第二回 葉鍵板最萌トーナメント 決勝戦 Round89!!

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111観鈴支援小説<1/2>
『忘れる事のない日々を』

耳を澄ますと、とても穏やかで優しい波の音が私の耳を通り抜けていく。
空気を感じると、暖かな風の感触が私の体を包んでいく。
真っ直ぐに私を指す太陽、鼻に届く潮の香り。
私は今、海に来ている。

あれだけ焦がれていた海。
大好きな人達と、ずっと来てみたかった海。
そんな場所に、今私は立っていて――

『観鈴〜、あんまりはしゃぐなや〜!あんたすぐにこけてまうから』
『せいぜい砂まみれになるなよ〜』

お母さんに、往人さん。
私の大好きな二人の声が聞こえる。
振り返ってみると、少し遠くから二人が笑いながら手を振っていた。
私はそれがなんだか嬉しくて二人の元へと駆け出したのだった。

「お母さ〜ん!往人さっ…わっわわわっ」

ドサッ
お母さんの忠告にも関わらず、私はいきなり砂の中へと顔をうずめる事になってしまった。
もむ、やだなあ。
私はいつだってこんな風にどんくさい。

でも、そのお陰で少し嬉しい事がある。
112名無しさんだよもん:2006/09/23(土) 00:26:12 ID:kZQABf590
[[LK223-otmA0WGe-LJ]]
Keyのゲームで最も萌えた<<神尾観鈴>>に一票。
ToHeart2は残念ながら未プレイ。

しかし去年始まったトーナメントも今日で終わりと思うと感慨深いな。
113観鈴支援小説<2/2>:2006/09/23(土) 00:26:15 ID:pNGwlwLA0
『観鈴っ?!』

私の体を起こす手。
往人さんが私の顔についた砂を払う。

『全く、お前って奴は・・・』
「にはは・・・がぉ」

ポカリッ

容赦なく往人さんの手が私の頭を殴る。
痛くて頭を押さえる私を見て、お母さんが可笑しそうに笑っていた。
もう、二人して・・・

でも、私はそれが嬉しい。
だって、こうして私がドジを踏んでも、二人が笑ってくれる、
私の大切な人達が、幸せそうにしてくれる。
その幸せこそが、私の最大の幸せ・・・

三人で過ごす日々は、私にとってかけがえのない宝物だった。
いつまでも忘れる事のない、大切なもの。
この思い出さえあれば、私はこれから先、どんな辛い事があっても、乗り越える事が出来る。
絶対に、絶対に。

波の音がする。
潮風が私達三人の間をすり抜けていく。
これはとても幸せな記憶。

どうか、この空の何処かで悲しんでいるもう一人の私が。
この記憶を見て、少しでも幸せになってくれるように―――

END