codaの冒頭を差してるなら逆だよ
「あたしがあいつに何したか知ってる?」だ
ごめん。
依緒の「男をふったコトはない」って、どこでの発言でしたっけ?
ちょっと思いつきで書いたSS投下。
出先でスマホで書いたので、改行乱れあります。ついでに本編との適合確認作業していないので、おかしなとこあるかも。
内容は依緒の過去もの。前置き長くて、メインの過去部分短いです。
設定は雪菜True後。なぜか、かずさが千晶と知り合ってたりしますが、ご勘弁ください。
**********冬馬邸にて
冬馬が初めて出演したテレビCMがオンエアされた。
それはアムピトリテ社の新成分配合の化粧水のCMであった。
かずさがピアノを弾くと鍵盤から水玉が宙に舞い、暗いホールがいつのまにか瑞々しい草原に変わるという幻想的な映像が全国のお茶の間に流れた。
アムピトリテは武也の勤める化粧品会社であり、今回のCM撮影にあたっては武也が一時的に広報部に支援に入り、かずさの担当にあたった。
冬馬曜子オフィス恒例の「お友達仕事」である。
ともあれ、撮影はつつがなく終了。
本日はかずさのCMオンエアを祝う飲み会が開かれた。春希に雪菜、依緒に武也、朋が集まってかずさのテレビCMデビューを祝った。
二次会はカラオケ。もちろん、雪菜と朋以外はマイクを握りすらしなかった。
そして今、冬馬邸では三次会が開かれていた。とはいえ日付をまたぐこの時間、参加者は翌日仕事がない依緒とかずさだけであった。少し酔いが回ったかずさを自宅まで送るついでに、朝まで飲もうという事になっていた。
「ういっす。それでは、これからのかずさの活躍を祈念して改めてかんぱ〜い」
「かんぱ〜い」
甘いポートワインにつまみはチーズと野菜スティック。つつましくはあるが、女2人のガールズトークに花が咲く。
帰国後、しばらくは2人の仲はぎこちなかった。5年の月日が流れていたし、かずさは有名なピアニストになっていた。そして何より、春希と雪菜の関係をかずさが壊してしまわないかと、依緒や武也、朋は恐れていた。
しかし今ではかずさも、春希と雪菜のことを祝福してくれている。かずさの心情は複雑なところがまだあるだろうが、そこは慰めてあげたいと皆思っていた。
そうして、かずさを輪に入れた皆の時間がゆっくりと回りはじめた。今ではもう「依緒」「かずさ」と名前で呼び合う仲だ。
「しかし、アムピトリテ社も度胸があるなぁ。わたしがふだん化粧するのに手を抜いているのなんてすぐわかりそうだけどなぁ…ちゃんとするのは公演の時ぐらいで、それも美代子さん任せなんだけど」
「ははは、モイスチャーローションのCMだから別にいいんじゃない」
「…部長がいろいろメイクのコツ教えてくれたよ。『ウチの他の商品もよろしくお願いしまっす〜』だってさ」
「なにそれ。ひょっとして買わされた?」
「うん。お友達卸値超特価だったんで、ひととおり一式」
「くくく…かずさお人好しすぎるよ。でも、あそこのスキンケア、ヘアケア商品は評判いいけどね」
「そうなんだ。まぁ、でもいろいろ教わったとおり試してみたんだけど…」
「みたけど?」
「…今日も部長しか気づいて誉めてくれなかったなぁ…」
「…あちゃー」
依緒は苦笑した。鈍感さに定評ある春希が気づくはずがない。例え奇跡的に気づいたとしても、雪菜の前で誉めるのはためらうだろう。
「…まぁ、ナチュラルでセンスよくできていると思うよ。土台もいいし」
「…女に誉められてもなぁ…」
「…あはは…でも、春希も雰囲気変わったって言ってなかった?」
「ああ、最初に言ってくれてたね」
「フレンドリーな感じするの、そのメイクのおかげもあるんじゃない?」
「…かもなぁ」
「きっとそうだよ。それに初夏っぽい感じも出ているし、春に会ったときとは違う雰囲気出てるって」
「…そうか…そうだね。あぁ、そういえば相談したいコトがあったんだ」
「なに?」
「じつは、夏に向けて…」
かずさがその相談内容を口にするや、依緒の顔色が変わった。
「やめて!」
「え?」
あまりの依緒の剣幕にかずさは呆気にとられる。
「いや、わたしがCMしたの『ネルセア』とかじゃなくて、化粧水だし、イメージダウンにはならないと思うんだけど」
「…それでも、ダメ…」
「CMで顔が全国に知られちゃったせいでちょっと大変なんだ。いい手だと思うんだけど…」
「…ダメ、絶対」
依緒は断固として反対の態度を崩さない。
「…わたしと春希のことは知っているだろ…むしろ普通のことじゃないか…」
「そんなのっ!…」
「…あ……」
かずさは気づいた。依緒の両目に涙が溜まっている。
依緒がかずさの思いつきにここまで頑なに反対するのは、依緒の個人的な何かのせいだと。
依緒は溜まった涙を落としつつ語り出した。
「そんなことしたら。春希も雪菜も傷つく! そして何より、あなた自身も毎朝鏡を見てきっと後悔する! すぐに元に戻ると思っているでしょう? そんなことないんだからっ!」
もう、依緒がかずさだけのことを語っているのではないことは明白だった。かずさは依緒の頭を抱いて言った。
「わかった。やめる。
でも、良ければ依緒の話、聞かせてくれないか?
