葉鍵ロワイアル3作品投稿スレ

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1名無しさんだよもん
葉鍵キャラが殺しあう葉鍵ロワイアルの作品投稿専用スレです。

書き手ルール
・このリレー小説の大きな特徴は、書き手は「どの話の続きを書いてもいい」ことです。
 納得できない作品があったらNGを出すのではなく、自分が納得できる展開を書いてください。
 あなたの書いた作品のほうが面白ければあなたの書いた作品の続きを誰かが書いてくれます。
 そうでなければ、放置されっぱなしです。適者生存。

・上記のルールのため、自分が投稿する作品にはどの作品の続きなのかを明記してください。
 その際には自分が書いたキャラの直前の作品ではなく、
 自分が投稿したいルートに投稿された最後の作品を書くこと。
 これは新たに物語を分岐させない場合でも同様です。
(もし、複数のルートが同時に成立した場合、読み手の方々にわかりやすくするため)

・上記のルールのため、自分が投稿する作品には必ず題名を明記してください。

・NGはありませんが、意図的にルートを分ける時以外は極力、前後の状況と矛盾しないようにしてください。

・書き手さんは投稿した作品の最後に出演したキャラの状況を明記してください。
 書く内容は時間、場所、持ち物、肉体的・精神的状況。
 例
 古河渚
 【時間:午後2時ごろ】
 【場所:ホテル跡(E-04)】
 【持ち物:デリンジャー(銃弾装填済み)、予備弾丸×9、水・食料一日分】
 【状況:ひざに擦り傷(血は止まってる)、極度の疲労】
2参加者名簿&会場:2006/09/24(日) 00:04:28 ID:RoeqTDoZ0
1相沢祐一 2藍原瑞穂 3朝霧麻亜子 4天沢郁未 5天野美汐 6一ノ瀬ことみ
7伊吹公子 8伊吹風子 9イルファ 10エディ 11太田香奈子 12岡崎朋也
13岡崎直幸 14緒方英二 15緒方理奈 16折原浩平 17柏木梓 18柏木楓
19柏木耕一 20柏木千鶴 21柏木初音 22梶原夕菜 23鹿沼葉子 24神尾晴子
25神尾観鈴 26神岸あかり 27河島はるか 28川澄舞 29川名みさき 30北川潤
31霧島佳乃 32霧島聖 33草壁優季 34久寿川ささら 35国崎往人 36倉田佐祐理
37来栖川綾香 38来栖川芹香 39向坂環 40向坂雄二 41上月澪 42河野貴明
43幸村俊夫 44小牧郁乃 45小牧愛佳 46坂上智代 47相良美佐枝 48笹森花梨
49佐藤雅史 50里村茜 51澤倉美咲 52沢渡真琴 53椎名繭 54篠塚弥生
55少年 56新城沙織 57春原芽衣 58春原陽平 59住井護 60セリオ
61醍醐 62高槻 63篁 64橘敬介 65立田七海 66月島拓也
67月島瑠璃子 68月宮あゆ 69遠野美凪 70十波由真 71長岡志保 72長瀬源蔵
73長瀬祐介 74長森瑞佳 75名倉由依 76名倉友里 77那須宗一 78七瀬彰
79七瀬留美 80仁科りえ 81柊勝平 82氷上シュン 83雛山理緒 84姫川琴音
85姫百合珊瑚 86姫百合瑠璃87広瀬真希 88藤井冬弥 89藤田浩之 90藤林杏
91藤林椋 92伏見ゆかり 93古河秋生 94古河早苗95古河渚 96保科智子
97松原葵 98マルチ 99美坂香里 100美坂栞 101みちる 102観月マナ
103水瀬秋子 104水瀬名雪 105巳間晴香 106巳間良祐 107宮内レミィ 108宮沢有紀寧
109深山雪見 110森川由綺 111柳川祐也 112山田ミチル 113湯浅皐月 114柚木詩子
115柚原このみ 116柚原春夏 117吉岡チエ 118芳野祐介 119リサ=ヴィクセン 120ルーシー・マリア・ミソラ

会場:沖木島(原作バトルロワイアルの舞台)
ttp://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/1458/map.jpg
3259:2006/09/24(日) 00:09:45 ID:RoeqTDoZ0
プロローグ(1)

 ジリリリリリリリリリリリ……!

 ベルがなる。
 目覚まし時計だろうか。うるさくてたまらない。岡崎朋也(012)はアラームを止めるために手を伸ばそうとし、
違和感を覚えた。目覚ましなんか、おれつけてたか? 同時に体がひどく不自由なことに気付く。満足に体が動かない。うっすらと目を開く。

 リリリリリリリリリリリ……!

「なんだ、こりゃ」
思わず愕然とする。自分のおかれてる状況はそれほど異様で突拍子もないものだった。朋也は車の座席のようなものに座ってシートベルトをつけていた。
ただし、居る場所は車の中ではない。小さな白い部屋だった。白い床に白い壁に白い天井。その中心にシートベルトをつけた自分が居る。

 リリリリリリリリリリリ……!

 目の前には小さな液晶画面があった。今はそこは真っ黒で何も映してはいない。
「ったく、なんなんだ、一体全体」
そう愚痴るとシートベルトを取り外しにかかった。が、そこで違和感。
「……どうやって外すんだ、これ?」
右下のシートベルトの先。通常ベルトを外すボタンがあるはずのそこにはそれらしいものはなく、黒光りする小さな金属体がついてるだけだった。
左上に手を伸ばすと、ベルトは自分のいすの背面に続き、そのままシートに直接固定ている。ためしに無理やり引きちぎろうとしてみたが徒労に終わった。

 リリリリリリリリリリリ……!

 ベルは未だになり続けていた。一瞬、世界に居るのがそのベルと自分だけのような、そんな錯覚がおきて恐怖する。
「おい、誰かいないのか!」
ベルの音に負けないように大声を張り上げてみるが、反応はない。首を動かして後ろを見てもそこにあるのはやはり白い壁だった。右手にドアが見えるがそこが開く気配はない。
4259:2006/09/24(日) 00:13:36 ID:RoeqTDoZ0
 リリリリリリリリリリリリ……


 しばらくすると、ようやくベルが鳴り止んだ。岡崎は体勢を元に戻すとこの白い空間内にある自分以外の異物。すなわち眼前の液晶パネルを眺めた。
 ベルはやんだ。ならば次に何か動くとしたらここだろう。淡い期待でそこを見つめる。どんなことでもいい、何か反応してくれ。ベルはもう止まったんだぞ。

「お目覚めは如何かな」

まずは声がした。だがその声は、サスペンスドラマに出てくる例のヘリウムを口に含んだときに出る甲高い声だった。男のものとも女のものとも判断がつかない。
原理は知っていても思わずぞっとする。そしてすぐに液晶が明るく輝いた。

「まぁ、いろいろと混乱はあるだろうがとりあえず聞いてほしい」

画面の中にいたのは白いウサギの人形だった。子供の頃にテレビで見た人形劇に出てくるようなやつ。上から細い糸がつながっているのが見える。
 ただし、顔の部分だけはデフォルメされておらず、そこだけは綿ではなく剥製をつかったんじゃないかと思うようなリアルさがあった。不気味でしょうがない。
 話す間、口はパクパクと一定の動きをしていた。口内を模した赤い布地が明滅を繰り返す。
 ウサギの口ってあんなに動くものなのか? どうでも良い疑問が浮かんで消えた。パクパクパクパク。

「君らは今、沖木島、という島にいる。島に居る人間は全部で120人。島内の10箇所の施設に12人ずつランダムに君らは収容されている。
 つまり君のいる部屋の近くには少なくとも11人、同じような境遇の人間が居るってわけさ。少しは安心できたかい?」

岡崎は鈍く光るドアノブに目を向けた。耳をそばだててみるが見事なほど何も聞こえない。

「さて、ここからが本題だ」

ウサギが大仰に手を振り上げる。朋也もドアから目をはずし画面を中止するる。またパクパクと口が動く。

「これから君たちには殺し合いをしてもらう」
5259:2006/09/24(日) 00:17:21 ID:RoeqTDoZ0
 コロシアイ? コロシアイってなんだ? コロ試合のことか。いや、なんだよコロって。
 いやいやまてまてひょっとしたらコロシ愛かもしれない。春原あたりが聞いたら『なかなか刺激的な感じだね!』などと興奮しそうな言葉だ。
 ほら、あいつのバカ顔を思い出して笑えよ俺。ここは笑うところだぜ。
 だが、自分の口からは笑い声はおろか、声一つ出てこない。ああ、わかっているさ。そこまでバカじゃねぇよ。
 コロ試合でもなくコロシ愛でもなく殺し合い。「コロシアイ」はどうねじまげようとも「殺し合い」に戻ってしまう。
 白ウサギはなおも単調な赤の明滅を繰り返していた。時折、つったっているだけでは芸がないとでも思ったのだろうか、話しながら申し訳程度に手足をばたつかせる。

「聞こえなかったりした人が居ると大変なのでもう一度言う。殺し合いだ。120人が1人になるまで、ね。
 勝ち残った1人には無事に家へと帰れる権利が与えられるってわけさ。理解したかい?」

理解できるわけがない。なんなんだ、これは。ふざけるのも大概にしろ、とどなりたくもなったが無意味なのでよした。
 たちの悪い冗談ならいい加減にしてほしい。冗談だとしてもこれは立派な監禁じゃねぇか。くそったれめ。
 朋也の混乱をよそに白ウサギは説明を続ける。画面が変わり、今度はニュース番組で見るようなCGで作られた紫色の棒人間がいすに座っていた。

「現在時刻はだいたい午前11時5分だ。20分になると各施設から一人ずつ、最初の10人の拘束が解かれる。
 以下、3分毎に10人ずつ拘束は解かれ、11時53分に全員の拘束が解かれる。その順番は完全にランダムだ。
 なお、12時にすべてのスタート施設は爆破するので部屋でじっとしているとと死ぬよ」

ヘリウム混じりの言葉に従って、棒人間が立ち上がりドアを開けた。
6259:2006/09/24(日) 00:18:47 ID:RoeqTDoZ0
「ドアを開けて順路どおり進むとすぐに扉がある。その扉を開けたら、出てから扉をきちんと閉めてくれ。
 すると、扉にはロックがかかり、元に戻れなくなる。そして、同時に戸棚の一つがランダムに空けられる。
 そこにリュックが一つ入っている。それが僕らから君らへのプレゼント、このゲームを生き抜くための支給品だ」

棒人間は律儀にヘリウムの言うことを聞いてバッグを受け取る。
そこで彼の役目は終了だったのか、画面はまたも移り変わり、今度はアイテムが所狭しと並んでいる風景となった。

「支給されるものは水2リットル、食料6食分、コンパス、地図、筆記用具、参加者の名簿、懐中電灯、
それから武器とその説明書だ。武器にはさまざまな種類がある。これも何が誰に当たるかはランダムだ」

画面はまたそこで変わり先ほどと同じウサギがでてきた。

「さて、もう一つ、重要なルールがある。何人かは気付いているかもしれないけど、君らには首輪がつけられている」

ウサギは自分の首をちょんちょんとさしながらそういう。首輪? 全然気がつかなかった。
 ためしに首に手をやると細いプラスチックが指先に当たった。たどっていくと、首の後ろ辺りだけ出っ張っていてそこだけは硬質な手触りがした。

「むやみに外そうとしないでくれ。無理やり外すと首輪につけられた爆弾が爆発する。とうぜん君らは死ぬよ」

そういわれて、慌てて手を離す。

「もちろん優勝者にはその首輪を外して差し上げよう。さて、その首輪が爆発する条件は三つある。
一つは無理やり外した場合、もう一つはこの島から外に出た場合、
そして最後はゲーム開始以後、連続して24時間誰も死ななかったときだ。その場合、全員の首輪が爆発するからね。防ぐには誰かを絶えず殺し続けることさ」

つまり、無事に帰りたかったらこの殺し合いゲームに乗るしかない、ということを言いたいのだろう。
7259:2006/09/24(日) 00:19:47 ID:RoeqTDoZ0
「個人的なアドバイスだけど、『みんな、殺し合いなんかするわけないさ』なーんていう思考は捨てるべきだね。
 参加者の中には何人か人間とは思えないような連中が居るからね。自分のことだな、と心当たりのある連中は居るだろう?
 しかし、安心するがいい。彼らの能力はある程度制限されてる。もし君がひ弱な女の子でも武器さえあれば、そいつらにだって勝てるさ」

ふっとそこでウサギの動きも説明の声も一瞬止まる。だが、それは特に何らかの意味があったわけではなかったらしい。すぐにウサギは言葉を続けた。

「説明は以上。最後にこのゲームの主催者からのメッセージを贈ろう。『君らには色々と期待している』とのことだ」

そこまで言うと不意に白ウサギは右手を上げて手を振る。

「それでは10分ほどしたらゲーム開始だ。グッドラック!」

そして何の前触れもなく映像は途切れた。





岡崎朋也
【時間:一日目午前11時10分ごろ】
【場所:スタート地点その1(A-02の岬)】
【持ち物:なし】
【状況:健康、混乱】
8259:2006/09/24(日) 00:27:01 ID:RoeqTDoZ0
ゲームルール
【基本ルール】
・全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
・生き残った一人だけが、帰ることができる。
・プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。

【スタート時の持ち物】
・プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収(義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない)。また、衣服は持ち込みを許される。
・ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給される。以下の物は「デイパック」に詰められ支給される。
中身は「地図」「コンパス」「懐中電灯」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「ランダムアイテム」

【首輪について】
・ゲーム開始前からプレイヤーは全員、首輪を填められている
・開催者側は、いつでも自由に首輪を爆発させることができる。
・この首輪はプレイヤーの生死を常に判断し、開催者側へプレイヤーの生死と現在位置のデータを送っている 。
・24時間死者が出ない場合は全員の首輪が発動し、全員が死ぬ。
・「首輪」を外すことは専門的な知識がないと難しい(下手に無理やり取り去ろうとすると、首輪が自動的に爆発し死ぬことになる) 。
・会場である孤島から脱出すると爆発する。
・プレイヤーには説明はされないが、実は盗聴機能があり音声は開催者側に筒抜けである。

【能力制限】
・特殊な能力を持つキャラはその力を制限される。
9名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 00:28:00 ID:n8d4K0IEO
乙!
10名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 00:31:46 ID:yeO1ZevG0
質問が。
「特殊能力」の範疇は?
11名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 00:33:41 ID:UH2ABT//0
>>1乙。
じゃ、>>7の続きで第1話投下するよ。3レスほど使いますです。
12第1話 このみとくっつくならまだしも 1/3:2006/09/24(日) 00:37:37 ID:UH2ABT//0
 ガサッ。

「ひゃっ」
 収容されていた平瀬村分校跡を出て以来、ずっと近くの林の中で身を潜めていた小牧愛佳(045)は、何者かが近づく音に怯えて小動物のように頭を抱えた。
「あなた……小牧さん」
「……向坂先輩」
 そこに現れたのは顔見知りの学校の先輩、向坂環(039)だった。
「タカ坊は一緒じゃないの?」
「は、はい」
 クラスメイトであり今は恋人でもある少年の名が出て、こんな時でも愛佳は少しだけ顔を赤らめた。
「タカ坊ったら、彼女をほったらかしにするなんて……ごめんなさいね。そんな子に育てたつもりはなかったんだけど」
「い、いえ……」
 本気とも冗談ともつかないその言葉をどう受け止めていいものか分からずただ曖昧に笑うことしかできなかった。
 それでも、知り合いとごく日常的な会話をする事で愛佳の心は和らいだ。
「それにしても……まったく、これは何の冗談なのかしら……」
 それは愛佳も同感だった。『最後の一人になるまで殺し合え』だなんて。
「それで、あなたは何を貰ったの」
「え……?」
 何が、と問い返す前に環は言った。
「武器よ」
「あ、はい!」
 慌ててスカートのポケットを探り、これです、と言いながら差し出したのは刃の閉じられたバタフライナイフだった。
「ふぅん……」
 環は愛佳の掌からナイフを取ると慣れた手付きで刃を出し入れさせる。
「ちゃちなオモチャね」
 片手でナイフを弄びながらそう呟いた。
「そうですよね。もし男の人もいるなら、こんなナイフだけじゃ……」
 戦えないですよね、と言おうとして愛佳は口篭もった。
 そもそも自分に「戦う」なんて事できる筈が無かった。
 そんな他人を傷つけるような真似ができる訳が無い。
 人を、傷つけるなんて。
13第1話 このみとくっつくならまだしも 2/3:2006/09/24(日) 00:39:49 ID:UH2ABT//0
「いいえ。そんなことないわ」
「え?」
 それは何に対する返答なのだろう。
「ナイフ一本あれば十分よ」

 ズ…………バシュ。

 愛佳の首が4分の1ほど切断された。
「あぐ……あががガガググ……」
 首を手で押さえるも血は止まらずに指の間から吹き出る。
「ほらね?」

 どさっ……。

 そして愛佳は彼女自身の思いのままに誰も傷つけることなく退場した。

「さて、と」

 タカ坊タカ坊タカ坊タカ坊タカ坊タカ坊タカ坊タカ坊タカ坊タカ坊。
(この間、劣化月姫風狂気描写が32行続くが省略)

「……今すぐ行くから待っててね」

 そして環は駆け出した。
 ただ一人しか生き残れないというこのゲームにあって、彼女はいかなる考えから貴明を求めるのか。

 ――それはまだ我々には分からない。

045番 小牧愛佳 死亡
【残り119人】
14第1話 このみとくっつくならまだしも 3/3:2006/09/24(日) 00:43:56 ID:UH2ABT//0
039番 向坂環
【時間:一日目正午ごろ】
【場所:G-04】
【持ち物:バタフライナイフ、本人に支給された武器(続き書く人のお好きなように)、最初に与えられたリュック(愛佳の分は放置)】
【状況:貴明を探して移動中】

以上です。
15名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 00:44:19 ID:n8d4K0IEO
愛佳、マジでいきなり退場しちまったのかよw
16名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 00:47:01 ID:yeO1ZevG0
個人的には愛佳と貴明が付き合ってるのが痛かった
17259:2006/09/24(日) 00:50:06 ID:RoeqTDoZ0
特殊能力一覧
「あゆの奇跡」
「舞の超能力」
「柏木の鬼」
「毒電波」
「不可視の力」
「セリオのサテライト」
ほかにもあったら言ってくれ。網羅してる自信ない。
18名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 00:50:48 ID:n8d4K0IEO
恋人設定見るかぎり
この後タカ坊が復讐鬼になる展開を希望しているわけだな………?
19名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 00:53:51 ID:n8d4K0IEO
>>17
往人の法術
まあ、弱い部類の力だったから初代でも制限されなかった能力だけどね
20名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 00:56:30 ID:LDLmLTKo0
ハカロワ2はどうなった?
21名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 00:58:14 ID:yeO1ZevG0
>>17
有難う。
篁は何処まで落ちるか。
少なくとも醍醐にあげたお薬やラストリゾートは無いだろうけど。

>>18
そう考えると貴明の番号が意味人に見えるから不思議。
困ったなぁ……
22名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 00:58:45 ID:yeO1ZevG0
>>17
るー!!
23名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 00:58:54 ID:o381NxRf0
>>17
るー
24名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 01:11:39 ID:yeO1ZevG0
もうひとつ質問が。
スタート地点は自由に決めて良し?
25名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 01:12:25 ID:RoeqTDoZ0
よし。ただし十箇所まで。
26名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 01:19:24 ID:vrMFQbBJ0
あゆの奇跡って制限かかるようなものか?
浩平の永遠行きと大差ない気がするが
27特殊能力貫きの恐ろしさ:2006/09/24(日) 01:32:52 ID:7chnnDSSO
「私の歌は人を癒せます!私は腕が不自由なんです」
保身のため訳の解らない台詞を放つのは、80番仁科りえだった・・・。
「だから?」
まるで人をゴミの様に見るのは59住井だった。
「バキューン!」
間抜けな銃声と一緒に仁科は死んだ。
それが仁科りえ80番の最後であり、痛い信者補正の効かない証拠だった。

080番仁科りえ死亡
059 住井護
時間 一日目 正午
場所 G-5
持ち物 コルトパイソン
状況 マーダー(仁科の支給品は住井に)
28名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 02:16:18 ID:RLQX6+OMO
今回、分岐ありだからまなか死亡がいやだったり荒らしだと思ったら別の話投下して続けておK
2910:2006/09/24(日) 02:35:29 ID:yeO1ZevG0
ちょっとどきどき。
初投稿。
その前に聞きたいんだけど次に書く時12とは独立してる話だったら第一話って書くの?
それとも同じ孤島で起きている事件だから第二話?
12を在った事として認めた上でだったらどうなる?
30名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 02:37:59 ID:/eKP/cre0
特殊能力

芹香の魔法
国崎の法力

とかか、まあ、まだあるだろうけど

ちなみに、基本的な質問だ

2はいつやったw
3110:2006/09/24(日) 02:51:54 ID:yeO1ZevG0
2はどっかで見た。
読んでないけど。
じゃあ取り敢えず第二話として話を続けるよ。
3210:2006/09/24(日) 02:52:58 ID:yeO1ZevG0
第二話 姉妹愛〜妹〜

(なんなん? これは……)
姫百合瑠璃(086)は一人木に上って考えていた。
(なんで……殺し合いなんて……)
先刻の説明が頭から離れない。
(ひとり……だけ……)
その言葉を聴いたときから、彼女は自分の姉を守ろう、と決めた。
最後には自分が死ねばさんちゃんは生き残れる。
貴明も、イルファもわかってくれる……
きっと、わかってくれる……
3310:2006/09/24(日) 02:53:32 ID:yeO1ZevG0

先程、スタート地点から瑠璃ちゃんは一番最初に開放された。
彼女にとってとても運の良い事に、拘束されている中に姫百合珊瑚(085)はいた。
出て来る所が同じやから、ここにいればさんちゃんに会える。
他の人が出てくる人を待ち伏せしてもここなら分かる。
だから、はよ出てきて……
じりじりと時間が過ぎていく。
4……5……6……未だ来ない……
幸い待ち伏せを画策するものはいないようだ。
7……8!来た!
「さんちゃん!」
木を駆け降りながら彼女の最も愛しい人の名を呼ぶ。
「! 瑠璃ちゃん!」
良かった。
でもここは未だ安心できない。後ひとり、出て来る。
「さんちゃん、はよ逃げよ!」
「にげる? にげるってどこに?」
「あっち!上から見とったけど、あっちには誰もいっとらんかった!」
「うん!」
「さんちゃんはうちが守ったるからな!」
「……瑠璃ちゃん……ありがとな……」
3410:2006/09/24(日) 02:54:11 ID:yeO1ZevG0

姫百合瑠璃
【時間:一日目11:50頃】
【場所:スタート地点2(F-08の無学寺)】
【持ち物:デイパック】
【状態:健康、決意】
3510:2006/09/24(日) 02:54:43 ID:yeO1ZevG0
第三話 姉妹愛〜姉〜

(なんやろ……これは……)
姫百合珊瑚(086)は椅子に縛り付けられながら考えていた。
(なんで……殺し合いなんて……)
先刻の説明が頭から離れない。
(ひとり……だけ……)
その言葉を聴いたときから、彼女は自分の妹を守ろう、と決めた。
みんなで生き残ろう。
がんばって考えて、みんなで生き残ろう。
でも、それがどうしてもダメやったらせめて瑠璃ちゃんだけでも……
36名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 03:06:56 ID:h5N/F1Wv0
わっふるわっふる
3710:2006/09/24(日) 03:07:32 ID:yeO1ZevG0

先程、スタート地点から瑠璃ちゃんは一番最初に開放された。
彼女にとってとても運の良い事に、瑠璃ちゃんも同じ所にいた。
瑠璃ちゃんがいてくれれば、瑠璃ちゃんを守れる。
うちに何か出来るかはわからんけど、瑠璃ちゃんの盾に位ならなれる……
だから、はよ出して……
じりじりと時間が過ぎていく。
4……5……6……未だ出してもらえない……
こうしてる間にも瑠璃ちゃんが遠くに行くかもしれへんのに……
7……8!来た!
急いで飛び出しす。
ドアを閉めるのももどかしく、デイパックの中身を確認する。
(……レーダー)
どの番号がどの光点かは確認できないが、かなり瑠璃ちゃんを探しやすくなる。
そして、一番近くにある光点を警戒と期待を交えながら建物を飛び出す。
「さんちゃん!」
最も愛しい人が木を駆け降りながら彼女の名を呼ぶ。
「! 瑠璃ちゃん!」
良かった。
でもここは未だ安心できない。後ひとり、出て来る。
「さんちゃん、はよ逃げよ!」
「にげる? にげるってどこに?」
「あっち!上から見とったけど、あっちには誰もいっとらんかった!」
「うん!」
あっちには確かに誰もいなかった。
「さんちゃんはうちが守ったるからな!」
「……瑠璃ちゃん……ありがとな……」
うちも、絶対瑠璃ちゃんを守ったるからな……
3810:2006/09/24(日) 03:08:35 ID:yeO1ZevG0

姫百合珊瑚
【時間:一日目11:50頃】
【場所:スタート地点2(F-08の無学寺)】
【持ち物:デイパック、レーダー(ランダムアイテム)】
【状態:健康、決意】
39名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 03:10:27 ID:kjF8yY/p0
あれ?ちょっと気になったんだけど今回の連中は
「他の参加者は誰か」って知らされてるの?
4010:2006/09/24(日) 03:11:13 ID:yeO1ZevG0
>>36感謝。
連投規制とは盲点だった……
題名って名前に書かなきゃ不味かった?
41名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 03:11:32 ID:kjF8yY/p0
すまん向こうのつもりで誤爆……
42名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 03:11:40 ID:oSARtpvn0
乙です。ただ序盤から一人マラソンしちゃうと後が苦しいよ。
4310:2006/09/24(日) 03:13:10 ID:yeO1ZevG0
>>39
確かに知らなきゃこの流れおかしいな……
名簿の中身言ったって事でひとつ。
44名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 03:21:32 ID:/eKP/cre0
>>42

確かになあ

今やることは話を書くのもそうだが
コレを広めて書き手さんを増やすことだな
45名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 03:32:44 ID:6r8VNOt30
うざー
葉鍵板の外でやれよ
46第四話‐日常はおあずけ ◆/EyftfKRBU :2006/09/24(日) 03:36:26 ID:+Eonc/1R0

「おいおい、なんだってんだよ……」
 説明を聞き終わった藤田浩之(89)は、思わず漏らした。
 いきなりこんなとこに連れてこられて、挙句には殺しあえ、だって? 
「はっ! 冗談きついって」
 口の端を持ち上げ、笑おうとするが、なぜかうまく表情筋が機能しない。
 緊張。
 喉がからからと渇く。 過去にない緊張がそうさせる。
『これは、冗談じゃない』 直感が、そう告げていた。
 
 首に巻かれた金属。……爆弾。
「ふざ、けんなよ……」
 かすかに震えた声が虚しく響く。 
 認めたくない。 こんな状況を、受け入れたくない。 あたりめーだ。
 しかし、ただ否定するだけじゃどうにもならないのも事実。
 浩之はもう一度、放送を思い返した。 今自分に出来ることはそれしかなかったから。

「ここは沖木島……連れてこられた人間は俺を含めて120人。そいつら全員で殺し合いをしろ……」
 その中にはたぶん、あかりや志保、雅史もいるはずだ。今あいつらはどうしているんだ?
 もしかしたら、このすぐ隣には、知り合いがいるかもしれないが、その様子を窺い知ることは出来ない。

「ついこの間まで、くだらねぇ話してたっつーのによ……」
 再び、回想を始める。
「たしか、『参加者の中には何人か人間とは思えないような連中がいる』とも言ってたな」
「人間じゃねぇって、じゃぁそいつらは宇宙からの惑星Xかなんかかよ? 志保が泣いて喜びそうだぜ」
 必死に、平静を取り戻そうと独り喋り続ける。
「能力はある程度制限されてるって、どんな能力だ?」
 サイコキネシス、気孔……能力といわれて思い浮かぶのはそれくらいだが、この程度ではとても『人間とは思えない』なんて言い方はしないだろう。
47第四話‐日常はおあずけ ◆/EyftfKRBU :2006/09/24(日) 03:37:34 ID:+Eonc/1R0
「だっぁーっ! わかんねぇぇぇっ!!!」
 結局、自分に出来たことなんて、放送の反芻だけだ。そこから新事実なぞ到底導き出せない。
 不安はどんどん高鳴る。『ゲームスタート』は刻一刻と迫ってくる。
「あんな放送聴いて『はいそうですか』なんて言えるわけねぇぜ、くそ、くそっ!」
 悪態ばかりが口をつく。
 その一方で、頭は必死に冷静さを求める。
「考えろ、考えろ……」
 ……自分はなにをすべきか。なにが出来るのか。
 支給品にもよる。殺し合いなんて、するべきじゃない。 当然だ。
 だが、最悪の場合(考えたくはないが)、相手が襲ってきたら? 自分の命を差し出せるか? ……その可能性は0じゃない。 
 もしかしたら、もうやる気になっている奴らもいるかもしれないんだ。
 顔も知らない殺人鬼が自分を襲ってくる光景を想像し、浩之は思わず身震いしてしまう。

「……冗談じゃねぇぜ。 そう簡単に死ねるかよ……」
「……まずは、あかり達を見つけよう。 全てはそっからだ」
 ようやく浩之は決起する。結局浮かんだのは、至極当然の案だった。
 いや、今、一番それが求められているんだ。いかに冷静な判断を下せるか、それが重要だ。
 浩之は心に刻む。
「常に冷静になれ。俺が、あいつらを守るんだ……」
 言い聞かせるように呟く。
「俺はあいつらの兄貴役なんだから……」
 

 そこでようやく、腕の拘束が解かれた。
48第四話‐日常はおあずけ ◆/EyftfKRBU :2006/09/24(日) 03:42:23 ID:+Eonc/1R0
「…………」
 立ち上がり、長い間拘束されていた腕をほぐす。
「……あかり、待ってろよ」
 自分のやけに真剣な声に、浩之は思わず笑みを浮かべた。それは自然に生まれた笑みだった。
 そんなに気張らなくてもいい。いつも通りの俺でいい。
 あいつらに会ったとき、自然に笑える自分がいればいい。
 あいつらに、……あかりに面倒くさそうなポーズが出来ればいい。
 そしたら、あいつらはいつものように、三者三様のリアクションを取るんだ。……ずっとそうしてきたんだ。
 浩之はゆっくりと歩みだし、ドアノブを開き外に出る。あの憎憎しい説明に従って、リュックを獲得する。ずしりと重たいそれを肩に引っ掛け、出口に向かう。
 ここから先は、どこにどんな危険が待ち受けているか判らない。 ……胸が高鳴る。 不安と恐怖に打ち震えるように。
 けれども、そんなもの、俺には似合わない。
 だから、俺は――。
「――かったりぃ」
 ――日常を演じた。  
「当分は、『これ』もお預けだからな」
 僅かに微笑む浩之。
 日常へのしばしの別れを果たし、浩之は確かな決意を胸に、非日常へと足を踏み入れる。この別れは、決して永訣なんかじゃない。
「絶対に……、取り戻すぜ」 
 この瞬間から、全ては始まる。 


藤田浩之
【時間:一日目午前11時26分】
【場所スタート地点その7焼場付近(H-07)】
【持ち物:重たいリュック(中身は未確認)】
【状況:あかり達を探す】 
 
 



49名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 04:24:29 ID:gE15Mrd90
 沢渡 真琴
 【時間:一日目12:00頃】
 【場所:スタート近く】
 【持ち物:防弾チョッキ、32徳サバイバルナイフ、水・食料一日分】
 【状況:死亡】

沢渡真琴、死亡。

彼女は最初から最後までなんだかよく分からなかった。
ただ突如背後から襲われ首を折られる音がした。死んだ。即死である。

その背後から襲った娘は、その少女だった死体に何か呪文のようなものを唱える。
しかし何も起きない。
だからその少女の死体を何度も殴打しながらその呪文を小声で唱えた。
そして、何度かそれをやると、その娘が一匹の狐の死体に変わった。
「ふー、なんとか私でもできた・・・やっぱり魔法や妖術は苦手なのよね」
娘はその狐をつるし上げ、首に縄をかけた。手馴れている。

彼女は姉から魔法や妖術の解除の呪文だけは教わってた。
いや、彼女が出来る魔法らしきものはこの簡単な呪文解除ぐらいだった。
彼女は格闘家である。自然の中の戦いは手馴れているが、
魔法は出来ない。できるのはこの誰にでもできる『魔法解除』の呪だけだった。

「あとはさ、これをなめさないといけないけど・・・そこまでやってる暇はないわね」
狐の皮は暖かい。しかもこいつは養殖用の狐で水瀬家にいたときから風呂に
よく入れられていたから寄生虫の心配もない。

 「狐、獲ったど────────────ってやりたいけど、今は無理ね。」
50名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 04:26:35 ID:gE15Mrd90
 「さーてと」
 その少女は死んだ狐を縄で縛り付けると、首輪に向かって何か話し始めた。

  少女:「詠美ー、どお?」
     すると、首輪から声が聞こえた。
首輪の声:「ふみゅ!まだ話さないでよぅ!」

  少女:「いーじゃん。どうせ私は今回の主役なんだからさぁ」
首輪の声:「ばきゅう!綾香さんまだ早いですの」

 ───そう、その少女の名前は、来栖川綾香。
    来栖川財閥の社長令嬢にして、今は来栖川工業の副社長になっていた。


  綾香:「誰が資金援助してると思ってるのよ。私はそこの副社長よ?
      あんた等だって私の力が無ければこみパ組だってこの戦いに参加させられる所だったんだからね」
首輪の声:「うりゅりゅ・・・そういう意味ではたすかりましたですの」


そして、其の首輪から男の声がした。
「持ち物はどうですか?綾香さん」
「だいじょーぶ!言うとおりの物がちゃんと入ってるわよ久瀬君」
「そりゃ僕の仕事ですからね」
その男は控えめではあるが自慢げな声で言った。


51名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 04:28:02 ID:gE15Mrd90
「にしてもわざわざ、綾香さん自らこの戦いに参加しなくてもねえ」
 首輪の向こうの久瀬は苦笑した。
「私の父に政治資金、軍部にこのバトロアの開催費を渡すからにこのバトロワを開催してくれ、
 そして自分を参加させろと言われた時はびっくりしましたよ。普通自分から参加させろなんて人はいませんから」

「あーこりゃ単なる人気取りよ。」と綾香は静かに微笑する。
「この来栖川綾香自らがバトルロワイヤルに参加することで、まず私の徴兵は免除されるでしょ?
 そして戦いで勝利者としてマスコミに載れば戦地に行く事もなくなるし、戦わずに英雄扱いって訳。」
「軍部も今回のバトロワやりたがってたようですし、それでたまたまこのような形で出来たんですが・・・」

 戦争は始まっていたが今日本は劣勢にたたされており、軍部も資金に困っていたところに
綾香がこのような形で志願したのである。今ではマスコミが来栖川財閥の令嬢二人が国の為に自らバトロアに
参加したと報道している頃だろう。

「ちゃんと佐祐理も殺すから心配しないでいいわ。倉田代議士の娘も参加させないとさ。
 バレちゃうじゃん?それに・・・久瀬君・・・アンタ、あいつの体ほしいでしょ?」
「え?」
「だからちゃんと・・・倉田代議士の娘だけは綺麗に殺してあげる♪あとで死姦でもなんでもしな♪」
 
「・・・・・恐ろしい人ですね・・・」
「しゃーないやん。珊瑚とかも少々出すぎてるし、これは実は他のジャマな奴の粛清も兼ねてるのよ」

 そういうと、綾香は自分の首についていた首輪を自分で外した。
綾香:「わかった?今回の主催者は私。おk?」

───3回目にして起きてしまった。バトロアに起きてはならない、『例外』。

 来栖川 綾香
 【時間:一日目12:00頃】
 【場所:スタート近く】
 【持ち物:所持品不明だがかばんに入る量の彼女が望んだ物品は全て入っている。】
 【状況:むちゃ元気】
52名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 05:06:58 ID:gE15Mrd90
第5話かw
53名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 06:00:49 ID:yeO1ZevG0
>>51
どのスタート近く?
54121番(1/2):2006/09/24(日) 07:38:23 ID:Q/4X5bgL0

久瀬は一人、考えている。

小さな部屋だった。
窓はなく、無機質な白い壁が四方を囲んでいた。
その部屋の中央には一脚の椅子。
久瀬はそこに腰を掛けていた。

眼前には、小さな机に載せられた、これまた小さなモニターがひとつ。
そこには先程まで、およそ常軌を逸した言動を取る兎の人形が映っていた。
質の良くない悪戯に巻き込まれたという不快さは、今はもう感じられない。

兎の人形の狂った演説の後、次々と切り替わる画面に映っていたのは、
一様に困惑と恐怖の入り混じった、顔、顔、顔。
おそらくは自分とそう変わらない年齢の少年少女がその大部分を占めていた。
その中に見知った顔が幾つも混ざっているのを見るに至って、
久瀬はこれが少なくとも単純な悪戯などではないと確信していた。

現時点においてすら、これは極めて大規模な誘拐事件だ。
そして、あの人形の言葉が真実だとすれば、この先に待つのはより深刻な、
前代未聞の惨劇だろう。
準備段階においても実行段階においても個人の力ではあり得ない、およそ
想像の範疇外にある何らかの組織による犯行。
55121番(2/2):2006/09/24(日) 07:39:19 ID:Q/4X5bgL0
「―――問題は、その目的か」

どの道、部屋からは出られない。
唯一の出入り口であろう扉は施錠されているらしく、まるで開く気配がない。
モニターを見ろと、惨劇をただ見届けるのがお前の仕事だと、無言の内に
語り掛けているように、久瀬には感じられた。
扉の下、低い位置に差し入れ口があるところを見ると、この部屋自体が元来、
軟禁を目的として誂えられたものらしい。
自分を殺すつもりがないのならば、水や食料が定期的に差し入れられるのだろう。

小さな溜息を一つつくと、久瀬は画面に目をやり、同時に思索を巡らせ始める。
この下らなくも壮大な、馬鹿げた惨劇を引き起こしたのが何処の誰だか、
今のところはわからない。
しかしどうやらその誰かが、画面に映る多くの人間とは違う役割を自分に
与えたのは確かなようだった。

ならば、と久世は思う。
ならば、その差異には意味がある。
そしてそこには、何らかの鍵が隠されている。
与えられた役割を正確に読み解いていけば、そこには意図がある、思惑がある。
当面はその思惑を手繰ること。
それがこの状況を打開する糸口となることを信じて、久世は一人、小さな部屋で
モニターを睨んでいる。


…そら、画面が切り替わる、次に映るのは誰だ―――。


久瀬 【時間:開始直後】 【場所:不明】 【持ち物:無し】 【状況:健康】
56三重奏(1/2):2006/09/24(日) 09:56:55 ID:FCZ6Fqbt0
「仁科ぁ!!!」
絶叫するのは58春原陽平、銃声を聞きつけたどりついてみれば
血だらけになり倒れている80仁科りえとその荷物を回収しようとする59住井護の姿だった…。

春原は何が何だか分からなかった…

突然この島に送り込まれたこと…

殺し合いをしろと命令されたこと…

血だらけの仁科りえ…。

昨日のこと、一週間前のこと、仁科との出会い、走馬灯の用に浮かび上がる。
春原はただ立ち付くすしかなかった…
無力と絶望と恐怖の三重奏が春原の脳裏を奏でる。

57三重奏(2/2):2006/09/24(日) 09:58:05 ID:FCZ6Fqbt0
一方の住井は一旦仁科の荷物放り投げ
自分の支給品であるコルトパイソンを丸腰の春原に傾ける。
無言で向き合う二人…、先に口を開くのは春原。
「お前が、お前が仁科を…。」
ニヤリと笑うは住井、丸腰の相手を倒すのは簡単だとでも言いたげだ。
春原は叫ぶ!心の底より!!
「殺してやる!!ぶっ殺してやる!!」

「キル!!ミーィィィィ!!!!」

ハハァと笑いながら住井は銃口を春原の頭に定め引き金を引こうとしたその時っ!!

「待ちやがれ!!!」
ショットガンらしき物を構えた、住井でも春原でも無い男の声が木魂した…。

059 住井護
【時間 一日目 正午 >>27のすぐ後 】
【場所 G-5 】
【持ち物 コルトパイソン】
【状況 マーダー(仁科の支給品は住井に)】

58春原陽平
【支給品 不明】【状況 仁科の死で錯乱】

謎の男(次の書き手にお任せします)
【支給武器 ショットガン】

58名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 11:10:17 ID:IOkhU9CK0
初投下。
なんか春原もう登場してしまっているけど、分岐ありとのことなので投下します。
59ボーイ・ミーツ・ガール (1/4):2006/09/24(日) 11:22:33 ID:IOkhU9CK0
春原陽平(058)はスタートと同時にバッグを手にすると、まずはその場から離れることにした。
まずは少しでも安全な場所へ避難する――その方が少しは生き残れそうな気がしたからだ。
もちろん、自分がスタートした場所の確認を忘れない。
「神社か……」
鳥居に社……間違いなく神社、もしくはその類の建物だ。

スタート地点から少し離れたところで彼はバッグからコンパスと地図を取り出した。
「―――スタートしたのが神社だったのがラッキーだったな」
ここは島だ。本土とは違い面積が限られている。神社なんてあってもせいぜい1箇所か2箇所ほどだろう。
その予想は(彼にしては珍しく)確かに的を射ていた。
「ほらビンゴだ!」
春原が広げた島の地図には島には神社はE−02、G−06の2箇所にあることが記されていた。
(さっすが僕!)
思わず嬉しさで飛び上がりそうになる。が、さすがの彼も今はそんなことはしなかった。
自分の命を狙う敵が近くにいるかもしれないのだ。自身の存在を敵に教えるようなそんな馬鹿な真似は今はできるわけがない。
(……岡崎たちがいたらなんて言うだろうな…あいつらのことだから「春原にしてはやるじゃないか」な〜んて言うのかな……?)
春原はふと知人たちのことを思い浮かべた。
60ボーイ・ミーツ・ガール (2/4):2006/09/24(日) 11:23:16 ID:IOkhU9CK0
「あっ、そうだ。確か参加者名簿があるってあのウサギが言ってたな」
そのことに気がついた春原は再びバッグを開き、中を確認する。
「これかな?」
本らしき形態をしている紙の束を手に取り、早速目を通してみる。確かに、それは今回の殺し合いの参加者名簿だった。
最初から目を通しているうちに、覚えのある名をいくつも見つけた。

(012番・岡崎朋也、046番・坂上智代、047番・相良美佐枝……057番………えっ!?)
自分の前の番号、057番の参加者の名を見た瞬間彼は一瞬自身の目を疑った。

―――春原芽衣。
彼の妹の名前がそこには載っていた。

(な…なんで芽衣まで………)
名簿を持っていた手がガタガタと震える。

(生き残れるのは1人だけ……じゃあ、仮に僕と芽衣が最後まで残ってしまったら……)
春原は妹と銃を向け合う自分の姿を想像した。
(ば…バカ! なに想像しているんだ僕は!!)
頭を左右に勢い良くぶんぶんと振り、今考えていたことを撤回する。

「と…とりあえず、このことは今は置いておいて他の参加者を………」
再び名簿に目を通す。
(090番・藤林杏、091番・藤林椋、093番・古河秋生、094番・古河早苗、095番・古河渚………)
知っている名前だけでも、かなりの人数の人がこのゲームに参加させられていることに春原は愕然とした。
「本当にこいつらと殺し合えっていうのか………?」
今になってこのゲームの本当の恐ろしさを彼は理解した。
そう。このゲームは下手をすると昨日まで仲間だと思っていた者が敵に回る可能性があるのだ。
(そ…そんなの冗談じゃないぞ…………)
春原の手は再びガタガタと震えた。
61ボーイ・ミーツ・ガール (3/4):2006/09/24(日) 11:24:42 ID:IOkhU9CK0

春原は参加者を一通り確認すると、自身に支給された武器をバッグから取り出す。
―――スタンガン。
支給品の中では属に言う『当たり』の部類に入る代物だ。
(今は自分から人を殺そうとは思わないけど……自分の身も大事だしな……)
木の棒よりはマシだと思い、それをポケットにしまった。そして、左手に磁石、右手には地図を持つと、彼は先へ進むことにした。

(さて…この先待っているのは地獄かな? それとも………)
などと考えて、一歩、また一歩と進んでいると………


いきなり後ろ、それも至近距離からカチャリという音がした。


「え……?」
思わず顔を向けると、そこには自身の顔に銃を突きつける制服姿の長い髪をした少女がいた。

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! いきなりっすかぁ!?」
「落ち着け。そして止まれ、うー」
「う…う〜?」
少女、ルーシー・マリア・ミソラ(120番。以下るーこ)は開口一番春原にはさっぱり意味がわからない単語を口にした。

「るーはうーたちを探している。うーはうーたちに心当たりはないか?」
「ご…ゴメン……さっぱり君の言っていることがわからないんだけど…………」
「うーはうーだ」
「は…はぁ……? と、とりあえず、その銃を下ろしてくれないかな?」
「それはできない。主導権はるーにある。るーの質問に素直に答えろうー」
「…………わかったよ」
春原は自身の最期を予感した。そして半分以上自身の生存を諦め彼女に答えた。
62ボーイ・ミーツ・ガール (4/5):2006/09/24(日) 11:25:56 ID:IOkhU9CK0
「君の言っているうーって奴は僕は知らないよ」
「そうか」
るーこは頷いた。
「――――なあ君。どうせ僕は今君に撃たれて死ぬんだ。
だからさ。もしよかったら、この後春原芽衣って子に会ったら僕の変わりに彼女を守ってやってくれないか?」
「る?」
「妹なんだ……」

早くも脱落してしまう哀れな兄の分まで妹には生きて欲しい……それが今の春原の最期の願いだった。

それに今自分に銃を向けている子からは不思議と悪意とか殺意とかそういういうものが感じられなかった。
いや。もしかしたら、彼女はこのゲームのことをまだ理解していないかもしれない。
なんというか……純粋というか天然というかそんな類の子だ。しかし、芯は強そうな子だ。
こういう子が一緒にいれば妹も少しは大丈夫だろう……そう考えた結果の頼みだった。
無理なら無理でもいいとも承知している。というより、無理だなと春原は思っている。
いきなり見ず知らずの者を守ってくれとなどと出会ったばかりの者に頼まれて、OKする者などまずいるわけがない。

るーこは答えた。
「………悪いがそれはできない」
「そう……」
春原は苦笑して目を閉じた。
「殺るなら早く殺ってほしい。未練は残したくないんだ」
「…………悪いがそれもできない」
「え……?」
思わず春原は目を開いた。

―――るーこは銃を下ろしていた。
63ボーイ・ミーツ・ガール (5/5):2006/09/24(日) 11:26:53 ID:IOkhU9CK0
「ど…どうして?」
「るーはうーたちを探す。うーはうーの妹を探す。ただそれだけだ」
「つまり……僕を殺しはしないのかい?」
「あたりまえだ。なぜそんなことをする必要がある。食料ならまだあるしな」
そう言って自分のバッグを春原に見せる。
「食料って……じゃあなかったら僕は…………」
そう言おうとした途中で口を止めた。目の前にいる子が自分の肉を食らう姿など想像したくない。
でも美少女に食われるのも悪くはないかな、などとも僅かに思ってしまった。

「これから君はどうするんだ? うーって奴を探すのかい?」
「無論だ」
「じゃあさ。もしよかったら2人で一緒に行動しないか? そのほうがそいつを早く見つけられるかもしれないし、なにより安全だ」
「………うーと組んでるーになにかメリットはあるのか?」
「僕も男の子だ。少しは役に立つと思うけど?」
「………わかった。うーと一緒に行動しよう」
「本当? やった! これなら芽衣も早く見つけられるかもしれない!」 
春原は今度ばかりは思わず飛び上がってしまった。

「そう言えば自己紹介がまだだったね。僕は春原陽平。君は?」
「るーの名前はるーこ。るーこ・きれいなそら」
「るーこちゃんか。これから先よろしくな?」
「るー」
そう言うとるーこは両手を高々と空に向かって上げた。
64名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 11:32:21 ID:n8d4K0IEO
志村ー!
状況、状況!
65ボーイ・ミーツ・ガール (補足):2006/09/24(日) 11:38:01 ID:IOkhU9CK0
状況

 春原陽平
 【時間:1日目正午過ぎ】
 【場所:鷹野神社付近(G−05)】
 【持ち物:スタンガン、水・食料(どちらもまだ消費なし)、他支給品一式】
 【状況:るーこと共に行動を開始。第1優先目標・芽衣の捜索、発見。第2優先目標・自身とるーこの身の安置、第3優先目標・知り合いを探す】

 ルーシー・マリア・ミソラ(るーこ・きれいなそら)
 【時間:1日目正午過ぎ】
 【場所:鷹野神社付近(G−05)】
 【持ち物:銃(どのような銃かは後の書き手さんに任せます)、水・食料(どちらもまだ消費なし)、他支給品一式】
 【状況:春原と共に行動を開始。第1優先目標・うーたちの発見。第2優先目標・自身と春原の身の安置】
 【その他:春原のことは「うーへい」と呼ぶ】
66名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 11:38:51 ID:IOkhU9CK0
>>64
スイマセン。連続規制に引っかかっていましたw
67観鈴ちんピンチ:2006/09/24(日) 11:59:44 ID:OzXBKkf+0
0>2>4>5>7


 晴子や往人と離れ離れにされた観鈴は、草木生い茂る森の中でバックの中を漁っていた。
 なにはともあれ、食料である。

 できればドロリ濃厚ピーチが支給されてるなんていいな。

 と前向きに考え、一人ぼっちの寂しさを紛らわそうとする。

―――きっと待ってればお母さんや往人さんが助けにきてくれるはず。
   そうすれば三人で脱出しよう。

 この絶望的とも言える状況下でか弱き少女の心は強くあろうとしていた。

「これなんだろう……?」

 
「砂糖かな? お塩かな? 小麦粉かな?」

 そういいつつバックの中から取り出したのは彼女に支給されたアイテムである謎の白い粉。

「も、もしかしたら危ない粉かな?」

 ドラマに出てくる刑事さんがペロリと粉を舐めるシーンが観鈴の頭の中で描かれる。

「ドキドキ……」
68観鈴ちんピンチ:2006/09/24(日) 12:01:00 ID:OzXBKkf+0
 ちょっと舐めるくらいなら大丈夫だろう。

 そんな気持ちで粉を指につけようとした時、森に一刃の風が吹いた。

―――くしゅん!!

 と辺りに音が響いた。

「うう、全身真っ白けになっちゃったよ……」

 風に運ばれた粉が観鈴の鼻へと入り、後はご覧の通りと言う訳です。

「でも、無味無臭だし、危ない粉でもなさそう……。小麦粉かな?」

 目に入った粉で涙を流し、口に入った粉でげほげほ言いながら観鈴は身体についた粉をパンパンと払い落としていく。

「いい物だったらお母さんや往人さんの役に立てたのに……」

 涙目でぐしゅぐしゅと言いながら、観鈴は粉をバッグの中へと仕舞い直した。
 その奥にあるイスラム語で文字が書かれた紙には気付かずに。

「これから、どうしよう……」

 25神尾観鈴 
 【時間:1日目正午過ぎ】
 【場所:H-04】
 【持ち物:炭疽菌@毒性激高 他支給品一式】
 【状況:皮膚炭疽 肺炭疽 腸炭疽 感染一日目】
 【その他:炭疽菌は無味無臭です】
69遥か彼方(1/2) :2006/09/24(日) 14:11:19 ID:8SHrMrKo0
鎌石村の郵便局、北川潤30番は独りで作戦会議をしていた、テーブルの上には地図や参加者名簿、支給武器が散らばっている
「はぁ、やっぱりメールも繋がらないか…。」
急に音や振動が出ない様にとの配慮からか携帯の音声とバイブレーションを切りつつ、北川潤は独りため息をつく。
「殺し合えって言われてもなぁ」
テーブルの上の支給された武器【SPAS12ショットガン】には目もくれず、遥か彼方…明後日の方向をむいて考える

―――自分以外の119人全員が殺し合いに乗るとは思えない―――

―――しかし先程どこかで銃声が聞こえた―――

―――オレは人を殺せるのか?―――

―――そもそも信用できる人間なんているのか?―――

―――だったら誰も信用できなくなるじゃないか―――
70遥か彼方(2/2) :2006/09/24(日) 14:12:10 ID:8SHrMrKo0
ネガティブな感情が増えてきたので北川は思考を一旦中止する。
臨機応変が自分の心情だ…誰かを殺す、誰かを守る、それだけに突っ走り周りが見えなくなるような偏った行動はしたくない、
荷物を片付けて【SPAS12ショットガン】を肩から担ぎ北川は郵便局をあとにする

「とりあえず…前へ!」



【時間:1日目正午過ぎ】
【場所:鎌石村の郵便局を後にする(C-04)】
【持ち物:SPAS12ショットガン、水・食料、他支給品一式、携帯電話】
【状況:冷静(辺りの状況を見極めるよう心がける)】
【その他:北川の第一話】
71惨劇に挑め! (1/4):2006/09/24(日) 15:00:05 ID:n8d4K0IEO
「はぁ…はぁ……」
佐藤雅史はスタートしてバッグを手にすると、まずはただ一直線に走り出していた。
(ここが本当に島なら、まっすぐ行けば海に出るはずだ。海じゃなくてもどこか安全な場所に着くかもしれない)
まずは自身の安全を確保する。これから先、どうするかはその後に考えようと最初に判断したためだ。

(確かこの殺し合いの参加者は僕を入れて120人だったな……
もしかしたら浩之たちもこのゲームに参加させられているかもしれない)
そう思った雅史は早速バッグを開けて参加者名簿を取り出そうとした。
がその時、なにやら長いものがバッグの中に入っていることに気がついた。
72惨劇に挑め! (2/4):2006/09/24(日) 15:01:37 ID:n8d4K0IEO
(これは……)
雅史が取り出したそれは、金属バットだった。

(これが僕に与えられた武器ってことか)
雅史は金属バットをぎゅっと握ると、再び考えてみた。
(まてよ……参加者は120人。生き残れるのは1人。すなわち、僕が生き残れる確立は120分の1だ。僕だけじゃなくて、これに浩之、あかりちゃん、志保を入れても120分の4。つまり30分の1た。

そのことを考えると、まず僕らが生き残れる可能性は極めて低い。むしろないと言ってもいいかもしれない。
それなら、僕ができることはせいぜい………)
雅史は走るのを止めて考えてみた。
そして、最終的にひとつの結論にめぐり着いた。

―――助けるべき人は助けて、倒すべき敵は倒す

それが雅史の答えだった。
73惨劇に挑め! (3/4):2006/09/24(日) 15:02:57 ID:n8d4K0IEO
自分を犠牲にしてでも、それにより最終的に誰かが救われるならそれで良い………
それは、このゲームにおいては只の甘ちゃんな考えでもあり、逆に恐ろしい考えでもあった。
だが、それでも雅史は完全にゲームに乗る気はなかった。
自分のためではなく、守るべき誰かのために雅史は惨劇に挑むのだから………

(まずは人がいそうな場所を探そう。そして人がいたらまずは話合ってみよう。
それでもダメなら戦うしかない……僕が生き残るためじゃなくて、誰かが生き残るために………)

雅史はもう一度金属バットを握ると、再びその場から駆け出した。
74惨劇に挑め! (4/4):2006/09/24(日) 15:04:00 ID:n8d4K0IEO


 佐藤雅史
 【時間:1日目午後12時半過ぎ】
 【場所:G−04】
 【所持品:金属バット、他支給品一式】
 【状態:普通。第1優先目標・人を探す】
 【その他:雅史編1話】
75独りは怖いよ(1/5):2006/09/24(日) 16:31:24 ID:BhUt5Ad+0
ベルの音が響いている。
普段なら何倍もの轟音でも目を覚まさない水瀬名雪(104)は、うっすらと目を開けた。

「...うにゅ。おはようございます〜。」

ふわ。小さなあくびをひとつする。そうすると、自分が制服姿で既に椅子に座って居る事に気が付いた。

「いけない。いけない。また寝てしまったよ。って、あれ?」

身を起そうとして、そこで自分の状況がやっとつかめた。動けない。拘束されている。

「....どういうこと?それに、ここ学校じゃないみたい。」

なにやらモニターから声が聞こえた。ウサギが映っていた。そのウサギが喋っている。

「殺し合いをしてもらう―――」

何の事かまったく理解できなかった。
ただ、話の通り自動で拘束が外れ、出口でデイバッグを受け取った。
76独りは怖いよ(2/5):2006/09/24(日) 16:32:38 ID:BhUt5Ad+0
「ここはどこなんだろう。」

周りを見渡すが見覚えの無い場所だった。
とりあえず、名雪はデイバッグの中身を確認してみた。
バッグの中身を見ると、水や食料。地図、筆記具のほか、化粧品ポーチと携帯電話が入っていた。

「よかった。武器が入ってたらどうしようかと思ったよ。」

とりあえず、携帯電話をスカートのポケットにしまう。

外に出た名雪は、お母さんの水瀬秋子(103)やいとこの相沢祐一(1)の
姿を探したがどこにも居なかった。
そのかわり聞こえてきたのは銃声と女の子の悲鳴。

「えっ!」

周りを見渡すが誰も居ない。
だが、よく耳を澄ますと、遠くでも銃声や悲鳴らしきものが聞こえる。

「殺し合いって…ホントの事……だったんだ。」

名雪は怖くて頭が真っ白になった。

わたしも……殺されるの?…早く、早く逃げなきゃ。
名雪は走り出した。
77独りは怖いよ(3/5):2006/09/24(日) 16:34:55 ID:BhUt5Ad+0
どのくらい走ったのだろう。かれこれ1時間は走っていたんじゃないかと思う。
長距離が得意な名雪が珍しく、立ち止まると肩で息をした。
道を外れて森の中に入って踏み分けているうちに小さな池に出た。

「ここは静かだね。でも、ここはどこだろう?池の近くは判るんだけど。」

名雪は改めて何も持っていない事に気がついた。

「あの時バッグ投げちゃったし。」

名雪は初めは道沿いに進んでたが、途中で目つきの悪い男に出逢った。
そこで、襲われそうに思ったので持っていたバッグを投げつけて森の方に逃げたのだった。

「あっ、そういえば、携帯。」

名雪は思いついたようにスカートのポケットを弄った。
名雪の持っている携帯は普通のだが、これはGPSとMP3再生機能付だった。
電源を入れてみたが、圏外の表示が出ている。

「ここは携帯は使えないんだ。でも、何でわたしには武器じゃなくて携帯電話なんだろう。」
78独りは怖いよ(4/5):2006/09/24(日) 16:37:18 ID:BhUt5Ad+0
名雪はがっかりして携帯をしまった。
他に持ってるのは化粧品ポーチから抜いた、色が綺麗だったルージュとマニキュアだけだ。
名雪は腰を下ろすと身を屈めた。

「…殺し合いなんて…きっと悪い夢だよ。」

でも遠くの銃声はまだ聞こえる。だからこれは夢ではなく現実なんだと思う。

「…怖い。怖いよ祐一。お母さん。早く…会いたい。」
「わたし独りは嫌だよ。」

名雪は声をたてずに泣いた。

携帯はGPSレーダー機能があって、同じ携帯を持っている同士が2km以内なら
相手の居場所がわかる機能やMP3で秘密メッセージが入っているのだが、
この時名雪はそれに気が付いていなかった。
79独りは怖いよ(5/5):2006/09/24(日) 16:38:25 ID:BhUt5Ad+0
  水瀬名雪(104番)
 【時間:1日目14:00頃】
 【場所:D-04】
 【持ち物:GPSレーダー、MP3再生機能付携帯電話(時限爆弾入り)
  赤いルージュ型拳銃 弾1発入り、青酸カリ入り青いマニキュア】
 【状況:現在地理解できず。恐怖でややパニック気味。】
 【その他:制服姿、電話の機能に気が付いていない】
80名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 16:54:38 ID:m04adYFC0
まとめ人の手間を考えると作品タイトルの頭にナンバー付けた方がいいと思ふ。
そんな訳で実践。
↓No.14で合ってるよね?
81No.14 玩具(1/2):2006/09/24(日) 16:56:45 ID:m04adYFC0
 道を歩く古河秋生(093)はひどく興奮していた。
 彼に与えられた武器がS&W M29――マグナム拳銃だったからだ。
 もっとも、彼が喜んでいる理由は「殺し合いで有利だから」ではなかったのだが。

「日本でこんなモンを持てるなんてよ……」
 秋生は足を止めて銃を手に取り、その危険な重さをもう一度堪能した。
 そして右手側にある木立に向かって構えると、
「お前に……レインボー」
 決め台詞を言って引金を引いた。

 ドンッ!

