さすがに早苗の話になると部屋の隅に横たえられたその死体にチラリと目をやると、静かに目を閉じていった。
「ご冥福をお祈りします……」
「どこかで眠らせてやりたいんだがさすがに余裕が無くてな……。
食うもん食って休んだら裏にでも埋めてやろうと思う、良かったら手伝ってもらえるか?」
「ええ、構いませんよ」
物静かに微笑む少女に秋生は先ほどからずっと疑問に思っていたことをぶつけてみた。
「何もする気は無いって言ってたが、んじゃ何をしていたんだ?」
言いながら先ほどまで美汐のいた場所に視線を移す。
そこには一台のパソコン。
「見てみますか?」
秋生が頷くのを見て、美汐はパソコンに向かい電源をつける。
「こりゃ……」
画面に映った『ロワちゃんねる』のページ。
ゆっくりとページがスクロ−ルされにつれて、秋生は驚きの声を上げる。
渚と佳乃も何事かと後ろに来て驚愕していた。
「何か変わったことがあれば……と思って暇潰しに見ている感じだったのですが」
「なるほどな……だが無事で何よりだったな」
それは『自分の安否を報告するスレッド』の美汐自身の書き込みを見て出た発言だった。
美汐の顔が一瞬だけ嬉しそうに変化するのだったが、それに気付くものは誰もおらず、沈痛なそれにすぐ変わり答えた。
「ええ、本当にびっくりしました……」
言いながらパソコンの電源を切る。
「おお、消しちまうのか?俺も何か書こうと思ったんだが……」
「あ、はい、構いませんよ」
電源を付け直し、椅子を秋生にゆずる。
「んー、なんて打つかな」
カタカタと慣れない手つきでキーボードを叩く。
3:レインボー:一日目 18:59:55 ID:H54erWwvc
岡崎の小僧、生きてるか?
放送で呼ばれなかったから生きてるんだろうな。
渚のことは心配するな、俺が見つけた。
だから安心して自分の身を守ることに集中しろ。
後真琴と相沢って奴も心配するな、美汐って嬢ちゃんも元気ピンピンだ。
お前らも死ぬんじゃねーぞ。
居場所や落ち合う場所も書きたかったのだがそれをすると殺し合いに参加した奴がやって来るかもしれない。
早苗の死も今は奴を混乱させるだけだと書くのは止めた。
何度も訂正しながらも秋生は送信ボタンを押した。
早苗の死体を家の裏手に埋め、四人は手を合わせて静かに冥福を祈る。
「こんなとこで味気ない墓ですまないな……渚も小僧も絶対守るからよ」
渚の瞳からはボロボロと涙が零れ落ち、秋生はゆっくりとその身体を抱きしめながら呟いた。
鞄と武器を持ちながら秋生は美汐に声をかける。
「本当に一緒に行かないのか?」
その質問に、少し困ったように考えながら美汐は自嘲するように返す。
「ええ……」
「そうか……心配するな、お前の知り合いにあったらここにいることを伝えてやる」
強制することも無く秋生は美汐を背に手を振り、渚と佳乃も頭を深々と下げるとそれに続いて去っていった。
古河 秋生
【持ち物:S&W M29(残弾数2/6)、ほか支給品一式】
【状態:左肩裂傷手当て済み】
古河 渚
【持ち物:薙刀】
【状態:正常、秋生に同行】
霧島 佳乃
【持ち物:鉈】
【状態:正常、秋生に同行】
天野 美汐
【持ち物:様々なボードゲーム・支給品一式】
【状態:正常、一人家に留まる】
共通
【時間:19:30頃】
【場所:I-07】
【備考:秋生生存ルート、224と284に関連 B-11ですが違いが診療所だけなのでB-10準拠に変更お願いします】
【 他の生存ルートに使いたい人がもしいたら早苗とか佳乃とか適当に改変しちゃってください】
鎌石村へ向かっていた名倉友里であったが、響き渡ったマシンガンの音を聞いて即座に踵を返していた。
今は平瀬村内部を走っている最中だった。
友里は最初、自分にも十分勝機があると考えていた。
能天気な生活を送っていた連中に、施設での過酷な生活を送っていた自分が負ける筈が無い。
強敵は少年や郁未、葉子といった同じ施設の者だけだと、そう考えていた。
だがこのゲームは友里の想像より遥かに過酷なゲームであった。
二人の少女に対しての襲撃は失敗し、手傷を負い、武器を失った。
それに先程聞いたマシンガンの音。素手で動くのは自殺行為だった。
武器があった時でさえ、ただの少女二人相手に遅れをとったのだ。
(早く…早くもっと強力な武器を探さないと…!)
自信を打ち砕かれ、彼女は焦っていた。
だから、
「あらあら、そんなに急いでどこに行くんです?」
すぐ近くまで寄っていてきた人物にすら気付かなかった。
「――え?」
振り向くと、そこには女――水瀬秋子が立っていた。
「そんなに走り回ると、かえって危ないですよ?」
秋子は微笑んでいたが、その右手には包丁、左手には銃が握られていた。
(――――まずい)
友里は心の中で舌打ちした。
今自分は素手だ。それに目の前の女からは何か、底知れぬモノを感じる。
今戦ったら殺される―――!
