481 :
物書き修行中:
恋愛同盟 第5.5話 次回予告
北へ向かう寝台列車からー人の少年が姿を消した。
「いったいどうやって走行中の列車から姿を消したんだ!」
親友を探し、高校生探偵・向坂雄二が奔る。
行く先々で次々におそわれ、死んでいく女子高生たち。
「これで勝ったと…思うなよ…がくっ」
「きゅぅ…」
少女に隠された秘密とは?
「女の子には秘密がいっぱいって言うでしょ。」
そしてその背後に浮かび上がる、少年を巡る愛憎劇とは?
巧妙に仕組まれた時刻表トリックから浮かび上がる犯人は一体誰か?
「貴明を殺したのは…あんただ。」
向坂雄二の桃色の脳細胞が冴え渡る。
そして北の大地で繰り広げられた殺人劇の結末は…
「メイド萌え探偵向坂雄二の事件簿 〜寝台特急「北斗星」殺人行・消えた親友〜
最果ての地で見た女子高生の秘密 東京−札幌−旭川殺人ルート 犯人はヤス!」
ご期待下さい。
−
「…なんて感じだと、面白いと思いません?」
ニコニコしながらトンデモ発言をぶちかました優季に、みんな呆気に取られていた。
「…いや、俺殺されるの?それに犯人はヤスってタイトルでばらしてるし…っていうか、
ヤスって誰?…ああもう、何処から突っ込んだらいいのか…」
「何であたしも死ぬのよ…」
「いや、俺を主人公に選んだ優季ちゃんはさすが目が高いぜ。ついでにどう?貴明から
俺に乗り換えてみない?」
「ミステリーより、ミステリなんよ。北海道といえばUMAの宝庫、クッシーにトッシー
に支笏湖の巨大魚なんよ。タイトルは『笹森花梨探検隊シリーズ「恐竜か怪魚か!?
幻の巨大魚を北の大地に追え!」』」
「むっき〜」
ぽむぽむぽむ!
机を叩く音でみんながマジ泣き寸前の愛佳に注目した。
「もー、みんなまじめに相談してよぉ。行動予定表が提出できないと自由行動なくなっ
ちゃうよ。」
「「「「「はーい」」」」」
季節は春から夏へと移り変わろうとしている。
俺たちは修学旅行を目の前にして準備に余念が無かった。
そして、俺たちの心はすでに北の大地への期待ではちきれんばかりに膨らんでいた。
出発が待ち遠しかった。
485 :
物書き修行中:2007/09/24(月) 01:47:14 ID:DQQPXfyz0
毎度おなじみシャレ閑話ですが、次回は修学旅行をテーマにする予定です
何か新しい人も増えてますが、まあそれは本編を読んでのお楽しみということで
>>479 乙です
良かったと思いますが、一つだけ
冒頭で、由真が「わたし」といっているのは「あたし」としたほうが良いと思います。
るーこなどは一人称の自分の呼び名が独特なので別ですが、細かいことですが読者に
対して「あたし」「わたし」「私」のキャラクターの印象の差は意外に大きいので、
出来るだけ原作に忠実なほうがいいと思います。
テンプレにも在るんですが、以下が参考になるかと思います
ttp://botan.sakura.ne.jp/~siori/hth/leaf/th2rel2.html
486 :
物書き修行中:2007/09/24(月) 01:54:35 ID:DQQPXfyz0
↑とかいいつつ、漏れも結構間違ってますなw
487 :
見習い氷:2007/09/24(月) 07:02:25 ID:3V4EAmjWO
>>480 乙です。
出来るだけ多く書くよう努めますが、すでにネタ詰まりw
誰にしよう…。
>>485 乙です。
閑話期待してます。
一人称の呼び方間違ってましたね。すいません。
昨日、原作やろうと思ったらいつの間にか無くなってまして…。
キャラ設定なんかが脳内設定になってます。
原作と違う部分が多々あると思いますが、サイト等巡って正しい設定・知識を身につけなければなりませんね。
「……という訳」
久寿川先輩達に俺が女装するに至った経緯を一通り説明すると、最初こそ皆驚き半分、呆れ半分
といった表情を浮かべていたが、結局まーりゃん先輩のすることだからと得心したみたいだ。
「はあ、そういうこと。河野さんも災難だったわね」
溜息をつく久寿川先輩。その表情には同じ苦労を分かち合う同士への憐憫の情が感じられる。
「まあ、そういった経緯はいいとして……タカ坊、さっきはよくも私達を騙してくれたわね」
……どうやらタマ姉は、さっきのドッキリにご立腹のご様子。ひょっとしたら事情を話せば笑って済ませて
くれるんじゃないかという思惑は、ととみ屋のカステラ以上に甘かったらしい。
「え、えーと、言うまでもないと思うけど、さっきのドッキリの企画立案は……」
まーりゃん先輩だから、と言葉を続けようとして、その先輩がこつ然と部屋から消えていることに気付く。
「……あの、まーりゃん先輩は?」
「まーりゃん先輩だったら、さっきタカくんが説明してた最中、部屋から出て行ったけど」
……に、逃げやがりましたか。あの先輩。
「まあ、主犯がまーりゃん先輩だったしても、タカ坊がその片棒を担いだのは事実でしょう?」
「い、いや、さっきのはドッキリと言いつつも、実際は逆ドッキリみたいなものだったから、むしろ俺は被害者……」
「問答無用。タカ坊、覚悟できてるわね」
「ひ、ひえぇっ」
捕食者の目に変貌したタマ姉を見て、すぐさま回れ右して逃げようとしたものの、襟首を掴まれ即捕獲される。
「さーて、どうしてくれようかしら? 頬をつねるのも飽きたことだし、タカ坊もそろそろ雄二を見習って
アイアンクロー辺りにステップアップしてみる?」
「た、環お姉様、そ、それは勘弁……」
つうかそんなことされたら、耐性のついた雄二と違って常人の俺は確実に死ねる。
そんな、捕獲された小動物のように震える俺を見つめていたタマ姉だったが、突然その表情がふっ、と和らぐ。
「……なーんて、冗談よ、冗談。今回のところはタカ坊の可愛さに免じて許してあげる。
ん〜、子供の頃に女装させて遊んだ事あるけど、今だにこれだけの変貌を遂げるだなんて盲点だったわ。
『男子三日会わざれば刮目して見よ』とはよく言ったものね」
……いや、それ使い方が微妙におかしい上に、女装した相手に言う台詞じゃないような。
まあ、何はともあれ学園内での猟奇殺人事件発生という、最悪の事態は回避出来たみたいだ。
「あ〜もう、可愛い♪ 本当、こんな面白いことに気付かせてくれたまーりゃん先輩には逆に感謝しないと」
スリスリと頬をすり寄せて俺を抱きしめるタマ姉。や、やば、このパターンは……
ぎゅ〜
「や、やっぱ…り、た、タマ姉……ぐ、苦し……ぐえ」
いつもながら万力を彷彿させるタマ姉の抱擁。しかも今回に至っては何故か普段より出力が増しているようで、
すぐさま意識が遠のいていく。……ああ、ゲンジ丸、僕、眠くなってきたよ……
「……あの、向坂さん。河野さんの顔が紫色になってるのでその位で」
「え!? た、タカ坊、大丈夫? しっかりしなさい!」
「げほっ、げほっ……し、死ぬかと思った」
「そこまできつく抱きしめてないじゃない。全く、大袈裟なんだからタカ坊は」
……いや、さっきのは冗談抜きにヤバかったんですけど。
「あ、あはは。……けど、タカくん本当に女装が似合うよね。全然気づかなかったよ」
「いや、こっちとしては即座にバレると思ったんだけどな。むしろ十年来の付き合いの幼馴染が、実は俺の顔をろくに
覚えてなかったと知って、逆にショックを受けたくらいだし」
「うっ……え、えへ〜」
……笑って誤魔化したな。
「くそーっ、ショックなのはこっちの方だっつーの! あぁあああっ、よりにもよって初恋の相手がお前だったなんて
悪夢そのものじゃねーか!」
頭をワシャワシャと掻き毟る雄二。……ああ、そういえばこっちの問題も残っていたか。
「そう言えばそんな事言ってたわね。雄二、その話詳しく聞かせてもらえる?」
「あん? 詳しくも何も、ほぼそのまんまの話だよ。さっきの姉貴の話からすると、貴明の事を女装させて遊んでたみたいだし、
でっかいリボンのついた白い帽子と白いワンピースの格好にしたって、確か姉貴があんな服持ってた気がするしで、
もろビンゴじゃねーか!」
「ふーん? そう」
なにやら考え込むタマ姉。その様子だと当時の事を思い出したみたいだけど……
「いいえ、タカ坊を女装させたことはあったけど、そんな服を着せた記憶はないわね。……タカ坊も、さっきのは雄二に
釣られて話を合わせただけなんでしょ?」
「へ? いや、それは……あだだだだ」
違うと言おうとしたら、雄二から死角になる部分を思いっきりつねられる。これは話を合わせろって事なのか?
「そ、そうそう。暫く前、公園にわざわざ寄ってその話聞かされたことがあったろ? だから大まかな話は知ってたからつい。
悪いな雄二」
「……そうか、貴明じゃなかったのか。じゃあ、あの娘は実在するんだな。……よ、良かった、本当に良かった……」
感動に浸って一人さめざめと泣いている雄二を尻目に、不可解な行動をとったタマ姉に小声で話しかける。
「タマ姉、一体何を企んでるのさ?」
「別に、何も企んでないけど」
「いや、これだけ思わせぶりな行動とっておいて、何もない訳ないだろ」
「……初恋の思い出は、綺麗な方がいいじゃない」
「えっ、タマ姉、何か言った?」
「何でもないわよ。はい、この話はこれでおしまい」
早々と話題を打ち切るタマ姉。その前に何か呟いていたみたいだけど、生憎と声が小さくて聞き取れなかった。
……けどその際、タマ姉が一瞬浮かべた悲しげな表情に、何故か胸の奥がチクリと痛んだ。
「まあ、たかりゃんは悪いと思ったなら、後でゆーりゃんにメイド姿でも披露してあげれば?」
「……突然消えたかと思えば一体いつの間に湧いて出たんですか? ていうか俺を置きざりにして何処に行ってたんです
まーりゃん先輩!」
真っ先にトンズラしておいて、普通だったら一体どの面下げて戻って来たといったところだが、あいにくと相手は普通という
言葉と最も縁遠いまーりゃん先輩。案の定その表情にはなんら悪びれた様子もなかったりする。
「いや〜あちしも色々と忙しくてさ。それにこれまでの経緯を説明するだけだったら、たかりゃん一人でも充分でしょ?