「うおお……」
 肩を襲う予想以上の反動。
 モデルガンでは体験できない実銃の衝撃だった。
「こいつぁ、体のどこに当たっても……死ぬな」
 こんな物騒なものを持ち歩いてよいのか、秋生はためらいを感じた。
 しかし、結局はベルトに銃を差し込み、最愛の妻と娘を探して再び歩き出した。
 そう、愛する家族を守るために時には“力”も必要なのだ。

 ……面白い玩具を手放したくないという気持ちもほんの少しだけあったけど。
82No.14 玩具(2/2):2006/09/24(日) 16:58:37 ID:m04adYFC0
「ううう……」

 そんな呻き声がして、マグナム弾に大穴を開けられた木からハラリと布が剥がれ落ちた。

 ドサリ。

 木の根元に崩れた体は河島はるか(027)だった。

027 河島はるか 死亡
【死体の側にリュック、忍者セット(布に穴が開いたので「木遁の術」は使用不能)】

093 古河秋生
【時間:1日目午後12時30分ごろ】
【場所:D-07 スタート地点(鎌石小中学校)の近く】
【持ち物:S&W M29(残弾5発)、他支給品一式】
【状態:興奮気味。渚と早苗を探して移動中】
83名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 17:34:21 ID:2+7g4qSAO
早くも,どれが何の続きだかわからない件について。

> 自分が投稿する作品にはどの作品の続きなのかを明記

このルールはどうしたのよ。
84理性に勝るお人好し(1/4):2006/09/24(日) 18:53:27 ID:ljfEWHmb0
 「―――結構歩いたな……」

 相沢祐一(001)は地図に目を落としながら呟いた。
 彼のスタート地点は最南東の琴ヶ崎灯台。出発点がこの島でも一箇所しかない灯台だったため、現在位置の把握は容易であった。
 だが、いつまでも此処には留まって入られない。
 仮にゲームに乗った者がこの灯台に仕掛けてきたら、完全に袋小路だ。
 よって、早々に荷物を抱えてこの場を離れたのだ。
 
 そして、ある程度灯台からも距離を取った祐一は、見つかり難い近くの木の幹に腰を下ろした。
 
(とりあえず、ゲームに乗ってない奴との合流だな)

 祐一の行動方針は、一先ず反主催者側との合流だ。
 名簿を見る限り、祐一が雪の街に引っ越してきて出来た知人は全て揃っているといえる。
 その中で誰がゲームに乗る可能性があるのかは、さっぱり予想できない。
 祐一も彼女達のことは信用しているし、信頼もしている。
 だが、状況がそれを許さないだろう。警戒も無しに迂闊に近寄る愚考はすべきではない。
 勿論、彼女達がゲームに乗らず、合流できることは願ってはいるが。
85理性に勝るお人好し(2/4):2006/09/24(日) 18:54:43 ID:ljfEWHmb0
 そして、いけ好かない主催者の兎が言っていた人間とは思えない力。 
 彼には一つだけ心当たりがあった。

(舞の魔物も異能ってことでカウントされるのか……?
 ともかく制限されているとはいえ、多少は使えるってことだよな。
 あんなのがゴロゴロいんのかよ。仲間に出来れば心強いんだけどなぁ)

 異能の力を持つ者がゲームに乗ったら目も当てられない。
 舞のような一見大人しそうな少女が保有しているのだ。外見は当てにはできないだろう。
 このゲームの危うさに、祐一は早くも嘆息する。

 ある程度考えを締めたら、今度は支給品の確認をするためにバックを開く。


「―――け、拳銃……。リボルバーってヤツだよな。本物、なんだろうな……」

 恐る恐る拳銃を手にとって眺める。
 銃弾は拳銃に込められている六発限りだ。 
 初めて手にする鉄の凶器に少し物怖じするが、この異常なゲームでは何よりも心強い。慎重に腰にさした。
86理性に勝るお人好し(2/4):2006/09/24(日) 18:56:06 ID:ljfEWHmb0
(よしっ。まずは合流だ。基本的に集団で行動している奴はゲームには乗ってないと考えるべきだな。
 人が集まる場所といえば移住区だけど、乗った奴まで引き寄せそうだからな)

 祐一は地図を覗き込みながら思考する。
 現在地はG−9。行き先の候補としては、北の寺か、西の神社。
 実際どちらでもよかったが、考えてしまうと悩んでしまう。

 さて、どうするかと決めかねていたが、ある意味現状を好転すべきことが起こる。
 考えを遮るように、響く甲高い声。

「―――っ!?」

 祐一は肩を一度震わせ、立ち上がる。
 間違えない。悲鳴だ。それも近い。
 それを意味するところは、乗った奴が最低一人はいるということだ。
 このまま、無闇に出て行けば、当然自分も的にされる可能性もある。
 襲われている人物が善人であったとしても、安全に仲間集めをするならば、ここは引くべきではないか。
 そうだ。仮にマーダーがいてもいなくても、あれだけの悲鳴だ。第三者を引き寄せても不思議ではない。
87理性に勝るお人好し(4/4):2006/09/24(日) 18:56:51 ID:ljfEWHmb0
 ―――非情になれ相沢祐一。
 危険を冒してまで助ける必要があるのか?
 まずは、信頼できる複数の同士を見つけるのが優先だ。
 単身乗り込むのはあまりにも無謀であり、自分の命を危険に晒すだけだ。
 介入すべきではない。接触すべきではない。残念だが、悲鳴を上げた人は運が悪かったと思ってもらい、自身は離れようと―――

「―――できるワケねぇだろがっ!!」

 だが、それでもだ。
 彼は理性に抗い、荷物を畳んで悲鳴が聞こえた方向へとヤケクソ気味に走り出した。

 結局の所、相沢祐一はお人好しなのだ。




 『相沢祐一(001)』
 【時間:1日目午後1時過ぎ】
 【場所:G−09】
 【所持品:S&W M19(銃弾六発)他支給品一式】
 【状態:普通。悲鳴を上げた人物の援護】
 【その他:祐一編1話】
88名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 19:40:53 ID:Affdz9nY0
これは酷い最萌上位に対して私怨するスレですか
89:2006/09/24(日) 19:58:16 ID:o381NxRf0
あなたがそれを望むのなら
90名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 20:07:01 ID:ijZZ9Nm90
>>88
逆じゃね?
最萌同様ロワなんて好きなキャラほどさっさと退場させたほうがいいっしょ
91ある意味最強の武器? 1/2:2006/09/24(日) 20:13:46 ID:aJhns+vP0
「はあ……、殺し合いなんて本気でやる馬鹿なんているのかしら」
 昨日まで平穏(?)な寮母生活を営んでいた相楽美佐枝(047)は木陰に腰を下ろし呟いた。
 彼女のスタート地点はG−04、自分以外にこの周囲に十一人いるらしい。
「あたしに支給された武器って何だったっけ……」
 ゲーム開始で支給されたデイパック、あの変なウサギ曰く、
 食料、水、コンパス、地図、筆記用具、懐中電灯、参加者名簿
 そして――何らかの武器と言った。

「あたしゃ人殺しなんてしたくないわよ――ん? 何これ?」
 デイバックの中身を漁ると何やら長方形の物体が姿を現した。
「これってPDA?」
 銃じゃなくて少し安心、
 とりあえず手に取ったPDA端末らしき物体の電源を入れてみた。
 ピッ

 Guadalcanal ver.X

 英字が浮かび上がり立ち上がる端末機。
 画面が切り替わるとディスプレイに地図が表示された。
 さらに地図上に無数の光点が浮かび上がった。
「もしかして……いわゆる探知機ってやつ?」
 とりあえず色々といじってみる。
 美佐枝は自分の周囲に存在している光点の一つに指を触れた。
 ピッ

 (045)小牧愛佳
92ある意味最強の武器? 2/2:2006/09/24(日) 20:15:22 ID:aJhns+vP0
 光点に触れると画面が切り替わり一人の少女の名前と顔写真、簡単なプロフィールが表示された。
「こんな娘まで……一体何が目的なのよあのウサギは……」
 ピコーン
「!?」
 その時今までとは違う音がして端末に変化が訪れた。
 小牧愛佳の顔写真が突然モノクロに変わる。
 そしてプロフィールの下に赤い文字で、
 死亡と。
「嘘……でしょ」
 参加者名簿を閉じ、地図を呼び出し、小牧愛佳の光点に重なるように表示された光点に触れる。

 (039)向坂環

 プロフィールの下に表示された文字に驚愕する。
 殺害数1

「本当に殺すなんて……しかもこの娘、自分の学校の後輩を……ッ」
 さらにこの殺人者は自分の方角に向かって歩いてきている。
 まずい、ここから離れないと。
 美佐枝は荷物をまとめて急いでその場を立ち去った。

(この探知機……所有者があたしで良かったわ
 もし彼女のような殺し合いに乗った人の手に渡ったら大変なことになるわね……)


039番 相楽美佐枝
【時間:一日目正午ごろ】
【場所:G−04】
【持ち物:ガダルカナル探知機】
【状況:環から逃げる。どこに行くかは次の書き手にお任せ】
【その他:美佐枝編1話 このみとくっつくなら〜>>12-14の続き】
93名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 20:22:47 ID:408g86c40
>>90
自分の好きなキャラが変な書き手に発狂させられたりマーダー化されたりする前に
先手を打って退場させるというのは一つの手だが
今回は分岐が認められてるからな……
94名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 20:35:01 ID:aJhns+vP0
しまった…
039番 相楽美佐枝×→047番 相楽美佐枝○
だった。
95名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 21:38:57 ID:d+vJjY8c0
こんな日も来るだろうと色々ネタを考えてたのに、
まさか清水なつきが不参加とは…orz
96名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 21:58:37 ID:/eKP/cre0
清水なつきかwしかし、どういう経緯で選んだのか気になるな
誰彼とかまじアンとか入ってないしw
97名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 22:14:30 ID:EURTjWs50
告知されてないから知らない人が多そうだな。
ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1126394892/
こっちで>>1である259氏が非常に短期間で意見を取りつつ独断ぎみで決めて開始した。
ちなみにプロローグと参加リストから違うのも分岐として許されてるので参加キャラがいないとお嘆きやプロローグで人死んでないとお嘆きの方はがしがし別のを分岐させておk。
98名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 22:30:41 ID:gVjefBXw0
>97
あ、なんだ。
参加リストが違う事にして、いないの参加させるのも有りなのか。
99名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 22:38:21 ID:DAeg5apJ0
いいよこれでw

そんなに死にたいか?
100灯台・ノート・水平線:2006/09/24(日) 23:19:28 ID:n8d4K0IEO
向坂雄二(040番)は海沿いの琴ヶ崎灯台の最上階で一人黄昏ていた。
この『殺し合い』という名のゲームが始まってかれこれ1時間ほど経過したが、
彼はスタートしてしばらく歩いたところでこの灯台を見つけて以降ここでぼーっと遠くを眺めているだけだった。
時より遠くから銃声や爆発音が聞こえたが、それでも彼はただ灯台から見える俯瞰を眺め続けていた。

彼が黄昏ている理由は二つある。一つは彼はゲームに乗る気がまったくなかったこと。(生き残れる自信がなかったとも言える)
もう一つは彼の支給されたアイテムのせいでもあった。

「よりにもよって、支給品はボロい大学ノートだなんてな〜〜…」
そう言ってバッグから彼に支給されたアイテムを取り出す。
ところどころ汚れていたりボロボロな大学ノート。
それが彼に支給された武器だった。

「あぁ…どうせ死ぬなら、可愛い女の子とラブラブになってから死にたかったぜ………」
などと彼がぶつぶつ呟いていると、誰かが灯台の中に入ってきた気配がした。

(あー……終わったな俺の短い人生…………
辞世の詩でも考えようかな〜………)
などと諦めかけていると、下のほうから女の子の声がした。

「だ…誰もいませんか〜……?」
声はかなり震えていた。
(――ああ、俺と同じような奴が来たんだな……)
雄二は悟った。この声の主である子もきっと自分と同じく運が悪かった奴なんだろうと。
101灯台・ノート・水平線:2006/09/24(日) 23:21:28 ID:n8d4K0IEO
声の主はだんだん上に上がってきた。
そして、その子はついに最上階までやってきた。

「誰か〜……」
「いるぞー」
「ひっ!」
新城沙織(56番)は思わぬ存在に一瞬恐怖した。
「あ、すまん。驚かせる気はなかったんだ」
「こ、来ないで!」
近づいてくる雄二に対して沙織は自信の支給品であるフライパンを構えた。
「だ、大丈夫だ。俺はお前に危害を加える気はないし、加えたくても武器がない。
ほら、これが証拠だ」
雄二は右手にノートを持って両手をあげた。
「一応これが俺の武器。な? これなら信じてくれるだろ?」
「……信じていいんでしょうね?」
「ああ。嘘だとわかったら、その瞬間そのテフロン加工されたフライパンで俺の頭を好きなだけぶっ叩いていい」
「…………そこまで言うなら、今はあなたを信じるわ」
「サンキュー。俺は向坂雄二だ」
「雄二?」
「ああ」
「じゃあ、ゆうくん2号ね。私は新城沙織」
102名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 23:24:34 ID:iemJ+Q+J0
G-05に人が集まっているので
話を展開させようと思ったら破綻しましたorz
103灯台・ノート・水平線:2006/09/24(日) 23:25:05 ID:n8d4K0IEO
「とりあえずよろしく。 ところで2号って? つーか、1号は誰なんだ?」
「長瀬祐介くん。私の友達だよ。この島に来てるみたいなんだけど………」
「ふーん……そいつのこと好きなのか?」
「え!?」
沙織の顔が一瞬トマトのように赤くなった。
「図星か」
「殴るよ?」
再びフライパンを構える沙織。
「す、すまん。だから、それだけは勘弁してくれ……」
「よろしい」


「――ところで雄くんは、これからどうするの?」
「どうするも何も、俺は戦いってもの全般は得意じゃないんだよな〜……」
「もう。だらしないなあ……
ところでさ。そのノート見てもいい?」
沙織は雄二の支給品であるノートを指差した。
「え? ああ。いいぜ」
ボロい以外特に何もないけどな、と付け足して雄二は沙織にノートを手渡した。
「ありがとう」
ノートを受け取ると、沙織は最初のページを開いてみた。
104灯台・ノート・水平線:2006/09/24(日) 23:27:17 ID:n8d4K0IEO
「――あれ? 雄くん。なんか表紙の内側に英語で文字がずらずらと書いてあるよ?」
沙織が言うとおり、表紙の内側には英語でなにかの文章がずらずらと記されていた。
「ああ、それか。俺英語よくわかんねーからさ。見た瞬間読むの止めたんだよ。
どうせ、悪戯で誰かが詞でも書いたんだろうさ」
「ふうん…」
沙織はこの文に興味があったが、自分も英語は苦手だったので読むのを諦めた。
「お互いついてないわね…」
「まったくだ」
雄二たちは苦笑いすると、これからどうしようかと思いながら遠い水平線の彼方を眺めることにした。
少なくとも、今この景色を目に焼き付けておかないと、もう二度とこれを見ることはできないだろうと思ったからだ。


実は、雄二に支給されたノートの正体は『死神のノート』と呼ばれる
「顔と本名がわかる者の名を書き込めば、書かれた相手は死ぬ」という最強クラスのアイテムで、
英文はその使い方を記したものだったのだが、今彼らがそれを知ることはなかった。
105灯台・ノート・水平線:2006/09/24(日) 23:29:00 ID:n8d4K0IEO
 向坂雄二
 【時間:1日目午後2時過ぎ】
 【場所:I−10(琴ヶ崎灯台)】
 【所持品:死神のノート、他支給品一式】
 【状態:普通。これから先どうするか検討中。少なくともゲームに乗る気は無い】
 【その他:雄二&沙織編1話】


 新城沙織
 【時間:1日目午後2時過ぎ】
 【場所:I−10(琴ヶ崎灯台)】
 【所持品:フライパン、他支給品一式】
 【状態:普通。これから先どうするか検討中。少なくともゲームに乗る気は無い】
106名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 23:38:18 ID:n8d4K0IEO
誤字がありました
>>101
>近づいてくる雄二に対して沙織は自信の支給品であるフライパンを構えた。
ここ「自信」じゃなくて「自身」ねw
107The Fly:2006/09/24(日) 23:48:58 ID:+taIvSF20
「フフ、なかなか楽しませてくれる」
兎の衣装を外した黒幕である謎の人物は一人、口を歪めた。
彼の眼前には、まるでディレクター室のように、多数のモニターが鈍い光を放っている。
島のいたる所に小型カメラが設置してあり、この部屋へと映像が送られてくるのだ。

「いくら抗おうと、無駄な努力よ。貴様らの生死は我々が握っているのだからな」
謎の人物は脇へ目を落とす。そこには、参加者の人数と同じだけのボタンが並んでいる。
いや、同じではない。さらにその脇、ひときわ目立つ赤いボタン。
これこそ、島にいる参加者達の首輪の爆弾をすべて作動させる、悪魔のトリガーだった。

不意に、異音が篁の耳をかすめた。
「なんだ? ……こざかしい」
どこからか部屋に入り込んだのだろう、一匹の蠅が空気をふるわせていた。
部屋の主の周りを飛び交うその姿は、あたかも参加者達の、悲痛な声を代弁してるかのようだった。
「くだらないな」
そう言っては、どこからともなくハエたたきを取り出し、身構える。
しばらく後、蠅は手近な機械の上で動きを止めた。
瞬間、風を切るハエたたき。
プラスチック特有の、パチンと響く軽い音の下、一個の生命が失われた。

「フン」
謎の人物は目を細め、満足してハエたたきを納める。
しかしそれからすぐに、自分の犯した過ちに気づいた。
潰れたハエの下にあるのは、悪魔のトリガー……あの、赤いボタンだった。
108The Fly:2006/09/24(日) 23:49:45 ID:+taIvSF20

「真剣やべっ!」
ズガン!
謎の人物が思わず口にした言葉が、外部からの爆発音にかき消される。
首輪の爆弾が作動した音だ。
ズガン!
ズガガン!
ズッガーン!
爆発音は止むことなく、島全体を揺るがした。
「(ノ∀`)アチャー」
謎の人物は頭を抱えたが、もう遅い。
当然、爆弾を仕掛けられた側は即死。死に際のセリフなど口に出す暇もあるまい。

やがて、爆発音は聞こえなくなった。
「まあ良い。もともとこの企画の目的は、A国に依頼されたあの爆弾の性能を試すことだからな。
 殺し合いなどという映画の真似事は、余興にすぎん」
気を取り直し、部屋を去っていく黒幕。
後ろのモニターには、焼け野原と黒い画面だけが、ただ映っていた。

【残り0人(全員死亡)】
109名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 23:54:15 ID:DAeg5apJ0
一人生き残ったなw
110名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 23:54:55 ID:30J4d9pT0
バ鍵がバ鍵と呼ばれる理由に値する象徴的糞スレww
111名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 23:55:35 ID:30J4d9pT0
これって何が面白いの?

面白さの欠片も見えてこないんだけど・・・
112名無しさんだよもん:2006/09/24(日) 23:58:19 ID:o381NxRf0
わざわざ二回に分けて言うところに必死さが伺えますねw
113名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:00:48 ID:hzZNVyXwO
おい、なんだこの323エンドを超えるネタENDは!w

つーか、空気嫁www
114名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:03:48 ID:+anL5Tf70
勝者は来栖川綾香さんと篁さんでした。
以上w
115名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:05:42 ID:AH7qnOoa0
蝿で終わりかよ!
116名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:06:56 ID:hzZNVyXwO
気にせず続けようか………
117名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:11:34 ID:XBTpE9Zp0
これって何が面白いの?
このスレ内だけのオナニーにとどめとくならまだしも、
他所で大声あげるのやめてくんない?
118残酷御伽草子(1/6):2006/09/25(月) 00:28:49 ID:dLuyLWUB0
 どうして自分がこんな所で殺し合いをしなければならないのか。 
 藍原瑞穂(002)は震えながら膝を抱えて座り込んでいた。
 殺し合いを促すワケの解らない映像を見させられて、強引に何処だか分からぬ土地に投げ出されて。
 普通に生きてきた私が生き残れるはずもない、と自虐的に考えてしまう。普段内気な性格の彼女がそう思うのも無理からぬことだ。

「やだ、やだ、やだよ……っ。香奈子ちゃん香奈子ちゃん香奈子ちゃん……」

 瑞穂は実のところ出発地点から移動はしていない。C−3の村役場からの外から、次の参加者が出てきても見える位置で見張っているのだ。
 いや、見張っているわけではない。彼女はただ、信用できる友達が来るのをひたすら待っているのだ。 
 ここから出発するとも限らないのに、それでも震えながら迎えを待つ。
 彼女は誰かに助けてもらうしか選択肢はないのだから。

 その時、役場から人が出てきた。

「―――ひぅ!?」

 ―――ただ出てきただけなのに!?
 瑞穂は人が役場から出てきただけで過剰に反応してしまう己の身体に愕然とする。
 極限の緊張状態は彼女の精神を多大に磨耗させていた。
 喉からでる悲鳴を押さえ込もうとしたが、後の祭りだ。
119残酷御伽草子(2/6):2006/09/25(月) 00:30:05 ID:dLuyLWUB0
「……だれか、いるのかな?」

 その声にビクリと肩を震わせる瑞穂。
 完全に視線はこちらの位置へと向いている。バレた。
 カチカチと歯を鳴らす音がこの辺り一帯に響いているのではないかと錯覚してしまう。

(し、知らない人だっ。ど、どう……どうしよ!? わ、わたっわたし殺されるの!?
 イヤだイヤだイヤだイヤだ!!)

 逃げようにも腰が抜け、足までも竦んでしまい上手く立ち上がることもままならない。
 無様に這い蹲るようにして、瑞穂をその場から必死で立ち去ろうとする。

「あ、大丈夫だよ。ボクはこのゲームに乗るつもりはないからさ」

 だが、逃げる瑞穂の背に向かって投げられた言葉は、この殺伐としたゲームとは関係がないかのように安穏としていた。
 その声に瑞穂は動きを止める。
 普通に錯乱状態ならば、声など聞き落として狼狽しながら逃げ出そうものだが、彼女は違った。
 殺す殺される云々より、彼女は誰かの庇護の元につき、安心を得たかったのだ。
 望むなら親友の太田香奈子だが、守ってくれるのならばこの際誰でもいい。
 なによりも、この極限の緊張状態から開放されたいという想いのほうが強いのだ。

 わざわざ、危険にも関わらず声をかけてきたのだ。乗った人間であるはずがない。
 乗った人間でないのなら、きっと私を守ってくれる。
 そう自分に言い聞かせるように、瑞穂は恐る恐る振り返る。
120残酷御伽草子(3/6):2006/09/25(月) 00:32:52 ID:dLuyLWUB0
「あ、あの……その。わっわたし!」
「うん。そんなに怖がらないで。ボクはこの通りやる気がないからさ。えっと……」
「あ、瑞穂です! 藍原瑞穂と言います」
「瑞穂ちゃんかぁ……うん、よろしくね。ボクは柊勝平」

 よろしくとばかりに片手を差し出す柊勝平(081)の手を、呆けてみていた瑞穂は慌てて握り返した。
 勝平は握った腕を引っ張って瑞穂を立たせてあげる。緊張がほぐれたのか、震えていた膝は止まり、立ち上がることができた。
 改めて正面から勝平の顔を見て驚く。

(綺麗な人……。でも、勝平ってことは……男のヒト!?)

 勝平の中性的な顔に瑞穂が目を見張る。 
 そして、異常なゲームに投げ込まれたというのに、常に笑顔を絶やさない勝平には感嘆してしまう。心強いとも思ってしまう。
121残酷御伽草子(4/6):2006/09/25(月) 00:33:38 ID:dLuyLWUB0
「瑞穂ちゃんはこの後どうするの? ボクは知り合いを探そうと思ってるんだけど」
「わ、私も連れて行ってくれますか? そ、その……一人では心細くて……」
「勿論オッケーだよ。でも、瑞穂ちゃんは探したい人とかいないの?」
「あ……何人か。私も友達の香奈子ちゃんや祐介さんを……」
「わかったよ。じゃ、そのお友達の香奈子ちゃんや祐介クンも探そうか」
「ありがとうございます!」

 本当に良い人でよかった、そう思わずにいられない瑞穂だ。 
 彼に着いていけば、きっと香奈子にも会えるという根拠のない自信まで出てきた。
 勝平も瑞穂の嬉しそうで安心した様子に、一層微笑を深める。
 そして、彼はバックを漁り、自分の支給品を瑞穂に見せた。

「えっと、これがボクの支給品ね。あまり役に立ちそうにないなぁ……」
「そ、それは……鉈ですね」
「うん、そうみたいだ。―――瑞穂ちゃんのはどういうモノかな?」
「え? あ、私まだ確認してませんでした。ちょっと、待ってくださいね」

 瑞穂は勝平に背を向けて背後にあった自分のバックを漁りだす。
 
「あっ! ありましたよ柊さ―――」

 ―――グシャリという衝撃音。
 瑞穂が覚えていたのは此処までだ。
122名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:33:48 ID:XBTpE9Zp0
ウゼェよ


つまんねーんだからやめろ



他所のスレで大声あげんな







糞みたいな物書き気取りのド下手素人が(ちゃんと読んでから言ってます)
123名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:34:07 ID:XBTpE9Zp0
うんこみてーなもの投下すんな








氏ね屑
124名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:34:21 ID:XBTpE9Zp0
キャラを勝手に殺したり殺させたりしてんじゃねえよ
















おまえが死にな
125名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:35:58 ID:NVvidMyS0
うんことそれによってたかるハエどもの

















糞スレwwwwwwwwwwwwwww
126名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:37:00 ID:M3W2rZpA0
>>121
志村ー、いいから続きー。
127名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:37:36 ID:qvSwMYVC0
投下終了待ち。
128名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:39:17 ID:XBTpE9Zp0
つまんないからいらない
129残酷御伽草子(4/6):2006/09/25(月) 00:41:36 ID:dLuyLWUB0
「瑞穂ちゃんはこの後どうするの? ボクは知り合いを探そうと思ってるんだけど」
「わ、私も連れて行ってくれますか? そ、その……一人では心細くて……」
「勿論オッケーだよ。でも、瑞穂ちゃんは探したい人とかいないの?」
「あ……何人か。私も友達の香奈子ちゃんや祐介さんを……」
「わかったよ。じゃ、そのお友達の香奈子ちゃんや祐介クンも探そうか」
「ありがとうございます!」

 本当に良い人でよかった、そう思わずにいられない瑞穂だ。 
 彼に着いていけば、きっと香奈子にも会えるという根拠のない自信まで出てきた。
 勝平も瑞穂の嬉しそうで安心した様子に、一層微笑を深める。
 そして、彼はバックを漁り、自分の支給品を瑞穂に見せた。

「えっと、これがボクの支給品ね。あまり役に立ちそうにないなぁ……」
「そ、それは……鉈ですね」
「うん、そうみたいだ。―――瑞穂ちゃんのはどういうモノかな?」
「え? あ、私まだ確認してませんでした。ちょっと、待ってくださいね」

 瑞穂は勝平に背を向けて背後にあった自分のバックを漁りだす。
 
「あっ! ありましたよ柊さ―――」

 ―――グシャリという衝撃音。
 瑞穂が覚えていたのは此処までだ。
130名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:42:23 ID:NVvidMyS0
ツマンネ
おまえが死ねば?
131名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:43:02 ID:NVvidMyS0
推奨NGID:dLuyLWUB0
132残酷御伽草子(5/6):2006/09/25(月) 00:44:47 ID:dLuyLWUB0
「へぇ……。瑞穂ちゃんのはこういう色をしてるんだ……」

 ぐちゃりぐちゃりと、何かを掻き回す異音。
 勝平が一人で感心しながらナニかを掻き回していた。
 先程と変わらぬ朗らかな勝平の声が薄ら寒く感じられる。

「やっぱり人によって違うのかな? まあ、いいや。それと瑞穂ちゃん。その首輪借りるね? 何かに使えるかもしれないし、君にはもう必要ないよね」

 掻き混ぜていた腕を止め、さらに高く腕を振り上げ、渾身の力で振り落とす。
 それを、何度も何度も何度も何度も何度も何度も繰り返す。
  
 やがて、一仕事終えたとばかりに爽快の汗を流す勝平。

「ふぅ。やっぱり、この鉈あまり役に立たなかったな……」

 真っ赤に塗れ、油が付き、刃こぼれした鉈をその辺に放り投げ、変わりに首輪と瑞穂のバックを拾う。
 首輪は埋め込まれていたため、肉片ごと抉り取った。爆発するという不安もあったが、杞憂に終わったようだ。 
 そして、開け放たれた瑞穂のバックの中身を覗いてみる。

「これは……手榴弾ってやつだよね。うん、これも借りるね」

 手榴弾は三つ。いずれも自分のバックに詰める。
 簡単に身支度をした勝平は地面に広がる凄惨なソレに目を向けることもなく歩き出した。

「さてと、次はどうしようか。朋也クンや春原クンのは、どんなモノなんだろ。楽しみだなぁ……
 瑞穂ちゃんと約束した、香奈子ちゃんに祐介クンとも会わないとね
 うん。椋さんに良い土産話ができそうだよ」

 勝平は笑顔を絶やさず歩き出す。
 背後には、原型を留めていない無残に引き裂かれた頭部が静かに転がっていた。
133残酷御伽草子(6/6):2006/09/25(月) 00:45:17 ID:dLuyLWUB0
 結局のところ、彼女の頭は正常に思考していなかったということになる。
 この異常なゲームで、ニコニコと朗らかに笑っている人間が正常といえるのか。異常だと気付くべきだったのだ。
 何故唐突に自分の支給品など見せたのか。ここで警戒すべきだったのだ。 
 
 彼女があの場で待機してから、勝平が現れるまで実にたったの三分。
 
 だが、恐怖で感覚が麻痺していた彼女には、それは永遠ともいえる時間であった。
 そんな瑞穂に正常な思考力を求めるのは酷だったという話だ。
 


 『柊勝平(081)』
 【時間:1日目午前11時30分頃】
 【場所:C−03(スタート地点付近)】
 【所持品:手榴弾三つ。首輪。他支給品一式】
 【状態:普通。人が集まりそうな場所へと移動】
 【その他:勝平編1話】


 002 藍原瑞穂 【死亡】
134名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:45:23 ID:XBTpE9Zp0
文章が下手。
物書きとしての素質がマジでねーなw
135名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:47:11 ID:NVvidMyS0
うんこはトイレに流しましょう
136RR:2006/09/25(月) 00:50:44 ID:qvSwMYVC0
>>49-51を土台として作成してあります。

 彼は考えた。
 本当の――RR(リアル・リアリティ)――とは何なのかを。

―――理性? 感情? 生死? 有無?

 足りない。
 どれだけ物語を作っても読んでも彼の心が満たされる事はなかった。

 考えども考えども理想の答えが出ない永遠のスパイラル。
 やがて彼の心は一つの狂気に支配されていく。

―――ならば作り出せばいいのだ、自らの手で。
―――どうやって?
―――ありのままの姿を人間が発揮するその時を!

 モニターが暗い部屋の中に明るく映し出されている。
 正面のモニターには全ての参加者が何処にいるのかを首輪に仕込まれた盗聴器が知らせている。
 左右のモニターは各地に仕込まれたカメラからの映像が映し出されている。

「ようやくここまで来た……長かった」

 思えばどれだけ長い道程だっただろう。
 目的が決まれば、彼は全力を尽くした。
 元より有能だった彼は軍部を駆け抜けるように出世し、第三回にしてようやく今大会の企画・主催と言う地位を勝ち得た。
 途中、来栖川の介入と言う誤算はあったが、それも彼にとっては僥倖。
 また面白い要素が加わったものだとしか考えなかった。
 そう、彼にとっては来栖川の姉妹ですら、駒にしかすぎない。
 モニターを見つめる彼のでっぱった頬がニヤリと笑った。
137名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:51:28 ID:NVvidMyS0
またウンコが来たよwwwwwwww
















トイレでやれよ、ウンコはwwwwwwwwwwww
138RR:2006/09/25(月) 00:51:58 ID:qvSwMYVC0
「さぁ、見せてくれ! 君達の本当の真なる姿を!」
「―――そうはさせない」
「ムッ!?」

 総管理室の扉の前に男が一人銃を構えて立っていた。

「ほう、お前は確か……No77那須宗一!!」
「「貴様っ!!」」

 男の横から二人の男が飛び出そうとする。

「おっと、下手に動いたらどうなるか解ってるよな?」
「大丈夫だ。春日諒、滝沢諒助、ここは私に任せろ」
「今すぐ全員の首輪を解放してもらおうか。できるんだろ? そこのスイッチ一つで解除は……」
「クックック……なるほど、流石はNo01のエージェントと噂されるだけはある。
 首輪を外してここまで入って進入してくるとは……」
「御託はいい。とっととこの下らないゲームを終わらたいんでね」
「聞けないと言ったら?」
「あんたを殺して止めるまでだ!」

 ダッ!!

 その言葉と共に宗一は横へ身体を倒し駆けると同時に手に握られた銃を発射する。

「見せてやろう!! 私の力の片鱗を!!
 ―――The RR(ザ・リアルリアリティ)―――」
139RR:2006/09/25(月) 00:53:05 ID:qvSwMYVC0
 瞬間、周りの空間がぐにゃりと変化したように宗一には感じれた。
「じゅ、銃弾が止まっている!?」
 男へと向かっていたはずの銃弾が音もたてず空中で制止している。
 それだけではなかった。
「か、身体が動かない!? こ、これは!!」
「どうだね、これがRRの力だよ……といってもまだ極めていないものだがね。
 この私が形成した空間の間では、RRの属性を持つモノかRRに目覚めたもの以外は動けない」
 見れば目の前の男とそれに付き従う二人は普通に動いている。
 あの二人はRRの力を持つ者という事なのだろう。
「くそっ! 動け!」
「無駄だ! 冥土の土産に私の絶対必殺の必殺技を見せてやろう!!
 ―――受けよ!!」
140RR:2006/09/25(月) 00:53:50 ID:qvSwMYVC0
「とりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
                        ∧_∧
                      <`ш´ >
                       /  (ヽ)
                      l⌒ヽ   .|
                       し ヽ  |
                          ∪
                       | | | |
                        |  |
141名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:54:00 ID:XBTpE9Zp0
> ―――受けよ!!」



月厨だということが判明しました
142RR:2006/09/25(月) 00:54:43 ID:qvSwMYVC0
              ____
              |      |
              |      |
               ̄ ̄ ̄ ̄
                 ヽヽ丶
                  ヽヽ丶
                バッ!!ヽヽ丶
                    ヽヽ丶 ∧_∧
                       <`ш´ >
                    バッ!! ヽつ  つ
                     // ( ヽ  .| バッ!!
                    // / ヽノ.`| |    \
                   // /     .レ  \\ \
                  // /           \\ \
                 // /              \\ \
                // /                  ._______
               // /                   |           |
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        ________ 
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        |           | 
         ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   
143RR:2006/09/25(月) 00:55:24 ID:qvSwMYVC0
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 」

                       ∧_∧
              ____  <`ш´ >
              |      |   つと  ヽ
              |      |    < <\ \
               ̄ ̄ ̄ ̄     ヽ_) ヽ__)
144RR:2006/09/25(月) 00:56:05 ID:qvSwMYVC0
「感感!!」
                      l
                   シュ!∩∧_∧
              ____  <`ш´ >
              | 感感  | lll >  と )
              |      |  < <\ \
               ̄ ̄ ̄ ̄   ヽ_) ヽ__)


「俺俺ェェ!!」
              ____
              | 感感  | シュバ!!
              | 俺俺  | \\ \
               ̄ ̄ ̄ ̄   \\ \
                         \\ \
                          \ ∧_∧
                           < `ш´>⊃-
                           ( つ /
                          / /ヽ >
                          (_/  (__/
145 ◆/EyftfKRBU :2006/09/25(月) 00:57:14 ID:SsTxCZWM0
「さて、なぜこんな状況に置かれているのか」
「……」
「俺も嫌われたものだ」
 男はメガネを指で押さえ、当然か、と冷笑した。
「……」
「出会いがしらに銃をつきつけられるとはな」
「…………」
「……なんとか言ったらどうなんだ、柏木の娘」
 柳川祐也(111)は自分に銃を突きつける少女――柏木楓(18)に冷たく言った。
 しかし楓は表情を崩さない。
 スタート地点8(I-3)に程近い森の中、二人は静かに対峙していた。
 場面にそぐわない清涼な風が、楓の髪を、そしてセーラー服をなびかせる。
 辺りは恐ろしいほどに静かだ。

 まだ、スタートからそう時間は経っていない。先にスタートしたのは楓のほうだった。時間的には、最初の十人ということになる。
 もしかしたら、千鶴や梓、初音、そして耕一が同じ場所からのスタートだとしたら、無闇に動き回るより、ここで待ち伏せたほうが得策だと考えての行動だったのだが……。

(なんで、よりにもよってこいつなの……)

 森の中からスタート場所をうかがい、最初の3分で出てきたのは、顔も知らない女の子だった。自分と同じ年齢くらいで、とても気弱そうな子だった。
 こんな子まで殺し合いに巻き込まれるなんて……と楓は不憫に思い、助力してあげたいと考えたが、やむやむ我慢した。 まずは、みんなに会うことが先決なのだから。
 その甲斐あってか、次に出てきたのは見知った顔だった。
 ――けれど、その男はよりにもよって柳川だった。はっきりいって落胆した。最低最悪だ。
 無視。徹底的に無視。むしろ死ねばいいと視線をはずしたのだが……。
 次の瞬間には、なぜか目の前にいた。 こんなことってありえない。
 しかも
「ぉお奇遇だな、柏木の娘」
 なんて気安く呼ぶものだから、つい、至急品だった拳銃を構えてしまった。
146名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 00:57:41 ID:h2VcxNUs0
自分で面白いと思って投稿してるの?
147RR:2006/09/25(月) 00:58:35 ID:qvSwMYVC0
「そんなこと言われてもォォォ!!」
                                       ________
                                   シャッ!  |  そんなこと    |
                                // /  .| 言われても…… |
                               // /     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                            ∧_∧ /
                           <`ш´ >つ-
                            つ   ヽ
                            (^ `\ \
                             ヽ__)  ヽ_)
148RR:2006/09/25(月) 00:59:18 ID:qvSwMYVC0
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                     ∩∧_∧ タン!
                     <`ш´ >
                       >  (ヽ)
                     /    .)
                    と  ,⌒` J
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
149 ◆/EyftfKRBU :2006/09/25(月) 00:59:44 ID:SsTxCZWM0
「……そろそろ構えをとかないか」
「……」
「もう何分こうしていると思うんだ」
「……」
「さっきも言っただろう? 俺は殺し合いなどするつもりもないと」
「……」
「……それに武器だって外れもハズレ、大ハズレのハンガーだぞ」
 そういって、リュックから取り出したハンガーをくねらせる。
「……」
「これで一体どうしろっていうんだよな。 いや参った」
「……」
 この、馴れ馴れしい態度、ありえない。 柳川はこんな人間じゃない。柳川が話しかけるほどに、楓の警戒心は高まっていく。
「……それに、お前も気づいているだろう」
「……?」
 柳川の急に冷めた口ぶりに、楓は一瞬面食らう。
「まったく鬼の力が働かない」
「……」
 確かに、と。 小さく、楓は頷いた。さっきからどことなく身体が重い。それに、気配を察知する能力にも若干の翳りが見える。 これでは自分達は普通の人間と変わらない。
「こんな芸当ができるなんて、やつら……一体なにものだ?」
 柳川は当てもなく、大空を仰いだ。
「……わからない」
150RR:2006/09/25(月) 00:59:56 ID:qvSwMYVC0
一個抜けましたorz

>>148の前にこれを入れて下さい。

「どうすればいいんだァァァァァ!!」
        ________ 
        |  どうすれば   |   シュン!!
        |   いいんだ   |  | | ||
         ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  | | ||
                     . | | ||
                    l  ∧_∧  l
                    ○< `ш´ >○
                     \    /  
                      |⌒I、│   
                      (_) ノ  
                        ∪
151名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:00:01 ID:XBTpE9Zp0
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152RR:2006/09/25(月) 01:00:21 ID:qvSwMYVC0
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                  ) 日本一の必殺技だと (
                  ) 思っています!!         (
                  ⌒⌒υ⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
                   .ノつ∧_∧
                   \< `ш´ >γヽ
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                   _(~ ̄   〈 ̄~
                   (__`__)~^\ \_
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ (⌒ ) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
153 ◆/EyftfKRBU :2006/09/25(月) 01:00:28 ID:SsTxCZWM0
 とりあえず攻撃してくる心配はなさそうだ、と判断した楓はようやく口を開いた。
 しかし相変わらず銃口の先は柳川の眉間を捉えている。
「それに……お前の持っている銃」
 柳川は楓の持つそれを指差した。
「……?」
「コルト・ディテクティブスペシャル(Colt Detective Special)」
「……コルト・ディテクティブスペシャル?」
「アメリカのコルト社が1927年に開発した38口径の回転式拳銃。使用弾は.38スペシャル弾、装弾数は6発。全長は178mm、重量は約660g」
「……」
 柳川の思わぬ博識に、楓はきょとんとした表情を見せた。
「一応、これでも警察だからな。それにディテクティブの名のとおり、探偵や私服警官用として使用されることが多い」
「…犯罪者のくせに」
「……」
「……」
「それにな、これは前期型なんだ」
「前期……?」
「前期型はエジェクターロッドが剥ぎ出しの銃身を持っていて、現在はほとんど出回っていない代物だ」
「……」
「……いよいよ、こいつはやばい奴らが絡んでいそうだぞ」
「……」
「……日本の警察は動いているのか?」
「……」
「……少なくとも、隆山署の連中は、俺がいないことを不審に思うだろうが……」
「よく喋るのね」
「……まぁな」
「…………」
 揶揄したつもりがまじめに返され、楓は言葉に窮した。

154名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:00:36 ID:XBTpE9Zp0
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155RR:2006/09/25(月) 01:00:51 ID:qvSwMYVC0
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‘ ・. ’、′Σ( ( (  ) ))宗一)ζ Σ( ( (  ) ))  )ζ へγ. ’・.・”; ’、
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    ヽ  γ ((  人    ))   λ λ  ) ((  ( (  (( ))M
 ヽ Σ( ((   ⌒ )  _)\_)\  人  从 ( ソ从へへ)ζ‘:  ;从 /
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156名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:01:10 ID:XBTpE9Zp0
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157 ◆/EyftfKRBU :2006/09/25(月) 01:01:11 ID:SsTxCZWM0

「……俺は、この主催者側の人間を殺す」
 唐突にそういった柳川の目は恐ろしく鋭い。
 『殺す』。柳川が言うと、かなりの凄みがあった。
「……そう」
 しかし感慨もなさそうに、楓は答える。 
「……ハンガーで? 相手はきっと銃を持っているし、爆弾だってある。 それに、奴らの場所だってわからない。 無駄」
 首にかけられたそれを憎憎しげに見つめ、楓は柳川に向いた。
「ほぅ、お前もやけに御喋りじゃないか」
「……そんなんじゃない」
 
 本当はこんなやつ(柳川)は死んでいい。 むしろ、ここで殺してやりたいくらいだ。
 
 けれど、今は一つの共通項でつながっていた。
『こんなくだらないこと、終わりにしてやる』――と。

「……話は終わりだ。 じゃぁ、俺はいくぞ。 こんなふざけた奴ら――この狩猟者が許さん」
 柳川は背を楓に背を向け、歩き出す。
 結局、彼はなにをしたかったのだろうか。私の前まできて、わざわざ自分の考えを述べたりして。
 知ってほしい? 私に? なんの為に?
 様々な疑問が楓を襲う。
 それに、いくら雨月山の鬼の力が流れていても、今二人(厳密には耕一たちを含め6人) は、ただの人間だ。
 いくら柳川が警察官とはいえ、ハンガー一つで大立ち回りが出来るとは考えられない。
158RR:2006/09/25(月) 01:01:28 ID:qvSwMYVC0
 …
 ……
 ………






「さて、これで邪魔者は消えたな」
 後片づけを春日と滝沢に命じると超先生はモニター席へと戻った。
「存分に楽しませてくれ、そして教えてくれ! この私に真のRRというものを!」


【那須宗一】死亡
【所持品は主催側が回収】
159名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:01:44 ID:XBTpE9Zp0
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160名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:02:18 ID:XBTpE9Zp0
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161名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:02:54 ID:XBTpE9Zp0
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162名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:03:28 ID:XBTpE9Zp0
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163 ◆/EyftfKRBU :2006/09/25(月) 01:03:54 ID:SsTxCZWM0
「ちょと――」
 そう思った途端、思わず楓は柳川を呼び止めた。
「なんだ――?」
 おどろくほど素直に、柳川は立ち止まる。 こんな柳川に、楓はすこし不安になる。――嫌な奴なのに。 なぜか今日はそんな気がしない。
「…………」
「用がないのなら行くぞ――」
 一度も振り返らず、柳川は再び歩みだす。
「…………」
 その背中に、なぜだか叔父の姿が重なった。大きくて、でも耕一とは違う……どこか陰のある、さびしそうな背中が。
 たっ。
「――?」
 駆け出す音に、柳川は再び歩みを止めた。
 けれどもすぐにまた歩を進める。
 ひとつだけ違うこと。
 それは、足音が二つあること。
「……ふん、物好きめ」
 薄く、柳川が冷笑した。
 歩みながら、視線も交わさず、二人は言葉を交わす。
「……勘違いしないで。 ……どうせ敵の所在に当てがないのなら、島中を歩きまわらなくちゃならない。 それは、姉さん達を探す私の目的と一致する。 だったら、二人で行動したほうが効率いいし、なおかつ安全」
 淡々と楓は告げる。
「効率はいいかもしれないが、お前は銃を持っているし、俺は別にお前を守ってやることもない。 生存確率が上がるのは、せいぜい俺だけだ」
「……」
「まぁ、お前が持つ銃だけで、十分、敵襲への抑止力には役立つか」
「……そう言ったつもり」 
「……やっぱり物好きだよ、お前は」
 
164柳川の思惑 ◆/EyftfKRBU :2006/09/25(月) 01:05:17 ID:SsTxCZWM0
少し考えた素振りした後、頷く楓に、柳川は鼻で笑った。
「……でも、あなたが変な行動を起こしたら、すぐに殺すから」
 その目は本気だ。 完全には信用されていない。 それは柳川も百も承知だし、別に信頼関係を築こうとも考えていない。
 ただ、薄からずの血縁関係は、この状況下で決して悪ではない。 
「……」
「……」
「……好きにしろ」
 愉快そうに、柳川は表情を歪めた。
 
柏木楓
 【時間:午前11:40】
 【場所:スタート地点(I-3)付近の森から移動中】
 【所持品:コルト・ディテクティブスペシャル(Colt Detective Special)・他支給品】
 【弾数12(内6発は装填)】
 【状況:耕一たちを探す(柳川と行動を共にするが、信頼はしていない)】
柳川祐也
 【時間:午前11:40】
 【場所:I-3の森から移動を始める】
 【所持品:支給品 武器:ハンガー(針金製)】
 【状況:主催者側の抹殺を画策。なぜか柏木楓と行動を共にする】
 【状況2:現在のところ、参加者を殺す考えはない】 

柏木楓・柳川祐也
 【状況:鬼の力制限】

165名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:05:42 ID:XBTpE9Zp0
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166名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:06:17 ID:XBTpE9Zp0
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167名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:06:24 ID:qvSwMYVC0
>◆/EyftfKRBU
ひでぇよ、俺、前の人の投下終わるまで待ってたのにw
168名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:06:51 ID:XBTpE9Zp0
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169異常な愛ふたつ…:2006/09/25(月) 01:07:09 ID:hzZNVyXwO
「瑠璃子……」
月島拓也(066番)はスタートしてからずっと最愛の妹である月島瑠璃子(067番)を探していた。

「瑠璃子…どこにいるんだい?
瑠璃子…君にもしものことが起こった場合、僕はどうすればいいんだい?
瑠璃子…愛しているよ瑠璃子…
お前のためなら僕は修羅にだってなれるんだから…………」
実の妹に対する兄という次元を超えた異常なまでの愛を一人言葉でぶつぶつと呟きながら、拓也は宛て無き道を歩いて行く。


「………月島さん」
そんな彼の姿を影から追う者が一人いた。
太田香奈子(011番)だった。
「………月島さん。やはり私よりも瑠璃子さんを選ぶんですね…………?」
香奈子は自身の支給品であるH&K SMG U――別名MP2000と呼ばれるサブマシンガンを握り締めた。

「ごめんなさい、月島さん…………それでも、私はあなたに私だけを見てほしいんです……私だけを愛してほしいんです……」
そう言い残すと、彼女は拓也とは逆の方向へ駆け出した。
拓也よりも先に瑠璃子を見つけるために。そして、瑠璃子を排除するために……………
170名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:07:25 ID:XBTpE9Zp0
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171異常な愛ふたつ…:2006/09/25(月) 01:07:57 ID:hzZNVyXwO
 月島拓也
 【時間:1日目午後2時過ぎ】
 【場所:I−05】
 【所持品:支給品一式(支給アイテムは後の書き手さんに任せます)】
 【状態:やや錯乱気味。第1優先目標・瑠璃子を探す】


 太田香奈子
 【時間:1日目午後2時過ぎ】
 【場所:I−05】
 【所持品:H&K SMG U(残弾30発)、H&K SMG Uの予備カートリッジ(1つにつき9mm×19の弾が30発入っている)×5、他支給品一式】
 【状態:多分普通。第1優先目標・拓也よりも先に瑠璃子を見つけだし、殺す。第2優先目標・親友の瑞穂を探す】
 【その他:拓也とは反対の方角へ進んでいる】
172名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:08:00 ID:XBTpE9Zp0
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173名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:08:34 ID:XBTpE9Zp0
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174名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:09:08 ID:XBTpE9Zp0
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175名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:10:03 ID:SsTxCZWM0
>167すまんw
176名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:10:48 ID:XBTpE9Zp0
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177名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 01:11:56 ID:XBTpE9Zp0
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178名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 02:00:47 ID:GO6eM6wc0
───菅原神社周辺。森の中。

雛山理緒・上月澪・幸村俊夫・篠塚弥生 死亡。

いずれも開始直後の一方的な射撃によって即死、理緒は頭蓋骨を打ち抜かれ、弥生は銃弾によって
心臓を打ち抜かれていた。

 その中で着替えをしている二人の女性。
 この3名と沢渡真琴らと同じく神社からスタートした、来栖川綾香とHMX-13。セリオである。

「綾香様、これが例の物です」
セリオは自分に支給されたかばんを綾香に渡した。
彼女はその鞄を受け取る。その鞄はパンパンで、いかにも大きい物が入っている事が想像できた。

 綾香はそのかばんの中を開けた。中には黒いスーツみたいな物が入っている。
彼女はそのスーツを外から着込んだ。肩ショルダーや膝のプロテクター等を全て身につける。
なんと言えばいいのだろうか、その姿はまるで近未来の強化兵士である。
頭にはヘルメットとマルチやセリオ等にもある耳パッド。肘や膝には尽く機械のような物がついており
その全身に付けられたプロテクターには『来栖川工業 KPS-U1』という名前。

 その機械のスーツを身に着けると、
「綾香さん、準備は出来ましたか?」と先ほど外した首輪の中から声がした。

「ちょっと待って。今スタート地点の神社まで戻るから。
 見栄えがする場所の方がいいでしょ?何しろ初お目見えなんだからさ」
179U1化する彼女:2006/09/25(月) 02:01:41 ID:GO6eM6wc0
綾香は、セリオを神社の参堂に立たせ、自分は神社の賽銭箱の前に立った。。
神社には日の丸が何本も立てられている。最初から展示用に作られたイミテーションだという事は一目で分かった。
「いいわ、セリオ。回線を本部に繋いで」

そう言うと、セリオの目に向かって綾香は恭しく礼をした。

「陛下を始め、首相そして大臣の方々、久瀬防衛庁長官も・・・お久しぶりです。来栖川工業副社長、来栖川綾香です。」
「これが来栖川工業開発の最新兵器のパワードスーツ、KPS-U1」
「アメリカ開発のパワードスーツを参考にし、さらにわが社独自の福祉介護用・二足歩行ロボの技術等を使用して
 作った最新戦闘用兵器です。」

 綾香はセリオの目に語りかけた。


───首相官邸。

プロジェクター画面の中にセリオが見た画像がリアルタイムで映っている。

綾香:「そして今回ですが、当社のメイドロボであるHMX-13を戦闘用に改造し、機械化歩兵として世界で初めて
   実戦配備に成功、そして当社のKPS-U1と高度無線リンクを行う事により、パワードスーツを着た兵士と機械歩兵の
   合同攻撃を自動的にとれる新システム『ナチュナル・リンク・バトルシステム』を開発しました。」
綾香:「これは、私の脳の思考をパワードスーツ・KPS-U1で自動的に読み取り、それをペアであるHMX-13に自動
   リンクさせる事により私の手足のようにHMX-13が自動的に動くという新システムです。これにより、『息がぴったり
   合った』を超越する最強の攻撃を繰り出す事が可能になるというものです。」

───沖木島
「それでは今回の新兵器の性能をまずお見せ致します」

そういうと、画面の中の彼女は軽やかにジャンブした。そのジャンプは一飛びで一気に神社の屋根まで軽やかに飛んでいく。
セリオは屋根までとんだ綾香のジャンプを見届けてから、自分も同じく綾香と同じ神社の屋根まで飛んでいく。

二人とも一気に10メートル以上飛翔した事になる。
180U1化する彼女:2006/09/25(月) 02:02:29 ID:GO6eM6wc0
 菅原神社の屋根からは島の南北西が見渡せた。

 その眺めを見ながら、綾香とセリオは西の方角に向かって腕を立てた。
 「そしてこれがこのパワードスーツの攻撃の一部です!」

 綾香とセリオは腕を振り下ろすや否や二人の腕から機関銃のように弾丸が発射された。
 二人の弾は森をどんどん森を切り裂いていく。

 20発ぐらい撃つと綾香は攻撃を止めた。
 「100`の重さを担いだ状態で、25kmの速度で走る事が出来ます。これと全く同じ機能を同じくHMX-13が
 保有しており、攻撃の際は指令をする事も無く自分の意思と兵士の癖に従って自動的に計算して息をあわせて攻撃します。」

 「実用性も今回は兼ね備えており、3日間の連続稼動が可能なようになっております。
  今回はこのHMX-13とこの私こと来栖川綾香が、尽く敵を滅ぼすのをとくとご覧頂きます様・・・」

 そういうな否や、スーツから警告音が鳴った。二人は身を隠すと直後に銃撃の音。
 明らかに彼女等を狙ったものだろう。だが攻撃は一切当たってないどころか目標すら補足できてないだろう。

 「敵発砲地点、左30度。銃声はカラシニコフAKS−74U、狙撃地点は75m先」
 セリオはその攻撃の分析を終えていた。
 「だーれだ?一気にいってやるわ」綾香の目が輝いた。

 刹那、二人の影が一気に神社の屋根から消えた。
181U1化する彼女:2006/09/25(月) 02:03:16 ID:GO6eM6wc0
 攻撃したのはNo.46 坂上智代だった。
 この話をどうやら完全に聞いていたらしいが、神社の屋根から飛び降りた2人にあっという間に捕捉されてしまった。

 「あーら、智ちゃんじゃなーい」
 智代は背後にセリオ、前にスーツを着た綾香に一瞬で囲まれた。

 戦うしかない。智代は覚悟した。
 まさか、バトロアを自分の欲望の為だけにやるバカがいた、この軍国政府に仲間を売ったバカがいたなんて
 思っても見なかった。その話を聞いてしまった瞬間発砲してしまったが、このスーツの力を全く予測していなかった。

 「No.46 坂上智代さんですね。死んでください」とセリオはその凶器になっている腕のガトリングガンを向けた。
 だがそれを「ちょっと待って」と綾香が止めた。

 「アンタ、格闘できるんでしょ」
 「なに?」
 「見ての通りよ。こんなスーツ着こんだ状態で銃器つかったらさぁ・・・ハンデ大有りじゃん?だからさ…」
 「ケンカでぇ、殺してあげる」

 相手はパワードスーツだという。という事は銃弾攻撃もほとんど効果無しだろう。
 だが、格闘…関節技なら、相手は二人だが。ひょっとしたら勝機があるかも…そう智代は判断したの『だろうか。』

 瞬間、綾香がジャブを繰り出してきた。それをのけぞって交わす智代を間髪いれずにセリオがボディブローを放つ。

 意識は遠のく。だがこうなったらやるしかない!
 智代は体勢を立て直し、戦闘態勢に入った。ケンカなら誰にも負けはしないという自負。

 しかし何故か、綾香とセリオはお互いに背中を合わせたファイティングポーズをとった。
 囲まれているのでもないのに、智代を横に見るこの構えは変だ。防御しにくい。
 だが、智代は綾香に全力攻撃を仕掛けた。綾香相手に怒涛の64Hit、のはずだった。
 しかし、その攻撃は全て、綾香とセリオの腕で弾かれた。

 ──ばかな!私の連続攻撃が尽く受け止められただと!しかも二人で!
182U1化する彼女:2006/09/25(月) 02:04:30 ID:GO6eM6wc0
──東京。

官邸はセリオからリアルタイム送られてくる画像に沸きかえっていた。まさに異様な光景だからだ。

何十発も綾香に向けられた攻撃が、セリオの手と綾香の手が全て防がれた。
しかもその動きに全く無駄が無い。まさにセリオが防いでない攻撃を選んで綾香が全て素手で受け止めたのだ。

「普通、こういう接近戦での集中攻撃を2人で無駄なく完璧に止めるなんて芸当は無理だ」
 久瀬防衛庁長官が驚きの声を上げた。
 今度は綾香側のパワードスーツの中に仕込んである視点で再度検証する。
 まるで二人の手の動きが千手観音の手のように、しかも無駄なく彼女の攻撃を全て防いでいた。

「恐ろしい動きです・・・息が合うどころの話ではありませんな。」

これが来栖川工業新開発のナチュナルリンク・バトルシステムというものなのだろう。
 ヘンな話になるが、『一人の場合は』智代の64HITを防ぐのも、本人が見切れれば出来る。
一人の脳、一人の判断で体を動かすからだ。したがって判断が混乱することは無い。
 だが、こう2人で狭い所で防御すると、船頭が多くなって逆にお互いがお互いの腕をジャマしてしまう。

それが一切この防御には無かった。まさに2人の4本の腕と4本の足でお互いをジャマする事無く
智代の攻撃を『完璧に』防いだのだ。

完全に綾香の意思をコンピューターで予測してセリオが綾香の体の一部のように動く。
そして、まるで一つの頭から4本の腕と4本の足が同時に動くように、今この智代という娘の攻撃を二人が弾き返した。
セリオは今、完全に綾香の体の一部になっている。
そしてセリオの動きを予測して、綾香のスーツも自動的に動く。しかも綾香の意思を損害しない程度に。

 画面ごしに、智代の顔が映る。
 2人がかり、しかも初めて見た相手、しかもその相手の薄気味悪さに、絶望とも恐れともとれる表情をしている。
 彼女もケンカは素人ではない。
 少なくとも、この極限状態で異常なものと戦っている、その事だけは分かったのだろう。
183U1化する彼女:2006/09/25(月) 02:07:07 ID:GO6eM6wc0
──沖木島
「じゃあ、こちらから攻撃と行きましょか」
 こういうと、セリオと綾香が同時に身構える。

智代:「お前たちは・・・二人がかりで私を殺す気か!貴様はバリャドリードだかなんだかの選手だろ!一人で勝負しろ!」
綾香:「そういうわけにはいかないのよ。智ちゃん」
綾香:「これはね・・・実験。お前は被実験体なのよ。だから、まあ頑張ってお国の為に」
二人:「氏にな」

言うやいなや。
綾香が一気に智代の頭を、セリオが一気に智代の足を押さえ込み、2人同時に智代の体を関節技で捻った。
智代の体の骨・・・しかも首と背骨が、同時にねじ切れた。智代にも自分の血管や神経がぶち切れた音が…分かった。

 その直後、二人がまた同時に、智代を空中に蹴り上げた。
 パワード強化された二人の同時の蹴り。首と背骨と足が捻じ曲がった智代の体は
 森の木の上、空中10メートルぐらいの高さまでぶっとんだ。そして

「グッバイ」×2

 体勢を立て直しつつ綾香とセリオは、空中の彼女の頭と心臓に腕からの銃弾の嵐を浴びせる。
 綾香の腕から放たれた銃弾が智代の頭を、セリオの銃弾が智代の胸を同時に蜂の巣にし、
 顔も、服が破け露出した乳房も砕け散り赤く花火の様に蒼空に散った。
 下半身どころか子宮まで露になったその無残な姿はリアルタイムで東京にも配信された。
 それが彼女の最期。

 46番 坂上智代 死亡。

 【時間:1日目午前12時30分頃】
 【場所:菅原神社近く】
 【所持品:カラシニコフAKS−74U、首輪。他支給品一式】
 【状態:逃走中だった】
184名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 09:36:33 ID:hzZNVyXwO
000→001→003→004→005→007→009→011→012→013→014→015→016→017→018→020→021というルートで続きを投下
185危険承知のSOS信号:2006/09/25(月) 09:38:45 ID:hzZNVyXwO
「殺し合いか……ふん。くだらんな」
高槻(062番)は面倒臭そうに言葉を吐き捨てた。
「だいたい120人もの人間を集めて殺し合いをさせるという参加者の理由がわからん」
ぶつぶつと愚痴を吐きながら高槻は林の中を前へ前へと進んで行く。

(しかも支給品は熊のぬいぐるみときたもんだ。
まったく、ナイフや銃とかなら少しはやる気が出たものを………)
そう思いながら彼は自分のバッグから顔を出している大きな熊のぬいぐるみを見た。

「これでは暇つぶしも………むっ!」
その時、彼は人の声を耳にした。
(―――早速敵さんのおでましか?)
高槻は木影に身を隠すと耳をすませる。

(人が二人……一人は子供。もう一人は女か………)
これならこっちにも勝機はある。
女とガキが相手なら油断しないかぎりまずこっちがやられはしない。
そう判断した高槻は影を潜めながら声の方へ近づいていった。
186危険承知のSOS信号:2006/09/25(月) 09:41:23 ID:hzZNVyXwO

「誰かー!」
「手を貸してくださーい!!」
小牧郁乃(044番)と立田七海(065番)は片輪が溝にはまってしまった車椅子に悪戦苦闘していた。
車椅子の左のタイヤは木の根と根の間にジャストフィットとばかりに挟まっていた。
それなりの力さえあれば抜けるだろうが、体の弱い郁乃と子供の七海との力ではタイヤはまったく抜ける気がしなかった。
そのため、二人は近くにいるかもしれない第三者に助けを求めるていたのだ。


「なんという馬鹿だ…
あれでは敵に居場所をさらしているようなものだ」
その様子を見た高槻は目の前の二人組の無能さに呆れ果てた。
(見たところ、どちらもまともな武器は持ってなさそうだな…)
重器や刀剣類を持っていたら素人の体の重心は傾く。
二人は重心がやや傾いてはいるが、あれはバッグの中の水と食料などの重みによるものだろう。
(――だが、拳銃やナイフの類を保持している可能性は否定できないな。しばらく様子を見るか。
それに………)

「誰かー!」
「お願いしまーす!」

(見ているだけでもいい暇つぶしになる…)
まだまだ発育途中だが、どちらもいい体付きだしな、とも思いながら高槻はくっくっくと笑った。
187危険承知のSOS信号:2006/09/25(月) 09:42:26 ID:hzZNVyXwO

 高槻
 【時間:1日目午後2時過ぎ】
 【場所:D−07】
 【所持品:熊のぬいぐるみ(やや大きめ)、他支給品一式】
 【状態:普通。しばらくは様子見】


 小牧郁乃
 【時間:1日目午後2時過ぎ】
 【場所:D−07】
 【所持品:支給品一式(支給アイテムは後の書き手さんに任せます)、車椅子(左片輪が溝にはまっている)】
 【状態:やや疲労。悪戦苦闘】


 立田七海
 【時間:1日目午後2時過ぎ】
 【場所:D−07】
 【所持品:支給品一式(支給アイテムは後の書き手さんに任せます)】
 【状態:やや疲労。悪戦苦闘】
18810:2006/09/25(月) 10:14:46 ID:ECbGaI9n0
じゃあ出来たので書き込みます。
000→001→003→004→005→007→009→011→012→013→014→015→016→018→020→021→023
のルートで続きを。
189No.24 地獄の女狐:2006/09/25(月) 10:15:54 ID:ECbGaI9n0

リサヴィクセン(119)はスタート近くの繁みの中にいた。
(Hu…… エージェント一生ものの不覚ね)
寝ている間に全く知らないところに連れて行かれるとは。
はっきり言って殺された所で文句は言えない。
しかし……これは……
あの兎が言っていた事を信じるならこのゲームで生き残れるのは一人だけ。
そしてこの殺し合いの主催者は『色々と期待している』と。
こんな馬鹿げた事を楽しむ者の名を彼女は一人だけ知っていた。
そしてこんなことが出来そうな者も他にはいなかった。
(……篁)
篁はこのゲームに参加していた。
参加者として。
そして、一人だけ生き残れる。
考えれば考えるほどに符合する。
(宗一がいて……醍醐がいる……)
もしこれが本当に篁のゲームであれば醍醐は出会う端から殺すだろう。
いつも持っている武器は全て無くなっていた。
隠し武器までもだ。
手に入ったものは恐らく鉄芯の入ったウッドトンファー。
このゲームで生き残るためには主催者をどうにかしなければならないだろう。
しかしこの装備で篁に太刀打ちできるとは万に一つも思えない。
(何とか宗一に会って協力を仰がないと……)
宗一がこんなゲームに参加するとは到底思えない。
190No.24 地獄の女狐:2006/09/25(月) 10:17:47 ID:ECbGaI9n0

(それにしても……酷い事を……)
このリストを見る限り、同姓のものがかなりいた。
伊吹……来栖川……姫百合……古河……特に柏木……
(家族で殺し合わせると言うの?)
柏木なんて五つも在る。
家族を一つ丸々連れてきたのだろうか。
(篁っ……!)
許せない。
こんなことをして高みから哂っているなんて、絶対に許せない。
(パパ……ママ……今からそっちに篁を送るから……)
地獄の女狐が、動き出した。

リサヴィクセン
【時間:一日目正午頃】
【場所:E-08】
【持ち物:デイパック、鉄芯入りウッドトンファー(ランダムアイテム)】
【状態:篁を主催者と考えている。殺し合いの意思は無い。が、狙われる身である事は常に考えている。宗一を探す】
【その他:実際の主催者は書き手さんに任せて】
191名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 10:27:53 ID:hzZNVyXwO
統合スレにも書き込みましたが、訂正
正しくは000→003→004→005→007→009→011→012→013→014→015→016→017→018→020→021ルートの続きです
001は消して
192名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 10:36:04 ID:hzZNVyXwO
あ、あと001の続きでもある016も消してください
193狂愛:2006/09/25(月) 11:56:14 ID:PNbnA1u+0
000→001→002→003→004→005→006→008→010→011→012→013→014→015→016→017→018→019→020→021→022→023→024

「待ってろ愛佳!」
森に囲まれた湖で河野貴明は叫んだ。
愛する者を守るために彼は走り抜けていく。
(こうしてはいられねぇ! はやく……はやく愛佳を)
一刻でもはやく彼女を探さねばならぬ、せめて街の所までいけば人は集まりやすいはず。
普段の彼ならもう少し冷静に考える所だったが、今の彼は焦燥感に捕われていた。
「絶対に俺がッ……「パン」
ドサリ。
貴明の身体が倒れる。
額からドクドクと真っ赤な血が流れて辺りに赤い池を作っていく。


