〜 選択形式で進めていくスレッドXXXVI 〜

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178名無しさんだよもん:2007/12/14(金) 20:38:47 ID:YQsGeWtw0
――10分後。
俺の前には皮製のバンテージと小型の鎧がばっちり並んでいた。
特に女性用にあつらえてあるものでもないが、筋骨隆々の戦士が着るものだから
普通の女性なら胸囲が足りずに入らないという事態はないだろう。

『頼まれた物だ、こんな感じの物でよければすぐに送れる。
 忘年会の幹事を頼まれたから、これから少し忙しくなるかもしれない。
 これで良いにしろ悪いにしろ、返事は先にもらえると助かる』
携帯カメラで写した外観を添えて、手早くメールを送ってやる。
しかし拳闘士か…こっちじゃ見飽きたようなもんだが、
日本では今そういう作品が流行ってるのか?
そういや、この間アロウンが新しい国旗のデザインを公募したら
日本から色物デザインが大量に送られて面白くて仕方ないとか言ってたな。
……まったく、色んな意味で美しい国だ。

A そんな事を考えてると、さっそく玲子から折り返しメールが届いた
B さてと、せこせこ連絡網作りに励むか(作品及び人物指定)
C この規模だと先に大きい会場を抑えておいたほうがいいな
179名無しさんだよもん:2007/12/14(金) 20:56:29 ID:w1/UDEb6O
A
180名無しさんだよもん:2007/12/15(土) 02:29:27 ID:rf45EHKy0
「メールが届きました」
千鶴ミクの声で音が鳴る。
ケータイをみると早速玲子からの返信だった。

『うん、すごくいいよ。ありがとー、送って。
 ところで幹事の話、聞いてたよ』
『情報がえらく早いな。古河さんか?』
『うん、メル友だし。変態なところを勝手に
 教えちゃってすいませんだって』
『先にいわれたらからかうネタにできないな』
『ざんねーん。ところであたしもこみパで忙しいけど、ちょっとなら手伝おう。
 でもあたしあまり出てないんだよね。
 だから、連絡手伝うよう知り合いにお願いしてあげる』

ふむ、古河さんのように奇特な人は
そういないだろう。知り合いからなら話は早い。頼んでみるか。

A こみパのキャラから一人指定
B 変態話の人物から一人指定
C 他、玲子参加作から一人指定
D むしろ他の頼みをする(頼み指定)
E 気持ちだけで十分だ
181名無しさんだよもん:2007/12/15(土) 07:14:48 ID:JBKzAGnr0
A オタク横
182名無しさんだよもん:2007/12/17(月) 21:41:03 ID:ISXg/4OY0
『ひ、久しぶりなんだな』
『お前が玲子の知り合いとは、世界は案外と狭いな…オーゾーイン』
『へ、兵士オーゾーインはリバプールの風になったんだな。
 僕はただのオタク横なんだな』

 ヨコマロ・オーゾーイン――いや、オタク横。
 日本人との混血という事で毛並みを気にする連中が難色を見せ
 正規軍にこそ所属出来なかったが、かつて帝国軍の外人傭兵部隊が誇る
 最強の兵士のひとりだった男、それがオタク横だ。
 「外見の3倍の速さを誇る男」「国ではなく自分のために戦うイタリア人の強さの象徴」
 などの異名で呼ばれ、俺も昔は戦友として随分と助けられたものだ。

『あ、あのガイウス将軍が僕と同じ道を歩むとは思わなかったんだな』
『自分でも意外だったがな、あるいはこれが必然なのかもしれん』

 絶対の権力を求める連中に、ただただ忠実に仕えるのを期待されれば
 その反動で権力など無縁の世界で自由に過ごしたくなるのは道理だろう。
 ……と、こんな無駄に真剣な話をしてもしょうがないな。
 書きかけた感傷を消去して、本題を簡潔に書き直し送信する。

『だ、だいたい分かったんだな。
 こみパがあるから、日程は少し早めにすると集まりがいいと思うんだな』
『そうだな、複数作品でレギュラーを輩出してるから無視は出来ないか』
『そ、それで僕は何をすればいいのかな?』

