俺の命は預けたぜっ』とか『お姉ちゃん、
私はどんな時もお姉ちゃんと一緒です!』とか『香里、わたしも命懸けで頑張るよ。』くらいの
事は言って欲しかったわね。」
「そんなお約束に命をかけるのは嫌すぎだぞ。」
「しょうがないわね。まあいいわ。それじゃ校舎に不法侵入しましょう。」
「香里…わざわざそんな言い方しないでよ…。」

391セールスマンマルチ作者:2000/07/23(日) 12:37
感想ありがとです〜。あんなん書きましたが琴音萌えです。
トライガンは良かったねー。
セリオ「楽しかったかい。人間として生きて」
マルチ「ああ…最高だったとも」ガチャッ(銃を構える)
392名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/23(日) 15:19
>>391
青い空の下でセリオを抱えて帰ってきて欲しいです〜
393#6:2000/07/24(月) 02:41
「祐一〜、夜の学校はなんか怖いよ〜。」
「確かにあまり気持ちのいい場所じゃありませんね。」
「あなた達、MMRがそんなことでどうするの?川澄さんは毎晩のように一人で学校に来て何か
しているらしいのよ。彼女に負けるわけにはいかないわ。」
「いや、舞とそんなことで張り合ってもしょうがないと思うが…。」
「あっ、誰か居るよ。ひょっとして川澄さんかな?」
そこには舞がいつものように剣を携えて夜の校舎に一人立っていた。
「祐一…この人達、誰?」
「よう、舞。今日はちょっとおまけがついてきてしまったんだ。」
「祐一さん…おまけなんて酷いです。」
「栞、今は言わせとけばいいじゃない。あ、川澄さん、初めまして。あたしは美坂香里です。
こちらのショートカットの子があたしの妹の栞。こっちのボーっとしてるのが友達の水瀬名雪。
相沢君のことは知ってるわね。」
「はちみつくまさん。」
「香里が酷い事言ってるよ〜。よろしくね、川澄さん。」
「私もよろしくお願いします。舞さんでいいですか?」
「はちみつくまさん。」
「さっきから気になってるんだけど、そのはちみつくまさんってのは何なの?」
「ハイがはちみつくまさんでイイエがぽんぽこたぬきさんだ。な、舞?」
「はちみつくまさん。」
「ふーん、あなた達そんな関係だったの…。栞や名雪がかわいそうね。」
「祐一さん…やっぱり胸の大きな人がいいんですか?」
「祐一…深夜の学校でデートなんて不潔だよ…。」
「だーっ、香里も栞も名雪も勘違いするなっ。俺達はそんな関係じゃない。そうだよな、舞?」
「はちみつくまさん。」
「そうなんですか…祐一さんが巨乳フェチじゃなくて安心しました。」
「…祐一が夜の学校でHするような性癖の持ち主でなくてよかったよ。」
「あのなぁ…ここぞとばかりに好き放題言いやがって。」
「まあ、そんなことだろうと思ったわ。それより本題よ。川澄さん、あなたは夜の学校で
一体何をしているの?」
394名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/24(月) 03:50
続ききぼ〜んあげ
395乙女推進委員会:2000/07/24(月) 04:25
>mio_2chさんへ
「乙女希望」スレに小ネタを書いている者です。
そちらに回収依頼をした七瀬コント職人さんとは別人ですが、
あのスレから回収作業をしてもらうのはmio_2chさんへの負担が大きいと思い、
ここにまとめて投稿させてもらいます。
作者はとりあえず、七瀬コント職人さんと自分とその他ということにしておいてください。

>皆様へ
長文の連続投稿失礼します。
----------8<----------8<----------
浩平「カレーを連続9杯・・・・・・乙女にしか為せない技だな」
七瀬「みさき先輩すごい・・・あたしには無理だわ」
----------8<----------8<----------
浩平「納豆キムチカレー辛さ5倍を10分で平らげる・・・漢にしか為せない技だな」
七瀬「乙女じゃないのね(泣」
----------8<----------8<----------
七瀬「乙女パスタに感動よ」
浩平「おまえには関係のない世界だ」
七瀬「ギャラクティカファントムーーーーーーーーーー」
----------8<----------8<----------
浩平「蜂蜜練乳ワッフルを食べる…乙女にしか為せない技だな」
七瀬「も、もちろん食べられるわよ」



七瀬「ど、どう食べきったわよ(ウップ」
茜「…もう一枚(5枚め」
七瀬「……」
----------8<----------8<----------
浩平「さあ七瀬、これが伝説の乙女専用マワシだ。
   これを身につけて乙女一子相伝のうっちゃりをマスターしろ!!」
七瀬「そんな乙女がいるかぁーっ!!」
どかぁーーーーーーーーーーんっ!!



浩平「…七瀬、オマエに教えることは、もう何も無い…」ガクッ
----------8<----------8<----------
浩平「七瀬、おまえには乙女としてのプロゴルファー的才能がある!!」
七瀬「なによ突然…。けど、結構ゴルフもやってみてもいいかも」
浩平「そしてこう叫べ。『ワイは猿や! プロゴルファーさ…』」
七瀬「それのどこが乙女だぁーっ!!」
どかぁーーーーーーーーーーんっ!!



浩平「みごとだ、これが必殺旗包み…」ガクッ
----------8<----------8<----------
浩平「乙女なら雑誌の占いに一喜一憂しなければならんっ!」
七瀬「そんな気もするわね」
浩平「よしっ。七瀬の明日のラッキーカラーはとどめ色、
 ラッキーアイテムはやけにドクロだらけのジャケットのCD、
 運勢は道を歩けば毒電波に当たるだっ!」
七瀬「勝手に決めるなーーーっ!」
カッキーーーン



浩平「ふっ、お前なら自分の手で運命を切り開けるだろう」キラーン
----------8<----------8<----------
浩平「七瀬、これが乙女の飲み物だーっ」
七瀬「○、○ッコール」
浩平「見ろ、里村だって飲んでいるぞ」
茜「今日は違います・・・」
浩平「そ、それはサ○ケ・・・」
---
浩平「七瀬ーっ、これが乙女のぐぉ・・・まだ途中だぞ」
七瀬「問答無用よっ!」
どかぁーーーーーーーーーーんっ!!


浩平「ヒーローなら敵の長口上を最後まできくもんだぞーーー」

七瀬「あたしはヒロインだーーーっ」
カッキーーーン


浩平「えいえそがそこに見える」ガクッ
----------8<----------8<----------
396乙女推進委員会:2000/07/24(月) 04:28
----------8<----------8<----------
浩平『七瀬、オマエのために俺が世界中を駆け巡り、最高の素材を集めて
   作り出した究極の乙女のための料理をご馳走しよう』
七瀬『あら、いい匂い、いったい何?』
金龍ラーメン出前持ち『すみません!! さっき届けたキムチラーメン、御代まだなんですけど〜』
七瀬『食い飽きたわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!』
ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!



浩平『昼なのに星が見えるぞ。ここはいったい…』
金龍ラーメン出前持ち『宇宙まで飛ばされてしまったようですねぇ』
浩平『なぜオマエがいるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!』
----------8<----------8<----------
浩平「七瀬、もうお前に教えることは何もない。誰がどう見ても立派な乙女だ」
七瀬「な、なによ。急にどうしたの?」
浩平「そ、こ、でだ、この乙女選手権に出場だーーっ」
七瀬「コスプレ大会じゃないのーーーーーーーっ!!」
どかぁーーーーーーーーーーんっ!!



七瀬「でも面白そうね」
浩平「なら何で殴るんだ・・・」バタッ
----------8<----------8<----------
七瀬「ねえ折原、何かあたしもう疲れちゃった。
   あたしが乙女なんて無理なのかも」
浩平「お、おい、どうした七瀬!
   その拳で世界を目指すと意気込んでいたお前はどこに行った」
七瀬「何をしても空回り。最近何をしても空しくてしょうがないの」
浩平「そんなこと言うなーっ。そんなの七瀬じゃなーーい(泣逃)」
七瀬「ふふふ(一本取ったわ)ニヤソ」
----------8<----------8<----------
七瀬「ふっふっふ、折原、今日こそ私を乙女と呼ぶがいいわ」
浩平「どうした七瀬…うわっ!!その耳飾はいったいっ!?」
七瀬「どう? 乙女にしかなし得ない、究極のアクセサリーよ」
浩平「…というより、耳カバーといった方がいいな。
   コミケでも逝くのか?」
七瀬「こっ、これはマ●チのっ、いつの間にっ!!」



その頃、学校裏の森。
「みゅ〜、ひろった。かわりに、繭、オモチャあげたから、いいよね。」
フェレットのお墓に、キラキラ光るイヤリングが添えられていた。
----------8<----------8<----------
397乙女推進委員会:2000/07/24(月) 04:29
これで終わりです。どうも失礼しました。
----------8<----------8<----------
七瀬「ついに乙女を極めるためのクラブを見つけたわ」
折原「8x10のカメラに天井からの照明、ホリゾント…七瀬、まさかオマエ」
七瀬「スカウトされたのよ。ようやく解った? 今日から私」
折原「コスプレイヤーの道に目覚めたか」
七瀬「あほかーっ!!モデルよっ!!私の魅力を学園中にアピールするのよっ!!」
折原「魅力ねぇ…(戦闘能力なら解る気がするが…)」



後日、学園祭で「女子高生戦闘アクションポーズ集」が闇市で販売され、高値で取引されていた。
折原「まさか住井の作戦だったとは…」
住井「おかげで大儲けだ。じゃあおごってやったんだから、暫らくオレの安全を保障してくれよ?」
繭「てりやきバーガー、みゅ〜」
それから一週間程、校内で物凄い形相をして誰かを探す七瀬の姿が目撃された。
そしてその度、折原と繭が七瀬の髪を引っ張りまわしていたという…。
----------8<----------8<----------
浩平「おい、お前誰だ?」
七瀬「何言ってるの?折原?」
浩平「長森、こいつ知ってるか?」
瑞佳「うーん。どこかで見たことあるような気がするけど分からないよ」
七瀬「瑞佳まで何言ってるのよ。あたしよ、七瀬よ?」
浩平「ななせー?うむ。確かにそこは七瀬の席だ」
七瀬「ならそこに座っているあたしは七瀬に間違いないじゃない」
浩平「いーや違う!断じて違う!
   お前は七瀬のフリをして七瀬の席に居座っている謎の女生徒だ!」
詩子「あたしのこと呼んだ?」
浩平「(無視)その証拠にだ!」
詩子「ねえ、もしかして無視してる?」
七瀬「(無視)証拠に?」
詩子「ねー茜聞いてよー。折原君たちがひどいんだよー」
茜 「浩平はいつもひどいです」
詩子「ほらー茜もこう言ってるよー」
浩平「あー、そこっ、話の邪魔を・七瀬「じゃかしいわっ!!!」・るな・・・」
七瀬「はあ、はあ」   詩子「恐いからあっち行こう、茜・・・」 茜「耳がじんじんします」
浩平「おい、今の叫び、もしかしてもしかするとお前は七瀬か?」
七瀬「だからさっきからそういってるでしょ!」
浩平「ふむ。そこの長森、ちょっと来てくれ」
瑞佳「・・・え?うん。わかったよ。謎の女生徒さん、ちょっとごめんね」
七瀬「瑞佳?何するつもり?え、ちょっと・・・」
瑞佳「できた。わ、ほんと。七瀬さんだよ」
浩平「おれの読みは当たっていたな」
繭 「みゅ〜だ みゅ〜だ♪」
七瀬「いたたたた」
浩平「七瀬探知機たる椎名が反応したな。つまり、おさげでない七瀬は七瀬にあらず」
繭 「みゅ〜♪」
七瀬「あたしは髪型も変えられないのね(泣)・・・」
浩平「おい、お前誰だ?」
七瀬「何言ってるの?折原?」
浩平「長森、こいつ知ってるか?」
瑞佳「うーん。どこかで見たことあるような気がするけど分からないよ」
七瀬「瑞佳まで何言ってるのよ。あたしよ、七瀬よ?」
浩平「ななせー?うむ。確かにそこは七瀬の席だ」
七瀬「ならそこに座っているあたしは七瀬に間違いないじゃない」
浩平「いーや違う!断じて違う!
   お前は七瀬のフリをして七瀬の席に居座っている謎の女生徒だ!」
詩子「あたしのこと呼んだ?」
浩平「(無視)その証拠にだ!」
詩子「ねえ、もしかして無視してる?」
七瀬「(無視)証拠に?」
詩子「ねー茜聞いてよー。折原君たちがひどいんだよー」
茜 「浩平はいつもひどいです」
詩子「ほらー茜もこう言ってるよー」
浩平「あー、そこっ、話の邪魔を・七瀬「じゃかしいわっ!!!」・るな・・・」
七瀬「はあ、はあ」   詩子「恐いからあっち行こう、茜・・・」 茜「耳がじんじんします」
浩平「おい、今の叫び、もしかしてもしかするとお前は七瀬か?」
七瀬「だからさっきからそういってるでしょ!」
浩平「ふむ。そこの長森、ちょっと来てくれ」
瑞佳「・・・え?うん。わかったよ。謎の女生徒さん、ちょっとごめんね」
七瀬「瑞佳?何するつもり?え、ちょっと・・・」
瑞佳「できた。わ、ほんと。七瀬さんだよ」
浩平「おれの読みは当たっていたな」
繭 「みゅ〜だ みゅ〜だ♪」
七瀬「いたたたた」
浩平「七瀬探知機たる椎名が反応したな。つまり、おさげでない七瀬は七瀬にあらず」
繭 「みゅ〜♪」
七瀬「あたしは髪型も変えられないのね(泣)・・・」
----------8<----------8<----------
398mio_2ch@SS回収屋:2000/07/25(火) 00:08
重い…(;;)
>乙女推進委員会 さん
わざわざありがとうございました。

重すぎてアップ不能…テレホ前に来なきゃ…
399#7:2000/07/25(火) 02:04
「私は…魔物と戦っている。」
「魔物と?貴方が?何故?」
「私は…魔を狩る者だから。」
「…舞、それも確かにカノンだが…ゲームが違うだろ!」
「…私は魔物を討つ者だから。」
「まもの?それっていわゆる化け物の事?……祐一、もう帰ろうよ〜。わたし、魔物なんかと
戦えないよ〜。魔物と戦って死んじゃったらイチゴサンデー食べられないよ〜。
香里も栞ちゃんも魔物なんかと戦えないよね。」
「…そう、早く帰ったほうがいい。魔物はとても危険。」
「川澄さん、心配してくれるのは嬉しいわ。でもあたし達もMMRの活動をする以上、自分の身を
守る事ぐらい出来るつもりよ。ね、栞?」
「お姉ちゃん…確かにそうですけど…君子危うきに近寄らずって言葉もありますよ。」
「虎穴に入らずんば虎子を得ずって言葉もあるじゃない。」
「香里〜、どっちでもいいけどわたしは身を守る事なんて出来ないよ。」
「ふっふっふっ、名雪、安心して。ちゃんとその辺は考えてあるから。栞、例のものを出して。」
「はい、お姉ちゃん。」
栞は例のポケットからけろぴーを取り出した。
「香里…けろぴーで一体どうやって身を守れっていうの?」
「名雪、ちょっと耳をかして。」
「…………。」
「えっ、そんな事が!」
「…………。」
「それはすごいよ〜。」
「…………。」
「香里、わたしも精いっぱい戦うよ。」
「わかってくれたようね。それじゃ相沢君、貴方はそんな木刀よりこっちの剣を使ってね。」
「何だ、この刀身の青い剣は?大体銃刀法はどうした?」
「今更そんな事誰も気にしてないわ。それよりその剣はあのエクスカリバーなのよ!」
「…こんなエクスカリバーがあるか!…まあ、木刀よりはマシか。とりあえず使わせてもらうぜ。」
「川澄さん、あたし達の事は心配しなくてもいいから。…今夜はつき合わせてもらうわよ。」
「…今から帰ろうとしても、遅い。…奴らはもう来ている。」

400panda3:2000/07/25(火) 19:03
新作書き書き中……
でも今回は普通のお話……
出来たらURLでも載せるか……
401panda3:2000/07/25(火) 19:03
途中なのに50kb越えてるもんな……はぁ
402>panda3さん:2000/07/25(火) 20:58
新作頑張ってね〜。それだけ長い話を書ける人ってうらやましいです。
403マルチ熱暴走(Overheat) Rd.0:2000/07/25(火) 21:25
彼女は校門の前に立っていた。緑のショートカットに白いストッキング。
桜色のセーラー服の袖は長過ぎて手にかかっている。