「上手くいったわね」
そことは遠く離れた場所の木の上に一人の女性がいた。
「思った以上に扱いやすいわ、これ」
カチャリ、と銃を下ろす。
まだ仕留めた獲物の側には行かない。
自分が一番最初にスタートできたのは不幸中の幸運だった。
所持品を奪いにいくのは、このスタート地点から出てくる参加者をあらかた始末し終えてからだ。
「この私の手が汚れても。
栞、あなただけは必ず生き延びさせて見せる」
194狂愛:2006/09/25(月) 11:57:41 ID:PNbnA1u+0
42 河野貴明死亡
【時間:一日目正午頃】
【場所:D-04】
【持ち物:支給品一式ランダムアイテム不明】
【状態:死体】

99 美坂香里
【時間:一日目正午頃】
【場所:D-04】
【持ち物:Remington Model 700Pol装着数4 残弾数51、支給品一式】
【状態:スタート地点からおよそ800m離れた位置の木の上で待機】
【その他:D04から出てくる参加者の中で仕留めれそうな者を狙撃。その後安全を確認して死体を回収。栞を生き残らせる。】
195狂愛:2006/09/25(月) 11:59:45 ID:PNbnA1u+0
訂正
【持ち物:Remington Model 700Pol装着数4 残弾数51、支給品一式】

【持ち物:Remington Model 700Police装着数4 残弾数51、支給品一式】
196名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 12:43:37 ID:1z/QiPN30
投下します。
前提となる話は無いので、アナザーにするかどうかは他の人にお任せ。
197風子とスペツナズナイフ(1/2):2006/09/25(月) 12:47:40 ID:1z/QiPN30
 参加者の多くが人目を避けて林や建物の中に逃げ込もうとしていた中、一人悠然と砂浜を歩く老人がいた。
 この男こそ世界の支配者に最も近い男、篁財閥総帥だった。
 彼もまた本来の力を封印されていたが、銃器で武装した人間ごときはどうにでもあしらえるだけの力をその身に残していた。
 油断さえしなければ、むしろ見晴らしのいい場所の方が彼には有利だった。
 彼は今、もちろんただ漫然と散歩しているわけではない。
 この島にかけられている術を見極めるための探索を行っているのだ。

「しかし……この私を強制的に転移させ力まで封じるとは……」

 このような芸当ができるのは、理会者の手の者……いや(同じことだが)、自分の同類、理外の者か。
 世界各地の神話や伝承の中に怪物や悪魔、あるいは神として名を残している同類の中には自分の知らない強者がいても不思議ではない。
 この催しの名簿に奈須宗一の名前があったことから、その意図も推測がつく。

 “敵”についての考えを巡らしながら歩いていると、遠くの砂浜に座っている少女が目に入った。
 この状況で無防備にしゃがみ込んでいられるのは自分と同じよほどの強者か、さもなければ正常な判断ができなくなった人間かだ。
 篁はまず前者である可能性を考え、それ以上近づくことなく相手を観察した。

(……霊体か。随分と密度の高い高級な霊質を備えているようだが力は人間と変わらぬようだな)
 自分に仇為す存在ではないと判断した篁は、僅かでも力を取り戻す糧になるかもしれないと考え少女に近づいて行った。

 シュッ……シュッ……。

 少女は気付かないのか、篁がすぐ側に寄っても顔を上げず、小さな手に余る大きなナイフでぎこちなく木を彫っていた。
 時々手を切っては「んー……」と顔をしかめ、それでも懲りずにナイフを握り直す。

(ふむ……)
 芸術的にはまったく見るべき所の無い素人の拙い木彫り。
 だがそこには、篁の関心を惹くに足る“人の強い想い”が感じられた。

「わっ…」
 また指を切ったのか少女が声を出した。
198風子とスペツナズナイフ(2/2):2006/09/25(月) 12:50:42 ID:1z/QiPN30
 刃が深々と――篁の胸に突き刺さっていた。

「こ……こんな……」

 心臓を貫かれた篁は己の肉体が死んでいくのを感じた。

 ……普段であれば人としての死など物の数ではない。
 だが、今だけは、大部分の力を封じられた今だけは別だった。
 今ここでうつし世とのつながりが断たれれば、一旦はこの世界からの完全な撤退を強いられることになる。
 摂理の外にある存在である彼も、摂理を超えた所にある摂理、より上位の世界のルールには従うしかなかった。

(再び……数百年もの間……時を窺わねばならぬのか……オ……ノ……レ……)

 こうして世界は当面の危機から救われた。

「……なんか飛びました」

063 篁 死亡

008 伊吹風子
【時間:一日目1時頃】
【場所:C-02の砂浜】
【持ち物:スペツナズナイフの柄(刃は篁の胸に刺さったまま)、彫りかけのヒトデ、支給品一式(水は重いので捨てた)】
【状態:ナイフの刃が無くなって混乱中】

【その他】
・風子のスタート地点はA-2(岬)
・篁のスタート地点はG-3(平瀬村分校跡)
・篁の武器と荷物は死体の側で放置。
・スペツナズナイフの刃はたぶん戻せません
199森の王:2006/09/25(月) 12:59:49 ID:zQijU5HS0
000→001→002→003→004→005→006→008→010→011→012→013→014→015→016→017→018→019→020→021→022→023→024→
025→026→取り合えず被ってるの以外は全部ルートに乗ってみるが前提の話はないので026と同じようにどのルートにでも好きに組み込んでくれ

 ガルルルルルルゥ……
 一匹の獣がクチャクチャと音をたてながら咆えた。
 グルル……
 袋から飛び出すや否やこの獣は直ぐさま持ち主とされたものの喉を食い破った。
 袋の大きさ以上の物体がどうやって収まったのかという毎度の疑問だが、きっと主催ならではの不思議な力で詰め込んだのだ。
 
 ウォォォォォォ
 獣は咆える。
 次なる獲物を探すために。

 久寿川ささら死亡
 【時間:1日目午後2時過ぎ】
 【場所:I−07付近の森の中】
 【支給品:ムティカパ様】
200名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 13:03:41 ID:zQijU5HS0
更にミスって訂正前のはっつけちまった!
【時間:スタート直後】で!
20110:2006/09/25(月) 14:29:24 ID:ECbGaI9n0
出来ましたー。
貴明死なれると困るので025とは真っ向から対立しますが……
後さっき提示したルート
000→001→003→004→005→007→009→011→012→013→014→015→016→018→020→021→023
変更します。
000→003→004→005→007→009→011→012→013→014→015→018→020→021→023→024→026
と言うことに。
001を消して続く016も消しました。
書いた人、ごめんなさい。
202No.28 やさしいひと、あまいひと:2006/09/25(月) 14:31:16 ID:ECbGaI9n0

(不味い……不味い……)
河野貴明(042)はこの状況に混乱していた。
が、それ以上に誰かを殺さないと生き残れないというこの状況に恐怖していた。
誰が自分を狙ってくるか分からない。
親友が自分を狙ってくるかもしれない。
恋人が自分を殺そうとするかもしれない。
これ以上の恐怖があるだろうか。
だから、遠くから聞こえてきた声に過剰に反応してしまった。
「うわぁぁぁぁぁああっ!!」
しまった。
こちらの場所がばれてしまった。
逃げなくては。
何処に?
何処でも良い。
ああしかし逃げた先にさっきの人がいたら出もここにいたら殺される殺されるころさ
「浩之さんですかっ?」
「うわぁぁぁぁあっ!!」
「はわっ!」
目の前に来た女の子が涙目で転んだ。
それで少し落ち着けた。
自分を殺そうとする人は目の前まで来て転んだりはしないだろう。
「ごめん。驚かせちゃったね」
「いえ……あの! 浩之さんとセリオさんを知りませんか?」
浩之……セリオ……?
「ごめん。知らないや」
「そうですか。ありがとうございました」
203No.28 やさしいひと、あまいひと:2006/09/25(月) 14:32:10 ID:ECbGaI9n0

目の前の少女は行こうとする。
「あ、ちょっとまって」
「はい?」
素直に振り返る。
この人は俺が自分を殺すとは思わないのだろうか。
(まぁ腰抜かして悲鳴上げる人が自分を殺すとも思わないか)
「なんですか?」
「えっと、さっき言ってた人を探してるの?」
「はい! 浩之さんとセリオさんです」
「もしかしてさっきからその二人の名前を呼びながら歩いてた?」
「はい!」
「危ないよ!」
「はわっ!」
目の前の少女はびくっと竦む。
「あ……ごめん……でも、危ないよ。君を殺そうとする人が寄って来るかもしれない」
「そうなんですか?」
「君もあの兎の説明聞いてただろう?最後の一人まで殺しあわせるって」
「はい……でも! 浩之さんもセリオさんもそんなことしません!」
「だから君の声を聞いて君を殺そうと寄って来る人がいるかもしれない」
「あっ!」
気付いてなかったのか……
「ど、どうしましょう……」
目の前の少女はおろおろと忙しなく動いて混乱していた。
204No.28 やさしいひと、あまいひと:2006/09/25(月) 14:33:05 ID:ECbGaI9n0

(俺は……人を殺せるだろうか……)
目の前の少女を見ていて思う。
(こんなにも無防備な少女を、俺は殺せるだろうか)
……………………無理だ。
「ねぇ、君」
「はい?」
「俺もさ、人を探したい」
目の前の少女が泣き止む。
「君は、俺を殺すかい?」
「っ! いえっ! そんなことは!」
「俺も、君を殺さない。ねぇ、一緒に行かない?」
多分この少女とここで別れたらこの少女は又無防備に探し回るのだろう。
「信じられるかは分からないけど……一緒に、探そう?」
見捨てることは、出来なかった。
少女は暫くポーっと貴明の顔を見ると、
「はいっ! おねがいします!」
と、元気に答えた。


「君の名前は?」
「HMX-12 マルチと言います。よろしくおねがいします」
「俺は、河野貴明。じゃあ、行こうか。今度は静かに、ね」
「はいっ!」
205No.28 やさしいひと、あまいひと:2006/09/25(月) 14:33:47 ID:ECbGaI9n0

河野貴明
【時間:一日目午後一時頃】
【場所:I-10灯台付近】
【持ち物:デイパック】
【状態:健康、マルチと行動、人探し(誰を探すかは書き手さんに)】

マルチ
【時間:一日目午後一時頃】
【場所:I-10灯台付近】
【持ち物:デイパック】
【状態:健康、貴明と行動、浩之とセリオ探し】
206名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 15:52:40 ID:BToWgqqP0
000→001→003→004→005→009→010→011→012→013→014→015→016→017→018→020→021→023→024→025→026→027
初代やUと同じルールの場合を作ってみるルートで投下します。
(なので主観になってしまいますがネタ過ぎる話は除外しました、ごめんなさい。
20729鬼ごっこ開始:2006/09/25(月) 15:53:48 ID:BToWgqqP0
 エリアF-03、スタート地点の一つであるG-03の分校から北へ行った場所。
 19番柏木耕一が道から外れた場所にいた。
「無理か」
 何度気合を入れても、体の奥に眠る鬼の力を呼び覚ませない。
「あいつらが言っていた通りか」
(手や肉体の一部すら変化なしはきついな)
 それでも一般人に比べれば身体能力は補正が効いて高い方なのだが、バトルロワイアルにおいては決して有利な条件ではない。
 知恵と支給されたアイテム、そして運次第でいくらでも覆す事は可能なのだから。 
「これで諦めてたまるか。はやく千鶴さん達と合流しないと」
(こうしてる間にも生き残りをかけてゲームに乗った参加者が動いてるに違いない……
 力が殺がれた楓ちゃんに初音ちゃん、千鶴さんや梓だって絶対に無事とは言い切れない)
「くそっ、せめてスタート場所が同じだったら良かったのに」
 
「へ、変態ー!!!」
 突然、甲高い悲鳴が沸きあがった。
 それと共に少女は背中を見せ一目散に走りさっていく。
「しまった!」
(わざわざこのために道を外れたのに)
 耕一はそう思った。
 なぜなら、彼は万が一の事を考えて鬼の姿になれた時のために服を脱いでいたからだ。
 急いで最低限の服を着込むと耕一は誤解を解くために少女の逃げていった方へと耕一は走った。
(と、取り合えず、何とかして誤解を解かないとまずいことに)
 誤解が広まれば最悪、変質者としてゲームに乗ってない参加者からすらも危険人物として付け狙われる可能性がある。
 それで死んだなんて結末がくるのだけは耕一も真っ平ごめん。
20829鬼ごっこ開始:2006/09/25(月) 15:54:30 ID:BToWgqqP0
(あぁ〜、どうしよう、いきなりだったもんだから声出しちゃったじゃないのよ)
 一方耕一の裸体を見て走り去った少女は、71番の歩くガセネタ長岡志保。
 この少女に見られたのは耕一にとって今大会中最大の不幸に間違いない。

 かくして一人の男を名誉を駆けた鬼ごっこが始まった。

 19:柏木耕一
【時間:一日目正午】
【場所:F-03】
【持ち物:不明】
【状態:少女(長岡志保)を追跡中】

 71:長岡志保
【時間:一日目正午】
【場所:F-03】
【持ち物:不明】
【状態:男(耕一)のいた場所から逃げる】
209名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 15:55:51 ID:yWMwYKLL0
これまでの作品で見つけたいくつかの誤字や修正箇所をあげてみます。

012 惨劇に挑め!
>つまり30分の1た。
「つまり30分の1た。」→「つまり30分の1だ。」
>それは、このゲームにおいては只の甘ちゃんな考えでもあり、逆に恐ろしい考えでもあった。
「只の甘ちゃんな考えでもあり、」→「只の甘ちゃんな考えではあるが、」


022 危険承知のSOS信号
>そのため、二人は近くにいるかもしれない第三者に助けを求めるていたのだ。
「求めるていたのだ。」→「求めていたのだ。」
21010:2006/09/25(月) 16:05:31 ID:ECbGaI9n0
じゃあ自分で見つけた修正箇所を

No.4 姉妹愛〜姉〜
急いで飛び出しす。 →急いで飛び出す。

No.28 やさしいひと、あまいひと
……さっきの人がいたら出もここにいたら……→……さっきの人がいたらでもここにいたら……

今気付いたのはこんだけ。
ちゃんと見直さないとなー……
211うさぎさんとたぬきさん(1/4):2006/09/25(月) 16:21:32 ID:dLuyLWUB0
「みまみま」

「……」

「みまみま」

「…………」

「みまみま」

「…………えっと」

 なんだこれは? 
 そう思わずにはいられない光景が吉岡チエ(117)の前に広がっていた。
 始めは、こんな荒唐無稽なゲームに放り込まれたことは、なにか壮大な冗談に思えたが、支給されたものを見て納得せざるを得なかった。
 刃渡り三尺の日本刀。鞘から抜いて見た限り本物でもあった。当然、チエのような非力な女性には持ち上げるだけで精一杯であったが。
 それに銃声っぽい音までも聞こえてくるのだ。これを、ただのゲームだと決め付けるのは余りにも危険すぎた。
 だから、最低限人に見つからぬよう、抜き足差し足忍び足とばかりに常に警戒をして移動していたというのに。
 木々のざわめきや、ただの物音に恐怖で身を震わせながら移動していたというのに。

(なんでこの人は呑気に牛丼なんて食べてやがるんスか―――!!)

 チエが全力で突っ込みたい衝動を我慢している傍らでは、黙々と牛丼を口に運ぶ川澄舞(028)。
 この状況を傍から見れば、非常にシュールである。
 チエは勿論のこと、舞自身もチエの存在は認識しているはずだが、最初に現れたチエに対して一瞬だけ視線を寄越しただけで、今は牛丼に没頭している。
21230 うさぎさんとたぬきさん(2/4):2006/09/25(月) 16:23:29 ID:dLuyLWUB0
(というかこの人、ここがどこだか分かってるんでスかね。こっちを警戒している素振りすら見せないし……)

 現実を受け入れられないのか、もしくは単純に能天気なだけなのか。一先ず、現状打破の一歩として声を掛けることにした。 
 
「えっと。聞きますけど……何をしてるんスか?」
「…………みまみま」

 一度箸を止めた舞は顔を上げてチエをチラリと一瞥するが、すぐさま牛丼の攻略に取り掛かる。
 チエは頬を引き攣らせた。彼女が顔を上げて目を合わせたときに、確かに言いたいことは伝わった。
 即ち、見れば解るだろう、と。

(くあぁぁ!! 牛丼食ってる? んなこたぁ解ってんだよ! 人がせっかく話を振ったというのにっ)

 それでも、気を取り直して話を振る。

「移動、しないんスか? いつまでも留まってると危ないと思いますよ?」
「…………みまみま」
「え、え? 無視っスか……」
「ぽんぽこたぬきさん」
「た、タヌキ!? 今度は人のことをタヌキ扱いっスか!?」
「……? ぽんぽこたぬきさん」
「あーーー!? 二度も言ったスね! しかもぽんぽこって!?」
「うるさい。少し黙ってる」
「きぃぃぃ!!」

 チエが地団駄を踏んでいる尻目では、やはり舞は牛丼を食している。箸を止める気はないようだ。
 だが、飽きずにチエが暴れまわるおかげで砂埃が起こり、舞が嫌そうに顔を顰め、渋々と箸を止める。
21330 うさぎさんとたぬきさん(3/4):2006/09/25(月) 16:24:14 ID:dLuyLWUB0
(あ……。お、怒らせちゃった……? で、でも! あたしは悪くないっスからね!)

 舞が逆切れを起こしたと思い身構えるチエだったが、舞はその様子を気にも留めず、おもむろに自分のバックの中に手を突っ込んだ。
 そして、一つの容器をチエへと差し出した。

「……ん」
「へ? く、くれるんすか?」

 コクリと頷く。
 チエに容器を強引に押し付けると、再び牛丼に没頭する。
 これも意訳すると、牛丼やるから黙ってろ、だ。

(け、ケモノかあたしは……)

 釈然としない思いに駆られつつも、チエは舞の横へと腰を下ろして牛丼を食べ始める。
 丁度、空腹でもあったので好都合と思うことにした。

「みまみま」
「もぐ……もぐ」
「みまみま」
「もぐ……もぐ。……あの、もしかしてこれが支給品スっか?」
「はちみつくまさん。一週間分」

 そう言って、バックの中身を広げて見せた。
 この際動物発言は無視だ。とりあえず覗くと、はちきれんばかりに牛丼容器がバックに詰められていた。ご丁重に、割り箸も数十膳。
 しかし、一週間分といったって―――

「でも、牛丼が一週間も持つはずないっスよね」

 あはは、と場を和ませるために笑い飛ばした一言に舞は硬直する。
 箸を持つ手がブルブルと震えた。
21430 うさぎさんとたぬきさん(4/4):2006/09/25(月) 16:26:47 ID:dLuyLWUB0
「…………」
「え〜と。まさか?」
「…………盲点だった」

 ダメだコイツ。一瞬ホンキでそう思った。
 だが、舞が強く箸を握り締めてチエに向かって宣言する。

「食べる」
「……マジで?」

 コクリと強く頷いて、舞は牛丼が入ったバックを二人が手を伸ばせる位置へと自然に移動させた。
 眼前に立ち塞がる、牛丼一週間分。

「鮮度が落ちる前に全部食べる」
「あ、あたしもっスか!?」

「はちみつくまさん」

 コクリと、一層と強く頷いた。


 『川澄舞(028)』
 【時間:1日目午後1時頃】
 【場所:G−04】
 【所持品:牛丼一週間分(割箸付き)。支給品一式】
 【状態:普通。まずは牛丼制覇】
 
 『吉岡チエ(117)』
 【時間:1日目午後1時頃】
 【場所:G−04】
 【所持品:日本刀。支給品一式】
 【状態:普通。済し崩しに牛丼制覇】
215名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 18:40:25 ID:yWMwYKLL0
全ルート共通に使用可能なシナリオ投下
216ランナウェイ (1/4):2006/09/25(月) 18:44:33 ID:yWMwYKLL0
ゲームが始まって30分ほど経過した頃。
住井護(059番)は友人・知人を探していた。

「折原や長森さんたちは無事かな……?」

この島には安全な場所なんてまずないだろう。
いつ、どこから自分たちの命を狙う敵が現れるかわからない、
生きるか、死ぬか、ただそれだけを決める死神が彷徨っている地獄の箱庭(ミニチュア)。
そんな場所に今自分たちはいるのだ。
だが、僅かでも現状を打破することくらいは出来るだろうと考え、彼は仲間を集めて迫り来る敵に少しでも対抗しようとした。

一人ではこのゲームではまず生き残れないだろう。しかし一人でも多くの同士と行動できれば生き残れる確立は少しでも高くなるはずだ。
ゲームに乗る、乗らないということよりも、今は生き残るほうが大事だというのが住井の考えである。

(人間とは思えないやつもいるってあのウサギは言ってたけど、いったいどんなやつなんだ……ん?)
住井がそのようなことを考えていると、物陰から一人の男が姿を現した。
岡崎直幸(013番)だった。
彼は体中のいたるところに深い傷を負っており、そこから大量の血を流していた。
住井の姿を確認すると直幸はバタリとその場に倒れた。
217ランナウェイ (2/4):2006/09/25(月) 18:45:16 ID:yWMwYKLL0
「! 大丈夫か!?」
住井が駆け寄って見てみると、直幸は今にも死にそうな状態であった。
「しっかりしろ!」
「も…もう私はだめだ……君だけ…でも……逃げるんだ………」
「馬鹿いうな、死にそうな奴を放っておけるか!」
「逃げろ……逃げるんだ…………」
そう言うと直幸は口から大量の血をごぼっと吐き出し息を引き取った。
「お…おっさん!
………ちくしょう」
住井はそう呟き地面を一度叩くと、直幸のバッグに手を伸ばした。
(使えそうなものがあったらもらっていこう……)
そう思っていた瞬間、すぐ後ろに人の気配がした。
「!」
振り返るとそこにはナイフを逆手に持つ朝霧麻亜子(003番。以下まーりゃん)の姿があった。
彼女は直幸とは逆で、制服のいたるところに返り血を浴びていた。


「あ〜キミキミ、困るな〜。それはあたしが貰おうと思っていたものなのに〜……」
「まさかお前が………」
「そうだよ〜。その人なかなかしぶとくてさー。ちっともやられてくれなかったんだもん」
「…………」
――まずいまずいまずい。
住井の頭の中ではその言葉がしばらく繰り返された。

(この女は危険だ。俺がまともに戦って勝てるかどうかはわからない………
俺との距離はせいぜい5メートルぐらい……ならばここは…………)
住井はこっそりと腰に手を伸ばし、そして、そこに隠していたあるものをまーりゃんに投げつけた。
218ランナウェイ (3/4):2006/09/25(月) 18:46:01 ID:yWMwYKLL0
「くらえ!」
投げナイフ―――住井に与えられた支給品だ。
住井は5本あったうちの1本をまーりゃんの顔めがけて投げつけたのだ。
しかし、住井は所詮素人だ。投げたナイフはへろへろな弧を描きながらあっさりとかわされる。
だが、それこそ住井の狙いだった。
「うわっ。あぶないな〜も〜……って、あ……………」
まーりゃんが気づいたころには住井は彼女の前から逃げ出していた。
「逃げ足だけには自身があるんでね!」
住井の言葉通り、数秒後にはま―りゃんの視界からは完全に住井の姿はなかった。


「あちゃー逃げられちゃったよ。あたしもまだまだだねぇ……
まあ、そんなことより今は…………」
まーりゃんは直幸のバッグを開くと、中からは鉄扇――それも刃が仕込んであるものが出てきた。
「おお、これは便利そう! あ、そうだ。ついでにこれももらっていこ〜っと」
そう言って先ほど住井が投げて今は地面に落ちていた投げナイフも拾う。

「うんうん。出だしは快調快調。
さーりゃん、たかりゃん、そして生徒会の諸君。あたしは君たちが生き残れるためならば修羅となるぞ……」


013番 岡崎直幸 死亡
219ランナウェイ (4/4):2006/09/25(月) 18:47:15 ID:yWMwYKLL0
 住井護
 【時間:1日目午後12時半ごろ】
 【場所:平瀬村(G−3。ただし逃亡中)】
 【持ち物:投げナイフ(残り4本)、他支給品一式】
 【状況:逃亡中。第1優先目標・自身の身の安置。第2目標・仲間を集める】

 朝霧麻亜子(まーりゃん)
 【時間:1日目午後12時半ごろ】
 【場所:平瀬村(G−3)】
 【持ち物:ナイフ(バタフライタイプ)、仕込み鉄扇、投げナイフ(1本)、他支給品一式】
 【状況:制服のところどころに直幸の返り血がついている】

 【その他】
・直幸の水・食料等の支給品の入ったバッグは直幸の死体と共にそのまま放置
・住井のスタート地点はG−03(平瀬村分校跡)
・まーりゃんのスタート地点はE−04(ホテル跡)
・直幸のスタート地点はE−02(菅原神社)
・住井のナイフの1本、直幸の支給アイテム仕込み鉄扇はまーりゃんの手に渡る
220259:2006/09/25(月) 22:02:26 ID:sgdipll00
ルートBの続きを投下します。あんまり上手くかけなかったけど。
文章うまいひとがうらやましい。
221259:2006/09/25(月) 22:03:23 ID:sgdipll00
もし、明日地球が爆発するのなら



――ねぇねぇ、香里。もしさ明日地球が爆発して死んじゃうってわかったらどうする?




 美坂香里はスタート地点である菅原神社から平瀬村に向かって歩いていた。舗装された道からは穏やかな海が見える。
「釣竿があったら釣りも悪くないわね……」
そんなことをつぶやいたときだ。
「う、動かないで!」
背後から声がした。香里はゆっくりと声のしたほうに顔を向けた。
「て、て、手を上げて!」
自分とそう年の変わらない少女だった。
 一応、銃を構えてはいるが、歯がガチガチと音を立てて、手もぶるぶると震えている。おまけに目元が潤んでいて、これではどちらが追い詰められているのかわからない。
「はい、挙げたわよ」
ふう、と息を吐くと大人しく要求どおり、手を挙げる。
「う、う、動かないでよ!」
「わかってるって」
再度念を押すように、彼女は声を荒げた声。
「ご、ご、ごめんなさい。ほ、本当は、こ、ころ、殺したくないんだけど、でも、でもでも浩之ちゃんは帰してあげたいから、
 だからだから、だから私はあなたを、あなたを、こ、ころ、殺さなきゃ、殺さなきゃ、浩之ちゃんはか、帰れないから、だから……」
222259:2006/09/25(月) 22:04:09 ID:sgdipll00
震える声で免罪符を求める彼女。黙っていたらえんえんと続きそうだったので香里は口を挟む。
「別に恨みはしないわ。その『浩之ちゃん』が帰れるよう、祈ってあげる」
だが、あんな状態では撃ったところでどこに飛ぶかわからない。即死ならいいが、うっかり別のところに当たって悶絶するのは避けたかった。
「な、何で、そんなに落ち着いてるの? し、死んじゃうんだよ。死んじゃうんだよ。もう、友達にも家族にも会えないんだよ」
「ええ、そうね。残念よ。本当に。でも、もう覚悟は済ましたから」
「か、覚悟?」
少女の震えが少し小さくなる。
「ねぇ、友達との雑談でさ、『もし、明日地球が爆発するとしたら』って話題になったことない?」
「え?」
「わかる? 今、この島に120人の人間が殺しあってる。生き残れる確率はくじで決めたとしても1%以下。しかも私はただの女の子よ。殺し合いとなれば、もっと確率が低くなる」
香里の言葉を聴いて一度は小さくなった少女の震えは再び大きくなった。
「つまり、私はこの島で死ぬのよ。十中八九ね。私の地球は遠からず壊れるの。その貴重な期間を殺し合いで浪費するなんて馬鹿げてるわ」
「あ……う……ひぐっ……」
「今、この島でどうすごそうか考えていたとこなの。丁度、釣りも悪くないって思ったとこなんだけどね……」
そう言って香里は後ろの海に目を向けた。自分は釣りなどやったことが無いが、北川くんならやり方を知ってそうな気がする。なんとなくだけど。
相沢君や名雪も呼んだらきっと楽しいに違いない。栞も外に出る機会は少なかったから喜ぶだろう。
「あなたもこの島から帰る前にもし良かったらどうかしら? その『浩之ちゃん』もつれてきて。私の知り合いが楽しい連中なのは保障するわよ」
ああ、そういえば栞は無事でいるだろうか。できるならあの子には生き残ってほしい。自分のエゴでしかないけど。
223259:2006/09/25(月) 22:05:49 ID:sgdipll00
 眼前の少女に視線を移す。ひっと少女がひきつった声を上げた。そういえば、この子、栞に似てる? いや似てないか。
 かわいそうに、恐怖であんなふうになってしまって。栞もこの島のどこかで震えているのだろうか。
 できることなら行って慰めたい。でもどこにいるのかわからない。口惜しかった。ここで死んでしまうとしたらそれが唯一の心残り。
 ああ、やっぱりまだ死にたくない。栞とまだまだやりたいことがたくさんあるのだ。
「ねぇやっぱり、できることならもう少し殺すのは後にしてほしいんだけど、無理かしら」
「ひぐっ、うっ、あえっ、えぐぅ」
少女の涙はすでにまぶたからあふれ、雫がぽろぽろと頬を流れる。正常なコミュニケーションは取れそうに無かった。
「ねぇ、あなた大丈夫? 相当まいってるみたいだけど」
やさしげに声をかける。それが引き金だった。
「う、うわぁう、うぇっ、うぁーーん!」
ついに少女はその場にペタンとしりもちをつくとその場で泣き出してしまった。銃を持つ手にすでに力は無い。
「怖かったのね。かわいそうに」
香里は少女に近づくと柔らかく抱きしめた。
「う、うぇ、うぇう、えっ」
少女はしばらく、泣き続けた。






「ごめんなさい。ごめんなさい。本当にごめんなさい。私、どうかしてました」
神岸あかりと名乗ったその少女は額を地面にこすり付けんばかりの勢いで謝罪の言葉を述べる。
「気にしてないわ。平気よ」
 ひょっとしたら、自分も栞のためにこのような行動をとっていたのかもしれない。
 そうならなかったのは自分の武器がコンパスというどう考えても生き残れなさそうなものだったからかもしれない。
 ある意味、こういう場では強力な武器を与えられた人間ほど不幸なのだろう。
 それから 二人は知り合いの行く末を互いに聞いてみたが、二人とも島で他の人間を見るのはこれが初めてだった。
224259:2006/09/25(月) 22:07:24 ID:sgdipll00
「それで、あなたこれからどうするの?」
「え?」
あかりはきょとんとした顔でこちらを見上げた。
「その『浩之ちゃん』を帰してあげたいんじゃないの?」
「ええと、それは……でも、やっぱり私、人を殺すなんてできません」
「まぁ、普通はそうよね」
「でも、このままじゃ浩之ちゃんもみんなも死んじゃうし……」
「みんなもって?」
「あ、知り合いがたくさん来てるんです。クラスメートとかが」
「そう、私と一緒ね」
「香里さんもですか?」
「ええ。皆は今頃何やってるのかしら」
栞も気になるけれど、彼らも大事な友人たちだ。
北川は問題ない気がした。あの男のことだ。結構しぶとく生き延びそうな気がする。
逆に名雪のことはちょっと心配だった。あの子、ぼやぼやしてるから、やる気になった連中に早々と殺されそうな気がする。できることなら、そうなる前に会いたい。
それから相沢くん……
「あの、どうしたんですか?」
いきなり黙ってしまったことに不安を覚えたのか瑞佳がそう聞いてきた。
「あ、ごめんなさい。なんでもないの。ちょっと知り合いのことを考えてただけ」
「やっぱり不安ですか」
「ええ、でも心配したところで始まらないわ。歯がゆいけどね。ところで、神岸さん」
「は、はい」
「帰りたいって言ったわよね」
あかりは一度きょとんとした顔をした後、しっかりとうなずいた。
「じゃあ、ついてらっしゃい。ひょっとしたら、だけどみんなで無事に帰ることができるかもしれない」
「ほ、本当ですか」
「可能性は限りなく低いけどね。どうする? すがってみる?」
「は、はい!」
あかりは元気よく立ち上がると香里の後ろについて歩き出した。
「あの、でも具体的にはどうするんですか」
「無事に帰る方法を考えてそうな人間に心当たりがいるのよ。そいつのところに行くわ」
どのみち栞のいる場所はわからない。この子をあいつに送り届けるのと栞を探すのは同時にできる。
225259:2006/09/25(月) 22:08:15 ID:sgdipll00




――どうして、突然そんなこと聞くのよ、名雪。

――別に理由なんか無いよ。聞きたいって思っただけ。

――そうだなぁ、俺だったら、とりあえずはあれだな。駅前のカレー屋で全トッピング乗せに挑戦したいな。

――最後の日にしちゃ、ずいぶんしょぼいことやるのね、北川君。

――いいだろうが、別に。そういうお前はどうなんだよ、美坂。

――そうねぇ、粛々と普段どおりにすごすわ。きっと。

――お前のほうがしょぼいじゃねぇか。

――中途半端なのよ、あなたは。

――ねぇ、祐一。祐一だったらどうするの?

――そうだなぁ……考えるんじゃないかな。

――何をだよ。相沢。

――決まってるだろ。みんなが地球から脱出して生き延びる方法をだよ。

226259:2006/09/25(月) 22:09:28 ID:sgdipll00
「もし、明日地球が爆発するのなら(ルートB)」
美坂香里
【時間:午後12時半ごろ】
【場所:E-01】
【持ち物:コンパス】
【状態:心身ともに正常】

神岸あかり
【時間:午後12時半ごろ】
【場所:E-01】
【持ち物:ワルサーP5】
【状態:やや疲労】
227名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 22:44:38 ID:/P7e7eDA0
誰このあかりって名乗ってる女?
228名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 23:40:38 ID:hzZNVyXwO
全ルート共通もの投下
229どうすればいいんだ? (1/2):2006/09/25(月) 23:42:27 ID:hzZNVyXwO
「あ、川だ……」
折原浩平(016番)はスタート地点の村役場から少し歩いたところで川を見つけた。

(そういえば、ここは島なんだよな。
なら、下っていけば海に出れるかな?)
そう思った彼はバッグを下ろし、中から地図を取り出そうとバッグを開く。
ついでに自分に支給されたアイテムも確認することにした。
(さてさて……な〜にが入っているのかな、と………ん?)
バッグを開けると最初に中から出てきたのは………………



―――――だんご。
だんご、だんご。
だんご、だんご、だんご。
だんご、だんご、だんご、だんご。
だんご、だんご、だんご、だんご、だんご。
だんご、だんご、だんご、だんご、だんご、だんご。
だんご、だんご、だんご、だんご、だんご、だんご、だんご。
だんご、だんご、だんご、だんご、だんご、だんご、だんご、だんご。
だんご、だんご、だんご、だんご、だんご、だんご、だんご、だんご、だんご。
だんご、だんご、だんご、だんご(以下略)

230どうすればいいんだ? (2/2):2006/09/25(月) 23:43:35 ID:hzZNVyXwO

「こ…これは…………」
そう。これこそ浩平の支給品――『だんご大家族』!
バッグから出てきたのは計100人(100体?)のなかよしのだんごたちだった!

「あ〜……なるほどね〜。
確かに殺伐としたこの島にいるからには癒しは必要不可欠だもんね〜。
だんごっ、だんごっ、だーんごっ♪
だんごっ、だんごっ、だーんごっ♪
だんごっ、だんごっ、だーんごっ 大家族…………………………………
って、癒されるかーーーっ!」


 折原浩平
 【時間:1日目正午前】
 【場所:D−03】
 【所持品:だんご大家族(だんご・残り100人)、他支給品一式】
 【状態:別の意味でやや錯乱気味(笑)】

 【その他】
・後の浩平の行き先、行動については続きを書いてくださる書き手さんに任せます。
・浩平のスタート地点はC−03の村役場です。
231名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 23:43:58 ID:3W2OPX2v0
だんご、だんご、だんご、だんご、だんご、だんご、だんご、だんご、だんご
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232名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 23:44:34 ID:3W2OPX2v0
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233名無しさんだよもん:2006/09/25(月) 23:45:30 ID:3W2OPX2v0
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234名無しさんだよもん:2006/09/26(火) 01:01:16 ID:P6lP4xEXO
562の通りでも新キャラ登場もあるから微妙
235No.29.鬼ごっこ開始:2006/09/26(火) 01:12:54 ID:DLcC48CA0
初代とUの準拠でルート作ってみましたが、ネタ系とかの許容が自信持てなくなってきたので
ルート物とせず共用として再うpします。
元々分岐してる作品でもなかったので。

文がおかしかった所の改訂とより状況を解りやすくするよう付け加えもしてあります。
236No.29.鬼ごっこ開始:2006/09/26(火) 01:13:42 ID:DLcC48CA0
 エリアF-03、スタート地点の一つであるG-03の分校から北へ行った場所。
 19番柏木耕一が道から外れた人目のつかない場所にいた。
「無理か」
 何度気合を入れても、体の奥に眠る鬼の力を呼び覚ませない。
「あいつらが言っていた通りか」
(手や肉体の一部すら変化なしはきついな)
 それでも一般人に比べれば身体能力は補正が効いて高い方なのだが、バトルロワイアルにおいては決して有利な条件ではない。
 知恵と支給されたアイテム、そして運次第でいくらでも覆す事は可能なのだから。 
「これで諦めてたまるか。はやく千鶴さん達と合流しないと」
(こうしてる間にも生き残りをかけてゲームに乗った参加者が動いてるに違いない……
 力が殺がれた楓ちゃんに初音ちゃん、千鶴さんや梓だって絶対に無事とは言い切れない)
「くそっ、せめてスタート場所が同じだったら良かったのに」
 
「へ、変態ー!!!」
 突然、甲高い悲鳴が沸きあがった。
 声のした方には、それと共に背中を見せ一目散に走りさっていく少女の姿。
「しまった!」
(わざわざこのために道を外れたのに)
 耕一は後悔した。
 なぜなら、彼は万が一鬼の姿になれた時のために服を脱いでいたからだ。
(能力が劣化されてるとはいえ、力は落とされていても鬼の姿だけになれる可能性もある)
 鬼の姿になればよくてパンツ一丁かズボンが多少上に残る程度、他の服はビリビリに破れてしまう。
 当然、ここには替えの服なんてない。
 そう考えすぎたのがアダになった。
 急いで最低限の服を着込むと耕一は誤解を解くために少女の逃げていった方へと走った。
(と、取り合えず、何とかして誤解を解かないと千鶴さん達と合流以前のまずい事態に)
 誤解が広まれば最悪、変質者としてゲームに乗ってない参加者からすらも危険人物として付け狙われる可能性がある。
 それで死んだなんて結末がくるのは耕一も真っ平ごめん。
(目だって他のゲームに乗ったやつらに見つからないいいが……
 早めに誤解を解かないまずいな)
 一抹の不安を抱えながら気落ちした耕一は少女を追いかけていった。
237No.29.鬼ごっこ開始:2006/09/26(火) 01:14:34 ID:DLcC48CA0

(あぁ〜、どうしよう、いきなりだったもんだから声出しちゃったじゃないのよ)
 一方、耕一の裸体を見て走り去った少女は、71番の歩くガセネタ長岡志保。
 この少女に見られたのは耕一にとって今大会中最大の不幸に間違いない。

 かくして一人の男の命と名誉を駆けた鬼ごっこが始まった。

 19:柏木耕一
【時間:一日目正午】
【場所:F-03】
【持ち物:不明】
【状態:少女(長岡志保)を追跡中】

 71:長岡志保
【時間:一日目正午】
【場所:F-03】
【持ち物:不明】
【状態:男(耕一)のいた場所から逃げる】
238名無しさんだよもん:2006/09/26(火) 04:23:54 ID:b57gXCyt0
書き手募り上げ
239マーダーズ・ヘヴン(1/5):2006/09/26(火) 04:37:59 ID:bo8yoLzD0

かくして始まった、一人の男の命と名誉を駆けた鬼ごっこは、

「待て、待ってくれぇ〜! ……って、あれ?」

唐突に終わりを告げていた。
遥か視界の果てにあった少女の背中は、今や目の前にあった。
どうして、と考えているいとまこそあれ、突然背後に現れた異様な気配に
少女が振り向く。

 ―――とにかく、誤解を解かなきゃ!

その一心で必死に声を掛けようとする。

「なぁ君―――、」

だが、その声は少女の魂消える様な悲鳴にかき消されていた。
思わず動きを止める耕一。
少女の、まるで恐ろしいモノを映したかのように見開かれた瞳はしかし、
掠れて途切れた悲鳴と共にふつりと閉じられた。
どうやら意識を失ったものらしい。

「お、おい……どうした、大丈夫か……?」

ゆらりと崩れ落ちようとする少女の身体を受け止めようと差し伸べた手は、

「鬼……の、手……」

少女を抱きとめることなく、耕一の眼前に在った。
小さな音を立てて倒れる少女。
それを気に留める余裕もなく、耕一は目の前の現実を受け止めかねていた。
240マーダーズ・ヘヴン(2/5):2006/09/26(火) 04:39:05 ID:bo8yoLzD0

(力は、制限されてるんじゃなかったのか……?)

否、問題はそんなことではなかった。
あの時、少女を追って走り出したあの時には、

(鬼の力を使おうなんて、思ってやしなかった……)

鬼の力が、己の意思から離れたところで発動した。
その事実が、耕一を慄然とさせる。
暴走、の二文字が脳裏をよぎっていた。

「そんなこと、あるはずがない……!」

声に出したのは、自分に対する戒めのつもりだった。
そうだ、自分は決して鬼の力に呑まれたりしない。
足元に倒れている少女の、薄桃色の制服の裾から覗く腹の白さなどに
眼を奪われたりはしない。
捲れたスカートから垣間見える太股の肉付きなど気にも留めていない。
ふっくらとした唇も、時折漏れる吐息も、俺を突き動かしたりはしない。
美味そうだ、どう犯してやろう、そんな声など聞こえない―――。

耕一は走り出していた。
この場に留まっては何か良くないことが起こると、柏木耕一にはわかっていた。
良くないこと。
良くないこと。
想像してはいけない。

「―――――――――――――――ッ!」

口をついて出たのは、紛れもない異形の咆哮だった。
241マーダーズ・ヘヴン(3/5):2006/09/26(火) 04:40:37 ID:bo8yoLzD0

 ──同時刻、東京。

「どうなっている!?」
「原因がまったく掴めません!
 各被検体につけられたモニターが異常な数値を示しています!」
「危険度の高い個体は始末しても構わん!」
「駄目です、こちらからの信号を受け付けません!」
「何だと!」

仕立てのいいスーツを身にまとった男たちの怒号が飛び交い、白衣姿で
右往左往する人間たちの悲鳴に近い応答が交わされる中、そんな喧騒は
どこ吹く風、といった様子で上座に据えられた椅子に腰掛けていた男が、
傍らに影の如く控える者にだけ聞こえるように、ゆったりと口を開いた。

「君の仕業だね?」
「……何のことだい?」

答えた影は、まだ少年ともいうべき容貌をしていた。
この騒ぎの中にあって不安そうな顔一つすることなく、口元には笑みさえ
浮かべている。
周囲の喧騒などまるで存在しないかのように、淡々と会話を続ける二人。

「どういうつもりかな。制限を解除するばかりか、元来の力を強めてさえいるようだが」
「貴方が何を言っているのか、僕にはさっぱりわからないんだけど」
「この計画ばかりは、君の玩具にするわけにはいかないのだよ」
「じゃあ、どうするっていうの?」
「従ってもらうだけだ」
「君たち如きが、僕をどうにかできるとでも?」
「……これは、『君』にも深い関わりのある計画だと認識してもらっていたはずだ」
「…………さて、ね」
242マーダーズ・ヘヴン(4/5):2006/09/26(火) 04:42:15 ID:bo8yoLzD0
「まぁいいさ。この状況でも計画の本筋に支障はない。……我が国は負けんよ」
「へぇ、人の上に立つ御方は器が違うね。
 せいぜい足元をすくわれないように気をつけて」

軽口を叩く少年を無視して、男が立ち上がる。
それだけで、混乱を極めていた周囲の人間たちの動きがぴたりと止まった。
男が、ゆっくりと口を開く。

「諸君、……」



 ──同時刻、沖木島。

「……ふん、それで?」

まるでSF映画のような装甲を身につけた少女、来栖川綾香が無線の声に
耳を傾けていた。

『概要は以上です。計画に大筋での変更はありません。しかし……』
「わかってる。これまでみたいに一方的な狩りじゃなくなった。
 ……そういうことでしょ?」
『はい。現在、そちらに移送された異能者たちに課せられた制限は
 完全に解除されており、復旧の見込みは立っていません。
 また、一部の者は明らかに当初データを超えた能力を見せており、
 そちらは非常に危険な状況にあります。』
「ふーん……」

気の無さそうな返事を返す綾香に、無線の向こうの声がトーンを上げる。
243マーダーズ・ヘヴン(5/5):2006/09/26(火) 04:44:00 ID:bo8yoLzD0
『本当にわかっているんですか、綾香さん!
 今そちらは危険な状態なんですよ、とても!
 現状ではまだ認められていませんが、父を通して話をすれば、あるいは
 綾香さんには撤収していただくことも……』
「冗談じゃないわ」
『……は?』
突然発せられた鋭利な声に、無線の向こうの声が口を噤んだ。

「撤収? ……冗談じゃないって言ったのよ。いいじゃない、能力の開放上等。
 KPS−U1の実戦テストには最高の舞台だと思わない?」
無線の向こうの少年の、間の抜けた顔を想像して、綾香は言葉を続ける。

「ちょうど、物足りないと思ってたところよ。
 やっぱり雑魚をいくら潰したって、私の疼きは止まらない。
 ハンディマッチじゃ、私の渇きは癒されない……!」
ぺろりと唇を舐めると、綾香は傍らに立つ自動人形に視線を向ける。
「そうでしょ? セリオ」
「はい、綾香様」
事も無げに答える鋼鉄の相方に満足気な頷きを返すと、

「そういうわけだから、余計なことはしなくていいわ、久瀬君。
 計画通りのバックアップだけお願いね」

それだけを言って、通信を途絶する。
しばらく久瀬のヒステリーに付き合わされることになるであろう東京の面々の
迷惑そうな顔を思い浮かべてひとしきり笑うと、綾香は空を見上げる。
先刻まで晴れ渡っていた空には、いつの間にか暗雲が垂れ込めていた。
この先に待つ、心躍る惨劇を予見するかのような、不吉な曇天。

「面白く、なってきたじゃない……」

呟く少女を、鋼の瞳だけがじっと見つめていた。
244人生で一番長い数秒(1):2006/09/26(火) 05:12:58 ID:gqvZjnRV0
ここは鎌石村消防署給湯室、二人の女性は楽しそうに料理を作っていた。

―――――――――招かざる客が来るとも知らずに―――――――――

       「はじめちょろちょろ…なかぱっぱ…♪」
プロパンガスに繋がれたガスコンロ、鍋から出る白い湯気
嬉しそうな歌声で(69番)割烹着姿の遠野美凪はご飯を炊いていた。
簡素なテーブルの上には、玉子焼きの乗ったお皿、梅干、紅鮭、自分達の荷物と
そして消防署に備え付けられていた斧が丁寧におかれていた…。

もう一方では、リズミカルな音程でまな板にのった食材を切り刻んでいる。
        たんたんたん♪ザクザクザク♪
大根と白菜を手際よく切り刻むのは(87番)広瀬真希、こちらも割烹着姿。
鍋の中のキッキンペーパーに包まれた出汁の元(勿論煮干)を取り出して、切り刻んだ食材を素早く鍋の中に入れる、どうやら味噌汁を作ってる様子。
ぐつぐつと煮えていく食材達、鍋の中の湯加減のほうも決して煮えたぎらない程度、…じっくりとじっくりと。

美凪は『後どれくらいですか?』と言いたげに真希にアイコンタクトをすると真希は『もうすぐよ』と笑顔を見せる。
その間たいした言葉は交してはいない、どちらも料理に手馴れているからだ。
「ねえ…遠野…。」
野菜を切り終えた所為で手持ち無沙汰になったのか、携帯をいじりながら真希は美凪に声をかける。
「…なんですか広瀬さん?」
鍋の中のご飯を蒸らす段階に入ったのか、美凪はコンロの火を止め真希に相槌を付いて話す。
「あたし達、どうすればいいののかな…。」
やっぱり繋がらないと残念そうに携帯を服のポケットに仕舞いながら美凪に話す…。
「…そうですねぇ。」
「う〜ん。」
お玉の味噌を鍋の中で溶かしながら,真希はスタート時のことを思い出し今後の事を考えていた。
245人生で一番長い数秒(2):2006/09/26(火) 05:13:44 ID:gqvZjnRV0
――――数時間前、ゲーム開始、スタート地点D−06)――――

「はぁはぁはぁ…」
87番 広瀬真希は全速力で鎌石小中学校の通り道を北上していた、極度の緊張からか手持ちの荷物と支給品がより重く感じている
「はぁはぁ…殺し合いですって…馬鹿げてる。」
全速力で走った為か所どころで息切れをする、
「はぁはぁはぁ…そうだ!」
手持ちの荷物を地面に叩き付け制服のポケットから携帯を取り出す指は震えていたが支障は来たさない、
三つの数字とエンターボタン俗に言う110番…しかし。
『…ツーツーツー。』
と言う音が続くだけ、つまり電波が届いてないのだその場にゆっくりとへたり込む真希、そんな時…。
ガサガサガサッ
真希の後ろから草葉を掻き分ける音がする、恐怖の為か後ろを振り返る事が出来ない…。
ほんの数秒のことだが、人生で一番長い数秒…恐る恐る後ろをふり返る真希、そこには

長身の女性が…。(真希は恐怖する)

真希を無表情で見つめ…。(ナンテ表情スルノヨ。)

ポケットの中から…。(コワイ。)

【お米券】を…!!(死…ヌ…!!!)

      「手渡す」

  「………へぇっ///!?」

「お近づきに進呈〜♪」
真希は魂が抜けたようだった…。
――――――――――――――――――――――――
246人生で一番長い数秒(3):2006/09/26(火) 05:14:51 ID:gqvZjnRV0
「あははははははっ!うひゃひゃひゃっ!!」
大爆笑する真希、過去の自分の事だが笑いが止まらなかった。
ゲーム開始時の恐怖、自分のビビリ具合、美凪のインパクト、そして今(オチ)!
三拍子どころか四拍子これが笑わずにはいられないのだろう。

「…そんなに怖かったですか?」
大爆笑に釣られてか、美凪の口元も自然と緩む。
「あははっだってねえ、あんなことが有ったのに数時間後にはキッチン探し歩いてココに来て支給品で料理作ってるのよ///」
笑いがまだ止まらない所為で簡潔に言葉を纏め切れていない、しかし楽しそうだった。
「「和の食材セットと割烹着&頭巾(防弾性)×3ばんざ〜い。」」
割烹着姿の真希と美凪は楽しそうに万歳をする。

「しかし何だねぇ、あんな長い数秒はもう無いだろうね。」
真希は笑いが治まってきたのか、味噌汁を配膳しながら、いつもの口調で話しかける
美凪は炊けたご飯をよそおいながら「ふふっ」と笑う
「作りすぎた物ね、クラスの奴らにでも食べさせたい位よ。」
テーブルの上には、[ご飯・玉子焼き・のり・味噌汁・紅鮭・梅干]
世間的には良くあるが、実際は中々勢ぞろいすることはない朝ごはんと言った感じだ。
「そうですね、食べさせてあげたいです…。」
寂しそうな表情の美凪、道中で聞いた『みちる』という子の事を心配しているのかと真希は察した…。
「まっ余ったご飯はおにぎりにするとして、味噌汁はちゃんと飲んじゃってよ、これは真希さんの特性♪エッヘン!」
割烹着姿で手を腰に当て胸を張る真希、余程の自信作なのだろう。」
「今日のご飯も良い炊き加減です、エッヘン!」
つられて同じポーズをする美凪
「はははははっ。」と給湯室中に二人の笑いがこだまする。

――――――招かざる客がすぐ其処まで来たとも知らずに――――――
247人生で一番長い数秒(4):2006/09/26(火) 05:18:26 ID:gqvZjnRV0

男は部屋の中へと入る…。

「「ではっ全国のッ!!」」(ドアがゆっくりと開く)
まだ二人は気づいていない…。

「「農家と」」(ドアの狭間から銃口が煌く)
真希が気づく…。

「「漁師さんに」(開いたドアから男が顔を覗かせる)
美凪も気づく…。

 「感謝をして…。(真希は死の覚悟をきめた)

男が嬉しそうな顔をして手を合わせた…!

【美味しいご飯とお味噌汁いっただきま〜す♪】

「………へぇっ///!」
広瀬真希87番、数時間前こんな感じの表情をしていた、今度はギャグマンガの如く転ぶ演技付きで…。
――――ズデーン!!!――――
248人生で一番長い数秒(5):2006/09/26(火) 05:19:23 ID:gqvZjnRV0
「うまい!…流石は割烹着の魔力!良い炊き加減のご飯!味噌汁は出汁がよく効いてる!」     
…男の名前は北川潤30番、何の因果か味噌汁の匂いにつられてここまで来てしまった、勝手にご飯を食べ初める北川、本当に幸せそうだ。

遠野美凪69番は、悪い人間では無いと感じたのか【お米券】を渡すタイミングを見計らっていた


「あんたは突撃!隣の朝ごはん調査隊かぁ!!」
       ――――スパーン!!!――――
(も…もっと、辺りの状況を見極めるよう心がけないといけないわね…/// )
スリッパで北川の頭に威勢の良い音を鳴らせた直後、真希は心からそう思う事だった。
三人は数時間前まで他人同士、順応の早い連中だった。

【時間:1日目正午三時過ぎ】
【場所:鎌石村消防署】
北川潤
【持ち物:SPAS12ショットガン、水・食料、他支給品一式、携帯電話、】
【状況:冷静・臨機応変(辺りの状況を見極めるよう心がけるが今はご飯と味噌汁)】
広瀬真希
【持ち物:消防斧、防弾性割烹着&頭巾、水・食料、他支給品一式、携帯電話、お米券】
【状況:周囲警戒(もう驚きたくないらしい…。)】
遠野美凪
持ち物:消防署にあった包丁、防弾性割烹着&頭巾(防弾性)×2、水・食料、他支給品一式、お米券数十枚】
【状況:順応、みちるのことが心配】
【その他】
広瀬&美凪はD−06よりスタート
支給品は広瀬が【和の食材セット】
    遠野が【防弾性割烹着&頭巾×3】(ハカロワのメイド服×3のみたいな物だと思ってください。)

011の続きという事以外は何処のルートでもOKです。
249眼つきの悪さが運のつき(1/5):2006/09/26(火) 05:46:21 ID:HnRHmpi20
「痛って……。なんなんだあの女は」

 国崎往人(035)は赤くなった鼻っ面を押さえながら落ちているバックを拾う。
 考え事をしていた道中、彼はとある少女―――水瀬名雪(104)に出くわした。
 最初の接触が肝要かと思い、親しみの込める笑顔と共に融和的政策に出たというのに、名雪の反応は出会い頭に悲鳴の一撃であった。 
 往人の言葉を遮って自分のものであろうバックまで投げつけてくる始末。
 早くも自身の目標である、人集めが挫折しそうであった。

 彼は、スタート地点の分校跡からここに来るまでに、既に行動方針をあらかた決めていた。
 第一の優先目標は、当然ゲームからの脱出だ。だが、このまま何もしないで戦い続けたとしたら、それこそ主催者側の思う壺である。
 脱出の成功を促すファクターは三つ。
 主催者側の対処。首輪の解除。脱出の足だ。 
 そして、この三つを果たす過程で最も必要なのが人員というわけである。
 端的な結論かもしれないが、決して間違いというわけではない。
 なにをするにしても、結局は個人では限界があるのだ。陳腐な話だが、皆で協力をするということこそ、ゲーム脱出の鍵になるのではないか。

 だが、そのためにはある程度の犠牲も止むを得ないという非情な考えもあった。
 正直往人とて、自身が善人とは欠片ほども思ってはいない。ゲームに乗った人間は後の不安材料として、排除することだって躊躇いはない。
 脱出の為だの、誰彼の為などと、自己弁護するつもりも毛頭ない。
 必要だと思えることは、何だってするつもりだ。 
250眼つきの悪さが運のつき(2/5):2006/09/26(火) 05:47:35 ID:HnRHmpi20
 ともかく、人集めも重要だが、自身が生きながらえるのも重要だ。
 幸い、神尾家に居候するまでは常にサバイバルであった彼にとって、島での生活など苦にもならない。 
 それは、殺し合いという一点を除けばの話だが、今まででもそれなりの修羅場を潜り抜けてきたつもりだ。
 さすがに、こういったケースが初めてだとしても、それでも自分が不利だとは思わない。
 何しろ、彼の支給品は『当たり』に相当するのだから。

「まったく……。このゲームでの唯一の幸運は、このラーメンセットぐらいだな」

 勿論、往人限定だが。
 幸運の支給品、ラーメンセットが入ったバックを愛しそうに撫で回す。
 飢えた獣のようなギラついた眼つきは、誰が見てもお近づきにはなりたくない雰囲気を醸し出していた。
 そんな中、ガサリと近くの茂みが囁いた。

「―――誰だっ!?」
「はわっ!?」

 物音に即座に反応した往人は、茂みに身体を向け、撫でていたバックを掴み上げて防壁代わりとして前面に据える。
 その際、バックからラーメンセットを抜き取っておく徹底振りも忘れない。
 本来ならば、木々の隙間にでも転がり込みたいところではあるが、生憎このあたりの立地条件ではそれは望めなかった。
 危機的状況に陥った自分の不運に内心で舌を打つが、その張本人が自ら転がり出てきた時に、流石に唖然とした。

「あわわわっ。こ、ころ……ころさないで!」
「……いや、こちらはそのつもりは―――」
「い、いやっ。いやあぁーーー!!」
「ちょ、だからこち―――」
「助けてええええええ!! おねぇちゃぁぁん―――!!!!」

 往人の怒声に驚いて茂みから飛び出してしまった少女―――名倉由依(075)は、それはもう一目散に脱兎の如く逃げ出した。
 それを呆けて見ていることしかできない往人。
 だが、事態は更に混乱へ―――
251眼つきの悪さが運のつき(3/5):2006/09/26(火) 05:48:16 ID:HnRHmpi20
「―――何事っ!?」
「今度はなんだ!?」

 由依が走り去った反対方向から、またもや一人の少女が飛び出した。
 往人はやるせなさに瞼が熱くなりそうなのを堪えて、背後を振り返る。

「ひっ」
「なっ!? じ、銃か……」

 剥き出しの銃身を持つ『ワルサー P38』の先端が往人の顔面をポイントしている。
 往人は顔を引き攣らせながら、更なる危機的状況に後ずさる。
 だが、それよりも銃を往人へ向けている少女の方が顔色が悪く、真っ青にしていた。

「あ、あなた……。この数時間で何人殺したの?」
「まて。何を言っている? 俺は誰も殺しちゃいない!」
「ウソよ! いけしゃあしゃあと……よく平気でそんなこと言えるわね!!」

 震える腕を気取らせないかのように銃のグリップを強く握りながら、観月マナ(102)は気丈にも詰問する。
 往人にしてみれば、マナの言っていることはまるで見当違いだ。

「根拠があるのか根拠が!」
「言葉でいくら言い繕ってもダメよ。わたしがこの場に来た時……あなた殺るきだったくせにっ」
「それこそ勘違いだ! 俺はただ振り返っただけだぞ!?」
「白々しいって言ってんのよ! その血に飢えた凶悪な眼つきが何よりの証拠じゃないの!?」
252眼つきの悪さが運のつき(4/5):2006/09/26(火) 05:48:58 ID:HnRHmpi20
 ―――マテ。
 それはなにか?
 つまり―――

「……俺の身体的特徴が悪いと?」
「はぁ? 身体的特徴? 物は言いようね。それが人としての特徴だなんて……」
「…………」
「それに、さっきの悲鳴……。女の子のようだけど、何したの?」
「まてまて! 卑猥な勘繰りはよせ! マジで何もしちゃいないんだよ!!」

 何故か自分より小さな少女に侮蔑の視線を投げかけられた。
 完全に往人は殺人者扱いであり、このままいくと変態というレッテルまで上塗りされそうだ。
 なんとしても、それだけは人として避けねばならない。
 しかし、少女は聞く耳を持たず。

「だから信用できないって言ってんでしょ! それより早く逃げた子追わないと。あんな大声で走り回ったら……」
「ああその通りだ! だから一緒に―――」
「動かないで!! いい? 動いたら……撃つわよ」

 マナは銃で牽制しながら往人を大きく迂回して茂みへと消えた。
 何の弁明も許されないまま取り残される往人。あっという間の出来事に、本気で泣きたくなってきた。
253眼つきの悪さが運のつき(5/5):2006/09/26(火) 05:53:54 ID:HnRHmpi20
(最初の女も逃げた女も今の女も皆俺の眼つきのせいなのか!?)

 この異常なゲームでは、自分の眼つきはデメリットになっているのだと気付いた往人は愕然とする。
 これでは、人集めも難航してしまうではないか。

(くそっ。やっぱり知り合いだ。観鈴に晴子に佳乃に聖に美凪にみちるだ!! まずはいずれかと合流……話はそれからだ!)