わざわざ二人揃って若い命を散らす必要も無いだろうし」
「……その理屈だと、むしろ主犯のまーりゃん先輩が率先して責務を負うべきだと思うんですけど」
「だって、あたしよりたかりゃんを生贄に捧げた方がたまちゃんも喜ぶじゃん」
「まあ、確かにそうね」
「そういう問題じゃありません! あとタマ姉も納得しない!……大体忙しいとかいっても、実際のところは
ほとぼりが冷めるまで暇潰してただけでしょう?」
「うむ、その通りだ。はっはっは、って、ああうぅ〜」
そんなたわけたことをぬかす先輩に、遠慮なくこめかみをグリグリしてやる。
「あぁん、たかりゃん……そこ、そこは駄目……あっ、あっ」
「こめかみを圧迫してるのに、なんでアヘ声を出してるんですか!」
それを聞いてるこっちのほうが恥ずかしくなって慌てて手を離す。この人の感覚神経はどういう繋がり方をしてるんだ?
「ふっ、その程度のことで責めを中断するだなんて、あい変わらず素人童貞な反応だな、たかりゃんは」
「どんな反応ですかそれは! それにその、さも玄人さんには経験があるみたいな言い方はやめて下さい!」
「ちぇ〜。それにしても最近たかりゃん怒りっぽいぞ。ちゃんとカルシウムとってる?」
「先輩がそうさせてるんでしょうが!」
ぜぇ、ぜぇ……つ、疲れる。この先輩の相手は本当に疲れる。というより、もういい加減この先輩はグーで殴ってもいい気がする。
「で、たかりゃん。他にも何か言いたそうだったけど?」
「……いや、もういいです」
「そう? じゃあ話を戻すけど、ゆーりゃん、さっきのナイスアイディアだと思わない?」
さっきの……って俺のメイド姿云々言ってたやつか?
「いや、いくら雄二がメイドフェチとはいえ、俺のメイド姿なんて見たって嬉しくもなんとも無いだろう?」
「まあそうだな。こいつのメイド姿なんて見てもちっとも嬉しく……」
……なぜに言いよどむ? しかも顔を逸らした雄二の頬が何故か赤く染まっていたことに俺は一抹の不安を感じずにはいられなかった。
「よーし、話も丸く収まったことだし次はたかりゃんお待ちかねの罰ゲームを発表するぞ」
くっ、覚えていたか。英単語は5秒で忘れるくせに、こんな時だけ記憶力を発揮するだなんてホント傍迷惑な先輩だ。
「で、何です? 今回はどんな辱めを受けなきゃならないんですか?」
「そう身構えなくてもいいって、今回は簡単だから。さっきと同じ要領で、ずっと女の子のフリをしてればOK」
そうか、ずっと女の子のフリをし続けるだけか……って、ずっと!?
「あの、それだと延々と女装の格好をし続けてなきゃいけないことになると思うんですけど……授業はどうするんですか?」
「まあ、そこは気合で何とか」
「……いや、どう足掻いても無理ですって」
そんな気合だけでどうにかなるような世界だったら、某浜口女史はオリンピックで金メダル量産してるでしょうに。
「ちぇ、しょうがないな。じゃあ授業が終わってからたかりゃんが家に帰るまで。これなら出来るでしょ?」
「まあ、それなら出来るか出来ないかの話であれば出来るんでしょうけど……」
「うむ、じゃあ決定。もし関係者以外に正体がバレたらさっきと同じく罰ゲームだぞ」
「実際やるとなると正直キツイものが……って、人の話を最後まで聞いてくださいよ!」
そんな俺の反論に対し、まーりゃん先輩は逆に呆れたような表情でこちらを見つめ返す。
「あ〜、たかりゃん? 前にも言ったけど今回の学食の件については、規制で衣装に縛りのあるさーりゃん達じゃなく、
あくまでたかりゃんがメインなんだぞ。つまりこのイベントが成功するか否かは、ひとえにたかりゃんの双肩に掛かっている訳だ。
なのにそんなやる気の感じられない、いまどきの無気力っ子みたいな体たらくでどうする?」
「……いや、むしろそこまで本腰入れてやるつもりだったんですか?」
「やるからには当然じゃん。目標は全国制覇だ!」
今回のイベントは俺を女装させるための方便と思っていたのに、予想に反して、やけにやる気を見せるまーりゃん先輩。
ただ、学食で全国制覇とかマジで意味が分からん。単に全国制覇って言いたかっただけじゃないのかと。
「あ〜、ちなみにさっき言った罰ゲームを前もって発表しておくと……」
そう言葉を区切ってからまーりゃん先輩は、さっきまで失踪していた間に持ってきたのか、机の下から黄金色の箱を取り出して
「この黄金BOXに入っている紙を引いてもらって、そこに書かれた罰ゲームを有無を言わさずやってもらうという塩梅。
ギリギリまで責め苦が分からないところなんか、Mっ気のたかりゃんには堪えられない素敵仕様でしょ?」
「勝手に人をマゾにしないで下さい! そもそもさっきの罰ゲームにしたって、まだやるとも言ってません!」
「なんでさ? たかりゃん今更往生際が悪いぞ。さーりゃんもそう思うでしょ?」
そう話を振られた久寿川先輩は、ひとつ溜息をつくと
「私も反対です。第一、今回の女装の件にしたって河野さんを騙したようなものなのに、罰ゲームまで設定するのは、
幾らなんでも河野さんに負担が掛かりすぎます」
毅然とした態度で俺の心境を代弁するかのような意見を述べる久寿川先輩。タマ姉がおそらく女装推進派に組している以上、
久寿川先輩こそが、この状況を打破する唯一の希望と言っていい。そんな俺からの期待の視線に気付いた先輩が
何も言わなくていいとばかりにコクリと頷く。……ああ、今の先輩が女神に見える。
それに対しまーりゃん先輩は、何だそんなことかといった表情を浮かべて
「さーりゃん、大丈夫だって。この罰ゲームはなにもたかりゃんだけでなく、ここにいる生徒会メンバー全員が対象だから」
「……はい?」
呆けた表情のまま固まる久寿川先輩。それは成り行きを静観していたタマ姉達も同様のようで、全員がその真意を
問いかけるように、まーりゃん先輩に視線を向ける。
「だって今回の売りはさーりゃんやたまちゃんに勝るとも劣らない、ぷりちぃなおにゃのこが萌え衣装で
接客するところなのに、本番前に女装のことが知れ渡っちゃったら学食の売り上げがガタ落ちになっちゃうでしょ?
そんなイベントの成否に関わる最重要機密事項に緘口令を敷く意味でも全員を罰ゲームの対象にする訳。
だからたかりゃんだけが罰ゲームする訳じゃないから、さーりゃんも変に気に病む必要は無いぞ」
「で、ですけど……」
その返しは想定外だったのか返答に窮する久寿川先輩。やっぱりこういった論戦となると、不測の事態にあまり強いとはいえない
久寿川先輩に対し、存在自体がイレギュラーなまーりゃん先輩が相手というのは、もはや天敵と言っても過言じゃないくらい
相性最悪な組み合わせみたいだ。
……おっと、のん気に分析してる暇は無かった。早く先輩のフォローに回らないと……。
「そういうことなら私も反対ね。タカ坊が女装するだけなら歓迎だったんだけど、私達まで巻き込んでの罰ゲームというのは
やりすぎじゃないかしら? そこまで堅苦しいのはちょっとね」
「……このみも秘密にしておく自信無いかも」
sien
そんな俺がもたもたしている間、先輩にフォローを出したのは意外にもタマ姉。そしてそれに追随するようにこのみも意見を述べる。
確かにこのみの場合、当人に話すつもりがなくても、ついうっかりという可能性が大いにありそうだ。
「まあ確かに、まーりゃん先輩の考えた罰ゲームなんざ、まず半端ねえ代物ばかりだろうしな。俺もパス」
最後の一人だった雄二も反対に回る。まあ今の俺の窮状を見たうえで罰ゲーム上等なんて言う酔狂な奴もいないだろう。
まーりゃん先輩にとっては下手に罰ゲームを設定したことが、逆に自身の首を絞める結果に繋がったみたいだ。
「そっか、みんな反対か」
困ったような声を上げるまーりゃん先輩。……だというのにその表情には全然困っている様子はない。
全員が反対派に回ったこの状況から、一体どんな巻き返しの手段があるっていうんだ?
