うたわれるものSSスレ

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17新年
ドォォォン…ドォォォン…ドォォォン…
ベナ「これより聖上よりお言葉を賜ります 心して拝聴するように」
 「はは――――っ」

オロ「…今年はよくやってくれた
  トゥスクルの内外に課題の山積する中
  来年も皆には苦労をかけるが民のために骨折ってくれ
  私も至らないながら最善を尽くそうと思う
  みんな、頼んだぞ」
 「はは――――っ」
オロ「さて、堅苦しい挨拶を続けるのもつまらんしな
  エルルゥ、準備はいいか?」
エル「ハイ」
オロ「さあ 今日は無礼講だ!
  今夜だけは今年一年の嫌なことはきれいさっぱり忘れてくれ
  鱈腹食べて飲んで騒いで丘に登れば遥か国後に白夜は明ける」
女達「はあい お待たせしました」
  「いくらでもありますからどんどん食べてくださいね」
クロ「さすが総大将 話がわかる!」
オボ「これだ…これを待ってたぜえええええ!!」
オロ「は、はは、ウチの連中はわかりやすいな」
ベナ「……………はぁ…」
18あけまして:2007/01/01(月) 00:02:42 ID:t/iNFefM0

オボ「てんめぇ、それは俺の狙ってた肉だあッ」
クロ「ほお? トンビにもかっさらわれそうなくらいのんびりして
  それで狙ってたたぁ こいつはあくびがでらぁな」
オボ「ほう、貴様ァ…」
ユズ「…おにいさま?」
オボ「いやっ、兄は喧嘩などしてないぞ
  さあユズハ これなんか美味いぞ、ほら口をあけて」
ユズ「クスッ…… はい」

ドリ「エルルゥさまっ 酒樽が急激に空になっていきます!」
エル「戦況報告は正確に!」
ドリ「あ、はいっ、大広間西方の一角から放射状に侵略されています
  カルラさまの強襲に防戦いっぽうの模様」
エル「大丈夫です これも想定の範囲内ですから
  残量を気にせず補給を急いでください」
チキ「今年も大晦日までご愛顧いただき有難う御座いますです、ハイ」
グラ「了解しました! 朱組、運搬用意!」
ウル「まあ… これは私達も落ち着いていられませんね。手伝ってくださいね」
カミ「はいっお姉さま!」

 こくっ、こくっ、こくっ、こくっ、、、
カルラ「ぷは――――っ
   酔ってきたのかしらね、見覚えのない幻が見えますわ」
デリ「何言ってるの ぼく、ぼくだよ、デリだよっっっ」
カス「…か……る……ら… わ…たしの…か……」
デリ「ああっ!? てめえ、いつディネボクシリから戻ってきやがったぁ!!!?」
カルラ「この幻、五月蠅いですわね」
デリ「ね、姉さああああああん」
オロ「な…なんか呼んだ覚えのない顔がちらほらと混じっているようだが……」
ヌワ「へっ、気のせいだろ」
ディー「………………」
19おめでとう:2007/01/01(月) 00:03:56 ID:t/iNFefM0

ウカ「どぇぇぇぇすからぁぁぁぁ せーいじょぉぉぉぉ」
オロ「うお!?どうしたんだトウカ、お前らしくもない」
ウカ「え?やぁだなぁぁぁ、それがぁしはぁ、そぉれがぁぁしぃわぁぁぁん」
オロ「うっ…酒臭い さてはカルラに撃沈されたな?」
ウカ「てゃははははははははは」
オロ「はぁ、こりゃアル中まっしぐらだな…」
ウカ「あるちゅう?…あるちゅう…ある……
  アルルゥ殿、あるるぅどのぉぉぉん、ちゅうー」
アル「くさいくさい」
ウカ「てゃははははははははは」
オロ(酔いがさめて覚えてないことを祈ろう…)

 ガシャ――――ン…
オボ「貴様ァ、これで何度目だっ!?」
クロ「さあてね、若大将は何度敗北したか覚えてるんですかい?」
オボ「……面白ぇ…一度ケリをつけねばと思っていたが……」
クロ「ハッ……そんなに床に突っ伏してぇんですか」
ベナ「いい加減にしなさい、二人とも」
オボ「ベナウィ、止めるな!」
クロ「大将、若大将は酔い過ぎてるんで、ちいっと醒ましてやりまさぁ」
オボ「お前達、ユズハを頼んだぞ」
ドリグラ「若様………」
オボ「いくぞ!殺ァァァァァァァァァッ!!!!」
クロ「オオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」





