第二回 葉鍵板最萌トーナメント 準決勝 Round87!!
そんな俺の思惑など関係なく、佐祐理さんは俺に耳打ちした。
「それと、他の女の子とお風呂に入ったのは事実ですからね。
今から昔の女の残り香を、祐一さんの身体から洗い出してあげます。
佐祐理の肉体をブラシ代わりにして、佐祐理の液体をボディソープ代わりにして。
さ、佐祐理の家のお風呂に今から行きましょう。引越しの準備は明日でいいです。
明日は佐祐理もお手伝いしますね」
勝手に話がまとめられていく。しかも、かなり発言が過激だ。
彼女の独占欲に火を付けてしまったらしい。
何をこそこそ話しているんだろう、と疑問顔だった名雪と真琴も、
俺の赤く染まった顔を見て話の内容を察したのか、顔を逸らしてしまった。
「それでは水瀬さん、沢渡さん、失礼しますね。それと祐一さんは
お借りしてよろしいですか?」
俺の手を取りながら、話を進める。そういや買い物の途中だった。
名雪一人に任せるわけにもいかないよなぁ。
「いいですよ。それじゃ真琴、お買い物手伝ってくれる?」
「あ、うん、いいよ」
修羅場に巻き込まれるのが嫌だったのか、それとも名雪との交友を深めたかったのか、
真琴はあっさりと名雪の協力要請を受け入れた。
「では、いきましょう、祐一さん」
佐祐理さんは俺の手を取って歩き出す。
「ごめんなさい、我がまま言ってしまって。ですが、祐一さんが他の女性と
一緒に暮らしているのは少し耐えられそうになかったので」
歩きながら、少し申し訳無さそうに言い出す。