「残念だな〜。黄金BOXに入れる罰ゲームはさーりゃん達も投函OKなのに」
まーりゃん先輩が呟いたその何気ない発言に、何故か俺を除いた反対派の全員がピクリと身を震わせる。
「あ〜あ、たかりゃんを合法的に、あんなことやこんなことできちゃう唯一無二のチャンスなんだけどな〜」
……ちょっ、ちょっと待った、何だよそれ。そんなものに釣られるヤツなんているはずが……
「こ、河野さんに、あんなことやこんなこと……」
「タカ坊を合法的に、か。……いいわね。一体何をやらせようかしら?」
「ど、どうしよう。タカくんに色々してもらえちゃうのかな?」
……何? この異様なまでの食いつきっぷりは。
「まあそんな訳だから、どう? さっきの件、考え直してみる気はない?」
「そ、そうね。今回はタカ坊に期待するしかないんだから、それを考えるとこれくらいの荒療治も仕方が無いわよね」
「う、うん。タカくん、責任重大なんだし」
まーりゃん先輩の甘言に乗せられ、あっさり寝返る幼馴染が二人。二人揃ってそんなに俺を辱めるのをご所望か。
「そうだな。罰ゲームは俺たちも対象なんだから、条件的にはあくまでフェアなんだし」
「ちょ、ちょっと待った。雄二、何でお前まで鞍替えしてるんだよ」
あれよあれよという間に、残る反対派は俺を含めて二人だけ。そのもう一人の久寿川先輩に目を向けると、
先輩はどこかぎこちない引きつったような笑みをこちらに向ける。ま、まさか……
「こ、河野さん……こういうのは、やっぱり普段から慣れておいたほうがいいと思うの」
……神は死んだ。
終わってみれば四面楚歌なこの状況、もはや罰ゲームの連鎖から逃れ出るすべは無いのか。……いや、まだあきらめるな。
和製カーネルおじさんも『あきらめたらそこで試合終了だよ』という名言を残していたじゃないか。
「ちょっと待った。よくよく考えてみたら、みんなは俺と話しているときだけ注意していればいいのに、それに対して
俺の方は女装している間、四六時中気を張ってなくちゃいけない。もうその時点でフェアじゃないと思うんだ」
「何言ってるのよタカ坊。むしろそのほうが好都合じゃない」
「……いや、こういった議論の場で、エゴ剥き出しな開き直りをされても困るんだけど」
「ああもう、男のくせに細かいこと言わないの。い・い・か・ら、やりなさい」
「……はい」
かくして試合終了のブザーが鳴る。安○先生……この境遇から脱却したいです。
「じゃあ、たかりゃんが性転換を決意してくれたということで続きいこうか」
「いや、そこまで了承してませんから。ていうか続きって何です?」
この期に及んで、まだ死人に鞭打つつもりですか? この先輩は。
「いや〜、だって肝心なことがまだ決まってないじゃん」
「……肝心なこと?」
「たかりゃ〜ん、偽名、偽名。たかりゃんがどれだけ完璧な女装をしても『河野 貴明』で呼んでちゃ一発でバレるでしょ?」
「まあ、それは確かに。けど、一体なんて名のればいいんですか?」
「大丈夫、その辺も抜かりなく考えておいたから。『クリスチーネ剛田』なんてどう? クリスチーヌと間違えやすいから
そこんとこ要注意な」
「よりにもよって、未だに本名不詳の国民的アニメキャラのペンネームとか、どんだけぶっ飛んだチョイスですか!」
「ちぇ〜、だったら『宮○路 ○穂』でどうだ」
「いや、それゲームが違います……ていうか、マジメに考える気ないでしょう?」
「全くたかりゃんは早漏……じゃない、せっかちなんだから。じゃあ普通に『河野矢 貴子』なんて名前はどう?」
「……なんか、いかにも即興で決めましたって感じで、すぐさまバレそうな名前だと思うのは俺の気のせいですか?」
逆にバレ易くして、罰ゲームをやらせるつもりなのかと邪推してしまう俺は、もう心がすさんでしまったんだろうか?
「大丈夫だって。一般的な認識として、さーりゃんみたいに普段から表舞台に立っている生徒会長ならともかく、
その他の生徒会役員なんて顔と名前も一致してない生徒が大半だから。ましてやたかりゃんなんて、当時生徒会長だった
あたしすらよく覚えてなかったでしょ?」
……ああ、そう言えばそんなこともありましたっけ。ていうか未だに記憶していたところをみると、何気に根にもってたんだろうか?
「けど、あまりに本名に似通り過ぎじゃないですか?」
「じゃあ逆に聞くけど、たかりゃんは全く違う名前で呼ばれて咄嗟に反応できる? その辺りも考えておかないと
すぐにボロが出ちゃうぞ」
……言われてみれば確かに、まーりゃん先輩の言うことは一理あるかも。
「まあ、本番となれば接する人数が半端なく増えるんで、偽名とはまた違った対策を取らなきゃならないだろうけど、
それまでは、とりあえずその名前を使用するということでいいでしょ?」
「はあ、分かりましたよ。じゃあその方向で」
なんか、まーりゃん先輩の思惑通りに事が進んでいる気もするけど、かといって代替案が他にある訳じゃないしな。
「うむ。ここまで決まれば、後は人目についている間、互いにどう呼び合うかを確認しとけばOK。まあ、似通った
名前にしたことで、たかりゃんはもとより、名前を呼ぶさーりゃん達も負担が軽くなってるから一石二鳥だな」
「そうですね。私は河野矢さんって呼べばいいから、ほとんど変わらないわね」
「流石にタカ坊は不味いわよね。まあ貴子って呼べばいいか。なんとなく語呂も似てるし」
「うーん、タカさんだと、とん○るずの人になっちゃうから、やっぱりタカ先輩って呼ばなきゃ駄目かな?」
「俺の場合は貴子って呼び捨てでいいよな?」
「そしてあちしはたかりゃんのあだ名を大幅リニューアルして、たかにゃんと呼んでやろう」
いや、それ一文字しか変わってないんですけど。
「まあ、俺への呼び方はそれでいいんじゃないかな。逆に俺からの呼び方としては、まーりゃん先輩、久寿川先輩、雄二、
このみはそのままでいいとして、タマ姉はどうしよう? いっそのことタマお姉様とでも呼んだ方がいい?」
俺の冗談交じりの発言に、タマ姉はげんなりした表情を浮かべ首を振る。
「あ〜それはやめて。前の学校で散々お姉様って呼ばれてたからもうこりごり。普通に先輩でいいわ」
「そう? じゃあタマ先輩って呼ぶよ。とりあえず呼び方はこれでOK?」
一応、念の為の確認だったのだが、意外にも雄二のヤツが不満そうに俺の肩をちょいちょいと軽くつついてくる。
「おいおい貴明、俺の名前は呼び捨てかよ。幼馴染相手にはもっと相応しい呼び方があるだろ?」
「何だよ、呼び捨てじゃ不満なのか? じゃあどんな呼び方がいいんだよ」
そんな俺の問いに、雄二はよくぞ聞いてくれたと言わんばかりの表情を浮かべ、その言葉を口にした。
「雄二ちゃん、これしかねーだろ」
「却下」
「くはーっ!? 即決かよ。貴明、お前は幼馴染にちゃん付けで呼ばれる男のロマンが分からないのか?」
「いや、あいにくと俺には理解できないわ。第一、女装している間は幼馴染の関係ですらないんだから、その呼び方だとおかしいだろ?」
「まあ、それはそれ、これはこれ」
やけに諦めが悪いな。どうあってもちゃん付けで呼ばれたいのか?
「ふ〜ん、ちゃん付けで呼ばれるのが男のロマンなんだ。ユウくん、今度から雄二ちゃんって呼ぼうか?」
「チビ助が? あ〜、駄目駄目、あくまで同い年の女の子にちゃん付けで呼ばれるから萌えるんじゃねーか」
つくづく妙なところにこだわりのある男だな。それだけ細かいくせに女の子じゃなく女装した男に呼ばれるのはいいのか?
「あー、分かった分かった。雄二ちゃん♪ ……これでいいんだろ?」
そんな俺の呼びかけに、雄二は暫し固まっていたかと思えば、直後慌てて口元辺りを押さえうずくまる。
「お、おい!? どうしたんだよ、大丈夫か?」
「い、いや、不意打ちで呼ばれたもんだから、鼻血が……」
……雄二。お前、一度病院に行って検査してもらった方がいいぞ。……特に脳の辺りを念入りに。
まあそんなこんなで呼び方も決まり、ようやくひと段落。もう時間が時間だし今日のところはそろそろお開きかな?