A 参加者への告知と出欠の管理
B 会場や食事の手配
C 経理全般
D その他(具体的にやるべき仕事を指定)
183名無しさんだよもん:2007/12/17(月) 22:22:50 ID:6UedhdOD0
B
184名無しさんだよもん:2007/12/21(金) 11:04:41 ID:k9Z48usT0
保守
185名無しさんだよもん:2007/12/21(金) 13:52:25 ID:aZEbzkzi0
487 名前: 名無しさんだよもん [sage] 投稿日: 2007/12/20(木) 18:50:50 ID:Dk9YVT9d0
忘年会までだらだら準備してもたるそうだし
忘年会にさっさと突入しても結局座談会と同じになりそうだし

選択スレの作品全部を選択肢に選んだやつと選んだやつはマジで空気嫁
186名無しさんだよもん:2007/12/22(土) 01:14:53 ID:2qkHfYeU0
前のゴタゴタと引き篭もってた期間ですぐに内側に向く悪癖が
少しは治ったかと思ったが全然治ってなかったんだな
187名無しさんだよもん:2007/12/22(土) 12:13:25 ID:UkVtn31Y0
保守
188名無しさんだよもん:2007/12/22(土) 12:18:52 ID:iUdxQuLd0
あがってると思えば……

>64 名前:名前を選択してください:2007/12/22(土) 09:39:05 ID:fujPcDrI0
>ゴレンジェイといい忘年会といいあっさり躓くなあ。

そら、そんな風に見殺しにすれば躓くに決まってるよな。
もうレス乞食しか残ってないんだろうか。
189名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 10:28:41 ID:dfxdT7uk0
保守
190名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 12:19:27 ID:9PSQXLsR0
新支援板は結局こうなるのをあざ笑うための板なのか?
ねちねち遠くで遠まわしに嫌味を言うと何が支援になるのか?

想定問答
Q:そういうのは支援板でやれよ
A:なんでそんな汚いところ使えるんだ
191名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 12:19:50 ID:9PSQXLsR0
もはや敵だよね、要するに。
192名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 13:48:07 ID:Lrdc783M0
いちいちageてるオマエが一番のゴミ。
193名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 18:44:55 ID:r1edxmPw0
「会場や食事の手配を頼む」
「わかったんだな」
 そうして俺は横への指示を出し終える。
 その後も次々と関係各所に支持を飛ばし幹事の責務を全うするべく奔走した。
 そして……

A 忘年会当日となった。
B 忘年会も無事終了した。
194名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 18:48:52 ID:pGOf/zqB0
BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB
これでまんぞくか?
195名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 18:53:54 ID://1j1asz0
そうだね
>190=>191=>194君満足かい?
196名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 19:01:14 ID:r1edxmPw0
「ふう。ようやく肩の荷が降りたな」
 そうして忘年会は無事終了した。笑いあり涙ありハプニングもエロスもありの楽しい催しだった。
 終いには幹事である俺自身も出席者と一緒に楽しんでいた。ああ、こんなのも悪くない。
「また次があったらそのときもよろしく頼むな」
 とはお開きのときのアルサルの言葉。そうだな。こうして自分でなにかを企画し運営して
 それを成功させる。やってみるとこれはこれで面白いものだ。
「とはいえいささか疲れたな。これから年末年始だ。しばらくはのんべんだらりと過ごすか」
 そうして任務を終えた俺は休暇モードに入る。差し詰め明日当たりはまたアロウンのところで
 wii三昧といくか。それでは皆よいお年を。

〜fin〜
197名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 19:02:01 ID:r1edxmPw0
次の主役作品を選択してください。

A 誰彼
B White Album
C ナイトライター(with 雀鬼's)
D リトルバスターズ!
E うたわれるもの
F Planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜
G 鎖
H CLANNAD
I フルアニ
J Kanon
K Routes
L ONE
M Filsnown
N テネレッツァ
O 雫
P 天使のいない12月
Q まじかる☆アンティーク
R こみっくパーティー
S ToHeart2
T 痕
U Tears to Tiara
V To Heart
W AIR
X MOON.
198名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 19:07:58 ID:0K4mvgaQ0
JJJ
199名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 19:12:22 ID:r1edxmPw0
んじゃあ主役選択

