第二回 葉鍵板最萌トーナメント 準決勝 Round87!!
わたしはその場に崩れ落ちた。立っていられる力が無かった。
目から涙の雫がボロボロと零れ落ちる・・・。
「舞は・・・やっぱり舞は全てを知ってたんだな」
「えぇ。これも舞の力なのでしょうか?」
「それはわからない。ただ、舞は今の俺たちをとても心配してくれてるんだな・・・」
それ以上祐一さんは何も言わなかった。わたしも何も言えなかった。
しばらくの間、静寂…それでも優しい空気が辺りを包んでいた。
一弥・・・舞・・・わたしは、いいのかな・・・?
もう佐祐理は幸せになってもいいのかな・・・?
わたしは祐一さんと一緒にいたい。
一弥に愛情をあげられなかった佐祐理だけど、
舞から大切な人を奪っちゃうかもしれないけど、
和也くんの気持ちに応えてあげられないけど、
それでもわたしは祐一さんと一緒にいたい。
祐一さんがいてくれるなら、わたしは佐祐理でいられる。
だから・・・もう、いいかな・・・。
そっと頬に指が触れる。祐一さんの優しい指が。
涙の通った跡を、愛撫するように優しく撫でて消していく。
後ろから柔らかく抱きしめられ、全てを預けてしまいそうになる。
「佐祐理さん、俺は一弥の代わりにはなれない。一弥の知ってる本当の佐祐理さんも知らない。
でも、俺は今の佐祐理さんが誰よりも好きだ。この気持ちはもう変らない。ずっと一緒にいよう・・・」
一度乾いた瞳の奥がまた熱くなる。いつからわたしはこんなにも泣き虫になったのだろうか?
・・・一弥、舞、和也くん、ごめんね。わたしはやっぱりこの人がいてくれないとダメなんだ。
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