「……」
そんな事を考えていると、向かいに座っていたこのみが無言のままじーっと俺を注視しているのに気付く。
いや、俺を見ているにしては少し視点が低いような。……ははあ、なるほど。
「ねえ、タカくん。ずっと気になってたんだけど、それってパッド入れてるの?」
「ああ、そうだけど」
そう、俺の胸は現在パッドの恩恵により、久寿川先輩やタマ姉に勝るとも劣らない双丘がそびえ立っていたりする。
「む〜、タカくんずるいであります」
「いや、そんなこと言われてもなあ……」
まあ、その気持は分からなくもないけど。
「ねえ、タカくん。ちょっと触ってみてもいい?」
「了承を得る前に回り込んで来るだなんて、もう既に触る気満々じゃないか。……しょうがないな、少しだけだぞ」
「やたー、じゃあ触るね」
俺からのOKが出た瞬間、まるでお預けを食らっていた飼い犬が餌に貪りつくみたいに、このみが俺の胸に手を伸ばす。
「うわぁ、柔らかくて気持ちいい。なんかマシュマロみたい」
「おいおい、乱暴に扱うなよ」
そんな、このみが俺の胸を玩具みたいにフニョフニョしている様を見てタマ姉も気になり始めたのか、このみに声をかける。
「このみ、そんなにいいの?」
「うん、なんか緩衝材のプチプチみたいに触るの止められないの」
「そう? そんなにいいんだ。じゃあ私も触らせてもらおうかしら? タカ坊、いいわよね?」
「いや、タマ姉はだ……どうぞ」
……なにもそんな顔で睨まなくても。
「うわ、何よこれ? まるで本物そっくりの感触じゃない。最近のパッドでこんなに凄いの?」
驚愕の声を上げるタマ姉。だが生憎と俺の方は、本物を比較できるほど揉みしだいた経験がないので、どれだけ凄いのか
実感できないけど。
「おいおい、そんなに凄いのか? そんなことなら俺にも……」
「雄二、あなたは遠慮しなさい」
「ごふぁっ!」
タマ姉のバックブローに沈む雄二。……合掌。そんな床に転がっている雄二に気を取られていると
「なっ!? タマ姉。何制服の下から手を突っ込んでるのさ?」
「いいじゃない、減るもんじゃないし。ふーん、パッド入れてる訳だから、ちゃんとブラはしてるみたいね。
その中に収まっているパッドは……あら?」
なにやら違和感を感じたのか、怪訝そうな表情を浮かべるタマ姉。暫しそうしていたかと思ったら、突如何の前触れもなく
俺の制服のタイを引っ張って解いた上に、そのまま制服のファスナーを引きおろす。
「へ? た、タマ姉?」
そんな、あまりに急な出来事に俺が唖然としたままなのをいいことに、タマ姉はその勢いのままブラをたくし上げる。
直後、プルンという擬音とともに、今までブラに押さえつけられていた豊かな双丘が露になった。
「……」
目の前の光景が信じられないのか、タマ姉、そしてその一部始終を見ていたこのみ、二人してフリーズしたかのように動かない。
そんな暫しの沈黙の後、二人が驚愕の声を上げたのは全くの同時だった。
「な、なによこれ!?」
「えっ? ええええぇ〜!?」
「ど、どうした? 一体何があったんだ?」
「雄二、あなたは見ちゃ駄目」
復活した雄二がタマ姉の肩越しからこちらを覗き込もうとしたが、そこにノールックでタマ姉の目突きが繰り出される。
プス
「うぎゃあぁあああっ! 目がぁ〜目がぁ〜!」
それがモロに命中したのか床をのたうち回る雄二。……む、惨い。まあ雄二はこの際置いておくとして
「一応、パッドらしいんだけど……」
そんな俺の回答を補足するように、今まで成り行きを見ていたまーりゃん先輩が説明を加える。
「どう? 女体の研究に命を捧げた技術開発者集団、来栖川エレクトロニクスが、メイドロボで培った技術を惜しみなく
投入した最新型のパッドは。まあ、あまりにリアル過ぎて装着していない状態だと、まるで乳房周辺だけ切り取った
みたいでちょっとキモイんだけどな」
「メイドロボのことはよく知らないけど最新の技術って凄いのね。じーっと目を凝らさないと地肌との境目が分からないだなんて」
「うわ〜、本物の胸にしか見えないよ。いいなぁ〜、いいなぁ〜、タカくん」
「……」
「久寿川さん、興味があれば触ってみたら?」
そんな二人の盛況ぶりから、今まで遠巻きに様子を見つめていた久寿川先輩も興味を持ったらしく、それに目ざとく気付いた
タマ姉が先輩に声をかける。
支援
「河野さん、いいの?」
まさかこのみやタマ姉にOKを出しておいて、先輩だけ断るわけにもいくまい。
「ええ、いいですよ。どうぞ先輩」
「ありがとう。じゃあ、触らせてもらうわね」
そんな俺の返事に先輩は少し嬉しそうな表情を浮かべ、席を譲ったタマ姉に変わり、おずおずと手を伸ばしてくる。
フニュ
「……凄い。確かにこの肌触りとか本物としか思えないわ」
驚きの声をあげる久寿川先輩。それとは別に、このみはさっきから熱に浮かされた様に、もう片方の胸をモミモミし続けている。
そんな二人を正面から見据えるのが何故か気恥ずかしくなり視線を逸らすように天を仰ぐと、いつの間にか背後に回り込んでいた
タマ姉と目が合う。……何か嫌な予感が。
「えーっと、どうしたのかなタマ姉?」
「いやね、ちょっと気になったんだけど、タカ坊、下の方はどうなってるの?」
……やっぱりそのツッコミが入ったか。
「そ、それは……」
「それは?」
「うふ♪ それは禁則事項です(はあと)」
「何が禁則事項です(はあと)よ。ほら、さっさと見せなさい!」
「いやあぁああっ、スカート捲っちゃだめえぇええ!」
ガラッ
「あの〜失礼しま……あひぃあああ!?」
タマ姉が俺のスカートに手を掛けた瞬間、扉の方から悲鳴が上がる。だ、誰だ? よりにもよってこんな時に入ってきたのは。
慌てて扉に視線を向けると、そこに立ち尽くしていたのは、こういった間の悪い状況で抜群のエンカウント率を誇る、いいんちょこと
小牧愛佳その人だった。まあ小牧のことだから事前にノックくらいしていたんだろうけど、全員が夢中で気付かなければ意味はない。
そして小牧の眼前に写るのは、さらけ出された胸を揉みしだいている久寿川先輩とこのみ。そして背後からスカートを
捲り上げようとするタマ姉とそれに必死で抵抗する俺の姿。……どう見てもレズ真っ最中です。本当にありがとうございました。
「あ、あ、あ、あわわ」
扉の前であわあわ言ってる小牧に何か声をかけなければとは思うものの、この状況でどんなフォローを入れれば
いいのか妙案が思い浮かばない。それは久寿川先輩やタマ姉も同様らしく、引きつった表情で口を噤んだままだ。
そんな静けさに満ちていながらも一触即発のふいんき(←なぜか変換できない)の中、まーりゃん先輩が小牧にずいっと一歩近づく。
なにか起死回生の策があるのか? 皆の注目が集まる中、まーりゃん先輩はおもむろに制服のファスナーを下ろしながら一言。
「やらないか」
「ひっ!? ひぃいやあぁああああああああああああああああ〜〜!!」
パタパタパタパタ…ベシャ…パタパタパタパタ……
普段の小牧からは想像できない迅速さでその足音が遠ざかっていく。とはいえ途中慌てて転んだような、ベシャという
音が聞こえたのが、小牧らしいといえばらしいけど。
「ちぇ、なんで逃げちゃうのさ。俺はノンケだってかまわないで食っちまう人間なんだぜって言いたかったのに。って、あうっ」
「フォローを入れなきゃいけない場面で、トドメを刺してどうするんですか!」
……ああ、急場の出来事とはいえ、この先輩に任せたのがそもそもの間違いだった。
だが過ぎてしまったことをとやかく言っても仕方がない。これからどうすべきかを考えないと。
「……」
部屋がシンと静まり返る。あいにくと俺には、今更小牧にどんなフォローを入れればいいのか検討もつかない。
けど幸いにも生徒会には久寿川先輩とタマ姉、そんな学園でも指折りの人材が二人も揃っている。
二人なら……二人ならきっと何とかしてくれる。そんな静寂に満ちた生徒会室で、第一声を発したのは久寿川先輩だった。
「そ、そろそろ帰りましょうか?」
ズルッ
「そ、そうね。タカ坊、変な噂が立たないよう小牧さんにフォロー宜しくね」
「ちょっと待った。小牧をそのままにしておいて良いんですか? タマ姉もさらっと重要なことを言ったまま
撤収の準備に入らないでよ!」
つうか学園屈指のブレインが出した結論が、問題の先送りと丸投げってのはどういうことよ?
「けど今追いかけたところで、何の策もなければ更に状況を悪化させるだけだし、むしろ時間を置いたほうが
小牧さんも落ち着くと思うの。幸いにも彼女は辺りかまわず吹聴して回るような人ではないから」
クラスの委員長として生徒会に関わりのあることから、それなりに面識のある小牧の人となりを考慮にしたうえでの
久寿川先輩の意見。まあ、下手に藪をつつくのではなく、様子見するという理屈は分からなくはないけど……
「けどそれにしたって何もしないというのも危険じゃないですか?」
「だからタカ坊に頼んでるのよ。小牧さんの様子を伺いながら、それに応じて即座にフォローを入れられるのは、
同じクラスのあなたにしか出来ないんだから」
「……いや、同じクラスっていうことなら、雄二だってそうなんだけど」
「雄二じゃ当てにならないからタカ坊に言っているんじゃない」
溜息を吐くタマ姉。その雄二はというと、未だに床で悶えたまま……かと思いきや、ようやく復活したようで
よせばいいのに早速タマ姉に食って掛かる。
「こ、この暴力姉貴。俺を失明させる気かよ? 目突きなんてデンジャーな技使いやがって」
「大袈裟ね。まぶたの上からちょんと突いただけでしょ? 本当に失明させるつもりだったらしっかり抉ってるわよ」
「え、えぐ!?」
ナチュラルに物騒なことを言い出すタマ姉に、食って掛かった勢いはどこへやら、既に及び腰の雄二。
「それに名前を呼ばれただけで鼻血を出してたあなたが、あんな刺激的なものを見たら大変だと思って咄嗟に対応して
あげたんじゃない。それなのに感謝するどころか逆に食って掛かるだなんて。……弟の身を案じる優しい姉心を
解せないような愚弟には、少しお灸が必要かしらね」
「お、お姉様、私が悪うございました。だ、だからやめ、ぎゃああああ、割れる割れる割れる割れる、割、れ、る、わ……れ……」
「まあそういう事だからタカ坊お願いね。勿論私達も色々考えてみるから」
「さ、サー、イエッサー」
ビクンビクンと痙攣している雄二を掴んだまま微笑むタマ姉に、それ以外の返事をすることが出来ようか? いや、出来まい。
ただ、そうはいっても女装に続いての新たな頭痛のタネに頭を抱えたくなる。そんな現実から目を背けるように
窓の方へ目を向けると、いつの間にか外は綺麗な茜色に染まっていた。
以上、第六話投下させていただきました。支援有難うございます。
ちなみに今回出てきたパッドにつきましては、ゲーム中にそんなものは出てこないわけですが、
あれだけ人間そっくりのメイドロボがいる以上、そんなものが有ってもおかしくないんじゃないかと
いうことで捏造してみました。
しかし、毎日のようにSSが投下される、最近の盛況ぶりは嬉しい限りですね。
506 :
見習い氷:2007/09/24(月) 13:04:57 ID:3V4EAmjWO
>>505 乙です。
うーやばいよー話のネタがないよーw
>ちなみに今回出てきたパッドにつきましては、ゲーム中にそんなものは出てこないわけですが、
>あれだけ人間そっくりのメイドロボがいる以上、そんなものが有ってもおかしくないんじゃないかと
そのうちメイドロボならぬ、美男子的な執事ロボも開発されたりして・・・
>>505 笑わせてもらいましたwこういう笑えるのが書けるって凄いなー
509 :
物書き修行中:2007/09/24(月) 18:33:26 ID:DQQPXfyz0
>>504 乙です
相変わらずのテンポのよさとキャラの動きで、読んでて単純に楽しくなるSSでした
ご馳走様です
>>487 >>506 締め切りがあるわけではないのでゆっくり考えては?