A 相沢祐一
B 月宮あゆ
C 水瀬名雪
D 沢渡真琴
E 川澄舞
F 美坂栞
G 水瀬秋子
H 天野美汐
I 美坂香里
J 北川潤
K 久瀬
L 倉田佐祐理
200名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 19:32:24 ID:pGOf/zqB0
もう鯛焼き屋の親父でいいですよ
201名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 19:33:21 ID:pGOf/zqB0
敵はまた必死で取り繕う大本営発表か
202名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 20:06:49 ID:r1vyF34p0
誰も選んでないみたいだからK
203名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 21:17:47 ID:pGOf/zqB0
やあ、久瀬だ。
……正直に言えば、この流れで引きずり出されても
ろくに進められる気がしないが、そんな状況で矢面に立たされるのも
僕の優秀さ故だ、そう思っておくことにしてあげよう。

さて、今回の話だが……

A 下の名前を考える話にしよう
B 全ての行為に介入する話にしよう
C いっそ思い切り卑屈になって何なら続けられるか徹底的に話し合ってからにしよう
204名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 21:19:04 ID:Px/NbLIIO
205名無しさんだよもん:2007/12/23(日) 21:20:40 ID:pGOf/zqB0
いっそ思い切り卑屈になって何なら続けられるか徹底的に話し合ってからにしよう。
これなら事故を起こす心配もない。
なに、よく分からない板に篭って後から泥沼で話し合うよりは
公明正大に表できちんと打ち合わせたほうがリスクは減るに決まっている。

※とりあえず一週間くらい何をするか話し合ってください
206名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 00:03:39 ID:9Uf6mxOS0
 とにかくだ、今の僕の状況を詳しく説明することにする。
 なにせ常識的に考えて、今の僕は非常に特殊な状況下に存在すると言えるだろう。
 おそらく僕と同じ状況に陥っている者は世界で僕ただ一人だ。
 ……いや、すまない。それは言い過ぎた。
 何分だいぶ混乱しているものでね、まだ自分でも心の整理がついていないんだ。
 手短に説明しよう。今の僕は……

A 死亡フラグが立ちそうになっている
B 毒電波に目覚めた
C トイレに行きたい!
207名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 00:23:53 ID:J3UdSD0F0
A
208名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 00:35:42 ID:9Uf6mxOS0
 死亡フラグが立ちそうになっているんだ。
 ……そこの君、怪訝な顔をしないでくれたまえ。これは事実だ。
 先に死亡フラグというものがどういうものか説明しよう。

 死亡フラグとは!
“死ぬ”ことへの伏線。フラグはゲーム・コンピュータ用語でこの場合「何かが起こるための見えない条件」といった意。

物語などで以下のようなことがあると、その人物はその後死ぬパターンが多い。いわゆる「お約束」の一種。

 は○なダイアリーよりの抜粋だが、
 これで理解していただけるものと仮定して話を進めさせてもらう。
 つまり僕は死と隣り合わせにいると考えてくれて結構だ。
 ……なに、これでは分かりにくいと?

 分かった。更に詳しく現況を説明しよう。
 とりあえず今の僕が何処にいるかから説明する。
 僕は今…………

A 孤島にバカンス旅行中で一週間経つまで迎えの船が来ない
B スキーに向かった雪山で猛吹雪に見舞われロッジから出られなくなっている
C 少し粋な高原の別荘地帯で休暇を楽しんでるところだった
209名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 00:39:13 ID:J3UdSD0F0
季節にあわせてB
210名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 00:57:24 ID:9Uf6mxOS0
 これは不運だったと言えよう。
 僕は個人でスキーを楽しもうと、北海道のさる雪山に足を運んだんだ。
 昼過ぎまでは良かった。
 天気もカラリと晴れていて、それでいて新雪が山を銀色に染め上げ、
 正にスキーをするのに絶好の気候だったと言えよう。
 だが、夕方ロッジに戻った辺りから、空模様が怪しくなってき始め、
 そして九時を回った今では、そとからはビュウビュウと風の音が聞こえ、
 窓にはひっきりなしに雪がへばり付いてくる。
 ただ、幸いロッジには客全員の一週間分ぐらいは食料も灯油もストックしてあるそうなので、
 その点だけは安心していいらしい。まあ、どちらにせよ天気が崩れてついてはいないのだが。
 それでも明日には、悪くても数日後には天気も回復するだろう。
 僕は当初割と楽観的に考えていた。だって、そうだろう?
 たかが冬山じゃないか。登山に来て遭難したのならともかく、ただ吹雪に見舞われているだけだ。
 何も特別なことなどない。よくある自然現象の一種さ。
 だが……予想は遥か斜め上を40度の角度ですっ飛んでいった。