…わたしの最近できた友達ならこう言うと思うんだ。『誰かに話した方が楽になるよ。例え相手が最低のクソ女でも』って」
依緒はうなづきつつ、まだ誰にも話した事のない、武也との過去の事をたどたどしく話し始めた。
**********
中学時代の依緒の二つ名は「峰ヶ谷北中の黒い彗星」だった。その由来は、彼女の束ねられた長い黒髪にあった。
彼女がコートを駆け回る度、その黒髪がほうき星のような尾を引き、彼女が得意のリバースレイアップを決めた時は、ゴール下から流れ星が舞い上がりボールをリングに置いてきたように見えた。
そして、試合に勝った時には彼女は決まって髪を解いた。すると舞い広がった黒髪が勝利を祝福してくれているように見えた。
そんな彼女には、恋する人がいた。
一学年上のバスケ部の先輩で、彼女にレイアップショットを教えてくれた人だった。
彼女は峰城大付属に進学した先輩を追い、そして合格した。
そんな彼女に、恋する少年がいた。
同い年の気弱な少年で、いつも彼女の黒髪の後を付き従うように歩いていた。
彼は峰城大付属に進学する彼女を追い、そして合格した。
彼女は、先輩が待ってくれているものだと思っていた。しかし、それは叶わなかった。
「どうして…っ。わたし、先輩が待っていてくれると…」
「………それは君の勘違いだ。忘れてくれ」
「…っ!」
彼女は悲しんだが、それを表に出そうとしなかった。彼女の失恋に気づいたのは、気弱な少年一人だった。
少年は、彼女を励まそうとした。同時に、自分の想いを伝えようとした。
しかし、失恋の傷未だ癒えぬ彼女はその告白に憎しみすら感じた。3年間後を付いて来て、自分が失恋で弱った機会を狙っていたのかと
だから、あんなことをしてしまった。
「ふうん。武也、わたしのどこが好きなの?」
「………えっと…そのキレイな髪とか、かな?」
「…へえ、やっぱりそうなんだ。じゃあ『あげる』ね」
「?」
じょきっ、じょきっ
「!!!!?っ! 何してるの!? 依緒! やめなよぉ!」
「あははははっ! あんたにあげるんじゃん! 喜びなよ! ほら!」
ばさっ
「うあぁ…っ。ああああぁっ…。ああ…」
「ばいばい。また明日ね」
彼女は胸がすくような思いでその場を去り、床屋に寄ってから帰宅した。
失恋の心の重みが髪と一緒になくなってしまったようにすっきりした気分であった。
その夜までは。
朝、鏡を見て気づいた。先輩に恋していた自分はいなくなってしまったのだと。
気弱だった少年に会って気づいた。あの気弱だが優しい眼差しをしていた少年はいなくなってしまったのだと。
彼女は、今も髪を伸ばせないでいる。
**********
「ふうん………。そうなんだ」
「…………武也が…ああなっちゃったのは……わたしのせいなんだ……」
「…………伸ばしてみたら? 髪」
「………そんなこと………できない………」
「…部長ね。長い髪に触れている時に、時々優しそうな目になる」
「………そう………なの?………」
「………」
「………依緒………寝た?」
「………」
「………おやすみ………依緒」
<ぽーん>
投下完了。お騒がせしました。
ご感想、お待ちしています。
つかみは悪くなかったんだけど、回顧を始めたらすんごく走りすぎてしまってる。
あと、やっぱり地の文に表現を頼りすぎてるかなぁ。
二人の話なのにナレーター的第3者が介在しているような印象を受ける。
>>175 やはり回顧シーンを、ちゃんと依緒が話しているように練り直しますね。
感想ありがとう
今の回顧部分は武也サイドのストーリーの冒頭にします。
依緒の話の続き、
武也サイドストーリーをこちらに投稿させていただきます。
かずさと千晶と武也の出番が多く、依緒があまり出てこないSSをこのスレに投稿するのは恐縮ですが、ご感想いただければ幸いです。
なお、千晶とかずさが知り合った設定で始まってますが、その経緯については千晶スレに投稿済みですのでよければご賞読ください。
**********
「それで、話って何?」