(ここは何とかやり過ごすしかないわね…)
「そうですね…ありがとうございます」
「いえいえ。肩を怪我してるようですが、一体どうしたんですか?」
「これは突然襲われて……銃で撃たれたんです」
友里は肩を抑えながら口にする。
「それは大変でしたね」
「ええ……もうどうしたらいいか分かりません…」
「でしたら、私と一緒に行動しますか?人数が多い方が心強いですし」
理想通りの展開だ。
この女は甘すぎる。隙を見て武器を奪って終わりだ。
「私は水瀬秋子です。よろしくお願いします」
秋子は笑顔で挨拶をしていた。こちらを疑っている様子は微塵も無い。
「名倉友里です。よろしく」
友里も笑顔で挨拶をしていた。
勿論作り笑いだったが、間抜けな獲物に対しての感謝の気持ちもあったのか、
思ったより自然に笑顔が作れていた。
「では一緒に来てください。」
そうして友里は秋子の後に続いて歩きだした。
後ろからでよく見えなかったが、武器を点検しているのか秋子は銃を弄っているようだった。
暫くして友里は違和感を覚えた。
どうもおかしい。村から離れていって、森の中を進んでいるではないか。
「あの……本当に道は合ってますか?」
「大丈夫ですよ。それより、友里さんは支給品は何だったんですか?」
「トンファーでしたが…襲われた際に落としてしまいました」
そう言って表情を曇らせる。その演技は実に見事なものであった。
「そうですか…ではこの銃をお持ちください」
「…え?」
「私一人が武器を全部持っていても仕方ありませんから。護身用にどうぞ」
秋子は足を止め、振り返ると銃を差し出してきた。
友里は笑いを堪えるのに必死だった。この女はお人好し過ぎる。
「ありがとうございます」
笑顔で受け取り、その銃を即座に秋子に向ける。
「あら……、どういう事です?」
「見ての通りよ…お馬鹿さん、ありがとうね。そしてさようなら!」
そして友里は迷わずに引き金を引いた。だが、銃口からは何も発射されなかった。
「え?」
おかしい。何度も引いてみたが、銃弾が発射される事は無かった。
「無駄ですよ?あなたを試す為に、弾丸を抜いておきましたから」
「な……」
その時、友里の右肩に衝撃が走った。
自分の右肩に、包丁が「生えて」いた。
「あああぁぁぁぁっ!!」
直後に走る激痛。
「友里さんはマーダーのようですね」
秋子は友里の右肩から乱暴に包丁を引き抜いた。
「な…んで…?」
「単にカマをかけただけですが……、強いて言えばあなたは落ち着き過ぎていましたね。
では、私の娘が受けた苦しみを何倍にもして与えてあげますね」
そう言って、秋子は笑顔を浮かべた。それは、日常で見せるような笑顔。
しかしその顔は返り血を浴びており、手には包丁。
そんな異常な状況にも関わらず、その笑顔は穏やかだった。
「う……あ……」
この女は狂っている。冷静に、狂っている――――
恐怖で何も考えれない。
友里はその場に座り込み、腰が抜けたまま動けなかった。
「本当なら長時間かけて苦しめたいのですが、家を長時間空けるのは危険ですので」
包丁が振るわれる。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁっっ!!」
次の瞬間には友里の左手の人差し指が、地面に落ちていた。
「手っ取り早く、罰を与えますね……さて、何本目に死にますかね?」
夜の森に悲鳴がこだましていた。その悲鳴は数分間鳴り響いていたが、やがて何も聞こえなくなった。
もしかしたら名倉友里は、このゲームの参加者の中で最も不運だったと言えるかもしれない。
何しろ、彼女はこれまで死んだ者の誰とも比べ物にならない程の苦痛を伴う死を与えられたのだから。
名雪を襲った張本人は既にこの世にはいなかったが、秋子はその事実を知らない。
だから、秋子は戦い続ける。
――――マーダーに無慈悲に苦痛を与え続ける、マーダーキラーとして。
【時間:午後10時頃】
【場所:F−02】
水瀬秋子
【所持品:IMI ジェリコ941(残弾14/14)、木彫りのヒトデ、包丁、殺虫剤、支給品一式×2】
【状態・状況:健康。主催者を倒す。ゲームに参加させられている子供たちを1人でも多く助けて守る。
ゲームに乗った者を苦痛を味あわせた上で殺す】
名倉友里
【所持品:無し】
【状態:悶死】
【ルートB系共通、関連187・267・290】
※友里が聞いた銃声は、267話の山田ミチルのマシンガンの音
ようやく渚が少しだけ落ち着きを取り戻したころ、佳乃がそれを見計らって言った。
「お墓…作ってあげようか」
その言葉に渚ははい、と返事して父の体を持ち上げようとする。しかし、それはあまりにも重過ぎて引きずって行くことすら出来ない。佳乃と二人掛かりでようやく外へ引き摺っていくことが出来た。
「ふぅ〜、次は早苗さんの番だね…」
「…はい。急ぎましょう」
涙声ながらもしっかりと口に出す。佳乃はうん、と言い急いで早苗の体を持ち出す。秋生ほど体が重くなかったが、二人の心にはそれ以上のものがのしかかっていた。
秋生の隣に寝かせた後、佳乃は穴を掘る為のスコップを持ってこようとした。
「あの、ちょっと待ってもらえませんか?」
「え? 何? どうしたの」
「その…もう一人の方も一緒に埋めてあげようと思うんです」
渚の言葉に目を見開く佳乃。
「どうして!? だって、この人たちがキミのお母さんやお父さんを殺したんだよ!?」
「…確かにそうです。今でもこの人を許す事はできません…ですけど、亡くなってしまわれたのなら誰だって平等に弔ってもらう権利があります。…それはわたし一人の思いとは別な事だと思いますから」
渚はそこで一呼吸置き、
「それに、たぶんもうお父さんはその人と仲良くやっているころだと思いますから」
今出来る限りの精一杯の笑顔で渚は答える。
「分かったよ…キミがそう言うなら、私はそれに従うよ。…それじゃ、運んであげようか」
それから葉子を運び終えた後、二人は診療所にあったスコップを持ち出し穴を掘り始めた。二人とも非力なせいで作業は遅々として進まない。
気がつけば、既に夕日は沈み夜の世界になっていた。それにもかかわらず半分ほどしか作業は終わっていない。渚も佳乃も汗と涙、そして土で顔は汚れきっていた。
そんな時に、二人とも――いや正確には渚は知らないのだが――存在を忘れていた少年がようやく帰ってきた。
「…おい、何だよ、これは? 何があったって言うんだ?」
帰ってきた宗一の目の前にあったのは、つい先程まで共に過ごしていた仲間の遺体、そして食料調達の合間に出会った男の姿だった。
宗一の存在にようやく気がついた佳乃が、あ…と小さく声を漏らす。
「宗一くん…」
渚は眠っていたので宗一のことは知らなかったのだが、佳乃が名前を呼んだことからきっと敵ではないのだろう、と判断した。
宗一は呆然としながらも調達してきた食料を二人の前に置き、その中からおにぎりを取り出しながら二人に尋ねた。
「…これを食べながらでいいから、順を追って説明してくれ」
* * *
渚と佳乃から一部始終を説明され、宗一はまたしても自身の行動に後悔した。
どうして、あの時俺はあの視線の意図に気がつかなかった? あの二人は妙に俺を気にしていた。もし診療所に残っていたら、少なくとも、この二人は死ぬ事は無かった。
「クソッ!」
宗一が拳を地面に叩きつける。ゆかりだけに留まらず仲間を守れなかったことに対して。自らの無力さに激怒して。
「俺がっ、俺があんなことさえしなけりゃ! 何が世界一のエージェントだよ、そんな肩書き、何の役にだって立ちやしない…ちくしょう!」
「宗一くん…」
佳乃がかける言葉を見つけられずにいると、渚が横から声を出した。
「あの、そんなに自分を責めないで下さい」
地面に顔を向けていた宗一が渚に顔を向ける。
「わたしは、あなたのことはそんなに知りませんが…ですけど、わたしたちのためにこの食べ物を持ってきてくれたんですよね。でしたら、その行動はきっと無駄じゃないと思います。
もし食べ物を持ってきてくれなかったら、きっとわたしはお腹が空いてお父さんとお母さんのお墓を作ってあげられなかったと思います」
えへへ、とほんの少しだけ笑いながらおにぎりを口にする渚。
宗一は心が落ち着いていくのを感じた。
(両親を目の前で殺されたって言うのに…励まされてるのは俺のほうじゃないか。しっかりしろ、俺! そうだ、まだこの二人は生きてる。だったら、この二人を最後まで守り抜く!)
