1 :
名無しさんだよもん:
リトルバスターズ!のキャラが殺し合うリレー小説、リトルロワイアル!の作品投稿専用スレです。
どの作品の続きを書いてもかまいません。分岐させるのも自由です。
投稿するときはどの作品の続きなのかを分かりやすく示してください。
想定してる参加者は以下の15人ですが、
神北小次郎や三枝晶などを書きたい人がいれば参加者に加えても特に問題ありません
直枝理樹
棗恭介
井ノ原真人
宮沢謙吾
神北小毬
棗鈴
三枝葉留佳
能美クドリャフカ
来ヶ谷唯湖
西園美魚
二木佳奈多
笹瀬川佐々美
ソフト部員(赤)※
ソフト部員(黄)※
ソフト部員(緑)※
※佐々美の取り巻きのソフト部員三人組。()内は髪の色。
リトルロワイアル!企画・運営スレ1
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1185722810/
2 :
バトルスタート:2007/08/14(火) 09:43:19 ID:dSDrEsSH0
僕らの修学旅行の行き先は京都だ。
「今時古くさくない?」
「最近だとふつー、海外とかさ」
クラスではそんな声も上がってたけど、僕はずっと楽しみにしていた。
僕自身は京都に行くのは初めてだったし…………なによりも、みんなと一緒だったから。
「理樹」
旅行初日の行きのバスの中。窓の外を流れる景色を眺めていると、後ろから呼ぶ声がした。
振り向くと鈴が椅子の背もたれから顔を出していた。
「理樹も食べろ」
そう言って鈴はポテトチップスの袋を差し出す。
「じゃあ、もらうよ」
僕は袋からチップスを何枚か取って口に入れた。
ぱりぱり……。
「なんだか変わった味だね」
「出たばっかりの新商品なんだよ〜」
鈴の隣から小毬さんの笑顔が出てきた。
確かに今までに食べたことない味だった。
……『皿うどん味』だなんて。
それはそうと、
「えっと、小毬さんのだったのかな。僕も食べちゃったけどよかった?」
鈴に食べろと言われたとはいえ。
「いっぱい持ってきたから、だいじょうぶっ」
と言って小毬さんはポテトチップスだけでなく、たくさんのお菓子をバッグから取り出す。
「それに、理樹君が幸せだと、私も幸せ。私が幸せだと、理樹君も幸せ」
「ずーっとずーっと繰り返して、幸せスパイラル、だよね?」
先取りして言ってみる。小毬さんの幸せスパイラル理論。
「うん、みんなでいっしょに食べると、みんなでいっぱい幸せ。だから遠慮なく食べちゃってくださいっ」
それで僕は遠慮なくいただくことにした。
3 :
バトルスタート:2007/08/14(火) 09:44:31 ID:dSDrEsSH0
「やはやは、諸君」
三人でポテトチップスをつまんでいると、ニコニコ顔の葉留佳さんがやってきた。
手に小さな箱を持っている。
「私もこんなものを焼いてきたのだヨ。食べて食べて」
箱を開けるとバスの中に甘いバターの香りが広がった。
「ささ、召し上がれ」
前にも食べさせてもらったことのある葉留佳さん手作りのシフォンケーキだった。
「わ〜、はるちゃんありがとう〜。もらうね」
「うん、もらうぞ」
「ありがとう。もらうよ」
一つ手にとって口に運ぶ。
「お味のほうはどうですかネ」
葉留佳さんが訊ねてきたので、
「うん。上達してると思うよ」
そう僕は答えた。
「えー、なにその微妙な感想ー」
……ふっ! ……ふっ!
「えっと、じゃあ……おいしかったよ」
……ふっ! ……ふっ!
「えー、なんだか嘘くさーいっ」
……ふっ! ……ふっ!
「いや、本当においしかったし」
……ふっ! ……ふっ!