「やっと、帰ってきた……」

その耳にはアンテナと思われる人工物をつけ、その肩にはモップを担いでいる。
彼女の名はHMX-12。一般にはマルチと呼ばれる。

「今度こそ……」

どういうわけか、彼女はサングラスでその目を隠している。強烈な陽光の下とは
いえ、ロボットである彼女には元来必要のない代物だ。彼女は校舎を見上げ、
体を震わす。躍動する人工筋肉、人工皮膚を通して体外に放出する燃料電池の
残滓である汗。純水であるその汗は放熱の役割も兼ねている。

「すべてのヒロインを打ち倒して浩之さんを私の手にッ!!」

季節は盛夏。彼女の夏はここから始まる。
404403:2000/07/25(火) 21:26
……ていうの読みたいですか?
読みたい人がいたら続き書きます。
なんかここレベル高くてあぷしにくい(汗
>>404
是非お願いします。
406#8:2000/07/26(水) 02:16
その時、祐一達の周りの空気が確かに変わった。視覚に捕らえる事は出来なくとも、
祐一達の周りにいる何かが放つ殺意は敵の存在を確信させるに充分だった。
「祐一…何かがいるよ…これが魔物なの?」
「ああ、そうだ…。奴等は目で見る事は出来ない。今更遅いかもしれないが、
逃げたいなら俺と舞が囮になるぜ。」
「相沢君、言ったはずよ。自分の身は守れるって。ね、栞?」
「はい、お姉ちゃん。祐一さんも私達の事は気にしないで下さい。」
「そんな事言っても…名雪はどうするんだ?」
「わたしも…もちろん怖いけど…祐一や名雪達を残して自分だけ逃げ出すなんて出来ないよ。」
「名雪もか…舞、俺達で何とか香里達を守るぞ。」
「祐一…わかった。」
「それじゃあ、香里達は俺と舞の後ろに…って何で自分たちから突っ込んでいくんだぁーっ。」
「相沢君、あたし達が一体ずつ引きつけておくわねっ。」
「祐一さん、その間に残りの相手をしてくださいねっ。」
「祐一、川澄さんを頼んだよっ。」
「待てっ、お前達一人で奴らの相手が出来ると…ああ、行ってしまった…。舞、名雪達を追いかけるぞ。」
「わかった。でも、そう簡単に行かせてくれそうに無い…。」
「くそっ、名雪も栞も香里も無事でいてくれよ…。」
407Summer Tour続き(やっと終わり):2000/07/27(木) 01:16
9.浩平

一度経験したこととはいえ、二度目が平気なわけじゃない。
むしろ、もう完全に終わったと思いこんでいたことを繰り返さなければならない
状況にオレは気が狂いそうになっていた。
由起子さんがオレを見て、一瞬不安そうな顔をしたとき、オレは近いうちに
またこの家にいられなくなる日がやってくることを、絶望的に確信した。

…七瀬に会わなければ。会って、確かめなければ。
七瀬がまだ、オレのことを少しでも想っていてくれるのかどうかを。
やりなおすチャンスがまだあるのかどうかを。
壁のカレンダーを確認する。今日は七瀬は休日のはずだ。
オレは急いで着替えると、家を飛び出した。

「え、留美ですか?今日はお友達のところへ…ええ、長森さんって女の子
 のところですけど…失礼ですけど、折原さんでしたっけ?あなたは留美と
 どういうご関係なのかしら?」
何度も家に遊びに行って、親しくなっているはずの七瀬のお母さんに、
全く知らない人間のように扱われて落ち込みながら、お礼を言って家を出る。
オレは長森の家に電話をする。おばさんが長森は出かけていると告げる。
今度は住井の家に電話をして、オレは住井が今一人暮しなのを知る。
…嫌な予感がした。でも足は教えられた番地へと急いでしまう。

嫌な予感というのは当たるものだ。
オレはたどり着いた住井のアパートのドアの前で凍りついていた。
微かに聞こえてくる声は、オレの耳になじんだ七瀬のあの時の声に間違いなかった。

不意に足元が崩れていくような気がして、オレはよろよろとドアにもたれかかる。
その時、ドアの横の小さな窓が少し開いているのに気がついた。
銀色のシンクが鈍く光っている。・・・洗い場か。閉め忘れてるんだな。
見るべきではないと分かっているのに、オレはその隙間から中を覗いてしまっていた。
オレの目は、長森に胸と股間を愛撫されながら住井の上に跨って腰を振り、
狂ったように嬌声を上げている七瀬を確認する。
分かっていたのに、実際に目にするとそのショックは大きかった。
でも、今のオレには、そんな七瀬をなじる資格などない。
あの呆れるほど純情だった七瀬を変えてしまったのは、他でもない、オレ自身だった。

胸が苦しかった。住井と長森を殺してでも、七瀬をオレの腕に取り戻したかった。
七瀬がそれを望むかどうかを考える余裕など、もはやオレにはなかった。
オレが部屋の中を窺いながらじりじりとドアに手を伸ばしかけた、その時。

快楽でぼんやりしたような七瀬の目が、ついにオレの目を捉えた。
ゆっくりとそれを認識するように、目の光が変わっていく。
祈るような気持ちでオレは心の中で叫ぶ。
七瀬!オレだ!オレは、ここにいるんだ・・・

「きゃあああっ!!」
七瀬が自分の身体を抱きしめるようにして屈み込む。
「な、何だ!?」
「誰か窓の外にいるっ!やだっ!」
「えっ?うわ、隙間あいてるぞ。覗き野郎かよっ」
住井がベッドから降りてこっちに歩いてくる。
オレは動くことができずに、馬鹿みたいにその場に立ち尽くしていた。
ガラッ!窓が開く。
住井。住井、オレだ・・・折原浩平だ・・・。
いきなり胸倉を掴まれる。
「誰だてめぇ!他人の部屋、覗いてんじゃねえよっ!」
・・・やっぱり、そうなのか。オレはまた、忘れられていくのか。
暗い絶望感がオレを包み込んでいく。オレは震える足で一歩、後ずさった。
長森と七瀬は身を寄せ合って怯えたような顔でオレを見ている。
オレは居たたまれずに背を向けて走り出した。
足が震えて、何度も転びそうになりながらも、一刻も早くその場を
立ち去りたい一心で、走りつづけた。
408Summer Tour続き:2000/07/27(木) 01:17
10.七瀬

突然ズキズキと割れるように頭が痛みだした。
なんだか肌寒さを感じて、あたしは自分の裸の肩を抱くようにしてうずくまっていた。

「なんだ、あいつ…警察に突き出してやりゃよかったかな」
「…うん…でも、どっかで見た事ある人のような気がするよ」
「近所の奴かな?」
「住井くんの近所の人なんか、わたし知らないもん」
「そっか」
瑞佳と住井君の声が頭に響いて、イライラする。
あたしは無意識に耳をふさいでいた。

「…留美?どうしたの?大丈夫?」
瑞佳があたしの髪に触れる。
その横から住井くんがあたしの顔を覗きこむ。
急に背筋に冷たいものが走った。
「触らないで!」
あたしが瑞佳の手を払いのけると瑞佳は驚いた顔で手を引っ込める。

あたしは顔を上げて、素っ裸で並んで立っている二人を見る。
信じられないような感情がいきなり吹き出してきた。
…気持ち悪い…。
あたしは今までどうしてこんなことを平気でしていられたんだろう…?
身勝手だと知りつつも、どうしても嫌悪感がぬぐえなかった。
二人に対しても、自分に対しても。
なぜ、あたしはこんなことをしていたのか。
それは自分でもよくわからなかった。何か理由はあったような気がする。
だけど、そんなことはもうどうでもよかった。

いきなり目が覚めたような気分であたしは脱ぎ散らかした服を身に着ける。
「留美…?」
「さよなら。多分あたしはもう来ないと思うわ」
バタン。
ドアを閉めて、外の空気を思いっきり吸うと、あたしは振り返らずに歩き出した。11.浩平

「はあっ…」
だんだんと自分の体力が落ちてきているのがわかる。
一緒だ。前の時と。
オレはフラフラする頭を抱えて、公園で座り込んでいた。
もう由起子さんのいるあの家にも帰れない。
少しずつ、気が遠くなる…。

『七瀬』
『ん?』
『…愛してる』
『…あたしも、愛してる』

降り注ぐ星明りの中、交わしたくちづけは、あんなにも甘かったのに。

目が覚めた時。
涙でぐしゃぐしゃになったオレの情けない顔を子供達が見下ろしていた。
幼い女の子がオレの顔を覗きこむようにして問いかけてきた。
「お兄ちゃん、だいじょうぶ?」
「…大丈夫だよ」
「どこかいたいの?おかあさんにお薬もらってきてあげようか?」
オレはその親切な女の子の頭を撫でて、答える。
「本当に、大丈夫だ。お兄ちゃんの痛い所は、お薬じゃ治らないんだ」
手を振りながら離れて行く女の子に、精一杯の笑顔を作って手を振り返す。

もう、どうしようもないことは分かっていた。
だけど、本当にこれが最期なら…遠くからでもいい、もう一度、七瀬の姿を
この目で見たかった。
オレは最後の力を振り絞って、立ち上がり、七瀬の会社へ向かって歩き出す。
409Summer Tour続き:2000/07/27(木) 01:18
エピローグ 七瀬

…よし、これで報告書おわりっ、と。トントン。書類をそろえて席を立つ。
「じゃあ、お先に失礼しまーす」
「お疲れ様でしたー」
「お疲れー」

あたしはオフィスビルの自動ドアを開けて、少しほこりっぽい夕方の街へと出て行く。
一歩外に出たとたん、むっとするような熱気が肌をとりまく。
「うわ…暑ぅい」
赤信号で立ち止まり、ハンカチを取り出して汗を拭く。
(でも、もうすぐ今年の夏も終わっちゃうんだな…)
今年の夏は…やたら色々あったような気がする。
でも不思議とすごく遠い記憶のように思える。まるで、子供の頃の夏の記憶のように。
子供の頃は、夏休みが終わってしまうのがすごく悲しかった。
このまま夏が終わらなければいいのに、と毎年のように思っていた。
今のあたしは毎日毎日をやり過ごすうちに、終わっていく夏を静かに見送っているだけだ。
(…はやく青信号にならないかな)
なんだか感傷的な気分になってしまったあたしは、再び日常へと歩き出すためにそう願う。

ふと。
横断歩道の向こう側に立っている男の子と目が合った。
その男の子はまっすぐにこちらを見ながら、泣いていた。
びっくりした。
同い年くらいの男の子が、こんな衆人環視の中で泣くなんて。
よっぽど悲しいことでもあったんだろうか…。
あたしは悪いと思いながら、ついついその男の子から目が離せなくなってしまう。
周りの人は誰も彼が泣いていることに気づいていないようなのが不思議だった。

信号が青に変わる。
周りが歩き出して、そのことに気づいたあたしも慌てて歩き出す。
そして注意が逸らされて目を離した一瞬の間に。
その男の子は消えていた。
かき消されたかのように、少しの残像すら残さずに。
まるで、はじめからそこにいなかったみたいに。
「…え?」
あたしは思わず足を止めて、男の子がいたはずの場所に目を凝らす。
あたしが急に立ち止まったので、後ろから歩いて来た人たちがぶつかって行き、
振り向いて怪訝そうな顔であたしを見て通り過ぎていく。

「七瀬さん?何そんなところで突っ立ってんの?」
会社の同僚が、後ろから肩をたたきながら声をかけてくる。
「…うわ!なんで泣いてんのっ!」
「…えっ?あたし…?」
頬を温かいものが伝っていることに、言われて初めて気づく。
変なの。泣いていたのは、あたしじゃなくて、あの男の子だったのに。
「…ちょっと目にごみが入ったみたい」
あたしはそう言って、涙をぬぐってにっこり笑う。

「ふうん、ならいいけど。そういえば、今日営業に行った会社でさあ…」
「なになに?なんかいい話でもあった?」
「うん…ちょっと、どこかで呑みながら、ゆっくり話さない?」
「…うん、いいわよ」
「あのさあ…七瀬さんって、彼氏とか、いるの?」
「えーっ!?いないわよお、そんな人」
「ほんとに?」
「ほんとだってば」
「そっかー。だったらさ…もしよかったら、俺とさあ…」

…あたしはもう終わってしまった夏を、懐かしんだりはしない。
今、隣にいる人のことを、なんだか嬉しいような、くすぐったいような気分で考えながら、
あたしは新しい季節へ、最初の一歩を踏み出した。

FIN
410Summer Tourあとがき:2000/07/27(木) 01:22
かなり無理矢理終わらせました。展開については突っ込まないように(笑
テーマとしては「いろんな形のエロを軽い話で書く」の予定だったんですが
なんか軽くはならなかったなあ…お粗末でした。精進しますです。ぺこり。
411#9:2000/07/27(木) 02:31
「はあ、はあ、やっぱり久しぶりに走るとちょっと辛いですね。」
夜の校舎を一人走る栞の後を見えない魔物がピタリと追っていた。
「そろそろこの辺でいいでしょうか?」
栞は立ち止まるとまるで見えているかのように魔物に対峙した。
「…………?」
「あなたは私一人くらい簡単に始末できると思って追ってきたんでしょうけど、それは大きな間違いです。」
その言葉が終わらないうちに魔物は栞に襲いかかった。しかし栞はその攻撃を難なくストールでいなした。
「人のセリフを最後まで聞かない人嫌いです。…あっ、別に人じゃありませんでしたね。
それならしょうがないですね…。」
その言葉に魔物は挑発されたのか、さっきより明らかに上のスピードで攻撃をしかけてきた。
「…………!」
「甘いんです!リフレクトッ!」
栞がストールを一閃させると、見えない魔物は校舎の床にたたきつけられた。
「!!」
「その程度なんですか…それでは今度はこちらから行かせてもらいますよっ。」
栞は一足飛びで魔物の懐に飛びこんだ。
「行きますっ!オーラソウルスルー(LV3)!」
魔物は天井にまで持ち上げられた後、青白い炎をまといながら固い校舎の床に叩き付けられた。
魔物はしばらく人型の炎を形作った後、跡形無く消えてしまった。
「ふうっ、さすがに複数でかかって来られたら辛かったですね…。おびき出して正解でしたね。」
栞は一息つくと走った来た廊下を戻り始めた。
「早くお姉ちゃんたちに合流しなくちゃ。お姉ちゃんはともかく名雪さん、大丈夫かな…。」

”Summer Tour”読み終えたさ。
ブルーな気分になってしまったさ。
だから、しぃでも描いて気分を和ませるさ。

              ♪   
       ∧_∧____
    /(゚ー゚*) ./\
  /| ̄∪∪ ̄|\/
    |  し ぃ | |
    |____|/  
413名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/27(木) 20:48
下がりすぎ。
あげ。
414名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/27(木) 21:21
ふいぃ・・。浩平と七瀬は仲直りできるものだと思ってたよ。可哀相(泣)
415名無しさん@(以下略):2000/07/28(金) 01:46
>414
私も同感です。
でも、「指と指がこんにちわ」に萌えたのも事実です。(恥)
416名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/28(金) 08:49
私もだ。(恥?)
ほい
まわそ
ぐるぐる
ほりゃ
新作希望
422名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/28(金) 11:23
回して回して
423mio_2ch@新米SS屋:2000/07/28(金) 22:10
あ、やっぱ不評だ…(笑
本能の赴くままに書いた結果、なんか上手くまとめられなかったんで
かなり後半走っちゃった自覚はあります。あまり風呂敷広げちゃうと
終わりそうになかったので楽な道を選んだような気もします。(←おい)
自分的にはキャラクターの整合感の都合上、あの展開からは、どうして
もああなっちゃいますね、ごめんなさいです。

ハピーエンディングverも考えてみます…できたらまたここで発表させ
て貰います。いずれにしてもちょっと手を入れたい感じの出来なので(鬱
424sage:2000/07/29(土) 03:17
いや、それよりも新作ぷりーず
425424:2000/07/29(土) 03:31
スマソ。間違えた
426マルチ熱暴走 Rd.1:2000/07/29(土) 21:46
「……とは言ってみたものの」

マルチ肩にかけたモップを下ろし、両手で持ち、改めて学校の敷地内を
見回す。去ったときには満開だった桜も青々とした葉を枝いっぱいに
つけている。ざっと見た限りでは生徒は見当たらない。夏休みとはいえ、
運動部の生徒たちの声くらい聞こえてきても良さそうなものだが、
耳にするものといえば風が葉を揺らす音くらいのものだ。

「倒すって一体何をすれば良いのでしょう?お掃除やお料理でどれだけ
浩之さんのお役に立てるかどうか競うということでしょうか?」
「そんなわけないじゃない」

いきなり後ろから声をかけられた。振り向くとそこには志保が立っている。
もちろん制服姿で。

「あ、志保さん、おひさしぶりですぅ〜」

マルチは顔をほころばせて志保に駆け寄った。志保もマルチに軽く手を振る。

「今『そんなわけないじゃない』とおっしゃいましたよね?志保さんは
何かご存知なんですか?」
「え?あんた聞いてないの?」
「わたしは主任さんから『ヒロインをすべて倒して藤田君を手に入れて来い』と
言われただけですので……」
「そのとおりじゃない。ヒロインと対決する、倒す、そしてヒロをゲット。
わかりやすいでしょ?」
「でも……」