拳を作って思いきり自分を殴った。頭が揺れるほどの衝撃が宗一の気を元に戻した。
「…ありがとうな。目が覚めた。これからは絶対に何があっても後悔しない」
立ちあがって、側に置いてあったスコップを手に取る。
「まずは埋葬を済ませよう。俺にかかれば、こんなもんすぐに終わるぞ」
怒涛の勢いでざくざく穴を掘り始める宗一。渚と佳乃がおおー、と感心した面持ちで見ていた。
十分もしないうちに、三人分の墓が出来あがった。
「さて、後は埋めるだけだ。何かやり残したことは無いか」
「あ、少しだけ待って下さい」
渚が三人の死体に近づき、互いの手を握り合わせた。それから手を合わせる。
(お父さん、お母さん、行ってきます)
短く祈りをささげた後、渚が宗一に向き直る。
「もう大丈夫です。埋めてあげましょう」
渚の言葉に頷いて、三人がかりで墓に埋めてやった。
「…さて、これからどうするか。このまま診療所に残るか、それともどこかに移動するか」
宗一の言葉に、佳乃が手を上げる。
「あのね宗一くん。私はここに残った方がいいと思うな。お姉ちゃんのことは気になるけど、焦っても見つかるわけじゃないし…それに、すごく疲れたから」
渚も佳乃も、墓作りで疲労困憊だった。宗一はそれを汲んで今晩は診療所で休憩することにした。
「…そう言えば、まだお前には自己紹介してなかったな。俺は那須宗一」
「あっ、私もまだキミには自己紹介してなかったよね。霧島佳乃だよ。これからもよろしくね」
「わたしは…渚、古河渚です。よろしくお願いします、那須さん、霧島さん」
霧島佳乃
【時間:午後7時30分】
【場所:I-07】
【持ち物:なし】
【状態:疲労困憊】
古河渚
【時間:午後7時30分】
【場所:I-07】
【持ち物:なし】
【状態:疲労困憊】
那須宗一
【時間:午後7時30分】
【場所:I−07】
【所持品:FN Five-SeveN(残弾数20/20)包丁、ロープ(少し太め)、ツールセット、救急箱、ほか水・食料以外の支給品一式、おにぎりなど食料品】
【状態:健康。渚と佳乃を守る】
【その他:早苗の支給武器のハリセン、及び全員の支給品が入ったデイバックは部屋の隅にまとめられている。秋生の支給品も室内に放置】
【備考:B−10ルート。281話の続き】
素晴らしく簡単に取り乱すエージェントですね
468 :
加速する嘘:2006/10/27(金) 07:13:06 ID:/4Pwsh0dO
敬介は全く動くことが出来ずに固まっていた。
自身に突きつけられている拳銃が、動かせることを拒絶している。
晴子の性格だ、間違いなく下手なことを言えば撃たれるだろう。
唾をゴクリと飲み込みながら、なんと言えばいいものか頭を必死に巡らせる。
「…とりあえず銃を降ろして落ち着いてくれないか?
僕は君を殺そうとなんて思って無いし、この子もそうだ」
「選択肢は二個言うたよな?あんたの考えなんか知らんわ、それとも撃たれたいんか?」
聞く耳も持たず言い放つと晴子がトリガーに手をかける。「…だからって、人殺しをしてなんて観鈴が喜ぶとでも思ってるのか?」
敬介のその一言に晴子は顔を曇らせ、動揺したのがすぐわかった。
「それに全員殺したって生き残れるのはたった一人って言われてる。君と観鈴が一緒に生き残ることはできないんだ。
だったら、他の方法を探したほうが全員の為に良いに決まってるじゃないか」
「じゃかあしいわ!」
溜まりかねたように晴子が叫んだ。
「んなもん、言われなくてもわかっとるわい。
でもな、その他の方法ってなんやねん?それが見つからずに二十四時間立ったら全員お陀仏やで? だったら、うちが人を殺すたびに観鈴は二十四時間生き延びれる。
そして最後に二人残って、うちが死んだら観鈴は無事に帰れるやんか!」
――全員殺して、自分も死ぬ。
晴子の発言に敬介は戦慄を覚えた。
「正しいことだとか思ってない!合わせる顔だってホントは無いわっ!