 投げつけてくれた少女のバックと自分のバックを担ぎ直し、思い出したように懐に入れたラーメンセットを取り出した。
 
「結局……このゲームでの唯一の幸運は、このラーメンセットぐらいだな。でもな―――」

 往人のラーメンセットを持つ手が震える。
 ―――自分の好物のラーメンセットはなんだったか。
 大盛りのラーメンに熱々の炒飯と餃子。サラダが付属していればなお良し。
 そんな夢の広がるフルコースではなかったのか。
 だというのに―――

「―――こんなレトルトじゃ食べようにも食べられないだろうがちきしょーーーー!!」

 往人は皺になったラーメンセット(レトルト)を地面へと叩きつけた。
254目つきの悪さが運のつき(6/5):2006/09/26(火) 06:57:16 ID:HnRHmpi20
 『国崎往人(035)』
 【時間:1日目午後1時30分頃】
 【場所:F−04】
 【所持品:ラーメンセット(レトルト)・化粧品のポーチ・支給品一式×2】
 【状態:普通。知り合いとの合流】

 『名倉由依(075)』
 【時間:1日目午後1時30分頃】
 【場所:F−04】
 【所持品:不明】
 【状態:錯乱気味。この場から離れる(逃走先は次の書き手さんに)】

 『観月マナ(102)』
 【時間:1日目午後1時30分頃】
 【場所:F−04】
 【所持品:ワルサー P38・支給品一式】
 【状態:普通。この場から離れる(由依を追うか追わないかは次の書き手さんに)】
 
 【備考:013「独りは怖いよ」の続き投下です。013がどのルートでも通ってるみたいなんで、よければ共通で。】
255 ◆elHD6rB3kM :2006/09/26(火) 08:21:18 ID:lD7VtnBI0
「ロワちゃんねる」

「何これ、こいつでぶったたけって言うのかしら」
藤林杏はげんなりした声でそう愚痴る。
 彼女の支給品として出てきたのはノートパソコンである。
 商店街の福引の景品ならばおおいに喜びたいところだが、あいにくとここは殺し合いの場だ。あまり役立ちそうではない。
 ため息をついて、今度は残りの支給品を見る。その中で、杏は説明を聞いたときから違和感を感じているものがあった。
 それは参加者用名簿。
 他の支給品――食べ物やら懐中電灯やら――は文字通りサバイバルにひつようなものだ。だが参加者用名簿とは何だ。それがこのゲームになぜ必要なのだろうか。
 だがその疑問は、名簿の中身を見たとたんに氷解した。
「悪趣味もいいとこじゃない。これって」
ぎりっと唇がつりあがる。そこには双子の妹をはじめとして知り合いの名前が何人かあった。
 おそらく自分だけということはあるまい。見れば知らない人物の中にも結構、苗字が同じ人間が見て取れる。兄弟か親子か。そんな連中と殺しあえというのか。
 ひょっとしたらこの名簿を見たときの反応を主催者はどこかで見ているのかもしれない。いたずらが成功したときの子供のように。

 正直に言えば、杏はこのゲームに消極的にだが、乗ろうとしていた。
 逃げ回って逃げ回って、最後に二人になったときに相手を殺す。それが自分の理想だった。だが、それは自分以外の119人がみな自分とは見知らぬ人間、という仮定の上にあった話だった。
 若い身空で死にたくないが、友人たちの屍を量産して生き延びるほど厚顔でもない。
 だとすれば自分はどうすべきか。決まっている。そんなレールに乗せられるのはまっぴらごめんだ。レールが気に入らなければレールをぶっ壊す。それが藤林杏の流儀だ。
 杏はそこで改めて、パソコンに目を向けた。とすると、このパソコンというやつはなかなかあたりかもしれない。インターネットで外部と連絡が取れれば、助けが呼べるかもしれない。
256 ◆elHD6rB3kM :2006/09/26(火) 08:23:03 ID:lD7VtnBI0
 こんなキチガイじみた企画が公然と行われているわけが無い。外部との通信は確実に主催者に不利益を被らせるはずだ。
 まぁ、だからこそそこらに対しては彼らも何らかの措置をとってるはずで、そううまくいくとは思えなかったが。しかし、無線のモデムはついている。通信機能はあるらしい。
 自分のスタート地点は鎌石村役場という町のど真ん中だった。とにかくパソコンだけではこころもとない。
 何か武器がほしかったし、パソコンのことも落ち着いて調べたかったので、杏は適当な民家に入った(鍵はかかっていなかった)。
 まずは、電源をつないでパソコンを起動させる。やや時間がたち……
「何これ」
予想したとおり外部と連絡が取れそうなソフトは何もはいってないインターネットのブラウザもメールソフトもなしだ。申し訳程度にワードとエクセルがはいってるくらい。 だが問題はそこではない。
 それはデスクトップにある『参加者の方へ』と銘打たれたフォルダだった。フォルダをあけるとchannel.exeというソフトがひとつだけおかれている。
「起動したとたん、ボン、てわけじゃないでしょうね」
そういいながら、起動させる。すぐに、パッと画面の上に現れたのは、
「……channnelってひょっとして2ちゃん○るのことだったの?」
杏は滅多に利用することは無いが、それでもその有名な掲示板の存在とその実態がどんなものかは知っている。
 目の前にある画面はそこでみたことのある作りだった。というかパクリなのだろう。まったく構造が一緒で。強いて言うなら広告が一つもないことが違う。
 今のところ、立っているスレッドは一つだけ。「管理人より」という題をクリックしてみる。
『こんにちは、みなさん! 私はこの掲示板の管理人の『びろゆぎ』と申します』
めまいがするほどオリジナリティの無いハンドルネームだった。
257 ◆elHD6rB3kM :2006/09/26(火) 08:23:49 ID:lD7VtnBI0
『ここは『ロワちゃんねる』。参加者の方々の情報交換を目的として作られた掲示板です。
 支給品を含め、島内の全てのパソコンにはこのソフトがインストールされ、アクセスできるようになっています。
 アクセス方法や伝えられる情報が限定されているだけになかなか使いづらいとは思いますが、多くのご利用をお待ちしております。
 なお、基本的な使い方はもちろんアノ某掲示板と一緒。
 わからない方は使い方を下に詳しく書いたので読んでください。
 なお私『びろゆき』は主催者側でも参加者側でもない完全な第三者としてこの掲示板の運営を行っています。
 下に書いたルール(これも某掲示板と一緒)に抵触したとき以外に皆さんの発言の改ざんや消去などは絶対に行わないことを誓います。ご安心してご利用ください。
 ただし、守秘義務により主催者の情報に関しては一切お答えすることができません。その点はご了承くださいませ』
あとはつらつらと掲示板の使い方が書いてあるだけだった。
「どうしよう。これ……」
確かに上手く使えば便利かもしれない。例えば、ここに自分の居場所や今後の行き先を書けば、自ずと知り合いが着てくれるだろう。向こうだって信頼できる仲間がほしいはずだ。
だがここに書き込めば、それは誰もがこの情報に触れることになってしまう。もし、人を殺して生き残ろうとする連中に嗅ぎつけられてしまえば厄介なことになるだろう。
 加えて、ここに書き込んだのを仲間が見つけるとは限らないし、その情報を信用してもらえるかもわからない。
 受け手には自分が書いたという確証が何一つつかめないのだから。仲間内で決められた符丁でもあれば別だったが、友人間はおろか、双子の姉妹の間にすらそんなものはない。
「まあ、とりあえず最低限の情報でも入れとくか」
258 ◆elHD6rB3kM :2006/09/26(火) 08:24:21 ID:lD7VtnBI0
 藤林杏はスレッドを一つ立ち上げてからパソコンの電源を落とした。そして、何か役立ちそうなものは無いか、民家の中を物色する。民家の中には食料品の類がそのまま残っていた。
 バターロールを失敬し、そのまま口に放り込む。それから台所から包丁、二階のおそらく子供の部屋と思しき場所から辞書を三冊、持ち出す。
 重さといい、重心といい、なかなかいい辞書だ。……関心するポイントが違う気がするが。まあ、いい。
「閉じこもっててもいいけどそんなのは性分にあわないしね」
そう言いながら玄関のドアを警戒しつつあける。大丈夫、誰もいない。杏は駆け出した。まずは知り合いを、仲間を見つける。
(椋、朋也、渚、ことみ、みんな無事でいるのよ)
果たして、彼女の願いは届くのだろうか。





 自分の安否を報告するスレッド

1:藤林杏:一日目 12:34:08 ID:ajeogih23
 自分が今、どういう状態にあるか、報告するスレッドです。
 報告して知り合いを安心させてあげてください。

 私は、今は無事です。さしあたっては当面の危機もありません。
 それから、私は積極的に人を殺そうとは思っていません。攻撃された場合は別ですが。もし、あたしを見つけても撃たないでね。

 みんな、希望を捨てちゃ駄目よ。生き延びて、みんなでまたもとの町へ帰りましょう!
259 ◆elHD6rB3kM :2006/09/26(火) 08:25:09 ID:lD7VtnBI0
藤林杏
【時間:13時ごろ(民家を出た時間)】
【場所:C-03】
【持ち物:ノートパソコン(充電済み)、包丁、辞書×3(英和、和英、国語)】
【状態:元気。満腹。】
どちらに向かったかは次の方任せで
260 ◆elHD6rB3kM :2006/09/26(火) 08:44:21 ID:lD7VtnBI0
言い忘れてました。全ルート用です
261名無しさんだよもん:2006/09/26(火) 10:19:44 ID:PfZsuBWbO
028の続きを書いてみました
017の続きにも見えますが、ルートによって雄二のデスノがあるか、ないかに分岐できるようになっています
262うたがわれるもの (1/4):2006/09/26(火) 10:22:16 ID:PfZsuBWbO
「あれ?」
「ん? どうしたの、雄くん?」
「あそこにいるの貴明じゃねーか?」
灯台の最上階、近隣の景色が俯瞰できる場所、そこに向坂雄二(40番)と新城沙織(56番)はいた。
そしてその時、雄二は灯台からそれほど遠くない所…いや、むしろ近いところにやや小さな人影を二つ見つけた。
そのうちのひとつは姿や身体的特徴が彼の友人の河野貴明と瓜二つだった。
しかし、むこうはまだこちらに気がついていない。

「試しに呼んでみたら?」
沙織が雄二に言った。
「でも、別人でしかも敵だったらどうするんだよ?」
「その時は別にいいじゃない。どうせ最後まで生き残れるなんて思ってないんだし……
ただ死ぬのが今なのか、後なのかの違いでしょ?」
死ぬのは恐いけど、と付け足して沙織は答えた。
「そ…そうか……? よし、それなら………」
雄二はすぅと息を吸うと、人影の方へ叫んだ。

「おおーい、貴明ーーーっ!!」


「あれ?」
自分を呼ぶ声が聞こえた気がしたので、貴明は足を止めて振り返ってみた。
しかし、そこには誰もいない。
「どうしました?」
不思議そうにマルチは貴明に尋ねる。
「今雄二の…知り合いの声が聞こえた気がするんだけど………」
「えっ? 本当ですか!?」
「うん…」
貴明とマルチはまわりを軽く見回してみたが、雄二らしき者の姿は見えなかった。
263うたがわれるもの (2/4):2006/09/26(火) 10:25:12 ID:PfZsuBWbO
「貴明ー。ここだ、ここだーー!
上。上ーっ!」

また叫び声がした。
今度は貴明にもマルチにもはっきりと声が聞こえた。
「た…貴明さん。今の!」
「うん。今度は確かに聞こえた。上………?」
貴明たちが目線を上へ上げると、近くの灯台から大袈裟に手を振る人の姿があった。
雄二だ。
「雄二!」


「いや〜貴明、無事でなによりだ!」
「そっちこそ!」
灯台の外、入り口付近で二人の少年は無事に再開を果たした。
もちろん、沙織とマルチも一緒である。
「ところで貴明…」
「なあ雄二…」
「この子は誰だ?」
「こちらの子は何者だ?」二人がほぼ同時に互いのパートナーとなった少女に目を止めて尋ねた。
「ああ、こいつは…」
「私は新城沙織。よろしくね、河野貴明くん。
……え〜と、呼ぶときは貴くんでいいかな?」
「ああ、かまわないよ。普段からこのみ……幼なじみにはそう呼ばれてるしね。こちらこそ、よろしく。
………で、こちらがメイドロボのマルチちゃん」
「はい。HMX−12 マルチといいます。以後よろしくお願いします」
「なに!? メイドロボ!?
おお、すげえ! 本物だ、本物のメイドロボだ!」
「そ…そんなに近くで見ないでください。恥ずかしいです………」
マルチは思わず顔を赤らめる。
264うたがわれるもの (3/4):2006/09/26(火) 10:26:56 ID:PfZsuBWbO
雄二はマルチをまるで中世ヨーロッパの貴重な美術品を鑑賞するような目でじっくりと見た。
メイドロボを欲しがっていた雄二にとって、メイドロボをこんな近くで見ることなどまたとないことだったからだ。
――が、この後貴明が言った一言が一時場を混乱させてしまうことになる。

「雄二、おまえ本当にメイドロボ好きだな」
「えっ? も…もしかして雄くんって人間の女の子にはまったく興味ないタイプ……?」
沙織が少し後ずさる。
「ま…まて新城。違う! 誤解だ!」
あわてて貴明の発言を撤回しようとする雄二。

「いや、普通にメイドさんとか好きだぞ雄二は」
貴明の発言がさらに追い打ちをかけた。
「や…やっぱりそっち系なの………」
「だからちがーう!
貴明も俺の社会的地位を下げるような発言をするなぁぁぁぁぁぁ!!」


「……で、これからどうするんだ?」
誤解も解け、混乱も治まったところで雄二が貴明に尋ねた。
「雄二は見つかったけど、このみやタマ姉、小牧さんたちがまだ見つからないんだ」
「浩之さんにあかりさん、セリオさんたちも…」
「祐くん……あ、長瀬のほうの祐くんね。るりるり、みずぴーもね」
「うーん…じゃあ知ってる連中をしらみつぶしに探していくとしますか?」
「そうですね。これだけいるんですから一人くらい見つかりますよね?」
「だな。あの姉貴がそう簡単にくたばるとは思えないし」
「祐くんたちも」
265うたがわれるもの (4/4):2006/09/26(火) 10:33:55 ID:PfZsuBWbO
「――じゃあ、そうと決まれば早めに先に行こうか」
「うん」
「はい」
「ああ。さすがに騒ぎすぎちまった。
敵が俺たちの存在に気がついていてもおかしくねえ」
貴明たちは引き続き友人、知人を探すために灯台を後にした。

 向坂雄二
 【所持品:支給アイテム(ルートにより変化)、他支給品一式】
 【状態:普通】

 新城沙織
 【所持品:フライパン、他支給品一式】
 【状態:普通】

 河野貴明
 【所持品:支給品一式】
 【状態:普通】

 マルチ
 【所持品:支給品一式】
 【状態:普通】

 【時間:1日目午後2時半】
 【場所:I−10】

 【その他】
・貴明、雄二たちは一緒に行動
・雄二の支給アイテムは017を通ったルートなら『死神のノート』。通っていないルートならば別の支給品(どんなアイテムかは後続の書き手さんにおまかせします)になる
・貴明、マルチの支給アイテムは後続の書き手さんにおまかせします
266マーダーズ・ヘヴン(状態報告):2006/09/26(火) 12:37:58 ID:bo8yoLzD0

 37:来栖川綾香
【時間:一日目13:00頃】
【場所:E-2付近】
【持ち物:パワードスーツKPS−U1、カラシニコフAKS−74U】
【状態:健康】

 60:セリオ
【時間:一日目13:00頃】
【場所:E-2付近】
【持ち物:なし】
【状態:正常】


 19:柏木耕一
【時間:一日目正午】
【場所:F-03】
【持ち物:不明】
【状態:鬼】

 71:長岡志保
【時間:一日目正午】
【場所:F-03】
【持ち物:不明】
【状態:気絶中】

・ルートA。張るのが遅れて申し訳ありません。
267名無しさんだよもん:2006/09/26(火) 12:48:52 ID:PEti6Hup0
以上、U-1SS作家266氏のマーダーズ・ヘヴンでした
268名無しさんだよもん:2006/09/26(火) 13:38:06 ID:5ys4g9Ks0
ういうい、投下します。まとめサイト風にかくと
→000
⇔なし
一応全ルート共通です
269正しくはメルボルン(1/3):2006/09/26(火) 13:38:49 ID:5ys4g9Ks0
「にょわ〜!変なのがいるっ!」
「ちょっと待て、俺のどこが変なのか言ってみろ」


場所は春原神社の境内の雑木林の中、ここにいれば知り合いに会えるのではないかと期待して待っていたんだが、
いつしか気づいたら寝てしまっていた。
「うわ、アホな子か、俺は」
こんな極限状況の中で居眠りとは、自分のことながら情けない。
探さなければならないやつはたくさんいた。親父に級友、その家族。
でも闇雲に歩き回るより知り合いと同じ名前の神社にいれば合流できると踏んだわけだが・・・
「我ながら情けねぇ」

そこで、ふと気配がしたような気がした。
慌てて息を潜める。
(こども・・・か?)
まだ年端もいかない小さな子が重そうにデイバックを引きずりながらこちらのほうに歩いてくる。
(さて、出て行くべきか否か)
考えあぐねていると、そいつはこっちを指差しこう抜かしやがった
「にょわ〜!変なのがいるっ!」
270正しくはメルボルン(2/3):2006/09/26(火) 13:39:30 ID:5ys4g9Ks0
「仕方ねぇだろ、俺のバックの中身がこれだったんだから」
俺は『お誕生日セット』を見せながらこう答えた。
「でも普通つけないよ。こんなのつけるのは体だけ大きくなったかわいそうな大人だけだよ」
三角形の帽子を指しながらゲラゲラ笑ってやがる。
まぁ、確かにこの帽子が雑木林から飛び出してる光景は笑えることだろう
「これをつけてるだけで擦り寄って来る知り合いを一人知ってんだよ」
「へぇ、そうやって相手を油断させてザックリいくんだ。変人殺人鬼だ〜」
「まずてめぇからザックリいくぞっ!!」
「みちるキーーーーーーーックっ」
「ぐはっ」
「お前みたいなやつにやられるほど落ちぶれてなんかないよーだ」
腹を抱えてうずくまってる状態で言い返せるはずもなく
「みちるは美凪を探さなくちゃいけないんだ、変人殺人鬼に構ってられるか」
そう言って駆け出そうとするそいつの足首をつかむ
「ちょっと待て。どうせなら二人で行動しないか?」
「にょわ?」
「どうせなら二人で行動したほうが安全だろう。俺の知り合いもお前の知り合いと一緒にいるのかも知れないし」
「嘘つけっ!そうやって油断させてみちるを食べる気だな」
「違う、こういう状況では協力しあうのが定石だろ」
それに・・・こどもをほっとく訳にも行かないしな
「むむ〜、名前なんて言うの?」
「俺か?岡崎朋也だ」
「岡崎・・・どことなく変態誘拐魔と似てる・・・」
「お前の知り合いにはそんなのがいるのか・・・」
「しょうがないなぁ、変人殺人鬼が人を食べないように見張ってやるか」
「はぁ〜、はいはい」
こうして俺とこのへんなの珍道中が始まった。
271正しくはメルボルン(3/3):2006/09/26(火) 13:40:17 ID:5ys4g9Ks0
岡崎朋也 
【時間:夕方(第一回放送終了後?)】 
【場所:正しくは菅原神社(E-02)】 
【持ち物:お誕生日セット(クラッカー複数、蝋燭、マッチ、三角帽子)、基本セット(食料その他)】
【状況:とりあえず知り合い探し】

みちる
【持ち物:基本セット、固有品(?)】
【状況:美凪を早く見つけてハンバーグ食べたい】


「そういえば名前はみちるでいいのか?」
「うん、みちるはみちるだよ」
「へぇ、オーストラリアの首都みたいだな」
272名無しさんだよもん:2006/09/26(火) 18:21:37 ID:TSjTAfh10
>まとめサイト管理人様
更新乙です
でも、ルートBとB’には026は入っていなかった気がします
273名無しさんだよもん:2006/09/26(火) 18:25:59 ID:TSjTAfh10
もうひとつ修正するべきじゃないかなと思うところ

038 うたがわれるもの
>灯台からそれほど遠くない所…いや、むしろ近いところに〜
「ところ」→「所」
274不器用な答え(1/3):2006/09/26(火) 19:34:01 ID:xcI1q6SE0
橘敬介(064)が建物から出されて最初に考えたことは、どこかに隠れることだった。
周囲は空き地のようになっており、いつどこから狙われてもおかしくない。
殺し合いだなんてまったく現実感の無い話だが、
あのウサギは「人間と思えないような連中」も混じっていると言っていた。
中には殺人なんて事も平気でできるような奴もいるかもしれない。
作戦を立てるにせよ、荷物を確かめるにせよ、まずは安全な隠れ場所を見つけてからだ。
そう考えた敬介は、やや離れた木立の中へと走り込んで行った。
が、すぐにその判断が誤りであった事に気がついた。
首筋にちくりと痛みを感じ、次の瞬間に意識が遠のき始めたからだ。
隠れられそうな場所、はすなわち、待ち伏せに最適な場所、でもあるのだ。


倉田佐祐理(036)は、自分の行為がもたらした結果をじっと見つめていた。
と言うよりも、目を逸らす事が出来なかった。
木立の向こうで、男が膝から崩れ落ちるように倒れる。男の首筋に突き立った細い針が、
鈍い銀色にきらめく。地面に倒れこんだ男は、びくん、と身体を痙攣させ、動かなくなった。
そこまでを見届けて、佐祐理はようやく口に当てたままだった筒を下ろす。
膝は震え、手にはぐっしょりと汗をかいていた。
(舞、祐一さん……佐祐理は頭の悪い子ですから、こうするしか思いつかないんです。
許してくださいね)
ただ一人しか生還できない殺人ゲーム。自分の大切な人までもがその渦中にある。
ならば、自分がすべきことは決まっている。大切な人が生き残る確率を、少しでも上げるのだ。
例えそれが人として許されない行為だとしても。
どうせ、この手は既に汚れているのだから。
275不器用な答え(2/3):2006/09/26(火) 19:36:27 ID:xcI1q6SE0
彼女に支給された武器は、笛のような細い管と、平たいケースが2つ。
でかでかとした『取扱注意!』の文字にドクロマークまで描かれたケースの中には、
矢が1ダース並んでいた。
「これって、吹き矢でしょうか?」
矢には一本一本厳重にキャップがはめられ、何色かのラベルが貼ってあった。
赤が3本、青が6本、黄色が3本。ケースの警告からして恐らくは毒矢、そしてそれぞれ
種類が違うと言うことなのだろうが、どの色がどういう効能なのか説明はどこにも無かった。


目の前の男に撃ったのは青い矢だ。
いくら覚悟をしたつもりでも、そうそうすぐに殺人への忌避感が拭えるはずも無い。
青=青信号、安全の色、だから比較的効果も弱いのではないか、と頼りない理由でそれを選んだ。
男は死んだのだろうか? 近付いて確かめたいところだが、もし男が息を吹き返しでもして
襲われたら、と考えると足が動かなかった。自分の心臓がどくどくと早鐘のように打つ音が
頭に響く。極度の緊張のあまり、周囲への警戒が薄れていることに佐祐理は気づかなかった。
「いやぁぁぁぁーっ!!」
誰かの悲鳴。
倒れた男の身体の向こう側で、自分と同じくらいの少女が腰を抜かしていた。
佐祐理は、弾かれたように荷物を引っつかむと、きびすを返して駆け出した。
あの男が生きているにせよ死んでいるにせよ、自分の姿を見られるのだけは
避けなければならない。そう判断するだけの理性は、まだ残っていた。
276不器用な答え(3/3):2006/09/26(火) 19:38:04 ID:xcI1q6SE0
064 橘敬介
【時間:1日目11:40頃】
【場所:スタート地点07・焼き場付近の木立(H-07)】
【持ち物:配布武器は不明、基本セット(食料その他)】
【状況:麻酔による昏倒、安全な場所を探す】

036 倉田佐祐理
【時間:1日目11:40頃】
【場所:スタート地点07・焼き場付近の木立(H-07)】
【持ち物:吹き矢セット(青×5:麻酔薬、赤×3:効能不明、黄×3:効能不明)、基本セット(食料その他)】
【状況:舞と祐一を生き残らせるため手を汚す事を覚悟、矢の効果は把握していない、逃走】

※悲鳴の主は続きの書き手さんにお任せ
277不器用な答え:訂正:2006/09/26(火) 19:40:07 ID:xcI1q6SE0
>>275
×平たいケースが2つ
○平たいケースが1つ

です。失礼しました。
278名無しさんだよもん:2006/09/26(火) 19:45:32 ID:jABE3Pcd0
一応こttにも
>>272
旧BだったB'の方は採用宣言されてる。 >>201
旧CだったBの方は元々21までだったので26にルートの宣言もないので自動的に入る。
279不器用な答え:2006/09/26(火) 19:47:00 ID:xcI1q6SE0
さらに失礼。
「不器用な答え」はどのルートでもOKなように書いたつもりです。
こちらからのルート指定もありません。
280名無しさんだよもん:2006/09/26(火) 20:40:40 ID:TSjTAfh10
023『危険承知のSOS信号』の続きを書いてみたので投下します
281予想外のスナイプ・ショット (1/3):2006/09/26(火) 20:42:22 ID:TSjTAfh10
「ふぅ……」
藤井冬弥(088番)は自身の安全を確認すると草陰に腰を下ろした。
スタートして1時間近く歩いていたが、運良く敵と思える者とも遭遇することなくここまで来れた。
(これも一応こいつのおかげなのかな?)
そう思いながら自身の支給品であるH&K PSG−1を見た。

もともと狙撃用ライフルであるこの銃にはスコープが搭載されている。
それにより常に自身の行き先の安全を確認することが可能だったため、彼はここまで進むめたのだ。

(ここは林だ。特に目立つ行動さえ取らなければ敵に見つかることはないだろうけど…)
「誰かー!」
(ん?)
ふと女の子の声が耳に入った。
(近くに誰かいるのか?)
冬弥は声がした方にH&K PSG−1を向け、スコープを覗き込んだ。


スコープには女の子と女子高生が映っていた。
見たところ車椅子が溝にはまってしまい立ち往生しているようだ。
おそらく先ほどの声からして、車椅子を溝から出すのに手伝ってくれる人を探しているのだろう。
(あらら…大変だな。しょうがない、俺がいってやるか……)
スコープから目を離して2人を助けに行こうとした瞬間、もう1人の人影がスコープに映った。
(ん!?)
もう一度スコープでよく見てみると、今度ははっきりともう1人の姿を捉えた。男だ。
物陰から女の子たちの様子をこっそりと見ている。
そして、当の2人は男の存在に気づいていない。
282予想外のスナイプ・ショット (2/3):2006/09/26(火) 20:43:40 ID:TSjTAfh10

(まさか、殺す機会を伺っているのか!?)
嫌な予感がした。
(大変だ、急いで2人を助けないと………でも今俺が出て行ったら逆にやられてしまうかもしれない………)
やがて、こうなったら仕方が無い、とH&K PSG−1を真剣に構えた。

―――わざと彼女たちの近くに1回発砲し、狙われていると思い込ませ男をこの場から退かせる。もしくは女の子たちをこの場から逃がす。
彼なりに短い時間で考えた結果出た一番安全と思える方法だった。

トリガーを引こうとする指は震えていた。
(間違っても彼女たちには当たるなよ……)
短い沈黙が冬弥とその周辺を支配する。

(…………いけっ!)
やがて決心した冬弥はトリガーをぐっと引いた。


銃声と同時に郁乃たちの近くの地面に弾が1発命中した。
「きゃっ!」
「て…敵!?」
(――なんだと!? まさか狙われている!?)
郁乃、七海、そして高槻の3人は冬弥の思い通りの反応をした。
(まずいな…狙撃の場合間違いなく俺の姿も敵に見られている………くっ。こうなったら俺らしくはないが仕方が無い………)
高槻は自身も思っている通り彼らしくもなく郁乃たちの元へ飛び出した。
無論、突然の高槻の出現に郁乃と七海は困惑した。
「えっ!?」
「だ…誰ですか?」
「そんなことはいい! 早くここから離れろ! 狙い撃ちされるぞ!」
高槻は車椅子の片輪を溝から引っこ抜くと郁乃と七海を連れその場から離脱した。
283予想外のスナイプ・ショット (3/3):2006/09/26(火) 20:44:21 ID:TSjTAfh10


(…………あれ?)
1人その場に取り残された冬弥は思いもよらぬ結果に唖然とした。
どちらかが逃げるかではなく、両者が…それも一緒になって逃げていったのである。
(………もしかして、あの男最初から2人を襲う気なんてなかったのか?)


  藤井冬弥
 【時間:1日目14:20頃】
 【場所:D−07】
 【持ち物:H&K PSG−1(残り4発。6倍スコープ付き)、他基本セット一式】
 【状況:肉体的、精神的にやや疲労】

  小牧郁乃
 【時間:1日目14:20頃】
 【場所:D−07(離脱)】
 【持ち物:支給アイテム不明、車椅子、他基本セット一式】
 【状況:七海と共に高槻に連れられ離脱中。少し困惑中】

  立田七海
 【時間:1日目14:20頃】
 【場所:D−07(離脱)】
 【持ち物:支給アイテム不明、他基本セット一式】
 【状況:郁乃と共に高槻に連れられ離脱中。少し困惑中】

  高槻
 【時間:1日目14:20頃】
 【場所:D−07(離脱)】
 【持ち物:熊のぬいぐるみ(やや大きめ)、他基本セット一式】
 【状況:郁乃、七海を連れ離脱中。二人を連れ出した理由は不明(だが本人も何も考えていない可能性大)】
284予想外のスナイプ・ショット:2006/09/26(火) 20:59:46 ID:TSjTAfh10
追記
・冬弥のスタート地点はS3(F−09 無学寺)
・郁乃、七海のスタート地点はS10(D−06 鎌石小中学校)
・高槻のスタート地点はS6(I−10 琴ヶ崎灯台)
285どっきりぱーてぃー(共通ルート) ◆/EyftfKRBU :2006/09/27(水) 00:51:29 ID:uSCy4FW40
現在地はD-01の海岸。時刻は、ちょうどお天道様が真上に上る頃――正午である。 
 綺麗な海岸が果てしなく広がり、見渡す限りの大海原に、ここが絶海の孤島であると痛感させられる。「もしかしたら、通りかかる船でもあるかもしれない……」という期待は儚く散ったわけである。
 本来ならば、思わず海に飛び込みたくなるところだが、このような状況ではそうも言っていられない。それに、後ろに広がる森林では、今も殺人が行われているのかもしれないのだ。
「ちょっと、なに、あれ……」
 そんな中支給武器である双眼鏡を覗き、辺りを見回す少女は怪訝な声を漏らした。
「ねぇどう思う?」
 十波由真(70)は、双眼鏡を覗きながら後ろを背中合わせに後方を警戒する相棒に尋ねた。
「そんなこと言われても、こっちからは見えないんよ」
「それもそうね、はい」
 立ち位置を変わり、今度は相棒が海を眺める。 その時に武器も交換する。
 代わりに由真が装備したのは、特殊警棒。アメリカ人の太った警部が持っているようなものを想像してもらいたい。
 人を殴れば、骨まで砕く威力を持っている代物だが、はっきりいって、他の参加者がどんな武器を持っているのかわからないこの状況では、頼りない武器の類になる。
 もし相手の装備が銃だった場合――考えたくはないが――、こちらは抵抗するまもなく、死ぬだろう。
286どっきりぱーてぃー(共通ルート) ◆/EyftfKRBU :2006/09/27(水) 00:52:50 ID:uSCy4FW40
さて、そんな折に海原の向こうに見つけた『なにか』。
「あれはきっとUMAなんよ!」
 双眼鏡を覗き込んだままの笹森花梨(48)は興奮気味に声を上げた。
「そんなわけないでしょーが。ちょっと代わりなさい」
 再び、役割交代。
「あれは鳥よ!」
「そんなわけないんよ! 鳥ならもっと空の高いところにいるはずなんよ。 でもあれは海面を移動してるんよ。 ちょっと代わって」
「あぁちょっとぉ!」
 再び役割交代。
「うーん……あれはムー大陸時代の失われた遺産なんよ」
「そんなわけないでしょーが。 はやく代わって」
「あぁんっ! もっと見たいのにぃ!」
 花梨の抗議虚しく、双眼鏡は三度由真の手に。
「……カモメ?」
「カモメも鳥なんよ馬鹿! 代わって!」
「あ、こらぁっ!」
 奪うように、双眼鏡は花梨へ。 後方警戒はどうした。
「……あれ?」 
「どうしたのよ」
 急にトーンを落とした花梨の声に、由真も落ち着きを取り戻す。
「さっきよりどんどん近づいてくるんよ、あれ」
「うそ!? ちょっと代わりなさい」
 由真はひったくるように双眼鏡を覗き込んだ。
「ほんとだ……どんどん近づいてくるわ」
「ね? ね?」
「鳥……じゃないし……鯨でもない……」
「なに? なに?」
「あれは…………船!」
「ふね!?」
 そう。こちらに近づいてくる謎の物体。 その正体は紛れもなく船であった。
 白い、二人乗り程度の小型船が、どんどんとこちらに近づいてくる。
287どっきりぱーてぃー(共通ルート) ◆/EyftfKRBU :2006/09/27(水) 00:53:26 ID:uSCy4FW40
「救助かもぉっ!?」
「……でも、そんな雰囲気じゃないわ」
 希望の声を上げる花梨と低いトーンで状況を伺う由真。
 どんどんと近づいてくる船は、一直線にこちらに向かってくる。
 しかし―― 一直線すぎる。
 船は操舵が利かないのか、猛スピードのままどんどんとこちらに迫る。距離は、もう目視で確認できるところまできている。

「……ちょっと、やばいんじゃない?」
「そうかも……」
 流石に危険を察知した二人は、慌ててその場を離れようとする。
 しかし、砂浜に足を取られ、うまく動けない。 
 船のエンジン音が煩く響く。
「はやく逃げなきゃ! 早く逃げなきゃ!」
「判ってるけどぉ!!」

 もう、距離はない。

ドォッゴッッッォォォォォォォッォーッッッッン!!!!!!

「きゃぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!!!!!!」
「やぁぁぁぁあああああああああああ!!!!!!」


 十波由真・笹森花梨【死亡】







288どっきりぱーてぃー(共通ルート) ◆/EyftfKRBU :2006/09/27(水) 00:53:57 ID:uSCy4FW40
「……ってなるところだったわね」
「うぅ……」
 なんとか難を逃れた二人は、後ろで無残な姿を晒す船に目をやった。
 船首は見る影をなくし、船体も半分ほどが損壊している。
 船は幸い(というか)近くの岩肌にぶつかり、二人には直接的被害が及ばなかった。
 船体が爆発していないのも幸運だ。もし燃料が引火でもしたら、間違いなく近くにいた二人は被害に巻き込まれていただろが、今のところその心配はなさそうだ。
 

「それにしても、なんなのよあの船は……っ!」
「ひどい目にあったんよ……」
 恨めしげに毒づく由真と涙目の花梨。
 目だけを海面から覗かせ、そんな二人の様子を伺う怪しげな男がいた。
 男は例の船の乗組員であり、衝突の寸前に身を投げ命を免れていた。
(ちくしょーあの女ぁ。 操舵桿をぶち壊しやがって!死ぬところだったじゃねぇか!)
(散々犯してやったのに、まだあんな精神が残っていたなんてな……)
 男――岸田洋介は数十分前の光景を忌々しげに振り返った。
(あの牝豚ぁ!!)
 船の方――おそらく衝突の衝撃で即死となった女に――に目をやる。
(あれじゃぁ当分は足がないぞ……)
(いっちょ、あの女共に探りいれてみるか)
 岸田は、ゆっくりと海面から身を出した。





289どっきりぱーてぃー(共通ルート) ◆/EyftfKRBU :2006/09/27(水) 00:55:51 ID:uSCy4FW40
「そうだったんですか、災難でしたね……」
「ええ、本当に参ってしまいましたよ」
 三人は砂浜に腰を下ろし、2対1の形で向き合っていた。
 いつもの偽善者モードで二人に近づき、手八丁口八丁で言いくるめた岸田は、由真の信頼を既に得ていた。一方の花梨は会話に参加することなく、怪訝な目で岸田を睨んでいる。
(なにか変なんよ、この男……)
「それにしても……殺人ゲーム、ですか?」
「……そうなんです」
「なんということだ……」
 ぉぉ!と天を仰ぐ岸田。(なんて面白そうなことじゃないか! 最高だ! こいつは最高だよ!)
「それで、ここで辺りを伺って……」
「近くに船が来ないか、と考えたわけですね?」
「はい。そこに……」
「私が来た、と」
「ええ」
「でも残念でしたね……あのとおり、船も壊れてしまいましたし……」
 わざとらしく、肩を落とす。 (時間さえあれば直せるがな……まずは、ここで楽しむか)
「本当にあの船、だめなんでしょうか?」
「ちょっと見てるんよ」
「あぁ!ちょっとちょっと!!それはやめてください!!」
 腰を上げようとする二人を慌てて制す岸田。
290名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 00:57:09 ID:aH/q91jFO
自己連投回避
291どっきりぱーてぃー(共通ルート) ◆/EyftfKRBU :2006/09/27(水) 00:57:14 ID:uSCy4FW40
「……なにか?」
「……い、いえ、もし引火でもしたら危ないですから」
「あ、そうですね」
「それに、あれじゃぁもう駄目ですよ」
「そうですか……」
(いや、ちょっと待てよ)
 岸田はある趣向を思いついた。
(ふふっ、これは面白い幕のあげ方だ)
「やっぱり、ちょっと見てみましょうか、船」
「え、でも危ないんじゃ……?」
「いいからいいから……」
 不気味な(表面上は良い)笑顔を称えながら、岸田は二人を起こし、船へと連れて行った。
 ぼろぼろに壊れた船体に乗り込み、危険がないか確認(ふり)する。
「大丈夫です。どうぞ、こちらへ」
 手招く岸田に従って、二人も船に上がる。
「僕はちょっと船尾を見てみますから、二人は船室の方を確認してくれますか?」
「わかりました!」
「…………」
 素直に支持に従う由真と、相変わらず警戒心の強い花梨。
 しかし、次の瞬間、二人の表情は同一のものとなる。
 それは……恐怖。
 二人の目の前に広がった光景。二人が見た悪夢。
 それは、船室の中央に仰向けに倒れた全裸の女だった。
 頭からは夥しい量の血が溢れている。明らかに、死んでいる。
 二人の背筋に、冷たいものが伝った。
292どっきりぱーてぃー(共通ルート) ◆/EyftfKRBU :2006/09/27(水) 00:58:00 ID:uSCy4FW40
「――見たんだな」
 すぐ後ろでした『ぞくっ』とする恐ろしい声に、二人はぎょっと振り向く。
 そこには、先ほどまでの表情とは一変した悪鬼のような岸田の顔があった。
「……岸田さん、こ、これは……?」
 震える声で、由真が尋ねるも、岸田は好色そうな笑みを浮かべるのみだ。
「――由真、逃げるんよ!!」
 瞬時に状況を理解した花梨は由真の手を握り、駆け出そうとする……が、その前に岸田が立ちふさがる。
 そして、にやりと 厭な笑みを浮かべた。
「SURPRISE PARTY! 」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!!」


十波由真
【時間:12:20】
【場所:D-01の海岸(「もし、明日地球が爆発するのなら」での場所に程近い )】 
【持ち物:ただの双眼鏡(ランダムアイテム)・他支給品】
【状況:笹森花梨と行動を共に。岸田から逃げる】
笹森花梨
【時間:12:20】
【場所:D-01の海岸(「もし、明日地球が爆発するのなら」での場所に程近い )】
【持ち物:特殊警棒(ランダムアイテム)他支給品・海岸で拾ったピンクの貝殻(綺麗)】
【状況:十波由真と行動を共に。岸田から逃げる】
 花梨・由真のスタート地点は菅原神社

岸田洋介・船・女の状況
【岸田:ヒャッホウ!今日はついてるらしい! とゲームに乱入。装備品はカッターナイフ 】
【船:半壊。現在運航は不能。エンジン部は健在(機械工学に長けた人間・岸田なら、修理は可能?道具は船内に)】
【女:死亡】
293 ◆/EyftfKRBU :2006/09/27(水) 00:59:12 ID:uSCy4FW40
一応、共通ルートのつもりで書きましたが
もしNGのようならネタルート扱いで構いません
294名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 01:00:03 ID:L8TGX/fP0
ネタルート以外がないから安心汁
295名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 01:01:41 ID:fAWFwDxo0
>>288
>衝突の寸前に身を投げ命を免れていた

「落命を免れる」の間違いかな?(これもしっくりこないけど)
296名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 01:12:08 ID:aH/q91jFO
>295 あ、【落】つきます、指摘どうも。その箇所、自分でも首傾げて書いてましたw

酔いを醒ましてきますわノシ
297名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 01:13:37 ID:txKS+OOH0
>>◆/EyftfKRBU
ほとんどというか完全に反則だな
これがありならほぼ無制限に好き勝手にキャラ何人でも増やせるぞ
29810:2006/09/27(水) 01:43:54 ID:y/ZZ/rSk0
出来ましたー。
一応003と004の続き。
Bルートのつもりで。
299No.43何が正義か知らないが:2006/09/27(水) 01:44:31 ID:y/ZZ/rSk0

霧島聖(32)は、無学寺を最後に出発した。
(さっきの兎の説明を聞く限り……)
そして、多少離れた木の陰に隠れて待っていた。
(私が解放されたのが11時53分……)
あのスタート地点が爆発するのを。
(部屋まで普通に歩いて約2分。ドアを閉めて、デイパックを取り出すのに約1分)
もうすぐ……か。
最後に開放する時間から爆発までの時間が短すぎる。
参加者を爆発で殺すのは恐らく無効は本意ではない筈だ。
最後の者が逃げ切れないほどの大規模な爆発を起こすことは無いだろう。
そうなれば焼け跡に何か残るかもしれない。
(これで私が粉微塵になるような爆発だったら笑い種だな……)
ドッ……ゴォォォォォン…………
後ろから爆音が聞こえる。
自分の隠れている木を吹き飛ばすような爆発でもなかったようだ。
ちょっとほっとしながら爆発の余韻が収まるのを待って寺の方へ行く。
寺は崩れ落ち、煙を燻らせていた。
破片や材木は結構遠くまで飛んでいる。
下手に安定保っているよりかは崩れ去った今の方が安全だろう。
(ふむ……素手で触れるものではないな……)
先程デイパックの中は全てチェックした。
彼女に支給されたランダムアイテムは厚手の手袋だった。
その五指の上に鉄の爪の付いた。
(まさか主催者もこんな使い方をされるとは思わなかっただろうな……)
彼女はそれを嵌めて、下に何か在りそうな所を探す。
300No.43何が正義か知らないが:2006/09/27(水) 01:45:54 ID:y/ZZ/rSk0




「やはり、そう都合良くは見付からんか……」
額に浮き出る汗をぬぐってひとりごちる。
「まぁ、あまりゆっくりもしていられないか」
焼け跡から抜け出て、道なりに歩き出す。
(佳乃を探さなければ……)
佳乃がこのゲームを一人で生き残るのは無理だろう。
早く合流して守らなければ。
誰かと行動出来ていればいいのだが。
(何が正義は分からんが……)
「少なくともこんなゲームが正義とは思えない。どうにか脱出する手立てを見つけよう」
声に出して決意を固め、妹を探して彼女は歩き出す。


霧島聖
【時間:午後一時半頃】
【場所:E-08の道の上】
【持ち物:デイパック、ベアークロー(ランダムアイテム)】
【状態:妹を探して歩き出す。島からの脱出を画策】
301040の続き-祐介の得たもの1:2006/09/27(水) 06:26:36 ID:8LQSPjAt0
長瀬祐介は、スタート地点6の琴ヶ崎灯台(I-10)からひとしきり走った後、息を整えがてら道なりに西北へと歩いていた。
 彼に支給された武器。それは――のこぎり・トンカチ・キリの3点セット。武器としては、心もとないものばかりだ。
 トンカチ:威力は高いが、リーチが短く不利
 キリ:トンカチと同様。それに、致命傷を与えられるとは考えづらい。
 鋸:一見一番武器になりそうな鋸だが、支給されたこれは薄手の代物でペラペラしたタイプのもの。 
 斬りかかるような芸当は難しい。

「……結局、たいした武器は一つもないじゃないか」
 祐介は落胆した末、しょうがなしに(一番まともそうに見える)鋸を装備し、他の二つはリュックにしまい込むことにした。
 もしかしたら、後々役に立つかも知れない。
「それにしても……電波がつかえないなんて」
 一番の不安はそこだ。歩きながら、ため息をつく。
 自分は、月島さんとは違い、スポーツが得意ではない。 自分から電波をとったら、ただの人。
 はっきりいって、この過酷なゲームでは生き残れそうにない。
 参加者名簿を見たら、瑞穂ちゃん、太田さん、沙織ちゃん、瑠璃子さん、月島さんの名前があった。 
 あと知っているのは……七瀬彰、長瀬源蔵、十波(長瀬)由真。 
 一応、遠戚にあたる3人だ。この中で一番親しいのが七瀬彰だが、それでも親戚の集まりで何回か話したことがあるだけで、他の二人にいたっては、よく知らない。
30210:2006/09/27(水) 06:27:31 ID:y/ZZ/rSk0
 うぉ間違えた
↑この話BじゃなくてB'のつもり
303040の続き-祐介の得たもの2:2006/09/27(水) 06:28:00 ID:8LQSPjAt0
 時刻はもうすぐ正午。日差しが容赦なく照りつける。
 祐介が三叉路(H-08)に差し掛かったその時、そう遠くない所――西の方角――で悲鳴が聞こえた。知らない少女の声だ。声の遠さから推察するに、恐らくは焼場のあたりだろう。

「もう、始まっているのか……?」
 祐介は声のする方角に視線をやり、誰ともなしに呟いた。

 スタートからはまだ20分しか経っていない。自分のスタートからは、精々10分。 こんな短時間に、人は人を襲うものなのか? それも知らない(であろう)人間を。

 ――でも、何人かゲームに乗った連中がいるのは不思議じゃないのかもしれないな。
 はたと思い至るところがあり、祐介は自嘲した。
 人は人を傷つけたがる生き物だ。
 実際に僕はあの日――夜の生徒会室で――月島さんを壊そうとした。それは、『殺す』とほぼ同義である。
 つまり――僕は、一瞬でも人を殺そうとしたことがある。 
 なら、殺人未遂を犯した僕はこのゲームに乗るのか? 
 愚問だ。 僕はもう、あの頃の僕とは違う。 
 逃げていただけの僕とは違うし、熱っぽい妄想に囚われることもない。
 殺人など、到底考えられない。

 少女の悲鳴はあれから聞こえない。……死んだ、……のだろうか?
 気になる。 たしかに気になる……が、僕はそれを無視して歩き続ける。 歩く先に当てはない。 だが、歩く方向は無意識に、声のした方角とは反対側になる。
 そんな僕を、心の声が呵責する。 僕を、非難する。
――この声の持ち主が瑠璃子さんだったら? 瑞穂ちゃんだったら? 沙織ちゃんだったら?僕は見過ごせるか?
 もちろん、見過ごせない。 でも、それは知り合いだから。 だから、今は関係ない。
――それは『逃げ』だ。 再び僕が僕を責め立てる。
――それはエゴだ。 『知っているから、知らないから、など逃げ口上だ』。
――それじゃぁ、『お前は何も変わっていない』。
――本当は『怖いんじゃないか?』 
304040の続き-祐介の得たもの3:2006/09/27(水) 06:32:13 ID:8LQSPjAt0
 僕は足を速める――なにかが起こったかもしれない場所を離れんと。
 今は、危険から離れるべきだ。それは間違った選択ではないはずだ。
「なにも、自ら危険に飛び込むことはないんだ……それに、なにかの罠かもしれないし……」
 呟くその声は言い訳がましい。そんな自分が腹立たしい。
「知らない人を助ける義理なんてないじゃないか……知り合いだけ助かれば、それでいいんだ」
 本当にそれでいいのか?
 加速する歩調、なお呵責する心。 言葉とは裏腹に、気持ちは苛む一方だ。
 もし、すでに悲鳴の主が息絶えていたら? いやそれよりも、処置をすれば助かるのなら? ……僕は一つの人命を見捨てたことになる。 そうしたら、自分は一生後悔することだろう。
 僕は変わったんじゃないのか?
(あの日、瑠璃子さんは僕を助けてくれた。その日まで、特に親しくなかった彼女が、だ) 
(僕は……瑠璃子さんだから助けたのか? 瑠璃子さんじゃなきゃ助けなかったのか?)
(……違うだろ?)
(瑠璃子さんに教えてもらったのは電波だけか?)
(……違う)
 歩く――逃げる――足取りが、だんだんと重くなる。
 良心の呵責 瑠璃子さんへの背信行為に対する罪の意識 変わったはずの自分 が足を引きずる。
(僕はもう――あの頃の逃げてばかりの僕じゃないはずだろ?) 
 祐介は立ち止まり、キッと目を見開く。
(僕がやるべきことはなんだ?)
305040の続き-祐介の得たもの4:2006/09/27(水) 06:35:12 ID:8LQSPjAt0
――それは自分を変えてくれた彼女への報い
 変わった自分を示すこと。
(だったら、最初からやることは決まってるじゃないか)
 踵を返し、向かう先は――西。
 上空に広がる青空に、あの夜、彼女の微笑の奥に見た満月を思い浮かべながら、祐介は地面を蹴った――。


 長瀬祐介
【時間:11:45頃】
【場所:H-08からH-07の悲鳴の元(040『不器用な答え』と同一)へと向かう途中】
【持ち物:工具(鋸・トンカチ・錐)、他基本セット。武器のうち鋸を装備】
【状況:健康】

 ※悲鳴の主はさらに次の方におまかせ(祐介の知り合いではない)
30610:2006/09/27(水) 06:35:37 ID:y/ZZ/rSk0
ごめんなさいタイミング最悪だ
307 ◆/EyftfKRBU :2006/09/27(水) 06:37:14 ID:8LQSPjAt0
>306 別にかまわないです。しかし素晴らしいタイミングですなw
30810:2006/09/27(水) 06:39:47 ID:y/ZZ/rSk0
本当に。
丁度ハカロワ5巻読み終わってまとめ見てBルートに加えられてるぞおいって感じでの訂正でした。
5時間開いてたのに…………
309名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 07:37:22 ID:nDQGu0JBO
いちいちそんな事言うから痛く見える
310兄-01:2006/09/27(水) 07:49:26 ID:uL41cei70
小さな身体には不釣合いなほどの大きさのデイバックを肩に下げ、春原芽衣(057)はがむしゃらに林を走っていた。
何度も転んだのだろうか、両膝からは血が薄くにじんでいる。
自身の腰はあろうかとまで乱雑に生え茂った雑草の群れがチクチクと足に刺さり、その痛みが彼女の気力を奪っていく。

「お兄ちゃん・・・」

瞳からゆっくりこぼれる涙と共に思い出すのは、自分を守ってくれた兄陽平の姿。
口では冷たいことを言いながらも、いつも困った時には助けてくれた。
都会の高校に行ってしまい、挫折、誰からも相手にされない不良になった。
風の噂でそう聞いた。
信じられなかった。
彼女の中で、兄はヒーローだった。
(お兄ちゃんなら何とかしてくれる)
目に見えない不安に襲われながらもそれだけを考え、施設を飛び出していた。

足は重く、膝の痛みが麻痺していた心を超えて襲ってくる。
息も荒く呼吸が出来ない。
それでも背中に迫る恐怖に潰されるものか、と芽衣は走り続けた。

不意に視界が広がり、眩いばかりの日光が芽衣の身体を刺した。
軽く眩暈を起こしながらその光を手で隠すと、辺りをゆっくりと見渡した。
目の前には大きな池が降り注ぐ光を浴びて輝いていた。
311兄-02:2006/09/27(水) 07:50:09 ID:uL41cei70
「み、みず・・・」

支給された水筒のことも忘れ、ふらふらと吸い寄せられるように池に近づいていく。
池の水をゆっくりと両手ですくい、迷わず口に入れた。
喉の奥から全身に水が流れ込んでいくような感覚。
そのうち手ですくうのも億劫になり、直接水面に口をつけてがぶがぶと飲みだした。

「はぁ、はぁ・・・」

ひとしきり飲み干すと、疲れがどっと押し寄せてくる。
何をするわけでもなく、池に移った自分の顔を見ながら、ただ呆然としていた。

「お兄ちゃんっ・・・」

再び兄の姿を思い出し、泣いた。

コツッ

芽衣の全身がびくりと震える。
頭に硬い何かが押し付けられていた。
振り返ることすら出来ず、恐怖で微動だに動けなかった。
水面をゆっくり見つめる。
移る自分の姿の後ろには、真っ黒な拳銃を突きつけた男の姿。

兄だと思った。
私を助けに来てくれた。
やっぱりお兄ちゃんはお兄ちゃんのままだった。
が、そこで思考は止まる。

じゃあなんで今私の頭に拳銃が突きつけられているのか。
自分の大好きな兄がこんなことをするのか?
312兄-03:2006/09/27(水) 07:50:55 ID:uL41cei70
「・・・悪く思わないでくれよ」

違う、お兄ちゃんじゃない!
陽平とは似ても似つかぬその見知らぬ声に、全身がガタガタと震えだした。
後ろの男・・・七瀬彰(078)は表情をピクリとも変えず、感情を感じられない顔で呟いた。

カチャリ

その音にビクッと跳ねた。
安全装置の外れる音だろうと、簡単に想像がついた。
そして、今からこの男に殺されるんだろうなということも。
ただこれでもう兄と会うことは無いんだろうなと思うと無性に悲しかった。

ドンッ

無機質な音が響き渡る。

「うっ」

痛みは無かった。
ただ兄の安否のみを願って、ゆっくりと芽衣の意識は闇に落ちていった。
313兄-04:2006/09/27(水) 07:51:34 ID:uL41cei70
彰は持っていた拳銃を落とし、右腕を押さえて膝をついた。
それから弾は発射されることは無かった。
別の方向、林の奥から彰に向けて綺麗に命中していた。

「だれだっ!」

弾の飛んできた方向をキッと睨むと、声を荒げて叫ぶ。
視線の先、林の中から眼鏡をかけたスーツ姿の男性がひょうひょうと出てきた。

「何を考えてたかは知らないけど、君正気じゃないよ?」

言いながら、緒方英二(014)はとぼけた顔で彰に近づく。
勿論たった今彰を撃った銃は、標準を彼から離してはいない。

「とりあえず後ろを向きたまえ、そして彼女からもっと離れるんだ」

ゆっくりと芽衣に近づきながらも、彰の監視は緩めない。
のろのろと立ち上がり後ろに振り返る彰。

が、その瞬間落とした拳銃の方へと飛び跳ねる。
だが予想していたかのように英二はその銃を打ち抜き、銃は大きく跳ねて池の中へと沈んでいった。
やれやれといったように大きく溜め息をつく。

「もう一度言おう、後ろを向いて彼女から離れたまえ」
314兄-05:2006/09/27(水) 07:52:57 ID:uL41cei70
彰の顔が苦渋にゆがみながらも、英二の言うとおりに後ろに向かれた。
その刹那、林の中へと猛ダッシュして行く。

「!?」

英二は思わずその後姿を撃とうとするがそこで考え直し、銃をそっとおろした。

「まぁ去ってくれるなら今はそのほうがいいかな」

何があるかわからないので極力無駄球弾の使用は避けておきたかった。
今優先されるべきは少女の安全確保であって彼を殺すことではない。
なにより、英二自身このゲームに乗ったわけではないのだから。

英二は倒れた芽衣から視線を移すし近寄ると、そっと抱きかかえる。
小さな胸が規則正しく動いていた。
極度の疲労と緊張、そして恐怖で気を失ってしまったんだろう。
安堵感で英二は胸をなでおろした。
芽衣を地面に横たえると、持っていたハンカチを濡らし額に載せた。

「お兄ちゃん・・・か」

芽衣の前髪をそっとなで、ゆっくりと息をつくと太陽を見上げ、探し人の顔を反芻し呟いた。

「理奈、由綺、弥生くん、あとはそうだな、ついでに少年もか・・・」
315兄-06:2006/09/27(水) 08:05:10 ID:uL41cei70
春原芽衣
【時間:一日目13:00】
【場所:D-04高原池】 
【持ち物:支給品】
【状況:気絶中】
緒方英二
【時間:一日目13:00】
【場所:D-04高原池】 
【持ち物:拳銃・他支給品】
【状況:彰から芽衣を助け、高原池で彼女が起きるのを待つ】
七瀬彰
【時間:一日目13:00】
【場所:D-04高原池から逃走、方向不明】 
【持ち物:武器以外の支給品】
【状況:右腕を負傷、支給武器は紛失】
3人ともスタート地点はS-8ホテル跡
316 ◆MPQNssKP1. :2006/09/27(水) 13:41:47 ID:JB87YlTZ0
kkk
317偶然 ‐幸運と不運‐:2006/09/27(水) 14:05:23 ID:QCqIf2oYO
神尾観鈴(025番)は逃げていた。背後から迫る自身の命を奪おうとする存在から―――

――醍醐(061番)。
観鈴が島に来て最初に出会ったのは、自分の母親でも人形を操る青年でもなく、見知らぬ男――それもこれまで数多くの戦場を潜り抜けてきた一流の傭兵だった。

「観念しろ小娘! どうせいずれは死ぬ身だ。今ここで俺に殺されて死んだほうが後が楽というものだろう!?」

醍醐は徐々に観鈴との距離を縮めていく。
いずれ追い付かれるのは時間の問題だった。
醍醐の支給品はサバイバルナイフ。傭兵である醍醐にとってみれば馴染みの武器――すなわち『当たり』だった。

「鬼ごっこはこれまでだ小娘!」
「が…がお!?」
ついに醍醐の延ばした左手が観鈴の左腕をがっしりと掴んだ。そして観鈴はそのまま勢い良く投げられ、地面に叩きつけられた。
「っ!」
「手間を欠かせやがって。だが、これで終わりだ小娘。安心しろ、痛みも感じないほど一瞬であの世に逝かせてやる!」
醍醐が右手にナイフを構える。狙うは観鈴の眉間だ。

ナイフの鋭い刃が日の光を反射して不気味に光るのが観鈴の目に映った。
そして、今まさにその刃に貫かれようとしているのは観鈴自身なのだ。

「い…いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
無意識に観鈴は悲鳴をあげる。
それと同時に醍醐のナイフを持った腕が振り下ろされた。
観鈴は思わず目を閉じる。(お母さん、往人さん、ごめんなさい―――)


―――――――銃声が聞こえた気がした。
318偶然 ‐幸運と不運‐:2006/09/27(水) 14:08:09 ID:QCqIf2oYO
………観鈴の顔に数滴の雫が落ちた。
(……………あれ?)
まだ自分は生きている。何があったのだろうと思い、観鈴はゆっくりと目を開いた。

「ぐ…ぐおぉぉぉぉぉ……!」
なぜか醍醐が自分の右腕を押さえて苦しんでいた。
彼が押さえていた右腕からは大量の血が流れていた。いや。それだけではなかった。彼の右腕の先、つまりナイフを持っていた右手がなくなっていた。
観鈴は気付いた。今自分の顔に滴れた雫は醍醐の血だということに。
「き…貴様……」
醍醐が目を向けた先には、左手に銃を持った芳乃祐介(118番)がいた。


「こういうヒーローまがいなことはあまり俺がやるべきことじゃないんだがな………」
芳乃は自分の支給品であるDesart Eagle 50AEを撃った反動で痺れた右腕をブンブンと振りながら苦笑いをした。
(まあ、たまにはいいか…)
「き…貴様……」
醍醐が血走った目で芳乃を睨む。
「よくも俺の手をぉぉぉ!」
片手がなくなったことで逆上した醍醐は目標を観鈴から芳乃に代え、まっすぐ彼に突っ込んでいった。
2人の距離差はほんの数メートル。
「ちっ!」
芳乃はまだ痺れがとれない右手に銃を持ちかえると、もう1発醍醐にむかって発砲した。
しかし、今度は醍醐の左頬を掠めるだけに終わった。
「うお!?」
醍醐の渾身の左ストレートが芳乃を掠めた。
醍醐の拳は素人から見たらまさに鈍器だ。芳乃がそれを1発でも食らえば、死ぬというまでにはいかないだろうが、それでも驚異である。
2回、3回……次々と繰り出される醍醐の拳をギリギリかわすことに精一杯な芳乃は醍醐に止めの一撃を加えるチャンスが得られずにいた。
(やばいな…このままじゃらちがあかねえ……ん!?)
芳乃の息が上がりはじめたその時。もう1人の男がその場に現れた。
319偶然 ‐幸運と不運‐:2006/09/27(水) 14:10:11 ID:QCqIf2oYO

相沢祐一(001番)。先程の観鈴の悲鳴を聞いてこの場に駆けつけたのだ。
「助けにきたぞ! ………って、これはどういう状況なんた?」
観鈴に駆け寄った祐一は、目の前で繰り広げられる男たちの戦いに呆気にとられた。
「あのお兄さんを助けてあげて!」
観鈴が祐一に叫んだ。
「え? あの筋肉質な男のパンチをかわしてまくっている奴か?」
「そう。早く!」
「わかった! おい、そこのあんた。今援護する。こっちの弾に当たるなよ!」
祐一が自分の銃を構えた。
そっちこそはずして俺に当てるなよ、と芳乃は思ったが、正直援軍が来てくれたことはありがたかった。
「くらえぇぇぇ!」
祐一の銃が火を吹く。それも2回だ。


1発は醍醐の横っ腹に、そしてもう1発は―――醍醐の頭部に命中した。
320偶然 ‐幸運と不運‐:2006/09/27(水) 14:12:42 ID:QCqIf2oYO
醍醐の動きが止まる。
「……………」
そのため、場はシーンと静まり返った。
やがて、醍醐はその場に崩れ落ちた。
「やったな。誰かは知らないが助かった」
「相沢祐一だ。どういたしまして」
「そうか……俺は芳乃祐介だ」
芳乃と祐一は互いにニッと笑った。
その後ろで観鈴が
「か、神尾観鈴だよ!」
と言っていた。
「あ? お前まだいたのか?」
「が、がお。ひどいよ!」
「ははは。冗談だ」


「…さて。俺は行くかな」
少し休むんだ後、芳乃は立ち上がった。
「えっ? 行っちゃうの?」
「ああ。皆で行動したほうが安全だと思うぜ」
「いや。お前たちには悪いが、俺は1人で探したい奴がいるんだ。だからここで失礼する」
そう言うと祐介は歩きだした。

「祐介さん」
「ん?」
ふいに観鈴に呼ばれたので芳乃は振り向いた。
「助けてもらったお礼まだ言ってなかったよね?
ありがとう」
「…………はいよ。せいぜい1秒でも長く生き残れるように頑張れよ」
芳乃は右手を上げるとその場を後にした。
321偶然 ‐幸運と不運‐:2006/09/27(水) 14:15:21 ID:QCqIf2oYO
芳乃が観鈴を見つけたのも助けたのもすべては偶然である。
しかし、少しの偶然が時に幸運(奇跡とも言う)や不運を呼ぶのである。
今回の場合、観鈴たちが前者。そして醍醐は後者だった。ただそれだけの話である。

061 醍醐 死亡

 【時間:1日目午後2時過ぎ】
 【場所:F−09】

 神尾観鈴
 【所持品:支給品一式(支給アイテムは後の書き手さんに任せます)】
 【状態:少し疲労。祐一と行動する】

 神尾観鈴
 【所持品:S&W M19(残り4発)、他支給品一式】
 【状態:普通。観鈴と行動する】

 芳乃祐介
 【所持品:Desart Eagle 50AE(残り5発)、サバイバルナイフ、他支給品一式】
 【状態:少し疲労。公子を探す。移動中】

 【その他】
・醍醐のサバイバルナイフは醍醐の死後回収。芳乃の手に渡る。
・醍醐の水と食料は3人が休憩の際に約半分消費。残りは祐一と観鈴に渡る。
・この話は015の続きです。
322名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 14:25:25 ID:n/vhKqMI0
ポカーン

またデザートイーグル
323諸行無常(1):2006/09/27(水) 14:31:30 ID:c6oekbYh0
「落ち着きましたか?」
「う、うん。ありがとう。でもこの水……」
「構わないさ。水がないと君も困るだろう? それはあげるよ」

 照れくさそうに水の容器を持った月宮あゆ(068)に、氷上シュン(082)は気にするなとばかりに頷いた。
 その傍らでは、草壁優希(033)があゆの背をゆっくりと擦っている。

 シュンは立て続けに遭遇した参加者二人が、共にゲームに乗りそうにないことは即座に分かった。
 始めは神社からの出発であったが、地図を見る限り二つある。
 彼がいた神社は西と東に舗装された道があったことと、なによりも山道であったことから、鷹野神社で間違えはなかった。
 そこから道沿いに西へと向かう道中、草壁優希に遭遇した。
 彼女はシュンを見たとき明らかに怯えていたが、それでも話を聞けるほど冷静であったということもあり和解も早かった。
 ゲームに乗っていないこと、出来れば河野貴明(42)を探したいという彼女の願いにシュンは協力を申し出た。
 シュンにはゲームからの脱出という目的しかなかったため、あまりにも真摯に語る優希の様子に情が移されたのだろう。

 そして、二人で歩いて間もなく、木陰の隅で震えている月宮あゆを発見したという次第だ。
 優希とは違って酷く恐怖に震えており、落ち着かせるのに苦労した。

「さて。いつまでもここにいては、君も危ないよ。隠れていたつもりだろうけど、こちらからは丸見えだったからね」
「うぐぅ……」
「あ、あはは。もう大丈夫ですか、あゆさん?」
「うん。ありがとう優希さん」

 優希は擦っていた手を止め、シュンへと向き直る。
 彼女の言わんとすることに、頷いてみせるシュン。
324諸行無常(2):2006/09/27(水) 14:33:44 ID:c6oekbYh0
「今更だけど、僕たちはゲームには乗っていない。信頼できる有志を募って脱出を図るつもりだ」
「ええぇ! だ、脱出できるの?」
「いや。手段については皆目見当もつかない。だけど、最大のネックはこれだ」

 シュンは自分の首輪をトンと叩く。反射的にあゆも自分の首輪に触れる。

「これをどうにかしない限り脱出は難しいだろう。そのために、島にいる参加者達との情報交換が必要だ」
「……情報交換?」
「そう、情報交換だ。各々しか知りえぬ情報が数日経てば分かってくるだろう。そういった情報と照らし合わせる。
 自分達が全てを考える必要はないし、一人が島中を走り回る必要もない。各自が、伝わった情報と自身の情報とで検討し、導き出した断片を次へと渡す。
 情報が人から人へと伝い、あやふやであった策がいずれは形を持って最後には解決の策となるはずだ。
 最後に、その解決策へと便乗すればいい。……僕たちに出きることといえば、これぐらいだからね」
「す、すごいよ! 氷上君頭いいんだね!」
「ん、いや。これぐらいは誰もがいずれ考えることだし、自然とそういう会話も成されるはずだ。
 とにかく、今のところの方針としては、ゲームに乗ってない人物と接触して情報を残す。後は草壁さんの想い人の捜索かな」
「え、えぇぇ!? ちょ、氷上さん……そ、そんなつもりじゃ」
「ん、違ったのかい。とまあ、僕たちはこういった方針だけど、ここで提案だ」

 真っ赤になって否定する優希を笑顔で流す。
 まるで相手にされてない優希は、頬を染めて恨めしそうにシュンを睨みつけるが、その反応で脈アリだとバレバレである。
 その様子に苦笑しながらシュンは改めて、あゆへと向き直った。
325諸行無常(3):2006/09/27(水) 14:35:30 ID:c6oekbYh0
「君をこんなところで放置するには忍びない。だから、僕たちと行かないかい?」
「え……いいの? ボク役立たずだし……きっと、氷上君と優希さんの足引っ張っちゃうよ」
「あゆさん。困ったときはお互い様ですよ。それをいったら私だって氷上さんの足を引っ張ってますし……」

 氷上からの申し出だったとはいえ、優希は彼を巻き込んだことに申し訳なく思っていた。 
 彼は生き残る力を持っているし、あえて特定の人物の捜索という、いらぬ世話までさせているのだ。
 だが、それでも氷上は笑って首を横に振る。

「そうは思っていないよ草壁さん。元々僕にはゲームからの脱出という安易な考えしかないからね。
 草壁さんのように、この危険な状況で人を探そうとするほど強くはない」
「ですが、結局は氷上さんに頼ってますし……」
「人は頼るべきなんだよ草壁さん。必ず見つけだす……その想いこそが、なによりも重要なんだ。
 月宮さんはどうだい? 探したい人……いるんだよね?」
「う、うん! ボクは祐一君や秋子さん達を見つけたい!」
「なら一緒に行動しよう。君も決して足手まといなんかじゃない。皆で河野君や祐一君、秋子さん達を探そうか」

 優希とあゆは嬉しそうに頷いた。あゆに至っては涙目である。
 そんな二人をシュンは眩しそうに見つめた。
 彼にも、この島で参加者として殺し合いを強制させられている知り合いはいる。
 だが敢えて探そうとは思わなかった。 

(浩平君……君は今も逞しく生きているのかな。でも、僕はこんな異常な環境の中で君達とは会いたくないよ)

 少しばかり感傷に浸っていた思考を払う意味で軽く頭を振る。
326諸行無常(4):2006/09/27(水) 14:37:22 ID:c6oekbYh0
「まずは、目下の問題から解決しようか」
「なにかあるの氷上君?」

 シュンは、主にあゆに注目しながら言葉を切った。
 溜まった涙を拭いて無邪気に質問するあゆに、シュンも優希も苦笑する。

「月宮さん……荷物は?」
「え……あっ。お、置いてきちゃった……」
「どこか覚えてる?」
「う、うん。この先の大きな木の傍に……。始めはそこで隠れてたんだけど、そ、そこ見通しが良すぎたから今のところに……」
「慌てて移動した際に、忘れてきちゃったんだね。……分かった。そんなに遠くでもないみたいだから僕が取ってくるよ」
「だ、ダメだよ! 危ないよ!?」
「ひ、氷上さん……独りでは危険では……」

 二人が慌てて静止するが、シュンはやんわりと断りを入れる。
 今いる場所が本気で安全だと思っていたあゆの言うことが正しければ、その元いた場所は相当に見通しがよさそうだ。
 そんなところを全員で移動するわけにも行かないし、少女二人を向かわせるわけにもいかない。
 逆に、ここに一人残すことも安心できなかったので、シュンが行くしかないのだ。
 シュンは二人を安心させるように微笑んだ。

「大丈夫。危険だと分かったら直ぐに引き返すさ。それより心配なのは二人のことなんだけどね。
 とりあえず、ここから動かないこと。近くで何か動きがあったとしても、無闇に飛び出さないこと。
 ―――後は、敵なら即座に逃げること。僕は待たなくていい。いいね?」

 二人は渋々頷いた。
 その反応を確認したシュンはすぐさま荷物を抱え走り去る。
 シュンの後姿を消えるまで眺めていた二人。
 二人の間に沈黙が降りる。
 そんな不安な沈黙を紛わすようにあゆが口を開いた。
327諸行無常(5):2006/09/27(水) 14:38:52 ID:c6oekbYh0
「き、きっと皆で協力すれば脱出できるよね!?」
「そうですね。私達も最初に会った人が氷上さんでよかったです。
 ところであゆさん。祐一さんという人のことは、好きなんですよね?」
「ええぇ!? と、唐突だよ!」

 慌てふためくあゆの様子を、可笑しそうにして茶化す優希。
 シュンにやられたお返しを、そっくりあゆに振って会話を楽しんだ。
 自分の街のこと、家族、友達。そんな些細な話で二人は友情を深めていく。
 こんなゲームに負けないように、皆で必ず帰ると強い決意を言葉にして。

「絶対に……絶対に帰りましょうあゆさん」
「うん! 皆で協力したら、祐一君達も見つかるし、あの変な兎も倒せるよ!」
「その通りです! 私達が希望を捨てない限り―――え」

 ―――優希の正面。あゆの後方。
 背筋が凍る。
 あゆは気付いていない。一瞬の硬直の後―――

「―――ダメっ!!」

 優希があゆを強引に手で押した時、凄まじい轟音が優希の顔面に着弾する。
 首を仰け反らして、大きく身体が宙に浮く。
 流れる視界で、唖然としたあゆの顔を確認できた。
 
(―――よかっ、た。ぶ、じで)

 吹き飛んだ身体がぼろくずのように地面を転がる。
 身体が止まり、地に伏したとき、頭から血の池が溢れ出す。
 僅かに残った意識で、優希は自分がもう助からないと理解した。

(ご、め……なさい、ひか、さん―――た……かあき、さん)
32810:2006/09/27(水) 14:44:07 ID:y/ZZ/rSk0
連投規制回避
329諸行無常(6):2006/09/27(水) 14:48:05 ID:c6oekbYh0
 草壁優希は絶命した。唖然とするあゆと、果てぬ未練を残して。
 そして、我に返ったあゆが絶叫して駆け寄る。

「―――草壁さん!!!」 

 辺りの警戒も、シュンの言葉も何もかもが吹き飛んだ。
 優希に駆け寄ったあゆは彼女が生きていると信じて縋りつこうとするが、その凄惨さに手を止めた。
 変わりに喉の奥から込み上げるなにかを出さぬよう口許を抑えた。

「うぐっ、うぅ。そ、そんなくさかべさん。だ、だってだってさっきまで一緒にだしゅ、だしゅつしようって―――」
「―――倒すとか脱出とかさ。夢を見るのもやめろよ」

 涙と鼻水で塗れたあゆの後頭部にゴリッと鉄の塊が押し付けられる。
 その無慈悲な声も、鉄の感触も感じないまま、あゆの頭部は吹き飛んだ。



 重なり合う二つの凄惨な死体に、巳間良祐(106)は沈痛そうな面持ちで眺める。
 殺したことの後悔ではない。その表情には二人に対する哀れみの視線が注がれていた。

「まるで正気じゃないな。脱出なんて夢物語を考えてる時点でな。
 そんなこと出来たら苦労はしないさ。
 何故ゲームに勝ち残ろうと努力をしない。だからこういうことになるんだよ」

 物言わぬ二人の亡骸に言葉を連ねながら、近くに落ちていた優希の荷物を背負う。
 凶悪な鉄の凶器を肩に乗せ、彼は振り返ることもなく歩き出した。

「―――ルールに従う俺は正常だろ? 死んだら全てが終わりだもんな」

 誰にともなく呟く良祐の言葉は、誰も肯定はしないし否定はしない。
 その一言が島中に響いた気がして、彼は満足気に鼻を鳴らす。
330諸行無常(7):2006/09/27(水) 14:52:46 ID:c6oekbYh0
 良祐が離れてしばらく、銃声を聞きつけ急いで引き返してきたシュン。
 眼前に広がる光景に絶句した。

「―――そ、んな……」

 よろめきながら二人に近づいた。
 この異常なゲームでも、強い意志を胸に秘めていた少女

 ―――私は、それでも貴明さんに会いに行きます。

 この環境に弱気になりながらも、希望を捨てなかった少女 

 ―――ボクは祐一君や秋子さん達を見つけたい!