「だったら最初からそう……って、バスの中で腕立て伏せなんかやんなー、この筋トレ中毒、略して筋中がぁーっ!!」
ここで葉留佳さんのツッコミが入った。足元に。
4 :
バトルスタート:2007/08/14(火) 09:45:50 ID:dSDrEsSH0
「あんだよ、うるせぇな……」
椅子と椅子の間の通路で腕立て伏せをしていた真人が立ち上がった。
ちなみに、その前に椅子の上の荷物棚を使って懸垂をしようとしたのは泣きそうな顔をしたバスガイドさんに止められていた。
「それより、てめぇ、なんでオレの席に座ってんだよ」
三枝さんが座っているのは僕の隣の席、つまり真人の席だった。
「だって、理樹くんの隣がいいから」
「だいたい、クラスが違うだろ。なんで、てめぇはオレらのバスに乗ってんだ」
「そこはほら、ノリですヨ。ノリ」
悪びれる様子もなく葉留佳さんは答えた。
「いいからオレの席からどけっての」
「えー、真人くんなら、空気椅子で十分じゃん」
「なにぃ? 空気椅子に10回1セットのダンベルカールを組み合わせろだとぅ? なんだよ、その、狭いバスの中でも上半身と下半身を同時にすげー効率よく鍛えられそうなメニューはっ」
いや、どこからツッコミを入れたらいいかわかんないけど……とりあえず、ものすごく膝と腰を痛めそうなメニューだね。
「理樹くんだって、隣は女の子の方がいいよね〜?」
と葉留佳さんの顔が近づいてくる。
「えっ、僕は……」
僕はちょっと焦った。
「理樹だって、いざって時のために、隣は頼もしい筋肉の方がいいに決まってるよなっ」
と真人の顔がくっつきそうなぐらいに近づいてくる。
「いやいやいや……」
僕は別の意味で焦った。
……いざって時って、どんな時だろう。
6 :
バトルスタート:2007/08/14(火) 09:47:32 ID:dSDrEsSH0
葉留佳さんと真人が騒いでいる間も、前の席の西園さんは普段と変わらない様子で本を読んでいた。
今読んでるのは、いつもの緑の表紙の本とは別の本みたいだった。
あの本はバッグの中に入れてるんだろうか。
それで、西園さんが静かに本を読んでいたからすぐには気付かなかったけど、隣に座っているクドはなんだか元気がない感じだった。
景色を眺めるでもなく、ぼーっと前を見ている。
少し心配になった僕は通路に出てクドに話しかけてみる。
「クド、元気ないね。どうしたの? 車酔い?」
「あっ、リキ。いえいえ、そんなことはないですよっ」
ぱっと笑顔になってそう答える。でも、僕にはなんだかそれが無理しているように見えた。
「本当に大丈夫? 酔い止めの薬なら持ってるけど……」
「本当に大丈夫ですよっ。それに、『こすもなーふと』になるからには乗り物酔いなんて平気じゃないと務まりませんから」
「そうなんだ」
「はい。へっちゃらへーなのですっ」
「へー……それじゃあ、私がクド公を訓練してあげようか。それそれー!」
いつの間にかそばにきていた葉留佳さんがクドを羽交い絞めにして一緒にぐるぐる回りはじめた。
「わふーっ! あ〜れ〜なのですー」
「これぐらいで音を上げてたらとても地球に帰還できないよー。ほらほらー」
「わーふーっ!」
7 :
バトルスタート:2007/08/14(火) 09:49:02 ID:dSDrEsSH0
「……うう……私、車酔いになっちゃった〜……理樹くん酔い止め分けて〜」
頭を抱えて通路に座り込む葉留佳さん。予想通りのオチだった。
「わ〜ふ〜……」
葉留佳さんの手から逃れたクドは通路を挟んだ来ヶ谷さんの席に倒れこんだ。
「うん? どうした、クドリャフカ君。そんなにおねーさんの胸が恋しかったのか?」
来ヶ谷さんの胸の中でクドが答えた。
「たいようがちきゅうのまわりをまわってます〜……」
「ほぅ。それは……コペルニクス的転回が必要だな」
今度は来ヶ谷さんが、ぐりん、ぐりん、とクドを回し始めた。
縦に。
「わーーふーーっ!!」
「どうかね。今のキミに世界はどう見える?」
「ありとあらゆるものがうごいてますーっ」
「ほほぅ。それはなかなか深い認識だな。はっはっは」
「いや、『はっはっは』じゃないから、やめてあげてよ」
「そうは言うがな、理樹君、こんなちっちゃくて可愛い子がふらふら歩いているのを見かけたら回したくなるのが人情というものだろう。性的なニュアンスで」
「どんなニュアンスだよ……」
『今日の少年はツマランな』とかなんとか言いながら来ヶ谷さんはクドを解放した。
「は〜れ〜げいざ〜……」
クドはそのままよろよろと通路を歩いていった。
8 :
バトルスタート:2007/08/14(火) 09:50:42 ID:dSDrEsSH0
