葉鍵ロワイアル3作品投稿スレ5

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330Scripted Connection⇒

 往人は一人、訪問者を出迎えた。
 できるだけあかりから距離を開けるように。限界まで周囲に気を張り詰める。
 それでも、向こうが遠距離射撃をしてきたらおしまいだが。
 そんな心配を払拭するかのように、一人の少年が現れる。
 まるで鏡を見ているようだと往人は思う。自分をそのまま小さくしたかのような『少年』だった。
 それ以上に、
 確実に初めて見かける顔なのに、何故だろう、ずっと昔どこかで会った気がする。
 お互いに銃を向け合った気がする。
「君は……」
 少年が少しだけ驚いたような声を出す。
「へぇ。偶然なのか運命なのか。久しぶりだね、国崎往人さん」
「誰だ。生憎お前みたいな知り合いは俺の中にはいないんだが」
「そりゃあそうだよね。僕もなんでわかったのかがわからないんだ。でも、もう五年くらい前に君と会ったとこがある気がするよ」
 奇遇だな、俺もだ。と、往人は言わなかった。
「その様子だと丸腰みたいだね」
 嫌になるくらい無邪気な笑みを浮かべた少年は、何かを往人に向かって放り投げた。
 それは少年の持ち物。ずしりと重いそれは、グロック19。
「何の真似だ」
「予備弾丸まではサービスしてあげないけどね。せっかくの邂逅なんだ、今度はちゃんとどっちか生き残るまで戦おうよ」
「俺にはさっきからお前が何を言ってるのかサッパリわからん」
「実を言うと僕もだよ」
「だがな」
 構える。絶対に逃げられない運命の再戦が始まる。
「後悔するぞ、糞ガキ」
「させてみてよ、お兄さん」