 そんな自分より強い二人が、重なり合うように静かに伏せていた。
 予想していない、予想しないようにしていた喪失感にシュンは膝を落とす。
 仲睦ましげに寄り添う二人の様子を思い浮かべ、やるせなさにあゆと優希の遺体に上着を被せた。  
 彼女達に報いる方法はなにか、それを考えるとゆっくりと立ち上がった。
 唇を噛み、血が出るほど拳を握り締め、そして涙を堪える。  
  
 ―――生きている。僕はまだ死んじゃいない。
331諸行無常(8):2006/09/27(水) 14:54:16 ID:c6oekbYh0
 ならば、何か出来るはずだ。彼女達が何を望んでいたか。
 自身の安否か? 違う。他者の脱落か? まったく違う。
 なによりも、他者を気に掛けていたはずだ。
 彼女達の最後は知らない。だが、誇れるものであったと信じよう。
 そんな二人に無粋にも水を注した奴は決して捨て置けない。
 捨て置けないが、後回しだ。
 シュンは彼女達が望んだことを優先させる。
 バックから名簿を抜き、目を走らせた。

「―――相沢祐一、河野貴明、水瀬秋子。この三人で間違いないだろう」

 まずは、彼等との合流だ。
 そして、伝えよう。彼女達が在った姿を。生き様を。そして最後を。
 それこそが自分が果たすべき優先目的だ。  
 二人に頭を下げて、彼もまた歩きだす。
 手の届かぬ位置で照りつける太陽が、彼の目的意識を燻らせた。

(……結局は。永遠なんて存在しないんだね。君はどうかな浩平君……)

 まだ見ぬ知人に、そう問い掛けた。
332諸行無常(9):2006/09/27(水) 14:56:20 ID:c6oekbYh0
 『氷上シュン(082)』
 【時間:1日目午後2時頃】
 【場所:H−04】
 【所持品:不明・支給品一式】
 【状態:普通。祐一、貴明、秋子の捜索】

 『巳間良祐(106)』
 【時間:1日目午後2時頃】
 【場所:H−04(既に移動)】
 【所持品:ショットガン(ベネリ M3)銃弾数5/7・支給品一式・優希の荷物】
 【状態:普通。ゲームに乗る】
 
 【備考:あゆの荷物はG−04付近に】

  033 草壁優希 【死亡】
  068 月宮あゆ 【死亡】

  「その他:共通でお願いします
      >>10さん」
       助かりました
333名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 17:11:12 ID:Ga2hZPQo0
こんな速攻であゆ死亡かよ
ふざけんな
334名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 17:29:56 ID:wjv3mg/Q0
↑よし、あゆが死なない別展開を書くんだ。

さて、完全ネタルート用に1本落とすよ。
前提の話は006と019と022と034。要するに綾香と超先生。
335Ultimate-One:2006/09/27(水) 17:33:15 ID:wjv3mg/Q0
「真琴が死んだか……」

彼のペットであるところの妖狐・沢渡真琴の死を“観”て相沢祐一は呟いた。

Aランクの妖怪である真琴をこうもあっさり仕留めるのは、彼に戦いを教えた水瀬秋子か、でなければ、

「来栖川綾香……か」

この世界の、数少ない、彼を“楽しませる”ことのできる人間だった。

「フッ……おもしろい」

彼は力のほんの一部を解放した。
その余波だけで彼が立っていた岬は粉々に砕け散った。
そして彼はすぐに綾香の元へ飛ぶ―――のではなく、
準備運動代わりに、彼のためにこの戦いの舞台を用意した者達に対してささやかな褒美を与えることにした。

―――――唯一者、自らの手による死を。

「むっ……! き、貴様ッ、一体どうやってここに入ってきたッ!!」

何の前触れも無くコントロールルームに現れた祐一の姿に超先生と側近らはこれ以上無いほど狼狽した。

「決まっているだろう……」

祐一は事も無げに答えた。



「ワープだ」
336Ultimate-One:2006/09/27(水) 17:34:29 ID:wjv3mg/Q0
相沢祐一(001)
【時間:一日目12:00頃】*辻褄合わなかったら変えていいよ
【場所:コントロールルーム】*スタート地点は都合のいいように
【持ち物:世界そのもの。また彼自身も一つの世界である】
【状態:唯一者モード(髪の色は銀。目の色は紫。物凄い美少年)】

笹森花梨(048) 死亡
(死体も支給品も粉々)
337名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 17:36:26 ID:LSitDZ/l0
せめてキャラの名前くらい正しく書かないか?w

芳乃(これじゃさくらだ)→芳野
優希→優季
338名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 17:54:56 ID:uy9KKayd0
とりあえず修正するべきと思うところを見つけたのでうp

うたがわれるもの
>「こちらの子は何者だ?」二人がほぼ同時に互いのパートナーとなった少女に目を止めて尋ねた。

偶然 ‐幸運と不運‐
>観鈴は思わず目を閉じる。(お母さん、往人さん、ごめんなさい―――)



途中改行するべきかと・・・・・
339名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 18:01:17 ID:LSitDZ/l0
ついでに>>321状況のところの祐一の名前がコピペのせいか観鈴のまま
340名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 18:04:39 ID:Rkuqv6h30
考えるんだ。
未だ不明の支給品で祐一が観鈴に変化したのかもしれない。
きっと次の話では芳野も、そう考えてみるんだ。
341名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 18:05:53 ID:uL41cei70
ちょいと質問
定期放送の有無と、する場合の時間はどれくらいに?
死者発表の時の参加者のリアクションと動きが後々に関るし重要だと思うんだよね
342名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 18:08:05 ID:uL41cei70
341は運営スレに書くべきだった、申し訳ない
343名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 18:11:01 ID:IrEoxFzj0
やりたいと思った時にやる。
適切な時期だと思ったらやる。
先に何時に放送するぞって話を挿入するだけでもOK
自由にしる。
賛同する人が話を続けてくれる。
344名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 18:18:35 ID:+SGHWPCq0
>>Ultimate-One氏
このスレで一番面白かったw
GJ!
345『羅生門』:2006/09/27(水) 18:26:27 ID:a+4d97Jg0
薄暗い森を歩く女―――伊吹公子(007番)は一人、ぼんやりと歩きながら考え事をしていた。それが何であるかは言うまでも無い。
『この殺し合いに、参加するか否か』
彼女にとって、最優先する事項は妹―――伊吹風子と、
最愛の人―――芳野祐介の安全の確保であった。
この島で、このゲームに乗ったものと思われる者による発砲音は、すでに公子の耳にも届いていた。
こんなにも早く堕ちてしまった人間がいる。その事実は、公子に決断を迫らせるには十分であった。
公子は考える。
二人を「確実に」生き延びさせるためには、人を殺さざるを得ない―――のだが、それが分かっていても、彼女にはいまだに殺すだけの覚悟ができていなかった。
支給武器は二連式デリンジャー。至近距離ならば、確実に殺れる代物。そんなものが手元にあっても、いまだに踏み切れていない。
殺さなければ、生き延びられない。
そうとは分かっていても、それでも彼女にとっては、「しなければ」のままだった。
つまり、彼女には積極的に人を殺すだけの勇気と、理由が無かったのである。
公子は、『羅生門』で盗人になるか飢え死にとどちらを選ぶかで迷っていた下人の気持ちが少しだけ分かるような気がした。

そんな堂々巡りを繰り返しながら歩いていると、不意に右から物音が聞こえた。
「…誰ですか?」
346『羅生門』:2006/09/27(水) 18:27:26 ID:a+4d97Jg0
返事は無い。この薄暗さの所為でおおよその方向は確認できたが、誰なのかは判らなかった。が、いきなり攻撃してこないことを見ると、少なくとも今はやる気にはなっていないということは理解できた。
「大丈夫よ。私にやる気は無いから」
今、は。
そう言うと、木の陰からおずおずと少女が出てきた。知り合いではなかった。背丈は、私より少し低いくらいだろうか。
少女は緒方里奈と言った。藤井冬弥、という人を探しているらしいのだが、無論、私は彼女が最初の遭遇者であったため、知っているはずもなかった。そのまま二人でしばらく歩く。その際、一応の情報は交換し合った。
「ところで、緒方さん」
何分か経って、私はずっと考えていたことを聞いてみた。
「もしも、の話だけど、もし、あなたの大切なひとが襲われて、命の危険に遭っていたら―――」
私は話をそこで一旦切って、私のこれからを委ねるように訊いた。
「あなたはそのひとを守るために、殺さず倒す?それとも―――殺します?」
緒方さんは少し慄くような顔をしたがすぐに元の顔に戻って言った。
「…たぶん、殺す、と思います」
「どうして、です?」
「だって…もしまた襲ってきて、それで殺されてしまったら、終わりじゃないですか」
「そう―――」
決まった。
「きっと、そうね」
347『羅生門』:2006/09/27(水) 18:28:25 ID:a+4d97Jg0
公子は確かめるように頷いた。里奈が少し苦笑いする。
「それじゃ、さよなら」
「え」
パァン!
公子のデリンジャーが里奈の眉間を綺麗に貫いた。とぼけたような間抜けな表情のまま、里奈が崩れ落ちる。即死だった。
――それは、最後に下人が選んだ選択と同じ。
彼女は、勇気と理由を手に入れた。
公子が、誰にともなく呟く。
「それじゃ、私もあなたを殺していい筈よね?そうしないと、ふうちゃんも祐くんも死んじゃうんだから――」
公子は進む。深い、深い深淵の闇を。

『伊吹公子(007)』
【時間:1日目午後1時頃】
【場所:E−05】
【所持品:二連式デリンジャー・支給品一式】
【状態:マーダー化。芳野・風子と合流するかは不明】

『緒方理奈(015)』
【時間:1日目午後1時頃】
【場所:E−05】
【所持品:不明、持ち物は任せます】
【状態:死亡】
348名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 20:08:28 ID:rRbYjuWM0
佐祐理・殺人拒否ルート投下します。
>>274-276とは思考ルーチン及び現在地が異なるので、共用できません。
349決意(1/2):2006/09/27(水) 20:09:03 ID:rRbYjuWM0
ゴツ・・・ズサァッ!!! 「いたっ」
視界もままならない鬱蒼とした木々の中で、わたしはもう何度目の転倒をしただろうか?
もはや時間の感覚がない。自分がどれだけ歩いているかもわからない。
休んでしまうと誰かに見つかってしまう気がして立ち止まる事も出来なかった。
しかし、緊張の中で歩き続けたために、体力の限界が来てしまっているようだ。
仕方なく周りを見渡し、極力人の通らないような木々の隙間を見つけ、身を隠す。

一体、なんでこんな事になっているのだろう?
気が付いたら奇妙な椅子に括り付けられ、ウサギから変な説明を受け、
こうして逃げ延びるように走り続けている。
もう制服も汚れきり、ところどころが破れ出している。
手足は擦り切れ、出血している場所もある。
人との接触を避けるために、わざと道無き道を進んだせいだ。
一度座ってしまうと、しばらくは立ち上がれない程の疲労感に包まれてしまった。

立ち上がれないままでは仕方が無いので、辺りの気配を伺いながら、自分の持ち物を見直す。
デイパックの中には単純なサバイバル用品と食料、名簿、
・・・そして、デイパックの脇に添えられていた日本刀。
長さはおよそ1mくらいだろうか、柄に16弁の菊の紋があしらってある。
周りに人がいない事を確認しながら、名簿を読んでみる。
何人かの聞いたことのある名前と、そこに見たくなかった名前を発見する。
舞・・・祐一さん・・・2人も来てしまってるのね・・・。

ここで殺し合いをしろと、あのウサギの人形は言った。
殺し合い・・・人の生命を奪う事・・・わたしに出来るはずがない。
大事な人がいなくなる悲しみを知っているわたしが、何故人にそれを与える事が出来るだろうか!
ここではそれがキレイ事だとしても、わたしにはそれは出来ない。
あ・・・あははーっ・・・悲しみと自虐に満ちた笑いと涙が込み上げてくる。
そうか、あの時死ねなかったわたしに、神様が死ぬ場面を与えてくれたのかもしれない。
自分の力で死ぬ事が出来なかったわたしに、一弥が呆れてしまっているのか・・・。
350決意(2/2):2006/09/27(水) 20:09:45 ID:rRbYjuWM0


でも、ごめんね、一弥。今はまだ死ねないよ。
ここに舞と祐一さんが来ている以上は、まだ死ねない。
あの2人を助けなければならない。それまでは死ねない。
舞と祐一さんが幸せになってくれる事が今のわたしの願いだから。
出来る限り逃げ延びよう。逃げているうちに2人に会えるはずだ。
幸いにも、わたしのもらった武器は刀だ。わたしには使う事が出来なくても
剣道の真似事をしてた2人なら、わたし以上に有効に使えるだろう。
あの2人も殺し合いに参加するとは思えないけど、自衛のための手段として
武器は必要になるはずだ。
3人でなら、きっと生き延びる方法を見つけられる。
でも、どうしてもダメなら・・・その時はわたしの命を差し出そう。
一度は失っても構わないと思った命、それを2人のために使えるのなら・・・!

そばに落ちていたロープを拾い、鍔と鞘にグルグル巻いて固定し、抜けないようにする。
これでもう、わたしにはこの刀は使えない。
それを背中に背負い、与えられた水で喉の渇きを潤すと、
少しは戻ってきた体力を元に静かに立ち上がり、歩き出す。

今は・・・逃げよう。この狂気の世界から。いつか2人と会うために・・・。

『倉田 佐祐理(036)』
【時間:1日目午後2時ごろ】
【場所:F−6、神塚山付近の森林帯】
【所持品:支給品一式(若干水を消費)、封印した菊一文字】
【状態:擦り傷等の軽い負傷と疲労、逃亡】
【備考:思考として、逃亡を繰り返しつつ、舞・祐一との合流を最優先に考える】
351名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 20:36:43 ID:rRbYjuWM0
補足:一応ルート指定は無しですが006、015とは組み合わせ出来ると思います。
352 ◆elHD6rB3kM :2006/09/27(水) 21:51:51 ID:V6bDuECm0
全ルート用、投下します。
題「ベット」
353 ◆elHD6rB3kM :2006/09/27(水) 21:52:44 ID:V6bDuECm0
 坂上智代(046)はスタート地点からすぐの茂みに身を隠していた。
 智代はもちろん、こんなふざけたゲームに乗るつもりなど毛頭ない。どうにかしてこのゲームをぶち壊しにするつもりだった。
 だがそれを一人でやりきるのは困難だろう。協力者がほしかった。
 そこで智代は手っ取り早くこうしてスタート地点に身を隠し、出てくる参加者を仲間にしようとおもいたったのである。
 自分はかなり後半の出発だったが、まだ開いていない扉が一つだけあったのである。はたして自分が出てからすぐにドアは開いた。
 どうだろう、相手は信用できそうだろうか。
 出てきたのは女の子だった。制服に身をまとっていることと、背格好や雰囲気から言って自分と同い年だろう。
 少女は落ち着いていた。周りを一瞥すると自分のディパックの中身を確かめながら歩き出す。
 智代はその落ち着き振りが少し気になった。もっと取り乱しているほうが自然だと思う。声をかけるのをよすべきか?
「なぁ、ちょっといいか?」
 だが、智代は結局声をかけた。落ち着きぶりが確かに気になったが、それは自分が疑心暗鬼になりかけてるだけだ。
 そう言い聞かせた。それに、そんなふうにいちいちためらっていたら結局いろいろ理由をつけて誰も仲間にできない。そんな不安もあった。
「………」
相手は首だけまわしてこちらをだまって見つめた。みつあみが印象的な美少女だった。名は里村茜(050)。
「これからどうするつもりだ?」
「人を殺して帰ろうと思います」
354 ◆elHD6rB3kM :2006/09/27(水) 21:53:50 ID:V6bDuECm0
茜はさらりととんでもないことを言う。これはさすがの智代も予想外だった。ぽかんと馬鹿みたいに茜の顔を見つめる。それから数瞬、茜の言葉を咀嚼するために時間を使い

、叫んだ。
「……どうしてだ、どうしてそんな簡単にそんなことを言える!」
「簡単に、ではありません。閉じ込められてりるあいだずっと考えて出した結論です」
目をつぶって悲しそうに反論する。それを見て少し落ち着いた智代はふとした違和感を覚え、その疑問を口にした。
「……ならなぜ、すぐに私を殺さない?」
「武器がこんなものでしたので」
そう言って相手がディパックから取り出したのはフォークだった。確かにそれで人を殺すのはちょっときつい。
「予定を変更する気はないか?」
「………」
再度無言。智代は畳み掛けるように説得を開始した。
「私はどうにかしてこのゲームをとめるつもりだ。お前の最終的な目的は殺すことじゃなくて帰ることだろう。私に協力しろ。
そうすればみんなで帰れる。お前だって人を殺さずに帰れるならそっちのほうがいいはずだ」
「……どうやってとめるつもりですか?」
「それはこれから考える」
「………」
「おい、無言で立ち去ろうとするな」
「嫌です」
無言で立ちさるな、という智代の言葉に従ったのかそれだけ言ってまた歩き始める。
「何が不満だ。何が。言ってみろ」
「そんな不確実な手には乗りたくありません」
「119人殺して帰るよりは現実的だ」
「………」
歩みが止まる。
355 ◆elHD6rB3kM :2006/09/27(水) 21:54:55 ID:V6bDuECm0
「わかった。こうしよう」
智代はバックの中に手をいれ、自分の支給品である手斧を取り出し、取っ手を相手に向けた。
「とりあえず、私に協力して脱出する手段を一緒に探せ。失敗したらその時はこれで私の頭を割ってゲームにのればいい。どうだ?」
「………」
相手はまたも無言。沈黙は5秒ほど続いたが、智代にはそれがもっと長く感じられた。そして、
「わかりました。それで結構です」
茜は軽く目を閉じてそう言った。
「そうか、じゃあこれを」
「いえ、いりません」
だが、智代が差し出した斧を茜は拒んだ。
「なぜだ? 私はちゃんと約束は守るぞ。もし失敗したらおとなしく殺される」
「私の腕力ではそれで人の頭を勝ち割るのは無理ですから」
「む……」
その答えに今度は智代が口を詰まらせる。
「いいのか」
「かまいません。119人殺すよりはましですから」
「わかった。この斧は私が持っておく。だが、これでは私が約束を破ったようで嫌だ。だから、扱えそうな武器を手に入れたらすぐにお前に渡す。いいな」
「はい。ですが……」
「?」
「そろそろ爆発します。離れましょう」
そういって相手は10メートルほど先にある。白い建物を指差した。床下あたりから白い煙がもうもうと出ている。
 まずだっと茜が駆け出し、智代が後に続く。
「伏せろっ!」
 ごごーーんんっ!!
 爆発の規模は思ったより小さかった。
「そういえば、名前を言ってなかったな。私は坂上智代という。智代でいい。」
「里村茜です。私も茜でかまいません」
地面に寝転んだまま、二人はそう自己紹介をした。
356 ◆elHD6rB3kM :2006/09/27(水) 21:56:30 ID:V6bDuECm0
坂上智代
【時間:12時】
【場所:スタート地点の岬(A-02)】
【持ち物:手斧】
【状態:健康】

里村茜
【時間:12時】
【場所:スタート地点の岬(A-02)】
【持ち物:フォーク】
【状態:健康】
357驕りと過信 ◆6cJovHvx6g :2006/09/27(水) 22:01:33 ID:3IVbSGTR0
ガサリ―――
音がした方向を綾香とセリオが同時に見る。
そこには白い巨体があった。

「ふふ、ツイてるわね。このスーツの説明に虎でも縊り殺せるって付け加えてもらいましょうか!」
ムティカパを見つめ、綾香は新しいおもちゃでも与えられたか子供のように嬉しそうに叫んだ。
だが……

サテライトシステム起動。
照会結果------該当無し。
危険危険危ケ

僅か数秒のことである。
セリオが目の前のモノに回答を出すとほぼ同時にムティカパはセリオに飛び掛っていた。
砂煙が立ち上り、それが晴れたころにはセリオの上半身と下半身は真っ二つに引き千切られていた。
ムティカパは既にそれには興味を示さず、その眼光は綾香を注視していた。
358驕りと過信 ◆6cJovHvx6g :2006/09/27(水) 22:02:17 ID:3IVbSGTR0
「何、ちょっとこんなの聞いてないわよ!!!!」
綾香はスーツの腕部に仕込まれているガトリングでムティカパに向けて一斉に弾丸を放つ。
本来ならこの攻撃で生きていられる生物は現存しない筈だった。
しかし、その弾丸の悉くはムティカパの体毛に弾かれてムティカパを傷付けることが出来ないでいた。
次の瞬間、ムティカパの突進を受け、木に叩き付けられる。
木は圧し折れ、綾香の口の中に血の味が広がった。
意識が朦朧とする最中、綾香が最期に見たものは自分に振り下ろされるムティカパの前足だった……

それから半刻ほど経ったであろうか。
それまで森に響き続けていた何かを打ち据える音が止んだ。
ムティカパは餌にありつこうとその爪を持ってスーツを切り裂こうとしていたが、遂にそれがなしえる事はなかった。
怪力で叩きつけられ続けた綾香だったものは既に原形を留めておらずミンチ肉となってムティカパの鼻孔をくすぐり続けるのみだった。
結局、ムティカパはそれを得ることを断念せざるを得なかった。

ムティカパは新たな餌を求めて森へと消えていった。
おいしそうな匂いを放つ餌に後ろ髪を引かれながら。
359驕りと過信 ◆6cJovHvx6g :2006/09/27(水) 22:02:54 ID:3IVbSGTR0
結局のところ、KPS−U1の性能について3点の証明がなされた事になる。
一つはどんなに攻撃を加えられてもほとんど傷つけられることのない耐久性。
一つは中の人間の衝撃に対する脆弱さ。
そしてもう一つはボディーバッグとしての利便性。

東京のモニター前、また首相官邸に設置されたプロジェクター前では
たった今起きたばかりの惨状が一つも漏らさず映し出されていた。
久瀬を始めとしたその場にいた全員が言葉を失っていた。
だが、後の祭りである。


37 来栖川綾香 死亡
60 セリオ 死亡

【時間:一日目14:00頃】
【場所:E-2付近】
カラシニコフはその辺に放置されています。
パワードスーツKPS−U1はほとんど無傷。(但し中にはミンチ肉の塊が詰まっている)

→022
→029
360ツキ:2006/09/27(水) 22:13:24 ID:a+4d97Jg0
「やれやれだねエ…」
エディ(010)はため息をつきながら目の前の大量のパンをどう処理するか思案していた。
説明しよう。事の始まりは三十分前―――

「コイツは…ちっとデカすぎるナ」
エディは自分に渡された他人より一回りも大きなデイパックを苦労しながら運ぶ。ジッパーはキツキツで壊れかねないほどであった。
「これだけ大きいのなら、きっと並み以上の武器が入ってるに違いないナ」
このゲームにおいて、どんな行動をとろうが強力な武器があるに越したことはない。が、一応身の安全のため出発地点から離れた場所で開けることにした。
「どっこいしょ…まあここらでいいだろ」
周囲を見回し、安全を確認する。
「そら開帳ダ…?」
中からぼとぼととこぼれ落ちてきたのはエディが想像したような未知の兵器ではなく、「古河パン」と銘打たれた大量のパンだった。
「は、ハハハ…」
こりゃいくらなんでも、ヒキが悪すぎだろ、ソウイチ―――
エディは遠い場所にいる友人を思いながらため息をついた。

そして今に至る。
「しかし、これホントにどうするかネェ…」
361ツキ:2006/09/27(水) 22:14:28 ID:a+4d97Jg0
しげしげとパンの入ったデイパックを見つめる。と、エディはある紙切れがあるのに気づいた。
「何だコレ?」
説明書、と書かれてあった。

〜使用法、古河パンver.1,00〜
強い衝撃を与えると白い粉塵(人体には無害)が舞い散ります。
食べられますが、味は保障できません。
くしゃみに注意!

「………」
頭を抱えた。
食い物じゃねえのかヨ。いや、食べられるとは書いてあるんだけどサ。胡散臭さバリバリじゃン?いや、それよりどう使うかだ。煙幕…には使えそうだが、殺傷力は皆無だ。喉にでも詰めて窒息させるか?
そんなことを本気で考えていると遠くからがさがさっ、という物音がした。
「…! 誰ダ!」
まずい。今のオレっちには役立たずの粉塵パンしかない。最悪、死――
そこまで考えて、ぶんぶんと頭を振る。冗談じゃない。死んでたまるか。
エディは両手にパンを構えた。
362ツキ:2006/09/27(水) 22:15:16 ID:a+4d97Jg0
しかし、そこに現れたのは幸運にもマーダーではなかった。
「…あんた、何やっとんのや」
そこにいたのは、呆れ顔の保科智子(096)だった。

『エディ(010)』
【時間:1日目午前11時ごろ】
【場所:C−2、森林帯】
【所持品:支給品一式、大量の古河パン(約30個ほど)】
【状態:健康、若干興奮気味】

『保科智子(096)』
【時間:1日目午前11時ごろ】
【場所:C−2、森林帯】
【所持品:支給品一式、武器は不明】
【状態:健康】
【備考:取り敢えず今のところ戦意はなし】
363名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 22:16:50 ID:UYXYABwx0
・・・・・ムティカパは原作通りの能力のままなのか?
うたわれ勢でも登場したら一般人並に能力落ちることになってるんだろ?
364名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 22:17:58 ID:XVTg2nht0
柏木千鶴
月島瑠璃子希望
365名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 22:19:05 ID:J7/3Ehre0
>>363
もとは支給アイテムだし、パワーゲーム上等のルートだし
構わんのでは、という気もする
いざとなったらU1がなんとかしてくれる!

ところでそのIDがかっこよすぎると思う
366名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 22:31:33 ID:IrEoxFzj0
>>359
>→022
>→029
森の王は029じゃくて027だぞ。
367名無しさんだよもん:2006/09/27(水) 22:35:15 ID:3IVbSGTR0
>>366
本当だ・・・
まとめサイトの方修正をお願いしますorz
368もっとU1化する彼女ら:2006/09/28(木) 00:03:53 ID:qlvDmLtZ0


森の中。

「あぶねー!」

トラにぶん殴られた綾香は目覚めた。
目の前にセリオがいた。即刻苦情。

「あの貧乳ババア殺す前に虎に殺されてどうするんよ」
「はいです」

ダメだこいつ、やっぱ若干CPUが遅い。やっぱり時代がイルファなのか。
いまどきサテライトだもんなあ・・・とか思いながらも、

──でも、私たちなんか虎に殺されたような気が・・・

と思っていると、目の前にもう一人、探していた人間がいた。

「あれ?姉さん」
頭をぺちっとやられた。来栖川芹香。姉である。


369もっとU1化する彼女ら:2006/09/28(木) 00:05:51 ID:qlvDmLtZ0
「検索できました。アイツ水に弱かったです」
──今更遅えんだよ。ポンコツが。CPU代えないとダメだこりゃ。
(あとでイルファをバラして補完しよ)とかパーツ取りの構想を練る。

しかし。「姉さん、どうやって私たち生き返らせたわけ?」と綾香が聞いた。
(・・・ちょうど人を生き返らせる事が出来る霊体がたまたま死んだ・・・)
「え?」

 姉さんは某ドロボウ霊の死亡を確認した上でその霊体を魔力でいつも持ってた水晶玉で封じ、
 その霊体が持つ奇跡の力を奪って私たちを復活させたらしい。

綾香もセリオも直ぐにわかった。マルチに劣らずの白○キャラ。
「アイツか」(こくこく)
羽リュック。いい時に便利な奴が死んでくれたモンである。
ああいうバカで変な特技だけある奴は早く氏んで有能な私のような人間の為に尽くさせるに限る。

とりあえず、セリオがバカなんで部品集めに入る事にする。セリオの能力UPの為だ。
マルチとイルファ解体して部品取りすりゃどーにかなるだろう。マルチだってポンコツだがコンピューターだし
機械部分はセリオと互換性がある。

生霊の怨念が周囲に蠢いているような気もしないでもないが気にしない。
どーせ人生き返らせる以外に能のないタイヤキドロの霊だ。

「・・・で、姉さん、いままでどこにいたのよ?」
芹香は菅原神社の方を指差した。
ずっとそこで座ってたが誰も気がついてくれなかったらしい。

───うぐぅ・・・・・ザオリク代わりに人の設定勝手に使うんじゃねえよ・・・ちくしょう・・・──

霊の声が聞こえた。だが一切無視。
370名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 00:10:40 ID:qlvDmLtZ0
大富豪とドロのリスト

来栖川綾香 セリオ  非道な手段での復活。アイテムもスーツ以外に何もってるか分からない。
               政府には今の殺された件はみえてないというか奇跡でうやむやになったというか。

来栖川芹香      アイテム うぐぅを封じた水晶玉(本人の所持品)、支給品、アイテム。何がはいってるかはまだ判らない。
           綾香と同じく好きな物品の指定が出来るので、他の人間と比べても有利。

うぐぅ        死亡直後霊体が来栖川芹香の魔術で強引に水晶玉に封印される。
           自身の奇跡の力を勝手に芹香に勝手に使われて
           綾香とセリオ2名を半ば強制的に復活させられる。
           何かあったら意思に関係なく勝手に奇跡の力が使われるっぽい。

狐          食おうと思ってた狐の死骸は芹香に渡された。黒魔術用に(ry
371名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 00:19:59 ID:8vebt6eo0
>>もっとU1化する彼女ら
今ハカロワで最も面白いルートになってきたなw
372ゲームの主:2006/09/28(木) 00:30:41 ID:P20FUaUG0
 氷川村のとある小さな一軒家。
 その一室で、天野美汐(005)は机に広がった支給品を無感情に眺めていた。
 
「……これでどうしろと?」

 机に散らばる一つを摘み上げて、溜め息を零す。
 美汐に支給されたのは、所謂盤上ゲームだ。手に持つのはチェスの駒。
 それを所在なさげに手の平で転がせ、机上に放る。
 正直、とても武器とは言い難い。そして、その盤上ゲームが手に余る理由の一つとしては種類の豊富さだ。
 チェスだけではない。有名所で将棋、囲碁、オセロ。果ては、二人用に留まらずマージャン、双六といった多人数ゲームまである始末。
 バックの奥を漁れば古今東西、様々なゲームがまだまだ出てきそうだ。
 こんな殺し合いの真っ只中で、和やかにゲームをしろというのか。いや、現にゲームは現在進行形で参加しているが、それとこれとは話が別だ。
 神経を逆撫でしているとしか思えないが、これは支給品でハズレに相当するということで納得する。

 そもそも美汐にとって、支給品の有無は実の所どうでもよかった。
 この殺し合いというゲームに乗るつもりはないからだ。 
 だからといって、脱出の方法や首輪の解除を模索しようとも思わないし、進んで人を探そうとも思わない。むしろ動くつもりはまったくない。
 仮にこの家にマーダーが侵入したとしても、抵抗せずに大人しく殺されていいとも思っている。
 二十四時間誰も死なずに首輪が爆発して死んでも、何事もなく数日を過ごし餓死してもいい。
 彼女は自身の生死にまったく興味がなかった。
 名簿を見た限り、知り合いの名前もいくらかあったが、差し当たって目を留めるほどではない。
 軽く流し読みして、いたんだこの人、程度にしか感じなかった。
 自分の生死に興味がないのだ。他人のことなど知ったことじゃない。
 ただ一つ、思うことがあるとしたら―――
373ゲームの主:2006/09/28(木) 00:32:20 ID:P20FUaUG0
(―――真琴……。あの子はあれでいて怖がりだから、早く死んで安眠した方が幸せですかね)

 それは決して安否ではなかった。
 ついでに、島の参加者達へがんばってくださいと、心の中で無責任なエールを送っておく。
 彼女は良い意味でも悪い意味でも達観していた。

 時折聞こえてくる銃声以外は、部屋の中は静かなものである。
 小さな美汐の息遣いと、時計の秒針の音を背景に、彼女は暇潰しにゲームの取扱説明書に目を通す。
 今も自分がこの家で寛いでいる最中、盛んに殺し合いが行われているが、心底どうでもいい。
 彼女は煩わしそうに変わらぬ窓の外を眺めた。

 時刻はまもなく夕刻。
 茜色の帳と共に、放送時間が差し迫る。



 『天野美汐(005)』
 【時間:放送前】
 【場所:I−07】
 【所持品:様々なボードゲーム・支給品一式】
 【状態:普通。ゲームには乗らないが、目的もない】

 「その他:共通でお願いします」
374解き放たれた鎖(1/4):2006/09/28(木) 01:00:10 ID:RPfA+K280
人の気配、そして小さな足音。
鹿沼葉子(023)はそっと息を殺し、木の幹に全身を預け、支給されたモノを握る手に力を込める。
大きく反り返る鉈が血が欲しいと懇願しているように見えた。
(やれる、大丈夫です)
目が覚めてから不可視の力をほとんど感じ取れないのはわかっていた。
それでもこのゲームに乗ろうと考えたのは何故か。
……彼女自身にもよくわかっていなかった。

気配がさらに濃くなっていく。
いきなり飛び出せば今の力を制御されている私でもなんとかなるだろう。
後5歩……
後4歩……
後3歩……
後2……?
不意に気配はそこで立ち止まる。
(!?)
恐ろしいほどの殺気が辺りを満たし、草木がざわめいた。
背筋が凍りつきそうになる。
力が無いというだけで私はこんなにも弱かったのかと葉子はうなだれた。

「誰かいるんでしょ?」
静かで、だがけして友好的ではないその声に葉子は驚愕した。
忘れるわけがない。
彼女が唯一心を開いた女性、天沢郁美(04)のものだった。
ぎゅっと鉈を握る手に力がこもる。
彼女を殺せるなら、もしくは彼女に殺されるなら。
そう考えた時、葉子の不安は消えていた。
意を決して木の幹を"垂直"に走り、そして跳躍。
鉈を大きく振りかぶるとそのまま郁美の頭上に叩き付けた。
375解き放たれた鎖(2/4):2006/09/28(木) 01:00:58 ID:RPfA+K280
振り下ろされた鉈は空を切り、生え茂った草木を無残に撒き散らしながら地面へと突き刺さる。
(かわされた?)
葉子がそう認識した時、すでに彼女の首には鋭利な刃物が突きつけられていた。
郁美の背丈よりも長い薙刀を両手で構え、今にも突き刺そうとするその顔はもはや野獣のようだった。
思わず飲み込んだ唾の音が無性に大きく聞こえ、葉子は死を覚悟した。

「葉子さん、ゲームに乗ったのね」
郁美は表情を変えるわけでもなく冷たく言った。
返事をしようにもうまく口が動かず声が出ない。
郁美の瞳をじっと見つめ、無言での肯定を示した。
「そう……」
無機質な瞳。
彼女はこんな目が出来る女性だったのか。
短期間の付き合いではあったけれども、彼女と過ごした施設での生活が走馬灯のように蘇る。
彼女と出会って私は変わった。
本当に楽しかったのだ。
だが実際は変わったつもりで何も変わっていたのかもしれない。
そんな私だからこのゲームになんか乗ってしまい、そして今まさに大好きだった人に殺されようとしている。
それでもしょうがないと思えた。
「私もなの」
郁美のその言葉に覚悟を決め、目をゆっくりと閉じた。
「あなたに殺されるなら本望です」
そう葉子が言ったと同時に、辺りを覆っていた殺気が消えた。
喉先に突きつけられた刃の感触がすっと消える。
事態を理解できずに目を開けると、そこには昔のままの彼女の笑顔があった。
「何故……?」
郁美は小さく笑いながら薙刀を地面に刺し、デイバックから水を取り出しゆっくりと飲む。
その姿をわけもわからず葉子は黙って見つめていた。
ひとしきり飲み干すと袖で口をぬぐい、そして、また先ほどの殺気。
「葉子さんこそ何故?」
376残される人たち (1/2):2006/09/28(木) 01:21:45 ID:yvToZFReO
「はあ…」
伏見ゆかり(092番)はため息をつきながら歩いていた。
(まさか、こんなものが支給されちゃうなんて……)
そう思いながらバッグからあるものを取り出す。
それは、彼女に至急された品、日本酒だった。
無論、彼女は飲酒などする気もないし、する理由がなかった。
確認するとゆかりはすぐバッグに日本酒の一升瓶を戻す。

(こんなゲーム最初から乗る気はないけど、とんだ外れを引かされちゃったよ……
おそらく、私はそう長くはないだろうなあ………
宗一君、皐月ちゃん、みんな、その時はごめんね……)
ゆかりは半分あきらめた様子で道を歩いていく。


―――その時、ダダダダダ…という独特の音が聞こえたと思ったら、次の瞬間にはゆかりは蜂の巣と化していた。


(まずは1人……)
山田ミチル(112番)はゆかりの死を確認すると彼女のバッグを開く。
無論、出てきたのは一升瓶に入った日本酒だ。
「はずれか……」
そう呟くと、そのまま日本酒をその場に放置してその場を去った。


彼女は開始早々からこのゲームに乗った。
理由は特にない。ただ考えるのが面倒臭かったからあの時ウサギが言った通り殺し合いをしているだけにすぎない。
ただそれだけだ。決して10円玉をコイントスしたら裏が出たわけではない。
(このみ、ちゃる。今の私を見たらあなたたちはやっぱり私を見損なう? それとも…………)
377残される人たち (2/2):2006/09/28(木) 01:25:47 ID:yvToZFReO
ミチルが去った数分後、銃声を聞き付けた折原浩平(016番)がその場所へやって来た。
「誰か早速やりやがったな……」
ゆかりの死体を見ながら浩平は呟いた。
(蜂の巣か…機関銃の類だな………ん?)
その時、浩平は死体の近くに放置されていた日本酒に気がついた。
「……傷口の消毒薬の代わりにはなるかな?」
そう考えた彼はその日本酒をとりあえず拝借することにした。
「とれたら仇は取ってやる………だから今は迷わず逝け」
ゆかりの亡骸にそう投げ掛けると、彼もその場を後にした。


ゆかりの死は価値ある死でも、無駄死にでもない。
ただ、この島――そしてこの世界ではあたりまえな、ごく普通の死であった。
しかし、人の死はその理由・内容は関係なく時に残された人間の運命を大きく変えることがあるのも事実だ。
ミチルと浩平。この残された2人はこの先どのような運命にめぐり合うのだろうか。
その答えはまだ誰にもわからない。

092 伏見ゆかり 死亡

 山田ミチル
 【所持品:MG3(残り35発)、他支給品一式】
 【状態:普通。ゲームに乗る】

 折原浩平
 【所持品:だんご大家族(だんご残り100人)、日本酒(一升瓶)、他支給品一式】
 【状態:普通】

 【時間:1日目午後2時過ぎ】
 【場所:D−02】
 【その他】
・ゆかりの水などはバックとともにそのまま放置
378名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 01:30:15 ID:yvToZFReO
うおっ!
ちゃるじゃない。よっちだよ!w
最大の間違いしちまった!w
379解き放たれた鎖(3/4):2006/09/28(木) 02:13:14 ID:RPfA+K280
郁美の考えていることがさっぱりわからず、葉子は途方にくれてしまう。
「ゲームに乗ったんだよね?武器も手放したし今私を殺すには絶好の機会だったんじゃないの?」
言われてみればそうだった。
「そんなので人を本当に殺せるの?ただ現実に流されてそう考えたんじゃなくて?」
「それは……」
郁美の言葉が胸に痛い。
彼女の言うとおりだとすればなんて自分は醜いのだろうか、汚いのだろうか。
情けなすぎて涙がこぼれそうになった。
だが次の郁美の言葉が今まで以上に彼女を心を震わせた。
「私は殺すわ、帰るため。自分で決めた。それが答え」
郁美の瞳に映る炎はとても眩しく、強い強い確固たる決意。
あぁ私はこんな彼女だからこそ好きになったのだ。

葉子の心に炎が灯る。
それも一つの決意。
鉈に手をかけると地面から刺さったそれを勢いよく引き抜いた。
「やっぱり私、あなたのそう言う顔、大好きよ」
言いながら郁美も同じように薙刀を引き抜き構えた。
「私もやっぱりあなたが大好きです、……だから」
息をつくと屈託の無い笑顔で郁美に笑いかけた。
「あなたについていきます」
「は?」
「あなたが生き残るために人を殺すなら、私もそれを手伝います。
 そして私とあなたが生き残ったら、最後に二人で決着をつけましょう。
 ……これが私が出した答えです」
葉子の言葉に唖然とし、そして急激に笑いがこみ上げてきた。
「ぷっ、あは、あはははは……」
つられて葉子も笑う。
380解き放たれた鎖(4/4):2006/09/28(木) 02:14:17 ID:RPfA+K280

島に野獣がまた二匹解き放たれた。
生き残るため、守るため。
二匹を再び縛る鎖は……今はまだない。

天沢郁美
 【時間:11:45】
 【場所:G-7(S7スタート)】
 【持ち物:支給武器:薙刀 他支給品 水半分】
 【状況:生き残るためにゲームに乗る、葉子と行動中】
鹿沼葉子
 【時間:11:45】
 【場所:G-7(S7スタート)】
 【持ち物:支給武器:鉈 他支給品】
 【状況:郁美を守るためにゲームに乗る、郁美と行動中】

連打しすぎたorz
381エルクゥズ・ハイ!(1/3):2006/09/28(木) 03:40:32 ID:JhIWJX6U0

ぴくり。

「……今、貧乳って聞こえなかった?」

ぶぉん。

「あぶっ……! 危ないから! 鬼の爪は危ないからむやみに振りまわさないで姉さん!」
「え? 爪がどうかした?」
「……ちょっ! 姉さん私の頭蓋骨が今まさに切開されようとしていたよ!?」
「いやあねえこの子ったら、さっきから何をぶつぶつ言ってるのかしら……。
 私の教育が悪かったのかしら……いえ、きっとおつむに回るはずの栄養素がどこかに
 偏ってしまってるのね……不憫な子……」
「姉さんは私の何が気に入らないの!? 胸? やっぱりこの胸なの?
 こんなものでよかったら後でたんとあげるから、おとなしくしてて!」


薙ぎ倒される木々の陰で、一人の少女が震えていた。
今にも悲鳴を上げんとする己が口を、両手で必死に押さえている。

(見なかった! 私は何にも見なかった!)
382エルクゥズ・ハイ!(2/3):2006/09/28(木) 03:42:20 ID:JhIWJX6U0
それは、あまりに奇怪な光景だった。
常識などというものをとうに超越したこの島においても、現実離れしすぎている。
悪魔じみて黒く変色した腕、禍々しく伸びた赤い爪。
そこまでは、いい。
それはまだ、この狂気の島であってみれば、歪んだ常識の地続きだ。
何しろ自分のバッグにも、どうやら実弾が装填されていると思しき
大きな猟銃が入っているくらいだ。
あの腕も、頭のおかしなファッションか、想像するのも困難な企画過程を経て
商品化された、気違いじみた手袋なのかもしれない。
だがそれが、妙齢の美女が着こなす上品な白いブラウスの袖から覗いており、
ましてそれが振るわれただけで周囲の木々が次々と倒されていくとなれば、
これは、異形だ。

そして少女、柚木詩子はあくまでも現実の側に立つ人間だった。
この島で命のやり取りをする、そんな実感はまるでなかったが、それでも
死ぬのは嫌だし殺されるのは御免だ。
だから、いつかは支給された銃を使うことにもなるのかもしれない。
そんな風に考えてはいた。
考えてはいたがしかし、

(化け物がいるとか、聞いてないからっ!)

だからこうして、ただ震えている。
「ああいうモノ」はやり過ごすのが一番だ。
昔から、そういう風に決まっている。
隠れて、隠れて、気づかれなければ、夜が明ければ、それはめでたしめでたしで
終わる御伽噺になる。なかったことにできる。日常に戻れる。
だが―――、

「はいそこのお嬢さん、そろそろ出てきてみようかーっ」

気づかれてしまったら、それは怪談になるのだ。
383エルクゥズ・ハイ!(3/3):2006/09/28(木) 03:43:20 ID:JhIWJX6U0
114 柚木詩子
 【時間:1日目14時過ぎ】
 【場所:G-9付近】
 【持ち物:ベレッタ AL391ウリカ(銃弾装填済み)、予備弾丸×3、水・食料一日分】
 【状況:混乱】

20 柏木千鶴
 【時間:1日目14時過ぎ】
 【場所:G-9付近】
 【持ち物:支給品不明、水・食料一日分】
 【状況:興奮】

17 柏木梓
 【時間:1日目14時過ぎ】
 【場所:G-9付近】
 【持ち物:支給品不明、水・食料一日分】
 【状況:興奮】

Dルート、→054で。
384沖木島で僕と握手!(1/3):2006/09/28(木) 04:44:19 ID:hibodloT0
ガィィィン!と重い音がこだまして、柏木千鶴(020)は目を疑った。
鬼の力によって疾風と化した一撃。能力を制限され本来には遠く及ばぬとは言え、
常人には反応する間もないはずの必殺の爪を、突然割り込んできた何者かに
止められたからである。それも、素手で。
千鶴の爪を受け止めた皮膚はずたずたになっていたが、その人物は表情も変えず、
傷からは血の代わりに半透明の液体が流れ落ちた。
「あなた、人間じゃないわね……その耳、もしかしてメイドロボ?」
相手の正体を見て取った千鶴は、飛びすさって距離を取る。
「そういえばカタログで見たことあるわ。来栖川の……セリオ、だったかしら?」
セリオ(060)はいつもの無表情のまま、千鶴に相対する。
「はい。正確にはその試作型、HMX-13セリオです。あなたは、柏木千鶴さん……ですね」
「あら、私のこと知ってるの?」
「先ほど支給品に含まれていた名簿を確認して、記憶いたしました」
「さすが、評判どおり優秀ね……」
一人でいた少女に奇襲をかけたはずが、思わぬ援軍に千鶴は内心舌打ちしていた。
鬼の力は想像以上に弱体化しているようだ。先ほどの一撃を受け止められるようでは、
苦戦は免れない。このメイドロボの行動目的も、持っている武器もわからない以上、
あまり時間を掛けるのは得策ではない。
「ちっ!」
足元の砂地を蹴り上げ、目くらましを掛けると、そのまま逃走に移る。
(まだ時間はある。いずれチャンスは巡ってくるはずだわ)

センサーを光学から赤外線に切り替えたセリオには、木々の間を飛ぶように高速で離脱していく千鶴が捉えられていた。
>身体能力:人間の限界を超過
>柏木千鶴を未知の脅威と断定、警戒レベルA+へ
>左腕損傷チェック........積層シリコン断裂、アクチュエータ損傷18%、フレームに歪発生
深追いはリスクが大きすぎると判断し、セリオが向き直った時。
「動かないで!」
千鶴が襲撃しようとしていた少女は、銃口をセリオに突きつけていた。
385沖木島で僕と握手!(2/3):2006/09/28(木) 04:47:06 ID:hibodloT0
セリオは記憶した名簿と照合し、その少女が柚木詩子(114)であると判定した。
「あなた、突然出てきて何なのよ? さっきの人も……」
「驚かせて申し訳ありません。あなたが危険だと判断し、行動しました」
「う、そりゃ、守ってくれたみたいだし、それは感謝するけど。でもあなただって
実は私を襲いに来たのかもしれないじゃない!」
詩子は一瞬下げかけた銃をまたセリオに向ける。
「あなた、ロボットなんでしょ? よく映画とかであるじゃない、人間を殺そうとする
ロボットが出てくるやつ」
「私は、メイドロボですので、戦闘を専門に行うようには作られておりません」
「でも、あの悪い奴に改造とかされてるかも」
「自己診断の結果、ボディ、AIともに改変の形跡は認められませんでした」
「そんなこと言われたってあたしに本当かわかるわけないじゃない……」
詩子はうー、とうなるような声を上げた。
「ね、一つ聞いていい?」
「はい、なんでしょうか?」
「さっきの人、普通の人間じゃなかったよね?」
「はい。おそらくは、そう思われます」
「そんな人が相手だったのに、どうして助けてくれたの?」
「そうすることが正しいと、判断しました」
「それってやっぱり、メイドロボだから人の役に立つのが嬉しいとか、そういうこと?」
「……少し、違います」
セリオはわずかに首をひねって答えた。
「私には『誰かの役に立つのが嬉しい』『人を傷つけてはいけない』などと
プログラムはされておりません」
詩子がびくりとして、銃を構えなおす。
386沖木島で僕と握手!(3/3):2006/09/28(木) 04:48:49 ID:hibodloT0
「ですが、」
セリオは続けた。
「私を作ってくださった方々や、私の友達になって下さった皆さんに、
そう教えられました。私は『誰かの役に立つのが嬉しい』ですし、可能な限り
『人を傷つけてはいけない』と考えています」
「ふうん……いい人たちに育ててもらったんだね」
「はい。とても……いい人たちです」
長瀬主任、藤田浩之、来栖川綾香、それにマルチ。
彼らの顔がメモリーの奥から浮かんできて、セリオの口元が少しだけほころんだ。
「わかった。あなたを信じる」
詩子は銃を下げると、にっとセリオに笑いかけた。
「……よろしいのですか? 私は、あなたに嘘をついているかもしれません」
「んー、それならそれで仕方ないかなって。でも、嘘ついてる感じには見えなかったな。
それに、あなた、私の親友にちょっと似てるんだ。だから、あなたを信じる」
銃をしまうと、セリオに手を差し出す。
「えっと、セリオ、だったよね。私、詩子さん。柚木詩子だよ」
「柚木さん、ですね。よろしくお願いいたします」
「んー、堅苦しいなあ。詩子でいいよ」
「かしこまりました。それでは、詩子さん、と呼ばせていただきます」
「まだちょっと固いけど、ま、いっか。よろしくね、セリオ!」
詩子は満面の笑顔でセリオの手を取り、しっかりと包むように握手をした。

「ところでさ、さっきの女の人の爪受け止めたの、すごかったね。格闘技とかもできるの?」
「いえ、あれは……」
「ん、どうしたの、言い淀んじゃって」
「……『仮面セイバー』を見て、習得しました」
「……それって、TVのヒーロー番組の?」
「……はい」
「ひ、ヒーロー番組が好きなロボットって、あ、あはははっ! あー、おかしっ!」
「……複雑、です」
387沖木島で僕と握手!:状況:2006/09/28(木) 04:50:30 ID:hibodloT0
020 柏木千鶴
【時間:1日目13:30頃】
【場所:F-04】
【持ち物:支給品不明、水・食料一日分】
【状況:健康 ゲームに積極的】

060 セリオ
【時間:1日目13:30頃】
【場所:F-04】
【持ち物:支給品不明、水・食料一日分】
【状況:左腕損傷(軽微) 専守防衛】

114 柚木詩子
【時間:1日目13:30頃】
【場所:F-04】
【持ち物:ニューナンブM60(5発装填)&予備弾丸2セット(10発)、水・食料一日分】
【状況:健康】

006および同系列と競合のためA、Dルートへの組み込み不可。
38810:2006/09/28(木) 06:47:10 ID:vL5wTSy90
できましたー。
唯、053とは真っ向から反発してます。
一応B'のつもりで書きましたが共通でも使えるかと。
長くなったので連投規制回避してもらえると助かります。
389No.60 焦燥:2006/09/28(木) 06:48:48 ID:vL5wTSy90

「瑠璃さまぁぁぁぁぁぁ!!!!」
イルファ(009)は焦っていた。
リストに彼女の最愛の人の名が在ったからだ。
「珊瑚さまぁぁぁぁぁぁ!!!!」
彼女は走りながら叫んでいた。
そうする事の危険も十分承知だったが、そんな事など愛する人の無事に比べたら些事に過ぎなかった。
「何処にいらっしゃるんですかぁぁーーーー!!!!」
その時に最後の理性で辛うじて確認していた彼女のランダムアイテムは大型拳銃……最早拳銃と呼べるかどうかと言うほどの大きさの銃だった。
このゲームに参加するならこれはこの上ない当たりなのだろう。
しかし今は……
(瑠璃様の居場所が分かるならこんなものいくらでもくれてやるのにっ……!)
「瑠璃さまぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
早く瑠璃様を見付けないと見付けないと見付けないと……
「ちょっと待ちナ、ネェちゃん」
目の前に褐色の中年男性が立ちはだかる。
「どいてください!止まっているひまはきゃあ!」
目の前の男性を一歩かわして通り抜けようとしたら地面に足を取られた。
(サッカーロボ失格です……私……)
頭の何処かで自信喪失になりながら派手に倒れ……無い。
見ると、男性が自分の左腕を掴んでくれていた。
「ありがとう……ございます……」
「立てっかい?」
「ええ……」
取り敢えず、立ち上がる。
「あの、ありがとうございました。急ぐのでこれで」
「だっからマテってノ」
腕は放されていなかった。
390No.60 焦燥:2006/09/28(木) 06:49:35 ID:vL5wTSy90

「あの、なんでしょうか。急いでいるので手短に願いたいのですが」
「アンタ、人探ししてるんダロ?」
「ええ、そうですが」
ああもうこうしている間にも瑠璃様が危険な目にあっていたら私は
「ンな大声でしゃべくってちゃ危険ダゼ?」
「瑠璃様の為ならこの身など惜しくありません」
目の前で悠長に喋っている男が苛立たしい。
「ダトしても、ダ。犬死にしたいワケじゃアンメェ?」
「それは……! そうですが……」
「半死半生でその子ントコに行っても、守ることなんざデキネェダロ?」
「……………………」
返す言葉も、無い。
「落ち着いたカ?じゃあその子を見つけ出す方法を考えンべ?」
「……はい」
焦るが、焦っても瑠璃様は守れない。
守れない。守れない。守れない。
落ち着かないが、落ち着いた。落ち着いたんだ。私は落ち着いた。
「瑠璃、ってのは86番姫百合瑠璃のことカ?」
「ええ、そうです」
「特徴ハ?」
「見目麗しいその顔立ちに天使のような微笑みと愛らしい唇、美しい御髪に宝石のような瞳、アフロディテも霞むその御姿。この世の美を一身に集め」
「ストップも〜いい。デ、外見的特長ハ?」
「ですから……」
「だから、アンタ以外が見て分かる特長ハ?」
「瑠璃様の美しさ愛らしさは誰が見ても普遍のものです!」
「わーったから、美しさ以外で特長ハ」
腕組みして考える。
既に手は外れていた。
391No.60 焦燥:2006/09/28(木) 06:52:07 ID:vL5wTSy90

「……そうですね……髪型を御団子にして、関西弁を使います」
「フム……チョッチ弱ぇナ。この85番姫百合珊瑚ってのも親類じゃネェの?」
「ええ。瑠璃様の双子の姉妹です。私の生みの親でもあります」
「生みの親?てこたぁ結構年いってんナ。何歳ダ?」
「失礼な!未だ15です!!」
イルファは激昂する。
言うに事欠いて年いってるとは何事ですか。
「アンタ15かい?そりゃ若えナ。じゃなくてその姫百合さんは」
「ですから!瑠璃様が!!15です!!!なんと失礼な!」
「ンナッ!?ちょちょチョッチマテ!アンタの探してるその瑠璃さんが15デ?それと双子の珊瑚さんとやらも15デ?ンじゃアンタは何歳ダ!?」
「女性に年を聞くなんて失礼ですよ?」
これは、冗談。
「分かりませんか?ほら」
髪を書き上げて、耳を見せる。
「アアッ!ってこたぁ……マテ……姫百合珊瑚って……クァーッ!なんで気付かネェんだよオレッチは!分かった全て飲み込んだ!チックショウそういうことかヨ!」
男は大袈裟に天を仰いで落胆する。
ナビ失格だ……オレッチ……という声が聞こえてきた気がする。
「はい。私、来栖川エレクトロニクス次世代アンドロイド研究機 HMX-17a イルファと申します」
「噂に違わぬ……ンにゃ、噂以上の出来だネェ……D.I.A.ってのは。マァとにかく事情は分かった。おおよそ容姿も分かった。じゃあ、どうすんべ?」
そうだ!瑠璃様!こんな殺戮劇に参加させられてあの心優しい瑠璃様珊瑚様が無事でいられるはずが!この方が瑠璃様の話をするから!
「そうです瑠璃様を探さないといけないので失礼します!」
「だっからマテっての」
再び腕を掴まれる。
392No.60 焦燥:2006/09/28(木) 06:53:22 ID:vL5wTSy90