「おっと」
謙吾がクドを受け止めた。
「能美、大丈夫か」
「はれれ……みやざわさん〜……」
謙吾はクドの体を軽々と持ち上げて元の席に座らせた。
「さんくす・あ・ろっとですー……」
目を回したままクドはお礼を言うと、隣に座ってる西園さんにもたれかかって、くたり、と寝てしまった。
西園さんは本を片手にくすくす笑っていた。
「謙吾、ありがとう」
僕はクドを助けてくれた謙吾にお礼を言った。
「ああ」
「そう言えばさ、謙吾」
僕はずっと気になってたことを訊ねた。
「なんだ?」
「恭介なんだけど、さすがについてこなかったね。あんなこと言ってたけど」
出発前、絶対に自分も修学旅行に行ってやると息巻いていた恭介の顔を思い出す。就職活動中なのに……。
「……いや、いるな。ずっとあいつの気配を感じる。今も」
謙吾は断言した。
「えぇっ! どこにっ!?」
僕のその問いに答えるように、
コンコン。
どこからかそんな音がした。
「なんかよ……今の音、床の下から聞こえたんじゃねぇか?」
と真人。
「…………」
バスの中に沈黙が広がる。
僕の目は足元に向く。
床下にはみんなの荷物が入ったトランクルームがあるわけで……つまり、
9 :
バトルスタート:2007/08/14(火) 09:52:36 ID:dSDrEsSH0
そこへ鈴がすたすたと歩いてくる。
通路の一箇所でぴたりと足を止めるとガンガンと床を蹴った。
蹴るたびに『ぐあ……』なんて声が床下から聞こえてくる。
しばらく蹴って満足すると、鈴は僕のところに来た。
「理樹、これも食べろ。今度はこまりちゃんの手作りだ」
差し出されたお菓子を受け取る。
「うん? これはアップルパイかな?」
「アップルシュトゥルーデルだよ〜」
と、後ろから小毬さん
「ほんとは、あったかいうちに食べたらもっとおいしいんだよ」
「へぇ、そうなんだ。それも食べてみたいかも……」
粉砂糖がかかってて、ちょっと手がベタベタになったけどおいしかった。
「じゃあ、修学旅行から戻ったら、またみんなでパーティーやろうよ。今度はシュトゥルーデルパーティー。そのとき焼き立てをご馳走するね」
「楽しみにしておくよ」
「すごく楽しみだ」
鈴の笑顔。
……本当に楽しい。
小毬さんのシュトゥルーデルパーティーも楽しみだったけど、僕は、今この時を本当に楽しく感じていた。
そう、行き先がどんな場所でも、リトルバスターズのみんなと一緒なら、この旅行は信じられないぐらい楽しい思い出になる。
いくらでも、いつまでも楽しいんだ。
それは確信だった。
11 :
バトルスタート:2007/08/14(火) 09:54:30 ID:dSDrEsSH0
……でも、こんなときに限ってあれはやってくる。
ぐらり、と世界が揺らぐ感覚。
すぐに視界が黒く塗り潰されていく。
「理樹っ!」
「理樹君っ!?」
鈴と小毬さんの呼ぶ声が聞こえた。
……大丈夫。
……心配しなくていいよ。
……いつものだから。
そう口に出す間も無く僕の意識は闇に沈んだ。
*
そして世界は筋肉に包まれた
END
13 :
バトルスタート:2007/08/14(火) 09:57:17 ID:dSDrEsSH0
目覚めは床の上だった。
どうしてバスの椅子の上じゃないのか、僕にはわからなかった。
横になってた体を起こして周りを見ようとする。
体のあちこちが痛んだ。硬い床で寝てたから。
そこは学校の教室らしき部屋だった。
机や椅子が掃除をする時のように端に寄せられて積み上げられている。
そして、みんなもそこにいた。
部屋のあちこちで倒れているみんなは、僕と同じように起きては辺りを見回していた。
クラスの違う、別のバスに乗ってた人たちもいた。風紀委員長の二木佳奈多さん、他にも……!
誰かの視線を感じて思わずそちらを見る。
教壇に一人の男が立っていた。顔は知らない、というより分からない。
なんて言ったらいいのかわからないような奇妙な仮面を被っていたから。
男の左右には迷彩服を着てヘルメットを被った、まるで兵隊みたいな格好をした人たちがずらりと並んで整列している。
男は、教室にいる僕らを眺めるように左から右にゆっくり首を動かしてから、言った。
「これからおまえたちに殺し合いをしてもらう」
……どこかで聞いたことのある声だったけど、誰の声だったかは思い出せなかった。
あまりに突拍子もないその言葉。
とっさには誰も何も言えなかった。一人を除いて。
「これは一体なんの冗談ですのっ!?」
ソフト部の笹瀬川佐々美さんだった。
「こんなものまでつけて……警察に通報いたしますわよっ!」
笹瀬川さんが首輪を掴んでカチャカチャと揺すった。
……首輪?