…でもな観鈴に生きてもらうことだけがうちの願いなんやっ!」
そして震えながら涙を流しながら、再び銃を握る手に力を籠めた。
答えようの無い選択だった。
469 :
加速する嘘:2006/10/27(金) 07:14:31 ID:/4Pwsh0dO
協力してもこの場を去っても、どちらにしても最終的に自分は殺されるということ。
観鈴を守り、晴子も理緒も守りながら皆で生き延びる術を探す。
切実に発せられる義母の言葉の前には、自分の考えなどは甘ったるいものにしか聞こえないだろう。
同じ親でありながら、いや本当の親でありながらどこか楽観的な考えを持っていた自分の説得など通るわけも無い。
それほどまでに晴子の発言は的を得ていた。
だがそれを認めるわけにもいかなかった。
晴子のことが大好きな観鈴の為にもこれ以上は止めなくてはならない。
敬介は決意を込めた瞳で言う。
「―君の気持ちはわかった。だが手伝うと言った場合この子はどうする?助けてくれるのか?」
「アホか?殺すにきまっとるやろ」
晴子の発した『殺す』と言う単語に理緒は涙目に怯えながらも鋏を晴子に向ける。
だがそれを覆い隠すように敬介が理緒の前に立ち、言った。
「言うと思ったよ、だから僕はこうするんだ」
言うや否や、敬介は晴子に向かって駆け出した。
反射的に銃弾が飛び出し敬介の左肩にそれは命中した。
苦痛に顔を歪めるも足は止めずに晴子の眼前へと突き進み、銃を持つ右腕を掴むと後ろ手に抑えながら理緒に向かって叫びつけた。
「僕のことは気にせず今すぐ逃げるんだ!」
「っ…でもっ!」
暴れる晴子をなんとか組み伏せその手から銃がこぼれたのを見ると、すかさず地面に落ちたそれを足で思いっきり蹴飛ばす。
「いいからっ!!」
敬介の剣幕に、迷いながらも理緒が後ろを振り向いたまさにその瞬間、どこか能天気な声が頭上を通過した。
「また偉い所に出くわしたもんだ…」
声の主――古河秋生は頭をぼりぼりと掻きながらそう言うと、銃口を敬介と晴子のほうに向けたまま理緒に尋ねる。
だが理緒は涙目になりながらかぶりを振っていた。
470 :
加速する嘘:2006/10/27(金) 07:15:36 ID:/4Pwsh0dO
それも当然だろう。
いきなり現れたのは服は血に染まり銃を抱えた男に、薙刀や鉈を抱える少女。
至極まともになどまったく見えず足はすっかりすくんでいた。
「あああ、勘違いするな、別に俺達は殺し合いに参加したりしてねーぞ?」
怯え、警その二人の均衡を崩したのは、自身を組み敷いた敬介の股間を蹴り上げて抜け出した晴子の声だった。
晴子はすぐさま蹴られたH&K VP70の元に走りよりそれを手に取った。
秋生と理緒、そして渚と佳乃は敬介を庇うように晴子に対峙する。
またこんなくだらない殺し合いに乗っちまった奴か…と溜め息をつきながら渚から薙刀を受け取ると後ろに四人に向かってそっと呟いた。
「よくわからんが渚、そいつを連れて逃げろ」
「お父さん!?」
「ああ今度は戻ってくるなよ、平瀬村のどっかの家でじっと隠れてるんだ。なーに、大丈夫だ。さっきもそうだったろ?」
「でも…」
秋生の顔と、左肩から血を流しながら苦しそうに抑えている敬介の顔を何度も見直すと、小さくコクンと頷いた。
理緒も敬介も秋生達が敵ではないと理解し、同じように頷く。
「すいません…」
「気にすんな、ただ俺の娘のこと頼むぜ」
「…わかりました」
ゆっくりと距離をとる四人に対し晴子は銃口を向けながら言う。
「逃がすとおもっとるんかいな?」
「んじゃあんたは俺が追わせると思ってんのか?」
秋生はニヤリと笑うと晴子へと向けてS&W M29の照準をつけた。
471 :
加速する嘘:2006/10/27(金) 07:17:04 ID:/4Pwsh0dO
「ちっ…」
晴子の銃口が秋生へと切り替わった瞬間、「いけっ!!」と叫ぶと同時に晴子と四人の間に銃弾を打ち込んだ。
けたたましい銃声に晴子の動きが一瞬止まったのを見逃さず、四人は平瀬村へのほうへと走っていく。
「まちいやっ!」
だが秋生は再び銃口を向け、それに気付いた晴子も口惜しそうに舌打ちしながら秋生を睨みつけた。
(あと一発か…正直きついな)
そう思いながら左手に握る薙刀に力をこめた。
晴子は銃口を向けたままではあるものの、一向に攻めてくる気配はなかった。
秋生の目をじっと睨みつけながら何かを考え、そしてその口がそっと開いた。
「…あの子娘さんなんやろ?」
「ああ」
聞こえていたのか、と秋生は頷いた。銃を握る手に篭る力は変わらない。
「なんでほっとくん?守らなくていいんか?」
「守るさ、あんたの目覚まさせたらすぐだ」
「はぁ?覚ますってなんやねん、うちだって娘守るために動いてるっちゅうねん」
「は?それこそ意味がわかんねーな」
意味不明にしか捉えられなかった晴子の発言だったが、娘を守ると言う言葉が気になる。
「何もせず二十四時間立ったら全員ドカンっての聞いてなかったんかい。
同じこと何度も何度も言うのも馬鹿らしいねんけどなぁ…たった今も敬介のアホに説明したばっかやっちゅうのに…」
「ちょっと待て、今なんて言った?」
「あぁ?何度も言うのが馬鹿ら…」
「違う、その後だ!誰に説明だって?」
「敬介のアホのことか、あんたの娘と一緒に行った男や。ややこいけどな、うちの娘の父親や」
「そいつ…橘敬介か?」
472 :
加速する嘘:2006/10/27(金) 07:18:25 ID:/4Pwsh0dO
「なんや知り合いだったんか?」
初めてここで秋生の表情に焦りが見えた。
「橘敬介って奴もゲームに乗ってるって…まさか!?最悪じゃねーか!」
思わず平瀬村の方角に視線を飛ばす。だが四人の姿などすでに影も形も見えなくなっていた。
今すぐ向かえば追いつけるかもしれない、そう考えて駆け出そうとするも晴子の放つ銃弾が足元に突き刺さっていた。
「なんや敬介…考えとること一緒やったんか。そうならそうと言ってくれりゃええのに…」
勝ち誇ったように笑うその顔に秋生は背筋を凍らせる。
「待っててぇな…すぐうちもそっち向かうで。一緒に観鈴守ろうな…」
473 :
加速する嘘:2006/10/27(金) 07:38:17 ID:/4Pwsh0dO
神尾晴子
【所持品:H&K VP70(残弾数13)支給品一式】
【状態:秋生と対峙】
古河秋生
【持ち物:S&W M29(残弾数1/6)、薙刀、ほか支給品一式】
【状態:左肩裂傷手当て済み、晴子と対峙】
晴子秋生共通
【場所:G−3】
古河渚
【持ち物:敬介の持っていたトンカチと繭の支給品一式(支給品不明・中身少し重い)】
【状態:正常、平瀬村に向かって逃走】
霧島佳乃
【持ち物:鉈】
【状態:同上】
橘敬介
【所持品:なし】
【状況:左肩に銃弾による傷、同上(支給品一式+花火セットは美汐のところへ放置)】
雛山理緒
【持ち物:鋏、アヒル隊長(13時間20分後に爆発)、支給品一式】
【状態:正常、同上(アヒル隊長の爆弾については知らない)】
四人共通
【場所:G−3から平瀬村方面に逃走】
【時間:1日目22:40頃】