「放して下さい私が行かないと瑠璃様が!」
「さっきも言ったダロ!走ってても会える望みは薄いっツーの!」
「ですが……」
「ココでキッチリ考えてった方が瑠璃様に会えんダロ?」
「……………………」
本当に、返す言葉も、無い。
同じことを繰り返すほど私は混乱しているのでしょうか。
……混乱しない筈が無いです。
こうしてる間にも瑠璃様が……
「ネェさん、チョッチ協力してくんねぇか?」
でもこの方の言う事も一理在ります。
私が焦ることで瑠璃様が助かるならいくらでも……壊れるまで焦ります。
ですが今はそうではない……よし、今度こそ落ち着きました。
「? と申しますと?」
大丈夫。落ち着けた。
「今何処にいるかわかっかい?」
「あっ……! すみません。分からないです……」
そうだ私はこんなにも冷静さを欠いていた。
こんな状況で瑠璃様を見付けられる筈が……無い……
「だろーナ。今はココ、C-05らへんの道の上ダ。一応言っとくとあっちが北ナ。この地図が正しけりゃ、ダガ」
舌を巻く。私がこんなに混乱している間にこんなに考えてる人がいたとは。
場慣れしているのでしょうか。この方が味方になってくれれば心強いです。
「あの」
「ン?何だ?」
「瑠璃様と珊瑚様、貴明さんを探すのに協力して頂けないでしょうか」
「……………………」
「? あの……」
目の前の男性が無言で頭をがりがりと掻く。
「どうしましたか?」
「ネェちゃん、アンタ結構おっちょこちょいとかいわれネエか?」
393名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 06:54:13 ID:XGuz2Ymn0
回避
394No.60 焦燥:2006/09/28(木) 07:01:40 ID:vL5wTSy90

「? いえ。言われた事は在りませんが。何分混乱しているもので。なにかおかしな事申しましたでしょうか」
「マァいい。協力は願ったりダ。そちらさんが探してほしいのは珊瑚様、瑠璃様、貴明さんってなぁ42番河野貴明でいいンかい?」
「はい。……もしかして全員分の名前と番号覚えてらっしゃるのですか?」
「アア、マァナ。知っとくに越したことはなかんべ。で、こっちが探してほしいのは77番ソーイチ、113番サツキちゃん、92番ユカリちゃん、22番ユーナさんに119番の姐さんだ


「そういえば貴方は?」
「アア、まだオレッチのこといってなかったナ。10番エディ。アンタのひとつ後ろダ」
そういって目の前の男……エディはカラカラと笑う。
「で、容姿だが……ソーイチは……今は多分やる気バリバリ全開ダローナ。こんなトコに放り込まれたんだ。サツキちゃん達が心配でたまんネェだろ。今は多分キリッとしてる

。男子高校生だ。
ンでサツキちゃんが気の強ぇオンナのコ。多分、顔みりゃ分かる。ついでに、髪を二つに分けていた。
ユカリちゃんは胸みりゃ分かる。でっけぇから。ウッシャッシャッシャッシャッシャ……ゴメンナサイ。髪は短めかネ。
ユーナさんはソーイチの姉。マァ血が繋がってるわけじゃネェから顔は似てネェな。ほんわかした感じの、このクソゲームの対極にいるような人ダ。
姐さんはスーパーモデル真っ青の金髪ロングの超美人。……イヤイヤこれは本当だってだからそんな睨まんで」
「……何処まで本気ですか」
「イヤイヤ本気本気全部本気」
暫くじと目で見続けて、はぁ、と溜息を漏らす。
「分かりました。貴明さんは……やさしい人、です。こんな殺し合いに参加する人なんかじゃないです。絶対に」
「入れ込んでるネェ。他には?」
笑いながら促す。
「そうですね……宗一という方と同じ男子高校生です。後は……そうです、女性が苦手、です」
ああこんなこと人には言うものじゃないのにごめんなさい貴明さん。
ですが貴方と合流するためです許してください。
「女性が苦手、ネ。勿体ネェ……ンじゃ、男性のみの、もしくは個人を当たればいいか?」
「……いえ。もしかしたら女性を連れているかもしれません」
「そらまたどうして」
「やさしい人……ですから……」
395No.60 焦燥:2006/09/28(木) 07:04:05 ID:vL5wTSy90

「なるほどネェ。ま、分かった。次は注意だ。俺の知る限りじゃこの61番醍醐と63番篁はヤベェ。何が在っても近付くな。見た目はゴリラとジジィだが、実はジジィの方が洒落にならんくれぇヤベェ。
ゴリラは……武器次第だが拳銃持った素人じゃ勝ち目無い位は強ぇ。機関銃クラスなら話は別だが、そんときゃあいつも引くだろ。万一特殊警防やハンマーみたいなもん手に入れられてたら岩砕くぐらいはやってのけやがる。
で、クソジジィだが、オレッチはこいつがこのゲームを主催したんじゃネェかと思ってる位だ。オレッチの知る限りこんな腐れたことやりたがる上出来る奴なんざこいつしかいねぇ。生き残った一人が無事帰れるってのもくせぇしナ。
……色々在るが、取り敢えずこいつにはゼッテェ近付かないようにな。そっちで注意するヤツァいんのか?」
「いえ。すみません。私の知り合いはあの三人だけです」
「ソウカ……全員、生き残ってもらわなきゃナ!」
「ええ!」
エディさんと笑いあう。
こんな島で、ひどく安心出来る時だった。
「っと、装備の確認は?」
「いえ、まだです。出掛けに少々しただけで、詳しくは」
「ソレはやっといた方がいいヨ?万一ンとき何処に何があんのかじゃ話が全然違うカラ。オレッチがまだ信用出来ないってんならどっかいってるし」
「いえ。ここにいて下さい。信用、しています。」
イルファはデイパックの中身を改めた。そして……
「っ……!オイオイオイオイ!なんだよコレは!フェイファーツェリスカ!?」
「ご存知ですか?」
「アア……ったくヨォ、こりゃあ熊でも殺せる大型拳銃だ。人間にゃあ強力過ぎる。当たった先は胴体たぁサヨナラだ」
「そんな……銃ですか……」
「なるべく使わずにいたほうがいいナ。ココではあまり殺し合いはしないほうがいい」
「何故です……?」
この殺し合いをしている島で殺し合いはしないほうがいい、とは。
396No.60 焦燥:2006/09/28(木) 07:04:36 ID:vL5wTSy90

「アンタ、守りたい人がいるんダロ?仮に誰かを殺してその死体を他の参加者が見つけたらドーなる?恐怖と疑心暗鬼は無いに越したこたあネェ」
「…………」
目から鱗が落ちる思いでした。
エディさんはきっと心強い味方になってくださる。
「とは言え、アンタが死んだら元も子もないからナ。撃つ時は躊躇わず撃て。殺すな、なんてイワネェから」
「はいっ。では、人探しの方はどう致しましょうか」
「と、その前にオレッチのも見せておく。ホレ」
そういってエディさんは鞄の中から瓶を取り出しました。
それは……もしかして、毒?
「毒みてぇダナ。水源地にでも仕込めば大量虐殺できんダローけどヨ。マァ敵に直接ぶっつけるくらいしかネェわな」
笑って、いう。
本当にこれが渡ったのがこの人でよかった……
仮にゲームに乗った人がこんなものを渡されていたら……冗談では在りません。
「マァとにかく、今はC-05にいんダロ。オレッチはS-10からスタートしてココまで来た。ココまでは誰ともであってネェ。アンタは何処だ?」
「私は恐らく……S-01ですね。スタートしてすぐの所は塵も逃さないほど探しましたから。地形は大体覚えています」
「アンタ……よっぽどあせってたんだな……ココまでそんなに早く来れるたぁ……」
「ええ。それはもう」
「そこまで誰かにあったカ?」
「どうでしょう……正直、瑠璃様珊瑚様貴明さん以外は目に入らなかったかもしれません」
「マァ仕方アンメェ。じゃあこの神塚山って分かるナ?コレを囲むような道を別れて探して廻ろう。唯小中学校からココまでは誰もいなかったから無駄にならねぇ様にココだけは外側廻って行こう。上手くいきゃあ鷹野神社前辺りで会える」
「はい。つまり、ここから観音堂前を通って無学寺、そこから内側の道を通って鷹野神社に続く道とホテル跡前の道を通って平瀬村に行き、そこから鷹野神社……ということですね?」
「コレなら行き違うこともネェだろう?万一どっちかが死んでも死体位はみつかんべ」
悪趣味な冗談はやめて下さい……と言おうとしたが、『ここ』では冗談にならないことを思い出す。
397No.60 焦燥:2006/09/28(木) 07:05:27 ID:vL5wTSy90

「ンじゃ、どっちにする?」
「……エディさんに任せます」
「イーのかい?ンじゃ、ネェちゃんが東でオレッチが西ナ。ヨッシャ、決まったところでさっさといくべ」
「あの……!ひとつ、聞いてもよろしいでしょうか」
「ン?かまわネェよ?」
「なんで、こんなに協力してくださるんですか?放っておけば馬鹿なアンドロイドが一体壊れるだけなのに、どうして?」
「ンー……」
エディさんは暫く考えて、答えてくれました。
「仲間を探すのも、島を脱出すんのにも、仲間がいたほうがよかんべ?デ、ゲームに乗っかった馬鹿が大声で人ン名前叫びながら走ってくるたぁおもえネェからナ。一緒に探した方が良かろうと」
「まったく、お恥ずかしい限りです……」
「イヤイヤそれだけ大事な人なんダロ?いいじゃネェか。ウッシャッシャッシャッシャッシャ……」
「あの、それじゃあ私、行きますね」
「オー、ンじゃ、またナ」
「はい。ありがとうございました」
「ウッシャッシャッシャッシャッシャ……」
イルファは立ち上がって、駆け出した。



「行っちまった、ネェ……」
ネェちゃんが駆け出した後を見て思う。
「マ、ほっとけなかったんだけど、ナ」
彼女には言わなかった理由が在った。
大事な人の為に我が身省みず危険に飛び込むあの無謀。
あの無茶苦茶っぷりが彼の知っている少年に被って見えた。
「さてっと、ナスティガールは行っちまったし……うちのナスティボーイを迎えに行きマスか」
あんな人もいることにどこか心地よさを憶えながら、彼女の向かった先に背を向けて歩き出した。
398No.60 焦燥:2006/09/28(木) 07:06:30 ID:vL5wTSy90

イルファ
【時間:午後二時ごろ】
【場所:C-05(スタート地点はS-01)】
【持ち物:フェイファー ツェリスカ(Pfeifer Zeliska)60口径6kgの大型拳銃 5/5 +予備弾薬15発、デイパック】
【状態:C-05から右回りに廻って瑠璃・珊瑚・貴明・宗一・皐月・ゆかり・夕菜・リサを探す。やや冷静】

エディ
【時間:午後二時ごろ】
【場所:C-05(スタート地点はS-10)】
【持ち物:瓶詰めの毒1?、デイパック】
【状態:C-05から左回りに廻って宗一・リサ・ゆかり・皐月・夕菜・珊瑚・瑠璃・貴明を探す。冷静】
399 ◆elHD6rB3kM :2006/09/28(木) 07:31:17 ID:vgfBlZ4R0
全ルート用
NO.61 山頂の形而上者

 少年(055)は神塚山の頂上にいた。そろそろ夕日が赤くなり始めている。西の空の色がゆっくりと蒼から紅に移り変わる。
 山頂からは島の全景がほぼ見渡せる。
「ずいぶんと便利な場所を作ってものだね」
と、ひとりごちるとその場に腰を下ろした。風が気持ちいい。
 さぁ、僕は僕の仕事をしなければ。郁未のことが気になったが、とりあえずそれは頭の隅。ひょっとしたら彼女のほうから僕に気付くかもしれない。
 そうなったら、どうしよう。それはひどく面倒なことになる。彼女のことだ。きっと僕が何をやっているのか聞き出すだろう。彼女に聞かれたら、きっと僕はまたポロリと漏らしてしまうに違いない。
 このゲームの開かれた理由。主催者の真意と目的。そして、自分に課せられた役割。
 それを知ったら、彼女はどう反応するだろうか。そればかりはさっぱり予想がつかない。
 会いたい。
 会いたくない。
 矛盾する二つの気持ちが少年の中でぶつかり合う。
 だが、意思がどうであろうと、自分はここから動くわけには行かない。ここから目に入る全てを目に入れ、可能な限り記憶していくこと。それが自分の使命。
 自分には何も許されていないのだ。
 殺すことも。
 殺されることも。
 助けることも。
 だますことも。
 動くことすら。
 感情を吐露することすら。
 少年は静かにそこにたたずむ。
 風が、吹いた。銃声が、聞こえる。また、誰かが死んだのだろうか。


 少年
【場所:神塚山山頂(F-05)】
【時間:午後四時】
【持ち物:不明(次の書き手さんまかせ)】
【状況:異常なし】
40010:2006/09/28(木) 08:44:55 ID:vL5wTSy90
>>393
ありがとうございました
401乙女と医者:2006/09/28(木) 13:57:42 ID:yvToZFReO
七瀬留美(079)は悩んでいた。
自分はゲームに乗るべきなのか、それとも乗らないべきなのかで。
――それだけではなく、彼女はどちらも自信がなかった。

(折原や瑞佳たちを殺せるわけないじゃない……
でも、このゲームに乗らずにみんなで島を脱出する方法も思いつかない……………)
こんな自分に少し腹が立った。
覚悟を決めてどちらかにスパッと決められはしないだろうか?

「はあ…こんな時に限ってなんて優柔不断になっているんだろう私…………」
自分自身に呆れてしまう。
そんな時だった。


「そこの君。少しいいかな?」
ふいに女性の声がした。
「誰!?」
しまった、と思いすぐさま支給品のP−90を構えて振り替える。
そこにいたのは霧島聖(032)だった。
「ああ。待ちたまえ。私は人を探しているだけだ。君に危害を加える気はない」
それに人を傷つける医者など医者ではないしな、と付け加え両手をあげる。

「悪いけど私はこの島に来てあなた以外の人とは出会っていないわ」
「そうか。それは失礼した。
どうやらこの付近にはいないようだな……他をあたるとしよう。
君。もし霧島佳乃という子に出会ったら姉が探していると伝えてくれないか?」
「………出会えたらね」
「すまない。助かる」
そう言うと聖はその場から去っていった。

402やって逃げろ:2006/09/28(木) 14:03:07 ID:15sBzq+O0
>>291(42話)の続き。B、B' 準拠。

「くくく…さぁ、どちらから相手をしてやろうか? どっちも生きの良さそうなお嬢さん方だ。一発犯ってから殺してやろう。いや、屍姦も悪く無いかもなぁ」
にたにたと気持ちの悪い笑みを浮かべて近づいてくる岸田。こちらが大した事が無さそうな武器だからなのか、余裕綽々だった。
花梨はちらりと由真の方を見やる。警棒。唯一の武器だが、女の身ではリーチも腕力も違う。…何より、相手はこの手の状況に明らかに手慣れている。倒す事はおろか、二人一緒に逃げる事さえ困難だ。
…しかし、花梨も黙っていたわけではない。岸田が回りこむ直前、とっさに砂を握り締めていた。当然、相手はこの事に気付いてない。
「さぁて、どちらにしようかな? 天の神様の言う通り、ってね」
カッターをちらつかせ、一歩ずつ迫る岸田。やがて、カッターの刃が花梨のほうへ向く。
「決めた。まずはそっちの変な髪飾りのお嬢ちゃんからだ!」
右腕を大きく振りかざす岸田。花梨はその一瞬を見逃さなかった。
「くらえっ、この変態っ!」
投げつけられた砂は見事にクリーンヒット。思わず岸田が目を覆う。
「由真っ、今なんよ! 二手に分かれてっ」
「えっ…あ、ああ…うん!」
弾かれたように、由真が走り出す。花梨は左に。由真は右に。荷物は置いてけぼりになるが、そんなことに構っている場合ではなかった。
「このっ…雌豚がァ!」
カッターを振りまわすが、当たるはずもない。岸田の視力が回復しきらないうちに、二人は十数歩の距離をつけた。この分では、岸田が両方を仕留めることは不可能だった。
403名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 14:03:40 ID:15sBzq+O0
割りこみすまん
先にどうぞ
404乙女と医者:2006/09/28(木) 14:06:52 ID:yvToZFReO
「妹さんを探しているのか……この島思ったよりも広いから大変そうだな………」
聖が去った後、また1人残された留美は空を見ながら呟いた。

――じきに夕方になる。暗くなる前に安全な場所へ避難したほうがいいだろう。
(―――とりあえず今は生き残ることが大事よね?)
ゲームに乗る・乗らないは、その後でいいかと判断すると留美もその場を後にした。


 七瀬留美
 【時間:1日目午後3時半過ぎ】
 【場所:C−05】
 【所持品:P−90(残弾50)、支給品一式】
 【状態:安全な場所へ避難中。ゲームに乗るか・乗らないか悩んでいる】

 霧島聖
 【時間:1日目午後3時半過ぎ】
 【場所:C−05(移動)】
 【所持品:P−90(残弾50)、支給品一式】
 【状態:佳乃を探す。ゲームに乗る気、戦う気は皆無】
405名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 14:08:53 ID:yvToZFReO
コピペミスのせいで聖までP90持ってますが、正しくは支給品一式のみです
406やって逃げろ:2006/09/28(木) 14:11:34 ID:15sBzq+O0
「ちっ…だが、あっちの雌豚だけは許さん!」
由真を諦め、花梨を追跡する岸田。この事に慌てたのは花梨。
「えええっ!? あ、諦めてくれないのっ? うわ〜ん、花梨ちゃん、大ピンチなんよ〜っ!由真ーっ、代わってぇー!」
「無茶言わないでよーーーっ!」
遥か遠くから聞こえる由真の声。律儀だった。
「ふん、少し遅れをとったが所詮は男と女だ。すぐに追いついて殺してやる」
「ひえぇぇぇ、だ、誰かっ、へるぷみー!なんよ!」

十波由真
【時間:12:30】
【場所:D-01の海岸。香里、あかり(032話参照)の方角へ逃走】 
【持ち物:ただの双眼鏡(ランダムアイテム)】
【状況:岸田から逃走中。体力はまだ有り。距離はかなり離れている】
笹森花梨
【時間:12:30】
【場所:D-01の海岸。C−3の鎌石村の方角へ逃走】
【持ち物:特殊警棒(ランダムアイテム)、海岸で拾ったピンクの貝殻(綺麗)】
【状況:岸田から逃走中。体力はまだ有り。距離は割と離れている】

岸田洋介
【岸田:装備品はカッターナイフ。花梨を追跡。体力は十分】

【備考:由真と花梨の荷物は放置】
407名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 14:13:41 ID:15sBzq+O0
>>405
ついでに言うなら聖はベアークロー(043話)持ちだな。まとめの人そこもよろしく
408名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 14:18:49 ID:pTVqTlHBO
持ってない=繋がってない可能性もあるぞ
409実はXランク:2006/09/28(木) 14:33:46 ID:P20FUaUG0
「さあ、やろうか」

 うろたえる超先生へ不敵な笑みを向ける祐一。

「わ、ワープだと……くっ! 味な真似を!!」

 だが、さすがは超先生。一拍で息を整えて周囲の側近に目配せする。
 その内の一人が獰猛な笑みを浮かべて前に出た。
 帝王拳の使い手―――春日諒だ。
 戦闘狂の彼にとって、祐一は格好の獲物だ。

「俺のなま―――」
「おせえよ」
「ぐばっ!!!!!」

 彼の前振りなど意にも返さない祐一は、諒の背後へ唐突に現れて手刀で心臓を貫いた。
 一瞬で事切れた諒を放り投げ、超先生に向き直る。

「さあ、次はどいつだ? こっちは十分の一の力さえ出しちゃいないぜ?」

 あ、ありえん……。
 側近の一人―――滝沢諒助は脳内で呟く。
 なんなのだ。奴の戦闘力は。
 諒は戦闘力Sランクの強者だぞ。それを、一瞬で一蹴させるとは。

 ―――只者ではない!!
410実はXランク2:2006/09/28(木) 14:34:29 ID:P20FUaUG0
 だが、それ以上に不可解なことがある。

「お前は確か戦闘力Eの最低ランクだったはずだぁ!!」

 そうだ! 奴はEランクの雑魚だったはず。
 ならば、この現実も夢か幻覚の類で間違いない! きっとそうに違いない!!
 
 
 現実逃避する諒助の傍ら、祐一は再び事も無げに答えた。



「そういやめんどくせぇから、六歳にランク取って以来更新してないな」




『相沢祐一(001)』
【時間:一日目12:01分頃】
【場所:コントロールルーム】
【持ち物:世界そのもの。また彼自身も一つの世界である】
【状態:唯一者モード(髪の色は銀。目の色は紫。物凄い美少年)】


 側近A(春日諒) 【ひとまず死亡】


「その他:048の続きという事で」
411名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 16:47:34 ID:rzKw/gam0
修正箇所

024 地獄の女狐
『リサヴィクセン』→『リサ=ヴィクセン』

057 残される人たち
『至急された品、』→『支給されたアイテム』
412敵はSSSランクか、暇潰しにはもってこいだ:2006/09/28(木) 17:12:42 ID:srt80jKS0
「……ク……クックック」

 側近の一人が倒されたというのに超先生は不敵に笑い出した。

「ちょ、超先生……!?」

 その様子を見た側近Bの滝沢諒助がどうした事かと彼を呼ぶ。

「さぁ、次はどっちからだ?」

 そうしてる間にも祐一は一歩一歩と二人へと近づいてきている。

「忘れたか? 奴こそはこの世で唯一の……」

 超先生が不敵な笑みと共に話を始めた。

 カッ!!!!!!

 その瞬間、祐一の身体が吹っ飛ばされ、僅か0.01秒であっという間に島の上空まで打ち上げられた。
 アジトを壊さないようにご丁寧にちゃんと入り口から外へ出されて。

「こ、この戦闘力は……!?」

 突然の出来事に祐一が驚く。
 こんなヤツラSSランクの力で十分だろうと真の姿を出さず油断していた祐一は意表をつかれた。
413敵はSSSランクか、暇潰しにはもってこいだ:2006/09/28(木) 17:14:26 ID:srt80jKS0
 コントロールルームに取り残された超先生と滝沢諒助。
 滝沢を前にして超先生が話を続ける。

「……純潔の帝の民なのだ!
 勿論、サイヤ人と同じで心臓は真逆!」

「そ、そうか……」

 自身の設定を自信まんまんに語る超先生。
 輸血された事により超地球人になれた滝沢諒助はそれを知らなかったのだ

「そして今のやつは……」





 島の上空で怒涛の如くの気弾が祐一に向かって差し迫る。
 無限に生み出される強力無比な気弾の数にさしもの祐一も真の姿ではないSSランクの力では防御で精一杯であった。

「見たか! これが超地球人3の力だ! そして―――」
 ズンッ!!
「ぐぅっ!?」

 その台詞と共に更に戦闘力が50倍に膨れ上がった拳が50倍のスピードで祐一の腹にめり込み、祐一が吹き飛ぶ。

「帝王拳を使えば無限に倍化できる!」

吹き飛ばされ距離をあけた祐一が叫ぶ。

「まさかXランクの一つ下のSSSランクの実力を隠していたとは! ちっ、まさかこんな所で真の姿を見せる事になるなんてな!」
414敵はSSSランクか、暇潰しにはもってこいだ:2006/09/28(木) 17:15:17 ID:srt80jKS0
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 祐一のパワーで辺りの空間がビリビリと揺れる。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 掛け声と共に銀色の六枚の羽が祐一の背中に生え、彼の身体を白く光り輝く鎧が包み込んだ。

「これがXランクの真の力! さぁ、遊びはここまでだ!」

「面白い! SSSランクがXランクに勝てない道理はないのを証明してやる!」


『相沢祐一(001)』
【時間:一日目12:05分頃】
【場所:島の上空】
【持ち物:世界そのもの。また彼自身も一つの世界である】
【状態:真唯一者モード(髪の色は銀。目の色は紫。物凄い美少年。背中に六枚の銀色の羽。何か良く解らないけど凄い鎧装着)】
415名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 18:17:41 ID:1RkZ+bZC0
1 名前:名無しさんだよもん[] 投稿日:2006/09/22(金) 16:13:31 ID:qoDXqEBS0
結局さ、葉鍵新聞の人まで「超スポ」なわけじゃん
それだけ超先生ってこの板では特別な存在なわけよ

それなのに夏ごろから突然「スレの1001が超なのはおかしい」
あの糞野郎は氏ね、っていう新参がトーナメントに出だして
最近では虐殺AAを張るようになってきた

荒らしを擁護することになるのかもしれんが、
こんな死人に鞭打つようなことをした奴がいたから、
こんな体たらくになったわけだと俺は思う

以上、アニメ板住人の愚痴

前スレ
第二回 葉鍵板最萌 エキシビジョン Round88.01!!
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1158883283/         
    
◆トーナメント表
 http://www.geocities.jp/pie_tornament/main.html

◆投票コード発行所 ※発行時間は23:31〜翌23:03
 (PCは発行まで15分かかります。携帯電話は即時発行)
 http://saimoecode.sakura.ne.jp/LK2/

◆過去ログ倉庫
 ttp://www.geocities.jp/lksaimoe2/index.html

  ※関連する関連スレやルールの詳しい詳細は>2-10あたりのどこかにあります。
  ※ >4 に記載されているネタ票の取扱いに注意して投票して下さい。

416名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 18:18:16 ID:1RkZ+bZC0
2 名前:名無しさんだよもん[] 投稿日:2006/09/22(金) 16:15:03 ID:qoDXqEBS0
★☆★ 注 意 ★☆★
携帯で >1 が見えない場合、下記のアドレスにアクセスして下さい。
http://same.u.la/test/p.so/pie.bbspink.com/leaf/

★☆★ 関連スレ ★☆★

◆運営スレ
 第二回 葉鍵板最萌トーナメント 運営スレ11
 http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1158080726/

◆雑談スレ
 最萌トーナメントについて語るスレ Part18
 http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1154149563/

◆感想スレ
 第二回 葉鍵板最萌トーナメント 感想スレ Part3!!
 http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1146579886/

◆あぷろだ(随時募集中)
 ttp://sayuri.sytes.net/imgboard.cgi
 ttp://tiduru.sytes.net/imgboard.cgi
 ttp://miriam.sakura.ne.jp/image/imgboard.cgi
 ttp://paseana.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/image/imgboard.cgi
 ttp://toheart2.run.buttobi.net/
 ttp://sakura2.room.ne.jp/~boogie/cgi-bin/imgboard.cgi
 ttp://gallery800.sakura.ne.jp/cgi-bin/imgboard.cgi
 ttp://lksaimoe.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/imgboard.cgi
 ttp://www.filebank.co.jp/ ※ ID:lksaimoe、PW:saimoe

◆お絵描き掲示板
 ttp://www.degitalscope.com/~mbspro/userfiles_res/masa3125/index.html
417名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 18:18:53 ID:1RkZ+bZC0
3 名前:名無しさんだよもん[sage] 投稿日:2006/09/22(金) 16:16:19 ID:qoDXqEBS0
★☆★ 参加の仕方 ★☆★

1.投票形式について
 ・対戦中のキャラのどちらか萌えるほうの名前を、<<キャラ名>> (←半角の不等号2コ)の形式で投票してください。
  <<>>, << >>, ≪ ≫, 〈〈 〉〉, 《 》などは無効です。
 ・ <<>>は、本文中の好きな場所にどうぞ。
  配置や前後の改行も完全に自由ですが、<<>>内での改行は無効になる可能性があります。
 ・ <<>>で括られた内側の名前はある程度自由です。(Url表記はブラクラと区別できないので禁止します)
  ただし、ブロック準決勝以降のネタ票の取扱いは 項4.に準じます。

2.投票用コードについて
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3.投票時間・スレの範囲について
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  スレの有効利用のため、981以前の埋めたてはご遠慮下さい。
  (カキコの結果、981以降になってしまった場合は次スレで再度投票してください)

418名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 18:19:34 ID:1RkZ+bZC0
4 名前:名無しさんだよもん[sage] 投稿日:2006/09/22(金) 16:16:53 ID:qoDXqEBS0
★☆★ 参加の仕方 ★☆★

4.投票の取扱いについて
 ・ネタ票の取り扱いは以下の通りです。
  << >> の中のキーワードについて
   1.本編ネタ・属性
   2.葉鍵板や世間で広く親しまれている愛称・二次創作ネタ(投票スレでの支援の中にある)・
     ライター・原画家・声優名・作品名
   3.名前のアナグラム・誤変換・名前が含まれる単語
   4・二次創作ネタ(投票スレ外にしかない)
     属性・ライター・原画家・声優名・作品名つながりのネタ   
   5.名前(の一部)が一緒のネタ

  << >> の外(本文・メール欄・別レス等)での説明について
   A.名前となぜそうなるかの解説がある・メール欄に名前がある
   B.ヒントがある(名前はない)・本文から投票先が類推できる
   C.何もなし

   と分類して、原則として 1〜3は有効、4と5はAのみ有効とします。
   ただし、どちらにもあてはまるなど、<<>>内でどちらか全く判別できない票は
   <<>>の外に説明があっても無効となります。
   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ・同一IDの投票が複数あった場合、すべて無効となります。
  時々違うIPなのに同一IDとなることもありますが、残念ですが犬に噛まれたと思ってあきらめてください。
  ただし、コードや<< >> が欠けている場合の再投票はOKです。

 ・有効投票先のないレスに書かれたコードは、同一IDの場合のみ有効とします。
  (ただし、日付によるID変更前のフライングと思われる場合を除く)
  また、取得済みのコードを他人に譲渡したとみなされる行為はいかなる場合においても禁止します。
  この行為に該当する票は全て無効になります。
419名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 18:20:11 ID:1RkZ+bZC0
5 名前:名無しさんだよもん[sage] 投稿日:2006/09/22(金) 16:17:28 ID:qoDXqEBS0
★☆★ 細かなルール ★☆★

1.投票行為について
 ・選挙活動は全面自由。CG、SS、ネタ、何でも貼り付け可。
 ・集計人などによる得票数の中間発表はありません。
  また(善意からであろうと)票数などについての書き込みはご遠慮ください。

2.判定について
 ・同票数の場合は両者勝ち上がりとし、次戦は3人で行う。
  ただし0-0の場合は両者負けとする。決勝で同点ならそのとき考える。
 ・12時間以上にわたり板がdで、試合が中断した場合は後日再戦。それ以内は有効試合。

3.ルールの変更について
 ・ルールの変更・日程案に関しては、1週間程度全参加者で議論をした後、まとまらない場合には
  有資格集計人の多数決で投票日時・項目を決定し、その投票結果に従う。
 ・試合と並行して投票を行う必要がある場合は対戦相手とは別に<< >>で投票可能、ツールが拾ってくれる
 ・ただし、急を要する事項に関しては有資格集計人のみの投票で決定するものとする。
 ・これらのルールは話し合い・投票により変更することがあります。

420名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 19:02:24 ID:HrIhka2k0
6 名前:名無しさんだよもん[sage] 投稿日:2006/09/22(金) 16:18:51 ID:qoDXqEBS0
★☆★ FAQ(スレで質問する前に) ★☆★

Q.進行が遅すぎ。1日2試合とか消化して、さくさく進めよーぜ。
A.企画としての進行は遅いですが、スレッドの消費はとてつもなく早いのです。
 他のスレッドに迷惑をかけないためにも、これ以上のペースアップはできません。

Q.一人一票って、明日も投票していいの?
A.構いません。一戦あたり一票という意味です。

Q.組み合わせが偏ってないか?
A.プログラムによる完全ランダムです。誰の意図も入っていません。

Q.運営方法が気に入らないんですが?
A.下のリンクにある集計/審議ツールをダウンロードするか自作して、まずは集計人になりましょう。

  ツールは ttp://www.filebank.co.jp/ ( ID:lksaimoe、PW:saimoe ) にあります。

   ・代打名無し%元葉鍵集計氏の集計/審議支援ツール(060806版) (フルセット)
     代打名無し%元葉鍵集計氏の集計/審議支援ツール(060806版).zip
   ・gnuplot
     『gnuplot-41p0w32.zip』を利用して下さい。     

Q.「この試合、多重があるんじゃない?」、「多重を無くせ」
A.詳細は省きますが、技術的に多重を無くす事は出来ません。
  気にせず、試合を楽しみましょう。

421名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 19:03:25 ID:HrIhka2k0
由宇「今宵、みなに集まってもろうたのは他でもない。
   "第2回葉鍵板最萌トーナメント"も明日でいよいよしまいや!
   今日はその前夜祭、エキシビジョン・マッチや!
   さぁ、前夜祭大いに盛り上がるでぇぇぇ〜〜〜!」
瑞希「ちょっと待て・・・・・・」
由宇「何や、瑞希っちゃん?」
瑞希「前夜祭で盛り上がるのはいいんだけど・・・・・・
   その前に一言だけ言っておきたい事があるの・・・・・・」
瑞希「なんでまた、あたしの部屋でやるの・・・・・・」
玲子「もう〜瑞希ちゃんは前夜祭くらい水をささないで欲しいなぁ〜」
瑞希「この間、終わったばかりじゃないの!?」
瑞希「そこ、勝手に冷蔵庫を開けるな!!」
瑞希「バナナを喰うな!!」
瑞希「にゃあにゃあ鳴くな!!」
由宇「コレ、千紗ちぃやで」

南 「さてエキシビジョンマッチということですが、前夜祭ということで
   みなさんをここにお招きしてはいかがでしょうか」
玲子「そうよね〜これくらい盛り上がっても悪くないわね〜」
由宇「さすがは牧やん、年の功!」
南 「由宇ちゃん・・・・・・」
あさひ「では取りあえず、ミルトさんをこちらに・・・・・・」
瑞希「絶対に断る! 断固断る! なんで、呼び寄せる!!」
由宇「アンタ、今日もえらい目立ってんな・・・・・・」
瑞希「当たり前よ!! だいたいうちには駐車場なんか無いわよ!!
   とにかく、そんなのはいやだから絶対にやめて!
   どうしてもやりたかったら、別の場所でやって! マジで」
郁美「だって、ここならタダだし・・・・・・」
瑞希「生命維持装置切るわよ、ゴラァァァ!!」
南 「仕方ないですね・・・取りあえず、今日は対策会議を行うことで」
すばる「えー何で!? すばるは盛り上がりたいですの・・・ここで!!」
瑞希「あんた・・・真剣に殺すわよ・・・・・・」
422名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 19:03:58 ID:HrIhka2k0
16 名前:由真支援SS 細い闇路を並んで抜けて 2/4[sage] 投稿日:2006/09/22(金) 20:52:19 ID:VMgjHVeS0
「お前の方こそ、足が止まってるぞ」
「そ、そんなことないわよっ。ほんとはあんたの方が恐いんでしょっ。
 だからそんなこと言って、逃げようとしてるんだっ!」
 墓穴掘るなぁ、こいつ。んな無駄に勇気を振り絞らなくてもいいと思うんだが。
「いいよ。じゃあ行こうか」
「え?」
「どうした?」
「べっ、べっつにーっ!」
 むやみに大声を出して、虚勢を張る。どうして引くって事ができないのかなぁ。
 分かってて追い込む俺も、どうかと思うけど。
「急ぐんだろ」
「そうよっ」
 踏み込む俺に、付き従う由真。けど、怖がってないことを証明しようと、強張った顔で、俺を追い抜いていく。
 まぁ、たかが五十メートルくらい、いくら暗いっていっても大したことは――。
「あ」
 由真の足が止まる。角を曲がったら、ただでさえ頼りない街灯は、切れていた。
 大通りからのわずかな灯りは、ビルの壁に完全に遮られている。
 都市の死角って、あるものなんだなぁ。
「ふ、ふんだっ」
 よく分からない気合いを入れて、由真は闇に踏み込んだ。
 一歩、二歩。で、振り返る。
「ちょ、ちょっと、ちゃんとついてきなさいよっ!」
「あ、忘れてた」
「あ、あんたの足跡がしないから、てっきり……逃げたのかと思ったじゃないっ!」
「逃げないよ、これくらいで」
「あたしだって、全然平気なんだからっ!」
 なんだか、怖がってる由真ってちょっと……いやなんでもない。
 普段あんまり見ないから、新鮮に感じるだけ。そうだよな、うん。


423名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 19:04:33 ID:HrIhka2k0
31 名前:名無しさんだよもん[sage] 投稿日:2006/09/22(金) 21:40:19 ID:qLw6ycTX0
大急ぎで作った仁科さんSS。時間が足りないよ…

 学校を卒業した俺は、親元を離れて一人暮しすることに決めた。あの親父と共に暮らすのは、もう限界が来ていた。
 幸いにして、上手い具合に就職口が見つかったので安いアパートを借りて引っ越してきた。ボロいが、俺一人で暮らすには十分な広さだった。
 荷物一式を運び終え、そのまま眠りについた次の日。

 何故だか知らんが、妙に早く目が覚めた。時計を見てみると、時刻は七時。
「早すぎだろ…」
 普段ならもう二時間は夢の中だ。新しい環境に慣れてないからなのか。しかし、働くことになればこんな時間に起きるのは当たり前になる。今のうちから慣れておくべきだろう。
 布団から這い出し、私服に着替える。メシを買いに行くためだ。引っ越したばかりで、食材も何もあったもんじゃなかった。
「って、そもそも作れないんだけどな」
 いずれは自前で作らなければならない日が来る。最悪でもカレーくらいは作れるようになりたい。理由? 長持ちするからだ。
 財布を掴んで、外の世界へと踏み出す。まだ四月になったばかりの空気は、少しばかり冷ややかだった。

 さて、今日からは自分一人しか頼りにできない。節約するも浪費するも自分次第なのだ。取り敢えず、買い物くらいは安く済ませたいところだ。
「…しかし、なーんにも知らないんだよな、俺」
 どの店が安いとか、どの店がいい品揃えだとか、まったく分からない。こういうとき、頼りに出来る人間が一人いれば大助かりなのだが。ま、そんな都合のいい展開があるわけ…
「…あれ? 先輩じゃないですか? どうしたんです、こんな朝早くに」
 …頼りに出来る人間がやってきた。今日はツイてるかもしれない。
「いや、メシの買出し。それよりどうしたんだ、仁科こそこんな朝早くに」
「私は、お散歩です。たまには早起きしてみるのもいいかなぁ、って」
 ツイてる。ここは買い物マスター仁科に指導してもらうか。
「それじゃ悪いけどさ、俺、買い物の仕方とか知らなくてさ。色々お買い得な店とか教えて欲しいんだけど」
「それはいいですけど…私も、あまり詳しくないですよ?」

                        
424名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 19:05:28 ID:HrIhka2k0
53 名前:佐祐理支援SS『ティー・タイム』2/6[sage] 投稿日:2006/09/22(金) 22:09:37 ID:Of2bFdPs0
 顔を赤らめてそう言う佐祐理さんを見て、俺の嗜虐心に火が付いてしまった。
 俺は、更なるいじわるを試みる。
「ああごめんごめん、トイレに行きたかったのか」
 そう言いながら俺は立ち上がり、佐祐理さんを通せんぼするように階段に立ちはだかる。
「え……? あの……? 祐一さん……?」
 佐祐理さんは何が起こっているのか分からないのだろう、明らかに混乱している。
「俺は佐祐理さんと一緒にいたいんだけどな、ちょっとでも長く」
「え……そういってくださるのはうれしいんですけど……今は……」
「そうだろうね。このまんまじゃ佐祐理さん、おもらししちゃうからね」
「おもらしだなんて……そんな……」
「高校生にもなっておもらしだなんて、恥ずかしいよね」
「……はずかしいに決まってます……」
「でも俺は離れたくない。となれば答えは一つ」
「え……? え?」
 困惑する佐祐理さんに、俺はにやっと笑って。
「ここでしたらいいじゃないか」

------
初出76-617

425名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 19:06:25 ID:HrIhka2k0
60 名前:佐祐理支援もどき(1/3)[sage] 投稿日:2006/09/22(金) 22:13:32 ID:CiH2kDY00
Keyの新作!(だったらいいなw)、現在開発中!(ただの妄想だってばw)
マルチエンディングADV。その名も・・・

≪Confession Love 〜佐祐理after〜≫

●あらすじ

 KANONの終わりから二年の月日が流れた。
大学二年生になった主人公『倉田 佐祐理』と、高校を卒業した『相沢 祐一』、
そして2人の友情により、能力の呪縛から解き放たれた『川澄 舞』は
祐一の卒業を期に3人で一軒家を借り、暮らし始める。

 家を出る事に猛反対され、おそらくは初めての大喧嘩を起こし、家出同然で飛び出した
佐祐理。家からの援助は無く、百花屋でアルバイトをしながらの日々。
 大学に行ってまで勉強したくない、と牛丼大手チェーン店に就職した祐一。しかし
真実は、佐祐理と舞には好きな事をしていて欲しいという心からの願いからだった。
 2人からの勧めで絵本作家を目指す事になった舞。動物の絵本を描くかたわら、
2人には内緒で、もう一つの絵本を描き始める。

 つつまじくも楽しかった日々。しかし最初の3人が思っていたほど生活というものは
甘くは無かった。経済的につらかった日もあれば、ふとした事で喧嘩になってしまう事も
あった。そんな毎日の中で、最初に思い描いていた『3人でいつまでも一緒に』という
願いは、いつしか変化を帯びてくる。

っと、こんなゲームがあったらいいなって妄想してみた。
文章力ないな、俺・・・_| ̄|○

<END>
426名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 19:07:12 ID:HrIhka2k0
76 名前:由真ミルト支援SS 走り出すときは、 1/1[sage] 投稿日:2006/09/22(金) 22:29:35 ID:VMgjHVeS0
由真 「とりあえずあたしは考えた。スポーツで食べていくのは無理。でももしかして、モータースポーツならどうかと」
ミルト『そこで私の出番というわけですか』
由真 「まぁとりあえず、免許取らないと話にならないし。ちゃんとRoutesの人に講師も頼んだから大丈夫」
ゆかり「ご指名いただいた、伏見ゆかりです。同じ「ゆ」で始まる名前仲間と言うことで」
ミルト『……え?』
由真 「というわけで、よろしくお願い」
ゆかり「がっつり任せてください」
ミルト『あ、あのー、この方はやめた方が……』
ゆかり「なにか間違っても、ミルトさんが勝手になんとかしてくれるので、安心です」
ミルト『……鋭意努力します』
由真 「便利だねー、これ欲しいなー」
由真 「どれくらい?」
ゆかり「さて、どうでしょう? おそらく、この7500万円の時計一つで足りるとは思いますけど」
由真 「なにその家より高い時計」
ゆかり「いえいえ、プレゼントというものは、心がこもっていることが大事なのですよ」
由真 「説得力ないわねー」
ゆかり「そんなことより始めましょう。まずは車の安全チェック、そしておもむろに座ってシートベルト。
     私たちのように胸にボリュームある人は、このように谷間に沿わせる感じで」
由真 「な、なんかえっちぃ」
ゆかり「これも戦略ですよ、戦略。これがエンジンキー、右がアクセル左がブレーキ」
由真 「うん、それはゲーセンでやってるから分かる」
ミルト『ゲ、ゲーセン!?』
ゆかり「このときのキャッチフレーズは、『エンジンをかけたら、アクセルを踏む』」
由真 「『エンジンをかけたら、アクセルを踏む』」
ミルト『え? ちょっとまブレーキ踏んでくださっ――』
由真 「うひゃああっ!?」
ゆかり「……えー、以上、効果的なスタートダッシュのかけかたでした」
ミルト『教習所いってくれませんか?』
ゆかり「読みが甘いですね、ミルトさん。とっくに追い出され済みです」
由真 「えと、他の人紹介してくれる?」
ミルト『喜んで』                                          
427名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 19:08:07 ID:HrIhka2k0
91 名前:佐祐理支援SS6/7[sage] 投稿日:2006/09/22(金) 22:55:43 ID:jo7aQCfk0
「さ、はやくして下さい。でないと、舞がすねちゃいますよー」
「……私は、すねたりしない」
「わかったわかった」
 反対側に横たわると、佐祐理さんは静かに手を動かし始めた。俺は、ただ横に
なっていた。舞も動くことなく俺たちを見ていた。
 高窓から射し込む日だまりで、俺たちは静かにそこにいた。
 三人とも何もしゃべらないまま、時間が過ぎていく。
 佐祐理さんの動かす手だけがかさかさと音をたてていた。
 俺は、窓からの光の筋の中でちりが舞うのを、見ていた。
「あははっ…」
 佐祐理さんが小さく笑った。
 視線の先を見ると、舞がふんぞり返ったまま壁にもたれて寝入っていた。
「なんか…」
「ん?」
「舞ってば『お父さん』みたいですね」
「ふんぞり返ってえらそうにしているから?」
「えっと、そうなんですけど、ちょっと違います」
 確かに、同じ時間を過ごしている間、家族みたいだと思うことはある。
 俺が父親役で舞が子供だというのなら判らなくもないが、舞が父親ならば俺が
二人の子供だということになる。
「うーん。わからん…」
「あははっ、なんとなくそう思っただけですから。あんまり気になさらないで下さい」
 佐祐理さんは、あははっ、と困ったように笑い、軽く俺の耳に息をふきかけた。
「はい、終わりましたーっ」
「どうもありがとうございます…というか、なんか無茶苦茶心地よかったです」
「あははっ、次は舞にしてもらってくださいね…、まいー、祐一さんの耳掃除終わったよーっ」
 声をかけられた舞は、うすく目を開くとゆっくりと起き上がった。
「おはよう、舞ー」
「佐祐理、おはよう」
「うーっす、いい眠りっぷりだな」
 こくりと舞は頷いた。
428名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 19:09:07 ID:HrIhka2k0
154 名前:名無しさんだよもん[sage] 投稿日:2006/09/23(土) 00:03:19 ID:NUkSfcj40
せっかくだから、選対アイドルコンテストのときの、豆腐たん支援SSでも貼ってみる

「頭がひゃっこい。暑い夏もへいきへいき。にははっ」
 陽射しの鋭い舗道の中央を歩く。照り返しでじりじり灼ける肌に、頭に載った
木綿豆腐の柔らかさがきもちいい。
「♪とーふー、とーふーぃ、ひゃっこいー」
 喉に詰まりそうな濃縮ジュース「げるるん」をごきゅごきゅ呑みながら、人気の
ない道を我が物顔で胸張って。暑い夏の日中に歩いている人はそうはいない。
町全体を支配しているような気になってくる。
 風が吹いてきたので、両手を広げて受け止めることにした。豆腐でいっぱいの
ビニル袋を持ったまま。ポニーの髪が揺れるのがわかる。うん、きもちいい。
「豆腐ちん泣き虫だから、みんな豆腐ちんのこと嫌いみたいだけど、これ見たら
笑ってくれるかな」
 頭を少し揺らす。木綿豆腐がぷるぷる揺れるのがわかる。

「うん。豆腐ちん、だいじょうぶ。ぶいっ」
 ふと横を見る。影を従えて悠然と歩くのは、カラス。
「あ、カラス」
 とりあえず言ってみる。触ってみたい。腕に乗せて一緒に風を受け止めてみたい。
「手乗りカラス。うん、画期的」
 駆け寄ろうと思って、頭の豆腐のことを思い出した。
 三河屋さんの木綿豆腐、ぎょうこざいを使っていない本格派で普段なら一丁
200円するところを、とってぃれーざーびーむ記念価格で50円の大安売り。
これで買えるだけ買ってき、今夜は豆腐祭りや、というお母さんの言いつけを
守ったから、今の豆腐ちんは豆腐いっぱい。
「うーん、走ると豆腐が落ちちゃう。でも、カラスに触りたいし……」

                                                     
                                                                                                                        
                                                              
429名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 19:11:14 ID:HrIhka2k0
176 名前: ◆GhmtPOKjgQ [sage] 投稿日:2006/09/23(土) 02:16:08 ID:X0sn+n9f0
[6]の仮集計。これの仕分けには更にお時間を。

1位 4票 イルファ&シルファ
2位 2票 HMXシリーズ丼
3位 1票 佐祐理さんのお重
3位 1票 柏木姉妹丼、来栖川姉妹丼、みさき澪丼、チーム一カツ丼、水瀬親子丼、美坂姉妹丼、藤林姉妹丼、ちゃるよち丼、姫百合家族丼、小牧姉妹丼
3位 1票 柏木姉妹丼、来栖川姉妹丼、みさき澪丼、みさき澪雪見演劇部丼、茜詩子丼
3位 1票 水瀬親子丼、伊吹姉妹丼、チーム一喝丼、さゆまい丼、どりぐら丼
3位 1票 HMX勝手丼、姫百合家五品丼、柏木四姉妹丼、葵琴音丼、長森七瀬丼、鳩新旧委員長丼、あかりマルチ丼、イルファ雪緒ほのか丼、沙織しのぶさくら丼、七瀬詠美千鶴丼、由宇晴香AYA丼、観鈴佐祐理とも子丼、マルチあゆ由衣丼
3位 1票 来栖川姉妹丼、詠美&由真丼、綾香&由真丼(来栖川つながりで)
3位 1票 岡崎渚&汐の母娘丼
3位 1票 古河早苗&渚の母娘丼、小牧愛佳&郁乃の姉妹丼
3位 1票 葵琴音丼、楓初音丼、雪緒明日菜丼、カミュムツミ丼、HMX17丼、皐月ゆかり丼、はるか瑠璃子丼
3位 1票 花梨・るーこ丼、皐月・ゆかり丼、テネ・ロロ丼、恵_・志保・レミィ丼、カミュ・、佳乃・聖丼、詠美・玲子丼、美凪・みちる丼、杏・椋丼
3位 1票 小牧愛佳&郁乃丼
3位 1票 HMX-11・HMX-12・HMX-12B・HM-12・HMX-14・HMX-17a・HMX-17b・HMX-17c丼
3位 1票 井村屋ほのか+鷹月さくら+立花舞+佐藤利奈+中島沙樹+小野涼子+こおろぎさとみの虹色丼
3位 1票 エルルゥアルルゥ姉妹丼
3位 1票 水瀬親子丼、柚原親子丼、藤林姉妹丼、南&編集長のお姉様丼、よっちゃる丼
3位 1票 神岸親子丼、神尾親子丼、柚原親子丼、ささらまーりゃん丼
3位 1票 岡崎親子丼
3位 1票 由綺理奈あさひ丼、イルファミルファ丼、ささらまーりゃん丼、長森七瀬丼、演劇部with詩子丼、冬弥の妹47人丼
3位 1票 あきなゆ丼
3位 1票 楓&初音姉妹丼
3位 1票 柚原このみ&柚原春夏
3位 1票 観鈴神奈裏葉丼、イルファ優季ささら丼、Routes全ヒロイン丼
3位 1票 師弟丼(由宇・詠美)・アイドル丼(由綺・理奈・あさひ)・令嬢丼(芹香・佐祐理)・いいんちょ丼(智子・愛佳)
3位 1票 晴子+観鈴の母娘丼
430名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 19:12:44 ID:HrIhka2k0
278 名前:名無しさんだよもん[sage] 投稿日:2006/09/24(日) 00:40:07 ID:8JxqkefS0
さて、そろそろ例の祭りのためのss書きに行こうか。
皆様、長い間お疲れ様でございました。
楽しい事、悔しい事、色々あったと思いますが、勝敗など関係なく、
それぞれの方が心に描いているキャラがそれぞれの優勝です!
必要なものは愛情、ただそれのみです!
いつかまた皆様と楽しく競い合える日を夢見て、お暇致しますm(_ _)m 
       _
   「`Y´   ヽ
  └ァ!ミ!ノノ)))〉  それではー
  ん| !l.゚ ヮ゚ノ!|
      |く/lつつ  
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431名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 19:14:25 ID:HrIhka2k0
312 名前:名無しさんだよもん[sage] 投稿日:2006/09/24(日) 00:53:03 ID:8JxqkefS0
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43210:2006/09/28(木) 19:42:52 ID:vL5wTSy90
できましたー。
上のは誤爆?
433No.66そしてこのみにできること:2006/09/28(木) 19:44:16 ID:vL5wTSy90


『これから君たちには殺し合いをしてもらう』

冗談だよね?
このみをおどかそうとしてるんでしょ?
あははっ、タマお姉ちゃんかな? こんなことするのは。
もう。ひどいなぁ。
……わぁすごい。てっぽうだ。
えへー、どうです。似合うでありますか?隊長。
あ、名簿だ。
あー、タカくんの名前がある。お母さんのまで。
もぅタマお姉ちゃん? タカくんの名前を書くなんていくらなんでもひどいよ?
しょうがないなぁ。
えへへ、バキューン!

ぱんっ!

あ……れ……?
おかしいな、木に穴が開いてる?
鉄砲を向けた先の木に穴が開いてるよ?
どうしてかなぁ?
ぱんっ! あれ? ぱんっ! あれ? ぱんっ! あれ? ぱんっ! あれ?
ぱんっ! あれ? ぱんっ! あれ? ぱんっ! あれ? ぱんっ! あれ?
ぱんっ! あれ? かちっ あれ? かちっ あれ? かちっ あれ?
あれ? ほ……んもの?
434No.66そしてこのみにできること:2006/09/28(木) 19:44:53 ID:vL5wTSy90

あれ? じゃあうさぎさんの言ってた殺し合いも? タカくんも?
お母さんも? タマお姉ちゃんも? ユウくんも?
みんなみんな死んじゃうの?
いやだよ!
死んじゃうなんて!
みんな死んじゃうなんて!
みんな?
みんな死んじゃうって事はタカくんも死んじゃうの?
タカくんが死んじゃうの?タカくんが死んじゃうの?タカくんが死んじゃう?タカくんが死タカくんがタカくんがタカくんタカくんタカくんタカくん
タカくんタカくんタカくんカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくん
タカくんタカくんタカくんカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくん
タカくんタカくんタカくんカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくんタカくん
いやだ!!!!
タカくんが死んじゃうなんて絶対にいやだ!
タカくんをきずつける人なんて許さない!
タカくんをきずつける人なんてこのみが
このみが、なに?
このみがどうするの?
そうか! このみがその人をタカくんをきずつけることができないようにすればいいんだ!
このみがタカくんを守らなきゃ!
このみがタカくんを!
このみが!
435No.66そしてこのみにできること:2006/09/28(木) 19:45:45 ID:vL5wTSy90


あ、じゃあさっきのてっぽうに弾を入れなきゃ。
……これで、いいのかな?

ぱんっ!

うん。入ってる。
じゃあ、行こう。
タカくんを守らなきゃ。
あ、誰か来た。
さぁ、聞こう。
そして、始めよう。
「ねぇ、あなたはタカくんをきずつける?」
タカくんを守る、この旅を


柚原このみ
【時間:一日目午後十二時半頃】
【場所:F-02(スタート地点はS-9)】
【持ち物:38口径ダブルアクション式拳銃 装弾数9/10+予備弾薬80発ホローポイント弾 11発使用、デイパック】
【状態:冷静に錯乱。誰かと出会い、問い掛けているところ(誰かは書き手さんに)】
436名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 19:46:55 ID:rzKw/gam0
005、009、047の続きです
43710:2006/09/28(木) 19:47:13 ID:vL5wTSy90
書き忘れたけど一応B'で。
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!」
藤田浩之(089番)は支給品の折りたたみ式自転車に乗り、草むらという名の道なき道を爆走していた。
「今の場所は…G−03くらいか? 途中池があったからから、間違いなさそうだが………」
左手に持ったままの地図をチラリと見ると浩之は自分が今いる場所を大まかに予想した。
「近くに村があるのか……人は多そうだけど、ゲームに乗った奴もいそうだよな………」
ここまで2度3度彼は銃声と思える音を聞いてきた。
おそらくゲームに乗り殺人を行っている者が既に何名か現れたのだろう。

「―――だけど。情報が集めやすいといえば集めやすいよな。RPGでも基本的な情報は町や村で集まるもんだしな」
そう自分に言い聞かせると建物を探すためペダルをこぐスピードを上げる。

やがて、草むらの先に道が見えてきた。
「よぉし、草むらを抜けたぜ!」
と勢い良く道に飛び出したのはいいのだが……

ドォン!