「キャーーーッ!!」
 僕が部屋でのんびりと読書に勤しんでいるところ、
 耳を劈くような甲高い悲鳴が聞こえてきた。
 突然のことに僕は戸惑いながらも、
 何が起こったのか確認するために声がした方向に走る。
 そこには、怯えたような表情の女性客と……

A 客の死体があったのだ
B まるで何かに破られたような穴が窓に空いていた
C 首を吊ったロッジのオーナーが天井からぶら下がっていた
211名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 01:46:17 ID:oUEAjeIU0
C
212名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 02:09:22 ID:9Uf6mxOS0
 台所の入り口に、女性客が腰を抜かして蹲っている。
 最初は何かの見間違いかとも思った。
 だが、どう見ても彼女の指差す”その物体”は、天井から首を吊ったオーナーにしか見えない。
 突然すぎるこの出来事に、僕は一瞬気が遠くなってくる。
 まさか、有り得ない。どうして、オーナーが!?
 頭の中で様々な考えがぐるぐると浮かんでは、消えていく。
 これは一体どういうことなのか、全く僕には分からなかった。
 とりあえず、僕はオーナーの様子を調べてみた。
 既に息はなく、体も大分冷たくなっている。間違いなく死んでいる。
 ……自殺? いや、まさか。
 遺書も見当たらないし、第一自殺ならもう少し人目につかない場所でやるだろう。
 そしてお約束だが、首吊り死体なのに踏み台がないのだ。
 まさか死体が自分で踏み台を片付けはしないはずだ。
 つまり、これは殺人事件……ということになる。
 そしてこのロッジの中に犯人がいることは明らかだろう。
 外は猛吹雪だ。まさか外部から人間がくることは考えにくい。

 というわけで、僕は今こんな状況で立ち尽くしている。
 ……これは猛烈にまずい。
 こんな状況では、僕の命の安全など誰が保障してくれるというのだ。
 とにかく僕は生き残らなくてはならない。
 犯人を捕まえることも大切だとは思うが、とにかく自分の安全が第一だ。
213名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 02:10:02 ID:9Uf6mxOS0
 さて、ここで諸君にお願いがある。
 僕は最初に死亡フラグについて得意げに説明はしたが、
 正直に白状すると、具体的な死亡フラグは何一つ知らないのだ。
 だから僕の行動を君たちが選ぶことで、上手く僕の死亡フラグを折って欲しい。
 僕がこの先生きのこるにはどうすればいいか、上手く導いて欲しいんだ。
 きっとそれが天の声として、僕の進むべき道を照らしてくれるだろう。

 とにかく、今の状況をもう一度簡潔に説明しよう。
 僕は女性の叫び声を聞いて、部屋からこの『台所』へ走ってきた。
 そうしたら、オーナーの首吊り死体と、第一発見者と思われる女性を発見した。
 オーナーの死には不審な点が多く、他殺の可能性が高い。
 ここまではいいだろう?
 さあ、ここからは慎重に行動しなければならない。
 下手な行動が死亡フラグに直結する可能性もあるわけだからね。
 さて……まずやるべきことといえば?