はっとなって、僕は自分の首に手を当てた。そこには冷たい金属の輪が填められていた。
まわりにいるみんなの首と同じ物が。
14 :
バトルスタート:2007/08/14(火) 09:58:48 ID:dSDrEsSH0
「なにかおっしゃったらどうですの!?」
笹瀬川さんは抗議を続けるが男は何も答えない。
「……っ!」
とうとう、彼女が片手を振り上げ一歩踏み出そうとしたその時、
「お待ちくださいっ」
「佐々美様のお手を煩わせるまでもありませんっ」
「ここは私たちがっ」
と笹瀬川さんの後輩の女の子三人が前に飛び出してきて、
バキョッ。
その中の一人の頭がはじけた。
はじけて、一緒にいた二人の女の子の顔と服にバシャって感じで降りかかった。
顎から上が無くなった女の子はそのまま後ろに倒れた。
誰かの叫び声が上がった。
笹瀬川さんは呆然と立っていた。
ソフト部員の女の子ふたりは仲良く抱き合って床に座りこんだ。
ついさっきまで友達だった物――髪とか皮膚とか肉とか血とか歯とか頭の骨のかけらとか脳みそとか――を髪と服に貼りつけたまま。
床についたスカートのおしりの辺りがじわじわと濡れて、そのうちに水が漏れ出した。
あんなの見たら可哀想だ……そう思いながらも僕は彼女たちから目を反らすことができなかった。
ガチャ! ガチャ! ガチャ!
仮面の男が銃を持った腕を下げると同時に、それまで置物みたいに動かなかった兵隊たちが一斉に僕らに向けて重そうな銃を構えた。
それで、みんな口を閉じた。
15 :
バトルスタート:2007/08/14(火) 10:00:21 ID:dSDrEsSH0
教室が静かになると男は再び口を開いた。
「ルールを説明する」
これから僕らがやるという殺し合いの説明が始まった。
……ひっ……!
一つルールが説明されるたびに誰かの息を飲む声が聞こえる。
これは、そんな、まるで悪夢みたいな酷いルールのゲームだった。
果てしなく長い説明が終わると、仮面の男は言った。
「バトルスタートだ」
ソフト部員(黄) 死亡
オープニングは以上です。
支援乙!&
>>12ワラタ
スレタイの頭についている ; はミスなので気にしないでください。
それでは、たくさんの投稿をお待ちしてます。
18 :
ばりーとー:2007/08/14(火) 11:01:56 ID:Vn1/8UfN0
「わふー……」
ひとりぼっちのクドリャフカはため息をついた。
あの後、兵士から“しきゅうひん”だというバッグを投げ与えられ、みんながいた教室から追い出された。
それから今まで誰にも会わないでずっとひとりだ。
童顔を俯かせ左右に木と草の生い茂る薄暗い道をとぼとぼ歩いている。
「みなさんはどこにいるんでしょうか……」
本当は建物を出たところでみんなを待っていればよかったのだけれど、あそこにいた兵士たちの声と顔が怖くて、教室を出た途端に全力で逃げ出してしまったのだった。
しばらく走って疲れて立ち止まったときには、自分がどこにいるのか建物がどの方向にあったのか、なにもわからなくなっていた。
さわさわさわ……。
どこに行けばいいのかわからないクドリャフカだったけれど、どこを歩けば安全なのかなんてことは考えようともしなかった。
みんな一緒に野球をやった友達だったから。
少しはそうじゃない人も……よく知らない人もいたけど……
きっと、みんな、いいひとに違いない。
だから、ころ…………とか、そんな酷いことになるはずがない。
19 :
ばりーとー:2007/08/14(火) 11:03:45 ID:Vn1/8UfN0
さわさわさわ……。
でも、あの仮面を被った男の人は……
女の子の頭を、銃で、撃って、殺した。
それはとても怖かったけれど、本当にすごく怖かったけれど……
でも、それ以上に怖かったのは、人を殺したすぐ後なのに、男の人がなんの動揺も見せずにこのゲームのルールを説明していたことだった。
どうしてそんなことができるのか聞きたかったけれど、怖くて口が動かなかった。
それ以来ずっと、あの気味の悪い仮面が頭から離れない。
……この世界にあんな人がいるだなんて信じられない信じたくない。
しかもその仮面は、どうしたことか、大好きなリキの顔に変わり、自分に銃を向けるのだ。
「う〜!」
妄想を追い払おうと、クドリャフカは両手で帽子を押さえて強く頭を振った。
ざわざわざわ……。
頭の上の枝葉が風に揺れて、気味の悪い影が地面を踊る。
――その森には魔女が住んでいて、住み家に近づいた者を惑わし迷わせ疲れさせ取って喰うのだ。
クドリャフカは、幼い頃に枕元で祖父から聞かされた民話を思い出していた。
……こんな変なものが思い浮かぶのも魔女の仕業なのかもしれない。
だったら、この森を抜ければきっと――
みんなのところへ――
いいひとたちのところへいけばきっと――