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
「る?」
「あ……」
偶然そこを通りかかっていた春原陽平(058番)と衝突してしまった。
無論、吹っ飛んだのは春原である。軽く1メートルくらいは吹っ飛んだだろうか。

「だ…大丈夫か?」
「………」
返事が無い。
「死んだかうーへい。大口を叩いた割には哀れな奴だ」
「……って、少し気絶していただけで勝手に殺さないでもらえますかねえ!?」
だが、ルーシー・マリア・ミソラ(るーこ・きれいなそら。120番。以下るーこ)の罵声を聞いた瞬間見事復活した。(そのあたりだけは)さすがは彼である。
「そうか。お前たちも知り合いを探しているのか」
「その通りだ。うーたちが集まりそうな場所は大体は把握しているぞ」
「……ところで……その『うー』ってのは本当になんなんだ?」
「それはあまり聞かないほうがいいよ。最終的には損するから……」
そう。実は春原もここまでの間るーこに『るー』と『うー』について説明をしてもらったのだが、
るーこの説明では最終的に「何がなんだかさっぱりわからない」という結論に到達してしまったのだ。
そのため、多分『るー』が1人称で『うー』が2人称みたいなものなんだろうということで納得しておいた。

「失礼だぞ、うーへい。るーと言うものはだな………る?」
「ん? どうした?」
「……誰か来るぞ」
「ひぃぃぃ! またっすかあ!!」
「うるさいぞ、うーへい。今度こそ死にたいのか?」
「そ…それはいやだけどさあ………」
「おい。そんなこと言っている場合じゃなさそうだぜ。どんどん近づいてくる………」
一度草むらに入り、3人は体制を低くする。
耳をすませると、確かにガサガサという草をかき分ける音が聞こえてきた。
万一に備え、春原はポケットからスタンガンを。るーこはIMI マイクロUZIとその予備カートリッジを取り出した。

音が近づいてくるにつれて3人の間には緊張が高まる。

――ガサガサガサ
(どうやら数は2人、もしくは数人………)

――ガサガサガサガサガサ
(さぁ……)

――ガサガサガサガサガサガサガサ
(誰が来るんだ………!)
そして――ついに音の主たちはその姿を現した。


「確かこのあたりから男の子の悲鳴が聞こえた気がするんだけど…………」
「雪ちゃん。やっぱり危ないから校舎に戻ったほうが……」
深山雪見(109番)。川名みさき(029番)。彼女たちは先ほど聞こえた男の子の悲鳴を追ってここまでやって来た。
島を脱出するために自分たちと同じくゲームに乗らない同志たちを集めるためだ。
「何言ってるの。1人でも多くの同志たちと合流したほうが脱出の希望も膨らむって者でしょ?
それに…もしかしたら愛しの浩平くんかもしれないわよ?」
「ゆ…雪ちゃん!」

「………今の聞いたかい?」
「ああ」
「あのうーたちは島を脱出すると言っていたな」
「あの子たち、僕らと目的は最終的には同じじゃないかな?」
「そうだな。それなら話は早い……」

「いないわねえ…」
「雪ちゃん。きっとその子ももう別の場所に移動しちゃったんだよ。だから私たちも……」
「るー!」
「うわあ!」
突如みさきの近くにるーこが勢い良く飛び出した。

「みさき!?」
敵の奇襲と思った雪見はすぐさま親友の方へ振り返る。
しかし、現れたのは敵ではない。むしろ味方である。
「あ…すいません。驚かせちゃって……」
るーこに続いてゆっくりと春原と浩之が顔を出した。
「るーこ。少しは普通に顔を出せ。その人驚いてるだろ」
「え? え?」
突然の浩之たちの出現に雪見とみさきは多少混乱してしまったようだ。

「じゃあ貴方たちも?」
「ああ。俺たちは今は知り合いを探しているんだ」
「もちろん最終的にはこの島を脱出するつもりだよ」
「したがってるーたちはうーたちと行動を共にするべきだと決断した」
「雪ちゃんよかったね。お友達が一気に3人も増えたよ」
「あ…あの……」
「みさき、そっちは藤田くん」
「あっ。ごめん」
(そうか…この人目が………)
浩之たちは当初からみさきはどこか変だと思っていたが、その違和感の正体に気がついた。
彼女は盲目なのだ。
そのハンデはこの島においてはまさに絶望的なものだろう。
おそらく雪見がいなければ今頃彼女は………そう思っただけで恐ろしかった。

「とにかく。今は少しでも情報が欲しいんだ」
「それなら校舎の近くにある村に行ってみたらどうかな?」
「俺も最初そうしようと思っていたんだ。でも……」
「人がいる確率は高そうだけど、敵に遭遇する確率も高いだろうねえ……」
「大丈夫よ。こっちは5人。それに私たちの支給品もあるから少しは安全でしょ?」
そう言って雪見は自分とみさきの支給品を見せる。
SIG P232が1丁とスタングレネードが3つ。確かに支給品としては悪くない。いや、むしろ良い。
「おお。これは凄いな」
「確かに、これなら少しは安全だね」
「じゃあ暗くなる前に行こうぜ。もう夕方だ」
浩之が指差す方へ全員が目を向け空を見上げる。確かに。空は夕焼け空で赤くなっていた。
「今日の夕焼けは何点かな?」
みさきがぽつりと普段言っていた言葉を呟いた。残念ながら、その言葉は浩之たちには聞こえなかった。
浩之たちが村へ向かって歩いていくのを巳間良祐(106番)は草むらに身を隠して見つめていた。
(まったく。どいつもこいつも夢ばかり見る………)
先ほど殺した2人の少女といい、今の5人といいなぜゲームに勝つことに興味を示さないのか、良祐は疑問に思っていた。
「今この世界には勝者と敗者しか存在できないというのに……」
弱肉強食――強いものが生き残り、弱いものが死ぬ。
ヒトという種が生まれる以前、はるか古より存在する自然界の摂理が何故人間にはわからないのだろう、と思いながら彼は自身の凶器をチェックした。
彼の支給品、ベネリ M3の残弾は残り5発。5人殺すとなると1人を1発で仕留める必要がある。
(まあ、隙を突いて1人ずつ始末していけば問題ないか。いざとなればあいつらの武器を奪うだけだ)
良祐は立ち上がるとゆっくりと浩之たちの後を追った。
既に浩之たちの姿は見えないが、彼らの行き先はすぐそこの村だ。すぐに追いつくだろう。

 【時間:1日目15時50分】
 【備考:雪見とみさきのスタート地点は平瀬村分校跡】
藤田浩之
 【所持品:折りたたみ式自転車、他支給品一式(ただし、ここまで来る間に水を少し消費)】
 【状態:普通。知り合い・同志を探しに平瀬村へ移動中】
春原陽平
 【所持品:スタンガン、他支給品一式(ただし、ここまで来る間に水を少し消費)】
 【状態:(多分)普通】
ルーシー・マリア・ミソラ(るーこ・きれいなそら)
 【所持品:IMI マイクロUZI(残り30発)と予備カートリッジ(30発入り×5)、他支給品一式】
 【状態:普通。知り合い・同志を探しに平瀬村へ移動中】
川名みさき
 【所持品:スタングレネード(×3)、他支給品一式】
 【状態:普通。知り合い・同志を探しに平瀬村へ移動中】
深山雪見
 【所持品:SIG P232(残り7発)、他支給品一式】
 【状態:普通。知り合い・同志を探しに平瀬村へ移動中】
巳間良祐
 【所持品:ベネリ M3(残り5発)、他支給品一式、草壁優季のバッグ】
 【状態:普通。ゲームに乗っている。浩之たちを追う】
443名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 20:03:38 ID:yvToZFReO
修正すべき箇所

012 惨劇に挑め
『確立』→『確率』

056 解き放たれた鎖
『郁美』ではなく『郁未』
 【備考:るーこは雪見は「うーゆき」、みさきは「うーさき」と呼ぶ。SIG P232は本来はみさきの支給品で、雪見と合流後彼女のスタングレネードと交換した】
445愛の狩人(1/5):2006/09/28(木) 20:19:32 ID:JhIWJX6U0

ムティカパに痛恨の敗北を喫し、旧世代メイドロボであるセリオにグレードアップの
必要性を痛感した綾香は、イルファの現在位置を割り出した久瀬のバックアップを受けて
現地へと急行した。
ちなみに高速移動手段どころか走るという概念が脳内に存在するかどうかすら怪しい芹香は
セリオがお姫様抱っこで抱えている。
なんか嬉しそうなんだけどそういう願望あんのかなこのヒト、ちょっとヤベー、などと
思っても口には出さない綾香。
蘇生の恩義もあるし、何より後が怖い。

「あー、いたいた。おーい、イルファー」
「……?」

何だか良くわからない環境に放り込まれたHMX-17aイルファは、状況がつかめないまま
ぶらぶらと林道を歩いていた。
至上命令は瑠璃さま探さなきゃー、である。
優秀な思考回路と感情エミュレート機能完備のAIを持つイルファだったが、
いかんせんメカの悲しさ、生命の価値というものに関しては今ひとつ鈍感だった。
ゴテゴテとパワードスーツで武装した綾香一行がイルファを発見したのは
そんなときであった。

「あら、セリオお姉様、芹香様。……と、綾香様。……コスプレですか?」
「人をオマケみたいに言ってっと終いにゃバラすわよ? あとこの格好にツッコミ禁止。
 これクライアントが見てんのよ、売れなくなったらどうすんの。」
「久しぶりですね、イルファ。……綾香様」
「何よ、セリオ?」

唐突な呼びかけに、怪訝な顔をして振り向く綾香。
移動中は何を話しかけても無言を貫き通したくせに今更何だ、と顔に書いてある。
446愛の狩人(2/5):2006/09/28(木) 20:20:18 ID:JhIWJX6U0

「―――衛星回線を通してダイヤル177の傍受に成功しました。
 気象庁発表によれば、本日の沖木島周辺の天候は波高く、」

綾香は相棒の顔面を思うさま殴りつけたい衝動に駆られたが、どうにか堪えた。
そういえば、虎の弱点が水だと聞いたときに、都合よく雨でも降らねーかなー、と
呟いた記憶がある。
それからずっと177への電話で埋め尽くされてたのか、この電子脳は。
やっぱ駄目だ、寺女なんてお嬢学校に通わせたのが大失敗だ。
あそこ世間知らずの箱入りばっかだからなー、要領よく何かするとか
実用的な知識とか、そういうのは全部メモリから追い出されてるわー……、
などと益体もない後悔に打ち震える綾香を尻目に世間話で盛り上がる機械人形。

「……で、この間も瑠璃様がですね、とっても素敵な寝顔を……」
「いえイルファ、睡眠という分野であれば綾香様の右に出るものはおりません。
 副社長という要職にありながら1日平均4回、合計12時間超の睡眠を欠かしませんし、
 先日などは経営会議の最中でも堂々と」
「てめえらまとめて廃品回収に出すぞ!」


ポンコツを2体まとめてもやっぱりポンコツにしかならないんじゃないか、
そんな不安を無理やり押し込めてイルファに事情を説明する綾香。
芹香がまるで空中に漂う見えない何かをかき集めるような仕草をしているのは
視界に入らなかったことにする。

「そういうわけだから解体されなさい、イルファ」
「ご自分が無茶苦茶言ってるって理解されてます?」
「黙れ」

悲しいかな、民生品のイルファに対抗する手段はなかった。
見るみる内に身包みを剥がされていく。
447愛の狩人(3/5):2006/09/28(木) 20:21:32 ID:JhIWJX6U0

それから、しばらくの時間が経過した。

「……」
「…………」
「………………あの、綾香様?」
「―――ぐあ畜生、こんなのわかるわけねー!
 経営は現場なんて知らなくたってやっていけるんだー!」

あたしは体育会系だー、と叫ぶ綾香。

「人のお腹を開いてからそういうこと言わないでくださいー」

涙目で訴えるイルファ。
両手両足をがっちりとセリオに拘束されている。

「こんなこともあろうかと、工具一式は久瀬に用意させてたんだけどね……」
「綾香様、こんなこともあろうかとお考えだったなら、技術者も用意させるべきだったのでは」
「黙れ旧式、あんたがサテライトでその手の知識をダウンロードできれば問題なかったの!」
「ご指定の機能をメインサーバからダウンロード完了するのに、推定15時間ほど必要です」
「何度も聞いたわよ!」

ああコイツ殴りてえ、と衝動と自制心との葛藤に身悶えする綾香。
虎の一件で、セリオ自身の耐久性には多大な問題があることが発覚していた。
下手にぶん殴ってまた胴と脚が生き別れになられてはたまらない。
帰ったらセリオの武装化担当は真っ先に粛清だ、と心に決める。
448愛の狩人(4/5):2006/09/28(木) 20:22:30 ID:JhIWJX6U0

「くっそ、こうなったら機械に強いヤツを連れてくるしかないか……。
 言うこと聞かせるのメンドくさいなぁ……。拷問とか手加減とか苦手なんだよね……」

頭を抱える綾香に、黒いローブを靡かせた芹香が近づき、何事かを囁く。

(……ぼそぼそ)
「……え? 別に言うことを聞かせなくても、殺せば魂を召喚して操れるって?」

ぱっ、と表情を輝かせる綾香。

「さすが姉さん、何だかわかんないけどとにかくすげー!
 よおし、じゃ頑張って工学屋を殺すわよー!」
「珊瑚様に酷いことしたら駄目ですー!」
「よしそれだ、でかしたイルファ!
 ご褒美にバラすときは痛くないようにしてあげるからね!」
「もしかして私いま墓穴掘りましたかー!?」

こうして、綾香一行の次の標的が決まった。
449愛の狩人(5/5):2006/09/28(木) 20:23:20 ID:JhIWJX6U0

 37:来栖川綾香
【時間:一日目16:00頃】
【場所:G−3付近】
【持ち物:パワードスーツKPS−U1、カラシニコフAKS−74U、こんなこともあろうかとバッグ】
【状態:健康】

 60:セリオ
【時間:一日目16:00頃】
【場所:G−3付近】
【持ち物:なし】
【状態:正常】

 38:来栖川芹香
【時間:一日目16:00頃】
【場所:G−3付近】
【持ち物:水晶玉、都合のいい支給品、うぐぅ、狐】
【状態:健康】

 9:イルファ
【時間:一日目16:00頃】
【場所:G−3付近】
【持ち物:支給品一式】
【状態:割腹】

言うまでもなくDルートで。
450名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 20:30:38 ID:wCXxeqiy0
50 名前:とりあえずプロデュース。ファイナル・エディション[] 投稿日:2006/09/22(金) 22:05:58 ID:9ffVxuO10
<なぜか、続き>

由宇「というわけで、来てもろうたんや!」
瑞希「どういう訳よ、どういう!?」
由宇「大バカの対戦相手の十波由真はんとその保護者の小牧書記長!」
由真「誰が保護者だ、誰が!」
愛佳「・・・・・・あの〜委員長ですけど」
あさひ「明日、決勝戦がある愛佳さんに来てもらって大丈夫なんですか?」
由宇「まぁ、うちもその点で遠慮しようかと考えたんやけどな。
   由真はんがこのアホと同じ水準と聞いたさかい無理ゆうてな」
詠美・由真「「誰と同じ水準だ、誰と!」」
由宇「まぁ、愛佳はんも色々大変やろ」
愛佳「いえ・・・それほどでも」
由宇「いや、言わんでも判る! 難儀なツレ持つと大変やもんな、お互い・・・」
瑞希「凄く聞き捨てならないセリフを聞いた気が・・・・・・」
愛佳「由真はそれほど問題児ではないですけど・・・」
彩 「・・・・・・それほど、ですね」
愛佳「この間も・・・アレッ?」
由宇「んっ、どないしたん?」
愛佳「いえ、そちらの方が知り合いによく似ておられたもので・・・」
由宇「こちら・・・ああ、スの字のことか」
愛佳「よく似ていたもので。失礼いたしました」
由宇「まぁ、ついでや紹介しとこか。御影すばる、通称スの字。新人気鋭の同人作家!
   どんな車がきても0.2秒であの世へおくることができるんや!
   武器はもたないカラテや!!」
すばる「カラテじゃないですの・・・・・・」

451名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 20:31:51 ID:wCXxeqiy0
70 名前:ハルジオン(3/7)[sage] 投稿日:2006/09/22(金) 22:24:39 ID:jo7aQCfk0
 学校の勉強をしていたり、お父さまの付き添いでいろいろな催し物に
顔を出したり、周囲に笑顔を見せているとき、不意に、自分には何もすることが
ないのに気づく。
 何も見えず、何も聞こえず、ただ残されているだけ。
 そんなとき、わたしは、花を探した。
 瞬きをしたときに見える刹那の残影を追い、踵を返したときの何かを
置いてきぼりにする感覚に、もう一度振り返ってみたりした。
 しかし影は、逃げ水のように消え失せる。
 手を伸ばしては、空を切り、
 振り返っては、目を見開いたまま立ち尽くす。
 自分で作った虹を掴もうと手をのばす子供のように、幻想を積み立てては
それが現でないことを確認するしかできなかった。
 手を広げても、何も残っていない。これが誰の手だかもわからない。
 この場所に存在するものも、誰のものだか、わからない。
 色を映す風景も、どこのものだかわからない。
 それに気づいたとき、わたしは、自らに痕をつけた。
 くらい。暗い。門も、壁も、空も、土も、暗かった、その日。
 真っ暗な服を着た、顔のない無数の参列者の中、わたしは、その花を
持っていた。小さくて白い花の花束は、わたしの両手を覆うように
してそこにあった。
 真っ暗な布のかかった真っ暗な玄関の戸が開き、
叔父さまやお兄さまが白い四角い箱を、抱えて出てきた。
 お父様は、どうしても抜けられない所用があってそこにはいなかった。
 生木で作られたその箱は、ぬけるように白くて、意外と大きかった。
 箱がわたしの前で立ち止まると、お母さまがわたしを促し、わたしは
手に持っていた白い花を箱の上に置いた。
 声をかけようと口を開いた。
 しかしその前に、箱は持ち去られ、人ごみがそれを覆い隠し、黒塗りの車
に収められ、扉が閉められ、わたしは別の黒塗りの車に押し込められ、
車の列は発進した。
 それ以来、花を、見ていない。
452名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 20:32:38 ID:wCXxeqiy0
           \    \ \   `-‐'´     , - '´
             .Y ̄ ̄ ̄ \  ヽ __  ― ´     _, -‐‐‐
             l       `ヽ _       __,...--'´-、_             
         __,,,---L...、、---ー---、、、 ___ ̄          ``ー-、_        
       /:_,;-//  / ::/ :::.,イ  :::::/ ̄`::ァ-、___          ``-、_       /
      //´/:::/: : ::/: : / :::,.勹: ::::://: : :::/ l: ::/  `T--、,__       `ー-、_./
        ./: : :,/: :::::/:: /l:/  .|:::/`Y:::::/ ‐'フ:::/゙゙゙゙゙=.l: : ::/ .|:`Tー、_       /
       /:::/.l: : :::/l::::イ リ 、 リ'   l:::/   //   ./:/ ヽ|: :/: : : :`ゝ、_   /
       レ´   l : :/:.l:::ri、_ゝ=ニミ、  リ   ´    ,./   l::/: : : : : : l::: :`y
           .l .::l: :/リ.|     `ヽ     '''こニ、、、___,  l/: : : /: : :::l::: : :|
       _,...-‐i :::r'.:∧| /////         ´ ̄ ̄`ヽ-- /:::::/: : :::イ:::l:::: l
_;.-‐‐‐'''´ ̄   _,,;\i : :::::l            `/////  >::::/: :::/ }i:::l:::: l
   _,,-ー―'´ ̄. . .: : :.:::::{       ′       _彡::::/:/イ丿,.イ::l::::l:: : l
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453名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 20:33:12 ID:wCXxeqiy0
    _____________
    |        ┃           |
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    |~~~~~~ `'ー---‐'''''" ~~~~~.|_______|    (∀`   ) < やってみるか。いくらかな  
    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \____,|    (     )  \_______
    | 1play [三]     @   |   |   | | |
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    |.    ( ゚д゚ )       |    |    ∧__∧   
    |~~~~~~ `'ー---‐'''''" ~~~~~.|_______|    ( ゚д゚ )  
    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \____,|    (    )  
    | 1play [三]     @   |   |   | | |
    | \500               |   |   (__)_)
      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
454遭遇戦:2006/09/28(木) 20:57:22 ID:15sBzq+O0
B、B'、B−2ルート準拠で。

「…面倒なことになってきたわね」
向坂環(039)は出発地点のS−9から少し北上した所でひとりごちた。いきなり「殺人ゲームをしろ」などと言われたところで、元々正義感の強い彼女にそんなことをするつもりは毛頭無かった。
だからと言って、今この首につけられている趣味の悪い首輪を外せる手段はない。ゆえに主催者に歯向かおうにも方法がなかった。
だから取り敢えずは貴明や雄二、このみと合流しようとしたのだが。
「ここまでバラバラに分断されるとはね」
河野貴明。向坂雄二。このみは「ゆ」から始まるから仕方が無いとして、スタート地点から少し離れたところで数十分待ってみたが、一向に彼らが出てくる気配はなかった。
親しいもの同士は意図的に引き離されているのか、まったくのランダムなのか。いずれにしても主催者側の意地の悪さが見て取れる。
ともかく、出てこない以上はこちらから出向いて探すしかない。雄二はともかく、貴明はそこまで頭は悪く無い。恐らく、うろちょろ動いたりせずじっと安全な場所にいるはず。
問題はこのみだ。貴明や雄二と合流出来ているならよいが、もし一人だった場合私達を探して危険を顧みず疾走しているに違いない。最悪、錯乱して他の参加者に何かしでかす可能性すらある。
このみはか弱い女の子なのだから。
「…って、私も女の子じゃない」
仲間が危機的状況に立たされているかもしれないという事態が、逆に環を奮い立たせていた。もし貴明達が参加していなければ、環すら錯乱していたかもしれない。
環は苦笑せざるを得なかった。
「さて、私も行きましょうか。まずは持ち物の確認ね」
デイパックを開けて中身を確認する。中に入っていたのはいかにも不味そうなパンがふた切れ、水の入ったペットボトルが一本、参加者名簿と地図、コンパス。そして、支給された武器。
455遭遇戦:2006/09/28(木) 20:58:06 ID:15sBzq+O0
「…こういうものは、あまり見たくないものね」
環が手にしたのは、いわゆる拳銃。M1911A1、通称コルト・ガバメントだった。付属の説明書まであった。見た限りでは、環の腕力でも十分に扱えそうだった。
出来れば使いたくはないが、もし、貴明達の命が危険に晒されるのであれば。
「使うのも、やむを得ないかもしれないわね」
呟いて、デイバックに仕舞おうとした時。
パァン!
何か音がしたかと思えば、環の頬を何かが掠めていった。頭で考えるよりも先に、体を林の中へと転がり込ませる。そして木の影から襲撃者の存在を確認すると――
「ちいっ、外してもうたか! やっぱもう少し近づかなアカンな」
――その人物は、24番、神尾晴子!
「ちょっ…あなた、なにやってるんですか!?」
環が晴子に向かって必死に叫ぶが、
「何って…ウチはゲームに参加してるんや。今の銃撃で分からんかったんか?」
しれっと言ってのける晴子に、環は呆然とする。
こんなにも早く、参加者と出会うなんて――!
「悪いけど、ウチの娘のために死んでもらうで。あの子だけは絶対に生かさなあかんのや」
そう言い放つと、晴子はさらに拳銃をもう3発発砲する。当たりはしなかったが、その発砲は環に決断を迫らせるには十分過ぎた。
456遭遇戦:2006/09/28(木) 20:59:00 ID:15sBzq+O0
(撃ちたくはないけど…こんな人、放っておくわけにはいかない! ごめん、みんな)
心中で友人達に謝ると、ガバメントのグリップを握りなおした。
「悪いけど、こっちだってまだ死ぬわけにはいかないのよ! その根性、叩き直してあげるわ!」
晴子に向け、数発発砲する。こちらも当たりはしなかったが、晴子も少し後退する。
「はっ、小娘ふぜいがええ気になるなや! ええわ、受けてたったる!」
女同士の戦いの火蓋が、切って落とされる。


『向坂環(039)』
【時間:1日目午前11時半ごろ】
【場所:F−3、森林帯】
【所持品:支給品一式、コルトガバメント(残弾、残り27)】
【状態:健康】
【備考:戦闘中、晴子を止めることが第1目的、当然晴子の名前は知らない】

『神尾晴子(024)』
【時間:1日目午前11時半ごろ】
【場所:F−3、森林帯】
【所持品:支給品一式、H&K VP70(残弾、残り26)】
【状態:健康】
【備考:戦闘中、スタート地点はS−4】
457名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 21:01:24 ID:NwEv+CYW0
タマ姉はもう書かれてますよ
458名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 21:05:59 ID:yvToZFReO
志村ー。別ルート、別ルート!

訂正
>気がつけば『お約束』? ‐春原の受難‐
『途中池があったからから』→『途中池があったから』
459そしてことみにできること:2006/09/28(木) 21:17:49 ID:ZWYzm1RC0
>>435

>あ、誰か来た。
>さぁ、聞こう。
>そして、始めよう。
>ねぇ、あなたはタカくんをきずつける?
>タカくんを守る、この旅を

>【状態:冷静に錯乱。誰かと出会い、問い掛けているところ(誰かは書き手さんに)】

───『と、このように、書き手に媚売って生かしてもらおうという甘い魂胆で
   ずうずうしいこの323勢のTH2の主役の女はこのバトロワを乗り切ろうとしていたの。』
このみ:「え?」
───『と彼女、TH2の主役の女は振り向いたの。だけど誰も周囲には見当たらなかったの。』
このみ:「・・・なに?何か聞こえるぅ!」
───『柚原は周りを見渡したの。だけど何も反応が無かったの。』
このみ:「誰?ねえ!!」
───『柚原はそうして銃を構えたの。』
このみ:「誰かいるよ!ねえ!出てきなさいよ!」
───お前さんの望んでいた『書き手』なの。
このみ:「ひぃ・・」
───だけどそれは彼女はいまいち頭弱いから判らなかったの。
     所詮かわいさだけで生き延びようとした女でしかなかったの。
このみ:「何!ねえ!」
460そしてことみにできること:2006/09/28(木) 21:18:32 ID:ZWYzm1RC0

───『柚原は足ががくがく震えだしたの。誰も見えない、誰も周りにいない。』
「いやだぁ!何?!ねえ!あなた誰?!」
───『そもそもが甘い話だったの。みんな愛する人もいるのに
    てめーの愛する人間だけ守るために人を殺そうとするその甘えた根性が書き手さんはだいっきらいなの』
「え?!!」
───『柚原は驚いたの。自分が人気が高いから意外と書き手に媚びれば
    長く生かせてもらえるんじゃないかという甘い期待をこの女は持ってたの』
「そ!そんなことおもってないよう!」
───『口ではなんとも言えるの。ここで否定しないと自分の人気ががた落ちになる事とか
    TH2の主役の役目とかそんな社会的な側面を考えて自分を飾ろうとする
    彼女の生来持つ自己防衛本能であり、優しさは単に自分をよく人に見せようとする手段でしかなかったの』
「え。。あ・・・」

───『だけど、そんなに甘くない事をこの女は知ることになる。今一瞬だけど
    彼女は今環が愛佳の首ブッタ切った所を想像してしまったの」

 (フラッシュバック、なの)
「い・・・・・・・・・・いやぁ!!!!!!いやだぁーーー!!」

───『これはあくまでも予感というか直感でしかなかったの。だけど誰もいない間に
    ひっそりと香田君の首切られる画像を2ちゃんねるでわくわくしながら見ていたこのみは
    同じように小牧の首が環にナイフで切られるその映像が生なまと想像できてしまったの』

 (またフラッシュバック、なの)
柚原:「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

461名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 21:18:48 ID:CG/qJasm0
>>435

>あ、誰か来た。
>さぁ、聞こう。
>そして、始めよう。
>ねぇ、あなたはタカくんをきずつける?
>タカくんを守る、この旅を

>【状態:冷静に錯乱。誰かと出会い、問い掛けているところ(誰かは書き手さんに)】

───『と、このように、書き手に媚売って生かしてもらおうという甘い魂胆で
   ずうずうしいこの323勢のTH2の主役の女はこのバトロワを乗り切ろうとしていたの。』
このみ:「え?」
───『と彼女、TH2の主役の女は振り向いたの。だけど誰も周囲には見当たらなかったの。』
このみ:「・・・なに?何か聞こえるぅ!」
───『柚原は周りを見渡したの。だけど何も反応が無かったの。』
このみ:「誰?ねえ!!」
───『柚原はそうして銃を構えたの。』
このみ:「誰かいるよ!ねえ!出てきなさいよ!」
───お前さんの望んでいた『書き手』なの。
このみ:「ひぃ・・」
───だけどそれは彼女はいまいち頭弱いから判らなかったの。
     所詮かわいさだけで生き延びようとした女でしかなかったの。
このみ:「何!ねえ!」
462名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 21:19:21 ID:CG/qJasm0

───『柚原は足ががくがく震えだしたの。誰も見えない、誰も周りにいない。』
「いやだぁ!何?!ねえ!あなた誰?!」
───『そもそもが甘い話だったの。みんな愛する人もいるのに
    てめーの愛する人間だけ守るために人を殺そうとするその甘えた根性が書き手さんはだいっきらいなの』
「え?!!」
───『柚原は驚いたの。自分が人気が高いから意外と書き手に媚びれば
    長く生かせてもらえるんじゃないかという甘い期待をこの女は持ってたの』
「そ!そんなことおもってないよう!」
───『口ではなんとも言えるの。ここで否定しないと自分の人気ががた落ちになる事とか
    TH2の主役の役目とかそんな社会的な側面を考えて自分を飾ろうとする
    彼女の生来持つ自己防衛本能であり、優しさは単に自分をよく人に見せようとする手段でしかなかったの』
「え。。あ・・・」

───『だけど、そんなに甘くない事をこの女は知ることになる。今一瞬だけど
    彼女は今環が愛佳の首ブッタ切った所を想像してしまったの」

 (フラッシュバック、なの)
「い・・・・・・・・・・いやぁ!!!!!!いやだぁーーー!!」

───『これはあくまでも予感というか直感でしかなかったの。だけど誰もいない間に
    ひっそりと香田君の首切られる画像を2ちゃんねるでわくわくしながら見ていたこのみは
    同じように小牧の首が環にナイフで切られるその映像が生なまと想像できてしまったの』

 (またフラッシュバック、なの)
柚原:「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
463そしてことみにできること:2006/09/28(木) 21:19:56 ID:ZWYzm1RC0

───『柚原はないてたの。ちょっぴりアナルセックスにも興味を持ち始めてタカくんで想像してたけど
    親にも内緒だった自分のプライバシーとかも神の視点からはまるわかりなの』

「誰!!誰よぅ!!!ねえーーーーーーー!!」

───『柚原は涙と鼻水たれ流しながら周りに銃を発砲しまくったの。だけどそもそも誰もいないの』
───タカ棒殺せば
「いや!いやあああああ、いやあああああああああ!!」

───柚原は壊れたの。そしてちょっぴりおもらししてたの。
───そして最後、精神が混乱して残っていた一発で自分のこめかみぶち抜いて死んじゃったの。
   こいつはしょせんこの極限状態を突破できるようなタマじゃなかった。
   これが柚原このみちゃんの最期だったの。
───ちなみにこの直後春原が来てこのみの服剥いでおっぱい触るの。
   でも死体をレイプはできないの。臆病だから。
───これまでの発言は全て事実。以上、天上天下、一之瀬ことみちゃんでした。

『柚原このみ         死亡(自殺)。
「誰か」こと一之瀬ことみ   能力「神(書き手)の視点。」。
                  武器として支給された変な薬飲んだらこうなったの。

ちなみに全ルートなの。
Dルートだけに勝手にしたらぬっ殺すの。』
464名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 21:21:04 ID:ZWYzm1RC0
さすが神視点なの。IDがなぜか2つできてたらしいの。
465名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 21:21:09 ID:CG/qJasm0

───『柚原はないてたの。ちょっぴりアナルセックスにも興味を持ち始めてタカくんで想像してたけど
    親にも内緒だった自分のプライバシーとかも神の視点からはまるわかりなの』

「誰!!誰よぅ!!!ねえーーーーーーー!!」

───『柚原は涙と鼻水たれ流しながら周りに銃を発砲しまくったの。だけどそもそも誰もいないの』
───タカ棒殺せば
「いや!いやあああああ、いやあああああああああ!!」

───柚原は壊れたの。そしてちょっぴりおもらししてたの。
───そして最後、精神が混乱して残っていた一発で自分のこめかみぶち抜いて死んじゃったの。
   こいつはしょせんこの極限状態を突破できるようなタマじゃなかった。
   これが柚原このみちゃんの最期だったの。
───ちなみにこの直後春原が来てこのみの服剥いでおっぱい触るの。
   でも死体をレイプはできないの。臆病だから。
───これまでの発言は全て事実。以上、天上天下、一之瀬ことみちゃんでした。

『柚原このみ         死亡(自殺)。
「誰か」こと一之瀬ことみ   能力「神(書き手)の視点。」。
                  武器として支給された変な薬飲んだらこうなったの。

ちなみに全ルートなの。
Dルートだけに勝手にしたらぬっ殺すの。』
466名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 21:22:47 ID:B5AE2BvF0
>>454
この話環と晴子を入れ替えてもほぼそのまんま成立しそうね
467名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 21:34:12 ID:yvToZFReO
>そしてことみにできること
ギャグか荒らしか?
これで全ルートだなんて……………
Dだけならともかくよ………
468 ◆elHD6rB3kM :2006/09/28(木) 22:53:11 ID:vgfBlZ4R0
すいません。NO.61の山頂の形而上者の改訂版を投下します。
まとめ人さん、こちらのほうに差し替えていただけますか?
ご迷惑をかけて申し訳ありません。
469 ◆elHD6rB3kM :2006/09/28(木) 22:56:53 ID:vgfBlZ4R0
 少年(055)は神塚山の頂上にいた。そろそろ夕日が赤くなり始めている。西の空の色がゆっくりと蒼から紅に移り変わる。
 山頂からは島の全景がほぼ見渡せる。
「ずいぶんと便利な場所を作ったものだね」
と、ひとりごちるとその場に腰を下ろした。風が気持ちいい。
 ずっとその心地よさを堪能してもよかったが、僕は僕の仕事をしなければいけない。郁未のことも気になるけど、とりあえずそれも頭の隅においやる。
 ひょっとしたら彼女のほうから僕に気付くだろうか。
 それは十二分にありえる話だった。ここは見晴らしがいい場所だが同時にひどく目立つ。
 そうなったら、どうしよう。きっと郁未に見つかってしまったらひどく面倒なことになる。彼女のことだ。きっと僕が何をやっているのか聞き出すだろう。
 僕はうそが得意じゃないない。うそをついてることは彼女にはすぐにばれてしまう。彼女の知らないことを僕が知っているということを。
 このゲームの開かれた理由。
 主催者の真意と目的。
 そして、自分に課せられた役割。
 それを知ったら、彼女はどう反応するだろうか。そればかりはさっぱり予想がつかない。怒り出すだろうか、悲しむだろうか、馬鹿にするだろうか。その激情は僕にも向けられるのだろうか。
 会いたい。
 会いたくない。
 矛盾する二つの気持ちが少年の中でぶつかり合う。
470 ◆elHD6rB3kM :2006/09/28(木) 22:57:27 ID:vgfBlZ4R0
 だが、意思がどうであろうと、自分はここから動くわけには行かない。ここから目に入る全てを目に入れ、可能な限り記憶していくこと。それが自分の使命。
 自分には何も許されていないのだ。
 殺すことも。
 殺されることも。
 助けることも。
 だますことも。
 動くことすら。
 感情を吐露することすら。
 心配することすら。
 何も許されてないのだ。
 少年は静かにそこにたたずむ。
 風が吹いた。銃声が聞こえる。また、誰かが死んだのだろうか。


 少年
【場所:神塚山山頂(F-05)】
【時間:午後四時】
【持ち物:不明(次の書き手さんまかせ)】
【状況:異常なし】
471診療所にて(1/2):2006/09/28(木) 23:07:09 ID:l9/0RB070
「ここは・・・診療所みたいですね」
開始された灯台から、道なりに歩く事ほどしばらく。
建物の裏手に回り、古河早苗はとりあえず休息を取る事にする。
ふぅ・・・と一息落ち着いたところで、涙がじわっと溢れてくる。
秋生さん、渚、朋也さん、伊吹先生と風子ちゃん、春原さん、芽衣ちゃん・・・。
他にもたまに朋也さんから聞く名前がちらほらと見えた。
こんなにたくさんの人がこの島で殺し合いをするなんて。
悲壮と絶望の入り混じった感情に支配され、早苗は体の震えが収まらない。
やらなければならないだろうか?生き残りをかけた戦いを。
「と言っても、このハリセンで何が出来るのでしょうか?」
独り言をつぶやき、力なくうなだれる。
1人に1つ支給されるランダムアイテム、早苗のそれはハリセンだった。
よくお笑い番組で見かけるようなあれである。
ハリセンでペチっと自分の頭を叩き、気合を入れなおす。
「弱気になってはダメですよね、秋生さん。渚を、朋也さんを、みんなを守るために、
 わたしはいつでも強くいなければ…!」
パンパンと頬を叩き、気力を奮い起こす。

ざ・・・ざ・・・ざ・・・
……!? 何か音がする。人の足音だろうか?
建物の影に隠れ、様子を見る。念のためにハリセンでいつでも殴りかかれるように構える。
武器としての力は無いだろうが、無いよりはマシだ。
ざ・・・ざ・・・ざ・・・
こちらに近づいてきているのだろう、段々音が大きくなる。
ざ・・・ざ・・・ざ・・・
影が見えた。
もう少し…もう少し引きつけて…勇気を振り絞って…
ガクガク震える手を抓り、ぎゅっとハリセンを握り締める。
ざ・・・ざ・・・
今だ…っ!!
472診療所にて(2/3):2006/09/28(木) 23:08:03 ID:l9/0RB070
「動かないでください!」
声が裏返りながらも、大声を上げて威嚇する。
「いやぁぁぁぁぁあぁぁぁぁっっ!!」
相手は悲鳴を上げ、ガクっと力尽きる。
「え…!?」
その悲鳴の声の主には覚えがある!! いや、間違えようがない…。
「渚!! 渚なんですね!!」

一時間ほど経っただろうか。渚がようやく目を覚ます。
「あ…お母さんです」
ぼんやりと辺りを見渡す。まだ意識は朦朧としているらしい。
「渚、ごめんなさい。渚だと気付かなくて驚かしてしまいました」
「お母さん、ここはどこですかっ?」
「あのウサギのお人形さんは、ここが沖木島という場所だと言っていました。
 ですが、殺し合いをさせるくらいですから、おそらくは無人島なのでしょう」
「…殺し合い、ですか」
最愛の娘をぎゅっと抱きしめ、早苗は力強く諭す。
「…渚に人を殺すような真似はさせません。そして渚を殺させるような事もさせません…!!」
「お母さん、少し痛いですっ」
娘の非難の声も構わず、力強く抱きしめ続ける。
すると安心したのだろうか、渚の体が静かに振るえ、嗚咽の声が聞こえだす。
…ここで渚と会えた事がせめてもの救い。渚だけでもわたしの手で守り抜こう。
まずは、この診療所で隠れられるかどうかを調べる。
大丈夫そうなら、ここを拠点にして、少しずつ足を伸ばそう。
秋生さんも朋也さんもしっかりしてるから、そう簡単に殺されてしまう事はない。
むしろ心配なのはわたしたちの方だ。
まずは生き抜く事を考えよう。そうすればおのずと道は開けるはずだ…!!
473診療所にて(3/3):2006/09/28(木) 23:08:34 ID:l9/0RB070
『古河 早苗(094)』
【時間:午後4時頃】
【場所:沖木島診療所(I−07)】
【所持品:ハリセン、基本所持品】
【状態:冷静、診療所を調べる】

『古河 渚(095)』
【時間:午後4時頃】
【所持品:次の書き手さんにお任せします】
【状態:安堵、若干の精神疲労】 

指定ルート:特に無し。共通で構いません
474名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 23:10:06 ID:l9/0RB070
修正:渚の居場所も早苗と同じく沖木島診療所(I−07)です
475名無しさんだよもん:2006/09/28(木) 23:17:44 ID:rzKw/gam0
066の続きですBルートで
476SATSUKI −GUN道− (1/3):2006/09/28(木) 23:18:51 ID:rzKw/gam0
「ねぇ、あなたはタカくんをきずつける?」
湯浅皐月(113番)は突然目の前に現れた自分より1つ、2つほど歳下と思える少女、柚原このみ(115番)に銃を突きつけられた。

「…………」
しかし、皐月は答えようとはしない。このみの目をじっと睨みつけるような目で見ていた。
「ねぇ? どうしたの? 『はい』か『いいえ』、『Yes』か『No』でいいんだよ?」
「…………」
それでも答えない。

「あと5秒数えるうちに答えないとうっちゃうよ?」
「…………」
答えない
「ご〜……」
「…………」
「よ〜ん……」
「…………」
「さ〜ん……」

―――ガサッ…
「――!」

ガシッ!
「えっ!?」
一瞬の隙を突いて皐月はこのみの腕を掴み、銃を奪い取った。

「―――良い銃ね……少し借りるわよ」
そう言うと皐月はこのみの背後にある茂みに向かった1発発砲した。
477SATSUKI −GUN道− (2/3):2006/09/28(木) 23:19:26 ID:rzKw/gam0

パン!
「うっ!」


放たれた銃弾は茂みの中にいた何かに命中した。声を上げたのだから人間なのは確かだ。
茂みの中から現れたのは名倉友里(076番)だった。
右肩に命中したのか、左手で被弾した箇所を押さえている。

「…………今のはわざと急所を外した。次は眉間を狙う」
皐月は友里に再び銃口を向けた。
「選択肢は2つ。持っている武器を捨ててこの場を立ち去るか、ここで死ぬか……」
「くっ……」
ギリッと唇をかみ締めると友里はやむなく自分の支給品である金属製のヌンチャクを地面に置いた。

「覚えてなさい………」
ドラマやマンガとかで悪役がよく言うセリフを吐き捨てると友里は再び茂みの中に入って姿を消した。


「………………」
「え…え〜と………」
もうなにがなんだかさっぱりわからないこのみは皐月のことをただじーっと見ていた。

「……………ねえ」
「は…はいっ!?」

声をかけられたので思わず返事をする。
だが、皐月から感じる妙な威圧感――オーラとでもいうのか? それに圧倒されて声が裏返ってしまった。
478SATSUKI −GUN道− (3/3):2006/09/28(木) 23:21:59 ID:rzKw/gam0
「さっきの回答………私は貴女の言うその人のことは知らないし、このゲームに乗って人を殺すつもりはない……………」
「そ……そうでありますか…………」
このみの顔から大量の冷や汗が垂れる。
「これは返すわ……」
「は…はいっ! どうも……」
このみは皐月から渡された自分の銃を卒業証書を受け取るかのように慎重に受け取った。
――手が震えていた。

「………………」
また皐月は無言でこのみの目を見る。
「こ…今度はなんでありますか?」
まさか、さっき銃を突きつけられたことを怒っているのだろうか、とこのみは思った。

(いや……ちがうんだよお姉さん。あの時は少し錯乱していて………
いやその…実は今も別の意味で錯乱しているのでありますが〜……)
思わず頭の中でそんなことがぐるぐると繰り返され、先ほどよりも錯乱しそうになる。

が……次の瞬間、
「………………うっ」
皐月がその場で崩れ落ちた。


「え?」
またわけもわからず、しばらく倒れた皐月をじっと見ていたが、しばらくしてはっと我に返り、
「お…お姉さんっ! どうしたんでありますかー!? きゅ…救護班ーーー!」
などと言いながら慌てて皐月に駆け寄る始末だ。

――このみが皐月のバッグから変なキノコ――セイカクハンテンダケを見つけたのはそれからしばらくした後である。
479SATSUKI −GUN道− (補足):2006/09/28(木) 23:22:36 ID:rzKw/gam0
柚原このみ
【時間:一日目午後十二時半頃】
【場所:F-02】
【持ち物:38口径ダブルアクション式拳銃 装弾数8/10+予備弾薬80発ホローポイント弾 11発使用、デイパック】
【状態:混乱。皐月を安全な場所に運ぶ 】

湯浅皐月
【時間:一日目午後十二時半頃】
【場所:F-02】
【持ち物:セイカクハンテンダケ(×2)、デイパック】
【状態:セイカクハンテンダケのせいでクールになっていた。現在気絶中】

名倉友里
【時間:一日目午後十二時半頃】
【場所:F-02(逃亡)】
【持ち物:デイパック】
【状態:右肩負傷】

【その他】
・ヌンチャク(金属製)はこのみが回収
480一筋の希望:2006/09/28(木) 23:46:54 ID:15sBzq+O0
誰かが私に銃口を向けている。実に愉快そうに、その人物は笑っていた。
どうして、こんなことに? どうして、私が?
怖い、怖い怖い怖い――逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ――
助けて、お姉ちゃ――
ズガン!

「……っ! …はぁ、はぁ…」
目が覚めても、そこはいつもの日常ではなかった。汗が一滴、ポタッと落ちる。
私、美坂栞(100)は、一人でスタートしてから、手近にあるこの小屋に逃げ込んだ。部屋の隅でうずくまっていたら、何時の間にか寝てしまっていたようだった。日がまだ高いことからそんなに時間は経っていないらしい。
「それにしても、ずいぶん嫌な夢だったな…」
誰かに撃ち殺される夢。思い出しただけでもゾッとする。そして、その時は確実に迫ってきているのだ。
だって、私は体が弱いから。体力もなければ腕力もない。120人もいる参加者のうち、たった一人だけ、しかも私が生き残れるとは到底思えないし、その時はお姉ちゃんも死んでいることになる。
そんなのは、絶対に嫌だった。せっかくお姉ちゃんとまた一緒の学校に行けると思っていたのに。
せっかく、友達と一緒のささやかな生活を満喫できると思っていたのに。どうしてこんなことに巻き込まれなきゃいけないのだろう。
パン、パァン!
「ひ…っ!」
小屋の中にまで聞こえてくる銃声。私はさらに体を小さくちぢこませた。その後、銃声は聞こえてこなかった。そのまま私はガタガタと震える。参加する気力もなければ、自殺する勇気も無かった。
どうしたらいいのだろうと思っていると、一つの案が浮かんだ。
481一筋の希望:2006/09/28(木) 23:47:34 ID:15sBzq+O0
「…そうだ、眠ろう」
どんなに夢見が悪かろうが、夢の中で殺されれば、痛みも無く死ねるに違いない。もはや、私にはそうするしか道がなかった。
次に目覚めた時は、どうかお姉ちゃんと一緒の天国でありますように。そう思って目を閉じようとした時だった。
キィ、と小屋の扉が開き、何者かが侵入してくる。
最悪だった。私が眠る前に、参加者に出くわすなんて。こうなったら、覚悟を決めるしかない。最後まで、笑っていよう。私は決してこのゲームに参加しないということを、身をもって知らしめてやろう。
「Hum… まともな物がないわね。この分じゃ、まともに戦えやしないわ…」
やはり殺人者のようだ。けれど、私は負けちゃいけない。精一杯笑っているしかないのだ。やがて、侵入者の目が私を向く。目が合った。美しくて、強そうな人だった。こんなひとが、殺人者だなんて。やがて、そのひとが私に話しかける。
「あなた、ここで何をしているの?」
「何もしていません。ただ、あなたのような殺人鬼に殺されるのを待っているんです」
あくまでも笑顔で。しかし、そのひとは心外だと言わんばかりに肩をすくめた。
「失礼ね。私はあなたが考えているような殺人鬼じゃないわよ。むしろ、その逆」
警戒気味だったそのひとの顔が、柔らかい笑みへと変わる。
「その逆、つまり、このくだらないゲームを真っ向から潰してやろうと考えている人間よ」
本当なのだろうか。にわかには信じられなかったが、そのひとの笑顔には納得させられるようなものが存在していた。私のような、諦めの笑顔とは違う。
「私はリサ。リサ=ヴィクセン。あなたの名前、教えてもらえるかしら?」
「あ…ええっと、美坂、栞です」
「栞さん、ね。All right.それで、栞さん、私と一緒に行動しないかしら?」
突然のリサさんの提案。私は対応しきれず、慌ててしまう。
482一筋の希望:2006/09/28(木) 23:48:06 ID:15sBzq+O0
「えっ? え、ええと…どうして、ですか? 私なんか、役に立たないですし、それに私、体が弱いんです。…きっと、足手まといになると思います」
「don't worry,あなたのお姉さんを見つけるまでの間までだから。それに、一人より二人のほうが心強いでしょう?」
「えっ? どうして、お姉ちゃんのことを知っているんですか?」
すると、リサさんは可笑しそうにふふふ、と笑った。
「バッグの中身、見てないの? 参加者名簿よ。美坂なんて名字、珍しいから」
デイパックの中から、名簿を取り出してひらひらと振る。私は思わず赤面する。
「ふふ、可愛い子ね。気に入ったわ。さぁ、取り敢えずはここから出ましょう。私も探してる人がいるから」
そう言って、リサさんが私に手を差し出す。その一筋の希望。それを、信じてみることにした。
「…あの、リサさん、一つ聞いてもいいですか?」
「OK,私に答えられることなら」
「どうして、このゲームに立ち向かおうと思ったんです。恥ずかしい話しですけど、私なんかじゃ、そんなことを考えつく勇気もなくて…」
すると、リサさんは優しい表情で、しかし鋭い眼差しをもって答えた。
483一筋の希望:2006/09/28(木) 23:48:57 ID:15sBzq+O0
「私はね、自分で言うのもなんだけど、正義感はあるつもりなの。だから、吐き気のする『悪』は絶対に許せない。『悪』っていうのは、自分自身の為に弱者を利用して、踏みつける奴のことね。
まして、家族や友人、兄弟姉妹で殺し合いをさせるなんて…奴らがやっているのは、ゲス以下の行いよ。この島では、法律もなにもあったものじゃないわ。…だから、私が裁く」
かっこいい…と思いつつも、どこかで聞いたような台詞だなぁ、と思わずにはいられなかった。


『美坂栞(100)』
【時間:1日目午後2時ごろ】
【場所:E−8、小屋の中】
【所持品:支給品一式、支給武器は不明】
【状態:健康】
【備考:香里の捜索が第一目的】

『リサ=ヴィクセン(119)』
【時間:1日目午後2時ごろ】
【場所:E−8、小屋の中】
【所持品:支給品一式、鉄芯入りウッドトンファー】
【状態:健康】
【備考:宗一の捜索及び香里の捜索が第一目的、まだ篁を主催者と考えている】
484名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 00:18:32 ID:Gb4NnF0ZO
訂正

SATSUKI ‐GUN道‐
>『茂みに向かった発砲した』
   ↓
『茂みに向かって発砲した』
485名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 00:26:34 ID:Gb4NnF0ZO
訂正箇所
>まとめサイトBルートまとめページ
・『郁美』→『郁未』
・Bには含まれない070が入っている
486鬼暴き編:2006/09/29(金) 00:49:49 ID:PUYqebVi0
 「―――くっ、っはぁ! ハァっ あの辺か……っ!」

 木々が生い茂る林道を佐藤雅史(049)が疾走する。
 汗が頬を振り切り、後方へ散る。雅史は懸命に前に進んだ。
 
 何故、彼がこうも必死に走っているのか。
 始めに方針を固めた雅史は、まずは人が集まりそうな場所を探していた。
 そのため各所を走り回っていたが、流石に肺活量が底を突きかけ、そして足を止めたときだ。
 確かに聞こえたのだ。決して遠くのない位置から―――人の悲鳴が。
 それが耳に届いたとき、雅史は息を整えていた事実を忘れて飛び出した。悲鳴の方向へだ。
 悲鳴を上げていたのは声質からいって女性のようだった。
 
 ―――助けるべき人は助けて、倒すべき敵は倒す。
 
 その方針に従うのならば、この先で繰り広げられている事態こそ、彼が解決すべき事象だ。
 風を切る雅史は支給品の金属バットを強く握る。緊張のためか、掌はじんわりと汗で湿っていた。
 そして、近づくにつれ悲鳴は高く、且つ怒声までも届いてきた。
 ―――近い。もう間近だ。
 高鳴る心拍数が彼を前へ前へと促した。それに抗わず、さらにスピードを上昇させる。
 両足が悲鳴を上げていたが、雅史の目にはもつれ合う二人の少女の姿を確認させていた。

(―――見えたっ!)
 
 雅史は喧騒に飛び出した。
487鬼暴き編:2006/09/29(金) 00:57:53 ID:PUYqebVi0
「やめろっ!」
「―――なっ!?」 
「え……」

 驚いたように、争っていた二人は動きを止める。
 二人の状態は、倒れこんだ一人の少女へもう一人の少女が馬乗りで押さえつけているというものだ。
 襲われているのは、現状を見る限り、倒れている少女だろうと一先ず見切りを付ける。
 雅史が馬乗りの少女―――柚木詩子(114)へと警告を飛ばそうと口を開きかけるが―――

「た、助けて……」

 それよりも早く、倒された少女―――藤林椋(091)が口を開いた。
 やはり、危機に陥っているのは椋だと確信した雅史は、バットを構えて詩子を牽制する。

「その子を離してやれ!」
「はぁ!? ちょっと待ってよ! この子がいきなりあたしに襲い掛かってきたんだよ!?」
「ち、違います……」

 雅史の一言に何故か詩子が激怒した。
 椋に至っても、涙目でこちらに救いを求めてくる。
488鬼暴き編:2006/09/29(金) 00:58:45 ID:PUYqebVi0
「じゃあ、あの拳銃はなんなの!? ひとりでに弾が出たって? そんなわけないじゃん!!」
「だ、だから、それは手違いで……」
「手違いで人が死んでたら堪んないわよ! それにさっきまでアンタそんな言い訳すら言わなかったじゃない!」
「それは、あなたが先に……」

 ……これは、どういうことだろう。
 バットを構えて固まる雅史を完全に視野の外において、二人は口論を続ける。
 やれやったやってない、と馬乗りの少女が激昂し、倒れた少女が言葉を濁す。
 詩子が椋へと襲い掛かったとすれば、今の現状も納得できる。
 しかし、詩子は椋の言葉を否定して、彼女の行為を追求している。
 それに拳銃という言葉。確かに近くに転がっており、しかも椋の所持品のようだ。
 さらに、悲鳴を上げたのは女性であるわけだが、襲っている者も女性だとは思わなかった。
 何より、悲鳴だけで二人の声色を判断する事も出来ない。
 
 ―――どちらかが、嘘をついていると言うことか? いや、もしくは双方誤解しているのか。
489鬼暴き編:2006/09/29(金) 01:00:14 ID:PUYqebVi0
 女の争いに口を出すことを躊躇っていた雅史だが、涼が哀願するかのような視線を向けたことで火の粉が飛んだ。
 
「わ、わたしやってないんです! 信じてください!」
「なに被害者面してんのさ! ねえ!? キミも早くこの危険な女の捕獲に手伝ってよ!!」

 堂々巡りの口論に決着がつかなかったのか、彼女達は第三者の雅史に救援を求める。
 だが、それは大いに困る。 
 完全に部外者の彼にとって、このような事態を平和的に解決させる手段がない。
 なによりも、二人は冷静さを失っており、正常な判断が出来ていないのではないか。
 
(よ、よし。まずは二人を落ち着かせよう)

 単純明快に襲われている者と襲っている者として隔てる事が出来れば話が早かったものを。
 複雑な展開の仲介役として、彼は心の中で嘆息して二人へ向き直った。
490鬼暴き編:2006/09/29(金) 01:02:57 ID:PUYqebVi0
 『佐藤雅史(049)』
 【時間:1日目午後2時頃】
 【場所:E−05】
 【所持品:金属バット・支給品一式】
 【状態:疲労。椋と詩子の仲介】

 『藤林椋(091)』
 【時間:1日目午後2時頃】
 【場所:E−05】
 【所持品:何かしらの拳銃・支給品一式】
 【状態:普通。詩子を何とかする】

 『柚木詩子(114)』
 【時間:1日目午後2時頃】
 【場所:E−05】
 【所持品:不明・支給品一式】
 【状態:普通。椋を何とかする】

 「その他:012の続きです。問題がなければ共通で」
491 ◆elHD6rB3kM :2006/09/29(金) 01:05:40 ID:MVC12/VK0
投下します。
058と矛盾するのでルートD以外のルートで
492 ◆elHD6rB3kM :2006/09/29(金) 01:08:54 ID:MVC12/VK0
「崩壊の足音」

 ズドォォォォン!!


 ホテルの前庭のど真ん中で先ほど二人が監禁にあっていた施設が爆発した。
「ひゃー、結構派手な音立てるねー」
柏木梓(017)はのんきな様子で前庭を見つめる。その様子を横から眺めるのは巳間晴香(105)
「調べてくるわ」
「調べてくるって何を?」
「もちろん、あの施設の爆破跡よ」
「……なんで?」
晴香はそういうと哀れみをこめた視線を梓に送る。
「あのねぇ、主催者はなんのためにあれを爆破したと思ってるの?」
「殺し合いをさせるためだろ。みんながあそこから動かなかったら困るじゃないか」
晴香は一瞬きょとんとした顔を浮かべた。
「ああ、そういう考えもあるわね」
「ほかにどういう考えがあるのさ」
「私はね、あの中に連中の痕跡が残ってると思う。その痕跡を隠すためにあの施設を爆破したって考えてるの」
「うーーん、でもそうだとしたら、なおさら痕跡なんか残さないよう爆破するんじゃない?」
493 ◆elHD6rB3kM :2006/09/29(金) 01:12:51 ID:MVC12/VK0
「……そういわれると弱いけど、でもどんなことでも手かがりになるなら探すべきだと思う」
「……わかった。気をつけなよ。庭は見晴らしがいいんだから撃たれたりするかもしれないから」
「危険は承知のうえよ。でも一応二階から、人が来ないかどうか見てくれる?」
「わかった。まかせといて」
晴香は自分の支給品のボウガンを構えると、部屋から外に出て行く。
梓も続いて部屋を出て、階段を上った。手近な部屋に入り、外に目をやる。今のところ、人のいる気配はないし、姿も見えない。
「大丈夫そう?」
視界のしたから晴香がそう声をかけた
「うん。多分」
「オッケー。いってくる」
晴香は梓がはらはらするほど、ゆっくりとした足取りで施設の瓦礫に向かった。
 梓の原原が続くこと、二十分。ようやく、晴香が帰ってきた。
「ふぅ」
「なんで、あなたがため息つくのよ」
「いや、なんか気張りっぱなしで疲れちゃって」
「……先が思いやられるわね」
そういう晴香は言うだけあって平気そうな顔をしている。自分と同じ高校生とはとても思えない。
「まあ、いいわ。それでこれからどうする?」
と晴香は話題を振ってくる。
「え、あ、あぁ」
梓は考えた。自分がここにいるのは成り行き上、というか晴香に連れ込まれた、というほうが正しい。
494 ◆elHD6rB3kM :2006/09/29(金) 01:14:35 ID:MVC12/VK0

 施設から出てきた自分にいきなりボウガンをつきつけ、一緒にゲームをぶち壊すことに協力しろと言い出し、とりあえず落ち着くためにホテルに連れ込まれたのだ。
 今まで、話してて悪いやつじゃないのはわかるが……。
 梓は持っていた名簿にちらりと視線を飛ばす。そこには自分とともに大事な家族の名前があった。
 耕一やちづねぇはあまり心配してなかった。心配するのが自然なのだろうが、どうしてもそういう感情が浮かばない。冗談抜きで殺しても死にそうのない連中とでも思っているのだろうか、自分は。
「それとも、無償の信頼ってやつ?」
「何気持ち悪いこと言ってるのよ」
「うるさいなぁ。ちょっとだまっててくれない」
問題は楓と初音だ。あの二人は無事なのだろうか。楓はまだ、こんな状況でも自分を失わずに生きてけそうだ。意外としぶといからな、あの子は。だが、初音はどうだろう。わけもわからずどこかで震えているのか。それとも気丈に振舞って私たちを探しているのか、もしくは……
「っ! 何を考えているんだ、私は!」
一瞬浮き上がってしまった初音の死のイメージを慌てて振り払う。
「私は、家族を探す。妹たちが心配なんだ」
「そう、わかったわ。じゃあとりあえず、この近場にある平瀬村に向かいましょう。人が多く集まるはずだわ。特に夜になれば」
「え、ちょ、ちょっと待って」
自分の言葉に従い、あっさりとを決める晴香に梓が慌ててしまう。
「なに?」
「え、あの、いいの。それで」
人が多い、ということはマーダーに当たる可能性も高いということだ。それは当然、晴香も承知しているだろう。
495 ◆elHD6rB3kM :2006/09/29(金) 01:18:23 ID:MVC12/VK0
「構わないわよ。どのみち、ここから動きたいし、今晩の宿も確保したいし」
「あ、そ、そう」
「そんなに気を使わないでいいわよ。私が無理してあんたを連れ込んだんだしね。あんたの目的が私のと相反しない限り、協力するのは当然だわ」
「あ、えっと、悪いな、なんか」
「いいってば、じゃあ今日は徹底的にこの平瀬村の捜索をしましょ。あなたの家族はえー、全部で四人でしょ。なら一人は見つかるわよ。
ほかのプレイヤーに会えば、情報収集もできるしね。ほら、ぼやぼやしてないで、さっさと行くわよ」
「あ、わ、わかった」
梓はちらりと名簿に目をやる。
(まってなよ、みんな……って、ん?)
「ねぇ」
「ん?」
自分の問いかけに晴香が振り向く。
「あのさ、あんたの他にもう一人、巳間っていう人がいるけど、これ家族かなんかじゃないの?」
「義兄よ」
「探さなくていいの?」
その問いに、晴香が黙り込む。
(ひょっとしてまずいこと聞いた?)
梓のそんな考えが頭に浮かんぶと同時に、晴香は答えた。
「なんとなくだけど……会うのが怖いのよ」
496 ◆elHD6rB3kM :2006/09/29(金) 01:22:51 ID:MVC12/VK0
「怖い?」
「ええ」
それっきり黙りこんで、晴香は歩き出す。慌てて梓が後ろからついてくる足音がする。
(良祐、あなたはまさかこのゲームに乗ったりしてないわよね)
昔の優しかった彼ならば、そんなことはないと断言できる。だがFARGOの施設であった彼ならどうだろうか。自信を持って断言はできない。
(いやなものね、家族さえ信じられないなんて)
自嘲気味にそうつぶやく。それを考えると梓がうらやましい。素直にそう思った。
 もし、もし万が一彼がゲームに乗るようならば、
(その時は、あなたを……殺すわ)


巳間晴香
【場所:ホテル跡(E-04)】
【時間:午後十二時半頃】
【持ち物:ボウガン、荷物一式】
【状態:異常なし】

柏木梓
【場所:ホテル跡(E-04)】
【時間:午後十二時半頃】
【持ち物:不明(次の書き手さんまかせ)】
【状態:異常なし】
497 ◆elHD6rB3kM :2006/09/29(金) 01:24:16 ID:MVC12/VK0
補足
・今後の活動方針は夜まで平瀬村の捜索・調査
498刑事の勘 ◆/EyftfKRBU :2006/09/29(金) 02:21:28 ID:sgIuBudJ0
 午後二時半  ―広瀬村住宅街―

【最初の支給品以外にも、武器・食料があるである筈である(食料の少なさ・武器(弾数)の貧困さ・主催者側の目的から推察)】
【そしてそれらは、爆破されたスタート地点(およびその付近にある建物=菅原神社など)以外の4施設・3村のいずれかにある筈である】

 上の二つはいずれも柳川の推察である。
 そして案の定というべきか、適当に入った家屋の台所で【出刃包丁】を発見した。
 柳川の推察は正しかったわけだ。 内心はもっと良い武器を期待していたのだが、ハンガーに比べれば何十倍もマシだろう。


 こうして新たな武器を手に入れた柳川祐也と柏木楓のコンビは人気の無い広瀬村の住宅街を歩いていた。幸いというべきか、この間、誰にも出会っていない。
 また不思議なことに、目に入る住居の全てが真新しく、まるでこのために新築されたようであった。そしてそれを裏付けるように、家内もまるで生活感が無かった。


 柳川は唐突に呟いた。 それは突然のようにも思えるが、実は柳川自身、ゲームスタート直後から抱いていた疑念でもあった。
499刑事の勘 ◆/EyftfKRBU :2006/09/29(金) 02:22:50 ID:sgIuBudJ0
「奴らは最後に『俺達にはいろいろと期待している』と言った。
        それは……俺達をなんらかの方法で監視していることの暗喩だと思う」
「……それって」
 楓はハッとする。
「十中八九、この首輪だろう」 
 柳川は軽く首輪をつまみ上げ、続けた。 
「そして、やつら――主催者側(恐らくは末端の兵士だろうが)は島の中(あるいは地下か近海上)に確実にいる」
 柳川は続ける。
「でなければ、不自然なんだ。爆破装置の起動可能距離にも限界はあるし、それにここは圏外であり、携帯電話などの遠隔操作は不可能」
「同様に首輪から送られる(と推察した)監視の映像もしくは音声の受信。これも島内に施設が無いとほぼ不可能なはず。 そう考えるのが自然だ」

「……」
 こくり、と楓が頷く。確かにそうだ。
「この考えはあくまでも推察の域を出ない。 ……がしかし、あながち間違ってはいないと思う」
「……」

 楓は神妙な面持ちで聞き入っていた。一方の柳川も、持論の展開に夢中だった。
――それが初動を遅らせる結果となった。

「そして奴らは俺らがそれに気づくのさえ承知で――」
500刑事の勘 ◆/EyftfKRBU :2006/09/29(金) 02:24:01 ID:sgIuBudJ0
柳川の言葉が途切れたかと思ったその刹那。
 パァン!パンッ!
「―ッ!?」
「きゃぁ!」
 二人の足元を二つ、何かが弾んだ。
 柳川は瞬時に楓の手を引き、路地裏に難を逃れたが――そこは行き止まり。逃げることは出来ない。
 カツ、カツ……。 足音が段々と近づいてくる。
「隠れても無駄。 ……次は外さないんだから」 
 おぞましい女の声に――二人は戦慄する。
 ゆっくりとしたその足取りは自信の表れか、はたまた二人の隠れた場所が行き止まりと知ってのことか。
(くそ、完全に俺の不注意だ……)
 柳川は自分を恨むと共に、外壁から僅かに顔を覗かせ、敵の姿を確認した。
 二人の先およそ15M――そこに、女はいた。
 綺麗な長い黒髪が、風に靡いている。 美しいはずのその顔は、いまは殺人鬼にしか見えない。
 ――そして手には89式小銃。 当たり武器。 

 とにかく、絶体絶命に間違いない。
「どうやらやるしかないみたいだぞ……、柏木の娘」
 楓のほうに振り向き、柳川が神妙に呟いた。
「ええ……」
 静かにそれぞれの武器を構える二人。参加者側との戦いは望むべきものではなかったが、そうも言っていられない様だ。

 女の足音が10M程先で止まる。
 ――『出て来い』という意味だろう。
「私が冬弥君以外の全員を殺して、冬弥君を助けてあげるの……私、頑張るね。冬弥君」


 ――虚ろなに笑い、銃を構える彼女は……
 
 森川由綺その人だった。
501刑事の勘 ◆/EyftfKRBU :2006/09/29(金) 02:27:33 ID:sgIuBudJ0

 柳川・楓・由綺
【時間:2:40】
【場所:広瀬村住宅街(G-02上部)】

 柳川祐也
【持ち物:出刃包丁・ハンガー・支給品一式】
【状況:緊迫】

 柏木楓
【持ち物:コルト・ディテクティブスペシャル(弾丸12・内6装填)・支給品一式】
【状況:緊迫】

森川由綺
【持ち物:89式小銃&89式小銃用銃剣・支給品一式】
【状況:冬弥以外の人間を抹殺することを決意】

※全共通ルート
502受け入れがたい現状(1/2):2006/09/29(金) 06:56:24 ID:Rrm9rM4K0
道無き茂みをひたすらかき分ける少女がいた。
「はあっ、はあっ、はあっ…」
もし少女の通った後を上空から観察していたら、あてもなく迷走しているようにしかみえないだろう。
だが少女にとってはとにかく人気がないところにという行動原理に縛られているのでやむをえないのかもしれない。
「はあっ…はあっ…」
少女はずっと走り続けていたのだろう、息切れが激しい。

「はあっ……はあっ……」
やがて少女の背丈をゆうに超える茂みを抜けたあたりで少女の足が止まった。
「はあっはあっ……はあっ………だ、誰も……はあっ…いませんよね」
茂みを背にして辺りを見回す少女。
どうやら幸い周りには少女に危害を与えるような動きはないようだ。
「はあ…はあ…危なかった…」
少女が着ているセーラー服はあちこちが裂け、胸リボンの片輪が切れてしまっていた。
スカートは多くのひっかき傷等で大腿の辺りまで裂けており、見る角度によっては少女の下着が見えてしまいそうだ。
傍目から見れば強姦されたと勘違いされてもおかしくはない。
「…痛い」
少女は全身に痛みを感じ、その箇所に視線を置く。
どうやら服が切れたのと同時にその下の柔肌にまでひっかき傷を作ってしまったらしい。
少女の体のあちらこちらに血がにじんでいた。
服が切れ、肌が裂けるのをいとわないほどの恐怖から逃げて来たのだろうか。
「何とか…逃げ切れたみたいですけど」
制服同様、所々裂けつつも何とか形を保っている頭の黄色いリボンが揺れる。

「これからどうすればいいんでしょうか…」
名倉由依(075)はつぶやいた。
503受け入れがたい現状(2/2):2006/09/29(金) 07:00:40 ID:Rrm9rM4K0
(あの人はひょっとしたら悪い人じゃなかったかも…目つきは悪いですけど)
茂みのそばで一休みしながら由依はそう考え始めていた。
周りに誰も敵意を持った者がいないからなのか、一時の間、走り続けたことで頭が冷えたのか。
「そうですよね。TVゲームの世界じゃないんですから、こんなことに乗る人なんていませんっ!
 こんなゲーム晴香さんと対戦するだけでおなか一杯ですよっ」
…それとも持ち前の明るさからなのだろうか、いずれにしても落ち着きを取り戻しているようだ。

「そうです。こんな思い…あのときだけで十分なんです。
 そういえば、郁未さんや晴香さん、葉子さんもここに来ているんでしょうか…」
明るかった表情に一瞬陰が入る…が
「まあ悩んでいても仕方ありませんね、まずはお姉ちゃんと合流しましょう! それからですっ」
そう自分に言い聞かせ、由依はとりあえず姉:友里を探すために歩き出した。


!!
不意に歩いていた少女の動きが止まる。
「あ、ああ、あああ……」
先ほどまでの明るかった表情がみるみるうちに青ざめていく。
「そ、そんな…」
少女の視線の先には人が倒れ……否、真っ赤な血で辺りを染めている死体が転がっていた。
「嘘…」
少女の願いはわずか数時の間で打ち砕かれた。
だがこの時点で自分が置かれている現状を知ることができたのは幸運なのかもしれない。



……ただ、この事実をあの少女が全て受け入れられるかはわからないが。
504受け入れがたい現状(補足):2006/09/29(金) 07:03:42 ID:Rrm9rM4K0
『名倉由依(075)』
【時間:1日目午後1時45分頃】
【場所:E−05】
【所持品:不明】
【状態:着衣に多くのひっかき傷、体中浅い切り傷、疲労気味。
     とりあえずお姉ちゃん(友里)との合流を目指す。
     理奈の死体を見て固まっている】

『緒方理奈(015)』
【時間:1日目午後1時45分頃】
【場所:E−05】
【所持品:不明】
【状態:死亡(049で既に死亡)】

【備考:036「眼つきの悪さが運のつき」、049「羅生門」の続き投下です。
     036、049とも全ルートとのため共通でよいと思われます。】
505名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 07:17:16 ID:LWk3UYgg0
>>504
何ために書いてるのかわからん
つまらん
506名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 07:28:57 ID:Gb4NnF0ZO
修正