A 第一発見者と思われる女性に詳しい話を聞く
B ひとまず警察に連絡だ
C ヘタに事件に首を突っ込んで死にたくない。全てスルーして部屋に戻る
D 犯人がいるかもしれないのにロッジになどいられない。危険を冒してでも山を降りる
214名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 02:54:24 ID:J3UdSD0F0
C以外どれも死亡フラグありうる。でもそれじゃな

A
215名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 03:35:31 ID:9Uf6mxOS0
 まず必要なのは状況の把握だ。
 いくら僕に直接関係がないとはいえ、
 迂闊に部屋に戻って、状況も分からぬままに犯人に襲われたりしたらたまったものじゃない。
 とにかく、この女性客に詳しい話を聞くのが先決だろう。
 恐らくはただの目撃者というだけだろうが、何も聞かないよりはマシだ。
「失礼。少しよろしいですか?」
「え……あ……その…………」
「怖がることはありません。僕も貴女と同じ、ただの観光客ですよ」
 女性はまだ少し混乱しているようだった。
 無理もない。人が死んでる光景などそうそう見れるものじゃないからね。
 それが首吊り死体となると尚更だ。グロテスクなことこの上ない。
 ……えっ? 僕が割と冷静なのはどうしてかって?
 ふっ、それは勿論、僕が生徒会長だからさ。生徒会長たるもの、冷静さがなければ務まらないのだよ。
「おい、どうした!?」
「何があったんです!?」
 女性の悲鳴を聞きつけてか、他のお客や従業員が続々と駆けつけてくる。
 おそらくは、この中に犯人が……。
 そう思っていると、態度が自然と警戒したものとなってくる。
 とにかく、ここに留まるのは得策じゃない。
 ひとまずロビーで他のお客や従業員に状況の説明をすることにしよう。


「……以上が、僕の見た全てと、僕の仮説です。何か質問は?」
 僕がロビーで一通りの説明を終えると、場は騒然となった。
 ざわざわと落ち着きのないざわめきが聞こえる。
 殺人事件が起こったのだ、それも仕方のないことだろう。
「ないようなので、僕からも二、三質問させて頂きましょう。
 ……あなたが第一発見者ですよね? 詳しくご説明願えますか?」
「え、あ、はい……。
 私が食器を下げようと台所へ向かったんです。
 そうしたら、何か見慣れないものが下がってるなあって……それで……」
216名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 03:36:02 ID:9Uf6mxOS0
 彼女の言葉に特に不審な点はない。
 元より僕らはただのスキー客だ。オーナーとは何の接点もない。
 オーナーに殺意を抱く動機もなければ道理もない。八割がた彼女は白だろう。
 寧ろ僕が怪しく思っているのは他の従業員の方だ。
 その方が金銭トラブルや痴情の縺れなど、様々な理由を考え易い。
「とにかく、警察に連絡した方がいいんじゃないですか!?」
 お客の一人が多少興奮気味にそう提案した。
 至極最もな意見だ。
 僕も自分が生き残るために必死だから、こうやって色々考えてはいるが、
 僕はどこぞの高校生探偵とは違う。ごく普通の学生だ。
 ここから先は警察の領分、素人は手を出すべきじゃないだろう。
 出る杭はなんとやらだ。余計なことをして命を落としたくはない。
「そうですね。では警察に連絡をお願いします」
「大変だ、電話が通じない!!」
 早っ!
 犯人少し用意周到すぎるんじゃないかい!? これじゃあ僕の身に危険が迫るじゃないか!
 くっ、これなら早くに警察に連絡していれば……いや、過ぎたことを悔いても詮無いことだ。
 とにかく、これで外部と連絡する手段を失った。
 何せ、ここは携帯も圏外だからな……。しかもご丁寧に市場に出回っているほぼ全ての機種で。
 こんな状況だからこそ、僕は自分の立ち位置をはっきりさせないといけない。
 まず重要なのは、この事件に深く関わるか否かだ。
 先に言ったように、僕にとって重要なのは生き残ることだ。
 犯人の追及は警察に任せるべきであって、僕がやる必要など何処にもない。
 犯人を追うということは、それだけ命の危険が増すということだ。
 だが待って欲しい。
 もしも犯人が愉快犯的な理由で犯行に及んでいるとしたら?
 対岸の火事を気取って傍観していては、結果的に僕の死亡フラグが成立しないだろうか?
 犯人を率先して突き止めるべきか、それとも傍観すべきか……。

