第二回 葉鍵板最萌トーナメント 決勝戦 Round91!!
「ううん、お母さんはあたしを生んでくれた
それだけでも嬉しかった。短かったけど最後まで頑張って生きれたよ
あたしにはお母さんが二人居るんだ...生んでくれた郁子お母さんと
育ててくれた晴子お母さん....あたし幸せだよ...今までも...これからも」
観鈴の両手は郁子の両手を包み直し優しく握った。
「観鈴!」「お母さん!」
今、数十年の時を経て親子が再び抱き合う事が出来た。
晴子は涙を拭いつつ抱き合う二人を優しく見つめていた。
往人は眼を伏せていたが、その眼からは一筋の頬を伝う涙が有った。
「さて姉貴、今からウチの話を良ーく聞いてくれ」
晴子は郁子に観鈴と往人を交え、それから長い時間をかけて話をした。
これまでに起こった全ての事と晴子と観鈴と往人が背負った運命を。
この日が郁子と3人の今生の別れとなることを........
そして全てを話し終わると晴子は郁子に
「ウチらは今から"最後の為すべき事"をせなならん。行ってくるわ」と告げた。
「晴子、観鈴、元気でね....お母さん...あなた達の事忘れないよ」
「うん、お母さん行ってきます!」観鈴は笑顔で郁子に別れを告げる。
「観鈴の事はウチに任しときやぁ」晴子は拳を握った右手を郁子に見せた。
「往人さん、どうか娘を....観鈴を....宜しくお願いいたしますね。」
「ああ、任せてくれ.....義母さん」往人は赤面しつつ言った。
そして、3人は郁子の居る場所から飛び立っていった。
第一部 完 第二部は後程投下します。