「やめてえええええええええええええええええええええええええええええええっ」
20ございます:2007/01/01(月) 00:05:43 ID:t/iNFefM0

一同「…………………」
エル「やめてえええっ、やめてやめてっ、やめてえええええええええええっ!!!!」
オロ「落ち着けっ!エルルゥ落ち着くんだ」
エル「ぁぁぅっ、はぁっ、はぁっ、」
オロ「大丈夫か、エルルゥ」
エル「……はぁ………は……」
オロ「落ち着いたか?よし、一緒に部屋に戻ろう」
エル「…たは……んですか?」
オロ「何?」
21本年も:2007/01/01(月) 00:06:14 ID:t/iNFefM0
エル「あなたは…違うんですか?
  それじゃあなたは違うんですか!!」
オロ「え、エルルゥ?」
エル「けんかして、宴の席をめちゃめちゃにしたこのヒトたちと
  あなたの何が違うっていうんですか!!」
オロ「あのー、エルルゥさーん」
エル「返してください……
  チマクを……モロロの煮付けを……川魚の御造りを……」
オロ「おーいおいおいおいお――――い」
エル「私の作ったご馳走を返してください!!!!」
オロ「おーい誰だエルルゥに酒飲ませたのは」
エル「……非道いのは……非道いのは……」
オボ「兄者だな」
オロ「あ゛?」
クロ「総大将でさぁ」
オロ「い゛い゛っ!?」
カルラ「あるじさまのいけずぅ」
オロ「う゛う゛っ!!?」
ウル「………………」
オロ「え、ええと〜…」
ベナ「さて、我々は退席致しましょうか」
オボ「おぅ」
クロ「へーい」
オロ「お、おおーい!!!?」
ドリグラ「ささ、こちらへ、ユズハさま」
ウル「おいでカミュ、アルルゥも今夜は私達の部屋にいらっしゃい」
アル「ん」
カルラ「ほら、行きますわよ」
ウカ「…ん…もうのめにゃいにゃ〜……」
22よろしく:2007/01/01(月) 00:07:25 ID:t/iNFefM0
オロ「……みんな行ってしまった…」
エル「非道いです、ハクオロさんは非道いヒトですっ」
オロ「…まったく、妙な気の遣い方をする連中だな…」
エル「んもうっ、聞いてるんですかっ」
オロ「ああ、聞いてるよ」
エル「いつもいつも、自分だけ知ってる顔で物を進めては
  ちゃんと成功させてのけて、ハクオロさんは偉いです…本当に…
  でも周りの私達はすごく心配してるんですからねっ!!」
オロ「はいはい」
エル「ハイハイじゃありませんっ
  危ない橋を渡るハクオロさんを見てるこっちの身にもなってください!」
オロ「ああ…」
エル「これからはひとりで抱え込まないでください」
オロ「そうだな」
エル「私達は………家族なんですから……」

オロ「エルルゥ…」
エル「ハクオロさん…」
  「…………………………………」
23お願いいたします 元旦:2007/01/01(月) 00:08:07 ID:t/iNFefM0
 「何をしておる」

エル「きゃああああっ!?」
オロ「だ、誰だ!?」
クー「誰だとはご挨拶だな」
オロ「く、クーヤ! な、な、な、何でこんなところに」
クー「何でもなにも、余とお前の仲であろ
  新年のお祝いに来てやったのではないか」
サク「…あのークーヤさまぁ、やっぱり出て行く雰囲気じゃなかったですよ〜」
クー「何を言うか 余がじきじきに足を運んで
  嬉しくないはずがなかろう」
サク「いやぁ……あー…あのですねぇ…うーん、こりゃ何て言ったら…」
オロ「は、はは、は、は、はははっ」
エル「…ぷっ……うふふふふ…」
クー「んっ!?お前達、何がおかしいのだ」
  「あはははははははは」
クー「無礼であろう!」
サク「あははははは」
クー「貴様は笑うな!」
サク「あ痛ぁっ!!」

オロ「…新年おめでとう!」
クー「うむ めでたいな
  お前達にとってもいい年になることを願うぞ」
エル「おめでとうございます」
サク「おめでとうございます」