【備考:秋夫生存ルートで関連は318と356 今のルート配分だと多分B-11とJ-3】
「Oh!このノート、本物だったネッ!」
宮内レミィはそう言って、目の前で倒れ伏せた少女達の生死を確認した。
首筋に手首、どちらも脈拍は感じられない。
このノートに書いてある通り、ただ人の名前を書いただけ。
それだけで、この効果。
「どういうMagicなのカナ。全然分からないヨ」
「そうだな、俺もこの状況がさっぱり分からねえ・・・説明してくれるよな、レミィ」
レミィの背後から響いた声は、彼女も聞き馴染んだ少年のもの。
「ヒロユキ!ハァイ、元気してた?」
「おう、バリバリだぜ。・・・で、これは一体どいうことだ」
「Why?」
「彼女等は、レミィを襲ってきたのか?だから、反撃したのか」
「何のコト?」
「・・・これは、レミィがやったことだろ?」
彼女の近くには二人の少女が倒れていた。動く気配はない。
それは先ほどレミィ自身も確認したことだから、答えはすぐ出た。
「Yes、このデス・ノートに名前を書くだけで人をmurderできるかチェックしたんだヨ!」
「は?」
「だから、このノート!ハイ、面白いヨ、見て見て〜」
レミィが浩之に押し付けたのは、あのボロボロの大学ノートであった。
「何だ、これ」
「拾ったヨ。ここ、人の名前を書くだけで殺せちゃうの!Let's Murder☆」
ビリ。
レミィのはしゃぐ声とそれは、同時に起こった。
ビリイィィ。
レミィの表情が固まるとそれは、ますます大きな音を辺りに響かせた。
「・・・ヒロ、ユキ?」
ビリ、ビリ、ビリ。
浩之は、無言でそれを引き裂いた。
ビリ、ビリ、ビリ。
彼女の話が本当であれ、嘘であれ。もうこれで悲しむ人が出ないように。
ビリ、ビリ、ビリ。
レミィはただ、それをぼーっと見つめていた。
浩之の行動を、止めようとはしなかった。
「はぁ、はぁ・・・」
風が吹く。紙ふぶきとなり、ノートの断片は目の前から掻き消える。
そして、それは舞散る花びらのように、島全体に広がっていった。
「Oh・・・モッタイナイ。」
「ああ、そうだな。レミィが言うとおり、もしあのノートに書くだけで人を殺すことができたんなら、このゲームはお前で優勝間違いなかっただろうな」
はぁ、と一つ溜息。
浩之は、レミィの目を覗き込むようにして・・・言った。
「なぁ、お前さ、本当にいつものレミィか?」
「ン?当たり前ヨ」
「いやさ、ほら。お前、弓矢持つと豹変すんじゃん。それじゃないのか?」
「???」
「そっか、・・・そっか。まいったな」
ポリポリ、頭をかく。
どう対処すればいか・・・彼は、思いつかないでいた。
大声で叱咤すればいいか、真面目に説き伏せるべきか。
だが、どちらもする気にはなれず。
あまりにも、彼女は無垢で純粋な・・・いつものレミィだったから。
だから、浩之はこのような問いかけしかできなかった。
「レミィはそれで、いいと思ってるのか」
「ン?当然ヨ」
即答。あまりの清々しさに二の句が告げない。
そして、それに続いたのはまたもや予想だにしない言葉。
「だって、これは夢ダモノ」
「・・・は?」
浩之の声が間抜けに響く。
レミィはいつもの、あのニコニコとした懐っこい表情で話し続けた。
「明日起きたら、いつものようにオハヨーって皆と会えるから大丈夫ネ。
この子達もそう、今回はゴメンナサイ。でも、今度会ったら謝るヨ、ちゃんと!」
呆気に取られる。気がついたら、苦笑いしかできない自分がいた。
「・・・そうか。レミィがそう言うなら、俺は止められないな」
「そうヨ、ヒロユキ。今日のワタシは一味違うネッ」
痛感。自分の言葉は、レミィに届かない。送らずとも分かる。
そう。だって、こうやってやり取りしている間に、レミィはこちらに向けて弓を構えてきたのだから。
矢もセット済み、それはいつでも放てる状態で。
もう、浩之にできることはなかった。
・・・正気のようで正気ではない彼女をどう説得するか、思いつくことができない自分は惨めだった。
だから、彼は微笑んだ。
せめて、彼女の夢が悪い形で覚めないようにと、一抹の望みを含ませて。それは、情けであり、同情でもあった。
「じゃあな、レミィ」
「ウン!グッバイ、ヒロユキ」
「また、明日」
ヒュンッと矢が放たれる。それは、一瞬の出来事。
狙い通り、レミィの矢はしっかりと浩之の眉間を貫く。
外すつもりなど、毛頭ないことが窺える一撃だった。
「ウ〜ン、もう疲れたネ。そろそろ休もうカナ〜」
つかつかと動かなくなった浩之に近寄り、はじめに殺した少年よろしくレミィは躊躇なく矢を引き抜いた。
溢れる彼の血にも気を止めずそこから歩き出す彼女は、やはりいつも通りの明るさのままのレミィだった。
だが。ここにきて、ふと罪悪感という感情も出てくる。
『あたし皐月、この子繭。今さ、人を集めて脱出図ろうと思ってんのさ!
よかったら、手伝ってよん』
『みゅ〜〜♪』
『わ、イタタっ!髪、引っ張らないで〜』
それは、結局数分しか保たなかった仲間に成り得たかもしれない少女達の声。
そして。
『また、明日』
大切な、友人の声。
「ウン、また明日ネ、ヒロユキ」
大丈夫、目が覚めたらいつもの部屋で、いつもの毎日が待っているはずだから。
草むらにごろんと横になり、レミィは静かな眠りについた。
宮内レミィ
【時間:1日目午後9時過ぎ】
【場所:F−8】
【所持品:和弓、矢・残り5本(回収したので)、他支給品一式】
【状態:ゲームに乗っている】
藤田浩之 死亡
椎名繭 死亡
湯浅皐月 死亡
支給品は全て放置。
(関連・5・150)(Aルート)
まとめさんへ
失礼しました、352の時間を午前0時に訂正してください
指摘ありがとうございました
言っちゃ悪いがアホ臭いつまらん上にしらける話だな
つーか、紙屑にしてもデスノって使えるんだよな?w
ちょ、デスノ島全体に広がったwww
「あたしに今出来ること……うーん、特に思いつかないわ」
藤林杏は、相変わらずロワちゃんねるの閲覧を続けていた。
「椋は今頃何をしてるんだろう」
そう言って、妹の様子を思い浮かべる。
「あ、そこのイケメンお兄さん、私とセックスしましょう」
「……イケメン狩りしてるに決まってるわね……
少しでも心配したあたしが馬鹿だった……」
彼女は視線をパソコンに戻した。
「あ、レスが付いた」
死亡者報告スレッド
3:びろゆぎ@管理人:一日目 14:36:47 ID:haKarowa3
>2
訂正します。013岡崎直幸は誤報。
PM14:30:00時点の追加死亡者一覧
031霧島佳乃
033草壁優季
034久寿川ささら
041上月澪
042河野貴明
043幸村俊夫
045小牧愛佳
046坂上智代
048笹森花梨
052沢渡真琴
054篠塚弥生
061醍醐
068月宮あゆ
077那須宗一
080仁科りえ
083雛山理緒
092伏見ゆかり
115柚原このみ
「朋也のお父さんは誤報だったんだ、よかった……って何この人数っ!」
杏はその後に続く死亡者の数に驚愕した。
「ゲームに乗ってる人ってそんなに多いんだ……あ、新しいスレッドが立ってる」
厳選無修正画像満載!!