「まあ、千晶も知ってる友達…依緒と部長のことなんだけど…」
かずさが相談相手として選んだのは千晶だった。
「ふむふむ。まぁ、わたしも飯塚君と水沢さんのことは付属時代も色々見ているからね……
…飯塚君とは同じクラスだったし。一時期『観察』していたことあったしね」
かずさは『観察』のニュアンスに若干不安を覚えたが、依緒から聞いた内容を教えて助言を仰ぐことにした。
ひととおり依緒の話した話を聞いた後、千晶はかずさに聞いた。
「………それで、かずさはどうしたいの?」
「どうしたいのって………なんとかしてやりたいと思うじゃないか………」
千晶は、そう答えるかずさを下から見上げるように表情を観察した後、微笑みながら言った。
「やっぱり、あんた変わったわ。………春希や雪菜の影響?」
「………口うるさいお節介焼きばかりだからな………」
「…その口うるさいお節介焼きが7年近く手を焼いていて、本人たちにもどうにもならないでいる問題が、あんたにどうこうできると思ったの?」
「………まぁ、やっぱりそう言われると思ったけどね」
かずさは自嘲気味に肩をすくめてみせた。
そんなかずさを見て、千晶は席を立ち上がると、かずさを値踏みするように、ぐるりと一週周り、最後に正面からかずさの両肩に手を置いて言った。
「うん。あんたならできるかも」
「冗談?」
かずさの問いかけに、千晶は真面目に首を振って、かずさの両肩に置いた手にやや力を込める。
「…いいや。春希や雪菜にはできない、飯塚君や水沢さん自身でもどうにもならないことだけど………あんたにだけはできる」
「………本当か?」
かずさが信じられないといった表情で聞き返す。
千晶はそこでかずさに顔を寄せて両目を合わせ、少しおどけた、試すような口調で聞いた。
「ああ…でもそのためには、あんたに『百人目の生贄』の役になって貰わないといけないんだよね。できる?」
かずさは訝しげに答える。
「………よくわからんが、覚悟があるかって事なら大丈夫だが?」
「…ふうん。確かに大丈夫そうだね」
千晶はそう言うと両目を合わせたまま、かずさの両肩から手を下ろして言った。
「じゃあ、まずは情報収集かな…」
<ぽーん>
今日はここまてです。お騒がせしました。
各々のキャラはつかんでて、台詞の内容は良い。
だけど、リーダーの多さがやっぱり気になっちゃう。
他の方も指摘するだろうけど。
沈黙や地の文切り替え時に、行間を空ける手もある。
やり過ぎるとこちらはレスの形だけを見る人にはウザがられるけど、SS読みには読みやすくはなるんです。
目指すところは、地の文をもっと減らして、台詞だけでキャラの表情を説明する必要の無いレベルに持って行くことでしょうか。
>>182 おお、確かに3点リーダ乱用してましたね。
改行もとれてなかった。
ご指摘ありがとうございます。
会話文を続けるのはまだ自信ないですが、読者に予備知識がある程度あるというSSの特性を生かして、地の文を短くしたいですね。
ちょい遅くなった上、量も半端だけど、本日分投下します
***********数日後、東京国際空港国際線ターミナル展望デッキ
空港の展望デッキに呼び出された武也は驚いた声をあげた。
「冬馬!? その髪…」
「ああ、部長。やっと来たか。どうだ、この髪。似合うか?」
かずさは手すりから振り返った。
その髪は後ろでひとつにまとめられていた。
「…いいや。あまり似合わないな。どっちかっつーと快活な子向きの髪型だ」
「バスケとかやる子向きか?」
「な!? …依緒に何か聞いたのか?」
かずさは肩をすくめて言った。
「ああ、部長は長い髪の子が好きだってな」
「………」
「この髪を切ろうとしたら止められたよ。依緒は切って後悔してるって」
「…伸ばせば済む話だろう」
「怖いんじゃない?」
「なにが?」
「自分から相手をはねのけてしまったから、今度は自分がはねのけられるのが怖くて手も髪も伸ばせない…って、千晶が言ってた」
「瀬能か…あいつ…」