ネタ出しの秘訣をアドバイスできると良いんですが、漏れも思いつきに近いんで…
それと5.5話の予告じゃなくて5.5話「次回予告」ってタイトルですんで
5.5話の本編はありませんよw
>505
乙。お値段はともかく、存在は間違いないだろうから捏造GJ(w <パッド
盛況ぶりには、貴公も貢献しているわけですから引き続きガンバです
>506
好きなペースで書けるのがSSの利点なわけで、思いついたら書けばいいっすよ
511 :
505:2007/09/25(火) 01:42:53 ID:UeGdE9xQ0
レスありがとうございます。
今回は結構長くなってしまった為、文字数制限ギリギリで区切ったのですが、
ここまで文字みっしりだと、傍目から見て読む気が失せるんじゃないかと
投下中に不安になりましたが、読んでいただき幸いです。
>>509 こちらこそ毎回楽しませてもらってます。修学旅行編、執筆頑張って下さい。
>>506 ゲームの方を無くしてしまわれたようですが、やっぱり、どうにか探し出して
ゲームを再プレイするといいんじゃないですかね? ネタの発掘だけでなく
各キャラの台詞回しも再確認出来るしで、一石二鳥だと思います。
>>511 文中のなぜか変換できないというのは仕様じゃないですよね。
ふいんき→ふんいき(雰囲気) です。まあ間違えやすいですが
ベタすぎて故意か天然か理解できないほどがいしゅつ(←何故か変換できない)
と思ったら最近のATOKはふいんきもがいしゅつも変換してくれるのねw
辞書に登録されてりゃ出る罠
まあ、本気で読み方間違えてる奴は(←なぜか変換できない)とは注釈はつけない罠
それが正しいと思ってるんだから。
書庫を見てみると、各キャラごとに作品数のバラつきがあったりするけど
環あたりが意外に少なかったりして、必ずしも人気順ではないところが
結構興味深いね。AD発売後はどうなるかな?
タマ姉は自分がメインになるとダメになる人だから。
518 :
見習い氷:2007/09/27(木) 23:51:55 ID:YOjQIec7O
確かにタマ姉ってメインになると性格変わる気がしますね。
そのせいでタマ姉らしくない雰囲気が生まれてしまうのはしょうがないか。
次はタマ姉の予定ですが少し苦戦しそう…。
いまちょっとテスト前なので、新作はしばしお待ちを。
ヤンデレSSってないかな?
イルファさんメインで、「瑠璃ちゃん解体新書」 とか
このみメインで、「ひぐらしの鳴くこのみ」 とか
スクイズ厨はどこもかしこもうざいな…
別にヤンデレ属性を否定するつもりは無いが、原作でそんな要素が無いキャラを
わざわざ病ませて楽しむような無理矢理な真似は正直勘弁して欲しい。
TH2にヤンデレ要素のあるキャラなんて居ねえだろ。
もうちょっと詳しく言うなら、例え病んでも自分を責めるばかりで
外に向けて発散するようなキャラが居ないと言うべきか。
ないかな?って訊かれてんだから「あるよ」ってだけ答えときゃいいのに
あるなら、具体例も教えてやれよ。
俺は知らんけど。
精神的にぶっ壊れたささらが、妄想の世界で貴明に抱かれて
実際は貴明はこのみとやってて、ささらのは妄想だって説明したら
ささらが貴明と、かばったこのみをナイフで刺して、その後自分を刺して死んだ。
っていうSSなら知ってるよ。
このみのなく頃にとか、りゅうおうたん保管庫とか、SS書庫のこのみの項とか見ると、
SSも探せば駄作が腐るほどありそうなんだがな<黒このみ
それはある日の小牧家での出来事。
「あれぇ…無いなぁ…」
「お姉ちゃん、何やってるの?」
キッチンに足を踏み入れた郁乃は、真剣にテーブルの下を覗き込んでいる姉の姿を
見かけて、そんな言葉をかけた。
スイーツ・トラブル
「あ、郁乃。ケーキの箱知らない?…たしかこの辺に置いたと思ったんだけど。」
そう言いながら愛佳は小さな箱をテーブルの上に身振りで描いて見せた。
だが学校から帰ってきてから今の今まで部屋で読書に耽っていた郁乃が知るわけもなく、
自他共に認めるツンデレ娘である郁乃はいつも通りそっけない返事で返した。
「そんなの知らないわよ。…それよりお腹すいたんだけど。」
「ごめんねぇ…とりあえず、たかあきくんに貰ったクッキーでも食べてて。」
そう言って愛佳はダイニングテーブルの上に載っていたクッキーの丸い缶を指した。
外国の有名な老舗菓子店の高級品と思われるそのクッキーは、傍に包み紙と外箱が
あって、今出したばかりといわんばかりの状態だった。
郁乃が缶をの蓋をあけると中には香ばしい香りを放つ様々なクッキーが納まっていた。
「これどうしたの?たかあきの奴外国に行ってた…わけないわね。」
「外国のご両親が送ってきたんだって。この間たかあきくんの家に遊びに行ってた時にね、
偶然ご両親からお電話がかかってきて…たかあきくんがあたしのこと紹介してくれて。
そしたらぁ、たかあきくんのお父さんに、息子をよろしくって言われちゃった。」
「あーはいはい、惚気はいいから。」
夢見心地で惚気始めた愛佳を生暖かい目で見ながら郁乃は1枚クッキーを口に運ぶ。
濃厚なバターの香りが口いっぱいに広がってかなり旨い。
「それでぇ、たかあきくんのご両親があたしにって、送ってくれたらしいの。」
「良かったわね、ついに親公認じゃない。…で、晩御飯はいつになるの?」
惚気をあっさりと受け流しつつ郁乃は話を本題に戻した。
小牧家は親が共働きの関係で晩御飯は愛佳の担当になることが多い。
そして、郁乃は少し前まで病人ではあったものの、姉に似て健啖家だった。
ぶっちゃけ、郁乃にとっては腹の足しにもならない惚気話よりも夕食の献立のほうが
重要だった。
「郁乃、そんなにお腹すいたの?…もしかして。」
「…何よその目。何か言いたいことでもあるの?」
「郁乃…お姉ちゃん怒らないから、正直に言ってほしいなぁ。」
「…なに、その子供を諭すような物言いは。」
突然変わった姉の様子に、郁乃は怪訝な表情を浮かべた。
「郁乃…あたしの買ってきたケーキ…お腹がすいて食べちゃったんじゃない?」
「はぁ?」
郁乃は自分が姉のケーキをつまみ食いした犯人と疑われているらしいことに、思わず
むっとしながら反論した。
「なんでお姉ちゃんのケーキをあたしが食べるのよ。」
「だって、お腹すいてたんでしょ?お腹がすくのは健康な証拠で、郁乃にとっては良い
ことなんだから、正直に行ってくれればお姉ちゃん怒らないよ?」
「だからあたしは食べてない!大体なんであたしがこそこそつまみ食いなんてしなきゃ
ならないのよ。つまみ食いはお姉ちゃんの得意技でしょ。」
「あ、あたしはつまみ食いなんてしないよぉ。」
売り言葉に買い言葉。ほのぼのした姉妹の会話から一転、言い争いに発展した。
「嘘おっしゃい。この間だってあたしが取っておいたプリン食べちゃったでしょ。」
「あ、あれは…郁乃が食べないのかと思って…賞味期限ぎりぎりだったしぃ。」
「やっぱりあれ食べたのお姉ちゃんだったのね。」
「う…そ、それはそれ、これはこれ、郁乃だってケーキ食べたんでしょ。」
「だから食べてないっての。…姉はどうしてもあたしをつまみ食いの犯人にしたい
のね。」
「だって、郁乃が正直に言ってくれないから…今、家にはあたしと郁乃しかいないんだし、
あたしは食べてないんだから郁乃しかいないじゃない。」
「もういいわ、あたしが何言っても聞く気無いんでしょ。…さよなら。しばらく家には
帰らないから。」
「い、郁乃!」
度々の入退院生活のおかげで手慣れた手際で荷物をまとめると、郁乃はあっさりと家出
した。
−
「というわけで、姉と喧嘩して家出してきたから。しばらくよろしく。」
「なんでウチに逃げてくるんだ。」
少しも悪びれることもなく堂々と言い放った郁乃を前にして貴明は頭を抱えた。
家でくつろいでいた貴明が来客のチャイムで玄関を開けたのは、すっかり暗くなった
夕食時の話である。
何を食べようかと頭を悩ませつつドアを開けた貴明は、玄関先に立っていた郁乃の姿に
驚いた。
そして郁乃はというと、驚いて停止状態の貴明に一方的に事情を説明し、家主の意向を
差し置いて勝手にあがりこんで、リビングでくつろいでいた。
「ところで、何か食べるものない?あたし晩御飯食べないで出てきちゃったから、お腹
ペコペコなのよね。」
「いや、俺もこれから晩飯なんだけど…って、本気で家に泊まるつもりか?」
「悪い?どうせ貴明しか居ないんでしょ。あたしが泊まるぐらいどうって事無いじゃ
ない。」