クドリャフカは駆け出した。でも、すぐに転んだ。
左足のふくらはぎを撃たれたから。
20 :
ばりーとー:2007/08/14(火) 11:04:35 ID:Vn1/8UfN0
「……ぐすっ……ううぅ……」
立ち上がれないから這って逃げようとか、転んだときにたくさん砂が入って口の中がじゃりじゃりするから吐き出そうとか。
そんなことはなんにも思いつかないで、クドリャフカはただ大声で泣きだした。
「うあーーーん……あーーーん……」
能美クドリャフカ
【所持品:支給品一式、武器は不明】
【状態:左足のふくらはぎを撃たれて転倒】
なんでスレタイに;が入ってんの
スタート地点から程近い木の上で膝を抱えている少女がひとり。
「うぅ……」
彼女はついさっき聞かされた言葉の意味を考えていた。
(なんなんだ……わけわからない)
どうやら自分たちは殺し合いをしなければいけないらしい。
(めちゃくちゃこわい……)
しなければ殺されるらしい。
(いや、もーくちゃくちゃだっ)
さっき頭を吹き飛ばされた佐々美の取り巻きの女のように殺されるらしい。
(くちゃくちゃこわい……)
膝に顔を埋めてぎゅっと目をつむる。
「理樹……恭介……馬鹿ふたりでもいい……」
小さな声でみんなに助けを求めた。
…………。
もちろん誰もこなかったけど、名前を呼んだら少しだけ怖さが消えた気がした。
でも、恐怖が軽くなったらなったで、もう一つの悩みが頭をもたげてくる。
「うぅ……」
このことは誰にも、特に馬鹿兄貴には絶対に言えないけど、佐々美の取り巻きの女が撃たれたときにすこしだけもらしてしまった。
ほんのすこしだけ。
ざっ……ざっ……。
地上で足音がした。
「ふにゃっ!」
またもらした。
ほんのすこしだけ。
目を開けてこわごわ下を覗いてみた。
見覚えのある学校指定のセーターが目に入った。
(こまりちゃんだ!)
先ほどまでの脅えはどこにいったのか、ぱっと木から飛び降りて駆け寄った。
小毬はどこか怪我をしたのか具合が悪いのか、よろよろと定まらない足取りで歩いてくる。
「こまりちゃん、大丈夫かっ」
心配になってたずねた。
「…………」
その顔はこちらを向いたが、その目はこちらを見ていなかった。
「こまりちゃん、どうしたっ」
再度の問いかけにも答えはなく、ただ一言。
「……おにいちゃん……どこ……?」
棗鈴
【所持品:?】
【状態:おもらし(ほんのすこしだけ)】
神北小毬
【所持品:?】
【状態:フラッシュバック】
25 :
筋肉と弾丸:2007/08/14(火) 18:21:19 ID:yMz8H97C0
歩きながら井ノ原真人は考えていた。
「さっきのはなんだったんだ?」
変な仮面を被った男が銃をぶっ放して女の頭が砕けたように見えた。
だが俺たちは修学旅行をしていたはずだ。
修学旅行をしていて女の頭が砕けるはずがない。
ということは、つまり……、
「CGかぁ」
最近のはよくできている。まんまと騙されるところだった。
ああいうのはCGじゃなくてSEX(こないだ謙吾に聞いたら「それで合ってる」と言われた)とかいうんだっけ?
まあ、どっちでもいい。
トリックさえわかれば、この状況も自ずと明らかになる。
これは恭介の野郎が始めたいつものゲームだ。
しかも、(ほとんど聞き流した)説明からすると、いつ誰に仕掛けてもかまわないバトルロワイアルってやつだな。
「……おもしれぇ」
真人は彼に与えられた武器を握り締めた。
強く握りすぎて袋の中の酢昆布が少しひしゃげた。
なにはともあれ、まずは打倒謙吾だ。
「……っ……っ」
真人が宿敵の姿を求めて威勢良く一歩踏み出すのとほぼ同時に、近くで誰かが泣いているような声が聞こえてきた。
「なんだ? この筋肉の足りてなさそうな泣き声は」
真人は声のする方へ足を向けた。
26 :
筋肉と弾丸:2007/08/14(火) 18:24:19 ID:yMz8H97C0
彼の予想通り、少し開けた場所で、まるで筋肉の足りない能美クドリャフカがうつ伏せに倒れて泣いていた。
もし彼が普段から筋肉に寄せる関心の十分の一ほどでも他人の服装を気にかけていたら、気付けただろう。
いつもクドリャフカが穿いているニーソックスは白色で、あんな濁った赤色ではなかったことに。
もちろんまるで気付かなかった真人はのっしのっしと無警戒にクドリャフカに近づき声を掛けた。
「おう、クー公。なにやってん……ぐはっ!!」
まるで冗談のような声を上げて真人は倒れた。
それから少し離れた繁みの中で呟きがあった。
「今度は頭を狙ったのですが……やはり本で得た知識だけでは難しいですね」
能美クドリャフカ
支給武器:不明
状態:ふくらはぎに起き上がれない程度の重症。出血中。
井ノ原真人
支給武器:酢昆布(残量120グラム)
