まず初めに言っておこう。都乃河は猛省するべし。
姉御と小鞠のシナリオ、なんだあれは。
キャラクターメイキングでは成功しているだけに、苦言を呈さざるをえない。
(キャラクター作りがいまいち上手くない麻枝よりも一部分では上、と俺は見る)
まず姉御シナリオについて。
このリトルバスターズというゲーム、各ヒロインの個別シナリオではヒロインがそれぞれ抱えている問題を理樹が解決していく、という構成になっている。
では姉御の問題とは何か。
クラスの一部の女子に嫌われているということか?
違う。それは理樹の助けがなくても自力で解決できる、些細な問題である。
姉御の問題、それは感情というものがうまく理解できず、自らを欠陥のある人間と認識していることである。
なぜ、リトルバスターズに自ら加わろうと思ったのか。
なぜ、理樹の告白を受け入れようと思ったのか。
感情を知らない完璧/欠陥人間の姉御が、どんな風に葛藤して変わっていくことを選ぶか、ということが見せ場であるべきなのに、
たった一晩一人で悩んだだけで告白をあっさり受け入れては駄目だろう。
結果、姉御のシナリオは盛り上がりを欠き、二人でいちゃいちゃするだけに終始している。
(終盤に世界の謎と絡めて別れと切なさを演出しようとしているが、別に、それ、姉御じゃなくてもいいよね。
というか本来なら鈴以外の全キャラにも現実で結ばれる真エンディングを用意しとくべき…
まあこれは宿題としてこれからのファンディスクあたりに期待だ)
絵で売る萌えゲーならそれでもいいかもしれないが、これは鍵ゲーである。
いたる絵+非18禁という大きなハンデを背負ったリトルバスターズにおいて、あのシナリオでは、全く不足と言わざるを得ない。
続いて小毬シナリオについて。
好き嫌いが分かれそうなキャラと声だが俺は好きだ。
だが設定は無茶苦茶でシナリオはぐだぐだである。
ノベルゲームには、サブキャラクターの法則、というものがある。
無闇にサブキャラクターを必要とするシナリオは地雷であるというジンクスだ。
残念ながらこのシナリオ、そのジンクスが当たってしまったようだ。
では、どんなシナリオであるべきだったのか? それがまた難しい。
普段の小毬はトラウマ持ちにしては陰がない性格で、
トラウマに説得力を持たせるには、ああやって豹変させるしかないのである。
結論。小毬のあの性格はメインルートのために必要となるので、
トラウマの設定からシナリオの骨子に至るまで根本的な見直しが必要。
爺様と婆様がやった事を孫がやる
兄貴は確信犯、もしくは呪い
本当はこまりがウザかった
続き。城桐央。
まずクド。キャラクターはとても悪くない。
奇異の目に晒される混血児の悲しみ、善意を信じる心の強さ、
積極的なスキンシップと、実に魅力的な少女だった。
でも物語が動いてないよね。
クドの抱えた問題とは、母の願いを守れなかった後悔だけど、
それには、罰を受けるくらいしかクドにやれることがないんだよね。
なんか根本的なところでミスってる感じがすごくする。
葉留佳。お気楽でも極楽でもない。
サブキャラを含め、設定から性格まで奇矯に走りすぎていろいろややこしくなった感。
普通に双子では駄目だったのだろうか。
個人的にはいろいろ美味しかったが。