嘘バレ
アイキャッチが心電図に重なり、どこかの病室。
現世。一人の少女が目を覚ます。
1年後
どこかの街角。練習帰りの岩沢とガルデモメンバー。
ストリートダンスに興じるTK。街頭TVには高校柔道の試合、松下五段。
イザコザ起こしている野田と藤巻。なぜか脱いでる高松。
竹山君や完全モブ化してる大山の姿も確認できる。
しかし彼らにあの世界での記憶はない。
交差点。ゆりと日向がすれ違う。
ふと立ち止まり、
「どこかで会ったこと……あったか?」
そうゆりに問う日向。
そんな日向に「おーぅ、私と言うモノがありながらナンパか? ああん!?」と凄むユイにゃん。
怪訝に顔を歪めるゆりに日向は「あー。スマン、気のせいだ」と立ち去ろうとするが、
「気のせい程度なら」「私も同じことを感じたわ」
死後?の世界
「って、ことはなにか?」「あいつらは、みんな死んだわけじゃないのか」
「……そう」
この世界は死後の世界ではない。
生と死の狭間。その一瞬に迷い込む魂の安息地なのだと。
非業の死を遂げた魂は救われるべきだ。そしてそれと同じくらいに、これからを生きる魂にも救いがあるべきだ、と。
だから、かなでは初音やゆりの妹たちと会ったことがないと言う。
彼女らは別の形で救われているはずだと。
「そうか……良かった」呟く音無。良かった、とは誰に対してなのか。
「でもちょっと待て」「だったら、なんで俺は消えないんだ?」
かなでの言葉が正しいのなら、この世界に来た自分も死んだわけではなく、生きて現世に帰れるのではないのか?
「現世のあなたには、もう身体がないから」
音無の身体は、炎によって清められ、灰になった。
「でも、あなたの一部分は、あの世界で、確かに生きている」
現世
ゆりは日向にこう言う。
「私の中で生きている誰だか知らない『誰か』と同じ人が、あなたたちのなかにも、いるような気がする」
「そんな気のせいを、感じたわ」
ここでSSSメンバーが音無の臓器提供によって一命を取り留めたようなイメージが挿入される。
脳梗塞による失語症とか、半身不随が臓器提供によってどうにかなるのか?
とかスタッフは一切突っ込まない。だーまえだから。
「そっか、お前も誰かに救われたんだな」「……かもね」
ユイにゃんはいまだなにかを喚いている。
生と死の狭間
「じゃあ、俺はアイツらが生を全うするまで、ずっとここに居続けることになるのか?」
「そう。……嫌?」
「いや、イヤじゃないんだが――」
頭を掻き毟り、やがてなにかを決心し、
「その時がくるまで、お前と一緒に……」
報われなかった魂を、救い続けたい
こうして、音無もまた『天使』となった。
そして天使の心臓は、確かに現世で鼓動を刻んでいる。
現世でのSSSメンバーのその後が流れ、ホワイトアウト
寄り添い、並んで歩くかなでと音無の背中
完
小ネタ:かなでにはちんこ生えてる