「付属時代の依緒を千晶はこう評してたよ『武也にふられるのが怖くて女捨てて逃げてる』ってね。だから、下級生の女の子は寄ってきても、告る男はいなかったとさ」
「…なぜ、俺をここに呼んだ?」
「今日は何の日だ?」
「今日? あ…」
「もう1年引きずらないよう、今日にした」
そうか、今日は…7年前、依緒が髪を切った日だ
「場所は私の趣味だ。この場所は私にとって苦い思い出の場所なんだ」
「何で?」
「春希たちと別れ、逃げはじめてしまった場所…
わたし、馬鹿だよ…5年間も春希たちに電話ひとつしなかったんだ…」
「自分が嫌われているだろう、憎まれているだろうなんて、あり得ない言い訳に逃げていた。日本に居場所なんてないって」
「本当に大馬鹿だよな…春希や雪菜も、部長や依緒もいるのにな。わたしにはもったいないほどの友達がいるのにな」
本当に大馬鹿だよ。冬馬。
自分の方がよっぽどつらいだろうに、俺みたいな男を慰めに来るなんて。
お前の方が俺たちにはもったいないほどの友達だよ
依緒の昔の髪型までまねるなんて道化までしてみせて…
<ぽーん>
本日分投下完了
次に依緒登場します。
夜分遅くなりましたが、本日分投下します。
と、その時
ごおぉ…
と、一陣の風が吹き、かずさの下げた髪が舞い上がった。
「おっと…」
武也が反射的に手を顔の前にあげた。
その手に髪が絡みつく。
武也は7年前のことを思い出した。
依緒が切った髪が河川敷に散らばっていた。
無我夢中で拾い集めた。そんなことをしても何にもならないのに。
何本もの髪の毛が手に涙と共に絡みついた。
ぶつけられた感情が痛かった。散らばった思い出はかき消えて、泥のような鬱屈が残った。
後悔と劣等感が爪の間から染み込んで心を腐らせ、吹き続ける風が心を冷えさせた。
大好きだった笑顔がぬりつぶされ、恨みと苦みをかきたてる哄笑だけが耳にこだました。
そして次の日から、好きだった依緒にはもう会えないと思ってしまった。自分の目に浮かんでいる暗い情念に気取られるのが嫌だったから。
しばらく時が過ぎて、友達のように話すことができるようになったが、目を合わせることはできていなかった。
そうして、依緒に癒やしてもらえないものをどれだけ抱えていただろう。
武也は、今自分の手にしているかずさの髪をいじりつつ、自分の手に触れられるものに心情を転嫁させてきた過去に思いを巡らせた。
はらり、はらり
一本、また一本と手から離れていく髪が、武也の抱え込んだ荷を下ろし、過去を過去のものにしていった。
最後の一本の髪が飛び立った。武也は礼を告げた。
「ありがとう。冬馬。冬馬の心遣い、涙が出るほどうれしかったよ」
かずさは武也の面差しを確かめて言った。
「いい表情になったな部長。最後に泣いたのはいつだい?」
「…泣いている子を慰めてあげられなかった時かな」
笑い声をあげながら髪を切るその子
目の端に涙が一粒浮かんでいた。
泣きながら拾い終わった髪に誓った
もう俺は泣かないと
「まだ手遅れじゃない。慰めてあげな…依緒を呼んである」
そう言うと、かずさは『send-off』と書かれた方の出口から出て行った。
ちょうど別の入口から入れ替わるように依緒が現れた。
依緒は武也の両目を見つめるやいなや、吸い込まれるようにその胸に飛び込んで行った。
そして、あの日以来言えなかった言葉…
武也が変わってしまったから
自分が変わってしまったから
ずっとずっと言えなかった言葉を口にした
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃ…」
「…謝るんだったら最初からするなよ…」
武也はやさしく依緒の髪を撫でた。
その髪にひとしずく、ずっと流せなかった涙が、たった一人の女の子を慰めるために落ちた。
「依緒。俺は長い髪が好きなんだぜ」
「うん。うん。これから伸ばすよ」
「泣くな、依緒」
***********
「おお〜、すごいすごい。うまくいったよ〜」