マルチは手にしたモップを強く握りしめた。まるでモップにすがっている
ようにも見える。

「あーもう、わっかんない娘ねぇ!要するに」

志保はそこで言葉を切っていきなりマルチに向かって拳を繰り出す。マルチは
かろうじてそれを避けた。が、志保の攻勢は止まらない。息つく間もなく
スピードの乗ったブローを放つ。

「戦って勝ったヤツだけがヒロを一人占めできるって寸法よッ!」

志保の攻撃はますます勢いづく。

「はわわわわわ〜〜〜そんなことできないですぅ〜〜〜」

マルチは守りに徹してかわし続けるが、志保の勢いにガードせざるを得なく
なっている。二次電池の限界容量を越える運動に燃料電池が作動して体が熱を
持ちはじめる。やがてガードの隙をくぐり抜けた志保の拳がマルチの顔や体を
捉えだした。

「まだわかんないみたいね。じゃあ聞くけどあんたは私たちとヒロと
どっちが大事なの?」
「そっそんなこと……」
「戦う気がないなら終わらせるわよ」

志保は足払いと同時に両掌でマルチを突く。マルチは簡単に転倒した。

「昔、恋人を」

しりもちをつくマルチに志保がゆっくりと迫ってくる。

「殺めた技を」

好きな人と一緒にいるために他の人を傷つける。この葛藤がマルチを混乱
させていた。しかしその結論を出すための時間はそう長くないことも彼女は
知っていた。彼女は考える。志保はさらに迫る。

「あなたにも」

マルチはあかりや、他の女性たちの姿を思い浮かべる。そして浩之の姿を
思い浮かべる。志保が最後になるであろうの一歩を踏み出した。志保の右腕が
ゆっくり挙がる。
(浩之さん)

「お見舞いして……」
「浩之さぁ〜〜〜ん!!」

モップを持った右手を前に出し、左手を添える。両手で構えたモップを
尻を重心にして体ごと正面斜め上に突き出した。モップは志保の鳩尾を
捕らえ、志保はくずおれた。

「やっとその気になったみたいね……」
「志保さん!」

マルチは立ちあがり、片膝をつく志保へ寄った。

「すみません志保さん、わたし……」
「いいのよ。私は少し休めば大丈夫」

志保は助け起こそうとするマルチに手を振って制止した。二人は規則正しく
こちらに近づく足音を耳にしている。

「さぁ、次の相手が来たみたいね。行きなさい、彼女は私ほど甘くないわよ」
「はいっ!」

マルチはモップを両手で握りしめた。それは先ほどとは打って変わって決意の
証のようにも見えた。
427見習SS士=403=404=426:2000/07/29(土) 21:49
うへー長いね。こういう場合分けたほうがいいでしょうか?
長い
ので
436名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/29(土) 23:40
ageッ!
なんか複雑な気持ちになる(w
438回した人:2000/07/29(土) 23:48
下がってるよりはいいかなぁ〜と思って。
興味ある人はこれで見てくれるでしょう、たぶんね。
FF9クリアして暇だぞゴルァ(゚д゚)
AIR早く出して欲しいぞゴルァ(゚д゚)
間違えた・・・。
討つだ氏脳・・・。
441やすらぎ #1:2000/07/30(日) 09:24
 ・
 ・
 ・
 次…。
 ・
 ・
 ・ 君は…、アイハラさん、だったっけ。
 …そのオルゴールは?

 …そうか、お父さんの形見なんだ。
 じゃあ、それだけ聞いてれば生きていける体にしてあげる。
 満足だろう? サオリちゃん、か。
 聞かせてよ、君の話。

「私がその感覚を知ったのは小学生の頃で、
 鉄棒の角や、登り棒に、あそこを、擦り付けたりしたの…」
「オナニーっていう言葉を知ったのは中学校の頃、
 眠れない夜とかは、一人で、自分を、慰めたり…」

 もういいよ。
 君がどんな娘かは大抵わかったから。
 サオリちゃんも、狂わせてあげるよ。
 その方がきっとラクになれるよ。
 ね。
 仲間も一杯いるから。 ・
 ・
 ・
 次…。
 ・
 ・
 ・


 …君も。
 …君も。
 …君も。
 …君もだ。
 …正気にしといていい奴なんか、何処にもいやしない。
 だから、狂わせてあげるんだ、僕が。
442やすらぎ #2:2000/07/30(日) 09:27
 喉が乾けば体液を啜り、腹が減れば肉を噛み千切る。

 男は、みんな体育館に閉じ込めてある。
 もう2週間ぐらい何も与えてない。
 光も、水も、食料も。
 そろそろ死人が出ていても可笑しくは無い。

 最初に与えてあげるのは、光だ。
 夜の月の、心温まる硬い光を。
 次に、キョウキ。
 後ろポケットに入っている、硬い鉄製の鋏。
 それを一つ、わざと音を立てて落下するように投げ込んだ。

 途端、中が騒がしくなった。

 僕のせいだけど、僕のせいじゃないよ。
 わかってると思うけど。
443やすらぎ #3:2000/07/30(日) 09:27
 帰り際、家庭科室から包丁を一本失敬してきた。
 別に僕が使うわけじゃない。
 ただ、…料理は女の子の方が得意だと思ったからだ。

 アイハラさん? いる?
 …いるんだね。ちょっと、頼み事があるんだよ。
 なあに、たいしたことじゃないからさ。ちょっと家庭科室まできてくれないかな。

 ああ、戻るんなら包丁なんて持ってこなくてもよかったなぁ。
 仕方ないから、廊下でしゃがみこんでいたサオリちゃんに手渡した。
 有意義に使ってくれるといいけど。

 …うん、そう。アイハラさんの手料理が食べたくなってね。
 材料はそこにおいてあるだろ? そう、それ。

 …ねえ、何で泣いてるのさ?
 悲しいの?
 そうか、悲しいんだね。
 …こっちにおいで。いっしょに食べよう。
 食べれば悲しいことなんて吹き飛んでしまうさ。

 …ごちそうさま。
 おいしかったよ、オオタさん。
 また、つくってね、アイハラさん。
444やすらぎ #4:2000/07/30(日) 09:29
 ルリコサン、屋上にいたんだ。
 探したんだよ。机の下からロッカーの中まで全部。
 …それにしても、今夜は綺麗な月夜だね。
 ほら、見てごらんよ。こんなに青い。
 …ルリコサン?
 …泣いてるの?

「お兄ちゃん、お兄ちゃん、おにいちゃん、おにいちゃん、おにいちゃん、おにいちゃん、オニイチャン、オニイチャン…」

 そうか、お兄ちゃんに会いたいんだ。
 でも、もう月島さんはいないんだよ。
 弱ったなぁ…。
 …そうだ。
 会いに行こうよ、月島さんに。
 ほら、もっとこっち寄って。…しっかりつかまってるんだよ。
 ルリコサン、軽いから金網もラクに登れるよ。
 よ、…っと。

「オニイチャン、オニイチャン、オニイチャン、オニイチャン、オニイチャン、オニイチャン…」

 そんなに会いたいんだ。
 大丈夫。すぐに会えるから。
 合図をしたら、いっしょに跳ぼう。
 いい? せーの…。


 そして、僕達は虚空に身を任せた。


 ごめん。
 一つ、嘘ついちゃった。
 本当は、月島さんにはどうやってもあえないんだよ。
 僕達が行こうとしてる場所とは違うところに行ってしまったんだから。
 …そんなにがっかりした顔しないでよ。
 僕は絶対に君を傷つけたりしない。
 だって、君と僕は、心も体も、一つに溶け合って、あるべき姿に帰るんだから。
 硬いけど寝心地のいいアスファルトのベッドでね。

 おやすみ。
445441-444:2000/07/30(日) 09:32
ぐうう…、441ずれた…。
点がいけなかったのかな…。鬱山車膿…。

あ、雫のSSですよ、一応。
446名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/07/31(月) 21:46
なんだか怖いよ・・・。
下がりすぎてるのであげ。
怖いけど、なんか好き。
448#10/題名変えないと:2000/08/01(火) 01:50
「うっ…これは?右足が…。」
「どうした、舞?」
「なんでもない、祐一…魔物が来る。」
「わかった。気をつけろよ、舞っ!」
「…祐一も気をつけて。」
舞は祐一にそう言いながら考えていた。
『魔物がやられた…何でわたしにそれがわかるの?』

「陸上部部長のわたしに平気でついて来るなんてやっぱり魔物だね…。あっ、危ないっ!」
名雪は見えない魔物の攻撃を横に飛んでかわした。
「うう…怖いけど…わたしもがんばらないとって、うわわっ!」
名雪が慌てて後ろに身体をそらすと、今までいた場所を何かがすごい勢いで凪いでいった。
「うわっ、危なかった…きゃああっ。」
魔物は名雪に更に攻撃をしかけた。
「くっ、けろぴー、わたしを守って!」
名雪がそう言うとけろぴーが光り輝き、魔物の攻撃を防いだ。しかし魔物はそんな事に
かまわず攻撃を続けた。
「あっ…しまった!」
名雪はけろぴーを手から取り落としてしまった。魔物は止めを刺すべく、名雪に襲いかかった。
「うにゅ〜…かかったね。けろぴーヒートプレスっ!」
けろぴーが赤く光り輝き魔物に襲いかかる…魔物はけろぴーの突進をまともに食らい床に倒れた。
「とどめだよっ、けろぴーメガヒートっ!」
光り輝くけろぴーが魔物を天井近くまで持ち上げ、炎をまといながら冷たい床に叩きつけた。
魔物を包む炎が消えると共に魔物の気配も無くなった。
「どうやらやっつけたみたいだね。わたしを本気にさせるにはまだまだだよ〜。早く祐一達の
所へ戻らないと。」
名雪は廊下をまた走り出した。
449age:2000/08/02(水) 15:42
沈みすぎ。もったいない
4507世@挑戦:2000/08/03(木) 00:47
『学校の七不思議』

その日、俺はいつものように七瀬にちょっかいをかけていた。
「何するのよ」
七瀬は俺を睨みつけた。
「なあ、知ってるか?」
「ん?何」
七瀬は興味があるのか耳を傾けてきた。
「この学校の七不思議って知ってるか?」
「転校したばかりの私にわかるわけないでしょ」
「…それもそうだ。で、その七不思議の正体を俺と一緒に確かめないか?」
七瀬はちょっと考えてからこう言った。
「…いいわよ」

こうして俺は、七瀬と学校の七不思議を調査する事になったわけだ。
451学校の七不思議 #2:2000/08/03(木) 01:10
まず、1つめのの不思議、それは夜11時頃の事、3年のとある教室に現れる
謎の生き物だ。3年の教室の廊下を高速で走りまわっているらしい。

…夜になり、俺は七瀬と待ち合わせの校門に来ていた。
まだ、七瀬は来ていなかった。
(もう11時だぞ。七瀬、何してるんだ?)
ポンポン。
肩を叩かれる。
「遅いぞ七瀬…え?」
「浩平君、どうしたの、こんな所で?」
そこにはみさき先輩がいた。



みさき先輩?
「ちょっとまてー、なんで俺がわかったんだー、目が見えないのにー」
「なんとなくだよ」
みさき先輩は微笑む。
「あ、私ちょっと行くところがあるから」
そう言って、みさき先輩はひょいっとフェンスを乗り越え学校に入る。
(あ、あの人は超人か)
「あ、折原、お待たせー」
「ぎゃーっ」
俺は心臓が止まりそうになった。
「な、何よー、失礼ねー」
「な、なんだ、七瀬か…」
俺はまだ心臓がバグバグ鳴っていた。
(さっきみさき先輩のあれを見たせいだ)
俺は深呼吸をしてこう言った。
「い、行こうか、七瀬」

俺の心の中にはさっきのみさき先輩の行動が染み付いて離れない。
俺は考えていた。
(まさか、お約束の展開じゃあるまいな。みさき先輩が3年の教室を
走りまくっているという)
452学校の七不思議 #3:2000/08/03(木) 01:26
はあはあ

俺は七瀬と歩きながらもずっと不安にかられていた。
(やっぱみさき先輩なのか?)

その時、七瀬が怪訝そうな顔で俺をにらんだ。
「さっきからハアハアうるさいわよ」
「そりゃ、七瀬を襲いたくてしょうがないからさ」
ばちーん
乙女ちょっぷが俺に炸裂する。
「冗談言ってる場合じゃないでしょ、そんなに怖いんだったら
最初からこんな事しようなんて言い出さないでよ」
「い、いや、俺は怖いとかそういうのじゃないんだが」
サクサクッ
音がする。3階からだ。
「でた、見に行こうか、七瀬」
俺は振り返る。
そこには膝を落とした七瀬がいた。七瀬は震えていた。
「七瀬、怖いのか」
「こ、怖くなんかないわよ、折原、行くわよ」
七瀬は立とうとした。でも腰が抜けてたてないらしかった。

「一人脱落だな、仕方ない」
俺は、歩き出す。
「ちょ、ちょっと待ってーー、折原、私を置いていく気?」
七瀬が叫んでいるようだったが、俺は無視した。

そして、3階に辿り着く。
453学校の七不思議 #4:2000/08/03(木) 01:37
3階は静かだった。人がいる気配がしない。
(さっきの音は聞き違いだったのかなあ)
俺は少し考えた後、とある教室に進んだ。みさき先輩の教室だ。

恐る恐る扉を開ける。
「み、みさき先輩いる?」
…声が返ってきませんように。俺は祈った。




声は返ってこなかった。
俺はある意味ほっとした。
「折原ー、置いてくなんてひどいじゃない」
後ろから俺を呼ぶ声がする。七瀬だ。

俺と七瀬はこの後、しばらく待ったが何も起こらなかった。
「あれは、なんだったんだろうな」
「たぶん、聞き違いじゃない?」
…そうだろうな。やっぱ七不思議は七不思議か。
俺はちょっと残念に思いながら、帰路にたった。
454#11:2000/08/03(木) 01:42
『また…今度は左足が…一体何が起こってるの?』
「舞!何をボーっとしてるんだ!」
「祐一…済まない。」

「がっかりね…魔物っていってもその程度なの?」
 香里は魔物の攻撃を余裕でかわしていた。
「…それならこっちから行かせてもらうわよ。ハッ、ヤッ、トウッ!」
 魔物は香里の攻撃をもろに食らい吹っ飛ばされた。魔物はかなわぬと悟ったのか、一目散に逃げ出した。
「あたしから逃げようなんて…もう遅いけどね。」
 廊下に見えない壁が現れ魔物のゆく手をふさいだ。
「逃げられたら困るから、結界を張らせてもらったわ。こっちへいらっしゃい…マグネットアンカー!」
 強力な磁力線が放出され、魔物のを拘束して香里のそばに引き寄せた。もし魔物の姿が見えたのなら
蛇ににらまれた蛙という表情が見られたに違いない。
「消し炭になってもらうわよ…エクスキュージョン!」
 魔物は磁力結界に捕らわれて内部から破壊され、一瞬で消滅した。
「本当に大した事無いわね…今ごろ栞や名雪も魔物を倒してるだろうし、相沢君たちと合流しましょうか。」
 香里は結界を解くと、祐一達のところへ向かった。
455学校の七不思議 #5:2000/08/03(木) 01:58
次の日

いつものように俺は長森と走っていた。
「もう、浩平が変な所に隠れるからだよ」



いつものようにぎりぎりで学校に辿り着く。

ふぅ、間に合ったか。

俺は、そこにいた七瀬に喋りかけた。
「昨日、結局何も出なかったな、つまらん」
「そうね、でも私はほってかれたり、散々だったわ」
俺は七瀬と昨日の事について話合った。

昼になって俺は、みさき先輩のいる屋上へ向かった。
みさき先輩はいつも通りそこにいた。
俺は昨日の事が気になって聞いてみる。
「みさき先輩はどうして俺の事がわかったんだ」
「たまたまあそこに通りがかった時に浩平君が独り言、言ってたからだよ」
…そうか、やっぱあの時のあれは本物だったのか。
俺は少しみさき先輩が怖くなった。