1:名無しさんロワもん:一日目 14:42:15 ID:erogeota1
女子○生に生出しほんとにいいのかこれ!
ttp://********.******.******.html 「業者かよ!」
杏は思わず大声でツッコミを入れてしまった。
「いや、でもこれはこの島でしか使えないはずだし……
もしかして主催者の罠? うーん」
これは見ない方がいいのではないか、そうは思いつつも、
彼女はそのスレッドを閉じることが出来なかった。
ごくりと生唾を飲み込む。
無修正の文字に、彼女の性的好奇心は著しく刺激されていたのだ。
「まさかいきなりパソコンが爆発なんてことはないわよね?
別に……見ても……大丈夫……よね? まあいいや、見ちゃえ」
彼女はリンクをクリックした。
「あ、あ、あ、あーん!」
途端に大音量で女性の喘ぎ声が再生された。
画面には若い男女が交わる様が映し出されている。モザイクは入っていない。
「ちょ、ちょっと、いきなりっ!? 人が来たらやばいって!」
そう言いながらも、杏は画面から目をそらすことが出来なかった。
「こ、これマジですごいわ……こんなの見せられたらあたしもう……」
彼女は自らの秘所に手をのばし、
画面の中の男女を自分と想い人の朋也に見立ててまさぐり始めた。
この間に誰もこの場所を訪れなかったことは、彼女にとって非常に幸運だったと言えるだろう。
「ああ、朋也! 朋也! もっと突いて!」
さらにもう片方の手を胸にあて、揉みしだく。
「あぁーー!」
・
・
・
「軽く10回ぐらいイっちゃったわね。まああと90回ぐらいはイけそうだけど。
オナニーってなんでこんなに気持ちいいのかしら。
なんかもう殺し合いとかどうでもよくなってきたわ。
ご飯食べてオナニーして寝るだけ。それでいいんじゃない?
だいたい椋はおかしいのよ。寝ても覚めても
イケメンとセックス、イケメンとセックス、それしか頭にないのかしら?
女は愛する者のために処女をとっておくものよ。
私の処女膜は何度でも再生するとか言って、セックスの神にでもなったつもりなの?」
その通りである。
「ああ! なんだかイきたりないわ。やっぱりあれがないと!」
彼女はそう言って愛用のバイブを取り出そうとしたが……
「ない! あたしの朋也2号と3号がない!」
例に漏れず、彼女の所持品は主催者により没収されていたのであった。
なお、1号は過度の使用に耐え切れず天に召された。
「なんてことなの……限定生産の特製品にオリジナルの改造を施した
あたしの朋也2号、3号が……」
彼女はがっくりと項垂れた。
興が冷めたらしく、再びロワちゃんねるの閲覧に戻る。
「あら、またスレッドが立ってるわね」
参加者支給品報告スレッド
1:びろゆぎ@管理人:一日目 18:05:22 ID:haKarowa3
このスレッドでは、現在までに判明した参加者の支給品を報告していきます。
彼女はこのスレッドを読み進め、ひとつの支給品に目を止めた。
057春原芽衣 猪(ボタン)
「ボタン!? ボタンがこの島にいるの!?」
そう、そこには杏が手塩にかけて数々の性技を仕込んできた性猪ボタンの名があったのである。
「そうとわかればこんなことしてられないわ!」
彼女に出来ること、それはボタンの捜索、あとオナニー。
藤林杏
【時間:午後6時過ぎ】
【場所C−06鎌石消防分署】
【持ち物:ノートパソコン(充電済み)、包丁、辞書×3(英和、和英、国語)、支給品一式】
【状態:オナニーマスター、ボタンを探す】
→089, ルートD
杏はそんなキャラじゃねえだろ
同人ネタにまみれたみたいなキャラばっかりの中で
今さらそれを言うかよ、しかもDで
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/:/./ // /./ /.!. ヽ \ ヽ ハ
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Yヽi.:! x:=ミ ィ=x 'イ:.: /リ.:.: l|
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/.: イ:.l:.:!:.:;{.:-,'‐!/l:ハ:∧:.:.:j:.:.:. l:.:.:ヽ∨ l
l/ |:.:l:.l:.:'ハ:.:l ' ヾ ヽ/丁:メ!:.:.l:.:l:| !
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Yヽi.:! x:=ミ ィ=x 'イ:.: /リ.:.: l|
/:./:.:{ '´xx '_ xx`ヾ //l :.:.:.: l|
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Kanon 月宮あゆ
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Kanon 月宮あゆ
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/ | ..:!/イ7´丁ミヽト{ /'ァz=≠トv .ト: | | |
| /| ../|{ fr筰ミト ´ ´ヤぅ刈イ: ト.}: :|!|
∧! !:/ 小.`辷:リ `フ7′/.:レ } ハ
/{イ:/ハ '_ /´/:. /l: /′
/ ´ |l j .:.\ ‘ニ’ /: ,.. ノ}//
ハ ̄ ̄ ̄`ヽl>ュ.. _ イ:イイムハ{ _ノ{_
ノ ̄ ̄ ̄ ‐- 、 ヽ/} |/_j_.ゝ┴‐´三弐
≦三三三-_ _ \ト/´__.. -==―――`i、
l!  ̄`ヽzzzzf´ ̄ lト}
rヘ | _ | l| {
ノ、__i! fヽ ! | ハ |ハ
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ヽ ノ{_l! }ハ、 ヽハ. ヽ /´'/ lト.、|
ト、 _,l!___ {. l\ ` ー \j { __j-:、:\
レ| {ト:ヽヽ:`ヽ._ ̄` |-‐ニ-――-、::ヽ|
_ 上L._ ヽ\\ヽ:ト.二、 {´_: -‐  ̄ `ト、:ヽ{
/´:.:.:.:.:.:_`ヽ }/ >`-/7く_> 、 ` ー‐- 、 ! ヽ:}
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\ ノ7ァニj彳_/:{`ヽ〉_/`j┬ \ j
 ̄ /:リ: : : : /:.:.| ̄  ̄` Lト、 ト、 /
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{ \/∠ -'_二 :// .:/ ヽ: lヽ:. ヽ:.\:|
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∧! !:/ 小.`辷:リ `フ7′/.:レ } ハ
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ヽ ノ{_l! }ハ、 ヽハ. ヽ /´'/ lト.、|
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レ| {ト:ヽヽ:`ヽ._ ̄` |-‐ニ-――-、::ヽ|
_ 上L._ ヽ\\ヽ:ト.二、 {´_: -‐  ̄ `ト、:ヽ{
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_ ,. -‐ー― 、 ,.‐'" `ヽ
_,.-´ ヽ / \
,/ 、 ヽ \ ヽ / / / Vヽ 'i
i ヽ ヽ ヽ ゝ' i' i i 'i i i-―-| l l i 'i
| i、 'i ヽ ヽ,. ゝ´ | | トi'、l l || | |. |_|,. | i i l
:::::::.... | | ヽ i,. ‐ ´ ,. ヽ i‐- t|._,|七0ミぇ 未ニ!.,L//| | ,!