展望デッキの階下の庭園スペースの窓際からは、展望デッキの端に立っている二人がよく見える。
逆に、展望デッキから庭園スペースは光の加減でよく見えない。
ここが千晶の選んだ観客席であった。
「あはは…和泉さん。趣味よくないね…」
よくわからないまま『観客席』に案内された雪菜は苦笑しつつ言った。
なにしろ、「かずさが依緒と飯塚君を仲直りさせようとしているよ〜。依緒たちには内緒で明日、空港まで来て〜」と、千晶より雪菜と春希に電話があったのだ。
数日前にかずさが依緒たちのコトを聞き出そうと春希に電話してきていたから信憑性がわずかにあったが…雪菜も春希も半信半疑だった。
「春希くんは、依緒と武也くんの間に昔、何があったか知ってるの?」
「親友だからな…何も聞かなかった」
7年前のあの日春希が見たのは、河川敷で泣きながら何かを拾い集めている武也の姿だった。
近くに行って見ると、武也が拾い集めていたものは、風で飛び散った長い髪の毛だったとわかった。
だから、何も聞かなかった。
『ほら、ビニール袋使うだろ』
『暗くなってきたな。ライト持ってくるよ』
『いつまで手伝う気か、だって? お前が帰るまでに決まってる』
「かずさからも聞かれたけど、答えられたのは日付だけだった」
「だいじょうぶだいじょうぶ〜。舞台作りにはそれで十分だったし。何せ、役者がいいから」
ちょうどその時、かずさが降りて来た。
「あんなもので良かったのか? 脚本家がへぼだからよくわからなかったぞ」
何せ、かずさが千晶から受けていた指示は、
『遠まわしに慰めろ』
『風が吹いた時に下げた髪が武也にかかるようにしろ』
『武也がいい表情になったら、依緒が来ることを告げて去れ』
それだけだった。
千晶は答える代わりに窓の外を親指で指し、そして、掌を挙げた。
ぱしっ
かずさとすれ違いざまにハイタッチ
かずさは髪を束ねていたひもを解いて髪を
広げた。
春希は少し椅子からふりかえると左の拳を水平に伸ばす。
こつっ
春希とかずさの拳が突き合わされた。
かずさは窓際まで歩くと、二人を見上げた。
「何で、こんな簡単な事なのに、二人とも7年近くも立ち止まってたんだろうなぁ…」
そう言いつつ、かずさはわかっていた。
どんな簡単な事でも自分自身ではどうしてもできないことがあると。
自分が5年間も立ち止まっていたように。
携帯に電話一つできなかった。
2年前の元旦、空港で電話が一度つながらなかっただけでくじけてしまった。
ストラスブールでは雪の中、春希を追うことができたくせに
そこへ柳沢朋が駆けつけてきた。
「もしかして、出遅れた?」
かずさが振り返り、親指で窓の外を指した。
窓の外では、展望台の上で二人がまだ抱き合っているのが見えた。
<ぽーん>
依緒&武也SS終了です。
ありがとうございました。
感想お待ちしてます。
SS読んだけど過去の依緒が依緒らしくないなーって思った
過疎ってるなあ・・・FDはよ
保守
依緒は雪菜かずさのうざいい友人
保守
アニメでも武也とがんばってね
依緒は第3話で交通事故に遭う、アニメオリジナルが用意されているとかいないとか……
エロゲの友人キャラは数いるけれど、役に立たなくて途中交替のキャラなんて、そうそういない
何で、いつの間にか雪菜の相談相手の座を、朋に奪われてんだよ!
雪菜「処女の依緒に相談してもしょうがないし」
アニメ版での依緒の女給さん姿初登場は丸戸せんせなりのサービスだったのかねぇ。
あそこで武也とのやりとりがゲーム本編から変更になったのはそれはそれで残念なのだが、、
攻略キャラにしたらいいシナリオになりそう
最高のドロドロした三角関係が見られそうだな
>>206 武也と雪菜もくっついちゃう、スワッピングルートだな
依緒はスクイズの甘露寺ポジだから
攻略なさそう
武也のアンカーだから
むしろ武也以外見てほしくない
ストーリー的な立ち位置としては
武也がスクイズの泰介や
君望の慎治のようなヒロインのNTRを
やらない為に作られたキャラと見てる
保守