状態:胸を撃たれて昏倒。傷の重さは続きを書く人次第で。
西園美魚
支給武器:M16A2(残弾28)※
状態:健康
※アサルトライフルだけど近くなら狙撃もやれないことはないはず。持ってる弾倉の数は適当に。
>>18「ばりーとー」の続き。
「うっ」
小毬の手を引いて歩いていた鈴は、嫌な寒気を感じてピクンと背筋を震わせた。
(……トイレ行きたい……)
さっき(ほんのすこしだけ)もらしたとはいえ、膀胱にはまだまだたくさんの尿が残っていて、容赦なく生理的欲求を突き上げてくる。
幸いなことに小なので、その辺の草むらで素早く済ませてしまってもさして問題ないだろう……隣に小毬さえいなければ。
「うぅ……」
鈴は一度は我慢しようとしたけど、とても我慢できそうになかった。
決壊はさほど遠くない。
「こまりちゃん、ここで待ってて……」
消え入りそうな小さな声で手を繋いでいる小毬に言う。
「……」
小毬はなにも答えないが、かまわず鈴は続けた。
「ここに隠れてて。すぐもどるから動かないで。すぐもどるから」
何も見ていないような瞳の小毬が、理解してくれているのかはわからない。
それでも鈴は小毬の手を離した。もうほんとうに我慢ができなかったから。
小さい歩幅でそそくさと、小毬から見えなくなる場所まで――小毬が見えなくなる場所まで――行ってしまった。
とり残された小毬は、
「…………だれ?」
なにかに誘われてふらふらと歩きだした。
*
……小毬ちゃん……小毬ちゃん……
「だれ……おにいちゃん?」
『違うよ』
「どこ? どこにいるの?」
『ここだよ。小毬ちゃんの足元だよ』
あしもとをみました。しろいねこさんが おすわりしていました。
『小毬ちゃん、ボクは知ってるよ。おにいちゃんのいるところ』
「ほんと? 教えて、おにいちゃんはどこ?」
『小毬ちゃんのおにいちゃんは魔女さんに捕まっちゃったんだよ』
「ふぇ……魔女さん?」
『うん。魔女さんはいっしょに遊ぶ友達がほしくて小毬ちゃんのおにいちゃんを連れてっちゃったんだ』
「かえしてほしぃよぅ……」
『でも魔女さんは寂しがりやさんだから、簡単には返してくれないよ』
「かえしてよぅ……ぐすん、ぐすん……」
『小毬ちゃん、泣かないで。バッグを開けてごらん』
ねこさんの いうとおりに ばっぐをあけました。
おっきなおほしさまのついたぼうが でてきました。
「これはなに?」
『魔法のステッキだよ』
「まほーのすてっき?」
『ほら、あそこを見てごらん』
いっぽんの かれたきが たっていました。
「あの木がどうしたの……?」
『小毬ちゃんはあの木を見てどう思う?』
「あんなに枯れちゃって、ボロボロで……かわいそう」
『それじゃあ、そのステッキを振ってみて』
わたしは ねこさんの いうとおりに すてっきをふりました。
「えいっ」
しゃらりらり〜ん☆
まるで ほしぞらのはいった ほうせきばこを あけたようなおとがして かれきさんのえだに あかやぴんくの きれいなおはなが さきました。
「わぁ……っ」
たくさんの おはなをつけた かれきさんは ありがとー とわたしに おれいをいいました。
『小毬ちゃん、上手だよ! いまみたいにして幸せパワーを集めるんだ』
「しあわせぱわー?」
『みんなの幸せなきもちのことだよ。たくさんの幸せパワーを持っていってプレゼントしてあげたら魔女さんも寂しくなくなって、おにいちゃんを返してくれるはずだよ』
「うん、わかったよ。おにいちゃんとみんなのために私がんばる。……ようしっ」
神北小毬
【所持品:AK-47(残弾:25)、支給品一式】
【状態:お花畑】
棗鈴
【所持品:支給品一式(武器は不明)】
【状態:お花摘み】
ソフト部員(緑) 死亡
書き忘れ
「女の子は人が死ぬところを見ました」の続き
―――バンッッ。
「うひゃーっ!!」
反動で足を滑らせ葉留佳は尻餅をついた。
「いたた……」
中腰になってスカートの上から痛む尻をさする。
「やっぱり女の子がこんなの使えるわけないよね」
右手に持った大きな銃を見ながらぼやく。
試しに撃った弾は、狙った木の枝にかすりもしないでアサッテの方向に飛んでいってしまった。
「あーあ、せっかく当たり引いたと思ったんだけどなー」
そう口に出した途端、自己嫌悪に襲われた。
「当たりってなによ……当たりって……」
つまりそれは殺し合いで有利ってことだ。
みんなを殺して自分だけが生き残るのに。
「…………嫌」
自分の居場所を手に入れるために他人を押しのける。
そんなことしなくて居られる場所を自分は手に入れたはずだ。
手に入れたはずだったのに。
「どうして、またこうなっちゃうの……。私がわるいこだから?」
三枝葉留佳
【所持品:デザートイーグル.50AE、支給品一式】
【状態:健康】
運営スレ機能してないし、勝手に書き続けていいのかい?