::::::::::::::'i i `く ,/ ` 、 _l _,.'i__i弋i:::: j| |ト:::,.,!|i'/ !,r/_
:::::::::::::::::::::r‐,ス i ! | | ! ー ‐- "/`y'ノ `,
::::::::::::::::::::i' `l_ i^l.ノ ヽイ"/` 'ヽ l ̄ ̄| /`y' )- ., /
::::::::::::::::::::::`- t:::... ,`' / ,/ .:::/ `:..., !、__,ノ ,. イ`yK `,
::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::/ !‐7 .:::/ :,-:::´....::´/ .:/'i::::::`ヽ人
::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|´_,., ,. -‐ ´ / .:::/ .i i::::::::/ .::/-‐'i::::::!,:::::. 'i
::::::::::::::::::::::::::::`Y ´ ヽ ,. -‐ '" / .:::/ .i'i / :/ 'i:::::!,:::::. ヽ
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:::::::::::::::::::::::::::::フヽス::::::::.. f彡 ,/ ` ‐- .,__i'_i' i'::'i:::::::,. -‐"´ ....:::::::::::::::::::::i:::::::|::::::i,:::. ヽ
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. l :::::l:: ::::ト;ヾ;:::トl;:::|l::ハl:::;ト:,:|リ
l:::::::l::::::::||`ト、L,Vリ_∠Lハlリ
. l:::::::l:::::::|ヽ ̄ツ _.ヽ_ツハ|
L_;::l:::::::l,  ̄,、‐'´ 〉ヽ l::::.|
\::::::ヘ r==ォ 人:::|
ヽ、:少.、└‐',ィ }::|
>,l:} ` .[ ̄廾、
ノ.:.:X, イ¨|:\/.:.:.:.:.:.:`' 、
/.:.:.:.V/ \/.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:/ \
く,:.:.:.:.:.:.:.:.:V¨| .|>'.:.:.:.:.:.:..:_/ !
r'´ ` 、.:.:.:.:.:.ヽ| /.:.:.,、-:'フ´ l l
| ヽ \`'‐--┴'r'::::_/ l | l l
| ヽ `ー‐┼‐| ̄ ', l l l
. | Y /:::|::ト、 { l l
! 、 l {::::::|::l:::l V l
} \l l::::介、::| | l
. | .`、 V | | V | l
| ヽ | | | l
,. ´ ̄ ―- 、
/:::::::::::::;:::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::r二ニr、 ̄、ニv=-、
. /::::::::::/ ヘ∨ヘ |=-、`\
i:::::::::/ i / i |‐`⌒| i::| `ヽ _ -―  ̄7/ ` 、
/:::::::::iイ i ムハ|_,. ,/斗ォ:! | r、_ -― _z ニ / .//:.r,⌒ヽ./
/::::::::::::::iハi,ト|二フ'ト- ´ハ| r ´7//// ` /ハ:.:ゝ、_ノ/
/::::::::::::::::::ヘ. ゝ /::::i ノ ///// __ -― メ, `  ̄ /
/::::::::::::; -―-\ ー_´/:::::::i く-―  ̄ /:/ // l:i r ヽ _/
/:::::::::::/ ´ ̄ >- く:::::::::::::i < _三_ .〈:〈 〈〈 ゝ'、ゞ ク
/::::::::::::/´ / _ -‐  ̄ ` - ' _ ,. ´ ̄ ` y/-7´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/::::::::::::/ / / ´ 、7´ ̄`r,、/'-/
:::::::::::/ :/ イ `ー _/ー´i`,i
::::::::::i i / |: ー _  ̄`i ̄
::::::::::! i /. i:.:.. ー-イ
:::::::::| i /ヘ ` ゝ、 __ -― ヽ ` ー ‐- イ
:::::::::i i/:.:{::::`ー`ヽ_,.- ´:::::::::ヽ `,i /` ―-r‐ ´
:::::::::|. {:.:.:.:.Y:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ、 ノ ` ‐ _/
:::::::::! `i.:.:.ヘ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ
,. -ォ大、-、 _
. / ´iV//| ハVハヽヽ
// i.:.i ` |i |! |` |! :i ',:ヘ
. | i |斗ニ―-ニ‐-|:. i:}
ハ:.:. k七i` ´亡ハイ /イ
. l (ハ、ゝ __'_ /イィ:.|
l :i `ー'、 `ー ´ ./,ノ |
l :i i i:ゝ、 イ:.i :i |
. l :i i i:.:.:.|  ̄ |:.i:.:.i:. :i i
. l :i :i i:./ `ヽr- _ i
l :i :i_ - ´_ 、 -‐ ´:i| ヽ
/:// ` ´ ,r| .i }
//.{ Y :i _,.rrvく_.Y ハ
// /ト、ェrv‐r-rv:{ィくv ´ ̄ `i: i ',
/ / i :{´ ̄ ̄` Y ´ i: /i
ノ :/ ハ :', /: ハ:.i ',、
/ :/ /:ハ :', イ:. ハ:.ト、 \
. / ,/ /:/ i :.∨´ :ト、 |:.:.i:.: :i i , ヽ
/ // /.:/ /ハ :/ i V:.:i.:.:. i !ト、.i
i:// /.:/ .:.:.:.:∨ ∨::.: :| !| i |