A 僕は必ず犯人を見つけてみせる!
B いや、僕は傍観の姿勢を取ったほうが結果的に生き残れるだろう
217名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 03:51:46 ID:J3UdSD0F0
死亡フラグがテーマなら常にギリギリ感がほしいA
218名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 12:23:05 ID:9Uf6mxOS0
「……私達、これからどうなってしまうんでしょう」
 第一発見者の女性がぽつりとそう呟くと、
 部屋全体に重苦しい雰囲気が立ち込めた。
 楽しいはずのスキー旅行が、オーナーの死によって散々なものになってしまった。
 しかも計画的殺人である可能性が高いとくれば尚更不安は煽られる。
「とりあえず、皆さん落ち着いてください。
 今の僕らに必要なのは心を休める時間と、物事を整理して考える冷静さです。
 残念ながら外部との連絡はこの吹雪がやむまで不可能でしょう。
 ですが……僕は事件解決とあなた達の安全確保に最善を尽くすつもりです。
 確かに僕はただの一般客、有象無象の学生に過ぎない。
 それでも僕の言葉を信じてくれるのなら、皆さん……どうか落ち着いては頂けませんか?」
 僕が社交辞令的な言葉で皆に発破をかけると、
 幾分か落ち着いてきたのか、皆の顔に余裕の表情が生まれてきた。
 とにかく今夜はもう遅いので、各自部屋に戻って明日対策を考える、という形になった。
 ゾロゾロと皆が部屋に戻っていく中、僕は一人ロビーに残り考えに耽る。

 僕はこの事件を解決しようと思う。
 生き残るにはまず、敵を知らなければならない。
 犯人を追うということは、それだけ危険が増すという意味だが、
 だが何も知らないで殺されるのは絶対に納得できない。
 とにかく今日のうちに出来ることはやってしまおう。
 まずやることと言えば……

A 僕の持ってきた荷物の中で使えそうなものがないか確認だ
B 現場検証をやり直してみれば何か分かるかもしれない
C 従業員にオーナーの人間に関係について聞く
219名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 13:08:11 ID:bA3zMdWL0
220名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 13:58:54 ID:9Uf6mxOS0
 そうだな、まずすべきことといえば、
 オーナーがどんな人間であったかを把握することだろう。
 結果というものは、原因があるからこそ存在する。
 人間関係を洗っていけば、この事件についても何か分かるかもしれない。

「夜分に失礼致します。少しお聞きしたいことが……」
「……あ、あなたはさっきの」
 従業員の個室を訪ね、ノックしてから部屋に入る。
 このロッジはそれほど大規模なロッジというわけではない。
 スキーシーズンとはいえ、大抵の人間は麓の方に泊まるからだ。
 だからここのように山頂近い場所のロッジに泊まる人間はごく小数だろう。
 僕はわざわざそういう場所を選んで泊まったのだ。割と僕は孤独を愛するからね。
 でなければ雪国出身なのに、スキーのためだけに他の地方にまで来たりはしないよ。
 だからこのロッジには従業員は少ない。確か三人だけだったと思う。
 僕の勘では、その三人の誰かが怪しいと思うのだが……。
「久瀬と申します。オーナーの事について、少しお聞きしたいことがありまして……」
「そうですか。もう早速調べてらしてるんですね?」
「ええ、まあ。まず動機を探るためにも、オーナーがどんな人物だったか聞こうと思いまして」
「構いませんけど……私、ただの短期バイトですから、あまりオーナーと親しくはありませんよ?」
 しまった。短期バイトか。
 よくよく見ればこの従業員、僕よりも年下に見える。
 旅行を兼ねた小遣い稼ぎとして、このロッジに来たというところか。
「……まあ、それでも僕よりは貴女の方が、彼について熟知しているかと。
 従業員の中で、彼を殺すような動機のある人間はいないか、
 最近客との間で彼が何かトラブルを起こしていたとか、心当たりはありませんか?」
「え〜と……特には思いつきませんけど。オーナーはいい人でしたし。
 でも、聞き込み調査なんて本当に探偵さんみたいですね。まるでドラマみたいでかっこいいです」
 多少ずれた答えが返ってきた。
 しかしこの女性、どこか楽しんでる節もあるな……危険人物だ。僕が上司なら厳重注意をするだろう。
221名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 13:59:40 ID:9Uf6mxOS0
 とにかく、オーナーは表面的には問題のある人間ではなかったようだ。
 だがそうなると、ますます動機が分からなくなる。
 何故だ? 何故彼は殺される必要があった?
 考えがまとまらない。今の状況では判断材料が少なすぎる。
 もう一度よく事件について考えてみよう。
 まずオーナーは『九時過ぎ』に『台所』で見つかった。
 ならばオーナーは何時ごろに死んでいたのか。
 答えは簡単だ。おそらく『八時ごろ』から『九時過ぎ』の間だろう。
 何故ならば、その時間帯までは台所も人の出入りがあり、
 とてもじゃないが死体を吊るせるような時間などありはしない。
 第一僕も八時ちょうどに、コーヒーカップを下げに行ったのだが、
 その時にオーナーの死体などありはしなかった。
 つまり……八時ごろから九時過ぎまでの時間のアリバイを調べていけばいいことになる。
「……次に、あなたは八時から九時あたりの時間、何をしていらしたのですか?」
「えっ、私ですか?
 う〜ん……確かあの時は、ロビーのお掃除をしていたはずですけど」
「それを証明出来ますか?」
「私一人で掃除してましたから、それは……。
 あっ、でも、お客様の中でロビーで掃除している私の姿を見かけた人もいるかもしれません」
 なるほど。なら他の人間にも彼女のアリバイについては聞いてもいいかもしれない。
「では……」