そうして、放課後になった。
俺は、さっさと帰る準備をする。長森が何か言っていたが無視する事にした。



俺が校門を出ようとした時、長森に呼び止められる。
「浩平、ちょっと待って、用事があるの」
俺は振り返る。
…え?
俺はその時、とんでもない事実に気が付いた。

…フェンスが、ない。

じゃあ、あの時フェンスを越えてたみさき先輩はいったい?
確か、今日聞いた話では…

(第一話 完)
駄文スマソ
456#12:2000/08/03(木) 04:18
『くっ、今度は左手が…こんなに簡単に魔物を倒すなんて、あの人達って一体何者なの?』
「おいっ、舞っ、魔物がそっちにいったぞ!」
「えっ?あっ、しまった!」
 舞は魔物の突進をまともに食らい、廊下の壁に叩き付けられた。
「舞!大丈夫かっ!」
「…はちみつくまさん。」
「無理するな、今すぐ助けに…その前に、目の前にいるこいつをどうにかしないと
いけないみたいだな…。おい、お前の相手は俺だ。かかってきやがれ!」
 魔物は祐一の方が弱いと判断したのか、祐一に向かって襲いかかってきた。
「うわっ、ちょっと待てっ…って感じられる…見えないはずの動きが見えるぞ!」
 祐一は魔物の攻撃を剣で受け流すと、返す刀で斬りつけた。
「すごい…この剣のおかげなのか?ついでにこれでもくらえっ!」
 祐一が念じると、火の玉が空中に現れ、魔物を炎で包んだ。
「止めを刺してやるっ!」
 祐一は魔物に向かって飛ぶと剣を水平に突き出し、全体重をかけて叩き切った。
祐一の兜割りを食らった魔物は跡形も無く消滅してしまった。
「舞っ、大丈夫か?」
「…はちみつくまさん。」
 そこへ先に合流したのか、香里達が3人でやってきた。
「あっ、名雪も栞も香里も無事でよかった。魔物はどうしたんだ?こっちは1体倒したが。」
「魔物ならちゃんと倒したわよ。ね、栞?」
「はい、お姉ちゃん。祐一さん、私も1体えいえんの世界に送ってさしあげました。」
「祐一〜、わたしも頑張って倒したんだよ〜。」
「そ、そうか。どうやって倒したのか気になるが、そんなことは後だ。これで残りは1体だけだな。」
「でも、もう逃げてしまったんじゃないですか?」
「そうだね。1対1で互角の相手が5人もいるんだものね。」
「どうやらそれは違ったみたいね。最後の魔物が…来たみたいよ。」
457もうひとつの聖夜(1:2000/08/03(木) 22:40

「…ここが家です」
「うん…じゃあ…おやすみ」
「…はい。おやすみなさい」
茜がぺこりと頭を下げてドアに手をかける。
そして、振り向いて言い添えた。
「浩平…送ってくれて、嬉しかったです…」
オレは茜が家の中に入るのを見届け、今来た道をひき返した。

それにしても、なんとも賑やかなクリスマスだった。
なにより、茜の学校では見ることのできない色々な面を
知ることができたのが、収穫だった。
そんな事を思いながら、時計を見る。
10時…そんなに時間が経っていたのか。

ピンポーン。再びチャイムが鳴る。

今度こそ、長森が戦利品(もちろん食料)を持ってきたに違いない。
オレは玄関へ行き、扉を開けながら話し掛ける。
「長森、待ってたぞ。オレは鳥の唐揚げとかだと嬉しい…」
言葉が止まる。
そこに立っていたのは、長森ではなく、柚木だった。

「あ…茜はもう帰ったんだね」
「ああ、今さっきな。どうした?お前も忘れ物か?
 まさか茜みたいに『後片付けが気になって』
 なんてことは、お前に限ってはないよな」
ついいつもの調子で憎まれ口をたたく。
が、柚木の反応は鈍かった。
「そう…帰ったの…」
「?…茜に用だったのか?」
「う、ううん、そうじゃないの…。
 悪いけど、お水を一杯、貰えないかな?」
「別に構わないけど…まあ、上がれ」
「うん」

冷蔵庫からミネラル・ウォーターのボトルを出して
コップについで柚木に手渡す。
「ありがと…あっ」
ガッシャーーン!
柚木の手からコップが滑り落ち、派手な音を立てて割れた。
「お前なあ…」
「ご、ごめん…あ、痛っ!」
「バカ、下がってろ、この酔っ払い」
オレは割れて散らばったガラスを素早く集め、新聞紙に
包んでごみ箱に捨てる。
「まだ動くなよ、酔っ払い」
掃除機をかけて細かいガラス屑を吸い取る。

「…よし、こんなもんだろ。手、見せてみろ、酔っ払い」
「酔っ払い、酔っ払いって…
 あたしだってちゃんと名前があるのに、酷いよ…」
「詩子」
「えっ!?」
「柚木詩子。手を見せろ」
「…うん…」
一瞬びっくりしたように柚木の動きが止まり…おずおずと手を差し出す。
「うん、たいしたことないな…ほら、傷口洗え、柚木詩子」
「痛っ…!傷、開かないでよっ!」
「ガラスが傷に入ってたらヤバイだろ。よし、バンソコ貼って終わり」
「…ありがと。ごめんね」
オレは水を入れ直そうとして、ちょっと考えて柚木に向き直る。
「水よりコーヒーの方がよさそうだな、柚木詩子?」
「…お願いだから、いちいちフルネームで呼ぶのもやめて?」
柚木は引きつった笑顔で答える。
この様子なら大丈夫そうだな。

しかし、なんだってオレはこいつと差し向かいで
コーヒーなんか飲んでるんだろう…。
「うん、おいしいね」
満足そうにうなずいてコーヒーをすする柚木。
「ところで、いったい何の用だったんだ?」
「あ、それね」
コーヒーカップをおいて、真っすぐこっちを見る。
「折原君って、茜のこと、好きでしょ?」

ぶはっ!
オレは飲みかけのコーヒーを吹き出す。
「うわっ、きったなーーい!」
「誰のせいだ、誰の!」
「ねえ、返事は?」
「お前に関係ないだろ!」
「茜は絶対、折原君のこと好きだと思うな」
「…そうなのか?」
その言葉を聞いて、オレは思わず身を乗り出してしまう。
「ねえねえ、この余ったケーキ貰ってもいい?」
「話をそらすなっ!」
「折原君は、やっぱり茜のこと、好き?」
「うーっ…」
こいつと話してると頭が変になりそうだ…。

「答えないって事は、やっぱり好きなんだ?」
「なんでそうなるっ?」
「あたしねえ、今日みたいに楽しそうな茜、久しぶりに見たよ」
ケーキのクリームを指ですくいとりながら、言う。
「あたしじゃ、茜にあんな表情させてあげられないものね…
 そう思うとちょっと複雑なんだけど」
「だから、お前は結局何が言いたいんだ!?」
「うん…本題はまたちょっと話が飛ぶんだけど、怒らない?」
はあ。溜息とともにつぶやく。
「怒るを通り越して呆れてるよ、オレは。で、なんだ、本題は」

「あたしね…実は折原君のこと、好きになったんだ」
458もうひとつの聖夜(2:2000/08/04(金) 20:01

「あたしね…実は折原君のこと、好きになったんだ」

「な…に…?」
またこいつは、ふざけたことを…怒ってやろうと柚木の顔を見る。
が、その顔からはふざけている様子はまるでうかがえなかった…。
「あ、勘違いしないでね?だからって、茜とのこと邪魔しようなんて、
 全然思ってないからね?ただ…茜が一人で折原君の家に戻って
 …二人だけで過ごしてるんだ、って思うと…家に帰る気分には
 とてもなれなくて」
柚木はゆっくりと立ち上がり、オレの横に来る。
何か、言わなければ…と思うものの、言葉が出ない。
「折原君…」
柚木の手がオレの顔を挟み込む。
オレは混乱して、されるがままになっていた。
柚木の顔がだんだん近づいてきて、ゆっくりと目が閉じられ…

「ちょ、ちょっと待て、柚木っ!」
さすがに焦って、柚木の肩をつかんで、止める。
柚木は不満そうに目を開けてオレの顔を睨みつけた。
「女の子に恥をかかせないでよ」
「だから、オレは茜のことが…」
言いかけたオレの口に柚木が人差し指をあてて続く言葉を遮る。
「わかってる…だけど、今日だけ。今だけ、あたしのこと考えて。
 それで全部忘れる。もう二度と何も言わないから…」
こいつは、本当にオレが知っている、あの柚木なのか?
オレはまだ心のどこかで、「なんてね、冗談よ」と柚木が言って
くれるんじゃないか、と思っていた。
だけど柚木の目は、真剣そのものだった。
色っぽく潤んだ目でオレを見つめながら、再び唇を近づけてくる
柚木を、オレは半ば呆然としながら受け入れるしかなかった。

「んっ…」
柚木の舌が、オレの口の中に入ってくる。
オレの歯や舌に触れるたび、びくっとして一瞬引っ込み、
またおずおずと差し入れられる。
決して慣れているふうではないのに、一生懸命にオレを
求めてくる柚木の舌の動きがなんとも可愛らしくて、
オレはその舌を思いっきり吸ってやる。
「!…んんっ!」
柚木の身体がびくっと震え、反射的に顔を離そうとする。
…積極的なのか、純情なのか、よく分からないやつだ。
オレは柚木の頭の後ろを手で押さえて、逃げられないように
しておいて、自分の舌を柚木の口腔内に深く差し入れた。
もうどうとでもなれ、という気分だった。
ここまできたら、今更止めようがないのだ、男ってやつは。

オレは覚悟を決めて、唇を離すと柚木の目を見つめる。
「…いいんだな、本当にそれで」
459名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/04(金) 23:24
レズじゃない詩子さんも可愛いです。
本編もこうなれば良かったのに…
460もうひとつの聖夜(3:2000/08/05(土) 00:24
「…いいんだな、本当にそれで」
「…うん」
そろそろ、由起子さんも帰ってくるだろう。
オレは自分の部屋へ、柚木を促した。

部屋に入ったはいいが、しばらくお互いに所在無く立ち尽くす。
さっき盛り上がった気分が、ほんの少し時間を置いたことに
よってしぼんで行くような気がする。
…沈黙が重い。
不意に、柚木が無言でベストを脱ぎ始めた。
オレはぎょっとして、手伝うべきかどうか迷って柚木を見る。
柚木の手が震えているのが分かった。
ブラウスのボタンが上手く外せないらしく、上気した顔で
何度も同じボタンに手をかける。
少し意地悪な気もするが、オレは黙って柚木が服を脱いで
行くのを見ていることにした。
軽い衣擦れの音を立てて、白いブラウスが床に落ちる。
続いてスカートがすとん、と滑り落ちる。
そこで柚木は一瞬すがるような目をオレに向けるが、
オレは黙ってベッドに腰をかけてそれを見ている。
柚木は小さく溜息をつきながら、震える手を背中に回し、
ブラのホックを外す。
けして大きくはないがお椀型の形のいい胸が露になった。
その胸を手で隠すようにして、立ったままオレの方を見る。
「それで終わりか?」
オレがそう言うと、柚木は泣きそうな顔でオレを見た後、
震える手で最後の一枚の布を、取り去った。

オレはしばらく、無言のまま全裸の柚木の姿を見つめていた。
隠し様もなくオレの視線で犯されていく柚木は、朱に染まった
全身を震わせて、羞恥に耐えていた。
「こいよ、柚木」
オレが手を差しのべると、全身で縋り付いてくる。
「お願い…今は…さっきみたいに名前で呼んで」
「…詩子?」
「はあっ…嬉しい…」
柚木の腕がオレの首に回され、胸が合わさった。
オレのシャツ越しに柚木の体温が伝わる。
固く尖った乳首の感触がくすぐったい。
直接それを感じたくなって、オレは急いでシャツを脱ぎ捨てた。
柚木の背中に腕を回して、きつく抱きしめると、柚木の乳首が
オレの胸に埋め込まれる。そのくすぐったさが心地いい。
身体を離して、手で包み込むように胸を愛撫する。
乳首を指の間に挟んで捏ねるようにすると、柚木は耐えかねた
ように熱い溜息を漏らす。
「はあぁっ…」
「気持ちいいか?詩子」
「うん…なんだか…ヘンな気分…あっ…」
乳房を柔らかく揉みながら乳首を口に含むと、強く吸い上げる。
「あっ、あっ…あんっ…やだ…」
そのままゆっくりとベッドに押し倒す。
乳首から顔を離し、柚木の不安そうな顔を見ながら唇を重ねる。
「ん…」
しばらく柚木の舌を味わいながら、ゆっくりと股間に手を伸ばす。
腰がびくっと動き、オレの手首を柚木の手が握り締める。
唇を離すと、柚木が真剣な表情でオレを見つめながら囁く。
「あたし…初めてなの。だから…やさしく…して」
オレだって初めてだ。ということはあえて言わないことにして、
黙ってうなずいてスリットに指を沈めて行く。
461#13:2000/08/05(土) 02:21
 しかし現れたのは魔物ではなく、薄茶色の服を着てウサギの耳のついたカチューシャをはめている
黒い髪の毛の7@`8歳の女の子だった。
「あれ?ちゃんと姿が見えるよ。…女の子?この女の子が最後の魔物なの?」
「どうやらそうみたいですね。皆さん、気をつけてください。」
「もう姿を消している余裕も無いみたいね。でも、窮鼠猫を噛むと言うわ。気をつけてね。」
「あれ…この子は…確か前に会った事があるような…?」
「祐一、私も何か思い出せそうな…!手足が…」
「川澄さん、ここはあたし達に任せて休んでいてね。相沢君、川澄さんを頼んだわよ。」
 そう言うと香里達は女の子を囲むように位置した。
「あなた…1人で私達と戦うつもりですか?そういう人は嫌いではありませんが…
悪いですけど、全力で行かせてもらいます。遺言を言うのなら今のうちですよ。」
 それまで黙って舞のほうを見ていた少女がはじめて口を開いた。
「あなた達…よくもわたしの分身を…あるべきところへ帰ろうとするのを邪魔する人達は絶対に許さないの。
みんなわたしの世界で永遠にさ迷え!黄金の秋・鎮魂歌(ゴールド・オータム・レクイエム)っ!」
 少女がそう言うと、突然1面のすすき野原が現れた。
「わっ、いったいどうしたの?確かに学校にいたはずなのに…。」
「これは…彼女が造り出した精神世界なんでしょうか?」
「そうよ、よくわかったね。あなた達3人は永遠にこの世界で暮らしてよ。わたしは祐一達と
元の場所へ戻るからね。さあ、いこう、祐一。」
462名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/05(土) 19:08
面白れえっ!
あげんな猿
464改題/MMR in Kanon#14:2000/08/05(土) 20:16
「あ…ひょっとしてお前は…あの時の…?」
「祐一…どうしたの?」
「いいの。祐一も舞も元のところへ戻ろうよ。……えっ!いったいなにが…。」
 何時の間にかすすき野原は消え、もとの夜の廊下になっていた。
「どうして?なんでわたしの世界が…あの世界ではわたしが絶対なのに・・・?」
「甘いわね。確かにあなたの世界ならあなたが絶対でしょうけど…もうあの時点であたしが作った結界に
入っていたのに気付かなかったようね。あなたの能力も結界の中では絶対ではなかったようね。」
「さすがお姉ちゃんですね。あなた、覚悟はできましたか?」
「うみゅ、あの世に逝ってもらうよっ。」
 香里達は少女を取り囲み、じりじりと追い詰めていった。
「ああ…そんな…怖いよ…助けてよ、舞…。」
「ちょっと待て、お前たちっ!その子は舞の…。」
 香里達は祐一の言葉に耳を貸さず、止めを刺すべく攻撃を仕掛けた。
「エレクトリッガー!」
「オーラソウルスパーク(LV1)!」
「めがあたっく!ごぉごぉごぉ!」
「舞っ、思い出せ!俺達は昔ここで会ったじゃないか。そして俺はお前と…」
「あっ…思い出した…あれは昔の私…でも、もう遅い…。」
 香里達の攻撃が少女(まい)に命中し凄まじい音と爆風が起こった。
「きゃああっ!」