「いや、年頃の女の子が一人住まいの男の家に泊まるとか駄目だろうが。」
まるで自分の家で寝る事の何が悪いといわんばかりの口調に貴明が反論する。
だが郁乃は少しも心配した様子もなく答えた。
「それなら大丈夫よ。あんたウチの親にはかなり信頼されてるから。それとも、あんた
女なら見境無しに襲うような節操無しなの?もしかして姉妹丼やって見たいとか…ああ、
やだやだ、男って女を性欲の対象としてしか見られないのかしら。」
「人を色魔みたいに言うなよ。」
貴明がげんなりしながら反論すると、郁乃はニヤニヤしながら貴明に言った。
「姉とはさんざ乳繰り合ってるでしょう。前に姉の太股の内側にキスマーク付いてたの
知ってるわよ。あんな場所についてたらサカってますって言ってるようなもんじゃ
ない。」
「うっ…いや、アレは…」
征服欲に駆られて愛佳の白い内腿に付けたキスマークのことを思い出し、貴明は言葉に
詰まった。
「ま、姉に仕返しするためにあんたを誘惑して寝取るってのも手よね…どう?やって
みる。」
郁乃がニヤニヤしながら、しなを作って見せた。
しかし、いい加減うんざりしていた貴明はその誘いにため息で返した。
「アホか。そんなことするかよ。お前はこのみと同じで俺に取っちゃ妹みたいなもので、
恋愛対象じゃない。」
「ま、そうよね。将来姉と結婚したら義妹になるかもしれない相手に手を出すわけには
行かないわよねぇ。」
「…う、五月蝿い。」
「ま、からかうのはこれくらいにして…それにしてもお腹空いたぁ…」
貴明を弄るのにも飽きた郁乃はそう言いながらお腹を押さえた。タイミングよく、
きゅう、とかわいい音がお腹のあたりから聞こえてきた。
「そんなに腹減ってるのかよ。…食いしん坊なのは愛佳と一緒か。」
「うっさい。」
「…そういえば。」
貴明は何か思い出したのか、キッチンに引っ込むと冷蔵庫をあさり始めた。
「何やってるのよ。」
「いや、愛佳に貰ったケーキがあったなと思って。とりあえず食うだろ?」
「…ケーキ?」
妙な符合を見せる単語の登場に、郁乃は引っ掛かりを感じて貴明に問いただしてみた。
「それいつ姉から貰ったの?」
「今日うちに来たときに持ってきてくれたんだ。親が送ってきたクッキーの包みを渡した
ら、愛佳の奴夢見心地で大事そうに抱えて帰っていったんだけど、代わりにケーキ置い
ていったんだ。」
「…あんた、あたしのさっきの説明聞いてたわよね。」
「ああ…それがどうかしたのか…あれ?ケーキ?」
「…あんたたちは…ばかっぷるじゃなくて真性のバカよ!」
激昂した郁乃の拳が貴明の横っ面に炸裂した。
−
「しかし、グーで殴ることないだろ。グーで。」
貴明は張られたシップの上から右頬を撫でながら、熱心にケーキを口に運んでいる郁乃
抗議した。シップの下には青黒くくっきりと郁乃の小さな拳の跡が付いている。
ここは女の子の間ではケーキが美味しいことで有名なカフェである。
貴明をノックアウトした後、郁乃がかけた電話によって愛佳は自分の色ボケによるポカ
ミスを知ることになり、あらぬ疑いをかけてしまった郁乃に平謝りすることとなった。
そして、そのお詫びとして郁乃から提示された条件が、このカフェでのケーキ食べ放題
である。
言っておくが、このカフェのメニューにはケーキ食べ放題などない。郁乃の一人食べ
放題であり、その代金は愛佳の懐からまかなわれるのであり、そのあたりが愛佳に対する
罰なのである。
「ねえ、郁乃ぉ…お腹壊すよ?少し頼むの控えたら…
学校帰りにカフェに直行し、メニューにあるケーキを片っ端から頼んでは食べ始めた
郁乃に、愛佳は心配そうに声をかけた。半分は言葉どおり郁乃の体を心配してのものだが、
残り半分はケーキを食べる郁乃への羨ましさと自分の懐を心配してのことである。
「大丈夫よ。お姉ちゃんが自分で言ってたでしょう。あたしはのお姉ちゃんの買ってきた
ケーキをこっそりつまみ食いするような食いしん坊なんだって。…あ、すいませーん、
この「秋の特選フルーツショート」と「新栗のモンブラン」追加で。」
「い、郁乃ぉ〜〜〜〜」
「…諦めなよ。今回は愛佳が悪い。」
「たかあきくんの意地悪ぅ〜」
すでに半べそ状態の愛佳の横で、ケーキを頬張る郁乃は上機嫌だった。
×愛佳−郁乃○ 決まり手:うっかり
532 :
物書き修行中:2007/09/28(金) 22:58:51 ID:nksN8nKY0
流れを無視して投下してみまつた
小牧姉妹物ですが、久しぶりに3人称で書いたら何かうまくかけないYo(´・ω・`)
困ったもんだ
>>517 まあ、ゲームをやってればわかる話だけど、タマ姉は実は臆病者だからねぇ
普段は面倒見が良い姉御肌だけど、実際のところ貴明に対しては
極端に臆病で小心者という側面があるから。
だから貴明がタマ姉に好きだといったとたんに、3点フルコースサービスで
貴明を逃げられないようにし、さらに自分の家に囲い込んでこのみの手からも
遠ざけるなど、あの手この手で貴明をがんじがらめにしてしまうという…
キャラとしてキライというわけではないけど、個人的にはTH2の中では
実際に居たら付き合いたくないヒロインのトップかもしれん。
決まり手吹いたwwwww
いい決まり手じゃない!
ナイス決まり手!
作者さんお疲れ様です。
関係ないけど、今さっきようやく「河野家〜」を読み終えたけど、すごかったな。
536 :
見習い氷:2007/09/29(土) 16:28:45 ID:FP3ybtutO
決まり手:うっかり
うははw
毎度ながら乙です。
雰囲気掴むためにXRATEDを、文章読むのに「半分の月が昇る空」を借りました。
テスト中なのでまだ手をつけてませんが、それぞれから学び、次作を投稿したいと思います。
半月は…やめといた方が……
半月はハルヒやシャナ以上に文が下手だからな
読むなら狼かミミズクくらいにした方がいい
539 :
物書き修行中:2007/09/29(土) 21:28:02 ID:Y1Gauv0T0
決まり手の一行は、何か締りが悪いので最後に1行付け足しただけ
だったんですが、何か予想外に受けてるw
「半分の月が昇る空」というのがどういう話かは知らないんですが、
文章を読んで血肉とするという意味ではラノべは向いてないなぁ、
と30代のオサーンのワシは思ったりします。
理由は色々ありますが、単純に書き手のスキルが駄目な場合もあるし、
人によっては独特の書き方をする人もいるので。
個人的にラノべ自体は好きなんですけどね。さくさく読めるし。
漏れがラノベの作家でうまいなぁと思った人は賀東招二かなぁ。
世界観の作り方の上手さとか、設定を巧みに利用した物語の組み立ての
上手さとかが企画上がりの人らしくてラノベにしてはすごく密度の高い話が
かける人かなと思ってたりします。
まあ、この辺はものすごく個人的見解なので。そうじゃねえって人も居ると思います。
ところで、TH2のOVA第3話見たんですが、なんかまーりゃん先輩が傍若無人な人を
通り越してはた迷惑な痛い人になってるのはどうだろう…
それに時々作画がいい加減なところがあるのが気になる。
前2作が良かっただけに色々がっかり感が拭えない…
プロとして下手っていうよりアマチュアレベル以下だよなあれ
ラノベは文章を読むというよりも話を楽しむことに重きを置いてるからね。
後は読み易さか。
だから単純に文章レベルを上げたいならラノベはあまり向かないと思う。
とはいえ
>>539が上げた賀東招二とか、個人的には秋田禎信なんかは上手い作家だと思う。
ただ文章に意識向けすぎると雰囲気が硬くなり過ぎることもあるし、そこら辺は一長一短だよね。
半月はやったモン勝ちのネタを書いたラノベ。
似たようなの書いたら間違いなく外れる。
…いや、半月好きで全巻持ってますよ?
あれ、書き込んでないのにオレがいる?
それはそれとして・・・
何というか半月は文の書き方が良く言えば超主観的、悪く言えばそれがダメなとことなるとこ
話自体は面白いとは思うけど、
あの文の書き方を真似るなら東鳩2をもう一度やったほうがいいんじゃないかと
超ご都合主義な話の流れ
存在する意味が分からないキャラクター群
あれを手本にしてSS書いたらダメSSの典型が書けるだろうと思うのは俺だけか
なんかその半月とか言うラノベ叩きの流れになるならそろそろやめとけ
>>393 指摘thx
調べたところ、ほかにも何作か保管漏れていたようで
早速修正しますたm(__)m
>546
更新乙!
