第二回 葉鍵板最萌トーナメント 準決勝 Round87!!

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313通院従事放課 ◆AOIg5oYIEM
さそいがあったのは放課後のこと。佐祐理さん家(豪邸)へお邪魔とあって痛しか
ゆしの心境なれど、男・祐一断るわけにはいかぬ。晴れて佐祐理さんの彼氏とな
りてはや数月、いまだ足を踏み入れざる領域へ突入する貴重な機会なのだ。そう
さ冬のあの出来事から俺達は変わり始めたんだ。舞の応援を背に、俺は佐祐理さ
んの家へ向かっていた。……どこからともなく、歌が聞こえる。商店街を抜けてもな
お歌は響いている。あれは何て曲だっけ…聞き覚えあるメロディーが、過去への回
帰よりも、未来への勇気を与えてくれたような気がした。二人互いに失った過去をと
りもどそうと悩んだ日もあったけど、本当に必要だったのはすぐ目の前にある、小さ
なうつくしい一輪の花だったんだ。俺はそれを、守っていくと決めた。見ているがいい
さ一弥、佐祐理さんの本当の笑顔を。呼び鈴に応え扉が開く。音楽が流れ出す。長
い度重なる苦難を越え、繰り返し重なり合い、新しく広がりゆく――未来へのカノンが。