第二回 葉鍵板最萌トーナメント 準々決勝 Round82!!
かつては母親がゴールだった。だけど今の彼女のゴールは人ではない。
ただ一人しか辿り着けない境地を目指していたから。
往人「観鈴、お前強くなったよな」
観鈴「にはは、そんな事ないよ。強いのは私を応援してくれてるみんな」
往人「その思いに応える事ができるのが、お前の強さだ。普通の人間なら、
重さに耐えかねてる」
観鈴「それは違うよ、往人さん。皆の思いは、重いものじゃないよ。
逆に私を軽くしてくれてる。羽が生えたみたいに」
往人「そうか。ああ、そういや観鈴、お前に渡す物がある。あっと、これな」
観鈴「それは、往人さんが大事にしてる人形じゃ…」
往人「一緒にステージに立つ事はできないから、お守り代わりに持ってけ」
観鈴「ありがとう、往人さん。じゃあ、そろそろ行ってくるね」
往人「ああ、頑張れよ。結果がどうあれ、笑顔でいようぜ。お前の取り得は元気と
向日葵みたいな笑顔だけだからな」
観鈴「往人さん何気に酷いこと言ってる…。でも、向日葵というのは合ってるよ」
往人「お前な、自分で言うなよ」
観鈴「にはは、また後でね」
往人「ああ。ってもう行ったか。しっかし、本当に俺はヘタレだな。人形を渡すとは」
青年はそういって、ポケットに手を突っ込む。本当に渡したかった物、指輪がそこにはあった。
往人「ま、全てが終わってから渡すか。受け取ってくれるかわかんねーけどな」
間違いなく受け取るだろう。自身を向日葵と認めた観鈴だから。
向日葵の花言葉は「私の目はあなただけを見つめる」。
観鈴「私、皆の思いに応える為にも、優勝という境地を目指し続けるね。
その代わり、戦いが終わったら、観鈴ちん少しだけ我儘なお願いを往人さんにする」
独り言とともに、熱狂空間へ少女は足を踏み入れる。 神尾 観鈴 入場
仁科投票者、観鈴投票者、健闘を祈る