548 :
物書き修行中:2007/09/30(日) 21:16:04 ID:S7xK473o0
>>546 対応ありがとうございます&更新乙ですm(__)m
「ふふーん…いつもいつも好き勝手してくれてたからね…覚悟しなさいたかあき。」
俺を見下ろした由真が不敵に笑った。
一方俺はというと、自分の部屋の自分のベッドに上で、すっぽんぽんの状態で両手両足
を縛られて貼り付け状態という、これ何て○ランス書院?と言わんばかりの状態だった。
−
時間は少しさかのぼる。
俺と由真が恋人同士の間柄となってからも、やることはあまり変わらなかった。増えた
のはキスしたり文字通りヤる事ぐらいで、大部分はデートと称して二人で遊びに行ったり、
二人で勝負したり、まあそんな感じだ。
今日も今日とて放課後に2人で繰り出したのはいつものゲーセン。いつもの勝負だ。
「ぬぐぐぐぐ…次はこれで勝負よっ。」
格ゲーで俺が圧勝したために、由真は別のゲームでの勝負を提案した。それは、格ゲー
と並んで俺たちの間では因縁の勝負となっている脱衣麻雀だ。
最初にやった時は由真が負けてゲーセンで本当に脱衣しそうになって止めたのだが、
恋人同士になってからの対戦では、やる事はすでにやってる仲なので俺の家で存分に脱衣
してもらい、その後美味しくいただくという流れが出来ていた。
そう言うご褒美もあって、今のところ俺の全勝が続いている。
そしてその雪辱を果たさんと由真は俺に挑んできたのだ。
「ふふーん、解ってるだろうけど、負けたらいつものアレだからな。」
「くっ…このむっつりスケベ。今日こそは勝って復讐するのよ。」
俺たちは向かい合わせの筐体の前に着席。そしてゲーム開始。だがしかし、
「あ、天和」
「え?」
「…あ、それあたり。」
「は?」
「…あ、ツモ。」
「…あ、ありえん。」
どういうわけだか、いつもと立場が逆転して由真は高額手で上がりまくり、あっという
間に俺はマイナス転落してあっさり負けたのだった。
「さて、たかあき。今日はあたしの言うことを聞いてもらうわよ。」
−
「どう?今の気分は。」
「…おまえ、SM趣味だったのか。」
「違うわよっ!」
「とはいえ…いつもと立場が逆で俺が自由を奪われてる以外は一緒じゃないのかこれ?」
客観的に見るとかなり情けない状態ではあるが、まあナニをいたそうとしている部分で
は変わりない。
「そう言っていられるのも今のうちよ。」
由真はにやっと笑うと、自分のセーラーに手をかけた。
1枚ずつはらりはらりと脱ぎ捨て、そして下着も脱ぎ去って由真も裸になった。
活発な由真らしいメリハリの利いたプロポーションを目にすると、思わず俺の「バール
のようなもの」もいきり立った。
「勃ったわね。」
そう言いながら由真が取り出したものは、
「…輪ゴム?」
「そうよ。これをこうして…」
由真は輪ゴムを2重の輪にすると、はちきれんばかりに膨張しているマイサンの根元に
はめた。
「うあ、イテ、痛いって。」
「この状態でかわいがってあげるわ。イきたくてもイけない状態でね。」
「う、ちょ、や、やめろ。」
「じゃあ、行くわよ。…む…ちゅ。」
それからの数時間は天国のような地獄といっても良かっただろう。
「ふ…あ…ん…ふっ、はっ、はっ」
由真は口、胸、素股ときて、現在騎乗位で俺を攻め立てている。
「く…輪ゴム外してくれ…ち、千切れる…」
「ふっ…駄目…は、はっ…ま、参ったって…言っても…許してあげない…ん、あ」
由真の生の感触が俺のナニをこすりあげて物理的刺激を与え続け、目の前で弾む由真の
肉体…特に、腰を振るたびにたゆんたゆんと揺れるバストと、快感で蕩けた淫靡な由真の
表情が…視覚的刺激を与えて俺に性的興奮を与え続けている。
そして性的興奮にあわせてナニが勃起の度合いを強め、それに従い体積が増すのだが、
それに伴って根元にはめられた輪ゴムがぎりぎりと食い込んで強烈な痛みを与えてくるの
である。
おまけにすでに数度絶頂の波が襲ってきていて尿道もパンク寸前である。
これは…マジで使用不能になるかもしれん。
そんな事を思いながら、ナニの痛みとイきそうでイけないその中途半端な快感で意識が
朦朧となり始めていた。
「ん…あ…はん…は…いきそう。」
由真が何度目かの絶頂を前にフルフルと背筋を振るわせた。
「…う」
朦朧とした意識の中、俺もまた絶頂を迎えようとしていた。
「ん…はっ、あっ、ああっ」
由真のアソコが俺のナニを強烈に締め上げた。そのとたん、俺もまた何度目かの絶頂を
迎えた。
「うあっ!」
溜まりに溜まったものが、今度こそ噴出せんと、今までに無い圧力で押し出された。
そのとたん、
ぷちん
「うわぁっ…あ〜〜〜〜〜〜〜」
俺は体を痙攣させながら、溜まりに溜まっていたありったけの精液を、情けない声と共
に由真の中へとぶちまけた。
「あっ…熱っ…すご…」
体内に噴出した大量の体液の熱さに由真のうめき声を漏らした。
まるで魂まで搾り出すかのような長く大量の射精に、俺は意識が朦朧となりながらも、
今まで味わったことも無いようなえもいわれぬ快楽を味わっていた。
「あ…はあっ、あっ、はっ」
由真もまた、俺の体にしがみついてびくびくと体を震わせながら俺の射精を受け止め
続けた。
かなり長い間二人ともぐったりしていたが、先に正気に戻ったのは由真だった。
「な、なんで…なんで出ちゃったのよ。」
「…お前やりすぎだよ。溜めすぎて輪ゴムが圧力に負けて切れたんだ。」
「う、うそ…」
「おかげで出た瞬間は物凄い気持ちよかった…二度とやりたくないけどな。今までで一番
大量に出たんじゃないかな。」
「あああ…ど、どうするのよ!」
なぜか由真は慌てふためいていた
「どうするのよ、って…出ちゃったものはしょうがないだろ。」
「今日は危険日なんだってば。それなのにあんなにどばどば出しちゃって。」
「え゛」
今度は俺があわてる番だった。
「な、なんでコン○ームとか付けなかったんだよ!」
「それじゃ感触が鈍くなってお仕置きにならないでしょ!ううう…出来たら責任とって
貰うからね。」
「うっ…」
由真と結婚するのはやぶさかではないが、それは未来の話であって、こんな展開は想定
外だった。
結局、由真の次の生理が来るまで、毎日戦々恐々としてすごさなければならなかった。
だけど、その間ウエディングドレスのカタログを見る由真の顔が何処となく嬉しそう
だったのは気のせいではないだろう。
554 :
物書き修行中:2007/10/01(月) 22:54:40 ID:YevblON70
死体分け、もとい、したいわけ由真編でした
一応俺史上最高エロ…かな?
恋愛同盟書かなきゃと思いつつ、書かなきゃと思っているものとは
別のネタがぽんぽん出てくるんですよね、これが。
ところで、昨今の高校の修学旅行って何泊ぐらいの日程なんですかね。
なんせ当方当年とって三十ウン歳なもんで、修学旅行はもう20年近くも
前の話…どなたか知りませんか?
支援
うお……まだ続くと勘違いしたあげくあとがきの後に支援なんて……
吊ってきます……
じゃぁ俺も支援
558 :
物書き修行中:2007/10/01(月) 23:12:41 ID:YevblON70
うあ…番号間違ってましたな
最後5/5に書き直すの忘れた
漏れも吊ってくる……
560 :
見習い氷:2007/10/02(火) 00:46:20 ID:xTBUCa5GO
私のところ(私立)は3泊4日でしたね。
修学旅行と言うよりは研修旅行でしたが。
やっと試験終わりました。
…結果?
…聞かないでくださいw
さて、これから作っていかねば。
短いな。うち公立だけど、5泊はしたぞ。6泊だったかもしれん。
俺は公立だったが修学旅行は海外で3泊5日だったぞ
俺のところは2泊3日だったよ、俺は途中で陸上の試合があったからかえって1泊2日だったけど。
中学と違って高校の修学旅行はしょぼくて、きびしくてつまらなかった・・・orz
5泊6日 私立高校
修学旅行なんてなかった。男子校だからどうでもいいけどさ
俺達の前の年までは、移動ホームルームっていう1泊2日のクラス行動があった
566 :
物書き修行中:2007/10/02(火) 21:45:17 ID:/hwNoK/v0
>>559-565 結構色々あって面白いですな
大体間を取って4泊5日ぐらいというところでしょうかね
ちなみに漏れが高校のとき(北海道)はたしか2泊5日で、寝台特急泊が2泊ありました。
(寝台が3段だったのでたぶん「ゆうづる」か「はくつる」)
当時青函トンネル開通直後で、青森まで特別列車でとろとろ走っていったのですが、
トンネルに入った瞬間歓声をあげた覚えがあります。
風景が変わらないので10分ぐらいで飽きましたが。
話が脱線しましたが4泊5日を目安にプロット組んでみる。
当方鉄分高い人間なので飛行機じゃなく列車で組む予定。
関東の公立だったけど6泊7日だったよ。
うちの高校ひどいことに、
京都→沖縄→京都→沖縄→京都→沖縄
と1年ごとに換わるのよ。
もちろん俺らの年は京都でしたがorz
お前ら、甘いぜ
俺の高校なんか、修学旅行先がオーストラリアから国外情勢鑑みて北海道に変更だ
まあ、俺の先輩は高校にでかいバッグ運び込む前日にハワイ行き中止されたんだけどな
569 :
563:2007/10/02(火) 23:48:15 ID:BQwIEH8e0
うちの高校(県立)は、修学旅行先が香川と岡山で2泊3日。
さらに新幹線の中ではおしゃべりやトランプ禁止。途中の買い食い禁止。夜中は完全見回り状態で騒げず。
岡山の藩校なんて時間がめちゃくちゃ長く感じたよ。
中学(東京へ修学旅行)では、先輩はサリン事件のおかげで色々大変だったし、
俺たちは国会議事堂に行く朝に、ニュースで「国会に車が突っ込んだ」って放送されたし・・・
上野では外国人に「テレカ?テレカ?」って偽造テレカ売られそうになったし・・・
宿は東大近くにあるぼろい旅館だったし(俺の後輩はTDLのオフィシャルホテルやプリンセスホテルとかだったらしいが)
小学校(伊勢へ修学旅行)は・・・特に問題なかったかな?
570 :
見習い氷:2007/10/03(水) 00:54:16 ID:Q9Dnf9VTO
>>569 それは災難ですね。
せっかくの行事が台無しになるのはある意味思い出に残りますがw
新作とりあえず完成しました。
タマ姉ssです。
また違った設定やオリジナル要素含んでたりするんで、何かありましたら指摘よろしくお願いします。
3日の夜に投稿予定です。
…しばらく日を空けていたから書き方忘れてましたよw
四つ葉のクローバーには4つの意味が込められている。
一つは『誠実』
真心がこもっていて,うそ・偽りがないこと。
次に『希望』
将来に対する明るい見通し。
さらに『幸運』
運のよいこと。しあわせ。
そして『愛』
価値あるものを大切にしたいと思う,人間本来の温かい心。
―クローバーで結ばれたとある2人のとある物語―
「いい天気ね」
「そうだね」
「気持ちいいわね」
「うん。とても暖かくて眠くなりそう」
「タカ坊。せっかく一緒にいるんだから寝ちゃだめよ」
「わ、わかってるよ、タマ姉」
ついこの間まで咲いていた桜はいつの間にか散り、桜並木は緑の葉をつけていた。
今、俺はタマ姉と一緒に河原に寝そべっていた。
「今日はいい天気ね。そうだ。せっかくだから河原にまで行ってみない?」
貴重な休みである日曜日の朝、タマ姉は突然家にくるなりそう言ってきた。
「いや、今日は遠慮しとくよ。」
正直、今日は家でのんびり過ごしていたかった。
しかし、タマ姉はそう簡単には譲らない。
「ダメよタカ坊。家に籠もってばかりでは体が弱くなるわ。太陽の光を浴びて、健康になるのよ」
「でも…」
「いいから早く着替えなさい。お姉さんが手伝いましょうか?」
「わ、わかったよ。着替えるからちょっと待ってて」
結局俺は、半分脅迫気味に連れ出されたわけだった。
「確かに気持ちいいなぁ」
半強制的に外に出されたが、出てみると外は暑すぎず、寒すぎず。
空には雲一つなく、太陽の光を遮るものは何一つ無かった。
太陽の光もまた体をぽかぽかさせ、心地よかった。
「でしょ?小さい頃はよく一緒に外で遊んだものね」
「俺と雄二とこのみはいっつもタマ姉と遊んでたっけな」
「あの頃はまだホントに小さかったわね」
木陰に仰向けに寝ながら昔を懐かしむ俺とタマ姉。
―「タカ坊は、生涯ワタシのことを愛しつづけることを誓います。
もしワタシたちが離ればなれになることになっても、
かならず再会して想いをそいとげることを、ここに誓います」
まだ小さい頃の話。公園で行われた小さな告白。小さな儀式。
まだ小さかった頃の俺には理解できなかった。
返事をすることもできなかった。
それからタマ姉とは離ればなれになった。
しかし、タマ姉はこの春、九条院から帰ってきて、俺の通ってる学園に転校した。
一緒に過ごしてきた日々。
そしてついこの間。
―「タカ坊は、生涯ワタシのことを愛しつづけることを誓います。
もしワタシたちが離ればなれになることになっても、
かならず再会して想いをそいとげることを、ここに誓います」
再び耳にした告白の台詞。
前と違い、声には決意のこもっているように聞こえた。
俺は迷うことなく返事をする。
―「私、河野貴明は、生涯、向坂環のことを愛しつづけることを誓います」
それから俺とタマ姉の関係は幼なじみから恋人となった。
支援
「………ぼ…………と…る?」
「ん?」
「タカ坊?ちゃんと聞いてる?」
「え?ああ。聞いてるよ」
「タカ坊。聞いてなかったって顔にでてるわよ」
どうやら少しの間自分の世界に入り込みすぎていたようだ。
「もう…せっかく話をしてたのに聞いてないなんて。」
「ごめん、少し考え事していて。で、なんだっけ?」
「クローバーよ」
タマ姉が手に1つのクローバーと手にしながら問いかける。
「え?」
「覚えてない?まぁあれの前日の話だから覚えてないのも無理無いかな…」
クローバー?なんだ?しかもあの告白の前日?