良いんじゃね
ついでに感想つけておくか
OPは凄い良かった
それぞれのキャラらしさ、ドン底に突き落とされる恐怖が良く表現出来てた
ただ地図が無いから、それ以降の位置関係が全く分からん
そうそう地図ないな
原作同様、ゲーム開始は森の中と勝手に脳内変換してるけど。
「さて……どうしたものか」
来ヶ谷唯湖はひとりごちた。
カァンッ。
ひとりごちながら、背中を襲った刺突を払った。
ガキィィッ。
払った勢いのまま後ろを振り向き、打ち下ろされた第二撃も難なく受け止める。
「恭介を見なかったか?」
受け止めたところで、襲撃者が口を開いた。
「……キミは人にモノを訊ねるのに、いちいちそんな動作をしなければ気が済まないのか?」
謙吾の顔を見据えながら、口調はあくまで軽く、唯湖は問い返した。
「なに、おまえが殺し合いに乗る気なら、早めに潰しておくに限ると思ってな」
「酷い侮辱だな。私があんな可愛い子たちを殺そうなどと考えるはずがないだろう?」
妙に真面目腐った、それゆえにかえってふざけているように聞こえる声だった。
「どうだか」
「ふっ……まあ、確かにキミや真人少年のようなモノに対してはその限りではないかもしれないがな」
「見たのか見てないのか」
交差した武器にギリギリと体重をかけつつ同じ問いを発する。
「まったく、なんて態度だ……」
唯湖はそろそろ飽きてきた。
「まぁいい、答えてやろう。恭介氏を見た覚えはない。外に出てからも、あの教室の中でも、な。これで満足か?」
「そうか」
と謙吾は言った。
「ところで……いい加減、その馬鹿力をやめてくれないか? そろそろ本当にキミを殺したくなってきたぞ?」
今度はあながち冗談でもない調子の声だった。
「……」
謙吾は無言で腕を引いた。
「ふぅ」
軽く一息ついてから、今度は唯湖が謙吾に訊ねた。
「それで、恭介氏がどうしたというのだ。私たちのバスに忍び込んでいたところまでは知っているが」
「これはすべて恭介の仕業だ」
そうあっさりと謙吾は断言した。
「ほう。あの仮面の君の正体は恭介氏だったのか。それはまた、どうしてそんな話になっているのか、お聞かせ願いたいな」
「今のおまえに言っても理解できない」
それが答えだった。
「なるほど。世界は謎だらけということか」
それで納得したのか、唯湖はさらに訊こうとはしなかった。
謙吾もまた、用は済んだとばかりに踵を返す。
「待て。恭介氏を探すのだろう? キミが頭を下げてお願いするなら、私も協力してやらんでもないぞ」
「不用だ。足手まといになる」
「言ってくれるな……。おねーさんは激しく傷ついたぞ」
唯湖の冗談を真に受けたわけではないのだろうが、謙吾は一度だけ足を止めて言った。
「忠告だ。恭介を見かけたら近づくな。他の奴にも会ったらそう伝えろ」
「それはまた……」
唯湖にその先を言わせず、木々の間に溶け込むように謙吾は去った。
「やれやれ……せっかく使いやすそうな得物だったのにな。馬鹿力め」
くの字になった鉄パイプを見ながら、来ヶ谷唯湖はひとりごちた。
来ヶ谷唯湖
支給武器:鉄パイプ(真ん中で折れ曲がっている)
状態:健康
宮沢謙吾
支給武器:竹槍
状態:健康
state
倒れた真人にとどめの弾を打ち込むべきか美魚が考えていると、右手の方から鋭い声がした。
「あなた……何してるのっ!!」
二木佳奈多だった。
手に警棒を持っていた。支給された武器なのだろう。風紀委員長である彼女にはお似合いの武器に思える。
それから、一見したところ銃器は持っていないようだ。
だから美魚はM16の銃口を佳奈多に向け引き金に指をかけた。
「きゃっ……」
しかし、引く前に銃を取り落としてしまった。
猟犬のように飛びかかってきた佳奈多に警棒で手首を強打されたのだった。
そのままのしかかられて、警棒で首を押さえられて、あっさりと美魚は負けた。
三枝の継嗣として、あらゆる面で優れていることを求められ、いちいちそれに応えてきた佳奈多は、学業優秀・品行方正・スポーツ万能でも足りず、ちょっとした護身術まで身につけている。
