第二回 葉鍵板最萌トーナメント 決勝戦 Round91!!

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621deathsh@dow_SS2 ◆TGiSGYt4CQ
「さて観鈴、お前にはやり残した事が幾つかあるな?」
唐突に晴子は観鈴に顔を向けると腕を組みつつ真顔で言った。
「え.......?」観鈴は返答しかねていると
「まずはお前の生みの親.....郁子姉さんにお別れの挨拶してきぃや
  ウチらは普通の人間と違うよって、同じ死んだモンでも
   帰る場所は違うんや。 せやからお前の生みの母親とは
    今生の別れになる事になるんや....」
晴子には今迄保持した記憶とは別に、これからの自分達が
 還る迄に為さねばならぬ事と言う記憶が新たに蘇っていた。
「ウチもついてく.....今からいくで」晴子は観鈴に言った。
「うん!」観鈴は躊躇する事無く晴子に返事した。
「俺も行こう」往人も従った。
622deathsh@dow_SS3 ◆TGiSGYt4CQ :2006/09/23(土) 19:38:16 ID:SdRQuypS0
橘郁子は大樹の木陰に佇み、一点を見つめていた。
急逝してから今日まで長い時間を彼女は此処で一人過ごしていた。
誰が訪れるわけでもなく、たった一人で.......
「おーい、姉貴ぃー!」
不意に自分を呼ぶ声がした。
郁子は訝しげに当たりを見回した。
そして遥か彼方から3つの物体が自分に向かって飛んできているのを見つけた。
「晴....子?」郁子は数十年ぶりとなるであろう再会に驚いた。
「久しぶりやな姉貴.....元気しとったか?
  あ、元気言うのも変か....ウチらは皆生きとる訳でも無いしなぁ」
郁子の目からポロポロと涙が零れ落ちる。
「ゴメンね.....晴子.....あたし達のせいであんたには迷惑を....」
「ストップや」晴子は郁子の話を遮った。
「ウチはあの件については迷惑なんて思っとらんで
  それより長い話になるんやが聞いて欲しい事がある
   観鈴、あんたも往人はんの後ろに隠れてないでこっちきぃや」
観鈴がおずおずと往人の背後からこちらを覗く
そしてゆっくりと姉妹の前に歩み寄ってきた。
「観鈴........観鈴なの?」
郁子は我が目を疑った。
二度と会えないと思っていた我が娘の姿を前に
郁子は更に大粒の涙を流し始めた。