第二回 葉鍵板最萌トーナメント 準決勝 Round83!!

このエントリーをはてなブックマークに追加
96名無しさんだよもん
[[LK219-0U/LgNQe-AD]]
「下手人の<<観鈴>>が来たわ!ものども、出会いなさいっ!」
 榊さんの合図で兵士さんがわたしを取り囲む。
 ……そうだよね、今更わたしの無罪を証明できない、もとの生活に戻れない。
 にはは…わたしって馬鹿であほちんでお人よしだったね。
 信じる度に裏切られて、絶望して。
 みんなみんな大っ嫌い。
 そして――わたしの頭の中で何かがはじけた。
「下手人め! 覚悟ぉーーーー!」
 兵士さんの一人が切りかかってくる。
 ああ……この人も家族がいるはず。
 家に帰ったら奥さんとかわいい子どもが温かく出迎えてくれるんだよね。
 ザシュ。
「へ?」  間抜けな声を上げた兵士さんの上半身が地面に転がる。
「なっ――!?」  榊さんが驚いている。何を驚いているんだろう?
「……わたし、ようやくわかったんだ。みんなのおかげで」
「よくも仲間を……!」  ドスッ 
「信じれば裏切られる」  グシャッ
「油断すれば殺される」  ザシュッ
「殺られる前に殺れ」  グシュッ
「是こそが事実にして唯一の真実」
 わたしは前に立ちふさがる兵士を一人残さず斬り捨てながら榊さんに歩み寄る。
「ひっ……」
 地面にへたりこんだ榊さんの股間が濡れていく。
 なんだ……あなたもお漏らししてるじゃないか。
「榊さんもこんな商売やってるんだからわかるよね?」
「な、何よっ…何なのよぅ……」
 まだわからないの? わたしは刀を振りかぶる。
「所詮この世は弱肉強食、強ければ生き弱ければ死ぬ――そういうこと」