「う〜んと…」
ダメだ…全く覚えていない。
「…タカ坊はクローバーに込められた意味って知ってる?」
確か前に調べたことがあったな。
「えっと、『幸運』と『希望』。それから…」
「そう。それに『誠実』と『愛』よ」
「そうそう、それそれ」
「でもね他にもあるのよ?」
「他に?」
あ、クローバーの話、思い出したぞ。
「他の意味はね…」
そうだ。あれは確か…
時を遡る。
「みつけたわ!」
「たまおねえちゃんすごおい!」
「おいたかあき!みつけたか?」
「いや、まだ…あ、あった!」
4人の子供が地面を食い入るように目を凝らして何かを探している。
「なかなかないなぁ…四つ葉のクローバー」
きっと一度は体験したことがあるだろう。
幸運の象徴である四つ葉のクローバー。
たくさんの三つ葉の中から稀にある数少ない四つ葉のクローバー。
目を凝らさないと意外と見つけられない四つ葉のクローバー。
4人の子供はその四つ葉のクローバーを探している。
ひょんとしたことで、子供というのは夢中になるもので、日が暮れるまで探し続けていた。
「このみ1つしかみつけられなかった…」
「このみ、がんばったわね」
「おれなんか7つ見つけたぜ!」
「ゆうじ、それ葉をちぎってるだろ!ごまかすなよ!」
…雄二はこのころからこんなだったか。
「ゆうじ!うそはダメよ!」
「アテテテテ!いたい!いたい!」
…タマ姉のアイアンクローもこの頃からか。
「タカ坊ははいくつ見つけた?」
「ぼくは3つ」
「あら、わたしは4つ見つけたわ」
この頃から既にタマ姉は俺たちの上だったな。
何をしてもタマ姉を上回ることは出来なかったな。
支援
「そっか…タカ坊。これ、あげるわ」
「え?」
突然、タマ姉からクローバーを渡される。
「できれば…大切にしてほしい」
「え?あ。うん」
当時はわからなかった。今考えるとそのときのタマ姉の表情には寂しそうに感じた気がした。
「ゆうじ!帰るわよ!」
「はいはい。またな、たかあき」
「バイバイ、ゆうじ」
「またね!たまおねえちゃん!」
「またね、このみ」
そして、翌日には告白され、返事を聞かぬまま、タマ姉は九条院に行った。
「他の意味はね…『私を思いだして』っていう意味があるの」
「『私を思いだして』…か」
そうか。あの時既に、タマ姉はもう会えなくなることわかっていたんだ。
クローバーに込められた意味を知っていて俺にあげたのか。
そしてその翌日にあの告白…。
俺はあの時気づいてやれなかった。タマ姉の気持ちに。
あの時に返事をしていたら。
クローバーの意味を知っていたら。
今の関係が嫌というわけではない。
ただ、今とは違う形でタマ姉と。
そう考えていた。
「それともうひとつあるのよ」
タマ姉の顔に赤みを帯びる。
「『私のものになって』」
「そ、そんな意味があるの?」
なんとなくタマ姉らしい感じがした。
「私もこれに気づいたのは最近なんだけどね。あの頃はまだ幼かったしね」
…小さいときからそんなこと言うようなのは困りものだが。
「でも、時間は掛かったけど実現したし」
タマ姉が寄り添ってくる。
あぁ…やわらかい…じゃなくて。
「お、俺は物、なのかな?」
一応聞いてみる。
「ほら、よく聞くじゃない。『俺の物は俺の物。お前の物も俺の物。』って」
…なんというジャイアニズム。
タカアキの目の前が真っ暗に…なる寸前に。
「ふふっ、冗談よ、タカ坊」
本気だったら俺はこの人から一生逃げることは出来ないのだろう。
「タカ坊。好きよ」
突然の告白。さらに近づいてくる。
顔が近い。
いまにもキス出来そうな距離。
「俺も。好きだよ。タマ姉」
自然と重なる唇。
タマ姉が震えているように感じたが、徐々に震えもとれ、唇を甘噛みされる。
なんとなくそういった仕草にホッとしてしまう。
その日の午後。
俺とタマ姉で商店街を散策し、とある店で四つ葉のクローバーのデザインをしている指輪を発見した。
内側に字を彫れるらしく、お互いの名前と字を彫ったのを注文し、2人で薬指にはめている。
まるでエンゲージリングのように。
〜I Love You Forever〜
GJ!!
583 :
見習い氷:2007/10/03(水) 21:52:58 ID:ZryIK9fl0
以上、タマ姉SS投稿させていただきました。
今回は小さい頃の4人を登場させてみました。
このみ→まだ小さいから言葉使いに特徴つけるためにひらがな
貴 明→このみよりは年上だが、雄二と区別するために一人称「ぼく」
雄 二→「おれ」正直どうでもよか(ry
タマ姉→漢字も交え普通に
こんな設定でやってみました。
久しぶりだったので粗いとは思いますがご了承を。
設定もオリジナル入ってるかも…。
誤字報告&指摘等ありましたらお願いします。
…次は誰書こうかな。
あと、テンプレの「容量が480k?」で越えてますがどうしたらいいのでしょう?
こういう掲示板使い慣れてないからどうすればいいか。
>>574 >>577 支援どうもです。
>>582 とりあえずGJ
584 :
物書き修行中:2007/10/03(水) 22:39:40 ID:dVatFDxQ0
>>583 乙です
漏れも良く突っ込まれるけど、時間の行き来がある部分がわかりずらいかなと思った
でも全体的にあまあまな感じでいいんじゃないかとオモタ
あと次スレ立てですが、漏れもやったこと無いけど、葉鍵板のページの一番下に
新規スレッド作成ボタンがあるのでそこからやると思われ
でも立てた直後に過疎ったりするといきなり即死したりするんで…
でも何事も経験だからやって見るかのう…
>>1-2のテンプレ張ればいいんだよね?
585 :
物書き修行中:2007/10/03(水) 22:56:27 ID:dVatFDxQ0
>>583 乙。
以下気になった部分の指摘とかなんで、ウザかったらスルーしてくれ
まず、回想部分。
>>584も言ってるように、ちょいとわかりづらい
前後一行か二行空けて区別するとか、鉤括弧を二重鉤括弧(『』)にすると少しはわかりやすいかも
あと、やっぱりリズムがちょっと気になる
やっぱり「〜た」で終わる文が多いんで。それと、句読点で区切った文の長さが似通ってる部分が多いのもその一因かと
次に、ダッシュについて。文章作法云々ってわけじゃないけど、ダッシュは「――」みたいな感じで二つ繋げた方がいい
一つだけだと、漢数字の「一」に見えるんでちょいと紛らわしい。それと、『――「』って使わないで、『――』だけでもいいかと
最後にもう一つ。前に「〜いる」を「〜る」って書いてもいい、って言ったのは俺なんだが、ちょいと誤解があるみたいなんで
一人称でも、地の文では「〜いる」って書いた方がいい(場合によっては「〜る」でも可)。俺が言いたかったのは会話文
会話文は話し言葉なんで砕けた感じで書いていいんだけど、描写とか説明を担当している地の文だと砕けた表現はそぐわないんで
まあ、何はともあれ、話の展開としては良くなったかと
最近はすっかり珍しくなった気がするタマ姉小説ってことで楽しめた
文章が読みやすくなればもっと良くなると思うんで、また次回作に期待
四つ葉のクローバーを渡すっていう遠回しな告白の翌日にリアル告白だと
なんか無理に原作につなげましたって感じの無理矢理感を感じる。
やるなら告白しようと思った理由を追求するから意味があるんじゃないかね
588 :
見習い氷:2007/10/04(木) 11:55:47 ID:eyfHAH5lO
>>584 いい言葉が見つからなくてそのままにしちゃいました。
>>586 書き方すっかり忘れちゃってましたね。
回想と会話文、ナレーションの部分も以降考えさせていただきます。
>>587 設定ミス…ですかね。
cloverの意味を考えるとあの前にとか考えてましたが、ダメでしたね。
1レス目を読んで菜々子ちゃんSSキタコレ!と思った俺は決してロリではない。
>>558 輪ゴムとかで尿道塞いでても射精はするよ
膀胱に逆流するけどね
591 :
物書き修行中:2007/10/04(木) 20:24:29 ID:75ItoBAN0
>>590 いや、女の体はようけ解らんけど、男の体の方は男30ウン年やってますから
言われなくても知ってますが…輪ゴムでやったことは無いけどね
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スレ埋めーーーーーーっ! 終わりっ!