「一体どうなったんだ?…舞!しっかりしろ!」
 祐一が抱きかかえた舞は意識を無く、呼吸も弱々しかった。
「ああ…舞の分身のたる能力が消滅したんだ。舞の命も…おいっ、香里!俺が止めたのによくも…。」
「祐一…。」
「祐一さん、大丈夫ですよ。あの少女は生きてます。」
「えっ、そうなのか?」
「そうよ。彼女があたし達の攻撃を食らってもうだめだと思ったのと、川澄さんが昔の事と能力の事を
思い出し彼女を受け入れようと思ったらしくて。」
「それでどうなったんだ?」
「残念ながらとどめを刺す前に本体の川澄さんに戻ったみたいね。じきに川澄さんも目を覚ますでしょう。」
「そうなのか…何か間違ってるような気もするが、よかったな、舞。」
「ふぅー、わたし、もう少しで人を殺すところだったよ。」
「まあ、終わりよければ全てヨシ!ですよ。祐一さんも舞さんもよかったですね。」
 みんなで話していると、舞が目を覚ました。
「祐一?私は、ずっと自分と戦っていたなんて…気がつかなかった…。」
「もういいんだ、舞。もう、終わったんだ。夜の校舎で自分と戦う必要も無くなったんだ。」
「祐一…うれしい。」
 そう言うと舞は祐一に抱きついた。
「お、おい、みんながいるだろう。」
「…祐一、不潔だよ。」
「そんな事する人嫌いです。」
「まあ、名雪も栞も今は大目に見ましょうよ。ふたりも何時までもこんなところに居ないで
外へ出ましょうよ。ね?」
 香里達は夜の校舎から外へ出た。
「なんか今夜は色々あったな。」
「そうだね、でも、もう川澄さんも夜に学校に来る必要もなくなったし。」
「倉田さんの依頼はちゃんと果たせたわね。コンビニでなにか買ってお祝いしましょうか。」
「お姉ちゃん奢ってくれるんですか?」
「なに言ってるの、割り勘に決まってるじゃない。」
「…ケチ。」
第1話 FORTUNE HUNTER 終わり
466酷評屋:2000/08/05(土) 22:56
MMRである意味が全然ないぞ。
「実は魔物の正体は舞自身だったんだよ!」
「な…なんだってーーー!!」
「このことは既にノストラダムスが予言していた…!」(ゴゴゴゴゴ)
くらいの展開は欲しかった。
4677:2000/08/05(土) 23:24
>>466 うわあ、ごめんなさい。最初はそれも考えていたんだけど、それだと
    魔物とタイマンはれなくなるのと、香里に言わせる妄想が思いつかなかった
    んです。いいわけですね、済みません。    
468もうひとつの聖夜(4:2000/08/06(日) 00:00
「…あっ」
そこに他人の指が進入する初めての感覚に、柚木が身体を
硬くして足をぎゅっと閉じる。
柚木の方から誘ってきたという事実が、オレに残酷な言葉を
言わせる。
「詩子、オレにして欲しいんだろ?だったら足を開けよ」
「ええっ!や、やだっ…恥ずかしいよ…」
「じゃあ、やめるか」
「い、意地悪っ…」
オレを見上げる柚木の涙をにじませた目がオレの欲望を
刺激する。オレは耳元で囁く。
「…見たいんだよ。お前の全てを、オレに見せてくれ」
「…うーっ…だって…」
「詩子…」
はあ…と溜息をつくと、柚木は顔を両手で覆い隠しながら
少しずつ足を開いていく…。
愛液でぬらぬらと淫靡に光るそこが、オレの目の前で
露になる。
「…はあっ…あんまり、見ないで…」
「すごくきれいだ、詩子…こんなに濡らして…色もきれいな
 ピンクだし、ヘアも薄くて全部透けて見えるよ」
「いやっ…恥ずかしい…」
そういいながら、足を震わせながらも閉じようとせず
けなげに羞恥に耐えている。

くちゅ…。
オレは蜜をたたえて綻んでいるその場所にゆっくりと指を
挿入した。
「…あ!」
柚木が驚いたような声を上げる。
「痛いか?」
「ううん…なんか…ヘンな感じ…あっ!」
ぐっと奥まで指を進める。指1本なのに締付けがきつい。
…ほんとにここにオレのアレが入るのか?
「ああ…なんだかヘン…身体が熱いよ」
柚木が腰をくねらせると湿った音が部屋に響く。
「はあっ…ああ、あぁんっ…あたしのあそこ…イヤらしい音
 させてる…恥ずかしい…恥ずかしいよ…」
「ああ、詩子のここはほんとにイヤらしくて可愛いよ」
オレは指を呑み込んで蠢く部分の少し上、小さな突起に
唇をかぶせる。
「ひゃあ…っ!」
そこを ちゅっ、ちゅっ と軽く吸いながら、舌でチロチロと
舐めると、柚木の背中が弓なりに仰け反る。
「あああっ!そこっ、すごくっ…んああっ!」
柚木の手が堪りかねたようにオレの髪を掴み、腰が上下
に波打つように動く。
指が沈んだ部分から大量の蜜が溢れ出す。
いくぶん中も広がってきたような感じだ。
柚木の呼吸がだんだん荒くなり、オレの髪を掴んだ指にも
力が入る。
「いやっ、いやっ…おかしくなっちゃうっ…!あああぁぁっ!」

指が強く締め付けられ、柚木の身体が一瞬こわばり…
大きな溜息とともに力が抜ける。
「ん…はああっ…」
荒い呼吸でぐったりとしている柚木のまだひくひくと蠢く
そこにオレは自分自身をあてがって言う。
「詩子…いいか?」
「…うん」
ぐっ、と腰に力を入れるが、抵抗が強くてなかなか入らない。
「んくっ…」
「詩子、できるだけ力抜いてろ」
「そ、そんなこと言ったって…ああっ!」
喋った拍子に余計な力が抜けたのか、最初の抵抗を突破
すると、半ばまでつるっと呑み込まれる。
「う…」
苦しげにうめく柚木を見ながら、少しずつ残りの部分を
埋めていく。
「ふうっ…く…」
「大丈夫か?」
「うー…こんなに痛いなんて思わなかったよぉ…」
「やめるか?」
ふるふると首を横に振ると、オレの首に抱き着いてくる。
「いいの…して」
オレはゆっくりと腰を動かしはじめる。

涙の浮かんだ柚木の目尻に唇をつけながら、オレは
熱く潤んで強く締め付けてくる初めての女の子の膣の
感触に夢中になって腰を振る。
長く持ちそうになかったが、痛がっている柚木の為にも
それはいいことなのかもしれないと思い、オレは一気に
昇りつめる。
「うっ…詩子、もう、いきそうだ…」
「んっ…今日は大丈夫だから…中に出していいよ…」
「ああっ…!」
柚木の台詞が引鉄を引いたように、オレのモノがびくっと
震え、大量の精液を柚木の中に吐き出した。
469もうひとつの聖夜(5:2000/08/06(日) 00:02

「…ありがとう、折原君」
柚木はそう言うと素早く服を身につけ始める。
お礼を言われるようなこと、してないよな。
「もう遅いから、泊まっていけばいい」
「ううん…そんなことしたら、未練ができちゃいそうだから」
「じゃあ、せめて家まで送って行くよ」
「それも、いい。一人になりたいの」
オレが言葉に窮していると、柚木がにっこり笑って言う。
「今夜のことは、二人だけの、一生の秘密だからね」
「ああ。わかってる」
「今度会った時は、いつもどおりのあたしたちでいようね」
「わかった…」
「じゃあ」
そう言って柚木は帰って行った。

その後の柚木は、呆れるほどいつもどおりだった。
オレ自身、クリスマスの夜のことはもしかしたら夢だった
んじゃないか、と思うほどに。
そうして月日が流れ…

「お、馬子にも衣装って奴だね」
柚木がドアから顔を覗かせる。
「覗くなよ…仮にも新郎の控え室だぞ。着替え中だったら
 どうするんだ」
「白のタキシードかあ、面白みにかけるわねえ」
「面白くなくていいんだよ、こーゆー服は…相変わらず、
 人の話を聞かない奴だな、お前は」
どっかりと椅子に座る柚木。居座る気だな…。
「茜の方には顔出したのか?」
「うん、すっごく綺麗だったよ。幸せ者だね、折原君は」
オレはこいつに聞きたいことがあったのを思い出した。
それはつい最近、茜から聞いた話だった。
「柚木」
「なあに?」
「茜から聞いたんだが」
「何を?」
「お前、この前茜に自分は同性愛者だってカミングアウト
 したんだってな」
「ああ…そのことか。うん、そうよ」
あっさりと肯定する柚木。
とすると、あのクリスマスのことはやっぱりオレの夢
だったんだろうか…?
そんなオレの心を読んだかのように柚木がつぶやく。
「自覚したのが割と最近だからね」
「そうなのか…」
急に柚木がまじめな顔になって言う。
「折原君はあたしが唯一好きになった男の子だよ」
オレは…なんて答えたらいいのか分からずに黙っていた。
すると、くすっと笑って柚木が付け足す。
「だから、折原君はあたしにとって、最初で最後の
 セックスした男の子なんだよ」
「わあっ!バカっ、そんなことここで言うなあっ!!」
「へへへー、冗談、冗談。
 あたしそろそろ教会の方にいっとくね」
そう言って柚木が控え室から出て行った。
式の時間は目前に迫っていた。

「…浩平」
閉じたドアの前で、白いドレスを着た茜が待っていた。
「茜…凄く、綺麗だ…」
「恥ずかしいです…浩平も、素敵です」
茜がオレの腕に手をかける。
オルガンがウエディング・マーチを奏ではじめ、
教会のドアがゆっくりと開く。
明るい光が降り注ぐ教会の中には、親戚や友人達が
オレ達を祝福しようと待ちうけている。
「行こうか」
「…はい」
オレと茜は赤い絨毯の敷かれた道を、二人で歩き始めた。

FIN

written by mio_2ch(いっつもエロねたでスンマソ)
470OVA:2000/08/06(日) 01:03
もうひとつの聖夜おもしろかったです〜。
次は澪のSSをきぼ〜ん!
『3日前から行方不明になっていた若い男女二人組が街はずれの森の中で遺体で発見され
 ました。警察は男女の死亡時刻に大きなズレがあることから心中とみて調べをすすめて
 います。最近この街では似たような男女の心中事件が後をたたず、付近の住民はなにか
 のたたりではとおびえています。』

「ふ〜ん、たたりねぇ」
祐一は朝のコーヒーを飲みながらリビングでニュースを見ていた。
その横では名雪が同じようにコーヒーカップを持ってテレビを見ている。
ほんの数ヶ月前まではとても考えられなかった光景だ。
名雪があの目覚し時計を使い出してから早起きするようになった結果、
朝食を食べ終えてもかなりの余裕ができるようになったのだ。
しかしあまり早めに学校に着いてもしょうがないので
二人はこうしてテレビを見て時間をつぶすようにしている。
「祐一、そろそろ行こうよ」
名雪の言葉に祐一がテレビの左上を見ると、デジタル時計が8:00を表していた。
「よし、行くか」
472siba-10:2000/08/06(日) 02:06
いきなりまちがってる・・
(誤)テレビの左上
(正)画面の左上
473けもの道(2):2000/08/06(日) 03:36
祐一は学校に向かって歩きながら今朝のニュースの事を考えていた。
ここ最近、祐一の頭の中は例の心中事件のことばかりである。
祐一もはじめのころはたいして興味を持たなかった。
しかし、同じ学校の生徒が心中したときから人事とは思えなくなった。
違うクラスの生徒だったが、よく見かけるカップルだった。
と言うか学校内で人目もはばからずにいちゃいちゃしていたので
校内で知らないものはいなかっただろう。
そんなやつらが心中したのだ。興味を持つなと言う方が無理な話である。
そして今朝のニュースだ。
まぁ事件そのものはいままでのものと何ら変わりはない。
しかし祐一にはどうしても気になることがあった。
「街はずれの森」に「なにかのたたり」か・・・
このふたつの言葉がどうしても引っかかるのだ。
開きそうにみえてどうしても開かない引出しの中身のように気になってしかたがない。
くそっ気になる・・ここまで出かかってるんだけどなぁ・・
「・・ういち・・ゆういち・・祐一!」
「んっ!?あ、あぁ、どうした名雪」
「どうしたじゃないよ。学校、通り過ぎちゃうよ〜」
「へ?」
祐一はいつのまにか校門を5歩ほど過ぎたところに立っている自分に気づいた。
どうやら考え事に熱中しすぎて我を忘れていたようだ。
「もう、最近祐一おかしいよ。なんかぼ〜としてる」
「名雪に言われたらおしまいだ」
祐一が言うと名雪は少し怒ったような顔で答えた。
「うー、わたしそんなにぼ〜してないもん」
「授業中居眠りばかりしているやつがなにを言うか」
「うー」
「ほらさっさと行くぞ」
祐一はまだ納得していない名雪をずるずるひきずりながら校舎へ歩いて行った。
474名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/07(月) 16:47
ちょっとあげとくね。
げげっ、なんで一発で80から1に上がるの?
ごめん、相対sage作業に入ります。
80だろうと800だろうとsageずに書けば1まで上がるよ(笑
迷惑さげ
つっこまないでおくよ
ゆっくり覚えていってね
ついでにまわし
480476:2000/08/07(月) 17:02
別に悪意に基づく書き込みではないので誤解なきよう。
ついでに言うとsageても実際に下がるわけではない。
>>475
ネタ入れて上げてね。あんまり古いスレ上げるのも
どうかと思うよ…。
>>475 おまえ…やりすぎ…
おおお、やるな新入り。。。
484砕けた夢のかけらを・1:2000/08/07(月) 20:34
「ナンでやぁーっ!」
 怒号が鳴り響く。
 ここは応接室。
 一人分の大きさの2つのソファの真ん中に、ガラスの小さなテーブルがある。
 その上には何かが入った紙袋にコーヒーの入ったカップが2つ。
  バンッ!
 テーブルが片方に座っている女性に両手で叩かれる。
  ガシャァーン!
 その上に乗っていたコーヒーカップの一つが落ちて割れる。
「もう一回言うてみっ!」
 関西弁で女性は、対面に前屈みで座っている男性にまくしたてる。
 飾り気のないトレーナー。無造作といっていいくらいに束ねた長い髪に大きな丸い眼鏡。
そんな”おしゃれ”とはかけ離れた容姿の女性。名前を猪名川由宇という。
「………」
 問いただされた背広の痩せた男は何もしゃべらず、ソファに座り、
組んだ手を口に当てているだけだった。
 そんな態度に由宇は痺れを切らす。
「…黙っとっらんで」
 男の胸ぐらを掴んで、
「何か言えっ」
とドスの利いた声で問い詰める。
「猪名川さん」
やっと、男が言葉を発する。と同時に、
「あの…、何かスゴイ音が…!」
 応接室に入ってきた、落ち着いた感じのする眼鏡の女性、牧村南は、
「っ!」
目の前の光景に立ちすくむ。
 しかし男は構わず平然と、いや笑いを殺しながら、こう続けた。
「あんたの作品…あんなんじゃダメだ」
485砕けた夢のかけらを・2:2000/08/07(月) 20:41
 実際、猪名川由宇は悩んでいた。
 いや、行き詰まりを感じていたといっていい。
 長年やっていた同人活動。
 色々な二次創作物を作ってきた。
 自分の作りたい物を、ただひたすらに。
 …だけど。
 最近は、事務的に作業しているような気がしていた。
 最初の頃の新鮮な気持ち。
 もちろん嫌な事もあったし、その事で気が短い彼女にはトラブルが絶えなかった。
 それでもそれ以上に彼女を創作に突き動かす感動が、昔はあった。
 見てくれるお客さんに喜んでもらえる。そんな物を作ろうと努力した。
 …今は。
 同人の世界では俗に言う「大手」とはいかないものの評価は上々だった。
 「玄人受けする中堅」そんなポジションを築いていた。
 しかしそんな人がうらやむような見方も、彼女が倦怠感を感じる原因だった。

 もう一つ、彼女が思っていること。
「この頃、骨のある奴がおらん」
 同人仲間だった面々は、最近こみっくパーティにサークル参加していない。
 大庭詠美はプロの作家としてデビューした。
 千堂和樹も詠美と同じ雑誌で漫画を描いている。
 長谷部彩は絵本作家として地道に頑張っている。
 他に知った面子も辞めてしまった者が多く、ずっと参加していた彼女はいつしか
「ベテラン」と呼ばれるくらいになってしまった。
 「世代交代」。そんな言葉が頭をよぎる。
 それはこみパに限らず、あらゆるジャンルで必要な事は充分理解していた。
 停滞するものは死を待つだけ。
 流れの止まった水は濁り、腐り、干乾びて無くなる。
 それでも。
 身近な連中が次のステージに行くのを心から歓迎しつつも、割り切れない気持ちを彼女は抱いていた。
 自分一人だけ置いてかれた気分。
 しかし彼女の性格からして、それは絶対口にしない。
 それを他人に対して言うこと。
 彼女にとっての敗北。
 創作活動との決別。
 今までやって来た事に対する否定。
 もちろんそこまで真剣に考えてはいない。
 だけど頭の片隅には、澱(おり)として沈殿するような感じで、確かに存在していた。
 それを払拭したかった。
 その事が壁となって立ちはだかり、足枷となって自分の歩みを止める。
 自分を縛るものを全て無くすため。
 自分の翼を大きくはためかせ、大空を飛びたい。
 いつしかそんな欲求が、彼女にある決意をさせる。