A あなた以外の従業員について、お聞かせ願えますか?
B あなたが怪しいと睨んでいる人間を教えてください
C よく見るとお美しいですね、お嬢さん。どうです、お茶でも淹れながらゆっくりとお話でも……
D もう十分です。ご協力感謝します
222名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 14:00:51 ID:oUEAjeIU0
A
223名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 14:29:31 ID:9Uf6mxOS0
「あなた以外の従業員について、お聞かせ願えますか?」
「私以外……ですか。え〜と……」
 彼女は人差し指を口元に当て、何か考えるような仕草をする。
 とにかく今は、様々な角度から情報を集めるべきだろう。
「私から見て、あまり不審な点は思いつかないです。
 皆さんは仲も良さそうでしたし、それに皆さんも私と同じ短期バイトですし」
 他の連中もバイト、か。
 そのことについて話を聞いてみると、
 どうやら正従業員が怪我で入院したらしく、それでバイトで場を繋いでるらしい。
 ……とはいえ、元々ここの従業員は一人だったから、
 バイトだけでも三人もいる今の方が随分余裕があるそうなのだが。
「他の方のお話なら、本人に聞いたほうがいいと思いますよ?
「……そうですね、もうここにいても何も情報は得られそうにありませんし」
 と、ここで僕は考えた。
 こういう場所で一人で行動するというのはどうなのだろう。
 死亡フラグに直結してないだろうか。
 いや待て、誰かと共に行動するということ自体墓穴だったらどうする。
 例えば原作で死亡フラグのある、もしくは死亡経験のあるキャラクターだ。
 そういう連中とは関わっていてロクなことがない。
 いつ原作イベント的に死んで、それに僕が巻き込まれるか分かったものじゃない。
 さあ、僕はどうすればいい?
 選択肢としては二つ考えられる。一人で行くか、この子に案内してもらうかだ。
 場所自体は分かっているから一人で行っても問題ない。要はフラグが立つか立たないかだ。
 この子に死亡フラグはないだろうか?
 見たところ、僕より一つか二つほど年下で、多少儚げな雰囲気もある。
 死にそうなキャラなのかどうか、微妙だな……。

