中学生の頃の話。
バレンタインの次の日、男子が数人集まって大声で話してた。
『なんか黄色から手作りチョコもらったんだけどよー、キモいから犬にやったら匂いかいで食わねえの!』
『犬も食わねぇチョコ恐ぇええ!!www』
授業が始まる前だから、話題の笹森さんももちろん教室にいる中で。
その時、今にも泣き出しそうな笹森さんの横に座ってた河野君が突然ケラケラ笑い出して、
「お前らほんと、ガキだよな!その言葉、絶対将来後悔するからな!
このクラスで一番美人は笹森さんだぞ。今は(゚w゚)つけて髪ボサボサしてるけど、
目は二重で大きくてパーツは整ってるし肌は綺麗だし、絶対美人になるぞ!同窓会で泣くからな〜。
笹森さん、今は悔しいだろうけど、いつか見下せる日がくるからな、そん時は『ガキがっ』て鼻で笑ってやれ」
何言ってんだコイツ〜的な雰囲気でクラス中に笑いの渦がおこったけど、それは本当に現実になった。
成人式の後に同窓会があり、そこに現れた笹森さんは、小雪を小さくして細めにしたような、
色白の飛び抜けた美人になってた。
みんな「鼻で笑ってやらないの〜??www」と悪ガキ3人を指さしてたけど、
もともと大人しくて優しい笹森さんは困った顔で微笑んでた。
そして、河野君を見つけて「ちょっと、早いけど…」とチョコを渡してた。