「牧やん」
「はい、何ですか?」
 こみっくパーティ当日。
 スタッフとして通りかかった牧村南に彼女は声を掛ける。
「ウチ、次のこみパ休むから」
「えっ、どうして!?」
 驚く南。そんな様子に由宇は照れ笑いを浮かべて、
「いや実はな…雑誌社に原稿、持ち込もう思うねん」
と説明する。
「そうですか…」
 安堵と戸惑いをないまぜにして、南は答える。そんな表情に気付かず、由宇は続ける。
「それで頼みたい事があんねん…」
486砕けた夢のかけらを@戯言:2000/08/07(月) 20:48
初めまして、書いた奴です。HNは…「金理嫌」とでもしときます。
「玉砕するため」その一念で書いてみました。
ちなみに続きますので、申し訳ありませんがもう少しだけ御付き合い下さい。
487第2話その1:2000/08/08(火) 03:25
 ちゃっちゃっちゃちゃ〜ちゃっちゃちゃ、ちゃちゃちゃ、ちゃららちゃちゃちゃちゃあ〜♪
「皆さんこんにちは。Misaka Mystery Research 略してMMRの時間がやってまいりました。
複雑に入り組んだ現代社会に鋭いメスを入れ、さまざまな謎や疑問を徹底的に究明する
Misaka Mystery Research 略してMMR。あたしが部長の美坂香里です。」
「そして副部長の美坂栞です。よろしくお願いします。当クラブでは生徒の皆さんの依頼に
基づいて直ちに優秀な部員を派遣して真相の追究にあたります。」
「そして本日の顧問は水瀬名雪です。」
「香里も栞ちゃんもよろしくだよ〜。」
「そして部員の桂小枝です。」
「しかしまあなんですねぇ〜。この話一体いつ頃の話なんでしょうねぇ?特に考えてないから
色々話が矛盾してきますねぇ〜、って誰が桂小枝だ!」
「のったくせに…それに桂小枝のどこが不満なの?あたしは大ファンよ。」
「祐一さん、あなたは全国3000万の桂小枝ファンを敵に回しました。」
「じゃあ、祐一はこれからずっと松村邦洋。授業中も部活中もずっと松村邦洋。」
「松村はファンだが…もう勘弁してくれ。」
「しょうがないわね…じゃあ、栞、新しい部員の紹介よ。」
「はい、新入部員…川澄舞さんです。」
「…よろしく。」
「おい…舞まで部員に引っ張り込んだのか?」
「あら、違うわよ。川澄さんから入部したいって言ってきたのよ。この色男〜にくいにくい!」
「なんかキャラが違ってきてるよ、香里。」
「…それでは本日の依頼に入る前にちょっと話があるの。」
「はい、実は前の話がMMRである必然性が全然ないという指摘がありまして。」
「おい、相沢」
休み時間、祐一が窓の外を眺めていると北川が話しかけてきた。
なぜか、笑顔である。しかもみょうに爽やかだ。
北川がこんな顔をしているときはなにかたくらんでいる時だということを祐一は経験で悟っていた。
「どうした、今日はどんなイベントがあるんだ」
「くっ・・さすが相沢・・俺がみこんだ男だけのことはあるな・・
だがむしろ話が早いというものだ。実はな・・・」
北川は祐一のとなりの席に腰をおろす。
「今日の放課後、肝だめししないか」
「はあ?」
「はあ、じゃないぞ。夏といえば肝だめし、肝だめしといえば夏だ。なあ、やろうぜ」
「まあ、俺は別にかまわんが・・場所はどこなんだ?まさか学校とかいうベタな展開じゃないだろうな」
その問いに北川はにやっと笑って答える。
「ふふふ・・・よくぞ聞いてくれた同士よ。場所はな」
北川はふいに小声になった。
「あの心中事件の起こっている森だ」
「なっ・・」
祐一は(それはさすがにヤバイだろ)と言いかけた。
が、しかしよく考えてみるとその「街外れの森」は今朝から気になっている場所なのだ。
行ってみれば祐一の心をとらえるものの正体がわかるかもしれない。
これは、願ってもないチャンスかもしれないな。
「・・・よし、やろう北川」
祐一は力強く答えた。
それを聞いて北川はメモ帳に祐一の名前を書き込む。
「相沢1名様参加っと。よし、じゃあ放課後5時に駅前に集合な」
「おう」
「じゃ、俺は他のメンツを集めてくる」
北川は席を立ちながら言うとちがう生徒のところに歩いていった。
が、途中で引き返すと再び祐一のところに戻ってきた。
「そうそう、言い忘れてたけど水瀬さんも連れてこいよ」
「へ?」
「肝だめしに女の子がいなくてどうするよ。水瀬さん連れてこなかったらお前は参加させないからな。じゃ」
一方的に言うと北川は去っていった。
「お、おい、ちょっと待て」
あとに残された祐一はただぼうぜんとしていた。
名雪は部活があるだろうな・・・もしなかったとしても肝だめしなんか嫌がるだろうし・・
祐一はサイフを取り出すと中身を確認してため息をついた。
イチゴサンデー4つが限界だな・・・
489砕けた夢のかけらを・3:2000/08/08(火) 18:42
 それから猪名川由宇は、雑誌社に持ち込むための原稿を描き始めた。
 絵的な技術に関しては同人活動で培ってきたもので充分対処できると確信している。
 問題は、ストーリー。
 同人誌というのは、読む人間がある程度バックグラウンドを知っている事を
前提として物語を構成できる。
 しかしオリジナル作品は、そこら辺のところを読者に無理なく分かってもらえないと
作品として成り立たなくなる。
 その上でオリジナリティが要求され、かつ印象に残らなければならない。
 工程の殆どをストーリー構築に費やした。
 もちろん締め切りは、無い。
 出来た時に、南から彼女が旧知の仲の沢田編集長に連絡して貰えるように頼んである。
 だから自分の納得するまで考えていた。
 夜寝ないで考えて朝日を見た時もあった。
 雨の音を聞きながら竹林を歩いたりもした。
 いつも通り甲子園で応援を兼ねながらアルバイトもした。
 普段通り過ごしたり、ちょっと変わった事をしたり。
 彼女は彼女なりの気構えで、作品に向かっていった。

 そんな中で朧げに。
 そしてだんだんハッキリと、描く物が見えてきた。
 それを逃さず、鉛筆でコンテを切ってみる。
「…よっしゃ!」
 描き終わった時、一人拳を握ってガッツポーズ。
 それは自分の今描ける最高の作品だった。
 これだったら人様に見せても恥ずかしくないし、自分の作家生命を賭けても
良いくらいの気分になった。
 いや実際今回の事は、彼女の中で一つの区切りといっても過言ではなかった。
 …そう。
 彼女は作品が雑誌社に採用されない時は、筆を折るつもりだった。
 悲壮な決意。
 だけど、今のままでズルズルと創作活動を続けても、先が見えてこない気がした。
 彼女もまた停滞を、安穏とした地位を善しとしない、自分を高める事でしか
自分の価値を計れない、不器用な人間だった。
 そんな彼女が、満足できる内容の作品。
 嬉しさのあまり彼女は窓を開け、夜空に浮かぶ月に向かって叫ぶ。
「猪名川由宇、一世一代の大勝負や!」
490砕けた夢のかけらを・4:2000/08/08(火) 18:56
 現実。
 残酷なる審判。
 夢が砕ける時。
 絶望。
 死刑判決。
 そして…、捨てられた。
 壊れたおもちゃのように。

 沢田編集長には、前から目をかけられていた。
 猪名川由宇も彼女が創る雑誌は好きだった。
 もちろん知っている人間、大庭詠美と千堂和樹が連載しているのもある。
 しかし、それを差し引いても好感が持てた。
 ただ、評価されていたのは絵だけだった。
 その事は猪名川由宇本人としては、やはり嬉しいものの譲れない部分でもあった。
 その人が創る雑誌に原稿を持ち込む。
 気心の知れた権力者に、手心を加えて採用されようなどという気持ちはサラサラない。
 自分が認めた人物に評価されたい。駄目な時は…。
 ある意味、心の中で介錯人を求めていたのかもしれない。
 その人物との真剣勝負。
 勝つ、勝つ、勝つ。
 ただ屍を晒す時は、格好良く死にたい。
 そう思っていた。
 …死神のような男に会うまでは。

「由宇ちゃん、落ち着いてっ!」
「離せーっ!邪魔せんといてや牧やんっ!」
 由宇に抱きついて必死に止めに入る南。
 それでも由宇は暴れる。
「………」
 男はそんな状況を。
 薄ら笑いを浮かべて他人事のように眺めていた。
「あんたぁ、何が可笑しい!」
 半狂乱で由宇は怒鳴る。
「アンタに、アンタに、ウチの何が分かるっ!」
 それはもう…。
「往生際が悪いですねぇ。まるで駄々っ子のようだ」
 無表情になった男の言葉で、
  ピタッ。
 由宇が、拳を振り上げたままの姿勢で止まる。
 それを見計らって男は、
「猪名川さん、聞きたい事がある」
 質問をする。
「あなたは、何のためにマンガを描いているんですか?」
 男の質問。
「あなたは、何を表現したくてマンガを描いているんですか?」
 その質問に由宇は、
「………」
 驚愕の表情をするだけで答えを返す事ができない。
「私は質問してるんですよ。猪名川由宇さん」
 男の口調はは静かだ。
「…う、ウチ…は……ウチは………」
 答えにならない、うわ言だけが由宇の口から洩れる。
「あなたはまだマシなのかもしれない」
 男は冷静だ。
 騒ぎを聞いて集まってきた編集部の人間のざわめきもなくなる。
 この狭い応接室だけが、凍り付いたような感じさえ受ける。
「他の人間は、先程の質問に対して奇麗事を並べる。
 『自分の夢を果たすため』
 『たくさんの人たちに勇気を与えるため』
 『世界の人達に見てもらうため』
ハハ、笑っちゃいますよ。ごたくを並べたって作品は嘘をつかないのに」
 男はなおも続ける。
「猪名川さん。あなたの作品、薄っぺらいんですよ。
絵的にはうちの編集長が御執心なだけの事はある。
だけど物語として見た時、魅力のかけらも感じない。
まだ若い人間がこれくらいの物を描くんだったらいい。
その後の人生経験で一皮むける可能性がある。
そのままのレベルだったら、転職すればいいだけ」
 もう由宇は目を見開いてはいるものの、焦点は定まっていなかった。
 そんな由宇に言い聞かせるように、
「猪名川さん。あなたの御歳でこのレベルだったら足りないんです」
男は宣告する。
「…同人界で無駄に年を重ねてしまったようですね、あなたは」
491名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/08(火) 22:04
う〜ん、あいかわらずレベルが高い・・・。
このスレッドだと読み切り物や連載物や作者さんの話や感想が
入り交じってるからなんだか雑誌みたいな雰囲気だな。
普通のSSサイトより作者さんとの距離が近い感じが好き。
492名無しさん@1周年:2000/08/08(火) 22:28
レベル高すぎ
てゆーか書き方教えてください
493名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/08(火) 22:33
>>492
とりあえず書いてみる、それが一番。
さあ!書け!描け!そして掻け!
ほとば汁その血潮の命ずるままに!
体中の穴という穴からありとあらゆる汁を溢れさせるのだ!
面白いけど色んな話しが交錯してて読みづらいなあ。
続き物は前回までの話しをリンクしてもらえるとありがたい。
てゆーか、目次が欲しい……
497その2:2000/08/09(水) 01:49
前回は >>487
「それは確かにいえるな。」
「で、どうするの?もう話は終わっちゃったんだよ。」
「とりあえず、指摘にあったように『ノストラダムスはこの出来事を予言していた!』で
いってみようと思うの。これは諸世紀第4巻8番の詩なんだけど…
 大都市は不意をつかれ奪われよう
 夜襲で肝はつぶされ、警備は中断を余儀なきことに
 宮廷の見張りもサン・カンタンの夜警も
 番兵は虐殺され門は粉砕されん
まず、1行目の『大都市は不意をつかれ奪われよう』、これは学校の校舎で夜中に魔物が
出る事を予言してるわね。2行目の『夜襲で肝はつぶされ』とは相沢君が魔物に教われて
驚いているところね。『警備は中断を余儀なきことに』、ここは相沢君が来た事によって
川澄さんの魔物に対する注意が邪魔された事。3@`4行目は何故か宿直の先生や警備システムも
働かずに、校門から堂々と校舎に侵入されたことをあらわしているのね。」
「すごいよ〜香里。」
「まだあります。今度は第10巻67番の詩ですけど…
 地震は五月に起こり
 土星 流星塵 木星 水星は牡牛座に
 金星も同じく かに座 火星はゼロに
 そこで卵より大きい雹がふるだろう
1行目の『地震は五月に起こり』、これは5月生まれの倉田さんが魔物に襲われ怪我をした
ことです。2@`3行目の5つの惑星が5匹の魔物をあらわし、流星塵というのは舞さんが屋上から飛び降りて
魔物を倒した時の事です。最後の行の『卵より大きい雹』というのは舞さんがつくった
雪うさぎのことを予言してると思われます。」
「……!さすがはノストラダムスね。ここまで正確に予言するなんて…。」
「…栞、なんで雪うさぎのことを知ってるの?」
「そういえばそうだ。佐祐理さんが怪我をするのも、舞が屋上から飛び降りるのも、雪うさぎのことも
本編での話じゃないか。どこが正確な予言なんだ!」
「まあ、細かいことは気にしないでね。とりあえずこれで大目に見てほしいんだけど…。」
「香里も栞ちゃん祐一も、そのくらいにして依頼のほうにいこうよ〜。」
「それがいい。ぼろが出る前にやめたほうが賢明。」
「…そうね。じゃあ栞、本日の依頼を。」
「はい、1年生の天野美汐さんからの依頼です。」

>495
私も何か書きたいんだけど、リンクの仕方を教えてもらえません?
初心者でスマソ。
今までのを収録してくれているサイトがちゃんとありますよ。
http://mio_2ch.tripod.co.jp/
500OVA:2000/08/09(水) 14:24
最近このスレも大盛況だね。
健全SS書きたいけどここに書いたとして受け入れてもらえるか
不安。
501砕けた夢のかけらを@目次:2000/08/09(水) 19:35
>>484>>485>>489>>490

ついでに戯言:
 まず読んだ頂いた方に感謝。
 興味を持って頂いた方。勢いだけの文章ですが読んで頂けると嬉しいです。
 ちなみに、明日は間に合わない(下書きしてます)可能性があります。
 その時は金曜日までお待ち頂ける様、御容赦ください。
 物語のアラがあります。誤字脱字もあります。日本語の表現がおかしい所も。
 それでも、楽しんで頂けたら幸いです。
502砕けた夢のかけらを・5:2000/08/09(水) 19:37
 目の前に開いていた門が閉ざされる。
 その先に行けると信じていた。
 その先で自分が翼を広げ大空を飛ぶ。
 自分が思い描いていたイメージはそれだけ。
 だけど門は無情にも閉ざされる。
 その門の向こう側。
 それは、幻。
 自分が勝手に想像していた、幻。
 永遠に、幻。
 本当にあったのは、闇。
 漆黒の、闇。
 現実という名の、闇。
 闇!闇、闇、やみ…
 めのまえには、ただのくらやみ。
 そう、くらやみだけ。

「っ!」
 牧村南の腕の中をすり抜けるように、猪名川由宇はへたり込む。
 まるで崩れ落ちるように。
「由宇ちゃんっ、しっかりして!」
 南はしゃがんで体をゆする。それに合わせて由宇の頭もゆれる。
 青ざめた顔には表情が浮かんでいない。長い付き合いの南も初めて見る顔だった。
「由宇ちゃん、由宇ちゃん!」
 心配のあまり、今度は両手を肩に乗せて小刻みに体をゆらす。
「………っ」
 由宇の意識が戻る。
「…ま……き…やん?……」
 目の前にいる南に気付く。
 少しの沈黙。
  ツツゥ…
 由宇の頬に、一滴の涙がつたう。それから、
「…ウッ、ウウッ……」
 鳴咽が洩れる。
 …そして。
 猪名川由宇は、号泣した。
 誰はばかることなく、泣いた。
 眼鏡の奥から止めど無く涙が流れる。
 フロアいっぱいに聞こえるくらいの大声をあげて泣く。
 涙と鼻水とよだれで、顔はグシャグシャだった。
「………」
 そんな泣く由宇の頭を、南は黙って抱き寄せ、撫でる。
 まるで子供をあやすように。
 何も言葉は無い。
 いつしか、南も涙を流していた。
  カタッ。
 先程雄弁に語っていた男は満足したのか、立ち去ろうとする。
「…神田さん」
 南は男の名を呼ぶ。立ち止まる男。
「…あなたは、何人の同人作家をダメにすれば気がすむんですか?」
「牧村さん、それは…」
「あなたに、彼らの、この子の夢を潰す権利なんてあるんですかっ!」
 涙をいっぱいためた目で、南は神田を睨む。
「……俺は…」
 神田は、その憎しみのこもった視線から顔を背け、
「これが仕事ですから…」
 とだけ言って、応接室から出ていった。
503砕けた夢のかけらを・6:2000/08/09(水) 19:39
「神田君、ご苦労様」
「………」
「さすがの君でも今回は堪えたようね」
「…一つ、聞いていいですか?」
「何かしら」
「なぜ、俺だったんですか?」
「なんのこと…」
「あなたは、こうなることを知っていたはずだ」
「………」
「他の人だったら、いやあなたでもいい。こうはならなかったはずだ」
「………」
「知り合いで、しかも認めていたのに…」
「だからよ」
「?」
「”猪名川由宇”だったから、君に観てもらったの」
「じゃあ、あなたは最初から…」
「君が今回の事をどう思おうとそれは自由よ。だけどね。
私は、自分の判断は間違ってないと思っている。それは自信を持って言えるわ」
「………」
「以上!さあ仕事に戻って頂戴」