A 一人で行った方が死亡フラグを回避できる
B この子と一緒に行ったほうが死亡フラグを回避できる
224名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 14:46:08 ID:IiS67emq0
A死亡フラグテーマってわりにはあんまりどっぷりとは死亡フラグに漬かってないな
225名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 15:15:32 ID:9Uf6mxOS0
「では、そろそろ僕は失礼するとしましょう」
「お一人で大丈夫ですか?」
 彼女が不安げに僕を見る。
 なるほど、確かにこんな状況だ。
 途中で犯人に襲われはしないかと不安になる気持ちも分かる。
 だが、ここで女性に頼ったりしたら男が廃る。
 それに廊下を行き来するだけだ、大した道のりじゃあない。
「お気遣いだけありがたく受け取っておきましょう。僕は大丈夫です」
「で、でも……」
「ははは。心配はご無用ですよ。
 【もし何かあったら大声を出しますから】」
「は、はい」
 …………。
 なにか、僕はとんでもないミスを犯してしまった気がする。
 言っていい言葉と悪い言葉というものが、この世には存在する。
 そして、僕は言ってはいけない言葉を言ってしまったような、そんな感覚だ。
 別に放送禁止用語や差別用語を口にしたわけじゃない。
 だけど……何かこう、もう終わりというような言葉をいってしまった気がするんだ。
 いや、これは気のせいのはずだ。そうだ、気のせいだ。

 彼女の部屋を出て、僕は次の従業員の部屋へと向かう。
 話によると男性従業員の部屋は一階にあるそうなので、僕は一人階段を降りていた。
 しかしやはり北海道の冬は寒い。
 一応廊下にも暖房は入っているはずなのだが、
 部屋の暖かさと比べると寒さをより強く感じる気がする。
 ……さて、こんな無駄なことを考えている時間はない。
 早く次の部屋に向かわなくては。

 と、その時だった。
 不意に後ろから、僕の首に紐が回された。
226名無しさんだよもん:2007/12/24(月) 15:16:33 ID:9Uf6mxOS0
 ……こ、これは!?
 苦しさに気付いて懸命に相手を引っ掻いたりして抵抗を試みるが、もう遅い。
 酸素が肺に回らなくなり、急に意識が朦朧とする。
「だ……れか……!」
 やっとのことで、そこまで声を出すことが出来た。
 だが、襲われた後に助けを呼んでも何の意味があるのだ。
 誰かが犯人の姿を見てくれでもすれば、事件は解決するだろうが、
 それでは僕が殺されているじゃないか。何の意味もない。
 こんなことなら……誰かと一緒に行動しておけば…………。

【久瀬 死亡】


「……はっ!?」
 僕は自室のベッドで目を覚ました。
 慌てて鏡で首筋を確認する。目立った痕はない。
「そんな……今までのは、夢だったのか?」
 そう考えれば合点は行く。
 確かにこんなところで殺人事件が起こるわけもない。
 それで僕が殺されてたまるものか。どうやら読書中に寝てしまったようだ。
 今は、ええと……九時か。
 やれやれ、もう一度寝なおすとするか。
 そう僕が考えていたその時だった。
「キャーーーーッ!!」
 耳を劈くような悲鳴が辺りに響く。
 ……そんな、まさか!?
 僕は自分の頭に過ぎった想像を振り払うかのように、台所へと走る。
 そこには……。
227名無しさんだよもん

 そこには、先ほど夢で見たのとまったく同じ状況が映っていた。
 首を吊って死んだオーナー、恐怖で腰を抜かしている目撃者の女性。
 ……あれは夢じゃ、ないのか?
 時間を巻き戻って、先ほど起こったことが、繰り返されている?
 不意に、ゲームのコンティニュー画面を思い出した。
 そうだ、今の状況はアレに似ている。
 キャラクターが死んでまた最初から、ちょうどそんな感じだ。
 ……これは、奇跡だ。
 人間は普通死ねばそれきり、もう二度とチャンスはやってこない。
 だが僕は違う。前回の反省を活かしてやり直すことが出来るというわけだ。
 常識で考えて有り得ない事態だが、既に起こってしまっていることなので、ここは受け入れることにしよう。
 それに好都合じゃないか。もう一度チャンスを得ることが出来たんだ。
 今度は死なないように行動すればいい。
 先ほどと同じ行動をすれば、先ほどと同じ結果が返ってくるだろう。
 だから今度は先ほどとは違う行動を選べばいいわけだ。
 とにかく今度は……

A 第一発見者と思われる女性に詳しい話を聞く
B ひとまず警察に連絡だ
C ヘタに事件に首を突っ込んで死にたくない。全てスルーして部屋に戻る
D 犯人がいるかもしれないのにロッジになどいられない。危険を冒してでも山を降りる
E とりあえず、先ほどの従業員に話を聞くところまでは同じ行動で大丈夫だと思う