そういうわけで、文学少女ひとりを取り押さえるのなんて造作も無いことなのだ。
「クドリャフカ……!」
ここで佳奈多は視界の隅にルームメイトの痛々しい姿を見つける。
「あなたがやったのっ!?」
「……こんなときでもあなたは風紀委員長なのですね」
佳奈多の顔に強い怒りが現れる。
無意識に警棒を持つ右手に力が込められ、僅かに美魚の顔が歪んだ。
「答えなさいっ!!」
そんな佳奈多の詰問を打ち消す大きな声が、左手の方から聞こえた。
「あんた、なにやってんのよっ!!」
三枝葉留佳だった。
西園美魚
支給武器:M16A2(残弾28)
状態:佳奈多に取り押さえられている。右手首負傷
二木佳奈多
支給武器:警棒
状態:美魚を取り押さえている。
三枝葉留佳
支給武器:デザートイーグル.50AE
状態:健康
能美クドリャフカ
支給武器:不明
状態:ふくらはぎに起き上がれない程度の重症。出血中。
井ノ原真人
支給武器:酢昆布(残量120グラム)
状態:胸を撃たれて昏倒。傷の重さは続きを書く人次第で。
>>25「筋肉と弾丸」
>>32「少女には重すぎる銃」
の続き。
鈴は無事にお花摘みを済ませて戻ってきた。
紙がないのは困ったけど……なんとかした。
どんな風になんとかしたのかなんて聞くな。ド変態。
それはともかく、戻ってきたら小毬がいなかった。
「おーい。こまりちゃーん。どこだー」
鈴は無用心にも大声で小毬を呼んだ。
……タタタ。
近くからそんな音が聞こえてきた。
(なんだ……?)
小毬の身になにかあったのでは。
そう思うと同時に鈴は音のした方に駆け出した。
(……!)
すぐに見つかった。
一人の女生徒(佐々美の取り巻き三人組のひとりだった)が血まみれで倒れていた。
ぴくりとも動かない。どう見ても死んでいる。
そのそばに小毬もいた。
後ろ姿を見る限り、怪我はしていないようだが……。
「こまりちゃん!」
呼ぶと小毬はゆっくりこちらを向き――両手で大きな銃を抱えていた――
「あ、こねこさんだ。にゃーにゃー」
嬉しそうに発砲した。
「お怪我をなおしましょ〜」
タタタタタ。
「んにゃあっ!!」
猫のような悲鳴をあげながら、鈴は間一髪でAK-47の連射をかわした。
生まれ持った素晴らしい視力と反射神経のおかげだ。さもなければ死んでた。
「こまりちゃん、なにするんだっ!?」
小毬はにっこり笑った。
その顔はいつもどおりの笑顔に見えないこともなかった。瞳の虚ろさを気にしなければ。
「いたくしないから、お怪我を見せて〜」
どうやら、小毬の目には鈴が怪我をしているように見えるらしい。
そして、その怪我は弾丸によって治るということになっているらしい。
「こわくないよ〜」
「そんなこと言われても……今のこまりちゃん、くちゃくちゃ怖い……」
鈴は困りまくった。
棗鈴
【所持品:支給品一式(武器は不明)】
【状態:健康】
神北小毬
【所持品:AK-47(残弾:適当に)、支給品一式】
【状態:お花畑】
>>27Malicemagicの続き
|⌒´`*、
|(ノリ)〉 | ダレモイナイ
|゚ ヮ゚ノW、 キノコオドリスルナライマノウチ
|⊂
|*><) ナンデス
/_~,,..::: ~"'ヽ
(,,"ヾ ii /^',) (二二ニニつ
, *⌒´`*、 ヽ /
! i! (((ノリ)〉 | .(><*) < きのこのこーのこげんきのこ♪
W|l、ヮ゚ |i)!W ⊂| υ|
⊂| υ| | |
ヽ _ ⊃ ヽ _ ⊃
U" U"
/_~,,..::: ~"'ヽ
(,,"ヾ ii /^',) (二二ニニつ
, *⌒´`*、 ヽ /
! i! (((ノリ)〉 | (*><) < えりんぎ まいたけ ぶなしめじ♪
.W!(i|゚ ヮ゚ノW、 |ц |つ
|(ノ |) | |
⊂ _ ノ ⊂ _ ノ
"U "U
|`ゝ
ドッキング _//´
/ :;/'
_/@,;)ゞ
_/;@/ ̄
/",:;ン にぼし
__/,/
`V
20:00
保守いらないだろ
だが地獄に落ちる