『…俺が”死神”なら、あなたは”鬼”ですよ。編集長……』


「神田さんは居ますかっ!」
 怒気をはらんだ大声で、千堂和樹は編集部に入ってくる。
「かずきぃ…、やっぱ帰ろうよぉ」
 小声でそう言いながら、大庭詠美が和樹に寄り添う。
 しかしそんな詠美の制止も構わず和樹は闊歩する。
「どうしたんだ千堂君?それと詠美ちゃんも…」
 気付いた二人の担当の編集者が応対する。
「杉村さん、神田さんはどこですかっ」
 問い詰めるように質問する和樹。
「かずき〜」
 その和樹の袖を掴んで、涙目で情けない声をあげる詠美。
「エッ!?何怒ってんだ千堂君?」
 状況が解らず戸惑う杉村。
「さっき南さんから電話があって、今日神田さんが…」
 来た理由を和樹が言おうとした時、
「何ですか、騒々しい」
 探していた本人が机から立ち上がる。
「っ!」
 詠美の手を振り解きダッシュする和樹。
「かずきダメェ!」
 そう詠美が叫んだ時には、和樹は神田に掴み掛かっていた。
「来ていきなり暴力とは…非常識ですね」
 今にも殴りかからん勢いの和樹に対しても、神田は冷静だった。
「神田さん…」
 和樹は殺意すら感じさせる目で睨みつけて、こう言う。
「…あんた、由宇に酷い事を言ったそうだな」
「酷い事?」
 神田は、少し間をおいてから、
「俺はただ持ち込みの原稿に対して批評しただけですよ」
 そう平然と答える。
「…じゃあ聞く」
 そう言って掴んだ手に力を込め、
「何で由宇が駄目なんだ!」
 和樹は怒鳴った。そして、思いの丈を神田にぶつける。
「あいつは漫画に対しては凄い情熱を持ってる。
一緒に同人やっていた俺や詠美は知ってる。
そして俺は、側にいて一番影響を受けている。
技術的にも漫画に対する心構えもあいつから教わった。
今みたくプロになれたのも、あいつが居たからだと思っている。
そんな恩人が、なぜプロになっちゃいけないんだ!
俺が良くて、なんであいつが駄目なんだよ!」
 殴らなかったのが不思議なくらいの剣幕だった。
 それを無表情で聞いていた神田は、
「ハハ、新人君がいっぱしの口を聞きますねぇ」
 口を歪めて笑った。
「俺の仕事は編集ですよ。毎日色々な原稿を見てきてるんだ。
誰を採用すれば、誰をプロにすれば良いか分かっている。
その判断は絶対だ。文句があるなら他所の雑誌社に行ってくれ」
 そして続ける。相手を見下すように。
「今日の原稿は何も感じませんでした。確かに絵は上手い。
けどプロにとって必要なアピールは、ただ既製の技術を弄しているだけ。
はっきり言って典型的な同人作家が無理矢理創った物語にしかみえない。
俺はそんな物認めないし、そんな目先の金儲けしか考えていないような
同人作家という人種には吐き気すら…」
  パァンッ!
504砕けた夢のかけらを・6’:2000/08/09(水) 19:40
 しゃべっていた神田の頬が平手打ちされる。それは和樹でなく、
「詠美!?」
 その後ろにいるとばかり思っていた大庭詠美だった。驚きのあまり、
掴んでいた手を緩める和樹。
「パンダの…」
 涙目で神田を睨んでから、
「ゆ、由宇さんのわるぐちをいうなぁーっ!」
 目を閉じて叫ぶ詠美。
「ゆ、由宇さんはあたしのはじめてのお客さんだったっ!
由宇さんはあたしにはじめてやさしくしてくれたっ!
由宇さんはあたしがこまっていたら助けてくれたっ。
由宇さんはあたしがどんなにゆーめーじんになっても変わらず接してくれた。
由宇さんはあたしがわるぐち言っても変わらなくて。
いつまでも、いつまでも変わらなくて…。
あたしが泣いてどーじんし売ってたころのままで……。
ふみゅ…。どんな時もぱんだで………、あたしが………あ…たし…の………」
 必死に涙を堪える詠美。
「あたしにとっても恩人なんだあぁーーー!」
 しかしそう叫ぶと、後は泣くしかなかった。
「詠美…」
 和樹は、そう言って彼女を抱き寄せた。

「…千堂君、スマン。今日のところは帰ってくれないか?」
 事態を見守っていた杉村が、和樹に頼む。
「後のことは、明日話そう」
「…解りました」
 泣く詠美の肩を抱いて、立ち去ろうとする和樹。
「…神田さん」
 和樹は声を掛けてから、こう言い残して帰っていった。
「俺…今日の事、絶対に謝りませんよ。由宇と同じ、同人出身として」
505学校の七不思議 #6:2000/08/10(木) 02:48
#1〜#5はこちら
>>450-453 @` >>455

『学校の七不思議 第二話〜美術室の幽霊〜』
その日も俺は七瀬にちょっかいをかけるつもりだった。
用意したのは、大量の鈴だった。
これを七瀬の髪に付ければ…、七瀬が立ち上がった時に
大量の鈴が鳴って…非常に面白い状況に…
作戦名は「鈴が歌う日作戦」
………
………
…寒い

俺は席に座りながら、休み時間が終わるのを今か今かと
待っていた。

キーンコーンカーンコーン

授業が始まる。七瀬が来る。
(来たか、七瀬!勝負!)
しかし、そう思った瞬間だった。

「い、痛い」
七瀬が立ち上がる。どうやら椅子に画鋲を仕掛けられていたらしい。
「な、七瀬、大丈夫か?」
俺は七瀬に近寄る。
「だ、大丈夫よ」
七瀬は強がった。しかし、いつもながらひどい事をする奴がいるもんだ。

…そして授業が終わる。

せっかくの「鈴が歌う日作戦」もこの一件のせいで気をそがれ、実行
できなかった。俺はなんとなく空虚な気分になっていた。

そして放課後

「七瀬、ちょっといいか」
「何なの、折原?」
「いや、またな、学校の七不思議についてだな」
…鈴がだめなら七不思議だ。
506学校の七不思議 #7:2000/08/10(木) 03:13
「また七不思議?」
「そうだ、とりあえず聞け」
「なんで私がつきあわなきゃいけないのよー」
「七瀬、七不思議の謎を解くのは乙女にしかなせないわざだ」
「え?そ、そうかな。…じゃあ、行くわ」
ふ、単純なやつだ。
「で、今回は何を調べるの?」
「それはだなあ」

今回の七不思議は、ここ一、二年で、有名になった七不思議だ。
とある美術部員が、ある日、絵の具を忘れて、夜学校に絵の具を
取りに来た時の話だった。美術室に入ったその部員はそこで幽霊を
見たというのだ。
当時の状況をその部員はこう話している。
「いやー、怖かったですよー。美術室の後ろに絵がいっぱい飾って
あるでしょ?あそこにぼっーっと人影のようなものが見えて、何だ
ろうと思って見に行こうとするといきなり絵の一つが浮かびあがって…
そのままふっと消えちゃったんです。俺は怖くなってすぐ逃げました。
そのせいで、絵の具忘れて、絵がコンクールに間に合わなくて、散々
でしたよ」

という事だ。他何人かの美術部員の目撃証言みたいなものもある。
俺は前回の件でなんとなく幽霊を信じつつあった。
だから、今回も怖いもの見たさからか、この件に興味があった。

前回の事を何も知らない七瀬は平気な顔をしてこう言った。
「どうせ、今回も何もないんでしょうね」
…後悔しても知らんぞ。七瀬。
507学校の七不思議 #8:2000/08/10(木) 03:38
俺は七瀬と待ち合わせしていた。
今回は校門ではなく、俺の家の前だ。
校門前はまたみさき先輩が現れそうで、なんとなく怖かった。

しばらくすると七瀬が現れる。
今回は何もなかったようだ。

俺達は学校に着いた。

七瀬は言う。
「今回、何もなかったら付き合わないからね」
…付き合わなかったら鈴を付けるだけだ。
「出たら、前のように腰がぬけるんじゃないのか?」
「…そ、そんな事ないわよ」
七瀬は少しこわばっているようにも見えた。

そんな会話を交わしつつ、俺達は美術室に着いた。
(今回は何事もなく着けたな…やっぱ何もないのかな)
俺達は美術室に入る。そして、絵の方を眺める。

その時だった。絵の下に何かぼやーっとした人影のようなものが
見えたような気がした。

次の瞬間、絵の一つが浮かび上がり、ドアの外にふっと消える。

「え?」
「な、何よ〜、今のはいったい」
七瀬が叫ぶ。

ペタン

俺が絵を追おうとしたその時、七瀬はぺたりと崩れ落ちる。
「またか」
「だめ、腰が抜けた。折原、先に行ってて、後で行くから」
「わ、わかった」

七瀬、女房思いのいいやつだった。
俺はそう思いつつ、絵を追い始めた。

しかしすぐ見失ってしまった。
「どこに行ったんだ…」
508学校の七不思議 #9:2000/08/10(木) 03:48
絵を見失った俺は、もう一度、美術室に戻る。
そして飾ってある絵を調べた。
(やっぱし一つなくなってるな。確かにここに絵があったはずだ)
美術室に飾ってある絵の中に絵一つ分の空間が空いていた。

俺は、まだへたりこんでいる七瀬を放っておいて外に出る。
(さっきそこらで見失ったんだよなあ)
俺は絵を見失った付近を探し出した。
(ここかな)
俺は近くの教室を見た。俺は教室のドアをあけようとした。

ガチャガチャ

ん?あれ、そうか。

俺はなんとなく幽霊の正体がわかったような気がした。
509学校の七不思議 #10:2000/08/10(木) 04:07
俺はとある場所に足を向ける。

「そこにいるんだろ?」

「浩平?」
小さな声で返事が返る。
「やっぱ茜か」

「…どうしたんです?こんな所で?」
「いや、忘れ物をして」
「嘘です。さっき七瀬さんと美術室に来ました」
…ばれてるか。

茜は俺に不思議そうに尋ねて来た。
「どうして私だとわかったんです?」

俺は答える。
「いやーな、この前、話してくれただろ。例の話。
その時、司って男はみんなには忘れさられているけど
美術室の絵だけは残っているって話を聞いて、
なんとなく、茜だと思った」
茜は少し表情を緩めたような気がした。
「覚えていてくれたんですか」
「うん、覚えてるよ。でも、美術室の鍵はどうしたんだ。
俺は、他の教室の鍵が閉まっていたから、今回は幽霊の
仕業じゃなく、誰か人間の仕業だなって思ったから」
茜は少し考えてからこう答えた。
「昔、鍵をこそっと借りて、合鍵を作ったんです。これは
秘密ですよ。ばらしちゃ嫌です…」
「ああ、わかった。そうするよ」
「約束ですよ」



そして、次の日

「七瀬、今回は俺の勝ちだな」
「お、おばけは本当にいたのね…」
…今回は違うんだが、七瀬に勝ったようで爽快だった。
「勝ったから、今度も付き合ってもらうぞ」
「…ちょ、ちょっとー、もうやめてよー」

その向こうではこの光景を見た茜が笑っているようにも見えた

(第二話完)
510siba-10:2000/08/10(木) 13:48
スランプにはまりました・・
つづきがまだ書けてません・・
みなさんペースよく書いてるのにひとり申し訳ないです

>500
気にせず書いてください
俺はOVAさんの健全SS読みたいです
5117世:2000/08/10(木) 16:35
>>510
学校の七不思議、今読み返すとダメダメだな。
ちゃんと整理してから書かないとだめだな。
512とほほ:2000/08/11(金) 01:00
 場違いなスレに投稿してしまったので、移動しました。

 栞に自分のオナニーを見せる香里、というシチュエーション
らしいです。いや、勝手に続きを書いたもので……。 栞の様子に変化を感じ取った香里は、自らの花弁を弄る手を休めた。
 妹に見られながらの自慰行為と言う状況が生む、かつてない快楽に
霞んだ視界に映るのは、雪のように白い頬を赤く上気させ、切なげな
表情を浮かべてぐっしょりと湿った下着越しにおぼつかない手つき
で性器を擦る、栞の姿だった。
 今まで見る側だった栞は、いつの間にか自分が見られる側に回って
いる事に気づき、慌てて声をあげた。
「ああ、お姉ちゃん、見ないで……下さい……んあっ」
 姉に懇願しながらも、栞の手は動きを止めようとはしない。むしろ、
より強い刺激を得るために激しくなっている。衣越しで弄り続ける
もどかしさから逃れようと、下着の隙間に指先が潜りこもうとするが
直接性器に触れることへの恐怖がそれを押しとどめ、その葛藤がまた
彼女の性感を高めた。
 香里ははしたなく音を立てて息をのむと、栞に覆い被さり、桜色に
色づく彼女の妹の唇を奪った。
「……栞」
「お、おねえ、あ…うむっ……」
 ピチャピチャと音を立て舌を絡め、唾液を交換する。一旦始めて
しまえば、香里よりも栞の方が貪欲だった。香里は栞の舌が咥内を
まさぐる心地よさに酔いしれながら、更にあふれ出した愛液が
ふともも を伝うのを感じていた……。


 暇をみて続けます。……ダメ?
513とほほ:2000/08/11(金) 01:48
 あれ? 改行失敗してる…。(T^T)
 「栞の〜」からが本編です。
 鬱だ死のう……。

514砕けた夢のかけらを・7:2000/08/11(金) 20:56
 取り残された神田と杉村。
「なあ、神田よ…」
 先輩である杉村は、
「お前、自分のやってる事。絶対に正しいと思っているか?」
 と、神田を労るように質問する。
「俺は…」
 その先の言葉に少し窮する神田。でも、
「俺は俺を信じてここまで来たんです。だから人がどう思っても、絶対に正しいんだ」
と続けた。そして、詠美に撲られた頬をさすりながら呟く。
「でなきゃ、”介錯人”なんてできない…」

 そんな騒動があった頃。
 猪名川由宇は帰りの新幹線に乗っていた。
「由宇ちゃん、お腹すいてませんか?」
 牧村南と一緒に。
 由宇本人は固辞したものの、南が強硬に付き合うというため、帰りは二人旅となったのだ。
「すいとらん」
 生返事をする由宇。
「そうですか…」
 少し残念そうな南。
 新幹線に乗ってから、ずっとこんな感じだった。
 話し掛ける南。それに答える由宇。いつもとは逆の立場だった。
 そして笑顔なのは南だけ。由宇は南に付き添われて雑誌社を出て以来、
ずっと生気の抜けた屍のような状態だった。
 南にしても、無理に明るくしようと努めていた。
 そんな全く会話が弾まないままで、二人は由宇の実家「猪ノ坊旅館」に到着する。