076 刑事の勘
『広瀬村』→『平瀬村』
507君のために出来ること(1/3):2006/09/29(金) 08:44:59 ID:8jllTQ6r0
林の中に逃げ込んだ七瀬彰は、後ろをちらりと見、
誰も追ってきていないのを確認すると力なくうなだれた。
撃たれた右腕が焼けるように痛み、全身から汗がにじみ出ている。

なんでこんな事になったのか。
痛みで意識が遠くなりそうになる頭を必死に振り
思い描くのは最愛の人の顔。

−美咲さんを守る。

このゲームのルールを聞いたときにはただそれしか浮かんでは来なかった。
見ているだけだった普段の生活。
最愛の人と、親友と、くだらないことで笑いあう日々。
それだけでも楽しかった、幸せだった。
だが、今自分のそばには誰もいない。
そして彼女のそばにも……。

「!?」
気付いた時には背後に人の気配。
霧島佳乃(031)がそこに立っていた。
何かに取り付かれているのかのように目の焦点はあっておらず、虚ろに彰を見下ろしていた。
そして次の瞬間、首に黄色い布が巻かれる。
勢いよく締め上げられるそれの痛みと苦しみに呼吸が出来ない。
(まずい!)
頭の中が真っ白になっていく。
気が遠くなりそうになりながらも、振り解こうと腕を暴れさせた。
彰の肘が佳乃のみぞおちを殴打する。
一瞬布を握る手から力が抜けるのを感じると、腐乱に肘を打ち続けた。
首から圧力が完全に抜け、佳乃は腹を押さえて倒れこむ。
間髪いれず振り返り、髪の毛を掴みながら崩れ落ちようとする身体を引っ張ると
508君のために出来ること(2/3):2006/09/29(金) 08:45:36 ID:8jllTQ6r0
その顔面を思いっきり殴りつけた。
ブチブチッと言う音と共に左手には髪の毛だけが抜こり、佳乃の身体が吹き飛ばされる。
彰は迷わず佳乃の身体にまたがると、また一発二発と顔面を殴り続けた。
佳乃の顔が左右に揺れ、同時に口から鮮血が飛び散る。
何十発と殴ったのかもうわからない。
顔はどす黒く晴れ上がり、綺麗だった面影はどこにも残っていなかった。
佳乃の血で真っ赤に染まった拳を止める。
ゆっくりと辺りを見渡すと人の頭ほどの大きさをした大きな石。
荒ぶる息を押さえ、それを手に取り振り上げた。
それでも佳乃の表情に変化は無く、ただ虚空を見つめている。
……渾身の力を込めて石は振り落とされた。
グシャと鈍い音が響き、佳乃の身体はピクピクと数秒痙攣すると、そのまま動かなくなった。

……人を殺した。
湧き上がる吐き気を必死に押さえ込むと、知らぬうちに瞳から流れていた涙をぬぐう。
後悔している暇はない。
自分が立ち止まっている間にも最愛の人が自分と同じような目にあってるかもしれない。
ノロノロと力なく立ち上がると自身のデイバックを肩に下げる。
少し離れた草むらに佳乃のものであろうデイバックも発見し、迷わずそれを掴む。
中を見ると小さなアイスピックが出てきた。
腰とベルトの間にそれを入れ、ゆっくりと歩き出した。

彼の目は決意に染まっていた。
人が死のうとも、手にかけるのが自分であろうとも。
そして相手が親友であっても。
ただ愛する人を助けるため……。
この島においてその決意が、なんとも悲壮なものであることを彼はわかってはいなかった。
509君のために出来ること(3/3):2006/09/29(金) 08:46:19 ID:8jllTQ6r0
七瀬彰
【時間:一日目13:45】
【場所:E-3】 
【持ち物:武器:アイスピック、自身と佳乃の支給品の入ったデイバック】
【状況:右腕を負傷】
霧島佳乃
【時間:一日目13:45】
【場所:E-3】 
【持ち物:支給品一式は彰の手に】
【状況:死亡】
510:2006/09/29(金) 08:51:25 ID:GLxUb1uw0
 澤倉美咲(053)はじっと森の中に隠れていた。
 側には大きな透明の盾、それが彼女の支給品であった。
「何でこんなことになったんだろう…」
 昨日まではいつもと変わらない日常を送っていたのに、考えれば考えるほど訳のわからない事態だった。
(これからどうすれば…)
 まず自分はこのゲームに乗る、いや、それ以前に乗ることは出来ないだろうという事がよくわかっていた。
 自分には人を殺す力も勇気も到底無い、そう思っていた。
「私… このままこの島で死ぬしかないのかな」
 口に出してみるとぞっとする。
 ナイフで首を切られて死んでいる私、バットで撲殺されて死んでいる私、銃で頭を撃ち抜かれて死んでいる私――
 次々に浮かんでくる自分の死に様。
「そんなの嫌だな…」
 死にたくない、死にたくないよ…
 藤井くんに会いたかった。
 由綺ちゃん、七瀬くん、はるかちゃん、誰でもいいから知り合いに会いたかった…

何時間経ったであろうか。
ガサッ…
突然、背後より葉が擦れる音が聞こえた。
「…誰?」
美咲は反射的に振り向く。
「あの… 大丈夫ですか?」
そこには同じぐらいの歳の様に見える女性がちょっと怯えながら立っていた。
511:2006/09/29(金) 08:54:06 ID:GLxUb1uw0
「それじゃ梶原さんは弟さんを捜しているんですか?」
「はい」
その女性――梶原夕菜(022)は、安心したのか先程とはうって変わって明るい表情で頷いた。
「でもごめんなさい、ずっとここに隠れていたから、わからないの」
「そうですか…」
少しがっかりした表情を浮かべたが、すぐにまた明るく言った。
「それじゃ、一緒に行動しませんか?」
「いいんですか?」
 その言葉は嬉しかった、けど…
「多分… 私、足手まといになると思いますよ」
「そんなことありません」
 励ますように夕菜は微笑む。
「大丈夫! きっと助かります、そうちゃんなら何とかしてくれる、そんな気がするんです」
 そう元気に言って歩き出した。
「とりあえず、ずっとここにいるのは危ないと思うので移動しましょう。
 この先に洞窟があるの、大体この辺りは歩きまわったからわかります。
 そこで落ち着いて今後の事を話しましょう」

「あ、そうそう」
 洞窟に移動する途中、夕菜は大切なことがあると立ち止まる。
「この先には毒蛇や危ない虫が多いそうなんです、そう…私の支給品の取扱説明書に書いてありました」
「え、そうなんですか」
 驚く美咲。夕菜と出会った場所に行くまでに、すでにここを通っていたのだ。
「はい、ですからこれを」
 そして自分の鞄の奥から何かを取り出す。
「注射ですか?」
 その支給品にはラベルで『回復剤』『解毒剤』『睡眠剤』はては『精力剤』というものまで張られていた。
「そしてこれはワクチンのようなものだそうです」
 自分の腕を思い出したかの様にさすりながら話す。
「私はさっき美咲さんと会う前に使いました、どうぞまだ沢山あるんで遠慮しないで使ってください」
512:2006/09/29(金) 08:56:06 ID:GLxUb1uw0
 梶原夕菜はこのゲームに参加するつもりなど全く無かった。
 ただ義弟である宗一のことは常に気にかかっている。
 宗一とその仲間達は必ず皆を救おうとして、その為に今も走りまわっているだろう。
 そして必ずこのゲームを壊す。そう確信していた。
 しかし――参加者は120人もいるのだ。
 いくらなんでも…多すぎる。
 これ程の人数では善人ばかりでなく、進んで人を殺す者もいるだろう。
 そして錯乱して襲い掛かって来る者も、仲間同士の輪を乱すような者も
 怯えているだけで守られっぱなしなだけの者も、能天気な振る舞いで迷惑をかけ続ける者も…
 そういった人は宗一、いやゲームを壊そうと奔走しているすべての人達にとって障害以外の何者でもない。 
 誰もそうは言わないだろう、思いもしないかもしれない。しかしそれは事実なのである。
 進んで人を殺す者はまだいい、わかり易い敵だ。皆で協力して倒せばいい。
 だが足を引っ張る者が味方なら、最悪だ。
 誰もその者を排除できない…
 そうしてそういった人達を守るため、多くの人が傷つき死ぬだろう。もしかしたら宗一も…
 ならば、自分が進んで泥をかぶり排除しなければならないのだ、なぜなら――
(そう、あの日、何があってもそうちゃんを守ると決めたのだから)
513:2006/09/29(金) 08:58:06 ID:GLxUb1uw0
 効果はすぐに表れた。
「…っ!」
 何事か呻く美咲。
「だ、大丈夫ですか美咲さん!」
 そしてそれに慌てて駆け寄る夕菜。
(…本当にごめんなさい美咲さん、人の数も最低限減らすつもりなの)

 夕菜が洞窟の奥に破り捨てた取扱説明書、そこにはこう書かれていた。

『劇薬(H173) 危険! 人体に使用したらタイヘンな事になります。
 尚、ラベルの表示はすべて嘘っぱちです。皆を上手く騙しましょう』


『澤倉 美咲(094)』
【時間:1日目午後3時過ぎ】
【場所:F−05】
【所持品:強化プラスチックの大盾(機動隊仕様)、他支給品一式】
【状態:H173投与、早速効果が現れ始める】

『梶原 夕菜(022)』
 【時間:1日目午後3時過ぎ】
 【場所:F−05】
 【所持品:注射器(H173)×19、他支給品一式】
 【状態:普通。美咲の様子を見ている】
 【方針:ゲームを壊しやすくするために単独行動者や迷惑な人間を秘密裏に排除する】

 【その他:2人のスタート地点は鷹野神社(G−06) 】
514名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 10:16:21 ID:StyVhKLS0
>>412-414が素晴らしすぎるのでその続き
515“無”属性魔法:2006/09/29(金) 10:19:08 ID:StyVhKLS0
「ハァァァァァァァァァァ……!」

 Xランクの力を解放した祐一は光り輝く6枚の翼を翻し、諒に身構える隙さえ与えずに極大魔法を放った。


 エク ・ ス ・ ヒューム ・ ド
 地水火風冷雷闇光滅撃


 弱点もクソも無くあらゆる敵を葬る、必殺の全属性魔法だ。

 八色の奔流がXを襲う! ……だが。

 パッシィィィィィィィッ!!!

 なんと! 諒は微動だにせず地水火風冷雷闇光滅撃を弾いた。

「フ……ハハハハハハハッ!!」

「なに……」

「知らなかったのか? 超地球人3の身体を覆うインペリアリック・オーラはあらゆる属性の魔法を……遮断する!」

 諒はこの上なく得意げに自らの能力を語った。

「つまりッ! お前がいかに強力、いかに多彩な魔法を使おうともぉッ! 俺には通じないぃぃッ!!」

「……」

「ハハハハハハハハハハハハハハ…………ハッ!?」

 諒の右手があるハズの場所に黒い暗黒が広がっていた。
516“無”属性魔法:2006/09/29(金) 10:20:58 ID:StyVhKLS0
「な、なんだコレは……」

 諒は驚愕に満ちた表情で手首から先が無くなった右腕を見た。

「それは“無”だ」

「“無”っ? “無”だとっ!?」

 そう、超地球人3のインペリアリック・オーラはあらゆる属性の魔法を遮断する―――ただ一つ、“無”属性魔法を除いて。
 なぜならば、“無”属性魔法はあらゆる魔法を無効にするというインペリアリック・オーラの性質そのものを“無”くすからだ。

(は……ハッタリだっ!)

 有史、先史、神話、旧神話、あらゆる時代を遡っても、“無”を制御し得た者は“魔人”ティーユ=ワズィーアただ一人。
 そしてそのティーユ=ワズィーアも旧神との最後の戦いにおいて自らの無に飲み込まれて消えたとされている。

「ティーユ=ワズィーアでもない貴様が“無”を使いこなすなどとぉッ!」

 誇り高き超地球人は残された左手に銀色のオーラを集中させ、あらゆる物質を粉砕する一撃を振り下ろさんとする。

 祐一はスッ……と目を閉じ右手を掲げた。

「見るか―――虚無を」


 イベント ・ ホライズン
 事 象 深 淵
517名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 10:23:29 ID:StyVhKLS0

 ―――――カッ。

「ウッギャアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!………………」
「アアアアアアアッッ!!!!………………」
「!!!!………………」
「………………」
「…………」
「……」
「」


 「イベントホライズン」の虚無に呑まれ春日諒は消滅した。
 彼は死んだのではない。存在自体を否定されこの宇宙に最初から“無”かったことになったのだ。

「ティーユ=ワズィーア……か。そんな名だったこともあったっけな……」

 そう呟いた祐一の瞳には僅かに哀しみの色が浮かんでいた。
 彼の秘められた過去世……その全てが語られる日は果たして来るのだろうか……。

「り……諒!」
「うぬぬぬぬ……どうすればいいんだ……!」

 なお、何故この2人が「この宇宙に最初から“無”かったことになった」ハズの諒の敗北に動揺したのかは語り得ぬ事なので問うてはならない。

側近A(春日諒) 【消滅】

『相沢祐一(001)』
【時間:一日目12:06分頃】
【場所:島の上空】
【持ち物:世界そのもの。また彼自身も一つの世界である】
【状態:真唯一者モード(髪の色は銀。目の色は紫。物凄い美少年。背中に六枚の銀色の羽。何か良く解らないけど凄い鎧装着)】
518名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 10:24:01 ID:StyVhKLS0
以上っす
519名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 10:48:30 ID:StyVhKLS0
誤字発見。
>>515
八色の奔流がXを襲う! ……だが。



八色の奔流が諒を襲う! ……だが。
520鬼暴き編の人:2006/09/29(金) 11:23:48 ID:PUYqebVi0
074を投下した者です。
059で既に詩子の支給品が確認されてますので、074の詩子の所持品に
ニューナンブM60(5発装填)&予備弾丸2セット(10発)とお手数ですが、訂正お願いします。
521鬼暴き編の人:2006/09/29(金) 11:26:26 ID:PUYqebVi0
ごめんなさい。もう一つ。
059の続きでもあります。
522名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 11:59:02 ID:Gb4NnF0ZO
投下します。Bルートです。
523無茶苦茶コンビ?:2006/09/29(金) 12:04:14 ID:Gb4NnF0ZO
「よし。こんなもんでいいだろ」
077番、那須宗一は現在氷川村のとある一軒家の中にいた。
仲間たちを探すため、そしてこのゲームに生き残るために使えそうなものを集めるためだ。

1時間ほど建物を物色した結果、彼は包丁、少し太めのロープ、ドライバーなどの工具一式が入ったツールセット、包帯・バンドエイド・マ●ロン(消毒液)などが入った救急箱を見つけた。

(使えそうなものは持てるだけ持っといて損はないしな)
さて、とその場を後にしようとしたその時、家の中に誰かが入ってくる気配がした。

(誰だ?)
すぐさまポケットから支給品のベレッタ トムキャットを取り出す。
もちろん、彼はゲームに乗る気など皆無である。あくまでこれを使うのは威嚇と防衛の時のみだ。

(――さあ、来やがれ)
この瞬間から彼は普通の高校生(といっても知り合いたちからは正体バレバレだが)那須宗一から世界NO.1エージェント、NASTYBOYに姿を変えた。

キィ…と音をたて、部屋のドアがゆっくりと開いた。
「動くな。止まれ。
抵抗しなければ安全は保障する」
宗一は入ってきた相手にすぐさま銃を突き付けた。
入ってきたのは自分と同年代の少女だった。

「わっ。いきなり脅かさないでよ」
少女――031番、霧島佳乃は銃を突き付けられているのにもかかわらず、いつもどおりの調子で宗一に言った。
「大丈夫だよ。君を殺したりなんかしないからー」
「……お前、恐くないのか?」
「そりゃ恐いよ。でも抵抗しなければ殺さないんでしょ? それなら平気だよ」
(ああ、なるほど―――)
まあ、恐怖心がないというのはこういう状況においては頼もしいものだ。そう思いながら宗一は銃を一旦下ろした。

524無茶苦茶コンビ?:2006/09/29(金) 12:07:21 ID:Gb4NnF0ZO
「――私はお姉ちゃんや往人君たちを探していただけだよ」
「そうか。それはすまなかった」

しばらく佳乃の話を聞いた結果、宗一は彼女は敵ではないと判断し、彼女と行動を共にすることにした。

「それで何か役に立ちそうなものはないかなーと思ってこの家に入ったんだ。鍵開いてたし」
「悪いが、この家にある使えそうなものはほとんど俺が既に拝借してしまった」
「え? 本当?」
「ああ」
「うーん…それは困っちゃったな。
あ。でもまだ使えそうなものの1つや2つは残っているかも」
ちょっとそこで待ってて、と宗一に言うと佳乃は一度部屋を出た。
「お、おい。やれやれ、なんなんだあいつは…?」
しかし、どこか皐月やゆかりに似ているなと宗一は思った。

「あ。宗一君見て見て!」
「ん? どうした佳乃?」
冷蔵庫から拝借した牛乳パックを手に宗一は佳乃のもとへ行く。
そこには……

「ほら。こんなものもあったよ」
「ぶっ――!」

思わず吹き出してしまった宗一。
それもそうだ。佳乃が持っていたものは――他でもなくコンドームだったのだから。

「主催した人たちも凄いねー。万一のためにこんなものも用意してあるなんて」
「い、いいから早くそれをもとの場所に戻しとけー!」

結局、役に立ちそうなものは他に見つからなかった。

525無茶苦茶コンビ?:2006/09/29(金) 12:09:03 ID:Gb4NnF0ZO
「よし。暗くなる前に少し場所を変えるか。確か佳乃のお姉さんは医者だったよな?」
「うん。お姉ちゃんは凄いんだよ!」
「よし。じゃあ、医者が行きそうな場所に行くか。
ちょうどこの村には診療所があるみたいだからな。もしかしたらそこにいるかもしれない」
「うん」
宗一たちは診療所を目指し、家を後にした。


 那須宗一
 【持ち物:ベレッタ トムキャット(残弾7)、バッグ】
 【状態:健康。皐月やエディたちを探す】

 霧島佳乃
 【持ち物:バッグ】
 【状態:健康。聖や往人たちを探す】

 【場所:I−06】
 【時間:午後3時50分】
 【備考:2人で行動して診療所へ】
526名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 12:15:29 ID:Gb4NnF0ZO
訂正

 那須宗一
 【持ち物:ベレッタ トムキャット(残弾7)、包丁、バッグ、ロープ(少し太め)、ツールセット、救急箱】
527守りたいものはありますか?(1/3):2006/09/29(金) 13:47:45 ID:8jllTQ6r0
気だるさが身体中を襲う中、春原芽衣はゆっくりと目を開けた。
上空から刺す太陽の光が眩しく瞳を焼き付ける。
「お、目が覚めたかい?」
未だはっきりしない意識の中で自分を見つめる影が呼びかけてくるのが耳に届いた。
「……お兄ちゃん?」
靄がかかった視界の中、思わずそう呟いてしまう。
そこで急激に意識がはっきりとし、自分になにが起きたかを思い出した。
銃を突きつけられ、そして銃声。
目の前にいるのは見も知らぬ男性。
勢いよく身体を起こし、震えながら後ずさった。
パサッと額に載せてあったハンカチが地面に落ちる。
額に手を当てハンカチと、目の前の男を交互に見比べた。
水面に映っていた顔とは明らかに全然違う顔。
(違う……私を撃とうとしていた人じゃない)
芽衣の心情を察したのか、目の前の男、緒方英二は
彼らしくない笑顔を浮かべてゆっくりと言った。
「もう、大丈夫」

自己紹介を軽く済ませ、池のほとりに並んで座る芽衣と英二。
支給品のパンに芽衣がかぶりつきながら小さく口を動かす様を、英二は慈しむ様な目で見つめながら話を続ける。
「それじゃ君はお兄さんを探しているんだね」
「はい、……探してるというより会いたいと言う気持ちですが」
探しているというわけではなかった。
さっきまでの自分はただ幻想に助けを求め、逃げていただけだったのだから。
そんな自分に嫌気が差したのか芽衣は思わずうなだれてしまう。
落ち込む芽衣の顔を見て英二は、手に持ったペットボトルの中の水を飲み込みそれをしまうと、バックから地図を取り出す。
「ここからだと人が集まりそうで一番近いのは……鎌石村か。
 でもさっきみたいにゲームに参加しちゃったのも同じことを考えるだろうね」
地図を見ながらブツブツと呟く。
528守りたいものはありますか?(2/3):2006/09/29(金) 13:48:34 ID:8jllTQ6r0
その様子を不思議そうに芽衣は見つめる。
「黙ってても始まらない……か」
地図をたたむとおもむろに立ち上がり、ぐいっと背伸びをする。
「よし、それじゃ行こうか」
二人分のデイバックを担ぐと、英二は芽衣にそっと手を伸ばした。
「え?」
芽衣は英二の行動の意味がよくわからず、おもわず首を傾げてしまった。
「え?って。いやまさかここでバイバイなんて言うような男に見えたかい?」
英二は苦笑する。
「一緒に探そう、君のお兄さんを」
「い、いえ……でも迷惑じゃ?」
「ふでそりあうも他生の縁……って言うじゃない?」
言いながら英二は理奈のことを思い出していた。
うまく知り合いに会えていればいいんだが……と馴染みの顔を思い浮かべる。
だがもしも知り合いに会うことが出来ず、一人きりで、いやそれならまだましなほうだ。
もしかしたら先ほどのようなゲームに乗った人間に出くわしてしまうかもしれない。
(さっきのはたしか藤井君の友達だったよな……)
最初は気付かなかったが、思い返すと芽衣を襲おうとしていたのはスタジオそばの喫茶店でアルバイトをしている少年のことだと思い出した。
(そんな風には見えなかったんだが……)
もしかしたら藤井君も?由綺も?
考えれば考えるだけ悪いイメージしか沸いてこない。
弥生君なら由綺を生き残らせるために平気で人を殺してるかも……冗談だよ。
ちょっと考えたら想像の弥生に怒られてしまい思わず頭をぽりぽりと掻いて謝った。
ともあれ、英二は何よりも早く理奈を見つけたかった。
そしてそれ以上に目の前の少女を兄に合わせてやりたいと思った。

差し出された英二の手を芽衣はそっと取って立ち上がると一言。
「自分の荷物、自分で持ちます」
もう一方の手でデイバックに手を伸ばす。
「いいからいいから」
529守りたいものはありますか?(3/3):2006/09/29(金) 13:49:27 ID:8jllTQ6r0
だが芽衣の手をひょいとかわして、届かない反対側に担ぎなおした。
子ども扱いされていると感じて、芽衣が頬を膨らませた。
ただ無言で芽衣の頭をなでるとそのままポンと軽く叩くと、
照れて少し紅くなった頬を隠すようにそのままゆっくりと歩き出した。
その後を小走りで追いかける芽衣。
再び二人は並び、林の奥へと消えていった。


春原芽衣
【時間:一日目14:45】
【場所:高原池から鎌石村のほうへ】 
【持ち物:支給品の中に入っていた食料と水を少し消費、他支給品】
【状況:多少疲れてはいるものの健康状態、春原陽平を探すため英二と行動中】
緒方英二
【時間:一日目14:45】
【場所:高原池から鎌石村のほうへ】 
【持ち物:武器拳銃、支給品の中に入っていた食料と水を少し消費、他支給品】
【状況:緒方理奈・森川由綺・藤井冬弥・篠塚弥生の4名を探しつつ、芽衣の手伝いの為同行】
530扉を求めて:2006/09/29(金) 14:18:10 ID:PUYqebVi0
 芳野祐介(118)と別れた相沢祐一(001)と神尾観鈴(025)は彼が離れた後、すぐさま荷物を纏めて場を離れた。
 始めは二人もある程度歩きながら今後の方針を離していたが、時間が経つにつれ次第に口数も減り、今では完全に沈黙している。
 原因は無表情で黙り込む祐一だ。
 芳野がいた時や出発間際はそれほどでもなかった。
 なんてこともない世間話や自身のことを話している内は気も紛れたのかもしれないが、二人になると考えることがあるのか祐一は口を閉ざしていた。
 それを、心配気味にチラチラ覗き見る観鈴。こういった雰囲気が苦手なのか、彼女は誤魔化すように拾った醍醐の荷物を漁っている。
 祐一が思うところは、先の戦闘だ。

(人助けとはいえ……撃っちまったんだよな)

 転がる醍醐の死体を見たときは、自分がやった惨状だとはいえ目を逸らした。
 初めての銃の感触と発砲、そして遠目からでも分かった肉が抉られる瞬間。 
 その光景が何度も何度も頭の中で繰り返される。
 確かに、殺すつもりで撃った。襲われていた観鈴や芳野が危険だと思ったから、迷うことなく発砲していた。
 放った弾が、醍醐へと正確に着弾した時は、安堵に口許を綻びもした。
 そして、芳野があまりにも普通にしていたこともあり、殺したという事実が麻痺していたのかもしれない。
 現に、今更になって手に震えが走ってきたのだ。
 殺したことに対する後悔はない。二人を助けることが出来たのだから。
 だが、直には割り切れそうにもなかった。
 人を助けるという理由を免罪符に、人を殺してもいいだなんて祐一も思ってはいない。 
 しかし、そうしなければ二人が危うかった。
 悪意がある人間は必ずしも全員ではない。人の価値観によって悪意は変わってくるのだから。
 第三者から見れば自分は悪かもしれないが、それでも自分は間違ったことはしていないと思わなければ、この狂ったゲームでは生き残れない。
 歩きながら荷物を漁る観鈴に、祐一はそっと目を向ける。

(人一人殺してまで彼女を守ったんだ。このまま無駄死にじゃ、助けてくれた芳野さんにも悪い。俺が殺したおっさんにも……な)
531扉を求めて:2006/09/29(金) 14:20:43 ID:PUYqebVi0
 醍醐にだって何か譲れない理由があったのかもしれない。
 今となっては知る術はないが、その想いを断ち切った者の責任として、彼女は守り通さなくてはならない。
 報いることは決して出来ないが、自分が後悔するつもりはない。
 そう決意を新たにした祐一へ、沈黙に耐えかねた観鈴が口を開く。

「……祐一さん、大丈夫……?」
「ん? なにがだ」
「そ、その……元気なかったから……」

 守った少女にまで心配されるとは。
 祐一は軽く観鈴の頭を小突いて苦笑した。

「何言ってんだよ。俺は大丈夫だって。神尾こそ、よそ見して歩いてるとすっ転ぶぞ?」
「こ、転ばないよっ」

 祐一も観鈴も本来の調子が戻ったかのように笑いあう。
 そうだ。あれこれと悩むのは性に合わない。
 普段通りにしていればいいのだ。かつて、名雪や香里、北川と楽しく話していたときのように。
 そして、皆で考えれば良い。ゲームの解決策を。
 あの日々に戻るまで、誰一人欠けることもなくだ。
 物事を前向きに考え出すと、先程の沈黙とは打って変わって、二人の間に話が弾んだ。

「んじゃ、その往人って奴や晴子さんって人を探してるんだな?」
「うん。往人さんとお母さんはちょっと意地悪だけど、とっても優しいから。祐一さんはどう?」
「俺か? 俺は……そうだな。香里と美汐、秋子さん辺りが冷静で頼りになるかもな」

(良い意味でも悪い意味でも……)

 内心、そう呟いた。
 彼女達は恐らく、このゲームでも冷静であろう。
 冷静であるが故に、高が外れないかが心配だ。
 それさえ考慮すれば、心強い仲間となるだろう。
532扉を求めて:2006/09/29(金) 14:22:00 ID:PUYqebVi0
「あゆや栞なんかは、恐怖で震えてそうだな……」
「にはは。女の人ばっかり」
「うっ……男だっているぞ。一人だけだがな……」

 そういえばと、学校での生活を思い返す。
 今の学校に転校してから僅か数日で、数人の女友達には恵まれた。
 しかし―――

(あれ? 俺の男友達って北川だけ……?)

 よくよく考えてみるとそうであった。友達が少ないことを改めて露呈する祐一。
 だが、それは北川一人で満足していたということもある。
 北川もこのゲームでの参加者の一人であるが、彼の死に際は想像できなかった。
 こんな無人島でもしぶとく逞しく生きているんだろうと、酷く愉快な情景を思い浮かべてしまう。
 奇しくも、その感想はとある少女と重なるわけだが。
 思わず笑みを浮かべてしまう祐一を、怪訝そうに見つめる観鈴であったが、ふと思い出したようにポケットから何かを取り出した。

「あ、そうだ。みてみて祐一さん。これ……なんだと思う?」
「これって……フラッシュメモリ……だな」
「ふらっしゅめもり?」

 観鈴が取り出したものは小さな記憶装置、フラッシュメモリだ。
 彼女が持っていたということは、これが支給品なんだろう。 
 それを受け取った祐一は、しげしげと眺める。

「USBコネクタか。パソコンがあればいいんだが……あるのかこんなところに……?」
「えっと、なにかなそれ?」
「ああ。パソコンの携帯型の記憶装置だ。見たことないか?」
「にはは。うち田舎だから、パソコンも見たことない」
「……それは、ある意味すごいな」
533扉を求めて:2006/09/29(金) 14:23:41 ID:PUYqebVi0
 今日日の子供は携帯電話だって慣れしたんでいるというのに、どんなド田舎だ。
 きっと電話だって黒電話に違いない。
 失礼な解釈をしつつ、祐一はメモリを観鈴に返す。

「ともかく、それ。重要かもしれないから落とさず持っておけよ」
「が、がんばる。それで、これからどうするの?」
「そうだな……。神尾の知り合いを探してもいいが、その前に―――」

 祐一はバックから地図を開く。
 現在は山の麓辺りを歩いており、元いた場所から地図を辿るとE−06付近だ。
 目視でもかすかに建物も見えることから、これは学校だろ。ならば、間違いないはずだ。
 そこから、さらに北西に向かって地図の上を指で走らせる。
 観鈴も横から覗き込み、指が止まった位置で呟いた。

「鎌石……村? ここに行くの?」
「過剰に人が集まる場所には行きたくないんだけどな。取り合えず、だ。パソコンを探してみよう」
「パソコンを? あっ! これを使うんだ」
「踊らされてる気もしないが、無闇に歩き回っても仕方ないしな。一先ず明確に目的を決めたほうが良いだろ」

 祐一は地図を畳み、代わりにコンパスを取り出した。
 しばらく、方角とコンパスを睨んでいた祐一だったが、方角を確認した後、畳んだ地図と一緒にコンパスをバックへと放る。

「よし。勝手に目的地決めたけど、神尾もそれでいいか?」
「あ、うん。私は祐一さんについて行くから」

 その言葉に頷いた祐一は、観鈴を連れ添って歩き出す。
 今度は、明確な目的意識を持って。
534扉を求めて:2006/09/29(金) 14:24:16 ID:PUYqebVi0
 『相沢祐一(049)』
 【時間:1日目午後4時頃】
 【場所:E−06】
 【所持品:S&W M19(銃弾数4/6)・支給品一式】
 【状態:普通。パソコン確保のため、まずは鎌石村へ】

 『神尾観鈴(025)』
 【時間:1日目午後4時頃】
 【場所:E−06】
 【所持品:フラッシュメモリ・支給品一式】
 【状態:普通。祐一の意向に従う】

 「その他:046の続きです。Dルート以外でお願いします」
535名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 14:40:51 ID:PUYqebVi0
ごめんなさい、訂正です。
状態の祐一の番号を001へ
536セブン・センシズ:2006/09/29(金) 16:41:59 ID:JVPacVVr0
(小声で)「ねえねえ、雪ちゃん」
「どうしたの、みさき」
「なんとなく、なんとなくなんだけどさ、後から人が来ている気がするんだよ…」
「ほ、ほんとなの?みさき」

みさきの勘は鋭い、しかも、今は生死を賭けた状況である
それこそ、信用するに値するものかもしれない

「みんな、ちょっといい?」

だから、私は前にいる藤田くんたちを呼んだ

「どうした?うーゆき」
「どうしたんだ?」
「?」

前を進む3人は不審気な表情を浮かべる

「みさきがね、後から誰かがついてきてるって…勘だけど信じていいと思う…」
「なんとなくよくない感じがするんだよ〜」

「よくないってことは……?」
「たぶん、このゲームに乗ったヤツなんだろうな」

浩之と陽平が話をしている途中に当たり前のような疑問をるーこが放つ

「???なんで、うーさきはそんなことが分かるんだ?」

「ば、バカ!五感の中で視覚を閉じた人間は[第七感]までマスター出来るんだ!
 「第七感」に目覚めた者は小宇宙を最大限まで増幅する事が出来るんだぞ!!」
「そ、そうなのか?るー、知らなかったぞ、うーさき、凄いぞ」
「………浩之くん、陽平くん、私聖闘士じゃないよ…」
537セブン・センシズ:2006/09/29(金) 16:53:48 ID:JVPacVVr0
436

気がつけば『お約束』? −春原の受難−

の続き

【時間:1日目15時50分】
 【備考:雪見とみさきのスタート地点は平瀬村分校跡】
藤田浩之
 【所持品:折りたたみ式自転車、他支給品一式(ただし、ここまで来る間に水を少し消費)】
 【状態:用心。知り合い・同志を探しに平瀬村へ移動中】
春原陽平
 【所持品:スタンガン、他支給品一式(ただし、ここまで来る間に水を少し消費)】
 【状態:用心】
ルーシー・マリア・ミソラ(るーこ・きれいなそら)
 【所持品:IMI マイクロUZI(残り30発)と予備カートリッジ(30発入り×5)、他支給品一式】
 【状態:用心。知り合い・同志を探しに平瀬村へ移動中】
川名みさき
 【所持品:スタングレネード(×3)、他支給品一式】
 【状態:敏感。知り合い・同志を探しに平瀬村へ移動中】
深山雪見
 【所持品:SIG P232(残り7発)、他支給品一式】
 【状態:用心。知り合い・同志を探しに平瀬村へ移動中】




538曲げられない信念:2006/09/29(金) 17:04:06 ID:nw7Wvowh0
殺した。人を。
公子は目の前に崩れ落ちた理奈の死体を見て未だに体の震えを止められなかった。
当然だ。人ひとりの命を奪ったのだ。軽いはずが、ない。
「うっ…うぐっ…」
吐き気を懸命にこらえる。しっかりしろ、これくらいで参ってどうする、伊吹公子。
罪悪感に苛まれる心を鞭打ち、ようやく平静を保つ。呼吸を整えた後、改めて理奈の死体を見下ろした。今度こそ、何も感じない。そう思いこむ。
しかし、公子も人だ。理屈では仕方が無いことなのだと分かっていても彼女の親族を思うとやりきれない気持ちもあった。
だからこそ、もう後には引けない。必ず祐介と妹を生き延びさせてみせる。そのためにも彼女の死を無駄にするわけにはいかない。勝手かもしれないが、これが伊吹公子の信念だった。
(さて、まずは彼女の武器の確認ね)
デイパックの中身を確認する。武器以外の支給品は全て同じだった。そして、肝心の武器。
(ナイフ、か)
少々がっかりしたが、役立たずの支給品よりはマシだ。そう思っていると、もう一つ紙切れが出てきた。武器の説明書だった。
(スペツナズ、ナイフ?)
皮肉にも、それは妹の風子に支給されたものと同一の品だった。無論、公子がそれを知っているはずもなかったが。
一通り使い方を確認する。柄の部分を押すと、ナイフの刃が飛び出す仕組みになっているらしい。つまりは、奇襲用の武器ということだ。
(これは使えそうね、でも、問題が一つある)
それは、刃は一度飛び出すともう二度と戻せないということだ。最後の切り札ということになる。
とは言え、手持ちの二連式デリンジャーも残弾は残り六発。最高でも六人しか殺せないことになる。何よりも、その隠匿性は女の身である公子にとっては十分切り札たりえるものであった。
その事から、今後有力な武器を手に入れるまでの主力はスペツナズナイフということになりそうだった。
539曲げられない信念:2006/09/29(金) 17:04:50 ID:nw7Wvowh0
それから、使えそうな食料品のみをデイパックに詰め、用意を整えた。これからどうするか。
単純に考えて、積極的に戦闘を仕掛けるのは得策では無い。自分は女であるし、体力も優れているわけではない。いっそのこと、どこかに紛れ込んで内側から切り崩していくか――
いや、それもダメだ。自分の服には、先程の戦闘で返り血がついてしまっている。自分に傷がついているならまだいいが、まったくの無傷。すなわち、殺し合いに参加しているととられてもおかしくない。
「…となれば、わたしより弱そうな人や、怪我人を狙っていくしかなさそうね」
ハイエナみたいではあるが、確実に殺っていくにはこれしかない。こんな序盤で、まだ怪我を負うわけにはいかないのだから。
とは言っても、祐介や風子が戦闘に巻き込まれない保証はない。的確に、素早く仕留めなければならない。公子は、自分の二つの武器を見た。
(…最後まで、わたしと、祐くん、風ちゃんを守ってくださいね)
まるでお守りのように愛しく見つめた後、この場に転がる理奈の死体をどうするべきか考えた。
(彼女にも、自分の生活や、愛する人があったはず。せめてもの礼儀として、埋葬しておくべきかしら?)
穴を掘ろうか、と考えたところで、公子はふと思った。
(もし、何も知らない人が、この子の死体を見たらどう思うかしら)
恐らく、大抵の人間は硬直し、判断力が鈍るはず。ならば、その隙こそ、攻撃をしかけられるはずなのでは?
悪くは無い策だった。彼女には申し訳無いが、囮になってもらう。埋葬はその後で行えばいい。
公子は中身が分からないようにデイパックを閉じた後、近くの茂みに隠れた。果たしてこの策、どう出るか。
しばらく待つ。するとがさがさという音と共に、体中に無数の細かい切り傷を負った少女が出てきた。しかも、たった一人で。公子に、好機が生まれた。
「あ、ああ、あああ…そんな、嘘…」
少女の体ががくがくと震え、今にもへたり込みそうだった。
公子の鋭い目が、少女――名倉由依を捉えた。
(殺るなら、今しかない――!)
540曲げられない信念:2006/09/29(金) 17:05:41 ID:nw7Wvowh0
『伊吹公子(007)』
【時間:1日目午後1時45分頃】
【場所:E−05】
【所持品:二連式デリンジャー(残弾六発)、スペツナズナイフ】
【状態:健康、服に返り血】

『名倉由依(075)』
【時間:1日目午後1時45分頃】
【場所:E−05】
【所持品:不明】
【状態:着衣に多くのひっかき傷、体中浅い切り傷、疲労気味。
     とりあえずお姉ちゃん(友里)との合流を目指す。
     理奈の死体を見て固まっている】

【備考:077話、「受け入れがたい現状」の続き】
541名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 18:08:57 ID:XkTEF72M0
こういう遭遇するところまでだけ書いて後は丸投げする書き手って無責任だと思う
542名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 18:24:46 ID:8nC6weoW0
一応B系のルート用として書いた作品を投下します
543ムティカパと篁():2006/09/29(金) 18:25:30 ID:8nC6weoW0
篁(063番)はスタート地点であった平瀬村分校跡を後にして1人道を堂々と進んでいた。
明らかに見るものからすれば無謀で隙だらけな行動に見えるが、彼の周辺は異様な空気で包まれていた。
これでは敵も近づきたくても近づけないだろう。

(ふむ……)
少し歩いたところで篁は自分の持っていたバッグに違和感を感じた。
手にした瞬間から異様に大きいとは思っていたが、やはり何か変だと彼は思った。

「開けてみればわかる話か……」
そう言うと彼はバッグを地面に下ろし、それを開帳した。

――刹那

グワッと勢い良くバッグから白い虎のような生物が飛び出した。
「―ぬ!?」
その生物―――ムティカパは次の瞬間には篁の喉を食いちぎらんと彼に飛びかかった。
それもかなりのスピードである。


―――普通の人間ならば次の瞬間には喉を噛み千切られお陀仏であっただろう。
しかし今回ばかりはムティカパも相手が悪かった。
なぜなら、たとえムティカパであっても理内の存在である以上、目の前に存在する理外の存在には敵うわけが無いからだ。
たとえそれが本来の力を封印されていてもだ。

「甘いわ……」
そう言うより早く、篁は人間とは思えぬスピードで蹴りを放ちムティカパの顎を蹴り飛ばした。
さすがのムティカパもこれには「ギャン!」と言う声をあげ空中を数秒間舞い、美しいアーチを描いて地面に落下した。
「ふむ……ただの虎ではないようだな。だが、所詮は理の内に存在するモノだ。私を滅ぼしたければ私と同等以上の存在でなければな……」
そう言いながら地面でグゥゥとうめき声を上げるムティカパに近づく。
544ムティカパと篁 (2/3):2006/09/29(金) 18:26:32 ID:8nC6weoW0
「………しかし、なかなかの動きだった。本来の私ならば先ほどの一撃で既に貴様は物言わぬ存在になっていたところだ。
だが、生憎今はどうゆうわけか力が封印されてしまっていてな………このまま殺すのは惜しい」

篁はムティカパの目を見た。そこにはこの世で生きるものの生命(いのち)の輝きが映っているように見えた。

「―――どうだ? この篁に一度命を預けてみるつもりはないか?
ちょうどこの島には貴様を楽しませてくれるであろう力ある者たちが数多く集まっている。その者たちを私と共に打ち滅ぼしてみる気はないか?」
それは事実上篁に服従し、敵を殺せという意味である。無論敵とは篁以外の参加者119名。そしてこのゲームの主催者たちである。
「それとも、やはり獣は自身の力に驕れる気など無いか?」
「……………」
ムティカパはしばらく篁の目をじっと見ているだけであったが、
しばらくするとすっと立ち上がり――――高い空に向かって咆哮をあげた。

それはムティカパの了解を意味していたものだったのかはわからない。
しかし、篁はその咆哮を聞くと
「――ならば行くがいい。貴様が求める強き力を持つ者の所へ……」
と呟いた。
次の瞬間にはムティカパも言われたとおり(かどうかはわからないが)その場を後にし、数秒後には篁の視界からは見えなくなっていた。


(――フン。面白い奴よ……さて、まずはこの島にかけられている術を見極めさせてもらうとしようか………)
そう思うと篁もその場を去った。
今自分が最初にするべきことを果たすために。


―――その後、篁は伊吹風子の持っていたスペツナズナイフによる不幸な事故によりゲーム序盤早々から脱落することになる。
だが、彼の意思――『この島にいる力ある者たちを打ち滅ぼす』という目標は彼がこの島で唯一存在を許した森の王に受け継がれた―――のかもしれない。

ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォ………

――夕刻の空に1匹の獣の咆哮が響き渡る……
545ムティカパと篁 (3/3):2006/09/29(金) 18:27:06 ID:8nC6weoW0

ムティカパ
 【状況:健康】
 【状態:常に移動しながら獲物を探している】

 【その他】
・この話は026『風子とスペツナズナイフ』の前事談です
546炎の中で祈る願い:2006/09/29(金) 19:26:15 ID:OXTogLXP0
「うぐぅぅ。怖いよぅ。」

月宮あゆ(68)は震えていた。ホテル跡の廃墟の傍に残る焼却炉の中で。

「さっきから銃声みたいなのはするし、待てとかなんとか言われるし。追いかけられるし。」
「しばらくここにいたら安全だよね。」
「それにしてもお腹がすいたなぁ。たいやき落ちてたりしないかなぁ。」

焼却炉から首を出してみる。でも外は安全とは思えなかった。

「まだ悲鳴が聞こえるよ・・・・ボクどうなちゃうの?」
「あ・・・・やばい!!」

誰かの足音が聞こえたような気がして慌てて焼却炉の中に引っ込む。
蓋がバタンと大きな音がして閉まった。

「うわ。真っ暗になっちゃった。」

暗さと怖さでがちがちと震えが走るのがわかった。

「でも....これがあるから。」

祐一に貰った天使の人形。真っ暗の中で懐にしまった人形を手で触る。
547炎の中で祈る願い:2006/09/29(金) 19:27:04 ID:OXTogLXP0
コン!

「――――――。」

誰かが外壁を叩いている音がして、あゆは息を詰めた。

コンコン。

「うぐぅ。ここには誰も居ませんよっ。」

ゴン。
今度はもっと大きい音がした。

ガチャガチャ。
扉をいじる音がする。

「神様。神様・・・・・。」

今にも扉を開けられたら・・・・どうしよう。
あゆは目を閉じた。
548炎の中で祈る願い:2006/09/29(金) 19:27:33 ID:OXTogLXP0
しかし、扉は開かなかった。扉をいじる音もしなくなった。

「・・・・助かった・・・の?」

あゆは扉を開けて出ようとした。

「あれ?おかしいな。開かない。」

中から一生懸命押すが扉が開かない。

「あれ?あれ?出られなくなっちゃったよ。」

その時、グィーンという機械音がしだした。
そして液体が強い勢いで内側に散布される。

「うわっ。何?.....これ石油?」

その瞬間。ボッという音と共に行きよいよく炎が吹き上がった。

「うわっ。」

炎はあっというまにあゆの衣服に燃え移る。
549炎の中で祈る願い:2006/09/29(金) 19:28:37 ID:OXTogLXP0
「うわわわ。熱い!熱いよっ。」

あゆは慌てて扉を叩いたり押したりしたがびくともしない。
炎が衣服の石油により、あゆの体に燃え移る。
慌てて服を脱ごうとしたが、もう焼却炉全体が燃えていてどこにも逃げ場が無い。

「ぎゃあああああああ。熱い!熱いよ!助けて!助けて祐一君。」

炎は髪の毛に燃え移る。炎を払おうにもその手足が燃えている。
火傷の火脹れがなんども破裂し、血が噴出してくるが炎は容赦なくあゆを包む。

「――――――。」

あゆは、もう声を上げる事もできず、酸素を求めて何度も咳き込む。
手足は火傷の痛みで痺れて何も感じなくなってきている。
唯一、あゆにできるのは顔を手で覆い、炎から顔を守る事だけだった。

「神様は・・・・・いなかったの・・・・?」
「神様が・・・いるのなら・・・ほんとうに最後の・・・・ボクの願いは・・」

あゆは最後に白くかすんだ景色を見た感じがした。

「もう・・・何も感じられない・・・・や。ばいばい・・・・祐一・・・く・・ん。」

焼却炉の中で人型の炎の塊が崩れて動かなくなった。
550炎の中で祈る願い:2006/09/29(金) 19:30:16 ID:OXTogLXP0
【時間:1日目午後4時頃】
【場所:E−04】
【所持品:不明】
【状態:焼死、犯人不明】
551名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 20:21:55 ID:Gb4NnF0ZO
書き手さんには悪いけどルート上の問題を防ぐため訂正
>ムティカパと篁
Bルートのみ
552538:2006/09/29(金) 20:27:13 ID:nw7Wvowh0
>>541
いや、むしろこういうところまで書いて次の書き手がどうするか、ってのを見てみたかったから
ここまでにしたんだけどな。リレー小説だし。
無責任ってなら続き書くよ?
553名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 20:31:41 ID:F6aiWT+b0
>>551
あっちでも書いたけど、書き手の意図次第でどうとでもできるから、
書き手に質問するのは自由だと思うけど、勝手に訂正とかやるのはよろしくないかと。
554名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 20:34:42 ID:8nC6weoW0
>>551
わざわざ代わりに訂正してもらってすいません
B系はムティカパ出てないと思っていたので・・・・
555名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 20:46:56 ID:lD56sHwU0
Eルート(佐祐理ゲーム非参加ルート)投下します。
556すれ違い(1/2):2006/09/29(金) 20:47:27 ID:lD56sHwU0
ゲーム開始からおよそ4時間と少々が経過した。
倉田 佐祐理(036)は殺人ゲームの始まった最初の地点である神社から、ひたすら北上を続けている。

美しい長髪とリボンには似つかない、ボロボロの衣服と擦り傷だらけの体。
背中には自分の身長とさほど変らない日本刀を背負っているところが
アンバランスな風体を醸し出している。

人との接触を出来るだけ避けるために、街道を避け、山沿いの道無き道を
選んだために、その歩調は遅く、疲労の通常の徒歩よりは遥かに多いはずだ。
いつ人に襲われるか、と思うと緊張感も張り詰めてしまい、尚更であろう。
途中、何度か疲労で座り込んでしまい、そのたびに弱気な自分が囁いてくる。

「逃げ回ったところでどうなるの?舞にも祐一さんにも会えないかもよ?」
「それだったら潔く、その切れ味の良さそうな刀で手首をすっと引いちゃえば?」

時には負けそうになるその声を、頭を強く振り追い払う。
大丈夫!舞なら、祐一さんなら、きっとこんなくだらないゲームにも
打ち勝てる強さがある。わたしは最後にそのお手伝いが出来ればいいのだ。

何度目かの気力を奮い起こし、立ち上がろうとした時だった。
……話し声が聞こえる……。
さっと木陰に隠れ、姿がこちらから見えないようにする。
何を話しているかは聞こえないが、どうやら男女1人ずつでの会話のようだ。
ーーー見つかるわけにはいかない!!
体がガクガクと振るえ、辺りの木々に伝わりそうになるのを必死でこらえる。

…5分?いや10分だろうか…?
しばらく隠れ続けていると、声の気配は無くなっていた。
557すれ違い(2/2):2006/09/29(金) 20:47:58 ID:lD56sHwU0
ふぅ、と溜息を1つ吐き出すと、再びその場にへたり込んでしまう。
しばらく立ち上がれそうにないので、水を飲んで気持ちを落ち着かせ、
休憩がてら、現在地点とこれからの進路を地図やコンパスを頼りに決める。

このまま北上を続けると、中学校に出てしまうのか。
まだ人と接触すべきでは無い。特に今の疲労困憊した状態で
ゲームに乗るような人と接触したなら、逃げ切れる自信も無い。

…それなら山沿いに西へ進みつつ北西に向かい、池の方へ向かおう。
このままでは水も無くなってしまうから、もし飲めるようなら補充もしたい。
いつまでも人のいない方へ進むわけにも行かないが、
今は様子を見つつ、少しずつ人のいそうな場所へと向かおう。

『倉田 佐祐理(036)』
【時間:一日目、午後4時半ころ】
【場所:E−6】
【所持品:封印した菊一文字、支給品一式(さらに水を消費。残りわずか)】
【状態:疲労が徐々に蓄積しつつも冷静を保つ】
【行動:E−5を多少掠めてD−4へ向かう】
【備考:ニアピン接触が祐一と観鈴だった事には気付いていない】

558名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 20:58:38 ID:8nC6weoW0
訂正

046 偶然 −幸運と不運−
>そう言うと祐介は歩きだした。
   ↓
そう言うと芳野は歩き出した。


067 気がつけば『お約束』? −春原の受難−
> 【備考:雪見とみさきのスタート地点は平瀬村分校跡】
> 【備考:るーこは雪見は「うーゆき」、みさきは「うーさき」と呼ぶ。SIG P232は本来はみさきの支給品で、雪見と合流後彼女のスタングレネードと交換した】
    ↓
 【備考:雪見とみさきのスタート地点は平瀬村分校跡。るーこは浩之は「うーひろ」、雪見は「うーゆき」、みさきは「うーさき」と呼ぶ。SIG P232は本来はみさきの支給品で、雪見と合流後彼女のスタングレネードと交換した】

ムティカパと篁
> 【その他】
>・この話は026『風子とスペツナズナイフ』の前事談です
   ↓
 【その他】
・この話は026『風子とスペツナズナイフ』のBルート限定の前事談です
559名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 21:07:49 ID:TPNgn5R50
>>558
邪魔だからこっちに書くなよ
560名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 21:12:15 ID:Gb4NnF0ZO
>>559
修正・訂正は本スレでやるんだよ
561名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 21:12:32 ID:8nC6weoW0
修正は本スレでやれと以前言われたんですけど・・・・?

>>558の訂正をさらに訂正します

> 【その他】
>・この話は026『風子とスペツナズナイフ』のBルート限定の前事談です
   ↓
 【その他】
・この話は026『風子とスペツナズナイフ』のB系ルート限定の前事談です
562クールになれ藤林杏 1:2006/09/29(金) 21:23:04 ID:tKRVth930
 自分の安否を報告するスレッド

1:藤林杏:一日目 12:34:08 ID:ajeogih23
 自分が今、どういう状態にあるか、報告するスレッドです。
 報告して知り合いを安心させてあげてください。

 私は、今は無事です。さしあたっては当面の危機もありません。
 それから、私は積極的に人を殺そうとは思っていません。攻撃された場合は別ですが。もし、あたしを見つけても撃たないでね。

 みんな、希望を捨てちゃ駄目よ。生き延びて、みんなでまたもとの町へ帰りましょう!



「まだ書き込みはナシ……か」
 彼女は鎌石消防分署の一室でノートパソコンを眺めていた。
 民家を出たのはいいが当ても無く彷徨うのは危険と判断し
 ここ鎌石消防分署に身を潜めることにした。
「みんな……まだ生きてるよね……?」
 杏はふぅとため息を吐き、まだ誰の書き込みのない
 『自分の安否を報告するスレッド』を閉じた。
563クールになれ藤林杏 2:2006/09/29(金) 21:24:20 ID:tKRVth930



1:死亡者報告スレッド/ 2:自分の安否を報告するスレッド



「――ッ!?」
 トップページに新たに立てられたスレッドの名前に杏は釘付けになる。
 ――死亡者報告スレッド。
 もしあたしの大切な人達の名前があったら――
 杏は恐る恐るそのスレッドにカーソルを合わせクリックした。



1:びろゆぎ@管理人:一日目 14:05:00 ID:haKarowa3
 ここは定時放送までガマンできないせっかちな人のための死亡者報告スレッドです。
 更新は随時行われますので気軽にご覧下さい。

2:びろゆぎ@管理人:一日目 14:05:01 ID:haKarowa3
 PM14:00:00時点の死亡者一覧

 002藍原瑞穂
 013岡崎直幸
 015緒方理奈
 027河島はるか
 063篁
564クールになれ藤林杏 3:2006/09/29(金) 21:25:57 ID:tKRVth930


 ――岡崎直幸。
 見覚えのある名前、朋也と同じ苗字。
「もしかしてこの人、朋也の――」
 朋也は普段、自分の家族についてあまり語りたがらない。
 春原から少し聞いたことがあるだけだ。
 父子家庭で父親との仲は良くない、と。
「朋也……」
 杏はいたたまれない表情でスレッドを閉じ、パソコンを電源を切る。
 既に五人の尊い命が失われている。
 それは積極的にゲームに乗った人間がいることの証左だった。

「椋……今は無事だけだけどもし……ううん、そんなネガティブなこと考えては駄目。
 藤林杏、今あたしができることだけを考えるのよ」


【藤林杏(009)】
【時間:午後二時過ぎ】
【場所C−06鎌石消防分署】
【持ち物:ノートパソコン(充電済み)、包丁、辞書×3(英和、和英、国語)】
【状態:精神的に少し動揺】
【その他:Bルート準拠】
565生みの親はずりーよ:2006/09/29(金) 21:28:23 ID:Srjw+3YU0
 カタカタカタカタカタカタカタカタカタ

「な、何をしてるんですか! 超先生!」

 カチカチカチカチカチカチカチカチカチ

「諒がやられたんですよ! もうすぐあいつが迫ってくるんですよ!」

 恐怖に陥った滝沢が超先生へと声をかけつづけるが、超先生はひたすらモニターへと向かって作業をしている。

「そんな事してる暇があったら、早く何か対策を!」

 SSSランクである超地球人3の春日が負けたのだ。
 ただの超地球人にしかなれないSランクの滝沢は焦った。

「逃がしはしない」

 扉を開けて祐一が再びコントロールルームへと入り込んでくる。

「あ、あわわわ……」

 その姿を見た滝沢が怯えながら超先生の方へと後ずさりする。

「……どうした超先生。恐れて声が出ないのか?」

 ピタッ。
 音が鳴り止む。
 作業を停止した超先生が椅子に座ったまま振り向く。
566生みの親はずりーよ:2006/09/29(金) 21:30:12 ID:Srjw+3YU0
「…………春日は十分役に立ったよ」
「はっ? SSSランクでもこのXランクの俺の前には塵も同然だったんだぜ?」
「いやいや、奴の稼いだ時間は十分だった……おかげで何とか該当部分を終わらせれたよ」
「ちょ、超先生……」

 滝沢が名前を呼ぶのと同時にゆっくりと椅子から超先生が立ち上がる。
 不可思議な超先生の台詞と行動。
 
『…………この身は盗作でできている』

「念仏か? せっくだ。あいつと同じ技で葬ってやる」
            
『……血潮はインスパイアで心は模倣』

「イベント……」
           
『幾たびの叩きを超えてへこたれず。
 ただ一度の弁解もなく、ただ一度の謝罪もなし』

「ホラ……」
                 
『パクリ手はここに孤り、盗作の末に有り続ける』

「ズン!!」

『ならば、我が生涯にオリジナルは要らず。
 この体は…………無限の盗作で出来ていた!!』
567生みの親はずりーよ:2006/09/29(金) 21:31:03 ID:Srjw+3YU0
「こ、これは!」

 滝沢が叫んだ。
 超先生の詠唱が終わると共に辺りの空間が一転する。
 無機質のコンピューターだったはずのそこは辺り一体砂漠のような赤い世界へと変質した。

「何の技か知らないが既に遅い!!」

 しかし、祐一の手から放たれた無は超先生を包み込む。

「終った」

 その様子を見た祐一は満足げに呟く。
 そして踵を返して次は滝沢を狙おうとした時、

「おかしい、空間が壊れない……?」
「クックックック……当然だ。この技は貴様の為だけに生み出されたのだからな」
「なんだと!? 存在そのものが無事!? そんなはずは!?」
「あのゲームでこの発想を思いつかなかったら危なかったかもしれない」

 そして超先生を包んでいた虚無がゆっくりと晴れていく。
 すると段々と出てくる無事な超先生の姿、その横に一人の男が立っていた。

「この私がFa○eをプレイする事によって目覚めた奥義……Unlimited Great Teacher」
「超先生、それは目覚めたのではなくとうさ……「インスパイアだ!」
「はい」

 突っ込みかけた滝沢だが超先生の一括で口答えをするのを止めた。

「だ、だが、そんな技でXランクを防げるとでも!」
568生みの親はずりーよ:2006/09/29(金) 21:31:57 ID:Srjw+3YU0
「やれ」

 超先生の一声と共に横に現われた男が祐一へと襲い掛かる。

「消せないなら、実力で倒すのみ! くらえ!」

―――超神滅剣最大奥義ラグナロク―――

 祐一から放たれた奥義が男を襲う。
 ……しかし。

「無傷!? そんな!?」
「喰らえ」

 祐一の奥義をかき消し、男は距離を詰める。

―――秋浜流<一刀両断>

「こんなただの剣術……ぐはっ!」

 その一撃で祐一の肩がざっくりと切り裂かれる。

「俺の『七式斬撃剣』はどうだぁ!」

 突然、男の手の元に現われた大剣で祐一は再び切りつけられた。

「な、なぜ……」

 ふらふらと祐一が下がる。
 その顔は信じられないといった驚愕に満ちていた。
569生みの親はずりーよ:2006/09/29(金) 21:32:54 ID:Srjw+3YU0
「まだ気づかないのか……目の前の男が何ものであるのかを。
 彼こそは

 ……斬魔大先生! 貴様が決して敵う事の存在だ!」

「そ、そんな存在がいるなんて……」

「斬魔大先生だけじゃないぞ? 見せてやろう全てを超えし先生にのみ与えられた超先生の称号。
 その私がなすUnlimited Great Teacherの真の力を!
 いでよ! 秋雨! 蒼竜! 倉田大介!」
「こ、これは……」
「これがUnlimited Great Teacherの能力、この世のありとあらゆる先生、大先生と呼ばれし者達と順ずる者を自由に召還し使いこなす事ができるのだ。
 相沢祐一、しばらく島の方で遊んでいて貰おうか」

 ザッ。
 超先生が手を上げると四人の名だたる作家達が祐一を取り囲む。

「やれ!」

 そして超先生が手を振り下ろすと四人は一斉に詠唱を始める。

「「「「ワルヤテシンイフウカンナエマオワルヤテシンイフウカンナエマオ」」」」

(封印の言葉までパクリですか)
 
 滝沢はそう思ったが口に出すのは止めておいた。
570生みの親はずりーよ:2006/09/29(金) 21:33:39 ID:Srjw+3YU0
「く、くそう!」

 もがけどもがけど祐一は四人の囲みから逃げ出す事ができない。

「さらばだ、しばらく島で遊んでいたまえ」

 そして四人の詠唱が終わりを告げる。

「「「「―――はろーあげいん―――」」」」

「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」

 言葉と共に祐一は島の地上へとテレポートさせられる。
 このアジトへは戻ることのできない封印をかけられて。


「や、やったんですか……」

 元の部屋に戻ったコントロールルームで滝沢が呟いた。

「うむ、やはりU-1の隔離ははろあげが一番だな」

 そう言った超先生の顔は、一仕事を終えた者の清清しい物だった。


『相沢祐一(001)』
【時間:一日目12:10分頃】
【場所:島のどっかへ飛ばされた】
【持ち物:世界そのもの。また彼自身も一つの世界である】
【状態:真唯一者モード(髪の色は銀。目の色は紫。物凄い美少年。背中に六枚の銀色の羽。何か良く解らないけど凄い鎧装着。はろあげ(隔離)のせいで主催本拠地に行く事ができない)】
571生みの親はずりーよ:2006/09/29(金) 21:34:20 ID:Srjw+3YU0
言うまでもなくDルート
572名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 21:48:24 ID:JVPacVVr0
うわっ、どーなるのかと期待していたのだが…
正に無敵だな、超先生www
573名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 21:59:48 ID:8nC6weoW0
次スレ立てました

葉鍵ロワイアル3作品投稿スレ2
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1159534317/l50
574名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 22:37:46 ID:Srjw+3YU0

 ∫    ∧_∧___  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∫   <`ш´ >/ | < 新スレおめ。
  ~━⊂ へ  ∩)/ .|  | それでは残りを有効活用させてもらうかな。
   i'''(_) i'''i ̄,,,,,,/   | ひっそりとあほなSSの裏話でも一つ。するとしよう。
    ̄ (_)|| ̄ ̄   \________________________
575名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 22:41:47 ID:Srjw+3YU0
          ∧_∧
         < `ш´>  実は一番最初の予定では私は負ける予定だった。
       _φ___⊂)_   だが、死の間際に島をジャングル、草原と砂漠と何でもありの
      /旦/三/ /|    古今東西の猛獣溢れる場所へと変えるスイッチを押すという展開だった。
    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
    | 誤爆死亡 |/
576名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 22:45:08 ID:Srjw+3YU0
          ∧_∧
         < `ш´>  そして朝鮮製MarkUが起動し、『葉鍵サバイバル2ルート』を作ろうと思ってた。
       _φ___⊂)_   だが、書いてるうちにU-1以上に収拾がつかなくなったのと長くなりすぎて破棄。
      /旦/三/ /|    やらなくて良かったと思っている。
    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
    | ハカサバ |/
577名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 22:48:22 ID:Srjw+3YU0
          ∧_∧
         < `ш´>  それでできたのが超SS。
       _φ___⊂)_   そんな超SSだが斬魔大先生の技名を調べるためにSSをわざわざ探して読みにいったのが何よりの苦痛だった。
      /旦/三/ /|    資料の為とはいえ、もう二度と読みたくない。
    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |    アビスボートをやった方がためになる。
    | 誰彼百円 |/
578名無しさんだよもん:2006/09/29(金) 23:33:56 ID:5yBMqDRAO
わっふる
579名無しさんだよもん:2006/09/30(土) 09:38:23 ID:Ha8pJX3L0
ugu
580名無しさんだよもん:2006/09/30(土) 10:15:56 ID:UiWu9Qm9O
はわわ〜
581名無しさんだよもん:2006/09/30(土) 11:01:48 ID:ecbJ6YNTO
ぴこぴこぴーこーぴーこーぴーこー
582名無しさんだよもん:2006/09/30(土) 12:49:34 ID:xFF98HeG0
           ∧_∧
         < `ш´>
       _φ___⊂)_     このスレは作者に要望を書くスレになった
     /旦/三/ /|    私に書いてほしいシチュがあれば書いてくれ
      l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l  |
      | 超495kB  |/
583名無しさんだよもん:2006/09/30(土) 13:20:20 ID:suxrhJSv0
Routesの糞キャラたちが身勝手な理論でマーダーになって暴れまわり逆に正義の味方に瞬殺されるシチュよろ
584名無しさんだよもん
にはは