|i i /.:/ .:.:.:.:.:i/ ',:.: i i| i|
|i.|i :i.:/ .:.i.:.:.:./ ', .:.:i / ./
i:i| i ';i .:.:i.:.:/ / i .:./ i ,/
';|: ';:. ヘ .:.∨ / / |:/ | |i
_,r、 _,、__ __,、_ _,r、 _,、__ __,、_
,<ヽ/:::::: ̄\ /::|::::::::::::::\__ ∠_::::::::::::::::ヽ、 ,<ヽ/:::::: ̄\ /::|::::::::::::::\__ ∠_::::::::::::::::ヽ、
. /::/,イ:;イ::i:::::::::::ヽ ノ―ァ、::li:::ト=ニユ ノ:〜ヘ:::::::::i:::〜:l) /::/,イ:;イ::i:::::::::::ヽ ノ―ァ、::li:::ト=ニユ ノ:〜ヘ:::::::::i:::〜:l)
ハ:ト、_ |リ.V l=ニLフヽ .〉l:::ムL `ヽ_ェハ:::l:〈. ):::ヽ:l厂リVィtヽ:::|l .ハ:ト、_ |リ.V l=ニLフヽ .〉l:::ムL `ヽ_ェハ:::l:〈. ):::ヽ:l厂リVィtヽ:::|l
. (入ーヘ 、__'イ:::|:::::イ L| 代リ.r- ヒリ_ノ:|ノ. 〈:,>、:lニr-、じ'_l | .(入ーヘ 、__'イ:::|:::::イ L| 代リ.r- ヒリ_ノ:|ノ. 〈:,>、:lニr-、じ'_l |
ヽ,>・_`ー‐|:;ノ__ノ rヽト, ̄.o ̄ノ廾, ヽ-ト、 ワ_,ノ レ . ヽ,>・_`ー‐|:;ノ__ノ rヽト, ̄.o ̄ノ廾, ヽ-ト、 ワ_,ノ レ
>iレ二> ̄¨´ Fヘ__フ立夭、_人) ,<X入 .>iレ二> ̄¨´ Fヘ__フ立夭、_人) ,<X入
[;F< ̄ \ \ィ`'エエ´\ノ / i iメヘi、 .[;F< ̄ \ \ィ`'エエ´\ノ / i iメヘi、
ノ`'┴--ト、, >_ >-VV-< /_/_,\厂i,>、 .ノ`'┴--ト、, >_ >-VV-< /_/_,\厂i,>、
<::::::::::::::::_了└' /:::::::::::::::::\ ○' |::::::::::::::::X <::::::::::::::::_了└' /:::::::::::::::::\ ○' |::::::::::::::::X
`‐rt-<\___rォ フ7‐-‐t‐l ̄ L;、-―マ´ `‐rt-<\___rォ フ7‐-‐t‐l ̄ L;、-―マ´
ヽヽ `--┴L| r、</ .| | \ヽ、 ヽヽ `--┴L| r、</ .| | \ヽ、
`<>、 ヽ,/ H ト| `<>ーァ `<>、 ヽ,/ H ト| `<>ーァ
ノノ
_,、 -――-、__
,、-‐'´ ,、 -―-/ ―==--、
//.:.: l ヽ \
/.:.:.:. .:. .:./'フ/ ヽ ヽ .\
_l.:.:.:.:.:.:.X、 l/l.:: ィ :. \ ヽ
i⌒ヽ /.:ト、.:、:ム==ミ、.| l:::::ハ;ィ:: .:.: . ;',
| ヽ } ̄ ̄`' 、 /i.:.l.:.:.|〈.iヘ'カ.i` ',::ム___|_l.:.:l.: .|l .:. .:|il
ヽ \ { `' 、_ . il|.:.l:.:〉| ‐`‐' クテ、|:ハ::::/ィ .:. ..:.:.::|リ __ヽ\\ヽ l | l ////∠
. \ \ └―┐.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.>、|.l.:.',.l、\ r. ヒ__ク |=V/.: .:.: .:.:.:.:| ニ 二
\ \_、、-┴-‐ヘ_,へ<⌒\Nl小 、 ー' イ.:.:. .:.:.:.:ィ.:.i:l 三 ナルちゃんだあ〜! 三
i ̄\ \ \\ \. ヽ'rr-、'.、 `' = .//.:.:.:.:.:.:.ノソノリ =_ _ニ
r' ´i > \_ \ヽヽ...<ヽ____ , ィ升'.:.:.:.:.:_.:(ノ /〃/// l | | l ヽ\\ヽ
/ , / ノ _ ヽ ヽヽ .ヽ ∠V\|V\( ヽ
/ l l ヽ、, ┴. } ';. ノ ヽヽ, ', / ',ヽ_
ヽ. '. ヽ / r __ ノ ノ__ ∨ rー-、ヽ', ノ ノj.} \
ヽ. ', \__| } ノ=' ̄フ /ヘ ,-‐' .', 〈―-、 ヽ,∨===彡' L┐
ヽ\__>-‐'フ7¨ ノ .l \ ∨ 「iYニニ'ー-ァ-‐' \
. l .{ r/ | l | -‐'´ ムィ.:.: ヽ< \
\ l/ | '; 〉、.:.:.:.:;.イ | ̄\.: | \
\___リ } ヽ ヽ.:.:.:.:.:/ l.:.: .:. ノ ̄ ̄ ̄ \
/ // / \ \ l
|/ / | .く|_ /| ` ー.t、_ , ゝ l ヽ ヽ
/ | | ./ ヽ`ト、| |. | \__\ ̄ \ ヽ ヘ
ノ,ノ∧ |Λ_、|`ヽ|\ ヒ'´-\_ヽ \ \|\ |
/ 丿 ヽ. |、`弋z冫、 \|t';豸)`7、 |`ー-、_ ヽ. \
/ |.\| " , `ニ´ ´/ ノ | `ヽ、
ノ_,ン-∧ |ヽ '、. // / 丶 ノ
´ ̄ / ヽl. `、 、 __, ノ ./ / ヘ
| 丶、 ヽ、_ _ノ /ノ / i ヽ
| ./-l`-、_ , - '´ |. / i | |
_ |rー/ヽ | / ヽ ノ /ー-|、_ ヽ ヽ、
/ / X_/ ノ / ´/ 丿 ` `、 ) ヘ
| 、/ ( ./-、_ ./ ノ /| ヽ|ヽ |
| || // `、 , -ー| /|:| 、 } ヽ |
. | |. /( | / |:| ./ | /
| | /. ` |. / |:|| l
/、/-、_ , ∨ |:|| |
. /ー-、 ヽ_ ./ , ー-、ノ ̄ヽ. l
/ `、, 、 ヽ_ /:i ノ ̄. _ , _ ,,ヽ |
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ヽく`ヽニ=、 ー 、 レ { 从{` ' r-、 { .:}イ:.:.:.:l
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