  カコーン。
 そこは旅館自慢の露天風呂。その広い湯船には由宇一人だけ。
「まったく…。牧やんは何してんのや…」
 そう呟く由宇。
『一緒にお風呂、入りましょうね』
 約束したのは南の方だったが、その本人がまだ来ない。
 手持ち無沙汰の由宇は、縁に寄り掛かって夜空を見上げる。
 雲一つ無い空に、無数の星が瞬く。
 いつも見慣れた光景だった。そう、幼い頃から。
  ガラガラ。
「遅くなってすいませーん」
 南が浴場に入ってくる。
「別にエエよ」
 後ろを振り向いて何気なく答える由宇。
 それから南は体を洗う。
 その間由宇は、さっきと同じ様に”ボー”と空を見ていた。
「失礼しますね」
 体を洗い終えた南がそう言って湯船に入る。そして由宇の隣りで湯に浸かる。
「わあ、綺麗ですねぇ…」
 由宇と同じ様に夜空を見上げた南が感嘆の声をあげる。
「そうか?」
 訊ねる由宇。
「ええ!こんな奇麗な星空は久しぶりです」
 目を輝かせて答える南。それに由宇は、
「まあ、ド田舎やからな」
 と自嘲気味に笑う。
「確かに…。ですけど良い所ですよ、ここは」
 そう言った南は由宇に、ニッコリ微笑んだ。
 その笑顔は、包容力溢れる母親の様な笑顔だった。
 その顔を見た由宇は、何気なく。
「…なあ、牧やん」
「はい」
 本当に何気なく。
「アンタ、神田の事…知っとったようやけど」
 自分を絶望に叩き込んだ男と南の事を質問する。
「………」
 南は、少し顔を由宇から背け沈黙する。
「まあ、言いとうなかったらエエ…」
 由宇が話題を打ち切ろうとした時、
「…あの人は」
 南はそう言って由宇の顔を見る。
「あの人は、今までにも同人作家を由宇さんと同じ様に門前払いしていきました。
その批評は、まるで相手の全てを否定するように。いいえ、”同人”というものを否定するように…」
 その顔は、いつもと変わりないようで、
「そして彼の担当した人達は、ショックのあまり…」
 微かに、
「…創作活動を辞めていくんです」
 だけど深い悲しみが浮かんでいた。
「………」
 今度は由宇が黙る。
「私には何も出来なくて…彼らの傷が癒えるまで側にいるくらいしか…」
 その発言に由宇は、
「ちょい待ちっ!”彼らの側”って…」
 慌てて質問する。
「ええ。私に出来る事なら…」
 そう言って南は、静かに微笑む。
 そんな南の顔が、その存在が。
 由宇にはテレビで見た『菩薩』と重なって見えた。
515砕けた夢のかけらを・8:2000/08/11(金) 20:58
 南よりも先に風呂から上がった由宇は、さっさと寝る準備を済ませ布団に入った。
 しかし明かりを消しても、眠れなかった。
 やはり編集部での出来事は彼女に深い心の傷として残った。
 ただ南の無言の励ましが、少しだけ心を軽くしていた。
 そして南の同人というものに対する想い、自己犠牲すら厭わない優しさに、
深い尊敬の念を抱く。
 それから、自分の同人活動を振り返ってみる。
 和樹と組んでいた頃から思い出し。
 詠美と張り合っていた頃。
 その詠美との出会いと一緒に漫画を描いていた頃。
 さらに大阪の同人即売会での思い出。
 同人誌を創るきっかけ。初めてサークル参加した時の苦労。
 子供の頃から漫画が好きで。アニメも好きで。
 絵を描くのが好きで。
 そして。
 忘却の彼方にあった記憶が思い出される。

 幼い由宇が泣いている。
 それは誰も遊んでくれないから。
 今だったら、その時が旅館にとって一番忙しい時期だからと理解できる。
 だけど小さい子供には、大人の事情など解るはずもない。
 一人ぼっちで寂しくて。
 自分が捨てられたようで。
 だれも近くにいない事が悲しくて。
 自分が可哀想に感じられて。
 由宇は涙を流し続けていた。

 いつしか泣く事に疲れる由宇。
 しゃくりあげながら部屋を見渡す。
 その中で目に止まったのは。
 一番興味を引かれたのは。
 ”おえかきちょう”と”くれよん”だった。

 最初は、思うままに線をひく。
 次は、気に入った所を塗りつぶす。
 そうやっているだけで機嫌が直った。
 だが、闇雲に紙に描いているだけでは飽き足らなくなった。
 幼い頭で由宇は考える。
「…!そうやっ」

「ゆうー」
 母が部屋に入ってくる。
「あっ、おかん」
 手にしていたクレヨンを放り投げ、母親の方へ走る由宇。
「コラ、ちゃんと片付けなアカンやないの」
 足を由宇に抱き付かれながら、そう言って母は自分で
ノートとクレヨンを片付けようとする。その時、
「アラ?」
開いたノートに目が止まる。
「なぁ由宇」
「なーん?」
「これ、アンタが描いたんか?」
 そう言ってノートを見せる。
「そーや。ウチ、かいたんねん」
 答えて由宇は、
「これがおとんでぇ、これがおかん!」
とノートを指差す。
 そこには、かろうじて人間の顔とわかるものが二つ、描かれていた。
「そっか…」
 母は、そう言って絵を見る。そして、
「ありがとぉ!ウマく描けとるよ」
 と言った後、満面の笑みで我が子の頭を撫でる。
「ホント?」
 嬉しくて聞く由宇に、母は抱きしめてこう答えた。
「あったりまえやないの!おかんはウソ、つかへんよ」

  パチ。
 由宇は目を開ける。浅いながらも寝ていたらしい。
「ウーン…」
 寝たまま伸びをして、枕元の時計を見る。
 布団に入ってから、まだ時間はそんなに経っていない。
 それを確認してから由宇は、さっき見ていた夢を思い出して笑う。
 あの後、描いた本人以上に喜んだ母親が父親に見せた。
 それを見た父親が母親以上に喜んで、感激のあまり涙を流しながら
忙しい最中の従業員はおろか、一部屋ずつお客のところを廻って我が子の
絵を見せる有り様。
 極め付けは旅館のロビーに額縁に入れて飾るという、今考えたら親バカ以外の
何者でもない行動にでたのだった。
 由宇はひとしきり笑った後、
「ハハ…、まあアレが始まりだったかもな…」
 と呟いた。それから少しして、
  バフッ!
 枕を顔に被せて、泣いた。
  今は泣こう。
  泣けるだけ泣いとこう。
  忘れる事は出来へんけど。
  それでも気が済むまで泣こう。
 そう思いながら。

  バフッ!
 勢い良く枕をどける由宇。
 そして眼鏡を掛けて起き上がり、蛍光灯を点ける。
 その眼鏡の奥の瞳は。
 以前の、いや今まで以上に、輝いていた。
 それは、決意の表れ。
 苦難を乗り越えた者が手に入れし宝物。
 そしてそれが…
 成長の、証。
516砕けた夢のかけらを・9:2000/08/11(金) 21:00
「由宇ちゃーん」
 朝。
 由宇を起こそうと南は、部屋に向かって声を掛ける。
「入ります…」
「入らんでやっ!」
 起きていたのだろう。中の由宇から制止の声。
 それを聞いた南は、一気に不安に襲われる。
『由宇ちゃんだったら安心と思ってたけど、まさか…!』
  スッ、ダンッ!
「由宇ちゃんっ!早まっちゃダメっ!」
 部屋の戸を力一杯引いて開ける南。
「わっ!」
 驚く由宇。
 その部屋の中は…。
 グシャグシャに丸められた紙屑が、所狭しと散らばっていた。
 その部屋の真ん中のちゃぶ台に、由宇が座っている。
「………?」
 戸に手をかけたままの姿勢で呆然とする南。
「牧やーん、何で入ってくんねん…」
 困ったような顔をしている由宇。
「あの…これは?」
 南は、状況が飲み込めない。
「コレ?ああ、まあな…」
 由宇は、照れくさそうな笑顔ではにかむ。
「…ウチ、絵、描いてたん」
「絵?」
「そや。ウチ…昨日、忘れてた子供の頃の事、夢で見てなぁ。そんで…思いだしたんよ。
なんで創作やってるんか?
なんで漫画かいてんのか?
なんで絵描いてんのか?」
「由宇ちゃん…」
「ただ単に好きやったんや。
絵描くのが。
漫画描くのが。
それを見てもらって。
そんで喜んでもらうのが。
その事で、その事だけで、良かったんや」
「………」
「ウチ、アホやから…。
そんな単純な事、忘れてたんや。
こみパでちぃっとばかし売れて。
プロになった詠美や和樹が羨ましくて。
実力も無いのに背伸びして。
神田にドン底に落とされて。
牧やんに慰められて。
それでやっと思い…」
 由宇が言い終わらないうちに、
  ダッ。
 南は紙屑を気にせず走り、座っている由宇に抱き付く。
「牧やん…」
 南は無言で、涙を流していた。
「はは…、昨日と逆やなぁ」
 そんな軽口を叩いた後。
 由宇は、素直な気持ちを言葉にする。
「ありがとうな。ウチ…また、やってける!」
517砕けた夢のかけらを・10:2000/08/11(金) 21:02
 8月のこみっくパーティは通称、「夏こみ」といって、三月の「春こみ」、
12月の「冬こみ」と合わせて「三大こみパ」と称され、いつもの月より盛大に行われる。
 その「夏こみ」に、猪名川由宇は久しぶりにサークル参加した。
 今回創ったのは、イラスト集。しかもコピー本。
 たったそれだけ。
 値段は100円。部数も100部。
 全部売れても赤字確定だった。
 それでも、由宇の気持ちは満足感で一杯だった。

 それより数日前。
 コピー本とはいえ由宇は、印刷を「塚本印刷」頼んだ。その時、
「あのぉ…」
「何や?千紗ちぃ」
 塚本印刷の一人娘にして雑用係の塚本千紗に、由宇は声をかけられる。
「その…この本、一冊売ってもらえませんか?」
「ん?気に入ったんやったらアゲるけど」
「にゃあ☆そ、そんなぁ。悪いです!買います!おこづかい全部使っても買います!」
 真剣な目で訴える千紗。
「あはは…タダでエエって。いつもココには世話になっとるしな」
「でも…」
「それに千紗ちぃは、いつもお手伝いしているエライ子やからな。
ウチからの御褒美や。受け取ってぇな」
「そこまで言うんでしたら…ありがとうございます☆一生大切にしますから!」
 そんな大袈裟な千紗に、由宇はただ苦笑するばかりだった。

 戻って「夏こみ」当日。
 時間は開場前。売る準備が終わって一息ついた時。
「由宇ちゃん」
 牧村南が原稿のチェックにやって来る。
「牧やん!久しぶり、元気やった?」
 あの一件以来、二人は会っていなかった。
「はい、元気でした」
 おっとりとした笑顔は前と全然変わりない。
「で、原稿なんですけど…」
「ハイハイ、持ってってやー」
 原稿をチェックする南。
「………」
 いつものチェックより、長い時間本を眺める南に、
「…牧やん?」
 不安になった由宇が声をかける。
「…えっ?」
「なんか…アカンとこあったん?」
「いえいえ大丈夫ですよ。OKです」
 慌てて否定する南。
「それよりも由宇ちゃん」
「なんや?」
「何部か…売ってくれないかしら?」

 午後になって。
 本は殆ど売れなかった。
 久々というのもあったし、イラストのみというのも理由としてある。
 それでも、売ってる本人は上機嫌だった。そんな所に。
「へえー珍しいなあ」
 そう言ってサングラスの男が立ち寄る。
「ハハ、久しぶりやな」
 それが千堂和樹だと分かっている由宇は、静かに笑う。
「仕事、頑張ってるやん」
「まあな。それでも…」
「おっとストップ!互いに愚痴は言いっこなしやで」
「…そうだな」
 和樹は、そう言って苦笑する。
「ところで”連れ”は?」
 人さし指だけで知らせる和樹。由宇は、その先を見て、
「…相変わらずやなー」
 呆れるのだった。
 そこには、サングラスの女性が柱の影からしきりにこちらを見ている。
 当事者以外は、どうみても”怪しい”としか思えない行動だった。
「まあアホはほっとくとして…心配かけたな」
「別にいいって。俺もあいつも頭に血が昇っただけだ。編集部の対応も良くて辞めずにすんだし」
「そんだけ大切にされてるってコトや」
 そう言った後由宇は、
「はい、ウチの復帰第一作や!」
 二冊の本を渡す。
「いいのか?金は…」
「あんたらには迷惑かけたしな。持ってき…」
 そこで由宇は何かを思いつき、
「あっスマン!ちょっと待ってや」
 立ち去ろうとする和樹を呼び止める。
 そして極太マジックで紙に文字を書いて、
「オマケや」
 和樹に渡した。それを見て、少し微笑みながら詠美の所へ向かう和樹。
 それから暫くして、
「ふみゅ〜ぱんだ〜!」
 そう言って、先程のサングラスの女が泣きながら走ってくる。その手に握られた紙には、
こう書かれていた。
「ガンバレ!詠美」
518砕けた夢のかけらを・11:2000/08/11(金) 21:04
「どう、読んだ感想は?」
「………」
「何も言えない?」
「…あの」
「何?」
「これ…いくらですか?」
「100円だけど」
「っ!」
「驚いているようね。だけど彼女はいつもそんな感じよ。
…神田君、原稿読ませてもらったわ。確かに君の指摘は間違っていなかった。
ただ、年齢や経歴は参考ぐらいにすべきね。それと多少でも相手の事を考えて。
もしかしたら、次持ち込んだ時には驚くほど成長してる場合もあるから」
「………」
「…あら、これは?」
「本代。あと罰金と授業料」
「…これだったら彼女の本、全部買えるわよ。神田君」

『これで神田君の方はよしと。しかし彼女、本当に人材を発掘して育てるのが本当にうまいわぁ。
編集者にスカウトしたいんだけど、いかんせん本人が気付いてないのよね…』

 もうそろそろ夏こみも終わろうとしている。
 後半に捌けたものの、やはり半分は残っていた。
「まあ、しゃあないな」
 それでも由宇の気持ちは晴れやかだった。
 絵を描いたこと。
 本を創ったこと。
 ここに戻ってきたこと。
 少ないながらも読んだ人間に喜んでもらえたこと。
 初心に帰った彼女には、久々に味わう感動だった。

「砕けた夢のかけらを」
 今回の本の題名。
 由宇本人の素直な気持ちを絵にしてみた。
 色んなものを題材にしてみた。
「砕けた夢のかけらを」抱いて生きていく。
「砕けた夢のかけらを」思い出として残していく。
「砕けた夢のかけらを」人に伝えたくて。
 そんな由宇本人をさらけ出した、恥ずかしくもあり、ちょっとだけ自分を誉めたい本。

 そんな気持ちに浸っている時、
「あの…」
 隣りのサークルの若い男性が、声を掛けてくる。
「んー、なんやぁ?」
「さっきもらった本なんですけど…」
「あっ、なんかミスッとったか?」
「いえっ、違うんですっ。その…」
「うーん悪いんやけど、思ってとる事あるんやったらハッキリしゃべった方がエエで」
「ハッ、ハイ!すいません…」
「で…改まって聞くけど、なんやねん?」
「あの、この本凄く良いです。絵が綺麗で、コピー本なのに丁寧に作られてて。
それと見ているうちに心が暖かくなるというか、洗われるというか…」
「まあ、それほどでもないけどな」
 由宇は照れる。そこで、感想を述べた男性の本の事を思い出す。
「そういうアンタの本もナカナカ良かったで」
「ホントですか!?」
「ただ、まだ照れがあるな…うーん…そやっ!アンタ」
「ハ、ハイ?」
「今度のこみパ、ウチと組まへんか?」
>>484>>485>>489>>490>>502>>503>>504>>514>>515>>516>>517>>518

これで自分の書いたSSは終了です。
非常に長くなってしまいました。深く反省しています。
もし許されるなら、今度は短い文章を投稿したいと思います。
では。
                       書いた奴:金理嫌
520名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/12(土) 08:26
さがりすぎなのであげ
521薄幸の妹:2000/08/12(土) 23:03
>>512
栞ちゃんがお姉ちゃんを弄ぶ様な展開を希望です。
522名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/16(水) 02:09
上げて欲しいのはこれかい?
ううう、有難う!!!本当に有難う!!!
オレ2chに来てこれほど人の温かさを知ったこと無かたよ。
マジで有難う!!!
524522:2000/08/16(水) 02:16
「次ページ」を何度も押して、このスレが20位以内に入ったら
書きこめるようになったんだよ。参考までに。
525523:2000/08/16(水) 02:33
次は自力で頑張ります!
526まこプー:2000/08/16(水) 03:08
>>521
了承です。
んが、板の状態が復旧するか新SSスレが立つまでお待ち下さいな。
527薄幸の妹:2000/08/16(水) 03:16
>>526
了承して頂いて嬉しいです♪
奇跡って起こるんですね。(謎
528移転します?:2000/08/16(水) 03:17
★★★SS投稿用スレッドLeaf.key板マーク2★★★
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=leaf&key=966362662
529名無しさんだよもん :2000/09/16(土) 20:48
あげとく
530名無しさんだよもん :2000/09/17(日) 13:41
>>金理嫌さん
>>砕けた夢のかけらを
すげぇ!すげぇ良かったよ!メチャメチャぐっと来た!
面白すぎ!
ほんと!心からありがとうと言いたい!(涙)
531名無しさんだよもん :2000/09/17(日) 16:30
age
532名無しさんだよもん
こっちは使われてないスレなので、下げて書き込んでクレ